JP4990863B2 - 送受信装置、移動局装置、移動体通信システム、電力制御方法及び方法 - Google Patents
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Description
移動局装置は、基地局装置とのランダムアクセス通信を開始する際、基地局装置から送信された報知信号から得られる情報に基づいて算出した送信電力値で基地局に対してプリアンブルを送信する。報知信号は、基地局装置の送信電力TxeNB[dBm]と希望受信電力DRxeNB[dBm]とを示す情報を含む信号である。移動局装置は、自装置の送信電力値TxUE[dBm]をTxUE=DRxeNB+Pathloss+n×Stepを計算することで求める。
これにより、プリアンブルの再送を繰り返す毎に送信電力を増大させていく(例えば、非特許文献2)。
特許文献1によると、プリアンブルの初期送信電力とプリアンブル送信成功時の送信電力の差を補正値とし、次回のランダムアクセス通信の開始時に、初期送信電力値に補正値を加算した値をその回の初期送信電力値として送信を行う。これにより、次回のプリアンブル送信時に大きい送信電力で送信できるため、再送回数を減らすことができる。
電力を最適な値に近づける送受信装置、移動局装置、移動体通信システム、電力制御方法及び方法を提供することにある。
図1は、本発明の一実施形態による無線通信システムの構成を示す概略ブロック図である。
本実施形態による通信システムは、送受信装置100と基地局装置200とを備える。送受信装置100は、基地局装置200と通信を行う移動局装置に搭載されて、送信電力制御を行う。送受信装置100は、ランダムアクセス通信を開始する際に、基地局装置200にプリアンブルを送信する。基地局装置200は、自装置からの送信電力と希望受信電力とを示す報知信号を送信する。
送受信装置100は、アンテナ101と、報知信号受信部102と、受信電力測定部103と、基地局情報取得部104と、送信電力算出部105と、補正値記憶部106と、データ処理部107と、送信部108と、応答信号受信部109と、応答判定部110と、補正値算出部111と、再送回数記憶部112と、目標再送回数記憶部113とを備える。なお、送受信装置100の構成要素は、その移動局装置の他の構成要素と必要に応じて兼用されてもよい。
受信電力測定部103は、報知信号受信部102が受信した報知信号の受信電力を測定する。
基地局情報取得部104は、報知信号受信部102が受信した報知信号から送信電力と希望受信電力を示す基地局情報を取得する。
送信電力算出部105は、取得した基地局情報と報知信号の受信電力と補正値記憶部106が記憶する送信電力補正値とに基づいてプリアンブルの送信電力を算出する。
データ処理部107は、プリアンブルの信号を生成する。
送信部108は、アンテナ101を介して算出した送信電力で基地局装置200にプリアンブルを送信する。
応答信号受信部109は、アンテナ101を介して基地局装置200から応答信号を受信する。
応答判定部110は、受信した応答信号が前記送信信号の送信成功を示すか否かを判定する。
補正値算出部111は、補正値記憶部106に記憶されている送信電力補正値と、再送回数記憶部112に記憶されているプリアンブルの再送回数と、目標再送回数記憶部113に記憶されているプリアンブル再送回数の目標値とに基づいて新たな送信電力補正値を算出し、補正値記憶部106に登録する。
目標再送回数記憶部113は、予め決められた再送回数の目標値を記憶する。
応答信号受信部109は、基地局装置200からプリアンブルに対する応答信号を受信する。応答判定部110は、受信した応答信号がプリアンブルの受信完了を示すか否かを判定する。プリアンブルの受信完了を示さないと判定した場合、送信電力算出部105は前回の送信電力に所定のランプアップ電力を加えた電力を送信電力として送信部108を介してプリアンブルを再送する。プリアンブルの受信完了を示すと判定した場合、補正値算出部111はプリアンブルの送信が失敗であると判定された回数に基づいて送信電力補正値を算出し、補正値記憶部106に登録する。
これにより、初回のプリアンブル送信電力を最適な値に近づける処理を行う。
図2は、送受信装置100の動作を示すフローチャートである。
まず、送受信装置100の報知信号受信部102は、アンテナ101を介して基地局装置200から送信される報知信号を受信する(ステップS1)。報知信号は、基地局装置200から送受信装置100への一方向チャネルである報知チャネルを用いてブロードキャストで(同報通信により)送信される。報知信号には基地局装置200からの送信電力や基地局装置200の希望受信電力などの制御情報が含まれる。報知信号を受信すると、受信電力測定部103は、受信した報知信号の受信電力RxUE[dBm]を測定する(ステップS2)。また、報知信号を受信すると、基地局情報取得部104は、報知信号から上述した送信電力TxeNB[dBm]と希望受信電力DRxeNB[dBm]とを示す基地局情報を取得する(ステップS3)。
TxUE=DRxeNB+TxeNB+offUE−RxUE ・・・(1)
を計算する。
なお、受信した報知信号の干渉電力に基づいて上りリンクの干渉電力を類推し、送信電力TxUEに加算しても良い。
offUE=(n−m)×Step+offUE´ ・・・(2)
を計算することで算出する。
ここで、送信電力補正値offUEを式(2)を用いて算出する理由を説明する。この式は、m+1回目のプリアンブル送信で基地局装置200からACKを受信するように送信電力を制御することを意味している。m+1回で送信成功するように設定する理由は、セル内の全ての送受信装置100のプリアンブル送信成功確率を平均化するためである。ここでセルとは、基地局装置200の電波到達範囲のことである。通常、基地局装置200にプリアンブルを送信する送受信装置100は1つではなく、同じセル内に存在する複数の送受信装置100がプリアンブルを送信する。
図3及び図4は、ランダムアクセスに成功した時点でのプリアンブル再送回数と次回のランダムアクセスにおける初回のプリアンブル送信電力との関係を示す図である。
以下、再送回数の目標値m=2、送信電力補正値offUE=0の場合を説明する。
しかし、再送回数の目標値m=2であるため、このときの送受信装置100からの送信電力は過大である。従って、次回のランダムアクセス開始時に、2回目のプリアンブル再送で基地局装置200からACKを受信するように、送信電力を小さくする方向に送信電力補正値を設定する必要がある。このとき、n=0、m=2であるため、n−mは−2となり、送信電力補正値offUEは負の値となる。これにより、図3(a)に示すように、次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信時の送信電力を小さくすることができる。
しかし再送回数の目標値m=2であるため、このときの送受信装置100からの送信電力は過大である。従って、次回のランダムアクセス開始時に、2回目のプリアンブル再送で基地局装置200からACKを受信するように、送信電力を小さくする方向に送信電力補正値を設定する必要がある。このとき、n=1、m=2であるため、n−mは−1となり、送信電力補正値offUEは負の値となる。これにより、図3(b)に示すように、次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信時の送信電力を小さくすることができる。
このとき、再送回数の目標値m=2であるため、このときの送受信装置100からの送信電力は適切である。従って、次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信も同程度の送信電力で送信する必要がある。このとき、n=2、m=2であるため、n−mは0となり、送信電力補正値offUEは0となる。これにより、図4(a)に示すように、次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信時も適切な送信電力で送信することができる。
図4(b)は、3回目のプリアンブル再送で基地局装置200からACKを受信した場合、すなわち再送回数n=3の場合を示す。このとき、送受信装置100は、図4(b)に示すように、初回のプリアンブルの送信及び1回目、2回目のプリアンブル再送に失敗し、2回目のプリアンブル再送時の送信電力にランプアップ電力をさらに加算した電力で3回目のプリアンブル再送を行う。
このとき、再送回数の目標値m=2であるため、このときの送受信装置100からの送信電力は過小である。従って、次回のランダムアクセス開始時に、2回目のプリアンブル再送で基地局装置200からACKを受信するように、送信電力を大きくする方向に送信電力補正値を設定する必要がある。このとき、n=3、m=2であるため、n−mは1となり、送信電力補正値offUEは正の値となる。これにより、図4(b)に示すように次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信時の送信電力を大きくすることができる。なお、n>3の場合も同様に、次回のランダムアクセス開始時におけるプリアンブル送信時の送信電力を大きくすることができる。
例えば、本実施形態では送信電力補正値offUEの算出の際、補正値算出部111がoffUE=(n−m)×Step+offUE´という式(2)を用いてoffUEを算出する場合を説明したが、これに限られず、初回送信電力を上げ過ぎないよう、送信電力補正値の最大値offmaxを定義し、
offUE=min(offmax,(n−m)×Step+offUE´) ・・・(3)
という式(3)を用いてもよい。なお、min(A,B)は、A,Bのうちの値の小さい方を選択することを示す。
offUE=−1×Step+offUE´ ・・・(4)
とし、n≧1である場合は、
offUE=n×Step+offUE´ ・・・(5)
とすることで、初回のプリアンブル送信で基地局装置200からACKを受信した場合に送信電力TxUEを小さくする方向に送信電力補正値offUEを算出する式を用いても良い。
また、補正値が負の値をとることでプリアンブル送信の成功確率は低下する。そのため、n=0である場合、例えば
offUE=−1×(Step/2)+offUE´ ・・・(6)
という式を用いることで、低下の度合いを緩やかにしても良い。
Claims (11)
- 自装置からの送信電力と希望受信電力とを示す報知信号を送信する基地局装置との無線通信を行う送受信装置であって、
前記報知信号の受信を行う報知信号受信部と、
前記受信した報知信号の受信電力を測定する受信電力測定部と、
前記受信した報知信号から前記送信電力と前記希望受信電力とを取得する基地局情報取得部と、
過去の送信信号の送信失敗回数に基づいて算出された送信電力補正値を記憶する補正値記憶部と、
前記送信電力と前記希望受信電力と前記送信電力補正値とを加算し、前記受信電力を減算することで自装置からの送信電力を算出する送信電力算出部と、
前記算出した送信電力で送信信号を前記基地局装置に送信する送信部と、
前記基地局装置から前記送信した送信信号に対する応答信号を受信する応答信号受信部と、
前記受信した応答信号が前記送信信号の送信成功を示すか否かを判定する応答判定部と、
前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示さないと判定した場合に、前記送信電力に所定のランプアップ電力を加えた電力を送信電力として前記送信部を介して送信信号を送信するランプアップ部と、
前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示すと判定した場合に、前記送信電力補正値と前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示さないと判定された回数から予め決定された再送回数の目標値を減じた値とに基づいて前記送信電力補正値を決定し、前記補正値記憶部に登録する補正値算出部と、
を備えることを特徴とする送受信装置。 - 前記補正値算出部は、前記減じた値に予め決められた電力を乗算し、乗算により得られた値に前回の送信電力補正値を加算することで前記送信電力補正値を算出することを特徴とする請求項1に記載の送受信装置。
- 前記応答判定部は、前記応答信号を受信しなかった場合に、前記送信信号の送信成功を示さないと判定することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送受信装置。
- 請求項1から請求項3の何れかに記載の送受信装置を搭載することを特徴とする移動局装置。
- 自装置からの送信電力と希望受信電力とを示す報知信号を送信する基地局装置と、
前記基地局との無線通信を行う請求項4に記載の移動局装置と、
を備えることを特徴とする移動体通信システム。 - 自装置からの送信電力と希望受信電力とを示す報知信号を送信する基地局装置との無線通信を行い、過去の送信信号の送信失敗回数に基づいて算出された送信電力補正値を記憶する補正値記憶部を備える送受信装置を用いた電力制御方法であって、
報知信号受信部は、前記報知信号の受信を行い、
受信電力測定部は、前記受信した報知信号の受信電力を測定し、
基地局情報取得部は、前記受信した報知信号から前記送信電力と前記希望受信電力とを取得し、
送信電力算出部は、前記送信電力と前記希望受信電力と前記送信電力補正値とを加算し、前記受信電力を減算することで自装置からの送信電力を算出し、
送信部は、前記算出した送信電力で送信信号を前記基地局装置に送信し、
応答信号受信部は、前記基地局装置から前記送信した送信信号に対する応答信号を受信し、
応答判定部は、前記受信した応答信号が前記送信信号の送信成功を示すか否かを判定し、
ランプアップ部は、前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示さないと判定した場合に、前記送信電力に所定のランプアップ電力を加えた電力を送信電力として前記送信部を介して送信信号を送信し、
補正値算出部は、前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示すと判定した場合に、前記送信電力補正値と前記応答信号が前記送信信号の送信成功を示さないと判定された回数から予め決定された再送回数の目標値を減じた値とに基づいて前記送信電力補正値を決定して前記補正値記憶部に登録する、
ことを特徴とする電力制御方法。 - 前記補正値算出部は、前記減じた値に予め決められた電力を乗算し、乗算により得られた値に前回の送信電力補正値を加算することで前記送信電力補正値を算出することを特徴とする請求項6に記載の電力制御方法。
- 前記応答判定部は、前記応答信号を受信しなかった場合に、前記送信信号の送信成功を
示さないと判定することを特徴とする請求項6または請求項7に記載の電力制御方法。 - 開ループ送信電力制御の送受信装置を具備する移動局装置と基地局装置との間で開ループ送信電力制御を行う方法であって、
前記移動局装置は前記基地局装置とのランダムアクセス通信を開始する際に、プリアンブルを送信する送信電力として正または負の値を取ることのできる補正値が加算された送信電力値を用い、前記補正値は、前記基地局装置から送信した送信信号に対する応答信号が前記送信信号の送信成功を示さないと判定された回数から予め決定された再送回数の目標値を減じた値に応じて定まることを特徴とする方法。 - 前記補正値は前記ランダムアクセスの回数が少ないときは負の値を取ることを特徴とする請求項9に記載の方法。
- 前記補正値は正の最大値を有することを特徴とする請求項10に記載の方法。
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