JP6096584B2 - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents

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Description

本発明は、無線通信システム及び無線通信方法に関し、更に詳しくは、再送制御や送信レート制御等のマルチキャスト送信制御技術に関する。
無線通信システムにおいては、基地局装置から無線端末装置に対して1対多の送信が行われることがある。このような1対多の送信は一般にマルチキャスト送信と呼ばれる。これに対し、1対1の送信はユニキャスト送信と呼ばれる。商用の無線通信システムにおけるマルチキャスト送信では、1つの基地局装置がマルチキャスト送信した通信データを受信する無線端末装置の数が1000以上になることもある。
ところで、無線通信では、電波伝播状況などにより、伝送途中において通信データが誤りを含んでしまうことが多い。そこで、送信時において通信データに巡回冗長符号を含めておくことにより受信側装置で誤りを検出できるようにし、受信側装置は、誤りを検出した場合に再送要求を返信し、送信側装置は、再送要求を受信すると、再送を要求された通信データ(誤りの検出された通信データ)を再送するようにすることが広く行われている。
再送要求処理が行われるという点ではマルチキャスト送信もユニキャスト送信も同様であるが、マルチキャスト送信の場合、多数の無線端末装置が一度に同じ通信データを受信することになり、再送要求も一度に多数送信されることになる。このため、各無線端末装置に無線リソースを排他的に割り当て、その無線リソースを利用して再送要求を送信させるようにすると、無線リソースが足りなくなってしまう場合がある。
このような問題の解決を図った技術として、本願出願人による特許文献1に記載された技術がある。この技術では、通信が到達したことを無線端末装置から基地局装置に通知するための受信状態報知信号の電力と、無線端末装置から基地局装置に対してパケットの再送を要求するための再送要求信号の電力との比により定められた所定の基準再送要求率を指標として、マルチキャスト送信の制御を行っている。
具体的には、複数の無線端末装置から送信される受信状態報知信号のOFDMシンボルを構成する第1のサブキャリア群の各サブキャリアの受信電力を統計多重加算して第1の合計値を取得し、この第1の合計値に上記の基準再送要求率を乗算したものを閾値として取得する。そして、複数の無線端末装置から送信される再送要求信号のOFDMシンボルを構成する第2のサブキャリア群の各サブキャリアの受信レベルを統計多重加算して第2の合計値を取得し、この第2の合計値が上記閾値よりも高い場合、マルチキャスト送信の送信レートを下げ、またはパケットを再送するなど、マルチキャスト送信の制御を実施する。
このように特許文献1に記載された技術では、複数の無線端末装置の受信状態報知信号の電力値の第1の合計値と複数の無線端末装置の再送要求信号の電力の第2の合計値との比を指標とすることにより、マルチキャスト送信の制御を必要とする無線端末装置の存在を有意に判定し、各無線端末装置に無線リソースを排他的に割り当てることなく、その台数に応じてマルチキャスト送信の制御を実施することを可能にしている。
また、複数の無線端末装置の受信状態報知信号、もしくは再送要求信号の電力が基地局装置で位相関係を考慮せず単純加算され、この電力を測定する事を特徴としているため、基地局装置での通信方式に応じた方法で無線端末装置からの信号を各々復調する様な、装置の複雑化を回避している。
特開2008−277913号公報
上述の特許文献1に記載された技術によれば、無線端末装置から基地局装置に到来する再送要求信号の電力値は、無線端末装置が基地局装置に近いほど高くなる傾向を示す。このため、以下に説明するように、パケットの再送等を必要とする無線端末装置の台数に応じてマルチキャスト送信の制御を適切に実施することができなくなる場合がある。
無線端末装置の送信電力を固定した場合、基地局装置と無線端末装置との間の距離が離れる程、基地局装置において無線端末装置から受信される応答信号の電力値が小さくなる。逆に言えば、基地局装置において近くの無線端末装置から受信される応答信号の電力値は、遠くの無線端末装置から受信される応答信号の電力値よりも相対的に大きくなる。このため、基地局装置が、応答信号の電力値からパケットの再送等を必要とする無線端末装置の存在を判定する際に、近く無線端末装置が、遠くの無線端末装置よりも大きな影響力を持つ。
例えば、基地局装置と無線端末装置との間の距離の差により、遠くの無線端末装置から受信される再送要求信号の電力値が、近くの無線端末装置から受信される再送要求信号の受信電力の10分の1である場合、基地局装置に近い無線端末装置は、マルチキャスト送信の制御を行うか否かの判定において、遠くの無線端末装置よりも10倍の影響力を持つことになる。この結果、基地局装置と無線端末装置との間の距離が上述の第2の合計値に反映され、再送要求信号を送信した無線端末装置の台数が必ずしも適切に反映されなくなる。この場合、パケットの再送等のマルチキャスト送信の制御を必要とする無線端末装置の存在を精度よく判定することが困難になるため、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かの判定を精度よく行うことが困難になる。
従って、本発明の課題の一つは、マルチキャスト送信の制御(例えば再送制御や送信レート制御)を行うか否かの判定の精度を改善することができる無線通信システム及び無線通信方法を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明にかかる無線通信システムは、通信データをマルチキャスト送信する基地局装置と、マルチキャスト送信された前記通信データを受信する複数の無線端末装置と、を含む無線通信システムであって、前記基地局装置は、前記通信データの送信電力に関する情報を生成し、該情報を前記通信データに多重化させる情報生成部を含み、前記複数の無線端末装置の各無線端末装置は、前記通信データの受信電力を測定する受信電力測定部と、前記通信データに多重化された前記情報を取得し、該情報によって示される前記通信データの送信電力と前記測定部により測定された前記通信データの受信電力とから、前記基地局装置に送信する応答信号の送信電力を設定する送信電力設定部と、を含み、前記複数の無線端末装置の各無線端末装置が備える前記送信電力設定部は、前記通信データの送信電力に対する前記受信電力の比が規定値を超えた場合、前記規定値を超えた分を前記通信データの送信電力から減算して得られる値を前記応答信号の送信電力として設定する、ことを特徴とする。
なお、上記の情報生成部に関し、通常、基地局装置がマルチキャストする場合、送信周波数情報、基地局位置情報等を報知情報として当該基地局装置がカバーする地域に向けて報知する場合が多い。この様な報知情報に送信電力情報を含めて、情報生成部を構成してもよい。
この構成によれば、各無線端末装置は、基地局装置における送信電力と各無線端末装置における受信電力とから、伝送路における無線周波数信号の電力の減衰分(損失分)を知ることができる。従って、各無線端末装置は、基地局装置における応答信号の受信電力が略一定値となるように、その応答信号の送信電力を設定することができる。このように各無線端末装置において応答信号の送信電力を設定すれば、基地局装置において受信される各端末装置からの応答信号は各々略一定値となり、マルチキャスト送信の制御を行うか否かの判断において、各無線端末装置からの応答信号が加算されて受信されても、各々の影響力を等しくすることができる。従って、無線端末装置の台数に応じて、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かを精度よく判定することができ、その制御を適切に実施することが可能になる。
また、この構成によれば、通信データの送信電力に対する受信電力の比が規定値を超えた分を通信データの送信電力から減算して得られる値を応答信号の送信電力として設定するので、上りの伝送路の特性と下りの伝送路の特性が略同じであれば、基地局装置における応答信号の受信電力を規定値に合わせることができる。これにより、基地局装置がマルチキャスト送信の制御を行うか否かの判断において、各無線端末装置の影響力を等しくすることができる。従って、応答信号を送信した無線端末装置の台数に応じて、基地局装置がマルチキャスト送信の制御を実施することができる。
前記無線通信システムにおいて、例えば、前記規定値は、前記基地局装置が前記複数の無線端末装置から受信した前記応答信号の電力に基づいて前記応答信号を送信した無線端末装置の有無を判定するための基準を与える値であってもよい。
この構成によれば、応答信号を送信した無線端末装置の台数に応じて、基地局装置が、応答信号を送信した無線端末装置の有無を判定することができる。
前記無線通信システムにおいて、例えば、前記各無線端末装置は、更に、前記通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリア(第1のサブキャリア群)により、無線端末装置が受信動作中である旨を示す受信状態報知信号を送信する受信状態報知信号送信部と、前記通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定部と、前記判定部により前記通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、前記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信する再送要求信号送信部と、を含み、前記基地局装置は、更に、前記第1のサブキャリア群を受信し、該第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第1合計値を取得する第1合計値取得部と、前記第2のサブキャリア群を受信し、該第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第2合計値を取得する第2合計値取得部と、前記第1合計値に対する前記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うマルチキャスト送信制御部と、を含んでもよい。
上記課題を解決するための本発明にかかる無線通信方法は、基地局装置が通信データをマルチキャスト送信し、複数の無線端末装置がマルチキャスト送信された前記通信データを受信する無線通信方法であって、前記基地局装置が、前記通信データの送信電力に関する情報を生成し、該情報を前記通信データに多重化させる情報生成ステップと、前記複数の無線端末装置の各無線端末装置が、前記通信データの受信電力を測定する受信電力測定ステップと、前記各無線端末装置が、前記通信データに多重化された前記情報を取得し、該情報によって示される前記通信データの送信電力と前記測定部により測定された前記通信データの受信電力とから、前記基地局装置に送信する応答信号の送信電力を設定する送信電力設定ステップと、を含み、前記送信電力設定ステップにおいて、前記通信データの送信電力に対する前記受信電力の比が規定値を超えた場合、前記規定値を超えた分を前記通信データの送信電力から減算して得られる値を前記応答信号の送信電力として設定する、ことを特徴とする。
なお、上記の情報生成ステップに関し、基地局装置がマルチキャストする場合に送信周波数情報、基地局位置情報等を報知情報として当該基地局装置がカバーする地域に向けて報知する様な報知情報に送信電力情報を含めて、情報生成ステップを構成してもよい。
前記無線通信方法において、例えば、更に、前記各無線端末装置が、前記通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、受信状態報知信号を送信する受信状態報知信号送信ステップと、前記各無線端末装置が、前記通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定ステップと、前記各無線端末装置が、前記判定ステップにおいて前記通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、前記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信する再送要求信号送信ステップと、前記基地局装置が、前記第1のサブキャリア群を受信し、該第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第1合計値を取得する第1合計値取得ステップと、前記基地局装置が、前記第2のサブキャリア群を受信し、該第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第2合計値を取得する第2合計値取得ステップと、前記基地局装置が、第1合計値に対する前記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うマルチキャスト送信制御ステップと、を含んでもよい。
また、上記無線通信システムにおいて、例えば、前記マルチキャスト送信制御手段は、前記第1合計値に基づき、閾値を算出する閾値算出手段と、算出された閾値と、前記第2合計値と、を比較する比較手段と、を含み、前記マルチキャスト送信制御手段は、前記比較手段の比較結果に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う、こととしてもよい。
これによれば、例えば、第1受信レベル合計値取得手段により取得される合計値に、マルチキャスト送信制御の基準となる再送要求率(受信状態報知信号を送信した無線端末装置数に対する再送要求信号を送信した無線端末装置数の割合。以下、基準再送要求率という。)を乗算することにより、閾値を算出することができる。そしてそうすることで、上記基準再送要求率を指標として、マルチキャスト送信の制御を行うことができるようになる。
また、上記無線通信システムにおいて、例えば、前記受信状態報知信号送信手段は、前記第1のサブキャリア群の中から選択される第1の個数のサブキャリアにより、受信状態報知信号を送信し、前記再送要求信号送信手段は、前記第2のサブキャリア群の中から選択される第2の個数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信し、前記マルチキャスト送信制御手段は、前記第1合計値に対する前記第2合計値の割合と、前記第1の個数に対する前記第2の個数の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行ってもよい。
これによれば、マルチキャスト送信制御手段は、第1の個数と第2の個数とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
また、上記無線通信システムにおいて、例えば、前記受信状態報知信号送信手段は、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアの各電力レベルを第1の所定値とすることにより、受信状態報知信号を送信し、前記再送要求信号送信手段は、第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアの各電力レベルを第2の所定値とすることにより、再送要求信号を送信し、前記マルチキャスト送信制御手段は、前記第1合計値に対する前記第2合計値の割合と、前記第1の所定値に対する前記第2の所定値の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行ってもよい。
これによれば、マルチキャスト送信制御手段は、第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
また、上記無線通信システムにおいて、例えば、前記受信状態報知信号送信手段は、前記第1のサブキャリア群の中から選択される第1の個数のサブキャリアにより、受信状態報知信号を送信し、前記再送要求信号送信手段は、前記第2のサブキャリア群の中から選択される第2の個数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信し、前記閾値算出手段は、前記第1合計値と、前記第1の個数に対する前記第2の個数の割合と、に基づき、前記閾値を算出してもよい。
これによれば、閾値算出手段は、第1の個数と第2の個数とが異なる場合であっても、適切に閾値を算出することができる。
また、上記無線通信システムにおいて、例えば、前記受信状態報知信号送信手段は、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアの各電力レベルを第1の所定値とすることにより、受信状態報知信号を送信し、前記再送要求信号送信手段は、第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアの各電力レベルを第2の所定値とすることにより、再送要求信号を送信し、前記閾値算出手段は、前記第1合計値と、前記第1の所定値に対する前記第2の所定値の割合と、に基づき、前記閾値を算出してもよい。
これによれば、閾値算出手段は、第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合であっても、適切に閾値を算出することができる。
本発明によれば、マルチキャスト送信の制御を行うか否かの判定の精度を改善することができる。
本発明の実施の形態にかかる無線通信システムのシステム構成を示す図である。 本発明の実施の形態にかかるマルチキャスト送信の概略の説明図である。 本発明の実施の形態1に係る無線端末装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る無線端末装置が送信する再送要求信号の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る基地局装置が受信した再送要求信号の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る基地局装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの動作の流れの一例を示すフローチャートであり、応答信号の送信電力の設定手順の一例を示す図である。 本発明の実施の形態1に係る無線通信システムの動作原理を説明するための説明図であり、応答信号の送信電力の設定原理を説明するための説明図である。 本発明の実施の形態2に係る無線端末装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態3に係る無線端末装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。 本発明の実施の形態4に係る無線端末装置の構成の一例を示す概略ブロック図である。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態にかかる無線通信システム1のシステム構成を示す図である。同図に示すように、無線通信システム1は基地局装置10と、多数の無線端末装置30と、を含んで構成される。基地局装置10は、通信データをマルチキャスト送信し、各無線端末装置30は、マルチキャスト送信された通信データを受信する。基地局装置10がマルチキャスト送信した通信データを受信する無線端末装置30の数は、実際には1000以上となることもある。なお、本実施形態では、上記マルチキャスト送信を含む基地局装置10と無線端末装置30との間の通信は、OFDM方式により行われるものとするが、この例に限定されない。
図2は、マルチキャスト送信の概略の説明図である。基地局装置10は、複数の無線端末装置30(図2では無線端末装置30−1乃至5)に対して、同時にパケットを送信する(図2のt〜t)。各無線端末装置30は、例えば巡回冗長符号等を用いて受信パケットの誤り検出を行なう。各無線端末装置30は、誤り検出の有無に関わらず、受信状態報知(ACK:ACKnowledge)信号を生成して送信するとともに、受信パケットに誤りが検出された場合には、再送要求(NAK:Negative AcKnowledge)信号を生成し、送信する。
なお、ここで送信される受信状態報知信号は、通常のACKとは異なるものである。すなわち、通常のACKは「通信がエラーなく到達したこと」を示すものであるが、受信状態報知信号は単に「通信が到達したこと」を示している。以下では、適宜、受信状態報知信号および再送要求信号を応答信号と総称する。
受信状態報知信号及び再送要求信号は、本実施の形態では1個のOFDMシンボルで構成される。通常、OFDMシンボルは、直交するN個のサブキャリアに変調信号を重畳してIFFT(逆フーリエ変換)処理を行なって生成するが、本実施形態では、N個のサブキャリアのうちの一部を利用して再送要求信号を生成する。また、N個のサブキャリアのうちの一部を利用して再送要求信号を生成する。これらの信号の生成手法の詳細は後述する。
基地局装置10がパケットを同報するタイムスロット(図2のt〜t)と、そのパケットに対し端末局が受信状態報知信号及び再送要求信号を応答するタイムスロット(図2ではt〜t)は、事前の手順により定められており、各無線端末装置30は、指定されたタイムスロット(図2ではt〜t)を用いて受信状態報知信号及び再送要求信号を基地局装置10に送信する。
次に、無線端末装置30の詳細について説明する。図3は、無線端末装置30の構成の一例を示す概略ブロック図である。同図に示すように、無線端末装置30は、アンテナ31、RF(Radio Frequency)部32、OFDMシンボル検出器33、P/S(Parallel
/ Serial)変換器34、復調器35、分離部36、符号器37、制御部38、第1の個数記憶部39、第1の所定値記憶部40、第2の個数記憶部41、第2の所定値記憶部42、符号器42、多重部43、変調器44、S/P(Serial / Parallel)変換器45、OFDMシンボル生成器46、RF部47を含んで構成される。制御部38は、その内部に、受信状態報知信号送信部380、再送要求信号送信部381、受信電力測定部382、送信電力設定部383を含んで構成される。
RF部32は、アンテナ31で受信された通信データの無線周波数信号をダウンコンバートして直交復調を行う。OFDMシンボル検出器33は、RF部32の出力に対してFFT(Fast Fourier Transform)処理を行って通信データのOFDMシンボルを検出する。P/S変換器34は、OFDMシンボルをパラレル/シリアル変換する。復調器35は、シリアル変換された通信データのOFDMシンボルを復調する。分離部36は、復調された通信データのOFDMシンボルから後述の送信電力情報TPを分離する。符号器37は、巡回冗長符号等を用いて復調信号の誤り検出を行うことにより、通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定手段として機能する。
受信状態報知信号送信部380(受信状態報知信号送信手段)は、通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される第1の個数(以下、Lo個とする。)のサブキャリアに係る変調処理を行い、各サブキャリアの電力レベルを第1の所定値(以下、Poとする。)とすることにより、受信状態報知信号を送信する。また、再送要求信号送信部381(再送要求信号送信手段)は、符号器37により通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、上記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される第2の個数(以下、L個とする。)のサブキャリアに係る変調処理を行い、各サブキャリアの電力レベルを第2の所定値(以下、Pとする。)とすることにより、再送要求信号を送信する。
なお、上記Lo,L,Po,Pは、ユーザにより決定され、それぞれ第1の個数記憶部39,第2の個数記憶部41,第1の所定値記憶部40,第2の所定値記憶部42に記憶されている。受信状態報知信号送信部380及び再送要求信号送信部381は、各記憶部から上記Lo,L,Po,Pを読み出して用いる。本実施の形態では、Lo=L、Po=Pであるとして説明する。
また、ここでは第1のサブキャリア群を、図2に示した時刻t〜tに送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、図2に示した時刻t〜tに送信されるサブキャリアのうちの他のM個とする。第1のサブキャリア群及び第2のサブキャリア群は予め決められている。
受信状態報知信号送信部380及び再送要求信号送信部381は、それぞれMo個のサブキャリア及びM個のサブキャリアの中から、それぞれLo個のサブキャリア及びL個のサブキャリアを選択する。この選択方法としては、毎回ランダムに選択する方法や、通信開始時のみランダムに選択し、それ以降は同一のサブキャリアを選択する方法や、固定のサブキャリアを選択する方法などがあり、どの方法で選択してもよい。そして、それぞれ選択したLo個又はL個のサブキャリアのみに変調信号を重畳し、他のサブキャリアはヌルとなるような信号系列を生成する。
受信電力測定部382は、基地局装置10から受信された通信データの受信電力を測定し、この受信電力に関する情報RPを出力する。本実施形態では、受信電力測定部382は、アンテナ31で受信された無線周波数信号の受信電力をRF部32から取得する。送信電力設定部383は、基地局装置10から受信された通信データに予め多重化された送信電力に関する送信電力情報TPを分離部から取得し、該情報から得られる上記通信データの送信電力と受信電力測定部382により測定された上記通信データの受信電力とから、基地局装置10に送信する応答信号である受信状態報知信号および再送要求信号の送信電力を設定する。ここで、基地局装置10から受信された通信データに多重化された上記送信電力情報TPは、基地局装置10が上記通信データを送信する際の送信電力を示す情報である。
本実施形態では、送信電力設定部383は、通信データの送信電力に対する受信電力の比が規定値Sを超えた場合、この規定値Sを超えた分を通信データの送信電力から減算して得られる値を応答信号の送信電力として設定する。これにより、基地局装置10において複数の無線端末装置30のそれぞれから受信される個々の応答信号の電力値が概ね一定となるようにしている。ここで、上記規定値Sは、無線端末装置30の最大送信電力以下であり、且つ、少なくとも伝送路での減衰と想定される分よりも大きい任意の値である。この規定値Sは、基地局装置10が複数の無線端末装置30から受信した応答信号の電力に基づいて、この応答信号を送信した無線端末装置の有無を判定するための基準を与える。送信電力設定部383による応答信号の送信電力の設定手法の詳細については後述する。
符号器42は、送信用の信号を符号化して信号系列を生成する。多重部43は、符号器42、受信状態報知信号送信部380、及び再送要求信号送信部381で生成された各信号系列を多重化し、多重化信号を生成する。変調器44は、生成された多重化信号を変調する。S/P変換器45は、変調器44が行う変調によって得られる変調信号をパラレル信号に変換する。OFDMシンボル生成器46は、S/P変換器45の出力に対してIFFT(Inverse Fast Fourier Transform)処理を行ってOFDMシンボルを生成する。RF部47は、OFDMシンボルを変調して無線周波数にアップコンバートする。RF部47の出力はアンテナ31から送信される。
多重部43の処理について、より詳しく説明する。多重部43は、受信状態報知信号送信部380が受信状態報知信号を生成せず、再送要求信号送信部381も再送要求信号を生成しなかった場合には、符号器42が生成した信号系列を出力する。一方、受信状態報知信号送信部380が受信状態報知信号を生成し、又は再送要求信号送信部381が再送要求信号を生成した場合には、生成された信号に対応する信号系列と、符号器42が生成した信号系列と、を多重化する。
なお、図面では本発明を説明するための最小限の構成しか示していないが、例えば、インターリーブや誤り訂正(FEC:Forward Error Collection)を行なう場合は、符号器42の直後にインターリーバ、符号器37の直前にデインターリーバなどが必要となる。
図4は無線端末装置30が送信する再送要求信号の一例を示す図であり、特にL=1の場合を示している。一方、図5は基地局装置10が受信した再送要求信号の一例を示す図である。なお、図4及び図5では、斜線部が再送要求信号を示している。
図5に示すように、基地局装置10では、各無線端末装置30が送信した再送要求信号がそれぞれ受信される。なお、各無線端末装置30はそれぞれ独立した処理によりL個のサブキャリアを選択しているので、同じサブキャリアを選択する場合もあり得る。この場合、各無線端末装置30が送信した再送要求信号の位相が互いに逆相となっていれば、打ち消しあって受信レベルが下がることになる。
なお、図4及び図5では再送要求信号について説明したが、受信状態報知信号についても同様である。
次に、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10aの詳細について説明する。図6は、基地局装置10aの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10aは、制御部11、符号器12、多重部13、変調器14、S/P変換器15、OFDMシンボル生成器16、RF部17、アンテナ18、RF部19、OFDMシンボル検出器20、第1受信レベル合計値取得部21、第2受信レベル合計値取得部22、P/S変換器23、復調器24、符号器25、マルチキャスト送信制御部26aを含んで構成される。制御部11は、さらにその内部に情報生成部110を含み、マルチキャスト送信制御部26aはさらにその内部に、基準再送要求率入力受付部260、閾値算出部261a、比較部262を含んで構成される。
RF部19は、アンテナ18で受信された無線周波数信号をダウンコンバートして直交復調を行う。OFDMシンボル検出器20は、RF部19の出力に対してFFT処理を行ってOFDMシンボルを検出する。
第1受信レベル合計値取得部21(第1合計値取得手段)は、第1のサブキャリア群(Mo個のサブキャリア)を受信し、各サブキャリアごとの信号成分の受信レベルを検出する。そして、検出した受信レベルを合計(統計多重加算)することにより、第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値(第1合計値)を取得する。同様に、第2受信レベル合計値取得部22(第2合計値取得手段)は、第2のサブキャリア群(M個のサブキャリア)を受信し、各サブキャリアごとの信号成分の受信レベルを検出する。そして、検出した受信レベルを合計(統計多重加算)することにより、第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値(第2合計値)を取得する。
P/S変換器23は、OFDMシンボルをパラレル/シリアル変換する。復調器24は、シリアル変換されたOFDMシンボルを復調する。符号器25は、復調信号に基づいて誤り検出を行う。制御部11は、誤り検出後の復調信号を受信する。制御部11に含まれる情報生成部110は、マルチキャスト送信する通信データの送信電力を示す送信電力情報TPを生成し、多重部13において送信電力情報TPを通信データに多重化させる。
マルチキャスト送信制御部26a(マルチキャスト送信制御手段)は、上記第1合計値に対する上記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、マルチキャスト送信制御部26aの処理について、詳しく説明する。
まず、基準再送要求率入力受付部260は、ユーザによる基準再送要求率の入力を受け付ける。ここで入力される基準再送要求率は、受信状態報知信号を送信した無線端末装置数に対する再送要求信号を送信した無線端末装置数の割合の基準値である。
閾値算出部261a(閾値算出手段)は、第1合計値に上記基準再送要求率を乗算することにより、第2合計値の閾値を算出する。式(1)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率 ・・・(1)
比較部262(比較手段)は、閾値算出部261aにより算出された閾値と、第2受信レベル合計値取得部22により取得された第2合計値と、を比較する。そして、比較結果に基づき、制御部11による通信データのマルチキャスト送信を制御する。具体的な例を挙げると、比較結果により第2合計値が閾値より高いことが示された場合、マルチキャスト送信の送信レートを下げ、誤り率が下がるようにすることができる。また、比較結果により第2合計値が閾値より高いことが示された場合のみ、その再送要求信号に対応するパケットを再送する再送制御を行うように制御部11を制御することもできる。いずれの制御用に本実施の形態を用いるかは、基準再送要求率の設定次第である。制御部11は、比較部262の制御に従って、送信レート制御やパケットの再送制御を行う。
符号器12は、送信用の信号を符号化して信号系列を生成する。多重部13は、情報生成部110により生成された送信電力情報TPを、符号器12により生成された通信データの各信号系列に対して多重化する。変調器14は、送信電力情報TPが多重化された各信号系列を変調する。P/S変換器15は、変調信号をパラレル信号に変換する。OFDMシンボル生成器16は、P/S変換器15の出力に対してIFFT処理を行ってOFDMシンボルを生成する。RF部17は、OFDMシンボルを直交変調して無線周波数にアップコンバートする。RF部17の出力はアンテナ18から送信される。
なお、制御部11は、パケットを送信すると、そのパケットを一定時間にわたりバッファリングする。そして、比較部262から再送するよう指示されると、バッファリングしていたパケットを読み出してマルチキャスト送信する。ただし、パケットのバッファリングは必ずしも制御部11で行なう必要はなく、例えば、変調器14で変調した後の信号やOFDMシンボル生成器16で生成したOFDMシンボルをバッファリングしてもよい。この場合、比較部262の制御を、バッファリングしている場所に送ればよい。
また、図6では、本発明を説明するための最小限の構成しか示していないが、無線端末装置30と同様に、インターリーブや誤り訂正を行う場合は、インターリーバやデインターリーバ等が必要となる。
次に、図7および図8を参照して、無線端末装置30における応答信号の送信電力の設定手法を説明する。ここで、図7は、本実施の形態に係る無線通信システム1の動作の流れの一例を示すフローチャートであり、応答信号である受信状態報知信号および再送要求信号の送信電力の設定手順の一例を示す図である。また、図8は、本実施の形態に係る無線通信システム1の動作を説明するための説明図であり、応答信号の送信電力の設定原理を説明するための説明図である。
以下に説明する応答信号の送信電力の設定手法によれば、基地局装置10aが複数の無線端末装置30のそれぞれから受信する応答信号の受信電力は、基地局装置10aと無線端末装置30との間の距離にかかわらず、概ね一定値となる。このことは、基地局装置10aが、応答信号の受信電力からマルチキャスト送信の制御の要否を判定する場合に、この判定に対し、基地局装置10aの近くの無線端末装置30と遠くの無線端末装置30とが同等の影響力を持つことを意味する。この影響力が同等であれば、基地局装置10aにおいて複数の無線端末装置30から受信される応答信号の受信電力の合算値は、応答信号を送信した無線端末装置30の台数に概ね比例する。このため、基地局装置10aは、パケットの再送等を必要とする無線端末装置30の存在を精度よく判定することができ、マルチキャスト送信の制御を実施するか否かの判定を精度よく行うことができる。従って、応答信号を送信した無線端末装置30の台数に応じてマルチキャスト送信を適切に制御することが可能になる。
図7に示すフローに沿って、応答信号の送信電力の設定手順を詳細に説明する。
図6に示す基地局装置10aにおいて、制御部11に備えられた情報生成部110は、マルチキャスト送信する通信データの送信電力を示す送信電力情報PTを生成し(ステップS1)、この送信電力情報TPを多重部13に供給する。この場合の送信電力は、例えば通常のマルチキャスト送信時と同様に設定される。多重部13は、情報生成部110から供給された送信電力情報TPを通信データに多重化する(ステップS2)。多重部13により送信電力情報TPが多重化された通信データは、変調器14、S/P変換器15、OFDMシンボル生成器16、RF部17を経て、無線周波数信号としてアンテナ18を介して送信される。
一方、図3に示す無線端末装置30は、基地局装置10aから送信された無線周波数信号を、アンテナ31を介して受信する。受信された無線周波数信号は、RF部32、OFDMシンボル検出器33、P/S変換器34、復調器35、分離部36、符号器37を経て通信データに復調される。この復調の過程で、分離部36は、受信された通信データから送信電力情報TPを分離して送信電力設定部383に供給する(ステップS3)。また、受信電力測定部382は、RF部32において得られる通信データの無線周波数信号の受信電力を測定し、この受信電力を示す受信電力情報RPを生成して送信電力設定部383に供給する(ステップS4)。受信電力情報RPによって示される受信電力と上記の送信電力情報TPによって示される送信電力との差分は、基地局装置10aと無線端末装置30との間の伝送路における信号の減衰分に相当する。
送信電力設定部383は、分離部36から供給された送信電力情報TPと、受信電力測定部382から供給された受信電力情報RPとから、基地局装置10aに送信する応答信号の送信電力を設定する(ステップS5)。具体的には、送信電力設定部383は、送信電力情報TPにより示される送信電力TWと、受信電力情報RPにより示される受信電力RWとの比(RW/TW)が規定値Sを超えた場合、この規定値Sを超えた分を通信データの送信電力から減算して得られる値を応答信号の送信電力として設定する。
送信電力設定部383による送信電力の設定について、図8を参照して具体的に説明する。図8において、横軸は、基地局装置10aから無線端末装置30までの距離であり、縦軸は、基地局装置10aまたは無線端末装置30における送信電力[dBm]または受信電力[dBm]である。図8(a)に示すように、従来のマルチキャスト送信時に設定される送信電力の最大値U(以下、「最大送信電力U」と称す。)を送信電力TWとして設定して基地局装置10aから通信データを送信した場合、基地局装置10aから距離が離れる程、無線端末装置30における受信電力RWは減少する傾向を示す。同図(a)の例では、近くの無線端末装置30では、伝送路上での減衰分(伝搬損失分)D1だけ受信電力RWが低下するが、その受信電力RWのデシベル値は規定値Sを超過しており、その超過分は「E」により示されている。一方、遠くの無線端末装置30と基地局装置10aとの間の伝送路上での減衰分D2は、近くの無線端末装置30と基地局装置10aとの間の伝送路上での減衰分D1より大きくなり、その結果、遠くの無線端末装置30における受信電力RWのデシベル値が規定値Sを下回っている。
仮に、基地局装置10aと無線端末装置30との間の下りと下りの各伝送路の特性が同じであり、各無線端末装置30が基地局装置10aと同じ送信電力で応答信号を送信したとすれば、基地局装置10aにおいて各無線端末装置30から受信される応答信号の受信電力は、図8(a)に示す各無線端末装置30における受信電力RWと略等しくなり、前述した従来技術と同様に、基地局装置10aにおいて、基地局装置10aと無線端末装置30との間の距離に応じて応答信号の受信電力が変化する。
このような基地局装置10aにおける応答信号の受信電力の変化を抑制するため、本実施形態では、上述のように、各無線端末装置30において、通信データの受信電力RWに応じて応答信号の送信電力を設定する。即ち、各無線端末装置30の送信電力設定部383は、通信データの送信電力TWに対する受信電力RWの比(デシベル値)が規定値Sを超えた場合、その超過分Eを、送信電力情報TPによって示される通信データの送信電力TWの値から減算し、この減算によって得られた値を応答信号の送信電力とする。
具体的には、図8(a)に示すように、例えば、基地局装置10aの近くの無線端末装置30において、通信データの送信電力TWに対する受信電力RWの比により表される受信電力RWの値が規定値Sを超えたとする。この場合、近くの無線端末装置30は、同図(b)に示すように、送信電力情報TPによって示される最大送信電力Uから、受信電力RWの超過分Eを減算し、この減算により得られる値(U−E)を応答信号の送信電力TRWとして設定する。
上述したように無線端末装置30において応答信号の送信電力TRWを設定することにより、基地局装置10aと無線端末装置30との間の下りと下りの各伝送路の特性が略同じであれば、図8(b)に示すように、無線端末装置30から送信された応答信号の送信電力TRWは、下りの伝送路において上りと同程度の減衰を受け、減衰分D1だけ低下する。この結果、基地局装置10aにおいて受信される応答信号の受信電力RTWは基準値Sに概ね等しくなる。これにより、基地局装置10aにおいて、近くの複数の無線端末装置30のそれぞれから受信される応答信号の受信電力RTWの値は概ね一定となる。
次に、図8(a)に示すように、遠くの無線端末装置30における通信データの受信電力RWが規定値Sを下回る場合、その無線端末装置30は、図8(c)に示すように、最大送信電力Uを応答信号の送信電力TRWとして設定する。この場合、基地局装置10aと線端末装置30との間の下りと上りの各伝送路の特性が同じであれば、基地局装置10aにおいて受信される応答信号の受信電力RTWは、最大送信電力Uから減衰分D2だけ減衰する結果、規定値Sに達しない。このため、遠くの無線端末装置30を含めると、基地局装置10aにおいて複数の任意の無線端末装置30から受信する各応答信号の受信電力RTWは一定にならない場合が生じる。
このような場合、例えば、遠くの無線端末装置30から受信される応答信号の受信電力RTWに合わせて規定値Sを設定すれば、基地局装置10aにおいて複数の無線端末装置30から受信される各応答信号の受信電力RTWは、遠くの無線端末装置30から受信される応答信号の受信電力RTWに略等しくなる。これにより、基地局装置10aと無線端末装置30との間の距離に関係なく、基地局装置10aにおいて複数の無線端末装置30から受信される各応答信号の受信電力RTWが略一定になり、基地局装置10aと無線端末装置30との間の距離が応答信号の受信電力RTWに反映されなくなる。この結果、基地局装置10aが、応答信号の受信電力からマルチキャスト送信の制御の要否を判定する場合に、近く無線端末装置30と遠くの無線端末装置30とが同等の影響力を持つようになり、複数の無線端末装置30から受信される応答信号の受信電力の合算値は、応答信号を送信した無線端末装置30の台数に概ね比例するようになる。
従って、本実施形態によれば、基地局装置10aと無線端末装置30との間の距離の影響を受けることなく、応答信号を送信した無線端末装置30の台数に応じて、応答信号の送信に用いられる第2のサブキャリア群の電力レベルを示す第2の所定値から、パケット再送等を必要とする無線端末装置30の存在の有無を精度よく判定し、マルチキャスト送信の制御を行うか否かの判定の精度を改善することができる。
なお、パケット再送等を必要とする無線端末装置30の存在の有無の判定に必要とされる精度の許容範囲内で基準値Sを任意に設定することができる。
また、図8(c)に示す例では、説明を簡単化するため、無線端末装置30の送信電力TRW[dBm]と基地局装置10aの送信電力TW[dBm]を同一電力の最大送信電力Uとしたが、各無線端末装置30からの基地局装置10aでの受信電力が略同一であれば良く、無線端末装置30の送信電力TRW[dBm]と基地局装置10aの送信電力TW[dBm]は必ずしも同一である必要はない。特に無線端末装置30は、基地局装置10aほどの送信電力を送信する能力が無い場合が通例である。この様な場合、基地局装置10aで受信される受信電力RTW[dBm]は、熱雑音以下となる場合も想定される。この場合、単一の無線端末装置30からの信号を受信・復調することは困難であるが、複数の無線端末装置からの信号が加算され動作している場合(マルチキャスト動作の場合)、無線端末装置数だけ加算されるため、応答信号である受信状態報知信号および再送要求信号の加算値を熱雑音以上に設定することが出来る。このため、無線端末装置30の送信電力RTW[dBm]が基地局装置10aの送信電力TW[dBm]と比較して充分低くても、本無線通信システムを問題なく動作させる事が可能である。より詳しくは、後述の[再送要求信号の送信電力の設定手法に関する補足説明]に示す。
また、本実施の形態によれば、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、マルチキャスト送信の制御を行うことができる。
また、第1合計値に、基準再送要求率を乗算することにより、閾値を算出しているので、基準再送要求率を指標として、マルチキャスト送信の制御を行うことができるようになる。
さらに、第1合計値に基づいて閾値を決定するため、再送要求信号の誤検出確率や検出見逃し確率を低減することができる。
[再送要求信号の送信電力の設定手法に関する補足説明]
次に、上述した無線端末装置30における応答信号の送信電力TRWの設定手法を補足説明する。上述したマルチキャスト送信を実施する放送局である基地局装置10aから、移動局である各無線端末装置30への下り回線において、基地局装置10aの送信電力TWをPdl−tx[dBm]とし、無線端末装置30の受信電力RWをPdl−rx[dBm]とすると、下り回線での伝搬損失(減衰分)Ldlは、Ldl=Pdl-tx-Pdl-rx[dB]となる。
ここで、基地局装置10aの送信電力Pdl−tx[dBm]は、この数値を前述の送信電力情報TPとして、基地局装置10aから送信される通信データに含める事が出来るため、各無線端末装置30は、送信電力情報TPから基地局装置10aの送信電力Pdl−tx[dBm]を知ることができる。また、無線端末装置30の受信電力Pdl−rx[dBm]は、上述したように各無線端末装置30において測定されるため、各無線端末装置30は、基地局装置10aの送信電力TWと自局における受信電力RWとから、基地局装置10aから自局までの下り回線での伝搬損失(減衰分)Ldlを知ることができる。
一方、各無線端末装置30から基地局装置10への上り回線において、無線端末装置30の最大送信電力UをPul−tx−max[dBm]とし、無線端末装置30の送信電力TRWをPul−tx[dBm]とし、基地局装置10aにおける各無線端末装置30からの受信電力RTWをPul−rx[dBm]とすると、上り伝搬損失Lulは、Lul=Pul-tx-Pul-rx[dB]となる。
ここで、上り回線と下り回線の各周波数が同一である場合、伝搬路の相反性から、Lul=Ldl[dB]となる。また、周波数が若干異なり、伝搬損失に時間変動があったとしても、Lul≒Ldl[dB]なる関係が成り立つ。
前述の規定値Sに相当する基地局装置10aの想定受信電力(即ち基地局装置10aにおける1つの無線端末装置30からの応答信号の受信電力RWの所望値)をPul−rx−set[dBm]とすると、無線端末装置30の必要送信電力(即ち伝搬損失分を考慮に入れて基地局装置10aにおいて想定受信電力Pul−rx−setを得るための無線端末装置30の送信電力)Pul−tx−setは、Pul-tx-set=Pul-rx-set+Lul[dBm]となる。無線端末装置30の必要送信電力Pul−tx−setの値は、Lul≒Ldl[dB]なる関係から、Pul-tx-set≒Pul-rx-set+Ldl[dBm]により表される。従って、各無線端末装置30は、前述の規定値Sに相当する基地局装置10aの想定受信電力が与えられれば、伝搬損失分を考慮に入れて、自局の上り回線の送信電力を決定することができる。
ここで、例えば、無線端末装置30の送信電力Pul−txを次の様に定める。
・Pul-tx-set≦Pul-tx-maxの場合:Pul-tx=Pul-tx=Pul-tx-set[dBm]
・Pul-tx-set>Pul-tx-maxの場合:Pul-tx=Pul-tx=Pul-tx-max[dBm]
この様に各無線端末装置30の送信電力Pul−txを定めると、各無線端末装置30の最大送信電力がPul−tx−max[dBm]に達しない限り、基地局装置10aにおける各無線端末装置30の受信電力(1つの無線端末装置あたり)は一定値となり、基地局装置10aの受信電力(1つの無線端末装置あたり)を想定受信電力Pul−rx−set[dBm]とする事が出来る。
次に、基地局装置10aの想定受信電力Pul−rx−setに関して補足説明する。
仮に、基地局装置10aが各無線端末装置30からの受信信号を個別的に復調するものとすれば、1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aの受信電力Pul−rxは、熱雑音もしくは環境雑音No[dBm]に復調のための所要C/N[dB]を加算した値以上の1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aの受信電力Pul−rx−1が必要となる。即ち、式(2)が成り立つ。
Pul-rx-set-1=Pul-rx≧No+C/N[dBm] ・・・(2)
これに対し、本実施の形態によれば、各無線端末装置30からの信号を個別的に復調するのではなく、複数の無線端末装置30からの信号はベクトル加算(合成)して検出される。ここで、各無線端末装置30からの信号の位相は基地局装置10aの受信端においてはランダムである。従って、説明の簡単のために各無線端末装置30が基地局装置10aから等距離にあるものとし、基地局装置10aから等距離にある無線端末装置30の数がmである場合、基地局装置10aの総受信電力Pul−rx−mと、各無線端末装置30からの受信電力Pul−rxとの間には次の関係がある。
Pul-rx-m=Pul-rx+10Log(m)[dBm]
ここで、10Log(m)[dBm]は、無線端末装置の加算効果を表す。
本実施の形態によれば、異なる距離にある無線端末装置30の場合、即ち、基地局装置10と複数の無線端末装置30との間の距離が等距離にない場合、無線端末装置30の送信電力Pul−txは、各無線端末装置30において上りの伝搬損失Lul(≒Ldl)[dB]分だけ補正されて設定される。このため、無線端末装置30の送信電力が最大送信電力Pul−tx−max[dBm]に達しない限り、基地局装置10aにおける各無線端末装置30の受信電力Pul−rxは相互に等しくなり、全ての無線端末装置30の数をMとした場合、基地局装置10aにおける総受信電力Pul−rx−allは、Pul-rx-all=Pul-rx+10Log(M)[dBm]となる。
従って、本実施形態において、1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aの必要受信電力Pul−rx−set−2は、次の式(3)を満足すればよい。
Pul-rx-set-2=Pul-rx=Pul-rx-all-10Log(M)≧No-10Log(M)[dBm] ・・・(3)
式(2)と式(3)を比較すると、前者の式(2)の1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aにおける受信電力Pul−rx−set−1は、熱雑音もしくは環境雑音No[dBm]に対して所要C/N[dB]だけ高いレベルが必要である。これに対し、本実施の形態による後者の式(3)によれば、1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aにおける受信電力Pul−rx−set−2は、熱雑音もしくは環境雑音No[dBm]に対して無線端末装置30の加算効果による10Log(M)[dB]だけ低くても良い。
従って、本実施の形態によれば、1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aの受信電力は、各無線端末装置30からの信号を復調する場合(前者)に比較して、(C/N+Log(M))[dB]だけ低いレベルで良く、熱雑音もしくは環境雑音No[dBm]に対しても、無線端末装置30の加算効果による10Log(M)[dB]だけ低くて良い。また、無線端末装置30の数が充分大きい場合(M≫1)、1つの無線端末装置30あたりの基地局装置10aにおける受信電力は、熱雑音もしくは環境雑音No[dBm]に対して充分低い値で良い。各無線端末装置30においては、無線端末装置30の数Mが1より充分に大きく、M≫1なる条件を満足する場合、各無線端末装置30の必要送信電力Pul−tx−setを充分低い値に設定することができる。従って、各無線端末装置30の送信電力は、各無線端末装置30の最大送信電力Pul−tx−max[dBm]に達し難くなる。このため、基地局装置10aにおける1つの無線端末装置30あたりの受信電力Pul−rxを一定値、即ち基地局装置10aの想定受信電力(1つの無線端末装置あたり)をPul−rx−set[dBm]とする事が出来る無線端末装置30の数(無線端末装置間で平等性を担保した無線端末装置の数)を充分大きくする事が出来る。
[実施の形態2]
実施の形態1ではLo=L、Po=Pである場合について説明したが、実施の形態2では、Lo≠L、Po=Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における再送要求信号等の応答信号の送信電力の設定手法については、上述の実施の形態1と同様である。
図9は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10bの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10bは、基地局装置10aの構成に加え、第1の個数記憶部271及び第2の個数記憶部272を含んで構成される。また、マルチキャスト送信制御部26aに代えてマルチキャスト送信制御部26bを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部26bは、閾値算出部261aに代えて閾値算出部261bを含む点で、マルチキャスト送信制御部26aと相違している。
マルチキャスト送信制御部26bは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の個数に対する第2の個数の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
第1の個数記憶部271及び第2の個数記憶部272は、それぞれ上記Lo及びLを記憶している。閾値算出部261bは各記憶部から上記Lo,Lを読み出し、第1合計値と、第1の個数に対する第2の個数の割合L/Loと、に基づき、前記閾値を算出する。式(4)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(L/Lo) ・・・(4)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1と同様である。
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部26bは、第1の個数と第2の個数とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
[実施の形態3]
実施の形態3では、Lo=L、Po≠Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1及び2とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における再送要求信号等の応答信号の送信電力の設定手法については、上述の実施の形態1と同様である。
図10は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10cの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10cは、基地局装置10aの構成に加え、第1の所定値記憶部273及び第2の所定値記憶部274を含んで構成される。また、マルチキャスト送信制御部26aに代えてマルチキャスト送信制御部26cを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部26cは、閾値算出部261aに代えて閾値算出部261cを含む点で、マルチキャスト送信制御部26aと相違している。
マルチキャスト送信制御部26cは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
第1の所定値記憶部273及び第2の所定値記憶部274は、それぞれ上記Po及びPを記憶している。閾値算出部261cは各記憶部から上記Po,Pを読み出し、第1合計値と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合P/Poと、に基づき、前記閾値を算出する。式(5)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(P/Po) ・・・(5)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1及び2と同様である。
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部26bは、第1の所定値と第2の所定値とが異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
[実施の形態4]
実施の形態4では、Lo≠L、Po≠Pである場合について説明する。本実施の形態と実施の形態1乃至3とでは、基地局装置10の構成に違いがあり、以下、その違いを中心に説明する。
なお、各無線端末装置30における再送要求信号等の応答信号の送信電力の設定手法については、上述の実施の形態1と同様である。
図11は、本実施の形態にかかる基地局装置10である基地局装置10dの内部構成を示す概略ブロック図である。同図に示すように、基地局装置10dは、基地局装置10aの構成に加え、第1の個数記憶部271、第2の個数記憶部272、第1の所定値記憶部273、第2の所定値記憶部274を含んで構成される。これらの各記憶部は、実施の形態2又は3で説明したものと同様である。また、マルチキャスト送信制御部26aに代えてマルチキャスト送信制御部26dを含んで構成される。マルチキャスト送信制御部26dは、閾値算出部261aに代えて閾値算出部261dを含む点で、マルチキャスト送信制御部26aと相違している。
マルチキャスト送信制御部26dは、第1合計値に対する第2合計値の割合と、第1の個数に対する第2の個数の割合と、第1の所定値に対する第2の所定値の割合と、に基づき、マルチキャスト送信の制御を行う。以下、具体的に説明する。
閾値算出部261dは各記憶部から上記Lo,L,Po,Pを読み出し、第1合計値と、第1の個数に対する第2の個数の割合L/Loと、第1の所定値に対する第2の所定値の割合P/Poと、に基づき、前記閾値を算出する。式(6)は、この閾値の算出式である。
閾値=第1合計値×基準再送要求率×(L/Lo)×(P/Po) ・・・(6)
閾値を算出した後の処理は、実施の形態1乃至3と同様である。
本実施の形態によれば、マルチキャスト送信制御部26dは、第1の個数と第2の個数、第1の所定値と第2の所定値、がそれぞれ異なる場合であっても、第1合計値に対する第2合計値の割合を指標として、適切にマルチキャスト送信の制御を行うことができる。
以上本発明の実施の形態1乃至4について説明したが、ここで、上記Lo,L,Po,Pの最適値について説明する。上述したように、これらはユーザにより決定されるものであるが、次のようにして決定される値を使用することが好ましい。すなわち、Loに対するLの比(L/Lo)は、基準再送要求率に基づいて決定されることが好ましい。例えば、基準再送要求率とLo/Lが等しくなるようにすることが好ましい。また、Poに対するPの比(P/Po)も、基準再送要求率に基づいて決定されることが好ましい。例えば、基準再送要求率とPo/Pが等しくなるようにすることが好ましい。
上述したように、マルチキャスト送信制御部26a等は、第1合計値に対する第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うが、第1受信レベル合計値取得部21及び第2受信レベル合計値取得部22がそれぞれ取得する第1合計値及び第2合計値には、ノイズ成分が含まれる。そして、ノイズ成分を含まない理想的な上記割合と、実際に取得された第1合計値及び第2合計値に基づいて求められる割合と、は第1合計値及び第2合計値の差が大きいほど、大きく乖離する。それ故、第1合計値と第2合計値の差が大きくなりすぎることは好ましくないところ、上記のようにして上記Lo,L,Po,Pを決定しておけば、第1合計値と第2合計値の差が大きくなりすぎないようにすることができる。
なお、本発明は、以上説明した実施の形態1乃至4に何等限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記各実施の形態では、第1のサブキャリア群を、図2に示した時刻t〜tに送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、図2に示した時刻t〜tに送信されるサブキャリアのうちの他のM個としたが、例えば図10に示すように、第1のサブキャリア群を、時刻t〜tに送信されるOFDMシンボルを構成するサブキャリアのうちのMo個とし、第2のサブキャリア群を、時刻t〜t(tはtの後)に送信されるサブキャリアのうちの他のM個としてもよい。こうすれば、より多くのサブキャリアを受信状態報知信号及び再送要求信号の送信に用いることができるようになる。
また、上記実施の形態では、上記Lo,L,Po,Pをユーザが決定するものとして説明したが、基地局装置10が、基準再送要求率入力受付部260によって受け付けられた基準再送要求率に基づいて、Lo,L,Po,Pの上記最適値を算出し、算出した値を第1の個数記憶部271,第2の個数記憶部272,第1の所定値記憶部273,第2の所定値記憶部274に記憶させるとともに、各無線端末装置30に送信することとしてもよい。この場合、各無線端末装置30は、受信したLo,L,Po,Pを、第1の個数記憶部39,第2の個数記憶部41,第1の所定値記憶部40,第2の所定値記憶部42に記憶させることが好適である。
また、基地局装置10や無線端末装置30の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより、各装置の上記各処理を行ってもよい。
ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものであってもよい。また、この「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。
さらに、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」には、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(例えばDRAM(Dynamic Random Access Memory))のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。
さらに、上記プログラムは、上述した各機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、上述した各機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
1 無線通信システム、
10,10a,10b,10c,10d 基地局装置、
11,38 制御部、
12,25,37,42 符号器、
13,43 多重部、
14,44 変調器、
15,45 S/P変換器、
16,46 OFDMシンボル生成器、
17,19,32,47 RF部、
18,31 アンテナ、
20,33 OFDMシンボル検出器、
21 第1受信レベル合計値取得部、
22 第2受信レベル合計値取得部、
23,34 P/S変換器、
24,35 復調器、
26a,26b,26c,26d マルチキャスト送信制御部、
30 無線端末装置、
36 分離部
39,271 第1の個数記憶部、
41,272 第2の個数記憶部、
40,273 第1の所定値記憶部、
42,274 第2の所定値記憶部、
110 情報生成部、
260 基準再送要求率入力受付部、
261a,261b,261c,261d 閾値算出部、
262 比較部、
380 受信状態報知信号送信部、
381 再送要求信号送信部、
382 受信電力測定部、
383 送信電力設定部。

Claims (5)

  1. 通信データをマルチキャスト送信する基地局装置と、マルチキャスト送信された前記通信データを受信する複数の無線端末装置と、を含む無線通信システムであって、
    前記基地局装置は、
    前記通信データの送信電力に関する情報を生成し、該情報を前記通信データに多重化させる情報生成部
    を含み、
    前記複数の無線端末装置の各無線端末装置は、
    前記通信データの受信電力を測定する受信電力測定部と、
    前記通信データに多重化された前記情報を取得し、該情報によって示される前記通信データの送信電力と前記測定部により測定された前記通信データの受信電力とから、前記基地局装置に送信する応答信号の送信電力を設定する送信電力設定部と、
    を含み、
    前記複数の無線端末装置の各無線端末装置が備える前記送信電力設定部は、
    前記通信データの送信電力に対する前記受信電力の比が規定値を超えた場合、前記規定値を超えた分を前記通信データの送信電力から減算して得られる値を前記応答信号の送信電力として設定する、ことを特徴とする無線通信システム。
  2. 請求項1に記載の無線通信システムにおいて、
    前記規定値は、
    前記基地局装置が前記複数の無線端末装置から受信した前記応答信号の電力に基づいて前記応答信号を送信した無線端末装置の有無を判定するための基準を与える値であることを特徴とする無線通信システム。
  3. 請求項1または2の何れか1項に記載の無線通信システムにおいて、
    前記各無線端末装置は、更に、
    前記通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、受信状態報知信号を送信する受信状態報知信号送信部と、
    前記通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定部と、
    前記判定部により前記通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、前記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信する再送要求信号送信部と、
    を含み、
    前記基地局装置は、更に、
    前記第1のサブキャリア群を受信し、該第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第1合計値を取得する第1合計値取得部と、
    前記第2のサブキャリア群を受信し、該第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第2合計値を取得する第2合計値取得部と、
    前記第1合計値に対する前記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うマルチキャスト送信制御部と、
    を含むことを特徴とする無線通信システム。
  4. 基地局装置が通信データをマルチキャスト送信し、複数の無線端末装置がマルチキャスト送信された前記通信データを受信する無線通信方法であって、
    前記基地局装置が、前記通信データの送信電力に関する情報を生成し、該情報を前記通信データに多重化させる情報生成ステップと、
    前記複数の無線端末装置の各無線端末装置が、前記通信データの受信電力を測定する受信電力測定ステップと、
    前記各無線端末装置が、前記通信データに多重化された前記情報を取得し、該情報によって示される前記通信データの送信電力と前記測定部により測定された前記通信データの受信電力とから、前記基地局装置に送信する応答信号の送信電力を設定する送信電力設定ステップと、を含み、
    前記送信電力設定ステップにおいて、前記通信データの送信電力に対する前記受信電力の比が規定値を超えた場合、前記規定値を超えた分を前記通信データの送信電力から減算して得られる値を前記応答信号の送信電力として設定する、ことを特徴とする無線通信方法。
  5. 請求項4に記載の無線通信方法において、更に、
    前記各無線端末装置が、前記通信データを受信した場合に、第1のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、受信状態報知信号を送信する受信状態報知信号送信ステップと、
    前記各無線端末装置が、前記通信データが正常に受信されているか否かを判定する判定ステップと、
    前記各無線端末装置が、前記判定ステップにおいて前記通信データが正常に受信されていないと判定された場合に、前記第1のサブキャリア群とは重複しない第2のサブキャリア群の中から選択される1又は複数のサブキャリアにより、再送要求信号を送信する再送要求信号送信ステップと、
    前記基地局装置が、前記第1のサブキャリア群を受信し、該第1のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第1合計値を取得する第1合計値取得ステップと、
    前記基地局装置が、前記第2のサブキャリア群を受信し、該第2のサブキャリア群を構成する各サブキャリアの受信レベルの合計値である第2合計値を取得する第2合計値取得ステップと、
    前記基地局装置が、第1合計値に対する前記第2合計値の割合に基づき、マルチキャスト送信の制御を行うマルチキャスト送信制御ステップと、
    を含むことを特徴とする無線通信方法。
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