JP6099111B1 - 水蒸気団放出装置、水蒸気団放出システム及び水蒸気団放出方法 - Google Patents

水蒸気団放出装置、水蒸気団放出システム及び水蒸気団放出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 高精度で効率よく加熱した水蒸気を得ることが可能な水蒸気団放出装置等を提供する。【解決手段】 水蒸気団放出装置1は、水面上に設置され、水蒸気団入力部により水面付近の水蒸気を多量に含む大気を入力して、水蒸気団加熱部により入力した大気を所望の温度に加熱して、水蒸気団放出部により上空に放出する。これにより、水蒸気を多く含む高温の大気を、所定の方向に所定の単位時間当たりの量で出力することができる。また、複数の水蒸気団放出装置の出力を束ねて大量の加熱した水蒸気団を出力することができる。これにより、加熱した水蒸気団を所望の高度に移動させて、所望の高度に流れている風に乗って加熱した水蒸気団を所定の降雨目標地域の上空に運び、雨を降らせることが可能になる。【選択図】図1

Description

本願発明は、水蒸気団放出装置、水蒸気団放出システム及び水蒸気団放出方法であって、水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置等に関する。
本願の発明者は、特許文献1及び2により新たな人工降雨技術を提案してきた。特許文献1では、毛細管作用を有する部材に対して太陽光を照射して、水蒸気を大規模に発生させることが可能な水蒸気生成装置を提案した。特許文献2では、水蒸気団生成装置の設置場所に近接して、太陽光を照射して加熱するヒータ装置を設置して所望の方向の風を起こして、大規模な水蒸気を降雨予定の場所に移送させる人工降雨システムを提案した。
特許第4164540号公報 特許第5164682号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の技術では、水を加熱して蒸発させて水蒸気にするものであった。そのため、エネルギーが、温度上昇だけでなく、気化のためにも使用されてしまっていた。また、ヒータの周囲に風が吹けば、周囲の大気は少し温まると移動してしまい、大気はほとんど加熱できないため、加熱した大気の温度がバラつき、大気を上昇させる効率も精度も悪くなるおそれがあった。例えば、面積100km2の農地に10mmの1回の降雨は、総量で1.0×106トンである。このような莫大な降雨を大量の地球温暖化に影響する炭酸ガスを放出することなく実現する必要があり、この莫大な量を水蒸気として含んだ大気を上昇させてかつ所望の高度に流れている風に乗せることが必要となる。
そこで、本願発明は、このような事情を考慮してなされたもので、効率よく加熱した水蒸気を得て高精度に放出することが可能な水蒸気団放出装置等を提供することを目的とする。
本願発明の第1の観点は、水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置であって、水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、加熱後の前記水蒸気団を放出する水蒸気団放出部を備え、前記水蒸気団入力部は、前記水蒸気団の単位時間当たりの入力量を設定する入力設定部を備え、並びに/又は、前記水蒸気団放出部は、加熱後の前記水蒸気団の放出方向及び/若しくは単位時間当たりの放出量を設定する放出設定部を備えるものである。
本願発明の第2の観点は、第1の観点の水蒸気団放出装置であって、加熱後の前記水蒸気団の温度によって、並びに/又は、加熱後の前記水蒸気団が到達する位置及び/若しくは当該位置に到達する経路によって、前記入力設定部が設定する単位時間当たりの入力量を変更し、並びに/又は、前記放出設定部が設定する放出方向及び/若しくは放出量を変更する制御部を備えるものである。
本願発明の第3の観点は、第1又は第2の観点の水蒸気団放出装置であって、前記水蒸気団入力部は、複数存在して、それぞれ、異なる方向に位置し、前記入力設定部は、水面上の風向を用いて前記各水蒸気団入力部の単位時間当たりの入力量を調整することにより、前記水蒸気団入力部の全体における単位時間当たりの入力量を増減させるものである。
本願発明の第4の観点は、第1から第3のいずれかの観点の水蒸気団放出装置であって、前記水蒸気団加熱部は、前記水蒸気団入力部が入力した前記水蒸気団に新たな水蒸気を加えて温めるものである。
本願発明の第5の観点は、第4の観点の水蒸気団放出装置であって、前記水蒸気団入力部から入力した水蒸気団を保持する水蒸気団保持部と、前記水蒸気団保持部の内部において水を保持する保水部を備え、前記水蒸気団加熱部は前記保水部が保持する水を加熱して水蒸気にするものである。
本願発明の第6の観点は、第1から第5のいずれかの観点の水蒸気団放出装置であって、前記水蒸気団放出部は、加熱後の前記水蒸気団とともに、雨粒を形成するための核部材及び/又は位置を検出可能な位置検出部材を放出するものである。
本願発明の第7の観点は、第1から第6のいずれかの観点の水蒸気団放出装置であって、当該水蒸気団放出装置を水中に沈めて再び水面へ浮上させる浮沈制御部を備えるものである。
本願発明の第8の観点は、水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出システムであって、複数の水蒸気団放出補助装置と、水蒸気団放出装置を備え、前記各水蒸気団放出補助装置は、水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光補助変換部と、入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団補助加熱部と、前記水蒸気団放出装置に対して加熱後の前記水蒸気団を放出する水蒸気団補助放出部を備え、前記水蒸気団放出装置は、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、前記各水蒸気団放出補助装置から入力した前記水蒸気団を、前記太陽光変換部が変換した前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、加熱後の前記水蒸気団を放出する水蒸気団放出部を備えるものである。
本願発明の第9の観点は、水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置における水蒸気団放出方法であって、前記水蒸気団放出装置は、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部を備え、水面上の水蒸気団を入力して前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱ステップと、加熱後の前記水蒸気団を放出する放出ステップを含むものである。
本願発明の各観点によると、水面付近の大気には多くの水蒸気が含まれていることを利用して、大気中の水蒸気という気体を加熱することにより、加熱後の水蒸気を効率よく作成することができる。そして、高温で多くの水蒸気を含む水蒸気団をまとめて上昇させることにより、水蒸気団が移動に伴い徐々に冷えたり減少したりしても、水蒸気団が移動して到達する位置を高精度に制御することが可能になる。そして、水蒸気団の出入りする単位時間当たりの量や放出方向を調整することにより、精度よく必要な位置(例えば、高度、緯度・経度により特定される位置など)に加熱後の水蒸気団を移動させることができる。これにより、必要な場所に、人工降雨を効果的に発生させることができる。さらに、本願発明は、地球温暖化対策にも活用することができる。解放された潜熱は、一部は宇宙に放出され、残りは地球に放出される。また、水蒸気から雪に変化して地表に落下してくれば、雪が解けるときに地表を冷却する。従って、本発明は、潜熱の宇宙へのエネルギーの放出と雪による冷却によって、地球温暖化の防止に寄与できる。
さらに、本願発明の第3の観点によれば、水面上を吹く風には原則として障害物がないことを利用して、少なくとも水面上の風向を考慮して、複数の水蒸気団入力部のそれぞれを開閉制御することにより、効率よく単位時間当たりの入力量を制御することが可能になる。
さらに、本願発明の第4の観点によれば、新たな水蒸気を加えつつ、水蒸気団を加熱することにより、水蒸気団に、より多くの水蒸気を含ませることができる。さらに、本願発明の第5の観点によれば、例えば高い緯度で零下の気温の場所の場合などでも、降雨を実現することが可能になる。
さらに、本願発明の第6の観点によれば、高精度で効率よく人工降雨を実現したり、水蒸気団の位置を検出したりすることが可能になる。
さらに、本願発明の第7の観点によれば、天候などが悪化して、雹、雷、高波などによる故障を防いだり、第5の観点の保水部に水を保水させたりすることが可能になる。
さらに、本願発明の第8の観点によれば、複数の装置を利用して、効率よく加熱後の水蒸気団を得ることが可能になる。
本願発明の実施の形態の一例に係る水蒸気団放出装置の(a)構成の一例を示すブロック図と(b)動作の一例を示すフロー図である。 本願発明の実施の形態に係る水蒸気団放出装置の具体的な構成の一例を示す図である。 図2の水蒸気団放出装置100における加熱部の構成の一例を示す図である。 図2の水蒸気団放出装置100に構成を付加した一例を示す図である。 図3の太陽光熱エネルギー変換部171及び172の他の一例を示す図である。 図2の浮遊基礎部120の形状の他の一例を示す図である。 複数の装置をホースにより連結した場合の具体的な一例を示す図である。
以下では、図面を参照して、本願発明の実施例について説明する。なお、本願発明は、この実施例に限定されるものではない。
図1は、本願発明の実施の形態の一例に係る水蒸気団放出装置の(a)構成の一例を示すブロック図と(b)動作の一例を示すフロー図である。
図1(a)を参照して、水蒸気団放出装置1は、浮遊部3と、複数の太陽光変換部5と、水蒸気団入力部7と、水蒸気団保持部9と、複数の水蒸気団加熱部11と、水蒸気団放出部13と、制御部15と、浮沈制御部17と、測温部19と、保水部21を備える。水蒸気団入力部7は、入力設定部31を備える。水蒸気団放出部13は、放出設定部33と、負荷放出部35を備える。
浮遊部3は、水蒸気団放出装置1を水面(例えば、海や湖などの水面)に浮遊させるためのものである。例えば、空気などを出し入れ可能な空間を持っている。
太陽光変換部5は、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する。
水蒸気団入力部7は、水面の上部付近から大気を入力する。水面の上部付近の大気は、水蒸気を多く含む。そのため、水蒸気団入力部7が入力した大気を、水蒸気団という。入力設定部31は、水蒸気団入力部7が入力する大気の単位時間当たりの量を調整する。例えば、入力口の大きさを変化させたり、複数の入力口の一部又は全部を閉じたり開いたりすることにより、入力する大気の量を調整する。また、複数存在し、異なる方向に位置する場合には、水面付近における風向を基準に開閉を調整してもよい。例えば、風が当たる位置の水蒸気団入力部7を大きく開くことにより、単位時間当たりの入力量を増加させることができる。同様に、風が当たる位置の水蒸気団入力部7の開き度合いを小さくすると、単位時間当たりの入力量を減らすことができる。また、風が当たらない位置の水蒸気団入力部7を開閉しても、単位時間当たりの入力量の変化は期待できない。更に、海における暖流の方向は多量の水蒸気を含むため、この方向の水蒸気団入力部7を大きく開くことにより、入力する水蒸気団により多くの水蒸気を含ませることができる。
水蒸気団保持部9は、水蒸気団入力部7が入力した水蒸気団を保持する。なお、水蒸気団保持部9は、内部に水を保水するなどして、水蒸気団保持部9が保持する水蒸気団に、さらに水蒸気を加えるものでもよい。ここで、内部に水を保水するときに、水蒸気団加熱部11の表面に布等を付けて保水部21とし、布等に保水して容易に気化するようにしてもよい。このとき、布の一端を水中に付けて水を付与するものでもよく、浮沈制御部17による浮沈を利用して水蒸気団放出装置1を沈めて水蒸気団保持部9の内部の水面を上昇させ、その後、水蒸気団放出装置1を上昇させて水蒸気団加熱部11の表面に水を保水させるようにしてもよい。このようにすることにより、例えば海水を利用しても、塩分などを水蒸気団保持部9に蓄積しないようにすることができる。また、水蒸気を加えないものでもよい。
水蒸気団加熱部11は、太陽光変換部5が太陽光を変換して得られた熱エネルギーを使って、水蒸気団保持部9が保持する水蒸気団を温める。太陽光変換部5及び水蒸気団加熱部11は、例えば、水蒸気団入力部7とほぼ同一の高さに位置する。太陽光変換部5及び水蒸気団加熱部11は、例えば水蒸気団保持部9の床と天井の間にあるときには、複数存在し、互いに隙間があるようにすればよい。そうすると、水蒸気団入力部7が入力した水蒸気団は、水蒸気団加熱部11で温められ、下側から隙間を通って上方に移動する。床にあるときには、このような隙間を設ける必要はない。
測温部19は、水蒸気団加熱部11により加熱された水蒸気団の温度を測定する。保水部21は、水を保持しており、水蒸気団加熱部11により温められる。図1では、保水部21は、太陽光変換部5及び水蒸気団加熱部11に対応して設けられている例を示す。
負荷放出部35は、水蒸気団保持部9が保持する水蒸気団を放出する。負荷放出部35は、水蒸気団加熱部11よりも上の場所に位置する。そのため、水蒸気団入力部7が入力した水蒸気団は、水蒸気団加熱部11により温められ、上に移動し、負荷放出部35から放出される。放出設定部33は、負荷放出部35が放出する水蒸気団の単位時間当たりの流量や、放出する方向を調整する。例えば、放出口の大きさを変化させたり、複数の放出口の一部又は全部を閉じたり開いたりすることにより、放出する水蒸気団の量を調整する。また、放出口の方向を変えたり、様々な方向に複数の放出口を設け、特定の方向の放出口を開き、他の放出口を閉じたりすることにより、方向の調整をすることができる。
制御部15は、水蒸気団放出装置1の各部の動作を制御する。
例えば、制御部15は、測温部19が測定した温度が基準温度よりも高ければ、入力設定部31に対して入力量を増加させることにより加熱対象を増加させたり、放出設定部に対して放出量を増加させることにより加熱時間を短くするようにしたりする。測温部19が測定した温度が基準温度よりも低いならば、入力量及び/又は放出量を少なくして、新たな加熱対象の流入を少なくしたり、滞在時間を延ばして加熱時間を長くしたりする。
また、制御部15は、加熱後の水蒸気団が到達する位置やその位置に到達する経路によって、水蒸気団入力部7が入力する量を変更したり、負荷放出部35が放出する水蒸気団の量や放出する方向を変更したりする。例えば、到達する高度をより高くするならば、水蒸気団入力部7や負荷放出部35が入力したり放出したりする量を増加させて、放出された水蒸気団が上昇に伴って徐々に冷えたり減少したりしても、充分な高度にまで到達させることができる。また、位置に到達するために、経路が重要になる。そのため、制御部15は、水蒸気団が到達する位置やその位置に到達する経路によって、放出設定部33が放出する方向を変更する。
負荷放出部35は、放出する水蒸気団に、雨粒の中心(核)となる物質(「核部材」という)を混入させ、人工降雨を容易にしたり、バルーンなどのように水蒸気団と共に移動する部材(「位置検出部材」という)を放出して、水蒸気団が移動して到達する位置(高度など)を測定したりできるようにする。すなわち、負荷放出部35が放出する負荷は、加熱された水蒸気団であり、核部材や位置検出部材などである。
保水部21は、水を保持する。水蒸気団加熱部11は、保水部21が保持する水を加熱する。
浮沈制御部17は、水蒸気団放出装置1を水中に沈めたり、水面へ浮上させたりする。例えば、浮遊部3に空気を入れることにより、水蒸気団放出装置1が水面に浮いているならば、空気ポンプで浮遊部3の空気を減らすことにより、水蒸気団放出装置1を水中に沈めることができる。また、水蒸気団放出装置1が水中に沈んでいるとき、浮遊部3の空気を増やすことにより、水蒸気団放出装置を再び水面へ浮上させることができる。
図1(b)は、(a)の水蒸気団放出装置1の動作の一例を示すフロー図である。まず、水蒸気団入力部7は、水面付近の大気(水蒸気団)を入力する(ステップST1)。水蒸気団保持部9は、入力した水蒸気団を保持する。水蒸気団加熱部11は、水蒸気団保持部9が保持する水蒸気団を温める(ステップST2)。水蒸気団は、温められると、下から上に移動する。負荷放出部35は、上に移動した水蒸気団を放出する(ステップST3)。
図2は、本願発明の実施の形態に係る水蒸気団放出装置の具体的な構成の一例を示す。図2の水蒸気団放出装置100は、水蒸気団放出部110と、浮遊基礎部120と、屋根部130と、側部135と、水蒸気団入力部140を備える。浮遊基礎部120と屋根部130と側部135に囲まれた部分が、水蒸気団保持部である。この実施例では、大気保持部の中に、水面10と同じ高さで水面を含んでいるとする。水蒸気団放出装置の構成は、コストパフォーマンスなどの観点から大きさなどにより変化させたり、材料・素材の改良技術によって変化したりしてよい。
水蒸気団放出装置100は、水面10の上に設置される。水蒸気団入力部140は、水面10よりも上にあり、水面付近に存在する水蒸気を含んだ大気(水蒸気団)を入力する。矢印20は、入力する大気の動きを示す。水蒸気団放出装置100の水蒸気団保持部は、入力された水蒸気団を保持する。水蒸気団保持部が保持する水蒸気団は、図3を用いて具体的に説明するように、加熱部171及び172により温められる。水蒸気団放出部110は、屋根部130に設けられ、加熱後の水蒸気団を放出する。矢印30は、加熱水蒸気団を放出する方向を示す。なお、水蒸気団入力部140は、様々な方向に複数設けられている。これらを独立に制御して、各水蒸気団入力部から入力する大気の量を制御してもよい。このとき、例えば水面における風が吹き込む方向を基準にしてもよい。
屋根部130は、水蒸気団放出装置100の上部分を覆い、透明なものである。そのため、太陽光は、屋根部130を通過して水蒸気団保持部に至る。屋根部130は、太陽光が透過でき、かつ加熱した水蒸気団を屋根部130の下に保持して、かつ水蒸気団放出装置100を水中に沈めて浮上した場合や雨が降って濡れた場合に水が屋根部から流れ落ちる構成で、かつ、加熱した水蒸気団が水蒸気団入力部から水蒸気団放出部に容易に流れる構成であれば、三角屋根や丸形屋根等の形状等で、どのような形状の構成でもよい。
屋根部130の主要部分は、例えば太陽光が透過する透明な素材であるプラスチックやガラスを用いて構成される。ただし、屋根部130は、屋根の形状を保ち、水蒸気団保持部の空間を形成するための骨を一部用いて構成してもよい。例えば、雨傘の骨のような構造を用いても構成できる。水蒸気団放出装置100の運用時には、水蒸気団保持部内の加熱した水蒸気団が膨張して、屋根を押し上げるように力が働くため、骨は強力な素材で構成する必要ではない。
図3は、水蒸気団放出装置100における加熱部の構成の一例を示す。加熱部は、太陽光熱エネルギー変換部171及び172を備える。太陽光熱エネルギー変換部171及び172(本願請求項の「太陽光変換部」と「水蒸気団加熱部」を併せたものの一例)は、薄いフィルム形状の素材で、太陽光を受光する表面は黒色であり、その表面で太陽光を受光して熱エネルギーに変換する。水蒸気団保持部に保持された水蒸気団は、この熱エネルギーにより加熱される。
図3(c)及び(d)にあるように、太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、隙間のある複数のフィルムを備える。太陽光熱エネルギー変換部171及び172のフィルムは、互いに、隙間に対応するように設置される。一定の温度に加熱できる大気の量は、水蒸気団放出装置100の内部の太陽光熱エネルギー変換部171及び172が受光する面積に比例する。そのため、図3(a)にあるように、上から見たときには、太陽光熱エネルギー変換部171及び172により、浮遊基礎部120全体を覆うようにしている。屋根部130を通過した太陽光は、ほとんどが、フィルムを照らすことになり、直接水中へと至らない状態である。
図3(b)にあるように、浮遊基礎部120の上に太陽光熱エネルギー変換部171があり、太陽光熱エネルギー変換部171の上に太陽光熱エネルギー変換部172があり、さらに太陽光熱エネルギー変換部172の上に屋根130がある。太陽光熱エネルギー変換部171及び172により大気が加熱される。太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、水面10よりも上の位置にある。
水蒸気団保持部に保持された水蒸気団は、加熱により膨張して軽くなり、水蒸気団保持部の内部で上昇する。太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、上から見ると重複しているが、実際には高さが異なり、さらに、フィルム間に隙間があって互い違いであるために、この隙間によって、加熱された水蒸気団は水面付近から屋根部130付近に上昇する。
太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、太陽光を受光する面積が大きく、かつ、水面から発生する水蒸気が流れるのを妨害しないようにすることが望ましい。例えば、太陽光熱エネルギー変換装置を布もしくはプラスチックで構成する場合、布もしくはプラスチックフィルムを互いに重なるように2重の層で構成して水面からの高さに差を持たせて、水蒸気団を流通させる。太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、例えば、互いに重なるように2重の層で構成し、水蒸気団を流通させるように構成することができる。なお、例えば太陽光熱エネルギー変換部を布で構成する場合、布を互いに重なるように2重の層で構成し、水蒸気団を流通させる。
また、水蒸気団保持部の内部の水面10は、太陽光熱エネルギー変換部171及び172で加熱された水蒸気団によって温められて、水蒸気が発生する。発生した水蒸気は、水蒸気団入力部140から入力された水蒸気団と同様に、水蒸気団保持部における水面付近から、加熱されてさらに軽くなり、太陽光熱エネルギー変換部171及び172の隙間を通過して上昇し、水蒸気団放出部110から外部に放出される。
このように、本実施例では、水蒸気団保持部の水蒸気団は、水面付近の大気を入力するために水蒸気を多く含み、さらに、水蒸気団保持部の内部の水面を温めて発生した水蒸気をも含んだ水蒸気団である。
浮遊基礎部120は、水蒸気団放出装置100全体を水面上に浮遊させるために軽い素材で全体の形状を保つ程度の強度をもつように構成される。例えば、浮遊基礎部120の下部に、一定量の空気を閉じ込める空間を装備すれば、水蒸気団放出装置100全体を水上に浮遊させることができる。
側部135や浮遊基礎部120は、水蒸気団放出装置100がより太陽光を受光できるように、その素材を太陽光が透過できる透明なガラスやプラスチックで構成することもできる。側部135や浮遊基礎部120が透明であれば、太陽の位置が水面に近くなっても、太陽光を太陽光熱エネルギー変換部で受光でき、より長く水蒸気団放出装置100を運用できる。また、低緯度の地域では、常時、太陽の位置が水面に近くなっているが、透明な側部135や浮遊基礎部120であれば運用できる。
浮遊基礎部120、屋根部130、側部135、太陽光熱エネルギー変換部171、172は、約0℃から150℃の高熱にさらされる可能性があるため、その熱に耐えられる素材を用いる必要がある。
一般に、ロウソクやたき火によって、その周りの大気は温められて上昇して、周りの大気によって薄められて冷えて上昇が止まる。その上昇高度は、たき火の方がロウソクより高い。つまり、加熱した大気の上昇高度は、(加熱した大気の量・温度・上昇速度)と(周囲の大気の大気温度・風速・風向)に依存する。
水蒸気団放出装置100の大気出力部から出力された大気は、周囲の大気に比較して温度が高く、かつ軽く、上昇する。その上昇速度や上昇高さは、放出された水蒸気団の温度と装置の外部大気の温度との差に依存する。また、風は、高度によって方向や速度が異なるものが吹いている。このため、目的地で人工降雨を実現するには、水蒸気団放出装置100から加熱した水蒸気団を放出し、目的地の所定の高度に加熱した水蒸気団を運ぶ風が吹いている高度まで正確に上昇させればよい。そうすれば、一部は雲になり、風によって水蒸気と雲は加熱した水蒸気団とともに降雨目的地まで運ばれて、目的地で人工降雨を実現できる。
水蒸気を含む加熱した大気が目的の高度に上昇しても、加熱した大気が雲に十分にならない場合が考えられる。このような場合、水蒸気が雲になりやすくするために、水蒸気が水滴になるための核(煤や炭素粉末や塩粉末など)を、加熱した水蒸気団に散布する負荷放出部を装備して、加熱した水蒸気団とともに煤等を上昇させてもよい。また、水蒸気から水滴もしくは雪に変化するときに、潜熱が大気中に解放される。また、目的地で水蒸気と雲が降雨にならなければ、ドライアイス等によるSeedingを実施して降雨を実現してもよい。
上記解放された潜熱は、一部は宇宙に放出され、残りは地球に放出される。また、水蒸気から雪に変化して地表に落下してくれば、雪が解けるときに、地表を冷却する。従って、本発明は、潜熱の宇宙へのエネルギーの放出と雪による冷却によって、地球温暖化の防止に寄与できる。また、水蒸気を含む加熱した大気が目的の高度に上昇しても、必ずしも水滴になるわけではない。従って、水滴になる際に放出する潜熱も、必ずしも放出されるわけではない。また、潜熱に起因して発生する積乱雲、竜巻は、必ずしも発生しない。一方、つむじ風は、一定の大気が周囲の大気に比較して高温であれば、発生する。このため、本願発明の水蒸気生成上昇設定装置によって、一定以上の大気を一定温度以上に加熱して出力すれば、つむじ風が発生できる可能性がある。
また、水蒸気を含む加熱した大気や雲がどのように降水目的地に移動しつつあるかを正確に確認するために、加熱した水蒸気団とともに、水蒸気団放出部からGPSやGPS情報を通信する通信機器等を搭載した位置観測バルーン等を放出して加熱した大気と一緒に移動させて、通信機器を介して加熱した大気の位置をリアルタイムに観測することもできる。位置観測バルーンは、気象観測等に利用されているものと同様にヘリウムを充填したバルーンにGPSや通信機器を装備したもので、自重とヘリウムによる浮力が釣り合っている構成である。したがって、風がないと空中に留まっているが、風があれば風に乗って風と一緒に移動し、時間がたってバルーンからヘリウムの一部が抜けると、自重が浮力より大きくなって、落下してくる。落下したバルーンは、その位置がGPS情報によって把握でき、回収して再利用される。
加熱後の水蒸気団と共に放出した位置観測バルーンの観測結果から、加熱した水蒸気団の移動速度や位置を把握することによって、降水目的地に加熱した大気や雲が到達したこと、もしくは降水目的地と異なることを知ることができる。降水目的地に加熱した水蒸気団や雲が到達したことが分かった場合、そこでドライアイス等を散布して降水をより確実にするシーディングを実施できる。加熱した水蒸気団や雲が降水目的地と異なる場所に到達したことを知ることができれば、次回には、加熱した水蒸気団や雲の移動経路に基づいて加熱した大気の上昇場所や高度の修正を行ったりして、目的地に降水させることができる。
太陽光熱エネルギー変換部171及び172は、水蒸気団放出装置100が受光する太陽光エネルギーを変換した熱エネルギーによって、水蒸気団入力部140から入力した水蒸気団を加熱している。このときの水蒸気団放出装置100が受光する太陽光エネルギー量は、その時の天気に依存して変化する。例えば、受光する太陽光エネルギー量は曇りの日に少なく、晴れの日には多い。このため、加熱部が、同じ時間、水蒸気団を加熱しても、加熱した水蒸気団の温度は、晴れの日は高く、曇りの日は低くなり、日によって異なる。従って、加熱した後の温度を一定にするためには、受光する太陽光エネルギー量が少ない曇った日には、入力した水蒸気団を水蒸気団保持部に長時間保持し、晴れた日には短時間保持することで実現できる。このため、入力した水蒸気団を加熱部で保持する時間長は、天気に依存して日々設定する必要がある。
入力した水蒸気団が水蒸気団保持部の内部に留まる時間は、水蒸気団入力部140が入力する水蒸気団の単位時間当たりの量(速度)と水蒸気団放出部110から放出される水蒸気団の単位時間当たりの量(速度)に依存する。留まる時間を長くするには、入力及び/又は放出される水蒸気団の速度を遅くすることで実現できる。このため、水蒸気団放出装置100は、水蒸気団を目的の高度まで上昇させるための温度に加熱するために、例えば、水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110の口の面積を、そのときの天気等の外部条件に合わせて、広くしたり狭くしたりすることで実現できる。天気の変化が午前と午後に一回変化するような急速でないならば、水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110の口の面積を手動で適時に変更して運用することができる。従って、安定した気象条件下の地域では、制御部を省略して人力によって制御する低コストで簡易な水蒸気団放出装置100が適用できる場合もある。
また、天気の変化が午前と午後に数回を超える変更を実施する場合には、加熱した水蒸気団の温度を測定して、その温度が所望の温度になっていない場合に、自動的に水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110の口の面積を変更する。図4に示すように、水蒸気団放出装置において、遠隔温度測定器180を大気出力口の内部に装備して、遠隔制御空気ポンプと遠隔制御器を装備した浮き150を設置して、さらに、水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110に、その口の面積の遠隔制御機能を装備した構成で実現することができる。図4の水蒸気団放出装置は、加熱した水蒸気団の温度を遠隔自動測定して地上の管理センターにその測定温度情報を送信して、管理センターはその測定値とその地域のリアルタイム気象情報に基づいた適切な水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110の面積値を決定して、その適切な面積値を示す指示情報を水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110に送信して、水蒸気団入力部140及び/又は水蒸気団放出部110は指示情報に基づいて適切な面積値を適用する。
すなわち、加熱した水蒸気団の温度を測定する温度測定器を備え、温度測定器の測定値に対応して水蒸気団入力部及び/又は水蒸気団放出部の口面積を増減することで、加熱した水蒸気団の温度を所望の温度にすることにより、加熱した水蒸気団を所望の高度に移動(上昇)させることが可能となる。
また、図4に示すように、水蒸気団放出装置に、1個以上の碇160を装備して、碇160に固定されることによって、海流などの水流によって流れずに、所定の地点で固定して運用することができる。さらに、設置姿勢が波によって大きく変わらず、転覆しない姿勢を保つことができる。なお、水蒸気団放出装置が水中に沈んだ場合には、碇の鎖との接続点が下がると、水蒸気団放出装置100の深度が下がって固定される。
例えば、台風などの海が荒れる時、水蒸気団放出装置を避難する必要がある。例えば、水蒸気団放出装置を分解して、陸上に避難できるようにしてもよい。また、嵐の場合、水上では風や雨が吹き荒れていても、一定以上の深さの水中(例えば水面下50m程度の水中)では多少の揺れはあっても荒れていない。このため、水蒸気団放出装置100を水中に沈めて避難させることができる。
そこで、図4に示すように、水蒸気団放出装置に、浮き150と、浮遊基礎部126に空気ポンプ装置と空気を出し入れする浮遊基礎部126の柔軟な素材で構成された密閉された空間とを装備する。浮き150は、空気ポンプ装置を介して浮遊基礎部126の密閉された空間に空気を出し入れする口がある。台風などの嵐のときに、水蒸気団放出装置100を水中に沈めて避難させるには、浮遊基礎部126の密閉された空間から空気を抜いて沈める。再度水蒸気団放出装置を浮かせるには、空気ポンプでこの浮き150を介して浮遊基礎部126の密閉された空間に空気を挿入して、水面上に浮かせる。もちろん、水蒸気団放出装置100は、濡れても故障しない構成にする。この空気ポンプの装備位置は、水蒸気団放出装置のどの部分に装備してもよいが、水面上に水蒸気団放出装置100が浮遊しているときに、その重さがあるので水蒸気団放出装置100の低い位置に装備する方が望ましい。浮遊基礎部126に空気ポンプ装置と密閉された空間は、1個以上装備される。
浮遊基礎部126の密閉された空間を柔軟なプラスチック等で構成した場合、空気ポンプで密閉された空間から空気を出すことで、浮遊基礎部は浮力を失い水中に沈み、また、空気ポンプ装置で容器に空気を入れすることで、浮遊基礎部が浮力を得て、水蒸気生成上昇設定装置は再度水面に浮きあがる。 一方、この容器を固い金属等で構成した場合、沈める場合、容器に水を入れ、逆に浮かべる場合、容器に空気を入れて水を押し出すことで、同様に運用できる。
このように、水蒸気団放出装置は水中に沈むときがある。このため、太陽光熱エネルギー変換部も水中に沈む場合があり、太陽光熱エネルギー変換部を布で構成した場合、嵐がおさまり水蒸気団放出装置が再度水上に浮かび運用されるときに、布が水を吸って重くなるとともに、加熱した水蒸気団が布を通過できなくなる。布に、ところどころ穴を作り、布が濡れていても加熱した水蒸気団を通過するようにするようにもできるが、その面積では、太陽光を受光できないため効率が少し落ちる場合がある。図3にあるように、プラスチックのフィルムで構成した場合、プラスチックフィルムは水切れがよく、ほとんど重くはならない。
また、太陽光変換部を布やプラスチックフィルムで構成する場合には、その長さが長くなると、それらがたわんで水中につからないように、適時屋根から布やフィルムをつるすように構成して、加熱部の内部にも水上に浮遊する基礎部を設けて接続して水に触れない構成にしてもよい。
太陽光熱エネルギー変換部の構成は、色々な構成で実現できるが、太陽光を受光する面積を可能な限り大きくすることと、例えば表面が黒色の素材で、入力した水蒸気団を所望の温度に加熱して水蒸気団放出部に移動させることができれば、どのような構成にしてもよい。図5は、図3の太陽光熱エネルギー変換部の他の例を示す。
図5(a)及び(b)にあるように、円形の太陽光熱エネルギー変換部173を接続した構成でも実現できる。この構成においても、屋根部を透過してくる太陽光の大部分を太陽光熱エネルギー変換部173が受光できるようにして、かつ水蒸気団が上昇できるように、傾斜させて隙間を構成している。
また、図5(c)及び(d)にあるように、浮遊基礎部120と同様に水面に浮遊させた構成にして、その上の表面を黒くして構成してもよい。その場合、水蒸気団放出装置を水面下に沈める場合には、浮遊基礎部120と太陽光熱エネルギー変換部の空気を抜いて、一緒に沈めたり浮遊させたりする必要がある。このように水面に浮遊させた構成した太陽光熱エネルギー変換部を水蒸気保持部全体に広げて、浮遊した状態に構成にすると、水面は水蒸気保持部から無くなり、水蒸気団保持部では大気を加熱するだけで水蒸気を発生しない。
太陽光熱エネルギー変換部は、図5(c)及び(d)に示すように、水蒸気団保持部の内部に、内部の浮遊基礎部122の上表面を黒色に彩色し、太陽光熱エネルギー変換部の接着部173で浮遊基礎部120に接着した構成でも実現できる。この構成においては、太陽光熱エネルギー変換部は内部の浮遊基礎部122に上部面で実現されている。屋根部を透過した太陽光は、加熱部の水面と内部の浮遊基礎部122に上表面の2つの面によってと分割されているため、加熱部の水面と内部の浮遊基礎部122に上表面が受光する太陽光エネルギーの総量は、水面が受光する太陽光の分だけ減少している。
また、低緯度や中緯度の地域における水の周囲の大気温度は約30℃であるが、高緯度地域の水の周囲大気温度は、0℃以下の場合もある。このため、水蒸気団保持部に水温が低い水があると、その水が水蒸気団を常時冷やすため水蒸気が発生しにくい。このため、図5(c)及び(d)と同様に、内部の浮遊基礎部122を水面に浮遊させて、水蒸気団保持部の内部から水面を無くす。更に、太陽光変換部の上表面に黒色の布を乗せて固定して、保水部を形成する。このように構成して、浮遊基礎部122から空気を抜いて沈めて布を濡らせて、再度浮上させると、布に水の薄い膜ができる。水の膜は少量であり、少量の熱エネルギーで水蒸気に変換できる。そこで、上表面の濡れた布を加熱部で加熱して水蒸気を発生させる。濡れた布の水が水蒸気になり、布が乾いたら、再度水中に沈めて、布を湿らせて浮上させて加熱する。このように運用することで、低緯度地域でも水蒸気を発生して加熱した大気に含めて出力できる。ここでは、太陽光熱エネルギー変換部に布を乗せた構成について述べたが、保水部の構成としては、太陽光変換部の上面に保水機能を持たせれば、どのように構成してもよい。
屋根部130は、太陽光を透過させるため透明なプラスチックかガラス等で構成される。水蒸気生成上昇設定装置を水面下に沈める場合には、この屋根も水中に沈む。再度浮上した場合に、屋根が水を含んで重くならないようにするために、プラスチックかガラス等で構成すると効果的である。また、再浮上時や雨天時には、屋根部から水が容易に流れ落ちるように、屋根部に適切な傾斜を持たせて構成する。また、撥水機能を持たせて水蒸気団放出装置100を構成することもできる。
なお、浮遊基礎部120の形状は、図2に示す円柱状に依存せず、安定して水面10に浮遊できて、内部に太陽光熱エネルギー変換部を含める構成であればよい。例えば、図6に示すように、(a)6角形や(b)長方形や(c)それらの接続形などで構成してよい。また、水蒸気団放出部及び水蒸気団入力部の形状は、特定の形状に固定されない。例えば、円形以外にも、4角形でも6角形でもよい。
また、本願発明は、図6(a)に三角の形状で示すように、浮力基礎部に接着した支柱基礎部125を装備しても構成できる。この支柱基礎部125は、屋根部と浮力基礎部と接着して屋根部を支えるものである。支柱基礎部125によって、一定以上の重さがある屋根部でも浮力基礎部に安定に固定することができる。支柱基礎部125は、浮遊基礎部の形状・構造にかかわらず、適用してもよい。しかし、水蒸気団放出装置100の運用時には、加熱部内の加熱した大気が膨張して、屋根部を押し上げるように力が働くため、支柱基礎部125は強力な素材で構成する必要ではない。
また、水蒸気団放出部及び水蒸気団入力部の形状は、特定の形状に固定されない。例えば、図1や図8には、円形で示されているが、四角形をでも、6角形でもよい。
本願発明の水蒸気団放出装置100は、一部通信装置等で電力を利用する。この電力を発生する装置をして、太陽電池によって電気を発生させるために、太陽電池を屋根部の一部や浮力基礎部の一部に適用する場合がある。このため、この部分では、透明にはできない部分が構成される場合がある。また、一部ガソリン等を用いた発動機を用いて、駆動力やエネルギーを発生させて使用してもよい。
また、本願発明は、図7(a)及び(b)にあるように、複数の装置をホース等により連結したものとしてよい。図7に示す例は、より高温度で加熱する必要がある場合や、一カ所で多くの水蒸気団を放出する必要がある場合などで、水蒸気団放出装置を水蒸気団放出補助装置として適用して、それらの出力を別の水蒸気団放出装置に入力して、まとめて加熱して出力する例である。具体的には、水蒸気団放出システムは、複数の水蒸気団放出補助装置と、水蒸気団放出装置を備える。
各水蒸気団放出補助装置は、水蒸気団放出装置と同様な機能を持ち、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光補助変換部を備え、水蒸気団入力部が水面上の水蒸気団を入力し、水蒸気団補助加熱部が入力した水蒸気団を熱エネルギーにより温める。各水蒸気団補助放出部と水蒸気団放出装置の水蒸気団入力部とは、ホースで接続されている。水蒸気団補助放出部は、加熱後の水蒸気団を、水蒸気団放出装置に放出する。
水蒸気団放出装置は、太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部を備え、各水蒸気団放出補助装置から水蒸気団を入力し、これまでの説明と同様に、水蒸気団加熱部が、太陽光変換部が変換した熱エネルギーにより温め、水蒸気団放出部が、加熱後の前記水蒸気団を放出する。
小規模な水蒸気団放出装置100を個々に出力した場合には、周囲の大気によって簡単に冷却されて加熱した大気の上昇高度が低くなる可能性がある。それに対し、水蒸気団放出装置300は、小規模な水蒸気団放出装置100を複数束ねて出力した場合には、周囲の大気によって簡単に冷却されずに加熱した大気の上昇高度をより高くできる。水蒸気団放出装置300を適用する地域の気象条件に合わせて、束ね方を適用する。
本願発明は、効果的に人工降雨を発生させることができ、干ばつ対策などに広く利用することができる。
1 水蒸気団放出装置、3 浮遊部、5 太陽光変換部、7 水蒸気団入力部、9 水蒸気団保持部、11 水蒸気団加熱部、13 水蒸気団放出部、15 制御部、17 浮沈制御部、19 測温部、21 保水部、31 入力設定部、33 放出設定部、35 負荷放出部、10 水面、20 入力大気、30 放出大気、100 水蒸気団放出装置、110 水蒸気団放出部、111 口面積を制御可能な水蒸気団放出部、120,123,124 浮力基礎部、121 内部の浮力基礎部、122 太陽光熱エネルギー変換装置と内部の浮力基礎部の合体、125 支柱基礎部,126 空気挿入脱出可能な浮力基礎部、130 屋根部、140 水蒸気団入力部、141 口面積を制御可能な水蒸気団入力部、150 遠隔制御空気ポンプと遠隔制御器を装備した浮き、160 碇、170 水蒸気団放出部のホース、171 太陽光変換部の下層部、172 太陽光変換部の上層部、173 太陽光変換部、174 太陽光変換部の接着部、180 測温部、200,300 複数の加熱した大気を入力して束ねて出力する水蒸気団放出装置

Claims (6)

  1. 水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置であって、
    水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、
    太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、
    入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、
    加熱後の前記水蒸気団を放出する負荷放出部を備える水蒸気団放出部と、
    制御部を備え
    前記水蒸気団入力部は、前記水蒸気団の単位時間当たりの入力量を設定する入力設定部を備え、並びに/又は、前記水蒸気団放出部は、加熱後の前記水蒸気団の放出方向及び/若しくは単位時間当たりの放出量を設定する放出設定部を備え、
    前記制御部は、加熱後の前記水蒸気団の温度によって、並びに/又は、加熱後の前記水蒸気団が到達する位置及び/若しくは当該位置に到達する経路によって、前記入力設定部が設定する単位時間当たりの入力量を変更し、並びに/又は、前記放出設定部が設定する放出方向及び/若しくは単位時間当たりの放出量を変更する、水蒸気団放出装置。
  2. 水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置であって、
    水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、
    太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、
    入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、
    加熱後の前記水蒸気団を放出する負荷放出部を備える水蒸気団放出部とを備え、
    前記水蒸気団入力部は、前記水蒸気団の単位時間当たりの入力量を設定する入力設定部を備え、並びに/又は、前記水蒸気団放出部は、加熱後の前記水蒸気団の放出方向及び/若しくは単位時間当たりの放出量を設定する放出設定部を備え、
    前記水蒸気団入力部は、複数存在して、それぞれ、異なる方向に位置し、
    前記入力設定部は、水面上の風向を用いて前記各水蒸気団入力部の単位時間当たりの入力量を調整することにより、前記水蒸気団入力部の全体における単位時間当たりの入力量を増減させる、水蒸気団放出装置。
  3. 前記水蒸気団加熱部は、前記水蒸気団入力部が入力した前記水蒸気団に新たな水蒸気を加えて温める、請求項1又は2に記載の水蒸気団放出装置。
  4. 前記水蒸気団入力部から入力した水蒸気団を保持する水蒸気団保持部と、
    前記水蒸気団保持部の内部において水を保持する保水部を備え、
    前記水蒸気団加熱部は前記保水部が保持する水を加熱して水蒸気にする、請求項記載の水蒸気団放出装置。
  5. 水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出装置であって、
    水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、
    太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、
    入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、
    加熱後の前記水蒸気団を放出する負荷放出部を備える水蒸気団放出部と、
    当該水蒸気団放出装置を水中に沈めて再び水面へ浮上させる浮沈制御部を備え
    前記水蒸気団入力部は、前記水蒸気団の単位時間当たりの入力量を設定する入力設定部を備え、並びに/又は、前記水蒸気団放出部は、加熱後の前記水蒸気団の放出方向及び/若しくは単位時間当たりの放出量を設定する放出設定部を備える、水蒸気団放出装置。
  6. 水面に存在して水蒸気団を放出する水蒸気団放出システムであって、
    複数の水蒸気団放出補助装置と、水蒸気団放出装置を備え、
    前記各水蒸気団放出補助装置は、
    水面上の水蒸気団を入力する水蒸気団入力部と、
    太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光補助変換部と、
    入力した前記水蒸気団を前記熱エネルギーにより温める水蒸気団補助加熱部と、
    前記水蒸気団放出装置に対して加熱後の前記水蒸気団を放出する負荷補助放出部を有する水蒸気団補助放出部とを備え、
    前記水蒸気団放出装置は、
    太陽光を受光して熱エネルギーに変換する太陽光変換部と、
    前記各水蒸気団放出補助装置から入力した前記水蒸気団を、前記太陽光変換部が変換した前記熱エネルギーにより温める水蒸気団加熱部と、
    加熱後の前記水蒸気団を放出する負荷放出部を有する水蒸気団放出部を備える、水蒸気団放出システム。
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