JP6121765B2 - Sample holder - Google Patents
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Description
本発明は、半導体集積回路の製造工程または液晶表示装置の製造工程等において用いられる、半導体ウエハ等の各試料を保持する際に用いられる試料保持具に関するものである。 The present invention relates to a sample holder used when holding each sample such as a semiconductor wafer, which is used in a manufacturing process of a semiconductor integrated circuit or a manufacturing process of a liquid crystal display device.
半導体集積回路の製造に用いられるシリコンウエハを始めとする半導体ウエハまたは液晶表示装置の製造に用いられるガラス基板等の板状の試料は、それらの製造工程において製造装置または検査装置の支持台の上に保持されて、加工処理または検査等が行なわれる。製造工程では、複数の製造装置および検査装置を使用することが一般的であり、シリコンウエハ等の試料を支持台に保持するための手段は、製造工程中の製造装置および検査装置の種類ならびに次の装置にまで搬送するための搬送装置の種類に応じて様々な形態のものが提案されている。 Semiconductor wafers such as silicon wafers used in the manufacture of semiconductor integrated circuits and plate-like samples such as glass substrates used in the manufacture of liquid crystal display devices are placed on the support bases of the manufacturing equipment or inspection equipment in those manufacturing processes. Is held, and processing or inspection is performed. In a manufacturing process, it is common to use a plurality of manufacturing apparatuses and inspection apparatuses, and means for holding a sample such as a silicon wafer on a support base are the types of manufacturing apparatuses and inspection apparatuses in the manufacturing process and the following: Various types of devices have been proposed according to the type of the conveying device for conveying to the first device.
半導体集積回路を例にとると、半導体集積回路の微細化および高密度化の要求は、近年さらに高まっている。これに伴って、試料保持具は、試料を保持する面における均熱性がさらに求められている。 Taking a semiconductor integrated circuit as an example, demands for miniaturization and higher density of the semiconductor integrated circuit have been further increased in recent years. Along with this, the sample holder is further required to have thermal uniformity on the surface holding the sample.
特許文献1には、複数のセラミック層からなる静電チャックが開示されており、この静電チャックには、中間のセラミック層に冷媒を流すための流路が形成されている。これによって、各部における加熱と冷却とのバランスを調整することで、静電チャックの表面における均熱性を高めることができるというものである。
しかしながら、特許文献1に記載された静電チャックのように、基体がセラミック層の積層体で構成される場合には、流路に冷媒等の熱媒体を流したときに、熱媒体との接触によってセラミック層が劣化することがあり、流路の内表面が熱媒体によって磨耗する場合があった。そして、この磨耗によって生じた粉末が流路の内部に堆積することによって、部分的に熱媒体と基体との間の熱伝導が低下する場合があった。その結果、静電チャックの表面において均熱性が低下してしまう場合があった。
However, as in the electrostatic chuck described in
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、静電チャックの表面の均熱性を向上させることにある。 This invention is made | formed in view of such a situation, The objective is to improve the thermal uniformity of the surface of an electrostatic chuck.
本発明の一態様の試料保持具は、セラミックスからなり外表面に試料保持面を有するとともに内部に熱媒体の流路を有する試料保持具であって、前記熱媒体の進行方向に直交する断面で見たときに、前記流路は、内表面に互いに対向する凸部および凹部を有しており、
前記試料保持面側から透視したときに、前記流路が弧状に形成されている部位を有しており、前記流路が弧状に形成されている部位において、外側の前記内表面に前記凸部を有するとともに内側の前記内表面に前記凹部を有することを特徴とする。
A sample holder according to one aspect of the present invention is a sample holder made of ceramics, having a sample holding surface on the outer surface and having a heat medium flow path therein, and having a cross section perpendicular to the traveling direction of the heat medium. when viewed, the channel is to have the protrusions and recesses facing each other on the inner surface,
When viewed from the sample holding surface side, the flow path has a portion formed in an arc shape, and the convex portion is formed on the outer inner surface in the portion where the flow path is formed in an arc shape. And having the concave portion on the inner inner surface .
本発明の一態様の試料保持具によれば、流路が、内表面に互いに対向する凸部および凹
部を有していることによって、凸部および凹部において熱媒体の渦をそれぞれ発生させることができる。さらに、凸部および凹部が対向するように位置していることによって、これらの熱媒体の渦を重ね合わせることができ、大きな渦を起こすことができる。そのため、熱媒体の流れを乱流にすることができることから、上述したように摩耗によって生じる粉末が流路の内部に堆積することを抑制できる。これにより、熱媒体と試料保持具との間の熱伝導が低下することを抑制できる。その結果、試料保持面において均熱性が低下することを抑制できる。
According to the sample holder of one aspect of the present invention, since the flow path has the convex portion and the concave portion facing each other on the inner surface, the vortex of the heat medium can be generated in the convex portion and the concave portion, respectively. it can. Furthermore, since the convex portion and the concave portion are positioned so as to face each other, the vortices of these heat media can be overlapped, and a large vortex can be generated. Therefore, since the flow of the heat medium can be made turbulent, it is possible to suppress the powder generated by wear from being accumulated inside the flow path as described above. Thereby, it can suppress that the heat conduction between a heat carrier and a sample holder falls. As a result, it is possible to suppress a decrease in heat uniformity on the sample holding surface.
図1は、本発明の実施形態の一例である試料保持具1の外観を示す図である。図1(a)は、試料保持具1の斜視図であり、図1(b)は、試料保持具1の平面図である。
FIG. 1 is a view showing an appearance of a
試料保持具1は、外表面(ここでは上面)に試料保持面10aを有するとともに内部に流路11を有する基体10と、基体10の内部に設けられた電極層20とを有する。試料保持具1は、基体10に設けられた電極層20に電圧を印加することによって、例えば、シリコンウエハ等の試料を静電気力によって基体10の試料保持面10aに保持するようにして用いられる。
The
本実施形態では、基体10は、セラミック層が複数積層された積層体からなる。基体10の内部には、熱媒体を流すための流路11が設けられている。この試料保持具1は、流路11に熱媒体を流すことにより、試料保持面10aに保持した試料を加熱、冷却または保温することができる。流路11に流す熱媒体としては、基体10の流路11から試料保持面10aとなる一方主面までのセラミック層と電極層20とを介して、保持した試料と熱交換可能な物質であれば、どのような熱媒体を用いてもよい。そのような熱媒体としては、各種の流体、例えば温水、冷水またはスチーム等の水系媒体、エチレングリコール等の有機系媒体、あるいは空気を含む気体等を用いることができる。
In the present embodiment, the
流路11は、図1(a)に示すように、基体10の端面に、外部空間に開口する開口部11aを有している。また、図1(a)には図示していないが、開口部11aの反対側の端面にも外部空間に通じる開口部を有している。流路11内を流れる熱媒体は、例えば、供給口となる開口部11aから流路11へと流入し、開口部11aの反対側の開口部から排出される。試料保持具1を半導体の製造装置または検査装置等に用いる場合は、熱媒体を供給するための供給装置から延びる供給管を開口部11aに接続し、供給装置から所定の流量および流速で流路11内に熱媒体を供給する。開口部11aと反対側の排出口には排管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から排出する。または、排出口に戻り管を接続し、流路11を流れて試料と熱交換を行なった熱媒体を流路11から排出するとともに、供給装置に戻して熱媒体を循環させるようにしてもよい。
As shown in FIG. 1A, the
図2は、基体10の内部における流路11の配置を平面的に示す模式図である。流路11を流れる熱媒体が試料保持面10aに保持される試料と効率よく熱交換するためには、流路11が試料保持面10aに対応して広範囲に形成されていることが好ましい。また、試料保持面10aの全体にわたる均熱性の観点からも、流路11は広範囲に形成されていることが重要である。そこで、本実施形態の試料保持具1においては、図2に示すように、開口部11aから開口部11aの反対側に位置する開口部11bまでの流路11が試料保持面10aの全体に行き渡るように蛇行形状となっている。このように流路11を配置しておいて、流路11の幅を大きくしたり、流路11を蛇行させるときの湾曲部の曲率半径を小さくしたりすることで、保持される試料との熱交換をより効率的に行なうことができる。なお、蛇行させた場合の直線部分と直線部分との間の折返し部分の距離を短くし過ぎると、流路11の側壁となる部分が細くなり、機械的強度が低下するので、強度を考慮しつつ流路11を形成することが好ましい。
FIG. 2 is a schematic diagram illustrating the arrangement of the
図2に示す例では、流路11を蛇行形状としているが、流路の配置形状はこれに限られない。例えば、流路11は渦巻き状であってもよく、また、複数の同心円とこの円同士を繋ぐ径方向に延びる直線とを組み合せた形状等であってもよい。
In the example illustrated in FIG. 2, the
流路11を基体10の主面に垂直な断面で見たときの形状は、四角形状または円形状等にすることができる。特に、製造のしやすさからは四角形状が好ましい。
The shape of the
基体10は、例えば、炭化珪素、窒化珪素、窒化アルミニウムまたは酸化アルミニウム等を主成分とするセラミックス(セラミック焼結体)からなる。これらの中でも特に、窒化アルミニウム質焼結体からなることが好ましい。
The
窒化アルミニウム質焼結体は、室温における熱伝導率を150W/(m・K)以上にすることができ、他のセラミック材料に比べて熱伝導率が高い。そのため、保持した試料に局所的に熱が加わった場合でも試料の熱を基体10によって伝導させて放熱させることができるので、熱膨張に伴う試料の歪みが生じにくい。これによって、半導体製造工程のうち、例えば露光工程において、発熱による試料の歪みに起因する露光精度の劣化を低減することができる。
The aluminum nitride sintered body can have a thermal conductivity at room temperature of 150 W / (m · K) or higher, and has a higher thermal conductivity than other ceramic materials. For this reason, even when heat is locally applied to the held sample, the heat of the sample can be conducted by the
なお、室温における熱伝導率とは、測定雰囲気温度を22℃から24℃の室温の範囲内として測定した熱伝導率の値であり、この温度範囲内のうちいずれかの設定温度で測定した熱伝導率が150W/(m・K)以上であることを示す。さらに、窒化アルミニウム質焼結体は、室温を超える環境においても、熱伝導率を高い値で保持することができる。具体的には、例えば600℃以上での雰囲気温度における熱伝導率を、60W/(m・K)以上にすることができる。 The thermal conductivity at room temperature is a value of thermal conductivity measured at a measurement atmosphere temperature within a room temperature range of 22 ° C. to 24 ° C., and heat measured at any set temperature within this temperature range. The conductivity is 150 W / (m · K) or more. Furthermore, the aluminum nitride sintered body can maintain a high thermal conductivity even in an environment exceeding room temperature. Specifically, for example, the thermal conductivity at an ambient temperature of 600 ° C. or higher can be 60 W / (m · K) or higher.
この窒化アルミニウム質焼結体は、平均結晶粒径が3〜10μmの範囲内であることが好ましい。平均結晶粒径が3μm以上であると、窒化アルミニウム質焼結体中の結晶粒子が比較的十分に充填され、焼結体の機械的特性が比較的良好にされる。また、平均結晶粒径が10μm以下のサイズの結晶とすることで、結晶間に存在するボイド(空孔)の残留を少なくすることができる。したがって、平均結晶粒径は3〜10μmの範囲が好ましい。より好ましい平均結晶粒径の範囲は3〜7μmである。 The aluminum nitride sintered body preferably has an average crystal grain size in the range of 3 to 10 μm. When the average crystal grain size is 3 μm or more, the crystal grains in the aluminum nitride sintered body are relatively sufficiently filled, and the mechanical properties of the sintered body are made relatively good. In addition, by making crystals having an average crystal grain size of 10 μm or less, it is possible to reduce the residual voids (voids) existing between the crystals. Therefore, the average crystal grain size is preferably in the range of 3 to 10 μm. A more preferable range of the average crystal grain size is 3 to 7 μm.
図1に戻って、電極層20は、基体10の内部に設けられ、1つもしくは2つの分離された電極21と電極22とから構成される。電極層20は、静電吸着のために設けられている。電極21および電極22は、一方が電源の正極に接続され、他方が負極に接続される。一例として、正極に接続される側の電極を電極21(以下では「正電極21」という
)とし、負極に接続される側の電極を電極22(以下では「負電極22」という)とする。また、電極層20は、電極21が負極に接続され、電極22が正極に接続されていてもよい。
Returning to FIG. 1, the
正電極21および負電極22は、それぞれ略半円板状に形成され、半円の弦同士が対向するように基体10の内部に配置される。正電極21および負電極22の2つの電極が合わさって、電極層20全体の外形が略円形状となっている。この電極層20全体の外形である略円形の中心は、基体10の外形である円形の中心と同一に設定される。
The
正電極21および負電極22には、それぞれ外部電源と電気的に接続するための接続端子21aおよび接続端子22aが設けられる。本実施形態では、正電極21および負電極22のいずれも、円弧と弦とが交差する部分に弦に沿って延びるように接続端子21aおよび接続端子22aが設けられている。正電極21に設けられた接続端子21aと、負電極22に設けられた接続端子22aとは、正電極21の半円の弦および負電極22の半円の弦同士の間隔と同じ間隔を空けて隣り合うように設けられるとともに、これらの半円の弦の延長線に沿って基体10の外周面にまで延びている。また、接続端子21aおよび接続端子22aは、基体10の端面にその一部が露出するように設けられる。正電極21および負電極22は、この接続端子21aおよび接続端子22aが露出した部分を介して外部電源と接続される。
The
電極層20は、例えばタングステンまたはモリブデン等の導電性材料からなり、これら導電性材料を含むペーストのスクリーン印刷等によって、基体10のセラミック層の層間に位置するように形成される。本実施形態の電極層20の厚みは、例えば1〜100μm程度である。
The
図3は、図2に示す切断面線A−A’における試料保持具1の断面図である。図4は、図3に示す断面図における1つの流路11の断面を拡大した部分拡大断面図である。基体10は、4つのセラミック層12,13,14,15を積層した積層体からなり、内部に電極層20が設けられている。なお、ここでいうセラミック層12,13,14,15は、必ずしも1枚のグリーンシートからなる必要はない。具体的には、セラミック層12,13,14,15がそれぞれ複数のグリーンシートの積層体であってもよい。本実施形態では、電極層20は流路11よりも試料を保持する一方主面(試料保持面10a)側に設けられる。
FIG. 3 is a cross-sectional view of the
以下では、最外層のセラミック層15を最外層15、最外層15との間に電極層20が設けられるセラミック層12を上層12、上層12とはセラミック層13を挟んで反対側に設けられるセラミック層14を下層14、上層12と下層14とに挟持されるセラミック層13を中間層13という。これら各層の名称は説明をわかり易くするために便宜上付したものであって、必ずしも上層12が鉛直方向上側に位置するものではなく、下層14が鉛直方向下側に位置するものではない。また、図2に示したように、熱媒体は供給口となる開口11aから排出口となる開口11bまで流れるので、図3および図4において、熱媒体の流れ方向は紙面に垂直な方向となる。
In the following, the outermost
ここで、図4に示すように、流路11は、熱媒体の進行方向に直交する断面で見たときに、内表面に互いに対向する凸部30および凹部31を有している。流路11が、内表面に互いに対向する凸30部および凹部31を有していることによって、凸部30および凹部31において熱媒体の渦をそれぞれ発生させることができる。さらに、凸部30および凹部31が対向するように位置していることによって、これらの熱媒体の渦を重ね合わせることができ、大きな渦を起こすことができる。そのため、熱媒体の流れを乱流にすることができることから、基体10の摩耗によって生じる粉末が流路11の内部に堆積するこ
とを抑制できる。これにより、熱媒体と試料保持具1との間の熱伝導が低下することを抑制できる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
Here, as shown in FIG. 4, the
さらに、図5に示すように、凸部30および凹部31が熱媒体の進行方向に沿って長いことが好ましい。ここでいう「長い」とは、少なくとも凸部30および凹部31のそれぞれの厚みおよび幅よりも熱媒体の進行方向における長さの値が大きいことを意味している。これにより、凸部30と凹部31との間で連続的に熱媒体の乱流を生じさせることができる。これにより、熱媒体と試料保持具1との間の熱伝導を良好に行なうことができる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
Furthermore, as shown in FIG. 5, it is preferable that the
さらに、図6に示すように、熱媒体の進行方向に平行な断面で見たときに、凸部30の先端(上流側の端部)が曲線状であることが好ましい。これにより、凸部30の先端が熱媒体によって削り取られてしまい、セラミックスの粉末が流路11の内部に堆積することを抑制できる。そのため、熱媒体と試料保持具1との間の熱伝導が低下することを抑制できる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
Furthermore, as shown in FIG. 6, it is preferable that the tip (upstream end) of the
さらに、図7に示すように、上面側(試料保持面10a側)から透視したときに、流路11が弧状に形成されている部位を有しており、この弧状に形成されている部位において、外側の内表面に凸部30を有するとともに内側の内表面に凹部31を有することが好ましい。弧状に形成されている部位の外側は熱媒体の流速が速くなる傾向にあるが、この部位に凸部30を設けることによって、流速をさらに速めることができる。また、弧状に形成されている部位の内側は熱媒体の流速が遅くなる傾向にあるが、この部位に凹部31を設けることによって、流速をさらに遅くすることができる。これらの結果、弧状に形成されている部位において、流速が早い部分と遅い部分とが生じることになることから、大きな渦の流れを生じさせることができる。
Further, as shown in FIG. 7, when viewed from the upper surface side (
また、図8に示すように、熱媒体の進行方向に平行な断面で見たときに、流路11の内表面に対する凸部30の角度を45°以上90°未満にしてもよい。これにより、凸部30が熱媒体の流れを大きく阻害することになるために、熱媒体の流れを乱流にすることができる。このため、基体10の摩耗によって生じる粉末が流路11の内部に堆積することを抑制できる。これにより、熱媒体と試料保持具1との間の熱伝導が低下することを抑制できる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
Further, as shown in FIG. 8, when viewed in a cross section parallel to the traveling direction of the heat medium, the angle of the
また、図9に示すように、熱媒体の進行方向に平行な断面で見たときに、流路11の内表面に対する凸部30の角度を90°以上135℃未満にしてもよい。このように、凸部30を緩やかな傾斜にすることによって、凸部30が熱媒体によって削り取られてしまい、セラミックスの粉末が流路11の内部に堆積することを抑制できる。そのため、熱媒体と試料保持具1との間の熱伝導が低下することを抑制できる。その結果、試料保持面10aにおいて均熱性が低下することを抑制できる。
Moreover, as shown in FIG. 9, when viewed in a cross section parallel to the traveling direction of the heat medium, the angle of the
また、試料保持具1は、さらに発熱抵抗体(図示せず)を有していてもよい。発熱抵抗体は、凸部30および凹部31の近傍に設けることが好ましい。これにより、発熱抵抗体と熱媒体との間の熱伝導を良好に行なうことができる。その結果、発熱抵抗体の温度を調整しやすくすることができる。その結果、試料保持面10aを所望の温度に調整しやすくすることができる。このとき、発熱抵抗体は、試料保持面10aと流路11との間に位置していることが好ましい。これにより、発熱抵抗体から試料保持面10aに良好に熱を伝えるとともに、流路11によって発熱抵抗体の温度を容易に調整できる。
The
基体10を構成するセラミックスは、流路11に流れる熱媒体に対して安定なセラミックスであることが好ましい。これにより、熱媒体との化学反応による腐食を抑制すること
ができる。その結果、腐食粉の堆積による試料保持面10aの均熱性の劣化を低減することができる。
The ceramic constituting the
ここで、流路11の内表面における凸部30および凹部31を説明するために、基体10の製造方法について簡単に述べる。
Here, in order to explain the
本実施形態の試料保持具1の基体10は、前述のように複数のセラミック層が積層された積層体であり、所定の形状に予め成形した複数のグリーンシートを積層し、焼成して得られるものである。中間層13となるグリーンシートは、流路11に対応した形状に形成されている。具体的には、上下方向に貫通した貫通孔が設けられている。上層12となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた貫通孔に臨む面121と、下層14となるグリーンシートにおける中間層13に接する側の表面のうち、中間層13となるグリーンシートに設けられた貫通孔に臨む面141と、中間層13となるグリーンシートにおける貫通孔の内側面131とが、焼成後に流路11の内表面となる。ここで、内表面の大きさおよび形状は特に限定されず、流路11に流す熱媒体の量あるいは必要な冷却速度等によって決められる。
The
ここで、凸部30および凹部31を形成するためには、以下の方法を用いることができる。具体的には中間層13を複数のセラミック層で形成するとともに、このうち少なくとも1つのセラミック層に設ける貫通孔の位置または形状を中間層13となる他のセラミック層に設ける貫通孔の位置または形状と変えればよい。これにより、流路11の内表面に凸部30および凹部31を形成することができる。
Here, in order to form the
上記では、本発明の実施形態として電極層20を有する試料保持具1、いわゆる静電チャックについて説明したが、これに限られない。具体的には、電極層20を設けず、真空吸着による真空チャックにも本発明を適用することができる。真空チャックに適用する態様では、流路11以外に他の流路を基体10の内部に設けるとともに、基体10の一方主面に臨んで開口するとともに他の流路に繋がる吸着孔を複数設け、他の流路を真空ポンプに接続して他の流路を真空状態とすればよい。流路11は、試料保持具1,1Aの態様と同様に、試料保持面10aに真空吸着保持される試料を冷却または加熱するために、試料と熱交換する熱媒体を流すように構成される。
In the above description, the
<実施例>
本発明の実施例として、基体10が窒化アルミニウムからなる試料保持具1を作製した。主面の形状を直径300mmの円形状に設定して、厚みを12mmに設定した。試料保持具1の内部に、熱媒体を流すための流路11を形成した。流路11の寸法は、熱媒体の進行方向に対して垂直な断面で切ったときに、幅を4mmとして、高さを3.5mmとした。中間層13を構成するセラミック層のうち、1つのセラミック層に他のセラミック層と比較して流路11側に0.5mm程度飛び出した部位を備えさせることによって、流路11の内表面に凸部30を形成した。また、中間層13を構成するセラミック層のうち、1つのセラミック層に他のセラミック層と比較して流路11側から0.5mm程度引っ込んだ部位を備えさせることによって、流路11の内表面に凹部31を形成した。凸部30および凹部31の熱媒体の進行方向における長さは50mm程度とした。
<Example>
As an example of the present invention, a
また、本発明の比較例として、凸部30と凹部31とを備えておらず、他の構成が上述の本発明の実施例と同様である試料保持具を作製した。
In addition, as a comparative example of the present invention, a sample holder was prepared in which the
実施例においては、凸部30および凹部31の近傍において熱媒体の流速が速くなっていることが確認できた。流速の確認には、以下の方法を用いた。具体的には、横河電機社製の超音波流量計US300PMを用いて、流速を一定にして、流速試験を行なった。そ
の結果、凸部30および凹部31の近傍において、他の領域と比較して、流速が約1〜5%程度早くなっていることが確認できた。
In the Example, it has confirmed that the flow velocity of the heat medium became quick in the vicinity of the
さらに、試料保持面の均熱性を評価するために、以下の評価を行なった。具体的には、日本電気株式社製のサーモグラフィTH3100MR(装置名)を用いて、周囲の空気の対流および装置内の放熱または輻射熱の影響を受けないような環境で、熱分布測定の耐久試験を行なった。その結果、試料保持面10aにおける、耐久試験500時間の断続動作後の温度分布における最高温度と最低温度との温度差は、試験前における最高温度と最低温度との温度差と比較して、0.1度以下しか変化しなかった。
Furthermore, in order to evaluate the thermal uniformity of the sample holding surface, the following evaluation was performed. Specifically, using a thermography TH3100MR (device name) manufactured by NEC Corporation, an endurance test for heat distribution measurement was performed in an environment that was not affected by the convection of the surrounding air and heat radiation or radiant heat in the device. I did it. As a result, the temperature difference between the maximum temperature and the minimum temperature in the temperature distribution after the intermittent operation of the durability test for 500 hours on the
これに対して、比較例においても同様の試験を行なったところ、耐久試験後の温度分布における最高温度と最低温度との温度差が、試験前における最高温度と最低温度との温度差と比較して、0.1~0.2度の範囲で変化していた。 On the other hand, in the comparative example, when the same test was performed, the temperature difference between the maximum temperature and the minimum temperature in the temperature distribution after the endurance test was compared with the temperature difference between the maximum temperature and the minimum temperature before the test. In the range of 0.1 to 0.2 degrees.
これらの結果から、凸部30および凹部31を設けることによって、試料保持面の均熱性を向上できることが確認できた。
From these results, it was confirmed that the thermal uniformity of the sample holding surface can be improved by providing the
1,1A 試料保持具
10 基体
10a 試料保持面
11 流路
11a,11b 開口部
12 上層
13 中間層
14 下層
15 最上層
20 電極層
21 正電極
22 負電極
30 凸部
31 凹部
DESCRIPTION OF
Claims (7)
前記試料保持面側から透視したときに、前記流路が弧状に形成されている部位を有しており、前記流路が弧状に形成されている部位において、外側の前記内表面に前記凸部を有するとともに内側の前記内表面に前記凹部を有することを特徴とする試料保持具。 A sample holder made of ceramics and having a sample holding surface on the outer surface and a heat medium channel inside, when viewed in a cross section perpendicular to the traveling direction of the heat medium, and have a protrusion and recesses facing each other on the surface,
When viewed from the sample holding surface side, the flow path has a portion formed in an arc shape, and the convex portion is formed on the outer inner surface in the portion where the flow path is formed in an arc shape. And a sample holder having the concave portion on the inner inner surface .
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