(位置管理システムの説明)
まず、図1乃至図25を用いて、ユーザが所持する通信端末や、ユーザがビデオ会議に参加するために使用する伝送端末の位置情報を管理するための、位置管理システムについて説明する。
図1を用いて、本実施形態の概略を説明する。なお、図1は、本発明の実施形態に係る位置管理システム全体の概略図である。
図1に示されているように、本実施形態の位置管理システム1は、屋内αの天井β側の複数の配信装置(3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h)と、屋内αの床側の複数の通信端末(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h)と、位置情報管理システム9とによって構築されている。
また、各配信装置(3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h)は、それぞれが設置される位置(それぞれが設置された後は「設置された位置」を意味する)を示す位置情報(Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、Xh)を記憶しており、屋内αの床に向けて各位置情報(Xa、Xb、Xc、Xd、Xe、Xf、Xg、Xh)を配信する。更に、各配信装置(3a、3b、3c、3d、3e、3f、3g、3h)は、それぞれを識別するための装置識別情報(Ba、Bb、Bc、Bd、Be、Bf、Bg、Bh)を記憶している。
なお、以下、複数の配信装置のうち任意の配信装置を「配信装置3」と示し、複数の通信端末のうち任意の通信端末を「通信端末5」と示す。また、複数の位置情報のうち任意の位置情報を「位置情報X」と示し、複数の装置識別情報のうち任意の装置識別情報を「装置識別情報B」と示す。装置識別情報Bとしては、MAC(Media Access Control)アドレスが挙げられる。
一方、各通信端末(5a、5b、5c、5d、5e、5f、5g、5h)は、それぞれを識別するための端末識別情報(Aa、Ab、Ac、Ad、Ae、Af、Ag、Ah)を記憶している。なお、複数の端末識別情報のうち任意の端末識別情報を「端末識別情報A」と示す。端末識別情報Aとしては、MACアドレスが挙げられる。各通信端末5は、配信装置3から位置情報Xを受信すると、自己の端末識別情報Aと共に位置情報Xを配信装置3に対して送信する。
また、各配信装置3は、それぞれ屋内αの天井βに設置された電気機器(2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2h)に内蔵されるか又はこれらの各外部に取り付けられている。なお、以下、複数の電気機器のうち任意の電気機器を「電気機器2」と示す。
各電気機器2は、各配信装置3に対して電力を供給する。このうち、電気機器2aは、蛍光灯型LED(Light Emitting Diode)照明器具である。電気機器2bは、換気扇である。電気機器2cは、無線LAN(Local Area Network)のアクセスポイントである。電気機器2dは、スピーカである。電気機器2eは、非常灯である。電気機器2fは、火災報知機又は煙報知器である。電気機器2gは、監視カメラである。電気機器2hは、エアコンである。
なお、各電気機器2は、各配信装置3に電力を供給することができれば、図1に示されている物以外であってもよい。例えば、上記電気機器2の例以外に、LEDではない一般の蛍光灯又は白熱灯の照明器具、外部からの人の侵入を検知する防犯センサ等が挙げられる。
一方、各通信端末5は、それぞれ位置情報管理システム9によって位置を管理される管理対象物(4a、4b、4c、4d、4e)の外部に取り付けられている。
このうち、管理対象物4aは、鞄である。管理対象物4bは、テーブルである。管理対象物4cは、プロジェクタである。管理対象物4dは、テレビ会議端末である。管理対象物4eは、コピー機能を含んだMFP(Multi Function Product)である。管理対象物4fは、ほうきである。
また、管理対象物4gはパソコンであり、パソコン内に通信端末5の機能が搭載されているため、この場合は通信端末5gでもある。更に、管理対象物4hはスマートフォン等の携帯電話機であり、携帯電話機内に通信端末5の機能が搭載されているため、この場合は通信端末5hでもある。なお、以下、複数の管理対象物のうち任意の管理対象物を「管理対象物4」と示す。
また、各管理対象物4は、図1に示されている物以外であってもよい。例えば、管理対象物4の他の例として、ファクシミリ装置、スキャナ、プリンタ、コピー機、電子黒板、空気清浄機、シュレッダ、自動販売機、腕時計、カメラ、ゲーム機、車椅子、及び内視鏡等の医療機器が挙げられる。
次に、位置管理システム1を利用した位置情報の管理方法の一例の概略を説明する。本実施形態では、例えば、屋内αの天井βに設置されている配信装置3aは、無線通信により、この配信装置3aが設置された位置を示す位置情報Xaを配信する。これにより、通信端末5aが位置情報Xaを受信する。次に、通信端末5aは、無線通信により、配信装置3aに、通信端末5aを識別するための端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。この場合、通信端末5aは、配信装置3aから受け取った位置情報Xaを、配信装置3aに送り返すことになる。
これにより、配信装置3aは、端末識別情報Aa及び位置情報Xaを受信する。次に、配信装置3aは、無線通信により、ゲートウェイ7に端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。そして、ゲートウェイ7は、LAN8eを介して位置情報管理システム9へ端末識別情報Aa及び位置情報Xaを送信する。位置情報管理システム9では、端末識別情報Aa及び位置情報Xaを管理することで、位置情報管理システム9の管理者は、通信端末5a(管理対象物4a)の屋内αにおける位置を把握することができる。
また、通信端末5のうち特に通信端末(5g、5h)は、図1に示されているように、屋外γでは、GPS(Global Positioning System)衛星999から無線信号(時刻情報、軌道情報等)を受信して、地球上の位置を算出することができる。そして、通信端末(5g、5h)は、3G(3rd Generation)、4G(4th generation)等の移動通信システムを利用して、基地局8a、移動体通信網8b、ゲートウェイ8c、インターネット8d、及びLAN8eを介して、位置情報管理システム9へ、通信端末(5g、5h)をそれぞれ識別するための端末識別情報(Ag、Ah)及び位置情報(Xg、Xh)を送信することもできる。
なお、基地局8a、移動体通信網8b、ゲートウェイ8c、インターネット8d、LAN8e、及びゲートウェイ7によって、通信ネットワーク8が構築されている。また、地球上の緯度と経度が測位されるためには、少なくとも3つのGPS衛星が必要であるが(高度を含めると4つ必要)、簡単に説明するため、図1では1つのGPS衛星を示している。
次に、図2を用い、電気機器2の一例として、蛍光灯型LED照明器具としての電気機器2aの外観の構成を説明する。なお、図2は、電気機器が蛍光灯型LED照明器具の場合の外観構成図である。
図2に示されているように、蛍光灯型LED照明器具としての電気機器2aは、直管型のランプであり、図1に示されている屋内αの天井βに取り付けられる装置本体120、及びこの装置本体120に取り付けられるLEDランプ130によって構成されている。
装置本体120の両端部には、それぞれソケット121a及びソケット121bが設けられている。このうち、ソケット121aは、LEDランプ130に給電する給電端子(124a1、124a2)を有する。また、ソケット121bも、LEDランプ130に給電する給電端子(124b1、124b2)を有する。これにより、装置本体120は、後述の電源1000からの電力をLEDランプ130に供給することができる。
一方、LEDランプ130は、透光性カバー131と、この透光性カバー131の両端部にそれぞれ設けられる口金(132a、132b)と、透光性カバー131の内部に配信装置3aを有する。このうち、透光性カバー131は、例えば、アクリル樹脂等の樹脂材料で形成され、内部の光源を覆う様に設けられる。
更に、口金132aには、ソケット121aの給電端子(124a1、124a2)にそれぞれ接続される端子ピン(152a1、152a2)が設けられている。また、口金132bには、ソケット121bの給電端子(124b1、124b2)にそれぞれ接続される端子ピン(152b1、152b2)が設けられている。そして、LEDランプ130が装置本体120に装着されることで、装置本体120から各給電端子(124a1、124a2、124b1、124b2)を介して、各端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)からの電力供給が可能となる。これにより、LEDランプ130は、透光性カバー131を介して外部に光を照射する。また、配信装置3aは、装置本体120から供給される電力で動作する。
続いて、図3を用い、管理対象物4の一例として、テーブルとしての管理対象物4bの上面に通信端末5bが置かれた状態を説明する。なお、図3は、管理対象物に通信端末を設置した状態を示すイメージ図である。
図3に示されているように、管理対象物4bの上面に、通信端末5bが取り付けられている。例えば、通信端末5bは、管理対象物4b上に両面テープによって取り付けることができるが、単に管理対象物4c上に置くだけでも良い。
続いて、図4及び図5を用い、電気機器がLED照明器具の場合のハードウェア構成について説明する。なお、図4は、電気機器がLED照明器具の場合の器具本体のハードウェア構成図である。図5は、電気機器がLED照明器具の場合の蛍光灯型LEDランプのハードウェア構成図である。
図4に示されているように、装置本体120は、主に、安定器122、リード線(123a、123b)、及び給電端子(124a1、124a2、124b1、124b2)によって構成されている。
このうち、安定器122は、外部の電源1000から供給される電流を制御する。安定器122と給電端子(124a1、124a2、124b1、124b2)は、リード線(123a、123b)によって電気的に接続されている。これにより、安定器122からリード線(123a、123b)を介して各給電端子(124a1、124a2、124b1、124b2)に安定した電力を供給することができる。
また、図5に示されているように、LEDランプ130は、主に、電源制御部140、リード線(151a、151b)、端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)、リード線153、リード線154、リード線155、及び配信装置3aによって構成されている。このうち、電源制御部140は、電源1000から出力される電流を制御し、主に、電流監視回路141及び平滑回路142によって構成されている。電流監視回路141は、電源1000から出力される電流を入力して整流する。平滑回路142は、電流監視回路141によって整流された電流を平滑し、リード線(151a、151b)を介して各端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)に電力を供給する。
また、電源制御部140と端子ピン(152a1、152a2、152b1、152b2)は、リード線(151a、151b)によって電気的に接続されている。電源制御部140と配信装置3aは、リード線154によって電気的に接続されている。なお、LED160は、紙面の面積の関係上、図5において1つだけ示しているが、実際には複数のLEDが取り付けられている。また、図5に示されている構成のうち、配信装置3a以外は、一般のLEDランプと同じ構成である。
次に、配信装置3aについて説明する。配信装置3aは、電圧変換器100、リード線155、制御部11、位置情報配信部12、無線通信部13によって構成されている。そして、電圧変換器100が、リード線155を介して、制御部11、位置情報配信部12、及び無線通信部13に電気的に接続されている。
このうち、電圧変換器100は、電源制御部140から供給された電力の電圧を、配信装置3aの駆動電圧に変換し、制御部11、位置情報配信部12、及び無線通信部13へ供給する電子部品である。
また、制御部11は、制御部11全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)101、基本入出力プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)102、CPU101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)103、位置情報配信部12及び無線通信部13とそれぞれ信号の送受信を行うI/F(108a、108b)、並びに、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン109を備えている。
また、位置情報配信部12は、位置情報配信部12全体の動作を制御するCPU201、基本入出力プログラム及び位置情報Xaを記憶したROM202、位置情報Xaを配信する通信回路204及びアンテナ204a、制御部11と信号の送受信を行うI/F208、並びに、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン209を備えている。
このうち、通信回路204は、屋内GPSと呼ばれる屋内測位技術の1つであるIMESを利用し、アンテナ204aによって位置情報Xaを配信する。なお、図1には、位置情報Xの到達可能な範囲(配信可能な範囲)が仮想的に破線によって表されている。本実施形態のIMESでは、屋内αの天井高が約3mの場合に、屋内αの床に表された位置情報Xの到達可能な仮想円の半径が約5mとなるように、送信出力が設定される。但し、この送信出力の設定を変更すれば、5mよりも小さくすることも可能であり、大きくすることも可能である。
また、位置情報Xaは、蛍光灯型LED照明器具である電気機器2aが設置された位置を示し、図6に示されているように、階数、緯度、経度、棟番号の項目を含む。なお、図6は、配信装置が配信する位置情報の概念図である。
このうち、階数は、電気機器2aが設置される建物の階数を表す。緯度及び経度は、電気機器2aが設置された位置の緯度及び経度を表す。棟番号は、電気機器2aが設置された建物の棟番号を表す。図6に示されている例では、電気機器2aは、ある建物のC棟の16階で、緯度が北緯35.459555度、経度が東経139.387110度の地点に設置されていることが示されている。なお、緯度は南緯により、経度は西経により表されてもよい。
また、図5に戻って、無線通信部13は、無線通信部13全体の動作を制御するCPU301、基本入出力プログラム及び装置識別情報Baを記憶したROM302、CPU301のワークエリアとして使用されるRAM303、位置情報Xaや端末識別情報Aaを受信してゲートウェイ7に送信する通信回路304及びアンテナ304a、制御部11と信号の送受信を行うI/F308、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン309を備えている。
また、無線通信部13は、920MHz帯を利用してデータの送受信を行う。920MHz帯は、電波到達性が高いため、配信装置3aとゲートウェイ7との間に建物の柱や壁が存在している場合であっても、配信装置3aからゲートウェイ7にデータを送信することができるという効果を奏する。
更に、通信回路304は、IEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち少なくとも物理層(レイヤ)の規格を利用し、アンテナ304aによってデータの送受信を行う。また、この場合には、配信装置3(無線通信部13)を識別するための装置識別情報Bとして、MACアドレスを用いることができる。
なお、IEEE802.15.4規格のアーキテクチャモデルのうち物理層とMAC層を採用したZigBee(登録商標)を利用してもよい。この場合、日本、米国、欧州等の利用領域に応じて、配信装置3は、800MHz帯、900MHz帯、又は2.4GHz帯を利用し、隣接する他の配信装置3を経由して、ゲートウェイ7にデータを送信することができる。このように他の配信装置3を経由してデータを送信するマルチホップ通信を利用すれば、各配信装置3の無線通信部13は、ルーティング処理に時間が掛かるが、最寄りの配信装置3にデータが到達する程度の電力で通信すればよいため、省電力で駆動することができるというメリットがある。
また、位置情報Xaは、配信装置3aの工場出荷前にメーカーによって記憶部29に記憶されてもよいし、配信装置3aの工場出荷後で天井βに電気機器2aが設置される際に設置者によって記憶されてもよい。更に、位置情報Xaは、位置情報管理システム9等の外部の装置から、ゲートウェイ7を介して無線通信により、無線通信部13の通信回路304が受信し、制御部11を介して位置情報配信部12のROM202に記憶されるようにしてもよい。
次に、図7を用い、通信端末5のハードウェア構成について説明する。なお、図7は、通信端末のハードウェア構成図である。
図7に示されているように、通信端末5は、制御部14及び無線通信部15によって構成されている。
このうち、制御部14は、制御部14全体の動作を制御するCPU401、基本入出力プログラムを記憶したROM402、CPU401のワークエリアとして使用されるRAM403、位置情報Xを受信する通信回路404及びアンテナ404a、加速度を検出する加速度センサ405、無線通信部15と信号の送受信を行うI/F408、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン409を備えている。また、制御部14は、ボタン電池406も設けられており、このボタン電池406によって駆動される。なお、本実施形態では、ボタン電池406を使う場合について説明するが、ボタン型に限らず、単3、単4等の乾電池や、通信端末5に専用の電池であってもよい。
通信回路404は、アンテナ404aによって、IMESを利用して配信された位置情報Xを受信する。また、制御部14は、コネクタ409aを介して無線通信部15に、ボタン電池406の電力を供給する。更に、制御部14は、I/F408からコネクタ409bを介して無線通信部15とデータ(信号)の送受信を行う。
また、加速度センサ405は、通信端末5の加速度の変化を検出する。加速度の変化は、例えば、通信端末5が移動を開始した時、通信端末5が移動を停止した時、又は通信端末5が傾いた時等に検出される。CPU401の処理が停止中の場合、加速度センサ405が加速度の変化を検出すると、CPU401へ処理を始動させるための信号を送信する。これにより、CPU401は、自己の処理を始動させると共に、通信回路404に対して処理を始動させるための信号を送信する。よって、位置情報Xが配信装置3から配信されている場合、通信端末5の通信回路404は、アンテナ404aを介して位置情報Xの受信を開始することができる。
一方、無線通信部15は、上記無線通信部13と基本的に同じ構成を有し、無線通信部13と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部13とデータの送受信を行うことができる。そして、無線通信部15は、図7に示されているように、無線通信部15全体の動作を制御するCPU501、基本入出力プログラム及び端末識別情報Aを記憶したROM502、CPU501のワークエリアとして使用されるRAM503、位置情報Xや端末識別情報Aを送信する通信回路504及びアンテナ504a、制御部14と信号の送受信を行うI/F508、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン509を備えている。なお、無線通信部15においても、ZigBeeを利用してもよい。
また、通信回路504は、CPU501からの命令により、コネクタ409bを介して、制御部14のRAM403に記憶されている位置情報Xを取得する。更に、通信回路504は、ROM502に記憶されている端末識別情報Aを読み出し、上記取得された位置情報Xと共に、アンテナ504aを介して配信装置3へ送信する。
また、通信回路504によって送信される位置情報Xのデータは、図8に示されているようなフォーマットによって構成されている。なお、図8は、位置情報のデータのフォーマットの概念図である。図8の例では、階数、緯度、経度、棟番号の各フィールドが、それぞれ9ビット、21ビット、21ビット、8ビットで表現され、各フィールドの表現形式はIMES規格に準ずる。実際には、このフォーマットに加えて、通信方式によって規定されるヘッダやチェックサム情報が付加され、図9に示されているように、送信先、送信元、及びデータ内容(位置情報X等)が含まれている。なお、図9は、位置情報を含んだデータのデータ構造を示す概念図である。
次に、図10を用い、管理対象物4h(通信端末5h)である携帯電話機のハードウェア構成について説明する。なお、図10は、管理対象物が携帯電話機の場合のハードウェア構成図である。
図10に示されているように、管理対象物4h(通信端末5h)は、通信端末5h全体の動作を制御するCPU601、基本入出力プログラムを記憶したROM(Read Only Memory)602、CPU601のワークエリアとして使用されるRAM603、CPU601の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行うEEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)604、CPU601の制御に従って被写体を撮像し画像データを得るCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ605、地磁気を検知する電子磁気コンパスやジャイロコンパスや加速度センサ等の各種加速度・方位センサ606、フラッシュメモリ等の記録メディア607に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ608を備えている。そして、メディアドライブ608の制御に従って、既に記録されていたデータが読み出され、又は新たにデータが書き込まれて記憶する記録メディア607が着脱自在な構成となっている。
なお、EEPROM604には、CPU601が実行するオペレーティングシステム(OS)、その他のプログラム、及び、種々データが記憶されている。また、CMOSセンサ605は、光を電荷に変換して被写体の画像を電子化する電荷結合素子であり、被写体を撮像することができれば、CMOSセンサに限らず、CCD(Charge Coupled Device)センサであってもよい。
更に、管理対象物4h(通信端末5h)は、音声を音声信号に変換する音声入力部611、音声信号を音声に変換する音声出力部612、アンテナ613a、このアンテナ613aを利用して無線通信信号により、最寄りの基地局8aと通信を行う通信部613、GPS衛星999からGPS信号を受信するGPS受信部614、被写体の画像や各種アイコン等を表示する液晶や有機ELなどのディスプレイ615、このディスプレイ615上に載せられ、感圧式又は静電式のパネルによって構成され、指やタッチペン等によるタッチによってディスプレイ615上におけるタッチ位置を検出するタッチパネル616、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン610を備えている。また、管理対象物4h(通信端末5h)は、専用の電池617も設けられており、この電池617によって駆動される。なお、音声入力部611は、音声を入力するマイクが含まれ、音声出力部612には、音声を出力するスピーカが含まれている。
また、この管理対象物4h(通信端末5h)のGPS受信部614は、一般の携帯電話機が有するGPS受信部と同じである。但し、ROM602に記憶されたプログラムにおけるファームウェアは微調整されており、屋内αの配信装置3及び屋外γのGPS衛星からシームレスにデータ受信を行うことができる。なお、加速度・方位センサ606は、図7における加速度センサ605の処理を含む働きをする。
なお、管理対象物4g(通信端末5g)であるパソコンのハードウェア構成に関しては、基本的に後述の図12に示されている位置情報管理システム9と同じであるため、その説明を省略する。但し、管理対象物4g(通信端末5g)であるパソコンの場合は、図12に示されているUSB(Universal Serial Bus)コネクタ等の外部機器I/F916に、GPSアンテナを接続する。パソコンによっては、GPSアンテナが搭載されているものがあり、この場合には、外部機器I/F916にGPSアンテナを接続する必要はない。
次に、図11を用い、ゲートウェイ7のハードウェア構成について説明する。なお、図11は、ゲートウェイのハードウェア構成図である。
図11に示されているように、ゲートウェイ7は、無線通信部17及び有線通信部18によって構成されている。
このうち、無線通信部17は、上記無線通信部13と基本的に同じ構成を有し、無線通信部13と同じ帯域を利用して、配信装置3の無線通信部13とデータの送受信を行うことができる。無線通信部17は、図11に示されているように、無線通信部17全体の動作を制御するCPU701、基本入出力プログラム及び装置識別情報Cを記憶したROM702、CPU701のワークエリアとして使用されるRAM703、位置情報X等を送信する通信回路704及びアンテナ704a、有線通信部18と信号の送受信を行うI/F708、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン709を備えている。また、無線通信部17は、I/F708からコネクタ709aを介して有線通信部18と信号の送受信を行う。
なお、無線通信部17においても、ZigBeeを利用してもよい。また、装置識別情報Cは、ゲートウェイ7(無線通信部17)を識別するための固有の情報である。装置識別情報Cとしては、例えば、MACアドレスが挙げられる。
一方、有線通信部18は、図11に示されているように、有線通信部18全体の動作を制御するCPU801、基本入出力プログラム及び装置識別情報Dを記憶したROM802、CPU801のワークエリアとして使用されるRAM803、イーサネットコントローラ805、無線通信部17と信号の送受信を行うI/F808a、ケーブル809を介しLAN8eに対しデータ(信号)の送受信を行うI/F808b、及び、上記各部を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン809を備えている。
ここで、CPU801及びイーサネットコントローラ805は、IEEE802.15.4に準拠した通信方式(通信プロトコル)を、IEEE802.3に準拠した通信方式(通信プロトコル)に変換して、配信装置3から送られて来た各種データ(情報)を、イーサネット(登録商標)のパケット通信ができるように制御する。
更に、装置識別情報Dは、ゲートウェイ7(有線通信部18)を識別するための固有の情報である。装置識別情報Dとしては、例えば、IP(Internet Protocol Address)アドレスが挙げられる。なお、ROM802には、MACアドレスも記憶されているが、位置情報管理システム9との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
次に、図12を用い、位置情報管理システム9のハードウェア構成について説明する。なお、図12は、位置情報管理システムのハードウェア構成図である。
位置情報管理システム9は、コンピュータによって構成されている。そして、位置情報管理システム9は、位置情報管理システム9全体の動作を制御するCPU901、IPL(Initial Program Loader)等のCPU901の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM902、CPU901のワークエリアとして使用されるRAM903、位置情報管理システム9用のプログラム等の各種データやシステム識別情報Eを記憶するHD904、CPU901の制御にしたがってHD904に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)905、フラッシュメモリ等の記録メディア906に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ907、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ908、通信ネットワーク8を利用してデータ通信するためのネットワークI/F909、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード911、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス912、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)913に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ914、無線通信を行う通信回路915及びアンテナ915a、外部機器を接続するための外部機器I/F916、並びに、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン910を備えている。
更に、システム識別情報Eは、位置情報管理システム9を識別するための固有の情報である。システム識別情報Eとしては、IPアドレスが挙げられる。なお、ROM902には、MACアドレスも記憶されているが、ゲートウェイ7との通信を簡単に説明するため、その説明を省略する。
また、HD904には、図13に示されているような管理情報F、及び図25に示されているような特定のフロア等のレイアウト情報Gが管理される。なお、図13は、位置情報管理システムが管理する管理情報の概念図である。
図13に示されているように、管理情報Fは、端末識別情報A、機器名、所有者名(管理者名)、位置情報X、及び受信日時の各種情報が関連付けられた情報である。
このうち、端末識別情報Aは、上述の如く通信端末5を識別するための情報である。機器名は、管理対象物4の名称又は通信端末5の名称である。所有者名(管理者名)は、通信端末5の所有者又は管理者の名称である。位置情報Xは、図6に示された情報である。受信日時は、位置情報管理システム9がゲートウェイ7から位置情報X等を受信した受信日時である。
また、端末識別情報A、機器名、及び所有者名(管理者名)は、予め位置情報管理システム9で関連付けて管理されている。位置情報管理システム9は、ゲートウェイ7から位置情報X及び端末識別情報Aを受信することによって、管理情報Fにおける同じ端末識別情報Aを含むレコード部分に、位置情報X及び受信日時を追加する。
更に、位置情報管理システム9は、既に位置情報X及び受信日時を管理している状態で、新たにゲートウェイ7から位置情報X及び端末識別情報Aを受信した場合には、既に管理している位置情報X及び受信日時に対して上書きを行う。
なお、位置情報管理システム9は、位置情報X及び受信日時の上書きを行わずに、新たなレコードを作成して追加書き込みを行ってもよい。
続いて、図14乃至図16を用いて、本実施形態の位置管理システム1の機能構成について説明する。なお、図14乃至図16を用いて機能構成を説明するに際し、図5、図7、図10、図11、及び図12に示されているハードウェア構成との関係についても簡単に説明する。
図14は、配信装置及び通信端末の機能ブロック図である。図14に示されているように、配信装置3は、機能又は手段として、変換部10、配信制御部20、無線通信制御部30を有している。このうち、変換部10は、図5に示されている電圧変換器100が動作することによって実現される機能又は手段である。
また、配信制御部20は、図5に示されている制御部11及び位置情報配信部12が動作することによって実現される機能又は手段である。更に、無線通信制御部30は、図5に示されている制御部11及び無線通信部13が動作することによって実現される機能又は手段である。
配信制御部20は、図5に示されているROM202によって構築される記憶部29を有している。この記憶部29には、上述の位置情報Xが記憶されている。更に、配信制御部20は、配信部21、通信部27、及び記憶・読出部28を有している。
このうち、配信部21は、主に、図5に示されているCPU201及び通信回路204の処理によって実現され、配信可能な範囲内に位置情報Xを配信する。
通信部27は、主に、図5に示されているCPU(101、201)の処理、並びに、I/F(108a、208)及びバス(109、209)によって実現され、無線通信制御部30とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部28は、CPU(101、201)の処理によって実現され、記憶部29に各種データを記憶し、記憶部29から各種データを読み出す。記憶・読出部28は、例えば、位置情報Xのデータの記憶や読み出しを行う。
また、無線通信制御部30は、図5に示されているRAM303によって構築される記憶部39を有している。この記憶部39には、上述の装置識別情報Bが記憶されている。
送受信部31は、主に、図5に示されているCPU301及び通信回路304の処理によって実現され、無線通信によって、通信端末5又はゲートウェイ7と各種データの送受信を行う。
通信部37は、主にCPU(101、301)の処理、並びにI/F(108B、308)及びバス(109、309)によって実現され、配信制御部20とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部38は、記憶部39に各種データを記憶し、記憶部39から各種データを読み出す。
次に、通信端末5の機能構成を説明する。
通信端末5は、機能又は手段として、受信制御部40及び無線通信制御部50を有している。
受信制御部40は、図7に示されているRAM403によって構築される記憶部49を有している。この記憶部49には、配信装置3から配信された位置情報Xを記憶することができる。更に、受信制御部40は、受信部41、検知部42、判断部43、測定部44、通信部47、及び記憶・読出部48を有している。
このうち、受信部41は、主に、図7に示されているCPU401及び通信回路404の処理によって実現され、配信装置3から配信された位置情報Xを受信する。また、受信部41は、位置情報Xを受信可能な状態になったり受信不可能な状態になったりする。
検知部42は、主に、図7に示されているCPU401及び加速度センサ405の処理によって実現され、通信端末5の移動(傾きを含む)を検知し、受信部41に処理を開始させる。なお、検知部42は、加速度センサ405に代えて、慣性力や磁気を用いたモーションセンサによって実現してもよい。
判断部43は、主に、図7に示されているCPU401の処理によって実現され、受信部41によって、少なくとも一つの位置情報Xを受信したかを判断する。更に、判断部43は、受信部41によって、複数の配信装置3からそれぞれの位置情報Xを受信したかを判断する。なお、この場合、同じ配信装置3から配信された位置情報Xは、後述の所定時間内に何度受信しても1つとして扱う。
測定部44は、主に、図7に示されているCPU401の処理によって実現され、判断部43によって、複数の配信装置3から、それぞれの位置情報Xを受信したと判断された場合には、それぞれの位置情報Xに係る信号強度を測定する。
通信部47は、主に、図7に示されているCPU401の処理、並びにI/F408及びバス409によって実現され、無線通信制御部50とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部48は、CPU401の処理によって実現され、記憶部49に各種データを記憶し、記憶部49から各種データを読み出す。記憶・抽出部48は、例えば、位置情報Xのデータの記憶や読み出しを行う。
また、無線通信制御部50は、図5に示されているRAM503によって構築される記憶部59を有している。この記憶部59には、上述の端末識別情報Aが記憶されている。更に、無線通信制御部50は、送受信部1051、判断部53、測定部54、通信部57、及び記憶・読出部58を有している。
送受信部1051は、主に、図7に示されているCPU501及び通信回路504の処理によって実現され、無線通信により、配信装置3と各種データの送受信を行う。
判断部53は、主に、図7に示されているCPU501の処理によって実現され、受信部51によって、少なくとも一つの装置識別情報Bを受信したかを判断する。更に、判断部53は、受信部51によって、複数の配信装置3からそれぞれの装置識別情報Bを受信したかを判断する。なお、この場合、同じ配信装置3から送信された装置識別情報Bは、後述の所定時間内に何度受信しても1つとして扱う。
測定部54は、主に、図7に示されているCPU501の処理によって実現され、判断部53によって、複数の配信装置3から、それぞれの装置識別情報Bを受信したと判断された場合には、それぞれの装置識別情報Bに係る信号強度を測定する。
通信部57は、主に、図7に示されているCPU501の処理、並びにI/F508及びバス509によって実現され、受信制御部40とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部58は、主に、図7に示されているCPU501の処理によって実現され、記憶部59に各種データを記憶し、記憶部59から各種データを読み出す。記憶・抽出部58は、例えば、装置識別情報(A、B)のデータの記憶や読み出しを行う。
次に、図15を用いて、管理対象物(4g、4h)の場合の機能構成について説明する。なお、図15は、管理対象物が携帯電話機又はパソコンの場合の機能ブロック図である。
図15に示されているように、管理対象物(4g、4h)は、図10に示されているEEPROM604、又は図12に示されているRAM903及びHD(Hard Disk)904によって構築される記憶部69を有している。更に、管理対象物(4g、4h)は、受信部61、検知部62、判断部63、測定部64、送受信部65、判断部66、測定部67、及び記憶・読出部68を有している。
このうち、受信部61は、主に、図10に示されているCPU601及びGPS受信部614の処理、又は図12に示されているCPU901及び外部機器I/F916に接続されるGPSアンテナの処理によって実現され、受信部41と同様の機能を有する。
検知部62は、主に、図10に示されているCPU601及び加速度・方位センサ606の処理、又は図12に示されているCPU901及び外部機器1/F916に接続される加速度センサの処理によって実現され、検知部42と同様の機能を有する。
判断部63は、主に、図10に示されているCPU601の処理、又は図12に示されているCPU901によって実現され、判断部43と同様の機能を有する。
測定部64は、主に、図10に示されているCPU601の処理、又は図12に示されているCPU901の処理によって実現され、測定部44と同様の機能を有する。
送受信部65は、主に、図10に示されているCPU601及び通信部613の処理、又は図12に示されているCPU901及び通信回路915の処理によって実現され、送受信部1051と同様の機能を有する。
判断部66は、主に、図10に示されているCPU601の処理、又は図12に示されているCPU901の処理によって実現され、判断部53と同様の機能を有する。
測定部67は、主に、図10に示されているCPU601の処理、又は図12に示されているCPU901の処理によって実現され、測定部54と同様の機能を有する。
記憶・読出部68は、主に、図10に示されているCPU601の処理、又は図12に示されているCPU901の処理によって実現され、記憶・読出部48又は記憶・読出部58と同様の機能を有する。
次に、図16を用いて、ゲートウェイ7の機能構成を説明する。なお、図16は、ゲートウェイ及び位置情報管理システムの機能ブロック図である。
ゲートウェイ7は、機能又は手段として、無線通信制御部70及び有線通信制御部80を有している。
無線通信制御部70は、図11に示されている無線通信部17の処理によって実現され、基本的に配信装置3の無線通信制御部30と同様の機能を有している。
具体的には、無線通信制御部70は、図11に示されているRAM703によって構築される記憶部79を有している。この記憶部79には、上述の装置識別情報Cが記憶されている。また、無線通信制御部70は、送受信部71、通信部77、及び記憶・読出部78を有している。
このうち、送受信部71は、主に、図11に示されているCPU701及び通信回路704の処理によって実現され、無線通信によって、配信装置3と各種データの送受信を行う。
通信部77は、主にCPU701の処理、並びに、I/F708及びバス709によって実現され、有線通信制御部80とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部78は、主にCPU801の処理によって実現され、記憶部79に各種データを記憶し、記憶部79から各種データを読み出す。
また、有線通信制御部80は、図11に示されている有線通信部18の処理によって実現される。この有線通信制御部80は、図11に示されているRAM803によって構築される記憶部89を有している。この記憶部89には、上述の装置識別情報Dが記憶されている。更に、有線通信制御部80は、送受信部81、変換部82、通信部87、及び記憶・読出部88を有している。
このうち、送受信部81は、主に図11に示されているCPU801の処理及びI/F808bによって実現され、有線通信によって、位置情報管理システム9と各種データの送受信を行う。
変換部82は、主に図11に示されているCPU801及びイーサネットコントローラ805の処理によって実現され、上述のように、通信方式を変換することで、配信装置3から送られて来た各種データ(情報)を、イーサネットのパケット通信ができるように制御する。
通信部87は、主にCPU801の処理、並びに、I/F808a及びバス809によって実現され、無線通信制御部70とのデータ(信号)の通信を行う。
記憶・読出部98は、主にCPU801の処理によって実現され、記憶部89に各種データを記憶し、記憶部89から各種データを読み出す。
次に、図16を用いて、位置情報管理システム9の機能構成を説明する。
位置情報管理システム9は、図12に示されているRAM903及びHD904によって構築される記憶部99を有している。この記憶部99には、上述のシステム識別情報E、管理情報F、及びレイアウト情報Gが記憶されている。また、位置情報管理システム9は、送受信部91、操作入力受付部92、検索部93、表示制御部94、及び記憶・読出部98を有している。
このうち、送受信部91は、主に、図12に示されているCPU901の処理、並びにネットワークI/F909又は通信回路915によって実現され、有線通信又は無線通信によって、ゲートウェイ7と各種データの送受信を行う。更に、送受信部91は、屋外γの通信端末5hから通信ネットワーク8を介して、各種データの送受信を行う。
操作入力受付部92は、主にCPU901の処理、並びにキーボード911及びマウス912によって実現され、管理者から各種の選択又は入力を受け付ける。
検索部93は、主にCPU901の処理によって実現され、操作入力受付部92によって受け付けられた検索条件に基づいて、記憶・読出部98を介して記憶部99の管理情報Fを検索し、検索結果を出力する。
表示制御部94は、主にCPU901の処理によって実現され、ディスプレイ908に各種画像や文字等を表示させるための制御を行う。
記憶・読出部98は、主にCPU901の処理によって実現され、記憶部99に各種データを記憶し、記憶部99から各種データを読み出す。
続いて、図17及び図25を用い、本実施形態の動作について説明する。
まず、図17を用い、屋内αの天井βにおける通信ネットワークを構築する処理を説明する。なお。図17は、天井の通信ネットワークを構築する処理を示したシーケンス図である。
まず、ユーザが屋内αの各電器機器2の電源をオンにすると、各配信装置3の無線通信制御部30における記憶・読出部38(図14参照)は、各記憶部39から各装置識別情報Bを読み出す(ステップS1)。そして、各送受信部31は、ゲートウェイ7に対して、自己の装置識別情報Bを含めた参加要求を行う(ステップS2)。これにより、ゲートウェイ7の無線通信制御部70における送受信部71が、参加要求を受信する。
次に、無線通信制御部70の記憶・読出部78は、記憶部79から装置識別情報Cを読み出す(ステップS3)。そして、送受信部71は、配信装置3に対して、装置識別情報(B、C)を含めた参加応答を行う(ステップS4)。これにより、配信装置3の無線通信制御部30における送受信部31は、参加応答を受信する。この場合、参加応答には、上記ステップS2によって送信された装置識別情報Bが含まれているため、無線通信制御部30は、上記ステップS2に関連した処理として、上記ステップS4における受信の処理を行う。そして、記憶・読出部38は、記憶部39に装置識別情報Cを記憶する(ステップS5)。このように、配信装置3側で、ゲートウェイ7の装置識別情報Cを記憶することで、配信装置3とゲートウェイ7との間の通信ネットワークが構築される。
続いて、図18を用いて、図1に示す屋内αの天井βの配信装置3から床方向に、位置情報を配信する処理を説明する。なお、図18は、位置情報を配信する処理を示したシーケンス図である。図18では、簡単に説明するために、2つの配信装置(3a、3b)によって構築された配信システム6を用いた場合について説明する。ここでは、配信装置3aは位置情報Xaを配信し、配信装置3bは位置情報Xbを配信する。また、図18では、配信装置(3a、3b)がそれぞれ位置情報(Xa、Xb)を配信可能な範囲内に、通信端末5が存在している場合を示している。
まず、配信装置3aの配信制御部20における記憶・読出部28は、記憶部29から自己の位置情報Xaを読み出す(ステップS23−1)。そして、配信装置3aの配信制御部20における配信部21は、配信可能な範囲内に位置情報Xaを配信する(ステップS24−1)。また同じく、配信装置3bの配信制御部20における記憶・読出部28は、記憶部29から自己の位置情報Xbを読み出す(ステップS23−2)。そして、配信装置3bの配信制御部20における配信部21は、配信可能な範囲内に位置情報Xbを配信する(ステップS24−2)。なお、位置情報(Xa、Xb)が配信されたとしても、通信端末5では受信部41が始動していなければ、位置情報(Xa、Xb)を受信することができない。
続いて、図19を用いて、通信端末5が利用する位置情報Xを決定すると共に、位置情報Xの送信先となる配信装置3を決定する処理を説明する。なお、図19は、通信端末が利用する位置情報を決定すると共に、位置情報の送信先となる配信装置を決定する処理を示したシーケンス図である。図19では、通信端末5は、配信装置3aから位置情報Xaを受信するが、この位置情報Xaを、送信元の配信装置3aではなく配信装置3bに送信する場合を示している。
まず、図19に示されているように、通信端末5の受信制御部40における記憶・読出部48は、配信装置3aから配信された位置情報Xa、及び配信装置3bから配信された位置情報Xbのうち、通信端末5で受信した際の信号強度が最も高いものを記憶部49に記憶する(ステップS41)。これにより、この記憶された位置情報Xで示される位置が通信端末5の位置として、後ほど位置情報管理システム9で管理されることになる。
ここで、上記ステップS41に関し、図20を用いて、更に詳細に説明する。なお、図20は、通信端末が位置情報を受信してから記憶するまでの処理を示したフローチャートである。
まず、通信端末5の受信制御部40における検知部42は、通信端末5の移動の開始を検知し続ける(ステップS41−1、S41−2のNO)。そして、検知部42が通信端末5の移動の開始を検知した場合には(ステップS41−2のYES)、更に、検知部42は通信端末5の移動の停止を検知し続ける(ステップS41−3、S41−4のNO)。より具体的には、図7に示されているCPU401の処理が停止中の場合、加速度センサ405は、加速度の変化を検出することに基づき、CPU401に対して、通信端末5が移動を開始した旨(CPU401の処理を始動させる旨)の信号を送信する。これにより、CPU401は、自己の処理を始動させる。そして、CPU401は、加速度センサ405から、通信端末5の移動が停止した旨の信号を受信するまで、自己の処理を始動させたままの状態を維持する。なお、この場合の通信端末5の移動には、通信端末5が傾いた場合も含まれる。
次に、上記ステップS41−4において、検知部42が通信端末5の移動の停止を検知した場合には(ステップS41−4のYES)、更に、受信部41は、配信装置3から配信されている位置情報Xを受信可能な状態になる(ステップS41−5)。より具体的には、図7に示されているCPU401が、加速度センサ405から通信端末5の移動が停止した旨の信号を受信すると、CPU401は、通信回路404へ通信回路404の処理を始動させるための信号を送信する。これにより、通信回路404は、自己の処理を始動させる。ここで、位置情報(Xa、Xb)が各配信装置(3a、3b)からそれぞれ配信されている場合、通信端末5の制御部14における通信回路404は、アンテナ404aを介して位置情報(Xa、Xb)の受信を開始することができる。
次に、判断部43は、受信部41が位置情報Xを受信可能な状態になってから所定時間内(例えば、5秒以内)に、少なくとも1つの位置情報Xを受信したかを判断する(ステップS41−6)。ここでは、所定時間内に、2つの位置情報(Xa、Xb)が受信されている場合について更に説明する。
また、上記ステップS41−6において、判断部43が、少なくとも1つの位置情報Xが受信されたと判断した場合には(YES)、更に、判断部43は、複数の位置情報Xを受信したかを判断する(ステップS41−7)。
次に、ステップS41−7において、複数の位置情報Xが受信されたと判断された場合には(YES)、測定部44は、受信部41で受信された際の各位置情報Xに係る信号強度を測定する(ステップS41−8)。ここでは、測定の結果、位置情報Xaの信号強度が、位置情報Xbの信号強度よりも高い場合について更に説明する。
次に、記憶・読出部48は、記憶部49に、上記ステップS41−8の測定によって最も信号強度が高い位置情報Xを記憶する(ステップS41−9)。ここでは、位置情報Xaが記憶されることになる。
一方、上記ステップS41−6において、判断部43が、所定時間内に少なくとも一つの位置情報Xが受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部48は、記憶部49に、受信を失敗した旨を示す失敗情報を記憶する(ステップS41−10)。
また、上記ステップS41−7において、判断部43が、所定時間内に複数の位置情報Xが受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部48は、唯一受信された位置情報Xを記憶する(ステップS41−11)。
そして、上記ステップS41−9、10、11の処理後、受信部41は、処理を停止することで、位置情報Xを受信不可能な状態になる(ステップS41−12)。より具体的には、図7に示されているCPU401は、通信回路404へ、通信回路404の処理を停止させるための信号を送信する。このように、通信端末5が移動した後、停止した場合のみ、位置情報Xが受信される処理が行われるため、たとえ、ボタン電池406のような容量が小さい電池を用いた場合であっても、電池交換の頻度を極力少なくすることができ、省電力(省エネ)化に寄与することができるという効果を奏する。
なお、上記では、通信端末5の移動の開始後(ステップS41−2のYES)、通信端末5の移動の停止(ステップS41−4のYES)によって、受信部41は位置情報Xを受信可能な状態になる(ステップS41−5)。即ち、移動の開始及び移動の停止の両方が行われることが、受信部41が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガである。しかし、これに限るものではなく、例えば、通信端末5の移動の開始(ステップS41−2のYES)によって、受信部41が位置情報Xを受信可能な状態になってもよい。即ち、上記ステップS41−3、4を省略し、移動の開始が行われることが、受信部41が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガとしてもよい。また、例えば、上記ステップS41−1、2を省略し、移動の停止が行われることが、受信部41が位置情報Xの受信可能な状態となるトリガとしてもよい。
続いて、図19に戻り、受信制御部40の通信部47は、無線通信制御部50に対して、動作を開始する命令を行う(ステップS42)。これにより、無線通信制御部50の通信部57は、動作を開始する命令を受け付けることで、以下に示す処理を開始する。
まず、通信端末5の無線通信制御部50における記憶・読出部58は、記憶部59から自己の端末識別情報Aを読み出す(ステップS43)。そして、送受信部1051は、配信装置(3a、3b)に、端末識別情報Aを含んだ参加要求を行う(ステップS44)。これによって、配信装置(3a、3b)は、それぞれ通信端末5から参加要求を受け付ける。
次に、配信装置3aの無線通信制御部30における記憶・読出部38は、記憶部39から自己の装置識別情報Baを読み出す(ステップS45−1)。そして、配信装置3aの送受信部31は、通信端末5に対して、端末識別情報A及び装置識別情報Baを含めた参加応答を行う(ステップS46−1)。これにより、通信端末5の無線通信制御部50における送受信部1051は、参加応答を受信する。この場合、参加応答には、上記ステップS44によって送信された端末識別情報Aが含まれているため、通信端末5は、上記ステップS44に関連した処理として、上記ステップS46−1における受信の処理を行う。そして、通信装置5の無線通信制御部50における記憶・読出部58は、記憶部59に装置識別情報Baを記憶する(ステップS47−1)。
一方、配信装置3b側でも同じように、配信装置3bの無線通信制御部30における記憶・読出部38は、記憶部39から自己の装置識別情報Bbを読み出す(ステップS45−2)。また、配信装置3bの送受信部31は、通信端末5に対して、端末識別情報A及び装置識別情報Bbを含めた参加応答を行う(ステップS46−2)。これにより、通信端末5の無線通信制御部50における送受信部1051は、参加応答を受信する。そして、通信装置5の無線通信制御部50における記憶・読出部58は、記憶部59に装置識別情報Bbを記憶する(ステップS47−2)。
次に、無線通信制御部50は、配信装置3から受信した位置情報X及び自己の端末識別情報Aの送信先である配信装置3を決定する処理を行う(ステップS48)。ここで、図22を用いて、ステップS48の処理について詳細に説明するが、その前に、図5、図14、及び図21を用いて、ステップS48の処理を行う背景について説明する。なお、図21は、配信装置と通信端末との通信状況を示したイメージ図である。
図14に示されているように、配信装置3の配信制御部20と通信端末5の受信制御部40との間の通信は、配信装置3の無線通信制御部30と通信端末5の無線通信制御部50との間の通信と独立している。そして、受信制御部40は配信元の配信装置3から位置情報Xを受信する一方で、無線通信制御部50は自己の端末識別情報Aと共に配信装置3に位置情報Xを送り返す。
しかし、各配信装置3の全てに、配信制御部20及び無線通信制御部30を設けようとすると、屋内αのフロア面積が広い場合、多数の配信装置3を設置することになるため、設置コストが非常に掛かる場合がある(パターン1)。
また、配信装置3aは位置情報Xaを配信することができるが、配信装置3aの無線通信制御部30が故障しているため、通信端末5から端末識別情報A及び位置情報Xaを受信することができない場合がある(パターン2)。
更に、複数の配信装置3が天井βに設置されている場合、屋内αにおける通信端末5の位置によっては、配信装置3bの配信制御部20(ステップS24−2参照)よりも配信装置3aの配信制御部20(ステップS24−1参照)から受信した位置情報Xのデータの信号強度が高いにも拘わらず、配信装置3aの無線通信制御部30(ステップS46−1)よりも配信装置3bの無線通信制御部30(ステップS46−2)から受信した参加応答のデータの信号強度が高い場合がある(パターン3)。
上記各パターン1乃至3の場合、図21に示されているように、通信端末5hは、配信元である配信装置3aから位置情報Xaを受信するが、配信装置3aとは異なる送信先としての配信装置3bに対して、自己の端末識別情報Aと共に位置情報Xaを送信することになる。以下では、図14及び図20を用いて、このような配信元と送信先が異なる場合の例を説明する。なお、図22は、送信先を決定する処理を示したフローチャートである。
図14に示されている通信端末5の無線通信制御部50における判断部53は、送受信部1051が上記ステップS44によって各配信装置(3a、3b)に参加要求を行ってから所定時間内(例えば、5秒以内)に、少なくとも1つの参加応答を受信したかを判断する(ステップS48−1)。即ち、判断部53は、端末識別情報Aの送信を開始してから所定時間内に、少なくとも1つの装置識別情報Bを受信したかを判断する。
次に、上記ステップS48−1において、判断部53が、少なくとも1つの参加応答を受信したと判断した場合には(YES)、更に、判断部53は、複数の参加応答を受信したかを判断する(ステップS48−2)。即ち、判断部53は、端末識別情報Aの送信を開始してから所定時間内に、複数の装置識別情報Bを受信したかを判断する。
次に、上記ステップS48−2において、複数の参加応答が受信されたと判断された場合には(YES)、測定部54は、送受信部1051で受信された際の参加応答に係る信号強度を測定する(ステップS48−3)。ここでは、上記ステップS46−1、2において、通信端末5の無線通信制御部50は、各配信装置(3a、3b)から参加応答を受信しているため、ステップS48−3の処理を実行する。
次に、上記ステップS48−3の処理による測定の結果、配信装置3bからの参加応答の信号強度が、配信装置3aからの参加応答の信号強度よりも高い場合について更に説明する。図22に示されているように、記憶・読出部58は、上記ステップS48−3によって測定された信号強度のうち、最大の信号強度である参加応答に含まれている装置識別情報B(ここでは、装置識別情報Bb)を、記憶部59に記憶する(ステップS48−4)。
なお、上記ステップS48−1において、判断部53が、所定時間内に少なくとも一つの参加応答が受信されなかったと判断した場合には(NO)、送信先を決定する処理は終了する。また、上記ステップS48−2において、判断部53が、複数の参加応答が受信されなかったと判断した場合には(NO)、記憶・読出部58は、記憶部59に、唯一受信された参加応答に含まれている装置識別情報Bを記憶する(ステップS48−5)。
以上より、記憶・読出部58に記憶された装置識別情報Bで示される配信装置5が、通信端末5の送信先として決定されることになる。
そして、上記ステップS48−4、5の処理後、送受信部1051は、上記ステップS48によって決定された送信先に対して、図9に示されているような情報のデータ構造を作成する(ステップS49)。この場合のデータ構造は、送信先である配信装置3bの装置識別情報Bb、送信元である通信端末5hの端末識別情報Ah、及び、データ内容(ここでは、配信元である配信装置3aの位置情報Xa)が順に配列された状態になっている。
次に、送受信部1051は、配信装置3bに対して、上記ステップS49によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS50)。これによって、配信装置3bの無線通信制御部30は、通信端末5hから送信されてきた情報を受信する。
そして、通信端末5hでは、無線通信制御部50の送受信部1051、判断部53、測定部54、通信部57及び記憶・読出部58の処理が停止する(ステップS51)。このように、送受信部1051が、配信装置3に対して、位置情報X等の情報を送信し終えると、無線通信制御部50の各構成部の処理が停止することで、省エネを実現することができるという効果を奏する。なお、無線通信制御部50の各構成部は、上記ステップS42によって受信制御部40から、新たに開始命令を受け取ることで、再始動することができる。
続いて、図23を用い、位置情報Xを含む情報が、配信装置3で受信されてから、位置情報管理システム9で管理情報Fとして管理されるまでの処理について説明する。なお、図23は、位置情報を管理する処理を示したシーケンス図である。
図23に示されているように、まず、配信装置3bの無線通信制御部30は、上記ステップS49の処理のように、ゲートウェイ7に送信する情報のデータ構造を作成する(ステップS61)。この場合のデータ構造は、送信先であるゲートウェイ7の装置識別情報C、送信元である配信装置3bの装置識別情報Bb、及び、データ内容(配信元である配信装置3aの位置情報Xa及び位置情報Xaの送信元である通信端末5の端末識別情報A)が順に配列された状態になっている。
次に、配信装置3bの無線通信制御部30における送受信部31は、ゲートウェイ7に対して、上記ステップS61によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS62)。これによって、ゲートウェイ7の無線通信制御部70における送受信部71は、配信装置3bから送信されてきた情報を受信する。
次に、無線通信制御部70の通信部77は、同じくゲートウェイ7の通信部87に対して、上記ステップS62によって受信された情報を転送する(ステップS63)。これにより、有線通信制御部80は、無線通信制御部70から転送されて来た情報を受信する。
次に、有線通信制御部80の変換部82は、IEEE802.15.4に準拠した通信方式を、IEEE802.3に準拠した通信方式に変換して、配信装置3bから送られて来た情報を、イーサネットのパケット通信ができるように制御する。そして、有線通信制御部80の送受信部81は、上記ステップS61の処理のように、位置情報管理システム9に送信する情報のデータ構造を作成する(ステップS65)。この場合のデータ構造は、送信先である位置情報管理システム9のシステム識別情報E、送信元であるゲートウェイ7の装置識別情報D、及び、データ内容(配信元である配信装置3aの位置情報Xa及び位置情報Xaの送信元である通信端末5の端末識別情報A)が順に配列された状態になっている。
次に、ゲートウェイ7の有線通信制御部80における送受信部81は、位置情報管理システム9に対して、上記ステップS65によって作成されたデータ構造の情報を送信する(ステップS66)。これによって、位置情報管理システム9の送受信部91は、ゲートウェイ7から送信されてきた情報を受信する。
次に、位置情報管理システム9の記憶・読出部98は、記憶部99に予め記憶されている端末識別情報Aに対して、位置情報X等を受信した受信日時の情報及び位置情報Xaを関連付け、図13に示されているような管理情報Fとして記憶することで、位置情報の管理処理を行う(ステップS67)。
以上のように、位置情報管理システム9が管理情報Fを管理することで、位置情報管理システム9の管理者は、図24及び図25に示されているような検索を行うことができる。なお、図24及び図25は、位置情報管理システムにおける画面例を示した図である。
例えば、管理者が図12に示されているキーボード911やマウス912等を操作すると、操作入力受付部92が操作入力を受け付け、表示制御部94が記憶・読出部98を介して管理情報Fを読み出し、ディスプレイ908上に、図24に示されているような検索画面を表示する。この検索画面には、所有者名(又は管理者名)毎に機器名が示された検索リストが表示されている。また、機器名の右側にはチェックボックスが表示されている。更に、検索リストの右下には、検索を実行するための「検索実行」ボタンが表示されている。なお、図24に示されている検索画面には、例えば、所有者「営業1課」が所有する機器「UCS P3000」の位置を検索する場合が示されている。
そして、管理者が、キーボード911やマウス912等を操作して、位置を知りたい機器(管理対象物4)の機器名におけるチェックボックスにチェックマークを付すと、操作入力受付部92がチェックの入力を受け付ける。そして、管理者が位置を知りたい全ての機器の機器名におけるチェックボックスにチェックマークを付した後に、「検索実行」ボタンを押すと、操作入力受付部92が検索実行を受け付け、検索部93が、チェックマークが付された機器名に基づいて、記憶部99に記憶されている管理情報Fを検索することにより、対応する位置情報Xを含む管理情報Fの一部及び、この位置情報Xに係る位置を含むフロア等を示すレイアウト情報Gを抽出する。
そして、表示制御部94は、管理情報F及びレイアウト情報Gに基づいて、ディスプレイ908上に、図25に示されているような検索結果画面を表示する。この検索結果画面には、機器「UCS P3000」が位置しているフロア「A棟4階」のレイアウト図と、管理情報Fにおける位置情報X及び受信日時の各情報が示されている。これによって、管理者は、管理対象物4(通信端末5)の位置を視覚的に把握することができるという効果を奏する。
以上説明したように本実施形態によれば、配信装置3が、配信部21だけでなく送受信部31を有している。即ち、配信装置3から配信された位置情報Xが届く範囲内に存在する通信端末5は、この範囲内で配信装置3に位置情報X及び端末識別情報Aを送信すればよいため、送信のために最低限の消費電力を使用するだけで済む。よって、配信装置が通信端末の省電力化に寄与することができるという効果を奏する。
また、通信端末5が移動した後、停止した場合のみ、位置情報Xが受信される処理が開始されるため、電池の容量の消費を抑えることで省電力(省エネ)化に寄与することができるという効果を奏する。更に、送受信部1051が、配信装置3に対して、位置情報X等の情報を送信し終えると、無線通信制御部50の各構成部の処理が停止することで、省電力化を実現することができるという効果を奏する。なお、省電力化に寄与することで、ボタン電池406のような容量が小さい電池を用いた場合であっても、電池交換の頻度を極力少なくすることができるため、ユーザの手間を省くことができるという効果も奏する。
また、図21に示されているように、配信装置3bが、配信装置3aに代わって、通信端末5から位置情報Xa及び端末識別情報Aを受信することができるため、配信装置3の設置コストを抑制することができるという効果を奏する(上記パターン1に対応)。また、無線通信制御部30が故障しても、配信システム6としては、通信端末5から位置情報Xa及び端末識別情報Aを取得することができるという効果を奏する(上記パターン2に対応)。更に、通信端末5は、より信号強度の高い通信を行うことができる配信装置3に対して、位置情報X及び端末識別情報Aを送信することができるため、配信システム6としては、通信端末5から、より確実に位置情報X及び端末識別情報Aを受信することができるという効果を奏する(上記パターン3に対応)。
なお、位置情報管理システム9は、単一のコンピュータによって構築されてもよいし、各部(機能、手段、又は記憶部)を分割して任意に割り当てられた複数のコンピュータによって構築されていてもよい。
また、上記実施形態の各プログラムが記憶されたCD−ROM等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたハードディスクは、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
また、上記実施形態の各プログラムが記憶されたCD−ROM等の記録媒体、並びに、これらプログラムが記憶されたハードディスクは、いずれもプログラム製品(Program Product)として、国内又は国外へ提供されることができる。
更に、第1の判断手段の具体例としての判断部63に、第2の判断手段の具体例としての判断部53が含まれてもよい。即ち、第1の判断手段と第2の判断手段は同じ手段であっても良く、別の手段であってもよい。同じく、第1の測定手段の具体例としての測定部64に、第2の測定手段の具体例としての測定部67が含まれてもよい。即ち、第1の測定手段と第2の測定手段は同じ手段であってもよく、別の手段であってもよい。
(伝送システムの概要)
以上、図1乃至図25を用いて説明した位置管理システム1において、ユーザが所持する通信端末や、ユーザがビデオ会議に参加するために使用する伝送端末の位置情報が管理される。以下では、図26A乃至51を用いて、これらの位置情報を利用する、ビデオ会議を行うための伝送システムについて説明する。
図26Aは、本発明の実施形態に係る伝送システム1000の概略図である。図27は、伝送システムにおける画像データ、音データ及び各種管理情報の送受信の状態を示した概念図である。図28は、画像データの画質を説明する概念図である。
また、伝送システムには、伝送管理装置を介して一方の伝送端末から複数の伝送端末に一方向でコンテンツデータを伝送するデータ提供システムや、伝送管理装置を介して複数の伝送端末間で情報や感情等を相互に伝達するコミュニケーションシステムが含まれる。コミュニケーションシステムは、コミュニケーション管理装置(「伝送管理装置」に相当)を介して複数のコミュニケーション端末(「伝送端末」に相当)間で情報や感情等を相互に伝達するためのシステムであり、ビデオ会議システムやビデオ電話システム等が例として挙げられる。
本実施形態では、コミュニケーションシステムの一例としてのビデオ会議システム、コミュニケーション管理装置の一例としてのビデオ会議管理装置及びコミュニケーション端末の一例としてのビデオ会議端末を想定した上で、伝送システム、伝送管理装置及び伝送端末について説明する。即ち、本発明の伝送端末及び伝送管理装置は、ビデオ会議システムに適用されるだけでなく、コミュニケーションシステム、又はデータ伝送システムにも適用される。
図26Aに示すように、伝送システム1000は、複数の伝送端末1010aa、1010ab、・・・と、各伝送端末1010aa、1010ab、・・・用のディスプレイ1120aa、1120ab、・・・と、中継装置1030と、伝送管理装置1050と、プログラム提供装置1090と、を備えている。伝送端末1010aa、1010ab、・・・は、コンテンツデータとして、例えば、画像データ及び音データの送受信による伝送を行うようになっている。
なお、以下の説明において、複数の伝送端末1010aa、1010ab、・・・のうち、任意の伝送端末は、「伝送端末1010」と表され、複数のディスプレイ1120aa、1120ab、・・・のうち、任意のディスプレイは、「ディスプレイ1120」と表される。また、ビデオ会議の開始を要求する要求元の伝送端末1010は、「要求元端末」と表され、要求先の伝送端末1010は、「宛先端末」と表される。
上述したように、位置情報の送受信機能を備える伝送端末1010aa、1010ab、・・・は、配信装置3ac、3ab、・・・から配信された位置情報を受信する。そして、受信した位置情報と、自らの識別情報を、それぞれ、配信装置3ac、3ab、・・・及びゲートウェイ7a、7b、・・・を介して、位置情報管理システム9へと返送する。なお、図26Aに示されるように、識別情報及び位置情報の通信経路は、コンテンツデータの通信経路とは異なり得る。しかしながら、各伝送端末と、位置情報管理システム9とが、通信ネットワーク1002を介して通信可能である場合には、識別情報及び位置情報の通信経路は、コンテンツデータと同様の通信経路であってもよい。
また、ユーザの所持する通信端末5も、伝送端末1010と同様に、位置情報を、位置情報管理システム9へと送信する。ユーザの所持する通信端末5は、例えば、スマートフォンやタブレットPCのようなスマートデバイス、ノートPC、PDA等である。図26Aには、配信装置3baから配信される位置情報を受信する、通信端末5baが例示されている。位置情報管理システム9によって取得された通信端末5及び伝送端末1010の位置情報は、通信ネットワーク1002を介して、伝送管理装置1050によって随時参照される。
図27に示すように、伝送システム1000において、要求元端末と宛先端末との間では、伝送管理装置1050を介して、各種の管理情報を送受信するための管理情報用セッションseiが確立される。
また、管理情報用セッションseiが確立した伝送端末1010間では、中継装置1030を介して、高解像度の画像データ、中解像度の画像データ、低解像度の画像データ及び音データの4つの各データを送受信するための4つのセッションが確立される。なお、本実施形態において、これら4つのセッションは、まとめて、「画像・音データ用セッションsed」と表される。
ここで、本実施形態で扱われる画像データは、スケーラブルに符号化されている。例えば、本実施形態で扱われる画像データは、図28(a)に示すように、横が320画素、縦が180画素から成り、ベース画像となる低解像度の画像データと、図28(b)に示すように、横が640画素、縦が360画素から成る中解像度の画像データと、図28(c)に示すように、横が1280画素、縦が720画素から成る高解像度の画像データとがある。
ここで、画像データが伝送される経由する帯域が狭い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データのみが伝送され、受信側の伝送端末1010は、伝送された低解像度の画像データに基づいて、低画質の画像のみを表示することができる。
また、画像データが伝送される経由する帯域が比較的広い場合には、ベース画像となる低解像度の画像データ及び中解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末1010は、伝送された低解像度の画像データ及び中解像度の画像データに基づいて、中画質の画像を表示することができる。
また、画像データが伝送される経由する帯域が非常に広い場合には、ベース画質となる低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ及び高解像度の画像データが伝送され、受信側の伝送端末1010は、伝送された低解像度の画像データ、中画解像度の画像データ及び高解像度の画像データに基づいて、高画質の画像を表示することができる。
図26Aにおいて、中継装置1030は、複数の伝送端末1010の間で、コンテンツデータの中継を行うようになっている。伝送管理装置1050は、伝送端末1010からのログイン認証、伝送端末1010の伝送状態の管理、宛先リストの管理等及び中継装置1030の伝送状況等を一元的に管理するようになっている。なお、画像データが表す画像は、動画であっても静止画であってもよく、動画と静止画との両方であってもよい。
複数のルータ1070a、1070b、1070c、1070d、1070ab、1070cdは、画像データ及び音データの最適な経路の選択を行う。なお、以下の説明において、ルータ1070a、1070b、1070c、1070d、1070ab、1070cdのうち、任意のルータは、「ルータ1070」と表される。
プログラム提供装置1090は、コンピュータによって構成され、HD(Hard Disk)を備えており、伝送端末1010に各種機能を実現させるための伝送端末制御プログラムが記憶され、伝送端末制御プログラムを伝送端末1010に送信することができる。
また、プログラム提供装置1090のHDには、中継装置1030に各種機能を実現させるための中継装置用プログラムも記憶されており、中継装置用プログラムを中継装置1030に送信することができる。
更に、プログラム提供装置1090のHDには、伝送管理装置1050に各種機能を実現させるための伝送管理プログラムも記憶されており、伝送管理プログラムを伝送管理装置1050に送信することができる。
伝送端末1010aa、1010ab、1010ac、・・・及びルータ1070aは、LAN1002aによって伝送可能に接続されている。伝送端末1010ba、1010bb、1010bc、・・・及びルータ1070bは、LAN1002bによって伝送可能に接続されている。
また、LAN1002a及びLAN1002bは、ルータ1070abが含まれた専用線1002abによって伝送可能に接続されており、所定の地域A内に設けられている。例えば、地域Aは、東京であり、LAN1002a、1002bは東京事業所内に設けられている。
一方、伝送端末1010ca、1010cb、1010cc、・・・及びルータ1070cは、LAN1002cによって伝送可能に接続されている。伝送端末1010da、1010db、1010dc、・・・及びルータ1070dは、LAN1002dによって伝送可能に接続されている。
また、LAN1002c及びLAN1002dは、ルータ1070cdが含まれた専用線1002cdによって伝送可能に接続されており、所定の地域B内に設けられている。例えば、地域Bは、大阪であり、LAN1002c、1002dは大阪事業所内に設けられている。地域A及び地域Bは、それぞれルータ1070ab、1070cdからインターネット1002iを介して相互に伝送可能に接続されている。
また、中継装置1030、伝送管理装置1050及びプログラム提供装置1090は、インターネット1002iを介して、各伝送端末1010と伝送可能に接続されている。ここで、中継装置1030、伝送管理装置1050及びプログラム提供装置1090は、地域A又は地域Bに設置されていてもよいし、これら以外の地域に設置されていてもよい。
なお、本実施形態では、LAN1002a、LAN1002b、専用線1002ab、インターネット1002i、専用線1002cd、LAN1002c及びLAN1002dによって、本実施形態の伝送ネットワーク1002が構成されている。伝送ネットワーク1002には、有線だけでなく、WiFi(Wireless Fidelity)や、Bluetooth(登録商標)等の無線による伝送が行われる箇所があってもよい。
また、図26Aにおいて、各伝送端末1010、中継装置1030、伝送管理装置1050、各ルータ1070及びプログラム提供装置1090の下に示されている4組の数字は、一般的なIPv4におけるIPアドレスを簡易的に示している。例えば、伝送端末1010aaのIPアドレスは「1.2.1.3」である。また、IPv4ではなく、IPv6を用いてもよいが、説明を簡略化するため、IPv4を用いて説明する。
なお、各伝送端末1010は、複数の事業所間でのビデオ会議や、同じ事業所内の異なる部屋間でのビデオ会議だけでなく、同じ部屋内でのビデオ会議で使われてもよい。
図26Bは、図26Aに示した伝送端末のうちの、伝送端末1010aa、1010ba、1010dbが、ビデオ会議を実行中である様子を表している。上述したように、伝送端末1010aa、1010baは、東京事業所に位置し、伝送端末1010dbは、大阪事業所に位置する。ここでは、発表者が、伝送端末1010dbを用いてビデオ会議を通じて発表を行い、その様子を、東京事業所へと伝送する例を表している。発表を聴講する東京事業所のユーザは、質疑応答等の際に、伝送端末1010aa、1010baを介して、発表者とやりとりを行う。
このような状況において、伝送端末1010aaと伝送端末1010baが一定の距離以下の位置にあると、ハウリングを生ずるおそれがある。そこで、本発明の一実施形態における伝送管理装置1050は、位置情報管理システム9から、各伝送端末の位置情報を取得し、それらの間の距離を算出する。そして、その距離が所定の閾値以下の距離となった場合には、一の伝送端末に対して、マイクをミュートにするよう指示することができる。
(ハードウェア構成)
次に、図29乃至31を用いて、本発明の一実施形態における伝送端末1010及び伝送管理装置1050のハードウェア構成について説明する。
(伝送端末のハードウェア構成)
図29は、伝送端末1010の外観を表す。本伝送端末1010は、既に図10を用いて説明したように、通信端末5として機能するためのハードウェアを備えると共に、図29に示されるように、遠隔会議を実行するために都合の良いハードウェアをさらに備える。
図29に示すように、伝送端末1010は、筐体11021、アーム11074及びカメラハウジング11075を備えている。ここで、筐体11021の前側の壁(図29の右後方)を、前側壁11021aと表し、後側の壁(図29の左手前)を、後側壁11021bと表す。また、筐体11021の前から見て左側の壁を、左側壁11021cと表す。
筐体11021の前側壁11021aには、図示しない複数の吸気孔が形成され、筐体11021の後側壁11021bには、複数の排気孔11121が形成されている。これにより、伝送端末1010は、筐体11021に内蔵された冷却ファンが駆動することによって、吸気孔を介して伝送端末1010の前方の外気を取り込み、排気孔11121を介して伝送端末1010の後方へ排気することができる。
前側壁11021aには、収音用孔11131が形成され、後述する内蔵型の音声入力部(マイク)1114によって音声、物音、雑音等の音が収音可能となっている。
筐体11021の上面には、操作パネル11022が形成されている。操作パネル11022には、操作ボタン1108、電源スイッチ1109、アラームランプ11119、及び、後述する内蔵型の音声出力部(スピーカ)1115からの出力音を通すための複数の音出力孔11151が形成されている。
また、筐体11021の上面には、さらに、アーム11074及びカメラハウジング11075を収容するための凹部としての収容部11160が形成されている。アーム11074は、トルクヒンジ11073を介して筐体11021に取り付けられている。例えば、アーム11074は、筐体11021に対して、正面を0度としたときに、±180度のパン角θ1の範囲及び90度のチルト角θ2の範囲で、概ね45度の傾き時にクリック感を発生させながら、上下左右方向に回転可能に取り付けられている。
カメラハウジング11075には、後述する内蔵型のカメラ1112が設けられており、利用者や部屋等を撮像することができる。また、カメラハウジング11075には、トルクヒンジ11075aが形成されている。カメラハウジング11075は、トルクヒンジ11075aを介して、アーム11074に取り付けられている。例えば、カメラハウジング11075は、アーム11074と直線状になる状態を0度としたときに、伝送端末1010の前方側に概ね100度、伝送端末1010の後方側に概ね90度のチルト角θ3の範囲で回転可能にアーム11074に取り付けられている。
また、左側壁11021cには、USBやIEEE1394等の外部機器を接続するための接続口11132が複数設けられる。
図30に示すように、伝送端末1010は、伝送端末1010全体の動作を制御するCPU(Central Processing Unit)1101と、IPL(Initial Program Loader)等のCPU1101の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM(Read Only Memory)1102と、CPU1101のワークエリアとして使用されるRAM(Random Access Memory)1103と、伝送端末制御プログラム、画像データ及び音データ等の各種データを記憶するフラッシュメモリ1104と、CPU1101の制御にしたがってフラッシュメモリ1104に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するSSD(Solid State Drive)1105と、フラッシュメモリ等の記録メディア1106に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ1107と、伝送端末1010の宛先を選択する場合などに操作される操作ボタン1108と、伝送端末1010の電源のON/OFFを切り換えるための電源スイッチ1109と、伝送ネットワーク1002を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F(Interface)1111とを備えている。
また、伝送端末1010は、CPU1101の制御に従って被写体を撮像して画像データを得る内蔵型のCMOS1112と、音を入力する内蔵型の集音装置としての音声入力部(マイク)1114と、音を出力する内蔵型の音声出力部(スピーカ)1115と、各種の外部機器を接続するための外部機器接続I/F1118と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン1110とを備えている。
ディスプレイ1120は、被写体の画像や操作用アイコン等を表示する液晶や有機ELによって構成された表示装置を構成する。ディスプレイ1120は、図示しないケーブルによって、図示しないディスプレイI/Fに接続されている。ケーブルは、アナログRGB(VGA)信号用のケーブルであってもよいし、コンポーネントビデオ用のケーブルであってもよいし、HDMI(High-Definition Multimedia Interface)やDVI(Digital Video Interactive)信号用のケーブルであってもよい。
CMOS1112は、固体撮像素子として、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を採用したカメラである。なお、固体撮像素子として、CCD(Charge Coupled Device)が用いられてもよい。
外部機器接続I/F1118には、USB(Universal Serial Bus)ケーブル等によって、外付けカメラ、外付けマイク及び外付けスピーカ等の外部機器を接続できるようになっている。
外部機器接続I/F1118に外付けカメラが接続された場合には、CPU1101は、内蔵型のCMOS1112に優先して、外付けカメラを駆動するようになっている。また、外部機器接続I/F1118に外付けマイクや外付けスピーカが接続された場合には、CPU1101は、内蔵型の音声入力部1114や内蔵型の音声出力部1115にそれぞれ優先して、外付けマイクや外付けスピーカを駆動するようになっている。
なお、記録メディア1106は、伝送端末1010に対して着脱自在に構成されている。また、伝送端末1010は、CPU1101の制御にしたがってデータの読み出し又は書き込みを行う不揮発性メモリであれば、フラッシュメモリ1104に代えて、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)等を用いてもよい。
また、伝送端末制御プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファ
イルで、記録メディア1106等のような、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送端末制御プログラムは、フラッシュメモリ1104ではなくROM1102に記憶させるようにしてもよい。
なお、加速度・方位センサ1113、通信部1116、アンテナ1117、GPS受信部1119、タッチパネル1121、電池1122は、図10に示した通信端末5の同名の装置と同様の機能を有する。
(伝送管理装置のハードウェア構成)
次に、図31を用いて、伝送管理装置1050のハードウェア構成について説明する。
図31に示すように、伝送管理装置1050は、伝送管理装置1050全体の動作を制御するCPU1201と、IPL等のCPU1201の駆動に用いられるプログラムを記憶したROM1202と、CPU1201のワークエリアとして使用されるRAM1203と、伝送管理プログラム等の各種データを記憶するHD1204と、CPU1201の制御にしたがってHD1204に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するHDD(Hard Disk Drive)1205と、フラッシュメモリ等の記録メディア1206に対するデータの読み出し又は書き込み(記憶)を制御するメディアドライブ1207と、カーソル、メニュー、ウィンドウ、文字、又は画像などの各種情報を表示するディスプレイ1208と、伝送ネットワーク1002を利用してデータ伝送をするためのネットワークI/F1209と、文字、数値、各種指示などの入力のための複数のキーを備えたキーボード1211と、各種指示の選択や実行、処理対象の選択、カーソルの移動などを行うマウス1212と、着脱可能な記録媒体の一例としてのCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)1213に対する各種データの読み出し又は書き込みを制御するCD−ROMドライブ1214と、上記各構成要素を電気的に接続するためのアドレスバスやデータバス等のバスライン1210とを備えている。
なお、伝送管理プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア1206やCD−ROM1213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、伝送管理プログラムは、HD1204ではなくROM1202に記憶されていてもよい。
また、中継装置1030は、伝送管理装置1050と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD1204には、中継装置1030を制御するための中継装置用プログラムが記録されている。
この場合も、中継装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア1206やCD−ROM1213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、中継装置用プログラムは、HD1204ではなくROM1202に記憶されていてもよい。
また、プログラム提供装置1090は、伝送管理装置1050と同様のハードウェア構成を有しているため、その説明を省略する。但し、HD1204には、プログラム提供装置1090を制御するためのプログラム提供装置用プログラムが記録されている。
この場合も、プログラム提供装置用プログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルで、記録メディア1206やCD−ROM1213等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して流通させるようにしてもよい。また、プログラム提供装置用プログラムは、HD204ではなくROM202に記憶されていてもよい。
なお、上述したコンピュータで読み取り可能な記録媒体として、CD−R(Compact Disc Recordable)、DVD(Digital Versatile Disk)、ブルーレイディスク等を適用してもよい。
(機能構成)
次に、主に図32を用いて、本発明の一実施形態における伝送端末1010及び伝送管理装置1050の機能構成について説明する。図32に示すように、伝送端末1010、中継装置1030及び伝送管理装置1050は、伝送ネットワーク1002を介してデータを伝送することができるように接続されている。なお、図26に示したプログラム提供装置1090は、ビデオ会議に関するデータの伝送に直接関係ないため、図32では図示が省略されている。
また、伝送管理装置1050は、伝送ネットワーク1002を介して、位置情報管理システム9と接続されており、該システムに格納された、ユーザの通信端末5及び伝送端末1010の位置情報を取得することができる。このため、位置情報管理システム9は、ネットワークを介して、外部の装置に端末の位置情報を提供するための、Webインタフェース又はサービスを提供することができる。
(伝送端末の機能構成)
伝送端末1010は、送受信部1011、操作入力受付部1012、ログイン要求部1013、撮像部1014、音入力部1015a、音出力部1015b、表示制御部1017、記憶・読出部1019、位置情報送受信部1020、音出力制御部1021を有している。これら各部は、フラッシュメモリ1104からRAM1103上に展開された伝送端末制御プログラムを実行するCPU1101によって実現される機能である。また、伝送端末1010は、RAM1103及びフラッシュメモリ1104によって構成される記憶部1016を有している。
位置情報送受信部1020は、図15を用いて説明したように、配信装置3から配信される位置情報Xを受信し、配信装置3に位置情報X及び端末識別情報Aを送信する機能を有する。当該機能は、図15では、複数の機能ブロックによって実現されるが、図32では、これらの機能ブロックを一のブロックにまとめて表現する。なお、記憶・読出部1019及び記憶部1016は、位置情報送受信部1020に含まれる、同名の機能ブロックと統合されてもよい。既に説明したように、位置情報送受信部1020によって処理された位置情報X及び端末識別情報Aは、配信装置3及びゲートウェイ7(図示しない)を介して、位置情報管理システム9へと送信される。
音出力制御部1021は、ビデオ会議の音声出力を制御し、かかる音声を、音出力部1015bを通じて出力させる。音出力制御部1021は、ユーザによる操作又は伝送管理装置1050からの指示により、ミュート状態に移行し、ビデオ会議の音声出力を行わないように制御することができる。また、音出力制御部1021は、ユーザによる操作又は伝送管理装置1050からの指示により、ミュート状態を解除し、通常通り、ビデオ会議の音声出力を行うよう制御することができる。
送受信部1011は、CPU1101及びネットワークI/F1111によって構成され、伝送ネットワーク102を介して他の伝送端末1010又は装置1030、1050、1090と各種データや情報の送受信を行うようになっている。
送受信部1011は、所望の宛先端末とビデオ会議を開始する前から、伝送管理装置1050より、ビデオ会議の接続先の候補としての各伝送端末1010の状態を示す各状態情報の受信を開始するようになっている。
状態情報は、各伝送端末1010がオンラインかオフラインかの稼動状態を表すだけでなく、オンラインで伝送可能であるか、オンラインで伝送中であるか等の詳細な稼動状態も表す。
また、状態情報は、各伝送端末1010の稼動状態だけでなく、伝送端末1010でケーブルが伝送端末1010から外れていたり、音を出力するが画像は出力させなかったり、音を出力させないようにする(ミュート)等、様々な状態を表す。
操作入力受付部1012は、CPU1101、操作ボタン1108及び電源スイッチ1109によって構成され、利用者による各種入力を受け付けるようになっている。例えば、利用者が、電源スイッチ1109をONにすると、操作入力受付部1012が電源ONを受け付けて、伝送端末1010の電源をONにするようになっている。また、利用者が、伝送端末をミュート状態にするための操作ボタン1108をONにすると、送受信部1011が伝送管理装置1050に、当該伝送端末がミュート状態となったことを通知する。
ログイン要求部1013は、CPU1101によって構成され、電源ONの受け付けを契機として、送受信部1011から伝送ネットワーク1002を介して伝送管理装置1050に、ログインを要求する旨を示すログイン要求情報及び現時点の自端末のIPアドレスを送信するようになっている。
また、利用者が電源スイッチ1109をONの状態からOFFの状態にすると、送受信部1011が伝送管理装置1050に電源をOFFする旨の状態情報を送信した後に、操作入力受付部1012が伝送端末1010の電源を完全にOFFにするようになっている。これにより、伝送管理装置1050側では、伝送端末1010が電源ONから電源OFFになったことを把握することができる。
撮像部1014は、CPU1101及びCMOS1112によって構成され、被写体を撮像し、撮像して得られた画像データを送受信部1011に出力するようになっている。
音入力部1015aは、CPU1101及び音声入力部1114によって構成される。音入力部1015aには、音声入力部1114によって集音されて得られた音を表す音信号が入力され、入力された音信号を音データに変換するようになっている。
音出力部1015bは、CPU1101及び音声出力部1115によって構成される。音出力部1015bは、音データを音信号に変換し、変換した音信号を音声出力部1115に出力することにより、可聴音を出力させるようになっている。
表示制御部1017は、CPU1101及びディスプレイ1120によって構成され、送受信部1011で受信した解像度の異なる画像データを組み合わせ、組み合わせた画像データをディスプレイ1120に表示するようになっている。
また、表示制御部1017は、送受信部1011が伝送管理装置1050から受信した宛先リストの情報をディスプレイ1120に送信することにより、宛先リストをディスプレイ1120に表示させるようになっている。
記憶・読出部1019は、CPU1101及びSSD1105によって構成され、記憶部1016に各種データを記憶したり、記憶部1016に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
記憶部1016には、伝送端末1010を識別するための識別子及びパスワード等が記憶されている。識別子は、伝送端末1010を一意に識別するための、任意の数、文字又はそれらの組み合わせによって表現され得るが、本実施形態では、上述した位置管理システムで用いた端末識別情報Aを用いる。更に、記憶部1016は、宛先端末とビデオ会議を行う際に受信される画像データ及び音データの受信バッファとしても用いられる。
(伝送管理装置の機能構成)
伝送管理装置1050は、送受信部1051、端末認証部1052、状態管理部1053、端末抽出部1054、端末状態取得部1055、記憶・読出部1056、位置情報取得部1058、判定部1059、距離算出部1060、会議管理部1061及び音出力指示部1062を有している。これら各部は、HD1204からRAM1203上に展開された伝送管理プログラムを実行するCPU1201によって実現される機能である。また、伝送管理装置1050は、HD1204により構成される記憶部1057を有している。
(端末認証情報)
記憶部1057には、図33に示すようなテーブルに格納される端末認証情報5002が格納されている。端末認証情報では、伝送管理装置1050によって管理される全ての伝送端末1010の各端末識別情報Aに対して、各パスワードが関連付けられて管理される。例えば、図33に示した端末認証情報は、端末識別情報が「01234abc10aa」である伝送端末1010aaのパスワードが「aaaa」であることを示している。
また、端末認証情報は、「ロック状態」の項目をさらに有する。「ロック状態」が有効となると(すなわち、「ロック状態」が「1」であると)、その伝送端末1010は、ログイン不能となる。「ロック状態」は、伝送端末1010において、所定の回数以上、連続して、一致しないパスワードが入力された場合等に、有効となる。これにより、伝送端末1010を用いて、不正なアクセス試行がさらに継続されることを防止することができる。連続して誤ったパスワードが入力された場合の他に、管理者によって設定された場合や、予め定められた有効期間が超過した場合等に、ロック状態が設定されてもよい。
(端末管理情報)
また、記憶部1057には、図34に示すようなテーブルに格納される端末管理情報5003が格納されている。
端末管理情報では、各伝送端末1010の端末識別情報A毎に、各伝送端末1010の機器名と、各伝送端末1010の稼動状態と、伝送システム1001にログインするためのログイン要求情報が伝送管理装置1050で受信された受信日時と、伝送端末1010IPアドレスと、位置情報管理システム9を介して取得した各伝送端末1010の位置情報X(緯度、経度、階数及び棟)とが、関連付けられて管理されている。
例えば、図34に示した端末管理情報は、端末識別情報Aが「01234abc10aa」の伝送端末1010aaに対して、端末名が「東京事業所 AA端末」で、稼動状態が「オンライン(伝送可能)」で、伝送管理装置1050でログイン要求情報が受信された日時が「2012年10月31日の10時00分30秒」で、伝送端末1010aaのIPアドレスが「1.2.1.3」で、伝送端末1010aaの位置する緯度が「35.700000」、経度が「139.700000」、階数が「4」、棟が「A」であることを表している。
ここで、伝送端末1010の「端末識別情報A」は、位置管理システム1で用いられる「端末識別情報A」と対応する。また、端末管理情報の「機器名」は、端末識別情報Aと同様に、位置管理システム1で用いられる「機器名」と対応する。しかしながら、当該「機器名」は、「端末識別情報A」とは異なり、位置管理システム1で用いられるものと対応していなくてもよい。例えば、「機器名」として、位置管理システム1とは異なる名前が、伝送管理装置1050の管理者によって登録されてもよい。また、端末名は、伝送端末1010から伝送管理装置1050に対してなされる要求に応じて、変更されてもよい。
また、端末管理情報5003に含まれる「位置情報X」は、例えば、図35に例示される、位置情報管理システム9の保持する管理情報Fと対応する。上述したように、位置管理システム1と伝送システム1001とでは、端末を一意に識別するために、端末識別情報Aを用いている。よって、伝送管理装置1050は、所望の端末の位置情報を、端末識別情報Aを用いて、位置情報管理システム9より取得することができる。例えば、伝送端末1010aaの位置情報は、図35の管理情報Fの位置情報X(緯度「35.700000」、経度「139.700000」、階数「4」、棟「A」)に由来する。また、機器名についても同様に、位置情報管理システム9の管理情報Fから取得可能である。
なお、図35において、伝送端末1010caの位置情報X及び受信日時の項目は、記号「−」で表されている。これは、伝送端末1010caが測位不能な場所にある等により、位置情報が取得できていない様子を表している。従って、対応する端末管理情報5003(図34)においても同様に、伝送端末1010caの位置情報の項目には、位置情報が受信できなかったことを表す記号「−」が格納されている。
また、「稼動状態」が「オンライン(伝送可能)」とは、伝送端末1010が伝送システム1001にログインした状態で、ビデオ会議に参加していない状態であることを表し、「オンライン(伝送中)」とは、伝送端末1010が伝送システム1001にログインした状態で、ビデオ会議に参加している状態であることを表し、稼動状態が「オフライン」とは、伝送端末1010が伝送システム1にログインしていない状態であることを表す。
(通信端末情報)
また、記憶部1057には、図36に示すようなテーブルに格納される通信端末情報5006が格納されている。
通信端末情報5006は、位置情報管理システム9を介して取得した、ユーザの所持する通信端末5の位置情報X(緯度、経度、階数及び棟)と、その位置情報の受信日時とを、関連付ける。
例えば、図36に示した通信端末情報5006は、端末識別情報Aが「11234abc10ba」の通信端末5baの緯度が「35.700030」、経度が「139.700030」、階数が「4」、棟が「A」であり、その位置情報の受信日時が「12/10/31 10:00:00」であることを表している。
通信端末5の「端末識別情報A」は、伝送端末1010の端末識別情報と同様に、位置管理システム1で用いられる「端末識別情報A」と対応する。従って、伝送管理装置1050は、所望の端末の位置情報を、端末識別情報Aを用いて、位置情報管理システム9より取得することができる。
(宛先リスト情報)
更に、記憶部1057には、図37に示すようなテーブルに格納される宛先リスト情報5004が格納されている。
宛先リスト情報では、ビデオ会議の開始を要求する要求元端末の端末識別情報に対して、宛先端末の候補として登録されている、宛先端末の端末識別情報が関連付けられて管理されている。
例えば、図37に示した宛先リスト情報において、端末識別情報が「01234abc10aa」である伝送端末1010aaからビデオ会議の開始を要求する宛先端末の候補は、
−端末識別情報が「01234abc10ba」の伝送端末1010ba
−端末識別情報が「01234abc10da」の伝送端末1010da
−端末識別情報が「01234abc10db」の伝送端末1010db
であることが示されている。宛先端末の候補は、伝送端末1010から伝送管理装置1050に対してなされる要求に応じて、追加又は削除される。
(会議情報)
また、記憶部1057には、図38に示すようなテーブルに格納される会議情報5005が格納されている。
会議情報5005は、現在、電装管理装置1050及び中継装置1030を介して実行中の、会議を管理するための情報である。会議情報5005は、会議を一意に識別するための会議IDと、その会議に参加している伝送端末の端末識別情報と、その会議のセッションに接続した接続日時と、当該伝送端末の緯度、経度、階数及び棟(位置情報X)と、当該伝送端末のミュート状態とを関連付ける。
例えば、図38に示した会議情報5005の最上位のエントリは、会議IDが「001」である会議に、端末識別情報Aが「01234abc10aa」である伝送端末1010aaが、接続日時「12/10/31 10:15:30」に参加したことを表す。また、伝送端末1010aの緯度が「35.700000」、経度が「139.700000」、階数が「4」、棟が「A」であり、ミュート状態が「0」(すなわち、ミュートでない状態)である。また、会議IDが「001」である会議には、伝送端末1010ba(端末識別情報「01234abc10ba」)及び伝送端末1010db(端末識別情報「01234abc10db」)が参加していることが示されている。ここで、伝送端末1010baは、ミュート状態が「1」であり、ミュート状態であることが示されている。
(伝送管理装置の各機能構成)
送受信部1051は、CPU1201及びネットワークI/F1209によって構成され、伝送ネットワーク1002を介して他の伝送端末1010、装置1030、1090、又は、位置管理システム1の位置情報管理システム9と、各種データや情報の送受信を行うようになっている。
端末認証部1052は、CPU1201によって構成され、送受信部1051を介して受信されたログイン要求情報に含まれている端末識別情報A及びパスワードを検索キーとして、記憶部1057の端末認証情報5002を検索する。そして、端末認証情報5002に同一の端末識別情報A及びパスワードが管理されているかを判断し、パスワードが一致する場合には、認証成功と判断し、そうでない場合には、認証失敗と判断する。また、端末認証部1052は、該当する伝送端末がロック状態であるか検証し、ロック状態である場合(図33の例ではロック状態が「1」の伝送端末)には、認証失敗と判断する。
状態管理部1053は、CPU1201によって構成され、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態を管理すべく、端末管理情報5003(図34参照)に、要求元端末の端末識別情報に対して、稼動状態、伝送管理装置1050でログイン要求情報が受信された受信日時及びIPアドレスを関連付けて記憶して管理するようになっている。
また、状態管理部1053は、利用者が伝送端末1010の電源スイッチ1109の状態をONからOFFにすることで、伝送端末1010から送られてきた、電源をOFFする旨の状態情報に基づいて、端末管理情報5003(図34参照)における伝送端末1010の稼動状態をオンラインからオフラインに変更するようになっている。
端末抽出部1054は、CPU1201によって構成され、ログイン要求した要求元端末の端末識別情報Aを検索キーとして、宛先リスト情報5004(図37参照)を検索し、要求元端末に対する宛先端末の候補の端末識別情報を抽出するようになっている。
また、端末抽出部1054は、ログイン要求してきた要求元端末の端末識別情報Aを検索キーとして、宛先リスト情報5004(図37参照)を検索し、要求元端末の端末識別情報Aを宛先端末の候補として登録している他の要求元端末の端末識別情報Aも抽出するようになっている。
端末状態取得部1055は、CPU1201によって構成され、端末抽出部1054によって抽出された宛先端末の候補の端末識別情報Aを検索キーとして、端末管理情報5003(図34参照)を検索し、検出された端末識別情報毎に稼動状態を読み出すようになっている。
これにより、端末状態取得部1055は、ログイン要求してきた要求元端末に対する宛先端末の候補の稼動状態を取得することができる。また、端末状態取得部1055は、端末抽出部1054によって抽出された端末識別情報Aを検索キーとして、端末管理情報5003を検索し、ログイン要求してきた要求元端末の稼動状態も取得するようになっている。
記憶・読出部1056は、CPU1201及びHDD1205によって構成され、記憶部1057に各種データを記憶したり、記憶部1057に記憶された各種データを読み出したりするようになっている。
位置情報取得部1058は、CPU1201によって構成され、送受信部1051を通じて、位置管理システム1の位置情報管理システム9にアクセスし、伝送端末1010の端末識別情報Aをキーとして、各伝送端末1010の位置情報を取得する。位置情報の取得対象となる伝送端末1010は、図34の端末管理情報にエントリが存在する全ての伝送端末1010であってもよいし、その一部であってもよい。何れの伝送端末1010の位置情報を取得するかは、伝送管理装置1050の管理者が任意に定めることができる。例えば、伝送端末1010のうち、端末状態が、「オンライン(伝送中)」又は「オンライン(伝送可能)」の伝送端末の位置情報を取得してもよい。取得した伝送端末1010の位置情報は、図34に示す端末管理情報5003に、格納される。なお、位置情報取得部1058は、位置情報Xとともに、同様に管理情報Fとして格納される、端末識別情報A、機器名及び所有者名の情報の組を取得してもよい。
また、位置情報取得部1058は、さらに、ユーザの所持する通信端末5の位置情報を取得する。通信端末5も、伝送端末1010と同様に、端末識別情報Aを有するため、この情報を用いて、所望の通信端末の位置情報を取得することができる。位置情報取得部1058は、例えば,所定の範囲の端末識別情報Aを有する通信端末の位置情報を取得するよう構成され得る。
位置情報取得部1058は、任意のタイミングで、位置情報管理システム9から、各伝送端末1010又は通信端末5の位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得部1058は、位置情報管理システム9から、位置情報の変化した伝送端末1010又は通信端末5の位置情報を、プッシュによって受動的に取得するよう構成されてもよい。
判定部1059は、CPU1201によって構成され、伝送端末間の距離、又は伝送端末と通信端末との間の距離が、一定の距離(閾値)以下となっているかどうか判定する。また、判定部1059は、会議情報5005を参照し,伝送端末がミュート状態となっているかどうか判定する。判定部1059は、判定の結果、条件を満たす端末の端末識別情報を、会議管理部1061に渡す。判定処理の詳細については、後述する。なお、端末間の距離は、後述する、距離算出部1060によって算出される。閾値は、例えば、「メートル」単位で、予め伝送システム1001の管理者等によって定められる(但し、「メートル」以外の、任意の単位を用いてもよい)。なお、判定部1059は、距離算出部1060によって距離が算出されていない伝送端末について、判定を行わなくてもよい。
距離算出部1060は、CPU1201によって構成され、伝送端末間の距離を算出する。距離算出部1060は、会議情報5005を参照し、同一の会議IDを有する伝送端末の位置情報を用いて、それぞれの間の物理的な距離を算出する。距離算出部1060は、任意の既知の方法を用いて、経緯座標から二地点間の(最短)距離を求める。ここでは、以下の簡易な条件により、距離を求める。
−同一経度における、緯度「0.000010」度の差は、1.1メートルに相当する
−同一緯度における、経度「0.000010」度の差は、0.9メートルに相当する
−地表は平面とする
なお、ここでは、位置情報Xに含まれる、「階数」及び「棟」の情報は、距離の計算に用いていない。しかしながら、これらの情報を加味して(例えば、「階数」を高さの情報として用いる)、二地点間の距離を求めてもよい。
上記の条件に基づき、ある時点における、伝送端末1010aaと、伝送端末1010baとの間の距離を求める例を、以下に示す。距離の算出に用いる位置情報は、図35に例示される管理情報Fに由来するものであるとすると、両者の緯度と経度は、
−伝送端末1010aa:緯度「35.700000」 経度「139.700000」
−伝送端末1010ba:緯度「35.700040」 経度「139.700040」
である。上記条件により、両者の間の距離は、「5.7m」と算出される。上述した判定部1059は、この結果を用いて判定を行う。
また、距離算出部1060は、通信端末情報5006と、会議情報5005とを参照し,ユーザの所持する通信端末5と、各伝送端末との間の距離のを算出する。端末間の距離の算出方法は、上述した方法と同様である。
会議管理部1061は、CPU1201によって構成され、当該伝送管理装置1050を介して実行されているビデオ会議を管理する。会議管理部1061は、伝送端末がビデオ会議のセッションを確立すると(「稼動状態」が「オンライン(伝送中)」)、その会議の識別子である「会議ID」を生成し、現在時刻と、参加する伝送端末の端末識別情報と関連付けて、会議情報5005に格納する。ここで、端末管理情報5003に格納された,各伝送端末の位置情報Xも、会議情報5005に格納される。
また、会議管理部1061は、各伝送端末のミュート状態を、会議情報5005を用いて管理する。会議管理部1061は、後述する音出力指示部1062を介して、ミュート状態へと移行させた伝送端末のミュート状態を「1」に設定する。また、ミュート状態を解除させた伝送端末のミュート状態を「0」に設定する。
また、会議管理部1061は、伝送端末1010から送信されたミュート状態のON/OFFに係る通知を、送受信部1051を通じて受信し、その内容に応じて,会議情報5005を更新する。具体的には、ある伝送端末から、ミュート状態をONにする通知が送信された場合には、会議情報5005の、その伝送端末に対応するミュート状態の項目を「1」に設定する。一方、ミュート状態をOFFにする通知が送信された場合には、会議情報5005の、その伝送端末に対応するミュート状態の項目を「0」に設定する。
また、会議管理部1061は、上述した判定部1059から、一定の距離以下にある二つの伝送端末の端末識別情報を受信すると、会議情報5005の該当する伝送端末のミュート状態を参照する。そして、2つの伝送端末の「ミュート状態」がともに「0」、すなわちミュート状態でない場合には、何れか一方の伝送端末をミュート状態にするために、後述する音出力指示部1062に、その伝送端末の端末識別情報を渡す。ここで、ミュート状態とされるべき伝送端末は、例えば、2つの伝送端末のうち、「接続日時」が新しいものであってもよい。
音出力指示部1062は、CPU1201によって構成され、会議管理部1061から受け取った端末識別情報を有する伝送端末に対して、ミュート状態へと移行するよう指示するか、あるいは、ミュート状態を解除するよう指示する。当該指示は、送受信部1051を通じて、伝送端末1010に送信される。送信先となる伝送端末のIPアドレスは、伝送端末の端末識別情報Aをキーとして、端末管理情報5003から取得できる。
(位置情報取得処理)
次に、本実施形態に係る伝送システム1001の動作について説明する。図39は、伝送管理装置1050が、伝送端末1010及び通信端末5の位置情報を取得し、記憶部1057に格納する処理を示すフローチャートである。
まず、伝送管理装置の位置情報取得部1058は、端末管理情報5003により管理される伝送端末1010と、任意の通信端末5の位置情報Xを、端末識別情報Aを用いて、位置情報管理システム9より取得する(ステップS111)。
次に、位置情報取得部1058は、取得した位置情報Xのうち、通信端末5の位置情報を、通信端末情報5006として、また、伝送端末1010の位置情報を端末管理情報5003として、それぞれ格納する。また、会議情報5005に端末識別情報が含まれる伝送端末1010の位置情報は、会議情報5005にも格納される。
図39に示される、ステップS111−S112の処理は、任意のタイミングで、繰り返し実行されてもよい。あるいは、位置情報管理システム9が、位置情報の変更のあった通信端末5又は伝送端末1010の位置情報を、能動的に通知可能なように構成されている場合には、当該処理は、その通知がなされるごとに、実行されてもよい。
(伝送端末のログイン時の処理)
次に、本実施形態に係る伝送システム1001の動作について説明する。図40は、伝送端末1010がビデオ会議に参加する準備状態になるまでの準備段階動作を示すシーケンス図である。なお、図40は、伝送端末1010aaが準備状態になる例が示されている。準備段階動作においては、管理情報用セッションsei(図27参照)で各種情報が送受信される。
まず、伝送端末1010aaの利用者が、伝送端末1010aaの電源スイッチ1109をONにすると、操作入力受付部1012が電源ONを受け付けて、電源をONにする(ステップS121)。そして、ログイン要求部1013は、電源ONの受け付けを契機とし、伝送端末1010aaの送受信部1011から伝送ネットワーク1002を介して伝送管理装置1050にログイン要求を表すログイン要求情報を送信する(ステップS122)。
ログイン要求情報には、ログイン要求元の伝送端末1010aaを識別するための端末識別情報A及びパスワードが含まれている。これら端末識別情報A及びパスワードは、記憶・読出部1019によって記憶部1000から読み出される。
なお、伝送端末1010aaから送信されたログイン要求情報が伝送管理装置1050に受信されたときには、伝送管理装置1050は、送信側である伝送端末1010aaのIPアドレスを把握することができる。
次に、伝送管理装置1050の端末認証部1052は、送受信部1051を介して受信したログイン要求情報に含まれている端末識別情報A及びパスワードを検索キーとして、記憶部1057の端末認証情報5002(図33参照)を検索し、端末認証情報5002に検索キーと同一の端末識別情報A及びパスワードが管理されているかを判断することによって端末認証を行う(ステップS123)。
ここで、端末認証部1052によって、検索キーと同一の端末識別情報A及びパスワードが管理されていないと判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末1010からのログイン要求でないと判断された場合には、送受信部1051は、端末認証部1052によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末1010aaに伝送ネットワーク1002を介して送信し、準備段階の動作は終了することとなる。
また、端末認証部1052は、検索キーと同一の端末識別情報Aのロック状態が「1」である場合、すなわち、該当する伝送端末がロック状態である場合にも、送受信部1051は、端末認証部1052によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末1010aaに伝送ネットワーク1002を介して送信し、準備段階の動作は終了することとなる。
一方、端末認証部1052によって、検索キーと同一の端末識別情報A及びパスワードが管理されていると判断された場合、すなわち、正当な利用権限を有する伝送端末10からのログイン要求であると判断された場合には、状態管理部1053は、端末管理情報5003(図34参照)に、伝送端末1010aaの端末識別情報A、稼動状態、ログイン要求情報が受信された受信日時及び伝送端末1010aaのIPアドレスを関連付けて記憶する(ステップS124)。
これにより、図34に示すように、端末管理テーブルは、端末識別情報A「01234abc10aa」、稼動状態「オンライン(伝送可能)」、受信日時「12/10/31 10:00:30」及び伝送端末10aaのIPアドレス「1.2.1.3」を関連付けて管理することになる。なお、位置情報Xは、上述した、別途実行される図39の処理により、随時格納される。
次に、伝送管理装置1050の送受信部1051は、端末認証部1052によって得られた認証結果を表す認証結果情報をログイン要求してきた伝送端末1010aaに伝送ネットワーク1002を介して送信する(ステップS125)。
次に、伝送管理装置1050の端末抽出部1054は、ログイン要求してきた伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を検索キーとして、宛先リスト情報5004(図37参照)を検索し、伝送端末1010aaに対する宛先端末の候補の端末識別情報Aを抽出する(ステップS126)。
ここでは、伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」に対する宛先端末である伝送端末1010ba、1010da、1010dbのそれぞれの端末識別情報A「01234abc10ba」、「01234abc10da」、「01234abc10db」が抽出されることになる。
次に、伝送管理装置1050の端末状態取得部1055は、端末抽出部1054によって抽出された宛先端末の候補の端末識別情報A「01234abc10ba」、「01234abc10da」、「01234abc10db」を検索キーとして、端末管理情報5003(図34参照)を検索し、端末抽出部1054によって抽出された端末識別情報A毎に稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を読み出すことにより、伝送端末1010ba、1010da、1010dbの各稼動状態を取得する(ステップS127)。
次に、伝送管理装置1050の送受信部1051は、ステップS127で使用された検索キーとしての端末識別情報A「01234abc10ba」、「01234abc10da」、「01234abc10db」と、それぞれに対応する伝送端末1010ba、1010da、1010dbの稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」とが含まれた宛先状態情報を、伝送ネットワーク1002を介して伝送端末1010aaに送信する(ステップS128)。
これにより、伝送端末1010aaは、宛先端末の候補である伝送端末1010ba、1010da、1010dbの現時点のそれぞれの稼動状態「オフライン」、「オンライン(伝送可能)」、「オンライン(伝送中)」を把握することができる。
更に、伝送管理装置1050の端末抽出部1054は、ログイン要求してきた伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を検索キーとして、宛先リスト情報5004(図37参照)を検索し、伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を宛先端末の候補として登録している他の伝送端末の端末識別情報Aを抽出する(ステップS129)。例えば、図37に示した宛先リスト情報では、抽出される端末識別情報Aは、「01234abc10ba」と「01234abc10db」である。
次に、伝送管理装置1050の状態管理部1053は、ログイン要求して来た伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を検索キーとして、端末管理情報5003(図34参照)を検索し、ログイン要求してきた伝送端末1010aaの稼動状態「オンライン(伝送可能)」を取得する(ステップS130)。
次に、伝送管理装置1050の送受信部1051は、ステップS129で抽出された端末識別情報A「01234abc10ba」と「01234abc10db」で識別される伝送端末のうち、端末管理情報5003(図34参照)で稼動状態が「オンライン」となっている伝送端末(すなわち、ここでは伝送端末1010ba、1010dbの両端末)に、ステップS130で取得された伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」と稼動状態「オンライン(伝送可能)」とが含まれる宛先状態情報を送信する(ステップS131−1、2)。
なお、伝送端末1010ba、1010dbに宛先状態情報を送信するときには、送受信部1051は、各端末識別情報A「01234abc10ba」、「01234abc10db」に基づいて、図34に示した端末管理情報で管理されている伝送端末のIPアドレスを参照する。
これにより、ログイン要求してきた伝送端末1010aaを宛先として伝送することができる伝送端末1010ba、1010dbに、ログイン要求してきた伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」及び稼動状態「オンライン(伝送可能)」を伝えることができる。
また、準備段階動作のステップS128が完了したときに、伝送端末1010aaのディスプレイ1120には、表示した宛先リストの情報から、ビデオ会議に参加中の端末、すなわち、稼動状態が「オンライン(伝送中)」や「オンライン(伝送可能)」である伝送端末1010dbの情報が強調表示され、ビデオ会議に参加している伝送端末1010又は参加可能な伝送端末1010を利用者に認識させることができる。
(伝送端末間でのセッションの確立処理)
図41は、伝送端末1010がビデオ会議に参加する参加状態になるまでの会議参加動作を示すシーケンス図である。なお、図41は、伝送端末1010aaが参加状態になる例が示されている。会議参加動作においては、管理情報用セッションsei(図27参照)で各種情報が送受信される。
まず、利用者が操作ボタン1108を押下してビデオ会議の参加を選択すると、操作入力受付部1012は、伝送端末1010dbのビデオ会議に参加する旨の要求を受け付ける(ステップS141)。
この要求に応じて、伝送端末1010aaの送受信部1051は、伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」及び伝送端末1010dbの端末識別情報A「01234abc10db」が含まれ、ビデオ会議に参加する旨を表す開始要求情報を伝送管理装置1050に送信する(ステップS142)。
これにより、伝送管理装置1050の送受信部1051は、参加要求情報を受信すると共に、送信元である伝送端末1010aaのIPアドレス「1.2.1.3」を確認することができる。
次に、伝送管理装置1050の状態管理部1053は、参加要求情報に含まれる伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を検索キーとして、端末管理情報5003を検索し、参加要求してきた伝送端末1010aaの稼動状態を「オンライン(伝送中)」に設定する(ステップS143)。
次に、伝送管理装置1050の送受信部1051は、伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」を含む開始要求情報を伝送端末1010dbに伝送ネットワーク1002を介して送信する(ステップS144)。これにより、伝送端末1010dbは、どの伝送端末1010からビデオ会議に参加したいとの要求があったのかを把握することができる。
次に、伝送端末1010dbは、送受信部1051から伝送ネットワーク1002を介して伝送管理装置1050に開始要求情報の受信が完了した旨を示す受信完了情報を送信する(ステップS145)。
次に、伝送管理装置1050の会議管理部1061は、新たに会議の識別子である「会議ID」を生成し、当該「会議ID」と、参加する伝送端末の端末識別情報とを関連付けて、会議情報5005(図38)に格納する。また、現在時刻を、「接続日時」として格納する。また、端末管理情報5003に、伝送端末の位置情報Xが格納されている場合には、その位置情報Xも、会議情報5005に格納する。
図38の例では、伝送端末1010aaと伝送端末1010dbとの間で,「会議ID」が「001」の会議セッションが開始され、両者が接続した日時は「12/10/31 10:15:30」である。また、各伝送端末の端末識別情報と位置情報Xは、図34の端末管理情報5003に格納される位置情報Xと同様である。なお、「ミュート状態」の項目は、各伝送端末より適宜受信される、ミュート状態のON/OFFに係る通知に従って、動的に変更される。そのような通知がなされるまで、デフォルトの値として、「0」が設定されてもよい。
ここで、会議管理部1061は、図41に図示しない伝送端末1010baから、伝送端末1010aa、1010dbで実行中の会議(会議ID「001」)に対する、新たな参加要求情報を受け付けた場合にも、同様に処理を行う。この場合には、会議IDは既存の「001」が使用され、新たな会議IDは生成されない(図38)。
次に、伝送管理装置1050の送受信部1051は、伝送ネットワーク1002を介して中継装置1030に中継を開始する旨の要求を表す中継開始要求情報を送信する(ステップS147)。中継開始要求情報には、伝送端末1010aa及び伝送端末1010dbの各IPアドレス「1.2.1.3」、「1.3.2.4」が含まれている。
これにより、中継装置1030は、伝送端末1010aa、1010db間で、低解像度、中解像度及び高解像度の3つ画像データ、並びに、音データを伝送するためのセッションを確立する(ステップS148)。このように、伝送端末1010aaは、伝送端末1010dbとのビデオ会議に参加することができるようになる。
一方で、伝送システム1050の送受信部1051は、伝送端末1010aaの端末識別情報A「01234abc10aa」と稼動状態「オンライン(伝送中)」とが含まれる端末状態変更情報を、端末管理情報5003(図34参照)に登録されている各伝送端末1010に送信する(ステップS149)。これにより、端末状態変更情報を受信した各伝送端末は、必要に応じて、端末識別情報A「01234abc10aa」の伝送端末1010aaの稼動状態を記憶および表示することができる。
(伝送端末間でのデータ伝送処理)
図42は、伝送端末1010間のデータ伝送動作を示したシーケンス図である。なお、図42に示すデータ伝送動作においては、画像・音データ用セッションsed(図27参照)で画像データや音データが送受信される。
図41を用いて説明したように、伝送端末1010aaと10dbとの間のセッションが確立すると、伝送端末1010aaは、撮像部1014によって撮像して得た画像データと、音入力部1015aに入力された音信号が変換された音データを、送受信部1011を介して、中継装置1030に送信する(ステップS160)。
伝送端末1010aaから画像データ及び音データを受信した中継装置1030は、ビデオ会議に参加している各伝送端末1010aa、1010dbに、受信した画像データ及び音データを送信する(ステップS161−1、161−2)。
中継装置1030から画像データ及び音データを受信した各伝送端末1010aa、1010dbは、受信した画像データが表す画像をディスプレイ1120に表示させると共に、受信した音データが表す音を、音出力部1015bによって音声出力部1115に出力させる(ステップS162−1、S162−2)。
次に、伝送端末1010dbは、撮像部14によって撮像して得た画像データと、音入力部1015aに入力された音信号が変換された音データを、送受信部1011を介して、中継装置1030に送信する(ステップS163)。
伝送端末1010dbから画像データ及び音データを受信した中継装置1030は、ビデオ会議に参加している各伝送端末1010aa、1010dbに、受信した画像データ及び音データを送信する(ステップS164−1、S164−2)。
中継装置1030から画像データ及び音データを受信した各伝送端末1010aa、1010dbは、受信した画像データが表す画像をディスプレイ1120に表示させると共に、受信した音データが表す音を音出力部1015bによって音声出力部1115に出力させる(ステップS165−1、S165−2)。
このように、伝送端末1010aa、1010dbは、中継装置1030を介してビデオ会議を行うことができる。なお、図42では、本発明を理解しやすくするために、ビデオ会議に参加している伝送端末1010を、2つの伝送端末1010aa、1010dbとしているが、ビデオ会議に参加している伝送端末1010が3つ以上であっても画像データ及び音データは、図42に示したデータ伝送動作と同様に伝送される。
(伝送端末にミュート状態への移行指示を行う処理の例)
次に、図43を用いて、会議セッションの実行中に、2つの伝送端末の間の距離が一定の距離以下となり、ハウリングが起きるおそれが生じた場合に、伝送管理装置1050が、伝送端末1010に対して、ミュート状態へと移行するよう指示する動作を説明する。
まず、上述した例に従って、伝送端末1010aaと伝送端末1010dbとの間で、画像と音によるビデオ会議の会議セッション(会議ID「001」)が確立されている。この状態で、新たに、伝送端末1010baが、この会議に参加し(ステップS181)、図41で示した手順に従って、同様に会議セッションを確立する。
伝送管理装置1050の距離算出部1060は、当該会議ID「001」をキーとして、会議情報5005(図38)を検索し、該当する伝送端末1010の位置情報X(緯度、経度、階数、棟)を読み出す(ステップS182)。伝送端末1010の位置情報Xは、上述したように、位置情報取得部1058によって、適宜,更新される。次に、距離算出部1060は、位置情報を読み出した伝送端末間の距離を算出する(ステップS183)。距離の算出方法の例は、既に述べた通りである。ここでは、緯度と経度を用いて、簡易に距離を算出する方法を用いる。例えば、図38の例において、伝送端末1010aaと伝送端末1010baの間の距離は、以下の緯度と経度により、「5.7m」と算出される。
−伝送端末1010aa:緯度「35.700000」 経度「139.700000」
−伝送端末1010ba:緯度「35.700040」 経度「139.700040」
また、図38の例において、伝送端末1010aaと伝送端末1010dbの間の距離は、以下の緯度と経度により、「111463.0m」と算出される。
−伝送端末1010aa:緯度「35.700000」 経度「139.700000」
−伝送端末1010db:緯度「34.700000」 経度「135.500000」
ここで、算出された距離が大きくなると、距離の算出方法によっては、誤差を多く含み得る。しかしながら、本実施形態において、後に当該距離と比較される閾値が、数m〜数十mのオーダーで定義される場合には、このような誤差を無視することができる。一方、誤差を無視できない場合には、経緯情報から距離を求めるために、より厳密な計算を行ってもよい。
次に、伝送管理装置の判定部1059は、ステップS182において算出された伝送端末間の距離が、一定の距離(第1の閾値)以下となっているかどうか判定する(ステップS184)。ここで、例えば、当該閾値が「10m」であるとすると、判定部1059は、上で算出した伝送端末1010aaと伝送端末1010baとの間の距離(5.7m)が、当該閾値以下であると判定する。そして、両者の伝送端末の端末識別情報を、会議管理部1061に渡す。
次に、会議管理部1061は、判定部1059から、一定の距離以下にある伝送端末の端末識別情報を受け取ると、会議情報5005(図38)を参照し、接続日時の新しい(すなわち、後から会議に参加した)伝送端末の端末識別情報を、音出力指示部1062に渡す。図38の例では、伝送端末1010baの端末識別情報「01234abc10ba」が、音出力指示部1062に渡される。音出力指示部1062は、当該伝送端末に対して、ミュート状態に移行するよう指示を送信する(ステップS185)。
ミュートの指示を受け取った伝送端末1010baの音出力制御部1021は、ビデオ会議に係る音出力を行わないように設定(ミュート状態へ移行)する(ステップS186)。そして、会議管理部1061は、会議情報5005の、ミュート状態に移行するよう指示した伝送端末の「ミュート状態」の項目を、「1」(すなわち、ミュート状態)に更新する(ステップS187)。
以上の処理により、本発明の一実施形態における伝送管理装置1050は、ビデオ会議に参加中の伝送端末の近傍に、新たに会議に参加した伝送端末があり、それらの伝送端末間の距離が、ハウリングを生ずる可能性のある距離である場合に、新たに参加した伝送端末をミュート状態に移行させることができる。その結果、ハウリングの発生する可能性を低減することができる。
なお、図43で説明したステップS182−S185は、伝送管理装置1050によって、任意のタイミングで繰り返されてもよい。これにより、伝送管理装置1050は、既に参加中の伝送端末の位置の変化に応じて、ハウリングを防止するために、伝送端末をミュート状態に移行させることができる。
また、図43では、接続日時の新しい伝送端末1010baに対して、ミュート指示を送信した。しかしながら、一定の距離以下の伝送端末のうち、任意の伝送端末に対して、ミュート指示を送信するようにしてもよい。このために、伝送管理装置1050の会議管理部1061は、会議情報5005の接続日時の情報以外の情報に基づいて、ミュート指示を送信する伝送端末の端末識別情報を特定してもよい。例えば、伝送端末1010より別途取得される、マイクの発話状態又は入力レベル(発話中か、そうでないかを表す情報)や、予め各伝送端末に設定された優先順位に基づいて、ミュートにすべき伝送端末を決定してもよい。
(通信端末の位置情報を用いてミュート状態への移行指示を行う処理の例)
図43の例では、本発明の一実施形態における伝送管理装置1050が、会議に参加中の伝送端末の間の距離に基づいて、特定の伝送端末をミュート状態に移行させる例について説明した。以下では、図44を用いて、ユーザの所持する通信端末5の位置情報に基づいて、特定の伝送端末をミュート状態に移行させる例について説明する。ここで、会議情報5005は、図43の動作に従って、図38のように更新されているものとして説明する。すなわち、伝送端末1010aa、1010ba、1010dbが、会議ID「001」のビデオ会議のセッションに接続中であり、これらの伝送端末のうち、伝送端末1010baがミュート状態となっている。
まず、通信端末5ba(を所持したユーザ)が、伝送端末1010baに接近する(ステップS201)。この後、図39に示した処理に従って、会議情報5005と通信端末情報5006に格納された位置情報Xが更新される。
次に、伝送管理装置1050の距離算出部1060は、図43のステップS182と同様に,伝送端末1010の位置情報Xを読み出すとともに、通信端末情報5006(図36)から、通信端末5の位置情報Xも読み出す(ステップS202)。伝送端末1010及び通信端末5の位置情報Xは、上述したように、位置情報取得部1058によって、適宜,更新される。次に、図43のステップS183と同様に、位置情報を読み出した伝送端末間の距離を算出するとともに、位置情報を読み出した通信端末と、各伝送端末間の距離も算出する(ステップS203)。距離の算出方法の例は、既に述べた通りである。例えば、会議情報5005(図38)及び通信端末情報5006(図36)に例示される位置情報に基づく、通信端末5baと、伝送端末1010aaとの間の距離は、以下の緯度と経度により、「4.3m」と算出される。
−通信端末5ba :緯度「35.700030」 経度「139.700030」
−伝送端末1010aa:緯度「35.700000」 経度「139.700000」
また、通信端末5baと、伝送端末1010baとの間の距離は、以下の緯度と経度により、「1.4m」と算出される。
−通信端末5ba :緯度「35.700030」 経度「139.700030」
−伝送端末1010ba:緯度「35.700040」 経度「139.700040」
各伝送端末間の距離は、図43を用いて説明した距離と同様である。
次に、伝送管理装置の判定部1059は、ステップS203において算出された通信端末と伝送端末の距離が、一定の距離(第2の閾値)以下である、伝送端末を特定し、当該伝送端末が「ミュート状態」であるかどうか判定する(ステップS204)。ここで、当該閾値が「3m」であるとすると、通信端末5baとの距離が、当該閾値以下の距離(「1.4m」)である、伝送端末1010baが特定される。そして、当該伝送端末1010baは、図38の会議情報5005より、ミュート状態と判定される。判定部1059は、当該伝送端末1010baの端末識別情報を、会議管理部1061に渡す。
次に、会議管理部1061は、判定部1059から、通信端末5baから一定の距離以下の伝送端末5baの端末識別情報を受け取り、この情報を音出力指示部1062に渡す。音出力指示部1062は、当該伝送端末1010baに対して、ミュート状態を解除するよう指示する(ステップS205)。ミュート解除の指示を受け取った伝送端末1010baの音出力制御部1021は、ミュート状態を解除する(ステップS206)
次に、伝送端末の判定部1059は、ステップS205においてミュート解除を指示した伝送端末1010baと一定の距離(第1の閾値)以下の伝送端末1010を特定し、特定した伝送端末1010がミュート状態であるか判定する(ステップS207)。ここで、当該閾値が「10m」であるとすると、判定部1059は、伝送端末1010aaと伝送端末1010baとの間の距離が、当該閾値以下(「5.7m」)であることを特定する。そして、会議情報5005を参照し,伝送端末1010aaが、ミュート状態でないと判定する。
次に、会議管理部1061は、判定部1059から、伝送端末1010aaの端末識別情報を受け取ると、当該端末識別情報を、音出力指示部1062に渡す。そして、音出力指示部1062は、当該端末識別情報を有する伝送端末1010aaに対して、ミュート状態に移行するよう指示を送信する(ステップS208)。ミュート状態への移行指示を受け取った伝送端末1010aaの音出力制御部1021は、ミュート状態に移行する(ステップS209)。そして、会議管理部1061は、会議情報5005のうち、ステップS210でミュート状態に移行するよう指示した伝送端末1010aaの「ミュート状態」の項目を、「1」に更新し、ステップS205でミュート状態の解除を指示した伝送端末1010baの「ミュート状態」の項目を、「0」に更新する(ステップS210)。
以上の処理により、本発明の一実施形態における伝送管理装置1050は、ビデオ会議に参加中の伝送端末の近傍にユーザが接近した場合に、その伝送端末のミュート状態を解除することができる。さらに、その伝送端末の近傍にあり、かつ、ハウリングを生ずる可能性のある距離にある伝送端末を、ミュート状態に移行させることができる。その結果、ハウリングの発生する可能性を低減することができる。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態における伝送管理装置1050が、位置情報管理システム9を通じて伝送端末1010及び通信端末5の位置情報を取得し、各端末間の距離を求め、ハウリングの生ずるおそれのある端末をミュート状態に移行させる例について説明した。以下では、伝送端末が、各伝送端末の位置情報を取得し、距離が閾値以下の伝送端末をミュートにするよう、伝送管理装置に要求する変形例について説明する。
図45は、変形例における伝送端末5010及び伝送管理装置5050の機能構成について説明する。この例では、伝送端末5010が、図32に例示される伝送管理装置1050が備えていた、位置情報取得部1058、判定部1059、距離算出部1060に対応する機能を有する。また、本伝送端末5010は、新たに、指示要求部5025を有する。さらに、本伝送端末5010は、取得した各伝送端末の位置情報を格納する端末位置情報5507と、位置情報送受信部5020より取得した自らの位置情報5508とを、記憶部5016に記憶する。以下、これらの詳細について説明する。
(端末位置情報)
本伝送端末5010の記憶部5016には、図46に示すようなテーブルに格納される端末位置情報5507が格納されている。端末位置情報は、後述する位置情報取得部5022が取得した、他の伝送端末又は通信端末の端末識別情報A毎に、位置情報X(緯度、経度、階数及び棟)を関連付ける。
(位置情報)
本伝送端末5010の記憶部5016には、図47に示すようなテーブルに格納される位置情報Xが格納されている。当該位置情報Xは、本伝送端末5010が、位置情報送受信部5020を通じて、配信装置3から受信した位置情報である。
(伝送端末の追加の機能構成)
本伝送端末5010は、さらに、位置情報取得部5022、判定部5023、距離算出部5024及び指示要求部5025を有する。
位置情報取得部5022は、CPU1101によって構成され、送受信部5011を通じて、位置管理システム1の位置情報管理システム9にアクセスし、伝送端末5010の端末識別情報Aをキーとして、各伝送端末5010の位置情報を取得する。位置情報の取得対象となる伝送端末5010は、上述した、当該伝送端末5010の宛先リストに登録されている伝送端末であってもよい。あるいは、当該伝送端末5010が参加する会議セッションに参加中の伝送端末5010であってもよい。
また、位置情報取得部5022は、さらに、ユーザの所持する通信端末5の位置情報を取得する。通信端末5も、伝送端末1010と同様に、端末識別情報Aを有するため、この情報を用いて、所望の通信端末の位置情報を取得することができる。位置情報取得部5022は、例えば,所定の範囲の端末識別情報Aを有する通信端末の位置情報を取得するよう構成され得る。
位置情報取得部5022は、任意のタイミングで、位置情報管理システム9から、各伝送端末1010又は通信端末5の位置情報を取得してもよい。また、位置情報取得部5022は、位置情報管理システム9から、位置情報の変化した伝送端末5010又は通信端末5の位置情報を、プッシュ配信によって、受動的に取得するよう構成されてもよい。
判定部5023は、CPU1101によって構成され、当該伝送端末5010と、他の伝送端末又は通信端末との間の距離が、一定の距離以下となっているかどうか判定する。さらに、判定部1059は、伝送管理装置5050の会議情報5005を参照し,特定の伝送端末がミュート状態となっているかどうかも判定する。判定部5023は、判定の結果、条件を満たす端末の端末識別情報を、指示要求部5025に渡す。なお、端末間の距離は、後述する、距離算出部5024によって算出される。閾値は、例えば、「メートル」単位で、予め伝送システム1001の管理者等によって定められる(但し、「メートル」以外の、任意の単位を用いてもよい)。なお、判定部5023は、距離算出部5024によって距離が算出されていない伝送端末について、判定を行わなくてもよい。
距離算出部5024は、CPU1101によって構成され、当該伝送端末5010と、他の伝送端末又は通信端末との間の距離を算出する。距離算出部5024は、図32の伝送管理装置1050の距離算出部1060と同様に機能し、端末間の距離を算出する。
指示要求部5025は、CPU1101及びネットワークI/F1111によって構成され、判定部5023によって条件を満たすと判定された伝送端末をミュート状態に移行させるため、伝送管理装置5050に対して,ミュート指示要求を送信する。
(伝送管理装置の機能構成)
本実施形態における伝送管理装置5050の会議管理部5061は、図32の会議管理部1061と同様の処理を行うが、会議管理部1061と異なり、会議情報5505には、位置情報Xを格納しない。かかる会議情報5505の例を、図48に示す。また、当該会議管理部5061は、伝送端末5010からの問合せに応じて、各伝送端末のミュート状態を通知する。また、当該会議管理部5061は、伝送端末5010からミュート指示要求を受信すると、当該指示要求とともに送信された端末識別情報を、音出力指示部5062に渡す。音出力指示部5062は、その端末識別情報を有する伝送端末に対して、ミュート状態に移行するよう指示する。
本実施形態における伝送管理装置5050の音出力指示部5062は、会議管理部5061から受け取った端末識別情報を有する伝送端末に対して、ミュート状態への移行指示を送信する。
(伝送端末をミュート状態へ移行させる処理の例)
次に、図49を用いて、会議セッションの実行中に、他の伝送端末の間の距離が一定の距離以下となり、ハウリングが起きるおそれが生じた場合に、本実施例における伝送端末5010が、他の伝送端末5010をミュート状態へ移行させる処理について説明する。
ここで、伝送端末5010aaと伝送端末5010dbとの間で、画像と音によるビデオ会議の会議セッション(会議ID「001」)が確立されているものとする。この状態で、新たに、伝送端末5010baが、この会議に参加し(ステップS221)、図41で示した手順に従って、同様に会議セッションを確立する。その後、伝送管理装置5050の会議管理部5061は、新たに会議に参加した伝送端末5010baの情報を用いて、会議情報5505を更新する(ステップS222)。
次に、伝送管理装置5050の会議管理部5061は、会議ID「001」の会議セッションに参加している伝送端末に対して、その会議に参加中の伝送端末の端末識別情報のリストを、参加端末情報として送信する(ステップS223)。
かかる情報を受け取った伝送端末5010aaは、この端末識別情報を用いて、位置情報管理システム9から、各伝送端末の位置情報Xを取得する(ステップS224)。そして、伝送端末5010aaの距離算出部5024は、予め取得した自らの位置情報5508を用いて,会議に参加している他の伝送端末との間の距離を算出する(ステップS225)。距離の算出方法は、既に述べた通りである。図46、47に例示される位置情報によれば、伝送端末5010aaと、伝送端末5010ba及び伝送端末5010dbとの間の距離は、以下の通りである。
−伝送端末5010aaと伝送端末5010ba:「5.7m」
−伝送端末5010aaと伝送端末5010db:「111463.0m」
次に、伝送端末5010の判定部5023は、会議に参加している他の伝送端末が、一定の距離(第1の閾値)以下にあるかどうか判定する(ステップS226)。ここで、当該閾値が「10m」であるとすると、判定部5023は、伝送端末5010baが、当該閾値以下の距離(「5.7m」)にあると判定する。次に、伝送端末5010の指示要求部5025は、伝送端末5010baの端末識別情報「01234abc10ba」とともに、ミュート指示要求を、伝送管理装置5050に送信する(ステップS227)。
次に、伝送管理装置5050の会議管理部5061は、ミュート指示要求とともに送信された端末識別情報を音出力指示部5062に渡し,音出力指示部5062は、伝送端末5010baに対して、ミュート状態への移行を指示する(ステップS228)。当該指示を受け取った伝送端末5010baの音出力制御部5021は、ミュート状態へと移行する。
一方、伝送管理装置5050の会議管理部5061は、会議情報5505の、ミュート状態に移行するよう指示した伝送端末5010baの「ミュート状態」の項目を、「1」(すなわち、ミュート状態)に更新する(ステップS230)。
以上の処理により、本発明の一実施形態における伝送端末5010は、ビデオ会議の参加中、一定の距離の範囲内に、新たに会議に参加した伝送端末がある場合、その伝送端末をミュート状態に移行させることができる。その結果、ハウリングの発生する可能性を物理的に低減することができる。
なお、図49の例では、伝送端末5010aaは、後から会議に参加した伝送端末5010baをミュート状態に移行させるように、ミュート指示要求を送信した。しかしながら、伝送端末5010aaは、ステップS226の後,自らがミュート状態へと自発的に移行してもよい。これにより、伝送端末5010baの優先度が高い場合に、その伝送端末のマイク状態を変更することなく、ハウリングの生ずる可能性を低減できる。
(通信端末の位置情報に基づき伝送端末をミュート状態へ移行させる処理の例)
図49の例では、本発明の一実施形態における伝送端末5010が、会議に参加中の他の伝送端末との間の距離に基づき、その伝送端末をミュート状態に移行させる例について説明した。以下では、図50を用いて、ユーザの所持する通信端末5の位置情報に基づいて、自らのミュート状態を解除するとともに、近傍にある特定の伝送端末をミュート状態に移行させる例について説明する。ここで、伝送管理装置5050に格納された会議情報5505は、図51のように更新されているものとして説明する。すなわち、伝送端末5010aa、5010ba、5010dbが、会議ID「001」の会議セッションを実行中であり、当該伝送端末5010aaが、ミュート状態となっている。
まず、通信端末5aa(を所持したユーザ)が、伝送端末5010aaに接近する(ステップS241)。次に、伝送端末5010aaの距離算出部5024は、図49のステップS224と同様に,他の伝送端末5010の位置情報Xを取得するとともに、任意の通信端末5の位置情報Xも取得する(ステップS242)。伝送端末5010及び通信端末5の位置情報Xは、端末位置情報5507(図46)として格納される。次に、図49のステップS225と同様に、当該伝送端末5010aaと、位置情報を読み出した他の伝送端末との間の距離を算出するとともに、位置情報を読み出した通信端末との距離も算出する(ステップS243)。距離の算出方法の例は、既に述べた通りである。例えば、端末位置情報5507(図46)に基づく、伝送端末5010aaと通信端末5aaとの間の距離は、以下の緯度と経度により、「1.4m」と算出される。
−伝送端末5010aa:緯度「35.700000」 経度「139.700000」
−通信端末5aa :緯度「35.700010」 経度「139.700010」
次に、伝送端末5010の判定部5023は、一定の距離(第2の閾値)以下の距離に通信端末5がないか判定する。ここで、当該閾値が「3m」であるとすると、「1.4m」の距離に通信端末5aaがあると判定される。そこで、判定部5023は、伝送管理装置5050に対して問い合わせを送信し、会議に参加中の伝送端末のミュート状態を取得する(ステップS245)。そして、会議に参加中の伝送端末のうち、ステップS243で算出した距離が一定の距離(第1の閾値)以下の伝送端末が、ミュート状態であるかどうかを判定する(ステップS246)。ここで、当該閾値が「10m」と設定されているとすると、当該伝送端末5010aaから「4.3m」の距離にある、伝送端末5010baが、条件を満たす伝送端末として判定される。
次に、伝送端末5010の指示要求部5025は、ステップS246で、条件を満たす伝送端末として判定された伝送端末5010baの端末識別情報とともに、ミュート指示要求を、伝送管理装置5050に送信する(ステップS247)。
ミュート指示要求を受け取った伝送管理装置5050の会議管理部5061は、音出力指示部5062に対し,ミュート指示要求とともに送信された端末識別情報を有する伝送端末へのミュート指示を送信させる(ステップS248)。
ステップS247の後、伝送端末5010aaの音出力制御部5021は、ミュート状態を解除する(ステップS249)。また、ステップS248により、ミュート指示を受け取った伝送端末5010baの音出力制御部5021は、ミュート状態へと移行する(ステップS250)。そして、伝送管理装置5050の会議管理部5061は、会議情報5505(図51)のうち、ステップS248でミュート状態に移行するよう指示した伝送端末5010baの「ミュート状態」の項目を、「1」に更新し、ステップS247でミュート指示要求を送信した伝送端末1010aaの「ミュート状態」の項目を、「0」に更新する(ステップS251)。
以上の処理により、本発明の一実施形態における伝送端末5010は、接近する通信端末(ユーザ)がある場合に、当該伝送端末5010の近くにあり,ハウリングを生ずる可能性のある他の伝送端末を、ミュート状態に移行させることができる。その結果、ハウリングの発生する可能性を低減することができる。