JP6099375B2 - 膨張黒鉛の使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、膨張黒鉛から成り板面に対し平行方向に優れた熱伝導率を有する、結合剤なしの熱伝導板とその製造方法に関する。本発明に基づく熱伝導板は、特に床や壁や天井等に平面的に配置された暖房装置や空調器において熱を伝達するために適用される。本発明に基づく熱伝導板は、建築工業分野以外にも、自動車、機械設備および、例えば食料品貯蔵用の温度調節タンクにおいて、熱伝達および放熱のために適用できる。
床暖房、壁暖房および天井暖房に関連して、快適な室内温度を得るために、特別な熱伝導加熱層が利用されている。熱伝導性を改善すべく、黒鉛から成る添加物を含む熱伝導性の上塗り材や漆喰等の加熱層が、特許文献1〜5で知られている。
特許文献6〜8は、床暖房等の暖房設備の構造と消音装置および電磁遮蔽への膨張黒鉛から成る成形体の利用を提案している。該成形体は以下の方法で製造される。即ち
・ 膨張性黒鉛が、流動床において或いは既に最終成形型内で、適切な熱の供給のもとで不完全膨張され、続いて、成形型内において、高温にされて膨張が終わらされる。
・ 適切な熱の供給のもとで不完全に膨張された膨張性黒鉛が、成形型内で半製品の形に圧縮され、続いて、成形型内において、高温にされて膨張が終わらされる。
・ 成形形内における膨張性黒鉛の湿り処理が、熱の供給下において黒鉛を膨張させる。
即ち、いずれの場合にも、膨張の最終段階は、最終成形型内で行われ、膨張完了後、圧縮は行なわれない。その成形型は、一方では、材料が所望形状となるようにするために、成形型が十分に閉じられ、他方では、空気が抜けるように、設計されねばならない。この方法で得られる成形体は、形状が安定し、均質な密度を有していなければならない。上述の方法の有利な形態において、膨張性黒鉛に、種々の追加材および補助材、特に結合剤が添加される。上述した製造方法では、成形型内に一様に分布された膨張性黒鉛の膨張が、全空間方向に向かって生ずるので、成形体における黒鉛の層平面は、際立った優先方向を有していない。従って、この成形体の熱伝導率は方向に無関係である。しかし、例えば壁暖房、天井暖房或いは床暖房のような平面的に配置された暖房装置要素と関係して利用するために、平面にわたる迅速且つ一様な熱分配を達成するために、平面内における優れた熱伝導が望まれる。上述した従来技術における別の欠点は、製造方法が不連続的であり、空気抜き可能な成形型の製造費が非常に高いことにある。
独国特許出願公開第19622788号明細書 独国特許出願公開第10049230号明細書 独国特許出願公開第19802230号明細書 独国特許出願公開第19538686号明細書 独国特許出願公開第19600228号明細書 独国特許出願公開第4117077号明細書 独国特許出願公開第4016710号明細書 米国特許第3404061号明細書
本発明の課題は、上述の欠点が除去され、安価に連続的に製造できる膨張黒鉛から成る熱伝導板とその製造方法を提供することにある。
この熱伝導板についての課題は、本発明によって解決される。本発明の有利な実施態様は特許請求の範囲のそれぞれの従属請求項に記載されている。
本発明によれば、圧縮された黒鉛膨張体(Graphitexpandat)を含み、熱伝導が特に板表面に沿って行われる熱伝導板が得られる。この本発明に基づく熱伝導板は、結合剤および追加材の添加なしに、形状が安定している。本発明は更に、膨張黒鉛から成るそのような熱伝導板を連続して製造する方法を提供する。
膨張黒鉛(黒鉛膨張体)の製造は、特に特許文献8(米国特許第3404061号明細書)で知られている。膨張黒鉛の製造のために、黒鉛填入化合物から黒鉛塩例えば硫化水素黒鉛或いは窒化黒鉛が、衝撃的に加熱される。その際、黒鉛粒子の体積は200〜400倍膨張し、総密度(ばら積材密度)が2〜20g/lに低下する。そのようにして得られたいわゆる黒鉛膨張体は、芋虫状或いはアコーデオン状凝集体から成っている。
完全膨張された黒鉛が方向を整えた圧力作用下で圧縮されると、黒鉛の層表面は、圧力の作用方向に対して垂直に優先して配列し、その際、個々の凝集体は相互に引っ掛かり合う。これによって、結合剤の添加なしに、自己支持形の平面形状物、例えばシート板或いは板が製造される。本発明に基づく熱伝導板の製造および機能は、この作用効果に基づいている。なおその作用効果は、平形パッキン製造用の半製品として用いる厚さ0.15〜3mmの黒鉛フィルムの製造で知られている。本発明による熱伝導板は、黒鉛膨張体の圧縮中の、方向を整えた圧力作用に基づき、組織的に異方性を有し、そのため、本発明に基づく熱伝導板は、所定の特性の有利な異方性を伴っている。本発明に基づく熱伝導板において、板平面に対し平行な黒鉛層平面の優先方向づけのため、平面に対し平行な(即ち横方向における)熱伝導は、板平面に対し垂直な熱伝導に比べ優れている。従って、本発明に基づく熱伝導板は、黒鉛フィルムで公知の熱伝導率の異方性と、例えば軽量、高い温度安定性、電磁遮蔽性、火炎遮断作用、耐食性および隣接表面への良好な適合性のような膨張黒鉛の所定の用途にとって有利な他の特性とを兼ね備えている。
本発明の他の詳細、特徴および利点を、以下、図および実施例を参照して説明する。
aからcは熱媒体を分配する管を備えた本発明に基づく熱伝導板の断面図。 本発明に基づく熱伝導板を備えた空調天井用の建材要素の断面図。 加熱スパイラルが埋設された本発明に基づく熱伝導板の平面図。
本発明に従う熱伝導板は、代表的に8〜50mmの厚さを持つ。該板は、特に好適には20〜40mmの厚さを有する。建築工業に採用される壁、床および天井要素の代表的な寸法は、100×60cm〜300×100cmである。しかし本発明に基づく熱伝導板はそれら寸法に限定されない。その長さと幅は、その製造方法が狭い制限をつけない故、意図する用途の目的に応じ選択できる。本発明による熱伝導板での膨張黒鉛の密度は、0.01〜0.5g/cm3、好適には0.01〜0.4g/cm3、特に0.05〜0.25g/cm3である。従って本発明に基づく熱伝導板は、建築工業での用途に対し、軽量構造板における要件に合っている(総密度<400kg/m3)。
本発明に基づく熱伝導板の熱伝導率は、板平面に対し平行方向において少なくとも5.5W/m・Kであり、板平面に対して垂直方向において3.6W/m・Kである。即ち平面に対し平行な熱伝導率は、平面に対し垂直な熱伝導率より少なくとも50%大きい。板平面に対し平行な熱伝導率と、垂直な熱伝導率との比率は、膨張黒鉛の圧縮が強ければ強い程、即ち熱伝導板の密度が大きければ大きい程、大きくなる。本発明に基づく熱伝導板は、例えば流体熱媒体を利用する暖房装置や電気式暖房装置に採用される。流体熱媒体、例えば水を搬送すべく、例えば銅等の金属、プラスチック、例えばポリプロピレンや網状結合ポリウレタンから成る管が利用される。金属管は熱伝達性が良いので有利である。管2は熱伝導板1に、例えば管2が板表面と面一になるように埋設され(図1a参照)、又は部分的に埋設される。即ち管2の外周面の一部が熱伝導板1の表面から浮き彫り状に突出するよう埋設される(図1b参照)。板表面から突出した管の周囲空間3は、適当な材料で充填され、例えばセメントフロア上に、上塗り材や粉砕黒鉛が塗られる。また、電気式暖房装置の電熱線が、板表面上に敷かれるか、板表面に圧入される。
管2又は加熱要素を2枚の熱伝導板1、1′間に置き、両熱伝導板1、1′を互いに押し合わせてもよい(図1c参照)。膨張黒鉛から成る2枚の熱伝導板を互いに押し合わせて構成したこの複合板は、非常に形状が安定し、板の境界面で再び緩むことはない。この形態で、埋設管の直径をほんの僅かしか超過しない厚さの複合板を得るべく、薄い板を利用するとよい。本発明による熱伝導板では、板平面に対し垂直な熱伝導率が、平行な熱伝導率より小さい故、板表面と板内に埋設された加熱要素や加熱管との大きな間隔は不利である。管や電熱線は、板表面にわたり熱を一様に分布させるべく、例えば蛇行状又はスパイラル状に配置される。電気式暖房装置の電熱線は、同じ理由から、格子状や蛇行状に配置するとよい。しかし、本発明に基づく熱伝導板の高い熱伝導率のため、加熱管や電熱線は一様な熱分布を得べく、被加熱面上に、従来通常の壁暖房装置や天井暖房装置や床暖房装置において必要な、密な網目模様を形成するように配置する必要がない。即ち格子の目、蛇行のループ又はスパイラルのターン(巻回)を密集させる必要がなく、単位面積毎の少ない格子目、蛇行ループ或いはスパイラルターンで済ませ得る。この結果、管や電熱線の長さを短縮できる。かくして本発明の熱伝導板によれば、管材料や電熱線の必要量は、熱伝導板なしの壁暖房、天井暖房又は床暖房に比べ50%迄減少する。本発明による熱伝導板への管や電熱線の埋設は、建築現場で直接行うか、又は本発明による熱伝導板と電熱線や加熱管とで予め製作した建材要素を採用する。
最も単純な実施態様では、本発明に基づく熱伝導板は、全部が膨張黒鉛から成る。本発明による熱伝導板の機能と形状安定のために、追加材および補助材、特に結合剤は不要である。しかし、母材である黒鉛膨張体に金属繊維および/又は炭素繊維を加えることで、本発明に基づく板の熱伝導率と機械強度が高まる。好適には、それらの繊維の長さは0.2〜5mmである。それらの繊維の質量按分量は、好適には5〜40%である。
本発明に基づく熱伝導板の他の実施態様では、熱伝導板を、機械的作用および別の環境的作用に対する強度並びに気密性を高めるべく、全面的或いは部分的に、プラスチック、例えば樹脂、即ち熱可塑性樹脂で含浸する。その代わりに、或いはそれに加えて、熱伝導板の1つ又は複数の表面に、部分的に或いは全面的に、特に熱伝導板の見栄えの改善と取扱いの容易化、防火、水蒸気バリヤとしての作用、断熱性と消音性の改善、衝撃感度の低下等の所定の機能を満足する塗料、被膜或いは被覆を設け得る。
熱伝導板上の被膜、例えばワニスやプラスチック層は、見栄えおよび取扱い性を改善するだけでなく、建築物の物理機能をも引き受けるか支援する。例えば金属含有ワニス層により電磁遮蔽性を改善できる。反射ワニス層は、隣接空間への熱放射を改善する。この機能は金属、例えばアルミ箔の被覆でも満される。断熱被膜は、例えば膨張ポリスチロール、ポリウレタン、ガラスウール又はミネラルウールから成る。これらは、熱損失を防止すべく、熱伝導板の被暖房室と反対側の表面に設けるとよい。
本発明による熱伝導板を他の機能を持つ層で被覆するのに適した材料は、フリース、紙、ベニヤ板、平面繊維材料(織物、カーペット、ニット、編物等)、孔開き鋼板およびプラスチックフィルムや金属箔である。これら層状複合体は、熱伝導の他に補助的に建築物の物理機能を満し(上述参照)、且つ熱伝導板の機械的安定性を強化する故、特に有利である。熱伝導板の端面は、例えば見栄えを改善し衝撃感度を減少するのに適した材料、例えばベニヤ板、プラスチックシート板或いは金属シート板で被覆するとよい。本発明による熱伝導板の他の建築工業用途に対し、少なくとも1つの表面に、部分的又は全面的に、他の建築材料への結合を可能にする被覆を設けるとよい。それに適した被覆材料は、パテ、漆喰、上塗り材、モルタルおよびコンクリートである。
本発明に基づく膨張黒鉛製の熱伝導板は、単純な平面板形状に限定されない。本発明による熱伝導板は、窪み、溝或いはビード、刻み目、よりひも(Kordel)或いは粗面、継目および貫通部および別の特別な成形部を有し得る。更に、本発明に基づく熱伝導板に、ピン、山形材、ドリフトピン、フック、アンカ或いは他の接続要素を差し込める。これら要素は、板表面或いは板端面から突出し、隣接する熱伝導板或いは他の建材要素とのかみ合い結合および/又は摩擦結合を生ずる。
本発明の熱伝導板を通常の建築材料と組み合わせて、完全な建材要素、例えば軽量建材要素を作れる。該要素は、本発明に基づく少なくとも1つの熱伝導板と、少なくとももう1つの建材要素、例えば木板、石膏厚紙板、レンガ、軽石、耐火レンガ、石灰砂岩、タイル、多孔性のコンクリートブロック、コンクリート板又はクリンカータイルからなる。
膨張黒鉛製の熱伝導板と、上述の層状物質或いは建築材料とから成る上述の複合体を製造するために、熱伝導板および/又は複合体の別の構成部品を、各々他方の材料と接続すべき表面に、接着剤或いは複合相手の粘着を生じさせる媒体、例えばパテ、漆喰、モルタル或いは別の結合剤を着ける。しかし、個々の複合部品間を、例えばキー継手或いは例えば弾性フックのようなスナップ継手でかみ合い結合してもよい。
本発明に基づく熱伝導板の製造は、次の(i)、(ii)の基本工程を含む連続法で行える。即ち、工程(i)において、黒鉛膨張体を、選択的な追加圧縮を伴って、所望の密度と厚さを持つシート板の形に圧縮する。場合によっては、次に工程(ii)で、被覆、形状形成および材料複合体を製造すべく、追加加工する。その加工は、シート板に対し連続的に行のがよい。但し、シート板からの板の切り出しは、必然的に不連続的に行う。
公知の黒鉛フィルム製造方法の場合、膨張した黒鉛粒子を、圧縮機およびロール対、通常は2組のロール対を経て導き、その際黒鉛膨張体を圧縮機に連続して供給する。ロール対間に、材料を加熱する加熱領域を配置する。この領域の温度は約600℃であり、緻密化時に材料から空気を排除するために用いる。圧縮機並びにロール対で、黒鉛膨張体に方向を整えて圧力を加え、その圧力で黒鉛粒子に層平面の平行な方向づけを生じさせる。この方法で、非常に薄い(厚さ0.15〜3mmの)フィルムが得られる。本発明に基づく熱伝導板に対し、そのような薄さは不要である。総密度が2.5〜5g/リットルの範囲にある黒鉛膨張体から、織物ベルト間の圧縮により既に、即ちロール対での更なる圧縮なしに、黒鉛を際立って方向づけしたシート板が得られることが明らかとなっている。
圧縮機から出た直後に、シート板に別の処理、例えば含浸処理を施し、或いは他の材料で被覆する。場合によっては、母材として使用する黒鉛膨張体を圧縮機に入れる前に、炭素繊維や金属繊維を添加する。しかし、僅か10〜15mmの板厚さおよび/又は高い材料密度(0.5g/cm3)が必要な際、圧縮機から連続して到来する黒鉛シート板を、1組および/又は2組のロール対を通して導くことが重要であり、その際、ロール対間において加熱することもできる。この圧縮工程は、目的に適って、例えばフリースおよび紙、平面繊維材料(織物、カーペット、ニット、編物等)、プラスチックフィルム並びに金属箔のような他の平面材料から成る覆い層の設置と組み合わされる。
それに連続的に或いは不連続的に続く次の工程で、選択的な追加圧縮を伴う連続圧縮過程で得た黒鉛シート板又は該シート板から切り出すか打抜いた板を、所望の使用形状にする。以下で全般的に追加加工と呼ぶこの工程は、含浸、被覆、冷間プレス法での板/シート板の部分変形および/又は圧縮、角形形成、例えばシート板/板の機械加工による形状成形、加熱管或いは電熱線の埋設、並びに本発明に基づく熱伝導板と通常の建材要素とから成る複合建材要素の製造のような多種多様の加工過程を含む。
含浸および表面被覆処理に対し、従来からの多種多様な方法が利用できる。含浸処理は例えば浸漬法、吹付け法或いは加圧法、真空法又は真空法と加圧法との組合せ並びに流動床でも行える。ここで被覆とは、本発明に基づく板の表面を他の材料から成る層で覆うあらゆる処理を意味する。その材料は、液体に溶解或いは分散され、又は粉末状並びに平面層材料として存在する。かかる被覆は、例えば塗装法、ワニス塗り法、吹付け法、積層法或いは巻付け法で形成され、これら方法では、含浸法と異なり、本発明に基づく板の内部の完全浸透は生じない。本発明の特別な実施態様では、建材部品を溶融樹脂で被覆する。これは例えば温度調整流動床で行うか、押出し法で行うか或いは板の大きさから許されるなら、射出成形法で行える。本発明による熱伝導板と、シート板紙、フィルム、鋼板、ベニヤ板、フリース又は平面状繊維織物、或いはポリスチロール板やポリウレタン板等の建材半製品、ガラス繊維板、ミネラルウール板、木板、石膏厚紙板、耐火レンガ、レンガ、石灰砂岩、軽石、タイル、多孔性のコンクリートブロック或いはコンクリート板、リアポール石のような別の層材料との複合が、互いに接続すべき片側面又は両側面における接着剤、結合剤、パテ、モルタルおよび漆喰の利用、或いは材料間のかみ合い結合継手、例えばキー継手や弾性フック等のスナップ継手の形成によって行える。
黒鉛シート板をもう一度、冷間圧縮法で、ロール対で又はプレスにより不連続的に、全面的又は部分的に変形させ、圧縮する。圧縮と同時に、例えば溝やビード、刻み目、かがり溝又は粗面を形成すべく、エンボス加工ロールで形状成形を行う。これは、覆い層の設置前と設置後に行える。溝、接合部又は貫通部を製造するのに適した方法は、例えば切削加工、打抜き加工、エンボス加工、フライス加工、旋盤加工および形削り加工である。その機械加工の特に優れた方式は、噴射水切削法である。或いはその加工のため、摩耗粒子ビーム(サンドブラスト、凍結CO2小球)又はレーザビームが利用できる。
追加加工の段階で、場合によっては、熱媒体分配用管や電熱線のような機能構成要素の設置も行う。或いは、これを建築現場で直接行ってもよい。その追加加工は、特にロール製品として利用できず、例えば鋼板或いはボール紙、石膏および木材から成る板製品としてしか利用できない材料から被膜や複合体を製造する際、不連続的に行う。圧縮直後に得られたシート板にはまだ存在せず、シート板を板の形に切り出した際に初めて生ずる板端面のような面を被覆し、或いは他の方法で加工せねばならない際にも、不連続方法が必要である。更に、不連続的な追加加工は、作業工程の空間的、時間的分離を可能とする。
[実施例1]
2枚の織物ベルト間で粉末状黒鉛膨張体を連続して圧縮することで、厚さ25mmのシート板を製造した。この板から、長さ30cm、幅30cmのサンプルを切り出し、その密度を測定した。その結果、0.027g/cm3の値を得た。更に、x、yおよびz方向における比熱伝導率と比電気抵抗を測定した。その結果を、次の表1にまとめて示す。
Figure 0006099375
電気伝導率並びに熱伝導率は際立った異方性を示す。熱および電流の伝達は、板表面に対し平行に、即ち、黒鉛層平面に沿って生ずる。
[実施例2]
30×70cmの面積を持つ層複合建材部品を製造した。それを図2に示す。この複合体は、厚さ18mmの硬質繊維板4と、圧縮された黒鉛膨張体から成る厚さ9mmの熱伝導板1と、厚さ1mmの孔開き鋼板5とから成る。熱伝導板の背面の硬質繊維板4は断熱のため、正面の孔開き鋼板5は見栄えの改善のために用いる。硬質繊維板と熱伝導板は互いに貼着してある。孔開き鋼板は、層複合体をその長手側面で取り囲み、硬質繊維板4に存在する長手溝6、6′に固定保持されている。この層複合体は、例えば空調天井を構成するのに適する。熱伝導板1の硬質繊維板4と反対側の表面に、アルキメデス状スパイラル7の形に巻回した直径6mmのプラスチック管(以下で加熱スパイラルと呼ぶ)を、これが板表面と面一になるように埋設した。スパイラルの最外側ターンの直径は21cmとした。スパイラル7を板1のほぼ中央に配置した。即ち、スパイラル7の最外側ターンと板右側縁との距離を、板左側縁との距離とほぼ同じにし、最外側ターンと板上縁との距離を、板下縁との距離とほぼ同じにした。
図3は、加熱スパイラル7を埋設した熱伝導板1を平面図で示す。比較対照のため、同じ寸法の層複合体を製造した。該層複合体は、本発明に基づく熱伝導板の代わりに、黒鉛板に埋設した加熱スパイラルと同じ大きさの3つの加熱スパイラルを互いに並べて埋設した石膏厚紙板を含む。これら両被試験体の加熱スパイラルに50℃の温水を貫流させた。両板の表面の、温水の貫流時間に応じた温度分布の変化を、赤外線サーモグラフィで追跡して検出した。試験の開始時、両側表面は25℃の温度を有し、表面にわたる温度勾配は認められなかった。板のスパイラルで包囲された領域とその周辺の温度の時間的経過を、表2に示す。
Figure 0006099375
本発明による熱伝導板を備えた被試験体では、膨張黒鉛の高い横方向熱伝導率のため、通常の石膏板と3つの加熱スパイラルを備える被試験体に比べて、唯一の加熱スパイラルで、極めて急速な加熱および一様な温度分布が得られた。
1、1′ 熱伝導板、 2 流体熱媒体媒体貫流用の管、 3 塗料又は破砕黒鉛材で充填された空間、 4 硬質繊維板、 5 孔開き鋼板、 6、6′ 長手溝、 7 加熱スパイラル

Claims (5)

  1. 圧縮された膨張黒鉛を、壁暖房、天井暖房、床暖房又は空調器における熱伝達のために使用する使用方法であって、
    前記圧縮された膨張黒鉛が結合剤を含まず、かつ、
    前記圧縮された膨張黒鉛がシート板であり、かつ、
    当該シート板は、全部が膨張黒鉛からなり、その厚さが8mm〜50mmであり、かつ、
    前記圧縮された膨張黒鉛の密度が0.01g/cm 3 〜0.5g/cm3である、
    方法。
  2. 請求項に記載の方法であって、
    前記シート板の表面に対し平行な熱伝導率が、前記シート板の表面に対し垂直な熱伝導率に比べて少なくとも50%高い、
    方法。
  3. 請求項に記載の方法であって、
    前記板表面に対し平行な熱伝導率が、少なくとも5.5W/m・Kである、
    方法。
  4. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法であって、
    前記シート板の厚さが15mm〜40mmである、
    方法。
  5. 請求項1からまでのいずれか1項に記載の方法であって、
    前記シート板の密度が0.05g/cm 3 〜0.25g/cm3である、
    方法。
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