JP6103530B2 - 光受信器および光受信方法 - Google Patents

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Description

本発明は光受信器および光受信方法に関し、特に、OFDMA−PONシステムで用いられる光受信器および光受信方法に関する。
次世代光アクセスシステムの研究が進められている。アクセスシステムを実現する一つの方式として、回線網に接続された複数のONU(Optical Network Unit)で、互いに異なる直交周波数サブキャリアを用いた通信を行う、直交周波数分割多重アクセス(OFDMA:Orthogonal Frequency Division Multiple Access)方式の適用が検討されている。なお、ONUとは、一般に、各ユーザが使用する加入者端末装置を意味する。
また、光ファイバを用いた公衆回線網を実現する方式として、PON(Passive Optical Network)システムが広く用いられている。PONシステムは、1台のOLT(Optical Line Terminal)と複数のONUとから構成される。なお、OLTとは、一般に、局側装置を意味する。OLTと各ONUとは、光カプラを介して接続される。従って、PONシステムでは、多数のONUが、1つのOLTと伝送路(光ファイバ)の大部分とを共用することができる。
従来のPONシステムでは、時分割多元接続(TDMA:Time Division Multiple Access)方式を適用していたが、OFDMA技術を適用することにより時間方向に途切れることのない通信と、柔軟でエラスティックな帯域割り当てが可能となる。例えば、非特許文献1では、OFDMA方式の一つであるIFDMA(Interleaved FDMA)方式をアクセスシステムに適用することで、伝送容量30Gbpsの、2つのONUのサブキャリア多重アクセスの検討実験結果が開示されている。
一般的に、OFDMA方式では、(1)高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を用いて各サブキャリアにデータを重畳したOFDMA変調信号と、(2)ガードインターバルとしてOFDMA変調信号の先頭に付加されるサイクリックプレフィックス(CP:Cyclic Prefix)と呼ばれるOFDM変調信号の後半数サンプルのコピーとで、1OFDMAシンボルを構成し、シンボル毎に変復調の処理を行うブロック伝送となる。サイクリックプレフィックスは、マルチパスによって生じる到来波の遅延時間(無線の場合)、伝送路の影響による波形広がり(無線、光共通)、および、収容する複数ユーザ(ONU)の到来タイミング遅延(無線、光共通)を吸収する十分な長さで設計される。逆にいえば、複数ONUの到来タイミングはサイクリックプレフィックス以内の精度で同期が図れればよいことになる。
しかしながら、一方で、収容する複数ONUの到来タイミングに、ボーレート以下のタイミングオフセットが生じた場合、サンプリングレートとボーレートとが等しい、すなわち、サンプリングレート=ボーレート(1倍サンプリング)のシステムでは、復調が不可能となるサブキャリアが生じる可能性があり、そのような場合には大幅な特性劣化を引き起こすことが知られている。
非特許文献2では、上記のサンプリングレート=ボーレート時において、理想的なロールオフフィルタの適用を仮定した場合、(サンプリングレート/2)の周波数サブキャリアにおいて、スペクトル強度が0となり、復調が不可能となることが示されており、その解決手法として、サンプリングレート>ボーレートとなるオーバーサンプリングの適用が開示されている。非特許文献2で示されている通り、従来の無線通信の分野では、信号のサンプリングレートとしてボーレートの2倍以上が用いられることが一般的であり、非特許文献1においても、受信信号のサンプリングレートはボーレートよりも高いオーバーサンプリングを用いて実現している。
Yuki Yoshida, et al., "Experimental Demonstration of 2xONU 30Gbps Digitally-Supported-Coherent IFDMA-PON Uplink," OFC/NFOEC 2012, OW3B.5. T. Obara, Kazuki Takeda, and F. Adachi, "Oversampling frequency-domain equalization for single-carrier transmission in the presence of timing offset," The 6th IEEE VTS Asia Pacific Wireless Communications Symposium (APWCS2009), Ewha Womans University, Seoul, Korea, 20-21 Aug. 2009.
しかしながら、光通信の分野では、無線信号に対してボーレートが非常に高いために(例えば、光:10G−EPONのボーレートは10GHz、100Gbpsトランスポンダでは32GHzに対し、無線:LTE(Long Term Evolution)のボーレートは最大で20MHzである。)、2倍以上のオーバーサンプルを実現するサンプリングレートのADC(Analog Digital Converter)回路および信号処理(DSP:Digital Signal Processing)回路は、実現が困難で非常に高価なものとなる。さらに、サンプリングレートの増加は、デジタル信号の並列展開数の増加に等しく、インターフェース回路や信号処理回路規模が増大するとともに消費電量の大幅な増加を引き起こす。
低消費電力化・低コスト化が恒久的な課題として掲げられるPONシステムでは、低サンプリングレートでのOFDMA−PONを実現することが求められるが、複数のONUの送信タイミングをボーレート以上の精度で制御することは不可能であり、上記課題を解決するためには消費電力やコストを犠牲にしてサンプリングレートを増加させる必要があった。
本発明は、かかる問題点を解決するためになされたもので、OFDMA−PONシステムにおいて、サンプリングレートを増加させることなく(サンプリングレート=ボーレート)、復調不能となるサブキャリアを改善することで、特性の劣化を抑制することが可能な、光受信器および光受信方法を得ることを目的とする。
本発明は、受信した光信号をアナログ電気信号に変換する受光素子と前記アナログ電気信号を増幅する増幅回路とを有する光電変換回路と、前記光電変換回路の前記増幅回路からの前記アナログ電気信号を複数個に分岐し、分岐した信号ごとに遅延を与える遅延回路と、前記遅延を与えた信号を再び合波して単一のアナログ電気信号を生成する合波回路とを有する遅延生成回路と、前記遅延生成回路の前記合波回路から出力された前記アナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路と、前記アナログデジタル変換回路から出力された前記デジタル信号を処理するデジタル信号処理回路とを備え、前記遅延回路の少なくとも1つで、サンプリングタイミングオフセットを減らすようにサンプリングタイミングを調整する、光受信器である。
本発明は、受信した光信号をアナログ電気信号に変換する受光素子と前記アナログ電気信号を増幅する増幅回路とを有する光電変換回路と、前記光電変換回路の前記増幅回路からの前記アナログ電気信号を複数個に分岐し、分岐した信号ごとに遅延を与える遅延回路と、前記遅延を与えた信号を再び合波して単一のアナログ電気信号を生成する合波回路とを有する遅延生成回路と、前記遅延生成回路の前記合波回路から出力された前記アナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路と、前記アナログデジタル変換回路から出力された前記デジタル信号を処理するデジタル信号処理回路とを備え、前記遅延回路の少なくとも1つで、サンプリングタイミングオフセットを減らすようにサンプリングタイミングを調整する、光受信器であるので、OFDMA−PONシステムにおいて、サンプリングレートを増加させることなく(サンプリングレート=ボーレート)、復調不能となるサブキャリアを改善することで、特性の劣化を抑制することができる。
本発明の実施の形態1に係るIM−DD方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1に係るコヒーレント方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態1〜3に係るOFDMA−POMシステムの構成を示す図である。 本発明の実施の形態1〜3に係るOFDMA−POMシステムにおける(1)ONU出力と(2)OLT入力信号を模擬した図である。 本発明の実施の形態1に係る光受信器の遅延生成回路における分岐と遅延の処理を説明した図である。 本発明の実施の形態1に係る光受信器の効果を説明する図である。 本発明の実施の形態2に係るIM−DD方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態2に係るコヒーレント方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係るIM−DD方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係るコヒーレント方式の光受信器の構成を示す構成図である。 本発明の実施の形態3に係る光受信器の効果を説明する図である。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る光受信器の構成を示す構成図である。図1においては、本実施の形態1に係る光受信器として、OFDMA-PON用OLT光受信器を例に挙げ、当該OLT光受信機に、IM−DD(Intensity Modulation−Direct Detection)方式を適用させた場合の構成を示している。
IM−DD方式では、ベースバンド信号で強度変調した光信号を伝送し、直接検波(強度検出)により再度ベースバンド信号を再生復調している。この方式は、光の強度変化に情報を乗せている。
図1に示す光受信器は、入力される光信号をアナログ電気信号に変換し増幅して出力する光電変換回路1と、増幅されたアナログ電気信号を複数分岐し、分岐した信号ごとに遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波して出力する遅延生成回路2と、遅延生成回路2から出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータ3(ADC回路)と、当該デジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4とから構成される。
光電変換回路1は、入力されるOFDMA光信号を受光し、電流(アナログ電気信号)へと変換する受光素子11と、微弱な電流信号を増幅し電圧信号へと変換する増幅回路としてのトランスインピーダンスアンプ(TIA:Transimpedance Amplifier)12とで構成される。受光素子11は、フォトダイオード(PD:Photodiode)から構成してもよいし、もしくは、APD(Avalanche Photodiode)から構成してもよい。
遅延生成回路2は、n個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ入力されるn個の遅延回路21と、遅延回路21でそれぞれ遅延が加えられたアナログ電気信号を再び合波する合波回路22とから構成されている。各遅延回路21は、遅延量をサンプリング周期Ts幅で可変とすることが可能な可変遅延回路である。各遅延回路21は、n個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ1つずつ入力されるとともに、デジタル信号処理回路4からの遅延量制御信号が入力され、当該遅延量制御信号に基づいて、最大でサンプリング周期Tsまでの遅延調整を行うことが可能なように構成されている。従って、遅延回路21は、遅延量制御信号に基づいて、n個に分岐されたアナログ電気信号のそれぞれにサンプリング周期Ts以下の遅延を与える。また、合波回路22は、遅延回路21から各々の遅延が加えられたアナログ電気信号が入力されるとともに、デジタル信号処理回路4からの利得制御信号が入力され、遅延が加えられたそれらのアナログ電気信号ごとに当該利得制御信号により利得を調整した後に、それらを合波する。なお、遅延生成回路2におけるアナログ電気信号の分岐数nは、OFDMA−PONシステムが収容するONUの数に等しい(n=ONU数)。
アナログデジタルコンバータ3は、遅延生成回路2から出力される連続したアナログ電気信号を信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換する。
デジタル信号処理回路4は、OFDMA信号を処理して復調する復調処理回路43の他に、各ONUの受信特性を評価する評価回路41と、それらのONU毎の受信特性から、遅延回路21の遅延量を制御するための遅延量制御信号並びに合波回路22の利得を制御するための利得制御信号を算出し出力する制御回路42とを有する。評価回路41は、例えば、一次変調信号の統計データを用いた誤り率計算回路、もしくは、誤り訂正符号(FEC:Forward Error Correction)等を用いて、ONU毎に受信特性の評価を行う。また、制御回路42は、当該評価結果に基づいて、n個のONUのそれぞれに対し、最も受信特性が良くなる遅延量を探索し、遅延量を決定するとともに、当該評価結果に基づいて、合波した信号がアナログデジタルコンバータ3の入力幅に沿うように、n個のONUのそれぞれに対し、利得の制御を行う。
上記の図1においては、IM−DD方式を適用した場合の構成について示したが、その場合に限らず、IM−DD方式に比べて光受信感度を10〜25dB改善できるコヒーレント方式を本実施の形態1に適用することも可能である。コヒーレント方式は、光の広い周波数帯域を利用した光ネットワークを構築する際に、重要な技術となっている。
図2は、コヒーレント方式を適用させた場合の本実施の形態1に係るOFDMA-PON用OLT光受信器の構成を示す構成図である。図2においては、本実施の形態1に係る光受信器として、図1と同様にOFDMA-PON用OLT光受信器を例に挙げている。但し、図2においては、当該OLT光受信機に、コヒーレント方式を適用させている点が図1と異なる。なお、図2において、上記の図1の各構成に対応する構成には、図1と同じ符号を付して、当該符号の後に「b」を付けて示している。
図2に示す光受信器は、OFDMA光信号が入力されアナログ電気信号に変換して増幅して出力するコヒーレント方式の光電変換回路1bと、アナログ電気信号を分岐し、分岐した信号それぞれに任意の遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波する遅延生成回路2bと、遅延生成回路2bから出力される連続したアナログ信号を、信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換するアナログデジタルコンバータ3bと、アナログデジタルコンバータ3bからのデジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4bとから構成されている。
光電変換回路1bは、局発振光(LO光)を発振するレーザ11bと、入力されるOFDMA光信号をIch用とQch用の2つに分岐し、それぞれをLO光とミキシングして出力する光90度ハイブリッド12bと、光90度ハイブリッド12bから出力された光信号をアナログ電気信号に変換し増幅して出力するバランスドレシーバー13bとから構成される。バランスドレシーバー13bは、光90度ハイブリッド12bによって干渉された光信号をアナログ電気信号(電流)に変換する受光素子としてのバランスドPDと、当該アナログ電気信号を増幅して出力する増幅回路としてのTIAとから構成されている。
遅延生成回路2bは、Ich用のn個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ入力されるn個のIch用の遅延回路21bと、Qch用のn個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ入力されるn個のQch用の遅延回路21bと、Ich用の遅延回路21bで各々の遅延が加えられたアナログ電気信号を再び合波するIch用の合波回路22bと、Qch用の遅延回路21bで各々の遅延が加えられたアナログ電気信号を再び合波するQch用の合波回路22bとから構成されている。
Ich用およびQch用の各遅延回路21bは、Ich用およびQch用のそれぞれn個ずつに分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ1つずつ入力されるとともに、デジタル信号処理回路4bから各アナログ電気信号ごとのn個の遅延量制御信号が入力され、当該遅延量制御信号に基づいて最大でサンプリング周期Tsまでの遅延調整を行うことが可能な可変遅延回路である。また、Ich用およびQch用の合波回路22bは、Ich用およびQch用の遅延回路21bから各々の遅延が加えられたアナログ電気信号が入力されるとともに、デジタル信号処理回路4bから各アナログ電気信号ごとのn個の利得制御信号が入力され、遅延が加えられたそれらのアナログ電気信号を当該利得制御信号により利得を調整して合波する。また、アナログ電気信号の分岐数nは収容するONUの数に等しい(n=ONU数)。
アナログデジタルコンバータ3bは、遅延生成回路2bから出力される連続したアナログ電気信号を信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換する。
デジタル信号処理回路4bは、OFDMA信号を処理して復調する復調処理回路43bの他に、各ONUの受信特性を評価する評価回路41bと、それらのONU毎の受信特性から、遅延回路21bの遅延量を制御するための遅延量制御信号並びに合波回路22bの利得を制御するための利得制御信号を算出し出力する制御回路42bとを有する。
このように、図2に示すコヒーレント方式のOFDMA-PON用OLT光受信器構成の場合は、アナログフロントエンドでIch用とQch用の2種類の信号が形成されるため、回路が2倍になっているが、遅延回路21b、合波回路22b、復調処理回路43b、評価回路41b、および、制御回路42bの機能や動作は、図1に示したIM−DD式のOFDMA-PON用OLT光受信器と同じである。
次に、図1および図2に示した本実施の形態1に係る光受信器の動作について説明する。図1および図2に示した本実施の形態1に係る光受信器の動作は基本的には同じである。従って、以下の説明においては、説明を簡単にするため、図1の構成を例にして動作の説明をし、図2については省略する。図3は、OFDMA−PONシステムの構成を示す図である。OFDMA−PONシステムは、図3に示すように、複数のONU100(ここではn個)が、光ファイバ101と光カプラ102とを通じて、1つのOLT103に収容される構成をとる。このOLT103で、本実施の形態1の光受信器が用いられる。OLT103に収容されたONU100は、OLT103からのサブキャリア割り当て制御信号および送信タイミング制御信号によって、他のONU100で使用しないサブキャリアを用いた信号を、サイクリックプレフィックス長以内の精度で同期して送信する。光カプラ102で合波される前(図3(1))の、各ONU100から出力された光信号を模擬した図を図4の左側の図((1)ONU出力信号)に示す。また、光カプラ102で合波された後(図3(2))の、OLT103に入力される光信号を模擬した図を図4の右側の図((2)OLT入力信号)に示す。
通常のOFDMA信号は、送信側にあるデジタル信号処理回路によって離散信号として作成され、DAC(Digital Analog Converter)回路によってデジタルの離散信号からアナログの連続信号に変換されて送信されるが、ONU100ごとに理想とするサンプリングの点が異なる。従って、合波されたOLT入力信号(図4の右側の図)は、ONU100毎に異なる理想のサンプリング点をもつ単一のアナログ信号となる。
OLT103に入力されたOFDMA光信号は、上記の図1に示すように、まず、光電変換回路1によって電気のアナログ信号へと変換される。変換された電気信号は、遅延生成回路2に入力され、n経路に分岐される。分岐された信号には、遅延回路21により、それぞれ異なる遅延量が与えられる。遅延が与えられた信号は、合波回路22で任意の利得で増幅されて、合波されることにより、単一のアナログ信号を再生成する。再び生成されたアナログ信号は、アナログデジタルコンバータ3によりアナログ信号から1倍サンプリングレートのデジタル信号へと変換されて、デジタル信号処理回路4に渡される。デジタル信号処理回路4では、入力されたデジタル信号に対して、必要に応じてタイミング・周波数同期を行い、チャネル推定および等化処理を実施し、一次変調信号への復調処理を行い、最終的に、デマッピング処理によってビットに変換する。本実施の形態1では、デジタル信号処理回路4では、一次変調信号の統計データを用いた誤り率計算回路もしくは誤り訂正符号(FEC:Forward Error Correction)等を用いた評価回路41を用いてONU毎に特性を評価し、評価結果に応じて制御回路42が、遅延生成回路2で用いる遅延量および利得の制御を行う。
遅延回路21は、最大でサンプリング周期Tsの遅延調整を行うことが可能な遅延回路とし、初期遅延量としてすべてTs/2に設定しておく。n個の遅延回路21は、n個のONU#1〜#n(符号100)にそれぞれ対応しており、ONU#1(符号100)のタイミングの最適化には遅延回路#1(符号21)を、ONU#2(符号100)のタイミングの最適化には遅延回路#2(符号21)を、ONU#n(符号100)のタイミングの最適化には遅延回路#n(符号21)をそれぞれ用いる。サンプリングタイミングオフセットは理想とするサンプル点から離れるにつれ特性劣化を引き起こすことから、デジタル信号処理回路4の評価回路41での評価結果であるONU#1〜#n(符号100)の受信特性BER#1〜#nが最も良くなるように、制御回路42は、通信の初めにONU100毎に時分割で遅延量(delay値)を振り、n個のONU100に対し、それぞれ最も受信特性が良くなる遅延量の探索制御を行う。探索により、すべてのONU100に対する遅延量が定まった時には、制御回路42は、当該遅延量を示す遅延量制御信号を各遅延回路21に出力し、それを受けて、遅延回路21が、当該遅延量に基づき、図5に示すように、ONU100毎に最適な遅延を与え、合波回路22に出力する。合波回路22では、遅延回路21からの信号を受けて、それらを合波するが、合波した信号は振幅が過大となるため、アナログデジタルコンバータ3の入力幅に沿うように、合波する際の利得を制御する必要がある。そのため、制御回路42は、評価回路41での評価結果であるONU#1〜#n(符号100)の受信特性BER#1〜#nに基づき、n個のONU100のそれぞれに対する利得を調整し、各信号ごとのn個の利得制御信号を合波回路22に出力する。このように、制御回路42は、評価回路41によるONU毎の受信特性の評価結果を用いたフィードバック制御にて、遅延量および利得の制御を行う。また、この合波の際に、各遅延回路21の出力の利得を変えて重みづけをしてもよい。
なお、上記の説明においては、図1のIM−DD方式の光受信器の構成を例にして説明したが、図2に示すコヒーレント方式の光受信器の構成においても動作は同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、図2の構成においては、各ONU100に用意される遅延回路#1〜#n(符号21b)の遅延量および合波回路22の利得は、Ich側とQch側で同じ値に制御する。
次に、実施の形態1に係る光受信器における効果を示す。
例えば、収容ユーザ数n=8、周波数サブキャリア数128、サイクリックプレフィックス8、一次変調方式QPSK、受信SNR=30dBの条件において、本実施の形態1を適用した場合と、1倍サンプリングで受信した場合、および、2倍のオーバーサンプリングを適用した場合の、任意の1ONUの受信Q値特性を比較した。結果を図6に示す。図6において、△が本実施の形態1、○が1倍サンプリング、□がオーバサンプリングのグラフである。図6を見ると、1倍サンプリングと実施の形態1では、理想サンプル点からのずれがない場合には最も高いQ値特性を得ることができているが、サンプル点にオフセットがついて、理想サンプル点からのずれが大きくなるに従い、特性(Q値)が劣化していく。これは非特許文献2に記載されている通り、離散信号化した時に帯域外からの折り返し雑音による影響のためであり、特に1倍サンプリングでは復調不可能な点が生じてしまうため、Ts/2の条件ではオーバーサンプリングを適用した場合と比較し、14dB程度の特性劣化を引き起こしている。対して、実施の形態1を適用した場合には、受信タイミングオフセットが生じても特性の劣化を防ぐことができ、2dB程度の特性劣化にまで改善している。本実施の形態1では、収容するONU100毎に受信タイミングを調整するために、すべてのONU100で復調不可能となる条件を回避することができるため、従来の1倍サンプリングと比較して、大幅な特性の劣化を防ぐことができる。さらに、オーバーサンプリングを適用しないため、安価なアナログデジタルコンバータが使用でき、また、安価なデジタル信号処理回路を適用できるうえに、消費電力の大きい信号処理回路の低消費電力化につながる。
以上のように、本実施の形態1に係る光受信器は、受信した光信号をアナログ電気信号に変換する受光素子とアナログ電気信号を増幅する増幅回路としてのTIAとを有する光電変換回路1,1bと、光電変換回路1,1bの増幅回路からのアナログ電気信号を複数個に分岐し、分岐した信号それぞれに遅延を与える遅延回路21,21bと当該遅延を与えた信号を再び合波して単一のアナログ電気信号を再生成する合波回路22,22bとを有する遅延生成回路2,2bと、遅延生成回路2,2bの合波回路22,22bから出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータ3,3bと、アナログデジタルコンバータ3,3bから出力されたデジタル信号を処理するデジタル信号処理回路4,4bとを備えている。当該構成により、受信した信号を分岐し、分岐したそれぞれの信号ごとにサンプリング周期Ts以下の遅延を与えて、ONU毎に受信タイミングを調整するため、すべてのONUで復調不可能となる条件を回避することが可能となる。従来の1倍サンプリングレート光受信器では、信号帯域外部からの折り返しにより復調不可能なサブキャリアがあったため、消費電力が過大となるオーバーサンプリングを適用する以外に解決策はなかったが、本実施の形態1の構成を適用することにより、サンプリングレートを増加させることなく(サンプリングレート=ボートレート)、アナログデジタルコンバータ3,3bにてアナログ信号から1倍サンプリングレートのデジタル信号に変換する構成としながら、復調不可能となるサブキャリアを改善することで、オーバーサンプリングを適用することなく、特性の改善を図ることができる。なお、遅延量の制御は、評価回路41,41bでOFDMA光信号の受信特性を各ONU毎に評価し、受信特性が最もよくなる遅延量になるように、当該評価結果を用いたフィードバック制御により行うこととしたので、受信特性の大幅な改善を図ることができる。また、利得の制御も、合波により振幅が過大にならないように、アナログデジタルコンバータ3の入力幅に沿うように、評価回路41,41bの評価結果を用いたフィードバック制御により、利得の制御を行うようにしたので、合波による振幅の拡大を抑え、適切な利得の制御を行うことができる。また、本実施の形態1においては、オーバーサンプリングを適用しないため、安価なアナログデジタルコンバータが使用でき、また、安価なデジタル信号処理回路を適用できるうえに、消費電力の大きい信号処理回路の低消費電力化につながる。また、本実施の形態1においては、分岐した後にアナログ信号の段階で再び合波する構成としたので、復調を行う復調処理回路を単に1つ設ければよいため、デジタル信号処理回路の構成を簡易にすることができるという効果が得られる。
実施の形態2.
図7は、本発明の実施の形態2に係る光受信器の構成を示した構成図である。図7においては、本実施の形態2に係る光受信器として、IM−DD方式のOFDMA-PON用OLT光受信器を例に挙げて説明する。
図7に示す光受信器は、入力される光信号をアナログ電気信号(電流)に変換し増幅して出力する光電変換回路1と、増幅されたアナログ電気信号を複数分岐し、分岐した信号それぞれに遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波して出力する遅延生成回路2cと、遅延生成回路2cから出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータ3(ADC回路)と、当該デジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4cとから構成される。
光電変換回路1は、図1の光電変換回路1と同じ構成を有し、同じ動作を行う。すなわち、光電変換回路1は、入力されるOFDMA光信号を受光し、電流(アナログ電気信号)へと変換する受光素子11と、微弱な電流信号を増幅し電圧信号へと変換する増幅回路としてのトランスインピーダンスアンプ(TIA)12とで構成される。受光素子11は、PDから構成してもよいし、もしくは、APDから構成してもよい。
遅延調整回路2cは、n個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ入力されるn個の遅延回路21c(遅延回路#1〜#n)と、各々の遅延が加えられたアナログ電気信号を再び合波する合波回路22cとから構成されている。遅延回路21c(遅延回路#1〜#n)は、固定の遅延量が予めそれぞれ設定されている固定遅延回路で、n個に分岐されたアナログ電気信号がそれぞれ1つずつ入力されて、個々に設定された当該遅延量に基づいて、最大でサンプリング周期Tsまでの遅延調整を行う。また、合波回路22cは、遅延回路21cから各々の遅延が加えられたアナログ電気信号が入力されるとともに、デジタル信号処理回路4cからの利得制御信号が入力され、遅延が加えられたそれらのアナログ電気信号を当該利得制御信号により利得を調整して、合波する。また、アナログ電気信号の分岐数nは収容するONUの数に等しい(n=ONU数)。
アナログデジタルコンバータ3は、図1のアナログデジタルコンバータ3と同じ構成を有し、同じ動作を行う。すなわち、アナログデジタルコンバータ3は、遅延生成回路2cから出力される連続したアナログ電気信号を信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換する。
デジタル信号処理回路4cは、OFDMA信号を処理して復調する復調処理回路43cの他に、各ONUの受信特性を評価する評価回路41cと、それらのONU毎の受信特性から、合波回路22の利得を制御するための利得制御信号を算出し出力する制御回路42cとを有する。図1のデジタル信号処理回路4との違いは、図7のデジタル信号処理回路4cでは、制御回路42cが、遅延回路21の遅延量を制御しない点である。復調処理回路43cおよび評価回路41cの構成および動作は、図1の復調処理回路43および評価回路41の構成および動作と同じであるため、ここでは、説明を省略する。
図1の光受信器の構成と図7の光受信器の構成との違いは、図1においては、遅延生成回路2の遅延回路21の遅延量が可変であり、デジタル信号処理回路4の制御回路42により遅延量の制御が行われていたが、図7においては、遅延生成回路2cの遅延回路21cの遅延量が固定であり、デジタル信号処理回路4cの制御回路42cが遅延量の制御を行わない点と、制御回路42cが、評価回路41cによる特性の評価結果を用いて、各ONUで最も特性が向上する遅延を与える経路を決定する点とが異なる。他の構成および動作については、図1と同じである。
図8は、本発明の実施の形態2に係るコヒーレント方式の光受信器の構成を示した構成図である。図8に示す光受信器は、OFDMA光信号が入力されアナログ電気信号に変換して増幅して出力するコヒーレント方式の光電変換回路1bと、アナログ電気信号を分岐し、分岐した信号それぞれに固定の遅延量の遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波する遅延生成回路2dと、遅延生成回路2dから出力される連続したアナログ信号を、信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換するアナログデジタルコンバータ3bと、アナログデジタルコンバータ3bからのデジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4dとから構成されている。
図2の光受信器の構成と図8の光受信器の構成との違いは、図2においては、遅延生成回路2bの遅延回路21bの遅延量が可変であり、デジタル信号処理回路4bの制御回路42bにより遅延量の制御が行われていたが、図8においては、遅延生成回路2dの遅延回路21dの遅延量が固定であり、デジタル信号処理回路4dの制御回路42dが遅延量の制御を行わない点と、制御回路42cが、評価回路41cによる特性の評価結果を用いて、各ONUで最も特性が向上する遅延を与える経路を決定する点とが異なる。他の構成および動作については、図2と同じであるため、同一符号または同一符号の後に「d」を付して示し、ここでは説明を省略する。
なお、図8のコヒーレント方式の光受信器においては、アナログフロントエンドでIch用とQch用の2種類の信号が形成されるため、回路が2倍になっており、遅延回路21dや合波回路22dが2倍必要になるが、構成及び動作は基本的に図7に示すIM−DD方式の光受信器に等しい。なお、図8の構成においては、各ONU100に用意される遅延回路21d(#1〜#n)の固定された遅延量は、Ich側とQch側で同じ値に設定し、かつ、それぞれの遅延量は、図7に示す遅延回路21c(#1〜#n)と同じ値とする。
次に動作について説明する。図7および図8に示した本実施の形態2に係る光受信器の動作について説明する。図7および図8に示した本実施の形態2に係る光受信器の動作は基本的には同じである。従って、説明を簡単にするため、以下の説明においては、図7の構成を例にして動作の説明をする。本実施の形態2に示す光受信器も、図3に示す、複数のONU100が、光ファイバ101と光カプラ102を介して1つのOLTに収容されるOFDMA−PONシステムに適用される。OFDMA−PONシステム構成、及び、ONUの動作は実施の形態1と同じであるためここでの説明は行わない。
図7に示すように、本実施の形態2係る光受信器に入力されたOFDMA光信号は、まず、光電変換回路1によって電気のアナログ信号へと変換される。変換された電気信号は、遅延生成回路2cに入力され、N個(N≧2)の経路に分岐される。分岐された信号には固定遅延回路21cにより例えば配線長などのそれぞれ異なる遅延量が与えられる。遅延が与えられた信号は、合波回路22cで、制御回路42cからの利得制御信号に基づく利得で増幅されて、合波されることにより、単一のアナログ信号を再生成する。再生成されたアナログ信号は、アナログデジタルコンバータ3によりアナログ信号から1倍サンプリングレートのデジタル信号へと変換されてデジタル信号処理回路4cに渡される。デジタル信号処理回路4cでは、当該デジタル信号に対し、必要に応じてタイミング・周波数同期を行い、チャネル推定および等化処理を実施し、一次変調信号への復調処理、最終的にデマッピング処理によってビットに変換される。本実施の形態2では、デジタル信号処理回路4cにおいて、一次変調信号の統計データを用いた誤り率計算回路もしくは誤り訂正符号(FEC)等を用いた評価回路41cを用いてONU毎に特性を評価し、評価結果に応じて制御回路42cで各遅延パスの利得の制御を行う。
上記のとおり、本実施の形態2に係る遅延回路21cおよび21dは、各分岐した経路に固定の遅延量による遅延を与えるものであり、配線長の制御等で簡易に実現が可能である。各々の遅延量は、分岐数をN(N≧2)とし、サンプリング周期をTsとしたとき、各分岐経路にはそれぞれTs/Nの異なる遅延時間が生じるよう調整し、遅延時間が最も短い経路に比較して、最も遅延時間が長い経路にはTs*(N−1)/Nの遅延量が与えられる。図7および図8の例では、遅延回路#1で遅延量=0を与え、遅延回路#2で遅延量=Ts*1/Nを与え、遅延回路#3で遅延量=Ts*2/Nを与え、遅延回路#nで、遅延量=Ts*(N−1)/Nを与えている。サンプリングタイミングオフセットは理想とするサンプル点から離れるにつれ特性劣化を引き起こす。従って、合波回路22cは、各ONUの理想サンプル点に最も近い遅延経路を経由した信号を選択して合波するように制御される。具体的には、制御回路42cは、通信の初めにONU毎のトレーニング期間をもち、トレーニング期間では、N本の分岐経路から順番に1本の信号を選択し、選択した経路から入力された信号のみを通過するよう利得の制御を行い、評価回路41cにより特性を評価した評価結果を用いて、各ONUで最も特性が向上する遅延を与える経路(すなわち遅延回路21)を決定する。すべてのONUについて経由する経路が決まったときには、合波回路22cで使用する経路以外から入力される信号を出力しないよう利得の制御を行う。また、合波回路22cは、アナログデジタルコンバータ3の入力幅に沿うように利得を制御して合波する機能ももつ。
なお、上記の説明においては、図7のIM−DD方式の光受信器の構成を例にして説明したが、図8に示すコヒーレント方式の光受信器の構成においても動作は同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、図8の構成においては、Ich側とQch側とで、選択する経路は同じ経路となるよう制御する。
次に、実施の形態2における効果を示す。
本実施の形態2では分岐数nに従って、与えることのできる遅延量の粒度が向上するが、実施の形態1と異なり各ONUに最適な遅延を与えることはできないため、実施の形態1と比較して特性の改善量では劣る。しかしながら、分岐後の遅延量は固定のため、前記のとおり配線長で調整するなどの実現容易性が高い。また、実施の形態1と異なり遅延量の調整がないため制御回路42cおよび42dの構成をより簡易にすることが可能となる。
以上のように、本実施の形態2においては、実施の形態1と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態2においては、遅延生成回路2c,2dの遅延回路21c,21dの遅延量が固定であるため、配線長で調整するなどの実現容易性が高い。また、デジタル信号処理回路4c,4dの制御回路42c,42dが遅延量の制御を行わないため、制御回路42c,42dの構成をより簡易にすることが可能となる。
実施の形態3.
図9は、本発明の実施の形態3に係る光受信器の構成を示した構成図である。図9においては、本実施の形態3に係る光受信器として、IM−DD方式のOFDMA-PON用OLT光受信器を例に挙げて説明する。
図9に示す光送受信器は、入力される光信号をアナログ電気信号(電流)に変換し増幅して出力する光電変換回路1と、増幅されたアナログ電気信号を複数分岐し、分岐した信号それぞれに遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波して出力する遅延生成回路2eと、遅延生成回路2eから出力されたアナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタルコンバータ3(ADC回路)と、当該デジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4eとから構成される。
光電変換回路1は、図1の光電変換回路1と同じ構成を有し、同じ動作を行う。すなわち、光電変換回路1は、入力されるOFDMA光信号を受光し、電流(アナログ電気信号)へと変換する受光素子11と、微弱な電流信号を増幅し電圧信号へと変換する増幅回路としてのトランスインピーダンスアンプ(TIA)12とで構成される。受光素子11は、PDから構成してもよいし、もしくは、APDから構成してもよい。
遅延調整回路2eは、入力される電気アナログ信号を2分岐し、それぞれに異なる遅延を与える固定遅延回路21eと固定遅延回路21f、および、2つのアナログ信号を合波する合波回路22eで構成する。
アナログデジタルコンバータ3は、図1のアナログデジタルコンバータ3と同じ構成を有し、同じ動作を行う。すなわち、アナログデジタルコンバータ3は、遅延生成回路2eから出力される連続したアナログ電気信号を信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換する。
デジタル信号処理回路4eは、OFDMA信号の復調処理を行う復調処理回路43eがあり、先の実施の形態1および実施の形態2で示した評価回路や制御回路は含んでいない。
図1の光受信器の構成と図9の光受信器の構成との違いは、図1においてはn個に分岐していたが、図9においては2個に分岐する点と、図1においては、遅延生成回路2の遅延回路21の遅延量が可変であり、デジタル信号処理回路4の制御回路42により遅延量の制御が行われていたが、図9においては、遅延生成回路2eの遅延回路21e,21fの遅延量が固定であり、デジタル信号処理回路4eが遅延量の制御を行わない点と、図9のデジタル信号処理回路4eが合波回路22eの利得を制御しない点と、図9のデジタル信号処理回路4eが図1に示す評価回路41および制御回路42に対応する構成を有さない点とが異なる。他の構成および動作については、図1と同じである。
図10は、本発明の実施の形態3に係るコヒーレント方式の光受信器の構成を示した構成図である。図10に示す光受信器は、OFDMA光信号が入力されアナログ電気信号に変換して増幅して出力するコヒーレント方式の光電変換回路1bと、アナログ電気信号を2つに分岐し、分岐した信号それぞれに固定の遅延量の遅延を与え、遅延を与えた信号を再び合波する遅延生成回路2gと、遅延生成回路2gから出力される連続したアナログ信号を、信号帯域のボーレートと同じサンプリング周波数(サンプリング周期Ts)でサンプリングし、デジタル信号へと変換するアナログデジタルコンバータ3bと、アナログデジタルコンバータ3bからのデジタル信号を処理し復調を行うデジタル信号処理回路4gとから構成されている。
図2の光受信器の構成と図10の光受信器の構成との違いは、図2においてはn個に分岐していたが、図10においては2個に分岐する点と、図2においては、遅延生成回路2bの遅延回路21bの遅延量が可変であり、デジタル信号処理回路4bの制御回路42bにより遅延量の制御が行われていたが、図10においては、遅延生成回路2gの遅延回路21g,21hの遅延量が固定であり、デジタル信号処理回路4gが遅延量の制御を行わない点と、図10のデジタル信号処理回路4gが合波回路22gの利得を制御しない点と、図10のデジタル信号処理回路4gが図2に示す評価回路41bおよび制御回路42bに対応する構成を有さない点とが異なる。他の構成および動作については、図2と同じである。
なお、図10のコヒーレント方式の受信器構成においては、アナログフロントエンドでIch用とQch用の2種類の信号が形成されるため、回路が2倍になっているが、遅延回路21g、21hや合波回路22gが2つ必要になるが、構成及び動作はIM−DDの回路(図9)に等しい。
次に動作について説明する。図9および図10に示した本実施の形態3に係る光受信器の動作について説明する。図9および図10に示した本実施の形態3に係る光受信器の動作は基本的には同じである。従って、説明を簡単にするため、以下の説明においては、図9の構成を例にして動作の説明をする。本実施の形態3に示す光受信器も、図3に示す複数のONUが、光ファイバと光カプラを介して1つのOLTに収容されるOFDMA−PONシステムに適用される。OFDMA−PONシステム構成及び、ONUの動作は実施の形態1と同じであるためここでの説明は行わない。
図9に示すように、本実施の形態3においては、まず、入力されたOFDMA光信号は、光電変換回路1によって電気のアナログ信号へと変換される。変換された電気信号は、遅延生成回路2eに入力され2本の経路に分岐される。分岐された信号には、遅延回路21eおよび遅延回路21fによって、例えば電気配線長などで構成する、それぞれ異なる予め設定された固定の遅延量が与えられる。遅延が与えられた信号は、合波回路22eで任意の利得で増幅されて、合波されることにより、単一のアナログ信号を再生成する。再生成されたアナログ信号は、アナログデジタルコンバータ3によりアナログ信号から1倍サンプリングレートのデジタル信号へと変換されて、デジタル信号処理回路4eに渡される。デジタル信号処理回路4eでは、当該デジタル信号に対して、必要に応じてタイミング・周波数同期を行い、チャネル推定および等化処理を実施し、一次変調信号への復調処理、最終的にデマッピング処理によってビット列に変換される。
前記のとおり、遅延回路21eおよび遅延回路21fは分岐した経路に固定の遅延を与えるものであり、配線長の制御等で簡易に実現が可能である。各々の遅延量は、例えば分岐の一方の遅延量をdelay#1とした場合、もう一方には、そこからTs/2だけさらに遅延した遅延量を加える。すなわち、一方の遅延量をdelay#1とし、もう一方の遅延量をdelay#2としたとき、delay#2=delay#1+Ts/2となる。合波回路22eでは、合波したアナログ信号が、アナログデジタルコンバータ3の入力幅に沿うように利得を制御して合波する機能を有する。
なお、上記の説明においては、図9のIM−DD方式の光受信器の構成を例にして説明したが、図10に示すコヒーレント方式の光受信器の構成においても動作は同様であるため、ここでは説明を省略する。なお、図10の構成においては、Ich側とQch側の各2つの分岐経路のそれぞれに用意される遅延回路#1〜#2(符号21g,21h)の遅延量は、Ich側とQch側で同じ値に設定する。
次に、実施の形態3における効果を示す。
収容ユーザ数n=1、周波数サブキャリア数128、サイクリックプレフィックス8、一次変調方式QPSK、受信SNR=30dBの条件において、本実施の形態3を適用した場合と、1倍サンプリングで受信した場合と、2倍のオーバーサンプリングを適用した場合の任意の1ONUの受信Q値特性を比較した。結果を図11に示す。図11において、△が実施の形態3、○が1倍サンプリング、□がオーバーサンプリングのグラフを示す。1倍サンプリングと実施の形態3では、理想サンプル点からのずれがない場合には最も高いQ値特性を得ることができているが、サンプル点にオフセットがつくに従い、特性が劣化していく。これは非特許文献2に記載されている通り、離散信号化した時に帯域外からの折り返し雑音による影響のためであり、特にTs/2オフセットが生じた条件では復調不可能な点が発生し、オーバーサンプリングを適用した場合と比較して、14dB程度の特性劣化を引き起こしてしまう。対して、実施の形態3を適用した場合には、Ts/2だけずれた信号を同時に受信することから、タイミングオフセットに対して耐力があり、3dB程度の特性劣化にまで改善している。本実施の形態3は、実施の形態1や実施の形態2と比較して、遅延回路の設計及び合波回路の設計が容易であり、遅延や利得の調整量を制御する回路を必要としないため最も簡易な構成で実現することが可能である。
以上のように、本実施の形態3においては、実施の形態1および2と同様の効果が得られるとともに、さらに、本実施の形態3においては、遅延生成回路において、アナログ電気信号を2つに分岐し、それぞれを遅延回路にて遅延させる際に、一方の遅延量delay#1に対し、もう一方の遅延量をdelay#2=delay#1+Ts/2とし、Ts/2だけずれた信号を同時に受信することから、タイミングオフセットに対して耐力があり、3dB程度の特性劣化にまで改善することができる。また、本実施の形態3においては、遅延生成回路2e,2gの2つの遅延回路の遅延量が固定であり、かつ、デジタル信号処理回路4e,4gが図1,2に示す評価回路および制御回路に対応する構成を有さず、デジタル信号処理回路4e,4gが遅延量の制御および合波回路の利得の制御を行わない構成としたので、実施の形態1や実施の形態2と比較して、遅延回路の設計及び合波回路の設計が容易であり、遅延や利得の調整量を制御する回路を必要としないため最も簡易な構成で実現することが可能である。
1,1b 光電変換回路、2,2b,2c,2d,2e,2g 遅延生成回路、3,3b アナログデジタルコンバータ、4,4b,4c,4d,4e,4g デジタル信号処理回路、11 受光素子、11b レーダ、12 TIA(トランスインピーダンスアンプ)、12b 光90度ハイブリッド、13b バランスドトランシーバー、21,21b,21c,21d,21e,21f,21g,21h 遅延回路、22,22b,22c,22d,22e,22g 合波回路、41,41b,41c,41d 評価回路、42,42b,42c,42d 制御回路、43,43b,43c,43d,43e 復調処理回路、100 ONU、101 光ファイバ、102 光カプラ、103 OLT。

Claims (7)

  1. 受信した光信号をアナログ電気信号に変換する受光素子と前記アナログ電気信号を増幅する増幅回路とを有する光電変換回路と、
    前記光電変換回路の前記増幅回路からの前記アナログ電気信号を複数個に分岐し、分岐した信号ごとに遅延を与える遅延回路と、前記遅延を与えた信号を再び合波して単一のアナログ電気信号を生成する合波回路とを有する遅延生成回路と、
    前記遅延生成回路の前記合波回路から出力された前記アナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換回路と、
    前記アナログデジタル変換回路から出力された前記デジタル信号を処理するデジタル信号処理回路と
    を備え
    前記遅延回路の少なくとも1つで、サンプリングタイミングオフセットを減らすようにサンプリングタイミングを調整する
    光受信器。
  2. 前記遅延回路は、前記信号ごとに与える遅延量をサンプリング周期幅で可変とする可変遅延回路から構成されている
    請求項1に記載の光受信器。
  3. 前記デジタル信号処理回路は、
    前記受信した光信号の受信特性を評価し、当該評価結果を用いたフィードバック制御にて、前記遅延回路の前記遅延量を制御する回路を
    有する
    請求項2に記載の光受信器。
  4. 前記遅延回路は、前記信号ごとに与える遅延量が予め設定されている固定遅延回路から構成されている
    請求項1に記載の光受信器。
  5. 前記合波回路は、合波時に前記信号ごとに与える利得を可変とする
    請求項1ないし4のいずれか1項に記載の光受信器。
  6. 前記デジタル信号処理回路は、
    前記受信した光信号の受信特性を評価し、当該評価結果を用いたフィードバック制御にて、前記合波回路の前記利得を制御する回路を
    有する
    請求項5に記載の光受信器。
  7. 受信した光信号をアナログ電気信号に変換し、前記アナログ電気信号を増幅する光電変換ステップと、
    前記光電変換ステップで得られた前記アナログ電気信号を複数個に分岐し、分岐した信号ごとに遅延を与え、前記遅延を与えた信号を再び合波して単一のアナログ電気信号を生成する遅延生成ステップと、
    前記遅延生成ステップで得られた前記アナログ電気信号をデジタル信号に変換するアナログデジタル変換ステップと、
    前記アナログデジタル変換ステップで得られた前記デジタル信号を処理するデジタル信号処理ステップと
    を備え
    前記遅延生成ステップは、前記分岐した信号の少なくとも1つで、サンプリングタイミングオフセットを減らすようにサンプリングタイミングを調整する、
    光受信方法。
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