JP6103618B1 - 真空吸着パッド - Google Patents

真空吸着パッド Download PDF

Info

Publication number
JP6103618B1
JP6103618B1 JP2016180192A JP2016180192A JP6103618B1 JP 6103618 B1 JP6103618 B1 JP 6103618B1 JP 2016180192 A JP2016180192 A JP 2016180192A JP 2016180192 A JP2016180192 A JP 2016180192A JP 6103618 B1 JP6103618 B1 JP 6103618B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
suction
pad
lip
adsorption
vacuum suction
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2016180192A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2018043318A (ja
Inventor
容淳 文岩
容淳 文岩
明 文岩
明 文岩
Original Assignee
容淳 文岩
容淳 文岩
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 容淳 文岩, 容淳 文岩 filed Critical 容淳 文岩
Priority to JP2016180192A priority Critical patent/JP6103618B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6103618B1 publication Critical patent/JP6103618B1/ja
Publication of JP2018043318A publication Critical patent/JP2018043318A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Manipulator (AREA)
  • Hooks, Suction Cups, And Attachment By Adhesive Means (AREA)

Abstract

【課題】紙や布等で形成したカバーを用いる必要もなく、油脂が吸着対象に付着するのを確実に防止でき、従って、カバーの交換や保守管理の手間を省いてランニングコストの削減を実現でき、しかも容易かつ安価に製造できる真空吸着パッドを提供する。【解決手段】真空吸着パッドは、排気通路13を備えるパッドベース10と、パッドベース10の一端に設けられる吸着リップ11とを備える。吸着リップ11は伏皿状に形成して、その内面側に排気通路13に連通する吸着面14を凹み形成する。吸着リップ11の少なくとも吸着面14を、不透油性のコート層16で覆うようにする。これにより、吸着リップ11から染み出した油脂をコート層16で遮断して、吸着面14の側へ移行するのを防止でき、従って、油脂が吸着対象に付着するのを確実に防止できる。【選択図】図1

Description

本発明は、真空吸着作用を利用して吸着対象を吸着保持する真空吸着パッドに関する。
従来の一般的な真空吸着パッドは、柔軟性を有するゴム材で形成されており、ゴム材には柔軟性を向上するための油脂が軟化剤として配合されている。このように油脂が配合された真空吸着パッドでは、時間の経過とともに配合された油脂が徐々にパッド表面に染み出しやすく、当該真空吸着パッドを使って吸着対象を吸着保持したときに、吸着対象の表面に油脂が付着して、吸着対象を汚染するおそれがある。このように真空吸着パッドから染み出した油脂が吸着対象に付着すると、その後に蒸着や塗装などの表面処理を行ったときに、油脂の付着部分がリング状等の模様として現出して不良品となりやすく、歩留まりの低下を招く。上記のような問題は、例えば、吸着対象に付着した油脂を除去することで解消できるが、その場合には除去工程が増える分だけ作業工程が増し、吸着対象の生産性が低下することが避けられない。
上記のような問題を解決するため、例えば特許文献1では、柔軟性を有する椀状のパッド本体と、非油性でかつ柔軟性を有するカバーとで真空吸着パッドを構成している。カバーはパッド本体の吸着作用面を覆うように装着されており、ニトリルゴムからなるパッド本体の中央部には貫通状の孔が形成されており、紙や布等からなるカバーの中央部分には、パッド本体の孔に対応して吸着孔が開口されている。この特許文献1の真空吸着パッドでは、吸着対象を吸着する際には両孔から空気を吸引することで、吸着作用面で真空吸着作用を発揮させて吸着対象を吸着保持することができる。
実開昭63−154135号公報
特許文献1の真空吸着パッドによれば、吸着作用面をカバーで覆うことにより、カバーを介して吸着対象を吸着保持することができるので、吸着作用面に染み出した油脂が吸着対象に付着することを効果的に防止できる。また、表面処理工程において油脂に由来する模様が現出することを防止できる。しかし、カバーは紙や布等で形成されているため、時間の経過により油脂がカバーに徐々に吸収され、吸収された油脂がカバーの表面側にまで達すると、吸着対象に油脂が付着するおそれがある。尤も、上記の問題はカバーの表面側に油脂が達する前にカバーを交換することで防止できるが、カバーがどの程度油脂を吸収しているかを目視で判断することは困難であり、しかも、頻繁にカバーを新品に交換すると保守管理が煩わしく、ランニングコストが増加する。
本発明は、以上のような従来の真空吸着パッドの抱える問題を解決することを目的としてなされたものであり、紙や布等で形成したカバーを用いる必要もなく、油脂が吸着対象に付着するのを確実に防止でき、従って、カバーの交換や保守管理の手間を省いてランニングコストの削減を実現でき、しかも容易かつ安価に製造できる真空吸着パッドを提供することを目的とする。
本発明の真空吸着パッドは、排気通路13を備えるパッドベース10と、パッドベース10の下端に設けられる吸着リップ11とを備える。吸着リップ11は伏皿状に形成されて、その内面側に排気通路13に連通する吸着面14が凹み形成されている。吸着リップ11の最下端部である外端縁を含む吸着面14の全体が、不透油性のコート層16で覆われており、コート層16の外側に、短繊維18からなるクッション層17が設けられている。クッション層17は、繊維長さが0.05mm以上、1.0mm以下にあり、且つ直径が0.05mm以上、0.8mm以下の短繊維18を静電植毛して形成されたものである。ここでいう「不透油性」とは、層表面の濡れ性にかかわらず、液状の油脂を遮断して通さない性質を意味する。
吸着リップ11の外端縁のコーナー部において、コート層16が吸着面14側の内面から吸着リップ11の上面側に回り込むように形成されるとともに、該コート層16の外側に、短繊維18からなるクッション層17が設けられている。
本発明の真空吸着パッドにおいては、パッドベース10の一端に設けた伏皿状の吸着リップ11の内面側に吸着面14を凹み形成し、少なくとも吸着面14を不透油性のコート層16で覆うようにした。このように、少なくとも吸着面14を不透油性のコート層16で覆うと、吸着リップ11から染み出した油脂をコート層16で遮断して、吸着面14の側へ移行するのを確実に防止できる。これにより、従来のように紙や布等で形成したカバーを用いる必要もなく、油脂が吸着対象Rに付着するのを確実に防止でき、従って、カバーの交換や保守管理の手間を省いてランニングコストを削減できる。また、少なくとも吸着面14を不透油性のコート層16で覆うだけの簡単な構成であるので、油脂が吸着対象Rに付着するのを確実に防止できる真空吸着パッドを容易かつ安価に製造できる。
硬化した状態で柔軟性を発揮する液状の接着剤でコート層16を形成すると、液状の接着剤を、吸着面14にはけやスプレーガン等で容易に塗布したのち乾燥させるだけで、簡単にコート層16を設けることができる。従って、コート層16を備えた真空吸着パッドをさらに容易に、しかも安価に製造できる。なお、液状の接着剤をスプレーガンで塗布する場合には、薄く均一な層厚のコート層16を容易に形成できる利点がある。
コート層16の外側に、短繊維18からなるクッション層17を設けると、吸着対象Rを吸着保持する際に、短繊維18が弾性変形して、吸着面14を吸着対象Rに対して柔軟に接触させることができるので、吸着保持に伴う吸着対象Rの傷つきや、表面性状の変化を確実に防止できる。また、吸着対象Rよりも軟質の短繊維18で構成したクッション層17によれば、吸着対象Rを吸着保持する際に、吸着対象Rがクッション層17で傷付けられるのをさらに確実に防止できる。
クッション層17を静電植毛法で形成すると、層厚や密度のばらつきを抑えて、均質なクッション層17を容易に形成できる。従って、クッション層17が不均質になることによる真空吸着作用の低下を防止でき、吸着対象Rを確実に吸着保持できる。また、複雑な形状の真空吸着パッドであっても均質なクッション層17を容易に形成できる。
短繊維18の繊維長さを0.05mm以上、1.0mm以下に設定すると、クッション層17のクッション機能を十分に発揮させながら、適正に吸着力を発揮できる真空吸着パッドとすることができる。これは、繊維長さが0.05mm未満であると、短繊維18の弾性変形によるクッション機能が十分に発揮されず、また、繊維長さが1.0mmを超えると、短繊維18どうしの隙間を介して吸い込まれる外部の空気の量が多くなり、真空吸着作用による吸着力が低下するからである。
コート層16の外面に、柔軟なシート体22からなるクッション層17を設けると、吸着対象Rを吸着保持する際に、シート体22が弾性変形して、吸着面14を吸着対象Rに対して柔軟に接触させることができるので、吸着保持に伴う吸着対象Rの傷つきや、表面性状の変化を確実に防止できる。また、吸着対象Rよりも軟質の素材で形成されたシート体22で構成したクッション層17によれば、吸着対象Rを吸着保持する際に、吸着対象Rがクッション層17で傷付けられるのをさらに確実に防止できる。
本発明の実施例1に係る真空吸着パッドの要部の拡大断面図である。 本発明の実施例1に係る真空吸着パッドの使用状態を示す正面図である。 本発明の実施例1に係る真空吸着パッドの斜視図である。 本発明の実施例1に係る真空吸着パッドの縦断正面図である。 本発明の実施例2に係る真空吸着パッドの縦断正面図である。 本発明の参考例に係る真空吸着パッドの縦断正面図である。
(実施例1) 図1から図4に、本発明に係る真空吸着パッドの実施例1を示す。真空吸着パッドは、射出成型後の成型品を金型から取出すロボットアーム1の先端に固定された吸着ヘッド2に装着される。図2に示すように、吸着ヘッド2の下面には上側が小径で下側が大径の段付き筒軸状の装着軸3が設けられており、真空吸着パッドは装着軸3に差込まれた状態で装着される。吸着ヘッド2および装着軸3には、両者2・3を上下に貫通するように排気孔4が形成されている。排気孔4の上端にはソケット5を介して柔軟な排気ホース6の一端が接続されており、排気ホース6の他端は図示しない真空源に接続されている。
真空吸着パッドはシリコーンゴムからなり、図3および図4に示すように、パッドベース10と、パッドベース10の下端(一端)に一体で設けられる吸着リップ11とを備えている。パッドベース10は円柱状に形成されており、パッドベース10の中心軸に沿って、装着軸3用の連結孔12と、連結孔12よりも大径の排気通路13とが上下に貫通するように形成されている。吸着リップ11は下広がりの丸皿状(伏皿状)に形成されており、その内面側に排気通路13に連通する吸着面14が凹み形成されている。
図2に示すように真空吸着パッドは、連結孔12に装着軸3を差込んで両者3・12を嵌合させることにより吸着ヘッド2に装着できる。吸着リップ11を吸着対象Rに押し付けた状態で吸着面14と吸着対象Rとの間の空気を、排気ホース6、排気孔4、および排気通路13を介して真空源で排気することにより、吸着リップ11を吸着対象Rに密着させて吸着対象Rを吸着保持できる。
真空吸着パッドの形成素材であるシリコーンゴムには、柔軟性を向上するためにシリコーンオイル(油脂)が軟化剤として配合されており、この配合されたシリコーンオイルは時間の経過とともに徐々に真空吸着パッドの表面に染み出してくる。そこで本実施例では、染み出したシリコーンオイルが吸着保持時に吸着対象Rに付着するのを防止するため、少なくとも吸着面14に不透油性のコート層16を設けている。詳しくは、図4に示すようにコート層16は、吸着面14の全体と、吸着リップ11の外端縁を回り込んだ上面と、排気通路13の下端内面とに連続して設けられている。コート層16は、硬化したのちも柔軟性を有する液状の接着剤で形成される。
上記のように、硬化した状態で柔軟性を発揮する液状の接着剤でコート層16を形成すると、液状の接着剤を、吸着面14にはけやスプレーガン等で容易に塗布したのち、乾燥させるだけで簡単にコート層16を設けることができる。従って、コート層16を備えた真空吸着パッドを容易かつ安価に製造できる。また、コート層16を設けた真空吸着パッドによれば、配合されたシリコーンオイルが染み出し難くなるので、長期にわたって吸着リップ11の柔軟性を維持することができ、真空吸着パッドの耐久性が向上する利点もある。本実施例においては、セメダイン株式会社製のセメダインスーパーX(登録商標)でコート層16を形成した。なお、コート層16を形成する接着剤としては、上記に挙げた接着剤に限らず、真空吸着パッドの形成素材が接着可能で、硬化した状態で柔軟性、および不透油性を発揮する接着剤を用いればよい。
さらに本実施例の真空吸着パッドにおいては、図1に示すようにコート層16の外側に、短繊維18からなるクッション層17が、コート層16を覆うように設けられている。クッション層17を形成する短繊維18は、吸着対象Rよりも軟質の素材で形成することが好ましい。本実施例では、ナイロンの短繊維18を用い、これを静電植毛してクッション層17を形成した。具体的には、まず、スプレーガンを用いて液状の接着剤をコート層16の形成部位に吹き付ける。この状態の真空吸着パッドに静電植毛装置を用いてナイロンの短繊維18を静電植毛したのち、接着剤を硬化させることにより、吸着リップ11にコート層16とクッション層17を形成した。なお、液状の接着剤をスプレーガンで塗布することにより、薄く均一な層厚のコート層16を容易に形成できる。
上記のように、コート層16の外側に、短繊維18からなるクッション層17を設けると、吸着対象Rを吸着保持する際に、短繊維18が弾性変形して、吸着面14を吸着対象Rに対して柔軟に接触させることができるので、吸着保持に伴う吸着対象Rの傷つきや、表面性状の変化を確実に防止できる。また、吸着対象Rよりも軟質の短繊維18で構成したクッション層17によれば、吸着対象Rを吸着保持する際に、吸着対象Rがクッション層17で傷付けられるのをさらに確実に防止できる。本実施例のようにクッション層17を静電植毛法で形成すると、層厚や密度のばらつきを抑えて、均質なクッション層17を容易に形成できる。従って、クッション層17が不均質になることによる真空吸着作用の低下を防止でき、吸着対象Rを確実に吸着保持できる。また、複雑な形状の真空吸着パッドであっても均質なクッション層17を容易かつ安価に形成できる。
短繊維18からなるクッション層17を設けると、吸着対象Rを吸着保持した時に、外部の空気が短繊維18どうしの隙間を介して吸い込まれてしまう。しかし、吸着対象Rの吸着保持時には、短繊維18が弾性変形することによりクッション層17が厚み方向に圧縮され、短繊維18どうしの隙間が小さくなるため、外部から吸い込まれる空気の量は僅かであり、真空吸着作用による吸着力はほとんど低下しない。
クッション層17を形成する短繊維18の繊維長さは0.05mm以上、1.0mm以下に設定することが好ましい。これは、繊維長さが0.05mm未満であると、短繊維18の弾性変形によるクッション機能が十分に発揮されず、また、繊維長さが1.0mmを超えると、短繊維18どうしの隙間を介して吸い込まれる外部の空気の量が多くなり、真空吸着作用による吸着力が低下するからである。さらに、短繊維18の繊維長さは、0.1mm以上、0.8mmに設定することが好ましく、本実施例では、繊維長さを0.3mmに設定している。このように、短繊維18の繊維長さを0.05mm以上、1.0mm以下に設定すると、クッション層17のクッション機能を十分に発揮させながら、適正に吸着力を発揮できる真空吸着パッドとすることができる。
また、クッション層17を形成する短繊維18の繊維の直径は、0.05mm以上、0.8mm以下に設定することが好ましい。これは、繊維の直径が0.05mm未満であると、吸着対象Rの吸着保持時に短繊維18が切れやすく、クッション層17の耐久性が低下し、早期に真空吸着パッドを交換する必要があるからである。また、繊維の直径が0.8mmを超えると、コート層16の外側に短繊維18を密に接着固定することが困難となり、短繊維18どうしの隙間を介して吸い込まれる空気の量が多くなることによる真空吸着作用の低下を招くからである。さらに、短繊維18の繊維の直径は、0.1mm以上、0.6mm以下に設定することが好ましく、本実施例では、繊維の直径を0.3mmに設定している。
クッション層17を形成する短繊維18の素材は、吸着対象Rの硬度、吸着保持時の吸着対象Rの温度などから、硬度、耐熱温度を考慮して適宜最適な素材を選定すればよい。なお、クッション層17を形成する短繊維18としてはナイロンに限らず、例えばポリエステル、ポリプロピレン、アクリル、ウレタン、PET等の合成繊維、あるいは綿、絹、ウール等の天然繊維、または炭素繊維で形成することができる。
真空吸着パッドを形成するシリコーンゴム、コート層16を形成する接着剤、およびクッション層17を形成するナイロンの短繊維18を、それぞれ異なる色に着色して構成することができる。このように、各部材を異なる色、例えば真空吸着パッドを乳白色、コート層16を赤色、クッション層17を青色とした場合には、赤色のコート層16が見えてきた場合には、クッション層17が摩耗していることを目視で判断できる。また、乳白色の吸着面14が見えた場合には、クッション層17ごとコート層16が剥離していることを目視で判断できる。従って、真空吸着パッドの交換時期を視認により的確に判断することができる。
図5に、本発明に係る真空吸着パッドの実施例2を示す。そこでは、パッドベース10を、吸着ヘッド2の装着軸3に嵌合装着される上ベース20と、吸着リップ11が一体で形成される下ベース21とに分割して構成した点が、先の実施例1と異なる。下ベース21はシリコーンゴムからなり、上ベース20はシリコーンゴムより硬度の大きいニトリルゴムからなる。上ベース20と下ベース21とは、接着剤を介して接着固定されている。このように、パッドベース10は、異なる素材を一体化して形成してもよい。上ベース20と下ベース21とを異なる素材で形成すると、装着軸3に嵌合装着される上ベース20を硬度の大きい素材で形成して、安定した状態で真空吸着パッドを装着できるようにしながら、吸着リップ11が形成される下ベース21をより柔軟な素材で形成して、吸着力の向上を図ることができる。他は実施例1と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じとする。
図6に、真空吸着パッドの参考例を示す。そこでは、パッドベース10と吸着リップ11を別体で構成し、両者10・11を接着剤を介して接着固定した。パッドベース10はポリプロピレンを素材とする射出成型品からなり、吸着リップ11はニトリルゴムからなる。このように、真空吸着パッドは、少なくとも吸着リップ11が柔軟性を有していればよい。クッション層17は不織布を円リング状に切り抜いたシート体22からなり、吸着面14にコート層16となる液状の接着剤を塗布したのち不織布を貼り付けて接着固定される。クッション層17となるシート体22は吸着対象Rよりも柔軟な素材が好ましく、本参考例では、ポリエステル製の不織布を用いた。図示していないが、本参考例の装着軸3はねじ軸状に形成されており、排気通路13に装着軸3を差込んだのち、排気通路13の下側からナット体で締め付けることにより、吸着ヘッド2に真空吸着パッドが装着される。なお、シート体22は不織布以外に、織布あるいは柔軟なシート状の発泡樹脂等で形成することができ、形成素材もポリエステルに限られない。
上記のように、コート層16の外面に、柔軟なシート体22からなるクッション層17を設けると、吸着対象Rを吸着保持する際に、シート体22が弾性変形して、吸着面14を吸着対象Rに対して柔軟に接触させることができるので、吸着保持に伴う吸着対象Rの傷つきや、表面性状の変化を確実に防止できる。また、吸着対象Rよりも軟質の素材で形成されたシート体22で構成したクッション層17によれば、吸着対象Rを吸着保持する際に、吸着対象Rがクッション層17で傷付けられるのをさらに確実に防止できる。なお、本参考例のようにコート層16が接着剤で形成される場合には、所定の形状に切断したシート体22を、接着剤の硬化前に貼り付けることで、コート層16の外面にクッション層17を設けることができるので、容易かつ安価にクッション層17を設けた真空吸着パッドを製造できる。
以上のように、上記各実施例の真空吸着パッドにおいては、吸着リップ11の内面側に凹み形成した吸着面14を、不透油性のコート層16で覆うようにしたので、吸着リップ11から染み出したシリコーンオイルをコート層16で遮断して、吸着面14の側へ移行するのを確実に防止できる。これにより、従来のように紙や布等で形成したカバーを用いる必要もなく、シリコーンオイルが吸着対象Rに付着するのを確実に防止でき、従って、カバーの交換や保守管理の手間を省いてランニングコストの削減を実現できる。また、吸着面14を不透油性のコート層16で覆うだけの簡単な構成であるので、シリコーンオイルが吸着対象Rに付着するのを確実に防止できる真空吸着パッドを容易かつ安価に製造できる。
上記の各実施例以外に、コート層16は熱可塑性の軟質プラスチックや紫外線硬化型の軟質プラスチックで形成することができる。前者の場合には、溶融状態の軟質プラスチックに吸着リップ11を浸漬後硬化させてコート層16を形成し、後者の場合には、硬化前の軟質プラスチックを吸着面14に塗布したのち紫外線照射により硬化させてコート層16を形成する。こののち、コート層16の表面に接着剤を塗布し静電植毛装置を用いて短繊維18を静電植毛してクッション層17を形成する。パッドベース10の形状は上記実施例に示した円柱状に限らず、円錐台状、太鼓状等に形成することができ、また、吸着ヘッド2への装着形態に応じて湾曲状や屈曲状に形成することもできる。吸着リップ11は、楕円皿状、四角皿状、多角皿状等に形成することができる。真空吸着パッドの吸着ヘッド2への装着は、上記の各実施例のような嵌合による装着に限られず、例えば環状の固定バンド等を用いた結束による装着であってもよい。コート層16およびクッション層17は、真空吸着パッドの表面全体に設けることができる。
10 パッドベース
11 吸着リップ
13 排気通路
14 吸着面
16 コート層
17 クッション層
R 吸着対象

Claims (2)

  1. 排気通路(13)を備えるパッドベース(10)と、パッドベース(10)の下端に設けられる吸着リップ(11)とを備える真空吸着パッドであって、
    吸着リップ(11)は伏皿状に形成されて、その内面側に排気通路(13)に連通する吸着面(14)が凹み形成されており、
    吸着リップ(11)の最下端部である外端縁を含む吸着面(14)の全体が、不透油性のコート層(16)で覆われており、
    コート層(16)の外側に、短繊維(18)からなるクッション層(17)が設けられており、
    クッション層(17)が、繊維長さが0.05mm以上、1.0mm以下にあり、且つ直径が0.05mm以上、0.8mm以下の短繊維(18)を静電植毛して形成してなるものであることを特徴とする真空吸着パッド。
  2. 吸着リップ(11)の外端縁のコーナー部において、コート層(16)が吸着面(14)側の内面から吸着リップ(11)の上面側に回り込むように形成されるとともに、該コート層(16)の外側に、短繊維(18)からなるクッション層(17)が設けられている、請求項1記載の真空吸着パッド。
JP2016180192A 2016-09-15 2016-09-15 真空吸着パッド Active JP6103618B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016180192A JP6103618B1 (ja) 2016-09-15 2016-09-15 真空吸着パッド

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2016180192A JP6103618B1 (ja) 2016-09-15 2016-09-15 真空吸着パッド

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP6103618B1 true JP6103618B1 (ja) 2017-03-29
JP2018043318A JP2018043318A (ja) 2018-03-22

Family

ID=59366091

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016180192A Active JP6103618B1 (ja) 2016-09-15 2016-09-15 真空吸着パッド

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6103618B1 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102488697B1 (ko) * 2020-12-09 2023-01-13 세메스 주식회사 반도체 칩 패키지 이송용 패드 및 그 제조 방법

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61183376A (ja) * 1985-02-09 1986-08-16 Tokai Rika Co Ltd シール用テープ及び該シール用テープを用いた摺動体のシール構造
JPS63154135U (ja) * 1987-03-30 1988-10-11
JPH0911172A (ja) * 1995-06-27 1997-01-14 Toyota Motor Corp バキュームカップ
JPH10156778A (ja) * 1996-12-04 1998-06-16 Smc Corp 吸着用パッド
JP3080554U (ja) * 2001-03-23 2001-09-28 文仁 桑野 ゴルフパターのグリップ
JP2008509242A (ja) * 2004-08-03 2008-03-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロエーテル撥水撥油剤の接着剤送達

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61183376A (ja) * 1985-02-09 1986-08-16 Tokai Rika Co Ltd シール用テープ及び該シール用テープを用いた摺動体のシール構造
JPS63154135U (ja) * 1987-03-30 1988-10-11
JPH0911172A (ja) * 1995-06-27 1997-01-14 Toyota Motor Corp バキュームカップ
JPH10156778A (ja) * 1996-12-04 1998-06-16 Smc Corp 吸着用パッド
JP3080554U (ja) * 2001-03-23 2001-09-28 文仁 桑野 ゴルフパターのグリップ
JP2008509242A (ja) * 2004-08-03 2008-03-27 スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー フルオロエーテル撥水撥油剤の接着剤送達

Also Published As

Publication number Publication date
JP2018043318A (ja) 2018-03-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP3403627A8 (en) Absorbent article with channels and method for manufacturing thereof
US8960749B2 (en) Vacuum suction apparatus
JP2020527968A5 (ja)
RU2002127600A (ru) Устройство и способ изготовления всасывающей прокладки для протеза
US10045604B2 (en) Cosmetic multi-layered wiper
KR20030085482A (ko) 상이한 유형의 섬유의 플록으로 덮여진 제품, 특히화장품을 도포하기 위한 장치
MX2019013582A (es) Articulo absorbente con canales y metodo para fabricar el mismo.
WO2011039605A1 (en) Narrow fabric with elastomeric coating and flock
RU2016123451A (ru) Уплотнительная система для герметизации крепежных элементов
US20100140437A1 (en) Suction cup
JP6103618B1 (ja) 真空吸着パッド
KR20100133447A (ko) 향상된 캐리어 헤드 멤브레인
JPWO2013128606A1 (ja) 傷手当用品
JP2009095476A5 (ja)
US9562363B2 (en) Self bonding floor tile
PH12020550620A1 (en) Process for manufacturing a nonwoven sheet material having an impermeable layer on one side and an anti-slip coating on the other side
EP1490198A2 (en) Fiber flocked dental polishing tips
RU2009146271A (ru) Устройство для надевания парика
US20130133817A1 (en) Pick And Bond Method And Apparatus For Attachment of Adhesive Element To Substrate
US20190343262A1 (en) Cosmetic applicator with silicone bristles
CN106113709B (zh) 防滑垫的制法
US20180245735A1 (en) Hardware assembly with reversible dry adhesive
US6385806B1 (en) Surface treating device
JP2015217442A (ja) 切断刃及びその製造方法
WO2023102705A1 (zh) 垫体补丁及其使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170104

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170208

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20170222

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20170222

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6103618

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250