JP6095005B2 - 粘性・弾性測定装置及びその方法 - Google Patents

粘性・弾性測定装置及びその方法 Download PDF

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Description

本発明は、物質の力学物性である粘性・弾性を測定するための粘性・弾性測定装置及びその方法に関する。
従来より、対象とする物質の力学物性を検出するため、粘性(以下の記載において、粘度と示すこともある)や弾性の測定が行われている(例えば、特許文献1参照)。
粘性・弾性測定は、医薬品、食品、塗料、インク、化粧品、化学製品、紙、粘着剤、繊維、プラスチック、ビール、洗剤、コンクリート混和剤、シリコン等の製造過程で、品質管理、性能評価、原料管理、研究開発に必要不可欠な測定技術である。
従来知られている粘性測定法には以下に示すような方法がある。
(1)粘度管法、(2)振動子を接触させる方法、(3)表面弾性波を用いる方法 、(4)回転子を用いる方法、(5)剛体球を落下させる方法、(6)動的光散乱法、(7)Zimm型粘度測定法、(8)EMS(Electro-Magnetically Spinning)粘度測定法、である。
特許第5093599号公報
しかしながら、上述した方法の内、(1)〜(5)の方法に関しては、数cc以上の多量の試料が必要となるという欠点があった。
また、(2)〜(5)の方法に関しては、少なくとも10mPa・s(パスカル秒)以上の粘性でないと精度のよい計測が出来ないため、低粘度の材料の粘度を測定できないという欠点があった。
さらに(6)の方法について測定装置が大掛かりになるという欠点、また透明試料以外には適用できないという困難がある。
また、(7)の方法に関しては浮力によって試料の表面(試料表面)に浮いた探蝕子(回転子)を回転させるため、試料表面のさざなみを起こすためのエネルギー損失が無視できなくなるという欠点、また試料表面に分子吸着膜が形成される場合には、その膜の有する表面粘弾性によって測定誤差が生じるという欠点、さらには回転が物体の没している試料表面からの深さに依存するため試料物質の密度が既知である必要があるという制約があった。
また、(1)から(7)のすべての方法において、試料容器が高価であり、使い回す必要があるため、測定後の試料容器の洗浄が必要である。また、この洗浄により完全に前回測定した試料が除去されないと直前の物質の影響が残り、試料の粘弾性の測定が高精度に行えないという制約があった。
また、(8)の方法に関しては、回転子の底と試料容器が接しているために、その間の摩擦により粘性測定精度が制限されるという欠点があり、例えば純水よりさらに粘性の低い気体(ガス状物質を含む)の粘性を測定することは困難であった。
また、これまで一般的に用いられている上述した粘弾性の測定方法では、一定精度を得るためにはある程度以上の量の試料が必要であるという欠点があった。
また、粘性が10mPa・sより小さい物質に対しては測定精度が悪くなるという欠点があり、また回転型の粘度計や光散乱による計測では装置が大掛かりになり、簡便な計測が出来ないという制約があった。
上述した理由により、従来の原理に基づく方法においては、粘性・弾性といった液体や他のソフトマテリアルについて普遍的な物理量に関して、少量の試料で測定することが困難であるという制約がある。また、従来の原理に基づく方法においては、低粘度の試料について高精度で測定するということが困難であり、かつ測定容器に付着した試料の完全な洗浄が必要であるという制約もある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、検出対象の試料の物質の量が従来例に比較して少なくて済み、小型で簡易な測定装置であり、検出対象の物質を入れる容器を安価なものとして使い捨てを可能とした粘性・弾性測定装置及びその方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明の粘性・弾性測定装置は、一部あるいは全体が導電性を有する材料によって、かつ一部あるいは全体が反磁性の材料によって構成された回転子と、粘性を検出する対象の検出対象物質が入れられ、該検出対象物質に接触した状態で前記回転子が配置された容器と、該容器の下部に配置され、前記回転子の有する反磁性により該回転子に対し鉛直上方への力を及ぼす浮力印加磁石と、該容器の周りに配置され、前記回転子に対して時間変動する磁場を印加する動磁場印加磁石と、該動磁場印加磁石を駆動して前記回転子に回転磁場を加え、前記回転子内に誘導電流を誘起し、該誘導電流と該回転子に印加される磁場とのローレンツ相互作用により、該回転子に回転トルクを与えて回転させる回転制御部と、前記回転子の回転数を検出する回転検出部と、前記回転数により、前記回転子に接する検出対象物質の粘性・弾性を検出する粘性検出部とを有することを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子が、反磁性を有する部材と、導電性を有する部材との組み合わせによって構成されることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子を構成する前記導電性を有する部材の重量が、反磁性を有する部材の重量の1/5以下であり、かつ前記回転子を構成する導電性を有する部材の体積が、前記反磁性を有する部材の体積の1/50以上であることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子が、前記鉛直上方への力により、容器底部から浮上していることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子の形状が球であることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子の形状が円柱であることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子の形状が円板であることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子を構成する材料がグラファイトであることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子を構成する反磁性の部材の材料がグラファイトであり、かつ前記回転子を構成する導電性の部材の材料がアルミニウムあるいはアルミニウムを主とする合金であることを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子にマークが付されており、前記回転検出部が前記マークの回転を検出することにより、回転子の回転数を検出することを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、前記回転子に光を照射する光源部と、前記回転子による前記光の散乱光を検出する光検出部をさらに有し、前記散乱光の時間変化を検出することにより前記回転子の回転数を検出することを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定装置は、粘性がわかっている複数の物質内における回転子に加わる回転トルクと、回転数との関係を予め測定した標準データを記憶する記憶部をさらに有し、前記粘性検出部が検出した検出対象物質の回転トルクと回転数との関係と、前記標準データを比較することにより、前記検出対象物質の粘性・弾性を検出することを特徴とする。
本発明の粘性・弾性測定方法は、容器に粘性を検出する対象の検出対象物質を充填し、該検出対象物質に接触した状態で導電性かつ反磁性の回転子を配置する過程と、前記回転子に対して時間変動磁場を印加する過程と、該時間変動磁場により前記回転子内に誘導電流を誘起し、該誘導電流と該回転子に印加される磁場とのローレンツ相互作用により、該回転子に回転トルクを与えて回転させる回転制御過程と、前記回転子に対して静磁場を印加して鉛直上方への力を印加する過程と、前記回転子の回転数を検出する回転検出過程と、前記回転数により、前記回転子に接する検出対象物質の粘性・弾性を検出する粘性・弾性検出過程とを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、検出対象物と接して回転する回転子に印加する回転トルクと、回転数との関係から粘性及び弾性を測定するため、少量の検出対象物の試料で、低粘度から高粘度にいたる広い領域にわたる粘性を、従来に比較して簡便な装置により測定することができる。特に、本発明によれば、試料の比重が回転子より小さくとも、回転子が容器と接触せずに、試料に対してのみ接触させることができるため、回転子の回転を阻害するいっさいの試料以外との機械的な摩擦が排除され、高精度な測定が行える。
また、本発明によれば、検出対象物を入れる容器に通常の試験管などを利用することができ、容器の洗浄する手間が省け、作業を効率化させる容器の使い捨てが可能となる。
本発明の一実施形態による粘性・弾性測定装置の構成例を示す概略構成図である。 回転子106に印加する回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転速度(ΩD)間の差(ΩM−ΩD)と、回転子の回転数(ΩD)との関係を表すグラフである。 このときの各気体の粘性の文献値と、決定された各気体の粘性との関係を表すグラフである。 空気、水素、ネオン、アルゴンの各気体について、回転子106の回転数(ΩD)と、回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転数(ΩD)間の回転数差(ΩM−ΩD)の関係をプロットしたグラフである。 空気、二酸化炭素、水素、ネオン、酸素、メタン、窒素、アルゴン、ヘリウムの各気体について、各気体の粘性と、回転子106の回転数(ΩD)と、回転磁場及び回転子106間の回転数差(ΩM−ΩD)のグラフの傾きとの関係をプロットしたグラフである。
以下、本発明の一実施形態による粘性・弾性測定装置を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態による粘性・弾性測定装置の構成例を示す概略構成図である。
この図において、容器101は、力学的物性としての粘性(すなわち、粘性係数)を測定する対象の検出対象物(以下、試料と称す)を収容する。容器101は、例えば、ガラスあるいはプラスチックなどの材料で製造された小型の試験管などの筒状の容器である。その内径は回転子の直径よりわずかに大きければよい。
また、容器101に挿入(あるいは充填)される試料の深さは、回転子106が没する程度でよい。このため、例えば回転子106として半径1mmの球体を用い、内径が回転子106よりわずかに大きい容器101を用いた場合、測定に必要な試料の量は100μリットルあれば十分である。このため、きわめて微量の試料で、当該試料の粘性の計測が可能になる。ここで、回転子106は、試料の準備できる量あるいは粘性に応じて検出対象物質である試料内に、一部分あるいは全部分が没して使用される。例えば、試料が回転子106が没するほどの量が準備できない場合、全部分が浸されなくとも、試料の粘性の検出を行うことができる。
また、容器101として、ガラスあるいはプラスチックを素材とした市販の試験管などを使用することにより、ディスポーザブルな試料容器として用いることができる。
このため、生体材料などその廃棄に特段の注意を要する物質を測定対象の試料とする場合においても、容器の廃棄を前提としているため、焼却・滅菌などの後処理が他の医療器具の廃棄と同様に容易に行えるという利点がある。
回転子106は、その一部または全部(全体)が導体(例えば、金属材料)にて構成されており、かつまたその一部または全部が反磁性材料で構成されている。回転子106は、上記容器101内において、検出対象物である試料に接するように、すなわち、一部または全部がこの検出対象物に没するように配置される。また、回転子106は、回転検出を行う(後述)ため、表面に撮像素子などで検出可能な大きさのマークが設けられている。
浮力印加磁石108は、容器101の下部(底部)に配置され、導体及び反磁性材料で構成される回転子106に対して鉛直方向の磁場を印加する。すなわち、浮力印加磁石108は、容器101の下部の底部から鉛直上方に対して静磁場を印加する。この鉛直方向の磁場により、回転子106には鉛直方向の上方に対する力が印加される。回転子106は、鉛直方向の上方に対する力が印加されることにより、容器101の底部より離れて鉛直方向の上方(鉛直上方)に浮上し、容器101内の試料中に浮いた状態となる。
電磁石102及び電磁石103の組(以下、組A)は、上記容器101を間に配置して、磁極が対向するように直列に置かれている。電磁石104及び電磁石105の組(以下、組B)は、組Aと同様に、上記容器101を間に配置して、磁極が対向するように直列に置かれている。ここで、組Aにおける電磁石102及び電磁石103の配置方向がx−y平面上においてx軸に沿っているとした場合、組Bにおける電磁石104及び電磁石105の配置方向はx−y平面上においてy軸に沿っている。すなわち、電磁石102及び電磁石103の配置方向と、電磁石104及び電磁石105の配置方向とは直交する。また、上記容器101は、容器101の長尺方向が上記x−y平面に対して垂直方向(z軸方向)に設けられている。
回転制御部107は、組Aの電磁石102及び電磁石103を駆動(電流を印加)している際、組Bの電磁石104及び電磁石105を駆動しない。逆に、回転制御部107は、組Bの電磁石104及び電磁石105を駆動している際、組Aの電磁石102及び電磁石103を駆動しない。すなわち、回転制御部107は、組A及び組Bの電磁石を同時に駆動させず、交互に組A、組Bの電磁石を駆動して、x軸方向、y軸方向の磁場を時間的に交互に生成して変動させる。さらに換言すれば、回転子106に対してx−y平面に対して平行な回転面を有する回転磁場を与え、回転子106内に誘導電流を誘起させる。そして、誘起させた誘導電流と、回転子106に印加される回転磁場とのローレンツ相互作用により、回転子106に対して回転トルクを与え、z軸を回転軸として回転させる。この交互に駆動させる時間周期は、粘性検出部109が回転制御部107に対して指示する。
また、上述した図1の構成においては、電磁石を用い、電磁石のコイルに対して順次電流を流して駆動することにより、回転子106に対して回転磁場を与えている。しかしながら、変形例として、組A及び組Bの電磁石に代え、一組の永久磁石を容器101を介して、異なる極性の磁極が対向するように直列に配置する構成としてもよい。この変形例の場合、この対向した永久磁石を、モータなどにより容器101の周りをz軸を回転軸として回転させ、回転子106に対して、回転磁場を印加して、回転子106に回転トルクを与え、z軸を回転軸として回転させるように構成してもよい。この際、永久磁石の組の回転数は、粘性検出部109の指示に対応して回転制御部107が制御する。上述した電磁石102から電磁石105、及び一組の永久磁石は、回転子106に対して時間変動する磁場(回転磁場)を印加する動磁場印加磁石である。
画像処理部110は、例えば、顕微鏡を有する撮像素子(CCD:Charge Coupled Device)112の撮像した撮像画像の画像処理を行う。画像処理部110は、回転子106に付加されているマークの回転を、上記撮像画像の画像処理により検出することで、回転子106の単位時間(例えば、1秒間)あたりの回転数(ΩD)を測定する。すなわち、画像処理部110は、回転子の単位時間の回転数を検出する回転検出部としての動作を行う。ここで、撮像素子112は、容器101の上方に配置されている。すなわち、撮像素子112は、撮像方向が回転子106の上部面に付加されたマークを検出できる撮像画像を撮像できる位置として、上記容器101の開口部上部に配置されている。
標準データ記憶部111には、回転子106に印加した回転トルクと、回転子106の回転数との関係を示す標準データが、粘度の異なる複数の標準試料(粘度が予め判明している試料)毎に対応して記憶されている。標準データは、粘度が判明している標準試料を容器101に入れ、回転子106を回転させて実験的に得たものである。すなわち、標準データは、回転磁場の回転数を変化させ、そのときの回転子の回転数を計測したデータが、それぞれ複数の異なる粘度の標準試料により測定されたデータである。この標準データは、回転磁場の回転数(ΩM)及び標準試料内に配置された回転子106の回転数(ΩD)間の回転数差(ΩM−ΩD)と回転子106の回転数(ΩD)との関係を示す一次曲線(直線)の傾き、この標準試料の粘度との組である。
粘性検出部109は、回転磁場による回転トルクと、画像処理部110の出力する、回転磁場に対応して回転子106の回転数とのデータを取得する。粘性検出部109は、回転磁場による回転トルクと回転子106の回転数とを、標準データ記憶部111から読み出した標準データと比較することにより、検出対象物質である試料の粘度ηを算出する。
すなわち、粘性検出部109は、得られた試料の回転磁場の回転数及び回転子106の回転数間の回転数差と回転子106の回転数との関係を示す直線の傾きを、標準試料の回転磁場の回転数及び回転子106の回転数間の回転数差と回転子106の回転数との関係を示す直線の傾きにより除算し、除算結果に対して標準試料の粘度を乗算することにより、回転子106に接する試料の粘度を求めることができる。
以下に、回転子106に与える回転トルクと、回転子106の回転数とにより、粘度を測定する原理について説明する。
回転子が球状の導体の場合、水平面内を一定の回転速度Ωで回転する大きさBの磁場中におかれたときに回転子に生じるトルクは以下の(1)式で示されることがわかっている。(参考文献:特許5093599号)
Figure 0006095005
上記(1)式において、σは回転子の電気伝導度、Bは磁場の強度、Rは回転子106の半径、Ωは磁場の回転角速度である。また、回転子106が球であり、この回転子106が回転している場合、(1)式において、Ωは(Ω−ω)で置き換えられる。ここで、ωは回転子106の回転角速度である。
上記(1)式で求められるトルクTが印加されることにより、回転子106は容器101の試料内において回転する。回転磁場を印加した後に、十分な時間が経過して、回転子106の回転が平衡状態となると、回転子106の回転数は、印加される回転トルクと、容器101内の試料の粘性抵抗によるトルクとが釣り合い、一定の回転角速度となる。
ここで、検出対象物質である試料により満たされた無限の空間内において、回転子106が角速度ωで回転するのに要する回転トルクTvは、試料の粘性係数をηとして、以下の(2)式にて示される程度である。
Figure 0006095005
上記(2)式において、ηは検出対象物質の試料の粘性であり、βは以下に説明する係数である。また、Rは回転子106の半径であり、ωは回転子106の回転角速度である。ηは容器101内の試料の粘性係数である。
回転子106の下部が容器101の平面ないし曲面の底部と近接している場合、さらに要するトルクTvは大きくなる。この係数をβとすると、係数βは1のオーダーであり、1より大きい(2>β>1)。また、係数βには、回転子106の回転により、検出対象物質である試料が回転する際、回転子106の外面と、容器101の側壁との間接的な相互作用の係数も含まれている。
以上より、回転子106に対して印加する回転磁場の回転速度をあらかじめ決定しておき、この印加する回転磁場により回転する回転子106の回転速度を計測する。回転子106に印加する回転磁場の回転数と、計測された回転子106の回転速度とにより、回転子106に対して印加される回転トルクTを推定することができる。
上述した回転トルクT(=Tv)の計算には、すでに説明した(1)式を用いてもよいし、あるいは粘度が既知の標準試料を用いて得られる校正曲線(標準データ記憶部111に記憶されている標準データの傾き)を用いてもよい。
これより、回転子106に印加されるトルクTと、回転子106の回転数ωとの関係は、一次曲線となり、その傾きから容器101内の試料の粘性ηが求められる。標準データ記憶部111には、粘性が既知であり、この粘性・弾性検出装置にて測定した回転トルクTに比例する量と、回転子106の回転数との関係を示す(2)式により表される一次曲線の傾きが記憶されている。すなわち、標準データ記憶部111には、回転子106の回転数に対する回転トルクTの変化の割合が、各粘度(粘性)ηの異なる複数の標準試料毎に記憶されている。回転トルクTに比例する量は、すでに述べた回転磁場の回転数と回転子106の回転数との回転数差である。
回転子106の回転運動の観察には、すでに述べたように、図1における顕微鏡のついた撮像素子112を用い、回転子106が回転している撮像画像を動画により撮像する。画像処理部110は、回転子106に付加されたマークの回転運動を、動画の撮像画像から検出して、回転子106の単位時間当たりの回転数を測定する。
上述した回転子106の回転数の測定方法以外に、また、回転子106に対して、光源部からレーザー光を照射して、回転子106からの反射光によって、回転による反射・干渉パターンの変化を光学的に計測し、この変化から回転子106の回転数を検出する方法を用いても良い。すなわち、回転子106に照射したレーザ光の散乱光を検出する光検出部を設ける。そして、画像処理部110は、散乱光の時間変化を画像処理により検出することで、回転子の回転数を検出する。
また、回転子106の一部を誘電体で置き換えて、コンデンサの周期的な容量変化により回転数を検出しても良い。すなわち、一部を誘電体で置き換えた回転子106を、対向した電極間に回転子106を配置し、この回転子106を挟む構成として、コンデンサを構成する。そして、回転磁場による回転子106の回転に伴う、このコンデンサの誘電率(容量)の周期的変化から、回転子106の回転数を計測する方法、などに替えてもよい。
また、撮像素子112による観察は、容器101をガラスなどの透明な素材とし、底部から倒立型顕微鏡により行う方法に替えてもよい。このとき、回転数を検出するためのマークは、倒立型顕微鏡により回転子106の回転運動の観察が可能となるように、回転子106の下部に付加することになる。
また、上述した回転制御部107は、回転子106に対して印加する回転磁場の周期(あるいは回転数)、および回転子106の回転方向を任意に変化させてもよい。
例えば、回転磁場の向きと、回転磁場の回転速度を周期的に掃引することにより、回転子106に対して、周期的な回転トルクを印加することができる。
また、上述した粘性・弾性測定装置により、粘性に加えてゲルやゴムなどのように弾性率を有する物質、あるいは粘性の緩和により弾性率が生じる高分子溶液のような物質を試料として、この試料の粘性及び弾性率を測定することができる。すなわち、試料内に配置された回転子106に対し、一定の回転トルクを与えたときの静止位置からの回転量の変化により、粘性率に加えて弾性率も同時に決定することが可能である。
ここで、弾性率はいわばバネ定数であり、試料の回転変形に比例した復元力を回転子106に対して及ぼす。したがって、粘性に加えて弾性率がある場合、弾性率による復元力は、歪に比例して大きくなるる。このため、回転子106は、ある程度の角度、回転したところで弾性力と磁場によるトルクが釣り合って静止する。
すなわち、電磁石102〜105が生成する回転磁場の大きさと、回転磁場の回転速度を変化させ、回転子106に印加する回転トルクの大きさを変化させる。そして、回転子106の平衡静止位置を計測することにより、回転トルクを印加しない初期状態からこの静止位置までに回転子106が回転した回転角度が検出される。この回転子106の回転角度は、回転子106に対して印加された回転トルクに対してある比例係数により比例する。
比例係数は、容器101内において回転子106の周囲の試料の弾性率に逆比例する。これより、回転トルクに対する比例係数から、試料の弾性率を求めることができる。また、粘度の測定の場合と同様に、弾性率の分かっている標準試料の回転トルクと回転角度との関係に基づき、得られた試料の比例係数と標準試料の比例係数との比から、検出対象物質である試料の弾性率を求めることができる。すなわち、得られた試料の比例係数を標準試料の比例係数により除算し、除算結果に標準試料の弾性を乗算することにより、試料の弾性率を求めることができる。
また、回転子106に対して回転磁場により印加する回転トルクを、時間的に変化させることにより、回転子106が浸されている試料の弾性率と粘性率とを、以下に示すように同時に決定することも可能である。
例えば、試料内の回転子106に対して一定の回転トルクを印加し、瞬時に印加磁場を消去して回転トルクの印加を停止する。
そして、その後の回転子106の運動を観察すると、回転子106は試料の弾性率により、回転軸を中心とした回転による振動を開始する。かつ、試料の粘性率によってその回転子106の振動の振幅は時間の経過とともに減衰する。このため、測定対象の試料と、標準試料の振動の振幅、周期及び持続時間と比較して、検出対象物質の弾性率を求めることができる。すなわち、検出対象物である試料内における回転子106の振動の振幅、周期及び持続時間から、試料の弾性率と粘性率とを決定することも可能である。
また、回転磁場の向きと回転速度とを周期的に掃引することにより、回転子106に対して、周期的な回転トルクを印加することができる。
これにより、回転トルクの周期を変化させながら、回転子106の回転振動の振幅と位相とを観察することによっても、粘性率と弾性率とを独自に決定することが可能である。
この観察は、上記の磁場を消去した後の減衰振動を、周波数スペクトルとして捉えるものであり、両者は原理的には同じ測定である。
また、回転子106の形状は円板状であってもよく、この場合に磁場が印加するトルクは既知である(参考文献:Accurate Viscosity Measurement using Disk-Type Electromagnetically Spinning System, K. Sakai, T. Hirano, and M. Hosoda, Appl. Phys. Express, Vol. 5, pp. 036601 1-3 Mar-12)。このとき、回転子106の円板の面の中心を通り、円板の面に垂直な線を、円板状の回転子106の回転における回転軸とする。
さらに、回転子106の形状は円柱状であってもよく、この場合に磁場が印加するトルクは計算あるいは実験によって決定することができる。このとき、回転子106の底面の中心を通り、円柱の底面に垂直な線を、回転子106の回転における回転軸とする。
<応用例>
以下、本実施形態による、具体的応用例についてさらに詳しく説明する。ただし、本実施形態は、以下に示す応用例の構成及び動作に何ら限定されるものではない。
図1に示す本実施形態による粘性・弾性測定装置(力学物性測定装置)を用い、試料に対する以下の粘性検出の処理を行った。
すなわち、容器101として内径20mm、高さ30mmのガラス管を用い、このガラス製試験管に測定対象試料(検出対象物質)として20℃の空気を挿入し、充填した。
この20℃における空気の粘性は、0.018mPa・sである。また、容器101内に回転子106として、直径10mm、厚さ0.5mmのグラファイト円板を挿入した。容器101内の回転子106を浮力印加磁石108により磁力を印加し、この磁力により容器101内に浮上させ、回転子106を配置した。
そして、容器101の近傍で、試験管の管の延長方向に対して垂直な回転面を有する回転を、異なる磁極が対向した永久磁石の組に行わせる。この永久磁石の回転に応じて回転する回転磁場を生じさせ、容器101内の回転子106に対して印加した。
永久磁石が発生する回転磁場により、回転子106は回転トルクを受ける。そして、撮像素子112は、回転子106が回転する様子を撮像し、撮像した画像を画像処理部110に対して出力する。例えば、画像処理部110は、この撮像素子112から供給される画像を、内部の内部記憶部に書き込んで、記憶させる。
すなわち、画像処理部110は、時系列に撮像素子からの画像を内部記憶部に記憶させ、画像を動画としてビデオの録画と同様の処理を行う。その後に、画像処理部110は、録画した動画の画像処理を行い、回転子106のマークの動きを検出することにより、試料内における回転子106の回転数を求める。すなわち、回転磁場の回転速度を変化させながら、変化させた回転トルク毎の回転子106の回転速度を計測した。
図2は、回転子106に印加する回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転速度(ΩD)間の差(ΩM−ΩD)と、回転子の回転数(ΩD)との関係を表すグラフである。この図2において、回転数は、単位時間あたりの回転数を示しており、実施形態においては1秒間における回転数を示している。回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転速度(ΩD)間の差(ΩM−ΩD)は、試料内の回転子106が回転するために必要な回転トルクに比例する、すなわち試料の粘性に対応するパラメータである。
この図2において、横軸が回転磁場の回転数(ΩM)と回転子106の回転数(ΩD)間の回転数差(ΩM−ΩD)を示し、縦軸が回転子106の回転数(ΩD)を示している。図2から分かるように、回転子106に印加する回転磁場の回転速度と、実際に回転子106が回転するの回転速度との差は、すでに述べたように、回転子106に生じる回転トルクに比例する。
また、容器101内の試料の媒質のずり速度は、回転子106の回転数に比例する。
したがって、図2におけるグラフの傾きは、媒質の粘性に逆比例する量を表している。図2において、回転磁場と回転子106との回転数差がほぼ7[1/s]以上、一秒間に7回転以上において、回転子106の回転数は、回転磁場と回転子106との回転数差に比例して増加している。この7[1/s]以上の領域でのグラフの傾きから、容器101内の試料の粘性を求めることができる。
ここで、回転磁場と回転子106の回転数差が7[1/s]以下の領域では、回転子106に印加される回転トルクと、回転子106の回転数との関係は不安定である。この不安定の原因は、回転子106が導電率が小さいグラファイトのみで構成されているためである。すなわち、回転磁場により、回転子106に生じる誘導電流の大きさが小さく、十分な回転トルクを回転子106に印加することができない。
例えば、回転子106がグラファイト円板である場合、グラファイト円板の板の厚みのムラにより、わずかに回転子106が傾いている際、回転子106が一定の回転速度に達しない。このため、回転子106に印加される回転トルクと、回転子106の回転数との関係は不安定となる。
また、回転子106であるグラファイト円板に発生する誘導電流による発熱により、グラファイト円板の温度が上昇する。このため、回転子106のグラファイト円板の透磁率が変化し、浮力印加磁石108により与えられる磁力による、回転子106の浮上の状態が不安定になる。
さらに、浮力印加磁石108が生成する磁場が、空間的にわずかに不均一である時、この磁場ムラにより、回転子106の回転に対して電磁的な制動が働くためである。
また、図1に示す粘性・弾性測定装置を用いて以下の操作を行った。すなわち、試料の容器101として、内径20mm、高さ30mmのガラス管を用いた。この容器101に測定対象の試料としてヘリウム、酸素、窒素、二酸化炭素の各々の気体を、それぞれ単独で順次充填させ、各気体の粘性の測定を行った。
ここで、回転子106として、直径10mm、厚み0.5mmのグラファイト円板を、容器101に充填した上記気体内に配置した。
そして、異なる磁極が対向して配置された2個の永久磁石の組を、容器101の周りで回転させることにより、回転する回転磁場を生じさせた。
すでに述べたように、画像処理部110は、時系列に撮像素子112からの画像を内部記憶部に記憶させ、画像を動画としてビデオの録画と同様の処理を行う。その後に、画像処理部110は、録画した動画の画像処理を行い、回転子106のマークの動きを検出することにより、試料内における回転子106の回転数を求める。すなわち、回転磁場の回転速度を変化させながら、変化させた回転トルク毎の回転子106の回転速度を計測した。そして、空気を標準試料として、空気の粘性を標準値として、それぞれの気体(ヘリウム、酸素、窒素、二酸化炭素など)の粘性を求めた。
図3は、各気体の粘性の文献値と、決定された各気体の粘性との関係を表すグラフである。この図3において、横軸が文献値における粘性を示し、縦軸が測定値を示している。この図3における粘性の単位は、mPas(ミリパスカル秒)である。図3のグラフから、各気体の粘性がほぼ直線に乗っており、各気体の粘性を数%の精度で測定できていることがわかる。
さらに、別の他の応用例として、回転子106として、直径10mm、厚み0.5 mmのグラファイト円板に、直径10mm、厚さ0.1mmのアルミニウム円板を、円板の面が対向するように重ね合わせて、張り合わせた構造を用いた。アルミニウム円板ではなく、アルミニウムを主とする合金である金属の円板を用いても良い。
すでに述べた回転子106がグラファイト円板のみで構成されている場合、その導電率の小ささのため回転が不安定になり、測定精度が制限される。そこで、回転子106に印加される回転トルクを増加させるため、グラファイト円板に対して金属板、すなわちアルミニウム円板を張り合わせ、回転子106を構成した。
このとき、回転子106におけるアルミ円板の重量が、グラファイト円板の重量の1/5以下であれば、グラファイト円板の反磁性により、浮力印加磁石108を用いて十分に回転子106を浮上させることが可能である。
また、上述したアルミニウムの導電率は、グラファイトの導電率のおよそ500倍である。このため、アルミニウム円板の体積をグラファイト円板の体積の1/50程度にすることにより、回転子106に対して印加できる回転トルクの大きさを10倍にまで増加させることができる。
この回転トルクの大きさは、回転磁場と回転子106の回転数差が7[1/s]以下の領域において、回転子106を安定に回転させるために十分な大きさである。本応用例においては、アルミニウム円板の体積はグラファイト円板の1/5であり、印加できるトルクの大きさは、回転子106をグラファイトのみで構成した場合に比べ、およそ100倍となっている。このため、回転子106の回転運動は極めて安定したものとなる。
図4は、空気、水素、ネオン、アルゴンの各気体について、回転子106の回転数(ΩD)と、回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転数(ΩD)間の回転数差(ΩM−ΩD)の関係をプロットしたグラフである。この図4において、回転数及び回転数差は、単位時間あたりの回転数を示しており、実施形態においては1秒間における回転数を示している。図4において、横軸が回転子106の回転数(ΩD)を示し、また、縦軸が回転磁場の回転数(ΩM)及び回転子106の回転数(ΩD)との回転数差(ΩM−ΩD)を示している。この図4のグラフにおいては、直線の傾きが粘性に比例した関係となっている。上述したように、回転子106を導電性の高いアルミニウム円板と、反磁性材料であるグラファイト円板を組み合わせた構造としている。図4から分かるように、回転数差が7[1/s]以下の領域においても、回転子106の回転が安定になり、グラフのばらつきが大幅に低減できていることがわかる。
図5は、空気、二酸化炭素、水素、ネオン、酸素、メタン、窒素、アルゴン、ヘリウムの各気体について、各気体の粘性と、回転子106の回転数(ΩD)と、回転磁場及び回転子106間の回転数差(ΩM−ΩD)のグラフの傾きとの関係をプロットしたグラフである。図5において、横軸が文献値から得た各試料の粘度(mPas)であり、縦軸が回転磁場と回転子106の回転数差(ΩM−ΩD)を回転子106の回転数により除算した結果から10.921を減算する補正を行い求めた粘度を示している。図1の粘性・弾性測定装置を用いて、空気、二酸化炭素、水素、ネオン、酸素、メタン、窒素、アルゴン、ヘリウムについて、回転子106の回転数と、回転磁場及び回転子106間の回転数差との関係を計測し、その傾きを求める。
この計測から求めた傾きを、標準試料である空気の傾きにより除算し、標準試料の傾きに対する測定値の傾きの傾き比を求める。この求めた傾き比に対して、標準試料の粘性を乗じて、各気体の粘性を求めた。すなわち、図5においては、この測定から求めた各気体の粘性の測定値と、文献から抽出した各気体の粘性の文献値との関係を表している。図5より、各気体の粘性が1%以上の高い精度で測定できていることがわかる。
以上より、本実施形態によれば、図5から分かるように、常温・常圧程度における気体の粘性が精度よく測定できる。
また、本実施形態によれば、検出対象物質の試料と、標準試料との回転トルクと回転数との傾きの比を求めることにより、この比を標準試料の粘度に乗ずることにより、検出対象物質の粘度を容易に求めることが可能である。
また、応用例として極めて粘性の低い気体の測定を行ったが、本実施形態によれば、試料の種類は気体に限定されるものではなく、液体、液晶、ゾル、ゲル、高分子溶融体などあらゆる種類のソフトマテリアルに適用可能である。
なお、本発明におけ図1の粘性・弾性測定装置の機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより試料の粘性を求める処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータシステム」は、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)を備えたWWWシステムも含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。
また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
101…容器
102,103,104,105…電磁石
106…回転子
107…回転制御部
108…浮力印加磁石
109…粘性検出部
110…画像処理部
111…標準データ記憶部
112…撮像素子

Claims (13)

  1. 一部あるいは全体が導電性を有する材料によって、かつ一部あるいは全体が反磁性の材料によって構成された回転子と、
    粘性を検出する対象の検出対象物質が入れられ、該検出対象物質に接触した状態で前記回転子が配置された容器と、
    該容器の下部に配置され、前記回転子の有する反磁性により該回転子に対し鉛直上方への力を及ぼす浮力印加磁石と、
    該容器の周りに配置され、前記回転子に対して時間変動する磁場を印加する動磁場印加磁石と、
    該動磁場印加磁石を駆動して前記回転子に回転磁場を加え、前記回転子内に誘導電流を誘起し、該誘導電流と該回転子に印加される磁場とのローレンツ相互作用により、該回転子に回転トルクを与えて回転させる回転制御部と、
    前記回転子の回転数を検出する回転検出部と、
    前記回転数により、前記回転子に接する検出対象物質の粘性・弾性を検出する粘性検出部と
    を有することを特徴とする粘性・弾性測定装置。
  2. 前記回転子が、反磁性を有する部材と、導電性を有する部材との組み合わせによって構成されることを特徴とする請求項1に記載の粘性・弾性測定装置。
  3. 前記回転子を構成する前記導電性を有する部材の重量が、反磁性を有する部材の重量の1/5以下であり、かつ前記回転子を構成する導電性を有する部材の体積が、前記反磁性を有する部材の体積の1/50以上であることを特徴とする請求項2に記載の粘性・弾性測定装置。
  4. 前記回転子が、前記鉛直上方への力により、容器底部から浮上していることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  5. 前記回転子の形状が球であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  6. 前記回転子の形状が円柱であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  7. 前記回転子の形状が円板であることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  8. 前記回転子を構成する材料がグラファイトであることを特徴とする請求項1、請求項4、請求項5、請求項6、請求項7のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  9. 前記回転子を構成する反磁性の部材の材料がグラファイトであり、かつ前記回転子を構成する導電性の部材の材料がアルミニウムあるいはアルミニウムを主とする合金であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  10. 前記回転子にマークが付されており、
    前記回転検出部が前記マークの回転を検出することにより、回転子の回転数を検出することを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  11. 前記回転子に光を照射する光源部と、
    前記回転子による前記光の散乱光を検出する光検出部をさらに有し、
    前記散乱光の時間変化を検出することにより前記回転子の回転数を検出することを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  12. 粘性がわかっている複数の物質内における回転子に加わる回転トルクと、回転数との関係を予め測定した標準データを記憶する記憶部をさらに有し、
    前記粘性検出部が検出した検出対象物質の回転トルクと回転数との関係と、前記標準データを比較することにより、前記検出対象物質の粘性・弾性を検出することを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか一項に記載の粘性・弾性測定装置。
  13. 容器に粘性を検出する対象の検出対象物質を充填し、該検出対象物質に接触した状態で導電性かつ反磁性の回転子を配置する過程と、
    前記回転子に対して時間変動磁場を印加する過程と、
    該時間変動磁場により前記回転子内に誘導電流を誘起し、該誘導電流と該回転子に印加される磁場とのローレンツ相互作用により、該回転子に回転トルクを与えて回転させる回転制御過程と、
    前記回転子に対して静磁場を印加して鉛直上方への力を印加する過程と、
    前記回転子の回転数を検出する回転検出過程と、
    前記回転数により、前記回転子に接する検出対象物質の粘性・弾性を検出する粘性・弾性検出過程と
    を有することを特徴とする粘性・弾性測定方法。
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