JP6114075B2 - 航空機の警報システム、及び、航空機 - Google Patents

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Description

本発明は、航空機が失速する恐れがある場合操縦士に警報を発する警報システムに関する。
航空機は、飛行中に機首を大きく上方に傾斜すると(迎角が大きくなると)、飛行に必要な揚力を失い、やがて失速してしまう。そこで、航空機の安全装置の一つとして、航空機が失速速度に近づき墜落の恐れがあることを操縦士に伝える失速警報システムを備えている。
操縦士に失速の恐れを知らせる手段として、スティックシェイカが知られている。スティックシェイカは操縦桿に装備され、失速の恐れがある場合に操縦桿を小刻みに振動させることで、操縦士に警報をする(特許文献1)。
特許3,252,377号
特許文献1は、航空機の迎角がある特定角度を超えると、スティックシェイカに対して失速検知信号を発し、操縦士に対して警報する技術を開示する文献であるが、より安全に飛行するためには、失速の判断要素となる特定角度を正確に特定する必要がある。
そこで本発明は、飛行環境を考慮して失速警報を発することのできる航空機の警報システムを提供することを目的とする。
かかる目的のもとなされた、本発明の失速警報システムは、航空機が失速する恐れがある場合に警報を発する航空機の警報システムであって、航空機の着氷状態に基づいて、2以上の演算基準のうち1つを選択する選択部と、選択された演算基準に基づいて、失速迎角を演算する演算部と、演算された失速迎角と航空機の現在迎角とを比較し、現在迎角が失速迎角を超えている場合に失速警報を発する警報部と、を備える。
本発明の失速警報システムは、航空機の着氷状態に基づいて、演算基準を選択し、その演算基準に基づいて失速仰角を求める。そして、航空機の現在仰角と、演算した失速仰角から失速警報の有無を判断する。したがって、本発明の失速警報システムは、飛行環境に応じて適切に失速警報を発生させることができる。
本発明の失速警報システムにおける演算基準は、非着氷時に選択される演算基準Aと、着氷時に選択される演算基準Bであることが好ましい。
本発明の失速警報システムは、失速を判断するに当たって、航空機の着氷していない場合に選択される演算基準Aと、航空機が着氷している場合に選択される演算基準Bを用意しておき、航空機の着氷状態に応じて選択する基準データを入れ替えることにより、飛行環境に応じて適切に失速警報を発生させることができる。
また、選択された演算基準が演算基準Aと、演算基準Bの場合、着氷状態は、航空機への着氷の有無を表す着氷フラグにより特定されることが好ましい。
着氷フラグにより、演算基準A,または、演算基準Bを特定することにより、航空機の着氷の有無を判断することができる。
本発明において、着氷時に選択される演算基準Bは、離陸直後の着氷時に選択される演算基準B1と、離陸直後以降の着氷時に選択される演算基準B2であることが好ましい。
演算基準Bを、演算基準B1と演算基準B2の2つに区分することで、失速警報をいたずらに発生させることなく、一定の離陸性能を確保することができる。
選択された演算基準Bが、演算基準B1と、演算基準B2の場合、着氷状態は、航空機への着氷の有無を表す着氷フラグと、航空機の接地情報または対気速度情報により特定されることが好ましい。
接地情報または大気速度情報により着氷状態を特定することで、航空機が離陸直後であるか否かの判断をすることができる。そのため、離陸直後に不必要な失速警報が発生することを防止できる。
本発明の失速警報システムの着氷フラグは、航空機のエンジン,航空機の主翼前縁,または航空機の胴体に設けられた着氷センサへの着氷を検知しているか否かにより、航空機への着氷の有無が特定されることが好ましい。
航空機への着氷の有無を特定することで、飛行環境に応じて適切に失速警報を発生させることができる。
この場合、主翼またはエンジンへの着氷検知は、主翼前縁またはエンジンに設けられた防氷装置の作動により判断することができる。
主翼またはエンジンへの着氷を、防氷装置の作動により判断することにより、航空機への着氷の有無を判断することができ、飛行環境に応じて適切に失速警報を発生させることができる。
さらに、防氷装置が作動した場合、所定条件を満たす場合を除き、着氷フラグは航空機に着氷しているものとして特定し続けることができる。
航空機への着氷の有無を判断することができるため、飛行環境に応じて適切に失速警報を発生させることができる
この所定条件は、接地情報が接地していることを示す情報であり、かつ、対気速度が所定値より小さいことを満たすことが好ましい。
この条件を設けることで、航空機への着氷の有無を判断することができる。
また、上記所定条件は、外気温が所定値より高く、かつ、胴体前方への着氷が検知されていないことを満たすことが好ましい。
この条件を設けることで、航空機への着氷の有無を判断することができる。
本発明における航空機の警報システムの演算部は、選択された演算基準、航空機のフラップとスラットの舵角、およびマッハ数に基づいて失速迎角を演算することができる。
失速仰角を演算することにより、航空機が飛行する環境に対応して失速警報を発生させることができる。
これらの失速警報システムは、典型的には、航空機に用いられる。
本発明の失速警報システムにおいて、基準Bを基準B1と基準B2の2つに区分することが好ましい。基準B1は、航空機が離陸直後を過ぎたものと判断される場合に適用される。また、基準B2は、航空機が離陸直後にあるものと判断される場合に適用される。
そして、データ選択ステップにおいて、検出された航空機の着氷状態に加え、航空機が離陸直後を過ぎたか否かに基づいて、基準A、基準B1、及び、基準B2、のいずれかを選択し、判断ステップにおいて、選択された基準A、基準B1、及び、基準B2、のいずれかを用いて、航空機が失速するおそれがあるか否かを判断する。
以上のように基準Bを基準B1と基準B2の2つに区分することで、飛行状態に応じた失速警報を発生させることができる。
本発明の失速警報システムにおいて、基準A、基準B1、及び、基準B2は、各々、失速警報を発生させる警報迎角が、航空機の速度、及び、航空機の舵面の舵角と対応付けられたものとすることができる。
このデータの場合、判断ステップにおいて、検出された航空機の速度、及び、航空機の舵面の舵角を、選択された基準A、基準B1、及び、基準B2のいずれかと照合することで、警報迎角を特定する。そして、特定された警報迎角と検出された航空機の実迎角とを比較する、ことで、航空機が失速するおそれがあるか否かを判断することができる。
本発明におけるデータ選択ステップにおいて、航空機に設けられる着氷検出器が着氷したことを検出するか、または、航空機に設けられる防氷装置が動作すると、着氷状態を検出したものとすることができる。着氷状態の検出に冗長性を持たせるためである。
本発明によれば、航空機に対する着氷状態に基づいて正確に失速警報を発生させることができるので、飛行環境に対応した航空機の警報システムが提供される。
本発明の実施形態による失速警報システムを備える航空機を示す図である。 図1の失速警報システムが備えるロジックを示す図である。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1に示される本実施形態の失速警報システム20は、航空機1が飛行中に失速速度に近づいたことを判断して、コックピット10の中の操縦士に伝える警報システムである。失速警報システム20は、航空機1の着氷状態に基づいて、失速警報を発する閾値となる失速迎角αsを演算するための基準(以下、「演算基準」ともいう)、具体的にはテーブルデータを切り替えることで、航空機1の飛行環境(着氷状態)に合った失速警報を発することができる。
失速警報システム20は、システムの中核となる判断処理部30が、航空機1の備える機器、装置類から各種情報を取得することにより失速警報を発生させる。
航空機1は、胴体2の前方の幅方向両側に設けられる着氷検出器5L,5Rと、左右一対の主翼3L,3Rの各々の前縁に設けられる翼防氷装置6L,6Rと、左右一対のターボファン式のエンジン4L,4Rの各々に設けられるエンジン防氷装置7L,7Rと、を備えている。なお、着氷検出器5L,5Rについて、左右を区別する必要がない場合には、着氷検出器5と総称することがある。左右一対の他の機器、装置類についても同様である。
また、航空機1は、舵角センサ8L,8Rおよび舵角センサ9L,9Rを備えている。舵角センサ8L,8Rは、主翼3L,3Rに設けられる前縁スラット31L,31Rの舵角を検出する。舵角センサ9L,9Rは、主翼3L,3Rに設けられる後縁フラップ32L,32Rの舵角を検出する。なお、図1において、前縁スラット31(31L,31R),後縁フラップ32(32L,32R)を駆動するアクチュエータや、他の動翼の記載は省略している。
着氷検出器5は、それ自体に着氷が生じたことを検出する機器である。着氷検出器5は、それ自体への着氷の有無を特定する信号を、着氷情報D1として判断処理部30に伝える。なお、着氷情報D1は、着氷検出器5L,5Rのそれぞれの検出結果を着氷情報D1,着氷情報D1と区別して表記する場合もある。着氷検出器5は、胴体2の左右に一つずつ設けられており、各々独立して着氷を検出するので、検出結果も独立して判断処理部30に伝えられる。例えば、一方の着氷検出器5Lが着氷を検出しても、他方の着氷検出器5Rが着氷を検出しないこともある。
着氷検出器5は様々なものを適用することができ、例えば、着氷の有無による固有振動数の変動に基づく着氷検出器、着氷の有無による電極間の静電容量の変動に基づく着氷検出器、その他の公知の検出器を用いることができる。
翼防氷装置6(6L,6R)は、主翼3(3L,3R)の前縁スラット31L,31Rに着氷することを防ぐ装置である。翼防氷装置6は、操縦士の操作に基づいて作動し、または、着氷検出器5が着氷を検出した場合には、操縦士の操作に関わらず、自動で作動する。すなわち、判断処理部30は、着氷検出器5がそれ自体への着氷を検出した場合、前縁スラット31L,31Rが着氷しないように、翼防氷装置6が作動するように指令する。そして、翼防氷装置6の作動有無を特定する信号が、翼防氷情報D2として判断処理部30に伝えられる。
着氷検出器5L,5Rは、それぞれ独立して着氷を検出するものであるから、着氷検出器5L,5Rが着氷を検出したことに基づく、判断処理部30からの翼防氷装置6の作動指令も、独立して行うことができる。ただし、一方の着氷検出器5Lが着氷を検出したならば、両方の翼防氷装置6L,6Rを同時に動作させることもでき、本実施形態では、この動作態様に基づいて説明する。したがって、本実施形態では、主翼3前縁に設けられた翼防氷装置6L,6Rの作動を特定する翼防氷情報D2はまとめて単一なものとして表記する。翼防氷装置6は様々なものを適用することができ、例えば、ブリードエアを利用する防氷装置、その他の公知の防氷装置を用いることができる。
エンジン防氷装置7L,7Rは、エンジン4L,4Rの前縁に着氷することを防ぐために設けられている。エンジン防氷装置7は、操縦士の操作に基づいて作動した、または、着氷検出器5が着氷を検出した場合には、操縦士の操作に関わらず、自動で作動する。すなわち、判断処理部30は、着氷検出器5が着氷を検出した場合、エンジン4(4L,4R)の前縁が着氷しないように、エンジン防氷装置7が作動するように指令する。エンジン防氷装置7の作動有無を特定する信号は、エンジン防氷情報D3として判断処理部30に伝えられる。なお、エンジン防氷装置7(7L,7R)は独立して作動することができるため、エンジン防氷情報D3は、エンジン防氷装置7L,7Rの各々に対応して、それぞれエンジン防氷情報D3,エンジン防氷情報D3と区別して表記する場合もある。
エンジン防氷装置7は様々なものを適用することができ、例えば、翼防氷装置6と同様に、ブリードエアを利用する防氷装置などの公知の防氷装置を用いることができる。
舵角センサ8L,8Rは、前縁スラット31L,31Rの舵角θSL,θSRをそれぞれ検出し、判断処理部30に伝える。また、舵角センサ9L,9Rは、後縁フラップ32L,32Rの舵角θFL,θFRを検出し、判断処理部30に伝える。
迎角センサ80は、航空機1に設けられ、航空機1の現在迎角αを検出し、判断処理部30に伝える。
判断処理部30は、主翼3の主脚11(図1)が接地しているか否かを特定する接地情報D4を取得する。接地情報D4は、例えば、荷重が負荷されると縮み、荷重負荷を解除すると伸びるように主脚11を形成しておき、この伸縮を検出することで得ることができる。
また、判断処理部30は、航空機1の対気速度を特定する対気速度情報D5、及び、航空機1の周囲の外気温を特定する外気温情報D6を取得する。対気速度情報D5は、ピトー管(図示省略)により、また、外気温情報D6は、機体外部に設けた温度センサ(図示省略)などにより検出する。
図2に示すように、判断処理部30は、上述した着氷情報D1,翼防氷情報D2,エンジン防氷情報D3,舵角情報θSL,θFL等の各種情報を取得し、失速する恐れがあるか否かを判断する。判断処理の結果、失速する恐れがあると判断した場合は、スティックシェイカ12を振動させるべき旨の指令信号Sを発生させる。
判断処理部30は、着氷有無判断部40(判断部),演算基準選択部50(選択部),失速迎角演算部60(演算部)および警報部70を備える。
[着氷有無判断部40]
着氷有無判断部40は、着氷情報D1(D1,D1),翼防氷情報D2およびエンジン防氷情報(D3,D3)に基づいて、航空機1が着氷しているか否かを判断する。すなわち、(1)着氷情報D1,D1のいずれかが、着氷検出器5L,5Rに対して着氷していることを特定する情報である場合、(2)翼防氷情報D2が、翼防氷装置6L,6Rが作動していることを特定する情報である場合、または(3)エンジン防氷情報D3,D3Rのいずれかが、エンジン防氷装置7L,7Rが作動していることを特定する情報である場合、着氷有無判断部40の判定回路42は、航空機1が「着氷している」と判断する。一方、(1)〜(3)以外の場合は、判定回路42、航空機1は「着氷していない」と判断する。それぞれの判断結果は、着氷フラグ41に書き込まれる。
なお、着氷有無判断部40はラッチ回路(図示せず)を備えており、翼防氷情報D2が、翼防氷装置6が作動していることを特定する情報であった場合、その後に翼防氷装置6の作動が中止されたとしても、所定条件を満たさない限り、航空機1は「着氷している」と判断し続けるようにしている。着氷していると一旦判断した後に、着氷環境から航空機1が抜け出したとしても、翼防氷装置6が対象としている防氷範囲を除いた非防氷範囲において、着氷がなくなるとは限らないからである。
また、着氷検出器5についても、同様の理由から、翼防氷装置6と同様に、上記ラッチ回路の作動対象としている。
一方、エンジン防氷装置7は、エンジン4の空気の吸い込みによる空気導入側の着氷(インレット着氷)のおそれに対応して設けられている。よって、エンジン防氷装置7を作動させてから離陸することがある。この場合には、予めインレット着氷が想定される部位は防氷が機能しているため、着氷環境から航空機1が抜け出した後には、着氷は残っていないと判断してよい。したがって、着氷有無判断部40は、エンジン防氷装置7の作動が中止された場合は、航空機1は着氷していないものと判断する(ラッチ回路は働かない)。
ラッチ回路の解除条件は、以下の条件R1、及び、条件R2のいずれか一方が成立することである。
条件R1:航空機1が確実に着陸したものと判断されること。すなわち、接地情報D4が、主脚11が接地していることを特定する情報であり、かつ、対気速度情報D5により特定される対気速度Vが所定の閾値Vより小さい場合(V<V)、条件R1が成立すると判断する。
条件R2:航空機1の周囲の気温が高く、かつ、着氷していないと判断されること。すなわち、外気温情報D6で特定される外気温Tが所定の閾値Tより高く(T>T)、かつ、着氷情報D1が、着氷検出器5が着氷を検出していない状態が規定時間継続している場合、条件R2が成立すると判断する。
[演算基準選択部50]
演算基準選択部50は、着氷フラグ41,接地情報D4および対気速度情報D5に基づいて、あらかじめ用意されているテーブルA,B1,B2(以下、「演算基準」ともいう。)の中から1つのテーブルを選択する。
テーブルA,B1およびB2は、マッハ数,前縁スラット31の舵角θ及び後縁フラップ32の舵角θの関数として表される3次元テーブルであり、失速する恐れを判断する閾値となる失速迎角αsを算出するための演算基準となる。
テーブルA、テーブルB1及びテーブルB2は、マッハ数、舵角θ、及び、舵角θが同じ値である場合、失速迎角αsは、テーブルAが最も大きく算出されるように関数が定義されている。続いて、B1,B2の順で演算される失速迎角αsの値は大きくなる。
テーブルAは、航空機1が着氷していない場合に選択される演算基準である。すなわち、着氷フラグ41により航空機1が「着氷していない」と特定されている場合、演算基準選択部50はテーブルAを演算基準として選択する。航空機1が着氷していない場合は、航空機1の迎角が大きくても、着氷している場合に比べて失速の恐れが小さい。よって、警報を適切な頻度で操縦士に知らせるため、失速迎角αsを相対的に大きく設定する。
次に、テーブルB1,B2は、いずれも航空機1が着氷している場合に選択される演算基準である。すなわち、着氷フラグ41により、航空機1が「着氷している」と特定されている場合、演算基準選択部50はテーブルB1またはB2のいずれかを選択する。
ここで、テーブルB1は離陸直後の着氷状態の場合、テーブルB2は離陸直後以降の着氷状態の場合に用いる選択基準である。航空機1が離陸した直後は着氷量が少ないので、安全側に失速を判断すると失速警報を発生する頻度が増加することになる。これを避けるためには、飛行速度を増して飛行迎角を小さくする必要があるが、飛行速度の増加には長い離陸滑走路が必要となり、離陸性能の劣化をいたずらに招くことになる。そこで、「着氷している場合」であっても、離陸直後の着氷状態に適用するテーブルB1と、離陸直後以降に適用するテーブルB2とを分けることにより、失速警報をいたずらに発することなく一定の離陸性能を確保することができる。
したがって、演算基準選択部50は、主脚11が接地していることを特定する接地情報D4を一定時間受信するか、または、対気速度情報D5により特定される対気速度が所定速度より大きい場合には、航空機1が離陸したのち所定時間経過している(離陸直後ではない)と判定し、テーブルB2を選択する。他方、テーブルB2を選択するための上記条件を満たさない場合は、テーブルB1を選択する。
[失速迎角演算部60]
失速迎角演算部60は、テーブルA、テーブルB1及びテーブルB2のうち、演算基準選択部50によって選択されたテーブルに基づいて、失速迎角αsを演算する。すなわち、マッハ数、前縁スラット31の舵角θ(θSL,θSR)及び後縁フラップ32の舵角θ(θFL,θFR)を選択されたテーブルに照合することで、失速迎角αsを演算する。なお、舵角θ,舵角θについては、それぞれ左右の舵角θSL,θSRまたは舵角θFL,θFRを入力値として組み合わせて演算し、求められた4つの値のうち最も小さい値を失速迎角αsとして特定する。
[警報部70]
警報部70は、演算の結果特定された失速迎角αsと、迎角センサ80が計測する航空機の現在迎角αとを比較する。そして、現在迎角αが失速迎角αsを超えていた場合、スティックシェイカ12を振動させるべき旨の指令信号Sを生成し、スティックシェイカ12に向けて指令信号Sを送る。スティックシェイカ12が振動することにより、操縦士に対して失速の恐れがあることを警報する。
以上説明した通り、本発明に係る失速警報システム20は、航空機1の着氷状態によって、失速警報を発する基準となる失速迎角αsの演算方法を切り替える。したがって、本発明の失速警報システム20によれば、航空機1が飛行する環境に対応して失速警報を発生させることができるので、航空機1の安全な飛行に寄与する。
また、失速警報システム20は、航空機1が離陸直後であるか否かを区別して警報を発生させるべき演算方法を切り替えるので、離陸直後に不必要な失速警報が発生するのを防ぐことができる。したがって、失速警報システム20は、離陸性能の劣化を招くことがない。
以上、本発明を実施形態に基づいて説明したが、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択し、または、他の構成に適宜変更することが可能である。
失速警報システム20は、3つのテーブルA、テーブルB1及びテーブルB2を備えているが、これは最も好ましい形態であり、本発明は、着氷していない場合に適用されるテーブルと、着氷している場合に適用されるテーブルの少なくとも2つを備えている形態を包含する。これによっても、航空機1が飛行する環境(着氷状態)に対応して失速警報を発生させることができる。
失速警報システム20は、失速迎角αsを求めるための基準として、テーブル形式のデータ(テーブルA、テーブルB(B1,B2))を用いているが、これに限らず、3次元の演算式を用いることもできる。
失速警報システム20は、(1)着氷検出器5による着氷検知、(2)翼防氷装置6の動作、及び、(3)エンジン防氷装置7の動作、の3つを航空機1の着氷有無の判断基準として用いている。しかし、これに限らず、例えば操縦士の目視による着氷の確認、外気の温度と水分含有量による着氷可能性、などを単独または本実施形態の3つの判断基準と組み合わせて用いることができる。目視による場合、例えば、操縦士が着氷を確認したら、翼防氷装置6またはエンジン防氷装置7を手動で起動すればよい。また、本実施形態の3つの判断基準から選択した一つの基準だけで着氷の有無を判定することもできる。
失速警報システム20は、テーブルB1またはテーブルB2の選択をする基準として、例えば、航空機1の高度や、離陸してからの経過時間など、離陸直後か否かの判断を行いうる種々の情報を当該選択の基準に用いることができる。
失速警報システム20は、失速迎角αsがマッハ数、舵角θ、及び、舵角θの3つの要素からなる関数として表されているが、本発明はこれに限定されない。例えば、航空機1の高度,温度,エンジンパワー,機体角速度などを、失速迎角αsを表す関数の要素に用いることもできる。失速警報システム20は、指令信号Sが、スティックシェイカ12を振動させているが、その他、視覚または聴覚に訴える警報を指令することもできる。
1 航空機
3,3L,3R 主翼
4,4L,4R エンジン
5L,5R 着氷検出器
6,6L,6R 翼防氷装置
7L,7R エンジン防氷装置
9L,9R 舵角センサ
20 失速警報システム
30 判断処理部
31,31L,31R スラット
32,32L,32R フラップ
40 着氷有無判断部
41 着氷フラグ
42 判定回路
50 演算基準選択部
60 失速迎角演算部
70 警報部
A テーブル,演算基準
B1,B2 テーブル,演算基準
D1,D1,D1 着氷情報
D2 翼防氷情報
D3,D3,D3 エンジン防氷情報
D4 接地情報
D5 対気速度情報
D6 外気温情報
S 指令信号

Claims (12)

  1. 航空機が失速する恐れがある場合に警報を発する航空機の警報システムであって、
    前記航空機の着氷状態に基づいて、2以上の演算基準のうち1つを選択する選択部と、
    選択された前記演算基準に基づいて、失速迎角を演算する演算部と、
    演算された前記失速迎角と前記航空機の現在迎角とを比較し、現在迎角が失速迎角を超えている場合に失速警報を発する警報部と、
    を備えたことを特徴とする航空機の警報システム。
  2. 前記演算基準は、非着氷時に選択される演算基準Aと、着氷時に選択される演算基準Bであること
    を特徴とする請求項1に記載の航空機の警報システム。
  3. 着氷時に選択される前記演算基準Bは、離陸直後の着氷時に選択される演算基準B1と、離陸直後以降の着氷時に選択される演算基準B2であること、
    を特徴とする請求項2に記載の航空機の警報システム。
  4. 前記着氷状態は、航空機への着氷の有無を表す着氷フラグにより特定されること、
    を特徴とする請求項2に記載の航空機の警報システム。
  5. 前記着氷状態は、航空機への着氷の有無を表す着氷フラグと、前記航空機の接地情報または対気速度情報により特定されること、
    を特徴とする請求項3に記載の航空機の警報システム。
  6. 前記着氷フラグは、航空機のエンジン,航空機の主翼前縁,または航空機の胴体に設けられた着氷センサへの着氷を検知しているか否かにより、前記航空機への着氷の有無が特定されること、
    を特徴とする請求項4または請求項5に記載の航空機の警報システム。
  7. 前記主翼または前記エンジンへの着氷検知は、前記主翼前縁または前記エンジンに設けられた防氷装置の作動により判断すること、
    を特徴とする請求項6に記載の航空機の警報システム。
  8. 前記防氷装置が作動した場合、所定条件を満たす場合を除き、前記着氷フラグは航空機に着氷しているものとして特定し続けること、
    を特徴とする請求項7に記載の航空機の警報システム。
  9. 前記所定条件は、前記接地情報が接地していることを示す情報であり、かつ、前記対気速度が所定値より小さいこと、を満たすこと
    を特徴とする請求項8に記載の航空機の警報システム。
  10. 前記所定条件は、外気温が所定値より高く、かつ、前記胴体前方への着氷が検知されていないこと、を満たすこと
    を特徴とする請求項8に記載の航空機の警報システム。
  11. 前記演算部は、選択された前記演算基準、前記航空機のフラップとスラットの舵角、およびマッハ数に基づいて失速迎角を演算すること、
    を特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の航空機の警報システム。
  12. 請求項1ないし11のいずれか1項に記載の警報システムを備えることを特徴とする航空機。
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