上述したように、遊技機の一種としてパチンコ機がある。パチンコ機では、例えば遊技球を発射装置によって遊技領域に発射し、遊技領域に設けられた所定の入球手段に遊技球が入球すると大当たり状態を発生させるか否か抽選が行われ、当選結果が得られると遊技者に有利な大当たり状態が発生する。大当たり状態が発生すると、遊技者は、多くの遊技球(賞球)を獲得することができる。
払い出された遊技球は、パチンコ機前面に設けられた球受け皿に貯留される。そして、球受け皿が一杯になると、球受け皿に貯留されている遊技球を、遊技店が用意した通称「ドル箱」と呼ばれる収容箱に移し替える。
このように遊技球の収容されたドル箱は、遊技者が多くの遊技球を獲得している雰囲気、いわゆる出球感を醸し出す営業目的等の理由により、遊技中の遊技者の座席近くに山積みにして置かれる。そして、遊技者は、遊技終了後、獲得した遊技球を所定の球計数機にて計数し、その球数に相当する景品等に交換する。
従来、球計数機は、島設備や景品交換カウンタ等、遊技機から離れた位置に備え付けられており、遊技を終了する際には、遊技者自身や遊技店の店員がドル箱を球計数機まで運搬しなければならなかった。遊技球の収容されたドル箱は1つ1つが非常に重いため、これを数多く球計数機まで運搬するには多大な労力を要していた。
これに対し、近年では、ドル箱を球計数機まで運搬する面倒な作業を省略して、遊技者が獲得した遊技球をその場で計数可能なように、各遊技機に対応して個別に球計数機を設置している遊技店も見受けられるようになった(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、既存の島設備に対し個別計数機を設置するためには、当該個別計数機を取付けるにあたり、多大な手間や時間、導入費用等がかかっていた。
本発明は、上記例示した問題点などを解決するためになされたものであり、その目的は、遊技者が獲得した遊技球の処理に係る利便性の向上等を図ることのできる遊技機や遊技設備等を提供することにある。
以下、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)の一実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。ここで、図1はパチンコ機10の正面図であり、図2は斜視図であり、図3は内枠12及び前面枠セット14を開放した状態を示す斜視図である。図4は内枠12及び遊技盤30等の構成を示す正面図である。図5はパチンコ機10の背面図であり、図6は内枠12及び裏パックユニット203等を開放した状態を示す斜視図である。但し、図3では便宜上、遊技盤30面上に配設される釘や役物、前面枠セット14に取付けられるガラスユニット137等を省略して示している。
図3等に示すように、パチンコ機10は、当該パチンコ機10の外郭を構成する外枠11を備えており、この外枠11の一側部に内枠12が開閉可能に支持されている。
外枠11は、図6等に示すように、上辺枠構成部11a及び下辺枠構成部11bが木製の板材により構成され、左辺枠構成部11c及び右辺枠構成部11dがアルミニウム合金製の押出成形材により構成され、これら各枠構成部11a〜11dがネジ等の離脱可能な締結具により全体として矩形枠状に組み付けられている。
左辺枠構成部11cの上下端部には、それぞれ上ヒンジ81及び下ヒンジ82が取着されている(図1参照)。当該上ヒンジ81及び下ヒンジ82にて、内枠12の上下部が回動可能に支持されており、これにより内枠12が開閉可能となる。そして、外枠11の内側に形成される空間部に内枠12等が収容される。
また、右辺枠構成部11dには、その幅方向後端部近傍から外枠11内側へ向け突出した延出壁部83が形成されている。延出壁部83は、内枠12の右側部背面側に設けられる施錠装置600(図6参照)に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆っている(図5参照)。加えて、図3に示すように、延出壁部83の前面側には、施錠装置600の係止部材が係止される上下一対の受部84,85が設けられている。また、下側の受部85には、後述する内枠開放検知スイッチ92に当接する押圧部86が、外枠11内側に向けて突設されている。
さらに、下辺枠構成部11bには樹脂製の幕板飾り87が取着されている。幕板飾り87の上面奥部には、上方に突出するリブ88が一体形成されている。これにより内枠12との間に隙間が形成されにくくなっている。
図3に示すように、内枠12の開閉軸線は、パチンコ機10の正面からみて左側において上下に沿って設定されており、この開閉軸線を軸心として内枠12が前方側に開放できるようになっている。内枠12は、外形が矩形状をなす樹脂ベース38を主体に構成されており、当該樹脂ベース38の中央部には略楕円形状の窓孔39が形成されている。
また、内枠12の前面側には前面枠セット14が開閉可能に取付けられている。前面枠セット14は、内枠12と同様に、パチンコ機10の正面から見て左側において上下に沿って設定された開閉軸線を軸心として前方側に開放できるようになっている。
前面枠セット14は、内枠12と同様に外形が矩形状をなし、閉鎖状態においては内枠12の前面側ほぼ全域を覆う。前面枠セット14の中央部には略楕円形状の窓部101が形成されている。これにより、前面枠セット14の窓部101及び内枠12の窓孔39を介して、内枠12の後面に装着される遊技盤30(遊技領域)を外部から視認可能となる。遊技盤30の詳細な構成については後述する。
図1に示すように、前面枠セット14の前面側には、その下部中央において下皿15が設けられており、排出口16より排出された遊技球Bが下皿15内に貯留可能になっている。また、下皿15の手前側には、下皿15内から遊技球Bを排出するための球抜きレバー25が設けられている。
下皿15の右方には、手前側に突出した遊技球B発射ハンドル(以下、単にハンドルという)18が設けられている。尚、ハンドル18には、図示しないタッチセンサや、ハンドル18の操作部の操作量を検出するための図示しない操作量検出手段が設けられている。
下皿15の上方には上皿19が設けられている。上皿19は、下皿15の上方位置にて、パチンコ機10の前面に張り出すように設けられた張出部20に囲まれるようにして配置されている。
上皿19は、後述する払出手段としての払出機構部352から払出される遊技球Bを一旦貯留し、一列に整列させながら後述する発射手段としての遊技球発射装置(以下、単に発射装置という)70へ誘導する機能を有する球受皿(貯留手段)である。
図2に示すように、上皿19は、左右方向に長く上方に開口した略箱状に形成されており、その内部に遊技球Bを貯留可能となっている。
上皿19の奥壁部19aの左端には排出口19bが形成されている。この排出口19bを介して払出機構部352から払出される遊技球Bが上皿19へ排出される。
本実施形態では、張出部20の中央部が前後方向にスライド可能に構成されている。より詳しくは、張出部20は、その左右両側に位置する支持部20a,20bと、当該両支持部20a,20b間に設けられた引出部20cとから構成されている。そして、引出部20cの左右両側部と、これに相対向する左右両支持部20a,20bの内側面との間に、スライド機構21(図8参照)が設けられることにより、引出部20cが前後方向に沿ってスライド可能となっている。
また、右側支持部20bの内部には、スライド機構21を変位不能にロックするロック機構22(図9参照)が設けられている。本実施形態におけるロック機構22は、遊技店の店員等が持つ電子キーのリモコン操作により、施錠・解錠操作を行える電子式のものである。これにより、通常時、遊技者が引出部20cを自由に開け閉めできないようになっている。ロック機構22が本実施形態における禁止手段を構成する。また、ロック機構22は、後述する計数制御装置310と電気的に接続されており、ロック解除状態となった場合には、その旨の信号を計数制御装置310へ出力する。
また、右側支持部20bの内部には、引出部20cの開閉を検知するスライドスイッチ23が設けられている。スライドスイッチ23は、引出部20が最大限前方へ引き出された場合にオン状態となる。スライドスイッチ23は、後述する計数制御装置310と電気的に接続されており、オン状態となった場合には、その旨の信号を計数制御装置310へ出力する。
引出部20cは、平面視略コ字状をなし(図7等参照)、その内側面が上皿19の一部を構成している。
引出部20cの内側には整流部材24が設けられている。整流部材24が設けられることで、通常時には、図7(a)に示すように上皿19の右奥側部分(下流側部分)には、発射装置70へ通じる前後幅の比較的狭い整流部19dが形成される。この整流部19dは、発射装置70に向けて遊技球Bを1列に整列しつつ誘導する機能を有する。これに対し、上皿19の左右方向略中央部よりも左側部分(上流側部分)には、前後幅が比較的広く、より多くの遊技球Bを貯留できるスペースが確保されている。
上皿19の底部19cは、平面視略矩形の平板状部材(以下、底板部19cという)により構成されている。底板部19cの後縁部の左右両端部には突部(図示略)が形成されており、当該突部が左右両支持部20a,20bの内側面に軸支されている。これにより、底板部19cは、自身の後縁部を回動軸として回動可能となっている。
また、底板部19cの前縁部の左右両端部には突部(図示略)が形成されており、当該突部が引出部20cの左右両内側面に形成された誘導溝部26に係合されている(図8参照)。これにより、底板部19cは、その前縁部が引出部20cのスライド動作に合わせて上下動することにより回動する。
通常時、底板部19cは左側から右側に向けて下方傾斜しており、遊技球Bが自重により整流部19dひいては発射装置70へ案内されるようになっている。
一方、図8(b)に示すように、引出部20cを前方(図8左側)へスライドさせた際には、底板部19cが後側から前側に向けて下方傾斜した状態となる。
引出部20cの下部内側には、後方に向かうにつれ下方へ傾斜した傾斜壁部20dが設けられている。
前面枠セット14の下部(引出部20cの下方)には、下皿15の左右側部から下皿15の奥側にかけて多量の遊技球Bが通過可能な流込み通路27が形成されている。より詳しくは、前面枠セット14の前面壁14aと背面壁14bとの間や、下皿15の奥壁15aと前面枠セット14の背面壁14bとの間に形成された中空状のスペースが、流込み通路27として利用されている。
一方、前面枠セット14の背面壁14bの下部には、計数ユニット28が設けられている。流込み通路27は計数ユニット28と連通しており、その内側面は計数ユニット28へ向けて遊技球Bを誘導可能なように傾斜している。
計数ユニット28は、遊技者が獲得した遊技球Bを計数するためのものである。計数ユニット28には、仕切部28aによって仕切られた複数の計数レーン28bが設けられている。各計数レーン28bは、遊技球Bが一列に整列して転動できる幅で構成されている。
各計数レーン28bの出口28c付近には、遊技球Bの通過を検知可能な球検出手段としての球検出センサ28dが設けられている。本実施形態では、球検出センサ28dとして透過型フォトセンサを採用している。
上記傾斜壁部20d、流込み通路27及び計数ユニット28、並びに後述する内枠12(樹脂ベース38)の排出通路38aにより、本実施形態における回収用通路が構成される。
張出部20の右側部には球抜きスイッチ20eが設けられている。当該球抜きスイッチ20eを押すことにより、所定の球抜き通路を通って上皿19内の遊技球Bが下皿15へと排出される。
上皿19の上方位置には、球貸しボタン121と返却ボタン122とが設けられている。これにより、遊技店等において、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に紙幣やカード等を投入した状態で球貸しボタン121が操作されると、その操作に応じて貸出球が上皿19に供給される。一方、返却ボタン122は、カードユニットに挿入されたカード等の返却を求める際に操作される。但し、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球Bが直接貸し出されるパチンコ機、いわゆる現金機では球貸しボタン121及び返却ボタン122は不要である。
また、前面枠セット14の前面にはその周囲に各種ランプ等の発光手段が設けられている。これら発光手段は、大当たり時や所定のリーチ時等における遊技状態の変化に応じて点灯、点滅といった発光態様が変更制御され遊技中の演出効果を高める役割を果たすものである。例えば、窓部101の周縁には、LED等の発光手段を内蔵した環状電飾部102が設けられている。また、該環状電飾部102の両側部には、所定のエラー時に点灯するエラー表示ランプ104が設けられている。尚、環状電飾部102のうち各エラー表示ランプ104の上方部位には、前面枠セット14の背面に設けられるスピーカSP(図3参照)に対応して細かな透孔が多数形成されている。
前面枠セット14の背面側にはガラスユニット137が取付けられている。ガラスユニット137は、従来の前後一対の矩形状の板ガラスが前後対をなして別々に取着されるものではなく、全体として丸形をなし、アッセンブリ化された上で取付けられている。
次に、内枠12(樹脂ベース38)について図4を参照して説明する。上述した通り、内枠12(樹脂ベース38)には、窓孔39の後側において遊技盤30が装着されている。遊技盤30は、その周縁部が内枠12(樹脂ベース38)の裏側に当接した状態で取着されている。従って、遊技盤30の前面部の略中央部分が樹脂ベース38の窓孔39を通じて内枠12の前面側に露出した状態となっている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部、すなわち窓孔39(遊技盤30)の下方位置には、発射装置70及び当該発射装置70より発射された直後の遊技球Bを案内する発射レール61が取付けられている。本実施形態では、発射装置70としてソレノイド式発射装置を採用している。
また、内枠12(樹脂ベース38)の前面下部には、上記計数ユニット28の各計数レーン28bの出口28cに対応して形成された複数の排出通路38aが形成されている。各排出通路38は前後方向に貫通しており、計数ユニット28の各出口28cから排出された遊技球Bを、パチンコ機10の背面側へ排出可能としている。
また、内枠12(樹脂ベース38)の背面側には、排出通路38aから排出される遊技球Bを、島設備の球回収機構へ円滑に誘導するための補助誘導部38bが設けられている。
次に、遊技盤30の構成について図4を参照して説明する。遊技盤30には、一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット(作動口)33、第2契機対応口34、可変表示装置ユニット35等がルータ加工によって形成された貫通孔に配設され、遊技盤30前面側から木ネジ等により取付けられている。周知の通り一般入賞口31、可変入賞装置32、第1契機対応ユニット33などの各種入賞口に遊技球Bが入球(入賞)すると、後述する各種検出スイッチにより検出され、上皿19(又は下皿15)へ所定数の賞球が払い出される。その他に、遊技盤30にはアウト口36が設けられており、一般入賞口31等の各種入賞口に入賞しなかった遊技球Bは、このアウト口36を通って遊技領域外へと排出される。また、遊技盤30には、遊技球Bの落下方向を適宜分散、調整等するために多数の釘が植設されているとともに、風車等の各種部材(役物)が配設されている。
第1契機対応ユニット33は、上入賞口33a及び下入賞口33bを備えるとともに、下入賞口33bに対応して一対の開閉部材33cを備えている。これにより、上入賞口33aが遊技球Bが常時入球可能な開状態となっているのに対し、下入賞口33bは、開閉部材33cが所定条件の成立に応じて開閉動作することにより、遊技球Bが入球不能な閉状態と、遊技球Bが入球可能な開状態とに切換わる。例えば、下入賞口33bは、通常モード時には開閉部材33cが開状態となり規定時間(例えば0.2秒)の経過した場合又は規定個数(例えば1個)の遊技球Bの入球があった場合に閉状態となる。この開閉処理は、通常モード時においては1回だけ行われる。また、上記構成に代えて、下入賞口33bが、遊技球Bが入球困難な閉状態と、遊技球Bが前記閉状態より入球容易な開状態とに切換わる構成としてもよい。
可変表示装置ユニット35には、第2契機対応口34の通過をトリガとして変動表示する普通図柄表示装置41と、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入賞をトリガとして変動表示する特別表示装置43と、特別表示装置43による変動表示に合わせて変動表示する装飾図柄表示装置42とが設けられている。
普通図柄表示装置41は、普通図柄として「○」又は「×」を点灯表示可能に構成されており、遊技球Bが第2契機対応口34を通過する毎に例えば普通図柄を「○」→「×」→「○」→・・・という具合に高速で切換表示(変動表示)する。そして、その変動表示が「○」図柄(当選図柄)で数秒間停止した場合には、第1契機対応ユニット33が所定時間だけ作動状態となる。この普通図柄表示装置41は、後述する主制御装置261によって直接的に表示内容が制御される。
また、普通図柄表示装置41の変動表示中に、新たに遊技球Bが第2契機対応口34を通過した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ44にて点灯表示されるようになっている。
特別表示装置43は、普通図柄表示装置41の右側方に設けられ、赤、緑、青の発光色を有する三色発光ダイオード(三色LED)により構成されている。そして、遊技球Bが第1契機対応ユニット33に入賞する毎に色換え表示(変動表示)が行われ、変動表示が停止したときの点灯態様(点灯色)により、大当たりか否かが確定的に表示される。
より詳しくは、第1契機対応ユニット33に対し遊技球Bが入賞すると、特別表示装置43は、3色LEDを赤→緑→青→赤→・・・という具合に高速で色換え表示(変動表示)し、所定時間が経過すると、いずれかの色に決定表示する。高速の色換え表示とは、例えば4msec毎に赤、緑、青を順番に表示するという具合である。大当たり抽選に当選した場合には、この際、赤又は緑で決定表示(例えば数秒間停止)され、特別遊技状態が発生する。特に、赤は、大当たり終了後の遊技モードが高確率モードであることを示す表示であり、緑は、大当たり終了後の遊技モードが時間短縮モードであることを示す表示である。なお、この特別表示装置43についても、主制御装置261によって表示内容が直接的に制御される。
また、特別表示装置43の変動表示中に新たに遊技球Bが第1契機対応ユニット33に入賞した場合には、その分の変動表示は、その時点で行われている変動表示の終了後に行われる構成となっている。つまり、変動表示が待機(保留)されることとなる。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められているが、本実施形態では4回まで保留され、その保留回数が保留ランプ46にて点灯表示されるようになっている。また、大当たり状態中に新たに遊技球Bが第1契機対応ユニット33に入賞した場合、その分の変動表示についても保留される。
装飾図柄表示装置42は液晶表示装置として構成されており、後述するサブ制御装置262及び表示制御装置45によって表示内容が制御される。すなわち、装飾図柄表示装置42においては、特別表示装置43にて表示される結果に対応させるように、主制御装置261からのコマンドに基づき、サブ制御装置262によって補助的な表示内容が決定され、表示制御装置45によって表示が行われる。装飾図柄表示装置42には、例えば、上、中及び下の3つの図柄列が表示される。各図柄列は複数の図柄によって構成されており、これら図柄が図柄列毎にスクロールされるようにして装飾図柄表示装置42に変動表示され、その後、上図柄列→下図柄列→中図柄列の順に停止表示される。また、可変表示装置ユニット35には、装飾図柄表示装置42を囲むようにしてセンターフレーム47が配設されている。
可変入賞装置32は、通常は遊技球Bが入賞できない閉状態になっており、大当たり(特別遊技状態の発生)の際に、遊技球Bが入賞可能な開状態とされる。具体的には、規定時間(例えば29秒)の経過又は規定個数(例えば10個)の入賞を1ラウンド(特賞状態)として、可変入賞装置32の大入賞口が所定回数(所定ラウンド数)繰り返し開放される。
また、遊技盤30には、内レール構成部51と外レール構成部52とからなり、発射装置70から発射された遊技球Bを遊技盤30上部へ案内するレール50が取付けられている。これにより、ハンドル18の回動操作に伴い発射された遊技球Bは発射レール61及びレール50を通じて、遊技盤30とガラスユニット137との間に形成される遊技領域内に案内される。
内レール構成部51の先端部分(図4の左上部)には戻り球防止部材53が取着されている。これにより、一旦、レール50から遊技領域へと案内された遊技球Bが再度レール50内に戻ってしまうといった事態が防止される。
また、本実施形態では、外レール構成部52が遊技盤30の右上部で途絶え、内レール構成部51が遊技盤30の右下部で途絶えている。このため、遊技領域は、レール50及び樹脂ベース38の窓孔39の内周面により画定される。但し、内外レール構成部51,52の並行部分を除く。
図3に示すように、前面枠セット14の背面側には、窓部101の下方において、後述する払出機構部352から下皿15の排出口16へ繋がる球通路71が設けられている。また、内枠12に設けられた発射レール61とレールユニット50(外レール構成部52)との間には所定間隔の隙間があり、前面枠セット14の背面側には、前記隙間より落下した遊技球Bを下皿15へと案内するファール球通路72が形成されている。これにより、仮に、発射装置70から発射された遊技球Bが戻り球防止部材53まで至らずファール球としてレール50を逆戻りする場合には、そのファール球がファール球通路72を介して下皿15に排出される。
また、図3及び図4中の符号67は後述する払出機構部352により払出された遊技球Bを内枠12の前方に案内するための払出通路であり、上皿19に通じる球通路75と、下皿15に通じる球通路71とに連通する。払出通路67の下方にはシャッタ68が設けられており、前面枠セット14を開放した状態では、バネ等の付勢力によりシャッタ68が前方に突出して払出通路67の出口をほぼ閉鎖するようになっている。また、前面枠セット14を閉じた状態では、球通路75や球通路71の入口側後端部によってシャッタ68が押し開けられるようになっている。
次に、パチンコ機10の背面構成について図5、図6等を参照して説明する。パチンコ機10の背面には、各種制御基板が上下左右に並べられるようにして、一部前後に重ねられるようにして配置されており、さらに、遊技球Bを供給する遊技球供給装置(払出機構)や樹脂製の保護カバー等が取り付けられている。払出機構及び保護カバーは1ユニットとして一体化されており、一般に樹脂部分を裏パックと称することもあるため、ここではそのユニットを「裏パックユニット203」と称する。
まず、遊技盤30の背面構成について説明する。図6に示すように、遊技盤30中央の貫通孔に対応して配設された可変表示装置ユニット35(図4参照)の背面側には、センターフレーム47を背後から覆う樹脂製のフレームカバー213が後方に突出して設けられている。また、フレームカバー213の背面側には、フレームカバー213の開口部から前方に臨む液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42、表示制御装置45及びサブ制御装置262が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
装飾図柄表示装置42は、当該装飾図柄表示装置42の表示部(液晶画面)をパチンコ機10の前面側に露出させるための開口部が形成された収容ボックス42aに収容されてフレームカバー213の背面側に固定されている。表示制御装置45は基板ボックス45aに収容されて装飾図柄表示装置42(収容ボックス42a)の背面側に固定されている。サブ制御装置262は基板ボックス262aに収容されて表示制御装置45(基板ボックス45a)の背面側に固定されている。尚、フレームカバー213内には、センターフレーム47に内蔵されたLED等を駆動するLED制御基板等が配設されている。また、収容ボックス42a及び基板ボックス45a,262aは透明樹脂材料等により構成され、内部が視認可能となっている。
フレームカバー213の下方には裏枠セット215が、一般入賞口31、可変入賞装置32及び第1契機対応ユニット33等を背後から覆うようにして遊技盤30に取付けられている。裏枠セット215は、各種入賞口に入賞した遊技球Bを回収するための球回収樋を備えている(図示略)。この球回収樋により回収された遊技球Bは、後述する排出通路部217に案内され、排出通路部217の排出シュート218からパチンコ機10外部に排出される。
また、本実施形態では、裏枠セット215が主制御装置261の取付台として機能する。より詳しくは、主制御装置261を搭載した基板搭載ユニット701が、裏枠セット215に対し回動可能に軸支され、後方に開放可能となっている。
主制御装置261は透明樹脂材料等よりなる基板ボックス263に収容されている。基板ボックス263は、ボックスベースと該ボックスベースの開口部を覆うボックスカバーとを備え、これらボックスベースとボックスカバーとが封印部材によって連結されている。封印部材によって連結された基板ボックス263は、所定の痕跡を残さなければ開封できない構成となっている。これにより、基板ボックス263が不正に開封された旨を容易に発見することができる。
また、遊技盤30には、入球手段としての一般入賞口31等の各種入賞口に対応して、当該各種入賞口へ入球した遊技球Bを検出する入球検出スイッチ(入球検出手段)が設けられている。具体的には、図4に示すように、一般入賞口31に対応する位置には入賞口スイッチ221が設けられ、可変入賞装置32にはカウントスイッチ223が設けられている。また、第1契機対応ユニット33には、上入賞口33a及び下入賞口33bそれぞれに対応して第1契機対応ユニットスイッチ224a,224bが設けられている。さらに、第2契機対応口34に対応する位置には第2契機対応口スイッチ225が設けられている。
また、図示は省略するが、裏枠セット215には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223及び第2契機対応口スイッチ225とケーブルコネクタを介して電気的に接続される第1盤面中継基板が設けられている。この第1盤面中継基板は、入賞口スイッチ221等と、制御手段としての主制御装置261とを中継するものであり、ケーブルコネクタを介して主制御装置261と電気的に接続されている。
これに対し、第1契機対応ユニット33(上入賞口33a又は下入賞口33b)への入球を検出する第1契機対応スイッチ224a,224bは中継基板を経ることなくコネクタケーブルを介して直接主制御装置261に接続されている。
各種入球検出スイッチにて各々検出された検出結果は、主制御装置261に取り込まれる。そして、該主制御装置261よりその都度の入賞状況に応じた払出指令(遊技球Bの払出個数)が払出制御装置311に送信され、該払出制御装置311からの出力信号に基づき所定数の遊技球Bの払出しが実施される(第2契機対応口スイッチ225により検出された場合を除く。)
この他、遊技盤30の裏面には、図示は省略するが、可変入賞装置32にて大入賞口を開放する大入賞口用ソレノイドが設けられ、第1契機対応ユニット33にて一対の開閉部材33cを開閉駆動する下入賞口用ソレノイドが設けられている。また、裏枠セット215には、これらソレノイドと主制御装置261とを中継する第2盤面中継基板(図示略)も設けられている。
次に、裏パックユニット203の構成を説明する。図5に示すように、裏パックユニット203は、樹脂成形された裏パック351と、遊技球Bの払出機構部352とを一体化したものである。また、裏パックユニット203は、内枠12の左側部(図5では右側)に対して開閉可能に支持されており、上下方向に沿って延びる開閉軸線を軸心として後方に開放できるようになっている。加えて、裏パックユニット203の左上部(図5では右上部)には、外部出力手段としての外部中継端子板240が設けられている。
外部中継端子板240は、遊技店のホールコンピュータHCなどへの各種情報送信を中継するためのものであり、複数の外部接続端子が設けられている。便宜上、符号は付さないが、例えば現在の遊技状態(大当たり状態や高確率状態等)に関する情報を出力するための端子、後述する開放検知スイッチ91,92によって検出される前面枠セット14や内枠12の開放に関する情報を出力するための端子、入球エラー、下皿満タンエラー、タンク球無しエラー、払出しエラーなど各種エラー状態に関する情報を出力するための端子、払出制御装置311から払出される賞球数に関する情報を出力するための端子、計数制御装置310によって計数された計数情報を出力するための端子などが設けられている。
裏パック351は例えばABS樹脂により一体成形されており、パチンコ機10の後方に突出して略直方体形状をなす保護カバー部354を備えている。保護カバー部354は左右側面及び上面が閉塞され且つ下面のみが開放された形状をなし、少なくともフレームカバー213を覆うのに十分な大きさを有する。但し、本実施形態では、保護カバー部354が基板搭載ユニット701の上部及び右部(図5では左側の部位)も合わせて覆う構成となっている。これにより、裏パックユニット203の閉鎖状態において、基板ボックス263の右部に設けられた封印部材、及び主制御装置261の上縁部に沿って設けられた端子部(基板側コネクタ)が覆われることとなる。
払出機構部352は、保護カバー部354を迂回するようにして配設されている。すなわち、保護カバー部354の上方には、上側に開口したタンク355が設けられており、このタンク355には遊技店の島設備から供給される遊技球Bが逐次補給される。タンク355の下方には、例えば横方向2列の球通路を有し下流側に向けて緩やかに傾斜するタンクレール356が連結され、さらにタンクレール356の下流側には縦向きにケースレール357が連結されている。払出装置358はケースレール357の最下流部に設けられ、払出モータ等の所定の電気的構成により必要個数の遊技球Bの払出が適宜行われる。そして、払出装置358より払出された遊技球Bは上皿19等に供給される。
また、払出機構部352には、払出制御装置311から払出装置358への払出指令の信号を中継する払出中継基板381が設置されると共に、外部より主電源を取り込む電源スイッチ基板382が設置されている。電源スイッチ基板382には、電圧変換器を介して例えば交流24Vの主電源が供給され、電源スイッチ382aの切替操作により電源ON又は電源OFFされる。
裏パックユニット203(基板搭載ユニット701)の下方には、内枠12の左側部(図5では右側)にて軸支され、後方に開放可能な下枠セット251が設けられている。図6に示すように、下枠セット251には、上述した球回収樋により回収された遊技球Bが流入する排出通路部217が形成され、排出通路部217の最下流部には、遊技球Bをパチンコ機10外部へ排出する排出シュート218が形成されている。つまり、一般入賞口31等の各入賞口に入賞した遊技球Bは、裏枠セット215の球回収樋を介して集合し、さらに排出通路部217の排出シュート218を通じてパチンコ機10外部に排出される。また、アウト口36も同様に排出通路部217に通じており、何れの入賞口にも入賞しなかった遊技球Bも排出シュート218を介してパチンコ機10外部に排出される。排出シュート218を介してパチンコ機10から排出された遊技球Bは、一旦、島設備の球回収機構に回収された後、球磨き装置等を通って島設備内を循環し、再びパチンコ機10の払出機構部352(タンク355)へ逐次供給される。
尚、本実施形態では、裏パックユニット203と下枠セット251とが別体として構成され、それぞれ独立して開閉可能であるが、裏パックユニット203と下枠セット251とが一体的に形成されることとしてもよい。
また、図5に示すように、下枠セット251の背面側には、計数制御装置310、払出制御装置311、発射制御装置312、電源装置313及びカードユニット接続基板314が前後に重ねられた状態で着脱可能に取り付けられている。
発射制御装置312及び電源装置313は基板ボックス313aに収容されて下枠セット251の背面側に固定されている。尚、発射制御装置312及び電源装置313は、便宜上それぞれ独立した制御装置として説明するが、実際には1つの基板(プリント基板)により構成されている。
計数制御装置310及び払出制御装置311は基板ボックス311aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。計数制御装置310及び払出制御装置311は1つの基板ボックス311aに収容されているが、別々の基板(プリント基板)により構成されている。尚、計数制御装置310及び払出制御装置311が収容される基板ボックス311aには、上述した主制御装置261が収容される基板ボックス263と同様に封印手段としての封印部材が設けられ、基板ボックス311aの開封された痕跡が残るようになっている。
カードユニット接続基板314は、基板ボックス314aに収容されて、基板ボックス313a(発射制御装置312及び電源装置313)の背面側に固定されている。
なお、上記各基板ボックス311a,313a,314aは透明樹脂材料等により構成されており、内部が視認可能となっている。
また、払出制御装置311には基板ボックス311aから外方に突出する状態復帰スイッチ321が設けられている。例えば、払出モータ部の球詰まり等、払出エラーの発生時において状態復帰スイッチ321が押下されると、払出モータが正逆回転され、球詰まりの解消(正常状態への復帰)が図られる。
さらに、電源装置313には基板ボックス313aから外方に突出するRAM消去スイッチ323が設けられている。本パチンコ機10はバックアップ機能を有しており、万一停電が発生した際でも停電時の状態を保持し、停電からの復帰(復電)の際には停電時の状態に復帰させることができる。従って、通常手順で(例えば遊技店の営業終了時に)電源遮断すると電源遮断前の状態が記憶保持されることから、電源投入時に初期状態に戻したい場合には、RAM消去スイッチ323を押しながら電源を投入する。
また、図6に示すように、内枠12の右側部背面側には施錠装置600が設けられている。施錠装置600は、前面枠セット14の前面側に露出するシリンダ錠700(図1等参照)を備えており、該シリンダ錠700の鍵穴に鍵を挿入し、一方に回動操作することで内枠12を解錠でき、他方に回動操作することで前面枠セット14を解錠できるようになっている。本実施形態では、内枠12は外枠11に対し施錠され、前面枠セット14は内枠12に対し施錠される。
尚、上記のように、外枠11の右辺枠構成部11dには、施錠装置600に対応する上下区間全域を内枠12の背面側から覆う延出壁部83が形成されている(図5参照)。これにより、外枠11の背面側から線材等を進入させ、当該線材等により施錠装置600を操作することが困難となる。結果として、防御性能の向上を図ることができる。さらに、延出壁部83は、裏パックユニット203及び下枠セット251の右端部(図5では左側の端部)を背面側から覆う構成となっており、内枠12の閉状態においては、裏パックユニット203及び下枠セット251を開放できない構成となっている。
また、図4に示すように、内枠12の前面側右下部(発射装置70の右側)には、前面枠セット14の開放を検知するための前面枠開放検知スイッチ91が設けられ、図5に示すように、内枠12の背面側右下部(図5では左下)には、内枠12の開放を検知するための内枠開放検知スイッチ92が設けられている。前面枠開放検知スイッチ91及び内枠開放検知スイッチ92は、それぞれスイッチ本体部に対して出没可能な検知部を備えており、前面枠開放検知スイッチ91は検知部が前方に向くように設けられ、内枠開放検知スイッチ92は検知部が後方へ向くように設けられる。そして、検知部がスイッチ本体部から突出した状態にある場合にはオン信号を主制御装置261に出力し、検知部がスイッチ本体部側に押圧され、スイッチ本体部に没入した状態ではオフ信号を主制御装置261に出力する構成となっている。つまり、前面枠開放検知スイッチ91は前面枠セット14の閉鎖時において検知部が前面枠セット14の背面で押圧されてオフ状態となり、前面枠セット14の開放時には、検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。同様に、内枠開放検知スイッチ92は内枠12の閉鎖時において検知部が外枠11の受部85に一体形成された押圧部86によって押圧されてオフ状態となり、内枠12の開放時には検知部が突出状態に戻ってオン状態となる。
次に、パチンコ機10の電気的構成について説明する。図9は、本パチンコ機10の電気的構成を示すブロック図である。パチンコ機10の主制御装置261(主基板)には、演算装置である1チップマイコンとしてのCPU501が搭載されている。CPU501には、該CPU501により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM502と、そのROM502内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM503と、割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等が内蔵されている。但し、CPU、ROM及びRAMが1チップ化されておらず、それぞれの機能毎にチップ化されている構成であってもよい。
RAM503は、CPU501の内部レジスタの内容やCPU501により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア503aとを備えている。
また、RAM503は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア503aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。
バックアップエリア503aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時(停電発生時を含む。以下同様)のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。バックアップエリア503aへの書き込みは、電源切断時に実行され、逆にバックアップエリア503aに書き込まれた各値の復帰は、電源入時(停電解消による電源入を含む。以下同様)において実行される。なお、CPU501のNMI端子(ノンマスカブル割込端子)には、停電等の発生による電源断時に、後述する停電監視回路542から出力される停電信号SK1が入力されるように構成されており、停電の発生により、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア503aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
かかるROM502及びRAM503を内蔵したCPU501には、アドレスバス及びデータバス等で構成されるバスライン504を介して入出力ポート505が接続されている。入出力ポート505には、後述するRAM消去スイッチ回路543、払出制御装置311、サブ制御装置262、特別表示装置43、普通図柄表示装置41、外部中継端子板240等が接続されている。この構成により、上述した特別表示装置43および普通図柄表示装置41は、主制御装置261により直接的に制御される。一方、装飾図柄表示装置42は、サブ制御装置262を介して制御される。
その他、便宜上、各種中継基板等の図示は省略するが、入出力ポート505には、入賞口スイッチ221、カウントスイッチ223、第1契機対応ユニットスイッチ224a,224b、第2契機対応口スイッチ225などの各種検出スイッチや、各種基板などの各種電気部品が接続されている。つまり、主制御装置261には、各種ケーブルコネクタのコネクタを接続するための複数の端子部(基板側コネクタ)が設けられているが、これら端子部等により、入出力ポート505が構成される。
サブ制御装置262(サブ制御基板)は、演算装置であるCPU551、該CPU551により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶したROM552、該ROM552内に記憶される制御プログラムの実行に際して各種のデータ等を一時的に記憶するメモリであるRAM553、入出力ポート554、バスライン555を備えるとともに、その他にも図示しない割込回路やタイマ回路、データ送受信回路などの各種回路等を備えている。RAM553は、CPU551による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
入出力ポート554には、バスライン555を介してCPU551、ROM552、RAM553が接続されるとともに、表示制御装置45が接続されている。さらに、入出力ポート554には、スピーカSP、各種電飾部及びランプ102〜104が接続されている。
サブ制御装置262のCPU551は、例えば主制御装置261から送信される指令信号(例えば変動パターンコマンド)に基づいて表示制御装置45に表示制御を実行させ、装飾図柄表示装置42に表示させる。なお、上記のように、本実施形態では、主制御装置261が制御する特別表示装置43にて大当たりか否かを表示するようになっており、サブ制御装置262が制御する装飾図柄表示装置42では、前記特別表示装置43の表示に合わせた表示が行われる。
また、払出制御装置311は、払出装置358により賞球や貸し球の払出制御を行うものである。演算装置であるCPU511は、そのCPU511により実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM512と、ワークメモリ等として使用されるRAM513とを備えている。
払出制御装置311のRAM513は、主制御装置261のRAM503と同様に、CPU511の内部レジスタの内容やCPU511により実行される制御プログラムの戻り先番地などが記憶されるスタックエリアと、各種フラグ及びカウンタ、I/O等の値が記憶される作業エリア(作業領域)と、バックアップエリア513aとを備えている。
RAM513は、パチンコ機10の電源のオフ後においても電源装置313からバックアップ電圧が供給されてデータを保持(バックアップ)できる構成となっており、スタックエリア、作業エリア及びバックアップエリア513aに記憶されるすべてのデータがバックアップされるようになっている。なお、少なくともスタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップすれば、必ずしもすべてのエリアに記憶されるデータをバックアップする必要はない。例えば、スタックエリアとバックアップエリア513aとに記憶されるデータをバックアップし、作業エリアに記憶されるデータをバックアップしない構成としてもよい。
バックアップエリア513aは、停電などの発生により電源が切断された場合において、電源の再入時にパチンコ機10の状態を電源切断前の状態に復帰させるべく、電源切断時のスタックポインタや、各レジスタ、I/O等の値を記憶しておくエリアである。このバックアップエリア513aへの書き込みは、電源切断時に実行され、バックアップエリア513aに書き込まれた各値の復帰は電源入時において実行される。なお、主制御装置261のCPU501と同様、CPU511のNMI端子にも、停電等の発生による電源遮断時に停電監視回路542から停電信号SK1が入力されるように構成されており、その停電信号SK1がCPU511へ入力されると、停電処理(NMI割込み処理)が即座に実行される。
作業エリアには、払出制御装置311による賞球の払出許可が設定される払出許可フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドを受信した場合に設定されるコマンド受信フラグと、主制御装置261から送信されたコマンドが記憶されるコマンドバッファとが設けられている。
払出許可フラグは、賞球の払出許可を設定するフラグであり、主制御装置261から賞球の払出を許可する特定のコマンドが送信され、その特定のコマンドを受信した場合にオンされ、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされる。本実施形態では、特定のコマンドは、払出制御装置311のRAM513の初期処理の指示をする払出初期化コマンドと、賞球の払出を指示する賞球コマンドと、主制御装置261が復電された場合に送信される払出復帰コマンドの3つである。
コマンド受信フラグは、払出制御装置311がコマンドを受信したか否かを確認するフラグであり、いずれかのコマンドを受信した場合にオンされ、払出許可フラグと同様に、初期設定の処理又は電源遮断前へ復帰された場合にオフされるとともに、受信されたコマンドの判定が行われた場合にオフされる。
コマンドバッファは、主制御装置261から送信されるコマンドを一時的に記憶するリングバッファで構成されている。
かかるROM512及びRAM513を内蔵したCPU511には、アドレスバス及びデータバスで構成されるバスライン514を介して入出力ポート515が接続されている。入出力ポート515には、RAM消去スイッチ回路543、主制御装置261、発射制御装置312、払出装置358、外部中継端子板240等がそれぞれ接続されている。
カードユニット接続基板314は、パチンコ機10前面の貸球操作部(球貸しボタン121及び返却ボタン122)と、遊技店等にてパチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)とにそれぞれ電気的に接続され、遊技者による球貸し操作の指令を取り込んでそれをカードユニットに出力するものである。なお、カードユニットを介さずに球貸し装置等から上皿19に遊技球Bが直接貸し出される現金機では、カードユニット接続基板314を省略することも可能である。
発射制御装置312は、発射装置70による遊技球Bの発射を許可又は禁止するものであり、発射装置70は、所定条件が整っている場合に駆動が許可される。具体的には、払出制御装置311から発射許可信号が出力されていること、遊技者がハンドル18をタッチしていることをセンサ信号により検出していること、発射を停止させる発射停止スイッチが操作されていないことを条件に、発射装置70が駆動され、ハンドル18の操作量に応じた強度で遊技球Bが発射される。
表示制御装置45は、サブ制御装置262からの指示に従い、装飾図柄表示装置42における装飾図柄の変動表示を実行するものである。この表示制御装置45は、CPU521と、プログラムROM522と、ワークRAM523と、ビデオRAM524と、キャラクタROM525と、ビデオディスプレイプロセッサ(VDP)526と、入力ポート527と、出力ポート529と、バスライン530,531とを備えている。入力ポート527にはサブ制御装置262の入出力ポート554が接続されている。また、入力ポート527には、バスライン530を介して、CPU521、プログラムROM522、ワークRAM523、VDP526が接続されている。また、VDP526にはバスライン531を介して出力ポート529が接続されており、その出力ポート529には液晶表示装置たる装飾図柄表示装置42が接続されている。
表示制御装置45のCPU521は、サブ制御装置262から送信される表示コマンドを入力ポート527を介して受信するとともに、受信コマンドを解析し又は受信コマンドに基づき所定の演算処理を行ってVDP526の制御(具体的にはVDP526に対する内部コマンドの生成)を実施する。これにより、装飾図柄表示装置42における表示制御を行う。
プログラムROM522は、そのCPU521により実行される各種の制御プログラムや固定値データを記憶するメモリであり、ワークRAM523は、CPU521による各種プログラムの実行時に使用されるワークデータやフラグを一時的に記憶するメモリである。
ビデオRAM524は、装飾図柄表示装置42に表示される表示データを記憶するメモリであり、このビデオRAM524の内容を書き替えることにより、装飾図柄表示装置42の表示内容が変更される。キャラクタROM525は、装飾図柄表示装置42に表示される図柄などのキャラクタデータを記憶するメモリである。
VDP526は、装飾図柄表示装置42に組み込まれたLCDドライバ(液晶駆動回路)を直接操作する一種の描画回路である。VDP526はICチップ化されているため「描画チップ」とも呼ばれ、その実体は、描画処理専用のファームウェアを内蔵したマイコンチップとでも言うべきものである。VDP526は、CPU521、ビデオRAM524等のそれぞれのタイミングを調整してデータの読み書きに介在するとともに、ビデオRAM524に記憶される表示データを所定のタイミングで読み出して装飾図柄表示装置42に表示させる。
また、電源装置313は、パチンコ機10の各部に電力を供給する電源部541と、停電等による電源遮断を監視する停電監視回路542と、RAM消去スイッチ323に接続されてなるRAM消去スイッチ回路543とを備えている。
電源部541は、図示しない電源経路を通じて、主制御装置261や払出制御装置311等に対して各々に必要な動作電源を供給する。その概要としては、電源部541は、外部より供給される交流24ボルト電源を取り込み、各種スイッチやモータ等を駆動する+12V電源、ロジック用の+5V電源、RAMバックアップ用のバックアップ電源などを生成し、これら+12V電源、+5V電源及びバックアップ電源を主制御装置261や払出制御装置311等に対して供給する。なお、発射制御装置312に対しては払出制御装置311を介して動作電源(+12V電源、+5V電源等)が供給される。同様に、各種スイッチやモータ等には、これらが接続される制御装置を介して動作電源が供給されることとなる。
停電監視回路542は、停電等の発生による電源断時に、主制御装置261のCPU501及び払出制御装置311のCPU511の各NMI端子へ停電信号SK1を出力する回路である。停電監視回路542は、電源部541から出力される最大電圧である直流安定24ボルトの電圧を監視し、この電圧が22ボルト未満になった場合に停電(電源断)の発生と判断して、停電信号SK1を主制御装置261及び払出制御装置311へ出力する。この停電信号SK1の出力によって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電の発生を認識し、停電処理(NMI割込み処理)を実行する。
なお、電源部541は、直流安定24ボルトの電圧が22ボルト未満になった後においても、かかる停電処理の実行に充分な時間の間、制御系の駆動電圧である5ボルトの出力を正常値に維持するように構成されている。よって、主制御装置261及び払出制御装置311は、停電処理を正常に実行し完了することができる。
RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去スイッチ323のスイッチ信号を取り込み、そのスイッチ323の状態に応じて主制御装置261のRAM503及び払出制御装置311のRAM513のバックアップデータをクリアする回路である。RAM消去スイッチ323が押下された際、RAM消去スイッチ回路543は、RAM消去信号SK2を主制御装置261及び払出制御装置311に出力する。RAM消去スイッチ323が押下された状態でパチンコ機10の電源が投入されると(停電解消による電源入を含む)、主制御装置261及び払出制御装置311においてそれぞれのRAM503,513のデータがクリアされる。
計数制御装置310は、計数ユニット28により検出される遊技球を計数する機能を有し、本実施形態における計数手段に相当する。計数制御装置310は、他の制御装置と同様に、演算装置であるCPUや、そのCPUにより実行される制御プログラムや固定値データ等を記憶したROM、ワークメモリ等として使用されるRAMなどを備えている。
計数制御装置310は、ロック機構22、スライドスイッチ23、計数ユニット28、外部中継端子板240などと電気的に接続されている。
次に遊技者が獲得した遊技球Bを計数する手順について説明する。
大当たりの発生等により、遊技中、上皿19が遊技球Bで一杯となると、オーバーフローした遊技球Bは球通路71を介して下皿15へ導かれる。さらに、下皿15が遊技球Bで一杯となると、遊技者は球抜きレバー25を操作して、下皿15下方の棚板T上に載置されたドル箱(収容箱)DBへ遊技球Bを移し替える(図8(a)等参照)。さらに、当該ドル箱DBが遊技球Bにより一杯になると、当該ドル箱DBと、新たな空のドル箱DBを差換える。遊技球Bで一杯となったドル箱DBは、遊技者の座席近くに山積みにして置かれる。
そして、遊技終了後、遊技者が自身の持ち球を計数しようとする際には、まず遊技店の店員を呼ぶ。店員は電子キーのリモコン操作によって、ロック機構22によるスライド機構21のロックを解除する。
続いて、図7(a),図8(a)に示した通常時の状態にある引出部20cを、図7(b),図8(b)に示すようにパチンコ機10前方へ引き出す。これにより、張出部20(上皿19)の開口部が通常よりも拡大するとともに、底板部19cが後側から前側に向けて下方傾斜した状態となり、前面枠セット14内部の流込み通路27が開口した状態となる。
この状態で、ドル箱DBに収容されていた遊技球Bを、導入口となる上皿19を介して、前面枠セット14内部へ流し込む。前面枠セット14内部へ流し込まれた遊技球Bは、底板部19cや、引出部20cの傾斜壁部20d、流込み通路27の傾斜に沿って流下していき、計数ユニット28へ導かれる。
計数ユニット28に案内された遊技球Bは、仕切部28aによって各計数レーン28bへ振分けられ、各計数レーン28bに沿って一列に転動していき、出口28cから排出される。出口28cを通過する遊技球Bは、各計数レーン28bごとに順次、球検出センサ28dにより検出される。球検出センサ28dは、その検出信号を計数制御装置310へ出力する。
計数制御装置310は、ロック機構22からのロック解除信号の入力、及び、スライドスイッチ23からのオン信号の入力があったことを条件に、計数ユニット28(球検出センサ28d)からの検出信号を有効とみなし、球検出センサ28dからの検出信号の入力を検知するごとに、所定の記憶手段に設定された計数カウンタの値に1ずつ加算していく。
計数ユニット28により計数された遊技球Bは、内枠12(樹脂ベース38)の排出通路38a及び補助誘導部38bを介して、パチンコ機10の背面側へ排出され、島設備の球回収機構へ回収される。回収された遊技球Bは、島設備内を循環し、再びパチンコ機10の払出機構部352(タンク355)へ逐次供給される。
計数制御装置310は、計数が終了すると、外部中継端子板240を介して、その計数情報をホールコンピュータHCへ出力する。
遊技球Bの計数結果は、ホールコンピュータHCの指示により、図示しない発券機等において景品引換券に印刷等され、当該引換券が遊技者に対し発券される。景品引換券を受けとった遊技者は、その引換券を景品交換所に提示することで、所望の景品と交換することができる。
また、遊技球Bの計数が終了すると、店員は引出部20cを元の状態に戻し、再びロック機構22を操作し、スライド機構21をロック状態とする。
以上詳述したように、本実施形態では、遊技者が獲得した遊技球Bをそのパチンコ機10において回収し、その球数を計数可能な構成とすることで、獲得した遊技球Bをパチンコ機10から離れた球計数機まで運搬するといった面倒な作業を省略することができ、遊技者や遊技店にとっての負担軽減を図るとともに、利便性の向上を図ることができる。
また、回収用通路を島設備の棚板T等ではなく、パチンコ機10自体に備えることで、従来の個別計数機のように遊技店への導入に際し、既存の島設備に対し大掛かりな工事を行う必要もなく、導入費用等の増加抑制を図ることができる。
さらに、パチンコ機10の前方の棚板T等に、計数機への導入口となる球受け皿を設ける必要もなく、ドル箱DBや遊技者の持ち物などを置くスペースを確保することができるため、遊技者や遊技店にとっての利便性の低下抑制を図ることができる。その結果、遊技店側にとっては、従来同様、ドル箱DBを利用して出球感演出を行うことができるなど、多様な営業形態が選択可能となり、営業面における利便性が向上する。勿論、従来同様、出球感演出を行ってドル箱を積んだとしても、遊技終了時には、その場で遊技球Bを回収することができるため、従来のように遊技球Bを回収するにあたり、多大な労力を要しない。
なお、一旦ドル箱DBに収容した遊技球Bを回収する場合、従来の個別計数機のように、パチンコ機10の前方の棚板T等に計数機への導入口となる球受け皿を設けた構成では、下皿15等が邪魔をして、ドル箱DBから導入口へ流し込むことが困難となるおそれがある。
これに対し、遊技球Bを発射装置70へ案内する機能を有する上皿19は、遊技球Bを補給し易いよう、その上方が開けた状態で設けられている。したがって、かかる上皿19を導入口として利用することにより、遊技球Bを流込み通路27等へ流し込みやすくなり、遊技球Bの回収効率を高めることができる。
また、上皿19を利用して遊技球Bを回収することにより、仮に遊技終了時に上皿19に遊技球Bが残っていた場合であっても、当該遊技球Bをわざわざ下皿15へ排出したり、ドル箱DBへ移し替えることなく回収できるため、利便性がよい。
また、上皿19(張出部20)は相当量の遊技球Bを貯留可能なように、比較的幅広に構成されているため、その内部には大きなスペースを確保しやすい。かかるスペースを利用することにより、遊技球Bの回収を円滑に行うことのできる流込み通路27等を設けることができる。
また、従来のように、下皿15の下方に位置する棚板T等において個別計数機への導入口となる球受皿を配置する構成では、島設備の球回収機構まで円滑に遊技球Bを誘導するための高低差を確保することが困難となり、計数速度の低下、遊技球の停滞、球詰まり等の不具合が発生することも懸念される。この点、本実施形態では、上皿19から遊技球Bを流し込む構成となっているため、十分な高低差を確保することができ、遊技球Bをその自重により誘導する構成であっても、遊技球Bを円滑に処理することができる。
また、本実施形態では、遊技領域から排出された遊技球Bをパチンコ機10外部へ排出するための排出用通路(排出通路部217及び排出シュート218)は下枠セット251に設けられている。一方、計数ユニット28を通る回収用通路(傾斜壁部20d、流込み通路27、排出通路38a等)は前面枠セット14及び内枠12に設けられている。このように、両通路が合流することなく、離間した状態で設けられることにより、例えば遊技領域から排出された遊技球Bを不正に回収用通路へ導き入れ、実際の球数よりも多い計数結果を出力させるような不正行為の防止を図ることができる。
また、本実施形態に係るパチンコ機10は、下皿15の下方にスペースを有しているため、既に個別計数機を設置している島設備に対しても取付けることができ、既存の個別計数機を無駄にせず従来通り使用することも可能となる。
なお、上述した実施形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施形態では、遊技者が獲得した遊技球Bを一旦ドル箱DBへ移し替え、遊技終了後、人為的に遊技球Bを計数ユニット28へ流し込む構成となっている。これに限らず、例えば下皿15を省略し、上皿19からオーバーフローした遊技球Bが直接、計数ユニット28へ案内される構成としてもよい。
また、上皿19が回収用通路の始点(導入口)となるのではなく、異なる地点から回収用通路が始まる構成としてもよい。例えば上皿19に貯留された遊技球Bを、当該上皿19の外部(下皿15や、当該下皿15を省略した構成においてはドル箱DB等)へ排出可能な球抜き通路を備えた構成においては、当該球抜き通路の途中から回収用通路が始まる構成としてもよい。
(b)所定の操作手段(球抜きスイッチ20e等)を操作して、上皿19内の遊技球Bが下皿15へと排出される場合と、計数ユニット28へ流れる場合に切換えられる構成としてもよい。また、通常時には、上皿19内の遊技球Bを計数ユニット28へ流す操作が禁止される構成としてもよい。
(c)上記実施形態では、遊技球Bの計数情報をホールコンピュータHCへ出力する構成となっている。これに限らず、パチンコ機10の側方に配置されるカードユニット(球貸しユニット)に対し、カードユニット接続基板314を介して計数情報を出力し、当該カードユニットを介して景品引換券の発券や余り球の返還を受ける構成としてもよい。また、店員の持つ携帯端末機器に対し計数情報を送信し、当該店員から景品引換券の発券を受ける構成としてもよい。勿論、景品引換巻の発券に限らず、所定の記憶媒体に対し計数情報を記憶させる構成としてもよい。
(d)上記実施形態では、計数手段たる計数制御装置310をパチンコ機10に設けた構成となっているが、これに限らず、計数ユニット28からカードユニット等の台間機に対し計数ユニット28(球検出センサ28d)からの検出信号が送られ、カードユニット等において、遊技球Bの計数を行う構成としてもよい。
(e)上記実施形態では、遊技球Bの自重により計数を行う計数ユニット28が例示されている。これに限らず、例えばスプロケット等の回転体により強制的に遊技球Bを処理して計数する構成のものを採用してもよい。
(f)上記実施形態では、計数ユニット28が前面枠セット14の下部に設けられているが、計数ユニット28の配置位置はここに限定されるものではない。
例えば、遊技領域から排出された遊技球Bを計数ユニット28へ導き入れ、実際の球数よりも多い計数結果を出力させるような不正行為を防止する上では、計数ユニット28の高さ位置が排出シュート218の出口よりも上方位置であることが好ましく、さらには遊技盤30のアウト口36の高さ位置よりも上方位置であることが好ましい。
また、計数ユニット28や計数制御装置310をパチンコ機10から省略し、遊技球Bを回収する回収用通路のみをパチンコ機10に備えた構成としてもよい。かかる構成においては、島設備内のパチンコ機10裏側等において、遊技球Bを計数するための計数手段が設けられることとなる。この場合、島設備の球回収機構において、排出用通路を介して排出されたアウト球(遊技球B)用の計数手段と、回収用通路を介して排出された回収球(遊技球B)用の計数手段とが異なるものであることが好ましい。
(g)上記実施形態とは異なるタイプのパチンコ機として実施してもよい。また、パチンコ機以外にも、アレンジボール機、雀球等の各種遊技機として実施することも可能である。
以下、特許請求の範囲の請求項に記載されないものであって、上記実施形態から把握できる技術的思想について、その効果とともに記載する。
手段1.遊技球を発射する発射手段と、
発射された遊技球が案内される遊技領域と、
前記遊技領域内に配置された入球手段と、
前記入球手段への遊技球の入球に基づき、所定数の遊技球を賞球として払出す払出手段とを備えた遊技機であって、
前記遊技領域へ案内された遊技球を、遊技機裏側へ排出可能な排出用通路と、
前記排出用通路とは別に、遊技者が獲得した遊技球を回収し、遊技機裏側へ排出可能な回収用通路とを備えたことを特徴とする遊技機。
上記手段1によれば、遊技者が獲得した遊技球をその遊技機において回収することができる。これにより、獲得した遊技球を遊技機から離れた球計数機まで運搬するといった面倒な作業を省略することができ、遊技者や遊技店にとっての負担軽減を図るとともに、利便性の向上を図ることができる。
また、回収用通路を島設備の棚板等ではなく、遊技機自体に備えることで、従来の個別計数機のように遊技店への導入に際し、既存の島設備に対し大掛かりな工事を行う必要もなく、導入費用等の増加抑制を図ることができる。
さらに、遊技機前方の棚板等に、計数機への導入口となる球受け皿等を設ける必要もなく、ドル箱や遊技者の持ち物などを置くスペースを確保することができるため、遊技者や遊技店にとっての利便性の低下抑制を図ることができる。その結果、遊技店側にとっては、従来同様、ドル箱を利用して出球感演出を行うことができるなど、多様な営業形態が選択可能となり、営業面における利便性が向上する。勿論、従来同様、出球感演出を行ってドル箱を積んだとしても、遊技終了時には、その場で遊技球を回収することができるため、従来のように遊技球を回収するにあたり、多大な労力を要しない。
なお、遊技球の回収に係る負担を軽減する遊技機としては、遊技球を遊技機内で循環させる、いわゆる封入式の遊技機等もある。しかし、かかる遊技機においては、遊技者に対し遊技球を払出さないため、ドル箱を利用して出球感演出等を行うことができない。
手段2.払出される遊技球を貯留しかつ前記発射手段へ案内する貯留手段と、
前記貯留手段を前記回収用通路の導入口としたことを特徴とする手段1に記載の遊技機。
一旦ドル箱に収容した遊技球を回収する場合、従来の個別計数機のように、遊技機の前方の棚板等に計数機への導入口となる球受け皿を設けた構成では、遊技機の貯留手段等が邪魔をして、遊技球をドル箱から導入口へ流し込むことが困難となるおそれがある。
この点、遊技球を発射手段へ案内する機能を有する貯留手段は、通常、遊技球を補給し易いよう、その上方が開けた状態で設けられる。例えば、複数の貯留手段を上下に併設した構成においては、当該機能を有する貯留手段は、その中の最も上方位置に設けられる。
したがって、かかる機能を有する貯留手段を導入口として利用することにより、遊技球を回収用通路へ流し込みやすくなり、遊技球の回収効率を高めることができる。
また、貯留手段は相当量の遊技球を貯留可能なように、比較的幅広に構成されているため、その内部には大きなスペースを確保しやすい。かかるスペースを利用することにより、遊技球の回収を円滑に行うことのできる比較的大きな回収用通路を設けることができる。
また、遊技機最下端と同じ高さに位置する棚板等に計数機への導入口となる球受け皿を設けた構成では、島設備の球回収機構まで円滑に遊技球を誘導するための高低差を確保することが困難となることも懸念される。この点、本手段によれば、より高い位置から遊技球を流し込むことができ、遊技球をより円滑に回収することができる。
手段3.前記貯留手段に貯留された遊技球を当該貯留手段の外部へ排出可能な球抜き通路を有するとともに、
前記球抜き通路を開閉可能な操作手段と、前記回収用通路を開閉可能な操作手段とを一体に設けたことを特徴とする手段2に記載の遊技機。
上記手段3によれば、部品点数の削減を図ることができる。
手段4.前記回収用通路への遊技球の導入を禁止する禁止手段を備えたことを特徴とする手段1乃至3のいずれかに記載の遊技機。
上記手段4によれば、遊技者による回収用通路の勝手な使用を禁止するとともに、ひいては球検出手段を誤動作させて実際の球数よりも多い計数結果を出力させるような不正行為の防止を図ることができる。
手段5.前記回収用通路により回収される遊技球を検出可能な球検出手段と、
前記球検出手段の検出結果に基づき、遊技球の計数を行う計数手段とを備えたことを特徴とする手段1乃至4のいずれかに記載の遊技機。
上記手段5によれば、遊技機自身において、遊技者が獲得した遊技球を計数可能となるため、既存の島設備に新たに計数手段を取付ける工事等を行う必要もなく、導入費用等の増加抑制を図ることができる。
手段6.前記計数手段により計数された情報を外部出力可能な外部出力手段を備えたことを特徴とする手段5に記載の遊技機。
上記手段6によれば、計数情報を外部出力可能とすることにより、獲得個数を印刷した景品交換用チケット等を遊技者に対し発行する機能を、遊技機自身に備える必要がなくなり、遊技機の構造の簡素化を図ることができる。
手段7.前記計数手段を収容する基板ボックスと、
前記基板ボックスを封印する封印手段とを備えたことを特徴とする手段5又は6に記載の遊技機。
上記手段7によれば、計数手段に対する不正行為を防止することができる。
手段8.前記排出用通路と前記回収用通路とを離間させたことを特徴とする手段1乃至7のいずれかに記載の遊技機。
上記手段8によれば、遊技領域から排出された遊技球を不正に回収用通路へ導き入れ、実際の球数よりも多い計数結果を出力させるような不正行為の防止を図ることができる。
以下に、上記各手段が適用される各種遊技機の基本構成を示す。
A.上記各手段における前記遊技機は弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内される遊技領域と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備えた弾球遊技機」が挙げられる。
B.上記各手段における前記遊技機は略鉛直方向に延びる遊技領域を備えた弾球遊技機であること。より詳しい態様例としては、「遊技者が操作する操作手段(遊技球発射ハンドル)と、当該操作手段の操作に基づいて遊技球を弾いて発射する発射手段(発射モータ等)と、当該発射された遊技球が案内され、略鉛直方向に沿って延びる所定の遊技領域(例えば遊技領域は遊技盤面等により構成される)と、前記遊技領域内に配置された各入球手段(一般入賞口、可変入賞装置、作動口等)とを備え、前記遊技領域を流下する遊技球の挙動を視認可能に構成されてなる弾球遊技機」が挙げられる。
C.上記各手段における前記遊技機、又は、上記各弾球遊技機は、パチンコ機又はパチンコ機に準ずる遊技機であること。