JP6101248B2 - 新規化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

新規化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子 Download PDF

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Description

本発明は、新規化合物、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料および有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ということもある。)に電圧を印加すると、陽極から正孔が、また陰極から電子が、それぞれ発光層に注入される。そして、発光層において、注入された正孔と電子とが再結合し、励起子が形成される。このとき、電子スピンの統計則により、一重項励起子及び三重項励起子が25%:75%の割合で生成する。発光原理に従って分類した場合、蛍光型では、一重項励起子による発光を用いるため、有機EL素子の内部量子効率は25%が限界といわれている。一方、燐光型では、三重項励起子による発光を用いるため、一重項励起子から項間交差が効率的に行われた場合には内部量子効率が100%まで高められることが知られている。
従来、有機EL素子においては、蛍光型、及び燐光型の発光メカニズムに応じ、最適な素子設計がなされてきた。特に燐光型の有機EL素子については、その発光特性から、蛍光素子技術の単純な転用では高性能な素子が得られないことが知られている。その理由は、一般的に以下のように考えられている。
まず、燐光発光は、三重項励起子を利用した発光であるため、発光層に用いる化合物のエネルギーギャップが大きくなくてはならない。何故なら、ある化合物の一重項エネルギー(最低励起一重項状態と基底状態とのエネルギー差をいう。)の値は、通常、その化合物の三重項エネルギー(最低励起三重項状態と基底状態とのエネルギー差をいう。)の値よりも大きいからである。
従って、燐光発光性ドーパント材料の三重項エネルギーを効率的に素子内に閉じ込めるためには、まず、燐光発光性ドーパント材料の三重項エネルギーよりも大きな三重項エネルギーを有するホスト材料を発光層に用いなければならない。さらに、発光層に隣接する電子輸送層及び正孔輸送層を設ける際に、電子輸送層及び正孔輸送層にも燐光発光性ドーパント材料よりも大きな三重項エネルギーを有する化合物を用いなければならない。このように、従来の有機EL素子の素子設計思想に基づく場合、燐光型の有機EL素子には、蛍光型の有機EL素子に用いる化合物と比べて、より大きなエネルギーギャップを有する化合物を用いることにつながる。その結果、燐光型の有機EL素子全体の駆動電圧が上昇する。
また、蛍光型の有機EL素子で有用であった酸化耐性や還元耐性の高い炭化水素系の化合物は、π電子雲の拡がりが大きいため、エネルギーギャップが小さい。そのため、燐光型の有機EL素子では、このような炭化水素系の化合物が選択され難く、酸素や窒素などのヘテロ原子を含んだ有機化合物が選択される。しかし、ヘテロ原子を含んだ有機化合物を発光層に用いた燐光型の有機EL素子は、蛍光型の有機EL素子と比較して、寿命が短いという問題を有する。
さらに、燐光発光性ドーパント材料の三重項励起子の励起子緩和速度が一重項励起子と比較して非常に長いことも素子性能に大きな影響を与える。
即ち、一重項励起子からの発光は、発光に繋がる緩和速度が速いため、発光層の周辺層(例えば、正孔輸送層や電子輸送層)への励起子の拡散が起きにくく、効率的な発光が期待される。
一方、三重項励起子からの発光は、スピン禁制遷移に基づく発光であり、緩和速度が遅い。そのため、励起子が発光層の周辺層へ拡散し易く、特定の燐光発光性化合物以外からは熱的なエネルギー失活が起きてしまう。つまり、燐光型の有機EL素子においては、蛍光型の有機EL素子と比較して、電子及び正孔の再結合領域のコントロールがより重要となる。
以上のような理由より、燐光型の有機EL素子をより高性能化するためには、蛍光型の有機EL素子と異なる材料選択及び素子設計が必要となる。
燐光型の有機EL素子に用いられる化合物として、従来、カルバゾール誘導体が知られている。カルバゾール誘導体は、高い三重項エネルギーを示し、且つ正孔輸送性材料の主要骨格として知られるカルバゾール骨格を有する。カルバゾール誘導体は、有用な燐光ホスト材料として用いられていた。
特許文献1及び2には、2つのカルバゾール環が連結基を介して結合した化合物を、有機EL素子用材料として用いることが開示されている。
しかし、依然として有機EL素子の発光効率を向上させることが求められており、発光効率を向上させることのできる化合物、および当該化合物を含む有機EL素子用材料の開発が望まれている。
特開2004−217557号公報 特開2004−273128号公報
本発明の目的は、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧を低電圧化でき、発光効率を向上させることができる新規化合物、および当該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供することである。さらに、本発明の目的は、当該化合物または当該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用い、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧の低電圧化と発光効率の向上を図ることである。
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、2つのカルバゾールまたはアザカルバゾール(以下、これらをカルバゾール誘導体と称する。)が連結されたビスカルバゾール誘導体において、2つのカルバゾール誘導体を特定の連結基で連結し、さらに、連結された2つのカルバゾール誘導体のうち少なくともいずれかのカルバゾール誘導体に置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素を直接または別の連結基を介して結合させることで、当該ビスカルバゾール誘導体を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧の低電圧化と発光効率の向上を図れることを見出した。
本発明者らは、このような知見に基づいて、本発明を完成させた。
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表されることを特徴とする。
Figure 0006101248

(前記一般式(1)において、
およびAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基を表す。
前記一般式(1)において、Y〜Y16は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表す。ただし、Y〜Y12のうち、Lと結合しているものは炭素原子である。前記CRにおいて、Rは、互いに独立して、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルコキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
ハロゲン原子、
シアノ基、
ヒドロキシル基、
ニトロ基、又は
カルボキシ基を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは、それぞれ同一または異なる。Y〜Y16のうち、隣接する2つがCRである場合、隣接するCRにおけるRの一部同士が結合して環構造を形成していてもよい。
前記一般式(1)において、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合もしくは連結基を表す。
ただし、A1,AおよびRの少なくとも1つは、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。
前記一般式(1)において、Lは、下記一般式(2)で表される連結基を表す。)
Figure 0006101248

(前記一般式(2)において、Y17〜Y 20 は、それぞれ独立に、CH、または窒素原子を表す。
前記一般式(2)nは、1〜5の整数を表す。)
本発明の化合物において、
前記一般式(2)におけるY17〜Y 20 が、CHである
ことが好ましい。
本発明の化合物において、
前記一般式(1)におけるA,AおよびRの少なくともいずれかおける、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基は、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群より選択される
ことが好ましい。
本発明の化合物において、
前記一般式(1)は、下記一般式(5)〜(7)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

(前記一般式(5)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y10、Y12〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY11は炭素原子を表す。
前記一般式(6)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。
前記一般式(7)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。)
本発明の化合物において、
前記一般式(1)におけるY〜Y12のうち、Lと結合しているものが炭素原子であり、それ以外のY〜Y12がCHであることが好ましい。
本発明の化合物において、
前記一般式(1)および前記一般式(5)〜(7)におけるAおよびAのいずれか一方は、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群から選択され、
およびAのいずれか他方は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、
とAは、互いに同一または異なることが好ましい。
本発明の化合物において、
前記一般式(2)におけるnが、1〜3の整数を表すことが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料は、上記本発明の化合物のいずれかを含む。
一方、本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子は、
陰極と、
陽極と、
前記陰極と前記陽極との間に配置された、発光層を含む1層以上の有機薄膜層と、
を有し、
前記有機薄膜層の少なくとも1層が、前記化合物を含有することを特徴とする。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光層が、前記化合物を含有することが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光層が、燐光発光性材料を含有することが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記燐光発光性材料が、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、および白金(Pt)から選択される金属原子のオルトメタル化錯体であることが好ましい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記発光層が、下記一般式(21)で表される化合物を含有することが好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(21)において、Zは、aにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは下記一般式(21−1)で表される。
Mは、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の含窒素芳香族複素環基であり、
11は、
単結合又は連結基であり、連結基としては、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
又は、
これらが互いに結合した基を表す。
qは、1または2である。]
Figure 0006101248

[上記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表し、上記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つはそれぞれ、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。
11およびR31は、それぞれ独立して、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基
である。
ただし、複数のR11は互いに同一または異なり、
複数のR31は、互いに同一または異なる。
また、隣り合うR11は互いに結合して環を形成していてもよい。
は、硫黄原子、酸素原子、N−R32、またはC(R32であり、
32は、上記R11およびR31と同義である。]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(22)で表されることが好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(22)において、Zは、aにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは前記一般式(21−1)で表される。
11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
およびR10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
qおよびrはそれぞれ独立して、1または2を表す。
前記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。前記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つは、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(23)で表されることが好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(23)において、L11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
,R10およびR11は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
qおよびrはそれぞれ独立して、1または2を表す。]
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(24)で表されることが好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(24)において、L11、Rは、それぞれ前記一般式(21)におけるL11、Rと同義であり、R11は、前記一般式(21−1)と同義である。
また、L13およびL14は前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
rは、1または2を表す。
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基である。
hおよびkは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、iおよびjは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。]
本発明によれば、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧を低電圧化でき、発光効率を向上させることができる新規化合物、および当該化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を提供することができる。さらに、本発明によれば、当該化合物または当該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を用い、有機エレクトロルミネッセンス素子の駆動電圧の低電圧化と発光効率の向上を図ることができる。
化合物Aの化学式を示す図である。 図1Aに示す化合物Aの分子軌道図を示す図である。 化合物Bの化学式を示す図である。 図2Aに示す化合物Bの分子軌道図を示す図である。 本発明の実施形態に係る有機EL素子の一例の概略構成を示す図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
[化合物]
本発明の化合物は、下記一般式(1)で表される。
Figure 0006101248

前記一般式(1)において、AおよびAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基を表す。
前記一般式(1)において、Y〜Y16は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表す。ただし、Y〜Y12のうち、Lと結合しているものは炭素原子である。
前記CRは、炭素原子(C)に、Rが結合したものである。
前記CRにおいて、Rは、互いに独立して、水素原子、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルコキシ基、置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、又はカルボキシ基を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは、それぞれ同一または異なる。Y〜Y16のうち、隣接する2つがCRである場合、隣接するCRにおけるRの一部同士が結合して環構造を形成していてもよい。
ただし、A1,AおよびRの少なくとも1つは、六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。
本発明の化合物において、前記一般式(1)のA,AおよびRの少なくともいずれかにおける、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基は、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群より選択されることが好ましい。
さらに、前記一般式(1)におけるAおよびAの少なくともいずれか1つが、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基であることが好ましい。
さらに、前記一般式(1)におけるAおよびAの一方が、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群(以下、置換基群Aとも言う)から選択され、他方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であることがより好ましい。すなわち、
(a)前記一般式(1)におけるAが上記置換基群Aから選択される基であり、且つ前記一般式(1)におけるAが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基である、
または、
(b)前記一般式(1)におけるAが上記置換基群Aから選択される基であり、且つ前記一般式(1)におけるAが置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基である、
ことが好ましい。このとき、AとAは互いに同一または異なっていてもよい。
上記置換基群Aは、さらに、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群であることが好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物は、A1,AおよびRの少なくとも1つ、より好ましくはAおよびAの少なくともいずれか1つを置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基とすることで、前記一般式(1)で表される化合物の電荷輸送特性を良好にし、燐光ホスト材料として適度な三重項エネルギーを有する。六員環数が2以下の縮合多環芳香族炭化水素基の場合、電荷輸送特性が低下してしまう。六員環数が7以上の縮合多環芳香族炭化水素基の場合、三重項エネルギーが小さくなりすぎ、燐光発光性ドーパント材料にエネルギーを伝えることができない。
前記一般式(1)において、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合もしくは連結基を表す。
前記一般式(1)のLおよびLにおける連結基としては、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素化合物から誘導される二価の基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環式化合物から誘導される二価の基であることが好ましい。
およびLの少なくとも一方が、単結合である場合、正孔輸送性が向上する。
およびLの少なくとも一方が、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素化合物から誘導される二価の基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環式化合物から誘導される二価の基である場合、電子輸送性が向上する傾向がある。
それゆえ、前記一般式(1)で表される化合物のキャリア輸送性のバランス調整を目的として、LおよびLを適宜選択することが望ましい。このように、LおよびLを適宜選択することは、前記一般式(1)で表される本発明の化合物を有機EL素子における発光層のホスト材料に用いる場合にも有効である。
なお、LおよびLにおいて、置換基を有する場合、この置換基としては、前記CRにおけるRで挙げた基から水素原子を除いた基が挙げられる。
前記一般式(1)において、Lは、下記一般式(2)〜(4)のいずれかで表される連結基、または下記一般式(2)〜(4)で表される連結基が組み合わされた複合連結基を表す。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

前記一般式(2)〜(4)において、Y17〜Y34は、それぞれ独立に、CH、または窒素原子を表す。このCHは、炭素原子(C)に、水素原子(H)が結合したものを表す。
前記一般式(2)〜(4)において、n、mおよびpは、それぞれ独立に、1〜5の整数を表す。ただし、Lが上記一般式(2)〜(4)で表される連結基が組み合わされた複合連結基である場合、n+m+pは、1〜5の整数(好ましくは2〜5、より好ましくは2〜4、さらに好ましくは2または3)である。複合連結基としては、上記一般式(2)〜(4)で表される連結基を任意に組み合わせて構成することができる。好ましい複合連結基としては、例えば、次の組合せの構造が挙げられる。
Figure 0006101248

前記一般式(2)〜(4)において、Y17〜Y34が、CHであることが好ましく、それぞれ、下記一般式(2A)〜(4A)で表される。
Figure 0006101248

また、複合連結基においてもY17〜Y34が、CHであることが好ましく、例えば、次のような構造が挙げられる。
Figure 0006101248

前記一般式(2)におけるn、前記一般式(3)におけるm、前記一般式(4)におけるpが、それぞれ独立に、1〜3の整数を表すことが好ましい。
前記一般式(1)におけるLが、上記一般式(2)で表される連結基であることが好ましく、上記一般式(2A)で表される連結基であることがさらに好ましい。そして、上記一般式(2A)においてnが1または2であることがより好ましく、nが1であることが特に好ましい。
前記一般式(1)において、Y〜Yのいずれか1つはLと結合しており、Y〜Y12のいずれか1つはLと結合している。その結合位置は、具体的には、Y−L−Y11、Y−L−Y10、Y−L−Y12、Y−L−Y、Y−L−Y11、Y−L−Y11、Y−L−Y11、Y−L−Y10、Y−L−Y12、Y−L−Y、Y−L−Y10、Y−L−Y10、Y−L−Y12、Y−L−Y、Y−L−Y、Y−L−Y12が挙げられる。
前記一般式(1)で表される化合物は、下記一般式(5)〜(7)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

前記一般式(5)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y10、Y12〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY11は炭素原子を表す。
前記一般式(6)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。
前記一般式(7)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。
前記一般式(1)において、Y〜Y12のうち、Lと結合しているものが炭素原子であり、それ以外のY〜Y12がCHであることが好ましい。この場合、例えば、前記一般式(5)〜(7)は、次の一般式(5A)〜(7A)で表される。
Figure 0006101248

前記一般式(1),(5)〜(7)における環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、ベンズアントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、ナフタセニル基、ピレニル基、1−クリセニル基、2−クリセニル基、3−クリセニル基、4−クリセニル基、5−クリセニル基、6−クリセニル基、ベンゾ[c]フェナントリル基、ベンゾ[g]クリセニル基、1−トリフェニレニル基、2−トリフェニレニル基、3−トリフェニレニル基、4−トリフェニレニル基、1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基、4−フルオレニル基、9−フルオレニル基、2-スピロビフルオレニル基、3−スピロビフルオレニル基、ベンゾフルオレニル基、ジベンゾフルオレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、o−ターフェニル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−クウォーターフェニル基、3−フルオランテニル基、4−フルオランテニル基、8−フルオランテニル基、9−フルオランテニル基、ベンゾフルオランテニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、3,4−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、o−クメニル基、m−クメニル基、p−クメニル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における芳香族炭化水素基としては、環形成炭素数が6〜20であることが好ましく、6〜12であることがより好ましい。上記芳香族炭化水素基の中でもフェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、フェナントリル基、ターフェニル基、フルオレニル基、トリフェニレニル基が特に好ましい。1−フルオレニル基、2−フルオレニル基、3−フルオレニル基および4−フルオレニル基については、9位の炭素原子に、前記一般式(1),(5)〜(7)における置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルキル基、または環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基が置換されていることが好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基としては、例えば、ピロリル基、ピラジニル基、ピリジニル基、インドリル基、イソインドリル基、イミダゾリル基、フリル基、ベンゾフラニル基、イソベンゾフラニル基、ジベンゾフラニル基、ジベンゾチオフェニル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、カルバゾリル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェノチアジニル基、フェノキサジニル基、オキサゾリル基、オキサジアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、ベンゾチオフェニル基、およびピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、ピロリジン環、ジオキサン環、ピペリジン環、モルフォリン環、ピペラジン環、カルバゾール環、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、オキサジアゾール環、ベンゾオキサゾール環、チアゾール環、チアジアゾール環、ベンゾチアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、ピラン環、ジベンゾフラン環から形成される基が挙げられる。
さらに具体的には、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、2−ピリミジニル基、4−ピリミジニル基、5−ピリミジニル基、6−ピリミジニル基、1,2,3−トリアジン−4−イル基、1,2,4−トリアジン−3−イル基、1,3,5−トリアジン−2−イル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、1−ピラゾリル基、1−インドリジニル基、2−インドリジニル基、3−インドリジニル基、5−インドリジニル基、6−インドリジニル基、7−インドリジニル基、8−インドリジニル基、2−イミダゾピリジニル基、3−イミダゾピリジニル基、5−イミダゾピリジニル基、6−イミダゾピリジニル基、7−イミダゾピリジニル基、8−イミダゾピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、アザカルバゾリル−1−イル基、アザカルバゾリル−2−イル基、アザカルバゾリル−3−イル基、アザカルバゾリル−4−イル基、アザカルバゾリル−5−イル基、アザカルバゾリル−6−イル基、アザカルバゾリル−7−イル基、アザカルバゾリル−8−イル基、アザカルバゾリル−9−イル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル−1−インドリル基、4−t−ブチル−1−インドリル基、2−t−ブチル−3−インドリル基、4−t−ブチル−3−インドリル基、1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、1−シラフルオレニル基、2−シラフルオレニル基、3−シラフルオレニル基、4−シラフルオレニル基、1−ゲルマフルオレニル基、2−ゲルマフルオレニル基、3−ゲルマフルオレニル基、4−ゲルマフルオレニル基が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における芳香族複素環基の環形成炭素数は、1〜20であることが好ましく、1〜14であることがさらに好ましい。上記複素環基の中でも1−ジベンゾフラニル基、2−ジベンゾフラニル基、3−ジベンゾフラニル基、4−ジベンゾフラニル基、1−ジベンゾチオフェニル基、2−ジベンゾチオフェニル基、3−ジベンゾチオフェニル基、4−ジベンゾチオフェニル基、2−ピリジニル基、2−イミダゾピリジニル基、3−イミダゾピリジニル基、5−イミダゾピリジニル基、6−イミダゾピリジニル基、7−イミダゾピリジニル基、8−イミダゾピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−イミダゾリル基、2−イミダゾリル基、2−キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、フェナントロリニル基、トリアジン環、またはベンゾイミダゾール環から形成される基が好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数1〜30のアルキル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよい。直鎖または分岐鎖のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−ヘプタデシル基、n−オクタデシル基、ネオペンチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、1−ペンチルヘキシル基、1−ブチルペンチル基、1−ヘプチルオクチル基、3−メチルペンチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、1,2−ジニトロエチル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基が挙げられる。
環状のアルキル基(シクロアルキル基)としては、例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基等が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における直鎖または分岐鎖のアルキル基の炭素数は、1〜10であることが好ましく、1〜6であることがさらに好ましい。上記直鎖または分岐鎖のアルキル基の中でもメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基が好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)におけるシクロアルキル基の環形成炭素数は、3〜10であることが好ましく、5〜8であることがさらに好ましい。上記シクロアルキル基の中でも、シクロペンチル基やシクロヘキシル基が好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数1〜30のハロアルキル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基が1以上のハロゲン原子で置換されたものが挙げられる。具体的には、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、フルオロエチル基、トリフルオロメチルメチル基等が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数2〜30のアルケニル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、オレイル、エイコサペンタエニル、ドコサヘキサエニル、スチリル、2,2−ジフェニルビニル、1,2,2−トリフェニルビニル、2−フェニル−2−プロペニル等が挙げられる。上述したアルケニル基の中でもビニル基が好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数2〜30のアルキニル基としては、直鎖、分岐鎖又は環状のいずれであってもよく、例えば、エチニル、プロピニル、2−フェニルエチニル等が挙げられる。上述したアルキニル基の中でもエチニル基が好ましい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数3〜30のアルキルシリル基としては、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を有するトリアルキルシリル基が挙げられ、具体的にはトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリ−n−ブチルシリル基、トリ−n−オクチルシリル基、トリイソブチルシリル基、ジメチルエチルシリル基、ジメチルイソプロピルシリル基、ジメチル−n−プロピルシリル基、ジメチル−n−ブチルシリル基、ジメチル−t−ブチルシリル基、ジエチルイソプロピルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基等が挙げられる。トリアルキルシリル基における3つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を2つ有し、上記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を1つ有するジアルキルアリールシリル基が挙げられる。ジアルキルアリールシリル基の炭素数は、8〜30であることが好ましい。ジアルキルアリールシリル基における2つのアルキル基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルキル基で例示したアルキル基を1つ有し、上記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を2つ有するアルキルジアリールシリル基が挙げられる。アルキルジアリールシリル基の炭素数は、13〜30であることが好ましい。アルキルジアリールシリル基において、2つのアリール基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数18〜60のトリアリールシリル基としては、例えば、上記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基を3つ有するトリアリールシリル基が挙げられる。トリアリールシリル基の炭素数は、18〜30であることが好ましい。トリアリールシリル基において、3つの芳香族炭化水素基は、それぞれ同一でも異なっていてもよい。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数1〜30のアルコキシ基は、−OYと表される。このYの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基が挙げられる。アルコキシ基は、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基があげられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数1〜30のハロアルコキシ基としては、例えば、上記炭素数1〜30のアルコキシ基が1以上のハロゲン基で置換されたものが挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における炭素数7〜30のアラルキル基は、−Y−Zと表される。このYの例として、上記炭素数1〜30のアルキル基に対応するアルキレン基が挙げられる。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基の例が挙げられる。このアラルキル基において、芳香族炭化水素基部分は炭素数が6〜30、好ましくは6〜20、より好ましくは6〜12である。また、このアラルキル基において、アルキル基部分は炭素数が1〜30、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜10、さらに好ましくは1〜6である。このアラルキル基としては、例えば、ベンジル基、2−フェニルプロパン−2−イル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)における環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基は、−OZと表される。このZの例として、上記環形成炭素数6〜30芳香族炭化水素基または後述する単環基および縮合環基が挙げられる。このアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基が挙げられる。
前記一般式(1),(5)〜(7)におけるハロゲン原子として、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられ、好ましくはフッ素原子である。
本発明において、「環形成炭素」とは飽和環、不飽和環、又は芳香環を構成する炭素原子を意味する。「環形成原子」とはヘテロ環(飽和環、不飽和環、および芳香環を含む)を構成する炭素原子およびヘテロ原子を意味する。
本発明において、「水素原子」とは、中性子数が異なる同位体、すなわち、軽水素(protium)、重水素(deuterium)、三重水素(tritium)、を包含する。
また、「置換もしくは無置換の」という場合における置換基としては、上述のような芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルキル基(直鎖または分岐鎖のアルキル基、シクロアルキル基、ハロアルキル基)、アルコキシ基、アリールオキシ基、アラルキル基、ハロアルコキシ基、アルキルシリル基、ジアルキルアリールシリル基、アルキルジアリールシリル基、トリアリールシリル基、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、およびカルボキシ基が挙げられる。その他、アルケニル基やアルキニル基も挙げられる。
ここで挙げた置換基の中では、芳香族炭化水素基、芳香族複素環基、アルキル基、ハロゲン原子、アルキルシリル基、アリールシリル基、シアノ基が好ましく、さらには、各置換基の説明において好ましいとした具体的な置換基が好ましい。
「置換もしくは無置換の」という場合における「無置換」とは前記置換基で置換されておらず、水素原子が結合していることを意味する。
以下に説明する化合物またはその部分構造において、「置換もしくは無置換の」という場合についても、上記と同様である。
前記一般式(1),(5)〜(7)で表される化合物(以下、ビスカルバゾール誘導体とも言う)は、2つのカルバゾールまたはアザカルバゾールであるカルバゾール誘導体(以下、Czと略記する場合がある。)が、Lで表される連結基または複合連結基により結合している。このビスカルバゾール誘導体において、Lは置換基を有さず、かつ2つのCzがLの特定の位置で結合している。そのため、ビスカルバゾール誘導体においては、LとCzとの間の立体障害が小さく、LとCzとの平面性が保たれ、Cz−L−Cz部位においてπ共役系を拡げることができる。π共役系が拡がることにより、Cz−L−Cz部位にHOMO(highest occupied molecular orbital,最高被占分子軌道)が拡がる。そのため、有機EL素子の有機薄膜層中でビスカルバゾール誘導体が成膜されて積み重なると、ビスカルバゾール誘導体の分子間のπ電子の重なりが大きくなり、当該有機薄膜層の正孔輸送性が向上する。
前記一般式(1),(5)〜(7)において、Lが、例えばフェニレン基である場合には、一方のCzが結合する部位に対して、他方のCzがフェニレン基のp位(パラ位)で結合している。そのため、m位(メタ位)やo位(オルト位)で結合する場合と比較して、p位で結合する方がπ電子の共役が切れにくく、π共役系を拡げることができる。この点について、図1、及び図2を参照して説明する。図1Aには、化合物Aが記載されている。この化合物Aにおいては、一方のCzが結合する部位に対して、他方のCzがフェニレン基のp位(パラ位)で結合している。そして、図1Bには、この化合物Aの分子軌道図が示されている。図2Aには、化合物Bが記載されている。この化合物Aにおいては、一方のCzが結合する部位に対して、他方のCzがフェニレン基のm位(メタ位)で結合している。そして、図2Bには、この化合物Bの分子軌道図が示されている。化合物Aと化合物Bの分子軌道図を比較すると、化合物Bでは、図2Bに示されているように、フェニレン基の2位、及び5位の炭素原子の位置でπ電子の共役が切れている。一方で、化合物Aでは、図1Bに示されているように、フェニレン基においてπ電子の共役が拡がっている。
また、ビスカルバゾール誘導体は、一般式(2)〜(4)のいずれかで表される特定構造のLで連結されていることにより、燐光ホスト材料として適度な三重項エネルギーを有する。そのため、ビスカルバゾール誘導体は、燐光ホスト材料として好適であり、特に、赤色、黄色、緑色で発光する燐光発光性ドーパント材料に適した燐光ホスト材料となる。
これに対して、例えば、上記した特許文献1には、下記化合物が記載されているが、これらの化合物においては、2つのCzがアントラセンまたはピレンで結合されている。アントラセンやピレンは三重項エネルギーの比較的小さい縮合多環芳香族炭化水素基であり、アントラセンやピレンを2つのカルバゾール間の連結基とした化合物は、燐光ホスト材料として十分な三重項エネルギーを有さない。
Figure 0006101248

本発明の前記一般式(1),(5)〜(7)で表される化合物の具体的な構造としては、例えば、次のようなものが挙げられる。但し、本発明は、これらの構造の化合物に限定されない。
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前記一般式(1),(5)〜(7)で表される化合物の製造方法は、特に限定されず、公知の方法で製造すればよい。例えば、カルバゾール誘導体と縮合多環炭化水素化合物に対し、「テトラへドロン(Tetrahedron)、第40巻(1984年)、P.1435〜1456」に記載される銅触媒、又は「ジャーナル オブ アメリカン ケミカル ソサイアティ(Journal of the American Chemical Society)、123(2001)、P.7727〜7729」に記載されるパラジウム触媒を用いたカップリング反応で製造することができる。
[有機EL素子用材料]
本発明の化合物は、有機EL素子用材料として用いることができる。
本発明の有機EL素子用材料は、有機EL素子の有機薄膜層の形成に用いることができる。本発明の有機EL素子用材料は、上記した一般式(1),(5)〜(7)で表されるいずれかの化合物を単独で含んでいても良いし、一般式(1),(5)〜(7)で表されるいずれかの化合物に加えて他の化合物を含んでいても良い。
[有機EL素子]
〔第一実施形態〕
本発明の第一実施形態における有機EL素子は、陰極と、陽極と、陰極と陽極との間に配置された有機薄膜層とを有する。有機薄膜層は、一層又は複数層で構成される。
また、本発明の有機EL素子において、有機薄膜層のうち少なくとも1層は、発光層である。そのため、有機薄膜層は、例えば、一層の発光層で構成されていてもよいし、正孔注入層、正孔輸送層、電子注入層、電子輸送層、正孔障壁層、電子障壁層等の公知の有機EL素子で採用される層を有していてもよい。有機薄膜層は、無機化合物を含んでいてもよい。
本発明の化合物は、有機薄膜層に含まれる。有機薄膜層が複数であれば、少なくともいずれかの層に本発明の化合物が単独または混合物の成分として含まれている。好ましくは、発光層が、本発明の化合物を含有する。この場合、発光層は、本発明の化合物をホスト材料として含み、さらにドーパント材料を含んで構成することが好ましい。
有機EL素子の代表的な素子構成としては、例えば、次の(a)〜(e)などの構成を挙げることができる。
(a)陽極/発光層/陰極
(b)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/陰極
(c)陽極/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(d)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/電子注入・輸送層/陰極
(e)陽極/正孔注入・輸送層/発光層/障壁層/電子注入・輸送層/陰極
上記の中で(d)の構成が好ましく用いられるが、もちろんこれらに限定されるものではない。
なお、上記「発光層」とは、発光機能を有する有機層であって、ドーピングシステムを採用する場合、ホスト材料とドーパント材料を含んでいる。このとき、ホスト材料は、主に電子と正孔の再結合を促し、励起子を発光層内に閉じ込める機能を有し、ドーパント材料は、再結合で得られた励起子を効率的に発光させる機能を有する。燐光素子の場合、ホスト材料は主にドーパントで生成された励起子を発光層内に閉じ込める機能を有する。
上記「正孔注入・輸送層」は「正孔注入層および正孔輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味し、「電子注入・輸送層」は「電子注入層および電子輸送層のうちの少なくともいずれか1つ」を意味する。ここで、正孔注入層および正孔輸送層を有する場合には、陽極側に正孔注入層が設けられていることが好ましい。また、電子注入層および電子輸送層を有する場合には、陰極側に電子注入層が設けられていることが好ましい。
本発明において電子輸送層といった場合には、発光層と陰極との間に存在する電子輸送領域の有機層のうち、最も電子移動度の高い有機層をいう。電子輸送領域が一層で構成されている場合には、当該層が電子輸送層である。また、燐光型の有機EL素子においては、構成(e)に示すように発光層で生成された励起エネルギーの拡散を防ぐ目的で必ずしも電子移動度が高くない障壁層を発光層と電子輸送層との間に採用することがあり、発光層に隣接する有機層が電子輸送層に必ずしも該当しない。
図3に、本発明の実施形態における有機EL素子の一例の概略構成を示す。
図3に示す有機EL素子1は、透明な基板2と、陽極3と、陰極4と、陽極3と陰極4との間に配置された有機薄膜層10と、を有する。
有機薄膜層10は、陽極3側から順に、正孔注入層5、正孔輸送層6、発光層7、電子輸送層8、電子注入層9を備える。
(基板)
本発明の有機EL素子は、透光性の基板上に作製する。ここでいう透光性基板は有機EL素子を支持する基板であり、400nm〜700nmの可視領域の光の透過率が50%以上で平滑な基板が好ましい。
具体的には、ガラス板、ポリマー板等が挙げられる。
ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を原料として用いてなるものを挙げられる。
またポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を原料として用いてなるものを挙げることができる。
(陽極および陰極)
有機EL素子の陽極は、正孔を正孔注入層、正孔輸送層または発光層に注入する役割を担うものであり、4.5eV以上の仕事関数を有することが効果的である。
陽極材料の具体例としては、酸化インジウム錫合金(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化インジウム亜鉛酸化物、金、銀、白金、銅等が挙げられる。
陽極はこれらの電極物質を蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。
本実施形態のように、発光層からの発光を陽極から取り出す場合、陽極の可視領域の光の透過率を10%より大きくすることが好ましい。また、陽極のシート抵抗は、数百Ω/□(オーム/スクエア)以下が好ましい。陽極の膜厚は、材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選択される。
陰極としては、電子注入層、電子輸送層または発光層に電子を注入する目的で、仕事関数の小さい材料が好ましい。
陰極材料は特に限定されないが、具体的にはインジウム、アルミニウム、マグネシウム、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、アルミニウム−リチウム合金、アルミニウム−スカンジウム−リチウム合金、マグネシウム−銀合金等が使用できる。
陰極も、陽極と同様に、蒸着法やスパッタリング法等の方法で薄膜を形成させることにより作製することができる。また、陰極側から、発光を取り出す態様を採用することもできる。
(発光層)
有機EL素子の発光層は電子と正孔の再結合の場を提供し、これを発光につなげる機能を有する。
発光層は、分子堆積膜であることが好ましい。
ここで分子堆積膜とは、気相状態の材料化合物から沈着され形成された薄膜や、溶液状態または液相状態の材料化合物から固体化され形成された膜のことであり、通常この分子堆積膜は、LB法(Langmuir Blodgett法)により形成された薄膜(分子累積膜)とは凝集構造、高次構造の相違や、それに起因する機能的な相違により区分することができる。
また、特開昭57−51781号公報に開示されているように、樹脂等の結着剤と材料化合物とを溶剤に溶かして溶液とした後、これをスピンコート法等により薄膜化することによっても、発光層を形成することができる。
(ホスト材料)
ホスト材料は、本発明の化合物であるか、または本発明の化合物を含む上記本発明の有機EL素子用材料であることが好ましい。
上述のとおり、本発明の化合物であるビスカルバゾール誘導体は、有機EL素子の有機薄膜層中で成膜されて積み重なると、ビスカルバゾール誘導体の分子間のπ電子の重なりが大きくなり、当該有機薄膜層の電荷輸送特性が向上する。また、本発明の化合物は、AおよびAの少なくともいずれかが縮合多環芳香族炭化水素であることにより、電荷輸送特性を有する。そのため、本発明の化合物を有機EL素子の発光層に含有させることにより、当該発光層内の電荷バランスが向上し、有機EL素子を低電圧化、高効率化させることができる。
また、本発明の化合物によれば、Cz−L−Cz部位のHOMOと、多環縮合芳香族炭化水素基のLUMOとを分離できるため、本発明の化合物は、正孔および電子に対する耐性が優れると考えられる。それゆえ、有機薄膜層中に本発明の化合物を含有させることで、有機EL素子の寿命を向上させることができる。
また、発光層には、本発明の化合物に加えて、さらに、ホスト材料として、別のホスト材料が含有されていてもよい。
(ドーパント材料)
ドーパント材料としては、公知の蛍光型発光を示す蛍光発光性材料または燐光型発光を示す燐光発光性材料から選ばれる。
ドーパント材料として用いられる蛍光発光性材料(以下、蛍光ドーパント材料と称する。)としては、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、アリールアセチレン誘導体、フルオレン誘導体、硼素錯体、ペリレン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アントラセン誘導体、クリセン誘導体等から選ばれる。好ましくは、フルオランテン誘導体、ピレン誘導体、硼素錯体が挙げられる。
本発明の有機EL素子のドーパント材料としては、燐光発光性材料が好ましい。ドーパント材料として用いられる燐光発光性材料(以下、燐光ドーパント材料と称する。)は、金属錯体を含有するものが好ましい。該金属錯体としては、イリジウム(Ir),白金(Pt),オスミウム(Os),金(Au),レニウム(Re)、およびルテニウム(Ru)から選択される金属原子と配位子とを有するものが好ましい。特に、配位子と金属原子とが、オルトメタル結合を形成しているオルトメタル化錯体が好ましい。燐光ドーパント材料としては、燐光量子収率が高く、発光素子の外部量子効率をより向上させることができるという点で、イリジウム(Ir),オスミウム(Os)および白金(Pt)から選ばれる金属を含有するオルトメタル化錯体が好ましい。また、発光効率などの観点からフェニルキノリン、フェニルイソキノリン、フェニルピリジン、フェニルピリミジン、フェニルピラジンおよびフェニルイミダゾールから選択される配位子から構成される金属錯体が好ましい。
ドーパント材料の発光層における含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、0.1質量%以上70質量%以下が好ましく、1質量%以上30質量%以下がより好ましい。ドーパント材料の含有量が0.1質量%以上であると十分な発光が得られ、70質量%以下であると濃度消光を避けることができる。
燐光ドーパント材料の具体例を次に示す。
Figure 0006101248

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Figure 0006101248

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上述のとおり、本発明の化合物であるビスカルバゾール誘導体は、燐光ホスト材料として適度な三重項エネルギーを有する。そのため、燐光ホスト材料として好適であり、特に、赤色、黄色、緑色で発光する燐光ドーパント材料に適した燐光ホスト材料となる。
燐光ドーパント材料は、単独で使用しても良いし、2種以上を併用しても良い。
発光層に含まれる燐光ドーパント材料の発光波長は特に限定されないが、発光層に含まれる前記燐光ドーパント材料のうち少なくとも1種は、発光波長のピークが490nm以上700nm以下であることが好ましく、490nm以上650nm以下であることがより好ましい。発光層の発光色としては、例えば、赤色、黄色、緑色が好ましい。ホスト材料として本発明の化合物を用い、このような発光波長の燐光ドーパント材料をドープして発光層を構成することにより、低駆動電圧、高効率かつ長寿命な有機EL素子とすることができる。
(正孔注入層及び正孔輸送層)
正孔注入層及び正孔輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが小さい化合物が用いられる。
正孔注入層及び正孔輸送層を形成する材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、例えば、芳香族アミン化合物が好適に用いられる。また、正孔注入層の材料としては、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物またはスチリルアミン化合物を用いることが好ましく、特に、ヘキサシアノヘキサアザトリフェニレン(HAT)などの芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
(電子注入層及び電子輸送層)
電子注入層及び電子輸送層は、発光層への電子の注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、電子移動度が大きい化合物が用いられる。
電子注入層及び電子輸送層に用いられる化合物としては、例えば、分子内にヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する複素環化合物が好ましい。
本発明の有機EL素子において、発光層以外の、正孔注入層、正孔輸送層、電子輸送層、電子注入層、障壁層等の有機薄膜層には、上述の例示した化合物以外に、従来の有機EL素子において使用される公知のものの中から任意の化合物を選択して用いることができる。
(正孔注入・輸送層)
正孔注入・輸送層は、発光層への正孔注入を助け、発光領域まで輸送する層であって、正孔移動度が大きく、イオン化エネルギーが小さい。
正孔注入・輸送層は、正孔注入層、または正孔輸送層で構成してもよいし、正孔注入層および正孔輸送層を積層させて構成してもよい。
正孔注入・輸送層を形成する材料としては、より低い電界強度で正孔を発光層に輸送する材料が好ましく、芳香族アミン化合物、例えば、下記一般式(A1)で表わされる芳香族アミン誘導体が好適に用いられる。
Figure 0006101248

前記一般式(A1)において、ArからArまでは、それぞれ独立に、
環形成炭素数6以上50以下の芳香族炭化水素基、
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基、
それら芳香族炭化水素基とそれら芳香族複素環基とを結合させた基、または
それら芳香族炭化水素基とそれら芳香族複素環基とを結合させた基
を表す。但し、ここで挙げた芳香族炭化水素基、および芳香族複素環基は、置換基を有してもよい。
前記一般式(A1)において、Lは、連結基であり、
環形成炭素数6以上50以下の2価の芳香族炭化水素基、
環形成炭素数5以上50以下の2価の芳香族複素環基、
2個以上の芳香族炭化水素基または芳香族複素環基を
単結合、
エーテル結合、
チオエーテル結合、
炭素数1以上20以下のアルキレン基、
炭素数2以上20以下のアルケニレン基、もしくは
アミノ基
で結合して得られる2価の基、
を表す。但し、ここで挙げた2価の芳香族炭化水素基、および2価の芳香族複素環基は、置換基を有してもよい。
前記一般式(A1)で表される化合物の具体例を以下に記すが、これらに限定されるものではない。
Figure 0006101248

また、下記一般式(A2)で表される芳香族アミンも、正孔注入・輸送層の形成に好適に用いられる。
Figure 0006101248

前記一般式(A2)において、ArからArまでの定義は前記一般式(A1)のArからArまでの定義と同様である。以下に一般式(A2)で表される化合物の具体例を記すがこれらに限定されるものではない。
Figure 0006101248

(電子注入・輸送層)
電子注入・輸送層は、発光層への電子の注入を助ける層であって、電子移動度が大きい。電子注入層はエネルギーレベルの急な変化を緩和するなど、エネルギーレベルを調整するために設ける。電子注入・輸送層は、電子注入層と電子輸送層とのうちの少なくともいずれか一方を備える。
本実施形態の有機EL素子においては、発光層と陰極との間に電子注入層を有し、前記電子注入層は、含窒素環誘導体を主成分として含有することが好ましい。ここで、電子注入層は電子輸送層として機能する層であってもよい。
なお、「主成分として」とは、電子注入層が50質量%以上の含窒素環誘導体を含有していることを意味する。
電子注入層に用いる電子輸送性材料としては、分子内に窒素、酸素、硫黄、リンなどのヘテロ原子を1個以上含有する芳香族ヘテロ環化合物が好ましく用いられ、特に含窒素環誘導体が好ましい。また、含窒素環誘導体としては、含窒素6員環もしくは5員環骨格を有する芳香族環化合物が好ましい。
この含窒素環誘導体としては、例えば、下記一般式(B1)で表される含窒素環金属キレート錯体が好ましい。
Figure 0006101248

一般式(B1)におけるRからRまでは、それぞれ独立に、
水素原子、
ハロゲン原子、
オキシ基、
アミノ基、
炭素数1以上40以下の炭化水素基、
アルコキシ基、
アリールオキシ基、
アルコキシカルボニル基、または、
芳香族複素環基であり、
これらは置換基を有してもよい。
ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。また、置換されていてもよいアミノ基の例としては、アルキルアミノ基、アリールアミノ基、アラルキルアミノ基が挙げられる。
アルコキシカルボニル基は−COOY’と表され、Y’の例としては前記アルキル基と同様のものが挙げられる。アルキルアミノ基およびアラルキルアミノ基は−NQと表される。QおよびQの具体例としては、独立に、前記アルキル基、前記アラルキル基(アルキル基の水素原子がアリール基で置換された基)で説明したものと同様のものが挙げられ、好ましい例も同様である。QおよびQの一方は水素原子であってもよい。なお、アラルキル基は、前記アルキル基の水素原子が前記アリール基で置換された基である。
アリールアミノ基は−NArArと表され、ArおよびArの具体例としては、それぞれ独立に前記芳香族炭化水素基で説明した基と同様である。ArおよびArの一方は水素原子であってもよい。
上記一般式(B1)のMは、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)またはインジウム(In)であり、Inであると好ましい。
上記一般式(B1)のLは、下記一般式(B2)または(B3)で表される基である。
Figure 0006101248

前記一般式(B2)中、RからR12までは、それぞれ独立に、
水素原子、または炭素数1以上40以下の炭化水素基であり、互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。この炭化水素基は、置換基を有してもよい。
また、前記一般式(B3)中、R13からR27までは、それぞれ独立に、
水素原子、または炭素数1以上40以下の炭化水素基であり、
互いに隣接する基が環状構造を形成していてもよい。この炭化水素基は、置換基を有してもよい。
前記一般式(B2)および一般式(B3)のRからR12まで、並びにR13からR27までが示す炭素数1以上40以下の炭化水素基としては、前記一般式(B1)中のRからRまでの具体例と同様のものが挙げられる。
また、前記一般式(B2)におけるRからR12まで、および前記一般式(B3)におけるR13からR27までの互いに隣接する基が環状構造を形成した場合の2価の基としては、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ジフェニルメタン−2,2’−ジイル基、ジフェニルエタン−3,3’−ジイル基、ジフェニルプロパン−4,4’−ジイル基などが挙げられる。
また、電子輸送層は、下記一般式(B4)から(B6)までで表される含窒素複素環誘導体の少なくともいずれか1つを含有することが好ましい。
Figure 0006101248

前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Rは、
水素原子、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基、
ピリジル基、
キノリル基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、または
炭素数1以上20以下のアルコキシ基である。
nは0以上4以下の整数である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Rは、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジル基、
キノリル基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、または
炭素数1以上20以下のアルコキシ基である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、RおよびRは、それぞれ独立に、
水素原子、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジル基、
キノリル基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、または
炭素数1以上20以下のアルコキシ基である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Lは、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジニレン基、
キノリニレン基、または
フルオレニレン基である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Arは、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジニレン基、
キノリニレン基である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Arは、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジル基、
キノリル基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、または
炭素数1以上20以下のアルコキシ基である。
前記一般式(B4)から(B6)までの式中、Arは、
環形成炭素数6以上60以下の芳香族炭化水素基
ピリジル基、
キノリル基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、
炭素数1以上20以下のアルコキシ基、または
「−Ar−Ar」で表される基(ArおよびArは、それぞれ前記と同じ)である。
また、前記一般式(B4)から(B6)までの式中のR、R、R、R、L、Ar、Ar、およびArの説明で挙げた芳香族炭化水素基、ピリジル基、キノリル基、アルキル基、アルコキシ基、ピリジニレン基、キノリニレン基、フルオレニレン基は、置換基を有してもよい。
電子注入層または電子輸送層に用いられる電子伝達性化合物としては、8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体、オキサジアゾール誘導体、含窒素複素環誘導体が好適である。上記8−ヒドロキシキノリンまたはその誘導体の金属錯体の具体例としては、オキシン(一般に8−キノリノールまたは8−ヒドロキシキノリン)のキレートを含む金属キレートオキシノイド化合物、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウムを用いることができる。そして、オキサジアゾール誘導体としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 0006101248

これらオキサジアゾール誘導体の各一般式中、Ar17、Ar18、Ar19、Ar21、Ar22およびAr25は、環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基である。
但し、ここで挙げた芳香族炭化水素基は置換基を有してもよい。また、Ar17とAr18、Ar19とAr21、Ar22とAr25は、互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで挙げた芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、アントラニル基、ペリレニル基、ピレニル基などが挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基またはシアノ基などが挙げられる。
これらオキサジアゾール誘導体の各一般式中、Ar20、Ar23およびAr24は、
環形成炭素数6以上40以下の2価の芳香族炭化水素基である。
但し、ここで挙げた芳香族炭化水素基は置換基を有してもよい。
また、Ar23とAr24は、互いに同一でも異なっていてもよい。
ここで挙げた2価の芳香族炭化水素基としては、フェニレン基、ナフチレン基、ビフェニレン基、アントラニレン基、ペリレニレン基、ピレニレン基などが挙げられる。そして、これらへの置換基としては炭素数1以上10以下のアルキル基、炭素数1以上10以下のアルコキシ基またはシアノ基などが挙げられる。
これらの電子伝達性化合物は、薄膜形成性の良好なものが好ましく用いられる。そして、これら電子伝達性化合物の具体例としては、下記のものを挙げることができる。
Figure 0006101248

電子伝達性化合物としての含窒素複素環誘導体は、以下の一般式を有する有機化合物からなる含窒素複素環誘導体であって、金属錯体でない含窒素化合物が挙げられる。例えば、下記一般式(B7)に示す骨格を含有する5員環もしくは6員環や、下記一般式(B8)に示す構造のものが挙げられる。
Figure 0006101248

前記一般式(B8)中、Xは炭素原子もしくは窒素原子を表す。ZならびにZは、それぞれ独立に含窒素ヘテロ環を形成可能な原子群を表す。
含窒素複素環誘導体は、さらに好ましくは、5員環もしくは6員環からなる含窒素芳香多環族を有する有機化合物である。さらには、このような複数窒素原子を有する含窒素芳香多環族の場合は、上記一般式(B7)と(B8)もしくは上記一般式(B7)と下記一般式(B9)を組み合わせた骨格を有する含窒素芳香多環有機化合物が好ましい。
Figure 0006101248

前記の含窒素芳香多環有機化合物の含窒素基は、例えば、以下の一般式で表される含窒素複素環基から選択される。
Figure 0006101248

これら含窒素複素環基の各一般式中、Rは、
環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基、
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基、
炭素数1以上20以下のアルキル基、または
炭素数1以上20以下のアルコキシ基
である。
これら含窒素複素環基の各一般式中、nは0以上5以下の整数であり、nが2以上の整数であるとき、複数のRは互いに同一または異なっていてもよい。
さらに、好ましい具体的な化合物として、下記一般式(B10)で表される含窒素複素環誘導体が挙げられる。
HAr−L−Ar−Ar ・・・(B10)
前記一般式(B10)中、HArは、
環形成炭素数1以上40以下の含窒素複素環基である。
前記一般式(B10)中、Lは、
単結合、
環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基、または
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基である。
前記一般式(B10)中、Arは、環形成炭素数6以上40以下の2価の芳香族炭化水素基である。
前記一般式(B10)中、Arは、
環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基、または
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基である。
また、前記一般式(B10)の式中のHAr、L、Ar、およびArの説明で挙げた含窒素複素環基、芳香族炭化水素基、および芳香族複素環基は置換基を有してもよい。
前記一般式(B10)の式中のHArは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 0006101248

前記一般式(B10)の式中のLは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 0006101248

前記一般式(B10)の式中のArは、例えば、下記のアリールアントラニル基から選択される。
Figure 0006101248

前記アリールアントラニル基の一般式中、RからR14までは、それぞれ独立して、
水素原子、
ハロゲン原子、
炭素数1以上20以下のアルキル基、
炭素数1以上20以下のアルコキシ基、
環形成炭素数6以上40以下のアリールオキシ基、
環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基、または
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基である。
前記アリールアントラニル基の一般式中、Arは、
環形成炭素数6以上40以下の芳香族炭化水素基、または
環形成炭素数2以上40以下の芳香族複素環基である。
但し、前記アリールアントラニル基の一般式中のRからR14まで、およびArの説明で挙げた芳香族炭化水素基、および芳香族複素環基は、置換基を有してもよい。
また、RからRまでは、いずれも水素原子である含窒素複素環誘導体であってもよい。
前記アリールアントラニル基の一般式中、Arは、例えば、下記の群から選択される。
Figure 0006101248

電子伝達性化合物としての含窒素芳香多環有機化合物には、この他、下記一般式(B11)で表される化合物(特開平9−3448号公報参照)も好適に用いられる。
Figure 0006101248

この含窒素芳香多環有機化合物の一般式(B11)中、RからRまでは、それぞれ独立に、
水素原子、
脂肪族基、
脂肪族式環基、
炭素環式芳香族環基、または
複素環基
を表す。但し、ここで挙げた脂肪族基、脂肪族式環基、炭素環式芳香族環基、および複素環基は、置換基を有してもよい。
この含窒素芳香多環有機化合物の一般式(B11)中、X、Xは、それぞれ独立に、酸素原子、硫黄原子、またはジシアノメチレン基を表す。
また、電子伝達性化合物として、下記一般式(B12)で表される化合物(特開2000−173774号公報参照)も好適に用いられる。
Figure 0006101248

前記一般式(B12)中、R、R、RおよびRは互いに同一のまたは異なる基であって、下記一般式(B12−1)で表わされる芳香族炭化水素基または縮合芳香族炭化水素基である。
Figure 0006101248

前記一般式(B12−1)中、R、R、R、RおよびRは互いに同一のまたは異なる基であって、水素原子、或いはそれらの少なくとも1つが飽和もしくは不飽和アルコキシル基、アルキル基、アミノ基、またはアルキルアミノ基である。
さらに、電子伝達性化合物は、該含窒素複素環基または含窒素複素環誘導体を含む高分子化合物であってもよい。
なお、電子注入層または電子輸送層の膜厚は、特に限定されないが、好ましくは、1nm以上100nm以下である。
また、電子注入層の構成成分としては、含窒素環誘導体の他に、無機化合物として絶縁体または半導体を使用することが好ましい。電子注入層が絶縁体や半導体で構成されていれば、電流のリークを有効に防止して、電子注入性を向上させることができる。
このような絶縁体としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物からなる群から選択される少なくとも一つの金属化合物を使用するのが好ましい。電子注入層がこれらのアルカリ金属カルコゲニドなどで構成されていれば、電子注入性をさらに向上させることができる点で好ましい。具体的に、好ましいアルカリ金属カルコゲニドとしては、例えば、酸化リチウム(LiO)、酸化カリウム(KO)、硫化ナトリウム(NaS)、セレン化ナトリウム(NaSe)および酸化ナトリウム(NaO)が挙げられる。好ましいアルカリ土類金属カルコゲニドとしては、例えば、酸化カルシウム(CaO)、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化ベリリウム(BeO)、硫化バリウム(BaS)およびセレン化カルシウム(CaSe)が挙げられる。また、好ましいアルカリ金属のハロゲン化物としては、例えば、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化カリウム(KF)、塩化リチウム(LiCl)、塩化カリウム(KCl)および塩化ナトリウム(NaCl)などが挙げられる。また、好ましいアルカリ土類金属のハロゲン化物としては、例えば、フッ化カルシウム(CaF)、フッ化バリウム(BaF)、フッ化ストロンチウム(SrF)、フッ化マグネシウム(MgF)およびフッ化ベリリウム(BeF)などのフッ化物や、フッ化物以外のハロゲン化物が挙げられる。
また、半導体としては、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)、ストロンチウム(Sr)、イッテルビウム(Yb)、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カドミウム(Cd)、マグネシウム(Mg)、ケイ素(Si)、タンタル(Ta)、アンチモン(Sb)および亜鉛(Zn)の少なくとも一つの元素を含む酸化物、窒化物または酸化窒化物などの一種単独または二種以上の組み合わせが挙げられる。また、電子注入層を構成する無機化合物が、微結晶または非晶質の絶縁性薄膜であることが好ましい。電子注入層がこれらの絶縁性薄膜で構成されていれば、より均質な薄膜が形成されるために、ダークスポットなどの画素欠陥を減少させることができる。なお、このような無機化合物としては、アルカリ金属カルコゲニド、アルカリ土類金属カルコゲニド、アルカリ金属のハロゲン化物およびアルカリ土類金属のハロゲン化物などが挙げられる。
このような絶縁体または半導体を使用する場合、その層の好ましい厚みは、0.1nm以上15nm以下程度である。また、本発明における電子注入層は、前述の還元性ドーパントを含有していても好ましい。
(電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体)
本発明の有機EL素子は、陰極と有機薄膜層との界面領域に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを有することも好ましい。
このような構成によれば、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が図られる。
電子供与性ドーパントとしては、アルカリ金属、アルカリ金属化合物、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、希土類金属、および希土類金属化合物などから選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
有機金属錯体としては、アルカリ金属を含む有機金属錯体、アルカリ土類金属を含む有機金属錯体、および希土類金属を含む有機金属錯体などから選ばれた少なくとも一種類が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム(Li)(仕事関数:2.93eV)、ナトリウム(Na)(仕事関数:2.36eV)、カリウム(K)(仕事関数:2.28eV)、ルビジウム(Rb)(仕事関数:2.16eV)、セシウム(Cs)(仕事関数:1.95eV)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。これらのうち好ましくはK、Rb、Cs、さらに好ましくはRbまたはCsであり、最も好ましくはCsである。
アルカリ土類金属としては、カルシウム(Ca)(仕事関数:2.9eV)、ストロンチウム(Sr)(仕事関数:2.0eV以上2.5eV以下)、バリウム(Ba)(仕事関数:2.52eV)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
希土類金属としては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)、セリウム(Ce)、テルビウム(Tb)、イッテルビウム(Yb)などが挙げられ、仕事関数が2.9eV以下のものが特に好ましい。
以上の金属のうち好ましい金属は、特に還元能力が高く、電子注入域への比較的少量の添加により、有機EL素子における発光輝度の向上や長寿命化が可能である。
アルカリ金属化合物としては、酸化リチウム(LiO)、酸化セシウム(CsO)、酸化カリウム(K2O)などのアルカリ酸化物、フッ化リチウム(LiF)、フッ化ナトリウム(NaF)、フッ化セシウム(CsF)、フッ化カリウム(KF)などのアルカリハロゲン化物などが挙げられ、フッ化リチウム(LiF)、酸化リチウム(LiO)、フッ化ナトリウム(NaF)が好ましい。
アルカリ土類金属化合物としては、酸化バリウム(BaO)、酸化ストロンチウム(SrO)、酸化カルシウム(CaO)およびこれらを混合したストロンチウム酸バリウム(BaxSr1-xO)(0<x<1)、カルシウム酸バリウム(BaxCa1-xO)(0<x<1)などが挙げられ、BaO、SrO、CaOが好ましい。
希土類金属化合物としては、フッ化イッテルビウム(YbF)、フッ化スカンジウム(ScF)、酸化スカンジウム(ScO)、酸化イットリウム(Y)、酸化セリウム(Ce)、フッ化ガドリニウム(GdF)、フッ化テルビウム(TbF)などが挙げられ、YbF、ScF、TbFが好ましい。
有機金属錯体としては、上記の通り、それぞれ金属イオンとしてアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも一つ含有するものであれば特に限定はない。また、配位子にはキノリノール、ベンゾキノリノール、アクリジノール、フェナントリジノール、ヒドロキシフェニルオキサゾール、ヒドロキシフェニルチアゾール、ヒドロキシジアリールオキサジアゾール、ヒドロキシジアリールチアジアゾール、ヒドロキシフェニルピリジン、ヒドロキシフェニルベンゾイミダゾール、ヒドロキシベンゾトリアゾール、ヒドロキシフルボラン、ビピリジル、フェナントロリン、フタロシアニン、ポルフィリン、シクロペンタジエン、β−ジケトン類、アゾメチン類、およびそれらの誘導体などが好ましいが、これらに限定されるものではない。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の添加形態としては、界面領域に層状または島状に形成することが好ましい。形成方法としては、抵抗加熱蒸着法により電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを蒸着しながら、界面領域を形成する発光材料や電子注入材料である有機物を同時に蒸着させ、有機物中に電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体還元ドーパントの少なくともいずれかを分散する方法が好ましい。分散濃度はモル比で有機物:電子供与性ドーパント,有機金属錯体=100:1から1:100まで、好ましくは5:1から1:5までである。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを層状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を層状に形成した後に、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは層の厚み0.1nm以上15nm以下で形成する。
電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを島状に形成する場合は、界面の有機層である発光材料や電子注入材料を島状に形成した後に、電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかを単独で抵抗加熱蒸着法により蒸着し、好ましくは島の厚み0.05nm以上1nm以下で形成する。 また、本発明の有機EL素子における、主成分と電子供与性ドーパントおよび有機金属錯体の少なくともいずれかとの割合としては、モル比で主成分:電子供与性ドーパント,有機金属錯体=5:1から1:5までであると好ましく、2:1から1:2までであるとさらに好ましい。
(有機EL素子の各層の形成方法)
本発明の有機EL素子の各層の形成方法は特に限定されない。従来公知の真空蒸着法、スピンコーティング法等による形成方法を用いることができる。本発明の有機EL素子に用いる、有機薄膜層は、真空蒸着法、分子線蒸着法(MBE法、MBE; Molecular Beam Epitaxy)あるいは溶媒に解かした溶液のディッピング法、スピンコーティング法、キャスティング法、バーコート法、ロールコート法等の塗布法による公知の方法で形成することができる。
(有機EL素子の各層の膜厚)
発光層の膜厚は、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは7nm以上50nm以下、最も好ましくは10nm以上50nm以下である。発光層の膜厚を5nm以上とすることで、発光層を形成し易くなり、色度を調整し易くなる。発光層の膜厚を50nm以下とすることで、駆動電圧の上昇を抑制できる。
その他の各有機薄膜層の膜厚は特に制限されないが、通常は数nmから1μmの範囲が好ましい。このような膜厚範囲とすることで、膜厚が薄すぎることに起因するピンホール等の欠陥を防止するとともに、膜厚が厚すぎることに起因する駆動電圧の上昇を抑制し、効率の悪化を防止できる。
〔第二実施形態〕
本発明の第二実施形態に係る有機EL素子は、第一実施形態に係る有機EL素子と、発光層に本発明の化合物に加えて、さらに、ホスト材料として機能する別の材料を含有するものである。
以下、本発明の化合物に加えて含有される材料について詳細に説明する。なお、第二実施形態は、その他の構成においては、上記した第一実施形態と同様の構成を有する。
本実施形態の有機EL素子の発光層において、本発明の化合物に加えて含有される材料としては、下記一般式(21)で表される化合物が好ましい。下記一般式(21)で表される化合物は、発光層において、ホスト材料として機能する。本発明の化合物と、下記一般式(21)で表される材料とを組み合わせて発光層に用いることにより、有機EL素子の高効率化を図ることができる。
Figure 0006101248

[一般式(21)において、Zは、aにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは下記一般式(21−1)で表される。
Mは、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の含窒素芳香族複素環基であり、
11は、
単結合又は連結基であり、連結基としては、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
又は、
これらが互いに結合した基を表す。
qは、1または2である。]
Figure 0006101248

[上記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表し、上記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つは、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。
11およびR31は、それぞれ独立して、
水素原子、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
ハロゲン原子、又は
シアノ基
である。
ただし、複数のR11は互いに同一または異なり、
複数のR31は、互いに同一または異なる。
また、隣り合うR11は互いに結合して環を形成していてもよい。
は、硫黄原子、酸素原子、N−R32、またはC(R32であり、
32は、上記R11およびR31と同義である。]
上記一般式(21)においてMで表される「含窒素芳香族複素環基」には、アジン環が含まれる。
上記一般式(21)においてMで表される含窒素芳香族複素環基としては、ピリジン、ピリミジン、ピラジン、トリアジン、アジリジン、アザインドリジン、インドリジン、イミダゾール、インドール、イソインドール、インダゾール、プリン、プテリジン、β−カルボリン、ナフチリジン、キノキサリン、ターピリジン、ビピリジン、アクリジン、フェナントロリン、フェナジン、イミダゾピリジン等が挙げられる。
特に、ピリジン、ピリミジン、トリアジンが好ましく、上記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(22)で表されることが好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(22)において、Zは、aにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは前記一般式(21−1)で表される。
11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
およびR10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
qおよびrはそれぞれ、1または2を表す。
前記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。前記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つは、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。]
ここで、上記一般式(22)におけるa,bにおいて、上記一般式(21−1)および(22−2)が縮合している化合物としては、下記一般式で表されるものが挙げられる。
Figure 0006101248

上記一般式(21)、(22)で表される化合物は、さらに下記一般式(23)で表されることがより好ましく、下記一般式(24)で表されることが特に好ましい。
Figure 0006101248

[一般式(23)において、L11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
,R10およびR11は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
qおよびrはそれぞれ、1または2を表す。]
Figure 0006101248

[一般式(24)において、L11、Rは、それぞれ前記一般式(21)におけるL11、Rと同義であり、R11は、前記一般式(21−1)と同義である。
また、L13およびL14は前記一般式(21)におけるL11と同義である。
は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
rは、1または2を表す。
は、
置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は
置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基である。
hおよびkは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、iおよびjは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。]
前記一般式(21)〜(24),(21−1)および(21−2)において、R,R10〜R11およびR31〜R32で表される各基は、上記一般式(1),(5)〜(7)で表される化合物で説明した基である。
前記一般式(21)〜(24)におけるL11、L13、L14で表される環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基としては、上記一般式(1),(5)〜(7)で表される化合物で説明した基の2価に相当する基が挙げられる。
上記一般式(21)〜(24)のうちいずれかで表される化合物の例としては、以下が挙げられる。なお、以下の構造式中、その端に化学式(CN、ベンゼン環等)が記載されていない結合は、メチル基を表すものである。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

本実施形態において、上記した一般式(1),(5)〜(7)のいずれかで表される本発明の化合物と、上記した一般式(21)〜(24)で表される化合物との発光層における含有割合は、特に限定されない。上記した一般式(1),(5)〜(7)のいずれかで表される本発明の化合物と、上記した一般式(21)〜(24)で表される化合物との発光層における含有割合は、質量比で1:100〜100:1の範囲とすることが好ましい。
また、本実施形態において、発光層は、上記した一般式(1),(5)〜(7)のいずれかで表される本発明の化合物および上記した一般式(21)〜(24)で表される化合物の他に、さらに他のホスト材料を含んでいてもよい。
なお、前記一般式(21)〜(24)のいずれかで表される化合物が本発明の有機EL素子用材料に含まれていてもよい。
[実施形態の変形]
なお、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変更、改良などは、本発明に含まれるものである。
有機EL素子の構成は、図3に示した有機EL素子1の構成例に限定されない。例えば、発光層の陽極側に電子障壁層を、発光層の陰極側に正孔障壁層を、それぞれ設けてもよい。これにより、電子や正孔を発光層に閉じ込めて、発光層における励起子の生成確率を高めることができる。
また、発光層は、1層に限られず、複数の発光層が積層されていてもよい。有機EL素子が複数の発光層を有する場合、少なくとも1つの発光層が本発明の化合物または有機EL素子用材料を含んでいることが好ましい。
また、有機EL素子が複数の発光層を有する場合、これらの発光層が互いに隣接して設けられていてもよいし、その他の層(例えば、電荷発生層)を介して積層されていてもよい。
また、本発明の有機EL素子は、上記した一般式(1),(5)〜(7)のいずれかで表される本発明の化合物が発光層以外の有機薄膜層の少なくとも1層に含まれていてもよい。例えば、本発明の化合物が発光層以外の有機薄膜層に含まれ、上記した一般式(21)〜(24)で表される化合物が発光層に含まれていてもよい。
次に、実施例および比較例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
<化合物の合成>
合成例1(化合物GH2−1の合成)
化合物GH2−1の合成方法を、以下、中間体の合成方法を含めて説明する。
・合成例(1−1):中間体1の合成
まず、中間体1の合成方法を説明する。中間体1の合成スキームを次に示す。
Figure 0006101248

アルゴン気流下、4−ブロモ−1−ヨードベンゼン(11.3g、40mmol)、9−フェニルカルバゾリル−3−ボロン酸(11.5g、40mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.39g、1.2mmol)、トルエン(120mL)、および2M炭酸ナトリウム水溶液(60mL)を順次加えて、8時間加熱還流した。
室温まで反応液を冷却した後、有機層を分離し、有機溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体1(11.0g、収率69%)を得た。FD−MS(フィールドディソープションマススペクトル。以下、FD−MSと略記する。)の分析により、中間体1と同定した。
・合成例(1−2):中間体2の合成
次いで、中間体2の合成方法を説明する。中間体2の合成スキームを次に示す。
Figure 0006101248

アルゴン気流下、中間体1(10g、25mmol)、ビス(ピナコラト)ジボロン(8.3g、33mmol)、[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム(II)ジクロリド ジクロロメタン付加物(0.62g、0.75mmol)、酢酸カリウム(7.4g、75mmol)、およびN,N−ジメチルホルムアミド(170mL)を順次加えて、8時間加熱還流した。
室温まで反応液を冷却した後、有機層を分離し、有機溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、中間体2(10g、収率91%)を得た。FD−MSの分析により、中間体2と同定した。
・合成例(1−3):中間体3の合成
Figure 0006101248

上記合成例(1−1)の中間体1の合成において、4−ブロモ−1−ヨードベンゼンの代わりに3−ブロモカルバゾールを用い、9−フェニルカルバゾリル−3−ボロン酸の代わりに中間体2を用いて、同様の方法で合成した。FD−MSの分析により、中間体3と同定した。
・合成例(1−4):化合物GH2−1の合成
Figure 0006101248

アルゴン気流下、中間体3(1.6g、3.9mmol)、2−ブロモトリフェニレン(1.2g、3.9mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.071g、0.078mmol)、トリ−t−ブチルホスホニウムテトラフルオロほう酸塩(0.091g、0.31mmol)、t−ブトキシナトリウム(0.53g、5.5mmol)、および無水トルエン(20mL)を順次加えて、8時間加熱還流した。
室温まで反応液を冷却した後、有機層を分離し、有機溶媒を減圧下留去した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製し、1.5gの固体を得た。得られた化合物について、FD−MSを行った結果、化合物GH2−1と同定した。
FD−MS:
calcd for C5434=710,found m/z=710(M+,100)
合成例2(化合物GH2−2の合成)
Figure 0006101248

上記合成例1の化合物GH2−1の合成において、2-ブロモトリフェニレンの代わりに9−ブロモフェナントレンを用い、同様の方法で合成し、1.6gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−2と同定した。
FD−MS:
calcd for C50322=660,found m/z=660(M+,100)
合成例3(化合物GH2−3の合成)
・合成例(3−1):中間体4の合成
中間体4の合成スキームを次に示す。
Figure 0006101248

上記中間体1の合成において、4−ブロモ−1−ヨードベンゼンのかわりに3−ブロモトリフェニレン、9−フェニルカルバゾリル−3−ボロン酸のかわりにm-クロロフェニルボロン酸を用いた以外は中間体1と同様の方法で合成した。FD−MSの分析により、中間体4と同定した。
・合成例(3−2):化合物GH2−3の合成
Figure 0006101248

上記合成例1の化合物GH2−1の合成において、2-ブロモトリフェニレンの代わりに中間体4を用い、同様の方法で合成し、1.2gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−3と同定した。
FD−MS:
calcd for C60382=786,found m/z=786(M+,100)
合成例4(化合物GH2−4の合成)
・合成例(4−1):中間体5の合成
Figure 0006101248

上記合成例(1−1)の中間体3の合成において、3―ブロモカルバゾールの代わりに2−ブロモカルバゾールを用いて、同様の方法で合成した。FD−MSの分析により、中間体5と同定した。
・合成例(4−2):化合物GH2−4の合成
Figure 0006101248

上記合成例1の化合物GH2−1の合成において、中間体3の代わりに中間体5を用い、同様の方法で合成し、1.5gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−4と同定した。
FD−MS:
calcd for C5434=710,found m/z=710(M+,100)
・合成例5(化合物GH2−5の合成)
Figure 0006101248

上記合成例1の化合物GH2−1の合成において、2−ブロモトリフェニレンの代わりに3−ブロモフルオランテンを用い、同様の方法で合成し、1.2gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−5と同定した。
FD−MS:
calcd for C5232=684,found m/z=684(M+,100)
・合成例6(化合物GH2−6の合成)
Figure 0006101248

上記合成例5の化合物GH2−5の合成において、中間体3の代わりに中間体5を用い、同様の方法で合成し、1.0gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−6と同定した。
FD−MS:
calcd for C5232=684,found m/z=684(M+,100)
合成例7(化合物GH2−7の合成)
・合成例(7−1):中間体6の合成
Figure 0006101248

中間体4の合成において、3−ブロモトリフェニレンのかわりに3-ブロモフルオランテンを用いた以外は中間体4と同様の方法で合成した。FD−MSの分析により、中間体6と同定した。
・合成例(7−2):化合物GH2−7の合成
Figure 0006101248

上記合成例1の化合物GH2−1の合成において、2−ブロモトリフェニレンの代わりに中間体6を用い、同様の方法で合成し、1.2gの固体を得た。FD−MSの分析により、化合物GH2−7と同定した。
FD−MS:
calcd for C58362=760,found m/z=760(M+,100)
<有機EL素子の作製及び発光性能評価>
まず、実施例1〜3および比較例1〜3で用いた化合物を示す。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

(有機EL素子の製造)
・実施例1
25mm×75mm×厚さ1.1mmのITO透明電極付きガラス基板(ジオマティック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
洗浄後の透明電極ライン付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして上記電子受容性化合物(HA−1)を蒸着し、膜厚5nmのHA−1膜を成膜した。このHA−1膜上に、第1正孔輸送材料として上記芳香族アミン誘導体(HT−3)を蒸着し、膜厚50nmの第1正孔輸送層を成膜した。第1正孔輸送層の成膜に続けて、第2正孔輸送材料として上記芳香族アミン誘導体(HT−4)を蒸着し、膜厚60nmの第2正孔輸送層を成膜した。
さらに、この第2正孔輸送層上に、化合物GH2−5を蒸着し、膜厚45nmの発光層を成膜した。同時に燐光発光材料としてIr(piq)を共蒸着した。Ir(piq)の濃度は8.0質量%であった。この共蒸着膜は発光層として機能する。
そして、この発光層成膜に続けて上記化合物(ET−3)を膜厚30nmで成膜した。このET−3膜は電子輸送層として機能する。
次に、LiFを電子注入性電極(陰極)として成膜速度0.1オングストローム/minで膜厚を1nmとした。このLiF膜上に金属Alを蒸着させ、金属陰極を膜厚80nmで形成し有機EL素子を作製した。
・実施例2〜3および比較例1〜3
実施例1において、GH2−5を用いる代わりに表1に記載の化合物を用いて発光層を形成した以外は実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の特性評価)
実施例1〜3および比較例1〜3で得られた有機EL素子の輝度2000cd/m、室温及びDC定電流駆動での発光効率(cd/A)を測定した結果を表1に示す。また、初期輝度5000cd/m、室温及びDC定電流駆動での発光の半減寿命を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006101248

表1に示すように、実施例1〜3の有機EL素子は比較例1〜3に比べて高効率化、低電圧化傾向を示した。
比較例1の有機EL素子に用いた化合物H−4および比較例2の有機EL素子に用いた化合物H−5は、いずれもカルバゾール基の9位(N位)の置換基がフェニル基またはナフタレン基である。これらの置換基は、本発明の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基に比べて電子輸送特性が低いために、発光層内の正孔と電子とのバランスが崩れたと考えられる。また、カルバゾール基同士をm−フェニレンで結合した化合物H−6を用いた比較例3の有機EL素子が高電圧化した理由は、化合物H−6のHOMOの拡がりが実施例1〜3の化合物に比べて小さいために当該有機薄膜層の正孔輸送性が低下したためと考えられる。
次に、実施例4〜9および比較例4〜7で用いた化合物を次に示す。
Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

Figure 0006101248

・実施例4
25mm×75mm×厚さ1.1mmのITO透明電極(陽極)付きガラス基板(ジオマティック株式会社製)をイソプロピルアルコール中で超音波洗浄を5分間行なった後、UVオゾン洗浄を30分間行った。
洗浄後の透明電極(陽極)付きガラス基板を真空蒸着装置の基板ホルダーに装着し、まず透明電極ラインが形成されている側の面上に前記透明電極を覆うようにして化合物HA−1を蒸着し、膜厚5nmのHA−1膜を成膜した。このHA−1膜は、正孔注入層として機能する。
このHA−1膜上に、化合物HT−1を蒸着し、膜厚65nmのHT−1膜を成膜した。このHT−1膜は、第1正孔輸送層として機能する。
次いで、HT−1膜上に、化合物HT−2を蒸着し、膜厚10nmのHT−2膜を成膜した。このGHT−2膜は、第2正孔輸送層として機能する。
この第2の正孔輸送層上に、第一ホスト材料として化合物GH1−1と、第二ホスト材料として化合物GH2−1と、燐光発光性ドーパント材料としてIr(bzq)とを共蒸着した。これにより、黄色発光を示す厚さ25nmの発光層を形成した。なお、第二ホスト材料の濃度および燐光発光性ドーパント材料の濃度を10質量%とし、残りを第一ホスト材料とした。
そして、この正孔阻止層上に化合物ET−1を蒸着して、膜厚35nmの第一の電子輸送層を形成した。
さらにこの第一の電子輸送層上に化合物ET−2を蒸着して、膜厚30nmの第二の電子輸送層を形成した。
さらに、電子輸送層上に、LiFをレート1Å/minで蒸着し、厚さ1nmの電子注入層を形成した。さらに、電子注入性陰極上に、金属Alを蒸着し、厚さ80nmの陰極を形成した。
・実施例5〜実施例9および比較例4〜比較例7
実施例5〜実施例9および比較例4〜比較例7の有機EL素子は、実施例4において、発光層の第一ホスト材料および第二ホスト材料として、表2に記載の材料を用いて発光層を形成した以外は実施例4と同様にして有機EL素子を作製した。
(有機EL素子の発光特性評価)
作製した有機EL素子に対し電流密度が10mA/cmとなるように室温下で電圧を印加し、そのときのEL発光スペクトルを分光放射輝度計(CS−1000:コニカミノルタ社製)にて計測した。得られた分光放射輝度スペクトルから、ランバシアン放射を行なったと仮定し外部量子効率EQE(単位:%)を算出した。
Figure 0006101248

表2に示すように、実施例4〜9の有機EL素子は比較例4〜7に比べて高効率化、低電圧化傾向を示した。
比較例4の有機EL素子で用いた化合物H−1は、2つのカルバゾールをフェニレン基によって連結した構造を有する。化合物H−1は、一方のカルバゾールが結合する部位に対して、他方のカルバゾールがフェニレン基のm位で結合する。そのため、化合物H−1では、2つのカルバゾール同士の共役が切断されてπ共役系が拡がらず、HOMOが拡がらない。それゆえ、化合物H−1は、充分な正孔輸送特性を示さず、実施例1〜6の素子と比較して、駆動電圧が高く、発光効率が低かったと考えられる。
また、比較例5の有機EL素子で用いた化合物H−2は、2つのカルバゾールを、置換基を有するフェニレン基によって連結した構造を有する。化合物H−2では、フェニレンに置換基が結合していることにより、この置換基がカルバゾールに立体的に影響を与え、フェニレン基の平面とカルバゾールの平面との間に捻じれが生じる。そのため、化合物H−2では、2つのカルバゾール同士の共役が切断されてπ共役系が拡がらず、HOMOが拡がらない。それゆえ、化合物H−2は、充分な正孔輸送特性を示さず、実施例4〜9の素子と比較して、駆動電圧が高く、発光効率が低かったと考えられる。
また、比較例6の有機EL素子で用いた化合物H−3の場合は、カルバゾールの9位(N位)の置換基がフェニル基であり、六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基に比べて電子輸送性が低いために、発光層内の正孔と電子とのバランスが崩れ、高電圧化したと考えられる。
本発明の有機EL素子用材料を用いた有機EL素子は、表示装置や照明装置における発光素子として利用できる。
1…有機EL素子、2…基板、3…陽極、4…陰極、5…正孔注入層、6…正孔輸送層、7…発光層、8…電子輸送層、9…電子注入層、10…有機薄膜層。

Claims (16)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物。
    Figure 0006101248
    (前記一般式(1)において、
    およびAは、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、または置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基を表す。
    前記一般式(1)において、Y〜Y16は、それぞれ独立に、CRまたは窒素原子を表す。ただし、Y〜Y12のうち、Lと結合しているものは炭素原子である。前記CRにおいて、Rは、互いに独立して、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のハロアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
    ハロゲン原子、
    シアノ基、
    ヒドロキシル基、
    ニトロ基、又は
    カルボキシ基を表す。Rが複数存在する場合、複数のRは、それぞれ同一または異なる。Y〜Y16のうち、隣接する2つがCRである場合、隣接するCRにおけるRの一部同士が結合して環構造を形成していてもよい。
    ただし、A1,AおよびRの少なくとも1つは、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基を表す。
    前記一般式(1)において、LおよびLは、それぞれ独立に、単結合もしくは連結基を表す。
    前記一般式(1)において、Lは、下記一般式(2)で表される連結基を表す。)
    Figure 0006101248
    前記一般式(2)において、Y17〜Y 20 は、それぞれ独立に、CH、または窒素原子を表す。
    前記一般式(2)において、nは、1〜5の整数を表す。)
  2. 請求項1に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるY17 20 が、CHである
    ことを特徴とする化合物。
  3. 請求項1または請求項2に記載の化合物において、
    前記一般式(1)におけるA,AおよびRの少なくともいずれかにおける、置換もしくは無置換の六員環数3〜6の縮合多環芳香族炭化水素基は、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾ[b]フルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群より選択される
    ことを特徴とする化合物。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(1)は、下記一般式(5)〜(7)のいずれかで表される
    ことを特徴とする化合物。
    Figure 0006101248
    Figure 0006101248
    Figure 0006101248
    (前記一般式(5)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y10、Y12〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY11は炭素原子を表す。
    前記一般式(6)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。
    前記一般式(7)において、A、A、Y〜Y、Y〜Y、Y11〜Y16、L、LおよびLは、それぞれ前記一般式(1)と同義であり、YおよびY10は炭素原子を表す。)
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(1)におけるY〜Y12のうち、Lと結合しているものが炭素原子であり、それ以外のY〜Y12がCHである
    ことを特徴とする化合物。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(1)および前記一般式(5)〜(7)におけるAおよびAのいずれか一方は、置換もしくは無置換のフルオランテニル基、置換もしくは無置換のトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のベンゾフェナントレニル基、置換もしくは無置換のベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のジベンゾトリフェニレニル基、置換もしくは無置換のクリセニル基、置換もしくは無置換のベンゾクリセニル基、置換もしくは無置換のピセニル基、置換もしくは無置換のベンゾフルオランテニル基、および置換もしくは無置換のフェナントレニル基からなる群から選択され、
    およびAのいずれか他方は、置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基であり、
    とAは、互いに同一または異なる
    ことを特徴とする化合物。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか一項に記載の化合物において、
    前記一般式(2)におけるnが、1〜3の整数を表す
    ことを特徴とする化合物。
  8. 請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の化合物を含む有機エレクトロルミネッセンス素子用材料。
  9. 陰極と、
    陽極と、
    前記陰極と前記陽極との間に配置された、発光層を含む1層以上の有機薄膜層と、
    を有し、
    前記有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の化合物を含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 請求項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が、請求項1から請求項までのいずれか一項に記載の化合物を含有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 請求項または請求項10に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が、燐光発光性材料を含有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記燐光発光性材料が、イリジウム(Ir)、オスミウム(Os)、および白金(Pt)から選択される金属原子のオルトメタル化錯体である ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 請求項から請求項12のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記発光層が、下記一般式(21)で表される化合物を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0006101248
    [一般式(21)において、Zは、aにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している下記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは下記一般式(21−1)で表される。
    Mは、置換もしくは無置換の環形成原子数5〜30の含窒素芳香族複素環基であり、
    11は、
    単結合又は連結基であり、連結基としては、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
    又は、
    これらが互いに結合した基を表す。
    qは、1または2である。]
    Figure 0006101248
    [上記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表し、上記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つはそれぞれ、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。
    11およびR31は、それぞれ独立して、
    水素原子、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30の直鎖、分岐、もしくは環状のアルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数1〜30のアルコキシ基、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30のアリールオキシ基、
    置換もしくは無置換の炭素数7〜30のアラルキル基、
    置換もしくは無置換の炭素数3〜30のアルキルシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数8〜40のジアルキルアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数13〜50のアルキルジアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数18〜60のトリアリールシリル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルケニル基、
    置換もしくは無置換の炭素数2〜30のアルキニル基、
    ハロゲン原子、又は
    シアノ基
    である。
    ただし、複数のR11は互いに同一または異なり、
    複数のR31は、互いに同一または異なる。
    また、隣り合うR11は互いに結合して環を形成していてもよい。
    は、硫黄原子、酸素原子、N−R32、またはC(R32であり、
    32は、上記R11およびR31と同義である。]
  14. 請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(22)で表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0006101248
    [一般式(22)において、Zは、aにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。Zは、bにおいて縮合している前記一般式(21−1)または(21−2)で表される環構造を表す。ただし、ZまたはZの少なくともいずれか1つは前記一般式(21−1)で表される。
    11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
    は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
    およびR10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
    qおよびrはそれぞれ独立して、1または2を表す。
    前記一般式(21−1)において、cは前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。前記一般式(21−2)においてd,e,fのいずれか1つは、前記一般式(21)のaまたはbにおいて縮合していることを表す。]
  15. 請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(23)で表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0006101248
    [一般式(23)において、L11は、前記一般式(21)におけるL11と同義である。
    は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
    ,R10およびR11は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
    qおよびrはそれぞれ独立して、1または2を表す。]
  16. 請求項13に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    前記一般式(21)で表される化合物は、下記一般式(24)で表されることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0006101248
    [一般式(24)において、L11、Rは、それぞれ前記一般式(21)におけるL11、Rと同義であり、R11は、前記一般式(21−1)と同義である。
    また、L13およびL14は前記一般式(21)におけるL11と同義である。
    は、窒素原子またはC−R10であり、複数のXのうち少なくとも1つは窒素原子である。
    10は、前記一般式(21−1)におけるR11と同義である。
    rは、1または2を表す。
    は、
    置換もしくは無置換の環形成炭素数6〜30の芳香族炭化水素基、又は
    置換もしくは無置換の環形成炭素数1〜30の芳香族複素環基である。
    hおよびkは、それぞれ独立して、0〜4の整数であり、iおよびjは、それぞれ独立して、0〜3の整数である。]
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