JP6088682B2 - 管理サーバ及びゲートウェイ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、小型基地局を効率良く収容・管理するための技術に関する。
標準化団体3GPP(3rd Generation Partnership Project)において次世代の通信規格として規定されたLTE(Long Term Evolution)は、通信速度の飛躍的な向上等が期待されている。LTEネットワークのノードの一つを構成する小型基地局は、HeNB(Home eNode B)と呼ばれており、マクロセル基地局(eNode B)と同様の無線アクセス技術を用いて移動機を収容する。移動機は、例えば、スマートフォン等の高機能携帯電話であり、UE(User Equipment)と呼ばれる。小型基地局は、ブロードバンド回線を介して移動通信システムのコアネットワークに接続し、自局に在圏している移動機の通信データを中継する。小型基地局は、ブロードバンド回線をバックホールとして使用し、地下や屋内等の電波不感エリアの解消に効果的である。
LTEネットワークにおいては、多くの小型基地局を収容可能とするために、小型基地局用のゲートウェイ装置(HeNB Gateway)が設けられる(例えば特許文献1参照)。
特開2011−41237号公報
ここで、小型基地局のセルサイズはマクロセルよりも小さく、設置も簡易であることから、今後、LTEネットワークの普及に伴い、益々多くの小型基地局が設置されることが予想される。よって、小型基地局用のゲートウェイ装置においては、多数の小型基地局を効率良く収容・管理することが望まれるが、現状では人手を介してゲートウェイ装置の収容設計が行われており、甚大な時間とコストがかかる点が懸念されていた。
本発明は以上説明した事情を鑑みてなされたものであり、ゲートウェイ装置における小型基地局の効率的な収容、管理を実現することが可能な技術を提供することを目的の一つとする。
本発明の実施形態に係る管理サーバは、ゲートウェイ装置に設定される複数の仮想基地局による複数の小型基地局の収容を管理する管理サーバであって、小型基地局のそれぞれの位置を特定する位置情報を記憶する記憶部と、位置情報に基づいて、各小型基地局の収容先となる各仮想基地局を決定する収容設計部とを具備することを特徴とする。
ここで、上記構成にあっては、各仮想基地局には、小型基地局の規定収容数が設定され、収容設計部は、位置情報に基づいて、規定収容数を越えない範囲で、近隣にある複数の小型基地局を同一の前記仮想基地局に収容させる態様が好ましい。
また、上記構成にあっては、規定収容数は、小型基地局の最大収容可能数よりも小さな値であることが、さらに好ましい。
さらにまた、上記構成にあっては、記憶部には、位置情報のほか、各小型基地局の周辺地域の人口関連情報または建造物関連情報の少なくともいずれかが記憶され、収容設計部は、位置情報とともに、人口関連情報または建造物関連情報の少なくともいずれか一方に基づいて、各小型基地局の収容先となる各仮想基地局を決定する態様がさらに好ましい。
また、本発明の他の実施形態に係るゲートウェイ装置は、設定される複数の仮想基地局により複数の小型基地局を収容するゲートウェイ装置であって、小型基地局のそれぞれの位置を特定する位置情報を記憶する記憶部と、位置情報に基づいて、各小型基地局の収容先となる各仮想基地局を決定する収容設計部とを具備することを特徴とする。
本発明によれば、ゲートウェイ装置における小型基地局の効率的な収容、管理を実現することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る移動通信システムの構成を示す図である。 仮想eNBの収容に関わる問題点を説明するための図である。 仮想eNBの収容状態を例示した図である。 プロビジョニングサーバの機能構成を示すブロック図である。 基地局管理テーブルを例示した図である。 収容設計フローを示すフローチャートである。 プロビジョニングサーバの動作の一例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係るプロビジョニングサーバの機能構成を示すブロック図である。 基地局管理テーブルを例示した図である。 時間経過に伴って小型基地局が増加する場合を示したグラフである。 時間経過に伴って小型基地局が減少する場合を示したグラフである。 小型基地局の収容エリアを例示した図である。 収容チェックフローを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。ただし、以下に説明する実施形態は、あくまでも例示であり、以下に明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。即ち、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形(各実施例を組み合わせる等)して実施することができる。また、以下の図面の記載において、同一または類似の部分には同一または類似の符号を付して表している。図面は模式的なものであり、必ずしも実際の寸法や比率等とは一致しない。図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることがある。
A.第1実施形態
以下、本発明の第1実施形態に係る移動通信システムについて説明する。
移動通信システム100は、例えば、LTEネットワーク、GSM(登録商標)(Global System for Mobile Communications)ネットワーク、又はWCDMA(登録商標)(Wideband Code Division Multiple Access)ネットワーク等によって構成される。LTEネットワークのノードの一つを構成する各小型基地局(HeNB)10は、同じくLTEネットワークのノードの一つを構成する各マクロセル基地局(eNB)20と同様の無線アクセス技術を用いてユーザ端末30に通信サービス(例えば音声パケット通信サービス、マルチメディアサービス等)を提供する。小型基地局10が形成するセルは、そのセルサイズがマクロセルよりも小規模であることに由来して、スモールセル、フェムトセル、又はピコセルと呼ばれることがある。また、小型基地局10は、スモールセル基地局、フェムトセル基地局、又はピコセル基地局と呼ばれることもある。ユーザ端末30は、スマートフォン等の高機能携帯電話であり、UE(User Equipment)と呼ばれる。
複数の小型基地局10を収容する小型基地局用のゲートウェイ装置50は、HeNB GW(Home eNodeB Gateway)と呼ばれており、ブロードバンド回線等を介して収容される各小型基地局10に接続している。ブロードバンド回線は、光ファイバ回線、非対称デジタル加入者線、又は同軸ケーブル等の高速データ回線である。なお、以下の説明では、特に理がない限り、小型基地局用のゲートウェイ装置50を、単に「ゲートウェイ装置」と呼ぶ。
ゲートウェイ装置50には、各小型基地局10の間での通信、及び小型基地局10とマクロセル20との間での通信等を効率的に行うことを目的として仮想eNB(VeNB)51が複数設定される。仮想eNB51は、マクロセル20と等価なものとみなすことができる。各仮想eNB51は、それぞれM(Mは自然数:本実施形態では「256」)の小型基地局10を収容することが可能となっている。
小型基地局10は、ゲートウェイ装置50を介して移動通信事業者のコアネットワーク(EPC)60に接続する。コアネットワーク60には、移動性管理実体MME(Mobility Management Entity)、SGW(Serving Gateway)、PGW(Packet Data Network Gateway)及びHSS(Home Subscriber Server)などが含まれる(いずれも図示略)。また、コアネットワーク60には、プロビジョニングサーバ70が接続されている。
プロビジョニングサーバ70は、ゲートウェイ装置50において複数の小型基地局10を効率良く管理させるべく、各小型基地局10の収容先となる最適な仮想eNB51の決定等を行う。具体的には、データベース71に収容されている各小型基地局10の地理情報(例えば、緯度及び経度をあらわす情報)を利用することで、最適な仮想eNB51に各小型基地局10を収容させることを可能とするが、詳細は後述する。
なお、ゲートウェイ装置50とコアネットワーク60との間、マクロセル基地局20とコアネットワーク60との間、小型基地局10とゲートウェイ装置50との間には、それぞれインタフェースS1が規定されている。また、マクロセル基地局20とゲートウェイ装置50との間、小型基地局10とゲートウェイ装置50との間には、それぞれインタフェースX2が規定されている。
<問題点>
図2は、現状の問題点を説明するための概念図である。
上述したように、小型基地局10は比較的簡易に設置等できることから、例えば人口が密集し、かつ、地下的駅構内や駅間(トンネル内)等、電波不感エリアが多く存在する地域には、小型基地局10が密集して配置される一方(図2に示す高密集エリアA1参照)、人口が密集しておらず、電波不感エリアが少ない地域等においては、小型基地局10は疎らに配置される(図2に示す低密集エリアA2参照)。
このような現状のもと、小型基地局10をゲートウェイ装置50に効率良く収容させるためには、小型基地局10の密集度に応じた、ゲートウェイ装置50(具体的には仮想eNB51)の収容設計が必要となるが、人手を介して広大なエリア(例えば日本全国)の仮想eNB51の収容設計を行っていたのでは、甚大な時間とコストがかかってしまう。
そこで、本願発明者は、図3に示すように、所定数(規定収容数;本実施形態では「256」を想定)の近隣の小型基地局10が1つの仮想eNB51に収容されるように、仮想eNB51の収容設計を、人手を介すことなく自動で行う(以下では、「最適な仮想eNB51の収容設計」という)。
図4は、プロビジョニングサーバ70の機能構成を示すブロック図である。
プロビジョニングサーバ70は、CPU、ROM、RAM等を備えたコントローラを備えており、ROM等に格納された様々なプログラムを実行することによって最適な仮想eNB51の収容設計を行う。図5は、データベース71に登録されている基地局管理テーブルTAを例示した図である。
基地局管理テーブルTAには、各小型基地局10に割り当てられるユニークな識別子(cell_ID−H;0≦H≦P)と、各小型基地局10の設置箇所を特定するための地理情報(位置情報)GIとが対応づけて登録されている。本実施形態では、地理情報GIとして、緯度及び経度をあらわす情報を想定するが、設置箇所を特定できる情報であれば良く、例えば住所情報(東京都中央区日本橋・・・等)であっても良い。プロビジョニングサーバ70は、データベースに登録された各小型基地局10の設置箇所をあらわす地理情報GIを利用することで、最適な仮想eNB51の収容設計を行う。
図4に戻り、第1記憶部72は、各仮想eNB51に割り当てられるユニークなID(eNB_ID−K;1≦K≦Q)や、各小型基地局10に割り当てられるユニークなID(cell_ID−H;0≦H≦P)を記憶する。
第2記憶部73は、各小型基地局10につき、データベース71に登録されている地理情報GI等に基づいて収容先となるeNB51を決定するためのアルゴリズムなど、最適な仮想eNB51の収容設計に関わるプログラム(収容設計プログラム)ADPを記憶する。
収容設計部74は、地理情報GI及び収容設計プログラムADPなどを利用して、最適な仮想eNB51の収容設計を行う。収容設計が終了すると、収容設計部74は、小型基地局10と収容先となる仮想eNB51との対応関係をあらわす収容情報を第1記憶部72に記憶する。ここで、データベース71や第1記憶部72、第2記憶部73は、例えば不揮発性メモリによって構成される。もちろん、他の記憶資源によって構成されても良く、例えば、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(物理デバイス)が提供する記憶領域(論理デバイス)であっても良い。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、例えば、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、フラッシュメモリ等の書き込み可能な不揮発性メモリ、DVD等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶資源を含む。コンピュータ読み取り可能な記録媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信されたときのサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、プログラムを一時的に保持しているものも含む。また、収容設計プログラムADPは、伝送媒体を介して、或いは伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、収容設計プログラムADPを伝送する伝送媒体は、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線のように情報を伝送する機能を有する媒体をいう。
図6は、収容設計部74が収容設計プログラムADPを実行することによって実現される収容設計フローを示すフローチャートである。
収容設計部74は、まず基地局管理テーブルTAを参照し、各小型基地局10のIDと地理情報を取得する(ステップS1)。そして、ステップS2に進み、ゲートウェイ装置50に設定されている各仮想eNB51の状態(許容数)を把握する。上述したように、本実施形態では、各仮想eNB51が一律に「256」の小型基地局10を受け入れる場合を想定している。収容設計部74は、小型基地局10のトータル数(=P)が、各仮想eNBの許容数(=256)を合算したトータル許容数(=256×Q)を下回っているか否かを判断する。収容設計部74は、小型基地局10のトータル数(=P)が、各仮想eNBの許容数(=256)を合算したトータル許容数(=256×Q)を下回っていることから、既存の仮想eNBによって全ての小型基地局10を収容可能と判断すると(ステップS3:YES)、ステップS4に進む。そして、収容設計部74は、各小型基地局10の地理情報及び各仮想eNBの許容数を参照しながら、近隣の小型基地局10が効率良く1つの仮想eNBに収容されるように、各小型基地局10について最適な仮想eNB51の収容先を決定する(ステップS4)。収容先を決定すると、収容設計部74は、通信インタフェース75を介して、各小型基地局10に対し、収容先の仮想eNB51のID(例えば、cell_ID−10など)を通知する(ステップS5;図7参照)。収容設計部74は、かかる通知を行うと、小型基地局10と収容先の仮想eNB51との対応関係をあらわす収容情報を第1記憶部72に記憶し(ステップS6)、処理を終了する。
一方、収容設計部74は、ステップS3において、既存の仮想eNBによって全ての小型基地局10を収容することはできないと判断すると(ステップS3:NO)、ステップS7に進む。そして、収容設計部74は、通信インタフェース75を介してゲートウェイ装置50に新たな仮想eNB51の生成を指示する(ステップS7;図7参照)。場合によっては、1つではなく、複数の仮想eNB51の生成が必要になる場合も生じ得る。収容生成部74は、かかる指示を行うと、指示した新たな仮想eNB51のIDを第1記憶部72に登録した後、ステップS4に進む。なお、ステップS4に進んだ後の動作については、上述と同様に説明することができるため、これ以上の説明は割愛する。
以上説明したように、本実施形態によれば、各小型基地局10の地理情報を利用することで、所定数の近隣の小型基地局10を同一の仮想eNB51に効率良く収容することが可能となる。これにより、仮想eNB51の収容設計を迅速かつ簡易に実現できるとともに、小型基地局10の地理的特性を踏まえた、最適な仮想eNB51の収容設計が可能となる。
<応用例>
上述した第1実施形態では、地理情報(位置情報)GIとして、緯度及び経度をあらわす情報や、住所情報を例示したが、これに加えて(あるいは代えて)他の情報を利用しても良い。例えば、各小型基地局10の周辺地域の人口、年齢別人口、人口密度などをあらわす人口関連情報、周辺地域のテーマパークやビル、名所、飲食店等の建造物の所在地をあらす建造物関連情報などを利用しても良い。
また、第1実施形態では、仮想eNB51の規定収容数を「256」に設定し、規定収容数までは受け入れ可能として収容設計を行う場合を想定したが、これに限る趣旨ではない。将来、小型基地局10の増加・減少があった場合にフレキシブルに対応できるよう、あらかじめ規定収容数に閾値を設けておいてもよい。
例えば、各仮想eNB51に最大許容数(最大収容可能数)N1が設定されていた場合、この最大許容数N1の70%を第1許容閾値Nth1と設定する(Nth1=0.7*N1)。第1実施形態において説明したように、仮想eNB51の最適な収容設計を初めて実行(初期収容設計)する場合には、第1許容値(規定収容数)Nth1を超えないように、仮想eNB51の収容設計を行う。かかる構成によれば、初期収容設計後、その仮想eNB51の収容エリアに小型基地局10が増設されることになったとしても、収容設計部74は、収容設計をやり直すことなく、そのまま増設を認めることが可能となる。もちろん、第1許容値Nth1をどのような値に設定するかは、プロビジョニングサーバ70の設計等に応じて適宜設定・変更可能である。
また、第1実施形態では、ゲートウェイ装置50とは別体の、プロビジョニングサーバ70が最適な仮想eNB51の収容設計を行う場合について説明したが、これに限る趣旨ではない。例えば、プロビジョニングサーバ70及びデータベース71の機能をゲートウェイ装置50に搭載し、ゲートウェイ装置50が直接、最適な仮想eNB51の収容設計を行うようにしても良い。以上説明した応用例は、上述した第1実施形態のみならず、以下に示す第2実施形態においても適用可能である。
B.第2実施形態
上述した第1実施形態では、仮想eNB51の初期収容設計を行う場合について説明したが、運用開始後においては、小型基地局10が増加・減少することが当然に予想される。第2実施形態では、運用開始後に、各仮想eNB51に収容されている小型基地局10が増加・減少した場合であっても、最適な収容状態が維持できるように各仮想eNB51の収容設計の見直し等を行う。なお、移動通信システム100の基本的な構成は第1実施形態と同様であるため、対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
図8は、第2実施形態に係るプロビジョニングサーバ70の機能構成を示すブロック図である。図8に示すように、第2記憶部73には、収容設計プログラムADPのほか、運用開始後に、各仮想eNB51に収容されている小型基地局10が増加・減少した場合であっても、最適な収容状態を維持するために実行される収容チェックプログラムADP1が格納されている。
図9は、第2実施形態に係るデータベース71に登録されている基地局管理テーブルTA1を例示した図である。
基地局管理テーブルTA1には、各小型基地局10に割り当てられるユニークな識別子(cell_ID−H;0≦H≦P)や、各小型基地局10の設置箇所をあらわす地理情報GI1(本実施形態では「住所情報」を想定)のほか、状況フラグ(収容状況情報)F1、F2、及び登録日情報Rdが対応づけて登録されている。なお、第1実施形態において説明したように、各小型基地局10と収容先の各仮想eNB51との対応関係をあらわす収容情報は、あらかじめ第1記憶部72に記憶されている。
状況フラグF1、F2は、小型基地局10の「開通状況」、「廃止状況」をあらわすフラグであり、開通フラグF1と廃止フラグF2とによって構成されている。各フラグにおいて、「0」は予定なし、「1」は未実施、「2」は実施済み、であることを意味する。具体的には、フラグが「0」の場合は、通信事業者によって小型基地局10の開通、または廃止の申請等がなされていないために、現状を維持することを意味し、フラグが「1」の場合は、通信事業者によって小型基地局10の開通、または廃止の申請等がなされ、これから間もなく(例えば1か月以内に)、小型基地局10の新たな設置、または撤去がなされることを意味し、フラグが「2」の場合は、通信事業者等によって小型基地局10の開通、または廃止の申請等がなされ、かつ、工事資格を持つ担当者等によって設置工事、または撤去工事がすでになされたことを意味する。
なお、現状では、小型基地局10を新たに設置等する際、公の機関に事前申請をし、認可を得なければならない。かかる事前申請に関わる情報が、プロビジョニングサーバ70の基地局管理テーブルTA1に登録される。この基地局管理テーブルTA1を利用して最適な収容状態が維持できるように各仮想eNB51の収容設計の見直し等を行うのが本実施形態である。なお、以下の説明では、小型基地局10の新たな設置を開局と呼び、小型基地局10の撤廃を閉局と呼ぶ。
図10及び図11は、時間経過に伴う小型基地局10の増加・減少をあらわすグラフであり、図10は、時間経過に伴って小型基地局10が増加する場合、図11は、時間経過に伴って小型基地局10が減少する場合を示す。図10及び図11では、縦軸が小型基地局10の収容率Rを示し、横軸が時間Tを示す。ここで、小型基地局10の収容率Rとは、小型基地局10の最大収容可能数(例えば「256」など)に対する、当該時点での小型基地局10の収容数の割合をいう。また、図12は、ある特定の仮想eNB51(以下の説明では、「指定仮想eNB51」という)における、現時点での小型基地局10の収容エリアAa1、最大限の収容エリア(最大収容エリア)Ab1、最小限の収容エリア(最小収容エリア)Ac1を示している。
図10に示すように、本実施形態では、第1の許容変動閾値(収容上限値)Nth1として90%が設定されている。この第1の変動許容値Nth1は、仮想eNB51の収容設計のやり直しタイミングの指標であり、小型基地局10の収容率Rが90%にまで達した場合には(図12に示す、最大収容エリアAb1参照)、もはや現状の収容設計のままで小型基地局10の保守・管理をするのは難しいと判断し、管理者等に収容設計のやり直しを促す。
一方、図11に示す例では、第2の許容変動閾値(収容下限値)Nth2として70%が設定されている。この第2の変動許容値Nth2は、第1の変動許容値Nth1と同様、仮想eNB51の収容設計のやり直しタイミングの指標であり、小型基地局10の収容率Rが70%よりも高い状態から70%未満にまで低下した場合には(図12に示す、最小収容エリアAc1参照)、現状の収容設計のままで小型基地局10を保守・管理するのは非効率(すなわち、有効な使い方がされていない小型基地局10が存在する等)と判断し、管理者等に収容設計のやり直しを促す。
もちろん、第1許容変動閾値Nth1や第2許容変動閾値Nth2をどのような値に設定するかは、プロビジョニングサーバ70の設計等に応じて適宜設定・変更可能である。
図13は、収容設計部74が収容チェックプログラムADP1を実行することによって実現される収容チェックフローを示すフローチャートである。以下では、指定仮想eNB51での収容状態をチェックする場合を想定するが、残りの全ての仮想eNB51においても同様の処理が行われる点に留意されたい。
収容設計部74は、まず、図示せぬタイマ等を利用して、指定仮想eNB51の収容状態をチェックしてから、一定期間(例えば1か月など)が経過したか否かを判断する(ステップSA1)。一定期間が経過していない場合には、収容設計部74は、ステップSA1を繰り返し実行する。一方、収容設計部74は、一定期間が経過したと判断すると(ステップSA1:YES)、指定仮想eNB51の収容状態をチェックすべく、基地局管理テーブルTA1を参照する(ステップSA2)。上述したように、基地局管理テーブルTA1には、各小型基地局10につき、「開通状況」、「廃止状況」をあらわす状況フラグF1、F2が登録されている。収容設計部74は、基地局管理テーブルTA1を参照することで、前回チェック時における指定仮想eNB51の収容状態と、今回チェック時における指定仮想eNB51の収容状態とを比較し、指定仮想eNB51の収容エリアでの小型基地局10の増加・減少の傾向を把握する(ステップSA3)。
<増加傾向にある場合>
収容設計部(判断部)74は、各小型基地局10の状況フラグF1、F2に基づき、増加傾向(例えば、この先1か月間の開局予定数が所定数に達した場合など)にあると判断すると、ステップSA4に進み、指定仮想eNB51において増加予定の小型基地局10を収容できるか否か(すなわち、収容予定の小型基地局10の数が、指定仮想eNB51に設定されている第1許容変動閾値Nth1に達したか否か、別言すれば、指定仮想eNB51の収容エリアを拡大できるか否か)を判断する。収容設計部(制御部)74は、収容可能と判断すると(ステップSA4:YES)、開局予定の小型基地局10の収容を認めるとともに、指定仮想eNB51の収容エリアを、最大収容エリアAb1の範囲内で拡大し(ステップSA5)、処理を終了する。一方、収容設計部74は、ステップSA4において、収容不可能と判断した場合には(ステップSA4:NO)、システム管理者等に指定仮想eNB51を含む仮想eNB51の収容設計の見直しを行うように、収容設計の見直しを促すメッセージを表示パネルやスピーカ(いずれも図示略)を介して外部に出力し(ステップSA6)、処理を終了する。
<減少傾向にある場合>
収容設計部(判断部)74は、各小型基地局10の状況フラグF1、F2に基づき、減少傾向(例えば、この先1か月間の閉局予定数が所定数に達した場合など)にあると判断すると、ステップSA7に進み、指定仮想eNB51において減少予定の小型基地局10を撤去しても効率的な収容状態を維持できるか否か(すなわち、収容予定の小型基地局10の数が、指定仮想eNB51に設定されている第2許容変動閾値Nth2に達したか否か、別言すれば、指定仮想eNB51の収容エリアを縮小できるか否か)を判断する。収容設計部(制御部)74は、効率的な収容状態の維持が可能と判断すると(ステップSA7:YES)、閉局予定の小型基地局10の撤去を認めるとともに、指定仮想eNB51の収容エリアを、最小収容エリアAc1よりも狭くならない範囲で縮小し(ステップSA8)、処理を終了する。一方、収容設計部74は、ステップSA4において、効率的な収容状態の維持が不可能と判断した場合には(ステップSA7:NO)、システム管理者等に指定仮想eNB51を含む仮想eNB51の収容設計の見直しを行うように、収容設計の見直しを促すメッセージを表示パネルやスピーカ(いずれも図示略)を介して外部に出力し(ステップSA6)、処理を終了する。なお、かかる処理が行われると、収容設計部74によって、各小型基地局10と収容先の各仮想eNB51との対応関係をあらわす収容情報が最新のものにアップデートされる。
本実施形態によれば、運用開始後に、各仮想eNB51に収容されている小型基地局10の増加・減少の傾向を把握し、各仮想eNB51の収容エリアの拡大・縮小を行う一方、必要な場合には収容設計の見直し等を行う。これにより、小型基地局10の増加・減少によらず、常に最適な収容状態を維持することが可能となる。
100…移動通信システム、10…小型基地局、20…マクロセル基地局、30…ユーザ端末、50…ゲートウェイ装置、51…仮想eNB、60…コアネットワーク、70…プロビジョニングサーバ、71…データベース、72…第1記憶部、73…第2記憶部、74…収容設計部、75…通信インタフェース、TA、TA1…基地局管理テーブル、ADP…収容設計プログラム、ADP1…収容チェックプログラム。

Claims (5)

  1. 数の小型基地局を収容するゲートウェイ装置に前記各小型基地局の間の通信及び前記小型基地局とマクロセル基地局との間の通信を行うことを目的に前記マクロセル基地局と等価に設定される複数の仮想基地局における前記小型基地局の収容設計を行う管理サーバであって、
    前記小型基地局のそれぞれの位置を特定する位置情報を記憶する記憶部と、
    前記位置情報に基づいて、前記仮想基地局に設定される前記小型基地局の規定収容数を超えない範囲で、近隣にある複数の前記小型基地局を同一の前記仮想基地局に収容させるように、前記小型基地局の収容先となる前記仮想基地局を決定する収容設計部、
    を具備する、管理サーバ
  2. 既存の前記複数の仮想基地局によって全ての前記各小型基地局を収容可能でない場合には、新規の仮想基地局を生成して、新規の仮想基地局に前記小型基地局を収容させる、請求項1に記載の管理サーバ。
  3. 前記規定収容数は、前記小型基地局の最大収容可能数よりも小さな値である、請求項1又は2に記載の管理サーバ。
  4. 前記記憶部には、前記位置情報のほか、各小型基地局の周辺地域の人口関連情報または建造物関連情報の少なくともいずれかが記憶され、
    前記収容設計部は、前記位置情報とともに、前記人口関連情報または前記建造物関連情報の少なくともいずれか一方に基づいて、前記各小型基地局の収容先となる前記各仮想基地局を決定する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の管理サーバ。
  5. 数の小型基地局を収容するゲートウェイ装置であって、
    前記各小型基地局の間の通信及び前記小型基地局とマクロセル基地局との間の通信を行うことを目的に前記マクロセル基地局と等価に設定される複数の仮想基地局と、
    前記小型基地局のそれぞれの位置を特定する位置情報を記憶する記憶部と、
    前記位置情報に基づいて、前記仮想基地局に設定される前記小型基地局の規定収容数を超えない範囲で、近隣にある複数の前記小型基地局を同一の前記仮想基地局に収容させるように、前記小型基地局の収容先となる前記仮想基地局を決定する収容設計部、
    を具備する、ゲートウェイ装置。
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