JP6101561B2 - 光学式測距装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物までの距離を光学的に検出する光学式測距装置およびそれを搭載した電子機器に関し、特に本光学式測距装置の前面に保護カバーが設置された場合において、保護カバーで反射して受光素子で検出される反射光を補正することにより測距精度の低下を防止する光学式測距装置に関する。
従来、図101に示すように測定対象物110にスポット光を照射して、その反射光を受光して三角測距により測定対象物110までの距離を測定する測距装置150は多数提案されている。A点(0,−d)に配置された発光素子101より出射された光束は原点O(0,0)に配置された発光レンズ102により略平行光束となり、測定対象物上のB点(0,Y)に光スポットを照射する。測定対象物110で反射した光束はC点(L,0)に配置された受光レンズ103により集光され、x軸上に配置された受光素子104上のD点(L+l,−d)に結像されて受光スポットを形成する。発光軸A100は、原点O(0,0)、B点(0,Y)、およびC点(L,0)を通過する直線を示している。受光軸A101は、B点(0,Y)、C点(L,0)、およびD点(L+l,−d)を通過する直線を示している。ここで、E点(L,−D)を、C点を通過するy軸に平行な線がx軸と交差する点とするとき、三角形OBCと三角形ECDは相似形である。受光素子104により受光スポットの位置を検出して辺ED(=l)を測定することにより、式(1)に基づいて、測定対象物110までの距離Yを検出できる。
Figure 0006101561
これが一般的な三角測距の原理である。受光素子にはPSD(位置検出素子)や複数のPDが配置されたリニアセンサ、イメージセンサなどが用いられる。受光素子は、受光素子上に照射された受光スポットの光重心位置を検出する。
このような原理で動作する光学式の測距装置150が使用される場合、図102に示すようにその前面に発光素子から出射される光束に対して十分高い透過率を有する保護カバー120が設置される。発光レンズ103を介して略平行光に整えられた発光光束F0の大部分は、高い透過率を有する保護カバー120を透過して測定対象物110を照射する。その反射光F1は、再び保護カバー120を透過して受光レンズ103を介して受光素子104に入射する。この結果、測定対象物110までの距離Yに対応した光スポット位置が検出される。しかし、発光光束F0の一部は保護カバー120の表面で反射し、カバー反射光F2になる。カバー反射光F2は、直接もしくは回り込みながら受光レンズ103へと入射し受光素子104で検出される。このように測距装置150の前面に保護カバー120が設置された状態では、測定対象物110で反射した反射光F1により受光素子104上に集光される光スポットに加えて、保護カバー120で反射した光が受光素子104で検出される。この結果、測定対象物110までの距離Yを正確に測定できないという問題があった。
このような課題に対し、特許文献1は、測距装置の前面に窓ガラスが設置された場合において、検出された受光信号量が所定の受光量よりも小さいにも関わらず、測定された距離が近距離である場合、測距が誤っているとみなし、出力を無限遠に訂正するかパッシブ測距に切り替えることを、提案している。
また、特許文献2は、保護カバーで反射された光が回り込み光であって、受光素子上で集光されずに受光素子を一様に照射するだけであり、保護カバーの反射光がもつ情報が均一強度の光量情報のみであることを考慮して、保護カバーからの反射光量を受光信号から減算して距離演算を行うことを提案している。ここで、保護カバーからの反射光量は、無限遠状態で測距動作を行うことにより保護カバーからのみの信号を検出することによって予め得られており、メモリに記憶されている。
しかし、受光素子上で保護カバーからの反射光が強度分布を有する場合は、特許文献1や特許文献2では正確な距離測定が行えない。このため、本発明者らは、特許文献3において、保護カバーからの反射光が受光素子上で作る強度分布をメモリに記憶し、距離演算の際に受光スポット信号からカバー反射光の強度分布を減算し、減算後の受光スポット信号に基づいて測定対象物までの距離を検出することを提案している。さらに、本発明者らは、メモリの搭載量を低減するために保護カバーの反射光の強度分布を近似(数値化)し、その近似式から得られる強度分布を用いて受光スポットを補正することも提案している。また、この2者の強度分布を求める方法は特許文献2と同様に、無限遠の状態で保護カバーからの反射光のみの受光信号を検出する必要があった。
特開平9−229671号公報 特開2000−314835号公報 特開2011−117940号公報
しかしながら、特許文献1および特許文献2の光学式測距装置は、受光素子で検出される受光強度で用いるため、保護カバーによる反射光が受光素子上で一様な強度で分布する場合にのみ限られる。さらに、特許文献1は、保護カバーによる反射受光量が大きいときは無限遠に出力を訂正するかパッシブ測距に切り替える処理を行っており、アクティブ型の測距装置単体で保護カバーがある場合の高精度は距離測定を行うことはできない。特許文献2、3は、それぞれ、保護カバーによる反射光量および保護カバーによる反射光の強度分布をメモリに記憶させて、記憶された情報を受光信号から減算することにより、測距装置前面に保護カバーがある場合でも高精度の距離測定ができる技術である。どちらの技術も、減算する情報(反射光量、反射光の強度分布)を予め無限遠等の状態で保護カバーを透過した光が受光部に入射しない環境で測定し、メモリへ記憶させるステップを必要とする。このため、特許文献2、3では、測距装置の使いやすさの点で問題があった。
本発明は、上記のような課題をかんがみてなされたものであり、測距装置前面に保護カバーが設置された場合において特別な測定環境を必要とせず簡便に保護カバーで反射し、受光素子で検出される信号(ノイズ)を補正することができる高精度の光学式測距装置を提供するものである。
本発明の光学式測距装置は、発光素子と、該発光素子から発光される光束を集束して、測定対象物にスポット光を照射する発光光学系と、上記測定対象物からの反射光を集光する受光光学系と、上記受光光学系により集光された上記測定対象物からのスポット光を検出する受光素子と、上記受光素子からの受光信号を処理する信号処理部とを備え、上記受光素子は、上記測定対象物からの反射光の強度分布を検出するラインセンサまたはエリアセンサであり、上記信号処理部は、上記受光光学系により集光されたスポット光の上記受光素子上のスポット位置を演算し、該スポット位置から上記測定対象物までの距離を検出する距離演算部と、上記発光光学系および上記受光光学系と、上記測定対象物との間に配置された透光性の保護カバーにより反射された光が上記受光光学系を介して上記受光素子で検出されるカバー反射光の強度分布を検出して上記距離の演算を補正する補正演算部とを有し、上記補正演算部は、上記受光素子の両端の少なくとも一方の一部領域の強度分布から上記カバー反射光の強度分布に対応する補正係数を演算して、上記スポット光の強度分布を補正し、上記補正演算部の出力に基づいて上記距離演算部は上記測定対象物までの上記距離を演算することを特徴としている。
また、一実施形態の測距装置では、上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布から上記カバー反射光の強度分布を直線近似して上記補正係数を演算することを特徴とする。
また、一実施形態の測距装置では、上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布を用いて最小二乗法により直線近似を行うことを特徴とする。
また、一実施形態の測距装置では、上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布を用いて、一端の強度分布の平均値ともう一端の強度分布の平均値から直線近似を行うことを特徴とする。
また、一実施形態の測距装置では、上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布についてそれぞれ最小二乗法による直線近似を行い、上記両端の傾きの差が予め定められた閾値より大きい場合、上記受光素子のいずれか一端の強度分布で補正係数を演算し、いずれか一端の相関係数が予め定められた閾値より大きい場合は、もう一端の強度分布で補正係数を演算する、ことを特徴とする。
本発明の光学式測距装置は、測定対象物と保護カバーの両者から反射し受光素子で検出されるスポット光の強度分布を検出し、受光素子の少なくとも一方の端部の強度分布から補正係数を演算して上記保護カバーの反射による強度分布を補正する。このため、上記測距装置は、保護カバーの反射光の補正に必要な情報を測定対象物までの距離測定を行いながら行うことができ、無限遠等の特別な測定環境で上記情報をメモリに記憶させる必要がない。このため、上記測距装置は、簡便に測定対象物までの距離測定を行うことができる。また、上記測距装置は、補正する保護カバーの反射光の情報を記憶するメモリも必要としないため、信号処理回路(信号処理部)を小規模にできる上、予めその情報を記憶させる工程も必要としない。このため、安価な光学式測距装置を提供することができる。
測定対象物と保護カバーの反射光が受光素子に入射する様子を説明する図である。 測定対象物と保護カバーの両反射光により受光素子で検出される強度分布を示す図である。 保護カバーのみの反射光の強度分布とその直線近似を示す図である。 図2から図3を減算して得られる測定対象物のみの反射光による強度分布演算結果である。 光学式測距装置およびその組み付けばらつきによる補正係数のばらつきを示す図である。 本発明の光学式測距装置のブロック図を示す図である。 本発明の光学式測距装置の保護カバー反射光の補正方法を示す図である。 本発明の光学式測距装置の実施例1の補正方法を説明する図である。 本発明の光学式測距装置の実施例2の補正方法を説明する図である。 本発明の光学式測距装置の実施例1の補正不具合を説明する図である。 本発明の光学式測距装置の実施例3の補正不具合を回避する方法を説明する図である。 本発明の光学式測距装置の実施例3の補正不具合を回避する方法を説明する図である。 本発明の光学式測距装置の最適な受光領域を説明する図である。 本発明の光学式測距装置を搭載する電子機器の一例を示す図である。 光学式測距装置の原理を示す図である。 光学式測距装置に保護カバーが設置された状態の反射光を説明する図である。
以下、本発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
図1は、光学式測距装置50の前面に保護カバー20が設置された状態で、測定対象物10からの反射光と保護カバー20からの反射光とが受光素子4へ入射する様子を説明する図である。破線は、測定対象物10からの反射光軸A1を示しており、実線は、保護カバー20からの反射光軸A2を示している。ここで、保護カバー20からの反射光軸は、実際には保護カバー20内部や測距装置50との多重反射(散乱)により複雑な軌跡を描く。図示される反射光軸A1は、多重反射の結果として受光素子4で検出される光軸を代表して示している。
測距装置50は、発光素子1、発光レンズ2、受光レンズ3、および受光素子4を備えている。発光素子1から出射された光は発光レンズ2により略平行光となり放出される。測距装置50の近くに配置された保護カバー20は、発光光束の波長に対して十分高い透過率を有している。発光光束の大部分は測定対象物10を照射する一方、保護カバー20の両面20a、20bでわずかに反射する。十分離れた位置にある測定対象物10からの反射光は、保護カバー20を透過して受光レンズ3により集光されて受光素子4上に光スポットを形成する。保護カバー20で反射した光は、受光レンズ3で集光されて非常に大きい入射角を有して、受光素子4へと向かう。受光素子4の受光エリア8は測定対象物10の強度分布S10(図4、図13)を検出するために必要なサイズを有している。一方、図1に示すように、保護カバー20からの反射光は、その光スポットSの左側の裾部分のみが検出される。図1には理解の簡単のために、測距装置50の右側側壁がない状態で測距装置50の右外側に光スポットSが形成されている図を示している。実際は、測距装置50の側壁内部は十分低い反射率を有する樹脂等で形成されているため、散乱された光が受光素子4で検出される量は、極微小である。つまり、散乱された光の影響は無視できる。このため、保護カバー20による反射光の強度分布は、図1に示したものと同等である。
図2は、このような状態において、受光素子4で検出される光スポットの強度分布(反射光プロファイル)S0を示している。図2のx軸は受光素子4の座標であり、図1で発光素子1と受光素子4が並ぶ方向と同じ方向である。x軸項目にイメージセンサの画素座標と記載されている。受光素子4は、2次元の画素を有するイメージセンサに限定されるものではなく、x軸のみに複数の画素が配列されたラインセンサであっても問題ない。以降、この説明は省略する。y軸は各画素に入射する光強度を表しており、受光素子4で検出される受光強度に相当する。図2に示すように、測定対象物10の反射光F1と保護カバー20からの反射光(カバー反射光F2)との両方の強度分布S0は、一様な右上がりの形状を有するカバー反射光F2の強度分布S20に、ガウス形状を有する測定対象物10の強度分布S10(図4)が加算された形状となる。ここで、保護カバー20の反射光による一様な右上がりの強度分布S20とは、図1で説明したように、光スポットSの裾部を示している。このような強度分布S0から光スポット位置(重心)を求めると、保護カバー20の反射光による右上がりの強度分布S20が加算されているので、光スポット位置は、測定対象物10の強度分布S10による重心位置より右側(+x側)にシフトされて検出されてしまう。したがってこのシフト量に相当する分だけ、測距精度が低下してしまう。
本発明者らは特許文献3で保護カバーの反射の影響を低減する方法について提案しているが、この方法を簡単に説明する。図3は、保護カバー20のみの強度分布S20とそれを直線近似した図である。この直線近似の傾きkを補正係数とすると、この補正係数は、保護カバー20の強度分布S20に対応している。補正係数を予め測定対象物10がない(無限縁)状態で測定し、図2の強度分布S0から、直線近似された保護カバー20の強度分布S20を減算することによって、図4に示すような測定対象物10の反射光F1の強度分布S10が得られる。このため、特許文献3の方法は、測距精度の低下を防止できる。光学式測距装置の製造過程において、発光素子、受光素子、発光レンズ、受光素子の位置関係には多少のばらつきが含まれている。さらに光学式測距装置と保護カバーの位置関係、例えばカバーまでの距離やカバーの傾きなどにも、ばらつきが含まれている。このため、図5に示すように実際には、補正係数は、個体ばらつきを有する。固定値:kを用いて補正を行った場合、測距精度は補正係数のばらつきに相当する量だけ低下する。測距装置50の個々に補正係数を設定するには、その測定に時間を要する上、それを記憶するメモリが必要となる。
図6は、本発明の実施例1−3の構成を説明するブロック図である。測距装置50は、受光素子4からの受光信号を処理する信号処理部5を備えている。信号処理部5は、補正演算部6および距離演算部7を備えている。発光素子1から出射した発光光束F0は、測定対象物10および保護カバー20でそれぞれ反射して、測定対象物10の反射光F1および保護カバー20からの反射光(カバー反射光F2)となり、反射光F1およびカバー反射光F2は受光素子4に入射する。受光素子4で検出される強度分布S0は、信号処理部5の補正演算部6で補正係数が求められた後に、測定対象物10の強度分布S10に補正される。補正された強度分布S10から光スポット位置が算出されて、原点(発光レンズ2の位置)から測定対象物10までの距離Yが検出される。ここで、特許文献3の信号処理部に搭載されている補正係数を記憶するメモリは、本実施例では搭載されていない。図7は、図6の構成により受光素子4で検出される強度分布を示している。A部8aおよびB部8bは、受光素子4(受光エリア8)の両端の2つの一部領域を示している。A部8aは、x軸値の小さい発光素子1側の受光素子4の一部領域であり、B部8bは、x軸値の大きい側の受光素子4の一部領域である。A部8aおよびB部8bには測定対象物10の反射光F1はほとんど入射しないため、A部8aおよびB部8bの強度分布において、カバー反射光F2が支配的になる。このA部8aとB部8bの強度分布SA、SBを用いて、補正演算部6にて、カバー反射光F2の強度分布に対応する補正係数が求められる。この補正係数に基づいて、保護カバー20の強度分布S20を含む強度分布S0を補正することにより、測定対象物10の反射光F1の強度分布S10が得られる。距離演算部7は、補正演算部6の出力(補正係数)に基づいて、常にカバー反射光F2をリアルタイムで検出、補正しながら、光スポット位置を演算し、測定対象物までの距離Yを演算する。このため、測距装置50は、補正係数を記憶するメモリも必要とせず、さらに製品個々のばらつきや保護カバー20の組み立てばらつきにも対応した距離測定を行うことができる。
図8は、実施例1の補正係数の最適な演算方法を説明する図である。実線(細)は、A部8aおよびB部8bのカバー反射光F2の強度分布SA、SBを示しており、破線は、測定対象物10および保護カバー20の強度分布S0を示している。実線(太)は、A部8aとB部8bの間の中央部における強度分布を除いて、受光素子4の一端のA部8aともう一端のB部8bの強度分布SA、SBを用いて、直線近似を行った直線C1を示している。補正係数は、この直線C1の傾きとして与えられる。この方法により、保護カバー20による反射光F2の強度分布S20を精度よく近似することができる。また、直線近似は、近似の精度の観点からA部8aとB部8bの強度分布SA、SBを用いて、最小二乗法を用いるのが好適である。
図9は、実施例2の補正係数の演算方法を説明する図である。A部8aの全強度分布SAの平均点をA点Paとし、B部8bの全強度分布の平均点をB点Pbとして、AB点を結ぶ直線C2から補正係数を求めることもできる。この場合、上記の最小二乗法に比べて計算を簡略化することができるため、補正演算部6の回路規模を小さくすることができる。
直線近似に最小二乗法を用いる場合、補正演算における不具合の有無を検証し、不具合がある場合はエラー判定により距離出力を調整することができる。図10は、保護カバー20が測距装置50から離れた距離に配置された場合の測定対象物10の反射光F1およびカバー反射光F2を合わせた強度分布S0を示す図である。図10の強度分布S0は、B部8bの右端が持ち上がった形状を有している。これは、保護カバー20が測距装置50から離れた位置に配置されることによる。保護カバー20が離れるにつれて、カバー反射光F2の入射角が小さくなる。それに伴って、図1で示した保護カバー20の反射による受光スポット(強度分布S0の範囲)が、相対的に左側にシフトし、B部8bの右端が持ち上がる。また、保護カバー20の厚さが大きい場合も同様にカバー反射光F2の入射角が小さくなるので、同様にB部8bの右端が持ち上がる。このような場合、図10の実線(太)で示すように、最小二乗法で検出される直線C2は実際の強度分布を反映しておらず、破線で示した本来の直線近似されるべき直線C21から、ズレを生じてしまう。このような補正状態から検出される測距値は大きな誤差を含む可能性がある。このため、最小二乗法の演算で求められる相関係数Rが予め定められた閾値以下の時は、補正不具合状態として測距値の出力をエラー信号(例えば距離出力値の最大値)に固定することにより、測距精度の低下を防止することができる。
図11および図12は、実施例3の補正係数の演算方法を説明する図である。図11は、B部8bの強度分布SBが一様でない場合を示す図である。図12は、測定対象物10が至近距離にある時の強度分布を示す図である。図11の強度分布S0は、例えば、測定対象物10上に反射率の異なる領域が存在する場合などにおいて得られる可能性がある。図12に示すように、測定対象物10が測距装置50の至近距離にある場合はその反射光F1の入射角が大きくなるため、その光スポットSの右側の裾はB部8bに侵入するようになる。図11および図12の両方とも、A部8aのみの強度分布SAの直線近似の傾きk(A)は、B部8bのみの強度分布SAの直線近似の傾きk(B)と異なっている。このような場合はA部8aとB部8bの両者を用いて補正係数を演算すると、距離測定値の誤差が大きくなる。A部8aとB部8bのそれぞれにおいて直線近似を行うことにより、A部8aとB部8bの傾きk(A)、k(B)が得られる。測距精度の低下を防止するために、次のような補正が行われる。A部8aとB部8bの傾きk(A)、k(B)の差が予め定められた閾値以上の時には、A部8aのみの直線CAの傾きで補正が実行される。A部8aとB部8bの相関係数R(A)、R(B)を計算して一端(例えばA部8a)の相関係数が予め定められた閾値以上であった場合は、もう一端(例えばB部8b)の直線近似の傾きを用いて補正が実行される。当然、傾きと相関係数の両者を用いて、演算が行われてもよい。
図13は、上記実施例1から実施例3に記載の各補正方法における受光素子4のサイズを説明する図である。図13は、光学式測距装置50の測距範囲の最小値と最大値における測定対象物10の反射光F1の強度分布S10S、S10Lを示している。白抜き領域の強度分布S10Lが測距範囲の最大値の測定対象物10からの反射光である。ハッチング領域の強度分布S10Sが測距範囲の最小値の測定対象物10からの反射光である。受光素子4の受光領域4aの幅は図13のように、測距範囲の最大値の測定対象物10が形成する強度分布S10Lより左端にA部8aとなる領域が十分あり、測距範囲の最小値の測定対象物10が形成する強度分布S10Sより右端にB部8bとなる領域が十分あることが、好ましい。これらの領域を十分確保することにより、精度よく距離演算の補正を行うことができる。
図14は、測距装置50が搭載されたパソコン200を示す図である。パソコン(電子機器)200は、カバー反射光F2をリアルタイムに補正する補正機能を搭載し、個々のばらつきを含めて補正することができる。このため、パソコン200は、パソコン200の前に人300がいるかいないかを正確に検知して、人300がいなくなるとパソコン200をスリープモードにすることができる。これによって、省エネルギー化を効率よく行うことが可能となる。また、光学式測距装置50が自走式掃除機に搭載されれば、障害物や段差を検知できる。光学式測距装置50がキッチン家電に搭載されれば、非接触で動作をON/OFFさせる非接触スイッチとして利用できる。また、光学式測距装置50は、手までの距離を検知してアミューズメント機器など様々なボリュームコントロールを行うなど、電子機器の操作に好適である。
本発明の光学式測距装置50は、発光素子1と、該発光素子1から発光される光束を集束して、測定対象物10にスポット光を照射する発光光学系(発光レンズ2)と、上記測定対象物10からの反射光を集光する受光光学系(受光レンズ3)と、上記受光光学系により集光された上記測定対象物10からのスポット光を検出する受光素子4と、上記受光素子4からの受光信号を処理する信号処理部5とを備え、上記受光素子4は、上記測定対象物10からの反射光の強度分布S0を検出するラインセンサまたはエリアセンサであり、上記信号処理部は、上記受光光学系により集光された上記スポット光の上記受光素子4上のスポット位置を演算し、該スポット位置から上記測定対象物10までの距離Yを検出する距離演算部7と、上記発光光学系および上記受光光学系と、上記測定対象物10との間に配置された透光性の保護カバー20により反射された光が上記受光光学系を介して上記受光素子4で検出されるカバー反射光F2の強度分布を検出して上記距離Yの演算を補正する補正演算部6とを有し、上記補正演算部6は、上記受光素子4の両端の少なくとも一方の一部領域の強度分布SA(SB)から上記カバー反射光F2の強度分布S20に対応する補正係数を演算して、上記スポット光の強度分布S0を補正し、上記補正演算部6の出力に基づいて上記距離演算部7は上記測定対象物10までの上記距離Yを演算することを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50は、測定対象物10と保護カバー20の両者から反射し受光素子4で検出されるスポット光の強度分布S0を検出し、受光素子4の少なくとも一方の端部の強度分布SA(SB)から補正係数を演算して上記保護カバー20の反射による強度分布S20を補正する。このため、上記測距装置50は、カバー反射光F2の補正に必要な情報を測定対象物10までの距離測定を行いながら行うことができ、無限遠等の特別な測定環境で上記情報をメモリに記憶させる必要がない。このため、上記測距装置50は、簡便に測定対象物10までの距離測定を行うことができる。また、上記測距装置50は、補正するカバー反射光F2の情報を記憶するメモリも必要としないため、信号処理回路(信号処理部5)を小規模にできる上、予めその情報を記憶させる工程も必要としない。このため、安価な光学式測距装置50を提供することができる。
また、一実施形態の測距装置50では、上記補正演算部6は、上記受光素子4の両端の上記一部領域の強度分布から上記カバー反射光の強度分布を直線近似して上記補正係数を演算することを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50は、受光素子4の両端の一部領域8a、8bの強度分布SA、SBからカバー反射光F2の強度分布S20を直線近似して補正係数を演算する。このため、測定対象物10の反射光F1とカバー反射光F2を分離することなく、カバー反射光F2の強度分布S20を正確に近似することができる。このため、上記測距装置50は、簡便にカバー反射光F2を補正することが可能となる。
また、一実施形態の測距装置50では、上記補正演算部6は、上記受光素子4の両端の上記一部領域8a、8bの強度分布SA、SBを用いて最小二乗法により直線近似を行うことを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50は、受光素子4の両端の一部領域8a、8Bの強度分布SA、SBを用いて最小二乗法により直線近似を行うので、カバー反射光F2の強度分布S20を最も正確に近似することができる。
また、一実施形態の測距装置50では、上記最小二乗法による直線近似において相関係数が予め定められた閾値以下の時は、測定エラーが判定されることを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50では、上記最小二乗法による直線近似において相関係数が閾値以下の時は測定エラー判定とする機能を備えている。このため、上記測距装置50は、外乱光の影響や保護カバー20の汚れ、キズ等により受光素子4の端部に想定しない光が入射して誤った補正係数を算出することによる測距精度の低下を、防止することができる。また、保護カバー20と測距装置50の位置関係(例えば角度など)が振動や衝撃などにより変化して保護カバー20からの反射の状態が変化することにより、受光素子4の端部に想定しない光が入射するようになる場合も考えられる。上記測距装置50は、このようなケースの測距精度の低下も防止することが可能となる。
また、一実施形態の測距装置50では、上記補正演算部6は、上記受光素子4の両端の上記一部領域8a、8bの強度分布SA、SBを用いて、一端の強度分布SA(SB)の平均値ともう一端の強度分布SB(SA)の平均値から直線近似を行うことを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50は、受光素子4の一端の強度分布SA(SB)の平均値ともう一端の強度分布SB(SA)の平均値から直線近似を行うことにより補正係数を算出することも可能である。このため、上記測距装置50は、最小二乗法に比べて計算が簡便であるため信号処理回路(信号処理部5)の規模を小さくすることが可能である。
また、一実施形態の測距装置50では、上記受光素子4の受光エリア8は上記測定対象物10の反射光F1の強度分布S10より大きいことを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50では、上記受光素子4の受光エリア8は測定対象物10の光スポット光サイズ(強度分布S10の範囲)よりも大きく、受光エリア8の両端が測定対象物10の光スポット光サイズの外側に位置している。このため、上記測距装置50は、カバー反射光F2の強度分布S20を精度よく近似することができる。
また、一実施形態の測距装置50では、上記補正演算部6は、上記受光素子4の両端の上記一部領域8a、8bの強度分布SA、SBについてそれぞれ最小二乗法による直線近似を行い、上記両端の傾きk(A)、k(B)の差が予め定められた閾値より大きい場合、上記受光素子4のいずれか一端の強度分布SA(SB)で補正係数を演算し、いずれか一端の相関係数R(A)(R(B))が予め定められた閾値より大きい場合は、もう一端の強度分布SB(SA)で補正係数を演算する、ことを特徴とする。
上記構成の光学式測距装置50では、測定対象物10が至近距離にある場合は測定対象物10の反射光F1の強度分布S0は受光素子4の一端側に偏って分布する。測定対象物10の反射光F1のスポット光のテイル(裾)部の影響のため、強度分布S0は、曲線になる傾向にある。受光素子4の一端側の強度分布SB(SA)の最小二乗法による直線近似の相関係数が予め定められた閾値より差が大きい場合は、もう一方側の端部の強度分布SA(SB)のみで補正係数を算出する。カバー反射光F2による強度分布S20のみで補正を行うことができるため、上記測距装置50は、測距精度の低下を防止することができる。
また、一実施形態の電子機器(パソコン200)は、上記光学式測距装置50が搭載されたことを特徴とする。
これらの保護カバーによる反射光の補正機能を有する光学式測距装置が、パソコンやサニタリ機器等に搭載されると、これらの電子機器は、人までの距離を検出して機器を制御できる。測距装置が自走式掃除機に搭載されると、電子機器は、障害物を検知したり段差を検知できる。また、測距装置は、非接触スイッチ、非接触コントローラとして、電子機器を制御するセンサとして使用されるのに好適である。
1 発光素子
2 発光光学系(発光レンズ)
3 受光光学系(受光レンズ)
4 受光素子
5 信号処理部
6 補正演算部
7 距離演算部
8 受光エリア
8a A部(一方の一部領域)
8b B部(他方の一部領域)
10 測定対象物
50 光学式測距装置
200 パソコン(電子機器)
F1 測定対象物からの反射光
F2 保護カバーからの反射光
S0 測定対象物の強度分布
S10 測定対象物の強度分布
S20 保護カバーの強度分布
SA A部の強度分布
SB B部の強度分布

Claims (5)

  1. 発光素子と、
    該発光素子から発光される光束を集束して、測定対象物にスポット光を照射する発光光学系と、
    上記測定対象物からの反射光を集光する受光光学系と、
    上記受光光学系により集光された上記測定対象物からのスポット光を検出する受光素子と、
    上記受光素子からの受光信号を処理する信号処理部とを備え、
    上記受光素子は、上記測定対象物からの反射光の強度分布を検出するラインセンサまたはエリアセンサであり、
    上記信号処理部は、
    上記受光光学系により集光されたスポット光の上記受光素子上のスポット位置を演算し、該スポット位置から上記測定対象物までの距離を検出する距離演算部と、
    上記発光光学系および上記受光光学系と、上記測定対象物との間に配置された透光性の保護カバーにより反射された光が上記受光光学系を介して上記受光素子で検出されるカバー反射光の強度分布を検出して上記距離の演算を補正する補正演算部とを有し、
    上記補正演算部は、上記受光素子の両端の少なくとも一方の一部領域の強度分布から上記カバー反射光の強度分布に対応する補正係数を演算して、上記スポット光の強度分布を補正し、
    上記補正演算部の出力に基づいて上記距離演算部は上記測定対象物までの上記距離を演算することを特徴とする光学式測距装置。
  2. 上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布から上記カバー反射光の強度分布を直線近似して上記補正係数を演算することを特徴とする請求項1に記載の光学式測距装置。
  3. 上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布を用いて最小二乗法により直線近似を行うことを特徴とする請求項2に記載の光学式測距装置。
  4. 上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布を用いて、一端の強度分布の平均値ともう一端の強度分布の平均値から直線近似を行うことを特徴とする請求項2に記載の光学式測距装置。
  5. 上記補正演算部は、上記受光素子の両端の上記一部領域の強度分布についてそれぞれ最小二乗法による直線近似を行い、
    上記両端の傾きの差が予め定められた閾値より大きい場合、上記受光素子のいずれか一端の強度分布で補正係数を演算し、
    いずれか一端の相関係数が予め定められた閾値より大きい場合は、もう一端の強度分布で補正係数を演算する、ことを特徴とする請求項3に記載の光学式測距装置。
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