JP6099542B2 - 水素製造システム、水素製造方法及びそれを利用した発電装置 - Google Patents

水素製造システム、水素製造方法及びそれを利用した発電装置 Download PDF

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Description

本発明は、光合成微生物による光合成や代謝により生成される水素の製造システム及びそれを利用した発電装置に関する。
近年、新エネルギーとして、水素エネルギーへの期待が高まっている。特に自動車用、家庭用の燃料電池の燃料として、水素のニーズは極めて大きい。燃料電池を使用した自動車は、燃料電池で水素と酸素の化学反応によって発電した電気エネルギーを使って、モーターを回して走る。従来のガソリン内燃機関自動車のエネルギー効率(15〜20%)と比較して、燃料電池を使用した自動車は、その2倍程度(30%以上)と非常に高いエネルギー効率を実現し、低出力域でも高効率を維持できる。また、二酸化炭素のような有害大気汚染物質の排出がない。
そのため、燃料電池に補給する水素の効率のよい製造方法や製造装置が望まれている。従来、水素を製造する方法として、電解液を電気分解槽により、電気分解して水素を製造する方法が知られている。例えば、特許文献1には、電気分解による電気エネルギー発生システムが開示されている。そのシステムによると、必要とする電力を低減でき、かつ、水素リークが生じないということが記載されている。
また、別の方法として、いわゆるバイオ燃料による水素発電の方法がある。光合成微生物(バクテリア、藻等)の光合成と代謝により生成される水素を効率よく使用する方法であり、例えば特許文献2にバイオ燃料電池が記載されている。光合成微生物の中でもシアノバクテリア(ラン藻類)は、光合成によって、二酸化炭素を同化して、有機物(CHO)を生産し、酸素を発生する。さらにニトロゲナーゼ反応により水素を発生するため、シアノバクテリアを使用した燃料電池や、水素発電装置が近年、注目されている。
特開2005−113246号公報 特開2006−190502号公報
上述したように、水素を製造する方法として、電気分解槽を用いた電気分解による方法、シアノバクテリアを使用して水素を発生させる方法などある。特許文献1に記載の電気分解による方法では、電解液加圧手段により、必要とする電力を低減させるものであるが、電力を低減するためには、水素を多く発生する電解液を使用することがさらに望ましい。
また、特許文献2に記載のバイオ燃料電池は、シアノバクテリアを使用しているが、その光合成と代謝をそれぞれ光照射槽と酸化還元反応槽を使用して行うため、装置の構造が複雑である。また、特許文献2はバイオ燃料電池に関する発明であり、水素製造の技術に関するものではない。
本発明の目的は、より容易に、効率よく水素を獲得できる水素製造システムを提供し、また、それにより獲得した水素又は培養液を用いて、効率のよい発電装置を提供することである。
(1)請求項1に記載の発明は、シアノバクテリアが含まれる培養液が供給された複数の容器と、光の照射手段と、光合成反応と、ニトロゲナーゼ反応により水素を発生させ、全ての容器から該水素を獲得する手段と、前記シアノバクテリアニトロゲナーゼ反応により生成されるグルタミンを含む培養液の一部全ての容器から取り出す手段と、を備えることを特徴とする水素製造システムである。
(2)請求項2に記載の発明は、処理する順序で配置されるn個(ただし、nは2以上の整数)の容器にシアノバクテリアが含まれる培養液が供給された請求項1に記載の水素製造システムにおいて、1)光を照射して光合成反応とニトロゲナーゼ反応により水素を発生させ、全ての容器から該水素を獲得するステップと、2)ニトロゲナーゼ反応によりi番目(ただし、iは、整数であり、1≦i≦n−1である。)の容器で増殖した前記シアノバクテリアを含む前記培養液の一部を取り出して、i+1番目の容器に移行するステップと、ステップ1)とステップ2)とをiが1からn−1まで繰り返した後に、n番目の容器におけるシアノバクテリアのニトロゲナーゼ反応により生成されるグルタミンを含む培養液の一部を獲得するステップと、を有する水素製造方法である。
(3)請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の水素製造システムにより生成された前記グルタミンを含む培養液を供給した電気分解槽と、前記電気分解槽に電圧を加える外部電源と、前記電気分解槽から発生する水素と酸素を化学反応させて発電させる燃料電池と、前記燃料電池の出力電圧を変換するDC−DCコンバータと、前記燃料電池から出力された直流電力を蓄える蓄電池と、前記蓄電池の充放電を制御するチャージコントローラと、前記蓄電池から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
を備えることを特徴とする発電装置である。
本発明の水素製造システムは効率よく水素を獲得でき、また、獲得した水素または培養液を用いた効率のよい発電装置を提供することができる。
本発明の一実施例である水素製造システムの構成を示す説明図である。 図1に示す水素製造システムの水素を利用した発電装置の全体構成を示すブロック図である。 図1に示す水素製造システムの培養液を利用した発電装置の全体構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態(以下実施例と記す)を、図面に基づいて説明する。なお、以下の図において、共通する部分には同一の符号を付しており、同一符号の部分に対して重複した説明を省略する。
図1は、本発明の一実施例である水素製造システム100の構成を示す説明図である。水素製造システム100は、光合成微生物株が含まれる培養液が供給された容器110を複数個備えた培養ユニット160からなる。光合成微生物株としては、シアノバクテリアを用いる。本実施例では、図1に示すように3個の容器110を1つの培養ユニット160とし、2つの培養ユニット160が1つの台に設置されており、各台には給水タンク130と管理装置140が配置されている。1つの培養ユニット160に設置される容器110の数と、1つの台に設置される培養ユニットの数はいくつ設置してもよい。また、本実施例では、このような台が2つ設置された水素製造システム100を示すが、台はいくつ設置してもよい。
3個の容器110は、容器110の底を支える底面と固定枠150により固定されており、それぞれが給水タンク130と給水ホース(図示せず)で繋がれている。また、本発明の水素製造システム100を囲む溶媒ハウスは、全面がガラスからなるガラスハウスを想定しており、日中は太陽光を全面で透過し、利用できる構成となっている。
容器110も同様に、全面が光を透過し、かつ耐熱性のあるパイレックス(登録商標)ガラスなどで形成されることが好ましい。本実施例の容器110の形状は、均一に光を透過するよう球状にしてあるが、立方体などでもよい。容器110の大きさは、例えば直径40cmの球である。底面と固定枠150は、錆びにくいステンレス(例えばSUS306)で形成されることが好ましい。固定枠150の大きさは、3つの容器110を固定することができるよう、例えば、縦50cm、横50cm、高さ200cmである。
本実施例では、さらに固定枠150の各容器110付近に光を照射するライト120(蛍光灯)が設置されており、太陽光が利用できない場合にも、光を照射することができる。ライト120は固定枠150ではなく、他の部分(例えばガラスハウスの内壁面)に設置されていてもよい。
容器110のシアノバクテリアの増殖(育成)には、栄養塩類(リン酸、カルシウムなど)、二酸化炭素、窒素と水が必要である。本実施例では、給水タンク130から容器に水を供給し、水を供給した容器にシアノバクテリアと栄養塩類を入れて培養液を作り、空気中の二酸化炭素と窒素を利用してシアノバクテリアを育成する。二酸化炭素の供給には、二酸化炭素ボンベを使用してもよい。管理装置150内の温度制御装置が、室内温度を制御する。光合成の速度は、室内温度に依存し、また二酸化炭素の量や照射する光の強度にも依存する。室内温度が所定の範囲内(例えば20°Cから40°C)になるように、手動で設定してもよいし、管理装置150内に二酸化炭素測定器や光強度測定器などを設置して、自動的に最適な温度になるようにコンピュータで制御してもよい。
シアノバクテリアは光合成により、酸素を発生し、有機物(CHO)を生産する。さらにシアノバクテリアのニトロゲナーゼ反応により、窒素分子をアンモニアへと変換する窒素固定が起こり、その副産物として水素が発生する。本実施例では、この発生した水素を獲得する。
なお、ニトロゲナーゼ反応は、光を照射しなくても起きるため、太陽光が当たるときには光合成反応を起こさせ、太陽光が照射されないときには、ニトロゲナーゼ反応を起こさせるようにしてもよい。その場合には、ライト120を点灯する必要がなくなり、より節電効果が高い。
固定された窒素はアンモニアを経て、グルタミンとなり周辺の栄養細胞に送られ、シアノバクテリアの細胞の生育に利用される。そのため、栄養塩類(リン酸、カルシウムなど)は水素生産期には必要ではなく、また二酸化炭素(CO)は循環的に利用されるので、環境に対して負荷の低い、省力化された水素生産が可能である。本実施例では、水素を獲得する他、窒素固定反応により生成されるアミノ酸(グルタミン)を含む培養液を獲得する。
水素の獲得方法としては、各容器110をそれぞれ柔軟性プラスチックバックで囲いこみ、水素を獲得し、圧縮してタンク260(図2参照)に収納する方法や、容器110それ自体に蓋とホースなどでガス流路をとりつけ、水素を獲得し、圧縮して高圧タンク260に収納する方法などがある。本実施例では、容器110それ自体に蓋とガス流路をつけて、水素を獲得し、圧縮して高圧タンク260に入れる方法をとる(図示せず)。本実施例では、前述のように3つの容器110からなる培養ユニット160が4つ設置されており、合計12個の容器110から、同時に多量の水素を獲得することができる。具体的には、1つの培養ユニット160を一週間使用して、50リットルの高圧タンク260に800〜900気圧の圧力をかけた水素を充填できる。図1に示すように4つの培養ユニット160を同時に使用すれば、約2日間で50リットルの高圧タンク260に高圧の水素を充填することができ、効率的である。このような高圧タンク260を燃料電池自動車に搭載して使用すれば、600km程度の走行が可能となる。
高圧タンク260は、例えば、水素漏れを少なくするため箱型又は円筒型(両端が鏡板のものを含む)とし、材料にはシリコン合金を用いる。このシリコン合金内にステンレス2mm鋼板入り又はステンレス丸棒5mmを升5mm四角に編んだものをシリコン合金内の50mm厚内に充填挿入する。シリコン合金だけで厚さ5cm厚の場合、重さ133kg、ステンレスを入れた場合には約200kgとなり、利用するのは難しいが、シリコン合金のみで1cm厚さの場合には、約27kgとなり、利用可能である。
特に、補強充填剤として二酸化ケイ素(SiO)を燃焼合成されて、配合させたシリコン合金が好ましい。本実施例の重量32gにおけるシリコン合金は、高温強度が鉄の3倍、強度が鉄の2倍、耐熱性は鉄の4倍、耐久性、耐摩擦性は鉄の2倍、耐食性は鉄の4倍であり、鉄よりも強度、耐熱性、耐久性などの面で優れている。さらに重さは鉄の40%で鉄と比べて軽く、比重は3.2である。また、製造面においても、製造コストが低く、有害廃棄物が少なく鉄鋼並に量産が可能であるという利点がある。
次に前述した窒素固定反応により生成されるアミノ酸を含む培養液の獲得方法について説明する。シアノバクテリアのニトロゲナーゼ反応により固定された窒素はアンモニアを経て、グルタミンとなる。そして、グルタミンは培養液を介して周辺のシアノバクテリアの栄養細胞に送られ、細胞の生育に利用されてシアノバクテリアが増殖する。第1の容器で増殖したシアノバクテリアの一部を培養液ごと第2の容器110に移すことにより、第2の容器110でのシアノバクテリアの量が増え、そこでさらに増殖したシアノバクテリアの一部を培養液ごと他の容器110に移すということを繰り返すことで、グルタミンなどのアミノ酸の濃度(すなわち水素イオン濃度)が高い培養液ができる。その高濃度の培養液を獲得する。水素イオン濃度(pH)の具体的な数値は後述する。
本実施例では、例えば培養ユニット160の一番上の容器100(第1の容器)からシアノバクテリアの一部を培養液ごとその下の容器110(第2の容器)に移し、さらに増殖したシアノバクテリアの一部を培養液ごと一番下の容器110に移す。このようにすることで、一番下の容器110の培養液がシアノバクテリアの濃度の一番高い培養液であることが容易にわかり、高濃度のアミノ酸を含む培養液を獲得することができる。
この培養液は、後述する電気分解槽210(図3参照)の電気分解液に入れる目的で獲得するため、獲得する量は、使用する電気分解槽210の大きさに依存して変更する。本実施例では、前記の方法で水素を獲得した後に、培養ユニット160の一番下の容器100からアミノ酸を含む培養液を、手動で計量容器などを用いて獲得する。容器110に液体流路を取り付けて、自動的に所定の量だけ獲得できるようにしてもよい。また、培養液を獲得後は、容器110内に収容されている水が、光合成や窒素固定のために消費され、所定量以下になったときは、給水タンク130から、容器110内に水を補充することができる。このようにして、シアノバクテリアの光合成や窒素固定が繰り返し起きる。以上のように、本発明の水素製造システムでは、複数個の容器110を使用することにより、簡単なシステムで同時に多量の水素を獲得することが可能となり、また副産物として、発電装置に使用する高濃度のアミノ酸を含む培養液を獲得することができる。
〔発電装置1〕
次に、水素製造システムで生産した水素を利用した発電装置の一実施例を説明する。図2は、水素を利用した発電装置の全体構成を示すブロック図である。発電装置200は、水素と酸素の燃料供給源260、270と、燃料電池220と、DC−DCコンバータ230と、チャージコントローラ240と、スイッチ202で接続される補助電源201と、インバータ250で構成される。
水素の供給源は、前述の水素が収納されている高圧タンク260であり、酸素の供給源としては、大気中の酸素を用いてもよいし、窒素などの不純物を排除するために図2に示すように、酸素ボンベ270などを用いてもよい。水素と酸素は、配管やチューブなどのガス流路215を介して、燃料電池220に接続される。
本実施例では、燃料電池220として固体酸化物形燃料電池(SOFC:Solid Oxide Fuel Cell)を用いる。固体酸化物形燃料電池は、固体電解質221には酸化物イオンの透過性が高い安定化ジルコニアやランタン、ガリウムのペロブスカイト酸化物などのイオン伝導性セラミックスが用いられる。本実施例では、固体電解質221に安定化ジルコニアを用いる。固体酸化物形燃料電池は、固体高分子型燃料電池に比べて高効率であり、触媒を不要とする利点がある。
燃料電池220は、中央部に固体電解質221が配置され、両側に酸素が供給される空気極(正極)223、水素が供給される燃料極(負極)222が配置される。さらにその両側には水素が供給される燃料供給層225と、酸素が供給される酸素供給層224が配置されている。また、それらの外側には、酸素と水素が外部へ漏洩する事を防ぐ為に、セパレータ226が配置されている。また、空気極223の材料としては導電性セラミックス、燃料極222の材料としては、ニッケルと電解質セラミックスによるサーメットなどが用いられる。
酸素供給層224の酸素原子が空気極223で電子(e)を受け取り、O2−イオンとなり、固体電解質221に運ばれる。この化学反応を化学式で示すと以下の通りである。
燃料極222側では、固体電解質221を介して燃料極222に到達したO2−イオンと、燃料供給層225から供給された水素が化学反応を起こし、電子(e)を放出し、水(HO)を生成する。
このようにして、電気の流れが作られ、放出された電子(e)により、外部に接続される電子機器(例えばDC−DCコンバータ)が発電する。生成された水は液体口(図示せず)などを介して外部に排出される。
次にDC−DCコンバータ230について説明する。DC−DCコンバータ230は、前述の燃料電池220とチャージコントローラ240に接続されている。DC−DCコンバータ230は、燃料電池220から入力された直流(DC)電圧を要求される直流(DC)電圧に変換する装置であり、これにより出力電圧を一定に保つことができる。DC−DCコンバータは、電子スイッチ、ダイオード、及びインダクタンスを基本素子とし、電子スイッチのスイッチング動作によって電圧を変換する(図示せず)。本実施例では、燃料電池220からの入力電圧(10.5〜16V)を出力電圧12V(40A)に変換するDC−DCコンバータ230を使用する。
チャージコントローラ(充放電コントローラ)240は、DC−DCコンバータ230からの電力を蓄電池201に充電するとき、過充電を防ぐ目的で取り付けられる。本実施例で使用するチャージコントローラ240は、DC−DCコンバータ230からの入力電圧の確認、蓄電池201の電圧の確認、蓄電池201へ充放電の管理、インバータ250への電力供給などである。これらの確認や管理は、チャージコントローラ240の表示画面(例えば液晶モニタなど)に電圧、電流、電力などを表示させて行うことができる。また、パソコンに接続して、確認や管理を行ってもよい。
本実施例では、蓄電池201の電圧が、過充電を防ぐため所定の電圧(例えば14V)に至った場合に充電を停止するように設定できる。また、蓄電池201の電圧が、所定の電圧(例えば12〜13V)の時にインバータ250への電力供給を許可し、所定の電圧(例えば12V未満)の時にインバータ250への電力供給を停止するように設定することもできる。蓄電池201の過充電を防ぐための充電停止やインバータ250への電力供給の停止は、図2に示すスイッチ202によって行うこともできる。
蓄電池201は、例えば12V200Aの蓄電池を4個直列につないで蓄電池容量を9600Whとする。また、12V200Aの蓄電池を10個直列につないで蓄電池容量を24kWhとする大容量の蓄電池201としてもよい。この場合には、蓄電池201の重量は非常に重くなる(約600kg)。
インバータ250は、蓄電池201からの直流電圧を交流電圧に変換する。例えば、例えば12V200Aの蓄電池を4個直列につないだ場合には、インバータ250の出力電圧を約2.8kW(AC100V)となる。また、12V200Aの蓄電池を10個直列につないだ場合には、インバータ250への出力電圧は約4.8kW(AC100V)となる。このように、蓄電池の数を調整することで、必要とする出力電力が得られる。
本発明の発電装置は、水素1240リットルを燃料として発電4.4kWhに相当する電力が得られている。このように本発明の発電装置を使用することにより、既存の化石燃料や原子力による発電を代替、補完することができる。しかし、長時間にわたり電気を使用したい場合には、蓄電池からの電気量が足りなくなる場合もある。そのような場合には外部電源と組み合わせて、使用できるようにしてもよい。
本発明の発電装置は、特に停電などの非常時においても非常用バッテリーとして自動車用や家庭用発電に使用できる。また、本発明の発電装置で使用されるのは水素と酸素のみであり、排出されるのは水だけであることから、環境への負荷が少ない発電装置である。
〔発電装置2〕
次に本発明の別の発電装置について図3を用いて説明する。図1に示す水素製造システムの培養液を利用した発電装置の全体構成を示すブロック図である。以下、図2で説明した発電装置200と異なる構成部分を説明し、同じ構成部分については説明を省略する。
図3に示す発電装置300は、前述の燃料電池220に水素と酸素を供給する方法として、高圧タンク260ではなく電気分解槽210を用いる。電気分解槽210に使用する電解液211は、精製水に前述の水素製造システム100で生産したアミノ酸を含む培養液を加えたものを使用する。電気分解槽210に入れる培養液は、綿などを使用して濾した後の液体のみを使用してもよい。電気分解液の濃度は0.4pHから3.4pHまでの電気分解液を使用する。本実施例では、2.4pHの電気分解液を用いる。水素イオン濃度の測定は、例えばPHメーター(水質測定器)などを利用することができる。また、本実施例では、寒天などを溶かしたゼリー状の電気分解液を用いる。それにより電気分解液の蒸発を防ぐことができる。
本実施例の電気分解槽210は、箱型の電解槽に、電解液に接触して水素を発生させる電解用電極212(陰極)と、電解液に接触して酸素を発生させる電解用電極213(陽極)とを隔壁214を挟んで並んで設置させている。また、発生した水素と酸素を排出させて、燃料電池220に送り出すガス流路215を電解槽の上面に設けることができる。
電解用電極212、213に電圧を印加するために、電解用電極212、213は、配線とスイッチを介して外部電源201に接続されている。外部電源201により電解用電極212と電解用電極213との間に電圧を印加すると、電解液に含まれるアミノ酸と水を含む電解液を電気分解し、水素および酸素を発生させることができる。
電気分解槽210内の電解液が、電気分解のために消費され、所定量以下になったときは、給水タンク130から、電気分解槽210内に水を補充する。本実施例では、2つの電解用電極212、213を用いるが、短時間で水素と酸素の発生量を増やしたい場合には、2つの電解用電極212、213だけでなく、複数の電解用電極を用いてもよい。その場合には、電気分解槽210内の電解液が、電気分解のためにより早く消費され、所定量以下になるのが早くなる。
電解用電極212、213は、安定して水素と酸素を発生させるために、電解液に対する耐食性および遮液性を有する材質であることが好ましい。例えば、電解液に対して耐食性を有する白金や金などの貴金属電極が使用される。また、電解用電極212、213のうち少なくとも一方は、触媒が担持された多孔質の導電体を使用することもできる。本実施例では、特に導電性と耐食性が高く、表面積が大きい多層カーボンナノチューブ(2〜7層)を使用する。
外部電源201により電解用電極212と電解用電極213との間に電圧を印加すると、陰極の電解用電極212では、電解液中の水素イオン(H)が反応して、水素(H)が発生する。本実施例の電解液には、シアノバクテリアの窒素固定反応により生成されたアミノ酸(グルタミン)を含む培養液が入っているため、水素イオン(H)が多く含まれている。そのため、通常の水(1リットル)による電解水の水素発生量(1,240リットル)と比べて、1リットルの水に100gのアミノ酸培養液を溶かして、2.4pHの電解液を使用した場合には、900倍もの水素(1116,000リットル)が発生する。
一方、陽極の電解用電極213では、電解液中の水(HO)が反応して、酸素(O)が発生する。陰極の電解用電極212の水素の発生と、陽極の電解用電極213の酸素の発生量は、外部電源201のスイッチ202で調整することができる。すなわち、両方の気体の発生量を多くしたい場合には、スイッチ202を入れ、減らしたい場合には、スイッチ202を切ることができる。どちらか一方(例えば水素)の気体だけ増やしたい(減らしたい)ときには、片方のスイッチ202だけを入れる(切る)こともできる。
隔壁214は、電解用電極212による水素が発生している空間と、電解用電極213
を仕切るように設けることができる。これにより、水素と酸素が混合することを防止できる。隔壁214は、例えば、多孔質ガラス、多孔質ジルコニア、多孔質アルミナ等の無機膜あるいは各空間の電解液のイオン濃度を一定に保つようにするために、イオン交換体を含んでもよい。本実施例では、隔壁214にイオン交換樹脂を膜状にしたイオン交換膜を使用する。
電気分解槽210で発生した水素と酸素は、ガス流路215を介して燃料電池220の燃料供給層225と酸素供給層224にそれぞれ排出される。燃料電池220と、DC−DCコンバータ230と、チャージコントローラ240と、蓄電池201と、インバータ250の構成は、前述の発電装置200と同じ構成のため、説明を省略する。
電気分解槽210で使用される外部電源201は、任意の外部電源、例えば家庭用電源を交流から直流に変換したものや、既存の電池などでもよいし、前述の燃料電池220から出力された電力を蓄える蓄電池201でもよい。本実施例では、外部電源201を蓄電池としている。このようにすることで、外部からの電源の供給がなくても、発電装置300だけで発電が可能である。しかし、長時間にわたり電気を使用する場合などには、蓄電池からの電気量が足りなくなる場合もあり、そのようなときには、両方の電源(蓄電池、外部電源)を組み合わせて、場合によって使い分けるようにしてもよい。
以上、説明してきた本発明の水素製造システムでは、複数個の容器110を使用することにより、簡単なシステムで同時に多量の水素を獲得することが可能となる。また、複数個の容器110を使用することにより、シアノバクテリアの光合成、窒素固定反応により、高濃度のアミノ酸を含む培養液を獲得することができる。
また、水素製造システムで獲得した水素を用いて、効率のよい発電装置200を提供することができる。本発明の水素収納タンク(高圧タンク)は、二酸化ケイ素を燃焼合成して配合したシリコン合金からなることにより、水素漏れが少なく、強度、耐熱性、耐久性などが優れており、また利用可能な重さになっていることから、例えばキャンピングカーなどに載せて使用することができる。
さらに、発電装置300は、電気分解槽210に高濃度のアミノ酸を含む培養液を使用しているため、従来の電気分解槽と比べて水素発生率が高く、効率よく水素を獲得でき、発電させることができる。
本発明の発電装置は、特に非常時においても非常用バッテリーとして自動車用や家庭用発電に利用でき、さらに中小企業で使用する電力としても利用できる。
100…水素発電システム、110…容器、120…ライト、130…給水タンク、140…管理装置、150…固定枠、160…培養ユニット、200,300…発電装置、201…蓄電池、202…スイッチ、210…電気分解槽、211…電解液、212…電解用電極(陰極)、213…電解用電極(陽極)、214…隔壁、215…ガス流路、220…燃料電池、221…固体電解質、222…燃料極、223…空気極、224…酸素供給層、225…燃料供給層、226…セパレータ、230…DC−DCコンバータ、240…チャージコントローラ、250…インバータ。

Claims (3)

  1. シアノバクテリアが含まれる培養液が供給された複数の容器と、
    光の照射手段と、
    光合成反応と、ニトロゲナーゼ反応により水素を発生させ、全ての容器から該水素を獲得する手段と、
    前記シアノバクテリアニトロゲナーゼ反応により生成されるグルタミンを含む培養液の一部全ての容器から取り出す手段と、
    を備えることを特徴とする水素製造システム。
  2. 処理する順序で配置されるn個(ただし、nは2以上の整数)の容器にシアノバクテリアが含まれる培養液が供給された請求項1に記載の水素製造システムにおいて、
    1)光を照射して光合成反応とニトロゲナーゼ反応により水素を発生させ、全ての容器から該水素を獲得するステップと、
    2)ニトロゲナーゼ反応によりi番目(ただし、iは、整数であり、1≦i≦n−1である。)の容器で増殖した前記シアノバクテリアを含む前記培養液の一部を取り出して、i+1番目の容器に移行するステップと、
    ステップ1)とステップ2)とをiが1からn−1まで繰り返した後に、n番目の容器におけるシアノバクテリアのニトロゲナーゼ反応により生成されるグルタミンを含む培養液の一部を獲得するステップと、
    を有する水素製造方法。
  3. 請求項1に記載の水素製造システムにより生成された前記グルタミンを含む培養液を供給した電気分解槽と、
    前記電気分解槽に電圧を加える外部電源と、
    前記電気分解槽から発生する水素と酸素を化学反応させて発電させる燃料電池と、
    前記燃料電池の出力電圧を変換するDC−DCコンバータと、
    前記燃料電池から出力された直流電力を蓄える蓄電池と、
    前記蓄電池の充放電を制御するチャージコントローラと、
    前記蓄電池から出力された直流電圧を交流電圧に変換するインバータと、
    を備えることを特徴とする発電装置。
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