JP6101990B2 - 光照射による鶏の産卵調整方法 - Google Patents

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Description

本発明は、単波長の光を鶏に照射することによって産卵を調整する方法に係り、特に産卵の抑制と産卵時間の調整に関するものである。
近年、発光ダイオード(以下LEDという)の開発により単波長の光を得やすくなり、波長幅の広い白熱電球では不明であった単波長の光照射による効果が、動物及び植物で解明され始め、農業分野での利用に期待が高まっている。特に鶏は、動物の中でも光の影響を強く受けることが知られており、従来から鶏舎では波長幅が広い白熱電球が使用されてきたが、鶏舎内の温度上昇を抑制し、また節電効果の観点から、最近では白熱電球からLEDへの切り替えが進んでいる(特許文献1及び特許文献2)。
特許文献1,2に記載された発明では、LEDランプで鶏を照射する際のピーク波長が550〜650nmの範囲に設定されており、赤色光又は赤色光に近い光を鶏に照射することで、白熱電球での照射と同様、産肉と産卵の増加を図ることを目的としていた。
ところで、産卵中期や産卵後期の鶏は秋になると古い羽毛が脱落して新しい羽毛が生える自然換羽が起こり、産卵率が低下すると共に卵質も著しく劣化する。そこで、養鶏の現場では産卵中期や産卵後期になり、産卵及び卵質が低下し始める頃に人為的に換羽を引き起こす強制換羽あるいは誘導換羽を行ない、一旦産卵を停止させることで、その後の産卵および卵質を改善し、加齢に伴う産卵率の低下及び卵質の劣化を防ぎ、飼育期間の延長を図っていた。
しかしながら、従来の強制換羽あるいは誘導換羽は、卵管及び卵巣の萎縮を促すために2週間程度、鶏に与える飼料の量及び質を低下させたり、あるいは全く飼料を与えないようにすることから、鶏に対するストレスがかなり大きい。そのため、鶏を死亡させるおそれがある。
本発明者らは、単波長の光が採卵鶏に及ぼす影響や効果について注目し、鶏に照射する単波長の光によって鶏の産卵性や産卵時間に影響を及ぼすことを知見した。
特開2009−171866号公報 特開2011−253813号公報
本発明が解決しようとする課題は、強制換羽あるいは誘導換羽を行なう際、単波長の中で特に短波長光を鶏に照射して産卵性を低下させることで、鶏にかかるストレスを軽減すると共に、換羽後の産卵および卵質の回復を早めることで経済的な損失をおさえ、飼育期間の延長を図ることである。また、単波長の光を鶏に照射して鶏の産卵時間を調整することで、集卵の便宜を図ることである。
上記目的を達成するため、本発明に係る光照射による鶏の産卵調整方法は、400〜550nmの波長域から選択された一又は二以上の単波長の光を鶏に照射することを特徴とする。
また、前記単波長の光はピーク波長が460nm付近の青色光と、ピーク波長が520nm付近の緑色光であることが望ましい。また、このような単波長の光を照射する光源としてはLEDランプが好ましい。
波長が400〜800nmと波長幅の広い白熱電球や600〜800nmの赤色光に対して、波長幅を絞って照射することで、必要な波長の光を集中的に照射することが可能となる。
本発明では光源に高輝度LEDランプを使用している。LEDランプは、発光素子を選択することで、単色光を得られるという特性を有しているので、必要な波長の光を集中的に照射することができる。本発明ではピーク波長が460nm付近の青色光又はピーク波長が520nm付近の緑色光を利用する。
産卵初期、産卵中期又は産卵後期の鶏に青色光を出射する青色光LEDランプ又は緑色光を出射する緑色光LEDランプの光を照射すると、日齢に関係なく産卵個数を減らすことができる。また、同時に産卵と関係がある性ホルモンの血漿中の濃度も低下させることで産卵の抑制効果が期待できる。この産卵の抑制は、赤色光を出射する赤色光LEDランプ又は白熱電球からの光を照射することによって、産卵の増加を得るようにした従来の効果とは逆の結果を生むものである。
上記のように、青色光や緑色光を照射することで、鶏の産卵率が低下したとしても、卵殻強度、卵殻厚、卵黄重量などの卵質や鶏の体重や臓器重量などは、赤色光や白熱電球で照射した場合の値とほとんど変わることがないので、鶏にかかるストレスは少なく鶏の成育に影響を及ぼさない。
上記のように、単波長の青色光又は緑色光を照射したときに、卵質や鶏の体重や臓器重量を変化させることなく産卵を抑制できる理由として、以下のことが考えられる。鶏を含めていわゆる鳥類は、一般的に見える波長の領域が広く、人間では見えない紫外線領域まで見えると言われている。また、渡り鳥などは、磁場を感じて方向を認識し正確に目的の場所までたどり着くと言われており、その磁場の感知に青色光と緑色光が関与しているという報告もある。このように、鳥は青色光や緑色光などの短波長領域での感受性が強いことから、産卵抑制にも何らかの形で関与したものと考えられる。
また、本発明では単波長の光であっても波長の長短によって産卵時間を調整できることを見出した。青色光や緑色光など短波長の光を照射することで照射後の産卵時間を早めることができる。加えて1日を通じて平均的に産卵させることができるので、産卵直後の新鮮鶏卵を販売する直売型鶏卵農家にとっては有用性の高い調整法となる。
一方、赤色光のような長波長の光を照射した場合には白熱電球と同様の傾向を示して、照射後の産卵時間を遅らせることができる。そして、照射開始4〜5時間後に産卵のピークがくることから、集卵予定時間の4〜5時間前に赤色光を鶏に照射することで、一度に集中的に集卵することができ、自動機による集卵を行っているような鶏卵農家では労力の軽減を期待できる。
上記のように、鶏に照射する光の波長の長短によって産卵時間に違いが生じる理由の一つには、鶏の光に対する感受性の高さにあると思われる。特に、鶏は紫外光感受性タンパク質であるOpn5を持っているため、短波長に対して迅速に反応できる能力があると考えられる。鶏は暗期に卵を形成して、光を感じる(明期)ことで産卵(放卵)が始まると言われているが、光を感じるためには光受容タンパク質のロドプシンが関与していると考えられる。そして、前記ロドプシンの吸収スペクトルは緑色光とほぼ一致しており、また、ロドプシンの中に含まれる光の色を感じるレチナールの吸収最大波長(380nm)が青色光の波長とほぼ一致していることから、産卵するために必要な光の反応速度が青色光や緑色光などの短波長の照射光でより高まり、産卵時間が早まるものと考えられる。
一方、鶏が持っている赤色感受性タンパク質は、前記ロドプシンとの相同性が低いために、長波長の赤色光に対して反応速度が遅くなる結果、産卵時間の遅れとなって現れるものと考えられる。
上記のように、鶏に照射する光の波長を変えることによって、産卵時間を早めたり遅らせたりすることができるのに加えて、産卵数を一日を通して平均化できたり、あるいは産卵数を一日のある時点でピークを迎えるような調整が可能となる。
また、本発明に係る産卵調整方法では、青色光又は緑色光を70ルクス以下で鶏に照射することが望ましい。照度が産卵抑制にどの程度関与するかまだ十分には検証されてないが、従来の赤色光LEDランプ又は白熱電球での光の照射による照度で同程度であれば、十分に効果が認められ、産卵初期は10ルクス程度、産卵後期は70ルクス程度で効果が見られる。
本発明に係る単波長光の照射による鶏の産卵調整方法によれば、鶏の産卵を無理なく抑制することができるので、強制換羽あるいは誘導換羽を行なう際にも、従来の換羽方法に波長の効果を組み合わせることで、換羽期間の短縮を図ることが可能となり、鶏にかかるストレスを軽減できる。そのため、換羽後の産卵の回復が早まるとともに、鶏の生育に悪影響を及ぼすことがない。
また、本発明による産卵時間の調整方法によれば、照射する単波長の光の波長を変えることで、鶏の産卵時間を早めたり遅らせたりすることができる。そのため、各鶏卵農家の集卵状況に応じた産卵時間の調整が可能となる。特に波長の短い青色光や緑色光では照射後1〜2時間で産卵し、波長の長い赤色光では照射後4〜5時間で産卵するので、時間単位での産卵調整が期待できる。
本発明の各実施例における鶏舎の概念図である。 実施例1における試験区1〜4の集卵時刻ごとの産卵割合を示すグラフである。 実施例2における試験区1〜4の集卵時刻ごとの産卵割合を示すグラフである。 実施例3における試験区1〜4の集卵時刻ごとの産卵割合を示すグラフである。
以下、本発明の好適な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
184〜267日齢の鶏に短波長の光を照射し、産卵等にどのような影響を及ぼすかについて試験した。
飼養鶏舎:開放鶏舎を改造したウインドウレス鶏舎を使用し、図1に示したように、鶏舎1の全体を暗幕2a,2b,2cで4つの部屋3a,3b,3c,3dに仕切って試験区1〜4とした。各部屋3a〜3dには二段ケージ4(一区画7.5×13寸)が設置され、各ケージ4で鶏9を単飼い(1ケージ1羽飼い)とした。
実施例で使用した鶏:184〜267日齢のボリスブラウン種を供試した。供試羽数は、1試験区80羽であり、20羽ずつ4回に分けて4反復とし、4試験区の合計で320羽である。
照射ランプ:試験区1は白熱電球5(40W)、試験区2は青色光LEDランプ6(株式会社鍋清製のDPDL-B-4.2W)、試験区3は緑色光LEDランプ7(株式会社鍋清製のDPDL-G-4.2W)、試験区4は赤色光LEDランプ8(株式会社鍋清製のDPDL-R-4.2W)をそれぞれ使用した。青色光LEDランプ6の照度を基準とし、その照度に合わせるために、緑色光LEDランプ7及び赤色光LEDランプ8に光透過率の低いフィルムを被せて調整した。また、白熱電球5の照度は調光器で調整した。
照射条件:1部屋ごとに4つのランプを均等に配置し、いずれもランプ直下(84.5cm)で10ルクスに調整した。試験区1の白熱電球5の波長は400〜800nm、試験区2の青色光LEDランプ6の波長は447.67〜468.16nm(ピーク波長:457.39nm)、試験区3の緑色光LEDランプ7の波長は507.00〜538.60nm(ピーク波長:521.28nm)、試験区4の赤色光LEDランプ8の波長は622.72〜637.40nm(ピーク波長:631.48nm)である。照射時間は15時間連続点灯(午前5時〜午後8時)である。
上記のように15時間連続点灯を4反復した後、各試験区1〜4の産卵成績、卵質検査、血清中のホルモン濃度、時刻ごとの産卵割合について、4反復の平均値を算出した。
表1に、試験区1〜4の産卵率と飼料摂取量を示す。産卵率は、各試験区1〜4ごとに供試羽数が産卵した卵の個数を出し、ヘンディ産卵率に基づいて算出した。
Figure 0006101990
表1の結果から、青色光LEDランプ6で照射した試験区2及び、緑色光LEDランプ7で照射した試験区3の産卵率が、白熱電球5で照射した試験区1及び、赤色光LEDランプ8で照射した試験区4に比べて約5〜6%低下することが確認された。また、飼料摂取量は、試験区による大きな差は認められない。このように、試験区1〜4の飼料摂取量に違いが見られなかったことからも、産卵初期における鶏の産卵率の低下は、青色光LEDランプ6や緑色光LEDランプ7など短波長での光の照射による生理的な変化によるものと考えられる。
表2に試験区1〜の卵質検査の結果を示す。
Figure 0006101990
表2の卵質検査では卵殻強度、卵殻厚、ハウユニット、卵黄重量、卵黄/卵重を検査し、試験区1〜4においてそれらの結果を比較した。各検査項目とも試験区による値に大きな差は認められない。その結果、産卵初期における鶏の産卵率の低下が、卵質に影響を与えていないことが明らかとなった。
表3に試験区1〜4の血清中のホルモン濃度を示す。産卵6〜7時間後の217日齢又は260日齢の鶏から採血し、遠心分離機により血漿を分離した。エストラジオール17βの濃度は、GWB社のEstradiol 17b EIA kit 96testsを用いてエライザ法により測定した。測定は使用したキットに準じて行なった。
Figure 0006101990
表3の結果によれば、217日齢及び260日齢の鶏ともに、青色光LEDランプ6で照射した試験区2及び、緑色光LEDランプ7で照射した試験区3は、白熱電球5で照射した試験区1及び、赤色光LEDランプ8で照射した試験区4に比べて、血漿中のエストラジオール17βの濃度が低くなることが確認された。エストラジオール17βは、産卵及び卵黄形成に影響を与えるホルモンであることから、特定波長の光の照射による濃度の低下が産卵の抑制に影響を与えるものと考えられる。
表4及び図2には試験区1〜4における集卵時刻ごとの産卵割合を示した。集卵時刻は、点灯してから1時間後の午前6時、3時間後の午前8時、5時間後の午前10時、7時間後の12時、11時間後の午後4時の5回である。なお、各回の産卵割合に関する統計処理は角変換処理後、テューキー法(Tukey method)により算出した。
Figure 0006101990
表4及び図2の結果によれば、青色光LEDランプで照射した試験区2と緑色光LEDランプで照射した試験区3が共に同じ傾向を示し、赤色光LEDランプで照射した試験区4と白熱電球で照射した試験区1が共に同じ傾向を示した。前者の場合は、5回を通した産卵割合に大きな変化はないが、後者と比べた場合、午前6時の産卵割合が高いのが特徴的である。一方、後者の場合は、午前6時の産卵割合が極端に低いもののその後は急激に高くなり、午前10時にピークを迎え、前者と比べてもかなりの差がある。
392〜483日齢の鶏に、上記実施例1と同様の短波長の光を照射し、産卵等にどのような影響を及ぼすかについて試験した。
飼養鶏舎:上記実施例1と同様のウインドウレス鶏舎を使用した。鶏舎を構成する部材については、図1に付した符合を用いることで詳細な説明を省略する。
試験に使用した鶏:392〜483日齢のボリスブラウン種を供試した。供試羽数は、1試験区100羽であり、25羽ずつ4回に分けて4反復とし、4試験区の合計で400羽である。
照射ランプ:試験区1は白熱電球5(40W)、試験区2は青色光LEDランプ6(株式会社鍋清製のDPDL-B-10W)、試験区3は緑色光LEDランプ7(株式会社鍋清製のDPDL-G-10W)、試験区4は赤色光LEDランプ8(株式会社鍋清製のDPDL-R-9W)をそれぞれ使用した。青色光LEDランプ6の照度を基準とし、その照度に合わせるために、緑色光LEDランプ7及び赤色光LEDランプ8に光透過率の低いフィルムを被せて調整した。また、白熱電球5の照度は調光器で調整した。
照射条件:1部屋ごとに4つのランプを均等に設置し、いずれもランプ直下(84.5cm)で70ルクスに調整した。また、照射時間は16時間連続点灯(午前4時〜午後8時)である。なお、各試験区1〜4における各ランプの波長は上記実施例1と同一なので、詳細な説明を省略する。
上記のように16時間連続点灯を4反復した後、各試験区1〜4の産卵成績、卵質検査、体重及び臓器重量、血清中のホルモン濃度、時刻ごとの産卵割合について、4反復の平均値を算出した。
表5に、試験区1〜4の産卵率と飼料摂取量を示す。産卵率は、各試験区1〜4ごとに供試羽数が産卵した卵の個数を出し、ヘンディ産卵率に基づいて算出した。
Figure 0006101990
表5の結果によれば、産卵率は、実施例1に比べて全体的に低下しているが、青色光LEDランプ6で照射した試験区2及び、緑色光LEDランプ7で照射した試験区3の産卵率が、白熱電球5で照射した試験区1及び、赤色光LEDランプ8で照射した試験区4に比べて約5〜6%低下する傾向は実施例1と同様である。また、飼料摂取量が全試験区で差が見られない傾向は実施例1と同様である。このような産卵成績の結果から、産卵後期における鶏の産卵率の低下も、実施例1と同様、青色光LEDランプ6や緑色光LEDランプ7など短波長での光の照射による生理的な変化によるものと考えられる。
表6に試験区1〜4の卵質検査の結果、表7に体重及び臓器重量を示す。
Figure 0006101990
Figure 0006101990
表6の卵質検査では、実施例1と同様、卵殻強度、卵殻厚、ハウユニット、卵黄重量、卵黄/卵重を検査し、試験区1〜4においてそれらの結果を比較した。各検査項目とも試験区による値に大きな差は認められない。また、表7の体重及び臓器重量検査では、脾臓重量/体重、脂肪重量/体重、体重の増減を検査し、試験区1〜4の値を比較したが、試験区による差は認められなかった。その結果、産卵後期においても鶏の産卵率の低下が、卵質や体重などに影響を与えていないことが明らかとなった。
表8に試験区1〜4の血清中のホルモン濃度を示す。産卵約7時間後の421日齢の鶏から採血し、遠心分離機により血漿を分離した。エストラジオール17βの濃度は、実施例1と同様、GWB社のEstradiol 17b EIA kit 96testsを用いてエライザ法により測定した。測定は使用したキットに準じて行なった。
Figure 0006101990
表8の結果によれば、産卵後期のエストラジオール17βの濃度は、実施例1に比べて全体的に低下しているが、青色光LEDランプ6で照射した試験区2及び、緑色光LEDランプ7で照射した試験区3の濃度が、白熱電球5で照射した試験区1及び、赤色光LEDランプ8で照射した試験区4に比べて、低くなる傾向は実施例1と同様であった。特に、緑色光LEDランプ7で照射した試験区3の濃度はかなり低い値を示している。このように、産卵後期における特定波長の光照射による血漿中のエストラジオール17βの濃度低下は、産卵前期と同じような傾向を示すことが明らかになった。
表9及び図3には試験区1〜4における時刻ごとの産卵割合を示した。集卵時刻は、点灯してから2時間後の午前6時、4時間後の午前8時、6時間後の午前10時、8時間後の12時、12時間後の午後4時の5回である。なお、各回の産卵割合に関する統計処理は角変換処理後、テューキー法(Tukey method)により算出した。
Figure 0006101990
表9及び図3の結果によれば、青色光LEDランプ及び緑色光LEDランプで照射した試験区2,3と、白熱電球及び赤色光LEDランプで照射した試験区1,4とでは、照射後最初の集卵時刻である午前6時の産卵割合を除いて、大体同じような傾向を示しており、いずれの場合も照射4時間後の午前8時の集卵時刻に産卵のピークを迎えている。また、実施例1と同様、前者の場合は午前6時の産卵割合が後者と比べて非常に高くなっているのが特徴的である。
661〜708日齢の鶏に、上記実施例1と同様の短波長の光を照射し、産卵等にどのような影響を及ぼすかについて試験した。
飼養鶏舎:上記実施例1と同様のウインドウレス鶏舎を使用した。鶏舎を構成する部材については、図1に付した符合を用いることで詳細な説明を省略する。
試験に使用した鶏:661〜708日齢のボリスブラウン種を供試した。供試羽数は、1試験区80羽であり、20羽ずつ4回に分けて4反復とし、4試験区の合計で320羽である。
照射ランプ:試験区1は白熱電球5(40W)、試験区2は青色光LEDランプ6(株式会社鍋清製のDPDL-B-4.2W)、試験区3は緑色光LEDランプ7(株式会社鍋清製のDPDL-G-4.2W)、試験区4は赤色光LEDランプ8(株式会社鍋清製のDPDL-R-4.2W)をそれぞれ使用した。青色光LEDランプ6の照度を基準とし、その照度に合わせるために、緑色光LEDランプ7及び赤色光LEDランプ8に光透過率の低いフィルムを被せて調整した。また、白熱電球5の照度は調光器で調整した。
照射条件:1部屋ごとに4つのランプを均等に設置し、いずれもランプ直下(84.5cm)で10ルクスに調整した。また、照射時間は16時間連続点灯(午前4時30〜午後8時30)である。なお、各試験区1〜4における各ランプの波長は上記実施例1と同一なので、詳細な説明を省略する。
上記のように16時間連続点灯を4反復した後、各試験区1〜4における時刻ごとの産卵割合について、4反復の平均値を算出した。
表10及び図4には試験区1〜4における時刻ごとの産卵割合を示した。集卵時刻は、点灯してから1時間30分後の午前6時、3時間30分後の午前8時、5時間30分後の午前10時、7時間30分後の12時、11時間30分後の午後4時の5回である。なお、各回の産卵割合に関する統計処理は角変換処理後、テューキー法(Tukey method)により算出した。
Figure 0006101990
表10及び図4の結果によれば、青色光LEDランプ及び緑色光LEDランプで照射した試験区2,3と、白熱電球及び赤色光LEDランプで照射した試験区1,4とでは、照射後最初の集卵時刻である午前6時の産卵割合を除いて、大体同じような傾向を示しており、いずれの場合も照射3時間30分後の午前8時の集卵時刻に産卵のピークを迎えているが、他の集卵時刻に比べて産卵割合が非常に高く約35〜40%となっている。また、実施例1及び実施例2と同様、前者の場合は午前6時の産卵割合が後者と比べて非常に高くなっているのが特徴的である。
このように、実施例1〜3のいずれの場合も青色光LEDランプ及び緑色光LEDランプで照射した場合と、赤色光LEDランプ及び白熱電球で照射した場合とで、光の照射開始1〜2時間後の最初の集卵時の産卵割合が大きく異なっており、照射後における産卵時間の調整を容易に行うことができる。青色光LEDランプ及び緑色光LEDランプを使用した場合には、照射開始1〜2時間後の早朝に数多く集卵できるように調整できると共に赤色光LEDランプや白熱電球で照射した場合に比べて、集卵時刻毎の産卵割合の変化が小さいことから、産卵直後の新鮮鶏卵を販売する直売型鶏卵農家にとっては極めて有用性が高い。一方、赤色光LEDランプや白熱電球を使用した場合には、照射開始4〜5時間後に産卵のピークが来るように調整できるので、自動機による集卵を行っているような鶏卵農家では一度に集中的に集卵することができることから労力の軽減を期待することができる。
上記の各実施例では、鶏の種類としてボリスブラウン種を使用した場合について説明したが、本発明では他の種類の鶏であっても、養鶏種として一般に知られている種類の鶏についても適用されるものである。
1 鶏舎
2a,2b,2c 暗幕
3a,3b,3c,3d 部屋
4 二段ケージ
5 白熱電球
6 青色光LEDランプ
7 緑色光LEDランプ
8 赤色光LEDランプ
9 ケージ内の鶏

Claims (8)

  1. 400〜550nmの波長域から選択された一又は二以上の単波長の光を鶏に照射することを特徴とする光照射による鶏の産卵調整方法。
  2. 前記単波長の光はピーク波長が460nmの青色光である請求項1に記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  3. 前記単波長の光はピーク波長が520nmの緑色光である請求項1に記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  4. 前記単波長の光を70ルクス以下で鶏に照射する請求項1乃至3のいずれかに記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  5. 前記単波長の光を15時間以上連続して鶏に照射する請求項1乃至4のいずれかに記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  6. 前記単波長の光が発光ダイオードから出射された光である請求項1乃至5のいずれかに記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  7. 前記単波長の光を鶏に照射することにより、鶏の産卵を抑制する請求項1乃至6のいずれかに記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
  8. 前記単波長の光を鶏に照射することにより、前記単波長の光より長い波長の光を鶏に照射したときに比べて産卵時間を早める請求項1乃至6に記載の光照射による鶏の産卵調整方法。
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