JP6093714B2 - 創傷治癒デバイスおよび方法 - Google Patents

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Description

関連出願への相互参照
本出願は、2011年1月18日出願の米国仮出願No. 61/461,445、2011年1月25日出願の米国仮出願No. 61/461,951、および2011年2月14日出願の米国仮出願No. 61/463,185の35 USC§119(e)に基づく優先権を主張する。該仮出願の全体は参照によりここに組み入れられる。
発明の属する分野
本発明の分野は、新規創傷治癒デバイスに関する。特に、本発明の分野は、新規細胞性因子含有組成物(本明細書において、CFCと称する)、例えば胚外サイトカイン分泌細胞(extraembryonic cytokine-secreting cells)(ECS細胞)から得られるならし培地組成物、例えば羊膜由来多能性前駆(AMP)細胞から得られる羊膜由来細胞性サイトカイン溶液(本明細書において、ACCSと称する)、および生理的サイトカイン溶液(本明細書において、PCSと称する)などのCFCが吸着した縫合糸またはニットメッシュ(knitted mesh)を含む、新規創傷治癒デバイス、ならびにその作製方法および使用に関する。
発明の背景
タンパク質に基づく治療剤(therapeutics)は、通常、他の医薬より患者に投与することが難しい。タンパク質の有効性はその形状に関係するため、タンパク質に基づく治療剤は、そこに含まれるタンパク質(群)のアンフォールディングまたは変性を引き起こしうる条件にさらすことができない。したがって、タンパク質に基づく治療剤の調製、保管、および投与には特別な注意が必要である。
タンパク質のいかなる変性をも回避することに加えて、長期間にわたり患者に投与されるタンパク質の量を制御できることが望ましいことが多い。このことは、望ましくないほど高いもしくは低い、または望ましいレベルからあまりにも変動する患者体内のタンパク質濃度を回避するのに役立ち、その代わり、患者におけるこの治療剤の安定したレベルの維持に役立つ。これに対処するため、多くの治療剤、例えばタンパク質に基づく治療剤に関する持続放出(制御放出/時間放出(timed-release)などとしても知られている)製剤が、開発され、または現在開発中である。持続放出型の、タンパク質に基づく治療剤は、非限定的に、錠剤もしくはカプセル剤の経口送達、粉剤の吸入、移植、マトリックスへの組み込み、または時間とともに徐々にタンパク質が放出されるカプセル化された治療剤の局所適用を含む、様々な方法によって投与することができる。
手術用縫合糸は、損傷または手術後に生体組織を結び合わせるために使用される医療デバイスである。最新の縫合糸は合成のものであり、例えばポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリジオキサノンもしくはカプロラクトン(これらは全て、加水分解(ポリグリコール酸)およびタンパク質分解酵素分解をはじめとする様々な過程によって分解される)から作られる吸収性縫合糸、ならびに、例えばナイロン、ポリエステル、もしくはポリプロピレンから作られる非吸収性縫合糸が含まれる。縫合糸を製造するために使用される天然材料には絹および腸が含まれる。最近、縫合糸は、感染の機会を減らすために抗菌性物質でコーティングされている。様々な材料から作られることに加え、縫合糸には、#5(整形外科の用途に好適な太い「編糸状」縫合糸)から#11-0(眼科の用途に好適な細い「単繊維状」縫合糸)までにわたる非常に特殊なサイズがある。縫合糸は組織をしっかりと保持するのに十分に強くなければならないが、編むのに十分に柔軟でなければならない。縫合糸はまた低刺激性(hypoallergenic)でなければならない。
「単繊維状」縫合糸および「編糸状」縫合糸の両方に多くの利点と欠点がある。単繊維状縫合糸の利点には、非常に滑らかで、組織中で抵抗が少なく、この縫合糸は組織内を非常に容易に進み、組織に損傷を引き起こすことなく複数の連続ステッチを組織を通して容易に引き抜くことができ、この縫合糸の表面は感染を引き起こす微生物を保持しない傾向があるため、編糸状縫合糸を用いた場合よりも縫合部膿瘍がまれであり、そしてこの縫合糸の表面は編糸状縫合糸より血小板を引き寄せにくく、このため血栓形成の発生率が低下することが含まれる。欠点には、単繊維状縫合糸は助手が掴むには滑りやすく、糸結びするには滑りやすく、よじれるかもしくは切れる可能性があり、編糸状縫合糸より安全のためより多くの撚り(throw)を必要とし、結び目が滑る可能性があり(これは滑らないステッチに頼る場合には欠点であるが、2つの結び目を寄り添わせる(snugging down)場合には実際には利点である)、結び目がほどける可能性があり、一連のステッチのねじれの影響に耐えられず、編糸状縫合糸よりもループを形成しやすく、編糸状縫合糸より弾性があり、そして編糸状縫合糸より記憶性ある(例えば小さく巻かれた場合に真っ直ぐにされるのに抵抗する)ことが含まれる。
単繊維状縫合糸と編糸状縫合糸の主な違いは、編糸状縫合糸が示すより高い抵抗およびより高い適合性(compliance)である。編糸状縫合糸の利点には、編糸状縫合糸はより滑りにくく、より扱い易く、記憶性がより少なく(例えばこれを真っ直ぐにすると大部分のコイルおよびジグザグは永久に除去される)、より結び易く、結び目は滑らない傾向があり、結び目により少ない撚りを要し、そしてその抵抗を表皮下ステッチに有利に使用できることが含まれる。欠点には、抵抗の増加は単繊維状縫合糸ほど容易に進まないことを意味し、単一のステッチにおいてさえ、抵抗に打ち勝つ引っ張りが組織に損傷を引き起こす危険性があり、表皮下ステッチを除き、一度に2つ以上のステッチを通して編糸状縫合糸を引き抜くことは危険であり、特に非吸収性ステッチにおいて、編糸状縫合糸中に存在し抗生物質に接近し難い感染の機会がより多くあることが含まれる。
昔ながらの縫合糸に加えて、グリコリドとラクチドのコポリマーから調製されたニットメッシュも本発明の方法における使用に好適である。メッシュは、手術、特に腹部の手術後のヘルニア形成を低減させるか、または予防するのに特に好適である。
多くの異なる縫合技術が存在する。最も一般的な技術は、最も実行が容易であり、かつ縫合糸が各個別のステッチの間で切断されるため「断続型」と称される、単純な断続されたステッチである。垂直方向と水平方向のマットレスステッチも断続型であるが、より複雑であり、特定の状況のために特化されている。ランニングまたは連続ステッチはより速いが、縫合糸がたった1箇所で切断されても失敗する危険性があり、連続的なロッキングステッチはランニングまたは連続ステッチのより安全なバージョンである。胸腔ドレーンステッチおよびコーナーステッチは水平マットレスステッチの変形である。その他のステッチには、8の字ステッチおよび表皮下ステッチが含まれる。
本出願人は本明細書に初めて本発明を提示し、本発明の目的は、縫合糸またはニットメッシュに組成物を吸着させることによって、制御された様式で生理的に適切な成長因子およびサイトカインを生理的レベルで創傷に送達することである。
発明の要旨
本発明の目的は、新規創傷治癒デバイスおよび該デバイスを使用する方法を提供することである。そのような創傷治癒デバイスは、新規細胞性因子含有組成物(本明細書において、CFCと称し、例えばACCSが含まれる)または生理的サイトカイン溶液(本明細書において、PCSと称する)がその上に吸収された非吸収性または生体内浸食性の編糸状縫合糸またはニットメッシュを含む。CFC、例えばACCS、またはPCSは、複雑で固有の組み合わせの、かつ生理的レベルの体内で自然に見られる創傷治癒性サイトカインおよび成長因子を含む。生体内浸食性の編糸状縫合糸またはニットメッシュは、体内で時間とともに分解されうるが、非吸収性縫合糸は除去されるまで存在する。本発明によれば、生体内浸食性の編糸状縫合糸またはニットメッシュには、CFC、例えばACCS、またはPCSが吸収されており、CFC、例えばACCS、またはPCSは、縫合糸またはニットメッシュの編糸繊維間の間隙に捕捉される。次いで、CFC、例えばACCS、またはPCSは、拡散、および/または生体内浸食性縫合糸もしくはニットメッシュの浸食によるタンパク質因子放出の組み合わせの結果として、経時的に局所的創傷領域に放出される。こうして、創傷治癒組成物は、最大効果のために創傷領域に正確に送達される。細胞性因子は、体内に見られる生理的レベルと同等のレベルで存在するため、それらは、損傷もしくは創傷の治療および/または治癒に関与する生化学的および生物学的過程を補助し、開始し、置換し、加速し、またはそうでなければそれらに影響を与える介入、またはニットメッシュの場合にはヘルニア形成を予防するかもしくは低減させる介入を必要とする治療的適用における使用に最適である。細胞性因子はまた、時間をかけてゆっくりと放出され、治癒および/または回復を最適化するそのような因子の継続的で一貫した生理的レベルを提供する。さらに、CFC、例えばACCS、またはPCSは、縫合糸またはニットメッシュ上への吸収に先立って製剤化することができる。そのような製剤は、持続放出/制御放出/時間放出製剤、または縫合糸もしくはニットメッシュへの吸着を改善するゲル化剤もしくは増粘剤の添加を含みうる。CFC、例えばACCS、またはPCSの持続放出製剤についての詳細は、2009年2月26日に公開されたUS-2009-0054339-A1に見出すことができ、この内容は参照によりここに組み入れられる。CFC、例えばACCS、またはPCSにはまた、縫合糸を浸漬する前にヘパリンを添加してもよく、または、縫合糸はCFC、例えばACCS、またはPCSに浸漬する前にヘパリンを吸着していてもよい。ヘパリンは、ヘパリン結合モチーフを有するタンパク質に結合することが知られており、CFC、例えばACCS、またはPCSに見られるタンパク質のゆっくりとした放出を生じさせるのに役立ちうる。さらに、CFC、例えばACCS、またはPCSは、縫合糸上への吸収の前に凍結乾燥してもよい。そのような凍結乾燥は、他の物質、例えばコラーゲンの添加を含んでもよい。本明細書中に記載の新規創傷治癒デバイスの重要な特徴は、多数の創傷治癒因子(例えば、VEGF、TIMP-1、TIMP-2、PDGF、TGFβ2、アンジオゲニン)を同時に、ゆっくりと、かつ生理的濃度で創傷部位に直接送達することができることが開示された最初のデバイスであるという点である。
したがって、本発明の第1の態様は、編糸状縫合糸またはニットメッシュに吸着させた細胞性因子含有組成物(CFC)を含む、創傷治癒デバイスである。
態様1の一実施形態では、CFCは羊膜由来細胞性サイトカイン溶液(ACCS)である。
態様1の別の実施形態では、ACCSは濃縮されたACCSである。
態様1のさらに別の実施形態では、CFCは生理的サイトカイン溶液(PCS)である。
態様1のさらに別の実施形態では、PCSは濃縮されたPCSである。
態様1のさらに別の実施形態では、縫合糸またはニットメッシュは非吸収性または生体内浸食性である。
態様1の特定の実施形態では、生体内浸食性縫合糸またはニットメッシュは、ポリグリコール酸、ポリグルタミン酸、ポリジオキサノン、ポリラクチド、もしくはカプロラクトン、またはそれらの組み合わせから作られている。態様1の別の特定の実施形態では、非吸収性縫合糸はナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンまたは絹から作られている。
態様1の別の特定の実施形態では、CFCは生理的濃度のVEGF、TGFβ2、アンジオゲニン、PDGF、TIMP-1およびTIMP-2を含む。
態様1の極めて具体的な実施形態では、生理的濃度は、VEGFについてほぼ5.0〜16ng/mL、アンジオゲニンについてほぼ3.5〜4.5ng/mL、PDGFについてほぼ100〜165pg/mL、TGFβ2についてほぼ2.5〜2.7ng/mL、TIMP-1についてほぼ0.68μg/mLおよびTIMP-2についてほぼ1.04μg/mLである。
本発明の第2の態様は、態様1の創傷治癒デバイスを含むキットである。
本発明の第3の態様は、態様1の創傷治癒デバイスを用いて創傷を縫合することを含む、その必要がある被験体において創傷治癒を促進する方法である。
態様3の特定の実施形態では、縫合は創傷の連続縫合である。
本発明の第4の態様は、手術後のヘルニア形成を低減させるか、または予防するために、態様1のニットメッシュの創傷治癒デバイスを手術の際に患者の体内に置くことを含む、ヘルニア形成を低減させるか、または予防する方法である。
本発明の第5の態様は、態様1の創傷治癒デバイスを創傷に適用するステップを含む、タンパク質因子群が創傷へ同時に送達されるように、タンパク質因子群の混合物を直接創傷に送達する方法である。
本発明はまた以下に関する。
[項目1]
縫合糸またはニットメッシュ(knitted mesh)に吸着させた細胞性因子含有組成物(CFC)を含む、創傷治癒デバイス。
[項目2]
CFCが羊膜由来細胞性サイトカイン溶液(ACCS)である、項目1に記載の創傷治癒デバイス。
[項目3]
ACCSが濃縮されたACCSである、項目2に記載の創傷治癒デバイス。
[項目4]
CFCが生理的サイトカイン溶液(PCS)である、項目1に記載の創傷治癒デバイス。
[項目5]
PCSが濃縮されたPCSである、項目4に記載の創傷治癒デバイス。
[項目6]
縫合糸またはニットメッシュが編糸状である、項目1に記載の創傷治癒デバイス。
[項目7]
縫合糸が非吸収性または生体内浸食性であり、かつニットメッシュが生体内浸食性である、項目1に記載の創傷治癒デバイス。
[項目8]
生体内浸食性縫合糸またはニットメッシュが、ポリグリコール酸、ポリグルタミン酸、ポリジオキサノン、ポリラクチド、またはカプロラクトンから作られている、項目7に記載の創傷治癒デバイス。
[項目9]
非吸収性縫合糸がナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンまたは絹から作られている、項目7に記載の創傷治癒デバイス。
[項目10]
CFCが生理的濃度のVEGF、TGFβ2、アンジオゲニン、PDGF、TIMP-1およびTIMP-2を含む、項目1に記載の創傷治癒デバイス。
[項目11]
生理的濃度が、VEGFについてほぼ5.0〜16ng/mL、アンジオゲニンについてほぼ3.5〜4.5ng/mL、PDGFについてほぼ100〜165pg/mL、TGFβ2についてほぼ2.5〜2.7ng/mL、TIMP-1についてほぼ0.68μg/mLおよびTIMP-2についてほぼ1.04μg/mLである、項目10に記載の創傷治癒デバイス。
[項目12]
項目11に記載の創傷治癒デバイスを含むキット。
[項目13]
項目1に記載の創傷治癒デバイスを用いて創傷を縫合することを含む、その必要がある被験体において創傷治癒を促進する方法。
[項目14]
縫合が創傷の連続縫合である、項目13に記載の方法。
[項目15]
ニットメッシュに吸着させた細胞性因子含有組成物(CFC)を含む創傷治癒デバイスを手術後の創傷上に置くことを含む、その必要がある被験体においてヘルニア形成を低減させるか、または予防する方法。
[項目16]
項目1に記載の創傷治癒デバイスを創傷に適用するステップを含む、タンパク質因子群が創傷へ同時に送達されるように、タンパク質因子群の混合物を直接創傷に送達する方法。

定義
本明細書中で定義される「単離された」とは、その元の環境から取り出され、したがってその天然状態から「ヒトの手によって」改変された物質を表す。
本明細書中で使用される「富化された(enriched)」とは、混合物から望ましくない物質を除去するかまたは所望の物質を選択しかつ分離することによって1種以上の物質の量を選択的に濃縮するかまたは増加させる(すなわち、特定の細胞マーカーを用いて、集団中のすべての細胞が該マーカーを発現するわけではない不均質な細胞集団から細胞を分離する)ことを意味する。
本明細書中で使用される用語「実質的に精製された」とは、特定のマーカーまたはマーカーの組み合わせに関して実質的に均質の細胞集団を意味する。実質的に均質とは、特定のマーカーまたはマーカーの組み合わせに関する、少なくとも90%、および好ましくは95%均質を意味する。
本明細書中で使用される用語「胎盤」とは、早産および満期胎盤の両者を意味する。
本明細書中で使用される用語「全能細胞」とは、以下の意義を有するものとする。哺乳類では、全能細胞は成体中で任意の細胞タイプ; 胚外膜の任意の細胞タイプ(群)(例えば胎盤)になる潜在能力を有する。全能細胞は受精卵およびその卵割によって生じるおよそ最初の4細胞である。
本明細書中で使用される用語「万能性(pluripotent)幹細胞」とは、以下の意義を有するものとする。万能性幹細胞は、身体中の任意の分化細胞を作製する潜在能力を有する真の幹細胞であるが、栄養膜に由来する胚外膜の成分の作製に寄与できない。羊膜は、栄養膜ではなく胚盤葉上層から発生する。3タイプの万能性幹細胞: 胚性幹(ES)細胞(霊長類では全能性でもある)、胚性生殖(EG)細胞、および胚性癌腫(EC)細胞が今日までに確認されている。EC細胞は、胎児の生殖腺で時折生じる腫瘍である奇形癌腫から単離することができる。他の2種と異なり、それらは通常異数体である。
本明細書中で使用される用語「多能性(multipotent)幹細胞」とは真の幹細胞であるが、限られた数のタイプにしか分化することができない。例えば、骨髄は、すべての血液細胞を生じさせる多能性幹細胞を含むが、他の細胞タイプに分化することはできない。
本明細書中で使用される用語「胚外サイトカイン分泌細胞」または「ECS細胞」とは、細胞外間隙または周囲の培地中に生理的に適切な時間的様式で生理的に適切なレベルのVEGF、アンジオゲニン、PDGFおよびTGFβ2およびMMPインヒビターTIMP-1および/またはTIMP-2を分泌する特徴を有する胚外組織に由来する細胞の集団を意味する。ECS細胞は、いかなる非ヒト動物材料の存在下でも培養されたことがなく、それにより、それらおよびそれらに由来する細胞産物はヒト臨床使用に好適である。それらは異種に汚染されていないからである。ECS細胞は、本出願およびUS2003/0235563、US2004/0161419、US2005/0124003、米国仮出願Nos. 60/666,949、60/699,257、60/742,067、60/813,759、米国出願No. 11/333,849、米国出願No. 11/392,892、PCTUS06/011392、US2006/0078993、PCT/US00/40052、米国特許No. 7,045,148、US2004/0048372、およびUS2003/0032179 (これら文献の開示内容は参照によりその全体がここに組み入れられる)に記載の細胞集団および組成物から選択してよい。以前、ECS細胞はTSE細胞と称されていた。
本明細書中で使用される用語「羊膜由来多能性前駆細胞」または「AMP細胞」とは、羊膜に由来する上皮細胞である特定の細胞集団を意味する。AMP細胞は以下の特徴を有する。それらは、いかなる非ヒト動物材料の存在下でも培養されたことがなく、それにより、それらおよびそれらに由来する細胞産物はヒト臨床使用に好適である。それらは異種に汚染されていないからである。AMP細胞は、ヒト血清アルブミンを補充した基本培地で培養される。好ましい実施形態では、AMP細胞は、サイトカインVEGF、アンジオゲニン、PDGFおよびTGFβ2およびMMPインヒビターTIMP-1および/またはTIMP-2を分泌する。サイトカインまたは固有の組み合わせのサイトカイン群の生理的範囲は、以下の通りである: VEGFの場合はほぼ5〜16ng/mL、アンジオゲニンの場合はほぼ3.5〜4.5 ng/mL、PDGFの場合はほぼ100〜165pg/mL、TGFβ2の場合はほぼ2.5〜2.7ng/mL、TIMP-1の場合はほぼ0.68μg/mLおよびTIMP-2の場合はほぼ1.04μg/mL。AMP細胞は、場合により、チモシンβ4を発現しうる。AMP細胞は支持細胞層なしで増殖し、タンパク質テロメラーゼを発現せず、非腫瘍原性である。AMP細胞は造血幹細胞マーカーCD34タンパク質を発現しない。この集団でのCD34陽性細胞の不存在は、単離物に造血幹細胞、例えば臍帯血または胚性線維芽細胞が混入していないことを示す。細胞の実質的に100%が低分子量サイトケラチンに対する抗体と反応し、その上皮性の性質を裏づける。AMP細胞の単離元である、新たに単離された羊膜由来細胞は、幹/前駆細胞マーカーc-kit(CD117)およびThy-1 (CD90)に対する抗体と反応しない。満期または早産胎盤から細胞を取得するために使用されるいくつかの手法は当技術分野において公知である(例えば、US 2004/0110287; Anker et al., 2005, Stem Cells 22:1338-1345; Ramkumar et al., 1995, Am. J. Ob. Gyn. 172:493-500を参照のこと)。しかし、本明細書中で使用される方法は改善された組成物および細胞集団を提供する。
本明細書中に記載の特定の組成物、生育条件、培地、などに言及する場合の用語「アニマルフリー」とは、非ヒト動物由来材料、例えばウシの血清、タンパク質、脂質、炭水化物、核酸、ビタミン、などが特定の組成物または方法の調製、生育、培養、増殖、保存または製剤化に使用されないことを意味する。「非ヒト動物由来材料を含まない」とは、材料が非ヒト動物の身体もしくは物質中に存在したか、または非ヒト動物の身体もしくは物質と接触したことが一度もなく、ゆえにそれらが異種に汚染されていないことを意味する。そのような組成物および/または方法の調製、生育、培養、増殖、保存および/または製剤化では、組み換え生産ヒトタンパク質などの臨床等級の材料しか使用されない。
細胞組成物に関する用語「増殖させた(expanded)」とは、細胞集団が、以前の方法を使用して得られるより、顕著に高い細胞濃度を構成することを意味する。例えば、AMP細胞の増殖組成物中の羊膜組織1グラムあたりの細胞レベルは、以前の方法を使用するそのような細胞中の約20倍増加と比較して、5回の継代後、初代培養物中の羊膜上皮細胞の数より少なくとも50〜150倍高い。別の例では、AMP細胞の増殖組成物中の羊膜組織1グラムあたりの細胞レベルは、3回の継代後、初代培養物中の羊膜上皮細胞の数より少なくとも30〜100倍高い。したがって、「増殖させた」集団は、以前の方法と比べて、少なくとも2倍、最高10倍の、羊膜組織1グラムあたりの細胞数の向上を有する。用語「増殖させた」とは、ヒトが介入して細胞数を増加させた状況のみを含むことが意図される。
本明細書中で使用される用語「継代」とは、組織培養容器中で集密に到達したかまたは集密に近い培養物中で生育する細胞を容器から取り出し、新鮮な培地で希釈し(すなわち1:5希釈し)、かつ新しい組織培養容器に入れてその継続した増殖および生存を可能にする細胞培養技術を意味する。例えば、羊膜から単離された細胞は初代細胞と称される。そのような細胞を本明細書中に記載の生育培地中で生育させることによって培養物中で増殖させる。そのような初代細胞を二次培養する場合、二次培養の各ラウンドは継代と称される。本明細書中で使用される「初代培養」とは、新たに単離された細胞集団を意味する。
本明細書中で使用される「ならし培地」とは、特定の細胞または細胞集団が培養され、その後細胞が取り出された培地である。細胞が培地中で培養されると、それらは、他の細胞の挙動を支援するかまたは他の細胞の挙動に影響しうる細胞因子を分泌する。そのような因子には、非限定的に、ホルモン、サイトカイン、細胞外基質(ECM)、タンパク質、小胞、抗体、ケモカイン、受容体、インヒビターおよび顆粒が含まれる。そのような細胞因子を含む培地はならし培地である。ならし培地を調製する方法の例は、参照によりその全体がここに組み入れられる米国特許第6,372,494号に記載されている。
本明細書中で使用される用語「羊膜由来細胞性サイトカイン溶液」または「ACCS」とは、ヒト血清アルブミンを補充した基本培地で培養されたAMP細胞に由来するならし培地を意味する。
本明細書中で使用される用語「生理的レベル」とは、生物系において物質が見出されるレベルかつ生化学的および/または生物学的過程の適正な機能にとって適切なレベルを意味する。
本明細書中で使用される用語「生理的サイトカイン溶液」または「PCS」組成物とは、細胞に由来しない組成物でかつ生理的濃度の、VEGF、アンジオゲニン、PDGFおよびTGFβ2から選択される1種以上の因子および少なくとも1種のMMPインヒビターを有する組成物を意味する。好適なMMPインヒビターの例には、非限定的に、TIMP-1およびTIMP-2が含まれる。PCSに関する詳細は米国公開No. US-2009-0054339-A1に見出せる。これらの文献の内容は参照によりここに組み入れられる。
本明細書中で使用される、「羊膜由来細胞性サイトカイン溶液」で使用される用語「溶液」とは、分散した成分、すなわちサイトカインを含む液体を意味する。分散した成分は、完全に可溶化されていても、部分的に可溶化されていても、懸濁されていてもよいし、またはその他の方法で液体中に分散されていてもよい。好適な液体には、非限定的に、水、塩および/もしくは糖溶液などの浸透溶液、細胞培養培地、ならびに他の水溶液もしくは非水溶液が含まれる。
本明細書中で使用される用語「溶解物」とは、細胞、例えばAMP細胞を溶解し、場合により、細胞片(例えば細胞膜)を除去した場合に得られる組成物を表す。これは、機械的手段によって、凍結および解凍によって、超音波処理によって、EDTAなどの界面活性剤の使用によって、または、例えばヒアルロニダーゼ、ディスパーゼ、プロテアーゼ、およびヌクレアーゼを使用する酵素消化によって達成することができる。一部の例では、細胞を溶解し、細胞膜部分を保持し、かつ可溶化細胞の残りの部分を廃棄することが望ましい。
本明細書中で使用される用語「プールされた」とは、プールされない組成物と比べて、より一定であるかまたは一貫した特徴を有する新規組成物を創出するように混合された複数の組成物を意味する。例えば、プールされたACCSは、プールされていないACCSと比べて、より一定であるかまたは一貫した特徴を有する。プールされた組成物の例には、「SPプール」(2以上のACCS回収/1個の胎盤)、「MP1プール」(1のACCS回収/胎盤、複数個の胎盤)、および「MP2プール」(2以上のACCS回収/胎盤、複数個の胎盤)が含まれる。
本明細書中で使用される用語「基材(substrate)」とは、細胞がそれに接着し、その上で生育し、および/またはその上を移動する表面上の定義されたコーティングを意味する。本明細書中で使用される用語「基質(matrix)」とは、細胞がその中または上で生育する、成分で定義されていてもまたはいなくてもよい物質を意味する。基質には、生物学的物質および非生物学的物質の両方が含まれる。本明細書中で使用される用語「足場」とは、細胞がその中または上で生育する3次元(3D)構造(基材および/または基質)を意味する。これは、生物学的成分、合成成分またはその両方の組み合わせで構成されてよい。さらに、これは細胞によって自然に構築されるか、または人工的に構築されてよい。加えて、足場は、適切な条件下で生物学的活性を有する成分を含んでよい。
本明細書中で使用される用語「細胞産物(群)」とは、細胞によって作られかつ細胞から分泌される任意のおよび全ての物質を表し、それには、非限定的に、タンパク質因子(すなわち成長因子、分化因子、生着因子、サイトカイン、モルフォゲン、プロテアーゼ(すなわち、内因性細胞層間剥離を促進するための、プロテアーゼインヒビター)、細胞外基質成分(すなわちフィブロネクチンなど)が含まれる。
用語「治療上有効量」とは、所望の生理的効果を達成(すなわち、創傷治癒を促進)するために必要な治療物質の量を意味する。
本明細書中で使用される用語「製薬的に許容される」とは、治療物質に加えて、製剤を構成する成分が、本発明にしたがって治療される患者への投与に好適であることを意味する。
本明細書中で使用される用語「治療タンパク質」には、広範囲の生物活性タンパク質が含まれ、それには、非限定的に、成長因子、酵素、ホルモン、サイトカイン、サイトカインのインヒビター、血液凝固因子、ペプチド成長因子および分化因子が含まれる。
本明細書中で使用される用語「組織」とは、特定の機能の実施において結束した、同じように特殊化した細胞の集合をいう。
本明細書中で使用される用語「a」または「an」は、1以上; 少なくとも1を意味する。
本明細書中で使用される用語「付属的な(adjunctive)」とは、共同して(jointly)、〜と一緒に(together with)、〜に加えて(in addition to)、〜と併せて(in conjunction with)、などを意味する。
本明細書中で使用される用語「共投与する」は、2以上の物質の同時投与または逐次投与を含んでよい。
本明細書中で使用される用語「物質(agent)」とは、活性物質または不活性物質を意味する。用語「活性物質」とは、被験体に投与した場合に生理的効果を示すことができる物質を意味する。活性物質の非限定的な例には、成長因子、サイトカイン、抗生物質、細胞、細胞に由来するならし培地などが含まれる。用語「不活性物質」とは、投与した場合に生理的効果を示さない物質を意味する。そのような物質は、代替的に「製薬的に許容される賦形剤」と称されることもある。非限定的な例には、時間放出カプセルなどが含まれる。
用語「非経口投与」および「非経口的に投与される」は、当技術分野で認識されており、通常は注射による、経腸および局所投与以外の投与方法を表し、それには、非限定的に、静脈内、筋肉内、動脈内、髄腔内、嚢内(intracapsular)、眼窩内、心臓内、皮内、腹腔内、経気管、皮下、表皮下、関節内、被膜下、くも膜下、脊髄内、硬膜外、脳内および胸骨内の注射もしくは注入が含まれる。
用語「経腸投与」および「経腸的に投与される」は、当技術分野で認識されており、通常は経口または直腸経路による、経腸および局所投与以外の投与方法を表す。
用語「局所投与」および「局所的に投与される」は、当技術分野で認識されており、通常は皮膚への塗布による、非経口および経腸投与以外の投与方法を表す。
本明細書中で使用される用語「吸着」とは、液体、気体、または溶解した物質が固体の表面に蓄積する作用を表す。
本明細書中で使用される用語「持続放出」、「長期放出」、「時間放出」、「制御放出」、または「連続放出」とは、時間をかけて放出される物質、典型的には治療物質または薬物を意味する。
本明細書中で使用される用語「生体内浸食性(bioerodable)」または「生体内浸食(bioerosion)」とは、物質の分解をもたらす物理的(すなわち崩壊)および化学的(すなわち化学結合の切断)過程の組み合わせを意味する。
本明細書中で使用される用語「生分解性」または「生分解」とは、生物学的因子(すなわち酵素、微生物または細胞)が物質の分解を担っていることを意味する。
本明細書中で使用される用語「生体再吸収性(bioresporbable)」または「生体吸収性(bioabsorptable)」とは、細胞活性(すなわち食作用)による分解産物の除去を意味する。本明細書中で使用される用語「非吸収性」とは、物質が化学的過程によって分解されないことを意味する。
本明細書中で使用される「治療(Treatment)」、「治療する(treat)」、または「治療すること(treating)」とは、哺乳類、特にヒトの疾患または状態の任意の治療を含み、かつ: (a) 疾患または状態が、該疾患または状態にかかりやすいかもしれないが、まだそれを有すると診断されていない被験体で発生することを予防すること; (b) 疾患または状態を阻害する、すなわちその発症を阻止すること; (c) 疾患または状態を軽減させかつまたは改善する、すなわち疾患または状態の退行を生じさせること; または(d) 疾患または状態を治す、すなわちその発症または進行を停止させることを含む。本発明の方法によって治療される被験体集団には、望ましくない状態または疾患を患う被験体、ならびに該状態または疾患を発症する危険性がある被験体が含まれる。
本明細書中で使用される「創傷」は、原因を問わず、正常な生体構造(内部および/または外部生体構造)の破壊であり、それには、非限定的に、外傷、例えば機械的(すなわち挫傷、貫通)、熱的、化学的、電気的、震とう性および切開性損傷; 選択的損傷、例えば手術(operative surgery)および結果として生じる瘢痕ヘルニア、瘻孔など; 急性創傷、慢性創傷、感染性創傷、および無菌性創傷、ならびに疾患状態に関連した創傷(すなわち、糖尿病性神経障害によって引き起こされる潰瘍、または消化管もしくは泌尿生殖路の潰瘍)が含まれる。創傷は動的であり、治癒の過程は、負傷時に開始し、初期創傷閉鎖を越えて安定した瘢痕への到達まで続く一連の統合されかつ相互に関連した細胞過程を必要とする連続体である。これらの細胞過程は、非限定的に、サイトカイン、リンホカイン、成長因子およびホルモンを含む体液性物質によって媒介されるかまたは調節される。本発明によれば、「創傷治癒」とは、治癒がより速く、かつ/または結果として生じる治癒領域がより少ない瘢痕を有し、かつ/または創傷領域が未損傷組織のものにより近い組織強度を有し、かつ/または創傷組織がある程度の機能的回復を達成するように、何らかの形の介入によって、自然な細胞過程および組織修復の体液性物質を改善することを表す。
本明細書中で使用される用語「創傷治癒のための標準的な動物モデル」とは、本発明の組成物が創傷治癒の促進によって測定される有効性を示す、当技術分野で受け入れられている創傷治癒用の任意の動物モデルを表す。好適なモデルの非限定的な例は、Hayward PG, Robson MC: Animal models of wound contraction. In Barbul A, et al: Clinical and Experimental Approaches to Dermal and Epidermal Repair: Normal and Chronic Wounds. John Wiley & Sons, New York, 1990; DelBecarro, et al: The use of specific thromboxane inhibitors to preserve the dermal microcirculation after burning. Surgery 87: 137-141, 1980; Robson, et al: Increasing dermal perfusion after burning by decreasing thromboxane production. J Trauma 20: 722-725, 1980; Polo, et al: An in vivo model of human proliferative scar. J Surg Res 74: 187-195, 1998.)に記載されている。当業者は、他の好適なモデルを認識している。
詳細な説明
ある範囲の値が指定される場合、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除いて下限の単位の10分の1までの、該範囲の上限と下限の間に入るそれぞれの値および該指定範囲の任意の他の指定値または間に入る値は本発明の範囲内に包含されることが理解される。指定範囲において特に除外される任意の境界値がある場合、より小さい範囲の上限および下限は、そのより小さい範囲に単独で含まれてよく、これもまた本発明の範囲内に包含される。指定範囲が一方または両方の境界値を含む場合、その含まれる境界値の一方または両方を除外する範囲もまた本発明に含まれる。
特に指定されない限り、本明細書中で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本発明が属する分野の当業者によって一般に理解される意義と同一の意義を有する。本明細書中に記載の方法および材料と類似または等価の任意の方法および材料を本発明の実施および試験において使用することもできるが、好ましい方法および材料をここに記載する。
文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、本明細書および特許請求の範囲で使用される単数形「a」、「and」および「the」は複数への言及を含むことに留意する必要がある。
細胞の取得および培養
ECS細胞 - 本発明のECS細胞の生産に後に使用することができる細胞を胚外組織から単離するための種々の方法が当技術分野で報告されている(例えば、US2003/0235563, US2004/0161419, US2005/0124003, 米国仮出願Nos. 60/666,949, 60/699,257, 60/742,067, 60/813,759, 米国出願No. 11/333,849, 米国出願No. 11/392,892, PCTUS06/011392, US2006/0078993, PCT/US00/40052, 米国特許No. 7,045,148, US2004/0048372, およびUS2003/0032179を参照のこと)。
ECS細胞の特定 - 胚外組織を単離したら、組織中のどの細胞がECS細胞に関連する特徴(上記定義を参照のこと)を有するかを特定することが必要である。例えば、VEGF、アンジオゲニン、PDGFおよびTGFβ2およびMMPインヒビターTIMP-1および/またはTIMP-2を細胞外間隙または周囲の培地に分泌するその能力に関して細胞をアッセイする。一部の例では、標準アッセイを使用して特定の因子を検出することが困難であるかまたは不可能である。その理由は、アッセイ方法による検出レベル未満の生理的レベルで細胞が特定の因子を分泌するからであるかもしれない。因子(群)がECS細胞および/または他の局所細胞によって利用されており、ゆえに標準アッセイを使用して検出可能なレベルでの蓄積が妨げられることもあるかもしれない。因子が分泌される時間的様式がサンプリングのタイミングと一致しないこともありうる。
AMP細胞組成物 - (a) 胎盤から羊膜を回収するステップ、(b) プロテアーゼを使用して羊膜から上皮細胞を解離させるステップ、(c) 天然由来または組み換え生産ヒトタンパク質(すなわちヒト血清アルブミン)を加えた、非ヒト動物タンパク質を含まない基本培地中で細胞を培養するステップ; (d) 上皮細胞培養物からAMP細胞を選択するステップ、および場合により(e) 場合により追加の添加物および/または成長因子(すなわち組み換えヒトEGF)を使用して、細胞をさらに増殖させるステップを使用してAMP細胞組成物を製造する。詳細は米国公開No. 2006-0222634-A1に含まれる。該文献は参照によりここに組み入れられる。
AMP細胞の培養 - 基本培地で細胞を培養する。そのような培地には、非限定的に、上皮細胞用のEPILIFE(登録商標)培地(Cascade Biologicals)、OPTI-PROTM無血清培地、VP-SFM無血清培地、IMDM高富化基本培地、KNOCKOUTTM DMEM低浸透圧培地、293 SFM II限定無血清培地(すべてGibco; Invitrogen製)、HPGM造血前駆細胞増殖培地、Pro 293S-CDM無血清培地、Pro 293A-CDM無血清培地、UltraMDCKTM無血清培地(すべてCambrex製)、STEMLINE(登録商標) T細胞増殖培地およびSTEMLINE(登録商標) II造血幹細胞増殖培地(ともにSigma-Aldrich製)、DMEM培地、DMEM/F-12栄養混合物増殖培地(ともにGibco製)、Ham F-12栄養混合物増殖培地、M199基本培地(ともにSigma-Aldrich製)、および他の同等の基本培地が含まれる。そのような培地には、ヒトタンパク質が含まれるか、またはヒトタンパク質を補充すべきである。本明細書中で使用される「ヒトタンパク質」とは、天然に生産されるヒトタンパク質または組み換え技術を使用して生産されるヒトタンパク質である。「ヒトタンパク質」はまた、ヒトタンパク質を含む、ヒト血清などのヒト由来物またはその調製物を含むことも意図される。特定の実施形態では、基本培地はIMDM高富化基本培地、STEMLINE(登録商標) T細胞増殖培地またはSTEMLINE(登録商標) II造血幹細胞増殖培地、またはOPTI-PROTM無血清培地、またはその組み合わせであり、ヒトタンパク質は、少なくとも0.5%〜10%までの濃度であるヒト血清アルブミンである。特定の実施形態では、ヒト血清アルブミンは約0.5〜約2%である。特定の実施形態では、ヒトアルブミンは0.5%である。ヒトアルブミンは液体または乾燥(粉末)形態に由来してよく、それには、非限定的に、組み換えヒト血清アルブミン、PLASBUMIN(登録商標)正常ヒト血清アルブミンおよびPLASMANATE(登録商標)ヒト血液画分(ともにTalecris Biotherapeutics製)が含まれる。
最も好ましい実施形態では、異種汚染を回避するために非ヒト動物産物を含まない系を使用して細胞を培養する。この実施形態では、培地は、IMDM高富化基本培地、STEMLINE(登録商標) T細胞増殖培地またはSTEMLINE(登録商標) II造血幹細胞増殖培地、OPTI-PROTM無血清培地、またはDMEM培地であり、10%の量までのヒト血清アルブミン(すなわちPLASBUMIN(登録商標)正常ヒト血清アルブミン)を加える。
本発明は、さらに、動物由来タンパク質が組み換えヒトタンパク質で置換され、かつBSAなどの動物由来血清がヒト血清アルブミンで置換されている上記基本培地のいずれかの使用を想定する。好ましい実施形態では、培地はアニマルフリーであることに加えて無血清である。
場合により、他の因子を使用する。一実施形態では、0〜1μg/mLの範囲の濃度の上皮細胞成長因子(EGF)を使用する。好ましい実施形態では、EGF濃度は約10〜20ng/mLである。全ての添加物は臨床等級である。
CFC、例えばACCSの調製
ECSならし培地 - ECS細胞を使用することを除き、ACCSに関して以下に記載されるようにしてECSならし培地を得る。
ACCSの調製 - 本発明のAMP細胞を使用してACCSを調製することができる。一実施形態では、本明細書中に記載されるようにAMP細胞を単離し、5〜30mLの範囲の培地、好ましくは10〜25mLの範囲の培地、および最も好ましくは約10mLの培地を含むT75フラスコ中に1 x106細胞/mLを播種する。細胞を集密まで培養し、培地を交換し、一実施形態では、集密化の1日後にACCSを回収する。別の実施形態では、培地を交換し、集密化の2日後にACCSを回収する。別の実施形態では、培地を交換し、集密化の4日後にACCSを回収する。別の実施形態では、培地を交換し、集密化の5日後にACCSを回収する。好ましい実施形態では、培地を交換し、集密化の3日後にACCSを回収する。別の好ましい実施形態では、培地を交換し、集密化の3、4、5、6日またはそれ以上の後にACCSを回収する。当業者は、非限定的にセルファクトリー、フラスコ、ホローファイバー、または懸濁培養装置を含む他の組織培養容器の使用、または集密に満たないかつ/または活発に増殖中の培養物からのACCSの回収などの、AMP細胞培養物からACCSを回収するための他の実施形態もまた、本発明の方法によって想定されることを認識する。ACCSを回収後に冷凍保存することも本発明によって想定される。ACCSを回収後に凍結乾燥することも本発明によって想定される。ACCSを回収後に持続放出用に製剤化することも本発明によって想定される。冷凍保存、凍結乾燥、および持続放出用製剤化法は当業者によく知られている。
本発明のACCSは、VEGFについてはほぼ5〜16ng/mL、アンジオゲニンについてはほぼ3.5〜4.5ng/mL、PDGFについてはほぼ100〜165pg/mL、TGFβ2についてはほぼ2.5〜2.7ng/mL、TIMP-1についてはほぼ0.68μg mLおよびTIMP-2についてはほぼ1.04μg/mLである生理的に適切な範囲で分泌される生理的に適切なサイトカインに関してアッセイすることによって特徴付けられる。
ACCS、例えばプールされたACCSは、使用前に濃縮されることも本発明によって想定される。必要とされる濃度の適切なレベルは使用目的に依存し、したがって、経験的に決定する必要がある。
PCSの調製
生理的サイトカイン溶液(PCS)と称される非細胞由来形態のCFCは、担体中で生理的レベルのVEGF、アンジオゲニン、PDGF、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2を混合することによって調製される。これらのサイトカインについての生理的レベルは、ACCSにおいて見られるものと同じである。好適な担体には、生理食塩水、PBS、乳酸加リンゲル液、細胞培養培地などが含まれる。そのような組成物は、冷凍保存、凍結乾燥、持続放出製剤化などに好適である。
PCSを、CFC、例えばACCSに見られるよりも濃縮したレベルの因子を含むように製造しうること、および次いでPCSを使用前に適切な希釈剤で希釈しうることが想定される。適切な希釈剤には、非限定的に、生理食塩水、PBS、乳酸加リンゲル液、細胞培養液、細胞培養ならし培地、水などが含まれる。そのような希釈は1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100などであってよい。必要とされる適切な濃度および希釈は使用目的に依存し、したがって、経験的に決定する必要がある。
組成物の使用目的に応じて種々の方法で本発明の組成物を製造することができる。例えば、本発明の実施に有用な組成物は、本発明の物質、すなわちCFC、例えばACCS、またはPCSを、溶液、懸濁液、または両者(溶液/懸濁液)中に含む液体であってよい。用語「溶液/懸濁液」とは、活性物質の第1の部分が溶液中に存在し、かつ活性物質の第2の部分が、液体マトリックス中の懸濁液中に、微粒子型で存在する液体組成物を表す。液体組成物には、ゲルも含まれる。液体組成物は水性であるか、または軟膏、ろう膏(salve)、クリーム、などの剤形であってよい。
本発明の方法の実施に有用な水性懸濁液または溶液/懸濁液は1種以上のポリマーを懸濁化剤として含んでよい。有用なポリマーには、水溶性ポリマー、例えばセルロースポリマーおよび水不溶性ポリマー、例えば架橋カルボキシル含有ポリマーが含まれる。本発明の水性懸濁液または溶液/懸濁液は好ましくは粘性もしくは粘膜付着性であるか、またはさらにより好ましくは、粘性でかつ粘膜付着性である。
CFC、例えばACCS、またはPCSの別の製剤化
CFC、例えばACCS、またはPCSを、持続放出/制御放出/時間放出組成物として製剤化してもよい。治療物質、例えばタンパク質に基づく治療物質、例えばCFC、例えばACCS、またはPCSのそのような組成物を作製する方法は当業者によく知られている。
持続放出/制御放出/時間放出のCFC、例えばACCS、またはPCSは、本明細書中に記載のいずれの方法によって作製してもよい。例えば、多胞性リポソーム製剤技術は、タンパク質およびペプチド治療剤の持続放出に有用である。Qui, J.ら(ACTA Pharmacol Sin, 2005, 26(11):1395-401)は、持続放出インターフェロンアルファ-2bの製剤化のためのこの方法を記載している。Vyas, S.P.ら(Drug Dev Ind Pharm, 2006, 32(6):699-707)は、多胞性リポソームにペグ化インターフェロンアルファをカプセル化することを記載している。CFC、例えばACCS、またはPCSは、多胞性リポソーム持続放出製剤における使用に好適である。
ナノ粒子技術も、CFC、例えばACCS、またはPCSの持続放出/制御放出/時間放出組成物を作製するのに有用である。例えば、Packhaeuser, C.B.ら(J Control Release, 2007, 123(2):131-40)は、インスリン負荷ジアルキルアミノアルキル-アミン-ポリ(ビニルアルコール)-g-ポリ(ラクチド-コ-グリコリド)ナノ粒子に基づく生分解性非経口デポーシステムを記載しており、ナノ粒子に基づくデポーは、生体活性高分子(すなわちタンパク質)のための制御放出デバイスの設計に好適な候補であると結論付けている。Dailey, L.A.ら(Pharm Res 2003, 20(12):2011-20)は、分岐ポリマーDEAPA-PVAL-g-PLGAに基づく、エアロゾル療法のための界面活性剤を含まない生分解性ナノ粒子を記載しており、DEAPA-PVAL-g-PLGAは汎用性薬物送達システムであると結論付けている。CFC、例えばACCS、またはPCSは、ナノ粒子に基づく持続放出製剤における使用に好適である。
ポリマーに基づく持続放出製剤も非常に有用である。Chan, Y.P.ら(Expert Opin Drug Deliv, 2007, 4(4):441-51)は、タンパク質およびペプチド療法の持続放出に使用されるMedusaシステム(Flamel Technologies)の概説を提供している。これまで、Medusaシステムは、動物モデル(ラット、イヌ、サル)において、ならびに腎臓癌(IL-2)およびC型肝炎(IFN-アルファ(2b))患者における臨床試験において、IL-2およびIFN-アルファ(2b)の皮下注射に適用されている。Chavanpatil, M.D.ら(Pharm Res, 2007, 24(4):803-10)は、水溶性分子の持続的かつ増強された細胞送達のための新規プラットフォームとして、界面活性剤-ポリマーナノ粒子を記載している。Takeuchi, H.ら(Adv Drug Deliv Res, 2001, 47(1):39-54)は、リポソームおよびポリマーナノ粒子を含む、ペプチド薬物送達のための粘膜付着性ナノ粒子システムを記載している。Wong, H.L.ら(Pharm Res, 2006, 23(7):1574-85)は、多剤耐性乳癌細胞に対してドキソルビシンの細胞毒性を増加させることが示された新しいポリマー-脂質ハイブリッドシステムを記載している。CFC、例えばACCS、またはPCSは、上述の持続放出製剤化法における使用に好適である。
加えて、当業者によく知られている他の持続放出化法も、本明細書中に具体的に記載しないが、CFC、例えばACCS、またはPCS組成物を用いた使用に好適である。
医薬組成物 - 本発明は、CFC、例えばACCS、またはPCSおよび製薬的に許容される担体の医薬組成物を提供する。用語「製薬的に許容される」とは、動物、および特にヒトでの使用に関して、連邦または州政府の規制当局または米国薬局方もしくは他の一般に認識される薬局方に列挙される規制当局によって認可されることを意味する。用語「担体」とは、組成物とともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを表す。そのような医薬用担体は、滅菌液体、例えば水および、石油、動物、植物または合成起源の油を含む油、例えばピーナッツ油、ダイズ油、鉱油、ゴマ油などであってよい。好適な医薬用賦形剤には、デンプン、グルコース、ラクトース、スクロース、ゼラチン、麦芽、コメ、穀粉、白亜、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、グリセロールモノステアラート、タルク、塩化ナトリウム、脱脂粉乳、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノールなどが含まれる。組成物は、所望であれば、微量の湿潤剤または乳化剤、またはpH緩衝剤を含むこともできる。これらの組成物は、溶液、懸濁液、エマルジョン、錠剤、丸剤、カプセル、粉末、持続放出製剤などの剤形をとりうる。好適な医薬用担体の例はE. W. Martinの「Remington's Pharmaceutical Sciences」に記載され、さらに他の担体は当業者によく知られている。
本発明の医薬組成物を中性または塩の形式で製剤化することができる。製薬的に許容される塩には、遊離アミノ基と形成される塩、例えば塩酸、リン酸、酢酸、シュウ酸、酒石酸、などから生じる塩、および遊離カルボキシル基と形成される塩、例えばナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、第二鉄の水酸化物、イソプロピルアミン、トリエチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカイン、などから生じる塩が含まれる。
治療キット - 発明はまた、パッケージング材料および該パッケージング材料内に含まれる本発明の医薬組成物を含む製品を提供し、ここで、該医薬組成物はCFC、例えばACCS、またはPCSの組成物、ならびに非吸収性もしくは生体内浸食性の編糸状縫合糸またはニットメッシュ(創傷治癒デバイス)を含む。パッケージング材料は、創傷治癒デバイスを、その必要がある被験体の創傷治癒を促進し、および/またはヘルニア形成を低減させるかもしくは予防するために使用できることを示すラベルまたは添付文書を含む。
当業者は、特定の目的のために、CFC、例えばACCS、またはPCSの適切な濃度、または用量を容易に決定することができる。当業者は、好ましい用量が、その必要がある患者において、例えば創傷治癒の促進および/またはヘルニア形成の低減もしくは予防などの治療効果を生成する用量であることを認識する。当然のことながら、CFC、例えばACCS、またはPCSの適切な用量は、非限定的に、治療される損傷または創傷の重症度およびタイプ; 患者の年齢、体重、性別、健康; 患者に施されている他の医薬および治療; などを含む、いくつかの変数に基づく使用時の経験的決定を要する。当業者はまた、投与回数(投与計画)も、例えば治療対象の疾患、損傷、障害または状態の重症度およびタイプに基づいて経験的に決定する必要があることを認識する。好ましい実施形態では、1回の投与で十分である。
本発明は、治療上有効量のCFC、例えばACCS、またはPCSを創傷治癒デバイスにより被験体に投与することによって、創傷治癒を促進する、および/またはヘルニア形成を低減させるか、もしくは予防する方法を提供する。「治療上有効量」とは、治療効果を誘発するのに十分であるCFC、例えばACCS、またはPCSの用量を意味する。したがって、本発明にしたがって投与される用量単位におけるCFC、例えばACCS、またはPCSの濃度は、例えば創傷治癒の促進および/またはヘルニア形成の低減もしくは予防に有効である。
本発明のさらなる実施形態では、他の物質、例えば活性物質および/または不活性物質を、創傷治癒を促進する、および/またはヘルニア形成を低減させるか、もしくは予防するために、創傷治癒デバイスと共投与することが望ましい。活性物質には、非限定的に、サイトカイン、ケモカイン、抗体、阻害剤、抗生物質、抗真菌剤、抗ウイルス剤、免疫抑制剤、他の細胞型などが含まれる。不活性物質には、担体、希釈剤、安定化剤、ゲル化剤、増粘剤(すなわち、ヒト血清アルブミン、ヒアルロン酸)、送達ビヒクル、ECM(天然および合成)、足場、コラーゲンなどが含まれる。創傷治癒デバイスが他の製薬的活性物質と共に投与される場合、治療上有効であるために創傷治癒デバイス中のはるかに少ないCFC、例えばACCS、またはPCSが必要となりうる。
創傷治癒デバイスの投与のタイミングは、治療される損傷または創傷のタイプおよび重症度に依存する。好ましい実施形態では、創傷治癒デバイスは、損傷または創傷が発生した後できるだけ早く投与される。
当業者は、現在、臨床実施および臨床開発されている、損傷および創傷を治療するための任意のおよびすべての標準的方法および様式が本発明の方法の実施に好適であることを認識する。投与経路、製剤化、他の物質との共投与(適切な場合)などは本明細書中の他の箇所で詳細に考察される。
創傷治癒デバイスの例示的な治療的使用
創傷治癒 - 本発明の創傷治癒デバイスは、非限定的に、切開性、圧迫性、熱的、貫通性、震とう性、急性、慢性、感染性、および無菌性損傷を含む、多くの原因によって引き起こされる創傷の創傷治癒の促進に有効である。本発明は、縫合糸またはニットメッシュに吸着させたACCSが、全ての創傷タイプについて創傷治癒過程を促進することができるという発見に基づいている。したがって、創傷治癒デバイスを用いて、全ての創傷タイプ(機械的であれ熱的であれ、急性であれ慢性であれ、感染性であれ無菌性であれ)は、自然に治癒させるかまたは現在利用可能な方法で治療される同様の創傷よりも速く治癒を受けうる。加えて、ニットメッシュを含む創傷治癒デバイスは、手術、特に腹部手術後のヘルニア形成を予防するための使用に好適である。本発明の意味での治療物質の「治療上有効量」は、患者の主治医または獣医により決定される。そのような量は、当業者によって容易に確認され、本発明にしたがって投与される場合、創傷治癒の促進を可能にする。「治療上有効量」がどれだけであるかに影響を及ぼす因子には、使用されている治療物質の比活性、創傷タイプ(機械的であるか熱的であるか、全層であるかまたは部分層であるか(full or partial thickness)、手術であるかなど)、創傷のサイズ、創傷の深さ(全層ならば)、感染の有無、損傷を負ってから経過した時間、ならびに患者の年齢、身体的状態、他の疾患状態の存在(すなわち肥満および/または糖尿病)、および栄養状態が含まれる。さらに、患者が受けている可能性がある他の医薬が、投与する治療物質の治療上有効量の決定に影響を及ぼす。
以下の実施例は、本発明の組成物および方法の製造方法および使用方法についての完全な開示および説明を当業者に提供するために記載され、発明者らが自らの発明とみなすものの範囲を限定することは意図されていない。使用される数字(例えば、量、温度、など)に関する精度を保証するよう努めたが、いくらかの実験誤差および偏差が考慮されるべきである。特に指定しない限り、割合は重量に基づく割合であり、分子量は平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧であるか、またはほぼ大気圧である。
実施例1: AMP細胞組成物の調製
解離剤PXXIIIを使用して羊膜上皮細胞を出発羊膜から解離させた。羊膜の平均重量範囲は18〜27 gであった。PXXIIIで解離させた場合、羊膜1gあたりの回収された細胞数は約10〜15 x 106であった。
選択AMP細胞を取得する方法 - 羊膜上皮細胞を羊膜からの単離直後にプレーティングした。培養してほぼ2日後、非接着細胞を除去し、接着細胞を維持した。プラスチック組織培養容器へのこの接着は、所望のAMP細胞集団を取得するために使用される選択方法である。接着および非接着AMP細胞は類似の細胞表面マーカー発現プロファイルを有するようであるが、接着細胞の方が高い生存度を有し、ゆえに所望の細胞集団である。ヒト血清アルブミンを補充した基本培地中で接着AMP細胞を、ほぼ120,000〜150,000細胞/cm2に達するまで培養した。この時点で、培養物は集密になっていた。好適な細胞培養物はほぼ5〜14日の範囲でこの細胞数に達する。この基準の達成はAMP細胞の増殖能の指標であり、この基準を達成しない細胞はその後の分析および使用のために選択されない。AMP細胞がほぼ120,000〜150,000細胞/cm2に達したら、それらを回収し、凍結保存した。この回収時点をp0と称する。
実施例2: ACCSの作製
本発明のAMP細胞を使用して、プールされたACCSなどのACCSを作製することができる。上記のようにAMP細胞を単離し、ほぼ10mLの上記培地を含むT75フラスコ中にほぼ1 x 106細胞/mLを播種した。細胞を集密まで培養し、培地を交換し、集密化の3日後にACCSを回収した。場合により3日後に再びACCSを回収し、場合により3日後に再び回収する。当業者は、集密培養からACCSを回収するための他の実施形態、例えば他の組織培養容器、例えば、非限定的に、セルファクトリー、フラスコ、ホローファイバー、または懸濁培養装置、などを使用する実施形態もまた、本発明の方法によって想定されることを認識する(上記「詳細な説明」を参照のこと)。ACCSを、回収後に、冷凍保存し、凍結乾燥し、放射線照射し、または持続放出用に製剤化することもまた、本発明によって想定される。異なる時点でACCSを回収することもまた、想定される(詳細に関しては「詳細な説明」を参照のこと)。
実施例3: プールされたACCSの作製
ACCSを基本的に上記のようにして得た。特定の実施形態では、ACCSを、1個の胎盤に由来するAMP培養物から複数回回収し、これらの複数のACCS回収物を一緒にプールした。そのようなプールを「SPプール」(2以上のACCS回収/1個の胎盤)と称する。別の実施形態では、AMP培養物はいくつかの胎盤、すなわち5または10個の胎盤に由来した。各胎盤からのAMP細胞を培養し、各培養物から1のACCS回収物を回収し、次いで、それらを全てプールした。これらのプールを「MP1プール」(1のACCS回収/胎盤、複数個の胎盤)と称する。さらに別の実施形態では、AMP細胞培養物はいくつかの胎盤、すなわち5または10個の胎盤に由来した。各胎盤からのAMP細胞を培養し、2以上のACCS回収を各AMP細胞培養物から行い、次いでプールした。これらのプールを「MP2プール」(2以上のACCS回収/胎盤、複数個の胎盤)と称する。
実施例4: PCSの製造
以下のPCS組成物を製造する。
組成物A: VEGFおよびTIMP-1; 組成物B: VEGF、アンジオゲニンおよびTIMP-1; 組成物C: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BBおよびTIMP-1; 組成物D: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-1; 組成物E: VEGFおよびTIMP-2; 組成物F: VEGF、アンジオゲニンおよびTIMP-2; 組成物G: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BBおよびTIMP-2; 組成物H: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-2; 組成物I: VEGF、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物J: VEGF、アンジオゲニン、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物K: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物L: VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物M: アンジオゲニンおよびTIMP-1; 組成物N: アンジオゲニン、PDGF-BBおよびTIMP-1; 組成物O: アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-1; 組成物P: アンジオゲニンおよびTIMP-2; 組成物Q: アンジオゲニン、PDGF-BBおよびTIMP-2; 組成物R: アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-2; 組成物S: アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物T: PDGF-BBおよびTIMP-1; 組成物U: PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-1; 組成物V: PDGF-BBおよびTIMP-2; 組成物W: PDGF-BB、TGFβ2およびTIMP-2; 組成物X: PDGF-BB、TIMP-1およびTIMP-2; 組成物Y: PDGF-BB、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2。
VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2を以下の生理的レベルで添加される: VEGFについてほぼ5〜16ng/mL, アンジオゲニンについてほぼ3.5〜4.5 ng/mL, PDGFについてほぼ100〜165pg/mL, TGFβ2についてほぼ2.5〜2.7ng/mL, TIMP-1についてほぼ0.68μg mL、およびTIMP-2についてほぼ1.04μg/mL。
VEGFはInvitrogen, カタログ#PHG0144, PHG0145, PHG0146, PHG0141またはPHG0143から入手することができ; アンジオゲニンはR&D Systems, カタログ#265-AN-050または265-AN-250から入手することができ; PDGF-BBはInvitrogen, カタログ#PHG0044, #PHG0045, #PHG0046, #PHG0041, #PHG0043から入手することができ; TGFβ2はInvitrogen, カタログ#PHG9114から入手することができ; TIMP-1はR&D Systems, カタログ#970-TM-010から入手することができ; TIMP-2はR&D Systems, カタログ#971-TM-010から入手することができる。
VEGF、アンジオゲニン、PDGF-BB、TGFβ2、TIMP-1およびTIMP-2を、生理食塩水、PBS、乳酸加リンゲル液、細胞培養培地、または当業者に公知の他の好適な水溶液などの担体に加える。
実施例5: 創傷治癒デバイスの製造
本発明の創傷治癒デバイスを、非吸収性もしくは生体内浸食性の編糸状縫合糸またはニットメッシュにCFC、例えばACCS、濃縮されたACCS、PCS、または濃縮されたPCSを吸着させることによって作製する。好適な編糸状縫合糸が市販されている(非限定的な例には、生体内浸食性縫合糸、例えばDEXONTM S編糸状吸収性縫合糸およびPOLYSORBTMコーティングされた編糸状縫合糸、ならびに非吸収性縫合糸、例えばSURGILONTM、SURGIDACTM、TI・CRONTM、Covidien、Norwalk、CT 06856、USAが含まれる)。好適なニットメッシュは、Ethicon, Inc., Somerville, NJから市販されている(例えばVicrylTM Knitted Mesh (Polyglycan 910))。
CFC、例えばACCS、濃縮されたACCS、PCS、または濃縮されたPCSは、液体として編糸状縫合糸またはニットメッシュに吸着させてもよく、または吸収前に別の製剤化を施してもよい。別の製剤化には、本明細書中の他の箇所に詳細に記載されているような持続放出/制御放出/時間放出が含まれる。また、ゲル化剤または増粘剤、例えばヒト血清アルブミン、ヒアルロン酸、またはコラーゲンをCFC、例えばACCS、濃縮されたACCS、PCS、または濃縮されたPCSに添加する製剤化も想定される。そのような物質は、CFC、例えばACCS、濃縮されたACCS、PCS、または濃縮されたPCSが表面に吸着するか、または表面から放出される能力を高める。
創傷治癒デバイスを、縫合糸もしくはニットメッシュ、ならびにすでにそれに吸着させたCFC、例えばACCS、濃縮されたACCS、PCS、または濃縮されたPCSと共にパッケージしてもよく、あるいは別々にパッケージし、次いで使用直前に混合されるその2つの成分と共にパッケージしてもよい。
実施例7: 縫合糸へのACCSの吸着およびその後の縫合糸からのタンパク質の放出
この実験の目的は、様々な縫合糸がACCSを吸着する能力を評価すること、およびACCSに含まれるタンパク質が縫合糸から溶出する能力を評価することであった。本研究では2つのタイプの縫合糸を試験した: サイズ1 DEXONTM S(Covidien, Norwalk, CT)およびサイズ1 MERSILENETM (Ethicon, Inc., Somerville, NJ)。以前の実験においてコーティングされた縫合糸は液体の吸着を阻害することが確定されたため、両縫合糸は未コーティングであった。DEXONTMは吸収性縫合糸であり、MERSILENETMは非吸収性ポリエステル縫合糸である。各タイプの縫合糸を50倍に濃縮されたACCS中に30分間配置した。次いで、縫合糸を種々の時間にわたってすすぎ、すすぎ液を吸着または放出されたACCSの量を決定するためにELISAにより分析した。アンジオゲニンおよびTIMP-2についてのELISAの結果は、両方のタイプの縫合糸がACCSタンパク質を吸着および放出することを示した。DEXONTM Sの方がすすぎ液中により多くのACCSを放出するようであった。正確な吸着量は本実験では不明であったが、各10cm断片の縫合糸は15分間で5〜6.5μLの50x ACCSを放出したようであった。
実施例6: 動物モデルにおける創傷治癒デバイスの評価
本発明の一つの目的は、手術における創傷の失敗および外傷を、創傷治癒デバイスを用いてこれらの急性創傷を処置することによって低減させることである。機械的には、腹部の開腹切開の失敗は瘢痕ヘルニアを形成する。臨床的には、これは、腹壁の筋腱-腹膜層における欠陥として現れる。したがって筋肉、筋膜および皮膚の治癒に焦点を当てることは重要である。そのような失敗の重大な臨床結果は、急性腹壁裂開および内臓のはみ出し、腹膜臓器の嵌頓および閉塞、胴の姿勢を維持する腹壁の能力の喪失、ならびに慢性疼痛である。
本実験の目的は、創傷治癒デバイスの、瘢痕ヘルニアの動物モデルにおいてヘルニア形成を低減させるか、または予防する能力を評価することである。本実験は、雄Sprague-Dawleyラットを利用し、これは腹部切開を受け、次いで、創傷治癒デバイスまたは適切な対照で処置される。研究期間の終了時に、安楽死後、5×10cmの腹壁片を各動物から摘出する。筋肉を伸ばし、腹膜側を上に向けて解剖ボードに(各四隅で)固定する。個体識別子と共に、定規を各サンプルの隣に配置し、適切な計測を確実に行うために、標準化した写真を各サンプルから等距離で撮影する。ヘルニアの有無を観察し、ヘルニアのサイズを測定する。
本発明は、その思想または本質的な特性から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化されうる。任意の等価の実施形態は本発明の範囲内であるものとする。実際、本明細書中で示されるものおよび説明されるものに加えて、本発明の種々の改変が前記説明から当業者に明らかになる。そのような改変もまた、特許請求の範囲の範囲内に入るものとする。
本明細書を通して、種々の刊行物が参照されている。各刊行物は参照によりその全体が本明細書中に組み入れられるものとする。

Claims (10)

  1. コーティングされていない縫合糸に吸着させた細胞性因子含有組成物(CFC)を含む、創傷治癒デバイスであって、CFCが生理的濃度のタンパク質群:VEGF、TGFβ2、アンジオゲニン、PDGF、TIMP-1およびTIMP-2を含み、生理的濃度が、VEGFについて5.0〜16ng/mL、アンジオゲニンについて3.5〜4.5ng/mL、PDGFについて100〜165pg/mL、TGFβ2について2.5〜2.7ng/mL、TIMP-1について0.68μg/mLおよびTIMP-2について1.04μg/mLであり、該タンパク質群を、縫合糸から放出させ、縫合される創傷に直接かつ同時に送達させることができる、創傷治癒デバイス。
  2. CFCが羊膜由来細胞性サイトカイン溶液(ACCS)である、請求項1に記載の創傷治癒デバイス。
  3. ACCSが濃縮されたACCSである、請求項2に記載の創傷治癒デバイス。
  4. CFCが生理的サイトカイン溶液(PCS)である、請求項1に記載の創傷治癒デバイス。
  5. PCSが濃縮されたPCSである、請求項4に記載の創傷治癒デバイス。
  6. 縫合糸が編糸状である、請求項1に記載の創傷治癒デバイス。
  7. 縫合糸が非吸収性または生体内浸食性である、請求項1に記載の創傷治癒デバイス。
  8. 生体内浸食性縫合糸が、ポリグリコール酸、ポリグルタミン酸、ポリジオキサノン、ポリラクチド、またはカプロラクトンから作られている、請求項7に記載の創傷治癒デバイス。
  9. 非吸収性縫合糸がナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンまたは絹から作られている、請求項7に記載の創傷治癒デバイス。
  10. 請求項1に記載の創傷治癒デバイスを含むキット。
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