JP6088861B2 - 開水路式変位計 - Google Patents

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Description

本発明は、開水路式変位計に関するものであり、具体的には、短時間での正確な鉛直変位計測を可能とする開水路式変位計の技術に関する。
構造物における鉛直方向の変位を計測する装置として、開水路式変位計が存在する。開水路式変位計は、水面が大気に開放された状態のいわゆる開水路によって基本構造をなし、この開水路に沿って所定間隔で設けた一連の測点で変位計測を行うものである。また、各測点には、浮子を浮かべた水槽と、浮子の鉛直方向移動量を検知する渦電流センサとが設置されている。水槽は構造物と連結しており、構造物の沈下や隆起に伴って同様に沈下、隆起の動きを示す。例えば、構造物沈下に伴って、或る測点の水槽が沈下した場合、水槽沈下に関わらず水位一定である水面上の浮子天端と、水槽と共に沈下する渦電流センサとの間の鉛直距離が、沈下前の状態から変化する。この変化量から当該測点の変位量と測点間の相対変位量を検出することが出来る。
このような開水路式変位計は、温度、湿度等の環境変化に対して安定した計測結果が得られる特性を有しており、長期にわたる安定的な変位計測が必要な状況に、よく適用されてきた。開水路式変位計の従来技術としては、例えば、不動点の間に張設した基準線状体に沿う液路を同不動点の間に形成し、その液路に貯留した液体中に基準線状体を保持することにより、基準線状体の見掛自重を軽減して自重ゆるみを抑制し、液体が持つ機械的・熱的ダンパー特性によって基準線状体の揺動や温度変動・湿度変動に伴う伸縮を抑制する変位計測技術(特許文献1参照)などが提案されている。
特許第3780377号公報
しかしながら、従来の開水路式変位計は、構造物の挙動に応じた水槽内水面の揺動が収束するまで、正確な計測が困難であるため、アンダーピニング工法適用時の構造物の変位計測など、短時間で計測結果を得る必要がある状況には不向きであった。一方、そうした短時間での計測を行うべく、ダイヤルゲージ変位計等の計測機器を設置する場合、既存の開水路式変位計とは別の計測機構を付加することになり、導入・運用のコストや手間の増加につながっていた。
そこで本発明は、短時間での正確な鉛直変位計測を可能とする開水路式変位計の技術の提供を目的とする。
上記課題を解決する本発明の開水路式変位計は、複数の測点に配置した水槽を水路にて連結し、測点での鉛直変位の発生前後における、水槽と水面位置との相対的な変化量に基づいて、測点に生じた鉛直変位を検出する、自由水面を有した開水路式変位計であって、少なくとも1つの測点の水槽または水路の少なくともいずれかが、水槽間を連結する水路以外の補助水路を備えることを特徴とする。これによれば、測定対象の構造物に鉛直変位が生じた場合、この鉛直変位に伴って、開水路式変位計の該当箇所の水槽で水面揺動が生じるが、その水面揺動が、水槽間の水路に加えて補助水路にも伝播し、補助水路が無い場合と比較して迅速に揺動を収束させることが出来る。つまり本発明によれば、構造物で生じた鉛直変位に伴う開水路式変位計での水面揺動を迅速に収束させ、落ち着いた水面において、開水路式変位計における短時間での正確な鉛直変位計測が可能となる。
本発明によれば、開水路式変位計における短時間での正確な鉛直変位計測が可能となる。
本実施形態における開水路式変位計の構造例を示す平面図である。 本実施形態における開水路式変位計の構造例を示す側断面図である。 本実施形態の開水路式変位計における水槽の構造例を示す斜視図である。 本実施形態の開水路式変位計における水槽の構造例を示す正面図である。 本実施形態の開水路式変位計における水槽の構造例を示す側面図である。 本実施形態における水槽の構造例(通常時)を示す側断面図である。 本実施形態における水槽の構造例(変位時)を示す側断面図である。 本実施形態における開水路式変位計の変形例1を示す図である。 本実施形態における開水路式変位計の変形例2を示す図である。 本実施形態における開水路式変位計の変形例3を示す図である。 本実施形態における開水路式変位計での水面隆起例を示す図である。 本実施形態における開水路式変位計での通水断面積の概念を示す図である。 従来の開水路式変位計における水面揺動の伝播例を示す図である。 従来の開水路式変位計における水面揺動の伝播例を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の伝播例を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の伝播結果を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況1を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況2を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況3を示す図である。 本実施形態の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況4を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の伝播例を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の伝播結果を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況1を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況2を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況3を示す図である。 本実施形態の他の開水路式変位計における水面揺動の段階的伝播状況4を示す図である。
以下に本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。図1は、本実施形態における開水路式変位計100の構造例を示す平面図であり、図2は本実施形態における開水路式変位計100の構造例を示す側断面図である。本実施形態における開水路式変位計100は、長期にわたる安定的な変位計測を従来通りに実行可能であると共に、短時間での正確な鉛直変位計測をも可能とする変位計である。開水路式変位計100は、所定間隔で設けた複数の測点10に配置した水槽11を水路20にて連結した構造を備えている。また、少なくともいずれか1つの測点10の水槽11または水路20の少なくともいずれかには、水路20以外の補助水路30が設けられている。また複数の測点10のうち、いずれか1つの測点の水槽11は鉛直変位が生じない堅固な基礎2等に固定され、測点間の相対変位量の算定時における基準点10Bとなっている。
図3は本実施形態の開水路式変位計における水槽11の構造例を示す斜視図、図4は本実施形態の開水路式変位計における水槽11の構造例を示す正面図、図5は本実施形態の開水路式変位計における水槽11の構造例を示す側面図 図6は本実施形態における水槽の構造例(通常時)を示す側断面図、および図7は本実施形態における水槽の構造例(変位時)を示す側断面図である。図3にて示すように、測点10には、構造物に固定されるベース部17を底部にして、箱形の水槽11が立設されている。この水槽11は、水路20、補助水路30が連結されており、水路20、補助水路30の内空は水槽11の内空と連通した状態となっている。
また、測点10の水槽11と水路20、補助水路30の各内空には、図4、図5で示すように、水12が蓄えられており、その水面13に浮子14を浮かべてある。水槽内天端15には、離間距離bbをとって浮子14の鉛直方向移動量を検知する渦電流センサ16が設置されている。また、水槽11は上述のベース部17を介して構造物1と一体に連結しており、構造物1の沈下や隆起といった鉛直変位aa(図7参照)に伴って同様に沈下、隆起の動きを示す。
例えば構造物1が距離aaだけ沈下し(図7参照)、この沈下に伴って或る測点10の水槽11も沈下したとする。一方、各測点10の水槽11が蓄えている水12は、水路20を介して水槽11間で一体に挙動出来るため、上述の沈下が生じて水面が揺動するとしても、一定時間が経過すれば、各水槽11内の水12は、水槽沈下に関わらず水位一定を維持する。
従って、各水槽11間にて水位一定の水面13上の浮子天端14Aと、沈下が生じた測点10の水槽11と共に沈下する渦電流センサ16との間の鉛直距離cc(図7参照)は、沈下前の離間距離bbから縮む方向で変化することになる。この変化量から測点間の相対変位量を検出することが出来る。なお、この相対変位量の算定手法については既存技術を採用すればよい。
構造物1に隆起や沈降といった鉛直変位が生じた場合、この鉛直変位の発生箇所付近に位置する測点10の水槽11では、水面13の揺動が生じる。特に、アンダーピニング工法適用の構造物1の変位計測時など、急な鉛直変位が生じる状況であれば、上述の水面揺動も大きくなりがちである。しかしながら、本実施形態の開水路式変位計100においては、いずれかの測点10の水槽11で生じた水面揺動によって通常時水面より起伏した容積分の水が、測点10間の水路20に加えて補助水路30にも伝播することで早く平準化され、補助水路30が無い場合と比較して迅速に揺動を収束させることが出来る。
なお、図1、図2にて示した開水路式変位計100の形態の他、図8に示すように、少なくともいずれか1つの測点10の水槽11に、当該水槽11を起点および終点とした閉回路状の補助水路30が設けられた形態も採用できる。また、図9に示すように、少なくともいずれか1つの測点10の水槽11に、当該水槽11を起点とし、水路20のいずれかの箇所を終点とした、閉回路状の補助水路30が設けられた形態も採用できる。更に、図10に示すように、水槽11間の水路20に、当該水路20の所定箇所を起点、他の箇所を終点とした、閉回路状の補助水路30が設けられた形態も採用できる。これらの開水路式変位計100においても、測点10の水槽11で生じた水面揺動によって通常時水面より起伏した容積分の水が、測点10間の水路20に加えて補助水路30にも伝播することで早く平準化され、補助水路30が無い場合と比較して迅速に揺動を収束させることが出来る。
ここで、補助水路30を備えない従来型の開水路式変位計と、補助水路30を備える本実施形態の開水路式変位計100とに関し、それぞれ水面揺動の伝播状況をシミュレーションした例を示す。まず、比較するケースとしては以下の2ケースを採用した。
・ケース1(従来型):測点間隔は10.0m。水路20の総延長は80m。
・ケース2(本実施形態):測点間隔は10.0m。水路20の総延長は80m。各測点10に水路20と直行する方向に補助水路30を設けている。1つの補助水路30の長さは十分長い有限長とするが、本実施形態では40.0mとした。
また、想定した鉛直変位の条件は、或る1箇所の測点10が0.5mm隆起し、その測点10での0.5mmの隆起を頂点に、該当測点10の水槽11と連結された水路20が三角形状に傾斜隆起する(図11参照)。他方、その他の測点10や水路20や補助水路30らは変位しないものとした。こうした条件の鉛直変位を想定した場合、測点10の隆起に伴って隆起した水槽11内の水12の水面揺動が、他の水路20(や補助水路30)を介して他の測点10に伝播し、時間経過と共に水面13は平坦化されると考える。
ここで、水槽11内における水面13の水面揺動の伝播速度を算定する。水面揺動すなわち水位変化の伝播速度Vは、以下の式、

で表される。ここで、g:重力加速度=9.8m/s、h:水理水深=通水断面積A÷水面幅B、である。水路20や補助水路30の管径が78mmで、水路20や補助水路30の管内における水深が管径の1/2とすると、
伝播速度Vが0.55m/sであると、水12(の水面揺動)が水路20や補助水路30の単位長さである10.0mだけ進むのに要する時間は、10.0m÷0.55m/s≒18秒、となる。
ここで、測点10Aの隆起により生じた水12の体積Cは、隆起量に比べて測点間の距離が十分に大きいため、直方体に近似できる(図11)。そこで体積Cは、C=(水面揺動が生じている長さ)×(水面幅B)×(測点10Aの水位)、となる。この場合、“(水面揺動が生じている長さ)×(水面幅B)”を伝播面積Aとする。上述の体積Cは、時間の経過によっても変わらないため、時刻tとtn+1の測点10Aの水位を、それぞれh、hn+1、伝播面積を、それぞれA、An+1とすると、
・体積C=h×A=hn+1×An+1
・測点10Aの水位hn+1=(A/An+1)×h
となる。
従って、A/An+1を伝播面積比とし、時刻tn+1での測点10Aの水位hn+1を求めるならば、時刻tでの測点10Aの水位hに伝播面積比を乗じればよい。
以上の条件を上述のケース1、すなわち従来型の開水路式変位計に適用した場合の結果を図13、図14に示す。図13の例の場合、隆起が生じた箇所の測点は測点10Aである。従って、隆起が生じた時刻t=0の時点で、測点10Aと直接連結されている水路20にも、測点10Aの隆起を頂点として傾斜状の隆起が生じている。水路20の単位長さは10.0mであるから、時刻t=0の時点で隆起が生じている範囲は、測点10Aを中心に各方向に10.0m、すなわち計20mの範囲となる。また、この時点での伝播面積は、上述の範囲内の水路20の長さ計20m×水路20の水面幅0.078m=1.56mとなる。
水路20の単位長さ10.0mだけ水12の水面揺動が伝播するためには、上述したように、約18秒を要する。従って、隆起が生じた時刻t=0から18秒後には、測点10Aで隆起した水12の水面揺動は、測点10Aを中心に各方向に20m、すなわち計40mの範囲となる。
この場合、図14の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、上述の範囲内の水路20の長さ計40m×水路20の水面幅0.078m=3.12mとなる。時刻t=0の時点での伝播面積は上述のように1.56mであるから、この時刻t=18秒の時点での伝播面積比は、1.56m/3.12m=0.5となる。よって、時刻t=18秒の時点での測点10Aでの水位は、伝播面積比0.5に、時刻t=0での測点10Aの水位0.5mmを乗じて、0.25mmと算定できる。
それから更に18秒が経過後、すなわち隆起が生じた時刻t=0から36秒後には、測点10Aで隆起した水12の水面揺動は、測点10Aを中心に各方向に30.0m、すなわち計60mの範囲となる。この場合、図14の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、上述の範囲内の水路20の長さ計60m×水路20の水面幅0.078=4.68mとなる。この場合、時刻間での伝播面積の比率は、上述の時刻t=18秒の場合と同様に、3.12/4.68=0.6667、と算定できる。
また、この時刻t=36秒での測点10Aでの水位は、この時刻t=36秒の時点での伝播面積比0.6667に、時刻t=18秒での測点10Aの水位0.25mmを乗じて、0.17mm、と算定できる。以下同様に、時刻t=54秒での測点10Aでの水位は、0.13mmとなる。
同様に、上記の条件を上述のケース2すなわち本実施形態の開水路式変位計100に適用した場合の結果を図15、図16に示す。図15の例の場合でも、隆起が生じた箇所の測点を測点10Aとする。また、隆起が生じた時刻t=0から18秒毎に、水面揺動が伝播する範囲も上述のケース1と同様とする。また、図15に全容を示す開水路式変位計100のうち、上述の隆起が生じた以降の各時刻において、水面揺動が伝播した測点10、水路20、補助水路30の範囲のみを抽出し、それぞれ図17(t=0秒)〜図20(t=54秒)に示した。
まず、時刻t=0の時点で隆起が生じている範囲は、図17に示すように、測点10Aを中心に各方向に10.0m、すなわち計40mの範囲となる。また、この時点での伝播面積は、上述の範囲内の水路20の長さ計40m×水路20の水面幅0.078m=3.12mとなる。
また、時刻t=18秒の時点においては、図18にて示すように、水面揺動は測点10Aを中心に各方向に20m、すなわち計40mの範囲に到達している。従って、この範囲にある水路20および補助水路30の区間数をカウントすると、12区間となる。図16の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、単位長さがいずれも10.0mである水路20および補助水路30が計12区間分となる長さに対応して、すなわち12(区間)×10.0m×水面幅0.078m=9.36mとなる。したがって、この時点での伝播面積比は、上述の時刻t=0での伝播面積3.12mを、時刻t=18での伝播面積9.36mで除算して、0.33となる。また、この時の測点10Aでの水位は、伝播面積比0.33に、時刻t=0での測点10Aの水位0.5mmを乗じて、0.17mmと算定できる。
それから更に18秒が経過後、すなわち隆起が生じた時刻t=0から36秒後には、測点10Aで隆起した水12の水面揺動は、測点10Aを中心に各方向に30.0m、すなわち計60mの範囲となる。この場合、この範囲にある水路20および補助水路30の区間数をカウントすると、24区間となる。そこで図16の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、単位長さがいずれも10.0mである水路20および補助水路30が計24区間分となる長さに対応して、すなわち24(区間)×10.0m×水面幅0.078m=18.72mとなる。この場合、時刻間での伝播面積の比率は、上述の時刻t=18秒の場合と同様に、9.36/18.72=0.5、と算定できる。
また、この時刻t=36秒での測点10Aでの水位は、この時刻t=36秒の時点での伝播面積比0.5に、時刻t=18秒での測点10Aの水位0.17mmを乗じて、0.08mm、と算定できる。以下同様に、時刻t=54秒での測点10Aでの水位は、0.05mmとなる。
ケース1に関して求められた測点10Aでの水位が、時刻t=36秒で、0.17mm、時刻t=54秒で、0.13mm、であったことを踏まえると、隆起した水位が低下、すなわち水面揺動が収束する速度は、本実施形態の開水路式変位計100の方が早いことがわかる。つまり、伝播速度Vが一定である以上、測点10Aでの隆起により生じた水面揺動は、伝播面積が広くなるほど、その収束は早くなる。
同様に、上記の条件を図21に示すような、格子状水路で構成された開水路式変位計100に適用した場合の結果を図22〜図26に示す。図21の例の場合でも、隆起が生じた箇所の測点を測点10Aとする。また、隆起が生じた時刻t=0から18秒毎に、水面揺動が伝播する範囲も上述のケース1と同様とする。また、図21に全容を示す開水路式変位計100のうち、上述の隆起が生じた以降の各時刻において、水面揺動が伝播した測点10、水路20、補助水路30の範囲のみを抽出し、それぞれ図23(t=0秒)〜図26(t=54秒)に示した。
まず、時刻t=0の時点で隆起が生じている範囲は、図23に示すように、測点10Aを中心に各方向に10.0m、すなわち計40mの範囲となる。また、この時点での伝播面積は、上述の範囲内の水路20の長さ計40m×水路20の水面幅0.078m=3.12mとなる。
また、時刻t=18秒の時点においては、図24にて示すように、水面揺動は測点10Aを中心に各方向に20m、すなわち計40mの範囲に到達している。従って、この範囲にある水路20および補助水路30の区間数をカウントすると、16区間となる。図22の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、単位長さがいずれも10.0mである水路20および補助水路30が計16区間分となる長さに対応して、すなわち16(区間)×10.0m×水面幅0.078m=12.48mとなる。この時点での伝播面積比は、上述の時刻t=0での伝播面積3.12mを、時刻t=18での伝播面積12.48mで除算して、0.25となる。また、この時の測点10Aでの水位は、伝播面積比0.25に、時刻t=0での測点10Aの水位0.5mmを乗じて、0.12mmと算定できる。
それから更に18秒が経過後、すなわち隆起が生じた時刻t=0から36秒後には、測点10Aで隆起した水12の水面揺動は、測点10Aを中心に各方向に30.0m、すなわち計60mの範囲となる。この場合、この範囲にある水路20および補助水路30の区間数をカウントすると、36区間となる。そこで図22の表に示すように、水面揺動の伝播面積は、単位長さがいずれも10.0mである水路20および補助水路30が計36区間分となる長さに対応して、すなわち36(区間)×10.0m×水面幅0.078m=28.08mとなる。この場合、時刻間での伝播面積の比率は、上述の時刻t=18秒の場合と同様に、12.48/28.08=0.444、と算定できる。
また、この時刻t=36秒での測点10Aでの水位は、この時刻t=36秒の時点での伝播面積比0.444に、時刻t=18秒での測点10Aの水位0.12mmを乗じて、0.06mm、と算定できる。以下同様に、時刻t=54秒での測点10Aでの水位は、0.03mmとなる。ケース2に関して求められた測点10Aでの水位が、時刻t=36秒で、0.08mm、時刻t=54秒で、0.05mm、であったことを踏まえると、隆起した水位が低下、すなわち水面揺動が収束する速度は、図15に示した本実施形態の開水路式変位計100の場合よりも更に早いことがわかる。
以上、本実施形態によれば、構造物で生じた鉛直変位に伴う開水路式変位計での水面揺動を迅速に収束させ、落ち着いた水面において、開水路式変位計における短時間での正確な鉛直変位計測が可能となる。
本発明の実施の形態について、その実施の形態に基づき具体的に説明したが、これに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
1 構造物
10 測点
11 水槽
12 水
13 水面
14 浮子
15 水槽内天端
16 渦電流センサ
17 ベース部
20 水路
30 補助水路
100 開水路式変位計

Claims (1)

  1. 複数の測点に配置した水槽を水路にて連結し、測点での鉛直変位の発生前後における、水槽と水面位置との相対的な変化量に基づいて測点に生じた鉛直変位を検出する、自由水面を有した開水路式変位計であって、少なくとも1つの測点の水槽または水路の少なくともいずれかが、水槽間を連結する水路以外の補助水路を備えることを特徴とする開水路式変位計。
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