以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。まず、図1〜図48を参照し、第1実施形態として、本発明をパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)10に適用した場合の一実施形態について説明する。図1は、第1実施形態におけるパチンコ機10の正面図であり、図2はパチンコ機10の遊技盤13の正面図であり、図3はパチンコ機10の背面図である。
パチンコ機10は、図1に示すように、略矩形状に組み合わせた木枠により外殻が形成される外枠11と、その外枠11と略同一の外形形状に形成され外枠11に対して開閉可能に支持された内枠12とを備えている。外枠11には、内枠12を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ18が取り付けられ、そのヒンジ18が設けられた側を開閉の軸として内枠12が正面手前側へ開閉可能に支持されている。
内枠12には、多数の釘や入賞口63,64等を有する遊技盤13(図2参照)が裏面側から着脱可能に装着される。この遊技盤13の前面を球が流下することにより弾球遊技が行われる。なお、内枠12には、球を遊技盤13の前面領域に発射する球発射ユニット112a(図5参照)やその球発射ユニット112aから発射された球を遊技盤13の前面領域まで誘導する発射レール(図示せず)等が取り付けられている。
内枠12の前面側には、その前面上側を覆う前面枠14と、その下側を覆う下皿ユニット15とが設けられている。前面枠14及び下皿ユニット15を支持するために正面視(図1参照)左側の上下2カ所に金属製のヒンジ19が取り付けられ、そのヒンジ19が設けられた側を開閉の軸として前面枠14及び下皿ユニット15が正面手前側へ開閉可能に支持されている。なお、内枠12の施錠と前面枠14の施錠とは、シリンダ錠20の鍵穴21に専用の鍵を差し込んで所定の操作を行うことでそれぞれ解除される。
前面枠14は、装飾用の樹脂部品や電気部品等を組み付けたものであり、その略中央部には略楕円形状に開口形成された窓部14cが設けられている。前面枠14の裏面側には2枚の板ガラスを有するガラスユニット16が配設され、そのガラスユニット16を介して遊技盤13の前面がパチンコ機10の正面側に視認可能となっている。
前面枠14には、球を貯留する上皿17が前方へ張り出して上面を開放した略箱状に形成されており、この上皿17に賞球や貸出球などが排出される。上皿17の底面は正面視(図1参照)右側に下降傾斜して形成され、その傾斜により上皿17に投入された球が球発射ユニット112aへと案内される。また、上皿17の上面には、枠ボタン22が設けられている。この枠ボタン22は、例えば、後述する第3図柄表示装置81(図2)で表示される演出のステージを変更する場合に、遊技者により操作される。
ステージとは、第3図柄表示装置81に表示される各種演出に統一性を持たせた演出モードのことで、本パチンコ機10では「街中ステージ」,「空ステージ」,「島ステージ」の3つのステージが設けられている。そして、後述する第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動演出(第3図柄の変動表示(動的表示)を行う変出)やリーチ演出などの各種演出は、それぞれのステージに与えられたテーマに合わせて行われるように設計されている。ステージの変更は、変動演出が行われていない期間や高速変動中に遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に行われ、枠ボタン22が操作される度に「街中ステージ」→「空ステージ」→「島ステージ」→「街中ステージ」→・・・の順で繰り返し変更される。また、電源投入後の直後は、初期ステージとして「街中ステージ」が設定される。
前面枠14には、その周囲(例えばコーナー部分)に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて、点灯又は点滅することにより発光態様が変更制御され、遊技中の演出効果を高める役割を果たす。例えば、窓部14cの周縁には、LED等の発光手段を内蔵した電飾部29〜33が設けられている。パチンコ機10においては、これら電飾部29〜33が大当たりランプ等の演出ランプとして機能し、大当たり時やリーチ演出時等には内蔵するLEDの点灯や点滅によって各電飾部29〜33が点灯または点滅して、大当たり中である旨、或いは大当たり一歩手前のリーチ中である旨が報知される。また、前面枠14の正面視(図1参照)左上部には、LED等の発光手段が内蔵され賞球の払い出し中とエラー発生時とを表示可能な表示ランプ34が設けられている。
右側の電飾部32下側には、前面枠14の裏面側を視認できるように裏面側より透明樹脂を取り付けて小窓35が形成され、遊技盤13前面の貼着スペースK1(図2参照)に貼付される証紙等はパチンコ機10の前面から視認可能とされている。また、パチンコ機10においては、より煌びやかさを醸し出すために、電飾部29〜33の周りの領域にクロムメッキを施したABS樹脂製のメッキ部材36が取り付けられている。
窓部14cの下方には、貸球操作部40が配設されている。貸球操作部40には、度数表示部41と、球貸しボタン42と、返却ボタン43とが設けられている。パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)(図示せず)に紙幣やカード等を投入した状態で貸球操作部40が操作されると、その操作に応じて球の貸出が行われる。具体的には、度数表示部41はカード等の残額情報が表示される領域であり、内蔵されたLEDが点灯して残額情報として残額が数字で表示される。球貸しボタン42は、カード等(記録媒体)に記録された情報に基づいて貸出球を得るために操作されるものであり、カード等に残額が存在する限りにおいて貸出球が上皿17に供給される。返却ボタン43は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿17に球が直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では貸球操作部40が不要となるが、この場合には、貸球操作部40の設置部分に飾りシール等を付加して部品構成は共通のものとしても良い。カードユニットを用いたパチンコ機と現金機との共通化を図ることができる。
上皿17の下側に位置する下皿ユニット15には、その中央部に上皿17に貯留しきれなかった球を貯留するための下皿50が上面を開放した略箱状に形成されている。下皿50の右側には、球を遊技盤13の前面へ打ち込むために遊技者によって操作される操作ハンドル51が配設され、かかる操作ハンドル51の内部には球発射ユニット112aの駆動を許可するためのタッチセンサ51aと、押下操作している期間中には球の発射を停止する押しボタン式の打ち止めスイッチ51bと、操作ハンドル51の回動操作量を電気抵抗の変化により検出する可変抵抗器(図示せず)とが内蔵されている。操作ハンドル51が遊技者によって右回りに回転操作されると、タッチセンサ51aがオンされると共に可変抵抗器の抵抗値が操作量に対応して変化し、操作ハンドル51の回動操作量に応じて変化する可変抵抗器の抵抗値に対応した強さで球が発射され、これにより遊技者の操作に対応した飛び量で遊技盤13の前面へ球が打ち込まれる。また、操作ハンドル51が遊技者により操作されていない状態においては、タッチセンサ51aおよび打ち止めスイッチ51bがオフとなっている。
下皿50の正面下方部には、下皿50に貯留された球を下方へ排出する際に操作するための球抜きレバー52が設けられている。この球抜きレバー52は、常時、右方向に付勢されており、その付勢に抗して左方向へスライドさせることにより、下皿50の底面に形成された底面口が開口して、その底面口から球が自然落下して排出される。かかる球抜きレバー52の操作は、通常、下皿50の下方に下皿50から排出された球を受け取る箱(一般に「千両箱」と称される)を置いた状態で行われる。
下皿50の右方には、上述したように操作ハンドル51が配設され、下皿50の左方には灰皿53が取り付けられている。
図2に示すように、遊技盤13は、正面視略正方形状に切削加工した木製のベース板60に、球案内用の多数の釘や風車およびレール61,62、一般入賞口63、第1入球口(始動口)64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80等を組み付けて構成され、その周縁部が内枠12の裏面側に取り付けられる。一般入賞口63、第1入球口64、可変入賞装置65、可変表示装置ユニット80は、ルータ加工によってベース板60に形成された貫通穴に配設され、遊技盤13の前面側から木ネジ等により固定されている。また、遊技盤13の前面中央部分は、前面枠14の窓部14c(図1参照)を通じて内枠12の前面側から視認することができる。以下に、主に図2を参照して、遊技盤13の構成について説明する。
遊技盤13の前面には、帯状の金属板を略円弧状に屈曲加工して形成した外レール62が植立され、その外レール62の内側位置には外レール62と同様に帯状の金属板で形成した円弧状の内レール61が植立される。この内レール61と外レール62とにより遊技盤13の前面外周が囲まれ、遊技盤13とガラスユニット16(図1参照)とにより前後が囲まれることにより、遊技盤13の前面には、球の挙動により遊技が行われる遊技領域が形成される。遊技領域は、遊技盤13の前面であって2本のレール61,62と円弧部材70とにより区画して形成される略円形状の領域(入賞口等が配設され、発射された球が流下する領域)である。
2本のレール61,62は、球発射ユニット112a(図5参照)から発射された球を遊技盤13上部へ案内するために設けられたものである。内レール61の先端部分(図2の左上部)には戻り球防止部材68が取り付けられ、一旦、遊技盤13の上部へ案内された球が再度球案内通路内に戻ってしまうといった事態が防止される。外レール62の先端部(図2の右上部)には、球の最大飛翔部分に対応する位置に返しゴム69が取り付けられ、所定以上の勢いで発射された球は、返しゴム69に当たって、勢いが減衰されつつ中央部側へ跳ね返される。また、内レール61の右下側の先端部と外レール62の右上側の先端部との間には、レール間を繋ぐ円弧を内面側に設けて形成された樹脂製の円弧部材70がベース板60に打ち込んで固定されている。
遊技領域の正面視右側上部(図2の右側上部)には、発光手段である複数の発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)37aと7セグメント表示器37bとが設けられた第1図柄表示装置37が配設されている。第1図柄表示装置37は、後述する主制御装置110(図5参照)で行われる各制御に応じた表示がなされるものであり、主にパチンコ機10の遊技状態の表示が行われる。複数のLED37aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って行われる変動中であるか否かを点灯状態により示すことによって変動表示を行ったり、変動終了後の停止図柄として、その始動入賞に対して行われる抽選の結果に応じた図柄を点灯状態により示したり、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を点灯状態により示すものである。7セグメント表示器37bは、大当たり中のラウンド数やエラー表示を行うものである。なお、LED37aは、それぞれのLEDの発光色(例えば、赤、緑、青)が異なるよう構成され、その発光色の組み合わせにより、少ないLEDでパチンコ機10の各種遊技状態を示唆することができる。
尚、本パチンコ機10では、第1入球口64への入球に対して行われる抽選において、大当たりか否かの当否判定を行うと共に、大当たりと判定した場合はその大当たり種別の判定も行う。ここで判定される大当たり種別としては、15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たりが用意されている。LED37aには、変動終了後の停止図柄として抽選の結果が大当たりであるか否かが示されるだけでなく、大当たりである場合はその大当たり種別に応じた図柄が示される。
ここで、「15R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことであり、「2R確変大当たり」とは、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する確変大当たりのことである。また、「時短大当たり」は、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に、低確率状態へ移行すると共に所定の変動回数の間(例えば、100変動回数)は時短状態となる大当たりのことである。
また、「高確率状態」とは、大当たり終了後に付加価値としてその後の大当たり確率がアップした状態、いわゆる確率変動中(確変中)の時をいい、換言すれば、特別遊技状態へ移行し易い遊技の状態のことである。本実施形態における高確率状態(確変中)は、後述する第2図柄(普通図柄)の当たり確率がアップして、第1入球口64に付随する電動役物(図示せず)が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態を含む。
一方で、「低確率状態」とは、確変中でない時をいい、大当たり確率が通常の状態、即ち、確変の時より大当たり確率が低い状態をいう。また、「低確率状態」のうちの時短状態(時短中)とは、大当たり確率が通常の状態であると共に、大当たり確率がそのままで第2図柄(普通図柄)の当たり確率のみがアップして、第1入球口64に付随する電動役物が開放されやすくなることで、第1入球口64へ球が入球し易い遊技の状態のことをいう。
なお、第2図柄の当たり確率を変更する代わりに、パチンコ機10の遊技状態に応じて、第1入球口64に付随する電動役物が開放する時間や、第2図柄における1回の当たりで電動役物が開放する回数を変更するものとしても良い。例えば、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第1入球口64に付随する電動役物の開放時間が、その他の遊技状態と比して長くなる状態であってもよい。また、低確率状態の時短状態や高確率状態は、第2図柄における1回の当たりで電動役物の開放する回数が、その他の遊技状態と比して多くなる状態であってもよい。
遊技領域には、球が入賞することにより5個から15個の球が賞球として払い出される複数の一般入賞口63が配設されている。また、遊技領域の中央部分には、可変表示装置ユニット80が配設されている。可変表示装置ユニット80には、第1入球口64への入球(始動入賞)をトリガとして、第1図柄表示装置37における変動表示と同期させながら、第3図柄の変動表示を行う液晶ディスプレイ(以下単に「表示装置」と略す。)で構成された第3図柄表示装置81と、第2入球口67の球の通過をトリガとして第2図柄(普通図柄)を変動表示するLEDで構成される第2図柄表示装置83とが設けられている。また、可変表示装置ユニット80には、第3図柄表示装置81の外周を囲むようにして、センターフレーム86が配設されている。
第3図柄表示装置81は8インチサイズの大型の液晶ディスプレイで構成されるものであり、後述する表示制御装置114(図5,12参照)によって表示内容が制御されることにより、例えば左、中及び右の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成され、これらの図柄が図柄列毎に縦スクロールして第3図柄表示装置81の表示画面上にて第3図柄が可変表示されるようになっている。本実施形態の第3図柄表示装置81は、主制御装置110の制御に伴った遊技状態の表示が第1図柄表示装置37で行われるのに対して、その第1図柄表示装置37の表示に応じた装飾的な表示を行うものである。なお、表示装置に代えて、例えば、リール等を用いて第3図柄表示装置81を構成するようにしても良い。
ここで、図4を参照して、第3図柄表示装置81の表示内容について説明する。図4は、第3図柄表示装置81の表示画面を説明するための図面であり、図4(a)は、表示画面の領域区分設定と有効ライン設定とを模式的に示した図であり、図4(b)は、実際の表示画面を例示した図である。
第3図柄は、「0」から「9」の数字を付した10種類の主図柄により構成されている。各主図柄は、木箱よりなる後方図柄の上に「0」から「9」の数字を付して構成され、そのうち奇数番号(1,3,5,7,9)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯に大きな数字が付加されている。これに対し、偶数番号(0,2,4,6,8)を付した主図柄は、木箱の前面ほぼ一杯にかんな、風呂敷、ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄が付加されており、付属図柄の右下側に偶数の数字が緑色で小さく、且つ、付属図柄の前側に表示されるように付加されている。
本実施形態のパチンコ機10においては、後述する主制御装置110(図5参照)による抽選結果が大当たりであった場合に、同一の主図柄が揃う変動表示が第3図柄表示装置81にて行われ、その変動表示が終わった後に大当たりが発生するよう構成されている。大当たり終了後に高確率状態(確変状態)に移行する場合は、奇数番号が付加された主図柄(「高確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。一方、大当たり終了後に低確率状態に移行する場合は、偶数番号が付加された主図柄(「低確率図柄」に相当)が揃う変動表示が行われる。
図4(a)に示すように、第3図柄表示装置81の表示画面は、大きくは上下に2分割され、下側の2/3が第3図柄を変動表示する主表示領域Dm、それ以外の上側の1/3が予告演出、キャラクタおよび保留球数などを表示する副表示領域Dsとなっている。
主表示領域Dmは、左・中・右の3つの表示領域Dm1〜Dm3に区分けされており、その3つの表示領域Dm1〜Dm3に、それぞれ3つの図柄列Z1,Z2,Z3が表示される。各図柄列Z1〜Z3には、上述した第3図柄が規定の順序で表示される。即ち、各図柄列Z1〜Z3には、数字の昇順または降順に主図柄が配列され、各図柄列Z1〜Z3毎に周期性をもって上から下へとスクロールして変動表示が行われる。特に、左図柄列Z1においては主図柄の数字が降順に現れるように配列され、中図柄列Z2及び右図柄列Z3においては主図柄の数字が昇順に現れるように配列されている。
また、主表示領域Dmには、各図柄列Z1〜Z3毎に上・中・下の3段に第3図柄が表示される。この主表示領域Dmの中段部が有効ラインL1として設定されており、毎回の遊技に際して、左図柄列Z1→右図柄列Z3→中図柄列Z2の順に、有効ラインL1上に第3図柄が停止表示される。その第3図柄の停止時に有効ラインL1上に大当たり図柄の組合せ(本実施形態では、同一の主図柄の組合せ)で揃えば大当たりとして大当たり動画が表示される。
一方、副表示領域Dsは、主表示領域Dmよりも上方に横長に設けられており、さらに左右方向に3つの小領域Ds1〜Ds3に等区分されている。このうち、小領域Ds1は、第1入球口64に入球された球のうち変動が未実行である球(保留球)の数である保留球数を表示する領域であり、小領域Ds2およびDs3は、予告演出画像を表示する領域である。
実際の表示画面では、図4(b)に示すように、主表示領域Dmに第3図柄の主図柄が合計9個表示される。副表示領域Dsにおいては、右の小領域Ds3に動画が表示され、通常より大当たりへ遷移し易い状態であることが遊技者に示唆される。中央の小領域Ds2では、通常は、所定のキャラクタ(本実施形態ではハチマキを付けた少年)が所定動作をし、時として所定動作とは別の特別な動作をしたり、別のキャラクタが現出したりする等して、予告演出が行われる。
ここで、本実施形態のパチンコ機10では、第1入球口64への入球(始動入賞)に伴って第3図柄表示装置81にて行われる変動演出の一態様として、一の変動表示の中で第3図柄の擬似変動が複数回連続して行われる、いわゆる「擬似連」が行われ得るように構成されている。「擬似連」は、その擬似連が実行される変動表示の結果として大当たりとなる期待度を示唆する予告演出の一種であり、一の変動表示中に、第3図柄の擬似停止と再変動(擬似変動)とが繰り返し行われる態様によって変動演出が行われる。詳細については、図8〜12を参照して後述するが、「擬似連」では、この一の変動表示中に行われる擬似停止および再変動の繰り返し回数(即ち、擬似変動が連続して行われる回数)が多くなる程、その変動表示後に大当たりが付与される期待感が高まるように、その繰り返し回数が決定される。これにより、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができるので、「擬似連」による変動演出を行うことによって、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
そして、この「擬似連」による変動演出が行われる場合、上述の主表示領域Dm及び副表示領域Dsに関わらず、第3図柄表示装置81の表示画面全体を使って、その「擬似連」による変動演出の画像を表示する。この「擬似連」による変動演出の画像の詳細については図520を参照して後述する。
第3図柄表示装置81(第1図柄表示装置37)にて変動表示が行われている間に球が第1入球口64へ入球した場合、その入球回数は最大4回まで保留され、その保留球数は第1図柄表示装置37により示されると共に、副表示領域Dsの小領域Ds1においても示される。小領域Ds1には、保留球数1球につき1つの保留球数図柄が表示され、その保留球数図柄の表示数に応じて、保留球数が表示される。即ち、小領域Ds1に1つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が1球であることを示し、4つの保留球数図柄が表示されている場合は、保留球数が4球であることを示す。また、小領域Ds1に保留球数図柄が表示されていない場合は、保留球数が0球である、即ち、保留球が存在しないことを示す。
なお、本実施形態においては、第1入球口64への入球は、最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、小領域Ds1における保留球数図柄の表示に代えて、保留球数を第3図柄表示装置81の一部に数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第3図柄表示装置81に保留球数を表示させないものとしてもよい。更に、可変表示装置ユニット80、遊技盤13、又は前面枠12等に、保留球数を示す保留ランプを最大保留数分の4つ設け、点灯状態の保留ランプの数に応じて、保留球数を表示するものとしてもよい。
図2に戻って、説明を続ける。第2図柄表示装置83は、球が第2入球口67を通過する毎に表示図柄(第2図柄)としての「○」の図柄と「×」の図柄とを交互に点灯させる変動表示を行うものである。パチンコ機10は、第2図柄表示装置83における変動表示が所定図柄(本実施形態においては「○」の図柄)で停止した場合に第1入球口64が所定時間だけ作動状態となる(開放される)よう構成されている。球の第2入球口67の通過回数は最大4回まで保留され、その保留球数が上述した第1図柄表示装置37により表示されると共に第2図柄保留ランプ84においても点灯表示される。第2図柄保留ランプ84は、最大保留数分の4つ設けられ、第3図柄表示装置81の下方に左右対称に配設されている。
なお、第2図柄の変動表示は、本実施形態のように、第2図柄表示装置83において複数のランプの点灯と非点灯を切り換えることにより行うものの他、第1図柄表示装置37又は第3図柄表示装置81の一部を使用して行うようにしても良い。同様に、第2図柄保留ランプ84の点灯を第3図柄表示装置81の一部で行うようにしても良い。また、第2入球口67の通過は、第1入球口64と同様に、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定しても良い。また、第1図柄表示装置37により保留球数が示されるので、第2図柄保留ランプ84により点灯表示を行わないものとしても良い。
可変表示装置ユニット80の下方には、球が入球し得る第1入球口(始動入賞口)64が配設されている。この第1入球口64へ球が入球すると、遊技盤13の裏面側に設けられる第1入球口スイッチ(図示せず)がオンとなり、その第1入球口スイッチのオンに起因して、主制御装置110で大当たりの抽選がなされ、また、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81における変動表示が開始(始動)される。そして、所定の変動時間経過後に、変動表示が停止され、その抽選結果に応じた表示が第1図柄表示装置37のLED37aで示されると共に、その抽選結果に応じた第3図柄が第3図柄表示装置81の有効ラインL1上に停止表示される。また、第1入球口64は、球が入球すると5個の球が賞球として払い出される入賞口の1つにもなっている。
第1入球口64の下方には可変入賞装置65が配設されており、その略中央部分に横長矩形状の特定入賞口(大開放口)65aが設けられている。パチンコ機10においては、主制御装置110での抽選が大当たりとなると、所定時間(変動時間)が経過した後に、大当たりの停止図柄となるよう第1図柄表示装置37のLED37aを点灯させると共に、その大当たりに対応した停止図柄を第3図柄表示装置81に表示させて、大当たりの発生が示される。その後、球が入賞し易い特別遊技状態(大当たり)に遊技状態が遷移する。この特別遊技状態として、通常時には閉鎖されている特定入賞口65aが、所定時間(例えば、30秒経過するまで、或いは、球が10個入賞するまで)開放される。
この特定入賞口65aは、所定時間が経過すると閉鎖され、その閉鎖後、再度、その特定入賞口65aが所定時間開放される。この特定入賞口65aの開閉動作は、最高で例えば15回(15ラウンド)繰り返し可能にされている。この開閉動作が行われている状態が、遊技者にとって有利な特別遊技状態の一形態であり、遊技者には、遊技上の価値(遊技価値)の付与として通常時より多量の賞球の払い出しが行われる。
可変入賞装置65は、具体的には、特定入賞口65aを覆う横長矩形状の開閉板と、その開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイド(図示せず)とを備えている。特定入賞口65aは、通常時は、球が入賞できないか又は入賞し難い閉状態になっている。大当たりの際には大開放口ソレノイドを駆動して開閉板を前面下側に傾倒し、球が特定入賞口65aに入賞しやすい開状態を一時的に形成し、その開状態と通常時の閉状態との状態を交互に繰り返すように作動する。
なお、上記した形態に特別遊技状態は限定されるものではない。特定入賞口65aとは別に開閉される大開放口を遊技領域に設け、第1図柄表示装置37において大当たりに対応したLED37aが点灯した場合に、特定入賞口65aが所定時間開放され、その特定入賞口65aの開放中に、球が特定入賞口65a内へ入賞することを契機として特定入賞口65aとは別に設けられた大開放口が所定時間、所定回数開放される遊技状態を特別遊技状態として形成するようにしても良い。
遊技盤13の下側における左右の隅部には、証紙や識別ラベル等を貼着するための貼着スペースK1,K2が設けられ、貼着スペースK1に貼られた証紙等は、前面枠14の小窓35(図1参照)を通じて視認することができる。
更に、遊技盤13には、アウト口66が設けられている。いずれの入賞口63,64,65aにも入球しなかった球はアウト口66を通って図示しない球排出路へと案内される。遊技盤13には、球の落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
図3に示すように、パチンコ機10の背面側には、制御基板ユニット90,91と、裏パックユニット94とが主に備えられている。制御基板ユニット90は、主基板(主制御装置110)と音声ランプ制御基板(音声ランプ制御装置113)と表示制御基板(表示制御装置114)とが搭載されてユニット化されている。制御基板ユニット91は、払出制御基板(払出制御装置111)と発射制御基板(発射制御装置112)と電源基板(電源装置115)とカードユニット接続基板116とが搭載されてユニット化されている。
裏パックユニット94は、保護カバー部を形成する裏パック92と払出ユニット93とがユニット化されている。また、各制御基板には、各制御を司る1チップマイコンとしてのMPU、各種機器との連絡をとるポート、各種抽選の際に用いられる乱数発生器、時間計数や同期を図る場合などに使用されるクロックパルス発生回路等が、必要に応じて搭載されている。
なお、主制御装置110、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114、払出制御装置111及び発射制御装置112、電源装置115、カードユニット接続基板116は、それぞれ基板ボックス100〜104に収納されている。基板ボックス100〜104は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備えており、そのボックスベースとボックスカバーとが互いに連結されて、各制御装置や各基板が収納される。
また、基板ボックス100(主制御装置110)及び基板ボックス102(払出制御装置111及び発射制御装置112)は、ボックスベースとボックスカバーとを封印ユニット(図示せず)によって開封不能に連結(かしめ構造による連結)している。また、ボックスベースとボックスカバーとの連結部には、ボックスベースとボックスカバーとに亘って封印シール(図示せず)が貼着されている。この封印シールは、脆性な素材で構成されており、基板ボックス100,102を開封するために封印シールを剥がそうとしたり、基板ボックス100,102を無理に開封しようとすると、ボックスベース側とボックスカバー側とに切断される。よって、封印ユニット又は封印シールを確認することで、基板ボックス100,102が開封されたかどうかを知ることができる。
払出ユニット93は、裏パックユニット94の最上部に位置して上方に開口したタンク130と、タンク130の下方に連結され下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール131と、タンクレール131の下流側に縦向きに連結されるケースレール132と、ケースレール132の最下流部に設けられ、払出モータ216(図5参照)の所定の電気的構成により球の払出を行う払出装置133とを備えている。タンク130には、遊技ホールの島設備から供給される球が逐次補給され、払出装置133により必要個数の球の払い出しが適宜行われる。タンクレール131には、当該タンクレール131に振動を付加するためのバイブレータ134が取り付けられている。
また、払出制御装置111には状態復帰スイッチ120が設けられ、発射制御装置112には可変抵抗器の操作つまみ121が設けられ、電源装置115にはRAM消去スイッチ122が設けられている。状態復帰スイッチ120は、例えば、払出モータ216(図5参照)部の球詰まり等、払出エラーの発生時に球詰まりを解消(正常状態への復帰)するために操作される。操作つまみ121は、発射ソレノイドの発射力を調整するために操作される。RAM消去スイッチ122は、パチンコ機10を初期状態に戻したい場合に電源投入時に操作される。
次に、図5を参照して、本パチンコ機10の電気的構成について説明する。図5は、パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。
主制御装置110には、演算装置である1チップマイコンとしてのMPU201が搭載されている。MPU201は、8ビットマイコンで構成され、該MPU201により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM202と、そのROM202内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するためのメモリであるRAM203と、そのほか、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路が内蔵されている。なお、払出制御装置111や音声ランプ制御装置113などのサブ制御装置に対して動作を指示するために、主制御装置110から該サブ制御装置へ各種のコマンドがデータ送受信回路によって送信されるが、かかるコマンドは、主制御装置110からサブ制御装置へ一方向にのみ送信される。
主制御装置110では、大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行する。ROM202は、これらの処理を制御するために用いられる固定値データとして、大当たり乱数テーブル202a、大当たり種別テーブル202b、大当たり用変動パターンテーブル202c及び外れ用変動パターンテーブル202dが少なくとも格納されている。また、RAM203には、パチンコ機10の主要な処理(大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選等)を制御するための各種カウンタが設けられている。
ここで、図6及び図7を参照して、主制御装置110のRAM203内に設けられる各種カウンタと、ROM202内に格納された各種テーブル202a〜202dについて説明する。まず、図6は、各種カウンタの概要を示す図である。
大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81の表示の設定には、大当たりの抽選に使用する第1当たり乱数カウンタC1と、大当たり図柄の選択に使用する第1当たり種別カウンタC2と、停止パターン選択カウンタC3と、第1当たり乱数カウンタC1の初期値設定に使用する第1初期値乱数カウンタCINI1と、変動パターン選択に使用する変動種別カウンタCS1とが用いられる。また、第2図柄表示装置83の抽選には、第2当たり乱数カウンタC4が用いられ、第2当たり乱数カウンタC4の初期値設定には第2初期値乱数カウンタCINI2が用いられる。これら各カウンタは、更新の都度前回値に1が加算され、最大値に達した後0に戻るループカウンタとなっている。
各カウンタは、例えば、タイマ割込処理(図22参照)の実行間隔である2ミリ秒間隔、又は、メイン処理(図28参照)において4ミリ秒間隔で更新される。更に、一部のカウンタは、メイン処理(図28参照)の中でも不定期に更新される。各カウンタの更新値は、RAM203の所定領域に設定されたカウンタ用バッファ203bに適宜格納される。カウンタ用バッファ203bは、更新された各カウンタの値を格納するための領域であり、MPU201は、カウンタ毎に、そのカウンタの更新タイミングで、カウンタ用バッファ203bに格納された値を用いて、そのカウンタの更新を行う。
RAM203には、1つの実行エリアと4つの保留エリア(保留第1〜第4エリア)とからなる保留球格納エリア203cが設けられている。保留エリアは、第1入球口64への入球タイミングに合わせて、カウンタ用バッファ203bから読み出された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を一時的に格納(保留)するためのエリアである。また、実行エリアは、変動の開始タイミングで大当たり抽選や変動演出の変動パターン及び停止種別の決定を行うために用いる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3を格納するためのエリアである。
MPU201は、第1入球口64への入球(始動入賞)を検出すると、そのときのカウンタ用バッファ203bの第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、保留第1〜第4エリアの1つのエリアに格納する。このとき、保留エリアに保留が全くなく、保留第1〜第4エリアの全てが空きエリアとなっている場合は、保留第1エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が1つのみで、保留第1エリアだけに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第2エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が2つで、保留第1〜第2エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第3エリアに各カウンタの値を格納する。保留エリアでの保留が3つで、保留第1〜第3エリアのみに各カウンタの値が格納されている場合は、保留第4エリアに各カウンタの値を格納する。これにより、始動入賞の順に、その始動入賞のタイミングでカウンタ用バッファ203bから取得した各カウンタの値を、保留第1エリア、保留第2エリア、保留第3エリア、保留第4エリアに格納することができる。尚、保留第1〜第4エリアの全てに各カウンタの値が格納されているときに始動入賞が検出された場合は、そのときの各カウンタの値は保留されずに破棄される。即ち、本実施形態では、最大で4つの始動入賞まで、各カウンタの値が保留可能に構成されている。
また、MPU201は、変動演出の開始タイミングになると、保留第1エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を実行エリアに移し、その実行エリアに格納された各カウンタの値に基づいて、大当たり抽選や、変動演出の変動パターンおよび停止図柄の種別の決定が行われる。
また、保留第1エリアの各カウンタの値が実行エリアに移された後、保留第2エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第1エリアにシフトされ、保留第3エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第2エリアにシフトされ、保留第4エリアに格納された各カウンタの値が空いた保留第3エリアにシフトされる。これにより、保留球格納エリア203cに保留された各カウンタの値に基づいて変動演出が開始されると、1つ分だけ保留が減り、保留エリアの1エリアが開放される。
各カウンタについて詳しく説明する。第1当たり乱数カウンタC1は、上述した通り、大当たりの抽選に使用するためのカウンタであり、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新される。第1当たり乱数カウンタC1の更新は、所定の範囲(例えば、0〜899)内で順に1ずつ加算し、最大値(例えば、0〜899の値を取り得るカウンタの場合は899)に達した後0に戻すことによって行われる。また、第1当たり乱数カウンタC1が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第1初期値乱数カウンタCINI1の値を新たな初期値として、当該第1当たり乱数カウンタC1に設定し、その初期値から更新を行う。
第1初期値乱数カウンタCINI1は、上述した通り、第1当たり乱数カウンタC1の初期値に使用されるもので、その第1当たり乱数カウンタC1と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成される。例えば、第1当たり乱数カウンタC1が0〜899の値を取り得るループカウンタである場合には、第1初期値乱数カウンタCINI1もまた、0〜899の範囲のループカウンタで構成される。この第1初期値乱数カウンタCINI1は、タイマ割込処理(図22参照)の実行毎に1回更新されるだけでなく、メイン処理(図28参照)の残余時間内でも繰り返し更新される。
カウンタ用バッファ203bに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値は、球が第1入球口64に入賞したタイミングでRAM203の保留球格納エリア203cに格納される。そして、変動開始時に、その保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値。当たり値ともいう)か否かを判定して、大当たり抽選を行う。大当たりとなる乱数の値(大当たり乱数値)は、主制御装置のROM202に格納される大当たり乱数テーブル202a(図示せず)によって設定されており、保留球格納エリア203c(正確には、保留球格納エリア203cの実行エリア)に格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が、大当たり乱数テーブル202aによって設定された大当たり乱数値と一致する場合に大当たりと判定する。
ここで、図7(a)を参照して大当たり乱数テーブル202aの詳細について説明する。図7(a)は、大当たり乱数テーブル202aを模式的に示した模式図である。大当たり乱数テーブル202aは、大当たりと判定される第1当たり乱数カウンタC1の値(大当たり乱数値)を示したものである。この大当たり乱数テーブル202aは、遊技状態が低確率状態(即ち、確変中ではない期間)に参照される大当たり乱数値と、遊技状態が高確率状態(即ち、確変中)に参照される大当たり乱数値とに分かれて構成されており、それぞれに含まれる大当たり乱数値の数が異なって設定されている。このように、大当たりとなる乱数の数を異ならせることにより、低確率状態と高確率状態とで、大当たりとなる確率が変更される。
本実施形態において、第1当たり乱数カウンタC1は、0〜899の範囲の2バイトのループカウンタとして構成されている。また、低確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は3個で、その値「7,307,582」が、「低確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。一方、高確率状態で大当たりとなる大当たり乱数値の数は30個で、その値「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が、「高確率状態」に対応づけられて、大当たり乱数テーブル202aに格納されている。
MPU201は、大当たりの判定を行う場合に、その時の遊技状態に合った大当たり乱数値を大当たり乱数テーブル203aから読み出す。そして、MPU201は、大当たりの判定に用いる第1当たり乱数カウンタC1(保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1)の値が、大当たり乱数テーブル203aから読み出した大当たり乱数値の一つと一致するか否かを判定し、一致する場合に大当たりと判定する。
つまり、遊技状態が低確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「7,307,582」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。第1当たり乱数カウンタC1は0〜899の範囲で更新されるので、低確率状態の場合の大当たり確率は、1/300となる。また、遊技状態が高確率状態の場合は、第1当たり乱数カウンタC1の値が「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」のいずれか一つと一致する場合に大当たりとなる。従って、高確率状態の場合の大当たり確率は、1/30となる。
尚、本実施形態では、低確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値と、高確率状態で大当たり乱数テーブル202aから読み出される大当たり乱数値とで、重複した値とならないように、それぞれの大当たり乱数値を設定している。ここで、大当たり乱数値としてパチンコ機10の状況にかかわらず常に用いられる値が存在すれば、その値が外部より入力されて、不正に大当たりを引き当てられやすくなる恐れがある。これに対して、本実施形態のように、状況に応じて(即ち、パチンコ機10が高確率状態か低確率状態か、に応じて)、大当たりとなる乱数の値を変えることで、大当たりとなる乱数の値が予測され難くすることができるので、不正に対する抑制を図ることができる。
図6に戻り、RAM203に設けられた各種カウンタの説明を続ける。第1当たり種別カウンタC2は、大当たりとなった場合の大当たり種別を決定するものであり、所定の範囲(例えば、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(例えば、0〜99の値を取り得るカウンタの場合は99)に達した後に0に戻る構成となっている。第1当たり種別カウンタC2の値は、例えば、定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、第1当たり乱数カウンタC1と共に、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのいずれかの保留エリアに格納される。
ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや、停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)は、外れ時のものとなる。一方で、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数であれば、変動演出における変動パターンや停止種別は大当たり時のものとなる。この場合、その大当たり時の変動パターンおよび停止種別は、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値が示す大当たり種別に対応して決定される。
本実施形態のパチンコ機10における第1当たり種別カウンタC2の値は、0〜99の範囲のループカウンタとして構成されている。この第1当たり種別カウンタC2とROM202に格納された大当たり種別テーブル202bとに基づいて、大当たり種別が決定される。
ここで、図7(b)を参照して、大当たり種別テーブル202bについて説明する。図7(b)は、大当たり種別テーブル202bの一例を模式的に示した図である。図7(b)に示すように、大当たり種別テーブル202bは、大当たり種別と第1当たり種別カウンタC2の値とを対応付けたテーブルである。
大当たり種別としては、上述したように、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する「15R確変大当たり」、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行すると共に、100変動回数の間は時短状態となる「15R通常大当たり」、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たりの後に高確率状態へ移行する「2R確変大当たり」がある。
大当たり種別テーブル202bでは、各大当たり種別に対して、その大当たり種別を決定する第1当たり種別カウンタC2の値が対応付けられている。図7(a)の例では、15R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「0〜39」が対応付けられ、15R通常大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「40〜79」が対応付けられ、2R確変大当たりに対して第1当たり種別カウンタC2の値「80〜99」が対応付けられている。
第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値であった場合に、同じ保留エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応付けられた大当たり種別が大当たり種別テーブル202bから決定される。例えば、第1当たり種別カウンタC2の値が「20」であれば、大当たり種別として「15R確変大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「60」であれば、大当たり種別として「15R通常大当たり」が決定され、第1当たり種別カウンタC2の値が「90」であれば、大当たり種別として「2R確変大当たり」が決定される。
このように、本実施形態では、大当たりとなる場合に40%の確率で15R確変大当たりが選択され、40%の確率で15R通常大当たりが選択され、20%の確率で2R確変大当たりが選択される。なお、大当たりとなった場合にそれぞれの大当たり種別が選択される確率は、機種によって適宜設定される。そして、その設定された確率に応じて、大当たり種別テーブル202bにて、各大当たり種別に対して対応付けられる第1当たり種別カウンタC2の値が規定される。
図6に戻って、各種カウンタの説明を続ける。停止パターン選択カウンタC3は、外れとなった場合の停止図柄の種別(以下「停止種別」と称す)を決定するものであり、例えば0〜99の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり99)に達した後0に戻る構成となっている。本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3によって、第3図柄表示装置81で表示される外れ時の停止種別が選択される。本実施形態において選択される停止種別としては、リーチが発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後に1つだけずれて停止する「前後外れリーチ」と、同じくリーチ発生した後、最終停止図柄がリーチ図柄の前後以外で停止する「前後外れ以外リーチ」と、リーチが発生しない「完全外れ」との3つの停止(演出)パターンがある。
停止パターン選択カウンタC3の値は、例えば定期的に(本実施形態ではタイマ割込処理毎に1回)更新され、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したタイミングで、RAM203の保留球格納エリア203cに設けられた保留第1〜第4エリアのうちいずれかの保留エリアに格納される。ここで、保留球格納エリア203c内の1の保留エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる乱数でなければ、即ち、外れとなる乱数であれば、変動演出における停止種別は、外れ時のものとなる。この場合、その外れ時の停止種別は、同じ保留エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて決定される。
本実施形態では、停止パターン選択カウンタC3に対応して、停止種別の選択される乱数値の範囲が異なる複数のテーブル(図示せず)がROM202に設けられている。これは、現在のパチンコ機10の状態が高確率状態であるか低確率状態であるか等に応じて、停止種別の選択比率を変更するためである。
例えば、高確率状態では、大当たりが発生し易いため必要以上にリーチ演出が選択されないように、「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜89と広いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され易くなる。このテーブルは、「前後外れリーチ」が98,99、「前後外れ以外リーチ」が90〜97と、「前後外れリーチ」及び「前後外れ以外リーチ」に対応した乱数値の範囲が狭く、「前後外れリーチ」や「前後外れ以外リーチ」が選択され難くなる。
また、低確率状態であれば、第1入球口64への球の入球時間を確保するために「完全外れ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が0〜79と狭いテーブルが選択され、「完全外れ」が選択され難くなる。このテーブルは、「前後外れ以外リーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲が80〜97と広くなり、「前後外れ以外リーチ」が選択され易くなっている。よって、低確率状態では、演出時間の長いリーチ表示を多く行うことできるので、第1入球口64への球の入球時間を確保でき、第3図柄表示装置81による変動表示が継続して行われ易くなる。尚、後者のテーブルにおいても、「前後外れリーチ」の停止種別に対応した乱数値の範囲は98,99に設定される。
変動種別カウンタCS1は、変動パターンの決定に用いるためのループカウンタであり、例えば0〜198の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり198)に達した後0に戻る構成となっている。変動種別カウンタCS1の値は、後述するタイマ割込処理(図22参照)が1回実行される毎に1回更新され、メイン処理(図28参照)内の残余時間内でも繰り返し更新される。
MPU201は、変動開始時に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1と、ROM202に格納された変動パターンテーブルとを参照し、変動種別カウンタCS1変動演出で実行すべき変動パターンを決定する。ここで決定される変動パターンは、図柄変動の変動時間である。
即ち、主制御装置110では、変動パターンとして図柄変動の変動時間のみを決定する。一方、具体的な変動態様は、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114によって設定される。即ち、音声ランプ制御装置113および表示制御装置114が、変動種別カウンタCS1により決定された変動パターン(変動時間)に基づいて、その変動時間で変動表示が可能な変動態様の中から、第3図柄表示装置81で表示させる第3図柄の変動態様の詳細を決定する。そして、決定した変動態様に従って、表示制御装置114は第3図柄表示装置81に第3図柄を変動表示させ、また、音声ランプ制御装置113は、その変動表示に合わせて音声出力装置226から音声を出力させると共に、ランプ表示装置227(電飾部29〜33)のランプを点灯・点滅表示させる。
このように、主制御装置110では、変動パターンを決定する処理として、変動時間のみを決定し、その変動時間に応じた変動態様の詳細については、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114にて決定する。主制御装置110のMPU201は8ビットマイコンで構成されており、複雑な処理を行うことはできないが、変動パターンを決定する場合に主制御装置110では変動時間のみを決定するように構成することで、主制御装置110にて変動態様の詳細まで決定する場合と比して、主制御装置110の変動パターンの決定処理を簡単に行うことができる。また、主制御装置110にて変動態様の詳細を決定した場合、その決定した変動態様の詳細情報を音声ランプ制御装置113等に通知しなければならず、その通知に必要となるコマンドを例えば3バイト以上で構成しなければならなくなる恐れが生じ、コマンドの送信や受信が複雑となるおそれがある。これに対し、本実施形態では、主制御装置110で変動時間のみを決定するように構成されているので、音声ランプ制御装置113等に対して、その決定した変動時間に関する情報のみを通知すればよく、その通知に係るコマンドの構成を簡易にすることができる。よって、コマンドの送受信が複雑になることを抑制できる。また、主制御装置110において図柄変動の変動時間のみを決定しても、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114によって、多くの変動態様の中から指定された変動時間に応じた変動態様を決定し、その決定された変動態様で第3図柄表示装置81にて変動表示を行うように構成されているので、多彩な変動演出を遊技者に付与することができ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
さて、本実施形態では、変動種別カウンタCS1の値に応じて変動パターン(変動時間)を決定するために用いられる変動パターンテーブルとして、大当たり時に用いられる大当たり用変動パターンテーブル202cと、外れ時に用いられる外れ用変動パターンテーブル202dとが用意されている。また、外れ用変動パターンテーブル202dとして、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態であるか、もしくは、時短状態を除く通常時の低確率状態かに応じて、外れ(確変)用変動パターンテーブル202d2および外れ(通常)用変動パターンテーブル202d1が用意されている。
ここで、図7(c)〜(e)を参照して、各種変動パターンの詳細について説明する。まず、図7(c)は、ROM202に記憶される大当たり用変動パターンテーブル202cの一例を模式的に示した図である。図7(c)に示すように、大当たり用変動パターンテーブル202cは、大当たり種別に基づいてグループ(群)に区分けされている。具体的には、大当たり種別が15R確変大当たり又は15R通常大当たりである場合に参照される15R大当たり共通と、2R確変大当たりである場合に参照される2R確変大当たり専用とに区分けされている。そして、区分けされた各グループに対して、それぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。
変動開始時において、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たり乱数値であった場合に、その実行エリアに格納された第1当たり種別カウンタC2の値に対応する大当たり種別に応じて、実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、大当たり用変動テーブル202cから決定される。
15R大当たり共通には、変動パターンとして、変動時間が30秒の変動Aと、変動時間が60秒の変動Bと、変動時間が90秒の変動Cとがある。これら変動A〜Cと変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動Aが0〜10、変動Bが11〜99、変動Cが100〜198となっている。
変動パターンとして変動A(30秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、ノーマルリーチの態様で変動演出が行われる。変動パターンとして変動B(60秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スーパーリーチの態様で変動演出が行われるか、もしくは、擬似変動による変動演出が行われる。また、変動パターンとして変動C(90秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、スペシャルリーチの態様で変動演出が行われるか、もしくは、擬似変動による変動演出が行われる。
ノールリーチは、変動時間が短いリーチであり、その短いリーチの後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(所謂、ビタ止まりで図柄が揃う)変動パターンである。スーパーリーチは、ノーマルリーチより長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、ロングリーチやノーマルリーチから発展するリーチなど)変動パターンである。また、スペシャルリーチは、スーパーリーチより更に長い変動時間のリーチ後に第1図柄(又は第3図柄)が揃う(例えば、スーパーリーチ後に更に発展するリーチやノーマルリーチからの発展先がスーパーリーチとは異なる特殊なリーチなど)変動パターンである。15R大当たり共通のテーブルは、それが選択されるのが15R確変大当たり又は15R通常大当たりの場合であるので、遊技者に期待感を持たせるために、スペシャルリーチ各種が選択され易くなっている。ただし、ノーマルリーチおよびスーパーリーチも選択されるように構成することで、どのリーチからでも大当たりを期待できる遊技性を提供できるようになっている。
なお、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114により実行されるノーマルリーチ、スーパーリーチ及びスペシャルリーチは、同じ変動時間であっても演出内容が異なるものが多数用意されている。例えば、何らキャラクタが表示されない通常のリーチに加え、有効ラインL1上の2つの図柄が同一図柄となってリーチ状態となったときやその他のタイミングで、所定のキャラクタが表示されるリーチが用意されている。また、この場合に表示されるキャラクタも様々なものが用意されている。更に、背面画像を速く変化させて表示するリーチや、変動開始前の予告演出が付加されるリーチ、再変動で大当たりとなる演出が付加されるリーチなど、演出内容が異なる複数のリーチが用意されている。これにより、多彩な変動演出を実行でき、遊技者の興趣を高めることができる。
また、本実施形態では、変動パターンとして変動B又は変動Cが決定された場合に、リーチだけでなく、擬似連による変動演出が音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御によって実行され得るようになっており、擬似連によって、遊技者の興趣を更に高めている。この擬似連については、図8〜図13を参照して、後述する。
2R確変大当たり専用で選択される変動パターンは、変動時間が59秒の2R変動のみで、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは0〜198となっている。即ち、大当たり種別が2R確変大当たりである場合は、変動種別カウンタCS1の値に関係なく、2R変動(59秒)が変動パターンとして決定される。
変動パターンとして、2R変動(59秒)が選択されると、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114の制御により、複数用意された2R確変大当たり専用の変動態様の中から1の態様が選択され、その選択された態様で変動演出が行われる。2R確変大当たり専用の変動態様としては、例えば、「ニワトリ」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様や、通常では出現しない「女の子」のキャラクタと共に、最終的な第1図柄(又は第3図柄)が特定の図柄で停止する変動態様などが含まれる。
なお、大当たり時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して決定するものとしたが、他の複数の変動種別カウンタを使用して決定するように構成しても良い。例えば、変動時間を±数秒程度で微調整するための他の変動種別カウンタを設けてもよいし、大当たりやリーチ演出の開始を予告する予告演出を変動開始前や変動演出中に付加するか否かを、他の変動種別カウンタにより決定するようにしてもよい。
図7(d)は、ROM202に記憶される外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1の一例を模式的に示した図である。図7(d)に示すように、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1は、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用、及び、前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通と、外れ時の停止種別に基づいてグループ(群)に区分けされており、その区分けされたグループに対してそれぞれ変動種別カウンタCS1の値が対応付けされている。変動開始時に、実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとなる値(大当たり乱数値)ではない、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態を除く通常時の低確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(通常)変動パターンから決定される。
完全外れ専用には、変動パターンとして、7秒と短時間で変動が終了してリーチも成立しない変動Dと、10秒と変動Dより長い変動時間となるがリーチが成立しない変動Eと、変動時間が55秒と長く、一の変動の中で擬似連による擬似変動が5回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる変動Fとがあり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜98、変動E(10秒)が99〜148、変動F(55秒)が149〜198となっている。また、リーチ共通には、変動パターンとして、上述した変動A(30秒)、変動B(60秒)および変動C(90秒)があり、変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動B(60秒)が99〜190、変動C(90秒)が191〜198となっている。
図7(e)は、ROM202に記憶される外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2の一例を模式的に示した図である。図7(e)に示すように、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、外れ時の停止種別として完全外れが決定された場合に参照される完全外れ専用と、外れ時の停止種別として前後外れリーチ及び前後外れ以外リーチが決定された場合に参照されるリーチ共通とに区分けされている。そして、区分けされた各グループ毎に、それぞれのグループで選択される変動パターンに対して変動種別カウンタCS1の値が対応づけられている。なお、完全外れ専用が参照される場合に選択される変動パターンに変動F(55秒)は含まれず、変動D(7秒)および変動E(10秒)のみが選択される。また、リーチ共通が参照される場合に選択される変動パターンには、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と同様に、変動A(30秒)、変動B(60秒)及び変動C(90秒)がある。
実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値が大当たりとならない値、即ち、外れとなる値であった場合に、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、実行エリアに格納された停止パターン選択カウンタC3の値に対応する停止種別に応じて、その実行エリアに格納された変動種別カウンタCS1の値に対応する変動パターンが、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2から決定される。
この外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2において、完全外れ専用における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動D(7秒)が0〜190、変動E(10秒)が191〜198となっている。また、リーチ共通における変動種別カウンタCS1の値との対応付けは、変動A(30秒)が0〜98、変動Bが99〜190、外れスペシャルリーチ各種が191〜198となっている。
外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2は、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときに参照されるテーブルであるので、第1入球口64に球が入球し易い状態となる。よって、時短状態または高確率状態にあるときに、完全外れであるにも関わらず変動時間が55秒もある変動Fが行わたり、変動時間の比較的長い変動Eが多く行われると、次の変動表示の開始まで時間がかかり、遊技者に待ちの状態を与えてしまって、遊技者に不快感を与える可能性がある。また、ホールとしても稼働率が低下して好ましくない。そこで、完全外れの場合において、遊技状態が時短状態または確変時の高確率状態にあるときは、変動Fが選択されず、また、遊技状態が時短状態を除く通常状態にあるときよりも、変動Eより変動時間の短い変動Dが選択され易いように構成し、次の変動表示の開始を早期に行うことで、遊技者に不快感を与える可能性を低下できる。また、稼働率が極端に低下することも抑制できる。
なお、外れ時の変動パターンは、変動種別カウンタCS1のみを使用して選択するものとしたが、複数の変動種別カウンタを併用して選択(予告表示の有無等を選択)しても良い。また、外れ時においてリーチが成立した場合に、最後に停止する第1図柄(又は第3図柄)を何図柄ずらして停止させる(例えば、1図柄ずれた前後外れ等)かを他の変動種別カウンタにより決定されても良い。
また、外れ種別の選択を、外れ用(通常)変動パターンテーブル202d1と外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2とに分けるように構成したが、遊技状態が通常中であっても、保留球が複数(例えば、最大4個であれば3個以上)の場合は、早期に変動表示を終了しても良いので、外れ用(確変)変動パターンテーブル202d2を参照して選択するものとしても良いし、保留球数に対応した通常用または確変用の変動パターンテーブルを用意するように構成しても良い。
さらに、図7(d)及び図7(e)に示す各外れ用の変動パターンテーブルで、変動D及び変動Eを単に外れとし、その外れが選択された場合に、他のテーブルを参照して、変動Dと変動Eとを所定の確率で選択するように構成しても良い。勿論、この場合も、保留球数に対応したテーブルをそれぞれ用意しても良い。
再び、図6に戻って各種カウンタの説明を行う。第2当たり乱数カウンタC4は、上述した通り、第2図柄表示装置83の抽選に用いられるもので、例えば0〜250の範囲内で順に1ずつ加算され、最大値(つまり250)に達した後0に戻るループカウンタとして構成されている。また、第2当たり乱数カウンタC4が1周した場合(ある初期値から定期的に更新が行われた結果、次の更新でその初期値に戻る場合)、その時点の第2初期値乱数カウンタCINI2の値が当該第2当たり乱数カウンタC4の初期値として読み込まれる。第2当たり乱数カウンタC4の値は、本実施形態ではタイマ割込処理(図22参照)毎に更新され、球が左右何れかの第2入球口(スルーゲート)67を通過したことが検知された時に取得される。当選することとなる乱数の値の数は149あり、その範囲は「5〜153」となっている。即ち、取得された第2当たり乱数カウンタC4の値が「5〜153」の範囲にある場合に当選と判定され、第2図柄表示装置83に停止図柄(第2図柄)として「○」の図柄が点灯表示されると共に、第1入球口64が所定時間だけ開放される。なお、第2初期値乱数カウンタCINI2は、第2当たり乱数カウンタC4と同一範囲で更新されるループカウンタとして構成され(値=0〜250)、タイマ割込処理(図19参照)毎に1回更新されると共に、メイン処理(図25参照)の残余時間内で繰り返し更新される。
以上の通り、RAM203には種々のカウンタ等が設けられており、主制御装置110では、このカウンタ等の値に応じて大当たり抽選や第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81における表示の設定、第2図柄表示装置83における表示結果の抽選といったパチンコ機10の主要な処理を実行することができる。
図5に戻り、説明を続ける。RAM203は、図6に図示した各種カウンタを格納するカウンタ用バッファ203b及び保留球格納エリア203cのほか、MPU201の内部レジスタの内容やMPU201により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。なお、RAM203は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM203に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。
停電などの発生により電源が遮断されると、その電源遮断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタの値がRAM203に記憶される。一方、電源投入時(停電解消による電源投入を含む。以下同様)には、RAM203に記憶される情報に基づいて、パチンコ機10の状態が電源遮断前の状態に復帰される。RAM203への書き込みはメイン処理(図28参照)によって電源遮断時に実行され、RAM203に書き込まれた各値の復帰は電源投入時の立ち上げ処理(図27参照)において実行される。なお、MPU201のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源遮断時に、停電監視回路252からの停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU201へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
RAM203は、更に、保留球数カウンタ203aと、を少なくとも有している。保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づいて第1図柄表示装置37で行われる変動表示(第3図柄表示装置81で行われる変動表示)の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。この保留球数カウンタ203aは、初期値がゼロに設定されており、第1入球口64へ球が入球されて変動表示の保留球数が増加する毎に、最大値4まで1加算される(図25のS1403参照)。一方、保留球数カウンタ203aは、第1入球口64への入球(始動入賞)に基づく変動表示が実行される毎に、1減算される(図23のS1205参照)。
この保留球数カウンタ203aの値(即ち、保留球数)は、保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知される(図25のS1406参照)。保留球数コマンドは、第1入球口64へ入球されて保留球数カウンタ203aが1加算される毎に、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されるコマンドである。
音声ランプ制御装置113は、保留球数カウンタ203aが1加算される毎に主制御装置110より送信される保留球数コマンドによって、主制御装置110に保留された変動表示の保留球数そのものの値を取得することができる。これにより、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aによって管理される変動表示の保留球数が、ノイズ等の影響によって、主制御装置110に保留された実際の変動表示の保留球数からずれてしまった場合であっても、次に受信する保留球数コマンドによって、そのずれを修正することができる。
尚、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに基づいて保留球数を管理し、保留球数が変化する度に表示制御装置114に対して、保留球数を通知するための表示用保留球数コマンドを送信する。表示制御装置114は、この表示用保留球数コマンドによって通知された保留球数を基に、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に保留球数図柄を表示する。
一方、主制御装置110より音声ランプ制御装置113に対して送信される保留球数コマンドには、保留球数とともに、第1入球口64への入球タイミング(始動入賞タイミング)に合わせてRAM203のカウンタ用バッファ203bより取得した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値も含められ、音声ランプ制御装置113に通知される。
保留球数コマンドが音声ランプ制御装置113によって受信されると、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに含まれる第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値から、対応する始動入賞に基づく変動演出が行われた場合の停止表示態様を推定し、その推定された停止表示態様と、保留球数コマンドにより示されるその時点での保留球数の値とから、その時点で保留されている変動演出に対して、一連の連続予告演出を行うか否かを決定する。
連続予告演出は、始動入賞に伴って行われる抽選の結果が大当たりである可能性が高いことを示唆(予告)する予告演出の一種で、その入賞時に保留されている全ての変動演出(変動表示)にわたって、その変動演出と共に同一の又は関連する図柄が第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、保留されている全ての変動演出にわたって、その変動演出の停止表示直後に、第3図柄表示装置81に「泡」画像を表示させることで、変動演出の停止図柄として大当たり図柄が現出せずに大当たりとならなかった場合であっても、遊技者が複数の変動表示にわたって変動停止直後に「泡」画像を連続して視認することで、遊技者に対して、連続予告演出終了後に大当たりが得られる期待感を持たせることができ、遊技者に遊技を続けさせる動機づけを与えることができる。
また、最初の変動演出中に「タマゴ」を表示させ、2回目の変動演出中に「ヒヨコ」を表示させ、3回目の変動演出中に「ニワトリ」を表示させ、4回目の変動演出中に「ニワトリ群」を表示させる(ただし、連続予告演出が設定された時点の保留球数が3以下である場合は、連続予告演出の設定された最後の変動演出において「ニワトリ群」を表示させる)ことで、第3図柄表示装置81において変動演出が行われる毎に連続予告演出により表示される図柄が、徐々に変化(ステップアップ)していくので、遊技者がこの徐々に変化していく図柄を見ることによって、遊技者に対して、ニワトリ群が表示されたときに、そのニワトリ群が表示された変動演出において大当たりとなる期待感を持たせることができる。
また、連続予告演出の設定された変動演出が3である場合、「タマゴ」→「ヒヨコ」→「ニワトリ群」の順に連続予告演出が行われ、連続予告演出の設定された変動演出が2である場合、「タマゴ」→「ニワトリ群」の順に連続予告演出が行われ、連続予告演出の設定された変動演出が1である場合、いきなり「ニワトリ群」が表示される。このように、連続予告演出の設定された変動演出の数が3以下の場合は、途中の図柄が飛ばされて、いきなりニワトリ群が表示されるので、遊技者がその突然表示されたニワトリ群を見て、そのニワトリ群が表示された変動演出において大当たりとなる期待感を持たせることができる。
本パチンコ機10では、主制御装置110において、始動入賞時に取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113が、保留球数コマンドにより通知された各種カウンタの値と保留球数の値とに基づいて、連続予告演出開始の決定や連続予告演出の態様の設定を行う。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、第1入球口64への入球に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、連続予告演出の実行条件を多種態様に設定することができる。
また、保留球数コマンド1つで、保留球数と各種カウンタの値とを、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値と、その始動入賞が検出された時点での保留球数との対応を正確に把握することができるので、連続予告演出の実行が決定された場合に、その連続予告演出が加えられる保留球数を正確に把握することができる。よって、保留球数と各種カウンタの値とが、別のコマンドによって主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される場合と比較して、音声ランプ制御装置113における制御を容易にすることができる。
主制御装置110のMPU201には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン204を介して入出力ポート205が接続されている。入出力ポート205には、払出制御装置111、音声ランプ制御装置113、第1図柄表示装置37、第2図柄表示装置83、第2図柄保留ランプ84、特定入賞口65aの開閉板の下辺を軸として前方側に開閉駆動するための大開放口ソレノイドや電動役物を駆動するためのソレノイドなどからなるソレノイド209が接続され、MPU201は、入出力ポート205を介してこれらに対し各種コマンドや制御信号を送信する。
また、入出力ポート205には、図示しないスイッチ群やセンサ群などからなる各種スイッチ208や、電源装置115に設けられた後述のRAM消去スイッチ回路253が接続され、MPU201は各種スイッチ208から出力される信号や、RAM消去スイッチ回路253より出力されるRAM消去信号SG2に基づいて各種処理を実行する。
払出制御装置111は、払出モータ216を駆動させて賞球や貸出球の払出制御を行うものである。演算装置であるMPU211は、そのMPU211により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM212と、ワークメモリ等として使用されるRAM213とを有している。
払出制御装置111のRAM213は、主制御装置110のRAM203と同様に、MPU211の内部レジスタの内容やMPU211により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種のフラグおよびカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)とを有している。RAM213は、パチンコ機10の電源の遮断後においても電源装置115からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、RAM213に記憶されるデータは、すべてバックアップされる。なお、主制御装置110のMPU201と同様、MPU211のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路252から停電信号SG1が入力されるように構成されており、その停電信号SG1がMPU211へ入力されると、停電時処理としてのNMI割込処理(図26参照)が即座に実行される。
払出制御装置111のMPU211には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン214を介して入出力ポート215が接続されている。入出力ポート215には、主制御装置110や払出モータ216、発射制御装置112などがそれぞれ接続されている。また、図示はしないが、払出制御装置111には、払い出された賞球を検出するための賞球検出スイッチが接続されている。なお、該賞球検出スイッチは、払出制御装置111に接続されるが、主制御装置110には接続されていない。
発射制御装置112は、主制御装置110により球の発射の指示がなされた場合に、操作ハンドル51の回転操作量に応じた球の打ち出し強さとなるよう球発射ユニット112aを制御するものである。球発射ユニット112aは、図示しない発射ソレノイドおよび電磁石を備えており、その発射ソレノイドおよび電磁石は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、球の発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bがオフ(操作されていないこと)を条件に、操作ハンドル51の回動量に対応して発射ソレノイドが励磁され、操作ハンドル51の操作量に応じた強さで球が発射される。
音声ランプ制御装置113は、音声出力装置(図示しないスピーカなど)226における音声の出力、ランプ表示装置(電飾部29〜33、表示ランプ34など)227における点灯および消灯の出力、変動演出(変動表示)や連続予告演出といった表示制御装置114で行われる第3図柄表示装置81の表示態様の設定などを制御するものである。演算装置であるMPU221は、そのMPU221により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM222と、ワークメモリ等として使用されるRAM223とを有している。
ROM222は、詳細変動パターン決定テーブル222aを少なくとも有し、RAM223は、保留球数カウンタ223aおよび詳細変動パターン決定カウンタ223bを少なくとも有している。ここでは、まず、保留球数カウンタ223aについて説明し、次いで、詳細変動パターン決定カウンタ223b及び詳細変動パターン決定テーブル222aについて説明する。
保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同様に、第1図柄表示装置37(および第3図柄表示装置81)で行われる変動演出(変動表示)であって、主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数(待機回数)を最大4回まで計数するカウンタである。
上述したように、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110に直接アクセスして、主制御装置110のRAM203に格納されている保留球数カウンタ203aの値を取得することができない。よって、音声ランプ制御装置113では、主制御装置110から送信されるコマンドに基づいて保留球数をカウントし、保留球数カウンタ223aにて、その保留球数を管理するようになっている。
具体的には、音声ランプ制御装置113は、第1入球口64への入球によって変動演出の保留球数が追加され、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が加算された場合に主制御装置110より送信される保留球数コマンドを受信すると、その保留球数コマンドに含まれる、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの加算後の値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を保留球数カウンタ223aに格納する(図32のS2007参照)。
また、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110において保留球数カウンタ203aの値が減算される場合に主制御装置110から送信される変動パターンコマンドを受信し、その受信に伴って第3図柄表示装置81における変動表示の態様を設定すると、保留球数カウンタ223aの値を1減算する(図33のS2107参照)。このように、主制御装置110より送信されるコマンドに従って、保留球数カウンタ223aの値を更新するので、主制御装置110の保留球数カウンタ203aと同期させながら、その値を更新することができる。
保留球数カウンタ223aの値は、第3図柄表示装置81における保留球数図柄の表示に用いられる。即ち、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドの受信に応じてそのコマンドにより示される保留球数を保留球数カウンタ223aに格納したり、変動パターンコマンドの受信に応じて保留球数カウンタ223aの値を更新したりするタイミングで、格納後もしくは更新後の保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114に通知するべく、表示用保留球数コマンドを表示制御装置114に対して送信する。
表示制御装置114では、この表示用保留球数コマンドを受信すると、そのコマンドにより示される保留球数の値、即ち、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示するように、画像の描画を制御する(図43(a)のS2751参照)。上述したように、保留球数カウンタ223aは、主制御装置110の保留カウンタ403aと同期しながら、その値が変更される。従って、第3図柄表示装置81の小領域Ds1に表示される保留球数図柄の数も、主制御装置110の保留カウンタ403aの値に同期させながら、変化させることができる。よって、第3図柄表示装置81には、変動表示が保留されている保留球の数を正確に表示させることができる。
詳細変動パターン決定カウンタ223b及び詳細変動パターン決定テーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに基づき、これから開始する変動演出の変動態様(詳細な変動パターン)を決定するためのカウンタ及びテーブルである。
本実施形態では、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、30秒の変動時間の間に何らキャラクタが表示されない通常のノーマルリーチに加え、所定のキャラクタが変動中に表示されるノーマルリーチが複数用意されている。また、変動B(変動時間60秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとして、60秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスーパーリーチが用意されている他、60秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。変動C(変動時間90秒)が指示された場合に決定される詳細なパターンとして、90秒の変動時間の間に所定のキャラクタが表示されたり、背面画像が速く変化して表示されたり等する複数のスペシャルリーチが用意されている他、90秒の変動時間の間に擬似変動が複数回実行される擬似連が複数用意されている。また、2R変動(変動時間59秒)が指示された場合に決定される詳細な変動パターンとして、変動時間が59秒の2R確変大当たり専用の変動態様が複数用意されている。
詳細変動パターン決定カウンタ223b及び詳細変動パターン決定テーブル222aは、主制御装置110から変動パターンコマンドと停止種別コマンドとを受信した場合に、その変動パターンコマンドによって通知された変動パターンに対して用意された複数の詳細な変動パターンの中から、その変動パターンコマンドに対してこれから実行する変動演出の詳細な変動パターンを1つ決定するために用いられる。
詳細変動パターン決定カウンタ223bは、定期的に(本実施形態ではメイン処理(図30参照)の中で1ms毎に実行されるS1912の処理にて)更新される。詳細変動パターン決定カウンタ223bはループカウンタにて構成され、その更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算し、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。また、電源立ち上げ時に実行される立ち上げ処理(図29参照)において実行されるRAMの初期値設定処理(S1810)にて、初期値「0」が設定される。
詳細変動パターン決定テーブル222aには、主制御装置110より通知される変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に、それぞれの変動パターンに対して用意されている各種の詳細な変動パターンに対応づけて、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値が定められている。また、詳細な変動パターンと、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値との対応付けは、その変動演出において確定表示される図柄が「大当たり」か「外れ」かによって、変動パターン(変動A,変動B,変動C,2R変動)毎に別々に対応付けされている。
MPU221は、主制御装置110から変動パターンコマンド及び停止種別コマンドを受信すると、そのときの詳細変動パターン決定カウンタ223bの値をRAM223から読み出す。そして、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から大当たりと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「大当たり」において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。また、受信した停止種別コマンドにより通知された変動種別から外れと判別される場合は、受信した変動パターンコマンドにより通知された変動パターンの「外れ」において、RAM223より読み出した詳細変動パターン決定カウンタ223bの値に対応付けられた詳細な変動パターンを、詳細変動パターン決定テーブル222aから特定する。
MPU221は、この決定した詳細な変動パターンに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114に対して、決定した詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドにより通知する。そして、表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドにより通知された詳細な変動パターンに基づいて、第3図柄表示装置81の変動表示を制御する。これにより、音声出力装置226、ランプ表示装置227、第3図柄表示装置81によって、その決定された詳細な変動パターンによる変動演出が行われる。
尚、主制御装置110から変動パターンコマンドにより変動D(変動時間7秒)が指示された場合は、7秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細な変動パターンが1つ用意されている。変動E(変動時間10秒)が指示された場合は、10秒の変動時間が経過後に完全外れとなる態様の詳細は変動パターンが1つ用意されている。また、変動F(変動時間55秒)が指示された場合は、55秒の変動時間の中で擬似連による擬似変動が5回行われ、最終的にリーチが成立することなく完全外れとなる詳細な変動パターンが1つ用意されている。
よって、主制御装置110から変動D,E,Fのいずれかが指示された場合は、MPU221は、詳細変動パターン決定カウンタ223aの値に関わらず、それぞれに対応して用意された詳細な変動パターンを決定し、それに基づいて、音声出力装置226やランプ表示装置227を制御したり、その詳細な変動パターンを表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114へ通知したりする。
ここで、変動B、変動C及び変動Fに対して用意されている擬似連について説明する。上述した通り、擬似連は、一の変動表示中に、第3図柄の擬似停止と再変動(擬似変動)とが繰り返し行われる態様によって変動演出が行われる変動パターンであり、この一の変動表示中に行われる擬似停止および再変動の繰り返し回数(即ち、擬似変動が連続して行われる回数)が多くなる程、その変動表示後に大当たりが付与される期待感を高めている。これにより、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができるので、擬似連による変動演出を行うことによって、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
擬似連では、このような効果を高めるために、一の変動表示中に行われる擬似変動の回数に「役割」を持たせる場合が多い。この「役割」とは、一の変動表示中に行われる擬似変動の回数に応じて、その変動演出の最終的な変動パターンがどうなるかや、変動演出の結果として大当たりとなるか否かを遊技者に知らせる役割のことである。つまり、この役割により、擬似変動の回数によって最終的な変動パターンや大当たり抽選の変動結果を遊技者に示唆されるようになっている。
従来の擬似連では、例えば、一の変動表示中に擬似変動が2回行われる場合、即ち、擬似変動回数「2回」の場合には、最終的な変動パターンがリーチになる可能性が低い確率であるが、結果として外れとなる「役割」が与えられる。一の変動表示中に擬似変動が3回行われる場合、即ち、擬似変動回数「3回」の場合には、最終的な変動パターンとしてリーチとなることが確定するが、結果として外れとなる確率が高いという「役割」が与えられる。一の変動表示中に擬似変動が4回行われる場合、即ち、擬似変動回数「4回」の場合には、最終的な変動パターンとしてスーパーリーチとなることが確定し、結果として大当たりとなる確率が高いという「役割」が与えられる。また、一の変動表示中に擬似変動が5回行われる場合、即ち、擬似変動回数「5回」の場合には、結果として大当たりとなることが確定する「役割」が与えられる。なお、擬似変動回数「1回」は、変動を伴わない通常の変動パターン(つまり、擬似停止および差異変動がない変動パターン)を意味するので、擬似連における「役割」は与えられない。
擬似変動の回数にこのような役割を持たせることによって、擬似変動が繰り返し行われるにつれ、段階的に大当たりとなる期待度が高まる興趣を遊技者に提供できる他、次のような効果を奏す。即ち、大当たり抽選の結果が「外れ」であった場合であっても、擬似変動回数が「2回」の擬似連を変動パターンとして多発させることができる。擬似連による変動パターンは擬似変動を行うために長い変動時間を有するので、「外れ」あった場合にも、長時間の変動演出を多く実行できる。また、リーチとなる場合であっても、擬似変動を複数回行うことによって、その擬似変動を行う分だけ変動時間を長時間にできる。これにより、1回の平均変動時間を長くすることができるので、たとえ始動入賞(第1入球口64への入球)が少なくても、第3図柄表示装置81において変動演出が途切れ、デモ画面が長時間表示されるといった事態を極力減らすことができる。よって、遊技者に、始動入賞の少なさをあまり気にさせることなく、遊技を楽しませることができるという効果がある。
このような効果があるため、従来のパチンコ機では、1回の平均変動時間を長くすることを目的として、上記の役割を持たせた擬似連を多用してきた。しかしながら、従来の擬似連では、大当たり抽選自体は擬似連の選択と無関係なものであるので、頻発する擬似連のほとんどは擬似変動が2回の「外れ」となる。そのため、遊技者側から見れば、擬似連が始まったと思っても、ほとんどの場合、2回目の擬似変動で外れが確定してしまう。また、3回目の擬似変動が始まったとしても、そこでリーチが成立すると、3回目で擬似変動が終わり、高い確率では外れとなることが分かってがっかりしてしまう。そのため、遊技者は、実際には3回目の擬似変動において擬似停止が行われるかリーチが成立するかしか興味を持てなくなる。このように、上記の役割を持つ従来の擬似連では、擬似変動が始まったとしてもほとんどの場合大当たりへの期待感がもてず、結局、遊技者には変動時間の時間稼ぎと捉えられてしまい、遊技者をうんざりさせてしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態では、擬似連が発生した場合に、その擬似変動の回数が何回であっても何がしかの期待を持たせることができ、また、結果として外れとなる場合であっても、外れが確定表示されるまで期待感を持たせ続けることができるように、擬似変動の各回数に対して「役割」を持たせている。これにより、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるようになっている。
ここで、図8を参照して、本実施形態の擬似連において、一の変動表示中に行われる擬似変動の回数に対して与えられた「役割」について説明する。図8は、擬似連において、一の変動表示中に行われる擬似変動回数に対して与えられる「役割」を、擬似変動回数毎に示した図である。
本実施形態の擬似連では、擬似変動は必ず3回以上行われるようになっている。即ち、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることはなく、擬似連が必ず継続する。そして、一の変動表示中に行われる擬似変動が3回行われる場合、即ち、擬似変動回数「3回」の場合には、最終的な変動パターンとしてリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか)が確定し、また、大当たりとなる確率が高いという「役割」が与えられる。一の変動表示中に行われる擬似変動が4回行われる場合、即ち、擬似変動回数「4回」の場合には、最終的な変動パターンとして少なくともスーパーリーチとなる(即ち、スーパーリーチ又はスペシャルリーチとなる)ことが確定し、また、大当たりとなる確率が擬似変動回数「3回」の場合よりも更に高いという「役割」が与えられる。
また、一の変動表示中に行われる擬似変動が5回行われる場合、即ち、擬似変動回数「5回」の場合には、次の3つの「役割」が与えられる。1つ目は、最終的な変動パターンとしてスペシャルリーチとなり、且つ、大当たりとなることが確定する「役割」である。2つ目は、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する「役割」である。3つ目は、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する「役割」である。つまり、一の変動表示中に擬似変動が5回行われた場合は、5回目の擬似変動において、スペシャルリーチが成立して大当たりが確定するか、リーチが成立せずに完全外れが確定するか、若しくは、外れの擬似停止後に再変動が行われて大当たりが確定するようになっている。
尚、詳細は後述するが、擬似連においてこのような「役割」が与えられるように、擬似連の詳細な変動パターンが各種用意されている(擬似連関連の詳細は変動パターンについては、図11〜図13参照)。また、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度が上がるように、詳細変動パターン決定テーブル222aが設定されている。即ち、後述するように、本実施形態では、変動B及び変動Cのそれぞれに対して、詳細な変動パターンとして各種の擬似連が選択されるようになっており、擬似連の種別毎に、その選択確率(出現確率)を詳細変動パターン決定テーブル222aで設定することによって、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度が上がるようになっている。
擬似変動の回数に図8に示すように役割を持たせることによって、次のような効果を奏する。即ち、擬似連による変動表示が行われる場合、その一の変動表示中に行われる擬似変動の数が多いほど、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高くなるので、従来の擬似連と同様に、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができ、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
一方で、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成されている。これにより、抽選によって外れとなった場合であっても、主制御装置110では、変動パターンとして長時間の変動パターン(本実施形態では、変動時間が55秒の変動F)を選択し、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114では、その長時間(55秒)の変動時間の間に、擬似変動を5回行って最終的に完全外れとするパターンの変動表示を行うことができる。そして、擬似変動回数5回は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高い擬似連でもある。つまり、外れ時に変動時間の長い変動パターン(変動F)が選択された場合は、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高い擬似変動回数(5回)を経た後に完全外れとなるので、遊技者は、擬似連で完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程の間で、リーチが成立し大当たりとなる期待感を高め続けることができる。よって、擬似連による外れが繰り返されても、遊技者は、その大当たりとなる期待感を持つことによって、楽しく遊技を継続できる。
また、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成することで、擬似変動が繰り返し行われる分だけ、その変動表示における変動時間を長時間化することができる、とも言える。つまり、従来の擬似連では、擬似変動回数が多くなる程、外れとなる確率を低下させていたので、外れの場合に擬似連を発生させる場合、そのほとんどは擬似変動回数を2〜3回とする必要があった。よって、その変動時間も30秒程度であった。これに対し、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成しているので、その変動時間を55秒程度と長時間化できる。しかも、上述した通り、擬似変動回数が5回の場合は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高くなるように構成されているので、遊技者は、5回の擬似変動を経て完全外れとなっても、その外れに至る過程で、擬似変動が繰り返されることによってリーチが成立し大当たりとなる期待感を高めていくことができ、外れに近づいていくことが苦にならない。よって、5回の擬似変動を経て外れとなる擬似連による変動表示を多発させることができ、遊技者に、始動入賞の少なさをあまり気にさせることなく、遊技を楽しませることを目的として、1回の平均変動時間を長くすることができる。つまり、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるのである。
特に、本実施形態では、5回の擬似変動を経てリーチが成立した場合に行われるリーチの種別を、スペシャルリーチといった特定種類のリーチに限定している。よって、5回目の擬似変動が開始された場合、遊技者は、その5回目の擬似変動で、その特定種類のリーチ(スペシャルリーチ)が成立することへの期待感も持ちながら、遊技を行うことができる。しかも、その特定種類のリーチが、最も大当たりとなる期待度の高いスペシャルリーチであるので、そのスペシャルリーチが成立することへの期待感が、遊技者の気持ちを更に高ぶらせることになる。よって、たとえ、その5回目の擬似変動の結果として、完全外れとなった場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣をより高めながら、遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、リーチ成立時に最も期待度の高い擬似変動回数(5回)の前で擬似変動が終了する場合(擬似変動回数が3回又は4回の場合)は、少なくともリーチが成立し且つ所定の確率で大当たりとなるように構成されている。これにより、擬似変動回数が3回又は4回の場合は、外れとなる場合であっても、必ずリーチとなるので、遊技者は、その変動表示において確定表示がなされるまで、大当たりとなる期待感を持ち続けることができる。よって、遊技者の興趣を最後まで持たせることができる。また、リーチが成立せずに外れ(完全外れ)となる場合は、擬似変動回数が5回の場合のみとなるので、擬似変動回数が3回又は4回で擬似変動が終了した場合であっても、所定の確率で大当たりとなる期待感を遊技者に持たせることができ、擬似変動の回数が少ないからといって、擬似連に対知る興趣が低下することを抑制できる。また、擬似連において完全外れとなる場合は、必ず擬似変動回数は5回となる。よって、擬似連において完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程で、常に、遊技者に対し、リーチが成立し大当たりとなる期待感を最大にまで高めることができる。従って、擬似連によって完全外れとなっても、遊技者を十分に楽しませることができる。
また、本実施形態では、擬似変動回数が5回に与えられた「役割」に、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する「役割」だけでなく、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する「役割」をも含めているので、5回の擬似変動が行われた後、完全外れの図柄が表示されても、その後、再変動が行われて大当たりが確定するかもしれない、という期待感を、確定表示がなされるまで、遊技者に持たせ続けることができる。つまり、擬似連において完全外れとなる場合であっても、完全外れの図柄が確定表示されるまでは、大当たりへの期待感を遊技者に与え続けることができるので、擬似連による演出を遊技者に最後まで楽しませることができる。
更に、本実施形態の擬似連では、上述した通り、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることがないように構成されている。これにより、擬似連では、擬似変動が必ず3回以上行われるので、1回の平均変動時間を長時間化することができる。また、従来のように、擬似連が2回目の擬似変動で終了し、外れとなるようなことを抑制または回避できるので、擬似連が単なる時間稼ぎの演出であるといった印象を遊技者に対して与えることを抑制できる。更に、擬似連において繰り返し行われる擬似変動の中にストーリー性を持たせた演出を行う場合、擬似変動が継続される1回目及び2回目の擬似変動の中で、そのストーリーを分からせるような演出を表示させることによって、より遊技者に分かりやすい演出を実行できる。
次に、図9及び図10を参照して、本実施形態における擬似連の演出内容(第3図柄表示装置81に表示される表示内容)について説明する。図9(a)は、擬似変動が3回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の演出内容を模式的に示した模式図であり、図9(b)は、擬似変動が4回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の演出内容を模式的に示した模式図であり、図9(c)は、擬似変動が5回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の演出内容を模式的に示した模式図である。また、図10(a)は、擬似変動が5回行われ、最終的に完全外れとなる場合の演出内容を模式的に示した模式図であり、図10(b)は、擬似変動が5回行われ、5回目の擬似変動で外れ図柄が一旦擬似停止した後、再変動が行われて大当たりが確定する場合の演出内容を模式的に示した模式図である。
図9及び図10に示す通り、本実施形態における擬似連は、遊技者側のキャラクタと相手側(パチンコ機10側)のキャラクタとが格闘ゲームで対戦する対戦型格闘ゲームによる演出によって行われる。1回目の擬似変動が開始されると、その擬似停止までの間に対戦型格闘ゲームを開始する演出が第3図柄表示装置81に表示され、対戦型格闘演出に切り替えられる。そして、擬似変動毎に対戦型格闘ゲームが行われる。
この対戦型格闘ゲームでは、擬似変動の擬似停止時に外れ図柄が擬似停止表示されると共に、遊技者側のキャラクタが負けて悲しむ表情をした顔が表示される。そして、画面上に「CONTINUE」の文字を表示し、再対戦が行われることを遊技者に告げて、次の擬似変動を開始すると共に、遊技者側のキャラクタと相手側のキャラクタとの対戦型格闘ゲームが再開される。この対戦型格闘ゲームと、擬似停止時における表示とが、所定回数分の擬似変動にわたって繰り返し行われた後、最後の擬似変動では、擬似連毎に定められた演出内容が表示される。
尚、通常の演出から対戦型格闘演出への切り替えは、1回目の擬似変動の擬似停止時に行われてもよい。例えば、遊技者側のキャラクタが、相手側のキャラクタに突然殴られて「CONTINUE」の文字を表示することで、対戦型格闘演出に切り替えてもよい。
例えば、擬似変動が3回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の擬似連では、図9(a)に示すように、最初2回の擬似変動において、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われた後、3回目の擬似変動において、リーチの成立と共に遊技者側のキャラクタが対戦に勝って喜ぶ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出を行う。その後、ノーマルリーチ、スーパーリーチ、又は、スペシャルリーチとなって、それぞれのリーチに応じた対戦型格闘ゲームが再び行われる。そして、大当たりとなる場合は、遊技者側のキャラクタが勝つ表示がなされると共に大当たり図柄が確定表示され、そのまま大当たり演出へ突入する。また、外れとなる場合は、遊技者側のキャラクタが負ける表示がなされ、外れ図柄が確定表示される。
擬似変動が4回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の擬似連においても、擬似変動が3回行われる場合と同様の擬似連の演出が行われる。即ち、図9(b)に示すように、最初3回の擬似変動において、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われた後、4回目の擬似変動において、リーチの成立と共に遊技者側のキャラクタが対戦に勝って喜ぶ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出を行う。ここで、擬似変動が4回行われ、最終的にリーチへ突入する場合は、上述の通り、少なくともスーパーリーチとなるが確定される「役割」を有している。よって、その後は、スーパーリーチ、又は、スペシャルリーチとなって、それぞれのリーチに応じた対戦型格闘ゲームが再び行われる。そして、大当たりとなる場合は、遊技者側のキャラクタが勝つ表示がなされると共に大当たり図柄が確定表示され、そのまま大当たり演出へ突入する。また、外れとなる場合は、遊技者側のキャラクタが負ける表示がなされ、外れ図柄が確定表示される。
また、擬似変動が5回行われ、最終的にリーチへ突入する場合の擬似連においても、擬似変動が3回または4回行われる場合と同様の擬似連の演出が行われる。即ち、図9(c)に示すように、最初4回の擬似変動において、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われた後、5回目の擬似変動において、リーチの成立と共に遊技者側のキャラクタが対戦に勝って喜ぶ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出を行う。ここで、擬似変動が5回行われ、最終的にリーチへ突入する場合は、上述の通り、スペシャルリーチとなり更に大当たりとなることが確定される「役割」を有している。よって、その後は、スペシャルリーチとなって、それぞれのリーチに応じた対戦型格闘ゲームが再び行われる。そして、遊技者側のキャラクタが勝つ表示がなされると共に大当たり図柄が確定表示され、そのまま大当たり演出へ突入する。
一方、擬似変動が5回行われ、最終的に完全外れとなる場合の擬似連では、図10(a)に示すように、最初4回の擬似変動は、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われる。更に、5回目の擬似変動においても、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われる。その後、数秒間、擬似停止状態が表示されるが、遊技者側のキャラクタが倒れ込んで起き上がれなくなる表示が行われ、そのまま「GAME OVER」表示が行われて、その後、完全外れ図柄が確定表示される。
また、擬似変動が5回行われ、5回目の擬似変動で外れ図柄が一旦擬似停止した後、再変動が行われて大当たりが確定する場合の擬似連では、図10(b)に示すように、擬似変動が5回行われ、最終的に完全外れとなる場合と同様に、最初4回の擬似変動は、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われる。そして、5回目の擬似変動においても、外れ図柄の擬似停止表示が行われると共に遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔が表示され、且つ、「CONTINUE」表示により再対戦が行われることを告知する演出が行われる。その後、数秒間、擬似停止状態が表示されたまま、遊技者側のキャラクタが倒れ込んで起き上がれなくなる表示が行われ、そのまま「GAME OVER」表示も行われる。しかし、この擬似連による演出では、その後、倒れていた遊技者側のキャラクタが起き上がると共に、再変動が行われ、逆転で相手側のキャラクタを倒して、大当たり図柄が確定表示される。
このように、本実施形態では、擬似連の演出を、対戦型格闘ゲームによる対戦型格闘演出として行うので、擬似連にストーリー性を持たせることができる。よって、そのストーリー性のある擬似連に遊技者をのめり込ますことができるので、遊技者の興趣を更に高めることができる。
また、本実施形態の擬似連では、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることがなく、少なくとも3回は継続して擬似変動が行われるように構成されているので、この1回目および2回目の擬似変動で、擬似連のストーリーを遊技者に理解させやすくすることができる。よって、擬似連をストーリー性のある演出で実行しても、その内容を遊技者に分かりやすく提示できるので、そのストーリーに遊技者をよりのめり込ませ易くできる。
また、本実施形態では、擬似変動が5回行われ、最終的に完全外れとなる場合(即ち、図10(a)の場合)の擬似連と、擬似変動が5回行われ、5回目の擬似変動で外れ図柄が一旦擬似停止した後、再変動が行われて大当たりが確定する場合(即ち、図10(b)の場合)の擬似連とでは、5回目の擬似変動に対する擬似停止が行われるまで(「GAME OVER」表示がなされるまで)、全く同一の演出が行われる。よって、5回の擬似変動が行われた後、完全外れの図柄が擬似停止表示されても、その後、再変動が行われて大当たりが確定するかもしれない、という期待感を、確定表示がなされるまで、遊技者に持たせ続けることができる。よって、擬似連において完全外れとなる場合であっても、完全外れの図柄が確定表示されるまでは、大当たりへの期待感を遊技者に与え続けることができるので、擬似連による演出を遊技者に最後まで楽しませることができる。
また、この擬似連による演出では、図9及び図10に示す通り、第3図柄表示装置81の表示画面右下に、カウントダウン表示が行われている。このカウントダウン表示は、擬似変動の回数を、最大擬似変動回数(本実施形態では5回)からカウントダウンしていく表示であり、1回目の擬似変動では「5」が表示され、その後、擬似変動(または、対戦型格闘ゲーム)が繰り返される度に1ずつその値が小さくなる。このように、カウントダウン表示を行うことによって、擬似変動の回数を遊技者に分かりやすく知らせることができる。また、カウントダウン表示の値が小さくなるにつれ、大当たりへの期待度がアップしていくので、遊技者は、そのカウントダウン表示と共に、徐々に大当たりへの期待感を上げていくことができる。よって、このカウントダウン表示によって、擬似連による演出に、遊技者をよりのめり込めやすくすることができる。
尚、擬似停止時に表示される、遊技者側のキャラクタが対戦に負けて悲しむ顔は、擬似停止が繰り返される毎に、表情を変えるようにしてもよい。例えば、徐々に悲しむ表情を深くしていってもよい。これにより、負けが込むことによって、遊技者が抱く大当たりへの期待感をより強く大きなものにさせることができる。また、3回目の擬似変動でリーチが成立する場合よりも4回目の擬似変動でリーチが成立する場合のほうが、そのリーチ成立時に表示される、遊技者側のキャラクタが対戦に勝って喜ぶ顔をより大きく喜んでいる顔となるようにしてもよく、更に、4回目の擬似変動でリーチが成立する場合よりも5回目の擬似変動でリーチが成立する場合のほうが、そのリーチ成立時に表示される、遊技者側のキャラクタが対戦に勝って喜ぶ顔をより大きく喜んでいる顔となるようにしてもよい。これにより、リーチ成立時に表示される遊技者側のキャラクタが喜ぶ顔の表情によって、擬似変動がより多く行われてリーチが成立した方が、大当たりとなる期待度が高くなることを視覚的に遊技者に訴えることができる。よって、遊技者の興趣を更に高めることができる。
次いで、図11〜図13を参照し、変動A(変動時間30秒)、変動B(変動時間60秒)、変動C(変動時間90秒)、及び、変動F(変動時間55秒)が主制御装置110より変動パターンコマンドによって指示された場合に、音声ランプ制御装置113が選択し得る各詳細な変動パターンについて、その詳細な変動パターンの時間的な流れについて説明する。尚、ここで説明する各詳細な変動パターンの時間的な流れは一例であって、これに限られるものではないことは言うまでもない。また、完全外れの場合に指示される変動D(変動時間7秒)及び変動E(変動時間10秒)、並びに、2R確変大当たりの場合に指示される2R変動(変動時間59秒)は、いずれも擬似連が行われず、よく知られた変動パターン(高速変動を経て停止表示するパターン)によって変動が行われるだけであるので、それらの時間的な流れの説明は省略する。
まず、図11(a)は、主制御装置110より変動パターンコマンドによって変動A(変動時間30秒)が指示された場合に選択されるノーマルリーチを示すタイムチャートである。変動Aが指示された場合、詳細な変動パターンは複数のノーマルリーチから1つ選択される。これらのノーマルリーチは、図11(a)に示すように、いずれも変動が開始されて10秒間は高速変動が行われ、変動開始から10秒後に、リーチが成立した後は、20秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から30秒後に大当たり又は外れの確定表示がなされる。
次に、図11(b)は、主制御装置110より変動パターンコマンドによって変動F(変動時間55秒)が指示された場合に選択される、「擬似変動が5回行われて最終的にリーチへ突入する擬似連(5回擬似変動+外れ)」(図10(a)の擬似連)を示すタイムチャートである。変動Fが指示された場合、詳細な変動パターンは、この「5回擬似変動+外れ」の擬似連が必ず選択される。この擬似連は、図11(b)に示すように、変動が開始された後10秒間、高速変動(擬似変動)が行われ、変動開始後10秒後に、一旦、外れ図柄の擬似停止が行われる。次いで、再び高速変動(擬似変動)が10秒間行われ、その後、再び外れ図柄の擬似停止が行われる。この高速変動(擬似変動)と外れ図柄の擬似停止とが、5回行われた後、変動開始から50秒〜55秒の間で、外れが確定してしまうのか大当たりとなるのかといったドキドキ感を遊技者に与える演出として、遊技者側のキャラクタが倒れて起き上がるか否かを見せる演出を表示する。そして、変動開始から55秒後に、完全外れの図柄を確定表示させる。
次に、図12(a)〜(e)は、それぞれ、主制御装置110より変動パターンコマンドによって変動B(変動時間60秒)が指示された場合に選択される詳細な変動パターンを示すタイムチャートであり、図12(a)は、スーパーリーチを示すタイムチャート、図12(b)は、「擬似変動が3回行われて最終的にノーマルリーチへ突入する擬似連(3回擬似連+ノーマルリーチ)」を示すタイムチャート、図12(c)は、「擬似変動が3回行われて最終的にスーパーリーチへ突入する擬似連(3回擬似連+スーパーリーチ)」を示すタイムチャート、図12(d)は、「擬似変動が3回行われて最終的にスペシャルリーチへ突入する擬似連(3回擬似連+スペシャルリーチ)」を示すタイムチャート、図12(e)は、「擬似変動が5回行われ、5回目の擬似変動で外れ図柄が一旦擬似停止した後、再変動が行われて大当たりが確定する場合の擬似連(5回擬似変動+復活)」を示すタイムチャートである。
変動Bが指示された場合、詳細な変動パターンは、複数のスーパーリーチの中から1つ選択されるか、又は、「3回擬似変動+ノーマルリーチ」、「3回擬似変動+スーパーリーチ」、「3回擬似変動+スペシャルリーチ」、「5回擬似変動+復活」の中から1つ選択される。
スーパーリーチは、一部の例外的なスーパーリーチ(例えば、再変動を伴うスーパーリーチ等)を除き、図12(a)に示すように、変動が開始されて10秒間は高速変動が行われ、その後リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、20秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から30秒後にスーパーリーチに発展する。その後、30秒間スーパーリーチによる変動が行われて、変動開始から60秒後に、大当たり又は外れの確定表示がなされる。
「3回擬似変動+ノーマルリーチ」による擬似連は、図12(b)に示すように、10秒間の高速変動(擬似変動)と、外れ図柄の擬似停止とが2回繰り返して行われた後、再び10秒間の高速変動が行われて、その後(変動開始から30秒後)リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、30秒間ノーマルリーチによる変動が行われて、変動開始から60秒後に、大当たり又は外れの確定表示がなされる。
「3回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連は、図12(c)に示すように、10秒間の高速変動(擬似変動)と、外れ図柄の擬似停止とが2回繰り返して行われた後、再び10秒間の高速変動が行われて、その後(変動開始から30秒後)リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、10秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から40秒後にスーパーリーチに発展する。その後、20秒間スーパーリーチによる変動が行われて、変動開始から60秒後に、大当たり又は外れの確定表示がなされる。
「3回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連は、図12(d)に示すように、変動開始から40秒間は、図12(c)に示す「3回擬似変動+スーパーリーチ」と同様の流れで変動演出が進む。そして、変動開始から40秒後にスペシャルリーチに発展する。その後、20秒間スペシャルリーチによる変動が行われて、変動開始から60秒後に、大当たりの確定表示がなされる。
「5回擬似変動+復活」による擬似連は、図12(e)に示すように、変動開始から50秒間は、「5回擬似変動+外れ」と同様の流れで変動演出が進む。次いで、変動開始から50秒〜55秒の間で、外れが確定してしまうのか大当たりとなるのかといったドキドキ感を遊技者に与える演出として、遊技者側のキャラクタが倒れて起き上がるか否かを見せる演出を表示し、更に、変動開始から55〜60秒の間で、遊技者側のキャラクタが起き上がり、相手側のキャラクタに勝つ演出が行われると共に、図柄の再変動が行われる。そして、変動開始から60秒後に大当たりの図柄を確定表示させる。
次に、図13(a)〜(d)は、それぞれ、主制御装置110より変動パターンコマンドによって変動C(変動時間90秒)が指示された場合に選択される詳細な変動パターンを示すタイムチャートであり、図13(a)は、スペシャルリーチを示すタイムチャート、図13(b)は、「擬似変動が4回行われて最終的にスーパーリーチへ突入する擬似連(4回擬似連+スーパーリーチ)」を示すタイムチャート、図13(c)は、「擬似変動が4回行われて最終的にスペシャルリーチへ突入する擬似連(4回擬似連+スペシャルリーチ)」を示すタイムチャート、図13(d)は、「擬似変動が5回行われて最終的にスペシャルリーチへ突入する擬似連(5回擬似連+スペシャルリーチ)」を示すタイムチャートである。
変動Cが指示された場合、詳細な変動パターンは、複数のスペシャルリーチの中から1つ選択されるか、又は、「4回擬似変動+スーパーリーチ」、「4回擬似変動+スペシャルリーチ」、「5回擬似変動+スペシャルリーチ」の中から1つ選択される。
スペシャルリーチは、一部の例外的なスペシャルリーチ(例えば、再変動を伴うスーパーリーチ等)を除き、図13(a)に示すように、変動が開始されて10秒間は高速変動が行われ、その後リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、20秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から30秒後にスーパーリーチに発展し、更に、変動開始から60秒後にスペシャルリーチに発展する。その後、30秒間スペシャルリーチによる変動が行われて、変動開始から90秒後に、大当たりの確定表示がなされる。
「4回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連は、図13(b)に示すように、10秒間の高速変動(擬似変動)と、外れ図柄の擬似停止とが3回繰り返して行われた後、再び10秒間の高速変動が行われて、その後(変動開始から40秒後)リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、20秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から60秒後にスーパーリーチに発展する。その後、30秒間スーパーリーチによる変動が行われて、変動開始から90秒後に、大当たり又は外れの確定表示がなされる。
「4回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連は、図13(c)に示すように、変動開始から60秒間は、図13(b)に示す「4回擬似変動+スーパーリーチ」と同様の流れで変動演出が進む。そして、変動開始から60秒後にスペシャルリーチに発展する。その後、20秒間スペシャルリーチによる変動が行われて、変動開始から60秒後に、大当たりの確定表示がなされる。
「5回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連は、図13(d)に示すように、10秒間の高速変動(擬似変動)と、外れ図柄の擬似停止とが4回繰り返して行われた後、再び10秒間の高速変動が行われて、その後(変動開始から50秒後)リーチが成立する。そして、リーチが成立した後は、10秒間ノーマルリーチによる変動が行われ、変動開始から60秒後にスペシャルリーチに発展する。その後、30秒間スペシャルリーチによる変動が行われて、変動開始から90秒後に、大当たりの確定表示がなされる。
尚、本実施形態では、図12(d)や図13(a),(c),(d)のように、スペシャルリーチに発展した場合、必ず大当たりとなるように構成されているが、高い確率で大当たりとなる一方、外れとなる場合もあるように構成してもよい。
以上のように、3回の擬似変動を経てリーチが成立する場合の擬似連(「3回擬似変動+ノーマルリーチ」、「3回擬似変動+スーパーリーチ」、「3回擬似変動+スペシャルリーチ」)は、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動B(変動時間60秒)が通知された場合に選択される。4回の擬似変動を経てリーチが成立する場合の擬似連(「4回擬似変動+スーパーリーチ」、「4回擬似変動+スペシャルリーチ」)は、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動C(変動時間90秒)が通知された場合に選択される。5回の擬似変動を経てスペシャルリーチが成立し、大当たりが確定する場合の擬似連(「5回擬似変動+スペシャルリーチ」)は、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動C(変動時間90秒)が通知された場合に選択される。5回の擬似変動を経て完全外れが確定する場合の擬似連(「5回擬似変動+外れ」)は、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動F(変動時間55秒)が通知された場合に選択される。そして、5回の擬似変動を経て、5回目の擬似変動で外れ図柄が一旦擬似停止した後、再変動が行われて大当たりが確定する場合の擬似連(「5回擬似変動+復活」)は、主制御装置110から変動パターンコマンドによって変動B(変動時間60秒)が通知された場合に選択される。
図5に戻り、説明を続ける。RAM223は、その他、主制御装置110より受信したコマンドを、そのコマンドに対応した処理が行われるまで一時的に記憶するコマンド記憶領域(図示せず)や、変動表示を開始すべきか否かを示す変動開始フラグ(図示せず)などを有している。なお、コマンド記憶領域はリングバッファで構成され、FIFO(First In First Out)方式によってデータの読み書きが行われる。音声ランプ制御装置113のコマンド判定処理(図32参照)が実行されると、コマンド記憶領域に記憶された未処理のコマンドのうち、最初に格納されたコマンドが読み出され、コマンド判定処理によって、そのコマンドが解析されて、そのコマンドに応じた処理が行われる。また、変動開始フラグは、主制御装置110から出力された停止種別コマンドを受信した場合にオンされ(図32のSX2004参照)、第3図柄表示装置81における変動表示の設定がなされるときにオフされる(図33のS2102参照)。
音声ランプ制御装置113のMPU221には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン224を介して入出力ポート225が接続されている。入出力ポート225には、主制御装置110、表示制御装置114、音声出力装置226、ランプ表示装置227、振動センサ228、枠ボタン22などがそれぞれ接続されている。
音声ランプ制御装置113は、枠ボタン22からの入力を監視し、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合は、第3図柄表示装置81で表示されるステージを変更するように、音声出力装置226、ランプ表示装置227を制御し、また、表示制御装置114へ指示する。ステージが変更される場合は、変更後のステージに応じた背面画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、変更後のステージに関する情報を含めた背面画像変更コマンドを表示制御装置114へ送信する。ここで、背面画像とは、第3図柄表示装置81に表示させる主要な画像である第3図柄の背面側に表示される画像のことである。
振動センサ228は、パチンコ機10に加えられた振動を検出するためのセンサであり、遊技盤13の裏面に取り付けられている。パチンコ機10では、入球口への入球が遊技状態を決定する重要な要因となるので、振動によって球の流れを変え、意図的に入球口への入球が行われることを阻止する必要がある。そこで、振動センサ228の出力から、遊技者などによってパチンコ機10に振動が与えられたと判断される場合は、その振動エラーを伝えるエラーコマンドを表示制御装置114に送信する。その他、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110からのコマンドや、音声ランプ制御装置113に接続された各種装置等の状況に応じてエラーを判定し、そのエラーの種別を含めてエラーコマンドを表示制御装置114へ送信する。表示制御装置114では、受信したエラーコマンドによって示されるエラー種別(例えば、振動エラー)に応じたエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に遅滞無く表示させる制御が行われる。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113及び第3図柄表示装置81が接続され、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81における第3図柄の変動表示(変動演出)や連続予告演出を制御するものである。この表示制御装置114の詳細については、図14を参照して後述する。
電源装置115は、パチンコ機10の各部に電源を供給するための電源部251と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路252と、RAM消去スイッチ122(図3参照)が設けられたRAM消去スイッチ回路253とを有している。電源部251は、図示しない電源経路を通じて、各制御装置110〜114等に対して各々に必要な動作電圧を供給する装置である。その概要としては、電源部251は、外部より供給される交流24ボルトの電圧を取り込み、各種スイッチ208などの各種スイッチや、ソレノイド209などのソレノイド、モータ等を駆動するための12ボルトの電圧、ロジック用の5ボルトの電圧、RAMバックアップ用のバックアップ電圧などを生成し、これら12ボルトの電圧、5ボルトの電圧及びバックアップ電圧を各制御装置110〜114等に対して必要な電圧を供給する。
停電監視回路252は、停電等の発生による電源遮断時に、主制御装置110のMPU201及び払出制御装置111のMPU211の各NMI端子へ停電信号SG1を出力するための回路である。停電監視回路252は、電源部251から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断、電源遮断)の発生と判断して、停電信号SG1を主制御装置110及び払出制御装置111へ出力する。停電信号SG1の出力によって、主制御装置110及び払出制御装置111は、停電の発生を認識し、NMI割込処理を実行する。なお、電源部251は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、NMI割込処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの電圧の出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置110及び払出制御装置111は、NMI割込処理(図26参照)を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路253は、RAM消去スイッチ122(図3参照)が押下された場合に、主制御装置110へ、バックアップデータをクリアさせるためのRAM消去信号SG2を出力するための回路である。主制御装置110は、パチンコ機10の電源投入時に、RAM消去信号SG2を入力した場合に、バックアップデータをクリアすると共に、払出制御装置111においてバックアップデータをクリアさせるための払出初期化コマンドを払出制御装置111に対して送信する。
次に、図14を参照して、表示制御装置114の電気的構成について説明する。図14は、表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。表示制御装置114は、MPU231と、ワークRAM233と、キャラクタROM234と、常駐用ビデオRAM235と、通常用ビデオRAM236と、画像コントローラ237と、入力ポート238と、出力ポート239と、バスライン240,241とを有している。
入力ポート238の入力側には音声ランプ制御装置113の出力側が接続され、入力ポート238の出力側には、MPU231、ワークRAM233、キャラクタROM234、画像コントローラ237がバスライン240を介して接続されている。画像コントローラ237には、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が接続されると共に、バスライン241を介して出力ポート239が接続されている。また、出力ポート239の出力側には、第3図柄表示装置81が接続されている。
なお、パチンコ機10は、大当たりの抽選確率や1回の大当たりで払い出される賞球数が異なる別機種であっても、第3図柄表示装置81で表示される図柄構成が全く同じ仕様の機種があるので、表示制御装置114は共通部品化されコスト低減が図られている。
以下では、先にMPU231、キャラクタROM234、画像コントローラ237、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236について説明し、次いで、ワークRAM233について説明する。
まず、MPU231は、主制御装置110の変動パターンコマンドに基づく音声ランプ制御装置113から出力された表示用変動パターンコマンドに基づいて、第3図柄表示装置81の表示内容を制御するものである。MPU231は、命令ポインタ231aを内蔵しており、命令ポインタ231aで示されるアドレスに格納された命令コードを読み出してフェッチし、その命令コードに従って各種処理を実行する。MPU231には、電源投入(停電からの復電を含む。以下、同じ。)直後に、電源装置115からシステムリセットがかけられるようになっており、そのシステムリセットが解除されると、命令ポインタ231aは、MPU231のハードウェアによって自動的に「0000H」に設定される。そして、命令コードがフェッチされる度に、命令ポインタ231aは、その値が1ずつ加算される。また、MPU231が命令ポインタの設定命令を実行した場合は、その設定命令により指示されたポインタの値が命令ポインタ231aにセットされる。
なお、詳細については後述するが、本実施形態において、MPU231によって実行される制御プログラムや、その制御プログラムで使用される各種の固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。
詳細については後述するが、キャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されている。これにより、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる。そして、キャラクタROM187に制御プログラム等を記憶させておけば、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方で、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅くなるという問題点がある。例えば、複数のページに連続して並んだデータの読み出しを行う場合において、2ページ目以降のデータは高速読み出しが可能であるが、最初の1ページ目のデータの読み出しには、アドレスが指定されてからデータが出力されるまでに大きな時間を要する。また、連続していないデータを読み出す場合は、そのデータを読み出す度に大きな時間を要する。このように、NAND型フラッシュメモリは、その読み出しに係る速度が遅いため、MPU231が直接キャラクタROM234から制御プログラムを読み出して各種処理を実行するように構成すると、制御プログラムを構成する命令の読み出しに時間がかかる場合が発生し、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。
そこで、本実施形態では、MPU231のシステムリセットが解除されると、まず、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに記憶されている制御プログラムを、各種データの一時記憶用に設けたワークRAM233に転送して格納する。そして、MPU231はワークRAM233に格納された制御プログラムに従って、各種処理を実行する。ワークRAM233は、後述するようにDRAM(Dynamic RAM)によって構成され、高速でデータの読み書きが行われるので、MPU231は遅滞なく制御プログラムを構成する命令の読み出しを行うことができる。よって、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
キャラクタROM234は、上述したように、MPU231において実行される制御プログラムや、第3図柄表示装置81に表示される画像のデータを記憶したメモリであり、MPU231とバスライン240を介して接続されている。MPU231は、バスライン240を介してシステムリセット解除後にキャラクタROM234に直接アクセスし、そのキャラクタROM234の後述する第2プログラム記憶エリア234a1に記憶された制御プログラムを、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aへ転送する。また、キャラクタROM234はバスライン240を介して画像コントローラ237と接続されており、画像コントローラ237はキャラクタROM234の後述するキャラクタ記憶エリア234a2に格納された画像データを、画像コントローラ237に接続されている常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236へ転送する。
このキャラクタROM234は、NAND型フラッシュメモリ234a、ROMコントローラ234b、バッファRAM234c、NOR型ROM234dをモジュール化して構成されている。
NAND型フラッシュメモリ234aは、キャラクタROM234におけるメインの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、MPU231によって実行される制御プログラムの大部分や第3図柄表示装置81を駆動させるための固定値データを記憶する第2プログラム記憶エリア234a1と、第3図柄表示装置81に表示させる画像(キャラクタ等)のデータを格納するキャラクタ記憶エリア234a2とを少なくとも有している。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、小さな面積で大きな記憶容量が得られる特徴を有しており、キャラクタROM234を容易に大容量化することができる。これにより、本パチンコ機において、例えば2ギガバイトの容量を持つNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより、第3図柄表示装置81に表示させる画像として、多くの画像をキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させることができる。よって、遊技者の興趣をより高めるために、第3図柄表示装置81に表示される画像を多様化、複雑化することができる。
また、NAND型フラッシュメモリ234aは、多くの画像データをキャラクタ記憶エリア234a2に記憶させた状態で、更に、制御プログラムや固定値データも第2プログラム記憶エリア234a1に記憶させることができる。このように、制御プログラムや固定値データを、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させることなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させることができるので、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
ROMコントローラ234bは、キャラクタROM234の動作を制御するためのコントローラであり、例えば、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237から伝達されたアドレスに基づいて、NAND型フラッシュメモリ234a等から該当するデータを読み出し、バスライン240を介してMPU231又は画像コントローラ237へ出力する。
ここで、NAND型フラッシュメモリ234aは、その性質上、データの書き込み時にエラービット(誤ったデータが書き込まれたビット)が比較的多く発生したり、データを書き込むことができない不良データブロックが発生したりする。そこで、ROMコントローラ234bは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータに対して公知の誤り訂正を施し、また、不良データブロックを避けてNAND型フラッシュメモリ234aへのデータの読み書きが行われるように公知のデータアドレスの変換(例えば、特開2006−223598号公報を参照)を実行する。
このROMコントローラ234bにより、エラービットを含むNAND型フラッシュメモリ234aから読み出されたデータに対して誤り訂正が行われるので、キャラクタROM234としてNAND型フラッシュメモリ234aを用いたとしても、誤ったデータに基づいてMPU231が処理を行ったり、画像コントローラ237が各種画像を生成したりすることを抑制することができる。
また、ROMコントローラ234bによってNAND型フラッシュメモリ234aの不良データブロックが解析され、その不良データブロックへのアクセスが回避されるので、MPU231や画像コントローラ237は、個々のNAND型フラッシュメモリ234aで異なる不良データブロックのアドレス位置を考慮することなく、キャラクタROM234へのアクセスを容易に行うことができる。よって、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタROM234へのアクセス制御が複雑化することを抑制することができる。
バッファRAM234cは、NAND型フラッシュメモリ234aから読み出したデータを一時的に記憶するバッファとして用いられるメモリである。MPU231や画像コントローラ237からバスライン240を介してキャラクタROM234に割り振られたアドレスが指定されると、ROMコントローラ234bは、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータがバッファRAM234cにセットされているか否かを判断する。そして、セットされていなければ、その指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分(例えば、2キロバイト)のデータをNAND型フラッシュメモリ234a(またはNOR型ROM234d)より読み出してバッファRAM234cに一旦セットする。そして、ROMコントローラ234bは、公知の誤り訂正処理を施した上で、指定されたアドレスに対応するデータを、バスライン240を介してMPU231や画像コントローラ237に出力する。
このバッファRAM234cは、2バンクで構成されており、1バンク当たりNAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分のデータがセットできるようになっている。これにより、ROMコントローラ234bは、例えば、一方のバンクにデータをセットした状態のまま他方のバンクを使用して、NAND型フラッシュメモリ187aのデータを外部に出力したり、MPU231や画像コントローラ237より指定されたアドレスに対応するデータを含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから一方のバンクに転送してセットする処理と、MPU231や画像コントローラ237によって指定されたアドレスに対応するデータを他方のバンクから読み出してMPU231や画像コントローラ237に対して出力する処理とを、並列して処理したりすることができる。よって、キャラクタROM234の読み出しにおける応答性を向上させることができる。
NOR型ROM234dは、キャラクタROM234におけるサブの記憶部として設けられる不揮発性のメモリであり、NAND型フラッシュメモリ234aを補完することを目的にそのNAND型フラッシュメモリ234aよりも極めて小容量(例えば、2キロバイト)に構成されている。このNOR型ROM234dには、キャラクタROM234に記憶される制御プログラムのうち、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されていないプログラム、具体的には、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する第1プログラム記憶エリア234d1が少なくとも設けられている。
ブートプログラムは、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動するための制御プログラムであり、システムリセット解除後にMPU231が先ずこのブートプログラムを実行する。これにより、表示制御装置114において各種制御が実行可能に状態とすることができる。第1プログラム記憶エリア234d1は、このブートプログラムのうち、バッファRAM234cの1バンク分(即ち、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分)の容量の範囲で、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令(例えば、1ページの容量が2キロバイトであれば、1024ワード(1ワード=2バイト)分の命令)を格納する。なお、第1プログラム記憶エリア234d1に格納されるブートプログラムの命令数は、バッファRAM234cの1バンク分の容量以下に収まっていればよく、表示制御装置114の仕様に合わせて適宜設定されるものであってもよい。
MPU231は、システムリセットが解除されると、ハードウェアによって命令ポインタ231aの値を「0000H」に設定すると共に、バスライン240に対して命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」を指定するように構成されている。一方、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240にアドレス「0000H」が指定されたことを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cの一方のバンクにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。
MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチすると、そのフェッチした命令コードに従って各種処理を実行するとともに、命令ポインタ231aを1だけ加算し、命令ポインタ231aにて示されるアドレスをバスライン240に対して指定する。そして、キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240によって指定されたアドレスがNOR型ROM234dに記憶されたプログラムを指し示すアドレスである間、先にNOR型ROM234dからバッファRAM234cにセットされたプログラムの中から、対応するアドレスの命令コードをバッファRAM234cより読み出して、MPU231に対して出力する。
ここで、本実施形態において、制御プログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに格納するのではなく、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納するのは、次の理由による。即ち、NAND型フラッシュメモリ234aは、上述したように、最初の1ページ目のデータの読み出しにおいて、アドレスを指定してからデータが出力されるまでに大きな時間を要する、というNAND型フラッシュメモリ特有の問題がある。
このようなNAND型フラッシュメモリ234aに対して制御プログラムを全て格納すると、システムリセット解除後にMPU231が最初に実行すべき命令コードをフェッチするためにMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定された場合、キャラクタROM234はアドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならい。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要することになるので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費する。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるので、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令をNOR型ROM234dに格納することによって、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができ、MPU231の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
さて、ブートプログラムは、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム、即ち、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムを除く制御プログラムや、その制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を、所定量(例えば、NAND型フラッシュメモリ234aの1ページ分の容量)ずつワークRAM233のプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送するようにプログラミングされている。そして、MPU231は、まず、システムリセット解除後に第1プログラム記憶エリア234d1から読み出したブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがセットされているバッファRAM234cのバンクとは異なるバンクを使用しながら、所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、格納する。
ここで、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、上述したように、バッファRAM234cの1バンク分に相当する容量で構成されているので、内部バスのアドレスが「0000H」に指定されたことを受けて第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムがバッファRAM234cにセットされる場合、そのブートプログラムはバッファRAM234cの一方のバンクにのみセットされる。よって、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムをプログラム格納エリア233cに転送する場合は、バッファRAM234cの一方のバンクにセットされた第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを残したまま、他方のバンクを使用してその転送処理を実行することができる。従って、その転送処理後に、第1プログラム記憶エリア234d1のブートプログラムを再度バッファRAM234cにセットし直すといった処理が不要であるので、ブート処理に係る時間を短くすることができる。
第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送すると、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第1の所定番地に設定するようにプログラミングされている。これにより、システムリセット解除後、MPU231によって第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムが所定量だけプログラム格納エリア233aに転送されると、命令ポインタ231aがプログラム格納エリア233aの第1の所定番地に設定される。
よって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち所定量のプログラムがプログラム格納エリア233aに格納されると、MPU231は、そのプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出して、各種処理を実行することができる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行することになる。後述するように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
ここで、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれている。一方、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムは、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに所定量だけ第2プログラム記憶エリア234a1から転送される制御プログラムの中に、その残りのブートプログラムが含まれるようにプログラミングされていると共に、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを第1の所定番地として命令ポインタ231aを設定するようにプログラミングされている。
これにより、MPU231は、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送した後、その転送した制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムを実行する。
この残りのブートプログラムでは、プログラム格納エリア233aに転送されていない残りの制御プログラムやその制御プログラムで用いられる固定値データ(例えば、後述する表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルなど)を全て第2プログラム記憶エリア234a1から所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送する処理を実行する。また、ブートプログラムの最後で、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233a内の第2の所定番地に設定する。具体的には、この第2の所定番地として、プログラム格納エリア233aに格納された、ブートプログラムによるブート処理(図34(a)のS2201参照)の終了後に実行される初期化処理(図34(a)のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定する。
MPU231は、この残りのブートプログラムを実行することによって、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムや固定値データが全てプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bに転送される。そして、ブートプログラムがMPU231により最後まで実行されると、命令ポインタ231aが第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムをワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムを読み出して各種制御を行うことができる。従って、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
また、上述したように、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア187a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
画像コントローラ237は、画像を描画し、その描画した画像を所定のタイミングで第3図柄表示装置81に表示させるデジタル信号プロセッサ(DSP)である。画像コントローラ237は、MPU231から送信される後述の描画リスト(図21参照)に基づき1フレーム分の画像を描画して、後述する第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに描画した画像を展開すると共に、他方のフレームバッファにおいて先に展開された1フレーム分の画像情報を第3図柄表示装置81へ出力することによって、第3図柄表示装置81に画像を表示させる。画像コントローラ237は、この1フレーム分の画像の描画処理と1フレーム分の画像の表示処理とを、第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)の中で並列処理する。
画像コントローラ237は、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231に対して垂直同期割込信号(以下、「V割込信号」と称する)を送信する。MPU231は、このV割込信号を検出する度に、V割込処理(図35(b)参照)を実行し、画像コントローラ237に対して、次の1フレーム分の画像の描画を指示する。この指示により、画像コントローラ237は、次の1フレーム分の画像の描画処理を実行すると共に、先に描画によって展開された画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。
このように、MPU231は、画像コントローラ237からのV割込信号に伴ってV割込処理を実行し、画像コントローラ237に対して描画指示を行うので、画像コントローラ237は、画像の描画処理および表示処理間隔(20ミリ秒)毎に、画像の描画指示をMPU231より受け取ることができる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
画像コントローラ237は、また、MPU231からの転送指示や、描画リストに含まれる転送データ情報に基づいて、画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に転送する処理も実行する。
尚、画像の描画は、常駐用ビデオRAM235および通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて行われる。即ち、描画の際に必要となる画像データは、その描画が行われる前に、MPU231からの指示に基づき、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236へ転送される。
ここで、NAND型フラッシュメモリは、ROMの大容量化を容易にする一方、読み出し速度がその他のROM(マスクROMやEEPROMなど)と比して遅い。これに対し、表示制御装置114では、MPU231が、キャラクタROM234に格納されている画像データのうち一部の画像データを電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送するように、画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。そして、後述するように、常駐用ビデオRAM235に格納された画像データは、上書きされることなく常駐されるように制御される。
これにより、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データの転送が終了した後は、常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。よって、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110または表示制御装置114によって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
また、表示制御装置114は、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データを用いて画像の描画を行う場合は、その描画が行われる前に、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して描画に必要な画像データを転送するように、MPU231が画像コントローラ237に対して指示するよう構成されている。後述するように、通常用ビデオRAM236に転送された画像データは、画像の描画に用いられた後、上書きによって削除される可能性はあるものの、画像描画時には、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がなく、その読み出しにかかる時間を省略できるので、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置81に描画した画像を表示することができる。
また、通常用ビデオRAM236にも画像データを格納することによって、全ての画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておく必要がないため、大容量の常駐用ビデオRAM235を用意する必要がない。よって、常駐用ビデオRAM235を設けたことによるコスト増大を抑えることができる。
画像コントローラ237は、NAND型フラッシュメモリ234aの1ブロック分の容量である132キロバイトのSRAMによって構成されたバッファRAM237aを有している。
MPU231が、転送指示や描画リストの転送データ情報によって画像コントローラ237に対して行う画像データの転送指示には、転送すべき画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、転送先の情報(常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のいずれに転送するかを示す情報)、及び転送先(常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。なお、格納元最終アドレスに代えて、転送すべき画像データのデータサイズを含めてもよい。
画像コントローラ237は、この転送指示の各種情報に従って、キャラクタROM435の所定アドレスから1ブロック分のデータを読み出して一旦バッファRAM237aに格納し、常駐用ビデオRAM235または通常用ビデオRAM236の未使用時に、バッファRAM237aに格納された画像データを常駐RAM235または通常用ビデオRAM236に転送する。そして、転送指示により示された格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスに格納された画像データが全て転送されるまでその処理を繰り返し実行する。
これにより、キャラクタROM234から時間をかけて読み出された画像データを一旦そのバッファRAM237aに格納し、その後、その画像データをバッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ短時間で転送することができる。よって、キャラクタROM234から画像データが常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送される間に、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が、その画像データの転送で長時間占有されるのを防止することができる。従って、画像データの転送により常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が占有されることで、画像の描画処理にそれらのビデオRAM235,236が使用できず、結果として必要な時間までに画像の描画や、第3図柄表示装置81への表示が間に合わないことを防止することができる。
また、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、画像コントローラ237によって行われるので、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236が画像の描画処理や第3図柄表示装置81への表示処理に未使用である期間を容易に判定することができ、処理の単純化を図ることができる。
常駐用ビデオRAM235には、電源投入時主画像エリア235a、電源投入時変動画像エリア235b、背面画像エリア235c、第3図柄エリア235d、キャラクタ図柄エリア235e、エラーメッセージ画像エリア235fが少なくとも設けられている。
電源投入時主画像エリア235aは、第1実施形態の電源投入時主画像エリア189aと同様に、電源が投入されてから常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが格納されるまでの間に第3図柄表示装置81に表示する電源投入時主画像に対応するデータを格納する領域である。また、電源投入時変動画像エリア235bは、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示されている間に遊技者によって遊技が開始され、第1入球口164への入球が検出された場合に、主制御装置110において行われた抽選結果を変動演出によって表示する電源投入時変動画像に対応する画像データを格納する領域である。
MPU231は、電源部251から電源供給が開始されたときに、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237へ転送指示を送信する(図34(a)のS2203,S2204参照)。
ここで、図15を参照して、電源投入時変動画像について説明する。図15は、表示制御装置114が電源投入直後において、常駐用ビデオRAM235に対して格納すべき画像データをキャラクタROM234から転送している間に、第3図柄表示装置81にて表示される電源投入時画像を説明する説明図である。
表示制御装置114は、電源投入直後に、キャラクタROM234から電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送すると、続いて、常駐用ビデオRAM235に格納すべき残りの画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送する。この残りの画像データの転送が行われている間、表示制御装置114は、先に電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いて、図15(a)に示す電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させる。
このとき、変動開始の指示コマンドである主制御装置110からの変動パターンコマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドを受信すると、表示制御装置114は、図15(b)に示すように、電源投入時主画像の表示画面上に、画面に向かって右下の位置に「○」図柄の電源投入時変動画像と、図15(c)に示すように、「○」図柄と同位置に「×」図柄の電源投入時変動画像とを、変動期間中、交互に繰り返して表示する。そして、主制御装置110からの変動パターンコマンドや停止種別コマンドに基づき音声ランプ制御装置113から送信される表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドから、主制御装置110にて行われた抽選の結果を判断し、「大当たり」である場合は図15(b)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させ、「外れ」である場合は図15(c)に示す画像を変動演出の停止後に一定期間表示させる。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に対して転送されるまで、画像コントローラ237に対し、電源投入時主画像エリア235aに格納された画像データを用いた電源投入時主画像の描画を指示する。これにより、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。また、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始し、第1入口球264に入球が検出された場合は、電源投入時変動画像エリア235bに常駐された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて電源投入時変動画像が描画され、図15(b)及び(c)に示す画像が交互に第3図柄表示装置81に表示されるように、MPU231から画像コントローラ237に対して指示される。これにより、電源投入時変動画像を用いて簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示される段階で、すでに電源投入時変動演出画像に対応する画像データが電源投入時変動画像エリア235bに常駐されているので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に第1入口球264に入球が検出された場合は、対応する変動演出を第3図柄表示装置81に即座に表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。背面画像エリア235cは、第1実施形態の背面画像エリア189bと同様に、第3図柄表示装置81に表示される背面画像に対応する画像データを格納する領域である。ここで、図16及び図17を参照して、背面画像と、その背面画像のうち、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。図16及び図17は、3種類の背面画像と、各背面画像に対して常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲を説明する説明図であり、図16(a)は、「街中ステージ」に対応する背面Aに対して、図16(b)は、「空ステージ」に対応する背面Bに対して、図17は、「島ステージ」に対応する背面Cに対してそれぞれ示したものである。
各背面A〜Cのうち、背面A及びBに対応する背面画像は、図16に示すように、いずれも第3図柄表示装置81において表示される表示領域よりも水平方向に長い画像が、キャラクタROM234に用意されている。画像コントローラ237は、その画像を水平方向に左から右へスクロールさせながら背面画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像の描画をおこなう。
各背面A及びBに用意された画像(以下、「スクロール用画像」と称する。)は、いずれも位置aおよび位置cのところで背面画像が連続するように画像が構成されている。そして、位置cから位置dの間の画像および位置aから位置a’の間の画像は、表示領域の水平方向の幅分の画像によって構成されており、位置cから位置dの間にある画像が表示領域として第3図柄表示装置81に表示された後に、位置aから位置a’の間にある画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示させると、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
遊技者によって枠ボタン22が操作されてステージが「街中ステージ」または「空ステージ」に変更されると、MPU231は、対応する背面画像のまず位置aから位置a’の間を表示領域の初期位置として設定し、その初期位置の画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、画像コントローラ237を制御する。そして、時間の経過とともに、表示領域をスクロール用画像に対して左から右に移動させ、順次その表示領域が第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御し、更に、表示領域が位置cから位置dの間の画像に到達した場合、再び表示領域を位置aから位置a’の画像として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。よって、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像を、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
一方、背面Cにおける背面画像は、図17に示すように、時間の経過とともに、図17の(a)→(b)→(c)→(a)→・・・の順で、第3表示装置281に表示される。具体的には、背面Cは、島にそびえる山の画像と、山のふもとに広がる砂浜の画像と、島を囲む海の画像とが、その表示される位置が固定された状態で第3図柄表示装置81に表示される。一方、山の上に広がる空の画像は、その色調が時間経過とともに変化する。
遊技者による枠ボタン22の操作によりステージが「島ステージ」に変更されると、背面Cの初期背面画像として、図17(a)に示す背面画像が表示される。この図17(a)に示す背面画像では、朝やけを示すオレンジ色の空が表示される。そして、時間の経過とともに空の色調がオレンジ色から徐々に鮮やかな青色に変化して、所定時間経過後、図17(b)に示す背面画像が表示される。図17(b)に示す背面画像では、昼を示す鮮やかな青色の空が表示される。次に、時間の経過とともに空の色調が鮮やかな青色から徐々に黒色に変化して、所定時間経過後、図17(c)に示す背面画像が表示される。図17(c)に示す背面画像では、夜を示す黒色の空が表示される。その後、時間の経過とともに空の色調が黒色から徐々に白みはじめ更にオレンジ色に変化する。そして、所定時間経過後、図17(a)に示す背面画像に戻って、再び図17(a)〜(c)の背面画像が第3図柄表示装置81に表示される。
次いで、各背面画像において、背面画像エリア235cに格納される背面画像の範囲について説明する。初期ステージである街中ステージに対応する背面Aは、図16(a)に示すように、その背面Aの全範囲、即ち、位置aから位置dに対応する画像データが全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される。通常、初期ステージである街中ステージを表示させたまま、ステージを変更せずに遊技が行われる場合が多いので、多頻度で表示される街中ステージに対応する背面Aの画像データを全て背面画像エリア235cに常駐させておくことで、キャラクタROM234へのデータアクセス回数を減らすことができ、表示制御装置114にかかる負荷を軽減することができる。
一方、空ステージに対応する背面Bは、図16(b)に示すように、その背面の一部領域、即ち、位置aから位置bの間の画像に対応する画像データだけを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納する。また、島ステージに対応する背面Cは、図17(a)を含み、図17(b)を除く図17(a)〜(b)の間の背面画像に対応する画像データが、電源投入後の立ち上げ処理の中で常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納され、常駐される。
ここで、ステージを変更するために遊技者による行われる枠ボタン22の操作は、遊技者の意思に基づき任意のタイミングで行われるものであるので、任意のタイミングで枠ボタン22が操作されても即座に背面画像を変更するためには、全ての背面画像について全範囲の画像データを常駐用ビデオRAM235に常駐させておくことが理想的であるが、そのようにすると常駐用ビデオRAM235として非常に大きな容量のRAMを用いなければならず、コストの増大につながる恐れがある。
これに対し、本パチンコ機10では、ステージが変更された場合に最初に表示される背面画像の初期位置を、位置aから位置a’の範囲または図17(a)〜(b)の範囲に固定し、その初期位置を含む位置aから位置bの間の画像または図17(a)〜(b)の間の画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納しておくので、キャラクタROM234を読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者による枠ボタン22の操作によって任意のタイミングでステージが変更された場合に、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されている画像データを用いることによって、即座にその背面Bや背面Cの初期位置を第3図柄表示装置81に表示させ、また、時間経過とともにスクロール表示または色調を変化させながら表示させることができる。また、背面Bおよび背面Cについては、一部範囲の画像に対応する画像データだけを格納するので、常駐用ビデオRAM235の記憶容量の増大を抑制でき、コストの増大を抑えることができる。
また、背面Bは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて位置aから位置bの範囲を左から右に向けてスクロールさせている間に、位置b’から位置dの画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送完了できるように、その位置aから位置bの範囲が設定されている。これにより、位置aから位置bの範囲をスクロールさせる間に位置b’から位置dの画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置aから位置bの範囲をスクロールさせた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、位置b’から位置dの範囲をスクロールさせて第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、背面Cは、初期位置の画像が表示された後、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図17(a)〜(b)の画像を表示させている間に、図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)に対応する画像の画像データがキャラクタROM234から通常用RAM236へ転送が完了できるように、図17(a)〜(b)の範囲が設定されている。これにより、図17(a)〜(b)の画像を表示させる間に図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)の画像に対応する画像データを通常用ビデオRAM236へ転送できるので、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて図17(a)〜(b)の画像を表示させた後、遅滞なく通常用ビデオRAM236に格納された背面画像に対応する画像データを用いて、図17(b)〜(c)および図17(c)〜(a)の画像を時間経過とともに、順次、第3図柄表示装置81に表示させることができる。
尚、背面B及び背面Cにおいて、通常用ビデオRAM236に格納される画像データは、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236a(図14参照)に設けられた背面画像専用のサブエリアに格納される。これにより、背面画像専用のサブエリアに格納された背面画像データが、他の画像データによって上書きされることがないので、背面画像を確実に表示させることができる。
また、背面Bにおいて、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納される画像データと、通常用ビデオRAM236に格納される画像データとでは、位置b’から位置bの間の画像に対応する画像データが重複して格納される。そして、MPU231による画像コントローラ237の制御により、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納された画像データを用いて位置bまでの画像を第3図柄表示装置81に表示させ、次いで、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて位置b’からの画像を第3図柄表示装置81に表示させることで、第3図柄表示装置81にスムーズなつながりで背面画像がスクロール表示されるようになっている。
更に、MPU231は、通常用ビデオRAM236の画像データを用いて、位置cから位置dの間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御すると、次いで、MPU231は、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cの画像データを用いて、位置aから位置a’の間の画像を表示領域として第3図柄表示装置81に表示されるように画像コントローラ237を制御する。これにより、第3図柄表示装置81には、位置a〜位置cの間の画像が、左方向に向かって流れるように、スムーズなつながりで繰り返しスクロールされて表示させることができる。
図14に戻って、説明を続ける。第3図柄エリア235dは、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において使用される第3図柄を常駐するためのエリアである。即ち、第3図柄エリア235には、第3図柄である「0」から「9」の数字を付した上述の10種類の主図柄(図4参照)に対応する画像データが常駐される。これにより、第3図柄表示装置81にて変動演出を行う場合、逐一キャラクタROM187から画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM187にNAND型フラッシュメモリ187aを用いても、第3図柄表示装置81において素早く変動演出を開始することができる。よって、第1入球口64への入球が発生してから、第1図柄表示装置37では変動演出が開始されているにも関わらず、第3図柄表示装置81において変動演出が即座に開始されないような状態が発生するのを抑制することができる。
また、第3図柄エリア235dには、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄として、木箱といった後方図柄からなる主図柄や、後方図柄とかんな,風呂敷,ヘルメット等のキャラクタを模した付属図柄とからなる主図柄に対応する画像データも常駐される。これらの画像データは、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出に用いられる。これにより、デモ演出が第3図柄表示装置81に表示されると、そのデモ演出において、第3図柄として数字の付されていない主図柄が表示される。よって、遊技者は、数字の付されていない主図柄を第3図柄表示装置81の表示画像から視認することによって、当該パチンコ機10がデモ状態にあることを容易に認識することができる。
キャラクタ図柄エリア235eは、第1実施形態と同様に、第3図柄表示装置81に表示される各種演出で使用されるキャラクタ図柄に対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、「少年」をはじめとする様々なキャラクタが各種演出にあわせて表示されるようになっており、これらに対応するデータがキャラクタ図柄エリア235eに常駐されることにより、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容に基づいてキャラクタ図柄を変更する場合、キャラクタROM234から対応の画像データを新たに読み出すのではなく、常駐用ビデオRAM235のキャラクタ図柄エリア235eに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて所定の画像を描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM234から対応の画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、キャラクタ図柄を即座に変更することができる。
エラーメッセージ画象エリア235fは、第1実施形態のエラーメッセージ画像エリア189eと同様に、パチンコ機10内にエラーが発生した場合に表示されるエラーメッセージに対応する画像データを格納する領域である。本パチンコ機10では、遊技盤13の裏面に取り付けられた振動センサ228の出力から、音声ランプ制御装置113によって振動を検出すると、音声ランプ制御装置113は振動エラーの発生をエラーコマンドによって表示制御装置114に通知する。また、音声ランプ制御装置113により、その他のエラーの発生が検出された場合にも、音声ランプ制御装置113は、エラーコマンドによって、そのエラーの発生をそのエラー種別と共に表示制御装置114へ通知する。表示制御装置114では、エラーコマンドを受信すると、その受信したエラーに対応するエラーメッセージを第3図柄表示装置81に表示させるように構成されている。
ここで、エラーメッセージは、遊技者の不正防止やエラーに対する遊技者の保護の観点から、エラーの発生とほぼ同時に表示されることが求められる。本パチンコ機10では、エラーメッセージ画像エリア235fに、各種エラーメッセージに対応する画像データが予め常駐されているので、表示制御装置114は、受信したエラーコマンドに基づいて、常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fに予め常駐されている画像データを読み出すことによって、画像コントローラ237にて各エラーメッセージ画像を即座に描画できるようになっている。これにより、キャラクタROM435から逐次エラーメッセージに対応する画像データを読み出す必要がないので、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いても、エラーコマンドを受信してから対応するエラーメッセージを即座に表示させることができる。
通常用ビデオRAM236は、上述したように、データが随時上書きされ更新されるように用いられるもので、画像格納エリア236a、第1フレームバッファ236b、第2フレームバッファ236cが少なくとも設けられている。
画像格納エリア236aは、第3図柄表示装置81に表示させる画像の描画に必要な画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを格納するためのエリアである。画像格納エリア236aは、複数のサブエリアに分割されており、各サブエリア毎に、そのサブエリアに格納される画像データの種別が予め定められている。
MPU231は、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データのうち、その後の画像の描画で必要となる画像データを、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリアのうち、その画像データの種別を格納すべき所定のサブエリアに転送するように、画像コントローラ237に対して指示をする。これにより画像コントローラ237は、MPU231により指示された画像データをキャラクタROM234から読み出し、バッファRAM237aを介して、画像格納エリア236aの指定された所定のサブエリアにその読み出した画像データを転送する。
尚、画像データの転送指示は、MPU231が画像コントローラ237に対して画像の描画を指示する後述の描画リストの中に、転送データ情報を含めることによって行われる。これにより、MPU231は、画像の描画指示と、画像データの転送指示とを、描画リストを画像コントローラ237に送信するだけで行うことができるので、処理負荷を低減することができる。
第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cは、第3図柄表示装置81に表示すべき画像を展開するためのバッファである。画像コントローラ237は、MPU231からの指示に従って描画した1フレーム分の画像を、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれか一方のフレームバッファに書き込むことによって、そのフレームバッファに1フレーム分の画像を展開すると共に、その一方のフレームバッファに画像を展開している間、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対してその画像情報を送信することによって、第3図柄表示装置81に、その1フレーム分の画像を表示させる処理を実行する。
このように、フレームバッファとして、第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cの2つを設けることによって、画像コントローラ237は、一方のフレームバッファに描画した1フレーム分の画像を展開しながら、同時に、他方のフレームバッファから先に展開された1フレーム分の画像を読み出して、第3図柄表示装置81にその読み出した1フレーム分の画像を表示させることができる。
そして、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、第3図柄表示装置81に画像を表示させるために1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとは、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に、MPU231によって、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかが交互に入れ替えて指定される。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
ワークRAM233は、キャラクタROM234に記憶された制御プログラムや固定値データを格納したり、MPU231による各種制御プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するためのメモリであり、DRAMによって構成される。このワークRAM233は、プログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233e、転送データテーブルバッファ233f、ポインタ233g、描画リストエリア233h、計時カウンタ233i、格納画像判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kを少なくとも有している。
プログラム格納エリア233aは、MPU231によって実行される制御プログラムを格納するためのエリアである。MPU231は、システムリセットが解除されると、キャラクタROM234から制御プログラムを読み出してワークRAM233へ転送し、このプログラム格納エリア233aに格納する。そして、全ての制御プログラムをプログラム格納エリア233aに格納すると、以後、MPU231はプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを用いて各種制御を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
データテーブル格納エリア233bは、主制御装置110からのコマンドに基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブルと、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブルと、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データの転送データ情報ならびに転送タイミングを規定した転送データテーブルとが格納される領域である。
これらのデータテーブルは、通常、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに設けられた第2プログラム記憶エリア234a1に固定値データの一種として記憶されており、システムリセット解除後にMPU231によって実行されるブートプログラムに従って、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM233へ転送され、このデータテーブル格納エリア233bに格納される。そして、全てのデータテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア233bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、各種データテーブルの詳細について説明する。まず、表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づいて第3図柄表示装置81に表示される各演出の演出態様毎に1つずつ用意されるもので、例えば、変動演出、デモ演出、確定表示演出、再始動演出に対応する表示データテーブルが用意されている。
尚、デモ演出は、上述したように、一の変動演出が停止してから所定時間経過しても、始動入賞に伴う次の変動演出が開始されない場合に、第3図柄表示装置81に表示される演出であり、「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄が停止表示されると共に、背面画像のみが変化する。第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されていれば、遊技者やホール関係者が、当該パチンコ機10において遊技が行われていないことを認識することができる。
また、確定表示演出は、変動演出後に音声ランプ制御装置113を介して、主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することによって停止図柄を確定表示する場合に第3図柄表示装置81に表示される演出である。例えば、停止図柄が外れ図柄である場合は、外れを強調する演出が行われ、停止図柄が15R確変大当たり、15R通常大当たり、2R確変大当たりのいずれかである場合は、それぞれの大当たりが強調される演出が行われる。遊技者は、この確定表示演出を視認することで、停止図柄の内容によって付与される遊技価値を容易に判断することができる。
また、再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても主制御装置110から送信される確定コマンドが受信されない場合に、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出である。遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
データテーブル格納エリア233bには、デモ演出、確定表示演出および再始動演出に対応する表示データテーブルをそれぞれ1つずつ格納する。また、変動演出用の表示データテーブルである変動用表示データテーブルは、設定される変動演出パターンが32パターンあれば、1変動演出パターンに1テーブル、合計で32テーブルが用意される。
更に、変動表示データテーブルには、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、例えば、変動演出パターンが当たり用の変動演出パターンであった場合に外れの停止図柄が主制御装置110より指示された場合に用いられる、特殊変動用の表示パターンテーブルも用意されている。この特殊変動は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させ、確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄として外れを示す特殊停止図柄(例えば、左列から順に「3」「4」「1」と表示される図柄)を確定させるものである。
音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
ここで、図18を参照して、表示データテーブルの詳細について説明する。図18は、表示データテーブルのうち、変動用表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。表示データテーブルは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を詳細に規定したものである。
描画内容には、1フレーム分の画像を構成する表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
スプライトの種別は、表示すべきスプライトを特定するための情報である。表示位置座標は、そのスプライトを表示すべき第3図柄表示装置81上の座標を特定するための情報である。拡大率は、そのスプライトに対して予め設定された標準的な表示サイズに対する拡大率を指定するための情報で、その拡大率に従って表示されるスプライトの大きさが特定される。尚、拡大率が100%より大きい場合は、そのスプライトが標準的な大きさよりも拡大されて表示され、拡大率が100%未満の場合は、そのスプライトが標準的な大きさもよりも縮小されて表示される。
回転角度は、スプライトを回転させて表示させる場合の回転角度を特定するための情報である。半透明値は、スプライト全体の透明度を特定するためのものであり、半透明値が高いほど、スプライトの背面側に表示される画像が透けて見えるように画像が表示される。αブレンディング情報は、他のスプライトとの重ね合わせ処理を行う場合に用いられる既知のαブレンディング係数を特定するための情報である。色情報は、表示すべきスプライトの色調を指定するための情報である。そして、フィルタ指定情報は、指定されたスプライトを描画する場合に、そのスプライトに対して施すべき画像フィルタを指定するための情報である。
変動表示データテーブルでは、各アドレスに対応して規定される1フレーム分の描画内容として、1つの背面画像、9個の第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、その画像において光の差し込みなどを表現するエフェクト、少年画像や文字などの各種演出に用いられるキャラクタといった各スプライトに対する描画情報が、アドレス毎に規定されている。尚、エフェクトやキャラクタに関する情報は、そのフレームに表示すべき内容に合わせて、1つ又は複数規定される。
ここで、背面画像は、表示位置は第3図柄表示装置81の画面全体に固定され、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報は、時間経過に対して一定とされるので、変動用表示データテーブルでは、背面画像の種別を特定するための情報である背面種別のみが規定されている。この背面種別は、遊技者によって選択されているステージ(「街中ステージ」、「空ステージ」、「島ステージ」のいずれか)に対応する背面A〜Cのいずれかを表示させるか、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させるかを特定する情報が記載されている。また、背面種別は、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることを特定する場合、どの背面画像を表示させるかを特定する情報も合わせて記載されている。
MPU231は、この背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが特定される場合は、背面A〜Cのうち遊技者によって指定されたステージに対応する背面画像を描画対象として特定し、また、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定する。一方、背面A〜Cとは異なる背面画像を表示させることが特定される場合は、背面種別から表示させるべき背面画像を特定する。
尚、本実施形態では、表示データテーブルにおいて、背面画像の描画内容として背面種別のみを規定する場合について説明するが、これに代えて、背面種別と、その背面種別に対応する背面画像のどの範囲を表示すべきかを示す位置情報とを規定するようにしてもよい。この位置情報は、例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、位置情報により示される初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間に基づいて特定する。
また、位置情報は、この表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であってもよい。この場合、MPU231は、そのフレームに対して表示すべき背面画像の範囲を、表示用データベースに基づき画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始された段階で表示されていた背面画像の位置と、位置情報により示される該画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間とに基づいて特定する。
更に、位置情報は、背面種別に応じて、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報および表示データテーブルに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報のいずれかを示すものであってもよいし、背面種別および位置情報とともに、その位置情報の種別情報(例えば、初期位置に対応する範囲の背面画像が表示されてからの経過時間を示す情報であるか、表示用データベースに基づく画像の描画(もしくは、第3図柄表示装置81の表示)が開始されてからの経過時間を示す情報であるかを示す情報)を、背面画像の描画内容として規定してもよい。その他、位置情報は、経過時間を示す情報ではなく、表示すべき背面画像の範囲が格納されたアドレスを示す情報であってもよい。
第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)は、表示すべき第3図柄を特定するための図柄種別情報として、図柄種別オフセット情報が記載されている。このオフセット情報は、各第3図柄に付された数字の差分を表す情報である。第3図柄の種別を直接特定するのではなく、オフセット情報を特定するのは、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄および今回行われる変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動が開始されてから所定時間経過するまでの図柄オフセット情報では、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、変動が開始されてから所定時間経過後は、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信した停止種別コマンド(表示用停止種別コマンド)に応じて設定される停止図柄からのオフセット情報を記載する。これにより、変動演出を、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄で停止させることができる。
なお、各第3図柄には固有の数字が付されているので、1つ前の変動演出における変動図柄や、主制御装置110より指定された停止種別に応じた停止図柄を、その第3図柄に付された数字で管理し、また、オフセット情報を、各第3図柄に付された数字の差分で表すことにより、そのオフセット情報から容易に表示すべき第3図柄を特定することができる。
また、図柄オフセット情報において、1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えられる所定時間は、第3図柄が高速に変動表示されている時間となるように設定されている。第3図柄が高速に変動表示されている間は、その第3図柄が遊技者に視認不能な状態であるので、その間に、図柄オフセット情報を1つ前に行われた変動演出の停止図柄のオフセット情報から今回行われている変動演出の停止図柄のオフセット情報に切り替えることによって、第3図柄の数字の連続性が途切れても、その数字の連続性の途切れを遊技者に認識させないようにすることができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図18の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定し、その選定した表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに格納すると共に、ポインタ233gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ233gを1加算し、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいて、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、第3図柄表示装置81に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出態様に応じた表示データテーブルバッファを設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
次いで、図19を参照して、追加データテーブルの詳細について説明する。図19は、追加データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。追加データテーブルは、上述したように、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載したものである。ここで、「一の演出に追加」するとは、主制御装置110からのコマンドに基づく一の演出の表示内容を変更することを意味し、例えば、一の演出において通常は表示されない画像を表示させて、その一の演出に別の演出を重ねて表示させたり、その一の演出における一部または全部の色調を変化させたり、一の演出において表示される画像を変更したりする概念を含むものである。
即ち、追加データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常は表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容や、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容、また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものである。
なお、本実施形態では、主制御装置110からの変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)に基づき選定された変動用表示データテーブルによって表示される変動演出に対して追加して表示される連続予告演出を表示するための表示内容が、追加データテーブルによって規定される場合について説明する。
即ち、追加データテーブルは、例えば、変動演出に対して追加設定される連続予告演出に対応して用意されており、具体的には、連続予告演出の表示態様である「泡」、「タマゴ」、「ヒヨコ」、「ニワトリ」、「ニワトリ群」のそれぞれに対応した追加データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに格納されている。
この追加データテーブルでは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)が詳細に規定されている。描画内容には、1フレーム分の画像に追加表示すべき表示物であるスプライト毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、そのスプライトの種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、スプライトを第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定されている。
例えば、図19の例では、表示データテーブルにおいて規定されるアドレス「0097H」に対応付けて、2つのエフェクト(エフェクト1,エフェクト2)及び2つのキャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2)に対して、それぞれのスプライト種別(エフェクト種別,キャラクタ種別)、表示位置、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報が規定されている。一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスによって示される時間に、追加表示すべき表示物が存在しない場合は、追加データテーブルでは、そのアドレスに対応する追加すべき表示物が存在しないことを意味するNullデータが規定される(図19のアドレス「0001H」が該当)。
尚、追加データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、追加データテーブルの最終アドレス(図19の例では、「00FDH」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と、「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その追加データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドを受信すると、その連続予告コマンドにより示される連続予告態様に応じた追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の追加データテーブルバッファ233eに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定し、次に描画すべき画像内容を特定して後述する描画リスト(図21参照)を作成する。
例えば、図19の例では、ポインタ233gが「0097H」となった場合に、MPU231は、表示データテーブルのアドレス「0097H」に規定された各種スプライトに、追加データテーブルのアドレス「0097H」に規定されたエフェクト1,エフェクト2,キャラクタ1,キャラクタ2の各スプライトを追加して描画リストを作成し、画像コントローラ237にその画像の描画を指示する。一方、ポインタ233gが「0001H」である場合、追加データテーブルのアドレス「0001H」には、Nullデータが規定されているので、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルのアドレス「0001H」に規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。また、追加データテーブルにおいてポインタ233gが示すアドレスで規定される情報が「End」情報であった場合、また、ポインタ233gが追加データテーブルに規定されていないアドレスを指示するものであった場合(例えば、図19の例では、ポインタ233gが「00FEH」以降のアドレスを示すような場合)にも、追加すべき表示物が存在しないと判断し、表示データテーブルに規定された各種スプライトを基に描画リストを生成する。
そして、画像コントローラ237に生成した描画リストを送信することで、その画像の描画指示を行う。これにより、ポインタ233gの更新に従って、表示データテーブルで規定された順に描画内容が特定されると共に、追加データテーブルで規定された描画内容が追加されるので、その表示データテーブルと追加データテーブルとで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像(例えば、変動演出画像)に追加して、他の演出画像(例えば、連続予告演出画像)を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出画像に対応する追加データデーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定することで、容易にその演出画像をベースの演出画像に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア233bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出画像を追加データテーブルとして規定することによって、元の演出画像に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定した後に、追加して表示させる他の演出画像の表示を決定した場合であっても、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルを変更することなく、他の演出画像に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するだけで、その追加して表示させる他の演出画像が元の演出画像に追加して容易に表示させることができる。
また、追加データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有して構成されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルとから、時間毎にポインタ233gを更新しながらそのポインタに示されるアドレスに規定された描画内容をそれぞれ容易に特定することができると共に、これらから1つのフレームに対応する1つの描画リストを容易に生成することができる。よって、主制御装置110からのコマンドに基づいて行われる演出に追加して、音声ランプ制御装置113などによってその他の演出の表示を決定した場合でもあっても、その追加して表示すべき演出の表示内容を追加データテーブルで規定することによって、少ないデータテーブルから多種多様な演出表示を容易に行うことができる。
次いで、図20を参照して、転送データテーブルの詳細について説明する。図20は、転送データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。転送データテーブルは、各演出毎に用意された表示データテーブルに対応して用意されるもので、上述したように、表示データテーブルで規定されている演出において使用されるスプライトの画像データのうち、常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定されている。
尚、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されていれば、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルは用意されていない。これにより、データテーブル格納エリア233bの容量増大を抑制することができる。
転送データテーブルは、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報が記載されている(図20のアドレス「0001H」及び「0097H」が該当)。ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、その転送対象画像データの転送開始タイミングが設定されており、転送データテーブルでは、その転送開始タイミングに対応するアドレスに対応させて、転送対象画像データの転送データ情報が規定される。
一方、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスで示される時間に、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図20のアドレス「0002H」が該当)。
転送データ情報としては、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。
尚、転送データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、表示データテーブルと同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、転送データテーブルの最終アドレス(図20の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その転送データテーブルで規定すべき転送対象画像データの転送データ情報が記載されている。
MPU231は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、使用する表示データテーブルを選定すると、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが存在する場合は、その転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、後述するワークRAM233の転送データテーブルバッファ233fに格納する。そして、ポインタ233gの更新毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
例えば、図20の例では、ポインタ233gが「0001H」や「0097H」となった場合に、MPU231は、転送データテーブルの当該アドレスに規定された転送データ情報を、表示データテーブルおよび追加データテーブルに基づいて作成した描画リストに追加して、その追加後の描画リストを画像コントローラ237へ送信する。一方、ポインタ233gが「0002H」である場合、転送データテーブルのアドレス「0002H」には、Nullデータが規定されているので、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、生成した描画リストに転送データ情報を追加せずに、描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
そして、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。
ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233fに設定されるので、その表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルに基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを指示することができるので、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図14に戻り、説明を続ける。簡易画像表示フラグ233cは、第3図柄表示装置81に、図15(a)〜(c)に示す電源投入時画像(電源投入時主画像および電源投入時変動画像)を表示するか否かを示すフラグである。この簡易画像表示フラグ233cは、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データが常駐用ビデオRAMの電源投入時主画像エリア235a又は電源投入時変動画像エリア235bに転送された後に、MPU231により実行されるメイン処理(図34(a)参照)の中でオンに設定される(図34(a)のS2205参照)。そして、画像転送処理の常駐画像転送処理によって、全ての常駐対象画像データが常駐用ビデオRAM235に格納された段階で、第3図柄表示装置81に電源投入時画像以外の画像を表示させるために、オフに設定される(図46(b)のS3105参照)。
この簡易画像表示フラグ233cは、画像コントローラ237から送信されるV割込信号を検出する毎にMPU231によって実行されるV割込処理の中で参照され(図35のS2401参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、電源投入時画像が第3図柄表示装置81に表示されるように、簡易コマンド判定処理(図35(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図35(b)のS2409参照)が実行される。一方、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンドに応じて、種々の画像が表示されるように、コマンド判定処理(図36〜図40参照)および表示設定処理(図41〜図45参照)が実行される。
また、簡易画像表示フラグ233cは、V割込処理の中でMPU231により実行される転送設定処理の中で参照され(図46(a)のS3001参照)、簡易画像表示フラグ233cがオンである場合は、常駐用ビデオRAM235に格納されていない常駐対象画像データが存在するため、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する常駐画像転送設定処理(図46(b)参照)を実行し、簡易画像表示フラグ233cがオフである場合は、描画処理に必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する通常画像転送設定処理(図47参照)を実行する。
表示データテーブルバッファ233dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、その音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出態様を判断し、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が表示される。
追加データテーブルバッファ233eは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出(連続予告演出など)に対応する追加データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、一旦、追加データテーブルバッファ233eに追加して表示すべき表示物がないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
その後、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出に追加して表示させる演出の有無を判断し、追加して表示させる演出がある場合は、その演出態様に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに格納する。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容と、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された描画内容とに基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)を生成する。これにより、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出に、追加データテーブルに対応する演出が追加して表示される。また、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されなかった場合、追加データテーブルバッファ233eにはNullデータが格納されているので、第3図柄表示装置81には、表示データテーブルに対応する演出がそのまま表示される。
転送データテーブルバッファ233fは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、その選定された転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに格納する。尚、表示データテーブルバッファ233dに格納される表示データテーブルにおいて用いられるスプライトの画像データが全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが用意されていないので、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことで、その内容をクリアする。
そして、MPU231は、ポインタ233gを1ずつ加算しながら、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいてそのポインタ233gで示されるアドレスに規定された転送対象画像データの転送データ情報が規定されていれば(即ち、Nullデータが記載されていなければ)、1フレーム毎に生成される画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容を記載した後述の描画リスト(図21参照)に、その転送データ情報を追加する。
これにより、画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに転送データ情報が記載されていた場合、その転送データ情報に従って、転送対象画像データを、キャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理を実行する。ここで、上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されている。よって、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ポインタ233gは、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するためのものである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに表示データテーブルが格納されるのに合わせて、ポインタ233gを一旦0に初期化する。そして、画像コントローラ237から1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒ごとに送信されるV割込信号に基づいてMPU231により実行されるV割込処理の表示設定処理(図35のS2403参照)の中で、ポインタ更新処理(図41のS2711参照)が実行され、ポインタ233gの値が1ずつ加算される。
MPU231は、このようなポインタ233gの更新が行われる毎に、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルとから、ポインタ233gが示すアドレスに規定された描画内容を特定して、後述する描画リスト(図21参照)を作成すると共に、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルから、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を取得して、その転送データ情報を作成した描画リストに追加する。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出が第3図柄表示装置81に表示されると共に、追加データテーブルバッファ233eに追加データテーブルが格納されている場合は、その追加データテーブルに対応する演出が、表示データテーブルに対応する演出に追加して第3図柄表示装置81に表示されることができる。よって、表示データテーブルバッファ233dに格納する表示データテーブルや、追加データテーブルバッファ233eに格納する追加データテーブルを変更するだけで、容易に第3図柄表示装置81に表示させる演出を変更することができる。よって、表示制御装置341の処理能力に関わらず、多種多様な演出を表示させることができる。
また、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルが格納されている場合は、その転送データテーブルに基づいて、対応する表示データテーブルによって所定のスプライトの描画が開始されるまでに、そのスプライトの描画で用いられる常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
描画リストエリア233hは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブル、追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブル、及び、転送データテーブルバッファ233eに格納された転送データテーブルに基づいて生成される、1フレーム分の画像の描画を画像コントローラ237に指示する描画リストを格納するためのエリアである。
ここで、図21を参照して、描画リストの詳細について説明する。図21は、描画リストの内容を模式的に示した模式図である。描画リストは、画像コントローラ237に対して、1フレーム分の画像の描画を指示する指示表であり、図21に示すように、1フレームの画像で使用する背面画像、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)といった各スプライト毎に、そのスプライトの詳細な描画情報(詳細情報)を記述したものである。また、描画リストには、画像コントローラ237に対して所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送させるための転送データ情報もあわせて記述される。
各スプライトの詳細な描画情報(詳細情報)には、対応するスプライト(表示物)の画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を示す情報と、そのアドレスとが記述されており、画像コントローラ237は、そのRAM種別およびアドレスによって指定されるメモリ領域から、当該スプライトの画像データを取得する。また、その詳細な描画情報(詳細情報)には、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報が含まれており、画像コントローラ237は、各種ビデオRAMより読み出した当該スプライトの画像データにより生成される標準的な画像に対し、拡大率に応じて拡大縮小処理を施し、回転角度に応じて回転処理を施し、半透明値に応じて半透明化処理を施し、αブレンディング情報に応じて他のスプライトとの合成処理を施し、色情報に応じて色調補正処理を施し、フィルタ指定情報に応じてその情報により指定された方法でフィルタリング処理を施した上で、表示位置座標に示される表示位置に各種処理を施して得られた画像を描画する。そして、描画した画像は、画像コントローラ237によって、描画対象バッファフラグ233kで指定される第1フレームバッファ236b又は第2フレームバッファ236cのいずれかに展開される。
MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルおよび追加データテーブルバッファ233eに格納された追加データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに規定された描画内容と、その他の描画すべき画像の内容(例えば、保留球数図柄を表示する保留画像や、エラーの発生を通知する警告画像など)とに基づき、1フレーム分の画像の描画に用いられる全スプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を生成すると共に、その詳細情報をスプライト毎に並び替えることによって描画リストを作成する。
ここで、各スプライトの詳細情報のうち、スプライト(表示物)のデータの格納RAM種別とアドレスとは、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるスプライト種別や、その他の画像の内容から特定されるスプライト種別に応じて生成される。即ち、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
また、MPU231は、各スプライトの詳細情報のうち、その他の情報(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報およびフィルタ指定情報)について、表示データテーブルおよび追加データテーブルに規定されるそれらの情報をそのままコピーする。
また、MPU231は、描画リストを生成するにあたり、1フレーム分の画像の中で、最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えて、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)を記述する。即ち、描画リストでは、一番最初に背面画像に対応する詳細情報が記述され、次いで、第3図柄(図柄1,図柄2,・・・)、エフェクト(エフェクト1,エフェクト2,・・・)、キャラクタ(キャラクタ1,キャラクタ2,・・・,保留球数図柄1,保留球数図柄2,・・・,エラー図柄)の順に、それぞれのスプライトに対応する詳細情報が記述される。
画像コントローラ237では、描画リストに記述された順番に従って、各スプライトの描画処理を実行し、フレームバッファにその描画されたスプライトを上書きによって展開していく。従って、描画リストによって生成した1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができるのである。
また、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに格納された転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されている場合、その転送データ情報(転送対象画像データが格納されたキャラクタROM234における格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスと、その転送対象画像データを格納すべき画像格納エリア236aに設けられたサブエリアの格納先先頭アドレス)を、描画リストの最後に追加する。画像コントローラ237は、描画リストにこの転送データ情報が含まれていれば、その転送データ情報に基づいて、キャラクタROM234の所定の領域(格納元先頭アドレスおよび格納元最終アドレスによって示される領域)から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた所定のサブエリア(格納先アドレス)に、転送対象となる画像データを転送する。
計時カウンタ233iは、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより第3図柄表示装置81にて表示される演出の演出時間をカウントするカウンタである。MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに一の表示データテーブルを格納するのに合わせて、その表示データテーブルに基づいて表示される演出の演出時間を示す時間データを設定する。この時間データは、演出時間を第3図柄表示装置81における1フレーム分の画像表示時間(本実施形態では、20ミリ秒)で割った値である。
そして、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35参照)の表示設定処理が実行される度に、計時カウンタ233iが1ずつ減算される(図41のS2713参照)。その結果、計時カウンタ233iの値が0以下となった場合、MPU231は、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルにより表示される演出が終了したことを判断し、演出終了に合わせて行うべき種々の処理を実行する。
格納画像判別フラグ233jは、対応する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されない全てのスプライトに対して、それぞれ、そのスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを表す格納状態を示すフラグである。
この格納画像判別フラグ233jは、電源投入時にメイン処理の中でMPU231により実行される初期設定処理(図34(a)のS2202参照)によって生成される。ここで生成される格納画像判別フラグ233jは、全てのスプライトに対する格納状態が、画像格納エリア236aに格納されていないことを示す「オフ」に設定される。
そして、格納画像判別フラグ233jの更新は、MPU231により実行される通常画像転送設定処理(図47参照)の中で、一のスプライトに対応する転送対象画像データの転送指示を設定した場合に行われる。この更新では、転送指示が設定された一のスプライトに対応する格納状態を、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていることを示す「オン」に設定する。また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトの画像データは、一のスプライトの画像データが格納されることによって必ず未格納状態となるので、その他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定する。
また、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に画像データが常駐されていないスプライトの画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送する際に、格納画像判別フラグ233jを参照し、転送対象のスプライトの画像データが、既に通常用ビデオRAM235の画像格納エリア236aに格納されているか否かを判断する(図47のS3216参照)。そして、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オフ」であり、対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されていなければ、その画像データの転送指示を設定し(図47のS3217参照)、画像コントローラ237に対して、その画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aの所定サブエリアに転送させる。一方、転送対象のスプライトに対応する格納状態が「オン」であれば、既に対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されているので、その画像データの転送処理を中止する。これにより、無駄にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
描画対象バッファフラグ233kは、2つのフレームバッファ(第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236c)の中から、画像コントローラ237によって描画された画像を展開するフレームバッファ(以下、「描画対象バッファ」と称する)を指定するためのフラグで、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は描画対象バッファとして第1フレームバッファ236bを指定し、1である場合は第2フレームバッファ236cを指定する。そして、この指定された描画対象バッファの情報は、描画リストと共に画像コントローラ237に送信される(図48のS3302参照)。
これにより、画像コントローラ237は、描画リストに基づいて描画した画像を、指定された描画対象バッファ上に展開する描画処理を実行する。また、画像コントローラ237は、描画処理と同時並列的に、描画対象バッファとは異なるフレームバッファから先に展開済みの描画画像情報を読み出し、駆動信号と共に第3図柄表示装置81に対して、その画像情報を転送することで、第3図柄表示装置81に画像を表示させる表示処理を実行する。
描画対象バッファフラグ233kは、描画対象バッファ情報が描画リストと共に画像コントローラ237に対して送信されるのに合わせて、更新される。この更新は、描画対象バッファフラグ233kの値を反転させることにより、即ち、その値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。また、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35参照)の描画処理が実行される度に、行われる(図48のS3302参照)。
即ち、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。これにより、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。これにより、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に入れ替えて指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
次に、図22から図28のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU201の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理と、定期的に(本実施形態では2m秒周期で)起動されるタイマ割込処理と、NMI端子への停電信号SG1の入力により起動されるNMI割込処理とがあり、説明の便宜上、はじめにタイマ割込処理とNMI割込処理とを説明し、その後立ち上げ処理とメイン処理とを説明する。
図22は、主制御装置110内のMPU201により実行されるタイマ割込処理を示すフローチャートである。タイマ割込処理は、例えば2ミリ秒毎に実行される定期処理である。タイマ割込処理では、まず各種入賞スイッチの読み込み処理を実行する(S1101)。即ち、主制御装置110に接続されている各種スイッチの状態を読み込むと共に、当該スイッチの状態を判定して検出情報(入賞検知情報)を保存する。
次に、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を実行する(S1102)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。同様に、第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では250)に達した際、0にクリアし、その第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値をRAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
更に、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4の更新を実行する(S1103)。具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2、停止パターン選択カウンタC3及び第2当たり乱数カウンタC4をそれぞれ1加算すると共に、それらのカウンタ値が最大値(本実施形態ではそれぞれ、899,99,99,250)に達した際、それぞれ0にクリアする。そして、各カウンタC1〜C4の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
次に、第1図柄表示装置37による表示を行うための処理や第3図柄表示装置81による第3図柄の変動パターンなどを設定する変動処理を実行し(S1104)、次いで、第1入球口64への入賞に伴う始動入賞処理を実行する(S1105)。なお、変動処理、及び、始動入賞処理の詳細は、それぞれ図23および図25を参照して後述する。
始動入賞処理を実行した後は、発射制御処理を実行し(S1106)、更に、定期的に実行すべきその他の処理を実行して(S1107)、タイマ割込処理を終了する。なお、発射制御処理は、遊技者が操作ハンドル51に触れていることをタッチセンサ51aにより検出し、且つ、発射を停止させるための打ち止めスイッチ51bが操作されていないことを条件に、球の発射のオン/オフを決定する処理である。主制御装置110は、球の発射がオンである場合に、発射制御装置112に対して球の発射指示をする。
次に、図23を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動処理(S1104)について説明する。図23は、この変動処理(S1104)を示すフローチャートである。この変動処理(S1104)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1図柄表示装置37や第3図柄表示装置81にて行う変動表示を制御する。
この変動処理では、まず、今現在大当たり中であるか否かを判別する(S1201)。大当たり中としては、大当たりの際に第3図柄表示装置81及び第1図柄表示装置37で表示される大当たり遊技の最中と大当たり遊技終了後の所定時間の最中とが含まれる。判別の結果、大当たり中であれば(S1201:Yes)、そのまま本処理を終了する。
大当たり中でなければ(S1201:No)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であるか否かを判別し(S1202)、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中でなければ(S1202:No)、次いで、第1図柄表示装置37における変動表示が停止後、所定時間経過したか否かを判別する(S1203)。その結果、変動停止後、所定時間経過していなければ(S1203:No)、そのまま本処理を終了する。これにより、変動演出における停止図柄が所定時間だけ第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者に対して、その停止図柄を視認させることができる。
一方、S1204の処理の結果、変動停止後、所定時間経過していれば(S1203:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動表示の保留球数N)が0よりも大きいか否かを判別し(S1204)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0でなければ(S1204:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1減算し(S1205)、保留球格納エリア203cに格納されたデータをシフト処理する(S1206)。このデータシフト処理は、保留球格納エリア203cの保留第1〜第4エリアに格納されているデータを実行エリア側に順にシフトさせる処理であって、保留第1エリア→実行エリア、保留第2エリア→保留第1エリア、保留第3エリア→保留第2エリア、保留第4エリア→保留第3エリアといった具合に各エリア内のデータがシフトされる。データシフト処理の後は、第1図柄表示装置37の変動開始処理を実行する(S1207)。なお、変動開始処理については、図24を参照して後述する。
S1204の処理において、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)が0であると判別されると(S1204:No)、第3図柄表示装置81においてデモ演出が行われている状態、即ち、デモ中であるか否かを判別する(S1208)。この判別処理では、音声ランプ制御装置113を介して表示制御装置114にデモコマンドを送信した後、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)の値が0より大きいと判断されるまでの間をデモ中として判別する。
そして、デモ中ではないと判別された場合は(S1208:No)、デモコマンドを設定して(S1209)、本処理を終了し、デモ中であると判別された場合は(S1208:Yes)、そのまま本処理を終了する。S1209の処理で設定されたデモコマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、MPU201により実行される後述のメイン処理(図28参照)の外部出力処理(S1701)の中で、音声ランプ制御装置113に向けて送信される。音声ランプ制御装置113は、このデモコマンドをそのまま表示制御装置114へ送信し、表示制御装置114は、このデモコマンドに従って、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示するように制御を行う。
ここで、デモコマンドが設定されるのは、上述したように、変動停止後所定時間が経過したときに保留球が1つも存在しない場合である。よって、変動停止後所定時間経過したときに変動表示が開始されない場合に、デモコマンドを設定し、第3図柄表示装置81にデモ演出を表示させることができる。
S1202の処理において、第1図柄表示装置37の表示態様が変動中であると判別されると(S1202:Yes)、変動時間が経過したか否かを判別する(S1210)。第1図柄表示装置37の変動中の表示時間は、変動種別カウンタCS1により選択された変動パターンに応じて決められており(変動パターンコマンドに応じて決められており)、この変動時間が経過していなければ(S1210:No)、第1図柄表示装置37の表示を更新して(S1211)、本処理を終了する。
本実施形態では、第1図柄表示装置37のLED37aの内、変動が開始されてから変動時間が経過するまでは、例えば、現在点灯しているLEDが赤であれば、その赤のLEDを消灯すると共に緑のLEDを点灯させ、緑のLEDが点灯していれば、その緑のLEDを消灯すると共に青のLEDを点灯させ、青のLEDが点灯していれば、その青のLEDを消灯すると共に赤のLEDを点灯させる表示態様が設定される。
なお、変動処理は2ミリ秒毎に実行されるが、その変動処理の実行毎にLEDの点灯色を変更すると、LEDの点灯色の変化を遊技者が確認することができない。そこで、遊技者がLEDの点灯色の変化を確認することができるように、変動処理が実行される毎にカウンタ(図示せず)を1カウントし、そのカウンタが200に達した場合に、LEDの点灯色の変更を行う。即ち、0.4s毎にLEDの点灯色の変更を行っている。なお、カウンタの値は、LEDの点灯色が変更されたら、0にリセットされる。
一方、第1図柄表示装置37の変動時間が経過していれば(S1210:Yes)、第1図柄表示装置37の停止図柄に対応した表示態様を設定する(S1212)。停止図柄の設定は、図24を参照して後述する変動開始処理(S1207)によって予め行われる。即ち、S1206の処理により、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された第1当たり乱数カウンタC1の値に応じて大当たりか否かが決定されると共に、大当たりである場合には第1当たり種別カウンタC2の値により大当たり後に15R確変大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、2R確変大当たり(最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する確変大当たり)となる図柄か、15R通常大当たり(最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する大当たり)となる図柄かが決定される。
本実施形態では、大当たり後に15R確変大当たりになる場合には青色のLEDを点灯させ、2R確変大当たりになる場合には赤色のLEDを点灯させ、15R通常大当たりになる場合には赤色のLEDと青色のLEDとを点灯さる。また、外れである場合には赤色のLEDと緑色のLEDとを点灯させる。なお、各LEDの表示は次の変動表示が開始される場合に点灯が解除されるが、変動の停止後数秒間のみ点灯させるものとしても良い。
S1212の処理で停止図柄に対応した第1図柄表示装置37の表示態様が設定されると、第3図柄表示装置81の変動演出の停止図柄を第1図柄表示装置37におけるLEDの点灯と同調して確定させるために確定コマンドを設定して(S1213)、本処理を終了する。音声ランプ制御装置113は、この確定コマンドを受信すると、表示制御装置114に対してそのまま確定コマンドを送信する。第3図柄表示装置81は、変動時間が経過すると変動が停止し、確定コマンドを受信することで、第3図柄表示装置81における停止図柄が確定される。
次に、図24を参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される変動開始処理(S1207)について説明する。図24は、変動開始処理(S1207)を示したフローチャートである。この変動開始処理(S1207)は、タイマ割込処理(図22参照)の変動処理(図23参照)の中で実行され、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納された各種カウンタの値に基づき、「大当たり」又は「外れ」の抽選(当否判定)を行うと共に、第1図柄表示装置37および第3図柄表示装置81で行われる変動演出の演出パターン(変動演出パターン)を決定する。
変動開始処理では、まず、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値に基づいて大当たりか否かを判別する抽選(当否判定)処理を行う(S1301)。大当たりか否かは第1当たり乱数カウンタC1の値とその時々の遊技状態との関係に基づいて判別される。上述した通り、パチンコ機10の遊技状態が低確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「低確率状態」に対応づけられた「7,307,582」が大当たり乱数値となり、パチンコ機10の遊技状態が高確率状態の場合は、大当たり乱数テーブル202aの中で「高確率状態」に対応づけられた「28,58,85,122,144,178,213,238,276,298,322,354,390,420,448,486,506,534,567,596,618,656,681,716,750,772,809,836,866,892」が大当たり乱数値となる。S1301の処理では、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり乱数カウンタC1の値と、これらの大当たり乱数値とを比較して、それらが一致する場合に、大当たりであると判別する。
そして、S1301の処理の結果、大当たりであると判別された場合(S1301:Yes)、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている第1当たり種別カウンタC2の値に基づいて、大当たり時の表示態様を設定する(S1302)。この処理では、第1当たり種別カウンタC2と大当たり種別テーブル202cとによって設定される大当たり種別、即ち、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する15R確変大当たりか、最大ラウンド数が2ラウンドの大当たり後に高確率状態へ移行する2R確変大当たりか、最大ラウンド数が15ラウンドの大当たりの後に低確率状態へ移行する15R通常大当たりか、に基づいて、第1図柄表示装置37の表示態様(LED37aの点灯状態)が設定される。また、その大当たり後の移行状態に基づいて、第3図柄表示装置81で各種大当たりに対応した大当たり図柄を停止表示させるべく、大当たり種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、15R通常大当たり)が停止種別として設定される。
次に、大当たり時の変動パターン(変動時間)を決定する(S1303)。この変動パターンの決定は、S1302の処理で設定された大当たり種別と、変動種別カウンタCS1の値と、大当たり用変動パターンテーブル202cとに基づいて行われる。S1303の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1301の処理で大当たりではないと判別された場合には(S1301:No)、外れ時の表示態様が設定される(S1304)。S1304の処理では、第1図柄表示装置37の表示態様を外れ図柄に対応した表示態様に設定すると共に、保留球格納エリア203cの実行エリアに格納されている停止パターン選択カウンタC3の値に基づいて、第3図柄表示装置81において表示させる停止種別として、前後外れリーチであるか、前後外れ以外リーチであるか、完全外れであるかを設定する。本実施形態では、上述したように、高確率状態であるか、低確率状態であるかに応じて、停止パターン選択カウンタC3の各停止パターンに対応する値の範囲が異なるようテーブルが設定されている。
次に、外れ時の変動パターンを決定する(S1305)。この変動パターンの決定は、パチンコ機10の遊技状態(高確率状態か、時短中か、もしくは時短中を除く低確率状態か)と、S1302の処理で設定された停止種別と、変動種別カウンタCS1の値と、外れ用変動パターンテーブル202dとに基づいて行われる。S1305の処理で変動パターンが設定されると、第1図柄表示装置37の表示時間が設定される。
S1303の処理またはS1305の処理が終わると、そのS1303又はS1305の処理で決定された変動パターン種別を表示制御装置114へ通知する変動パターンコマンドを設定する(S1306)。次いで、S1302又はS1304の処理で設定された停止種別を表示制御装置114へ通知するための停止種別コマンドを設定する(S1307)。これらの変動パターンコマンドおよび停止種別コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図28)のS1701の処理で、これらのコマンドが音声ランプ制御装置113に送信される。
次に、図25のフローチャートを参照して、主制御装置110内のMPU201により実行される始動入賞処理(S1105)を説明する。図25は、この始動入賞処理(S1105)を示すフローチャートである。この始動入賞処理(S1105)は、タイマ割込処理(図22参照)の中で実行され、第1入球口64への入賞(始動入賞)の有無を判断し、始動入賞があった場合は、各種乱数カウンタが示す値の保留処理と、その保留された各種乱数カウンタが示す値から、第3図柄表示装置81における連続予告演出開始の許可判定処理を実行する。
始動入賞処理が実行されると、まず、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したか否かを判別する(S1401)。ここでは、第1入球口64への入球を3回のタイマ割込処理にわたって検出する。そして、球が第1入球口64に入賞したと判別されると(S1401:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(主制御装置110において保留されている変動演出の保留球数N)が上限値(本実施形態では4)未満であるか否かを判別する(S1402)。そして、第1入球口64への入賞がないか(S1401:No)、或いは、第1入球口64への入賞があっても作動保留球数N<4でなければ(S1402:No)、タイマ割込処理へ戻る。一方、第1入球口64への入賞があり(S1401:Yes)、且つ、保留球数N<4であれば(S1402:Yes)、保留球数カウンタ203aの値(保留球数N)を1加算し(S1403)、更に、前記ステップS1103で更新した第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を、RAM203の保留球格納エリア203cの空き保留エリアのうち最初のエリアに格納する(S1404)。
次いで、S1403の処理によって更新された保留球数Nと、S1404の処理によって保留球格納エリア203cに格納された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を含めた保留球数コマンドを作成し(S1405)、作成した保留球数コマンドを設定して(S1406)、始動入賞処理を終了し、タイマ割込処理へ戻る。この保留球数コマンドは、RAM203に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶され、メイン処理(図28)のS1701の処理で音声ランプ制御装置113に送信される。音声ランプ制御装置113では、保留球数コマンドに含められた保留球数Nに基づいて、音声ランプ制御装置113の中で保留球数を管理するとともに、保留球数コマンドに含められた各種カウンタの値に基づいて、連続予告演出の実行の有無を決定する。
図26は、主制御装置110内のMPU201により実行されるNMI割込処理を示すフローチャートである。NMI割込処理は、停電の発生等によるパチンコ機10の電源遮断時に、主制御装置110のMPU201により実行される処理である。このNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM203に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から主制御装置110内のMPU201のNMI端子に出力される。すると、MPU201は、実行中の制御を中断してNMI割込処理を開始し、電源断の発生情報の設定として、電源断の発生情報をRAM203に記憶し(S1501)、NMI割込処理を終了する。
なお、上記のNMI割込処理は、払出発射制御装置311でも同様に実行され、かかるNMI割込処理により、電源断の発生情報がRAM213に記憶される。即ち、停電の発生等によりパチンコ機10の電源が遮断されると、停電信号SG1が停電監視回路252から払出制御装置111内のMPU211のNMI端子に出力され、MPU211は実行中の制御を中断して、NMI割込処理を開始するのである。
次に、図27を参照して、主制御装置110に電源が投入された場合に主制御装置110内のMPU201により実行される立ち上げ処理について説明する。図27は、この立ち上げ処理を示すフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時のリセットにより起動される。立ち上げ処理では、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1601)。例えば、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。次いで、サブ側の制御装置(音声ランプ制御装置113、払出制御装置111等の周辺制御装置)が動作可能な状態になるのを待つために、ウエイト処理(本実施形態では1秒)を実行する(S1602)。そして、RAM203のアクセスを許可する(S1603)。
その後は、電源装置115に設けたRAM消去スイッチ122(図3参照)がオンされているか否かを判別し(S1604)、オンされていれば(S1604:Yes)、処理をS1611へ移行する。一方、RAM消去スイッチ122がオンされていなければ(S1604:No)、更にRAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1605)、記憶されていなければ(S1605:No)、前回の電源遮断時の処理が正常に終了しなかった可能性があるので、この場合も、処理をS1611へ移行する。
RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1605:Yes)、RAM判定値を算出し(S1606)、算出したRAM判定値が正常でなければ(S1607:No)、即ち、算出したRAM判定値が電源遮断時に保存したRAM判定値と一致しなければ、バックアップされたデータは破壊されているので、かかる場合にも処理をS1611へ移行する。なお、図28のS1712の処理で後述する通り、RAM判定値は、例えばRAM203の作業領域アドレスにおけるチェックサム値である。このRAM判定値に代えて、RAM203の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりバックアップの有効性を判断するようにしても良い。
S1611の処理では、サブ側の制御装置(周辺制御装置)となる払出制御装置111を初期化するために払出初期化コマンドを送信する(S1611)。払出制御装置111は、この払出初期化コマンドを受信すると、RAM213のスタックエリア以外のエリア(作業領域)をクリアし、初期値を設定して、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。主制御装置110は、払出初期化コマンドの送信後は、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。
上述したように、本パチンコ機10では、例えばホールの営業開始時など、電源投入時にRAMデータを初期化する場合にはRAM消去スイッチ122を押しながら電源が投入される。従って、立ち上げ処理の実行時にRAM消去スイッチ122が押されていれば、RAMの初期化処理(S1612,S1613)を実行する。また、電源断の発生情報が設定されていない場合や、RAM判定値(チェックサム値等)によりバックアップの異常が確認された場合も同様に、RAM203の初期化処理(S1612,S1613)を実行する。RAMの初期化処理(S1612,S1613)では、RAM203の使用領域を0クリアし(S1612)、その後、RAM203の初期値を設定する(S1613)。RAM203の初期化処理の実行後は、S1610の処理へ移行する。
一方、RAM消去スイッチ122がオンされておらず(S1604:No)、電源断の発生情報が記憶されており(S1605:Yes)、更にRAM判定値(チェックサム値等)が正常であれば(S1607:Yes)、RAM203にバックアップされたデータを保持したまま、電源断の発生情報をクリアする(S1608)。次に、サブ側の制御装置(周辺制御装置)を駆動電源遮断時の遊技状態に復帰させるための復電時の払出復帰コマンドを送信し(S1609)、S1610の処理へ移行する。払出制御装置111は、この払出復帰コマンドを受信すると、RAM213に記憶されたデータを保持したまま、遊技球の払い出し制御を開始可能な状態となる。
S1610の処理では、割込みを許可する(S1610)。そして、後述するメイン処理に移行する。
次に、図28を参照して、上記した立ち上げ処理後に主制御装置110内のMPU201により実行されるメイン処理について説明する。図28は、このメイン処理を示すフローチャートである。このメイン処理では遊技の主要な処理が実行される。その概要として、4m秒周期の定期処理としてS1701〜S1705の各処理が実行され、その残余時間でS1708,S1709のカウンタ更新処理が実行される構成となっている。
メイン処理においては、まず、タイマ割込処理(図22参照)の中でRAM234に設けられたコマンド送信用のリングバッファに記憶されたコマンド等の出力データをサブ側の各制御装置(周辺制御装置)に送信する外部出力処理を実行する(S1701)。具体的には、タイマ割込処理(図22参照)におけるS1101のスイッチ読み込み処理で検出した入賞検知情報の有無を判別し、入賞検知情報があれば払出制御装置111に対して獲得球数に対応する賞球コマンドを送信する。また、始動入賞処理(図25参照)で設定された保留球数コマンドを音声ランプ制御装置113に送信する。更に、この外部出力処理により、第3図柄表示装置81による第3図柄の変動表示に必要な変動パターンコマンド、停止種別コマンド、確定コマンド等を音声ランプ制御装置113に送信する。加えて、球の発射を行う場合には、発射制御装置112へ球発射信号を送信する。
次に、変動種別カウンタCS1の値を更新する(S1702)。具体的には、変動種別カウンタCS1を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では198)に達した際、0にクリアする。そして、変動種別カウンタCS1の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ202bに格納する。
変動種別カウンタCS1の更新が終わると、払出制御装置111より受信した賞球計数信号や払出異常信号を読み込み(S1703)、次いで、大当たり状態である場合において可変入賞装置65の特定入賞口(大開放口)65aを開放又は閉鎖するための大開放口開閉処理を実行する(S1704)。即ち、大当たり状態のラウンド毎に特定入賞口65aを開放し、特定入賞口65aの最大開放時間が経過したか、又は特定入賞口65aに球が規定数入賞したかを判定する。そして、これら何れかの条件が成立すると特定入賞口65aを閉鎖する。この特定入賞口65aの開放と閉鎖とを所定ラウンド数繰り返し実行する。
次に、第2図柄表示装置83による第2図柄(例えば「○」又は「×」の図柄)の表示制御処理を実行する(S1705)。簡単に説明すると、球が第2入球口(スルーゲート)267を通過したことを条件に、その通過したタイミングで第2当たり乱数カウンタC4の値が取得されると共に、第2図柄表示装置83にて第2図柄の変動表示が実施される。そして、第2当たり乱数カウンタC4の値により第2図柄の抽選が実施され、第2図柄の当たり状態になると、第1入球口64に付随する電動役物が所定時間開放される。
その後は、RAM203に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別し(S1706)、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1706:No)、停電監視回路252から停電信号SG1は出力されておらず、電源は遮断されていない。よって、かかる場合には、次のメイン処理の実行タイミングに至ったか否か、即ち前回のメイン処理の開始から所定時間(本実施形態では4m秒)が経過したか否かを判別し(S1707)、既に所定時間が経過していれば(S1707:Yes)、処理をS1701へ移行し、上述したS1701以降の各処理を繰り返し実行する。
一方、前回のメイン処理の開始から未だ所定時間が経過していなければ(S1707:No)、所定時間に至るまで間、即ち、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間内において、第1初期値乱数カウンタCINI1及び第2初期値乱数カウンタCINI2及び変動種別カウンタCS1の更新を繰り返し実行する(S1708,S1709)。
まず、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2との更新を実行する(S1708)。具体的には、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2を1加算すると共に、そのカウンタ値が最大値(本実施形態では899、250)に達した際、0にクリアする。そして、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新値を、RAM203のカウンタ用バッファ203bにそれぞれ格納する。次に、変動種別カウンタCS1の更新を、S1702の処理と同一の方法によって実行する(S1709)。
ここで、S1701〜S1705の各処理の実行時間は遊技の状態に応じて変化するため、次のメイン処理の実行タイミングに至るまでの残余時間は一定でなく変動する。故に、かかる残余時間を使用して第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2の更新を繰り返し実行することにより、第1初期値乱数カウンタCINI1と第2初期値乱数カウンタCINI2(即ち、第1当たり乱数カウンタC1の初期値、第2当たり乱数カウンタC4の初期値)をランダムに更新することができ、同様に変動種別カウンタCS1についてもランダムに更新することができる。
また、S1706の処理において、RAM203に電源断の発生情報が記憶されていれば(S1706:Yes)、停電の発生または電源のオフにより電源が遮断され、停電監視回路252から停電信号SG1が出力された結果、図26のNMI割込処理が実行されたということなので、S1710以降の電源遮断時の処理が実行される。まず、各割込処理の発生を禁止し(S1710)、電源が遮断されたことを示す電源断コマンドを他の制御装置(払出制御装置111や音声ランプ制御装置113等の周辺制御装置)に対して送信する(S1711)。そして、RAM判定値を算出して、その値を保存し(S1712)、RAM203のアクセスを禁止して(S1713)、電源が完全に遮断して処理が実行できなくなるまで無限ループを継続する。ここで、RAM判定値は、例えば、RAM203のバックアップされるスタックエリア及び作業エリアにおけるチェックサム値である。
なお、S1706の処理は、S1701〜S1705で行われる遊技の状態変化に対応した一連の処理の終了時、又は、残余時間内に行われるS1708とS1709の処理の1サイクルの終了時となるタイミングで実行されている。よって、主制御装置110のメイン処理において、各設定が終わったタイミングで電源断の発生情報を確認しているので、電源遮断の状態から復帰する場合には、立ち上げ処理の終了後、処理をS1701の処理から開始することができる。即ち、立ち上げ処理において初期化された場合と同様に、処理をS1701の処理から開始することができる。よって、電源遮断時の処理において、MPU201が使用している各レジスタの内容をスタックエリアへ退避したり、スタックポインタの値を保存しなくても、初期設定の処理(S1601)において、スタックポインタが所定値(初期値)に設定されることで、S1701の処理から開始することができる。従って、主制御装置110の制御負担を軽減することができると共に、主制御装置110が誤動作したり暴走することなく正確な制御を行うことができる。
次に、図29から図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される各制御処理を説明する。かかるMPU221の処理としては大別して、電源投入に伴い起動される立ち上げ処理と、その立ち上げ処理後に実行されるメイン処理とがある。
まず、図29を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される立ち上げ処理を説明する。図29は、この立ち上げ処理を示したフローチャートである。この立ち上げ処理は電源投入時に起動される。
立ち上げ処理が実行されると、まず、電源投入に伴う初期設定処理を実行する(S1801)。具体的には、スタックポインタに予め決められた所定値を設定する。その後、電源断処理中フラグがオンしているか否かによって、今回の立ち上げ処理が瞬間的な電圧降下(瞬間的な停電、所謂「瞬停」)によって、S1918の電源断処理(図30参照)の実行途中に開始されたものであるか否かが判断される(S1802)。図30を参照して後述する通り、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110から電源断コマンドを受信すると(図30のS1915参照)、S1918の電源断処理を実行する。かかる電源断処理の実行前に、電源断処理中フラグがオンされ、該電源断処理の終了後に、電源断処理中フラグはオフされる。よって、S1918の電源断処理が実行途中であるか否かは、電源断処理中フラグの状態によって判断できる。
電源断処理中フラグがオフであれば(S1802:No)、今回の立ち上げ処理は、電源が完全に遮断された後に開始されたか、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始されたものである。よって、これらの場合には、RAM223のデータが破壊されているか否かを確認する(S1803)。
RAM223のデータ破壊の確認は、次のように行われる。即ち、RAM223の特定の領域には、S1806の処理によって「55AAh」のキーワードとしてのデータが書き込まれている。よって、その特定領域に記憶されるデータをチェックし、該データが「55AAh」であればRAM223のデータ破壊は無く、逆に「55AAh」でなければRAM223のデータ破壊を確認することができる。RAM223のデータ破壊が確認されれば(S1803:Yes)、S1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。一方、RAM223のデータ破壊が確認されなければ(S1803:No)、S1808へ移行する。
なお、今回の立ち上げ処理が、電源が完全に遮断された後に開始された場合には、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードは記憶されていないので(電源断によってRAM223の記憶は喪失するから)、RAM223のデータ破壊と判断され(S1803:Yes)、S1804へ移行する。一方、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した後に開始されたか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって開始された場合には、RAM223の特定領域には「55AAh」のキーワードが記憶されているので、RAM223のデータは正常と判断されて(S1803:No)、S1808へ移行する。
電源断処理中フラグがオンであれば(S1802:Yes)、今回の立ち上げ処理は、瞬間的な停電が生じた後であって、S1918の電源断処理の実行途中に、音声ランプ制御装置113のMPU221にリセットがかかって開始されたものである。かかる場合は電源断処理の実行途中なので、RAM223の記憶状態は必ずしも正しくない。よって、かかる場合には制御を継続することはできないので、処理をS1804へ移行して、RAM223の初期化を開始する。
S1804の処理では、RAM223の全範囲の記憶領域をチェックする(S1804)。チェック方法としては、まず、1バイト毎に「0FFh」を書き込み、それを1バイト毎に読み出して「0FFh」であるか否かを確認し、「0FFh」であれば正常と判別する。かかる1バイト毎の書き込み及び確認を、「0FFh」に次いで、「55h」、「0AAh」、「00h」の順に行う。このRAM223の読み書きチェックにより、RAM223のすべての記憶領域が0クリアされる。
RAM223のすべての記憶領域について、読み書きチェックが正常と判別されれば(S1805:Yes)、RAM223の特定領域に「55AAh」のキーワードを書き込んで、RAM破壊チェックデータを設定する(S1806)。この特定領域に書き込まれた「55AAh」のキーワードを確認することにより、RAM223にデータ破壊があるか否かがチェックされる。一方、RAM223のいずれかの記憶領域で読み書きチェックの異常が検出されれば(S1805:No)、RAM223の異常を報知して(S1807)、電源が遮断されるまで無限ループする。RAM223の異常は、表示ランプ34により報知される。なお、音声出力装置226により音声を出力してRAM223の異常報知を行うようにしても良いし、表示制御装置114にエラーコマンドを送信して、第3図柄表示装置81にエラーメッセージを表示させるようにしてもよい。
S1808の処理では、電源断フラグがオンされているか否かを判別する(S1808)。電源断フラグはS1918の電源断処理の実行時にオンされる(図30のS1917参照)。つまり、電源断フラグは、S1918の電源断処理が実行される前にオンされるので、電源断フラグがオンされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、瞬間的な停電が生じた後であってS1918の電源断処理の実行を完了した状態で開始された場合である。従って、かかる場合には(S1808:Yes)、音声ランプ制御装置113の各処理を初期化するためにRAMの作業エリアをクリアし(S1809)、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。なお、RAM223の作業エリアとしては、主制御装置110から受信したコマンド等を記憶する領域以外の領域をいう。
一方、電源断フラグがオフされた状態でS1808の処理に至るのは、今回の立ち上げ処理が、例えば電源が完全に遮断された後に開始されたためにS1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至ったか、或いは、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって(主制御装置110からの電源断コマンドを受信することなく)開始された場合である。よって、かかる場合には(S1808:No)、RAM223の作業領域のクリア処理であるS1809をスキップして、処理をS1810へ移行し、RAM223の初期値を設定した後(S1810)、割込み許可を設定して(S1811)、メイン処理へ移行する。
なお、S1809のクリア処理をスキップするのは、S1804からS1806の処理を経由してS1808の処理へ至った場合には、S1804の処理によって、既にRAM223のすべての記憶領域はクリアされているし、ノイズなどによって音声ランプ制御装置113のMPU221にのみリセットがかかって、立ち上げ処理が開始された場合には、RAM223の作業領域のデータをクリアせず保存しておくことにより、音声ランプ制御装置113の制御を継続できるからである。
次に、図30を参照して、音声ランプ制御装置113の立ち上げ処理後に音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理について説明する。図30は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理が実行されると、まず、メイン処理が開始されてから、又は、前回S1901の処理が実行されてから1m秒以上が経過したか否かが判別され(S1901)、1m秒以上経過していなければ(S1901:No)、S1902〜S1911の処理を行わずにS1913の処理へ移行する。S1901の処理で、1m秒経過したか否かを判別するのは、S1902〜S1912が表示や音声の設定(即ち、演出の設定)に関する処理であり、短い周期(1m秒以内)で編集する必要がないのに対して、S1913の変動表示処理やS1914のコマンド判定処理を短い周期で実行する方が好ましいからである。S1914の処理が短い周期で実行されることにより、主制御装置110から送信されるコマンドの受信洩れを防止でき、S1913の処理が短い周期で実行されることにより、コマンド判定処理によって受信されたコマンドに基づき、変動演出に関する設定を遅滞なく行うことができる。
S1901の処理で1m秒以上経過していれば(S1901:Yes)、まず、S1903〜S1914の処理によって設定された、表示制御装置114に対する各種コマンドを、表示制御装置114に対して送信する。次いで、表示ランプ34の点灯態様の設定や後述するS1909の処理で編集されるランプの点灯態様となるよう各ランプの出力を設定し(S1903)、その後電源投入報知処理を実行する(S1904)。電源投入報知処理は、電源が投入された場合に所定の時間(例えば30秒)電源が投入されたことを知らせる報知を行うものであり、その報知は音声出力装置226やランプ表示装置227により行われる。また、第3図柄表示装置81の画面において電源が供給されたことを報知するようコマンドを表示制御装置114に送信するものとしても良い。なお、電源投入時でなければ、電源投入報知処理による報知は行わずにS1905の処理へ移行する。
S1905の処理では客待ち演出が実行され、その後、保留個数表示更新処理が実行される(S1906)。客待ち演出では、パチンコ機10が遊技者により遊技されない時間が所定時間経過した場合に、第3図柄表示装置81の表示をタイトル画面に切り替える設定などが行われ、その設定がコマンドとして表示制御装置114に送信される。保留個数表示更新処理では、保留球数カウンタ223aの値に応じて保留ランプ285を点灯させる処理が行われる。
その後、枠ボタン入力監視・演出処理が実行される(S1907)。この枠ボタン入力監視・演出処理では、演出効果を高めるために遊技者に操作される枠ボタン22が押されたか否かの入力を監視し、枠ボタン22の入力が確認された場合に対応した演出を行うよう設定する処理である。この処理では、枠ボタン22の遊技者による操作が検出されると、表示制御装置114に対して枠ボタン22が操作されたことを通知する枠ボタン操作コマンドを設定する。
また、変動演出が未実行の期間や、高速変動期間中に枠ボタン22が押された場合は、ステージを変更する処理を行い、表示制御装置114に対する背面画像変更コマンドを設定する。この背面画像変更コマンドに、変更後のステージに対応する背面画像の種別に関する情報を含めることにより、表示制御装置114において、第3図柄表示装置81に表示される背面画像を、ステージに応じた画像に変更する処理が行われる。また、変動表示開始時に予告キャラが出現した場合に枠ボタン22を押すことで今回の変動による大当たりの期待値を表示したり、リーチ演出中に枠ボタン22を押すことで大当たりへの期待感を持てる演出に変更したり、枠ボタン22を複数のリーチ演出のうち1のリーチ演出を選択するための決定ボタンとしても良い。なお、枠ボタン22が配設されていない場合には、S1907の処理は省略される。
枠ボタン入力監視・演出処理が終わると、振動センサ入力監視処理が行われる(S1908)。この振動センサ入力監視処理は、振動センサ228からの入力信号を監視し、パチンコ機10に振動が与えられたか否かを検出する処理である。
ここで、図31を参照して、振動センサ入力監視処理(S1908)の詳細について説明する。図31は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される振動センサ入力監視処理(S1908)を示したフローチャートである。
振動センサ入力監視処理(S1908)では、まず、振動センサ228から振動センサ228の出力値(振動レベル)を読み込み(S1951)、その読み込んだ出力値から振動レベルが所定レベル以上か否かを判別する(S1952)。その結果、振動レベルが所定レベル未満であれば(S1952:No)、振動センサ入力監視処理を終了し、メイン処理(図30)に戻る。
一方、振動レベルが所定レベル以上であれば(S1952:Yes)、パチンコ機10に振動が与えられたと判断し、音声出力装置226から警報音が出力されるように設定する(S1953)と共に、表示制御装置114に対して振動エラーの発生を通知するエラーコマンドを設定して(S1954)、メイン処理(図30)に戻る。これにより、表示制御装置31では、振動エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させる処理が行われる。
図30に戻って、メイン処理の説明を続ける。振動センサ入力監視処理(S1908)を終了すると、次いで、ランプ編集処理を実行し(S1909)、その後音編集・出力処理を実行する(S1910)。ランプ編集処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう電飾部29〜33の点灯パターンなどが設定される。音編集・出力処理では、第3図柄表示装置81で行われる表示に対応するよう音声出力装置226の出力パターンなどが設定され、その設定に応じて音声出力装置226から音が出力される。また、振動センサ入力監視処理(図31参照)により、警報音の出力が設定された場合は(S1953参照)、この音編集・出力処理によって、警報音の出力パターンが設定され、警報音が音声出力装置226から出力される。
S1910の処理後、液晶演出実行管理処理が実行され(S1911)、その後、カウンタ更新処理が行われて(S1912)、S1913の処理へ移行する。液晶演出実行管理処理では、主制御装置110から送信される変動パターンコマンドに基づいて第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間が設定される。この液晶演出実行監視処理で設定された時間に基づいてS1909のランプ編集処理が実行される。なお、S1910の音編集・出力処理も第3図柄表示装置81で行われる変動表示に要する時間と同期した時間で実行される。また、カウンタ更新処理では、RAM223に設けられた各種カウンタの更新が行われる。例えば、詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新が、このカウンタ更新処理の中で行われる。詳細変動パターン決定カウンタ223bの更新は、所定の範囲(本実施形態では、0〜99)内で順に1ずつ加算され、最大値(99)に達した後0に戻すことによって行われる。
S1913の処理では、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、そのコマンドを表示制御装置114に送信するために設定する処理である変動表示処理を実行する。この変動表示処理の詳細については、図33を参照して後述する。そして、変動表示処理の後、主制御装置110より受信したコマンドに応じた処理を行うコマンド判定処理を行う(S1914)。このコマンド判定処理の詳細については、図32を参照して後述する。
S1914の処理が終わると、ワークRAM233に電源断の発生情報が記憶されているか否かを判別する(S1915)。電源断の発生情報は、主制御装置110から電源断コマンドを受信した場合に記憶される。S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていれば(S1915:Yes)、電源断フラグ及び電源断処理中フラグを共にオンして(S1917)、電源断処理を実行する(S1918)。電源断処理の実行後は、電源断処理中フラグをオフし(S1919)、その後、処理を、無限ループする。電源断処理では、割込処理の発生を禁止すると共に、各出力ポートをオフして、音声出力装置226およびランプ表示装置227からの出力をオフする。また、電源断の発生情報の記憶も消去する。
一方、S1915の処理で電源断の発生情報が記憶されていなければ(S1915:No)、RAM223に記憶されるキーワードに基づき、RAM223が破壊されているか否かが判別され(S1916)、RAM223が破壊されていなければ(S1916:No)、S1901の処理へ戻り、繰り返しメイン処理が実行される。一方、RAM223が破壊されていれば(S1916:Yes)、以降の処理の実行を停止させるために、処理を無限ループする。ここで、RAM破壊と判別されて無限ループするとメイン処理が実行されないので、その後、第3図柄表示装置81による表示が変化しない。よって、遊技者は、異常が発生したことを知ることができるので、ホールの店員などを呼びパチンコ機10の修復などを頼むことができる。また、RAM223が破壊されていると確認された場合に、音声出力装置226やランプ表示装置227によりRAM破壊の報知を行うものとしても良い。
次に、図32を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるコマンド判定処理(S1914)について説明する。図32は、このコマンド判定処理(S1914)を示したフローチャートである。このコマンド判定処理(S1914)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、主制御装置110から受信したコマンドを判定する。また、この処理は、主制御装置110から保留球数コマンドを受信した場合に、第3図柄表示装置81による連続予告演出の開始の決定も行う。
コマンド判定処理では、まず、RAM223に設けられたコマンド記憶領域から、未処理のコマンドのうち主制御装置110より受信した最初のコマンドを読み出し、解析して、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する(S2001)。そして、変動パターンコマンドを受信したと判別された場合(S2001:Yes)、変動パターンコマンドから変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)を抽出して(SX2002)、メイン処理に戻る。ここで抽出された変動パターン種別は、RAM223に記憶され、後述の変動表示処理(図33参照)において、この記憶された変動パターン種別に基づき、詳細な変動パターンが決定される。そして、ここで決定された詳細な変動パターンが、表示用変動パターンコマンドによって表示制御装置114に対して通知され、その通知された詳細な変動パターンに従って、第3図柄表示装置81にて変動演出が行われる。
一方、変動パターンコマンドを受信していないと判別された場合(S2001:No)、次いで、主制御装置110より停止種別コマンドを受信したか否かを判別する(SX2003)。そして、停止種別コマンドを受信したと判別された場合(SX2003:Yes)、RAM223に設けられた変動開始フラグをオンし(SX2004)、更に、その停止種別コマンドで示される停止種別を抽出して、RAM233に記憶する(S2005)。
一方、停止種別コマンドを受信していないと判別された場合(SX2003:No)、次いで、主制御装置110より保留球数コマンドを受信したか否かを判別する(S2006)。そして、保留球数コマンドを受信したと判別された場合(S2006:Yes)、保留球数コマンドに含まれる主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(即ち、主制御装置110に保留された変動演出の保留球数)を抽出し、これを音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aに格納する(S2007)。
ここで、保留球数コマンドは、球が第1入球口64に入賞(始動入賞)したときに主制御装置110から送信されるものであるので、始動入賞がある毎に、S2008の処理によって、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。よって、ノイズなどの影響により、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値が主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値とずれても、始動入賞検出時に、音声ランプ制御装置113の保留球数カウンタ223aの値を修正し、主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値に合わせることができる。
また、S2007の処理の後、S2007の処理によって更新された保留球数カウンタ223aの値を表示制御装置114へ通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2008)。これにより、表示制御装置114では、保留球数に応じた保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
その後、連続予告判定処理を実行して(S2009)、メイン処理に戻る。この連続予告判定処理では、保留球数コマンドにより主制御装置110より受信した保留球数の値と第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の値とから、その時点で保留されている変動演出にわたって連続して予告演出画像を表示させる連続予告演出を行うか否かを決定する。また、その連続予告演出を行う場合は、その連続予告演出態様として、同一の画像(例えば、「泡」画像)を複数の変動演出にまたがって表示させる同一演出型の連続予告演出態様とするか、関連する画像を変動演出が行われる度に順番に表示する(例えば、「タマゴ」→「ヒヨコ」→「ニワトリ」→「ニワトリ群」の順に各画像を表示する)ステップアップ型の連続予告演出態様とするかを決定する。
連続予告演出を行うか否かの決定は、具体的には、第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の値に基づき、保留球数コマンドが送信された時点で保留された保留球に対応して行われる抽選の結果や、変動演出後の停止種別を推定し、その推定結果と、その時点で保留されている保留球数とに基づいて、行われる。例えば、変動演出後の停止種別が15R確変大当たり又は前後外れリーチであると推定される場合に、それぞれ所定の確率で連続予告演出が行われるように決定してもよい。また、この場合、保留球数が多いほど、高い確率で連続予告演出が行われるように決定してもよい。
これ以外にも、推定される抽選の結果が、大当たりである場合には、停止種別に関わらず、所定の確率で連続予告演出が行われるようにしてもよいし、抽選の結果が外れであっても、停止種別がリーチとなる場合、即ち、前後外れリーチおよび前後外れ以外リーチであると推定される場合は、所定の確率で連続予告演出が行われるようにしてもよい。このように、連続予告演出を行う決定をする条件は、パチンコ機10に持たせる遊技性に応じて適宜設定されるものであってよい。
また、連続予告演出態様として、同一演出型とするか、ステップアップ型とするかの条件も適宜設定されるものであってよい。例えば、音声ランプ制御装置113内部に乱数カウンタを設け、その乱数カウンタの値に応じて、連続予告演出態様を決定してもよい。
本パチンコ機10では、主制御装置110において、始動入賞時に取得された第1当たり乱数カウンタC1、第1当たり種別カウンタC2及び停止パターン選択カウンタC3の各値を保留球数コマンドによって音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113が、保留球数コマンドにより通知された各種カウンタの値と保留球数の値とに基づいて、連続予告演出開始の決定や連続予告演出の態様の設定を行う。これにより、主制御装置110における処理を、パチンコ機10の最も重要な処理である、第1入球口64への入球に基づき遷移すべき遊技状態を抽選する抽選処理に集中させることができる一方、音声ランプ制御装置113に処理能力の高いMPU221を使用すれば、連続予告演出の実行条件を多種態様に設定することができる。
また、保留球数コマンド1つで、保留球数と各種カウンタの値とを、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信することができる。これにより、音声ランプ制御装置113において、始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値と、その始動入賞が検出された時点での保留球数との対応を正確に把握することができるので、連続予告演出の実行が決定された場合に、その連続予告演出が加えられる保留球数を正確に把握することができる。よって、保留球数と各種カウンタの値とが、別のコマンドによって主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信される場合と比較して、音声ランプ制御装置113における制御を容易にすることができる。
S2006の処理の結果、保留球数コマンドを受信していないと判別された場合(S2006:No)、その他のコマンドを受信したか否かを判別し、その受信したコマンドに応じた処理を実行して(S2010)、メイン処理に移行する。例えば、その他のコマンドが、音声ランプ制御装置113で用いるコマンドであればそのコマンドに対応した処理を行い、処理結果をRAM223に記憶し、表示制御装置114で用いるコマンドであればそのコマンドを表示制御装置114に送信するように、コマンドの設定を行う。主制御装置110より受信したデモコマンドや確定コマンドは、このS2010の処理によって、表示用デモコマンドおよび表示用確定コマンドとして設定され、表示制御装置114に送信される。
次に、図33を参照して、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行される変動表示処理(S1913)について説明する。図33は、この変動表示処理(S1913)を示したフローチャートである。この変動表示処理(S1913)は、音声ランプ制御装置113内のMPU221により実行されるメイン処理(図30参照)の中で実行され、上述したように、第3図柄表示装置81において変動演出を表示させるために、主制御装置110より受信した変動パターンコマンドに基づいて表示用変動パターンコマンドを生成し、また、停止種別コマンドから抽出した停止種別を表示制御装置114へ送信するための表示用停止種別コマンドを生成して、この生成した表示用変動パターンコマンド及び表示用停止種別コマンドを示制御装置114に送信するために設定する処理である。また、変動演出の表示に伴って保留球数カウンタ223aの値を更新して、更新後の保留球数を表示制御装置114に通知するために表示用保留球数コマンドを設定すると共に、生成した表示用変動パターンコマンドによって第3図柄表示装置81に表示される変動演出に対して、連続予告演出を行う決定がなされた場合は、表示用変動パターンコマンドの後に、連続予告コマンドを設定する。
変動表示処理では、まず、RAM223に設けられた変動開始フラグがオンか否かを判別する(S2101)。そして、変動開始フラグがオンではない(即ち、オフである)と判別された場合(S2101:No)、主制御装置110より変動パターンコマンドを受信していない状態であるので、この変動表示処理を終了して、メイン処理に戻る。一方、変動開始フラグがオンであると判別された場合(S2101:Yes)、変動開始フラグをオフし(S2102)、次いで、コマンド判定処理(図32参照)のSX2002の処理において変動パターンコマンドより抽出された変動演出における変動パターン種別(変動A〜F、2R変動のいずれか)と、S2005の処理において停止種別コマンドより抽出された変動演出における停止種別とを、RAM223より取得する(S2103)。
そして、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値を読み出し、その詳細変動パターン決定カウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、詳細変動パターン決定テーブル222aとに基づいて、詳細な変動パターンを決定する(S2104)。
主制御装置110から変動パターンコマンドによって通知される変動パターン種別は、変動時間のみが規定されているが、このS2104によって、その変動時間に対して用意された各種の詳細な変動パターンの中から1つの変動パターンが選択され、その選択された変動パターンが、これから実行する変動演出の詳細な変動パターンとして決定される。
ここで、図8に示すような役割が与えられた擬似連を実現するために、変動B(変動時間60秒)に対し、このS2104にて選択され得る詳細な変動パターンとして、複数のスーパーリーチのほか、「3回擬似変動+ノーマルリーチ」による擬似連、「3回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連、「3回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連、「5回擬似変動+復活」による擬似連が用意されている。また、変動C(変動時間90秒)に対し、このS2104にて選択され得る詳細な変動パターンとして、複数のスペシャルリーチのほか、「4回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連、「4回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連、「5回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連が用意されている。更に、変動F(変動時間55秒)に対し、このS2104にて選択される詳細な変動パターンとして、「5回擬似変動+外れ」の擬似連が用意されている。
そして、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度が上がるように、詳細変動パターン決定テーブル222aが設定されている。これにより、この詳細変動パターン決定テーブル222aを用い、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、に基づいて、詳細な変動パターンを決定することにより、図8に示した役割を持った擬似連を実現できると共に、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度を上げることができる。
よって、本実施形態では、このような擬似連が発生することによって、次のような効果を奏する。即ち、擬似連による変動表示が行われる場合、その一の変動表示中に行われる擬似変動の数が多いほど、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高くなるので、従来の擬似連と同様に、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができ、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
一方で、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成されている。これにより、抽選によって外れとなった場合であっても、主制御装置110では、変動パターンとして長時間の変動パターン(本実施形態では、変動時間が55秒の変動F)を選択し、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114では、その長時間(55秒)の変動時間の間に、擬似変動を5回行って最終的に完全外れとするパターンの変動表示を行うことができる。そして、擬似変動回数5回は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高い擬似連でもある。つまり、外れ時に変動時間の長い変動パターン(変動F)が選択された場合は、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高い擬似変動回数(5回)を経た後に完全外れとなるので、遊技者は、擬似連で完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程の間で、リーチが成立し大当たりとなる期待感を高め続けることができる。よって、擬似連による外れが繰り返されても、遊技者は、その大当たりとなる期待感を持つことによって、楽しく遊技を継続できる。
また、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成することで、擬似変動が繰り返し行われる分だけ、その変動表示における変動時間を長時間化することができる、とも言える。つまり、従来の擬似連では、擬似変動回数が多くなる程、外れとなる確率を低下させていたので、外れの場合に擬似連を発生させる場合、そのほとんどは擬似変動回数を2〜3回とする必要があった。よって、その変動時間も30秒程度であった。これに対し、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成しているので、その変動時間を55秒程度と長時間化できる。しかも、上述した通り、擬似変動回数が5回の場合は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高くなるように構成されているので、遊技者は、5回の擬似変動を経て完全外れとなっても、その外れに至る過程で、擬似変動が繰り返されることによってリーチが成立し大当たりとなる期待感を高めていくことができ、外れに近づいていくことが苦にならない。よって、5回の擬似変動を経て外れとなる擬似連による変動表示を多発させることができ、遊技者に、始動入賞の少なさをあまり気にさせることなく、遊技を楽しませることを目的として、1回の平均変動時間を長くすることができる。つまり、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるのである。
特に、本実施形態では、5回の擬似変動を経てリーチが成立した場合に行われるリーチの種別を、スペシャルリーチといった特定種類のリーチに限定している。よって、5回目の擬似変動が開始された場合、遊技者は、その5回目の擬似変動で、その特定種類のリーチ(スペシャルリーチ)が成立することへの期待感も持ちながら、遊技を行うことができる。しかも、その特定種類のリーチが、最も大当たりとなる期待度の高いスペシャルリーチであるので、そのスペシャルリーチが成立することへの期待感が、遊技者の気持ちを更に高ぶらせることになる。よって、たとえ、その5回目の擬似変動の結果として、完全外れとなった場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣をより高めながら、遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、リーチ成立時に最も期待度の高い擬似変動回数(5回)の前で擬似変動が終了する場合(擬似変動回数が3回又は4回の場合)は、少なくともリーチが成立し且つ所定の確率で大当たりとなるように構成されている。これにより、擬似変動回数が3回又は4回の場合は、外れとなる場合であっても、必ずリーチとなるので、遊技者は、その変動表示において確定表示がなされるまで、大当たりとなる期待感を持ち続けることができる。よって、遊技者の興趣を最後まで持たせることができる。また、リーチが成立せずに外れ(完全外れ)となる場合は、擬似変動回数が5回の場合のみとなるので、擬似変動回数が3回又は4回で擬似変動が終了した場合であっても、所定の確率で大当たりとなる期待感を遊技者に持たせることができ、擬似変動の回数が少ないからといって、擬似連に対知る興趣が低下することを抑制できる。また、擬似連において完全外れとなる場合は、必ず擬似変動回数は5回となる。よって、擬似連において完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程で、常に、遊技者に対し、リーチが成立し大当たりとなる期待感を最大にまで高めることができる。従って、擬似連によって完全外れとなっても、遊技者を十分に楽しませることができる。
また、本実施形態では、擬似変動回数が5回に与えられた「役割」に、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する「役割」だけでなく、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する「役割」をも含めているので、5回の擬似変動が行われた後、完全外れの図柄が表示されても、その後、再変動が行われて大当たりが確定するかもしれない、という期待感を、確定表示がなされるまで、遊技者に持たせ続けることができる。つまり、擬似連において完全外れとなる場合であっても、完全外れの図柄が確定表示されるまでは、大当たりへの期待感を遊技者に与え続けることができるので、擬似連による演出を遊技者に最後まで楽しませることができる。
更に、本実施形態の擬似連では、上述した通り、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることがないように構成されている。これにより、擬似連では、擬似変動が必ず3回以上行われるので、1回の平均変動時間を長時間化することができる。また、従来のように、擬似連が2回目の擬似変動で終了し、外れとなるようなことを抑制または回避できるので、擬似連が単なる時間稼ぎの演出であるといった印象を遊技者に対して与えることを抑制できる。更に、擬似連において繰り返し行われる擬似変動の中にストーリー性を持たせた演出を行う場合、擬似変動が継続される1回目及び2回目の擬似変動の中で、そのストーリーを分からせるような演出を表示させることによって、より遊技者に分かりやすい演出を実行できる。
尚、本実施形態では、S2104の処理において、その処理で詳細な変動パターンを決定する変動演出に対し、コマンド判定処理(図32参照)のS2009の処理により連続予告演出を行う決定がなされたか否かに関わらず、擬似連による変動演出も選択可能に構成したが、該変動演出に対して連続予告演出を行う決定がなされていた場合は、擬似連による変動演出が選択されないように構成してもよい。これにより、擬似連による変動演出と、連続予告演出とが合わさって行われることによって、遊技者にとって演出が複雑となり分かりづらくなってしまうことを抑制できる。
S2104の処理で、詳細な変動パターンを決定すると、次いで、その決定した詳細な変動パターンを表示制御装置114へ通知するための、表示用変動パターンコマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2105)。
また、S2103の処理により取得した停止種別を表示制御装置114へ通知するための、表示用停止種別コマンドを生成して、そのコマンドを表示制御装置114へ送信するために設定する(S2106)。
表示制御装置114では、この表示用変動パターンコマンドを受信することによって、この表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンで第3図柄表示装置81に第3図柄の変動表示が行われるように、その変動演出の表示制御を開始する。また、表示制御装置114では、表示用停止種別コマンドを受信することによって、その停止種別に合った停止図柄を選定し、表示用変動パターンコマンドによって開始された変動演出を確定表示させるときに、その選定した停止図柄を表示する。
次いで、表示用変動パターンコマンドの設定に伴い、保留球が消費される(即ち、保留球に対応する変動表示の設定が行われた)のに合わせて、保留球数カウンタ223aの値を1減らし(S2107)、更新後の保留球数カウンタ223aの値で示される保留球数を表示制御装置114に対して通知するための表示用保留球数コマンドを設定する(S2108)。表示制御装置114は、表示用保留球数コマンドにより示される保留球数に応じた数の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる処理を実行する。よって、遊技者は、第3図柄表示装置81に表示された保留球数図柄の数をカウントすることによって、保留された球の数を認識することができる。
次いで、S2105の処理によって設定された表示用変動パターンコマンドに対応する変動演出に対して、コマンド判定処理(図32参照)のS2009の処理により連続予告演出を行う決定がなされたか否かを判別し(S2109)、連続予告演出を行う決定がなされていた場合は(S2109:Yes)、表示制御装置114に対して、連続予告演出の実行を通知するための連続予告コマンドを設定して(S2110)、この処理を終了し、メイン処理に戻る。一方、S2109の処理において、連続予告演出を行う決定がなされていない場合は(S2109:No)、そのまま変動表示処理を終了し、メイン処理へ戻る。
ここで、S2110の処理によって設定された連続予告コマンドには、コマンド判定処理(図32参照)のS2009の処理により決定された連続予告演出態様に応じて、変動演出に対して追加して表示させる連続予告画像種別(「泡」、「タマゴ」、「ヒヨコ」、「ニワトリ」および「ニワトリ群」のいずれか)が含まれる。表示制御装置114は、連続予告コマンドを受信すると、先に受信した表示用変動パターンコマンドに基づいて行われる変動演出に、連続予告演出コマンドで示される種別の連続予告画像を追加して第3図柄表示装置81に表示するよう処理を実行する。
尚、S2109の処理において、S2105の処理によって設定された表示用変動パターンコマンドに対応する変動演出が擬似連である場合は、無条件にS2108:Noへ分岐し、連続予告コマンドの設定処理(S2110)をスキップするようにしてもよい。これによっても、擬似連による変動演出と、連続予告演出とが合わさって行われることにより、遊技者にとって演出が複雑となり分かりづらくなってしまうことを抑制できる。
次に、図34から図48を参照して、表示制御装置114のMPU231により実行される各制御について説明する。かかるMPU231の処理としては大別して、電源投入後から繰り返し実行されるメイン処理と、音声ランプ制御装置113よりコマンドを受信した場合に実行されるコマンド割込処理と、画像コントローラ237より1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に送信されるV割込信号をMPU231が検出した場合に実行されるV割込処理とがある。MPU231は、通常、メイン処理を実行し、コマンドの受信やV割込信号の検出に合わせて、コマンド割込処理やV割込処理を実行する。尚、コマンドの受信とV割込信号の検出とが同時に行われた場合は、コマンド受信処理を優先的に実行する。これにより、音声ランプ制御装置113より受信したコマンドの内容を素早く反映して、V割込処理を実行させることができる。
まず、図34(a)を参照して、表示制御装置114内のMPU231により実行されるメイン処理について説明する。図34(a)は、このメイン処理を示したフローチャートである。メイン処理は、電源投入時の初期化処理を実行するものである。
このメイン処理の起動は、具体的には、以下の流れに従って行われる。電源回路315から表示制御装置114に対して電源が投入され、システムリセットが解除されると、MPU231は、そのハードウェア構成によって、MPU231内に設けられた命令ポインタ231aを「0000H」に設定すると共に、命令ポインタ231aにて示されるアドレス「0000H」をバスライン240に対して指定する。キャラクタROM234のROMコントローラ234bは、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、NOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力する。そして、MPU231は、キャラクタROM234から受け取った命令コードをフェッチし、そのフェッチした命令に応じた処理の実行を開始することで、メイン処理を起動する。
ここで、仮にシステムリセット解除後にMPU231によって最初に処理されるブートプログラムを全てNAND型フラッシュメモリ234aに記憶させた場合、キャラクタROM234は、バスライン240に指定されたアドレスが「0000H」であることを検知すると、アドレス「0000H」に対応するデータ(命令コード)を含む1ページ分のデータをNAND型フラッシュメモリ234aから読み出してバッファRAM234cにセットしなければならない。そして、NAND型フラッシュメモリ234aの性質上、その読み出しからバッファRAM234cへのセットに多大な時間を要するので、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してからアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取るまでに多くの待ち時間を消費することとなる。よって、MPU231の起動にかかる時間が長くなるので、結果として、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御が即座に開始されないおそれがあるという問題点が生じる。
これに対し、本実施形態のように、ブートプログラムのうち、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令がNOR型ROM234dに格納されることにより、NOR型ROMは高速にデータを読み出すことが可能なメモリであるため、システムリセット解除後にMPU231からバスライン240を介してアドレス「0000H」が指定されると、キャラクタROM234は即座にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されたブートプログラムをバッファRAM234cにセットして、対応するデータ(命令コード)をMPU231へ出力することができる。よって、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231においてメイン処理の起動を短時間で行うことができる。従って、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
以上のようにしてメイン処理が実行されると、まず、ブートプログラムによって実行されるブート処理を実行し(S2201)、第3図柄表示装置81に対する各種制御が実行可能となるように表示制御装置114を起動する。ここで、図34(b)を参照して、ブート処理(S2201)について説明する。図34(b)は、表示制御装置114のMPU231において、メイン処理の中で実行されるブート処理(S2201)を示すフローチャートである。
上述したように、本実施形態では、MPU231によって実行される制御プログラムや固定値データは、従来の遊技機のように専用のプログラムROM(例えば、特開2006−223598号公報に記載のROM22)を設けて記憶させるのではなく、第3図柄表示装置81に表示させる画像のデータを記憶させるために設けられたキャラクタROM234に記憶させている。そしてキャラクタROM234は、小面積で大容量化を図ることが可能なNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているため、画像データだけでなく制御プログラム等を十分に記憶させておくことができる一方、制御プログラム等を記憶する専用のプログラムROMを設ける必要がない。よって、表示制御装置114における部品点数を削減することができ、製造コストを削減できるほか、部品数増加による故障発生率の増加を抑制することができる。
一方、NAND型フラッシュメモリは、特にランダムアクセスを行う場合において読み出し速度が遅いため、MPU231がNAND型フラッシュメモリ234aに格納された制御プログラムや固定値データを直接読み出して処理していては、MPU231として高性能のプロセッサを用いても、表示制御装置114の処理性能を悪化させてしまうおそれがある。そこで、本ブート処理では、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データを、DRAMによって構成されるワークRAM233に設けられたプログラム格納エリア233aやデータテーブル格納エリア233bへ転送し格納する処理を実行する。
具体的には、まず、上述のMPU231及びキャラクタROM234のハードウェアによる動作に基づき、システムリセット解除後にNOR型ROM234dの第1プログラム記憶エリア234d1より読み出されバッファRAM234cにセットされたブートプログラムに従って、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうち、所定量だけプログラム格納エリア233aへ転送する(S2211)。ここで転送される所定量の制御プログラムには、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが含まれる。
そして、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第1の所定番地、即ち、プログラム格納エリア233aに格納されたその残りのブートプログラムの先頭アドレスを設定する(S2212)。これにより、MPU231は、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに含まれる残りのブートプログラムの実行を開始する。
また、S2212の処理により命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの所定番地に設定することで、MPU231は、そのワークRAM233のプログラム格納エリア233aに格納された制御プログラムを読み出しながら、各種処理を実行することになる。即ち、MPU231は、第2プログラム記憶エリア234a1を有するNAND型フラッシュメモリ234aから制御プログラムを読み出して命令フェッチするのではなく、プログラム格納エリア233aを有するワークRAM233に転送された制御プログラムを読み出して命令フェッチし、各種処理を実行する。上述したように、ワークRAM233はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に制御プログラムを記憶させた場合であっても、MPU231は高速に命令をフェッチし、その命令に対する処理を実行することができる。
S2212の処理により命令ポインタ231aが設定されると、続いて、その設定された命令ポインタ231aによって実行が開始される残りのブートプログラムに従って、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムのうちプログラム格納エリア233aに未転送である残りの制御プログラムと固定値データとを、所定量ずつプログラム格納エリア233a又はデータテーブル格納エリア233bへ転送する(S2213)。具体的には、制御プログラムおよび一部の固定データをプログラム格納エリア233aに転送し、また、上述の各種データテーブル(表示データテーブル、転送データテーブル)をデータテーブル格納エリア233bに転送する。
そして、ブート処理に必要なその他の処理を実行(S2214)した後、命令ポインタ231aをプログラム格納エリア233aの第2の所定番地、即ち、このブート処理(図34のS2201参照)の終了後に実行すべき初期化処理(図34(a)のS2202参照)に対応するプログラムの先頭アドレスを設定することで(S2215)、ブートプログラムの実行を終え、本ブート処理を終了する。
このように、ブート処理(S2201)が実行されることによって、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラム及び固定値データは、全てDRAMによって構成されたワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送され、格納される。そして、ブート処理の終了時に、命令ポインタ231aが上述の第2の所定番地に設定され、以後、MPU231は、NAND型フラッシュメモリ234aを参照することなく、プログラム格納エリア233aに転送された制御プログラムを用いて各種処理を実行する。
よって、制御プログラムを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234に記憶させた場合であっても、システムリセット解除後にその制御プログラムや固定値データをワークRAM233のプログラム格納エリア233a及びデータテーブル格納エリア233bに転送することで、MPU231は、読み出し速度が高速なDRAMによって構成されるワークRAMから制御プログラムや固定値データを読み出して各種制御を行うことができるので、表示制御装置81において高い処理性能を保つことができ、補助演出部を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
一方、NOR型ROM234dにブートプログラムを全て格納せずに、システムリセット解除後にMPU231によって最初に処理すべき命令から所定数の命令を格納しておき、残りのブートプログラムについては、NAND型フラッシュメモリ234aの第2プログラム記憶エリア234a2に記憶させても、第2プログラム記憶エリア234a1に記憶されている制御プログラムを確実にプログラム格納エリア233aに転送することができる。よって、キャラクタROM234は、極めて小容量のNOR型ROM234dを追加するだけで、MPU231の起動を短時間で行うことができるようになるので、その短時間化に伴うキャラクタROM234のコスト増加を抑制することができる。
尚、図34(b)に示すブート処理では、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムに、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが全て含まれるように構成されているが、必ずしもこれに限られるものではなく、S2211の処理によってプログラム格納エリア233aに転送される所定量の制御プログラムは、S2212の処理に続いて処理すべきブート処理を実行するブートプログラムの一部としてもよい。ここで転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムを全て含む制御プログラムを所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、更に、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、プログラム格納エリア233aに格納された残り全てのブートプログラムによって、S2213〜S2215の処理を実行するようにしてもよい。
また、S2211の処理によって転送されるブートプログラムは、残りのブートプログラムの一部を更に所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、この転送によってプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。また、この処理によってプログラム格納エリア233aに格納された一部のブートプログラムは、更に残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を実行するものであってもよい。そして、残りのブートプログラムの一部を所定量だけプログラム格納エリア233aに転送し、続いて、これによりプログラム格納エリア233aに格納されたブートプログラムの先頭アドレスを命令ポインタ231aに設定する処理を、S2211及びS2212の処理を含めて複数回繰り返した後、S2213〜S2215の処理を実行するようにしてもよい。
これにより、ブートプログラムのプログラムサイズが大きく、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されていない残りのブートプログラムが一度にプログラム格納エリア233aへ転送できなくても、MPU231はプログラム格納エリア233aに既に格納されたブートプログラムを使用して、所定量ずつプログラム格納エリア233aに転送することができる。
また、本実施形態では、第1プログラム記憶エリア234d1に、ブートプログラムのうち、システムリセット解除時にまずMPU231によって実行されるブートプログラムの一部を記憶させる場合について説明したが、全てのブートプログラムを第1プログラム記憶エリア234d1に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、ブート処理を開始すると、S2211及びS2212の処理を行わずに、S2213〜S2215の処理を実行してもよい。これにより、ブートプログラムをプログラム格納エリア233aへ転送する処理が不要となるので、キャラクタROM234かプログラム格納エリア233aへのプログラムの転送処理回数が減るため、ブート処理の処理時間を減らすことができる。よって、ブート処理後に可能となるMPU231における補助演出部の制御の開始をより早く行うことができる。
図34(a)に戻って説明を続ける。ブート処理を終了すると、次いで、ワークRAM233のプログラム格納エリア233aに転送され格納された制御プログラムに従って、初期設定処理を実行する(S2202)。具体的には、MPU231を初期設定し、ワークRAM233、常駐用ビデオRAM235、通常用ビデオRAM236の記憶をクリアする処理などが行われる。また、ワークRAM233に各種フラグを設け、それぞれのフラグに初期値を設定する。尚、各フラグの初期値として、特に明示した場合を除き、「オフ」又は「0」が設定される。
更に、初期設定処理では、画像コントローラ237の初期設定を行った後、第3図柄表示装置81に特定の色の画像が画面全体に表示されるように、画像コントローラ237に対して、画像の描画および表示処理の実行を指示する。これにより、電源投入直後において、第3図柄表示装置81には、まず、特定の色の画像が画面全体に表示される。ここで、電源投入直後に第3図柄表示装置81の画面全体に表示される画像の色が、パチンコ機の機種に応じて異なる色となるように設定されている。これにより、製造時の工場等における動作チェックにおいて、電源投入直後に、その機種に応じた色の画像が第3図柄表示装置81に表示されるか否かを検査することで、パチンコ機10が正常に起動開始でるか否かを簡易かつ即座に判断することができる。
次いで、電源投入時主画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送するように、画像コントローラ237に対して転送指示を送信する(S2203)。この転送指示には、電源投入時主画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスおよび最終アドレスと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時主画像エリア235aの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラ237は、この転送指示に従って、電源投入時主画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aに転送される。
そして、転送指示により示された画像データの転送が全て完了すると、画像コントローラ237は、MPU231に対して転送終了を示す転送終了信号を送信する。MPU231はこの転送終了信号を受信することにより、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握することができる。なお、画像コントローラ237は、転送指示により示された画像データの転送を全て完了した場合、画像コントローラ237の内部に設けられたレジスタまたは内蔵メモリの一部領域に、転送終了を示す転送終了情報を書き込むようにしてもよい。そして、MPU231は随時このレジスタまたは内蔵メモリの一部領域の情報を読み出し、画像コントローラ237による転送終了情報の書き込みを検出することによって、転送指示で指定した画像データの転送が終了したことを把握するようにしてもよい。
電源投入時主画像エリア235aに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2203の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時主画像に対応する画像データの電源投入時主画像エリア235aへの転送が終了すると、次いで、電源投入時変動画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bへ転送するように、画像コントローラに対して転送指示を送信する(S2204)。この転送指示には、電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと、その画像データのデータサイズと、転送先の情報(ここでは、常駐用ビデオRAM235)と、転送先である電源投入時変動画像エリア235bの先頭アドレスとが含まれており、画像コントローラは、この転送指示に従って、電源投入時変動画像に対応する画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時変動画像エリア235bに転送される。そして、電源投入時変動画像エリア235bに転送された画像データは、電源が遮断されるまで上書きされないように保持される。
S2204の処理により画像コントローラ237に対して送信された転送指示に基づき、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送が終了すると、次いで、簡易画像表示フラグ233cをオンする(S2205)。これにより、簡易画像表示フラグ233cがオンの間は、後述する転送設定処理(図46(a)参照)において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように画像コントローラ434へ転送を指示する常駐画像転送設定処理が実行される(図46(a)のS3002参照)。
また、簡易画像表示フラグ233cは、この常駐画像転送設定処理による画像コントローラ434への転送指示に基づき、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データのキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235への転送が終了するまでの間、オンに維持される。これにより、その間は、V割込処理(図35(b)参照)において、図15に示す電源投入時画像(電源投入時主画像や電源投入時変動画像)が描画されるように、簡易コマンド判定処理(図35(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図35(b)のS2409参照)が実行される。
上述したように、本パチンコ機10では、キャラクタROM234にNAND型フラッシュメモリ234aを用いているため、その読み出し速度が遅いことに起因して、常駐用ビデオRAM235に格納すべき全ての画像データが、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでに多くの時間を要する。そこで、本メイン処理のように、電源が投入された後、まず先に電源投入時主画像および電源投入時変動画像をキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送し、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示することで、残りの常駐すべき画像データが常駐用ビデオRAM235に転送されている間、遊技者やホール関係者は、第3図柄表示装置81に表示された電源投入時主画像を確認することができる。よって、表示制御装置114は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置114に表示させている間に、時間をかけて残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送することができる。一方、遊技者等は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間、何らかの初期化処理が行われていることを認識できるので、残りの常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されるまでの間、動作が停止していないか、といった不安を持つことなく、初期化が完了するまで待機することができる。
また、製造時の工場等における動作チェックにおいても、電源投入時主画像がすぐに第3図柄表示装置81に表示されることによって、第3図柄表示装置81が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができ、キャラクタROM234に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aを用いることにより動作チェックの効率が悪化することを抑制できる。
また、パチンコ機10の表示制御装置114では、電源投入後に電源投入時主画像とあわせて電源投入時変動画像もキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するので、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間に遊技者が遊技を開始したことにより、第1入球口64へ入球(始動入賞)があり、変動演出の開始指示が主制御装置110より音声ランプ制御装置113を介してあった場合、即ち、表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図15(b),(c)に示す電源投入時変動画像をその変動演出期間中に即座に表示させ、簡単な変動演出を行うことができる。よって、遊技者は、電源投入時主画像が第3図柄表示装置81に表示されている間であっても、その簡単な変動演出によって確実に抽選が行われたことを確認することができる。
また、上述したように、残りの常駐すべき画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている間は、第3図柄表示装置81に電源投入時主画像が表示され続けるが、キャラクタROM234は読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されているので、その転送に時間がかかるので、電源投入後、電源投入時主画像が表示され続ける時間も長くなる。しかしながら、本パチンコ機10では、電源投入後に常駐用ビデオRAM235に転送された電源投入時変動画像を用いて簡易的な変動演出を行うことができるので、電源が投入された直後、例えば、停電復帰直後などにおいて、電源投入時主画像が表示されている間であっても、遊技者に安心して遊技を行わせることができる。
S2205の処理の後、割込許可を設定し(S2206)、以後、メイン処理は電源が切断されるまで、無限ループ処理を実行する。これにより、S2206の処理によって割込許可が設定されて以降、コマンドの受信およびV割込信号の検出に従って、コマンド割込処理およびV割込処理を実行する。
次いで、図35(a)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるコマンド割込処理について説明する。図35(a)は、そのコマンド割込処理を示すフローチャートである。上述したように、音声ランプ制御装置113からコマンドを受信すると、MPU231によってコマンド割込処理が実行される。
このコマンド割込処理では、受信したコマンドデータを抽出し、ワークRAM233に設けられたコマンドバッファ領域に、その抽出したコマンドデータを順次格納して(S2301)、終了する。このコマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された各種コマンドは、後述するV割込処理のコマンド判定処理または簡易コマンド判定処理によって読み出され、そのコマンドに応じた処理が行われる。
次いで、図35(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理について説明する。図35(b)は、そのV割込処理を示すフローチャートである。このV割込処理では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納されたコマンドに対応する各種処理を実行すると共に、第3図柄表示装置81に表示させる画像を特定した上で、その画像の描画リスト(図21参照)を作成し、その描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対し、その画像の描画処理および表示処理の実行を指示するものである。
上述したように、このV割込処理は、画像コントローラ237からのV割込信号が検出されることによって実行が開始される。このV割込信号は、画像コントローラ237において、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に生成され、MPU231に対して送信される信号である。よって、このV割込信号に同期させてV割込処理を実行することにより、画像コントローラ237に対して描画指示が、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒毎に行われることになる。よって、画像コントローラ237では、画像の描画処理や表示処理が終了していない段階で、次の画像の描画指示を受け取ることがないので、画像の描画途中で新たな画像の描画を開始したり、表示中の画像情報が格納されているフレームバッファに、新たな描画指示に伴って画像が展開されたりすることを防止することができる。
ここでは、まず、V割込処理のフローの概略について説明し、次いで、各処理の詳細について他の図面を参照して説明する。このV割込処理では、図35(b)に示すように、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンであるか否かを判別し(S2401)、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば(S2401:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していることを意味するので、図15に示した電源投入時画像ではなく、通常の演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、コマンド判定処理(S2402)を実行し、次いで、表示設定処理(S2403)を実行する。
コマンド判定処理(S2402)では、コマンド割込処理によってコマンドバッファ領域に格納された音声ランプ制御装置113からのコマンドの内容を解析し、そのコマンドに応じた処理を実行すると共に、表示用デモコマンドや表示用変動パターンコマンドが格納されていた場合は、デモ用表示データテーブル又は変動パターン種別に応じた変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに設定する。また、連続予告コマンドが格納されていた場合は、連続予告画像種別に応じた連続予告用追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定する。
このコマンド判定処理では、その時点でコマンドバッファ領域に格納されている全てのコマンドを解析して、処理を実行する。これは、コマンド判定処理が、V割込処理の実行される20ミリ秒間隔で行われるため、その20ミリ秒の間に複数のコマンドがコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高いためである。特に、主制御装置110において、変動演出の開始が決定された場合、表示用変動パターンコマンドや停止種別コマンド、連続予告コマンドなどが同時にコマンドバッファ領域に格納されている可能性が高い。従って、これらのコマンドを一度に解析して実行することによって、主制御装置110や音声ランプ制御装置113によって選定された変動演出や連続予告演出の態様を素早く把握し、その態様に応じた演出画像を第3図柄表示装置81に表示させるように、画像の描画を制御することができる。尚、このコマンド割込処理の詳細については、図36〜図40を参照して後述する。
表示設定処理(S2403)では、コマンド判定処理(S2402)などによって表示データテーブルバッファ233dおよび追加データテーブルバッファ233eに設定された表示データテーブルおよび追加データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定する。また、処理の状況などに応じて、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様を決定し、その決定した演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。尚、この表示設定処理の詳細については、図41〜図45を参照して後述する。
表示設定処理が実行された後、次いで、タスク処理を実行する(S2404)。このタスク処理では、表示設定処理(S2403)もしくは簡易表示設定処理(S2409)によって特定された、第3表示装置281に表示すべき次の1フレーム分の画像の内容に基づき、その画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった、描画に必要な各種パラメータを決定する。
次に、転送設定処理を実行する(S2405)。この転送設定処理では、簡易画像表示フラグ233cがオンである間は、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の所定エリアへ転送させる転送指示を設定する。また、簡易画像表示フラグ233bがオフである間は、転送データテーブルバッファ233fに設定される転送データテーブルの転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定すると共に、音声ランプ制御装置113から連続予告コマンドや背面画像変更コマンドを受信した場合にも、画像コントローラ237に対して、連続予告演出で使用する連続予告画像の画像データや変更後の背面画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。尚、転送設定処理の詳細については、図46,図47を参照して後述する。
次いで、描画処理を実行する(S2406)。この描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された、1フレームを構成する各種スプライトの種別やそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータと、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示とから、図21に示す描画リストを生成し、描画対象バッファ情報と共に、その描画リストを画像コントローラ237に対して送信する。これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、画像の描画処理を実行する。尚、描画処理の詳細については、図48を参照して後述する。
次いで、表示制御装置114に設けられた各種カウンタの更新処理を実行する(S2407)。そして、V割込処理を終了する。S2407の処理によって更新されるカウンタとしては、例えば、停止図柄を決定するための停止図柄カウンタ(図示せず)がある。この停止図柄カウンタの値は、ワークRAM233に格納され、V割込処理が実行される度に、更新処理が行われる。そして、コマンド判定処理において、表示用停止種別コマンドの受信が検出されると、表示用停止種別コマンドにより示される停止種別(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れ)に対応する停止種別テーブルと停止種別カウンタとが比較され、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄が最終的に設定される。
一方、S2401の処理において、簡易画像表示フラグがオンであると判別されると(S2401:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データの転送が完了していないことを意味するので、図15に示した電源投入時画像を第3図柄表示装置81に表示させるべく、簡易コマンド判定処理(S2408)を実行し、次いで、簡易表示設定処理(S2409)を実行して、S2404の処理へ移行する。
次いで、図36〜図40を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述のコマンド判定処理(S2402)の詳細について説明する。まず、図36は、このコマンド判定処理を示すフローチャートである。
このコマンド判定処理では、図36に示すように、まず、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し(S2501)、未処理の新規コマンドがなければ(S2501:No)、コマンド判定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、オン状態で新規コマンドを処理したことを表示設定処理(S2403)に通知する新規コマンドフラグをオンに設定し(S2502)、次いで、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドすべてについて、そのコマンドの種別を解析する(S2503)。
そして、未処理のコマンドの中に、まず、表示用保留球数コマンドがあるか否かを判定し(S2504)、表示用保留球数コマンドがあれば(S2504:Yes)、保留球数コマンド処理を実行して(S2505)、S2501の処理に戻る。
ここで、図37(a)を参照して、保留球数コマンド処理(S2505)の詳細について説明する。図37(a)は、保留球数コマンド処理を示すフローチャートである。この保留球数コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用保留球数コマンドに対応する処理を実行するものである。
保留球数コマンド処理では、まず、オン状態で表示用保留球数コマンドを処理したことを表示設定処理(S2403)に通知する新規保留球数コマンドフラグをオンし(S2601)、次いで、表示用保留球数コマンドに含まれる保留球数情報を取得する(S2602)。尚、S2602の処理において、2以上の表示用保留球数コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていれば、最後に格納された表示用保留球数コマンドから保留球数情報を取得する。これにより、最新の保留球数情報を取得することができる。
そして、保留球数毎に設けられた個数判別フラグのうち、S2602の処理で取得した保留球数に対応する個数判別フラグをオンすると共に、その他の保留球数に対応する個数判別フラグをオフにして(S2603)、コマンド判定処理に戻る。
これにより、表示設定処理では、新規保留球数コマンドフラグがオンである場合に、個数判別フラグを参照することで、オンが設定された個数判別フラグに対応する保留球数分の保留球数図柄が第3図柄表示装置81に表示されるように保留画像データを展開する。
図36に戻り、S2504の処理において、表示用保留球数コマンドがないと判別されると(S2504:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用確定コマンドがあるか否かを判別し(S2506)、表示用確定コマンドがあれば(S2506:Yes)、確定コマンド処理を実行して(S2507)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図37(b)を参照して、確定コマンド処理(S2507)の詳細について説明する。図37(b)は、確定コマンド処理を示すフローチャートである。この確定コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用確定コマンドに対応する処理を実行するものである。
確定コマンド処理(S2507)では、オン状態で表示用確定コマンドを受信したことを表示設定処理(S2403)に通知する確定コマンドフラグをオンに設定して(S2611)、本処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。これにより、表示設定処理では、確定コマンドフラグの状態を監視し、そのフラグがオンとなった場合に、第3図柄表示装置81に確定表示演出の表示が開始されるように、表示の設定処理を実行する。また、変動演出の表示の設定を処理した場合に、その変動演出に設定された演出時間を経過しても確定コマンドフラグがオンとならない場合は、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示させるように、表示の設定処理を実行する。
図36に戻り、S2506の処理において、表示用確定コマンドがないと判別されると(S2506:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用デモコマンドがあるか否かを判別し(S2508)、表示用デモコマンドがあれば(S2508:Yes)、デモコマンド処理を実行して(S2509)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図37(c)を参照して、デモコマンド処理(S2509)の詳細について説明する。図37(c)は、デモコマンド処理を示すフローチャートである。このデモコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用デモコマンドに対応する処理を実行するものである。
デモコマンド処理(S2509)では、まず、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2621)。次いで、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことでその内容をクリアし、また、デモ用表示データテーブルでは、描画に必要な画像データを新たにキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送する必要がないように画像の描画が規定されているため、対応する転送データテーブルがデータテーブル格納エリア233bに用意されていないので、転送データテーブルバッファ233fにもNullデータを書き込んでその内容をクリアする(S2622)。
次いで、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2623)、ポインタ233gを0に初期化する(S2624)。そして、第3図柄表示装置81にオン状態でデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグをオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定表示フラグをオフに設定し、更にオン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2625)、デモコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2624の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S2621の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定する。また、表示設定処理では、S2623の処理によってデモ演出に対応する時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、デモ用表示データテーブルで規定されたデモ演出の時間を計時すると共に、S2625の処理によって設定されたデモ表示フラグおよび確定表示フラグの状態に基づいて、表示設定制御計時カウンタ233iの計時によってデモ用表示データテーブルにおけるデモ演出が終了したと判断された場合に、次に表示すべき演出として、再度デモ演出が表示されるように制御する。
図36に戻り、S2508の処理において、表示用デモコマンドがないと判別されると(S2508:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用変動パターンコマンドがあるか否かを判別し(S2510)、表示用変動パターンコマンドがあれば(S2510:Yes)、変動パターンコマンド処理を実行して(S2511)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図38(a)を参照して、変動パターンコマンド処理(S2511)の詳細について説明する。図38(a)は、変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。この変動パターンコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行するものである。
変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブルを決定し、その決定した変動用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出して、表示データテーブルバッファ233dに設定する(S2631)。
ここで、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用変動パターンコマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用変動パターンコマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2631の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
仮に、変動時間の長い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定してしまうと、実際には、設定した表示データテーブルよりも短い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合は、設定された変動用表示データテーブルに従った変動演出を第3図柄表示装置81に表示させている最中に主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信することとなり、変動中の第3図柄が急に停止表示されてしまうので、遊技者に対して違和感を持たせる恐れがあった。
これに対し、本実施形態のように、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定することで、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、後述するように、表示データテーブルバッファ233dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、S2631で設定された表示データテーブルに対応する転送データテーブルを決定してデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを転送データテーブルバッファ233fに設定する(S2632)。そして、追加データテーブルバッファ233eにNullデータを書き込むことでその内容をクリアする(S2633)。
その後、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2631の処理によって設定された変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2634)。表示設定処理では、S2634の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。そして、表示設定処理では、設定された変動用表示データテーブルの変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようになっている。
次いで、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2635)、ポインタ233gを0に初期化する(S2636)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2637)、更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2638)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2636の処理によって初期化されたポインタ233gを更新しながら、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、S2632の処理によって転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルから、ポインタ233gに示されるアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、設定された変動用表示データテーブルにおいて必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。
また、表示設定処理では、S2635の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ233iを用いて、変動用表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時し、変動用表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御する。
ここで、表示用確定コマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用確定コマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用確定コマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用確定コマンドに対応する処理である確定コマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2637の処理のように、表示用確定コマンドによって設定された確定コマンドフラグを上書きによってオフに設定することができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用確定コマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
同様に、表示用デモコマンドと表示用変動パターンコマンドとのいずれもが未処理のコマンドとしてコマンドバッファ領域に格納されていた場合、表示用デモコマンドに対応する処理を優先してしまうと、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出が行われなくなってしまうため、表示用変動パターンコマンドに対応する処理を優先させる必要がある。これに対し、本コマンド判定処理では、表示用デモコマンドの有無の判別を先に行っているので、必ず表示用デモコマンドに対応する処理であるデモコマンド処理が必ず先に実行される一方、表示用変動パターンコマンドに対応する処理が後に実行され、S2631の処理のように、表示用デモコマンドによって表示データテーブルバッファ233dに設定されたデモ用表示データテーブルを上書きによって変動用表示データテーブルに書き換えることができる。よって、表示用変動パターンコマンドの処理を表示用デモコマンドより優先させることができ、表示用変動パターンコマンドに伴う変動演出を優先して第3図柄表示装置81に表示させることができる。
図36に戻り、S2510の処理において、表示用変動パターンコマンドがないと判別されると(S2510:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、表示用停止種別コマンドがあるか否かを判別し(S2512)、表示用変動種別コマンドがあれば(S2511:Yes)、停止種別コマンド処理を実行して(S2513)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図38(b)を参照して、停止種別コマンド処理(S2513)の詳細について説明する。図38(b)は、停止種別コマンド処理を示すフローチャートである。この停止種別コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した表示用変動種別コマンドに対応する処理を実行するものである。
変動種別コマンド処理では、まず、表示用停止種別コマンドによって示される停止種別情報(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れのいずれか)に対応する停止種別テーブルを決定し(S2641)、その停止種別テーブルと、V割込処理(図35(b)参照)が実行されるたびに更新される停止種別カウンタの値とを比較して、第3図柄表示装置81に表示される変動演出後の停止図柄を最終的に設定する(S2642)。
そして、各停止図柄毎に設けられた停止図柄判別フラグのうち、S2642の処理によって設定された停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオンすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定する(S2643)。
ここで、上述したように、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過後において、第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定する種別情報として、S2642の処理によって設定された停止図柄からのオフセット情報(図柄オフセット情報)が記載されている。上述のタスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過した後、S2643によって設定された停止図柄判別フラグからS2642の処理によって設定された停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。そして、この特定された第3図柄に対応する画像データが格納されたアドレスを特定する。尚、第3図柄に対応する画像データは、上述したように、常駐用ビデオRAM235の第3図柄エリア235dに格納されている。
S2643の処理の後、次いで、比較フラグをオンして(S2644)、この停止種別コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。この比較フラグをオンすることによって、表示設定処理では、上述の変動パターンコマンド設定処理により設定された変動用表示テーブルの変動パターンと、S2642の処理によって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する。
尚、主制御装置110において変動の開始の判断は、必ず数秒以上離れて行われるので、20ミリ秒以内に2以上の表示用停止種別コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の表示用停止種別コマンドが格納されている場合はあり得ないが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用停止種別コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2641の処理では、このような場合に備え、2以上の表示用停止種別コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、停止種別が完全外れであると仮定して、停止種別テーブルを決定する。これにより、完全外れに対応する停止図柄がS2642の処理によって設定される。
仮に、大当たりに対応する停止図柄が設定されてしまうと、実際には、外れであった場合であっても、第3図柄表示装置81には大当たりの停止図柄が表示されることとなり、遊技者にパチンコ機10の遊技状態が大当たりとなったと勘違いさせてしまい、パチンコ機10の信頼性を低下させる恐れがあった。これに対し、本実施形態のように、完全外れに対応する停止図柄が設定されることで、実際には、大当たりであれば、第3図柄表示装置81に完全外れの停止図柄が表示されても、パチンコ機10の遊技状態が大当たり状態に移行するので、遊技者を喜ばせることができる。
図36に戻り、S2512の処理において、表示用停止種別コマンドがないと判別されると(S2512:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、連続予告コマンドがあるか否かを判別し(S2514)、連続予告コマンドがあれば(S2514:Yes)、連続予告コマンド処理を実行して(S2515)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図39(a)を参照して、連続予告コマンド処理(S2515)の詳細について説明する。図39(a)は、連続予告コマンド処理を示すフローチャートである。この連続予告コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した連続予告コマンドに対応する処理を実行するものである。
連続予告コマンド処理では、まず、オン状態で連続予告コマンドを処理したことを転送設定処理(S2405)に通知する新規連続予告コマンドフラグをオンに設定する(S2651)。次いで、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別(「泡」、「タマゴ」、「ヒヨコ」、「ニワトリ」および「ニワトリ群」のいずれか)に対応した連続予告用追加データテーブルを決定して、その決定した連続予告用追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出し、それを追加データテーブルバッファ233eに設定する。
これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dに格納された表示データテーブルに対応する演出に対し、S2652の処理によって追加データテーブルバッファ233eに格納された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告演出が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、連続予告画像種別毎に設けられた連続予告判別フラグのうち、連続予告コマンドに含まれる連続予告画像種別に対応する連続予告判定フラグをオンすると共に、その他の連続予告画像種別に対応する連続予告判別フラグをオフに設定して(S2653)、この連続予告コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S2651の処理により設定される新規連続予告コマンドフラグがオンされていることを検出すると、連続予告コマンド処理によって追加データテーブルバッファ233eに所定の連続予告用追加データテーブルが設定されたと判断し、S2653の処理によって設定される連続予告判別フラグから、追加データテーブルバッファ233eに設定された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告種別を特定する。そして、その特定された連続予告種別を表示させるのに必要な画像データの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
図36に戻り、S2514の処理において、連続予告コマンドがないと判別されると(S2514:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、背面画像変更コマンドがあるか否かを判別し(S2516)、背面画像変更コマンドがあれば(S2516:Yes)、背面画像変更コマンド処理を実行して(S2517)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図39(b)を参照して、背面画像変更コマンド処理(S2517)の詳細について説明する。図39(b)は、背面画像変更コマンド処理を示すフローチャートである。この背面画像変更コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した背面画像変更コマンドに対応する処理を実行するものである。
背面画像変更コマンド処理では、まず、オン状態で背面画像変更コマンドを受信したことに伴う背面画像の変更を転送設定処理(S2405)に通知する背面画像変更フラグをオンに設定する(S2661)。そして、背面画像種別(背面A〜C)毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、背面画像変更コマンドによって示された背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンすると共に、その他の背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオフに設定して(S2662)、この背面画像変更コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S2661の処理により設定される背面画像変更フラグがオンされていることを検出すると、S2662の処理によって設定される背面画像判別フラグから、変更後の背面画像種別を特定する。そして、その特定された背面画像種別が背面B又は背面Cである場合は、上述したように、それらの背面画像に対応する画像データの一部が常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されていないので、所定の範囲の背面画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送するよう、画像コントローラ237に対する転送指示の設定を行う。
また、タスク処理では、表示データテーブルに規定された背面画像の背面種別によって、背面A〜Cのいずれかを表示させることが規定されていた場合、S2662によって設定された背面画像判別フラグから、その時点において表示すべき背面画像種別を特定し、更に、表示すべき背面画像の範囲を時間経過に合わせて特定して、その背面画像の範囲に対応する画像データが格納されているRAM種別(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)と、そのRAMのアドレスを特定する。
尚、遊技者が枠ボタン22を20ミリ秒以下で連続して操作することはないので、20ミリ秒以内に2以上の背面画像変更コマンドを受信することはなく、したがって、コマンド判定処理を実行する場合に、コマンドバッファ領域に2以上の背面画像変更コマンドが格納されている場合はないはずであるが、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って背面画像変更コマンドとして解釈される恐れもあり得る。S2662の処理では、2以上の背面画像コマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、先に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよいし、後に受信した背面画像コマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。また、任意の1の背面画像変更コマンドを抽出し、そのコマンドによって示される背面画像種別に対応する背面画像判別フラグをオンしてもよい。この背面画像の変更は、パチンコ機10における遊技価値の直接影響を与えるものではないので、パチンコ機10の特性や操作性に応じて、適宜設定するのが好ましい。
図36に戻り、S2516の処理において、背面画像変更コマンドがないと判別されると(S2516:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、枠ボタン操作コマンドがあるか否かを判別し(S2518)、枠ボタン操作コマンドがあれば(S2518:Yes)、枠ボタン操作コマンド処理を実行して(S2519)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図40(a)を参照して、枠ボタン操作コマンド処理(S2519)の詳細について説明する。図40(a)は、枠ボタン操作コマンド処理を示すフローチャートである。この枠ボタン操作コマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信した枠ボタン操作コマンドに対応する処理を実行するものである。
枠ボタン操作コマンドでは、オン状態で枠ボタンが操作されたことを示す枠ボタン操作フラグをオンに設定して(S2671)、この処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2671の処理によって設定された枠ボタン操作フラグに基づき、変動用表示データテーブルに従ってスーパーリーチ選択画面を第3図柄表示装置81に表示させている間に枠ボタンが操作されたことを検出すると、後に表示させるスーパーリーチの種別を更新する処理を実行する。これにより、遊技者に、好みのスーパーリーチ演出を選択させることができるようになっている。
図36に戻り、S2518の処理において、枠ボタン操作コマンドがないと判別されると(S2518:No)、次いで、未処理のコマンドの中に、エラーコマンドがあるか否かを判別し(S2520)、エラーコマンドがあれば(S2520:Yes)、エラーコマンド処理を実行して(S2521)、S2501の処理へ戻る。
ここで、図40(b)を参照して、エラーコマンド処理(S2521)の詳細について説明する。図40(b)は、エラーコマンド処理を示すフローチャートである。このエラーコマンド処理は、音声ランプ制御装置114より受信したエラーコマンドに対応する処理を実行するものである。
エラーコマンド処理では、まず、オン状態でエラーが発生していることを示すエラー発生フラグをオンに設定する(S2681)。そして、エラー種別毎に設けられたエラー判別フラグのうち、エラーコマンドによって示されるエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンすると共に、その他のエラー判別フラグをオフに設定して(S2682)、エラーコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
表示設定処理では、S2681の処理によって設定されたエラー発生フラグに基づいて、エラーの発生を検出すると、S2682の処理によって設定されたエラー判別フラグから発生したエラー種別を判断し、そのエラー種別に対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させるように処理を実行する。
尚、2以上のエラーコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合、S2682に処理では、それぞれのエラーコマンドによって示される全てのエラー種別に対応するエラー判別フラグをオンに設定する。これにより、全てのエラー種別に対応する警告画像が第3図柄表示装置81に表示されるので、遊技者やホール関係者が、エラーの発生状況を正しく把握することができる。
図36に戻り、S2520の処理において、エラーコマンドがないと判別されると(S2520:No)、次いで、その他の未処理のコマンドに対応する処理を実行し(S2522)、S2501の処理へ戻る。
各コマンドの処理が実行された後に再び実行されるS2501の処理では、再度、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがあるか否かを判別し、未処理の新規コマンドがあれば(S2501:Yes)、再びS2502〜S2522の処理を実行する。そして、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがなくなるまで、S2501〜S2522の処理が繰り返し実行され、S2501の処理で、コマンドバッファ領域に未処理の新規コマンドがないと判別されると、このコマンド判定処理を終了する。
尚、V割込処理(図35(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易コマンド判定処理(S2408)も、コマンド判定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易コマンド判定処理では、コマンドバッファ領域に格納されている未処理のコマンドから、図15に示す電源投入時画像を表示するのに必要なコマンド、即ち、表示表確定コマンド、表示用変動パターンコマンドおよび表示用停止種別コマンドだけを抽出して、それぞれのコマンドに対応する処理である、確定コマンド処理(図37(b)参照)、変動パターンコマンド処理(図38(a)参照)および停止種別コマンド処理(図38(c)参照)を実行すると共に、その他のコマンドについては、そのコマンドに対応する処理を実行せずに破棄する処理を行う。
ここで、この場合に実行される、変動パターンコマンド処理(図38(a)参照)では、S2631の処理で、電源投入時変動画像の表示に対応した表示データテーブルバッファが表示データテーブルバッファ233dに設定され、また、その場合に必要となる電源投入時主画像および電源投入時変動画像の画像データは常駐用ビデオRAM235の電源投入時主動画像エリア235aおよび電源投入時変動動画像エリア235bに格納されているので、S2632の処理では、転送データテーブルバッファ233bにはNullデータを書き込み、その内容をクリアする処理が行われる。
次いで、図41〜図45を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の表示設定処理(S2403)の詳細について説明する。まず、図41及び図42は、この表示設定処理を示すフローチャートである。
この表示設定処理では、図41に示すように、新規コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2701)、新規コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであれば(S2701:No)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されていないと判断して、S2702〜S2710の処理をスキップし、S2711の処理へ移行する。一方、新規フラグがオンであれば(S2701:Yes)、先に実行されるコマンド判定処理おいて新規コマンドが処理されたと判断し、新規コマンドフラグをオフに設定した後(S2702)、S2703〜S2710の処理によって、新規コマンドに対応する処理を実行する。
S2703の処理では、新規保留球数コマンドフラグはオンであるか否かを判別し(S2703)、新規保留球数コマンドフラグがオンであれば(S2703:Yes)、先のコマンド判定処理において表示用保留球数コマンドが処理されたと判断し、保留画像設定処理を実行する(S2704)。
ここで、図43(a)を参照して、保留画像設定処理の詳細について説明する。図43(a)は、保留画像設定処理を示すフローチャートである。この保留画像設定処理は、表示用保留球数コマンドが処理されたことに合わせて、音声ランプ制御装置113より通知された保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理である。
保留画像設定処理では、まず、個数判別フラグを参照し、オンが設定された個数判別フラグに対応した保留球数分の保留球数図柄を第3図柄表示装置81の小領域Ds1(図4参照)に表示させる保留画像データを展開する(S2751)。タスク処理では、この展開された保留画像データを元に、その保留画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
保留画像設定処理では、S2751の処理の後、新規保留球数コマンドをオフに設定して(S2752)、表示設定処理に戻る。
図41に戻り、保留画像設定処理(S3104)の後、又は、S2703の処理において、新規保留球数コマンドフラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2703:No)、次いで、エラー発生フラグはオンであるか否かを判別する(S2705)。そして、エラー発生フラグがオンであれば(S2705:Yes)、警告画像設定処理を実行する(S2706)。
ここで、図43(b)を参照して、警告画像設定処理の詳細について説明する。図43(b)は、警告画像設定処理を示すフローチャートである。この処理は、発生したエラーに対応する警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる画像データを展開するための処理で、まず、エラー判別フラグを参照し、オンが設定された全てのエラー判別フラグに対応したエラーの警告画像を第3図柄表示装置81に表示させる警告画像データを展開する(S2761)。
タスク処理では、この展開された警告画像データを元に、その警告画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。
そして、警告画像設定処理では、S2761の処理の後、エラー発生フラグをオフに設定して(S2762)、表示設定処理に戻る。
図41に戻り、警告画像設定処理(S2706)の後、又は、S2705の処理において、エラー発生フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2705:No)、次いで、枠ボタン操作フラグはオンであるか否かを判別する(S2707)。そして、枠ボタン操作フラグがオンであれば(S2707:Yes)、枠ボタン操作処理を実行する(S2708)。
ここで、図43(c)を参照して、枠ボタン操作処理の詳細について説明する。図43(b)は、枠ボタン操作処理を示すフローチャートである。この処理は、第3図柄表示装置81に、スーパーリーチの表示態様を選択させる選択画面を表示中に、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、その操作に従って、表示すべきスーパーリーチの態様を選定するための処理である。
枠ボタン操作処理では、まず、枠ボタン操作フラグをオフに設定した後(S2771)、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されているか否かを判別する(S2772)。このスーパーリーチ選択画面は、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルに従って第3図柄表示装置81に表示させるもので、前回実行されたV割込処理の中で、設定された変動用表示データテーブルに基づき、スーパーリーチ選択画面用のスプライトの描画を画像コントローラ237に対して指示した場合に、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていると判断する。尚、このスーパーリーチ選択画面は、詳細な変動パターンとして通常のスーパーリーチが指示された場合にのみ表示され、擬似連の中でスーパーリーチが成立する場合には表示されないようになっている。
そして、S2772の処理において、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていないと判断されれば(S2772:No)、そのまま枠ボタン操作処理を終了して、表示設定処理に戻る。一方、S2772の処理の結果、スーパーリーチ選択画面が第3図柄表示装置81に表示されていると判断されれば(S2772:Yes)、スーパーリーチの表示態様毎に設けられたスーパーリーチ種別フラグのうち、所定の順番に従って、1の表示態様に対応するスーパーリーチ種別フラグのみをオンすると共に、その他のスーパーリーチ種別フラグをオフに設定するように、スーパーリーチ種別フラグを更新して(S2773)、表示設定処理に戻る。
本実施形態では、変動用表示データテーブルの中で遊技者より選択された態様のスーパーリーチの表示を規定する場合、各アドレス毎にそれぞれのスーパーリーチの表示態様に対応する描画内容を規定しており、表示設定処理では、後述するS2712の処理において表示データテーブルの内容を展開する場合に、スーパーリーチ種別フラグがオンされたスーパーリーチの表示態様に対応する描画内容だけを抽出する。これにより、タスク処理では、選択されたスーパーリーチの表示態様に対応するスプライト(表示物)の種別を特定されると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータが設定されるので、第3図柄表示装置81には、その選択された表示態様でスーパーリーチ演出が表示される。
図41に戻り、枠ボタン操作処理(S2708)の後、又は、S2707の処理において、枠ボタン操作フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2707:No)、次いで、比較フラグはオンであるか否かを判別する(S2709)。そして、比較フラグがオンであれば(S2709:Yes)比較処理を実行する(S2710)。
ここで、図44を参照して、比較処理の詳細について説明する。図44は、比較処理を示すフローチャートである。この処理は、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合に、変動演出を、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させる特殊変動演出に変更するための処理である。
比較処理では、まず、データテーブル判別フラグのうち、オン状態に設定されているデータテーブル判別フラグを特定し、その特定されたデータテーブル判別フラグから、表示データテーブルバッファ233bに格納されている変動用表示データテーブルの種別を特定する(S2781)。次に、停止図柄判別フラグのうち、オン状態に設定されている停止図柄判別フラグを特定し、その特定された停止図柄判別フラグから、設定された停止図柄を特定する(S2782)。
そして、S2781の処理によって特定された変動用表示データテーブルの種別と、S2782の処理によって特定された停止図柄とがマッチするか否かを判別する(S2783)。上述したように、変動用表示データテーブルは、変動パターン毎に用意されているもので、各変動パターンには、外れ用、15R確定大当たり・時短大当たり共用、15R確変大当たり用、2R確変大当たり用・・・などがある。そこで、S2783の処理は、例えば、変動用表示データテーブルが外れ用の変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、停止図柄が大当たり図柄に設定された場合は、これらはマッチしないと判断する。
S2783の処理において、マッチすると判断される場合は(S2783:Yes)、S2788の処理へ移行し、比較フラグをオフに設定後(S2788)、表示設定処理に戻る。一方、マッチしないと判断される場合は(S2783:No)、まず、特殊変動が規定された特殊変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2784)。
次いで、特殊停止図柄(例えば、左列から「3」「4」「1」と表示される図柄)に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄に対応する停止図柄判別フラグをオフに設定し(S2785)、さらに、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定する(S2786)。尚、特殊変動演出は、上述したように、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させるものであるので、その演出時間は長時間(例えば、3分間)に設定されている。従って、計時カウンタ233iには、特殊変動演出の演出時間に対応する時間データとして、3分(180000ミリ秒)÷20ミリ秒=9000が設定される。
そして、ポインタ233gを0に初期化し(S2787)、比較フラグをオフに設定して(S2788)、表示設定処理に戻る。
このように、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ233dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるので、第3図柄表示装置81には、第3図柄が高速に変動し続ける特殊変動演出が表示される。そして、停止時柄として、特殊停止図柄が設定されるので、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合に、その特殊停止図柄を第3図柄表示281上に確定表示させることができる。
ここで、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
図41に戻り、比較処理(S2708)の後、又は、S2709の処理において、比較フラグがオンではない、即ち、オフであると判別されると(S2709:No)、次いで、S2711の処理へ移行する。
S2711では、ポインタ更新処理を実行する(S2711)。ここで、図45を参照して、ポインタ更新処理の詳細について説明する。図45は、ポインタ更新処理を示すフローチャートである。このポインタ更新処理は、表示データテーブルバッファ233d、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fの各バッファにそれぞれ格納された表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルから、対応する描画内容もしくは転送対象画像データの転送データ情報を取得すべきアドレスを指定するポインタ233gの更新を行う処理である。
このポインタ更新処理では、まず、ポインタ233gに1を加算する(S2791)。即ち、ポインタ233gは、原則、V割込処理が実行される度に1だけ加算されるように更新処理が行われる。また、上述したように、各種データテーブルは、アドレス「0000H」には、Start情報が記載されており、それぞれのデータの実体はアドレス「0001H」以降に規定されているところ、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233eに格納されるのに合わせてポインタ233gの値が0に初期化された場合は、このポインタ更新処理によってその値が1に更新されるので、アドレス「0001H」から順に、それぞれのデータテーブルから実体的なデータを読み出すことができる。
S2791の処理によって、ポインタ233gの値を更新した後、次いで、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報であるか否かを判別する(S2792)。その結果、End情報であれば(S2792:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、その実体データが記載されたアドレスを過ぎてポインタ233gが更新されたことを意味する。
そこで、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであるか否かを判別して(S2793)、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルであれば(S2793:Yes)、ポインタ233gを1に設定し(S2794)、更に、表示データテーブルバッファ233dに設定されているデモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定して(S2795)、S2797の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、デモ用表示データテーブル又は再始動表示データテーブルの先頭から順に描画内容を展開することができるので、第3図柄表示装置81には、デモ演出または再始動演出を繰り返し表示させることができる。
一方、S2793の処理において、表示データテーブルバッファ233dに格納されている表示データテーブルがデモ用表示データテーブルでも、再始動表示データテーブルでもないと判別された場合は(S2793:No)、ポインタ233gの値を1だけ減算して(S2796)、S2797の処理へ移行する。これにより、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ233dにデモ用表示データテーブルおよび再始動表示データテーブル以外の表示データテーブル、例えば、変動用表示データテーブルや確定表示データテーブルが設定されている場合は、End情報が記載された1つ前のアドレスの描画内容が常に展開されるので、第3図柄表示装置81には、その表示データテーブルで規定される最後の画像を停止させた状態で表示させることができる。
S2792の処理の結果、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルにおいて、S2791の処理による更新後のポインタ233gで示されるアドレスのデータがEnd情報ではないと判別される場合は、S2793〜S2795の処理をスキップして、S2797の処理へ移行する。
S2797の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを判別し(S2797)、確定コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S2797:No)、そのままポインタ更新処理を終了して表示設定処理に戻る。一方、確定コマンドフラグがオンであれば(S2797:Yes)、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データバッファにおいてEnd情報が格納されているエンド位置アドレスから1だけ減算した値に、ポインタ233gの値を設定し(S2798)、更に、計時カウンタの値を1に設定して(S2799)、表示設定処理に戻る。これにより、確定コマンドを受信した場合は、表示設定処理では、設定された表示データテーブルの最後に規定された描画内容を展開すると共に、確定表示演出の開始を制御することができる。
図41に戻り、ポインタ更新処理の後、表示データテーブルバッファ233d及び追加データテーブルバッファ233eに設定されている表示データテーブルおよび追加データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスの描画内容を展開する(S2712)。タスク処理では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S2712の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブルにおいて、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。また、追加データテーブルバッファ233eがNullデータでクリアされているときは、常にNullデータが追加データテーブルバッファ233eから展開されることになる。
次いで、計時カウンタgの値を1だけ減算し(S2713)、減算後の計時カウンタ233iの値が0以下であるか否かを判別する(S2714)。そして、計時カウンタ233iの値が1以上である場合は(S2714:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。一方、計時カウンタ233iの値が0以下である場合は(S2714:Yes)、表示データテーブルバッファ233dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2715の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2715)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2715:Yes)、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2716)。次いで、確定表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2717)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化する(S2718)。そして、確定コマンドフラグをオフに設定し(S2719)、次いで、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオンに設定後(S2720)、停止図柄判別フラグの内容をそのままワークRAM233に設けられた前回停止図柄判別フラグにコピーして(S2721)、V割込処理に戻る。
これにより、表示データテーブルバッファ233dに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ233bに設定される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。
尚、S2721の処理によって設定された前回停止図柄判別フラグは、次に行われる変動演出において第3図柄表示装置81に表示すべき第3図柄を特定するために用いられる。即ち、上述したように、変動演出における第3図柄の表示は、1つ前に行われた変動演出の停止図柄に応じて変わるためであり、変動用表示データテーブルでは、そのデータテーブルに基づく変動が開始されてから所定時間経過するまでは、1つ前に行われた変動演出の停止図柄からの図柄オフセット情報が記載されている。タスク処理(S2404)では、変動が開始されてから所定時間が経過するまで、S2721によって設定された前回停止図柄判別フラグから、1つ前に行われた変動演出の停止図柄を特定すると共に、その特定した停止図柄に対して表示設定処理により取得された図柄オフセット情報を加算することによって、実際に表示すべき第3図柄を特定する。これにより、1つ前の変動演出における停止図柄から変動演出が開始される。
一方、S2715の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2715:No)、図42に示すS2722の処理へ移行し、確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2722)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2722:Yes)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2723)、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定し(S2724)、次いで、データ表示の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定する(S2725)。そして、ポインタ233gを0に初期化し(S2726)、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグをオンに設定して(S2727)、V割込処理を終了する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
尚、S2722:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S2716の処理によって、追加データテーブルバッファ233e及び転送データテーブルバッファ233fはいずれもその内容がクリアされている。よって、S2724の処理では、それらのデータテーブルバッファのクリア処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
S2722の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2722:No)、次いで、デモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2728)。そして、デモ表示フラグがオンであれば(S2728:Yes)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、デモ演出が終了したことを意味するので、そのまま表示設定処理を終了し、V割込処理に戻る。そして、この場合、次回のV割込処理の中で実行されるポインタ更新処理によって、上述したように、再びデモ演出が開始されるように、各種設定が行われるので、音声ランプ制御装置113より新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、デモ演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。
一方、S2728の処理において、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2728:No)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2729)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2730)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値ではない場合(S2730:No)、そのまま表示設定処理を終了してV割込処理に戻る。また、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2730:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、追加データテーブルバッファ233eおよび転送データテーブルバッファ233fにそれぞれNullデータを書き込むことで、それらの内容をクリアする(S2731)。そして、再始動演出の演出時間に対応する時間データを計時カウンタ233iに設定し(S2732)、更に、ポインタ233gの値を0に初期化して(S2733)、V割込処理に戻る。
これにより、表示制御装置では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
尚、再始動表示データテーブルによって規定された最後の描画内容が展開された後は、上述のポインタ更新処理によって、再び再始動表示データテーブルの先頭から描画内容が展開される。従って、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信したり、新たな表示用変動パターンコマンドを受信するまでは、再始動演出を繰り返し第3図柄表示装置81に表示させることができる。ここで、再始動演出は、所定位置を中心に第3図柄を振動(揺動)させる態様で第3図柄表示装置81に表示させるものであり、その再始動表示データテーブルでは、第3図柄を少なくとも1回揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを規定する。そして、この再始動表示データテーブルの先頭から繰り返し描画内容を展開することで、第3図柄表示装置81に第3図柄を繰り返し振動させた再始動演出が表示される。このように、再始動演出を、第3図柄表示装置81に第3図柄を振動させて表示させる演出とすることで、その再始動表示データテーブルを、少なくとも1回第3図柄を揺動させて表示させるのに必要な描画内容だけを記憶させておけばよいので、再始動表示データテーブルを記憶するために必要な容量を小さく抑えることができる。
また、再始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用確定コマンドを受信した場合は、図44に示すS2716の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには確定表示データテーブルが設定される。これにより、再始動演出中であっても表示用確定コマンドの受信に合わせて、停止図柄判別フラグで示される停止図柄で第3図柄の停止表示がなされ、確定表示が第3図柄表示装置81に表示される。
また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信した場合は、図38(a)のS2631の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、変動用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81に変動演出が表示される。また、始動表示データテーブルによって再始動演出が行われている途中で、音声ランプ制御装置113より表示用デモコマンドを受信した場合は、図37(c)のS2621の処理が行われ、表示データテーブルバッファ233dには、デモ用表示データテーブルが設定されて、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示される。再始動演出は、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、本来受信されるべき主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合に表示される演出であるため、ノイズや誤動作等の影響により、再始動演出が表示されている間も確定コマンドが受信されない可能性がある。これに対し、本実施形態では、再始動演出中に表示用変動パターンコマンドや表示用デモコマンドを受信すれば、そのコマンドに対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができるので、第3図柄表示装置81における各種演出をパチンコ機10の遊技状態に合わせて行わせることができる。
尚、V割込処理(図35(b)参照)において簡易画像表示フラグ233cがオンの場合に実行される簡易表示設定処理(S2409)も、表示設定処理と同様の処理が行われる。ただし、簡易表示設定処理では、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、所定時間、表示用停止種別コマンドに基づいて設定された停止図柄に応じた電源投入時変動画像の一方の画像(図15(b)および(c)のいずれか)を停止表示させることを規定した表示データテーブルを、表示データテーブルバッファ233iに設定する処理が行われる。また、電源投入時変動画像による変動演出の演出時間が終了後、本来、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より受信すべき確定コマンド(表示用確定コマンド)の受信が認められない場合は、そのまま電源投入時変動画像の変動演出を再始動させることを規定した表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する処理が行われる。
また、比較処理では、表示用変動パターンコマンドによって指示された変動パターンと、表示用停止種別によって指示された停止種別とを比較し、これらが一致しない場合は、停止図柄として外れ図柄(図15(c)参照)を設定する。
次いで、図46及び図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の転送設定処理(S2405)の詳細について説明する。まず、図46(a)は、この転送設定処理を示すフローチャートである。
この転送設定処理では、まず、簡易画像表示フラグ233cがオンか否かを判別する(S3001)。そして、簡易画像表示フラグ233cがオンであれば、(S3001:Yes)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されていないので、常駐画像転送設定処理を実行して(S3002)、転送設定処理を終了し、V割込処理へ戻る。これにより、画像コントローラ237に対して、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送させるための転送指示が設定される。なお、常駐画像転送設定処理の詳細については、図46(b)を参照して後述する。
一方、S3001の処理の結果、簡易画像表示フラグ233cがオンではない、即ち、オフであれば、(S3001:No)、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データがキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に転送されている。この場合は、通常画像転送設定処理を実行し(S2603)、転送設定処理を終了して、V割込処理へ戻る。これにより、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常用ビデオRAM236に対して行われるように転送指示が設定される。なお、通常画像転送設定処理の詳細については、図47を参照して後述する。
次いで、図46(b)を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である常駐画像転送設定処理(S3002)について説明する。図46(b)は、この常駐画像転送設定処理(S3002)を示すフローチャートである。
この常駐画像転送設定処理では、まず、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示をしているか否かを判別し(S3101)、転送指示を送信していれば(S3101:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送処理が終了したか否かを判別する(S3102)。このS3102の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を行った後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3102の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3102:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この常駐画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3102:Yes)、S3103の処理へ移行する。また、S3101の処理の結果、画像コントローラ237に対して、未転送の画像データの転送指示を送信していない場合も(S3101:No)、S3103の処理へ移行する。
S3103の処理では、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データを転送したか否かを判別し(S3103)、未転送の常駐対象画像データがあれば(S3103:No)、その未転送の常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するように、画像コントローラ237に対する転送指示を設定し(S3104)、常駐画像転送設定処理を終了する。
これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、未転送の常駐対象画像データに関する転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、常駐対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、常駐用ビデオRAM235)、及び転送先(ここで転送される常駐対象画像データを格納すべき常駐用ビデオRAM235に設けられたエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して一旦バッファRAM237aに格納した後、常駐用ビデオRAM236の未使用期間中に、常駐用ビデオRAM236の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3103の処理の結果、全ての常駐対象画像データが転送されていれば(S3103:Yes)、簡易画像表示フラグ233cをオフに設定して(S3105)、常駐画像転送設定処理を終了する。これにより、V割込処理(図36(b)参照)において、簡易コマンド判定処理(図36(b)のS2408参照)および簡易表示設定処理(図36(b)のS2409参照)ではなく、コマンド判定処理(図36〜図40参照)および表示設定処理(図41〜図45参照)が実行されるので、通常時の画像の描画が設定されることになり、第3図柄表示装置81には通常時の画像が表示される。また、以後のキャラクタROM234からの画像データの転送は、通常画像転送設定処理(図47参照)により、通常用ビデオRAM236に対して行われる(図46(a)のS3001:No参照)。
MPU231は、この常駐画像転送設定処理を実行することにより、既にメイン処理の中で転送されている電源投入時主画像および電源投入時変動画像を除く、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての常駐対象画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に対して転送することができる。そして、MPU231は、常駐用ビデオRAM235に転送された画像データを、電源投入中、上書きすることなく保持され続けるよう制御する。これにより、常駐画像転送設定処理によって常駐用ビデオRAM235に転送された画像データは、電源投入中、常駐用ビデオRAM235に常駐されることになる。
よって、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき全ての画像データが常駐用ビデオRAM235に転送された後、表示制御装置114は、この常駐用ビデオRAM235に常駐された画像データを使用しながら、画像コントローラ237にて画像の描画処理を行うことができる。これにより、描画処理に使用する画像データが常駐用ビデオRAM235に常駐されていれば、画像描画時に読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234から対応する画像データを読み出す必要がないため、その読み出しにかかる時間を省略でき、画像の描画を即座に行って第3図柄表示装置282に描画した画像を表示することができる。
特に、常駐用ビデオRAM235には、背面画像や、第3図柄、キャラクタ図柄、エラーメッセージといった、頻繁に表示される画像の画像データや、主制御装置110、音声ランプ制御装置113や表示制御装置114などによって表示が決定された後、即座に表示すべき画像の画像データを常駐させるので、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成しても、遊技者によって任意のタイミングで行われる種々の操作から、第3図柄表示装置81に何らかの画像を表示させるまでの応答性を高く保つことができる。
次いで、図47を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3003)について説明する。図47は、この通常画像転送設定処理(S3003)を示すフローチャートである。
この通常画像転送設定処理では、まず、転送データテーブルバッファ233fに設定されている転送データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403)のポインタ更新処理(S2711)によって更新されたポインタ233gで示されるアドレスに記載された情報を取得する(S3201)。そして、取得した情報が転送データ情報であるか否かを判別し(S3202)、転送データ情報であれば(S3202:Yes)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM233に設けられた転送データバッファに格納し(S3203)、更に、ワークRAM233に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3204)、S3205の処理へ移行する。
また、S3202の処理において、取得した情報が転送データ情報ではなく、Nullデータであれば(S3202:No)、S3203及びS3204の処理をスキップして、S3205の処理へ移行する。S3205の処理では、画像コントローラ237に対して、前回行われた画像データの転送が終了した後に、新たに画像データの転送指示を設定したか否かを判別し(S3205)、転送指示を設定していれば(S3205:Yes)、更に、その転送指示に基づき画像コントローラ237により行われる画像データの転送が終了したか否かを判別する(S3206)。
このS3206の処理では、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定した後、画像コントローラ237から、転送処理の終了を示す転送終了信号を受信した場合に、転送処理が終了したと判断する。そして、S3206の処理により、転送処理が終了していないと判別される場合(S3206:No)、画像コントローラ237において画像の転送処理が継続して行われているので、この通常画像転送設定処理を終了する。一方、転送処理が終了したと判別される場合(S3206:Yes)、S3207の処理へ移行する。また、S3205の処理の結果、前回の転送処理の終了後に、画像コントローラ237に対して画像データの転送指示を設定していない場合も(S3205:No)、S3207の処理へ移行する。
S3207の処理では、転送開始フラグがオンか否かを判別し(S3207)、転送開始フラグがオンであれば(S3207:Yes)、転送開始すべき画像データが存在しているので、転送開始フラグをオフにし(S3208)、S3203の処理によって転送データバッファに格納した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S3216の処理へ移行する。一方、転送開始フラグがオンではなく、オフであれば(S3207:No)、次いで、新規連続予告コマンドフラグはオンか否かを判別する(S3209)。
そして、新規連続予告コマンドフラグがオンであれば(S3209:Yes)、連続予告コマンドが処理され、連続予告演出用の連続予告用追加データテーブルが追加データテーブルバッファ733cに設定されたことを意味するので、新規連続予告コマンドフラグをオフに設定した後(S3210)、連続予告画像種別毎に設けられた連続予告判別フラグのうち、オン状態にある連続予告判別フラグに対応する連続予告画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S3211)、この特定した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S3216の処理へ移行する。
S3209の処理において、新規連続予告コマンドフラグがオンではなく、オフであれば(S3209:No)、次いで、背面画像変更フラグはオンか否かを判別する(S3212)。そして、背面画像変更フラグがオンではなく、オフであれば(S3212:No)、転送開始すべき画像データが存在していないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。
一方、背面画像変更フラグがオンであれば(S3212:Yes)、背面画像の変更を意味するので、背面画像変更フラグをオフに設定した後(S3213)、背面画像種別毎に設けられた背面画像判別フラグのうち、オン状態にある背面画像判別フラグに対応する背面画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを特定し(S3214)、この特定した各種情報によって示されるスプライトの画像データを転送対象画像とした上で、S3216の処理へ移行する。
尚、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものである場合、対応する画像データは全て常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されているので、通常用ビデオRAM236に転送すべき画像データが存在しない。よって、S3214の処理では、オン状態にある背面画像判別フラグが背面Aのものであれば、そのまま通常画像転送処理を終了する。
S3216の処理では、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に既に格納されているか否かを判別する(S3216)。このS3216の処理における判別では、格納画像判別フラグ233jを参照することによって行われる。即ち、転送対象画像とされたスプライトに対応する格納状態を格納画像判別フラグ233jより読み出して、その格納状態が「オン」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていると判断し、格納状態が「オフ」であれば、転送対象となったスプライトの画像データが通常用ビデオRAM236に格納されていないと判断する。
そして、S3216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていれば(S3216:Yes)、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して、その画像データを転送する必要がないので、そのまま通常画像転送設定処理を終了する。これにより、無駄に画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に対して転送されるのを抑制することができ、表示制御装置114の各部における処理負担の軽減や、バスライン240におけるトラフィックの軽減を図ることができる。
一方、S3216の処理の結果、転送対象画像が通常用ビデオRAM236に格納されていなければ(S3216:Yes)、その転送対象画像の転送指示を設定する(S3217)。これにより、描画処理において画像コントローラ237に対して送信される描画リストに、転送対象画像の転送データ情報が含められることになり、画像コントローラ237は、その描画リストに記載された転送データ情報を基に、転送対象画像の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。尚、転送データ情報には、転送対象画像の画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレスと最終アドレス、転送先の情報(この場合は、通常用ビデオRAM236)、及び転送先(ここで転送される転送対象画像の画像データを格納すべき通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられたサブエリア)の先頭アドレスが含められる。画像コントローラ237は、この転送データ情報に基づいて画像転送処理を実行し、転送処理で指定された画像データをキャラクタROM234から読み出して、指定されたビデオRAM(ここでは、通常用ビデオRAM236)の指定されたアドレスに転送する。そして、転送が完了すると、MPU231に対して、転送終了信号を送信する。
S3217の処理の後、格納画像判別フラグ233jを更新し(S3218)、この通常用転送設定処理を終了する。格納画像判別フラグ233jの更新は、上述したように、転送対象画像となったスプライトに対応する格納状態を「オン」に設定し、また、その一のスプライトと同じ画像格納エリア236aのサブエリアに格納されることになっているその他のスプライトに対応する格納状態を「オフ」に設定することによって行われる。
このように、この通常用画像転送処理を実行することによって、先に実行されたコマンド判定処理の中で連続予告コマンドに対する処理が実行され、その連続予告コマンドで示された連続予告画像に対応する追加データテーブルが追加データテーブルバッファ233eに設定された場合は、その追加データテーブルで用いられる連続予告画像の画像データを遅滞なくキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。また、先に実行されたコマンド判定処理の中で背面画像変更コマンドの受信に基づいて背面画像の変更が行われた場合は、その背面画像で用いられる画像データのうち、常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに格納されていない画像データを、遅滞なく、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に転送させることができる。
また、本実施形態では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて、表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233dに設定されるのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルが転送データテーブルバッファ233fに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルのポインタ233gで示されるエリアに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対する転送対象画像の転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルで用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、転送データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定する。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
次いで、図48を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行されるV割込処理の一処理である上述の描画処理(S2406)の詳細について説明する。図48は、この描画処理を示すフローチャートである。
描画処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別ならびにそれぞれのスプライトの描画に必要なパラメータ(表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報)、及び、転送設定処理(S2405)により設定された転送指示から、図21に示す描画リストを生成する(S3301)。即ち、S3301の処理では、タスク処理(S2404)で決定された1フレームを構成する各種スプライトの種別から、各スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを特定し、その特定された格納RAM種別とアドレスとに対して、タスク処理で決定されたそのスプライトに必要なパラメータを対応付ける。そして、各スプライトを、1フレーム分の画像の中で最も背面側に配置すべきスプライトから前面側に配置すべきスプライト順に並び替えた上で、その並び替え後のスプライト順に、それぞれのスプライトに対する詳細な描画情報(詳細情報)として、スプライトの画像データが格納されている格納RAM種別ならびにアドレスおよびそのスプライトの描画に必要なパラメータを記述することで、描画リストを生成する。また、転送設定処理(S2405)により転送指示が設定された場合は、その描画リストの末尾に、転送データ情報として、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを追記する。
尚、上述したように、スプライト毎に、そのスプライトの画像データが格納される常駐用ビデオRAM235のエリア、又は、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアが固定されているので、MPU231は、スプライト種別に応じて、そのスプライトの画像データが格納されている格納RAM種別とアドレスとを即座に特定し、それらの情報を描画リストの詳細情報に容易に含めることができる。
描画リストを生成すると、その生成した描画リストと、描画対象バッファフラグ233kによって特定される描画対象バッファ情報とを画像コントローラへ送信する(S3302)。ここでは、描画対象バッファフラグ233kが0である場合は、描画対象バッファ情報として第1フレームバッファ236bに描画された画像を展開するよう指示する情報を含め、描画対象バッファフラグ233kが1である場合は、描画対象バッファ情報として第2フレームバッファ236cに描画された画像を展開するよう指示する情報を含める。
画像コントローラ237は、MPU231より受信した描画リストに基づいて、その描画リストの先頭に記述されたスプライトから順に画像を描画し、それを描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファに上書きによって展開する。これにより、描画リストによって生成された1フレーム分の画像において、最初に描画したスプライトが最も背面側に配置させ、最後に描画したスプライトが最も前面側に配置させることができる。
また、描画リストに転送データ情報が含まれている場合は、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出し、その格納元先頭アドレスから格納元最終アドレスまでに格納された画像データを順にキャラクタROM234から読み出してバッファRAM237aに一時的に格納した後、通常用ビデオRAM236が未使用状態にあるときを見計らって、バッファRAM237aに格納した画像データを通常用ビデオRAM236の転送先先頭アドレスによって示されるエリアに順次転送する。そして、この通常用ビデオRAM236に格納された画像データは、その後にMPU231より送信される描画リストに基づいて使用され、描画リストに従った画像の描画が行われる。
尚、画像コントローラ237は、描画対象バッファ情報によって指示されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像の画像情報を読み出して、駆動信号と共にその画像情報を第3図柄表示装置81に送信する。これにより、第3図柄表示装置81に対して、フレームバッファに展開した画像を表示させることができる。また、一方のフレームバッファに描画した画像を展開しながら、一方のフレームバッファから展開した画像を第3図柄表示281に表示させることができ、描画処理と表示処理とを同時並列的に処理することができる。
描画処理は、S3302の処理の後、描画対象バッファフラグ233kを更新する(S3303)。そして、描画処理を終了して、V割込処理に戻る。描画対象バッファフラグ233kの更新は、その値を反転させることにより、即ち、値が「0」であった場合は「1」に、「1」であった場合は「0」に設定することによって行われる。これにより、描画対象バッファは、描画リストが送信される度に、第1フレームバッファ236bと第2フレームバッファ236cとの間で交互に設定される。
ここで、描画リストの送信は、1フレーム分の画像の描画処理および表示処理が完了する20ミリ秒毎に画像コントローラ237から送信されるV割込信号に基づいて、MPU231により実行されるV割込処理(図35参照)の描画処理が実行される度に、行われることになる。これにより、あるタイミングで、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定されて、画像の描画処理および表示処理が実行されると、1フレーム分の画像の描画処理が完了する20ミリ秒後に、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定される。よって、先に第1フレームバッファ236bに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第2フレームバッファ236cに新たな画像が展開される。
そして、更に次の20ミリ秒後には、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファとして第1フレームバッファ236bが指定され、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとして第2フレームバッファ236cが指定される。よって、先に第2フレームバッファ236cに展開された画像の画像情報が読み出されて第3図柄表示装置81に表示させることができると同時に、第1フレームバッファ236bに新たな画像が展開される。以後、1フレーム分の画像を展開するフレームバッファと、1フレーム分の画像情報が読み出されるフレームバッファとを、20ミリ秒毎に、それぞれ第1フレームバッファ236bおよび第2フレームバッファ236cのいずれかを交互に指定することによって、1フレーム分の画像の描画処理を行いながら、1フレーム分の画像の表示処理を20ミリ秒単位で連続的に行わせることができる。
以上、説明したように、本第1実施形態のパチンコ機10によれば、擬似連において、一の変動表示中に行われる擬似変動の各回数に対して、次のような「役割」を与えている。まず、擬似変動は必ず3回以上行われるようになっている。即ち、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることはなく、擬似連が必ず継続する。そして、一の変動表示中に行われる擬似変動が3回行われる場合、即ち、擬似変動回数「3回」の場合には、最終的な変動パターンとしてリーチ(ノーマルリーチ、スーパーリーチ、スペシャルリーチのいずれか)が確定し、また、大当たりとなる確率が高いという「役割」が与えられる。一の変動表示中に行われる擬似変動が4回行われる場合、即ち、擬似変動回数「4回」の場合には、最終的な変動パターンとして少なくともスーパーリーチとなる(即ち、スーパーリーチ又はスペシャルリーチとなる)ことが確定し、また、大当たりとなる確率が擬似変動回数「3回」の場合よりも更に高いという「役割」が与えられる。
また、一の変動表示中に行われる擬似変動が5回行われる場合、即ち、擬似変動回数「5回」の場合には、次の3つの「役割」が与えられる。1つ目は、最終的な変動パターンとしてスペシャルリーチとなり、且つ、大当たりとなることが確定する「役割」である。2つ目は、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する「役割」である。3つ目は、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する「役割」である。つまり、一の変動表示中に擬似変動が5回行われた場合は、5回目の擬似変動において、スペシャルリーチが成立して大当たりが確定するか、リーチが成立せずに完全外れが確定するか、若しくは、外れの擬似停止後に再変動が行われて大当たりが確定するようになっている。
そして、本第1実施形態では、このような役割が与えられた擬似連を実現するために、変動B(変動時間60秒)に対し、このS2104にて選択され得る詳細な変動パターンとして、複数のスーパーリーチのほか、「3回擬似変動+ノーマルリーチ」による擬似連、「3回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連、「3回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連、「5回擬似変動+復活」による擬似連が用意されている。また、変動C(変動時間90秒)に対し、このS2104にて選択され得る詳細な変動パターンとして、複数のスペシャルリーチのほか、「4回擬似変動+スーパーリーチ」による擬似連、「4回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連、「5回擬似変動+スペシャルリーチ」による擬似連が用意されている。更に、変動F(変動時間55秒)に対し、このS2104にて選択される詳細な変動パターンとして、「5回擬似変動+外れ」の擬似連が用意されている。
そして、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度が上がるように、詳細変動パターン決定テーブル222aが設定されている。これにより、この詳細変動パターン決定テーブル222aを用い、詳細変動パターン決定カウンタ223bの値と、S2103の処理より取得した変動パターン種別および停止種別と、に基づいて、詳細な変動パターンを決定することにより、図8に示した役割を持った擬似連を実現できると共に、擬似変動回数が増えるにつれて、リーチ成立時に大当たりとなる期待度を上げることができる。
よって、本第1実施形態では、このような擬似連が発生することによって、次のような効果を奏する。即ち、擬似連による変動表示が行われる場合、その一の変動表示中に行われる擬似変動の数が多いほど、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高くなるので、従来の擬似連と同様に、一の変動表示中に擬似変動が繰り返し行われれば行われる程、遊技者は大当たりとなる可能性が高まっていく感覚を覚えることができ、遊技者に対し遊技への興趣を高めることができる。
一方で、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成されている。これにより、抽選によって外れとなった場合であっても、主制御装置110では、変動パターンとして長時間の変動パターン(本実施形態では、変動時間が55秒の変動F)を選択し、音声ランプ制御装置113及び表示制御装置114では、その長時間(55秒)の変動時間の間に、擬似変動を5回行って最終的に完全外れとするパターンの変動表示を行うことができる。そして、擬似変動回数5回は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高い擬似連でもある。つまり、外れ時に変動時間の長い変動パターン(変動F)が選択された場合は、リーチが成立した場合に大当たりとなる期待度が最も高い擬似変動回数(5回)を経た後に完全外れとなるので、遊技者は、擬似連で完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程の間で、リーチが成立し大当たりとなる期待感を高め続けることができる。よって、擬似連による外れが繰り返されても、遊技者は、その大当たりとなる期待感を持つことによって、楽しく遊技を継続できる。
また、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成することで、擬似変動が繰り返し行われる分だけ、その変動表示における変動時間を長時間化することができる、とも言える。つまり、従来の擬似連では、擬似変動回数が多くなる程、外れとなる確率を低下させていたので、外れの場合に擬似連を発生させる場合、そのほとんどは擬似変動回数を2〜3回とする必要があった。よって、その変動時間も30秒程度であった。これに対し、本実施形態では、擬似連において擬似変動が繰り返される最大回数である5回の擬似変動を経た後であっても、外れとなる場合が生じるように構成しているので、その変動時間を55秒程度と長時間化できる。しかも、上述した通り、擬似変動回数が5回の場合は、リーチが成立したときに大当たりとなる期待度が最も高くなるように構成されているので、遊技者は、5回の擬似変動を経て完全外れとなっても、その外れに至る過程で、擬似変動が繰り返されることによってリーチが成立し大当たりとなる期待感を高めていくことができ、外れに近づいていくことが苦にならない。よって、5回の擬似変動を経て外れとなる擬似連による変動表示を多発させることができ、遊技者に、始動入賞の少なさをあまり気にさせることなく、遊技を楽しませることを目的として、1回の平均変動時間を長くすることができる。つまり、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるのである。
特に、本実施形態では、5回の擬似変動を経てリーチが成立した場合に行われるリーチの種別を、スペシャルリーチといった特定種類のリーチに限定している。よって、5回目の擬似変動が開始された場合、遊技者は、その5回目の擬似変動で、その特定種類のリーチ(スペシャルリーチ)が成立することへの期待感も持ちながら、遊技を行うことができる。しかも、その特定種類のリーチが、最も大当たりとなる期待度の高いスペシャルリーチであるので、そのスペシャルリーチが成立することへの期待感が、遊技者の気持ちを更に高ぶらせることになる。よって、たとえ、その5回目の擬似変動の結果として、完全外れとなった場合であっても、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣をより高めながら、遊技者に遊技を行わせることができる。
また、本実施形態では、リーチ成立時に最も期待度の高い擬似変動回数(5回)の前で擬似変動が終了する場合(擬似変動回数が3回又は4回の場合)は、少なくともリーチが成立し且つ所定の確率で大当たりとなるように構成されている。これにより、擬似変動回数が3回又は4回の場合は、外れとなる場合であっても、必ずリーチとなるので、遊技者は、その変動表示において確定表示がなされるまで、大当たりとなる期待感を持ち続けることができる。よって、遊技者の興趣を最後まで持たせることができる。また、リーチが成立せずに外れ(完全外れ)となる場合は、擬似変動回数が5回の場合のみとなるので、擬似変動回数が3回又は4回で擬似変動が終了した場合であっても、所定の確率で大当たりとなる期待感を遊技者に持たせることができ、擬似変動の回数が少ないからといって、擬似連に対知る興趣が低下することを抑制できる。また、擬似連において完全外れとなる場合は、必ず擬似変動回数は5回となる。よって、擬似連において完全外れとなる場合であっても、その外れに至る過程で、常に、遊技者に対し、リーチが成立し大当たりとなる期待感を最大にまで高めることができる。従って、擬似連によって完全外れとなっても、遊技者を十分に楽しませることができる。
また、本実施形態では、擬似変動回数が5回に与えられた「役割」に、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する「役割」だけでなく、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する「役割」をも含めているので、5回の擬似変動が行われた後、完全外れの図柄が表示されても、その後、再変動が行われて大当たりが確定するかもしれない、という期待感を、確定表示がなされるまで、遊技者に持たせ続けることができる。つまり、擬似連において完全外れとなる場合であっても、完全外れの図柄が確定表示されるまでは、大当たりへの期待感を遊技者に与え続けることができるので、擬似連による演出を遊技者に最後まで楽しませることができる。
更に、本実施形態の擬似連では、上述した通り、1回目および2回目の擬似変動で変動が終了したり、リーチが成立したりすることがないように構成されている。これにより、擬似連では、擬似変動が必ず3回以上行われるので、1回の平均変動時間を長時間化することができる。また、従来のように、擬似連が2回目の擬似変動で終了し、外れとなるようなことを抑制または回避できるので、擬似連が単なる時間稼ぎの演出であるといった印象を遊技者に対して与えることを抑制できる。更に、擬似連において繰り返し行われる擬似変動の中にストーリー性を持たせた演出を行う場合、擬似変動が継続される1回目及び2回目の擬似変動の中で、そのストーリーを分からせるような演出を表示させることによって、より遊技者に分かりやすい演出を実行できる。
次いで、図49〜図57を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、表示制御装置114が、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて決定した第3図柄表示装置81における演出の演出態様を決定すると、その決定された演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定すると共に、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルを転送データテーブルバッファ233fに設定し、更に、音声ランプ制御装置113からの別のコマンド等に応じて追加して表示すべき演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定した上で、その表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブルと、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブルと、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブルとに従って、第3図柄表示装置81に表示すべき画像の描画と、その描画に用いられる画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送とを制御する場合について説明した。
これに対し、第2実施形態におけるパチンコ機10では、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて決定した第3図柄表示装置81における演出の演出態様に対応する表示データテーブルと、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルと、更に、音声ランプ制御装置113からの別のコマンド等に応じて追加して表示すべき演出に対応する追加データテーブルとを合成した1つの合成データテーブルを生成して合成データテーブルバッファ251dに設定し、その合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルに従って、第3図柄表示装置81に表示すべき画像の描画と、その描画に用いられる画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送とを制御する。
この第2実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114において、ワークRAM233に代えてワークRAM251が設けられている点である。また、表示制御装置114のMPU231によって実行されるV割込処理(図35(a)参照)のうち、コマンド判定処理(S2402)の一処理であるデモコマンド処理(S2509)、変動パターンコマンド処理(S2511)及び連続予告コマンド処理(S2515)と、表示設定処理(S2403)及びその表示設定処理の一処理である比較処理(S2710)と、転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3003)とにそれぞれ含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図49を参照して、第2実施形態におけるパチンコ機10の表示制御装置114の電気的構成について説明する。図49は、第2実施形態における表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。上述したように、本実施形態における表示制御装置114は、図49にも示すように、第1実施形態における表示制御装置114におけるワークRAM233に代えてワークRAM251が設けられている。その他の構成については、第1実施形態における表示制御装置114と同一であるため、その説明を省略する。
ワークRAM251は、第1実施形態におけるワークRAM233と同様に、DRAMによって構成されている。そして、ワークRAM251には、プログラム格納エリア251a、データテーブル格納エリア251b、簡易画像表示フラグ251c、合成データテーブルバッファ251d、ポインタ251g、描画リストエリア251h、計時カウンタ251i、格納画像判別フラグ251j、描画対象バッファフラグ251kが少なくとも設けられている。このうち、プログラム格納エリア251a、データテーブル格納エリア251b、簡易画像表示フラグ251c、ポインタ251g、描画リストエリア251h、計時カウンタ251i、格納画像判別フラグ251j、描画対象バッファフラグ251kは、それぞれ、第1実施形態におけるプログラム格納エリア233a、データテーブル格納エリア233b、簡易画像表示フラグ233c、ポインタ233g、描画リストエリア233h、計時カウンタ233i、格納画像判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kと同様の構成および機能を有するものである。
例えば、データテーブル格納エリア251bは、第1実施形態におけるデータテーブル格納エリア233bと同様に、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に基づき表示させる一の演出に対し、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容を記載した表示データテーブル(図18参照)と、その音声ランプ制御装置113からのコマンドに基づく一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対し、時間経過に伴い表示すべき表示内容を記載した追加データテーブル(図19参照)と、表示データテーブルにより表示される一の演出において使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM187から通常用ビデオRAM236へ転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングを規定した転送データテーブル(図20参照)とが格納される領域である。その他についても、第1実施形態と同様であるので、ここではこれらの説明を省略する。
合成データテーブルバッファ251dは、主制御装置110からのコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対応する合成データテーブルを格納するためのバッファである。合成データテーブルは、第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対応する表示データテーブルと、その演出に追加して第3図柄表示装置81に表示させる演出に対応する追加データテーブルと、表示データテーブルに対応する転送データテーブルとを合成することによって生成されるものである。
ここで、図50を参照して、合成データテーブルの詳細について説明する。図50は、合成データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。合成データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)と、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ(以下、「転送対象画像データ」と称する)の転送データ情報とが合わせて規定される。
具体的には、図50に示すように、合成データテーブルには、各アドレス毎に表示データテーブル領域と、追加データテーブル領域と、転送データテーブル領域とが設けられている。それぞれのアドレスの表示データテーブル領域には、第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対応する表示データテーブルにおいて、合成データテーブルに規定されたアドレスと同じアドレスに対応付けられている、そのアドレスで示される時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)がそのまま転記される。例えば、合成データテーブルのアドレス「0001H」の表示データテーブル領域には、第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対応する表示データテーブルのアドレス「0001H」に対応付けられている、そのアドレス「0001H」で示される時間に表示すべき描画内容がそのまま転記される。
合成データテーブルのそれぞれのアドレスの追加データテーブル領域には、表示データテーブル領域に描画内容を転記する表示データテーブルに対応した演出に対して追加される演出に対応する追加データテーブルにおいて、合成データテーブルに規定されたアドレスと同じアドレスに対応付けられている、そのアドレスで示される時間に追加して表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)がそのまま転記される。
例えば、合成データテーブルのアドレス「0097H」の追加データテーブル領域には、追加される演出に対応する追加データテーブルのアドレス「0097H」に対応付けられている、そのアドレス「0097H」で示される時間に追加すべき描画内容がそのまま転記される。また、合成データテーブル領域に転記される合成データテーブルのアドレス「0001H」において、Nullデータが規定されている場合は、合成データテーブルのアドレス「0001H」の転送データテーブル領域にも、Nullデータがそのまま転記される。
なお、表示データテーブル領域に描画内容を転記する表示データテーブルに対応した演出に対して追加される演出が決定されていない場合は、合成データテーブルの全てのアドレスの合成データテーブル領域に追加すべき表示物が存在しないことを意味するが存在しないことを意味するNullデータが記載される。
合成データテーブルのそれぞれのアドレスの転送データテーブル領域には、表示データテーブル領域に描画内容を転記する表示データテーブルに対応した転送データテーブルにおいて、合成データテーブルに規定されたアドレスと同じアドレスに対応付けられている、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報がそのまま転記される。なお、転送データテーブルの一のアドレスにおいて、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定されている場合は、合成データテーブルのその一のアドレスの転送データテーブル領域にもNullデータがそのまま転記される。
例えば、合成データテーブルのアドレス「0001H」の転送データテーブル領域には、表示データテーブル領域に転記される表示データテーブルに対応した転送データテーブルのアドレス「0001H」に対応付けられている、そのアドレス「0001H」で示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報がそのまま転記される。また、表示データテーブル領域に転記される表示データテーブルに対応した転送データテーブルのアドレス「0097H」において、Nullデータが規定されている場合は、合成データテーブルのアドレス「0097H」の転送データテーブル領域にも、Nullデータがそのまま転記される。
なお、表示データテーブル領域に描画内容を転記する表示データテーブルに対応した転送データテーブルが用意されていない場合は、その表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されており、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送が不要であることを意味するので、合成データテーブルの全てのアドレスの転送データテーブル領域に転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが記載される。
MPU231は、主制御装置110から受信したコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(表示用変動パターンコマンド)等に応じて、第3図柄表示装置81に実行させる演出の演出態様を決定すると、その演出態様に対応する表示データテーブルと、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルとをデータテーブル格納エリア251bから抽出する。そして、抽出された表示データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を、合成データテーブルの同じアドレスの表示データテーブル領域に転記すると共に、抽出された転送データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報を、合成データテーブルの同じアドレスの転送データテーブル領域に転記することによって、表示データテーブルと転送データテーブルとを合成した合成データテーブルを生成する。そして、生成された合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する。
なお、この時点では、追加して第3図柄表示装置81に表示される演出は決定されていないため、この合成データテーブルを生成する際には、全てのアドレスの追加データテーブル領域にNullデータを書き込んでおく。また、合成データテーブルの表示データテーブル領域に描画内容を転記する表示データテーブルに対応した転送データテーブルが用意されていない場合は、上述したように、合成データテーブルの全てのアドレスの転送データテーブル領域に転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータを書き込むことによって、合成データテーブルの生成が行われる。
そして、MPU231は、第3図柄表示装置81に実行させる演出の演出態様が決定されたコマンドとは別のコマンドであって、音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(本実施形態においては、連続予告コマンド)に応じて、第3図柄表示装置81に実行される演出に対して追加すべき演出を決定すると、その追加すべき演出に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア251bから抽出し、抽出された追加データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に追加して表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの同じアドレスの追加データテーブル領域に上書きによって転記する。これにより、先に表示データテーブルと転送データテーブルとによって生成された合成データテーブルの追加データテーブル領域に、追加すべき演出の描画内容が追記される。
また、MPU231は、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定すると、ポインタ251gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度にポインタ251gを1加算した後、合成データテーブルバッファ251dに格納された合成データテーブルから、ポインタ251gが示すアドレスの表示データテーブル領域および追加データテーブル領域に規定された描画内容に基づき次に描画すべき画像内容を特定すると共に、そのアドレスの転送データテーブル領域に規定された、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を特定して、描画リスト(図21参照)を作成する。MPU231は、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、その画像の描画指示を行うと共に、画像データの転送指示を行う。また、ポインタ251gによって示されるアドレスの転送データテーブル領域にNullデータが規定されている場合は、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、描画リストに転送データ情報を含めずに、その描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
これにより、ポインタ251gの更新に従って、表示データテーブルや追加データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルや追加データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。また、ポインタ251gの更新に従って、所定のスプライトの画像データが所定の時間にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に設けられた画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理が実行される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンドや連続予告コマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、合成データテーブルの生成に用いる表示データテーブルや追加データテーブルを適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、表示制御装置114に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、合成データテーブルの生成に用いる表示データテーブルや追加データテーブルを適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルから合成データテーブルを生成して、その生成された合成データテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルから合成データテーブルを生成してこれを合成データテーブルバッファ251dに設定し、その設定された合成データテーブルに従って1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
また、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様に追加して、他の演出を表示させる場合に、その追加して表示させる他の演出に対応する追加データデーブルに規定された描画内容を、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの追加データテーブルバッファ領域に追記するので、容易にその演出をベースの演出態様に追加して表示させることができる。これにより、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に他の演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32+5=37種類の表示および追加データテーブルを用意すればよく、データテーブル格納エリア251bの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア251bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、本パチンコ機10のように、追加して表示させる他の演出を追加データテーブルとして規定しておき、追加して表示させる他の演出の表示を決定した場合は、元の演出態様に対応する表示データテーブルと転送データテーブルとによって生成された合成データテーブルに対してその他の演出に対応する追加データテーブルに規定された描画内容を追記するので、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルを一から生成し直すことがない。よって、その追加して表示させる他の演出画像を元の演出画像に容易に追加して表示させることができる。
また、転送データテーブルでは、第1実施形態において上述したように、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、合成データテーブルの転送データテーブル領域に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、合成データテーブルの表示データテーブル領域に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、合成データテーブルの転送データテーブル領域の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、表示データテーブルをデータテーブル格納エリア251bから抽出するのに合わせて、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルをデータテーブル格納エリア251bから抽出し、この抽出された表示データテーブルと転送データテーブルとを合成した合成データテーブルを生成するので、転送対象画像データの転送タイミングを容易に把握して制御することができる。よって、その合成データテーブルの表示データテーブル領域に従って行われる画像の描画に用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定するので、合成データテーブルの転送データテーブル領域においても、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報が規定される。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、追加データテーブルおよび転送データテーブルは、表示データテーブルと同様のデータ構造を有し、追加データテーブルにおいては、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に追加して表示すべき画像の描画内容が規定され、また、転送データテーブルにおいては、表示データテーブルにおいて規定されるアドレスに対応させて、転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されているので、容易に合成データテーブルを生成することができる。
また、合成データテーブルの各アドレス毎に、表示データテーブル領域と追加データテーブル領域と転送データテーブル領域とが設けられ、各アドレスの表示データテーブル領域および追加データテーブル領域によって、そのアドレスで示される時間に表示すべき描画内容が規定されると共に、各アドレスの転送データテーブル領域によって、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されるので、表示データテーブル領域に基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを転送データテーブル領域に基づいて特定し指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、1つの合成データテーブルから元々決定されていた演出態様の描画内容と、後から追加された演出の描画内容と、転送対象画像データの転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
次いで、図51〜図57を参照して、第2実施形態における表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理について説明する。まず、図51は、表示制御装置114のMPU231で実行されるデモコマンド処理(S2509)を示すフローチャートである。デモコマンド処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、音声ランプ制御装置113よりデモコマンドを受信した場合に、そのデモコマンドに対応する処理を実行する。
この第2実施形態におけるデモコマンド処理では、まず、デモ用表示データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、合成データテーブルの全てのアドレスの追加データテーブル領域および転送データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成する(S3621)。そして、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3622)。
その後は、第1実施形態におけるデモコマンド処理のS2623〜S2625と同一の処理が実行される。即ち、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ251iに設定し(S2623)、ポインタ251gを0に初期化する(S2624)。そして、第3図柄表示装置81にオン状態でデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグをオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定表示フラグをオフに設定し、更にオン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2625)、デモコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2624の処理によって初期化されたポインタ251gを更新しながら、S3622の処理によって合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルから、ポインタ251gに示されるアドレスの表示データテーブル領域に規定された描画内容を抽出することで、第3図柄表示装置81においてデモ演出を表示する。なお、追加データテーブル領域および転送データテーブル領域にはNullデータが書き込まれるので、デモ演出に対して別の演出が追加されて表示されることはなく、また、デモ演出に用いられる画像データがキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送されることはない。デモ演出については、常駐用ビデオRAM235に常駐されている画像データを用いて描画が行われる。
次いで、図52を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される変動パターンコマンド処理について説明する(S2511)。図52は、その変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、主制御装置110からの変動パターンコマンドの基づき音声ランプ制御装置113より送信される表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、その表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行する。
第2実施形態における変動パターンコマンド処理では、まず、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブルと、その変動用表示パターンデータテーブルに対応する転送データテーブルとを決定する(S3631)。この処理では、第1実施形態における変動パターンコマンド処理のS2631の処理と同様に、ノイズ等の影響によってコマンドの一部が変化し、別のコマンドが誤って表示用変動パターンコマンドとして解釈されるような場合に備え、2以上の表示用変動パターンコマンドがコマンドバッファ領域に格納されていると判断される場合は、変動時間が最も短い変動パターンに対応する変動用表示データテーブルを決定する。これにより、実際には、設定した表示データテーブルよりも長い変動時間を有する変動演出が主制御装置110によって指示されていた場合であっても、合成データテーブルバッファ251dに従った変動演出が終了したのち、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、再始動演出が表示されるように、表示設定処理によって、第3図柄表示装置81の表示が制御されるので、遊技者は再始動演出を変動演出の一環として視認し、第3図柄の停止表示が確定するまで違和感なく第3図柄表示装置81における第3図柄の変動を見続けることができる。
次いで、決定した変動表表示データテーブの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、決定した転送データテーブルの各アドレスに規定されている転送データ情報をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた転送データテーブル領域に転記し、更に、合成データテーブルの全てのアドレスの追加データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成する(S3632)。そして、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3633)。
その後は、第1実施形態における変動パターンコマンド処理のS2634〜S2638と同一の処理が実行される。即ち、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S3631の処理によって決定された変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2634)。表示設定処理では、S2634の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの生成に用いられた変動用表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
そして、表示設定処理では、合成データテーブルの生成に用いられた変動用表示データテーブルの変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを用いて合成データテーブルを生成し合成データテーブルバッファ251dに設定する。
次いで、S3633の処理によって合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの生成に用いられた変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ251iに設定し(S2635)、ポインタ251gを0に初期化する(S2636)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2637)、更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2638)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2636の処理によって初期化されたポインタ251gを更新しながら、S3633の処理によって合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルから、ポインタ251gに示されるアドレスの表示データテーブル領域に規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、ポインタ251gに示されるアドレスに規定された転送データテーブル領域の転送データ情報を抽出し、表示データテーブル領域において規定された画像の描画に必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。なお、追加データテーブル領域にはNullデータが書き込まれるので、変動演出に対して別の演出(連続予告演出)が追加されるまでは、その別の演出が表示されない。
また、表示設定処理では、S2635の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ251iを用いて、合成データテーブルで規定された変動演出の時間を計時するので、合成データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御することができる。
次いで、図53を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される連続予告コマンド処理について説明する(S2515)。図53は、その連続予告コマンド処理を示すフローチャートである。連続予告コマンド処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、音声ランプ制御装置113より送信される連続予告コマンドを受信した場合に、その連続予告コマンドに対応する処理を実行する。
連続予告コマンド処理において、S2651及びS2653の処理は、第1実施形態における連続予告コマンド処理のS2651及びS2653の処理と同一の処理が行われる。よって、これらの処理についての詳細な説明は省略するが、第2実施形態における連続予告コマンド処理では、まず、オン状態で連続予告コマンドを処理したことを転送設定処理(S2405)に通知する新規連続予告コマンドフラグをオンに設定すると(S2651)、次いで、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別(「泡」、「タマゴ」、「ヒヨコ」、「ニワトリ」および「ニワトリ群」のいずれか)に対応した連続予告用追加データテーブルを決定して、その決定した連続予告用追加データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから読み出し、その読み出した連続予告用追加データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの同じアドレスに設けられた追加データテーブル領域に追記する(S3652)。
これにより、表示設定処理では、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの各アドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記された表示データテーブルに対応する演出に対し、S3652の処理によって、その合成データテーブルの各アドレスに設けられた追加データテーブル領域に追記された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告演出が追加して表示されるように、第3図柄表示装置81における次の1フレーム分の画像の表示内容を特定する。
その後、連続予告画像種別毎に設けられた連続予告判別フラグのうち、連続予告コマンドに含まれる連続予告画像種別に対応する連続予告判定フラグをオンすると共に、その他の連続予告画像種別に対応する連続予告判別フラグをオフに設定して(S2653)、この連続予告コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
転送設定処理では、S2651の処理により設定される新規連続予告コマンドフラグがオンされていることを検出すると、連続予告コマンド処理によって合成データテーブルバッファ251dに所定の連続予告用追加データテーブルが追記されたと判断し、S2653の処理によって設定される連続予告判別フラグから、合成データテーブルバッファ251dに追記された連続予告用追加データテーブルに対応する連続予告種別を特定する。そして、その特定された連続予告種別を表示させるのに必要な画像データの転送指示を画像コントローラ237に対して行う。
次いで、図54及び図55を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される表示設定処理(S2403)について説明する。図54及び図55は、その表示設定処理を示すフローチャートである。表示設定処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、コマンド判定処理(S2402)などによって合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定するものである。また、表示設定処理では、ポインタ251gの更新処理も行う。
第2実施形態における表示設定処理では、第1実施形態における表示設定処理のS2712,S2716,S2724,S2731の処理に代えて、S3712,S3716,S3724,S3731の処理を実行する。一方、第2実施形態における表示設定処理のその他のステップの処理は、第1実施形態における表示設定処理の同一符号が付されたステップの処理と同一であるので、ここではその詳細な説明を省略する。以下、第2実施形態における表示設定処理に特有のステップであるS3712,S3716,S3724,S3731の処理を中心に説明する。
この表示設定処理では、S2711の処理によってポインタ更新処理が実行され、ポインタ251gの更新が行われると、次いで、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ251gで示されるアドレスの表示データテーブル領域および追加データテーブル領域に規定された描画内容を展開し(S3712)。タスク処理では、先にS2704の処理によって展開された保留画像やS2706の処理によって展開された警告画像などと共に、S3712の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。尚、追加データテーブル領域において、Nullデータが記載されている場合は、追加すべきスプライトが存在しないものとして以後の処理を実行する。
続くS2713の処理では、第1実施形態と同様に、計時カウンタgの値を1だけ減算し、減算後の計時カウンタ251iの値が0以下であるか否かを判別して(S2714)、計時カウンタ251iの値が0以下である場合は(S2714:Yes)、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの生成に用いられた表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、合成データテーブルの生成に変動用表示データテーブルが用いられている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2715の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2715)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2715:Yes)、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、まず、確定表示データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、合成データテーブルの全てのアドレスの合成データテーブル領域および転送データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成し、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3716)。そして、S2717の処理へ移行する。
これにより、合成データテーブルバッファ251dに変動用表示データテーブルから生成された合成データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、合成データテーブルの表示データテーブル領域に転記される表示データテーブルを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。
また、S2715の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2715:No)、図55に示すS2722の処理へ移行し、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2722)。そして、確定表示フラグがオンであれば(S2722:Yes)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、確定表示演出が終了したことを意味するので、確定表示フラグをオフに設定した後(S2723)、デモ用表示データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、合成データテーブルの全てのアドレスの追加データテーブル領域および転送データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成し、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3724)。そして、S2725の処理へ移行する。
これにより、確定表示演出が終了するまでに、次の変動演出開始を示す表示用変動パターンコマンドや、デモ演出の開始を示す表示用デモ演出コマンドを受信しなかった場合には、自動的に、第3図柄表示装置81にデモ演出が表示されるように、その描画内容を設定することができる。
また、S2722の処理において、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2722:No)、次いで、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2728)。その結果、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2728:No)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルに基づいて生成された合成データテーブルが合成データテーブルバッファ251dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2729)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2730)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2730:Yes)、再始動表示データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、合成データテーブルの全てのアドレスの追加データテーブル領域および転送データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成し、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3731)。そして、S2732の処理へ移行する。
これにより、表示制御装置では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。
次いで、図56を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される比較処理(S2710)について説明する。図56は、その比較処理を示すフローチャートである。この処理は、上述した表示設定処理(図54及び図56)の中で、比較フラグがオンであると判別された場合に(S2709:Yes)実行される処理で、表示用変動パターンコマンドに基づき、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルを生成するために用いられた変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合に、変動演出を、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させる特殊変動演出に変更するための処理である。
第1実施形態において上述したように、変動用表示データテーブルは、変動パターン毎に用意されているもので、各変動パターンには、外れ用、15R確定大当たり・時短大当たり共用、15R確変大当たり用、2R確変大当たり用・・・などがある。そこで、例えば、変動用表示データテーブルが外れ用の変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、停止図柄が大当たり図柄に設定された場合、比較処理では、これらが矛盾していると判断する。
第2実施形態における比較処理では、第1実施形態における表示設定処理のS2784の処理に代えて、S3784の処理を実行する。一方、第2実施形態における表示設定処理のその他のステップの処理は、第1実施形態における表示設定処理の同一符号が付されたステップの処理と同一であるので、ここでは、その詳細な説明を省略する。以下、第2実施形態における表示設定処理に特有のステップであるS3784の処理を中心に説明する。
この比較処理では、S2781の処理によって特定された変動用表示データテーブルの種別と、S2782の処理によって特定された停止図柄とがマッチするか否かを判別し(S2783)、マッチしないと判断される場合は(S2783:No)、特殊変動用表示データテーブルの各アドレスに規定されている描画内容をそれぞれ合成データテーブルの同じアドレスに設けられた表示データテーブル領域に転記すると共に、合成データテーブルの全てのアドレスの追加データテーブル領域および転送データテーブル領域にNullデータを書き込むことで、合成データテーブルを生成し、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する(S3784)。そして、S2785の処理へ移行する。
これにより、表示用変動パターンコマンドに基づき、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの生成に用いられた変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルから合成データテーブルが生成されて合成データテーブルバッファ251dに設定されるので、第3図柄表示装置81には、第3図柄が高速に変動し続ける特殊変動演出が表示される。そして、停止時柄としては、S2785の処理によって特殊停止図柄が設定されるので、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合に、その特殊停止図柄を第3図柄表示281上に確定表示させることができる。
ここで、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
次いで、図57を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される通常画像転送設定処理(S3003)について説明する。図57は、その通常画像転送設定処理を示すフローチャートである。通常画像転送設定処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理である転送設定処理(S2405)の中で実行される処理であり、簡易画像表示フラグ251cがオフである間、合成データテーブルバッファ251dに設定される合成データテーブルの転送データテーブル領域に記載された転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。
この通常画像転送設定処理では、まず、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403、図54参照)によって更新されたポインタ251gで示されるアドレスに設けられている転送データテーブル領域に記載された情報を取得し(S4201)、S3202の処理へ移行する。そして、S3202〜S3218の処理では、第1実施形態における通常画像転送設定処理のS3202〜S3218の処理と同一の処理が行われる。よって、これらの処理についての詳細な説明は省略する。
上述したように、表示制御装置114では、表示データテーブルと追加データテーブルと転送データテーブルとから図50に示すような合成データテーブルが生成されて、合成データテーブルバッファ251dに設定される。そして、MPU231は、通常画像転送設定処理を実行することにより、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルのポインタ251gで示されるアドレスに設けられた転送データテーブル領域に記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対する転送対象画像の転送指示を設定するので、合成データテーブルバッファ251dの表示データテーブル領域で指定されるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、第1実施形態と同様に、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、転送データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、合成データテーブルの転送データテーブル領域に規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、合成データテーブルの表示データテーブル領域に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、合成データテーブルの転送データテーブル領域の記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、転送データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定するので、合成データテーブルの転送データテーブル領域においても、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報が規定される。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
以上、説明したように、本第2実施形態のパチンコ機10によれば、主制御装置110から受信したコマンド等に基づき音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(表示用変動パターンコマンド)等に応じて、第3図柄表示装置81に実行させる演出の演出態様を決定すると、その演出態様に対応する表示データテーブルと、その表示データテーブルに対応する転送データテーブルとをデータテーブル格納エリア251bから抽出する。そして、抽出された表示データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を、合成データテーブルの同じアドレスの表示データテーブル領域に転記すると共に、抽出された転送データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報を、合成データテーブルの同じアドレスの転送データテーブル領域に転記することによって、表示データテーブルと転送データテーブルとを合成した合成データテーブルを生成する。そして、生成された合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定する。
また、音声ランプ制御装置113から送信される別のコマンド(例えば、連続予告コマンド)に応じて、第3図柄表示装置81に実行される演出に対して追加すべき演出を決定すると、その追加すべき演出に対応する追加データテーブルをデータテーブル格納エリア251bから抽出し、抽出された追加データテーブルにおいて各アドレス毎に規定された、そのアドレスで示される時間に追加して表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を、合成データテーブルバッファ251dに設定されている合成データテーブルの同じアドレスの追加データテーブル領域に上書きによって転記する。これにより、先に表示データテーブルと転送データテーブルとによって生成された合成データテーブルの追加データテーブル領域に、追加すべき演出の描画内容が追記される。
一方、生成した合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定すると、ポインタ251gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度に451gを1加算した後、合成データテーブルバッファ251dに格納された合成データテーブルから、ポインタ251gが示すアドレスの表示データテーブル領域および追加データテーブル領域に規定された描画内容に基づき次に描画すべき画像内容を特定すると共に、そのアドレスの転送データテーブル領域に規定された、その時点において転送を開始すべき所定のスプライトの画像データの転送データ情報を特定して、描画リスト(図21参照)を作成する。そして、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、その画像の描画指示を行うと共に、画像データの転送指示を行う。
これにより、ポインタ251gの更新に従って、表示データテーブルや追加データテーブルで規定された順に描画内容が特定されるので、その表示データテーブルや追加データテーブルで規定された通りの画像が第3図柄表示装置81に表示される。また、ポインタ251gの更新に従って、所定のスプライトの画像データが所定の時間にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236に設けられた画像格納エリア236aの所定のサブエリアに転送する処理が実行される。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113から送信されるコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンドや連続予告コマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、合成データテーブルの生成に用いる表示データテーブルや追加データテーブルを適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のスロットマシンのように、表示制御装置114に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、合成データテーブルの生成に用いる表示データテーブルや追加データテーブルを適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルから合成データテーブルを生成して、その生成された合成データテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルから合成データテーブルを生成してこれを合成データテーブルバッファ251dに設定し、その設定された合成データテーブルに従って1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
また、合成データテーブルの各アドレス毎に、表示データテーブル領域と追加データテーブル領域と転送データテーブル領域とが設けられ、各アドレスの表示データテーブル領域および追加データテーブル領域によって、そのアドレスで示される時間に表示すべき描画内容が規定されると共に、各アドレスの転送データテーブル領域によって、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されるので、表示データテーブル領域に基づいて所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを転送データテーブル領域に基づいて特定し指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、1つの合成データテーブルから元々決定されていた演出態様の描画内容と、後から追加された演出の描画内容と、転送対象画像データの転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
その他、第2実施形態におけるパチンコ機10は、第1実施形態におけるパチンコ機10と同一の構成部分に基づいて、第1実施形態におけるパチンコ機10と同様の作用効果を奏することができる。
次いで、図58〜図66を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10について説明する。上述の第1実施形態におけるパチンコ機10では、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容(描画内容)を記載した表示データテーブルを、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づき第3図柄表示装置81に表示される演出の演出態様毎に用意すると共に、その表示データテーブルで表示される演出態様に対して追加すべき表示内容(描画内容)を記載した追加データテーブルを、その追加され得る演出の演出態様毎に用意し、更に、表示データテーブル毎に、その表示データテーブルによる表示(描画)に使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM187から通常用ビデオRAM190へ転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングを規定した転送データテーブルを用意する場合について説明した。
これに対し、第3実施形態におけるパチンコ機10では、第3図柄表示装置81に表示される演出の演出態様毎に用意される表示データテーブルにおいて、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容(描画内容)だけでなく、その演出態様に対して追加して表示され得る演出毎に、その追加すべき表示内容(描画内容)を規定すると共に、その表示(描画)に使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングを規定する。
そして、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信したコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じて決定した第3図柄表示装置81における演出の演出態様を決定すると、この決定された演出態様に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定することで、その表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに従って、第3図柄表示装置81に表示すべき画像の描画と、その描画に用いられる画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送とを制御する。また、所定の条件に応じて第3図柄表示装置81に追加して表示する演出を決定すると、その決定した演出に対応して第3図柄表示装置81に追加表示すべき画像の描画も制御する。
この第3実施形態におけるパチンコ機10が第1実施形態におけるパチンコ機10と構成上において相違する点は、表示制御装置114において、ワークRAM233に代えてワークRAM452が設けられている点である。また、表示制御装置114のMPU231によって実行されるV割込処理(図35(a)参照)のうち、コマンド判定処理(S2402)の一処理であるデモコマンド処理(S2509)、変動パターンコマンド処理(S2511)及び連続予告コマンド処理(S2515)と、表示設定処理(S2403)及びその表示設定処理の一処理である比較処理(S2710)と、転送設定処理(S2405)の一処理である通常画像転送設定処理(S3003)とにそれぞれ含まれる一部処理が、第1実施形態におけるパチンコ機10と相違する。その他の構成や、主制御装置110のMPU201によって実行される各種処理、払出制御装置111のMPU211によって実行される各種処理、音声ランプ制御装置113のMPU221によって実行される各種処理、及び表示制御装置114のMPU231によって実行されるその他の処理については第1実施形態におけるパチンコ機10と同一である。以下、第1実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、その図示と説明を省略する。
まず、図58を参照して、第3実施形態におけるパチンコ機10の表示制御装置114の電気的構成について説明する。図58は、第3実施形態における表示制御装置114の電気的構成を示すブロック図である。上述したように、本実施形態における表示制御装置114は、図58にも示すように、第1実施形態における表示制御装置114におけるワークRAM233に代えてワークRAM452が設けられている。その他の構成については、第1実施形態における表示制御装置114と同一であるため、その説明を省略する。
ワークRAM452は、第1実施形態におけるワークRAM233と同様に、DRAMによって構成されている。そして、ワークRAM452には、プログラム格納エリア452a、データテーブル格納エリア452b、簡易画像表示フラグ452c、表示データテーブルバッファ452d、ポインタ452g、描画リストエリア452h、計時カウンタ452i、格納画像判別フラグ452j、描画対象バッファフラグ452kが少なくとも設けられている。このうち、プログラム格納エリア452a、簡易画像表示フラグ452c、ポインタ452g、描画リストエリア452h、計時カウンタ452i、格納画像判別フラグ452j、描画対象バッファフラグ452kは、それぞれ、第1実施形態におけるプログラム格納エリア233a、簡易画像表示フラグ233c、ポインタ233g、描画リストエリア233h、計時カウンタ233i、格納画像判別フラグ233j、描画対象バッファフラグ233kと同様の構成および機能を有するものであるので、ここではこれらの説明を省略する。
データテーブル格納エリア452bは、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容(描画内容)を記載すると共に、条件に応じて第3図柄表示装置81に追加して表示すべき表示内容(描画内容)を規定し、更に、その表示(描画)に使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングを規定したものであって、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づき第3図柄表示装置81に表示される演出の演出態様毎に用意される表示データテーブルが格納される領域である。
この表示データテーブルは、キャラクタROM234のNAND型フラッシュメモリ234aに固定値データの一種として制御プログラムと共に記憶されており、システムリセット解除後に、これらのデータテーブルがキャラクタROM234からワークRAM192へ転送され、このデータテーブル格納エリア452bに格納される。そして、全ての表示データテーブルがデータテーブル格納エリア452bに格納されると、以後、MPU231は、データテーブル格納エリア452bに格納されたデータテーブルを用いて第3図柄表示装置81の表示を制御する。上述したように、ワークRAM192はDRAMによって構成されるため、高速に読み出し動作が行われる。よって、各種データテーブルを読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによって構成されるキャラクタROM234記憶させた場合であっても、表示制御装置114において高い処理性能を保つことができ、第3図柄表示装置81を用いて、多様化、複雑化させた演出を容易に実行することができる。
ここで、図59を参照して、第3実施形態における表示データテーブルの詳細について説明する。図59は、この表示データテーブルの一例を模式的に示した模式図である。第3実施形態における表示データテーブルでは、図59に示すように、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、そのアドレスで示される時間に表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)と、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データ、即ち、転送対象画像データの転送データ情報とが合わせて規定される。
描画内容には、第1実施形態の表示データテーブルと同様に、1フレーム分の画像を構成するスプライト(背面画像、エフェクト、キャラクタ・・・など)毎に、そのスプライトの種別を規定すると共に、その表示物の種別に応じて、表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、表示物を第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定される。
一方、転送データ情報としては、第1実施形態の転送データテーブルと同様に、その転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスが含まれる。また、所定のスプライトに対応する画像データを転送対象画像データとする転送データ情報は、描画内容に従ってその所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、所定のアドレスに対して規定される。
尚、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべき転送対象画像データが存在しない場合は、転送データ情報として、そのアドレスに対応して転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないことを意味するNullデータが規定される(図59のアドレス「0097H」が該当)。また、表示データテーブルに規定された演出において使用されるスプライトの画像データが、全て常駐用ビデオRAM235に格納されている場合は、全てのアドレスにおいて、転送データ情報としてNullデータが規定される。
また、第3実施形態における表示データテーブルでは、その表示データテーブルに対応する演出態様に対して追加表示可能な演出毎に、各アドレスで示される時間に追加して表示すべき1フレーム分の画像の内容(描画内容)を、追加描画内容として規定する。この追加描画内容は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、そのアドレスで示される時間に追加表示すべき画像を構成するスプライト(エフェクト、キャラクタ・・・など)の種別を規定すると共に、各スプライトの種別に対応付けて、そのスプライトの表示位置座標、拡大率、回転角度、半透明値、αブレンディング情報、色情報、フィルタ指定情報といった、表示物を第3図柄表示装置81に描画させるための描画情報が規定される(例えば、アドレス「0097H」)。なお、追加表示可能なそれぞれの演出において、アドレスで示される時間に追加表示すべき1フレーム分の画像が存在しない場合は、そのアドレスに対して、その追加表示すべき画像の存在しない演出の識別情報およびその演出の追加描画内容は非記載とされる。これにより、1つの表示データテーブルに係る容量の増大を抑制することができる。
表示データテーブルの先頭アドレスである「0000H」には、第1実施形態における表示データテーブル(図18参照)と同様に、データテーブルの開始を示す「Start」情報が記載され、表示データテーブルの最終アドレス(図59の例では、「02F0H」)には、データテーブルの終了を示す「End」情報が記載されている。そして、「Start」情報が記載されたアドレス「0000H」と「End」情報が記載されたアドレスとの間の各アドレスに対して、その表示データテーブルで規定すべき演出態様に対応させた描画内容と転送対象画像データの転送データ情報と追加表示され得る演出に対応させた追加描画内容が記載されている。
MPU231は、音声ランプ制御装置113から受信したコマンド等に基づいて第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定すると、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア452bから抽出し、表示データテーブルバッファ452dに格納すると共に、ポインタ452gを初期化する。
そして、1フレーム分の描画処理が完了する度に452gを1加算した後、表示データテーブルバッファ452dに格納された表示データテーブルから、ポインタ452gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき次に描画すべき画像内容を特定すると共に、その時点において転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報を特定して、描画リスト(図21参照)を作成する。MPU231は、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、その画像の描画指示を行うと共に、画像データの転送指示を行う。また、ポインタ452gによって示されるアドレスの転送データテーブル領域にNullデータが規定されている場合は、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、描画リストに転送データ情報を含めずに、その描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
また、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、第3図柄表示装置81において追加表示すべき演出を決定すると、表示データテーブルに規定されている複数の追加表示可能な演出の中から、その決定された演出に対応する追加描画内容を特定して、通常の描画内容と合わせて描画リスト(図21参照)を作成する。MPU231は、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、元の演出態様に対応する画像と合わせて追加表示すべき演出の画像の描画指示を行う。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンドや連続予告コマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、表示制御装置114に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定して、その設定された表示データテーブルに従い1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
また、追加して表示され得る全ての演出に対応する追加描画内容が表示データテーブルにて規定されているので、MPU231は、第3図柄表示装置81に表示すべき演出態様に追加して、他の演出を表示させる場合に、新たに表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定し直すことなく、容易に決定した他の演出をベースの演出態様に追加して表示させることができる。
また、例えば、元の演出画像が32種類あり、追加して表示させる他の演出画像が5種類ある場合において、仮に、元の演出画像毎に1の追加演出画像を重ねた画像を規定した表示データテーブルを別途用意すれば、32×(1+5)=192種類の表示データテーブルを用意しなければならないところ、本パチンコ機10のように、追加して表示され得る全ての演出に対応する追加描画内容が表示データテーブルにて規定されていることにより、他の演出画像に対応するデータテーブルを追加データテーブルとして別に規定することで、32種類の表示データテーブルを用意すればよく、データテーブル格納エリア452bの容量増大を抑制することができる。よって、データテーブル格納エリア452bに用意された容量の中で多種態様な演出態様に対応したデータテーブルを格納することもでき、演出画像の更なる多種多様化を容易に図ることができる。
また、表示データテーブルでは、第1実施形態において上述したように、描画内容に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、表示データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、その表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じてデータテーブル領域452bから抽出する表示データテーブルに、描画内容だけでなく転送対象画像データの転送データ情報と転送タイミングとを規定しているので、その転送タイミングを容易かつ正確に把握して制御することができる。よって、表示データテーブルに従って行われる画像の描画に用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、表示データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定するので、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができ、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、表示データテーブルの各アドレス毎に、そのアドレスで示される時間に表示すべき描画内容が規定されると共に、転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されるので、所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを転送データテーブル領域に基づいて特定し指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、1つの表示データテーブルから描画内容と転送データ情報と追加描画内容とを特定することができるので、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と追加描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。更に、描画内容と追加描画内容と転送データ情報とが規定された表示データテーブルが予めデータテーブル格納エリア452bに用意されているので、描画内容を規定するデータテーブルと、追加描画内容を規定するデータテーブルと、転送データ情報を規定するデータテーブルとを用意して、都度、それぞれのデータテーブルを合成し、合成後のデータテーブルから描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、処理の負荷をさらに軽くすることができる。
図58に戻って、ワークRAM452の説明を続ける。表示データテーブルバッファ452dは、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対応する表示データテーブルを格納するためのバッファである。MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、第3図柄表示装置81に表示させる演出を判断し、その演出の演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア452bから選定して、その選定された表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに格納する。そして、MPU231は、ポインタ452gを1ずつ加算しながら、表示データテーブルバッファ452dに格納された表示データテーブルにおいてそのポインタ452gで示されるアドレスに規定された描画内容と転送対象画像データの転送データ情報に基づき、1フレーム毎に画像コントローラ237に対する画像描画の指示内容と、その時点で転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報とを記載した描画リスト(図21参照)を作成する。
また、MPU231は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に基づいて、先に決定された第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様に対して追加して表示すべき演出を決定した場合は、表示データテーブルバッファ452dに格納された表示データテーブルにおいてポインタ452gで示されるアドレスに規定された追加描画内容のうち、その決定された追加して表示すべき演出に対応する追加描画内容も含めて、上述の描画リスト(図21参照)を作成する。
なお、ワークRAM452には、その他、追加データフラグが設けられている。この追加データフラグは、第3図柄表示装置81に表示される演出態様に対して追加され得る全ての演出に対応してそれぞれ設けられるもので、オン状態の追加データフラグが存在する場合、そのオン状態の追加データフラグに対応する演出が、追加して表示すべき演出として設定されたことを示す。この追加データフラグは、初期値としてオフが設定され、所定の条件が満たされた場合に、その条件に応じて決定された追加して表示すべき演出に対応する追加データフラグがオンに設定される。そして、演出の追加表示が終了される場合に、全ての追加データフラグがオフに設定される。
次いで、図60〜図66を参照して、第3実施形態における表示制御装置114のMPU231によって実行される各種処理について説明する。まず、図60は、表示制御装置114のMPU231で実行されるデモコマンド処理(S2509)を示すフローチャートである。デモコマンド処理は、第3実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、音声ランプ制御装置113よりデモコマンドを受信した場合に、そのデモコマンドに対応する処理を実行する。
このデモコマンド処理では、まず、第1実施形態におけるデモコマンド処理と同様に、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア233bから選定して、表示データテーブルバッファ233dに設定した後(S2621)、第3実施形態では、次いで、ワークRAM452に設けられた追加データフラグを全てオフに設定する(S5622)。これにより、第3図柄表示装置81に表示されるデモ演出において、別の演出は追加されずに未表示とされる。
その後は、第1実施形態におけるデモコマンド処理のS2623〜S2625と同一の処理が実行される。即ち、デモ演出に対応する時間データを計時カウンタ452iに設定し(S2623)、ポインタ452gを0に初期化する(S2624)。そして、第3図柄表示装置81にオン状態でデモ演出が表示されることを示すデモ表示フラグをオンに設定する共に、オン状態で第3図柄表示装置81に確定表示演出が表示されることを示す確定表示フラグをオフに設定し、更にオン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグをオフに設定して(S2625)、デモコマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
このデモコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2624の処理によって初期化されたポインタ251gを更新しながら、S2621の処理によって表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルから、ポインタ452gに示されるアドレスの表示データテーブル領域に規定された描画内容を抽出することで、第3図柄表示装置81においてデモ演出が表示される。
次いで、図61を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される変動パターンコマンド処理について説明する(S2511)。図61は、その変動パターンコマンド処理を示すフローチャートである。変動パターンコマンド処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、主制御装置110からの変動パターンコマンドの基づき音声ランプ制御装置113より送信される表示用変動パターンコマンドを受信した場合に、その表示用変動パターンコマンドに対応する処理を実行する。
変動パターンコマンド処理では、まず、第1実施形態における変動パターンコマンド処理と同様に、表示用変動パターンコマンドによって示される変動演出パターンに対応した変動用表示データテーブルを決定し、その決定した変動用表示データテーブルをデータテーブル格納エリア452bから読み出して、表示データテーブルバッファ452dに設定する(S2631)。そして、第3実施形態では、ワークRAM452に設けられた追加データフラグを全てオフに設定する(S56223)。これにより、第3図柄表示装置81に表示される変動演出において、一旦、別の演出は追加されずに未表示とされる。
その後は、第1実施形態における変動パターンコマンド処理のS2634〜S2638と同一の処理が実行される。即ち、各変動パターンに対応する変動用表示データテーブル毎に設けられたデータテーブル判別フラグのうち、S2631の処理によって決定された変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオンすると共に、その他の変動用表示データテーブルに対応するデータテーブル判別フラグをオフに設定する(S2634)。表示設定処理では、S2634の処理によって設定されるデータテーブル判別フラグを参照することによって、表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルが、どの変動パターンに対応するものであるかを容易に判断することができる。
そして、表示設定処理では、表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルの変動パターンと、後に受信する表示用停止種別コマンドによって設定される停止図柄とに矛盾がないか否かを判断し、矛盾がある場合は、後述するように、特殊変動に対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定する。
次いで、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルに対応する変動パターンの変動時間を基に、その変動時間を表す時間データを計時カウンタ452iに設定し(S2635)、ポインタ452gを0に初期化する(S2636)。そして、確定コマンドフラグ、デモ表示フラグおよび確定表示フラグをいずれもオフに設定して(S2637)、更に、表示設定処理で用いられる再始動タイマカウンタを0に初期化して(S2638)、変動パターンコマンドを終了し、コマンド判定処理に戻る。
この変動パターンコマンド処理が実行されることにより、表示設定処理では、S2636の処理によって初期化されたポインタ452gを更新しながら、S2631の処理によって表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルから、ポインタ452gに示されるアドレスに規定された描画内容を抽出し、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を特定すると同時に、そのアドレスに規定された転送データ情報を抽出し、その変動用表示データテーブルにおいて規定された画像の描画に必要なスプライトの画像データが、予めキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに転送されるように、画像コントローラ237を制御する。なお、追加データフラグがオフである間は、追加描画内容は無視される。よって、別の演出が、追加されずに未表示とされる。
また、表示設定処理では、S2635の処理によって変動時間データの設定された計時カウンタ452iを用いて、表示データテーブルで規定された変動演出の時間を計時するので、表示データテーブルにおける変動演出が終了したと判断された場合、主制御装置110からの確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信すれば確定表示演出を第3図柄表示装置81に表示し、変動演出終了後所定時間内に確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信できなければ、再始動演出を第3図柄表示装置81に表示するように、その表示の設定を制御することができる。
次いで、図62を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される連続予告コマンド処理について説明する(S2515)。図62は、その連続予告コマンド処理を示すフローチャートである。連続予告コマンド処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、音声ランプ制御装置113より送信される連続予告コマンドを受信した場合に、その連続予告コマンドに対応する処理を実行する。
連続予告コマンド処理において、S2651及びS2653の処理は、第1実施形態における連続予告コマンド処理のS2651及びS2653の処理と同一の処理が行われる。よって、これらの処理についての詳細な説明は省略するが、第2実施形態における連続予告コマンド処理では、まず、オン状態で連続予告コマンドを処理したことを転送設定処理(S2405)に通知する新規連続予告コマンドフラグをオンに設定すると(S2651)、次いで、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別(「泡」、「タマゴ」、「ヒヨコ」、「ニワトリ」および「ニワトリ群」のいずれか)に応じた演出が、変動演出に対して追加して表示されるように、その連続予告画像種別によって示される演出に対応する追加データフラグをオンに設定すると共に、その他の演出に対応する追加データフラグをオフに設定する(S5652)。
これにより、表示設定処理において、オンされている追加データフラグが存在する場合は、そのオンされた追加データフラグで示される演出の追加描画内容が展開され、描画リストにその追加描画内容が含められる。よって、画像コントローラ237は、この追加描画内容を含む描画リストに基づいて画像の描画を行うので、オンされた追加データフラグで示される連続予告種別によって示される演出の画像が、第3図柄表示装置81に変動演出に追加されて表示される。
その後、連続予告画像種別毎に設けられた連続予告判別フラグのうち、連続予告コマンドに含まれる連続予告画像種別に対応する連続予告判定フラグをオンすると共に、その他の連続予告画像種別に対応する連続予告判別フラグをオフに設定して(S2653)、この連続予告コマンド処理を終了し、コマンド判定処理に戻る。
次いで、図63及び図64を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される表示設定処理(S2403)について説明する。図63及び図64は、その表示設定処理を示すフローチャートである。表示設定処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理であるコマンド判定処理(S2402)の中で実行される処理であり、コマンド判定処理(S2402)などによって表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルの内容に基づき、第3図柄表示装置81において次に表示すべき1フレーム分の画像の内容を具体的に特定するものである。また、表示設定処理では、ポインタ452gの更新処理も行う。
第3実施形態における表示設定処理では、第1実施形態における表示設定処理のS2712の処理に代えて、S5712〜S5714の処理を実行する。また、第1実施形態における表示設定処理のS2716,S2731の処理に代えて、S5716,S5731の処理を実行する。第3実施形態における表示設定処理のその他のステップの処理は、第1実施形態における表示設定処理の同一符号が付されたステップの処理と同一であるので、ここではその詳細な説明を省略する。以下、第2実施形態における表示設定処理に特有のステップであるS5712〜S5714,S5716,S5731の処理を中心に説明する。
この表示設定処理では、S2711の処理によってポインタ更新処理が実行され、ポインタ452gの更新が行われると、次いで、表示データテーブルバッファ452dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ452gで示されるアドレスの描画内容のうち、追加描画内容を除く描画内容を展開する(S5712)。次いで、全ての追加表示され得る演出に対応する追加データフラグがオンであるか否かを判定し(S5713)、オフであれば(S5713:Yes)、S2713の処理へ移行する。また、S5713の判定の結果、いずれか1つの追加データフラグがオンであれば(S5713:No)、表示データテーブルバッファ452dに設定されている表示データテーブルから、ポインタ更新処理によって更新されたポインタ452gで示されるアドレスの描画内容のうち、追加データフラグで示される演出種別に対応する追加描画内容を展開して(S5714)、S2713の処理へ移行する。
タスク処理では、先に展開された保留画像や警告画像などと共に、S5712の処理で展開された描画内容を元に、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。また、いずれか1つの追加データフラグがオンである場合は、S5712の処理で展開された描画内容だけでなく、S5714の処理で展開された追加描画内容も含めて、画像を構成するスプライト(表示物)の種別を特定すると共に、各スプライト毎に、表示座標位置や拡大率、回転角度といった描画に必要な各種パラメータを決定する。よって、いずれか1つの追加データフラグがオンされている場合は、そのオンされた追加データフラグで示される演出の追加描画内容が描画リストに含められることになるので、画像コントローラ237は、この追加描画内容を含む描画リストに基づいて画像の描画を行うことによって、オンされた追加データフラグで示される演出の画像が、第3図柄表示装置81に追加されて表示される。
続くS2713の処理では、第1実施形態と同様に、計時カウンタgの値を1だけ減算し、減算後の計時カウンタ452iの値が0以下であるか否かを判別して(S2714)、計時カウンタ452iの値が0以下である場合は(S2714:Yes)、表示データテーブルバッファ452dに設定されている表示データテーブルに対応する演出の演出時間が経過したことを意味する。このとき、表示データテーブルバッファ452dに変動用表示データテーブルが設定されている場合は、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)が送信されるはずであるので、続くS2715の処理では、確定コマンドフラグがオンであるか否かを確認する(S2715)。
その結果、確定コマンドフラグがオンであれば(S2715:Yes)、音声ランプ制御装置114を介して主制御装置110から確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信したことを意味するので、確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定すると共に、追加データフラグを全てオフに設定する(S5716)。そして、S2717の処理へ移行する。
これにより、表示データテーブルバッファ452dに変動用表示データテーブルが設定されている場合などにおいて、その演出の終了に合わせて、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合は、変動演出における停止図柄の確定表示演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。また、表示データテーブルバッファ452dを確定表示データテーブルに変更するだけで、容易に、第3図柄表示装置81に表示させる演出を確定表示演出に変更することができる。そして、従来のように、別のプログラムを起動させることによって表示内容を変更する場合と比較して、プログラムが複雑かつ肥大化することなく、よって、MPU231に多大な負荷がかかることがないので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示281に表示させることができる。また、追加データフラグが全てオフに設定されるので、第3図柄表示装置81に表示される確定表示演出において、別の演出は追加されずに未表示とされる。
また、S2715の処理において、確定コマンドフラグがオンではなくオフであれば(S2715:No)、図55に示すS2722の処理へ移行し、オン状態で確定表示演出中であることを示す確定表示フラグ確定表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2722)。そして、確定表示フラグがオンではなく、オフであれば(S2722:No)、次いで、オン状態でデモ演出中であることを示すデモ表示フラグがオンであるか否かを判別する(S2728)。その結果、デモ表示フラグがオンではなく、オフである場合は(S2728:No)、S2714の処理における判定の結果(S2714:Yes)は、変動演出が終了したことを意味する。そこで、変動演出が終了してから所定時間経過しても確定コマンドが受信されない場合は、再始動演出を開始するために、変動演出に対応する変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ452dに設定されるのに合わせて0に初期化された再始動タイマカウンタに1を加算し(S2729)、加算後の再始動タイマカウンタの値が所定値になったか否かを判別する(S2730)。
そして、再始動タイマカウンタが所定値である場合は(S2730:Yes)、再始動表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定すると共に、追加データフラグを全てオフに設定する(S5731)。そして、S2732の処理へ移行する。
これにより、表示制御装置では、変動演出の終了に伴って第3図柄が停止表示されてから所定時間経過しても、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信される確定コマンド(表示用確定コマンド)が受信されない場合には、再始動演出が第3図柄表示装置81に表示されるように、その描画内容を設定することができる。そして、上述したように、再始動演出は、第3図柄を振動させた画像を第3図柄表示装置81に表示させる演出であるので、遊技者は、第3図柄表示装置81において、第3図柄の変動が停止表示された後にその第3図柄が振動して表示されることを視認すると、その時点では停止図柄が確定していないことを認識することができる。また、追加データフラグが全てオフに設定されるので、第3図柄表示装置81に表示される再始動演出において、別の演出は追加されずに未表示とされる。
なお、S2724の処理において、デモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定する場合に、追加データフラグをオフに設定していないのは、S2722:Yesの分岐条件を満たすのは、確定表示演出が行われている場合であり、この場合、S5716の処理によって、追加データフラグが全てオフに設定されているからである。よって、S2724の処理では、追加データフラグをオフに設定する処理を省略している。これにより、MPU231における処理負荷の軽減を図ることができる。
次いで、図65を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される比較処理(S2710)について説明する。図65は、その比較処理を示すフローチャートである。この処理は、上述した表示設定処理(図63及び図64)の中で、比較フラグがオンであると判別された場合に(S2709:Yes)実行される処理で、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合に、変動演出を、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信するまでの間、第3図柄を高速に変動表示させる特殊変動演出に変更するための処理である。
第1実施形態において上述したように、変動用表示データテーブルは、変動パターン毎に用意されているもので、各変動パターンには、外れ用、15R確定大当たり・時短大当たり共用、15R確変大当たり用、2R確変大当たり用・・・などがある。そこで、例えば、変動用表示データテーブルが外れ用の変動パターンに対応するものであるにもかかわらず、停止図柄が大当たり図柄に設定された場合、比較処理では、これらが矛盾していると判断する。
第3実施形態における比較処理では、第1実施形態における表示設定処理のS2784の処理に代えてS5784の処理を実行する。一方、第3実施形態における表示設定処理のその他のステップの処理は、第1実施形態における表示設定処理の同一符号が付されたステップの処理と同一であるので、ここではその詳細な説明を省略する。以下、第3実施形態における表示設定処理に特有のステップであるS5784の処理を中心に説明する。
この比較処理では、S2781の処理によって特定された変動用表示データテーブルの種別と、S2782の処理によって特定された停止図柄とがマッチするか否かを判別し(S2783)、マッチしないと判断される場合は(S2783:No)、特殊変動が規定された特殊変動用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定すると共に、追加データフラグを全てオフに設定する(S5784)。そして、S2785の処理へ移行する。
これにより、表示用変動パターンコマンドに基づき、表示データテーブルバッファ452dに設定された変動用表示データテーブルと、表示用停止種別コマンドに基づき設定された停止図柄とが矛盾している場合は、特殊変動用表示データテーブルが表示データテーブルバッファ452dに設定されるので、第3図柄表示装置81には、第3図柄が高速に変動し続ける特殊変動演出が表示される。そして、停止時柄としては、S2785の処理によって特殊停止図柄が設定されるので、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110から送信された確定コマンド(表示用確定コマンド)を受信した場合に、その特殊停止図柄を第3図柄表示281上に確定表示させることができる。
ここで、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より指示される変動演出パターンとその変動演出の停止表示時に表示すべき停止図柄とが一致しない場合、表示制御装置114では、主制御装置110において行われた抽選の結果を正しく反映させて変動演出や確定表示演出を行うことができない恐れがある。これに対し、本パチンコ機10では、このような場合は特殊変動演出が行われ、変動表示後に特殊な外れを示す特殊停止図柄が第3図柄表示装置81に確定表示されるので、主制御装置110における抽選の結果が外れであっても第3図柄表示装置81に誤って大当たりの確定表示演出が行われてしまうことを防止することができる。また、第3図柄表示装置81に特殊停止図柄が確定表示されても、主制御装置110における抽選結果が大当たりであれば、実際のパチンコ機10における遊技状態は特別遊技状態へ移行するので、遊技者は安心して遊技を継続することができる。更に、確定表示を特殊停止図柄とすることで、確定表示が外れであっても、パチンコ機10が大当たり状態となっている可能性があることを遊技者に対して示唆することができるので、確定表示が外れであるにも関わらず、パチンコ機10が大当たり状態となることで、遊技者に不安感を与えないようにすることができる。
また、追加データフラグが全てオフに設定されるので、第3図柄表示装置81に表示される特殊変動演出において、別の演出は追加されずに未表示とされる。特に、特殊変動演出では、その停止図柄が特殊停止図柄となることもあり、その変動演出の特殊性を際だたせるためには、連続予告演出画像が追加して表示されるのはふさわしくない。これに対し、本実施形態では、追加データフラグが全てオフに設定されるので、少なくとも、この時点で連続予告演出の追加が設定されていたとしても、その設定をクリアにでき、その設定された連続予告演出が追加して表示されるのを防ぐことができる。
なお、連続予告コマンド処理において、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルの種別を判定し、それが特殊変動用表示データテーブルであれば、S5652の処理に代えて、追加データフラグを全てオフに設定するようにしてもよい。これにより、表示データテーブルバッファ452dに特殊変動用表示データテーブルを設定した後に、連続予告コマンド処理が実行された場合であっても、追加データフラグが全てオフに設定されるので、特殊変動演出に対して、連続予告演出が追加して表示されるのを防ぐことができる。
次いで、図66を参照して、表示制御装置114のMPU231で実行される通常画像転送設定処理(S3003)について説明する。図66は、その通常画像転送設定処理を示すフローチャートである。通常画像転送設定処理は、第1実施形態において上述したように、V割込処理(図35(b)参照)の一処理である転送設定処理(S2405)の中で実行される処理であり、簡易画像表示フラグ452cがオフである間、表示データテーブルバッファ452dに設定される表示データテーブルに記載された転送データ情報に基づき、画像コントローラ237に対して、所定の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aの所定サブエリアへ転送させる転送指示を設定する。
この通常画像転送設定処理では、まず、表示データテーブルバッファ452dに設定されている表示データテーブルから、先に実行された表示設定処理(S2403、図63参照)によって更新されたポインタ452gで示されるアドレスに記載された転送データ情報を取得する(S6201)。そして、その取得した転送データ情報がNullデータであるか否かを判定し(S6202)、Nullデータでなければ(S6202:No)、その転送データ情報から、転送対象画像データが格納されているキャラクタROM234の先頭アドレス(格納元先頭アドレス)と最終アドレス(格納元最終アドレス)、及び、転送先(通常用ビデオRAM236)の先頭アドレスを抽出して、ワークRAM452に設けられた転送データバッファに格納し(S3203)、更に、ワークRAM185に設けられ、オン状態で転送開始すべき画像データが存在することを示す転送開始フラグをオンに設定して(S3204)、S3205の処理へ移行する。
また、S6202の処理において、取得した転送データ情報がNullデータであれば(S6202:Yes)、S3203及びS3204の処理をスキップして、S3205の処理へ移行する。そして、S3205〜S3218の処理では、第1実施形態における通常画像転送設定処理のS3205〜S3218の処理と同一の処理が行われる。よって、これらの処理についての詳細な説明は省略する。
上述したように、表示制御装置114では、通常画像転送設定処理を実行することにより、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルのポインタ452gで示されるアドレスに記載されている転送データ情報に従って、画像コントローラ237に対する転送対象画像の転送指示を設定するので、表示データテーブルバッファ452dで指定されるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
ここで、表示データテーブルに従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが画像格納エリア236aに格納されるように、表示データテーブルでは、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、表示データテーブルに規定された転送データ情報に従って、画像データをキャラクタROM234から画像格納エリア236aに転送することにより、その表示データテーブルに従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず画像格納エリア236aに格納させておくことができる。そして、その画像格納エリア236aに格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
これにより、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、遅滞なく表示に必要な画像を予めキャラクタROM234から読み出し、通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、表示データテーブルで指定された各スプライトの画像を描画しながら、対応する演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルの記載によって、常駐用ビデオRAM235に非常駐の画像データだけを容易に且つ確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンド)等に応じてデータテーブル領域452bから抽出する表示データテーブルに、描画内容だけでなく転送対象画像データの転送データ情報と転送タイミングとを規定しているので、その転送タイミングを容易かつ正確に把握して制御することができる。よって、表示データテーブルに従って行われる画像の描画に用いられるスプライトの画像データを、所望のタイミングで確実にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送することができる。
また、表示データテーブルでは、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報を規定するので、合成データテーブルの転送データテーブル領域においても、スプライトに対応する画像データ毎にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ画像データが転送されるように、その転送データ情報が規定される。これにより、その画像データの転送をスプライト毎に管理し、また、制御することができるので、その転送に係る処理を容易に行うことができる。そして、スプライト単位でキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への画像データの転送を制御することにより、その処理を容易にしつつ、詳細に画像データの転送を制御できる。よって、転送にかかる負荷の増大を効率よく抑制することができる。
また、表示データテーブルの各アドレス毎に、そのアドレスで示される時間に表示すべき描画内容が規定されると共に、転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されるので、所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを転送データテーブル領域に基づいて特定し指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、1つの表示データテーブルから描画内容と転送データ情報とを特定することができるので、表示データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。更に、描画内容と転送データ情報とが規定された表示データテーブルが予めデータテーブル格納エリア452bに用意されているので、描画内容を規定するデータテーブルと、追加描画内容を規定するデータテーブルと、転送データ情報を規定するデータテーブルとを用意して、都度、それぞれのデータテーブルを合成し、合成後のデータテーブルから描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、処理の負荷をさらに軽くすることができる。
以上、説明したように、本第3実施形態のパチンコ機10によれば、第3図柄表示装置81に表示される演出の演出態様毎に用意される表示データテーブルにおいて、時間経過に伴い第3図柄表示装置81に表示すべき表示内容(描画内容)だけでなく、その表示(描画)に使用される画像データのうち常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するための転送データ情報ならびにその転送タイミングが規定される。更に、表示データテーブルには、その表示データテーブルによって第3図柄表示装置81に表示される演出の演出態様に対して、追加表示され得る演出に対応させた追加描画内容が規定されている。
表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113から受信したコマンド等に基づいて第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定すると、その演出態様に対応する表示データテーブルをデータテーブル格納エリア452bから抽出し、表示データテーブルバッファ452dに格納すると共に、ポインタ452gを初期化する。そして、1フレーム分の描画処理が完了する度に452gを1加算した後、表示データテーブルバッファ452dに格納された表示データテーブルから、ポインタ452gが示すアドレスに規定された描画内容に基づき次に描画すべき画像内容を特定すると共に、その時点において転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報を特定して、描画リスト(図21参照)を作成する。MPU231は、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、その画像の描画指示を行うと共に、画像データの転送指示を行う。また、ポインタ452gによって示されるアドレスの転送データテーブル領域にNullデータが規定されている場合は、転送を開始すべき転送対象画像データが存在しないと判断し、描画リストに転送データ情報を含めずに、その描画リストを画像コントローラ237へ送信する。
また、表示制御装置114は、音声ランプ制御装置113からのコマンド等に応じて、第3図柄表示装置81において追加表示すべき演出を決定すると、表示データテーブルに規定されている複数の追加表示可能な演出の中から、その決定された演出に対応する追加描画内容を特定して、通常の描画内容と合わせて描画リスト(図21参照)を作成する。MPU231は、この描画リストを画像コントローラ237に送信することで、画像コントローラ237に対して、元の演出態様に対応する画像と合わせて追加表示すべき演出の画像の描画指示を行う。
このように、本パチンコ機10では、表示制御装置114において、音声ランプ制御装置113からのコマンド(例えば、表示用変動パターンコマンドや連続予告コマンド)等に応じて、MPU231により実行すべきプログラムを変更するのではなく、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができる。
ここで、従来のパチンコ機のように、表示制御装置114に表示させる演出画像を変更する度にMPU231で実行されるプログラムを起動するように構成した場合、演出画像の多種多様化に伴って複雑かつ膨大化するプログラムの起動や実行の処理に多大な負荷がかかるため、表示制御装置114における処理能力が制限となって、制御可能な演出画像の多様化に限界が生じてしまうおそれがあった。これに対し、本パチンコ機10では、表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに適宜置き換えるという単純な操作だけで、第3図柄表示装置81に表示すべき演出画像を変更することができるので、表示制御装置114の処理能力に関係なく、多種態様な演出画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、このように各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定して、その設定されたデータテーブルに従い、1フレームずつ描画リストを作成することができるのは、パチンコ機10では、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づいて、予め第3図柄表示装置81に表示させる演出が決定されるためである。これに対し、パチンコ機10といった遊技機を除くゲーム機などでは、ユーザの操作に基づいてその場その場で表示内容が変わるため、表示内容を予測することができず、よって、上述したような各演出態様に対応する表示データテーブルを持たせることはできない。このように、各演出態様に対応して表示データテーブルを用意し、表示すべき演出の演出態様に応じた表示データテーブルを表示データテーブルバッファ452dに設定して、その設定された表示データテーブルに従い1フレームずつ描画リストを作成する構成は、パチンコ機10が、始動入賞に基づいて行われる抽選の結果に基づき予め第3図柄表示装置81に表示させる演出の演出態様を決定する構成であることに基づいて初めて実現できるものである。
また、表示データテーブルの各アドレス毎に、そのアドレスで示される時間に表示すべき描画内容が規定されると共に、転送を開始すべき転送対象画像データの転送データ情報が規定されるので、所定のスプライトの画像データが用いられる前に、確実にその画像データが通常用ビデオRAM236へ格納されるように、転送開始のタイミングを転送データテーブル領域に基づいて特定し指示することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種多様な演出画像を容易に第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、1つの表示データテーブルから描画内容と転送データ情報と追加描画内容とを特定することができるので、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルからそれぞれ描画内容と追加描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。更に、描画内容と追加描画内容と転送データ情報とが規定された表示データテーブルが予めデータテーブル格納エリア452bに用意されているので、描画内容を規定するデータテーブルと、追加描画内容を規定するデータテーブルと、転送データ情報を規定するデータテーブルとを用意して、都度、それぞれのデータテーブルを合成し、合成後のデータテーブルから描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、処理の負荷をさらに軽くすることができる。
尚、上記実施形態に記載の「第3図柄」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報」に対応し、上記実施形態に記載の「変動表示」が、特許請求の範囲に記載の「識別情報の動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「大当たり」が、特許請求の範囲に記載の「特別遊技状態」に対応し、上記実施形態に記載の「擬似変動」が、特許請求の範囲に記載の「擬似的な動的表示」に対応し、上記実施形態に記載の「リーチ」が、特許請求の範囲に記載の「示唆表示」に対応し、上記実施形態に記載の「スペシャルリーチ」が、特許請求の範囲に記載の「特定の示唆表示」に対応する。
以上、上記実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記形態に何ら限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変形改良が可能であることは容易に推察できるものである。
例えば、上記各実施形態において、擬似連が行われる場合の最大擬似変動回数、即ち、リーチが成立した場合に最も大当たりとなる期待度が高い変動回数を5回としたが、その回数は任意であってもよい。例えば、3回,4回であってもよいし、6回以上であってもよい。但し、擬似変動回数が多ければ、大当たりとなる期待感が徐々に増していくので、遊技者の興趣が増す一方、擬似変動回数が多すぎれば、遊技者は却って退屈してしまうおそれがある。従って、最大擬似変動回数は、4〜6回が望ましい。
上記各実施形態では、擬似変動回数が5回(リーチが成立した場合に最も大当たりとなる期待度が高くなる最大擬似変動回数)に対して与えられた役割の中に、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、一端、外れ図柄で擬似停止するが、その後、再変動が行われて大当たりが確定する役割を含めた。しかしながら、必ずしもこの役割は必要ではなく、最終的な変動パターンとしてスペシャルリーチとなり、且つ、大当たりとなることが確定する役割と、最終的な変動パターンとしてリーチとならず、完全外れが確定する役割とが含まれていればよい。これらの役割があれば、5回の擬似変動を経て外れとなる擬似連による変動表示を多発させても、その外れに至る過程で、擬似変動が繰り返されることによってリーチが成立し大当たりとなる期待感を高めていくことができ、外れに近づいていくことが苦にならない。よって、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるという効果が得られる。
上記各実施形態では、5回(リーチが成立した場合に最も大当たりとなる期待度が高くなる最大擬似変動回数)の擬似変動を経てリーチとなった場合に必ず大当たりとなる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、擬似連に含まれる擬似変動回数が多くなるほど、リーチ成立時に大当たりとなる期待度が大きくなるように構成すれば、5回(最大擬似変動回数)の擬似変動を経てリーチとなって外れとなる場合があってもよい。これによっても、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるという効果が得られる。
また、5回(最大擬似変動回数)の擬似変動を経てリーチとなって外れとなる場合もあるように構成した場合は、特に、そのリーチは、スペシャルリーチのような特定種類のリーチとするのが好ましい。これにより、5回目の擬似変動が開始された場合、遊技者は、その5回目の擬似変動で、その特定種類のリーチ(スペシャルリーチ)が成立することへの期待感を持ちながら、遊技を行うことができる。また、リーチとなった場合は、その特定種類のリーチ(スペシャルリーチ)となるので、その結果がたとえ外れであったとしても、遊技者は、特定種類のリーチとなったことへの喜びを感じることができる。よって、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣をより高めながら、遊技者に遊技を行わせることができる。
上記実施形態では、擬似連を、対戦型格闘ゲームによる演出によって実現する場合について説明したが、擬似連の役割として、図8に示すような役割が与えられていれば、その演出の態様はどのようなものであってもよい。例えば、大工修業をしている少年をモチーフとしたパチンコ機10であれば、その修業風景によって擬似連を構成してもよい。例えば、各擬似変動では、親方の前で大工修業をする演出を表示し、擬似停止時には、失敗をして親方に怒鳴られる演出を表示する。そして、再度の擬似変動では、悔し涙を流しながら再び修業を行う演出を表示し、最終的に外れとなる場合は、親方に追い出されてしまう演出を表示し、最終的に大当たりとなる場合は、親方に誉められる演出を表示する。また、特定の歌手をモチーフとしたパチンコ機10であれば、擬似変動毎に、その歌手の楽曲をランキング形式で5位、4位、3位・・・の順に発表する演出で、擬似連を構成してもよい。この場合、最終的に外れとなる場合は、圏外の楽曲を発表する演出を表示し、最終的に大当たりとなる場合は、1位の曲または目玉の曲を発表する演出を表示する。このように、擬似連を構成しても、その擬似連において、図8に示すような役割が与えられていれば、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、擬似連を頻発させて、1回の平均変動時間を長時間化させることができるという効果が得られる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237がキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送する処理を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスし、キャラクタROM234から画像データを読み出して、常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。そして、この場合、MPU231がキャラクタROM234から読み出した画像データを一旦バッファRAM237aに格納し、次いで、MPU231が、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判別して、未使用であれば、バッファRAM237aから転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データを転送するようにしてもよい。
この場合、転送先の常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かの判別は、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す常駐用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)と、画像コントローラ237が通常用ビデオRAM236にアクセスしていること(即ち、使用中であること)を示す通常用ビデオRAMアクセスフラグ(図示せず)とを画像コントローラ237に設け、MPU231が転送先のバッファRAMに対応するアクセスフラグを確認することで行うようにしてもよい。
或いは、画像コントローラ237と常駐用ビデオRAM235との間で送受信される信号、或いは、画像コントローラ237と通常用ビデオRAM236との間で送受信される信号をMPU231によって監視し、その信号の状態から常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを確認してもよい。或いは、画像コントローラ237が常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236に対してアクセスを開始する場合や、アクセスを終了する場合に、随時、その情報を画像コントローラ237からMPU231に通知することによって、MPU231はその通知に基づいて常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236が未使用であるか否かを判断してもよい。
或いは、画像コントローラ237が第3図柄表示装置81を走査する場合に、その走査がブランク期間中であるか否かを、MPU231が画像コントローラ237の駆動状態を確認するか若しくは画像コントローラ237からの通知によって把握し、走査状態がブランク期間にある場合は、各ビデオRAM235,236が未使用中であると判断してもよい。これにより、画像コントローラ237の第3図柄表示装置81の走査状態だけを確認して、未使用中であるか否かを判断するので、その判断を簡単に行うことができる。
また、この場合、MPU231は、転送データテーブルバッファ233fに設定された転送データテーブル、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブル、又は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルにおいて、ポインタ233g,251g,452gで示されるアドレスにNullデータではない転送データ情報が存在する場合に、その転送データ情報に従って、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理を開始するようにしてもよい。ここで、表示データテーブル等に従って所定のスプライトの描画が開始されるまでに、その所定のスプライトに対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されるように、転送対象画像データの転送データ情報が所定のアドレスに対して規定されているので、この転送データテーブルに規定された転送データ情報に従って画像データを転送することにより、表示データテーブル等に従って所定のスプライトを描画する場合に、そのスプライトの描画に必要な常駐用ビデオRAM235に常駐されていない画像データを、必ず通常用ビデオRAM236に格納させておくことができる。そして、その通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて、表示データテーブルに基づき、所定のスプライトの描画を行うことができる。
なお、キャラクタROM234から画像データを読み出して、通常用ビデオRAM236へ転送する処理は、MPU231によって実行される表示メイン処理またはメイン処理のループの中で行うようにしてもよい。これにより、MPU231において、コマンド割込処理やV割込処理といった表示制御装置114における重要な処理が行われていない時間を利用して、画像データの転送処理を実行することができる。また、コマンド割込処理やV割込処理は、表示メイン処理などよりも優先して実行される処理であるので、コマンド割込処理やV割込処理に影響を与えることなく、MPU231が画像データの転送処理を実行することができる。
上記各実施形態において、MPU231は、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれが持つアドレスを用いて、各ビデオRAMを管理するのではなく、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236とで共通に用いられるアドレス体系の中で、各ビデオRAM毎に異なるアドレス領域を割り当てて、それぞれのビデオRAMを管理してもよい。このようにすれば、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスしたいビデオRAM(常駐用ビデオRAM235か、通常用ビデオRAM236か)を直接指定することなく、単にアドレスを指定するだけで、そのアドレスで指定された領域が常駐用ビデオRAM235に対するものであるのか、通常用ビデオRAM236に対するものであるのかを画像コントローラ237が判断することができる。即ち、MPU231から画像コントローラ237に対して、アクセスすべきビデオRAMとそのビデオRAMの領域のアドレスとを指定する場合に、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを指定すればよいので、その指定を行う命令の構成を単純化することができる。例えば、MPU231から画像コントローラ237に対して送信され描画リストにおいて、スプライトのデータの格納先を示す情報として、格納RAM種別を含めることなく、単に共通のアドレス体系の中で設定されたアドレスを用いて格納先のアドレスを指定するだけでよいので、その描画リストの構成を単純化することができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234をMPU231と画像コントローラ237の接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、キャラクタROM234を画像コントローラ237に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234の入出力仕様を、マスクROMの入出力仕様に変換するブリッジ回路を設け、そのブリッジ回路を介してキャラクタROM234を内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続して設けてもよい。
このブリッジ回路を設けることにより、キャラクタROMとして一般的なマスクROMを用いることを前提に設計された既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)をそのまま使用して、NAND型フラッシュメモ234aにより構成されたキャラクタROM234を接続することができる。尚、キャラクタROM234が画像コントローラ237やブリッジ回路を介して接続される場合であっても、MPU231からキャラクタROM234に直接アクセスできるように構成してもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234がNAND型フラッシュメモ234aで構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、大容量で且つ安価な不揮発性の記憶手段、例えば、ハードディスクなどによって構成されてもよい。このような大容量で且つ安価な記憶手段は、一般的に読み出し速度が遅いが、表示制御装置114を上記各実施形態で説明した構成とすることにより、表示させたい時間に画像を問題なく表示させることができる。
上記各実施形態では、キャラクタROM234にNOR型ROM234dを設け、その第1プログラム格納エリア234d1にMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、NAND型フラッシュメモリ234aよりも高速に読み出し動作が可能な不揮発性の記憶媒体によって構成されたメモリに第1プログラム格納エリアを設けて、そのエリアにMPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納するようにしてもよい。例えば、NOR型ROM234dに代えて、FeRAM(Ferroelectric RAM)、MRAM(Magnetoresistive RAM)又はPRAM(Phase change RAM)などをキャラクタROM234に設け、それに第1プログラム格納エリアを設けて、MPU231においてシステムリセット解除後に最初に実行されるブートプログラムの一部を格納してもよい。
上記各実施形態では、ROMコントローラ234bにおいて、内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットした上で、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力する場合について説明した。これに対し、ROMコントローラ234bが電源装置115から電源が投入されたことを検出すると、ROMコントローラ234bが第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムをバッファRAM234cへセットしておき、次いで、ROMコントローラ234bにおいて内部バス(バスライン240)のアドレスが「0000H」に指定されたことを検知すると、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)をバッファRAM234cから読み出して、内部バス(バスライン240)を介してMPU231へ出力してもよい。この場合、MPU231がシステムリセット解除後に内部バス(バスライン240)に対してアドレス「0000H」を指定すると、既にバッファRAM234cに第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されているブートプログラムがセットされているか、セットされる途中であるので、キャラクタROM234は、アドレス「0000H」がMPU231によって指定されてからより少ないディレイで対応するデータ(命令コード)を出力することができる。従って、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。
また、ROMコントローラ234bは、内部バス(バスライン240)に指定されたアドレスが、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラムを指定するものであると検知すると、第1プログラム記憶エリア234d1から直接、指定されたアドレスに対応するデータ(命令コード)を読み出し、内部バス(バスライン240)を介してMPU231に対して出力するようにしてもよい。これにより、MPU231は、アドレス「0000H」を指定してから短い時間でアドレス「0000H」に対応する命令コードを受け取ることができるので、MPU231において表示メイン処理の起動を短時間で行うことができる。その結果、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aで構成されたキャラクタROM234に制御プログラムを格納しても、表示制御装置114における第3図柄表示装置81の制御を即座に開始することができる。また、この場合、第1プログラム記憶エリア234d1に記憶されている制御プログラム(ブートプログラム)をバッファRAM634cにセットする処理を行わないようにしてもよい。これにより、キャラクタROM234における電力消費を抑制することができる。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235を画像コントローラ237に接続して設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、MPU231とキャラクタROM234と画像コントローラ237とが接続される内部バス(バスライン240)に直接接続して設けてもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続して設けてもよい。ブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235を接続するように構成すれば、既存の画像コントローラ237又は内部バス(バスライン240)が、常駐用ビデオRAM235を直接接続可能に構成されていなくても、常駐用ビデオRAM235を表示制御装置114に容易に設けることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114に1つの常駐用ビデオRAM235と1つの通常用ビデオRAM236とを設ける場合について説明したが、各種ビデオRAMの数はこれに限定されるものではなく、より多くのビデオRAMを設けてもよい。また、常駐用ビデオRAMを複数設け、それぞれに各種モードなどに応じた画像に対応する画像データを常駐させておき、そのモードに応じて使用する常駐用ビデオRAMを選択するようにしてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236を、1ポート型(入出力ポートが1ポート)のDRAMによって構成される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、マルチポート型のRAMを用いてもよい。これにより、常駐用ビデオRAM235や通常用ビデオRAM236への書き込みと読み出しを同時に行うことができるので、例えば、通常用ビデオRAM236から画像データを読み出して画像の描画を行いながら、キャラクタROM234から読み出された画像データを通常用ビデオRAM236へ書き込む処理を並列処理することができる。よって、画像データの書き込みによって描画処理が遅延する恐れを抑制することができる。
また、上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235と通常用ビデオRAM236とを別のメモリによって構成する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、1つのRAMを常駐領域と通常領域とに分割し、それぞれの領域に対して、常駐用ビデオRAM235及び通常用ビデオRAM236のそれぞれと同一の内容が記憶されるようにしてもよい。尚、1つのRAMで常駐領域と通常領域とを構成する場合、そのメモリの入出力ポートが、常駐領域および通常領域のうち一方の領域によって、読み出し又は書き込み処理で占有されることを防止するため、マルチポート型のRAMを用いるのが望ましい。
上記各実施形態における常駐用ビデオRAM235に格納される画像データの種類は一例であり、その種類は、第3図柄表示装置81に表示させる画像の内容に応じて適宜設定されるものであってもよい。この場合、主制御装置101または音声ランプ制御装置113から受信した受信コマンドやその他外部からの入力に応じて、即座に第3図柄表示装置81へ表示すべき画像に対応する画像データを少なくとも常駐用ビデオRAM235へ常駐させるのが好ましい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234に格納された画像データの一部を常駐用ビデオRAM235へ転送し、常駐させる場合について説明したが、キャラクタROM234に格納された全ての画像データを常駐用ビデオRAM235へ転送してもよい。この場合、常駐用ビデオRAM235に非常駐のキャラクタROM234に格納された画像データは存在しないので、通常用ビデオRAM236は、画像コントローラ237による描画によって得られた描画画像データを格納するための専用メモリとして用いてもよい。
上記各実施形態では、常駐用ビデオRAM235は、電源投入中、上書きされずにその内容が保持され続ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、主制御手段101または音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示させる画像を大きく異ならせる場合など、所定の契機に基づいて、常駐用ビデオRAM235に常駐させる画像データを上書きして更新するようにしてもよい。この場合、第3図柄表示装置81に表示させる画像を変更する間、移行期間として所定の移行画像を表示させてもよい。また、その移行画像に対応する画像データは、電源投入時に常駐用ビデオRAM235に格納され、その他の常駐用画像が更新されるときにも更新されずに常駐用ビデオRAM235に保持され続けるようにしておいてもよい。また、その移行画像を表示させている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。或いは、その移行画像を表示させている間に、MPU231が画像コントローラ237に対して新たに常駐すべき画像データの転送指示(転送データ情報)を送信し、画像コントローラ237が、その転送指令(転送データ情報)に従ってキャラクタROM234から常駐すべき画像データを読み出し、バッファRAM237aを介して、常駐用ビデオRAM235の未使用中(即ち、移行画像に対応する画像データが読み出されていない期間中)に転送するようにしてもよい。
また、常駐用ビデオRAM235を更新する場合、予め移行画像に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送しておき、通常用ビデオRAM236に格納された画像データを用いて移行画像を第3図柄表示装置81に表示させもよい。そして、その移行画像が表示されている間に、MPU231が直接キャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。或いは、MPU231より常駐すべき画像データの転送指示を受けた画像コントローラ237がキャラクタROM234にアクセスして、新たに常駐すべき画像データを読み出し、その読み出した画像データを、バッファRAM237aを介して転送するようにしてもよい。移行画像を表示させている間に、常駐用ビデオRAM235の内容を更新することにより、遊技者に違和感を持たせることなく、その常駐用ビデオRAM235の更新を行うことができる。
上記各実施形態において、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データを全て常駐した後、停電解消時に常駐用ビデオRAM235のデータが正常か否かを判定するためのRAM判定値を記憶させておき、電源投入後に表示制御装置114のMPU231で実行される表示メイン処理またはメイン処理の中で、電源投入時主画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送開始する前に、RAM判定値を確認し、そのRAM判定値が正常な値であれば、常駐用ビデオRAM235に常駐すべき画像データが正常に格納され続けていることを意味するので、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行とするように構成してもよい。この場合、簡易画像表示フラグをオフにすることで、常駐用ビデオRAM235への画像データの転送を非実行となるようにしてもよい。これにより、瞬停の発生によって、表示制御装置114にシステムリセットが入力され、MPU231によって表示メイン処理またはメイン処理の実行が開始された場合であっても、常駐用ビデオRAM235のデータが正常に格納されている場合は、無駄にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データが転送されるのを防ぐことができ、停電復帰にかかる時間を短縮することができる。特に、キャラクタROM234は、読み出し速度の遅いキャラクタROM234aによって構成されているので、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235に画像データを転送する場合には長い時間を要する。これに対し、本変形例のように常駐用ビデオRAM235にRAM判定値を記憶させることで、瞬停などにより常駐用ビデオRAM235のデータが正常に残っている場合は、その画像データの転送に要する時間を短縮できるので、補助表示部65や第3図柄表示装置81に対して、即座に通常の演出画像を表示させることができる。よって、遊技者に即座に遊技を開始させることができる。なお、RAM判定値は、例えば常駐用ビデオRAM235に記憶される画像データのチェックサム値であってもよい。また、このRAM判定値に代えて、常駐用ビデオRAM235の所定のエリアに書き込まれたキーワードが正しく保存されているか否かによりデータの有効性を判断するようにしても良い。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを画像コントローラ237内に設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237の外に設けてもよい。例えば、バッファRAMを単独で構成し、内部バス(バスライン240)に直接接続するように構成してもよい。また、キャラクタROM234が上記ブリッジ回路を介して内部バス(バスライン240)または画像コントローラ237に接続される場合、そのブリッジ回路内にバッファRAMを設けてもよい。更に、そのバッファRAMを有するブリッジ回路に常駐用ビデオRAM235が直接接続されてもよい。この場合、ブリッジ回路に接続されたキャラクタROM234から、ブリッジ回路に設けられたバッファRAMを介して、常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、データ信号のやりとりが多い内部バス(バスライン240)に影響されることなく、効率的に転送を行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aの記憶容量を、NAND型フラッシュメモ234aの1ブロック分とする場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、適宜設定されるものであってもよい。例えば、第3図柄表示装置81が有する表示画面の走査期間のうち、実際の画像が表示される表示領域以外の走査領域であるブランク領域上を走査している期間(ブランク期間)中に、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ画像データの転送が完了できる程度のデータ容量を、バッファRAM237aの記憶容量としてもよい。これにより、バッファRAM237aから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への画像データへの転送は、このブランク期間に生じる各ビデオRAM235,236の未使用期間を利用することで、確実に行うことができる。
上記各実施形態では、バッファRAM237aを1つ設ける場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、バッファRAMを2つまたはそれ以上設けてもよい。この場合、一のバッファRAMにキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、別のバッファRAMから常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ格納された画像データを転送するように構成してもよい。また、1つのバッファRAMの中で領域を2つ又はそれ以上に分割し、一の領域にキャラクタROM234から読み出された画像データを格納している間に、画像データが格納されている別の領域から常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236へ、その画像データを転送するように構成してもよい。いずれの場合であっても、キャラクタROM234から読み出された画像データのバッファRAMへの書き込みと、バッファRAMに書き込まれた画像データの常駐用ビデオRAM235又は通常用ビデオRAM236への転送とを並列して処理できるので、その処理にかかる時間を短縮できる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、この電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送してもよい。これにより、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像や電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させながら、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送することができる。そして、この間、常駐用ビデオRAM235からは画像データが読み出されないので、常駐用ビデオRAM235の使用状態を監視することなく、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ画像データを転送できるので、その画像データの転送を早く完了させることができると共に、処理の簡素化を図ることができる。
上記各実施形態では、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介して常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送する場合について説明したが、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを転送する間は、常駐用ビデオRAM434から画像データの読み出しが行われないので、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ直接転送してもよい。また、電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを電源投入後にキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送し、通常用ビデオRAM236に格納された電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて第3図柄表示装置81に電源投入時画像を表示させることなどにより、キャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ常駐すべき画像データを転送する間、常駐用ビデオRAM235から画像データの読み出しが行われないように構成されている場合は、常駐すべき画像データをキャラクタROM234からバッファRAM237aを介さずに常駐用ビデオRAM235へ直接転送してもよい。これにより、バッファRAM237aを介さずに、より早く画像データの転送を終えることができる。
上記各実施形態では、遊技者によって枠ボタン22が操作された場合に、音声ランプ制御装置113により背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドが生成され、表示制御装置114によってその背面画像変更コマンドや枠ボタン操作コマンドに基づき、第3図柄表示装置81に表示される背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、音声ランプ制御装置113は、主制御装置110より受信したコマンドの内容に基づいて、遊技機200の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、例えば、遊技状態の変更にあわせて、背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドを生成してもよい。これにより、表示制御装置114では、その背面画像変更コマンドや遊技状態コマンドに基づき、遊技状態に応じて背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更することができる。また、表示制御装置114が直接遊技機200の遊技状態を把握し、その遊技状態に応じて、背面画像やスーパーリーチの演出態様を変更してもよい。そして、変更後の背面画像、または、変更後の演出態様のスーパーリーチに対応する背面画像の少なくとも一部の範囲に対応する画像データが常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐されることによって、その常駐された範囲から、その背面画像を、背面画像エリア235cに常駐された画像データを用いて即座に表示させることができる。
また、表示制御装置114は、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルの規定に従って背面画像を変更してもよい。この場合、変更後の背面画像に対応する画像データは、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報に従って、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ予め転送されるように構成してもよい。ここで、転送データテーブル、合成データテーブルや表示データテーブルに記載された転送データ情報によって背面画像の画像データを転送する場合、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよいし、元々の背面画像が格納された通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aのサブエリアとは別のエリアに新たな背面画像が格納されるように転送データテーブルの転送データ情報を規定してもよい。後者の場合、背面画像を遊技者によって選択されて表示されていた元の背面画像に戻す際に、改めて元の背面画像に対応する画像データを転送する必要がないので、表示制御装置114の処理負荷の増大を抑制することができる。
上記各実施形態では、振動センサ228の出力信号を音声ランプ制御装置113に入力し、音声ランプ制御装置113にて振動エラーが検出された場合、エラーコマンドを表示制御装置114へ送信することにより、表示制御装置114にて第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、振動センサ228の出力信号を主制御装置110へ入力し、主制御装置110にて振動エラーを検出して、主制御装置110からそのエラーを通知するエラーコマンドを音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかへ送信するようにしてもよい。そして、音声ランプ制御装置113に対してエラーコマンドが送信される場合は、音声ランプ制御装置113がそのエラーコマンドを受けて、表示制御装置114へ更にそのエラーを通知するエラーコマンドを送信するようにしてもよい。
一方、振動センサ228の出力信号を表示制御装置114に入力し、表示制御装置114にて振動エラーの有無を検出するように構成してもよい。そして、振動エラーが検出された場合、エラー発生フラグをオンにし、更に、振動エラーに対応するエラー判別フラグをオンすることによって、表示設定処理(図41参照)においてエラー発生フラグがオンであることを判別した場合に警告画像設定処理(図43(b)参照)を実行することで、第3図柄表示装置81へ即座に警告画像を表示させてもよい。この場合、これにより、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へのエラーコマンドの送受信が不要となるため、より早く警告画像を第3図柄表示装置81へ表示させることができる。
また、上記各実施形態では、振動センサ228が遊技盤13の裏面に取り付けられている場合について説明したが、振動センサ228に代えて、若しくは、振動センサ228と共に、磁石センサが遊技盤13の裏面に取り付けられてもよい。この磁石センサは、磁石などの磁界によって球の流れが変えられ、意図的に入球口への入球が行われることを抑制するために、遊技板に加えられた磁界を検出するためのセンサであり、磁石センサの出力信号は、主制御装置110,音声ランプ制御装置113および表示制御装置114のいずれかに入力されるようにしてもよい。そして、磁石センサの出力信号が主制御装置110に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき主制御装置110によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが主制御装置110から音声ランプ制御装置113経由で、または、直接、表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が音声ランプ制御装置113に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき音声ランプ制御装置113によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、その磁界エラーを伝えるエラーコマンドが音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して送信されるようにしてもよい。そして、表示制御装置313の常駐用ビデオRAM235のエラーメッセージ画象エリア235fには、磁界エラーを第3図柄表示装置218の表示によって報知するためのエラーメッセージ画像に対応する画像データが常駐されるように構成し、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113から磁界エラーを伝えるエラーコマンドを受信すると、表示制御装置313は、第3図柄表示装置218にその警告画像を表示するようにしてもよい。また、磁石センサの出力信号が表示制御装置310に入力される場合は、その磁石センサの出力信号に基づき表示制御装置114によって遊技盤13に磁界が加えられたと判断されると、表示制御装置313は、エラー発生フラグをオンすると共に、磁界エラーに対応するエラー種別フラグをオンに設定することで、第3図柄表示装置218にその警告画像を表示するようにしてもよい。これにより、表示制御装置114は、主制御装置110又は音声ランプ制御装置113からのエラーコマンドを受信し、或いは、磁石センサからの出力信号に基づいて、磁界エラーの発生を把握すると、キャラクタROM234をNAND型フラッシュメモリ234aで構成した場合であっても、常駐用ビデオRAM425のエラーメッセージ画像エリア235fに常駐されているエラーメッセージ画像を用いて、遅滞なく磁界エラーを報知するエラーメッセージ画像を第3図柄表示装置81に表示させることができる。よって、遊技者により遊技板に対して磁界が加えられると、第3図柄表示装置81によるエラーメッセージ画像の表示によって、その磁界エラーが即座に報知されるので、遊技者に対して不正な行動を抑止させることができる。
上記各実施形態では、追加データテーブルや表示データテーブルとして、変動演出において通常では表示されない連続予告演出を第3図柄表示装置81に追加して表示させるための描画内容が既定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、追加データテーブル又は表示データテーブルは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に追加して第3図柄表示装置81に表示すべき種々の演出を描画するための描画内容が規定されたものであってもよい。また、追加データテーブル又は表示データテーブルでは、主制御装置110からのコマンドに基づき選定された表示データテーブルによって表示される一の演出に対して、通常では表示されない画像を追加して表示させるために必要な描画内容を規定するのに代えて、または、そのような描画内容を規定するのに加えて、その一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容や、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が既定されるものであってもよい。
一の演出における一部または全部の色調を変化させるために必要な描画内容を追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定する場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブル、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの追加データテーブル領域、又は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容においてポインタ233g,251g,452gにより示されるアドレスに色調を変化させるスプライトの種別と、そのスプライトにおける変化後の色調を指定する色情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブル,合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの表示データテーブル領域、又は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容においてポインタ233g,251g,452gにより示されるアドレスに規定された対応のスプライト種別の色情報を、追加データテーブル,合成データテーブルの追加データテーブル領域、又は、表示データテーブルの追加描画内容により規定された色情報に置き換えて、描画リストを作成するようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、追加データテーブルによって規定された色情報に基づいて、そのスプライトの色調を変化させながら画像の描画を行うことができる。
また、一の演出において表示される画像を変更して表示させるために必要な描画内容が追加データテーブル又は表示データテーブルによって規定される場合、その追加データテーブル又は表示データテーブルでは、第3図柄表示装置81において1フレーム分の画像が表示される時間(本実施形態では、20ミリ秒)を1単位として表したアドレスに対応させて、その時間において、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とを規定するものであってもよい。そして、MPU231は、追加データテーブルバッファ233eに設定された追加データテーブル、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの追加データテーブル領域、又は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される追加描画内容において、ポインタ233g,251g,452gにより示されるアドレスに、置き換え対象のスプライト種別と、新たに表示すべきスプライト種別と、その新たに表示すべきスプライトの描画情報とが規定されていた場合、表示データテーブルバッファ233dに設定された表示データテーブル,合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルの表示データテーブル領域、又は、表示データテーブルバッファ452dに設定された表示データテーブルに規定される描画内容において、ポインタ233g,251g,452gにより示されるアドレスに規定された各種スプライトのうち、置き換え対象のスプライトに代えて、新たに表示すべきスプライト種別と、そのスプライトの描画情報とを描画リストに含めるようにしてもよい。これにより、画像コントローラ237では、新たに表示すべきスプライトを含む画像の描画を行うことができる。
上記第1,第2実施形態では、転送データテーブルを各表示データテーブルに対応させて用意する場合について説明したが、それに加えて、各追加データテーブルに対応させた転送データテーブルである追加用転送データテーブルを用意してもよい。この追加用転送データテーブルでは、追加データテーブル(または表示データテーブル)において規定されるアドレスに対応させて、対応する追加データテーブルで用いられ、そのアドレスで示される時間に転送を開始すべきスプライトの画像データの転送データ情報が記載されていてもよい。
この場合、例えば、上記第1実施形態においては、表示制御装置281のワークRAM233に追加用転送データテーブルバッファを設け、一の追加データテーブルが追加データテーブルバッファ233eに設定された場合、表示データテーブルに対応した転送データテーブルとは別に、その一の追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを追加用転送データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。そして、MPU231は、追加用転送データテーブルバッファに設定された追加用転送データテーブルにおいて、ポインタ233gによって示されるアドレスに転送データ情報が記載されていれば、その転送データ情報を描画リストに追加するようにしてもよい。また、第2実施形態においては、合成データテーブルに追加用転送データテーブル領域を設け、表示データテーブルおよび転送データテーブルから合成データテーブルを生成する場合は、その追加用転送データテーブル領域にNullデータを書き込んでおき、合成データテーブルの追加データテーブル領域に追加データテーブルの内容が追記される場合に、その追記と合わせて、追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルの内容を合成データテーブルの追加用転送データテーブル領域に追記するようにしてもよい。そして、MPU231は、合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルバッファにおいて、ポインタ251gによって示されるアドレスに設けられた追加用転送データテーブル領域に転送データ情報が記載されていれば、その転送データ情報を描画リストに追加するようにしてもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加データテーブルによって用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加データテーブルにより規定された演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、追加データテーブルに対応する追加用転送データテーブルを用いることによって、追加データテーブルに基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加データテーブルによって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
また、上記第2実施形態では、表示データテーブルにおいて、その表示データテーブルに規定された描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報を含める場合について説明したが、それに加えて、表示データテーブルに規定された追加描画内容に従って画像を描画する場合に必要となる画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めてもよい。この場合、追加転送データ情報は、各アドレス毎に、その追加表示可能な演出を識別するための識別情報(「追加演出1」、「追加演出2」・・・等)に対応付けて、追加描画内容と共にまたは追加描画内容とは別個に規定されるものであってもよい。そして、MPU231は、追加して表示すべき演出を決定すると、その決定された演出に対応する識別情報に対応付けられた追加描画内容と追加転送データ情報とを含めて、描画リストを作成するように構成してもよい。
これにより、画像コントローラ237では、描画リストに従って、追加描画内容に従った描画で用いられるスプライトの画像データを、その画像データが用いられる前に予め通常用ビデオRAM236に転送しておくことができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、追加して表示すべき演出を容易に且つ確実に第3図柄表示装置81に表示させることができる。また、表示データテーブルに規定された追加転送データ情報を用いることによって、追加描画内容に基づく画像の描画を指示しながら、必要な画像データを通常用ビデオRAM236へ転送しておくことができるので、追加描画内容によって多くのスプライトの描画を指定することができる。よって、読み出し速度の遅いNAND型フラッシュメモリ234aによってキャラクタROM234を構成しても、多種態様な演出を第3図柄表示装置81に表示させることができる。
上記第1,第2実施形態では、遊技者にスーパーリーチを選択させる変動パターンに対応する表示テーブルにおいて、遊技者により選択され得る全てのスーパーリーチに対応する描画内容を表示データテーブル内に規定しておき、遊技者によって選択されたスーパーリーチに対応する描画内容だけを特定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、各スーパーリーチを追加して表示させる演出ととらえ、それぞれのスーパーリーチに対応する追加データテーブルを用意しておき、遊技者に選択されたスーパーリーチに対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定するか、もしくは、その追加データテーブルの内容を合成データテーブルバッファ251dに設定された合成データテーブルに対して追記ようにしてもよい。また、選択されたスーパーリーチに対応する描画内容を、表示データテーブルに追記するようにしてもよい。これによって、遊技者により選択されたスーパーリーチの描画内容を容易に特定することができる。また、表示データテーブルに全てのスーパーリーチに対応する描画内容を規定しておく必要がないので、表示データテーブルのデータサーズが大きくなることを抑制できる。
上記第3実施形態では、表示データテーブルに、描画内容と、転送データ情報と、追加描画内容とを含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルには、描画内容と転送データ情報とを規定し、追加して表示すべき演出の追加描画内容は、第1実施形態のように追加データテーブルに規定してもよい。この場合、ワークRAM452には、追加データテーブルバッファを設け、第1実施形態のように追加して表示すべき演出が決定された場合に、その演出に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファに設定するようにしてもよい。また、その追加データテーブルは、追加描画内容だけでなく、その追加描画内容に従って行われる画像の描画に必要な画像データの転送データ情報(追加転送データ情報)を含めて規定するものであってもよい。これにより、追加データテーブルを用いて追加して表示すべき演出の描画内容と、その描画に必要な画像の転送データ情報とを特定することができるので、追加データテーブルおよび追加用転送データテーブルからそれぞれ描画内容と転送データ情報とを特定する場合と比較して、その特定に要する処理の負荷を軽くすることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114において、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターン毎に表示データテーブルを用意する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、変動演出を、例えば、「変動立ち上げ」、「高速変動」、「予告演出」、「ノーマルリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」といった要素毎に表示データテーブルを用意し、表示用変動パターンコマンドに示される変動パターンに応じてその変動演出に必要な要素を特定した上で、その特定された変動演出に必要な用紙に対応する表示データテーブルを1つにまとめて、その変動パターンに対応する最終定期な表示データテーブルを生成するようにしてもよい。「変動立ち上げ」、「高速変動」、「ノーマルリーチ変動」などは、それぞれの変動パターンに共通した表示が行われる場合が多い。よって、このように変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することで、データテーブルを効率的に持たせることができる。特に、擬似連では、図11〜図13に示した通り、擬似変動による「高速変動」、「ノーマルリーチ変動」、「スーパーリーチ変動」や「スペシャルリーチ変動」など、各擬似連で共通して用いられる要素が多いので、擬似連による変動演出が行われる遊技機においていは、変動演出を要素化し、それぞれの要素に対応して表示データテーブルを用意することによるデータテーブルの効率化の効果が、より大きく得られる。
上記上記第1実施形態では、表示データテーブル、追加データテーブルおよび転送データテーブルで、共通のポインタ233gを用いて、そのポインタ233gによって示されるアドレスから描画内容や転送データ情報を特定する場合について説明したが、それぞれのデータテーブルに対して、ポインタを用意してもよい。
上記各実施形態では、画像コントローラ237が、描画処理を終了する1フレーム分の画像の表示間隔毎(上記実施形態では20ミリ秒毎)に、V割込信号をMPU231に対して送信する場合について説明したが、画像コントローラ237は、第3図柄表示装置81を駆動して1フレーム分の画像を表示させる度に、このV割込信号をMPU231に対して送信するようにしてもよい。第3図柄表示装置81の駆動は、常に1フレーム分の画像を常に等時間間隔(20ミリ秒間隔)で表示されるように行われるので、1フレーム分の画像の表示毎にV割込信号を送信することで、その時間間隔を計時しなくても正確に保つことができる。
上記各実施形態では、画像コントローラ237は、MPU231から送信される描画対象バッファ情報に基づいて、描画した画像を展開すべきフレームバッファを特定すると共に、もう一方のフレームバッファから先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、画像コントローラ237が、描画リストを受信する毎に、描画した画像を展開すべきフレームバッファを交互に選択するようにし、その選択されたフレームバッファとは異なるフレームバッファから、先に展開された画像情報を読み出して、第3図柄表示装置81に送信するようにしてもよい。また、画像コントローラ237が、第3図柄表示装置81に1フレーム分の画像情報を送信する度に、描画した画像を展開すべきフレームバッファと、第3図柄表示装置81に対して画像情報を出力するフレームバッファとを入れ替えるようにしてもよい。
上記各実施形態では、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルが表示データテーブルバッファ233d,452dに設定された後、又は、その確定表示データテーブルに基づいて生成された合成データテーブルが合成データテーブルバッファ251dに設定された後、その確定表示演出が終了するまでに、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれも受信しなかった場合は、デモ演出に対応するデモ用表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定する場合について説明したが、これを、再び確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233d,452dに設定したり、その確定表示データテーブルに基づいて生成された合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定するようにしてもよい。また、この場合、音声ランプ制御装置113を介して主制御装置110より変動パターンコマンド(表示用変動パターンコマンド)及びデモコマンド(表示用デモコマンド)のいずれかが受信されるまで、確定表示演出が終了するたびに、確定表示演出に対応する確定表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに再設定したり、その確定表示データテーブルに基づいて生成された合成データテーブルを合成データテーブルバッファ251dに設定するようにしてもよい。これにより、主制御装置110から変動パターンコマンド又はデモコマンドを受信するまで、第3図柄表示装置81に確定表示演出を表示させ続けることができる。
上記各実施形態では、デモ演出が、背面画像を変化させると共に「0」から「9」の数字が付されていない主図柄からなる第3図柄を停止表示させるものである場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、数字の付された主図柄または数字の付されていない主図柄からなる第3図柄を、半透明状態で停止表示させるものであってもよい。また、第3図柄を表示させずに背面画像だけを変化させるものであってもよい。また、変動表示で用いられる第3図柄や背面画像とは全く異なるキャラクタや背面画像を表示させるものであってもよい。
上記各実施形態では、表示制御手段314において、電源投入後にまず電源投入時主画像および電源投入時変動画像に対応する画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aおよび電源投入時変動画像エリア235bへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、残りの常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、表示制御手段314において、電源投入後にまず電源投入時主画像に対応する画像データのみをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235の電源投入時主画像エリア235aへ転送し、その転送完了後に電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させてから、電源投入時変動画像に対応する画像データを含む常駐すべき画像データをキャラクタROM234から常駐用ビデオRAM235へ転送するようにしてもよい。これにより、電源投入時主画像を電源投入後により早く第3図柄表示装置81へ表示させることができるので、遊技者やホール関係者、又は、製造時の工場等における動作チェックにおいて、パチンコ機10が電源投入によって問題なく動作が開始されていることをすぐに確認することができる。
また、この場合、MPU231が、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送完了を監視するようにしてもよい。これにより、電源投入時変動画像エリア235bに電源投入時変動画像に対応する画像データが格納されて以降に、音声ランプ制御装置113より表示用変動パターンコマンドを受信すれば、その表示用変動パターンコマンドに基づき、電源投入時変動画像エリア235bに格納された電源投入時変動画像に対応する画像データを用いて、簡易的な変動表示を第3図柄表示装置81に表示させることができる。なお、電源投入時変動画像に対応する画像データの電源投入時変動画像エリア235bへの転送は、電源投入時主画像を第3図柄表示装置81に表示させた直後に行うのが望ましい。これにより、電源投入時変動画像による変動表示をより早く行えるようにすることができる。
上記各実施形態において、表示データテーブル、追加データテーブル、転送データテーブルおよび合成データテーブルは、20ミリ秒を1単位として表した時間に対応して、その時間に描画すべき画像の内容(描画内容)や、その時間に転送すべき画像データの情報(転送データ情報)を規定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、所定の時間間隔毎に表示内容を規定するものであればよい。この所定の時間間隔は、第3図柄表示装置81のフレームレートにあわせて設定するようにしてもよい。例えば、第3図柄表示装置81のフレームレートが30fps、即ち、第3図柄表示装置81が、1秒間に30フレームの画像を表示するものである場合は、第3図柄表示装置81は1/30秒毎に1フレームの画像が表示されるので、表示データテーブルは、1/30秒間隔毎に表示内容を規定するものにしてもよい。
また、表示データテーブルや追加データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される描画すべきスプライト種別として、そのスプライト種別そのものを指示するのではなく、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定するものであってもよい。表示制御装置114では、第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別に対応する画像データをキャラクタROM234から読み出すため、各スプライト種別に対応付けて、そのスプライト種別の画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを管理している。よって、表示データテーブルにおいて、所定の時間間隔毎に規定される表示内容として、そのスプライト種別に対応する画像データが格納されたキャラクタROM234のアドレスを規定すれば、各スプライト種別に対応付けて、スプライトを特定する情報とキャラクタROM234のアドレスとの両方を管理する必要がなくなるため、処理負担の軽減を図ることができる。
上記各実施形態では、表示制御装置114のワークRAM233,251,452に格納画像判別フラグ233j,251j,452jを設け、スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているか否かを記憶させる場合について説明したが、これに代えて、画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報をワークRAM233,251,452に記憶させてもよい。この場合、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データを転送指示する場合に、ワークRAM233,251,452に記憶された画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を示す情報を参照して、その所定の画像データが既に画像格納エリア236aに格納されているか否かを判別し、格納されていなければ、その所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定してもよい。また、MPU231は、所定のスプライト種別の画像データの転送指示を設定した場合、その転送指示が設定されたスプライト種別を示す情報をワークRAM233,251,452に格納すると共に、そのスプライト種別の画像データが格納される画像格納エリア236aのサブエリアに格納されていたスプライト種別を示す情報を消去するようにしてもよい。
上記各実施形態では、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ所定のスプライト種別の画像データを転送する際に、格納画像判別フラグ233j,251j,452jに基づいて、そのスプライト種別の画像データが通常用ビデオRAM437に格納されているか否かを判断し、通常用ビデオRAM236に、その所定のスプライト種別の画像データが格納されていれば、その転送処理を非実行とする処理を、MPU231が行う場合について説明したが、この処理を、画像コントローラ237が行うようにしてもよい。この場合、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、格納画像判別フラグ233j,251j,452jと同等のフラグを用意して、各スプライト毎に、対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されているかどうかを記憶させてもよい。また、画像コントローラ237に設けられたワークRAMに、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに格納されているスプライト種別を記憶させるようにしてもよい。なお、この場合、MPU231は、キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への所定のスプライト種別の画像データの転送が必要であれば、通常用ビデオRAM236における画像データの格納状態に関わらず、画像コントローラ237に対して、その画像データの転送データ情報を送信するようにしてもよい。
上記各実施形態では、複数の背面画像のうち、「背面A」に対応する画像データのみを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させる場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、2以上の背面画像に対応する画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させるようにしてもよい。例えば、一部のスーパーリーチで用いられる背面画像の画像データを常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させてもよい。特に、出現頻度が高い又は高いと予想されるスーパーリーチの背面画像を常駐用ビデオRAM235の背面画像エリア235cに常駐させることにより、キャラクタROM737から通常用ビデオRAM536への画像データの転送処理が実行される回数を抑制することができる。
上記各実施形態では、転送データテーブル又は表示データテーブルによって、ポインタ233g,251g,452gで示されるアドレスに対応付けて画像データの転送指令が規定され、MPU231は、その表示ポインタにより規定される所定の時間にその転送指令で指示された画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、表示データテーブルの先頭に、その表示データテーブルにおいて必要となるスプライト種別に関する情報を記載し、MPU231は、その表示データテーブルの先頭に記載された情報に基づいて、必要な画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。若しくは、音声ランプ制御装置113から受信したコマンドに基づき、MPU231がそのコマンドに対応して第3図柄表示装置81に表示すべきスプライト種別を判断して、その画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように画像コントローラ237を制御してもよい。
上記各実施形態では、「島ステージ」の背面画像である背面Cにおいて、その画像の一部の色調が時間と共に変化する場合について説明したが、画像全体の色調が時間と共に変化するものであってもよい。また、背面画像として、時間の経過と共にスクロールしたり、色調が変化したりするものだけではなく、また、そのような背面画像に代えて、時間の経過と共に、登場する物体(例えば、人物)が移動したり、変化したりするようなものであってもよい。
上記各実施形態では、変動演出が行われる第3図柄表示装置81にて連続予告演出も実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、パチンコ機10に第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置を設け、第3図柄表示装置81で実行される変動演出と合わせて、第4図柄表示装置に第4図柄を表示させることによって、連続予告演出を実行してもよい。この場合、第4図柄表示装置の制御を表示制御装置114で行ってもよいし、音声ランプ制御装置113で行ってもよい。また、各種演出に応じて作動する役物をパチンコ機10に設け、その役物を変動演出と合わせて所定の態様で作動させることによって、連続予告演出を実行してもよい。また、音声ランプ制御装置113の制御により、パチンコ機10の音声出力装置226から連続予告演出用の音声を出力させることによって、連続予告演出を実行してもよいし、パチンコ機10の電飾部29〜33を変動演出と合わせて点灯または点滅させることによって、連続予告演出を実行してもよい。
これにより、第3図柄表示装置81(および第1図柄表示装置37)において変動演出が行われる度に、連続して第4図柄表示装置に図柄が表示されたり、役物が所定の態様で作動したり、音声出力装置226から音声が出力されたり、若しくは、電飾部29〜33が点灯または点滅することによって、遊技者に対して大当たりの期待感を持たせることができる。また、遊技者は、通常、変動演出が行われる第3図柄表示装置81を注視して遊技を継続して行うが、第3図柄表示装置81とは別の第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、若しくは電飾部29〜33の点灯・点滅によって連続予告演出が行われるで、遊技者に対して、通常とは異なる演出が行われたことを容易に認識させることができる。また、連続予告演出を、第4図柄表示装置による図柄の表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、または電飾部29〜33の点灯・点滅といった簡単な制御で容易に連続予告演出を行わせることができる。
また、連続予告演出を音声出力装置226からの音声出力や、電飾部29〜33の点灯または点滅によって行えば、その連続予告演出の制御は音声ランプ制御装置113によって行われるので、始動入賞時における当否判定や変動開始時の抽選処理を主制御装置110に行わせ、連続予告演出を音声ランプ制御装置113に行わせ、変動演出を表示制御装置114に行わせることで、パチンコ機10により連続予告演出を行う場合、それぞれの制御装置に各処理を分担させることができる。よって、1つの制御装置に負荷が集中するのを防ぐことができるので、各制御装置のMPUに求められる性能を低く抑えることができる。
尚、第3図柄表示装置81における連続予告演出用の図柄の表示、第4図柄表示装置における連続予告演出用の図柄の表示、役物の所定の態様での作動、音声出力装置226からの音声出力、及び、電飾部29〜33の点灯または点滅のうち、少なくとも2以上を組み合わせ、それぞれを連動させて制御することにより、連続予告演出を実行してもよい。これにより、より多彩な連続予告演出を実行させることができる。また、連続予告演出の実行方法(第3図柄表示装置81による表示、第4図柄表示装置による表示、役物の作動、音声出力装置226からの音声出力、電飾部29〜33の点灯または点滅、又は、それらの組み合わせ)を変えることで、連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、外れ)に応じて選定される連続予告演出態様を複数用意してもよい。
また、上記各実施形態では、連続予告演出が行われる場合に、変動演出とは別の連続予告演出用の画像が第3図柄表示装置81に表示される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連続予告演出を、変動演出が終了したときに表示される停止図柄として、所定の図柄の組み合わせである、所謂「チャンス目」を表示させることによって行ってもよい。この場合、表示制御装置313のMPU221で実行されるコマンド判定処理の連続予告コマンド処理(図39(a)参照)の中で、チャンス目に対応する停止図柄判別フラグをオンにすると共に、その他の停止図柄判別フラグをオフに設定するようにしてもよい。コマンド判定処理では、停止識別コマンド処理の後に連続予告コマンド処理を実行するので、表示用停止識別コマンドの受信によって設定された停止図柄に代えて、チャンス目が停止図柄として設定されるので、変動停止時にチャンス目を確定表示させることができる。そして、第3図柄表示装置81において、変動演出ごとに停止図柄としてチャンス目が連続して表示されれば、遊技者に対して、最終的に大当たりが得られる期待感を持たせることができる。
上記各実施形態では、主制御装置110が、音声ランプ制御装置に対して通知する始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3)の情報を、保留球数コマンドに含める場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、別のコマンドによって始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3)の情報を音声ランプ制御装置113に通知してもよい。
上記各実施形態において、主制御装置110は、保留球数コマンドに、始動入賞時に取得した各種カウンタ(第1当たり乱数カウンタC1,第1当たり種別カウンタC2,停止パターン選択カウンタC3)の情報を含めた上で、音声ランプ制御装置113に対してその保留球数コマンドを送信し、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドに含められた各種カウンタの値に従って、保留球数コマンドが送信された時点で保留された保留球に対応して行われる抽選の結果や変動演出後の停止種別を推定し、その推定結果と、その時点で保留されている保留球数に基づいて、連続予告演出を行うか否かを決定する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではない。例えば、主制御装置110は、始動入賞時に取得した各種カウンタの値から、その始動入賞に対応する抽選の結果や変動演出後の停止種別を推定し、その推定結果の少なくとも一部を保留球数コマンドに含めて音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113は、その通知された推定結果に基づいて、連続予告演出を行うか否かを決定してもよい。また、主制御装置110は、始動入賞時に取得した各種カウンタの値から推定した、その始動入賞に対応する抽選の結果や変動演出後の停止種別に基づいて連続予告演出を行ってもよいか否かを判断して、少なくとも判断結果を保留球数コマンドに含めて音声ランプ制御装置113に通知し、音声ランプ制御装置113はその判断結果を基に、最終的に連続予告演出を行うか否かを決定してもよい。更に、主制御装置110で連続予告演出を行うか否かを判断し、その判断結果を保留球数コマンドに含めて音声ランプ制御装置113へ通知し、音声ランプ制御装置113は、連続予告演出の演出態様だけを決定するようにしてもよい。保留球数コマンドに含める情報として、推定した始動入賞に対応する抽選の結果や変動演出後の停止種別に関する情報、連続予告演出を行ってもよいか否かの情報、又は、連続予告演出を行うか否かの情報とすることによって、各種カウンタの値を含める場合と比較して、保留球数コマンドのコマンドサイズを小さくすることができる。尚、推定した始動入賞に対応する抽選の結果や変動演出後の停止種別に関する情報、連続予告演出を行ってもよいか否かの情報、又は、連続予告演出を行うか否かの情報は、保留球数コマンドとは別のコマンドによって、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信されてもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して連続予告コマンドが送信された場合に、表示制御装置114において、その連続予告コマンドによって示された連続予告画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように転送指示を行う場合について説明したが、その連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別が同一演出型の連続予告演出を構成するものである場合は、連続予告コマンドで示される連続予告画像種別に対応する画像データを一度キャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送した後は、連続予告演出が終了するまでの間、他の画像データによって上書きされないように制御されてもよい。これにより同じ画像データを繰り返し転送することを抑制することができる。
また、連続予告コマンドによって示される連続予告画像種別がステップアップ型の連続予告演出を構成するものである場合は、連続予告コマンドで示される連続予告画像種別に対応する画像データだけでなく、そのステップアップ型の連続予告演出で用いられる全ての連続予告画像種別に対応する画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように転送指示するものであってもよい。また、この場合も、一度通常用ビデオRAM236へ転送されたこれらの連続予告画像種別に対応する画像データは、連続予告演出が終了するまでの間、他の画像データによって上書きされないように制御されてもよい。これにより、連続予告演出によってその連続予告画像種別に対応する画像データが用いられる前に、確実にその画像データを通常用ビデオRAM236へ格納しておくことができる。また、同じ画像データを繰り返し転送することを抑制することができる。
また、音声ランプ制御装置113において、コマンド判定処理(図32参照)の中で実行される連続予告判定処理(S2009)によって連続予告演出の実行が決定され、また、その連続予告演出態様が決定された段階で、その連続予告演出の実行決定と連続予告演出態様とを表示制御装置114へ通知するコマンドを、表示制御装置114に対して送信するようにしてもよい。そして、表示制御装置114では、このコマンドの受信を契機として、その連続予告態様で使用される連続予告画像種別の画像データをキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236へ転送するように送信指示を設定してもよい。これにより、連続予告演出が行われる変動演出が開始される前から、連続予告態様で使用される連続予告画像種別の画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送を開始させることができるので、連続予告演出によってその連続予告画像種別に対応する画像データが用いられる前に、確実にその画像データを通常用ビデオRAM236へ格納しておくことができる。
また、表示制御装置114は、連続予告演出で用いられる画像データを、通常用ビデオRAM236の画像格納エリア236aに設けられた連続予告演出画像専用のサブエリアに格納するようにしてもよい。これにより、連続予告演出で用いられる画像データが、他の画像データによって上書きされるのを防ぐことができるので、所望の連続予告画像種別に対応する画像データが通常用ビデオRAM236に格納されている確率を高くすることができる。よって、連続予告演出で用いられる画像データが繰り返し転送されるのを抑制することができる。
また、表示制御装置114より送信される連続予告コマンドに、変動演出が設定された最後の連続予告演出であることを通知する信号を含めてもよい。これにより、表示制御装置114において、連続予告演出の表示が最後であることを認識できるので、連続予告演出が行われている間は、その連続予告演出で用いられる通常用ビデオRAM236に格納された画像データが上書きされないように制御を行っている場合、その上書き制御の解除を容易に行うことができる。
また、上記各実施形態では、連続予告コマンドによって、連続予告演出の実施と連続予告画像種別とを音声ランプ制御装置113から表示制御装置114へ通知する場合について説明したが、この通知を表示用変動パターンコマンドに含めて行ってもよい。即ち、音声ランプ制御装置113にて実行される変動表示処理(図33参照)において、表示用変動パターンコマンドを生成する場合に(S2105)、連続予告演出を行うか否かを判断して、連続予告演出を行う場合には、その実施と連続予告画像種別に関する情報を表示用変動パターンコマンドに含めてもよい。そして、表示制御装置114では、受信した表示用変動パターンコマンドに連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報が含まれている場合、その連続予告画像種別に対応する画像データのキャラクタROM234から通常用ビデオRAM236への転送指示を行うと共に、その連続予告画像種別に対応する追加データテーブルを追加データテーブルバッファ233eに設定したり、その追加データテーブルと、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンに対応する変動用データテーブルと、その変動用データテーブルに対応する転送データテーブルとから合成データテーブルを生成して、合成データテーブルバッファ251dに設定するようにしてもよい。また、第3実施形態においては、受信した表示用変動パターンコマンドに連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報が含まれている場合、その連続予告画像種別に対応する追加データフラグをオンに設定することで、その表示用変動パターンコマンドで示される変動パターンに対応する表示データテーブルから、その連続予告画像種別に対応する演出の追加描画内容を特定するようにしてもよい。これにより、コマンドの数が少なくなるので、処理の単純化を図ることができる。
また、上記第1,第2実施形態において、表示用変動パターンコマンドに連続予告演出の実施と連続予告画像種別とに関する情報を含める場合は、変動パターン毎に連続予告画像に非対応の表示データテーブルと、各連続予告画像種別毎に対応した表示データテーブルとを用意し、表示制御装置114は、表示用変動パターンコマンドによって示される変動パターンおよび連続予告画像種別に応じて、対応する表示データテーブルを表示データテーブルバッファ233dに設定するようにしてもよい。即ち、表示データテーブルには、変動パターンに対応する描画内容と、連続予告画像種別に対応した連続予告演出の描画内容とが共に含まれたものを用いてもよい。尚、この場合は、連続予告種別に対応した追加データテーブルの設定は必要ない。よって、設定すべきデータテーブルを少なくすることができるので、処理負担の増加を抑えることができる。尚、この場合、連続予告画像種別に対応した画像データの転送指示は、表示用変動パターンコマンドの受信に合わせて行われるようにしてもよい。これにより、転送データテーブルについては、変動パターン毎に1つ用意すればよいので、データテーブルが増加することを抑制できる。
上記各実施形態において、連続予告演出が行われる変動演出の停止図柄は、主制御装置110によって定められた停止図柄(前後外れリーチ、前後外れ以外リーチ、完全外れリーチ)に基づいて、音声ランプ制御装置113によって設定される場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、音声ランプ制御装置113によって連続予告演出の実行が決定された場合に、保留されていた最後の変動演出の停止図柄が大当たりでなければ、その最後の変動演出の停止図柄を、主制御装置110により定められた停止図柄ではなく、前後外れリーチ態様の停止図柄に置き換えて設定するようにしてよい。これにより、連続予告演出が行われる最後の変動演出の停止図柄は、主制御装置110により定められた停止図柄ではなく、必ず前後外れリーチとなるので、遊技者に対して高い期待感を持たせることができる。
上記各実施形態において、保留されていた全ての変動演出と共に連続予告演出を行う場合に、各変動演出は、それぞれの変動開始時に行われる抽選結果に基づく演出態様で行われることになるが、この場合、保留されていた最後の変動演出以外の変動演出の演出態様を外れ変動演出に変更するように構成してもよい。そして、音声ランプ制御装置113において表示用変動パターンコマンドを生成する処理(図33のS2105参照)によって、連続予告演出の設定状況と、連続予告演出の実行回数に応じて変動パターンを変更するようにしてもよい。尚、変動演出後の停止図柄が大当たりである場合には、変動演出の演出態様を更新せず、主制御装置110によって定められた変動パターンに基づき、変動演出の演出態様をそのまま表示するようにしてもよい。ここで、連続予告演出が連続して行われても、対応する変動演出の態様が例えばスーパーリーチ変動演出であるにも関わらず結果として大当たりが現出しない状況が続けば、遊技者の期待感を後退させてしまう恐れがあるが、連続予告演出が連続して行われると共に、最後に実行される変動演出以外の変動演出が連続して外れ変動演出で行われることによって、最後に実行される変動演出に対して、遊技者により高い期待感を持たせることができる。
上記各実施形態では、連続予告演出の実行が決定された場合に、常に第3図柄表示装置81に連続予告演出を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、例えば、連続予告演出の実行が決定された状況で、枠ボタン22が遊技者によって押下された場合に、連続予告演出を第3図柄表示装置81に実行するようにしてもよい。
上記各実施形態では、変動演出を実行する場合に、全図柄Z1〜Z3を遊技者が視認不可な程度に高速にスクロールする高速変動を表示させる場合について説明したが、この高速変動の表示に代えて、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ視認不可な程度に縮小して表示したり、全図柄Z1〜Z3をそれぞれ多数の白い点がランダムに表示されるスノーノイズ状の画像として表示してもよい。
上記各実施形態において、球が入球した場合に大当たりの抽選が開始される第1入球口64が遊技盤13に1つ配設されている場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、それぞれ独立して入球が検出されて大当たりの抽選が開始される複数(例えば、2つ)の第1入球口が遊技盤13に配設されていてもよい。この場合、各第1入球口において保留があった場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する保留球数コマンドには、いずれの第1入球口による保留であるかを示す情報を含めてもよい。また、変動を開始する場合に主制御装置110が音声ランプ制御装置113へ送信する変動パターンコマンドにも、いずれの第1入球口により保留された変動演出であるかを示す情報を含めてもよい。これにより、音声ランプ制御装置113において、第1入球口毎にそれぞれ保留球数カウンタを用意しておき、保留球数コマンドを受信した場合、その保留球数コマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタに保留球数を設定し、変動パターンコマンドを受信した場合、その変動パターンコマンドに示された第1入球口に対する保留球数カウンタを1減らせば、第1入球口毎に保留球数をカウントすることができる。
また、複数の第1入球口が設けられている場合、音声ランプ制御装置113は、保留球数コマンドを受信した場合に連続予告演出の開始を決定すると、その時点で全ての第1入球口により保留されている変動演出(保留球)にわたって、連続予告演出を実行させてもよい。また、複数の第1入球口が設けられており、一の第1入球口に保留されている変動演出を優先的に実行するパチンコ機においては、その優先的に変動演出が実行される第1入球口に入球された場合に限り、連続予告演出の開始を決定するようにしてもよい。これにより、優先度の低い第1入球口に保留された変動演出に対して連続予告演出が開始されないので、優先度の低い第1入球口に保留された変動演出に対して連続予告演出が開始され、優先度の高い第1入球口に絶え間なく変動演出が保留される場合に、連続予告演出がなかなか終了しないという事態が生じるのを抑えることができる。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、主制御装置110より送信された変動パターンコマンドを受信すると、保留球数カウンタ223aの値を1減らす(図33のS2107参照)場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものでない。例えば、主制御装置110のMPU201によって実行される変動処理(図23参照)において、変動開始処理(S1207)により変動パターンコマンドが設定されるのに合わせて減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を(図23のS1205参照)、主制御装置110から音声ランプ制御装置113に対して送信するように、保留球数コマンドを設定し、その保留球数コマンドが変動パターンコマンドの送信と合わせて主制御装置110から音声ランプ制御装置113へ送信されるようにしてもよい。尚、この場合、図33のS2107は省略される。尚、減算された主制御装置110の保留球数カウンタ203aの値(N)を送信する場合、保留球数コマンドには、減算後の保留球数であることを意味する情報(即ち、始動入賞に伴って加算された保留球数ではないことを意味する情報)を含め、始動入賞に伴って取得された各種カウンタの値を含めずに、保留球数コマンドを生成してもよい。そして、連続予告演出を許可するか否かの判定は、始動入賞があった場合に行われるものであるので、音声ランプ制御装置113では、コマンド判定処理(図32参照)において保留球数コマンドの受信を検出した場合、その保留球数コマンドにより示される保留球数が、減算後の保留球数であれば、即ち、始動入賞に伴って加算された保留球数でなければ、連続予告判定処理の実行をスキップするようにしてもよい。
上記各実施形態では、音声ランプ制御装置113において、保留球数コマンドを受信した場合に連続予告演出の開始が決定されると、その時点で保留されていた全ての変動演出について連続予告演出を実行する場合について説明したが、必ずしもこれに限られるものではなく、連続予告演出の開始が決定された場合に、更に個々の変動演出において、連続予告演出を実行するか否かを決定してもよい。これにより、変動演出ごとに連続予告演出が出現したりしなかったりするので、遊技者に対して、連続予告演出の出現に対する期待感を持たせることができ、遊技者を飽きさせない演出を行うことができる。この場合、音声ランプ制御装置113のMPU221によって変動表示処理(図33参照)が実行される度に更新され、個々の変動演出において連続予告演出を実行するか否かを決定するためのカウンタを設けてもよい。そして、その変動表示処理において、連続予告演出を行う場合に(S2109:Yes)、個々の変動演出において連続予告演出を実行するか否かを決定するためのカウンタの値が所定の値に限り、連続予告コマンドを設定(S2110)するようにしてもよい。また、この場合、対応する変動演出に対して連続予告演出実行を設定するカウンタの所定の値の数(範囲)を、条件に応じて変更してもよい。この条件としては、例えば、連続予告演出を開始するか否かを判断する時の保留球数カウンタ223aの値や、残りの連続予告演出の実行回数、判断が行われる変動演出の変動パターン、一連の連続予告演出終了後の遊技状態(15R確変大当たり、2R確変大当たり、時短大当たり、外れ)、若しくは、これらの2以上の組み合わせなどが挙げられる。これにより、条件に応じて、各変動演出において連続予告演出の実行が決定される確率が変更されるので、遊技者に対して、各変動演出における連続予告演出の出現割合に注目させることができる。
上記各実施形態では、主制御装置110から各コマンドが音声ランプ制御装置113に対して送信され、その音声ランプ制御装置113から表示制御装置114に対して表示の指示がなされるよう構成したが、主制御装置110から表示制御装置114に直接コマンドを送信するものとしてもよい。また、表示制御装置に音声ランプ制御装置を接続して、表示制御装置から各音声の出力とランプの点灯を指示するコマンドを音声ランプ制御装置に送信するよう構成してもよい。さらに、音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1の制御装置として構成するものとしてもよい。音声ランプ制御装置と表示制御装置とを1つの制御装置として構成する場合、連続予告コマンドやエラー発生コマンドといった音声ランプ制御装置113で生成して表示制御装置114に通知したコマンドに代えて、連続予告フラグやエラー発生フラグといった各種フラグを生成し、そのフラグに基づいて、表示データテーブル、転送データテーブル、追加データテーブルや合成データテーブルを表示データテーブルバッファ233d,452d,転送データテーブルバッファ233f,追加データテーブルバッファ233eまたは合成データテーブルバッファ251dに設定したり、警告画像などの各種画像データを生成したり、必要な画像データの転送指示を設定したりしてもよい。
上記各実施形態においては、第1入球口64への入賞および第2入球口67の通過は、それぞれ最大4回まで保留されるように構成したが、最大保留球数は4回に限定されるものでなく、3回以下、又は、5回以上の回数(例えば、8回)に設定してもよい。また、第1入球口64への入賞に基づく変動表示の保留球数を、第3図柄表示装置81の一部において、数字で、或いは、4つに区画された領域を保留球数分だけ異なる態様(例えば、色や点灯パターン)にして表示するようにしてもよく、第1図柄表示装置37とは別体でランプ等の発光部材を設け、該発光部材によって保留球数を通知するように構成してもよい。
また、上記各実施形態に示すように、動的表示の一種である変動表示は、第3図柄表示装置81の表示画面上で識別情報としての図柄を縦方向にスクロールさせるものに限定されず、縦方向あるいはL字形等の所定経路に沿って図柄を移動表示して行うものであってもよい。また、識別情報の動的表示としては、図柄の変動表示に限られるものではなく、例えば、1又は複数のキャラクタを図柄と共に、若しくは、図柄とは別に多種多様に動作表示または変化表示させて行われる演出表示なども含まれるのである。この場合、1又は複数のキャラクタが、第3図柄として用いられる。
また、本発明を上記各実施形態とは異なるタイプのパチンコ機等に実施してもよい。例えば、一度大当たりすると、それを含めて複数回(例えば2回、3回)大当たり状態が発生するまで、大当たり期待値が高められるようなパチンコ機(通称、2回権利物、3回権利物と称される)として実施してもよい。また、大当たり図柄が表示された後に、所定の領域に球を入賞させることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるパチンコ機として実施してもよい。また、Vゾーン等の特別領域を有する入賞装置を有し、その特別領域に球を入賞させることを必要条件として特別遊技状態となるパチンコ機に実施してもよい。更に、パチンコ機以外にも、アレパチ、雀球、スロットマシン、いわゆるパチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機などの各種遊技機として実施するようにしても良い。
なお、スロットマシンは、例えばコインを投入して図柄有効ラインを決定させた状態で操作レバーを操作することにより図柄が変動され、ストップボタンを操作することにより図柄が停止されて確定される周知のものである。従って、スロットマシンの基本概念としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を変動表示した後に識別情報を確定表示する表示装置を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動表示が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の変動表示が停止して確定表示され、その停止時の識別情報の組合せが特定のものであることを必要条件として、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生させるスロットマシン」となり、この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
また、パチンコ機とスロットマシンとが融合した遊技機の具体例としては、複数の図柄からなる図柄列を変動表示した後に図柄を確定表示する表示装置を備えており、球打出用のハンドルを備えていないものが挙げられる。この場合、所定の操作(ボタン操作)に基づく所定量の球の投入の後、例えば操作レバーの操作に起因して図柄の変動が開始され、例えばストップスイッチの操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、図柄の変動が停止され、その停止時の確定図柄がいわゆる大当たり図柄であることを必要条件として遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技が発生させられ、遊技者には、下部の受皿に多量の球が払い出されるものである。かかる遊技機をスロットマシンに代えて使用すれば、遊技ホールでは球のみを遊技価値として取り扱うことができるため、パチンコ機とスロットマシンとが混在している現在の遊技ホールにおいてみられる、遊技価値たるメダルと球との別個の取扱による設備上の負担や遊技機設置個所の制約といった問題を解消し得る。
以下に、本発明の遊技機に加えて、上述した実施形態に含まれる、各種発明の概念を示す。
図柄等の識別情報を表示する表示手段と、遊技の制御を行う主制御手段と、その主制御手段から送信される制御用コマンドに基づいて前記表示手段に識別情報の動的表示を行わせる従制御手段と、を備え、前記識別情報の動的表示において予め定めた表示結果を現出させた場合に所定の遊技価値である特別遊技状態を付与する遊技機において、前記従制御手段は、前記制御用コマンドを受信した場合に、前記識別情報の動的表示において実行する複数種類の表示態様の中から前記表示手段で行わせる前記識別情報の動的表示の表示態様を選択する選択手段を備え、前記表示態様には、一の識別情報の動的表示の中で擬似的な動的表示を所定回数行う表示態様であって、その所定回数が異なる複数の表示態様を含み、前記選択手段は、前記擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で前記擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様が、前記予め定めた表示結果が現出する可能性があることを示唆する示唆表示が行われた場合に前記予め定めた表示結果が現出する期待度が最も高くなるように、前記識別情報の動的表示の表示態様を選択するものであり、且つ、前記示唆表示を行わず前記予め定めた表示結果とは異なる表示結果を現出させる場合に前記擬似的な動的表示が行われる表示態様を選択する場合は、前記擬似的な動的表示を前記特定回数行う表示態様を選択することを特徴とする遊技機A1。
遊技機A1によれば、識別情報の動的表示の表示態様には、一の識別情報の動的表示の中で擬似的な動的表示を所定回数行う表示態様であって、その所定回数が異なる複数の表示態様が含まれている。そして、選択手段による表示態様の選択の結果、擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様により識別情報の動的表示が行われた場合は、その動的表示において予め定めた表示結果が現出する可能性があることを示唆する示唆表示が行われたときに、その予め定めた表示結果が現出する期待度が最も高くなる。また、選択手段による表示態様の選択の結果、示唆表示を行わず予め定めた表示結果とは異なる表示結果を現出させる場合に擬似的な動的表示が行われる表示態様で識別情報の動的表示が行われる場合は、必ず擬似的な動的表示が特定回数行われる。これにより、特定回数の擬似的な動的表示を経て、示唆表示が行われず、予め定めた表示結果とは異なる表示結果が現出されるとしても、擬似的な動的表示が特定回数行われることによって、示唆表示が行われ、予め定めた表示結果が現出する期待感を遊技者に強く持たせることができる。よって、動的表示に係る時間を長時間化できる擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様の識別情報の動的表示を多発させることができるので、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、1回の識別情報の動的表示時間を長時間化させることができるという効果がある。
遊技機A1において、前記特定回数は、前記擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で、最も多く擬似的な動的表示が行われる表示態様における、その擬似的な動的表示の回数であることを特徴とする遊技機A2。
遊技機A2によれば、遊技機A1の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、前記特定回数は、擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で、最も多く擬似的な動的表示が行われる表示態様における、その擬似的な動的表示の回数であるので、擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で、最も多く擬似的な動的表示が行われる表示態様で識別情報の動的表示が行われた場合、その動的表示において予め定めた表示結果が現出する可能性があることを示唆する示唆表示が行われたときに、その予め定めた表示結果が現出する期待度が最も高くなる。また、示唆表示を行わず予め定めた表示結果とは異なる表示結果を現出させる場合に擬似的な動的表示が行われる表示態様で識別情報の動的表示が行われる場合は、必ず、擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で、最も多く擬似的な動的表示が行われる表示態様が選択される。これにより、擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様の識別情報の動的表示を多発させることで、1回の識別情報の動的表示時間をより長時間化させることができるという効果がある。
遊技機A1又はA2において、前記選択手段は、前記擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で前記擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様が選択された場合に、前記予め定めた表示結果が現出する可能性があることを示唆する示唆表示が行われた場合は、前記予め定めた表示結果の現出が確定されるように、前記識別情報の動的表示の表示態様を選択するものであることを特徴とする遊技機A3。
遊技機A3によれば、遊技機A1又はA2の奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段による表示態様の選択の結果、擬似的な動的表示が行われる表示態様の中で擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様により識別情報の動的表示が行われた場合は、その識別情報の動的表示において予め定めた表示結果が現出する可能性があることを示唆する示唆表示が行われたときに、その予め定めた表示結果の現出が確定する。これにより、特定回数の擬似的な動的表示を経て、示唆表示が行われず、予め定めた表示結果とは異なる表示結果が現出したとしても、擬似的な動的表示が特定回数行われることによって、示唆表示が行われ、予め定めた表示結果の現出が確定する期待感を遊技者に強く持たせることができる。よって、動的表示に係る時間を長時間化できる擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様の識別情報の動的表示を多発させることができるので、遊技者をより飽きさせることなく、遊技への興趣をより高めながら、1回の識別情報の動的表示時間を長時間化させることができるという効果がある。
遊技機A1からA3のいずれかにおいて、前記擬似的な動的表示を行う表示態様は、前記擬似的な動的表示を少なくとも3回は行う表示態様であることを特徴とする遊技機A4。
遊技機A4によれば、遊技機A1からA3のいずれかにおいて奏する効果に加え、擬似的な動的表示を行う表示態様は、その擬似的な動的表示を少なくとも3回は行う表示態様であるので、識別情報の動的表示を行う表示態様として、擬似的な動的表示が行われる表示態様を多用することにより、1回の識別情報の動的表示時間をさらに長時間化させることができるという効果がある。また、擬似的な動的表示において、何らかのストーリー性を持たせた演出を行う場合には、その擬似的な動的表示が少なくとも3回行われるので、そのストーリーを遊技者に十分に伝えることができる。よって、遊技者の興趣をより高めることができるという効果がある。
遊技機A1からA4のいずれかにおいて、前記擬似的な動的表示が行われる表示態様は、擬似的な動的表示と併せて、その擬似的な動的表示が行われる度に変化する情報を表示するものであることを特徴とする遊技機A5。
遊技機A5によれば、遊技機A1からA4のいずれかにおいて奏する効果に加え、擬似的な動的表示が行われる表示態様で識別情報の動的表示が行われる場合、擬似的な動的表示と併せて、その擬似的な動的表示が行われる度に変化する情報も表示されるので、遊技者はその表示を見ることで、擬似的な動的表示の実行回数を容易に知ることができると共に、その情報が変化するにつれて、予め定めた表示結果が現出する期待感を徐々に高めることができる。よって、擬似的な動的表示が行われる表示態様で識別情報の動的表示を行った場合に、遊技者をよりのめり込めやすくすることができるという効果がある。
遊技機A1からA5のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記擬似的な動的表示が行われる表示態様において、前記擬似的な動的表示の回数が多いほど、前記示唆表示が行われた場合に前記予め定めた表示結果が現出する可能性が高くなるように、前記識別情報の動的表示の表示態様を選択するものであることを特徴とする遊技機B1。
遊技機B1によれば、遊技機A1からA5のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段による表示態様の選択の結果、擬似的な動的表示が行われる表示態様により識別情報の動的表示が行われる場合は、その擬似的な動的表示の回数が多いほど、示唆表示が行われた場合に、予め定めた表示結果が現出する可能性が高くなる。これにより、特定回数の擬似的な動的表示を経て、示唆表示が行われず、予め定めた表示結果とは異なる表示結果が現出したとしても、それに至るまでに過程において、擬似的な動的表示が特定回数行われるまで、予め定めた表示結果が現出する期待感を徐々に高めることができる。遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、1回の識別情報の動的表示時間を長時間化させることができるという効果がある。
遊技機A1からA5、及び、B1のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記擬似的な動的表示を行う回数が前記特定回数未満である表示態様を選択する場合は前記示唆表示が行われるように、前記識別情報の動的表示の表示態様を選択するものであることを特徴とする遊技機C1。
遊技機C1によれば、遊技機A1からA5、及び、B1のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段による表示態様の選択の結果、擬似的な動的表示を行う回数が特定回数未満である表示態様で動的表示の識別情報が行われる場合は、予め定めた表示結果が現出するか否かに関わらず、示唆表示が行われる。これにより、擬似的な動的表示を行う回数が特定回数未満である表示態様で動的表示の識別情報が行われる場合は、予め定めた表示結果とは異なる表示結果が現出する場合であっても、必ず示唆表示が行われるので、遊技者は、その識別情報の動的表示において何がしかの表示結果が現出されるまで、予め定めた表示結果が現出する期待感を持ち続けることができる。よって、遊技者の興趣を最後まで持たせることができるという効果がある。
遊技機A1からA5、B1、及び、C1のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記識別情報の動的表示の表示態様として前記擬似的な動的表示を前記特定回数行う表示態様を選択した場合に、前記識別情報の動的表示で前記示唆表示を行う場合は、特定の示唆表示が行われるように、前記識別情報の動的表示の表示態様を選択するものであることを特徴とする遊技機D1。
遊技機D1によれば、遊技機A1からA5、B1、及び、C1のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、選択手段による表示態様の選択の結果、擬似的な動的表示を特定回数行う表示態様で識別情報の動的表示が行わる場合に、その識別情報の動的表示で示唆表示が行われる場合は、特定の示唆表示が行われる。これにより、特定回数目の擬似的な動的表示が開始された場合、遊技者は、その特定回数目の擬似的な動的表示で、その特定の示唆表示が行われることへの期待感も持ちながら、遊技を行うことができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を更に高めることができる。
遊技機D1において、前記特定の示唆表示は、示唆表示の中で予め定めた表示結果が現出する期待度が最も高い示唆表示であることを特徴とする遊技機D2。
遊技機D2によれば、遊技機D1の奏する効果に加え、特定の示唆表示は、示唆表示の中で予め定めた表示結果が現出する期待度が最も高い示唆表示であるので、特定回数目の擬似的な動的表示が開始された場合、遊技者は、その特定回数目の擬似的な動的表示で、その特定の示唆表示が行われることへの期待感を更に高めることができる。よって、遊技者の遊技に対する興趣を更に高めることができる。
遊技機A1からA5、B1、C1、D1、D2のいずれかにおいて、前記選択手段は、前記識別情報の動的表示において前記予め定めた表示結果を現出させる場合に、前記識別情報の動的表示を行う表示態様の一つとして、前記擬似的な動的表示を特定回数行った後、一旦、前記予め定めた表示結果とは異なる表示結果を擬似的に現出させ、その後、再び識別情報の動的表示を行って前記予め定めた表示結果を現出させる表示態様を選択することを特徴とする遊技機E1。
遊技機E1によれば、遊技機A1からA5、B1、C1、D1、D2のいずれかにおいて奏する効果に加え、次の効果を奏する。即ち、識別情報の動的表示において予め定めた表示結果を現出させる場合、擬似的な動的表示を特定回数行った後、一旦、予め定めた表示結果とは異なる表示結果を擬似的に現出させ、その後、再び識別情報の動的表示を行って予め定めた表示結果を現出させる表示態様が、識別情報の動的表示を行う表示態様の一つとして選択手段により選択される。これにより、特定回数の擬似的な動的表示が行われた後、予め定めた表示結果とは異なる表示結果が現出されても、その後、再び識別情報の動的表示が行われて予め定めた表示結果が現出するかもしれない、という期待感を、表示結果が確定されるまで、遊技者に持たせ続けることができる。よって、擬似的な動的表示による識別情報の動的表示を遊技者に最後まで楽しませることができる。
遊技機A1からA5、B1、C1、D1、D2、E1のいずれかにおいて、前記遊技機はスロットマシンであることを特徴とする遊技機F1。中でも、スロットマシンの基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の動的表示が開始され、停止用操作手段(ストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備えた遊技機」となる。この場合、遊技媒体はコイン、メダル等が代表例として挙げられる。
遊技機A1からA5、B1、C1、D1、D2、E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機であることを特徴とする遊技機F2。中でも、パチンコ遊技機の基本構成としては操作ハンドルを備え、その操作ハンドルの操作に応じて球を所定の遊技領域へ発射し、球が遊技領域内の所定の位置に配設された作動口に入賞(又は作動口を通過)することを必要条件として、表示手段において動的表示されている識別情報が所定時間後に確定停止されるものが挙げられる。また、特別遊技状態の発生時には、遊技領域内の所定の位置に配設された可変入賞装置(特定入賞口)が所定の態様で開放されて球を入賞可能とし、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへ書き込まれるデータ等も含む)が付与されるものが挙げられる。
遊技機A1からA5、B1、C1、D1、D2、E1のいずれかにおいて、前記遊技機はパチンコ遊技機とスロットマシンとを融合させたものであることを特徴とする遊技機F3。中でも、融合させた遊技機の基本構成としては、「複数の識別情報からなる識別情報列を動的表示した後に識別情報を確定表示する可変表示手段を備え、始動用操作手段(例えば操作レバー)の操作に起因して識別情報の変動が開始され、停止用操作手段(例えばストップボタン)の操作に起因して、或いは、所定時間経過することにより、識別情報の動的表示が停止され、その停止時の確定識別情報が特定識別情報であることを必要条件として、遊技者に有利な特別遊技状態を発生させる特別遊技状態発生手段とを備え、遊技媒体として球を使用すると共に、前記識別情報の動的表示の開始に際しては所定数の球を必要とし、特別遊技状態の発生に際しては多くの球が払い出されるように構成されている遊技機」となる。
<その他>
近年、パチンコ機等の遊技機においては、液晶表示装置等の表示手段に変動演出(識別情報の動的表示)などの様々な演出画像を表示して遊技の興趣向上を図っている。変動演出は、入球口(始動口)に球が入球(始動入賞)することで開始される演出であり、例えば、有効表示領域に横又は縦に3個、或いは3×3の升目に合計9個の図柄等を表示し、所定の遊技条件に基づいて表示される図柄等をスクロールさせ、そのスクロールが停止した際に、所定の停止位置において停止図柄が予め定められた組み合わせとなっている場合に大当たりを発生させるものである。
この変動演出の一態様として、一の変動演出中に、擬似的な図柄変動を繰り返し実行した後に、図柄を確定表示させる態様がある(例えば、特許文献1:特開2010−259564号公報)。従来、この態様では、一変動演出中に行われる擬似的な図柄変動の繰り返し回数が少なければ、ほとんどの場合において外れとなり、逆に、擬似的な図柄変動の繰り返し回数が多くなるほど、大当たりとなる期待度が高くなるように構成されている。これにより、擬似的な図柄変動が繰り返し行われるにつれ、段階的に大当たりとなる期待度が高まる興趣を遊技者に提供している。
また、擬似的な図柄変動が行われる変動演出は、擬似的な図柄変動のない変動演出と比して、その擬似的な図柄変動が繰り返される分だけ変動時間を長くなる。そこで、従来の遊技機では、始動入賞が減って変動演出が途切れてしまうことを極力減らすために、外れの場合も、少ない繰り返し回数で擬似的な図柄変動を行う変動演出を多く行い、1回の平均変動時間を長くしている。
しかしながら、外れの場合に、少ない繰り返し回数で擬似的な図柄変動を行う変動演出を多く行うと、擬似的な図柄変動が行われる変動演出のほとんどが外れとなり、結局、遊技者には変動時間の時間稼ぎと捉えられてしまい、遊技者をうんざりさせてしまうおそれがあった。
本技術的思想は、上記例示した問題点等を解決するためになされたものであり、遊技者を飽きさせることなく、遊技への興趣を高めながら、1回の識別情報の動的表示時間を長時間化させることができる遊技機を提供することを目的としている。