以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態を詳細に説明する。図1は、本実施の形態におけるパチンコ遊技機の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、ガイドレールによって囲まれた、ほぼ円形状の遊技領域が形成されている。この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、例えば7セグメントやドットマトリクスのLED(発光ダイオード)等から構成され、可変表示ゲームの一例となる特図ゲームにおいて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(特別識別情報)である特別図柄(「特図」ともいう)が、変動可能に表示(可変表示)される。例えば、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bはそれぞれ、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成される複数種類の特別図柄を可変表示する。
なお、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて表示される特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」を示す記号等から構成されるものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおいて点灯させるものと消灯させるものとの組合せを異ならせた複数種類の点灯パターンが、複数種類の特別図柄として予め設定されていればよい。以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には、画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。画像表示装置5の表示領域では、特図ゲームにおける第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図の可変表示や第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図の可変表示のそれぞれに対応して、例えば3つといった複数の可変表示部となる飾り図柄表示エリアにて、各々を識別可能な複数種類の識別情報(装飾識別情報)である飾り図柄が可変表示される。この飾り図柄の可変表示も、可変表示ゲームに含まれる。
一例として、画像表示装置5の表示領域には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリアが配置されている。そして、特図ゲームにおいて第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の変動と第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の変動のうち、いずれかが開始されることに対応して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにおいて飾り図柄の変動(例えば上下方向のスクロール表示)が開始される。その後、特図ゲームにおける可変表示結果として確定特別図柄が停止表示されるときに、画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリアにて、飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄(最終停止図柄)が停止表示される。
このように、画像表示装置5の表示領域では、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム、または、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームと同期して、各々が識別可能な複数種類の飾り図柄の可変表示を行い、可変表示結果となる確定飾り図柄を導出表示(あるいは単に「導出」ともいう)する。なお、例えば特別図柄や飾り図柄といった、各種の表示図柄を導出表示するとは、飾り図柄等の識別情報を停止表示(完全停止表示や最終停止表示ともいう)して可変表示を終了させることである。これに対して、飾り図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されるまでの可変表示中には、飾り図柄の変動速度が「0」となって、飾り図柄が停留して表示され、例えば微少な揺れや伸縮などを生じさせる表示状態となることがある。このような表示状態は、仮停止表示ともいい、可変表示における表示結果が確定的に表示されていないものの、スクロール表示や更新表示による飾り図柄の変動が進行していないことを遊技者が認識可能となる。なお、仮停止表示には、微少な揺れや伸縮なども生じさせず、所定時間(例えば1秒間)よりも短い時間だけ、飾り図柄を完全停止表示することなどが含まれてもよい。
画像表示装置5の画面上には、始動入賞記憶表示エリア5Hが配置されている。始動入賞記憶表示エリア5Hでは、特図ゲームに対応した可変表示の保留数(特図保留記憶数)を特定可能に表示する保留記憶表示が行われる。ここで、特図ゲームに対応した可変表示の保留は、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口や、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を、遊技球が通過(進入)することによる始動入賞に基づいて発生する。すなわち、特図ゲームや飾り図柄の可変表示といった可変表示ゲームを実行するための始動条件(「実行条件」ともいう)は成立したが、先に成立した開始条件に基づく可変表示ゲームが実行中であることやパチンコ遊技機1が大当り遊技状態に制御されていることなどにより、可変表示ゲームの開始を許容する開始条件が成立していないときに、成立した始動条件に対応する可変表示の保留が行われる。
例えば、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第1始動入賞の発生により、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの始動条件(第1始動条件)が成立したときに、当該第1始動条件の成立に基づく第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立しなければ、第1特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。また、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)する第2始動入賞の発生により、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの始動条件(第2始動条件)が成立したときに、当該第2始動条件の成立に基づく第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立しなければ、第2特図保留記憶数が1加算(インクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留される。これに対して、第1特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第1特図保留記憶数が1減算(デクリメント)され、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されるときには、第2特図保留記憶数が1減算(デクリメント)される。
第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した可変表示の保留記憶数は、特に、合計保留記憶数ともいう。単に「特図保留記憶数」というときには、通常、第1特図保留記憶数、第2特図保留記憶数及び合計保留記憶数のいずれも含む概念を指すが、特に、これらの一部(例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数を含む一方で合計保留記憶数は除く概念)を指すこともあるものとする。
始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、あるいは始動入賞記憶表示5Hエリアに代えて、特図保留記憶数を表示する表示器を設けるようにしてもよい。図1に示す例では、始動入賞記憶表示エリア5Hとともに、第1特別図柄表示装置4A及び第2特別図柄表示装置4Bの上部に、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aは、第1特図保留記憶数を特定可能に表示する。第2保留表示器25Bは、第2特図保留記憶数を特定可能に表示する。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bはそれぞれ、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数のそれぞれにおける上限値(例えば「4」)に対応した個数(例えば4個)のLEDを含んで構成されている。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる始動領域(第1始動領域)としての第1始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、図2に示す普通電動役物用のソレノイド81によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。
一例として、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しない閉鎖状態にする。その一方で、普通可変入賞球装置6Bでは、普通電動役物用のソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)できる開放状態にする。なお、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオフ状態であるときに通常開放状態となり、第2始動入賞口を遊技球が進入(通過)できる一方、ソレノイド81がオン状態であるときの拡大開放状態よりも遊技球が進入(通過)しにくいように構成してもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bは、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい開放状態または拡大開放状態といった第1可変状態と、遊技球が通過(進入)不可能な閉鎖状態または通過(進入)困難な通常開放状態といった第2可変状態とに、変化できるように構成されている。
普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって検出される。普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入した遊技球は、例えば図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって検出される。第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球(景品遊技媒体)として払い出され、第1保留記憶数が所定の上限値(例えば「4」)以下であれば、第1始動条件が成立する。第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば3個)の遊技球が賞球として払い出され、第2保留記憶数が所定の上限値以下であれば、第2始動条件が成立する。
なお、第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数と、第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことに基づいて払い出される賞球の個数は、互いに同一の個数であってもよいし、異なる個数であってもよい。パチンコ遊技機1は、賞球となる遊技球を直接に払い出すものであってもよいし、賞球となる遊技球の個数に対応した得点を付与するものであってもよい。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、図2に示す大入賞口扉用となるソレノイド82によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口を通過(進入)しやすくなる。このように、特定領域としての大入賞口は、遊技球が通過(進入)しやすく遊技者にとって有利な開放状態と、遊技球が通過(進入)できず遊技者にとって不利な閉鎖状態とに変化する。なお、遊技球が大入賞口を通過(進入)できない閉鎖状態に代えて、あるいは閉鎖状態の他に、遊技球が大入賞口を通過(進入)しにくい一部開放状態を設けてもよい。
大入賞口を通過(進入)した遊技球は、例えば図2に示すカウントスイッチ23によって検出される。カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置7において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口といった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置7において大入賞口が開放状態となれば、その大入賞口に遊技球が進入可能となり、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置7において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることが不可能または困難になり、遊技者にとって不利な第2状態となる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bと同様に7セグメントやドットマトリクスのLED等から構成され、特別図柄とは異なる複数種類の識別情報である普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)を変動可能に表示(可変表示)する。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)と称される。普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、通過ゲート41を通過した有効通過球数としての普図保留記憶数を表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。また、第1始動入賞口、第2始動入賞口及び大入賞口とは異なる入賞口として、例えば所定の玉受部材によって常に一定の開放状態に保たれる単一または複数の一般入賞口が設けられてもよい。この場合には、一般入賞口のいずれかに進入した遊技球が所定の一般入賞球スイッチによって検出されたことに基づき、所定個数(例えば10個)の遊技球が賞球として払い出されればよい。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果ランプ9が設けられている。パチンコ遊技機1の遊技領域における各構造物(例えば普通入賞球装置6A、普通可変入賞球装置6B、特別可変入賞球装置7等)の周囲には、装飾用LEDが配置されていてもよい。遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。例えば、打球操作ハンドルは、遊技者等による操作量(回転量)に応じて遊技球の弾発力を調整する。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
下皿を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、遊技者が把持して傾倒操作が可能なスティックコントローラ31Aが取り付けられている。スティックコントローラ31Aは、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者がスティックコントローラ31Aの操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作桿の内部には、トリガボタンに対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサが内蔵されていればよい。
スティックコントローラ31Aの下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニットを含むコントローラセンサユニット35Aが設けられていればよい。例えば、傾倒方向センサユニットは、パチンコ遊技機1と正対する遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも左側で遊技盤2の盤面と平行に配置された2つの透過形フォトセンサ(平行センサ対)と、この遊技者の側からみて操作桿の中心位置よりも右側で遊技盤2の盤面と垂直に配置された2つの透過形フォトセンサ(垂直センサ対)とを組み合わせた4つの透過形フォトセンサを含んで構成されていればよい。
上皿を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ31Aの上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン31Bが設けられている。プッシュボタン31Bは、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン31Bの設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン31Bに対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ35Bが設けられていればよい。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14といった、各種の制御基板が搭載されている。また、パチンコ遊技機1には、主基板11と演出制御基板12との間で伝送される各種の制御信号を中継するための中継基板15なども搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、インタフェース基板、タッチセンサ基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための各種回路が搭載されている。主基板11は、主として、特図ゲームにおいて用いる乱数の設定機能、所定位置に配設されたスイッチ等からの信号の入力を行う機能、演出制御基板12などからなるサブ側の制御基板に宛てて、指令情報の一例となる制御コマンドを制御信号として出力して送信する機能、ホールの管理コンピュータに対して各種情報を出力する機能などを備えている。また、主基板11は、第1特別図柄表示装置4Aと第2特別図柄表示装置4Bを構成する各LED(例えばセグメントLED)などの点灯/消灯制御を行って第1特図や第2特図の可変表示を制御することや、普通図柄表示器20の点灯/消灯/発色制御などを行って普通図柄表示器20による普通図柄の可変表示を制御することといった、所定の表示図柄の可変表示を制御する機能も備えている。
主基板11には、例えば遊技制御用マイクロコンピュータ100やスイッチ回路110、ソレノイド回路111などが搭載されている。スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチからの検出信号を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された制御信号を受信して、画像表示装置5、スピーカ8L、8R及び遊技効果ランプ9や装飾用LEDといった演出用の電気部品による演出動作を制御するための各種回路が搭載されている。すなわち、演出制御基板12は、画像表示装置5における表示動作や、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作の全部または一部、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯動作の全部または一部といった、演出用の電気部品に所定の演出動作を実行させるための制御内容を決定する機能を備えている。
音声制御基板13は、演出制御基板12とは別個に設けられた音声出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、スピーカ8L、8Rから音声を出力させるための音声信号処理を実行する処理回路などが搭載されている。ランプ制御基板14は、演出制御基板12とは別個に設けられたランプ出力制御用の制御基板であり、演出制御基板12からの指令や制御データなどに基づき、遊技効果ランプ9や装飾用LEDなどにおける点灯/消灯駆動を行うランプドライバ回路などが搭載されている。
図2に示すように、主基板11には、ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23といった、各種スイッチからの検出信号を伝送する配線が接続されている。なお、各種スイッチは、例えばセンサと称されるものなどのように、遊技媒体としての遊技球を検出できる任意の構成を有するものであればよい。また、主基板11には、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20などの表示制御を行うための指令信号を伝送する配線が接続されている。
主基板11から演出制御基板12に向けて伝送される制御信号は、中継基板15によって中継される。中継基板15を介して主基板11から演出制御基板12に対して伝送される制御コマンドは、例えば電気信号として送受信される演出制御コマンドである。演出制御コマンドには、例えば画像表示装置5における画像表示動作を制御するために用いられる表示制御コマンドや、スピーカ8L、8Rからの音声出力を制御するために用いられる音声制御コマンド、遊技効果ランプ9や装飾用LEDの点灯動作などを制御するために用いられるランプ制御コマンドが含まれている。これらの演出制御コマンドはいずれも、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」となり、EXTデータの先頭ビットは「0」となるように、予め設定されていればよい。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、遊技制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM(Read Only Memory)101と、遊技制御用のワークエリアを提供するRAM(Random Access Memory)102と、遊技制御用のプログラムを実行して制御動作を行うCPU(Central Processing Unit)103と、CPU103とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備えて構成される。
一例として、遊技制御用マイクロコンピュータ100では、CPU103がROM101から読み出したプログラムを実行することにより、パチンコ遊技機1における遊技の進行を制御するための処理が実行される。このときには、CPU103がROM101から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU103がRAM102に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU103がRAM102に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU103がI/O105を介して遊技制御用マイクロコンピュータ100の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ100を構成する1チップのマイクロコンピュータは、少なくともCPU103の他にRAM102が内蔵されていればよく、ROM101や乱数回路104、I/O105などは外付けされてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100では、例えば乱数回路104などにより、遊技の進行を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。遊技用乱数は、乱数回路104などのハードウェアによって更新されるものであってもよいし、遊技制御用マイクロコンピュータ100のCPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することでソフトウェアによって更新されるものであってもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ100におけるRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタや、RAM102とは別個の内部レジスタに設けられたランダムカウンタに、所定の乱数値を示す数値データを格納し、CPU103が定期的または不定期的に格納値を更新することで、乱数値の更新が行われるようにしてもよい。
遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるROM101には、ゲーム制御用のプログラムの他にも、遊技の進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納されている。例えば、ROM101には、CPU103が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM101には、CPU103が主基板11から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータや、変動パターンを複数種類格納する変動パターンテーブルを構成するテーブルデータなどが、記憶されている。遊技制御用マイクロコンピュータ100が備えるRAM102には、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種データが書換可能に一時記憶される。
演出制御基板12には、プログラムに従って制御動作を行う演出制御用CPU120と、演出制御用のプログラムや固定データ等を記憶するROM121と、演出制御用CPU120のワークエリアを提供するRAM122と、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定するための処理などを実行する表示制御部123と、演出制御用CPU120とは独立して乱数値を示す数値データの更新を行う乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御基板12では、演出制御用CPU120がROM121から読み出した演出制御用のプログラムを実行することにより、演出用の電気部品による演出動作を制御するための処理が実行される。このときには、演出制御用CPU120がROM121から固定データを読み出す固定データ読出動作や、演出制御用CPU120がRAM122に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、演出制御用CPU120がRAM122に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、演出制御用CPU120がI/O125を介して演出制御基板12の外部へと各種信号を出力する送信動作なども行われる。
演出制御用CPU120、ROM121、RAM122は、演出制御基板12に搭載された1チップの演出制御用マイクロコンピュータに含まれてもよい。演出制御基板12には、画像表示装置5に対して映像信号を伝送するための配線や、音声制御基板13に対して音番号データを示す情報信号としての効果音信号を伝送するための配線、ランプ制御基板14に対してランプデータを示す情報信号としての電飾信号を伝送するための配線などが接続されている。さらに、演出制御基板12には、スティックコントローラ31Aに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、コントローラセンサユニット35Aから伝送するための配線や、プッシュボタン31Bに対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ35Bから伝送するための配線も接続されている。
演出制御基板12では、例えば乱数回路124などにより、演出動作を制御するために用いられる各種の乱数値を示す数値データが更新可能にカウントされる。こうした演出動作を制御するために用いられる乱数は、演出用乱数ともいう。
図2に示す演出制御基板12に搭載されたROM121には、演出制御用のプログラムの他にも、演出動作を制御するために用いられる各種のデータテーブルなどが格納されている。例えば、ROM121には、演出制御用CPU120が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブルを構成するテーブルデータ、各種の演出制御パターンを構成するパターンデータなどが記憶されている。演出制御基板12に搭載されたRAM122には、演出動作を制御するために用いられる各種データが記憶される。
演出制御基板12に搭載された表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令などに基づき、画像表示装置5における表示動作の制御内容を決定する。例えば、表示制御部123は、画像表示装置5の表示領域内に表示させる演出画像の切換タイミングを決定することなどにより、飾り図柄の可変表示や各種の演出表示を実行させるための制御を行う。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)、LCD駆動回路などが搭載されていればよい。なお、VDPは、GPU(Graphics Processing Unit)、GCL(Graphics Controller LSI)、あるいは、より一般的にDSP(Digital Signal Processor)と称される画像処理用のマイクロプロセッサであってもよい。CGROMは、例えば書換不能な半導体メモリであってもよいし、フラッシュメモリなどの書換可能な半導体メモリであってもよく、あるいは、磁気メモリ、光学メモリといった、不揮発性記録媒体のいずれかを用いて構成されたものであればよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、演出制御基板12の外部へと各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。例えば、I/O125の出力ポートからは、画像表示装置5へと伝送される映像信号や、音声制御基板13へと伝送される指令(効果音信号)、ランプ制御基板14へと伝送される指令(電飾信号)、モータ駆動回路16へと伝送される指令(駆動制御信号)などが出力される。
パチンコ遊技機1においては、遊技媒体としての遊技球を用いた所定の遊技が行われ、その遊技結果に基づいて所定の遊技価値が付与可能となる。遊技球を用いた遊技の一例として、パチンコ遊技機1における筐体前面の右下方に設置された打球操作ハンドルが遊技者によって所定操作(例えば回転操作)されたことに基づいて、所定の打球発射装置が備える発射モータなどにより、遊技媒体としての遊技球が遊技領域に向けて発射される。遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口(第1始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第1始動口スイッチ22Aによって遊技球が検出されたことなどにより第1始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第1開始条件が成立したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始される。
また、遊技球が普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口(第2始動領域)を通過(進入)すると、図2に示す第2始動口スイッチ22Bによって遊技球が検出されたことなどにより第2始動条件が成立する。その後、例えば前回の特図ゲームや大当り遊技状態が終了したことなどにより第2開始条件が成立したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始される。ただし、普通可変入賞球装置6Bが第2可変状態としての通常開放状態や閉鎖状態であるときには、第2始動入賞口を遊技球が通過困難または通過不可能である。
通過ゲート41を通過した遊技球が図2に示すゲートスイッチ21によって検出されたことに基づいて、普通図柄表示器20にて普通図柄の可変表示を実行するための普図始動条件が成立する。その後、例えば前回の普図ゲームが終了したことといった、普通図柄の可変表示を開始するための普図開始条件が成立したことに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームが開始される。この普図ゲームでは、普通図柄の変動を開始させた後、所定時間が経過すると、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)する。このとき、確定普通図柄として特定の普通図柄(普図当り図柄)が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる。その一方、確定普通図柄として普図当り図柄以外の普通図柄が停止表示されれば、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bを構成する電動チューリップの可動翼片が傾動位置となる開放制御や拡大開放制御が行われ、所定時間が経過すると垂直位置に戻る閉鎖制御や通常開放制御が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始されるときや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが開始されるときには、特別図柄の可変表示結果を予め定められた特定表示結果としての「大当り」にするか否かが、その可変表示結果を導出表示する以前に決定(事前決定)される。そして、可変表示結果の決定に基づく所定割合で、変動パターンの決定などが行われ、可変表示結果や変動パターンを指定する演出制御コマンドが、図2に示す主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から演出制御基板12に向けて伝送される。
こうした可変表示結果や変動パターンの決定に基づいて特図ゲームが開始された後、例えば変動パターンに対応して予め定められた可変表示時間が経過したときには、可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示される。第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特別図柄の可変表示に対応して、画像表示装置5の表示領域に配置された「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、特別図柄とは異なる飾り図柄(演出図柄)の可変表示が行われる。
第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームや、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄が導出表示されるときには、画像表示装置5において飾り図柄の可変表示結果となる確定飾り図柄が導出表示される。特別図柄の可変表示結果として予め定められた大当り図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」(特定表示結果)となり、遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。特別図柄の可変表示結果として、大当り図柄が導出表示されず、ハズレ図柄が導出表示されたときには、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる。
一例として、「3」や「7」の数字を示す特別図柄を大当り図柄とし、「−」の記号を示す特別図柄をハズレ図柄とする。なお、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおける大当り図柄やハズレ図柄といった各図柄は、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける各図柄とは異なる特別図柄となるようにしてもよいし、双方の特図ゲームにおいて共通の特別図柄が大当り図柄やハズレ図柄となるようにしてもよい。また、数字や記号として特定の意味を有する点灯パターンの特別図柄を大当り図柄やハズレ図柄とするものに限定されず、例えば7セグメントのLEDにおける任意の点灯パターンの特別図柄を、大当り図柄やハズレ図柄としてもよい。
大当り遊技状態では、大入賞口が開放状態となって特別可変入賞球装置7が遊技者にとって有利な第1状態となる。そして、所定期間(例えば29秒間)あるいは所定個数(例えば9個)の遊技球が大入賞口に進入して入賞球が発生するまでの期間にて、大入賞口を継続して開放状態とするラウンド遊技が実行される。こうしたラウンド遊技の実行期間以外の期間では、大入賞口が閉鎖状態となり、入賞球が発生困難または発生不可能となる。大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23により入賞球が検出され、その検出ごとに所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。大当り遊技状態におけるラウンド遊技は、所定の上限回数(例えば「15」)に達するまで繰り返し実行される。
特図表示結果が「大当り」となる場合には、大当り種別が「非確変」または「確変」のいずれかとなる場合が含まれている。例えば、特別図柄の可変表示結果として、「3」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「非確変」となり、「7」の数字を示す大当り図柄が導出表示されたときには大当り種別が「確変」となる。大当り種別が「非確変」または「確変」となった場合には、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を遊技者にとって有利な第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に長い時間(例えば29秒など)となる通常開放ラウンドが実行される。なお、大当り遊技状態におけるラウンド遊技として、特別可変入賞球装置7を第1状態(大入賞口を開放状態)とする上限時間が比較的に短い時間(例えば0.1秒など)となる短期開放ラウンドが実行される大当り種別(例えば「突確」など)を設けてもよい。通常開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第1特定遊技状態ともいう。短期開放ラウンドが実行される大当り遊技状態は、第2特定遊技状態ともいう。
大当り遊技状態が終了した後には、所定の確変制御条件が成立したことに基づいて、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御されることがある。確変状態は、所定回数の可変表示が実行されること、あるいは次回の大当り遊技状態が開始されることといった、所定の確変終了条件が成立するまで、継続するように制御される。また、大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間が通常状態よりも短くなる時短状態に制御されることがある。時短状態は、所定回数の可変表示が実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の時短終了条件が先に成立するまで、継続するように制御される。一例として、大当り種別が「非確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が時短状態となる。一方、大当り種別が「確変」である場合に大当り遊技状態が終了した後には、遊技状態が確変状態となる。
確変状態や時短状態では、通常状態よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを第1可変状態(開放状態または拡大開放状態)と第2可変状態(閉鎖状態または通常開放状態)とに変化させる。例えば、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御により、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させればよい。なお、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組み合わせられて行われるようにしてもよい。このように、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で第1可変状態と第2可変状態とに変化させる制御は、高開放制御(「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした確変状態や時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、通常状態よりも遊技者にとって有利な特別遊技状態となる。
パチンコ遊技機1において遊技媒体として用いられる遊技球や、その個数に対応して付与される得点の記録情報は、例えば数量に応じて特殊景品や一般景品に交換可能な有価価値を有するものであればよい。あるいは、これらの遊技球や得点の記録情報は、特殊景品や一般景品には交換できないものの、パチンコ遊技機1で再度の遊技に使用可能な有価価値を有するものであってもよい。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示が開始される。そして、飾り図柄の可変表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける確定飾り図柄の停止表示により可変表示が終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となることがある。
ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の表示領域にて停止表示された飾り図柄が大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様、あるいは、全部または一部の飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける一部(例えば「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rなど)では予め定められた大当り組合せを構成する飾り図柄(例えば「7」の英数字を示す飾り図柄)が停止表示されているときに未だ停止表示していない残りの飾り図柄表示エリア(例えば「中」の飾り図柄表示エリア5Cなど)では飾り図柄が変動している表示態様、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける全部または一部で飾り図柄が大当り組合せの全部または一部を構成しながら同期して変動している表示態様である。
また、リーチ態様となったことに対応して、飾り図柄の変動速度を低下させたり、画像表示装置5の表示領域に飾り図柄とは異なるキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりすることで、リーチ態様となる以前とは異なる演出動作が実行される場合がある。このようなキャラクタ画像の表示や背景画像の表示態様の変化、動画像の再生表示、飾り図柄の変動態様の変化といった演出動作を、リーチ演出表示(あるいは単にリーチ演出)という。なお、リーチ演出には、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などを、リーチ態様となる以前の動作態様とは異なる動作態様とすることが、含まれていてもよい。
リーチ演出における演出動作としては、互いに動作態様(演出態様)が異なる複数種類の演出パターン(「リーチパターン」ともいう)が、予め用意されていればよい。そして、それぞれのリーチ演出における演出態様に応じて、「大当り」となる可能性(「信頼度」あるいは「大当り信頼度」ともいう)が異なる。すなわち、複数種類のリーチ演出のいずれが実行されるかに応じて、可変表示結果が「大当り」となる可能性を異ならせることができる。この実施の形態では、一例として、ノーマル、スーパーA、スーパーBといったリーチ演出が予め設定されている。そして、スーパーAやスーパーBといったスーパーリーチのリーチ演出が実行された場合には、ノーマルのリーチ演出が実行された場合に比べて、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り期待度)が高くなる。
飾り図柄の可変表示中には、リーチ演出とは異なり、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などのように、飾り図柄の可変表示動作とは異なる演出動作により、例えば飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となる可能性があることや、スーパーリーチによるリーチ演出が実行される可能性があること、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることなどといった、パチンコ遊技機1において実行される遊技の有利度を、遊技者に予め告知(示唆)するための予告演出が実行されることがある。
予告演出となる演出動作は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて飾り図柄の可変表示が開始されてから、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となるより前(「左」及び「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて飾り図柄が仮停止表示されるより前)に実行(開始)されるものであればよい。また、可変表示結果が「大当り」となる可能性があることを報知する予告演出には、飾り図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後に実行されるものが含まれていてもよい。このように、予告演出は、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されてから可変表示結果となる確定特別図柄や確定飾り図柄が導出されるまでの所定タイミングにて、大当り遊技状態となる可能性を予告できるものであればよい。こうした予告演出を実行する場合における演出動作の内容(演出態様)に対応して、複数の予告パターンが予め用意されている。
この実施の形態では、予告演出の一部として、または、予告演出とは別個の演出として、複数回の特図ゲームに対応して実行される複数回の飾り図柄の可変表示にわたり連続演出が実行されることがある。連続演出では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示や、スピーカ8L、8Rからの効果音出力、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作、演出用模型の各種動作、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、所定の演出装置による演出動作の内容(演出態様)を、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる可能性に応じて異ならせる。連続演出における内容(演出態様)に応じて可変表示結果が「大当り」となる可能性が示唆される可変表示は、連続演出による演出対象となる可変表示(演出対象変動)ともいう。連続演出は、例えば普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったときに、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)に変化するといった所定条件の成立に基づいて、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより実行されればよい。
その他にも、例えば普通図柄表示器20における普通図柄の可変表示と合わせて、普図連動演出が実行されることがあってもよい。普図連動演出では、例えば所定の演出画像を表示することや、メッセージとなる画像表示や音声出力などにより、普通図柄の表示結果が「普図当り」となるか「普図ハズレ」となるかなどを、普通図柄の表示結果が導出表示される前に遊技者に予告報知すればよい。画像表示装置5の画面上には普図連動演出実行エリアが設けられ、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットあるいはルーレットが回転するような演出画像を表示することで普図連動演出が実行される。そして、普通図柄の表示結果が「普図当り」となる場合には普図連動演出実行エリアに「○」の図柄が停止表示され、普通図柄の表示結果が「普図ハズレ」となる場合には普図連動演出実行エリアに「×」の図柄が停止表示されることにより普通図柄の表示結果を予告報知する。
このような普通図柄の表示結果の報知(特に「普図当り」となることの報知)は、「普図当り」となったことに対応して普通可変入賞球装置6Bの第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となるより、所定期間前に実行される。ここでいう所定期間とは、遊技者が遊技球を発射してから普通可変入賞球装置6Bに到達するまでの最短到達時間を超える時間であることが望ましい。このようにすることで、普図連動演出による報知結果を遊技者が確認してから遊技球を発射しても、普通可変入賞球装置6Bが構成する第2始動入賞口に遊技球を入賞させることができるので、遊技者が効率良く遊技をすることができるようになる。
また、普図連動演出において、普通図柄の可変表示とは別個に行われている特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるか否かを示唆、報知する特図表示結果報知が実行される場合がある。この場合、普図連動演出実行エリアに「チャンス」や「激アツ」の文字など、「大当り」となる文字が停止表示されることにより、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となることを示唆できる。
なお、普図連動演出は、画像表示装置5の画面上に所定のキャラクタ画像(人物等を模した演出画像)を表示させたり、背景画像の表示態様を変化させたり、飾り図柄とは異なる動画像を再生表示させたり、飾り図柄の変動態様を変化させたりするものであってもよい。また、画像表示装置5における表示動作のみならず、スピーカ8L、8Rによる音声出力動作や、遊技効果ランプ9などの発光体における点灯動作(点滅動作)などが含まれてもよい。
普図連動演出における普通図柄の表示結果の報知は、高頻度制御予告演出ともいう。一方、普図連動演出における特図表示結果報知は、特定表示結果予告演出ともいう。この実施の形態の高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普図連動演出実行エリアにて、普通図柄の可変表示の開始に合わせて、スロットが回転する普図連動演出によって実行されるがこれに限定されない。高頻度制御予告演出、及び、特定表示結果予告演出は、普通図柄の変動に連動して実行される一の演出において、普通図柄の表示結果と特別図柄の表示結果とのうち一方または双方が示唆または予告されるものであればよい。
特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果である特図表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の表示領域において、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される。一例として、大当り種別が「非確変」または「確変」となる場合には、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄が揃って停止表示されることにより、大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示されればよい。
特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、所定の非リーチ組合せを構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることがある(非リーチ)。また、特図表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)を構成する飾り図柄が停止表示されることにより、非特定表示結果となる確定飾り図柄が導出表示されることもある(リーチハズレ)。非リーチ組合せを構成する飾り図柄やリーチ組合せを構成する飾り図柄のように、特図表示結果が「ハズレ」となる場合に対応して導出表示される非特定標示結果となる確定飾り図柄は、ハズレ組合せの確定飾り図柄ともいう。
次に、本実施例におけるパチンコ遊技機1の動作(作用)を説明する。
主基板11では、所定の電源基板からの電力供給が開始されると、遊技制御用マイクロコンピュータ100が起動し、CPU103によって遊技制御メイン処理となる所定の処理が実行される。遊技制御メイン処理を開始すると、CPU103は、割込み禁止に設定した後、必要な初期設定を行う。この初期設定では、例えばRAM102がクリアされる。また、遊技制御用マイクロコンピュータ100に内蔵されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定を行う。これにより、以後、所定時間(例えば、2ミリ秒)ごとにCTCから割込み要求信号がCPU103へ送出され、CPU103は定期的にタイマ割込み処理を実行することができる。初期設定が終了すると、割込みを許可した後、ループ処理に入る。なお、遊技制御メイン処理では、パチンコ遊技機1の内部状態を前回の電力供給停止時における状態に復帰させるための処理を実行してから、ループ処理に入るようにしてもよい。
こうした遊技制御メイン処理を実行したCPU103は、CTCからの割込み要求信号を受信して割込み要求を受け付けると、割込み禁止状態に設定して、所定の遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込処理には、例えばスイッチ処理やメイン側エラー処理、情報出力処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス処理、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理といった、パチンコ遊技機1における遊技の進行などを制御するための処理が含まれている。
スイッチ処理は、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから入力される検出信号の状態を判定する処理である。メイン側エラー処理は、パチンコ遊技機1の異常診断を行い、その診断結果に応じて必要ならば警告を発生可能とする処理である。情報出力処理は、例えばパチンコ遊技機1の外部に設置されたホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する処理である。遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
一例として、主基板11の側で用いられる遊技用乱数には、特図表示結果決定用の乱数値MR1と、大当り種別決定用の乱数値MR2と、変動パターン決定用の乱数値MR3と、普図表示結果決定用の乱数値MR4とがあればよい。特図表示結果決定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの可変表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定に用いられる乱数値である。大当り種別決定用の乱数値MR2は、可変表示結果を「大当り」とする場合における大当り種別を、例えば「非確変」や「確変」といった複数種別のいずれかに決定するために用いられる乱数値である。変動パターン決定用の乱数値MR3は、特別図柄や飾り図柄の可変表示における変動パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定するために用いられる乱数値である。普図表示結果決定用の乱数値MR4は、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける可変表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの決定を行うために用いられる乱数値である。
遊技制御用タイマ割込処理に含まれる特別図柄プロセス処理では、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値をパチンコ遊技機1における遊技の進行状況に応じて更新し、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおける表示動作の制御や、特別可変入賞球装置7における大入賞口の開閉動作設定などを、所定の手順で行うために、各種の処理が選択されて実行される。普通図柄プロセス処理は、普通図柄表示器20における表示動作(例えばセグメントLEDの点灯、消灯など)を制御して、普通図柄の可変表示や普通可変入賞球装置6Bにおける可動翼片の傾動動作設定などを可能にする処理である。
コマンド制御処理は、主基板11から演出制御基板12などのサブ側の制御基板に対して制御コマンドを伝送させる処理である。一例として、コマンド制御処理では、RAM102に設けられた送信コマンドバッファの値によって指定されたコマンド送信テーブルにおける設定に対応して、I/O105に含まれる出力ポートのうち、演出制御基板12に対して演出制御コマンドを送信するための出力ポートに制御データをセットした後、演出制御INT信号の出力ポートに所定の制御データをセットして演出制御INT信号を所定時間にわたりオン状態としてからオフ状態とすることなどにより、コマンド送信テーブルでの設定に基づく演出制御コマンドの伝送を可能にする。コマンド制御処理を実行した後には、割込み許可状態に設定してから、遊技制御用タイマ割込み処理を終了する。
図3は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。図4は、ステップS101にて実行される始動入賞判定処理の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口に対応して設けられた第1始動口スイッチ22Aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口に対応して設けられた第2始動口スイッチ22Bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。このとき、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加(インクリメント)するように更新される。このときには、RAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応して、特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3といった、所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、乱数値MR1〜MR3を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データ(保留情報)として、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、保留データが図5(A)に示すような第1特図保留記憶部151Aにセットされる。一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、保留データが図5(B)に示すような第2特図保留記憶部151Bにセットされる。
図5(A)に示す第1特図保留記憶部151Aは、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第1特図保留記憶部151Aは、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部151Aに記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
図5(B)に示す第2特図保留記憶部151Bは、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、第2特図保留記憶部151Bは、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU103により乱数回路104等から抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1や大当り種別決定用の乱数値MR2、変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける可変表示結果(特図表示結果)に基づき大当り遊技状態に制御するか否かや、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンなどを、決定するための保留記憶情報となる。
ステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM101における第1保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。一方、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM101における第2保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。
図6は、入賞時乱数値判定処理として、図5のステップS211にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この実施の形態において、特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるときには、後述する特別図柄通常処理(図3のステップS110、図10)において、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの決定が行われる。また、後述する変動パターン設定処理(図3のステップS111、図12(A))において、飾り図柄の可変表示態様に対応した変動パターンの決定などが行われる。他方、これらの決定とは別に、遊技球が始動入賞口(第1始動入賞口または第2始動入賞口)にて検出された始動入賞タイミングで、CPU103がステップS211の入賞時乱数値判定処理を実行することにより、特図表示結果として大当り図柄を導出すると決定される乱数値MR1であるか否かの判定や、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となるか否かの判定などを行う。これにより、始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出に基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示が開始されるより前に、特図表示結果が「大当り」となることや、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となることを予測し、この予測結果に基づいて、演出制御基板12の側で演出制御用CPU120などにより、連続演出といった所定演出を実行するか否かを、決定することができる。
図6に示す入賞時乱数値判定処理において、CPU103は、まず、例えばRAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた時短フラグや確変フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態を特定する(ステップS401)。より具体的には、確変フラグがオンであるときには遊技状態が確変状態であること、確変フラグがオフで時短フラグがオンであるときには遊技状態が時短状態であること、確変フラグと時短フラグがともにオフであるときには通常状態であることを、それぞれ特定すればよい。また、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ制御部など)に設けられた特図プロセスフラグの値を確認することなどにより、パチンコ遊技機1における現在の遊技状態が大当り遊技状態であるか否かを特定できればよい。
CPU103は、こうして特定された遊技状態が大当り遊技状態となっている大当り中であるか否かを判定する(ステップS402)。このとき、大当り中でないと判定された場合には、さらに確変状態や時短状態において時短制御が行われている時短制御中であるか否かを判定する(ステップS403)。ステップS402にて大当り中であると判定されたときや(ステップS402;Yes)、ステップS403にて時短制御中であると判定されたときには(ステップS403;Yes)、始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する(ステップS404)。
ステップS403にて時短制御中ではないと判定されたときや(ステップS403;No)、ステップS404にて始動口バッファ値が「2」であると判定されたときには(ステップS404;Yes)、大当り決定範囲を設定する(ステップS405)。例えば、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを構成するテーブルデータから、現在の遊技状態に対応して特図表示結果の決定に用いられるデータ(特図表示結果決定用テーブルデータ)を選択する。この特図表示結果決定用テーブルデータにおいて、特図表示結果が「大当り」に割り当てられた決定値の範囲が、大当り決定範囲として設定されればよい。
その後、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データと、ステップS405の処理により設定された大当り決定範囲とを比較する(ステップS406)。これにより、乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS407)。一例として、CPU103は、大当り決定範囲に含まれる個々の決定値と、図4に示すステップS209の処理により抽出された特図表示結果決定用の乱数値MR1とを、逐一比較することにより、乱数値MR1と合致する決定値の有無を判定してもよい。あるいは、大当り決定範囲に含まれる決定値の最小値(下限値)と最大値(上限値)とを示す数値を設定して、CPU103が乱数値MR1と大当り決定範囲の最小値や最大値とを比較することにより、乱数値MR1が大当り決定範囲の範囲内であるか否かを判定してもよい。
ステップS407の処理にて大当り決定範囲内ではないと判定されたときには(ステップS407;No)、特定パターン決定範囲を設定する(ステップS408)。特定パターン決定範囲は、例えば合計保留記憶数にかかわらず、飾り図柄の可変表示態様が特定の表示態様となる変動パターンに決定することができる乱数値MR3の範囲として、予め定められていればよい。
ステップS408の処理では、ステップS401の処理により特定された遊技状態に応じて、異なる特定パターン決定範囲が設定されてもよい。一例として、図7に示すように、遊技状態が通常状態である通常時における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「230」〜「251」となる範囲に設定する。一方、確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中における特定パターン決定範囲を、変動パターン決定用の乱数値MR3が「240」〜「251」となる範囲に設定する。可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる可変表示が開始されるときには、図13(B1)に示すような通常時のハズレ変動パターン決定テーブル131Aまたは図13(B2)に示すような時短中のハズレ変動パターン決定テーブル131Bを用いて、変動パターンが決定される。
図13(B1)に示す通常時におけるハズレ変動パターン決定テーブル131Aの設定では、乱数値MR3が「230」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。また、図13(B2)に示す時短中におけるハズレ変動パターン決定テーブル131Bの設定では、乱数値MR3が「240」〜「251」のいずれかであれば、合計保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンに決定される。したがって、パチンコ遊技機1における始動入賞時あるいは可変表示開始時における合計保留記憶数にかかわらず、通常時には乱数値MR3が「230」〜「251」の範囲内であれば、また、時短中には乱数値MR3が「240」〜「251」の範囲内であれば、少なくともスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンという、特定の変動パターンに決定されると判定することができる。そこで、図6に示すステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が通常状態であれば、ステップS408の処理により「230」〜「251」の範囲を特定パターン決定範囲に設定する。また、ステップS401の処理により特定された現在の遊技状態が確変状態や時短状態において時短制御が行われる時短中であれば、ステップS408の処理により「240」〜「251」の範囲を特定パターン決定範囲に設定すればよい。
ステップS408の処理により特定パターン決定範囲を設定した後には、図4に示すステップS209の処理により抽出された変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データと、特定パターン決定範囲とを比較する(ステップS409)。そして、乱数値MR3が特定パターン決定範囲内であるか否かを判定する(ステップS410)。こうした判定を行うための手法は、ステップS407の処理により乱数値MR1が大当り決定範囲内であるか否かを判定するための手法と同様であればよい。
この実施の形態では、普通入賞球装置6Aが形成する第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第1始動口スイッチ22Aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第1始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する。また、普通可変入賞球装置6Bが形成する第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球が第2始動口スイッチ22Bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づいて、主基板11から演出制御基板12に対して第2始動口入賞指定コマンドを送信することにより、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する。
第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第1始動入賞時に抽出された遊技用乱数(特図表示結果決定用の乱数値MR1および変動パターン決定用の乱数値MR3など)を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の検出時である第2始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた比較結果(入賞時判定結果)も、演出制御基板12の側に対して通知する。
こうした第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容は、ステップS404、S407、S410の処理による判定結果に応じて設定される(ステップS411)。図8は、ステップS411の処理による通知内容の設定例を示している。例えばステップS404の処理にて始動口バッファ値が「2」ではなく「1」であると判定されたときには(ステップS404;No)、通知内容が「入賞時判定制限中」に設定される。ステップS407にて乱数値MR1が大当り決定範囲内であると判定されたときには(ステップS407;Yes)、通知内容が「大当り判定あり」に設定される。ステップS410にて特定パターン決定範囲内であると判定されたときには通知内容が「ハズレ特定パターン判定あり」に設定される一方、ステップS410にて特定パターン決定範囲外であると判定されたときには通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」に設定される。
図9(A)に示すように、この実施の形態では、始動口入賞指定コマンドとして、第1始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB1XXHと、第2始動口入賞指定コマンドとなるコマンドB2XXHとが、予め用意されている。なお、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。始動口入賞指定コマンドでは、ステップS411の処理によって設定された通知内容に応じて、EXTデータ(2バイト構成のうち下位1バイトのデータ)を異ならせる。
図9(B)は、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容を例示している。図9(B)に示す第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドのうち、コマンドB100HやコマンドB200Hは、通知内容が「入賞時判定制限中」を示している。コマンドB101HやコマンドB201Hは、通知内容が「大当り判定あり」を示している。コマンドB102HやコマンドB202Hは、通知内容が「ハズレ特定パターン判定あり」を示している。コマンドB103HやコマンドB203Hは、通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」を示している。
ステップS411の処理による通知内容の設定に基づいて、始動口入賞指定コマンドを送信するための設定が行われる(ステップS412)。このときには、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかに応じて、第1始動口入賞指定コマンドを送信するか第2始動口入賞指定コマンドを送信するかが決定される。そして、ステップS411の処理により設定された通知内容に対応したEXTデータをセットすることにより、通知内容に応じてEXTデータが異なる始動口入賞指定コマンドが送信される。
ステップS412の処理により、第1始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2始動口入賞指定コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2始動条件の成立を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いて、可変表示結果が「大当り」に決定されるか否かや特定の変動パターンに決定されるか否かの入賞時判定結果を通知する判定結果情報として送信される。なお、第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドとは別に、始動入賞時に抽出された遊技用乱数を用いた入賞時判定結果を通知する演出制御コマンド(例えば入賞時判定結果指定コマンドなど)を、送信するようにしてもよい。
ステップS412の処理を実行した後には、保留記憶数通知コマンドの送信設定が行われてから(ステップS413)、入賞時乱数値判定処理が終了する。図9(A)に示すように、この実施の形態では、保留記憶数通知コマンドとして、第1保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC1XXHと、第2保留記憶数通知コマンドとなるコマンドC2XXHとが、予め用意されている。これらの保留記憶数通知コマンドでは、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数に応じて、異なるEXTデータが設定される。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。第2保留記憶数通知コマンドは、第2特図保留記憶数を通知する演出制御コマンドである。図6に示すステップS418の処理では、始動口バッファ値が「1」であるときに、演出制御基板12に対して第1保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには、演出制御基板12に対して第2保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う。
ステップS413の処理により、第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知する演出制御情報として、演出制御基板12の側へと送信される。この実施の形態において、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれを遊技球が通過(進入)して始動入賞が発生したかを通知するとともに、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とのいずれが増加したかを指定する保留通知情報として送信される。
なお、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。あるいは、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、あるいは第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドとともに、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
図6に示す入賞時乱数値判定処理では、ステップS402にて大当り中であると判定されたことや、ステップS403にて時短制御中であると判定されたことに基づいて、ステップS404の処理により始動口バッファ値が「2」であるか否かを判定する。このとき、始動口バッファ値が「1」であり「2」ではない場合には、ステップS405〜S410の処理を実行せずにステップS411の処理に進み、大当り判定範囲や特定パターン決定範囲などの判定が制限中であることに対応して通知内容が「入賞時判定制限中」を示す始動口入賞指定コマンドの送信設定を行う。こうして、時短制御に伴う高開放制御が行われるときや、大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる始動入賞(第1始動入賞)の発生に基づく乱数値の判定が行われないように制限する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される場合に、高開放制御中や大当り遊技状態であるときには、第1始動入賞に基づく演出(先読み予告など)が実行されないように制限して、遊技の健全性を確保することができる。
図3に示すステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部151Aや第2特図保留記憶部151Bに記憶されている保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を「大当り」とするか否かを、その可変表示結果が導出表示される以前に決定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果に対応して、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄やハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、可変表示結果を「大当り」とするか否かの事前決定結果などに基づいて、変動パターンを複数種類のいずれかに決定する処理などが含まれている。特別図柄や飾り図柄の可変表示時間は、変動パターンに対応して予め設定されている。したがって、変動パターン設定処理にて変動パターンを決定することにより、特別図柄の可変表示を開始してから可変表示結果となる確定特別図柄を導出するまでの可変表示時間が決定される。また、変動パターン設定処理は、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かを決定する処理を含んでもよい。あるいは、変動パターン設定処理にて可変表示結果が「ハズレ」となる場合の変動パターンを所定割合で決定することにより、飾り図柄の可変表示態様を「リーチ」とするか否かが決定されてもよい。さらに、変動パターン設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄の変動を開始させるための設定を行う処理を含んでもよい。変動パターン設定処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を停止表示させるための設定を行う処理が含まれている。そして、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われる。大当りフラグがオンである場合には、特図表示結果が「大当り」であることに基づく大当り遊技状態の開始を指定する当り開始指定コマンドの送信設定を行うとともに、特図プロセスフラグの値を“4”に更新する。大当りフラグがオフである場合には、特図プロセスフラグの値を“0”に更新する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、可変表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンド遊技の実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。この処理では、例えば大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定することにより、通常開放ラウンドが実行されるようにすればよい。なお、大当り種別に「突確」を設けた場合には、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定することにより、短期開放ラウンドが実行されるようにすればよい。大当り開放前処理が実行されたときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻したときには、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンド遊技の実行回数が所定の上限回数に達したか否かを判定する処理や、上限回数に達していない場合に次回のラウンド遊技が開始されるまで待機する処理などが含まれている。そして、次回のラウンド遊技が開始されるときには、特図プロセスフラグの値が“4”に更新される一方、ラウンド遊技の実行回数が上限回数に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、画像表示装置5やスピーカ8L、8R、遊技効果ランプ9などといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、確変制御条件の成否に対応して確変状態や時短状態に制御するための各種の設定を行う処理などが含まれている。例えば、大当り種別が「確変」であるか「非確変」であるかに応じて、確変状態や時短状態に制御するための設定が行われる。その後、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図10は、特別図柄通常処理として、図3のステップS110にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図10に示す特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数は、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第2保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、例えば第2特図保留記憶部151Bの先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第2始動入賞口における始動入賞(第2始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第2特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第2特図保留記憶部151Bにおける記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部151Bにて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数は、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である。CPU103は、第1保留記憶数カウント値を読み出し、その読出値が「0」であるか否かを判定すればよい。このように、ステップS235の処理は、ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であると判定されたときに実行されて、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する。これにより、第2特図を用いた特図ゲームは、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行が開始されることになる。
なお、第2特図を用いた特図ゲームが第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものに限定されない。すなわち、第1始動入賞口であるか第2始動入賞口であるかにかかわらず、遊技球が始動入賞口を通過(進入)した順番で、特図ゲームが実行されるようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを、保留データとともに、あるいは保留データとは別個に、保留番号と対応付けてRAM102の所定領域に記憶させておき、それぞれの保留データに対応する特図ゲームについて、始動条件が成立した順番を特定可能にすればよい。
ステップS235にて第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、例えば第1特図保留記憶部151Aの先頭領域(例えば保留番号「1」に対応する記憶領域)といった、RAM102の所定領域に記憶されている保留データとして、所定の乱数値を示す数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、図3に示すステップS101の始動入賞判定処理で第1始動入賞口における始動入賞(第1始動入賞)の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えば変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算して更新することなどにより、第1特図保留記憶数を1減算させるように更新するとともに、第1特図保留記憶部151Aにおける記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部151Aにて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算するように更新してもよい。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された特図表示結果決定テーブルを選択し、特図表示結果を決定するための使用テーブルに設定する。特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データに基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定すればよい。
図11(A)は、ステップS239の処理による特図表示結果の決定例を示している。このように、特図表示結果を「大当り」と「ハズレ」のいずれとするかが、特図表示結果決定用の乱数値MR1を示す数値データや特図表示結果決定テーブルを用いて、所定割合で決定されればよい。図11(A)に示す決定例では、確変状態における確変制御の有無に応じて、特図表示結果を「大当り」とするか否かの決定割合を異ならせている。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた確変フラグがオンである場合に、確変制御が行われていると判定すればよい。
図11(A)に示すように、確変状態にて確変制御が行われているときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも高い割合で、特図表示結果が「大当り」に決定される。したがって、例えば図3に示すステップS117の大当り終了処理により、大当り種別が「確変」であった場合に対応して確変フラグがオン状態にセットされたことなどに基づいて、確変制御が行われる確変状態であるときには、通常状態や時短状態にて確変制御が行われていないときよりも、特図表示結果が「大当り」になりやすく、大当り遊技状態になりやすい。
この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、確変制御の有無に応じた所定割合で特図表示結果が決定される。これに対して、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合のそれぞれに対応して、特図表示結果に対する決定値の割当てが異なる決定テーブルを用意してもよい。この場合には、第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームの場合と、第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームの場合とでは、所定の特図表示結果(例えば「小当り」など)に対する決定値の割当てを異ならせてもよい。
その後、CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。また、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101の所定領域に記憶するなどして用意された大当り種別決定テーブルを選択し、大当り種別を決定するための使用テーブルに設定する。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、大当り種別を複数種類のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2を示す数値データに基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
図11(B)は、ステップS242の処理による大当り種別の決定例を示している。この決定例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、所定割合で大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれかに決定される。なお、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、決定可能な大当り種別を異ならせてもよいし、大当り種別の決定割合を異ならせてもよい。一例として、変動特図が第1特図である場合には所定割合で大当り種別が「突確」に決定可能とする一方、変動特図が第2特図である場合には大当り種別が「突確」には決定されないように設定してもよい。
ステップS242の処理を実行した後には、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御バッファ設定部など)に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させればよい。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果となる確定特別図柄を決定する(ステップS244)。一例として、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではないと判定された場合には、ハズレ図柄として予め定められた「−」の記号を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定する。一方、ステップS240にて特図表示結果が「大当り」であると判定された場合には、ステップS242における大当り種別の決定結果に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定すればよい。より具体的には、大当り種別が「非確変」の場合には「3」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。大当り種別が「確変」の場合には「7」の数字を示す特別図柄を、確定特別図柄に決定すればよい。
ステップS244の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“1”に更新してから(ステップS245)、特別図柄通常処理を終了する。ステップS245の処理にて特図プロセスフラグの値が“1”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS111の変動パターン設定処理が実行される。
ステップS235にて第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、所定のデモ表示設定を行ってから(ステップS246)、特別図柄通常処理を終了する。このデモ表示設定では、例えば画像表示装置5において所定の演出画像を表示することなどによるデモンストレーション表示(デモ画面表示)を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)が、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する。このとき、送信済みであれば、そのままデモ表示設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信するための設定を行ってから、デモ表示設定を終了する。
図12(A)は、変動パターン設定処理として、図3のステップS111にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図12(A)に示す変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;Yes)、特図表示結果が「大当り」となる大当り時に対応した変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、特図表示結果が「ハズレ」となるハズレ時に対応した変動パターンを決定する(ステップS263)。
図12(B)は、この実施の形態における変動パターンを示している。この実施の形態では、可変表示結果(特図表示結果)が「ハズレ」となる場合のうち、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様にはならない「非リーチ」である場合とリーチ態様になる「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、可変表示結果(特図表示結果)が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。
図12(A)に示すステップS262の処理では、例えば図13(A)に示す大当り変動パターン決定テーブル130を用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り変動パターン決定テーブル130では、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り変動パターン決定テーブル130を参照することにより、可変表示結果が「大当り」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図12(A)に示すステップS263の処理では、遊技状態が通常状態である通常時の場合と、遊技状態が確変状態や時短状態で時短制御が行われる時短中の場合とに対応して、予め用意したハズレ変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。例えば、通常時には、図13(B1)に示すハズレ変動パターン決定テーブル131Aを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。一方、時短中には、図13(B2)に示すハズレ変動パターン決定テーブル131Bを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。ハズレ変動パターン決定テーブル131A、131Bでは、合計保留記憶数に応じて、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、変動パターンの決定結果に、割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファから読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、通常時と時短中とに応じたハズレ変動パターン決定テーブル131A、131Bのいずれかを参照することにより、可変表示結果が「ハズレ」となる場合に対応した変動パターンを決定すればよい。
図13(B1)に示すハズレ変動パターン決定テーブル131Aでは、合計保留記憶数が所定数(具体的には「2」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。図13(B2)に示すハズレ変動パターン決定テーブル131Bでも、合計保留記憶数が所定数(具体的には「1」)以上であるときに、所定数未満であるときよりも高い割合で、飾り図柄の可変表示態様が「非リーチ」に決定されるように、決定値が割り当てられている。このように、特図保留記憶数が所定数以上であるときには、所定数未満であるときよりも飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様に決定されにくいように設定されていればよい。これにより、特図保留記憶数が比較的に多いときには、比較的に少ないときよりも平均的な可変表示時間を短縮して、無効な始動入賞の発生を抑制することや、遊技者による遊技球の発射停止(いわゆる「止め打ち」)を低減することができる。
ステップS262、S263の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示時間である特図変動時間を設定する(ステップS264)。特別図柄の可変表示時間となる特図変動時間は、特図ゲームにおいて特別図柄の変動を開始してから可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄が導出表示されるまでの所要時間である。特図変動時間は、図12(B)に示すように、予め用意された複数の変動パターンに対応して、予め定められている。CPU103は、特図変動時間を設定することにより、特別図柄や飾り図柄の可変表示結果が導出されるタイミングを設定できる。
ステップS264の処理に続いて、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させるための設定を行う(ステップS265)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図の表示を更新させる駆動信号を送信するための設定を行う。
ステップS265の処理を実行した後には、特別図柄の変動開始時におけるコマンドの送信設定が行われる(ステップS266)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第1変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第1保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第1変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレス(先頭アドレス)を指定する。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、主基板11から演出制御基板12に対して第2変動開始コマンド、変動パターン指定コマンド、可変表示結果通知コマンド、第2保留記憶数通知コマンドを順次に送信するために、予め用意された第2変動開始用コマンドテーブルのROM101における記憶アドレスを指定する。
第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドは、第1特別図柄表示装置4Aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始や、第2特別図柄表示装置4Bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を、指定する演出制御コマンドである。変動パターン指定コマンドは、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示に対応して画像表示装置5における「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rで可変表示される飾り図柄などの変動パターンを指定する演出制御コマンドである。可変表示結果通知コマンドは、特別図柄や飾り図柄などの可変表示結果を指定する演出制御コマンドである。
ステップS266の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を“2”に更新してから(ステップS267)、変動パターン設定処理を終了する。ステップS267にて特図プロセスフラグの値が“2”に更新されることにより、次回のタイマ割込みが発生したときには、図3に示すステップS112の特別図柄変動処理が実行される。
図14は、普通図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この普通図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、ゲート通過判定処理を実行する(ステップS131)。例えば、ステップS131のゲート通過判定処理では、ゲートスイッチ21からの検出信号に基づき、ゲートスイッチ21がオンであるか否かを判定し、オフであれば、そのままゲート通過判定処理を終了する。これに対して、ゲートスイッチ21がオンであるときには、例えばRAM102の所定領域に設けられた普図保留記憶部における保留データの記憶数である普図保留記憶数を示す普図保留記憶カウント値が、普図保留上限値として予め定められた値(例えば「4」)となっているか否かを判定する。このとき、普図保留上限値に達していれば、通過ゲートにおける今回の遊技球の通過を無効として、ゲート通過判定処理を終了する。その一方で、普図保留上限値に達していない場合には、例えば乱数回路104やRAM102の所定領域(遊技制御カウンタ設定部など)に設けられたランダムカウンタ等によって更新される数値データのうちから、普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを抽出する。このとき抽出した乱数値MR5を示す数値データが、保留データとして普図保留記憶部における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される。この場合には、普図保留記憶数カウント値を1加算するように更新してから、ゲート通過判定処理を終了する。
普図保留記憶部は、通過ゲート41を遊技球が通過したものの未だ開始されていない普図ゲームの保留データを記憶する。一例として、普図保留記憶部は、通過ゲート41の通過順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過による普図始動条件の成立に基づいてCPU103が乱数回路104等から抽出した普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして普図保留記憶部に記憶された保留データは、普通図柄を用いた普図ゲームの実行が保留されていることを示し、この普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)に基づき「普図当り」に決定されるか否かなどを判定可能にする普図保留記憶情報となる。
ステップS131のゲート通過判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102の所定領域(遊技制御フラグ設定部など)に設けられた普図プロセスフラグの値に応じて、ステップS140〜S143の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS140の普通図柄通常処理は、普図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この普通図柄通常処理では、普図保留記憶部に格納された保留データの有無などに基づいて、普通図柄表示器20による普図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。このとき、例えば普図保留記憶部に格納された保留データがある場合には、普通図柄決定処理や普図変動時間決定処理などを実行してから、普図プロセスフラグの値を“1”に更新する。普通図柄決定処理は、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果である普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかを決定する処理である。普図変動時間決定処理は、普通図柄表示器20における普通図柄の可変表示を開始してから普図表示結果が導出されるまでの可変表示時間である普図変動時間を決定する処理である。
ステップS141の普通図柄変動処理は、普図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この普通図柄変動処理では、普通図柄表示器20において普通図柄を変動させるための設定が行われるとともに、その普通図柄が変動を開始してからの経過時間が計測される。また、こうして計測された経過時間が所定の普図変動時間に達したか否かの判定が行われる。
ステップS142の普通図柄停止処理は、普図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この普通図柄停止処理では、普図変動時間が経過したことに基づき、普通図柄表示器20にて普通図柄の変動を停止させ、普通図柄の可変表示結果となる確定普通図柄を停止表示(導出表示)させるための設定などを行う。ステップS143の普通電動役物作動処理は、普図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この普通電動役物作動処理では、普図ゲームにおける可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに対応して、普通可変入賞球装置6Bが備える可動翼片を垂直位置から傾動位置に移動させて、第2始動入賞口を閉鎖状態(または通常開放状態)から開放状態(または拡大開放状態)に変化させるための設定などが行われる。
ステップS140の普通図柄通常処理にて実行される普通図柄決定処理では、普図保留記憶部にて保留番号「1」に対応して記憶されている保留データ(普図保留記憶情報)である普図表示結果決定用の乱数値MR4を示す数値データが、CPU103によって読み出される。このときには、普図保留記憶部において保留番号「1」より下位のエントリ(例えば保留番号「2」〜「4」に対応するエントリ)を、1エントリずつ上位にシフトする。こうして読み出された保留データに基づいて、所定の普図表示結果決定テーブルを参照することにより、普図表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかが決定される。普図表示結果決定テーブルでは、普図表示結果決定用の乱数値MR4と比較される数値(決定値)が、普図表示結果を「普図当り」と「普図ハズレ」のいずれとするかの決定結果に、割り当てられていればよい。
図15(A)は、普通図柄決定処理による普図表示結果の決定例を示している。この決定例では、普図表示結果が「普図当り」になる場合として、普図表示結果が「第1普図当り」になる場合と「第2普図当り」になる場合とが設けられている。図15(A)に示す決定例では、パチンコ遊技機1における遊技状態が通常状態である通常時と、時短制御に伴う高開放制御が行われる時短中(高ベース中)とのいずれであるかにかかわらず、所定割合で普図表示結果が決定される。一方、通常時であるか時短中(高ベース中)であるかに応じて、普図表示結果の決定割合を異ならせてもよい。より具体的には、時短中(高ベース中)において、通常時よりも高い割合で、普図表示結果が「普図当り」に決定されてもよい。
ステップS140の普通図柄通常処理では、普通図柄決定処理により普図表示結果が決定された後、普図変動時間決定処理により普通図柄の可変表示時間となる普図変動時間が決定される。図15(B)は、普図変動時間決定処理による普図変動時間の決定例を示している。この決定例では、通常時と時短中(高ベース中)とに対応して、普図変動時間が「20秒」または「1.5秒」のいずれかに決定される。すなわち、時短中(高ベース中)において、通常時よりも短い普図変動時間に決定される。
ステップS143の普通電動役物作動処理では、予め用意された複数の普電作動パターンのいずれかを使用パターンに選択し、選択された普電作動パターンに応じて第2始動入賞口を閉鎖状態(または通常開放状態)から開放状態(または拡大開放状態)に変化させる。図15(C)は、この実施の形態で用意される普電作動パターンの設定例を示している。この設定例において、普電作動パターンFC1は、第2始動入賞口を閉鎖状態(または通常開放状態)から開放状態(または拡大開放状態)とする時間(開放時間)や回数(開放回数)が、普電作動パターンFC2よりも増加するように設定されている。図15(D)は、普通電動役物作動処理における普電作動パターンの決定例を示している。この決定例では、通常時と時短中(高ベース中)とに対応して、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じた普電作動パターンが決定される。より具体的には、通常時において、普図表示結果が「第1普図当り」であれば普電作動パターンFC1に決定される一方、普図表示結果が「第2普図当り」であれば普電作動パターンFC2に決定される。これに対して、時短中(高ベース中)においては、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかにかかわらず、普電作動パターンFC1に決定される。これにより、時短中(高ベース中)において、通常時よりも第2始動入賞口の開放時間や開放回数が増加する。
ここで、通常時には、図15(A)に示すような所定割合で普図表示結果が「第2普図当り」に決定されたことに対応して、図15(D)に示すように普電作動パターンFC2に決定される。一方、時短中(高ベース中)には、図15(A)に示すように通常時と同様の所定割合で普図表示結果が「第2普図当り」に決定されたことに対応して、図15(D)に示すように普電作動パターンFC1に決定される。すなわち、普図表示結果が「第2普図当り」に決定される割合は、通常時であるか時短中(高ベース中)であるかによって変化しないのに対して、その普図表示結果に対応して決定される普電作動パターンを、通常時と時短中(高ベース中)とで異ならせている。そして、時短中(高ベース中)には普図変動時間が通常時よりも短くなるように制御(いわゆる「普図時短制御」)することとあわせて、時短中(高ベース中)には通常時よりも第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)に変化する頻度が高くなり、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなる。このように、普図表示結果の決定割合を、時短中(高ベース中)において通常時よりも高くする制御(いわゆる「普図確変制御」)を行うことなく、時短中(高ベース中)には通常時よりも第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすくなるように制御してもよい。
このように、時短制御に伴う高開放制御が行われる時短中(高ベース中)には、普図表示結果が「普図当り」に決定される割合が高くなること、普図変動時間が短くなること、第2始動入賞口の開放時間や開放回数が増加すること、あるいは、こうした設定の一部または全部を組み合わせることにより、通常時よりも第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となる割合が高くなり、通常時よりも高い頻度で遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。
加えて、ステップS143の普通電動役物作動処理では、普電作動パターンによる第2始動入賞口の開閉制御を開始するときと終了するときに、所定の演出制御コマンドを演出制御基板12に対して送信するための設定が行われる。この実施の形態では、普電作動開始コマンドとして、図15(E)に示すような第1の普電作動開始コマンドとなるコマンドD101Hと、第2の普電作動開始コマンドとなるコマンドD102Hとが、予め用意されている。また、普電作動終了コマンドとなるコマンドD200Hが予め用意されている。CPU103は、普電作動パターンFC1による第2始動入賞口の開閉制御を開始するときに、第1の普電作動開始コマンドを送信するための設定を行う一方、普電作動パターンFC2による第2始動入賞口の開閉制御を開始するときに、第2の普電作動開始コマンドを送信するための設定を行う。その後、第2始動入賞口の開閉制御を終了するときに、普電作動終了コマンドを送信するための設定を行う。こうした普電作動開始コマンドや普電作動終了コマンドが伝送されることにより、演出制御基板12の側では、例えば演出制御用CPU120により、第2始動入賞口の開閉制御が開始されるタイミングと終了するタイミング、さらには第2始動入賞口の開閉制御における普電作動パターンを、特定することができる。
図16は、通常時または時短中(高ベース中)に普図表示結果が「第1普図当り」となる場合や、時短中(高ベース中)に普図表示結果が「第2普図当り」となる場合に対応して、普電作動パターンFC1により普通電動役物用のソレノイド81を駆動する制御や、開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球を第2始動口スイッチ22Bにより検出する動作の一例を示すタイミングチャートである。図16(A)〜(C)では、横軸が時間の経過を示している。
例えば図16(A)に示すように、普通図柄表示器20による普図ゲームにおいて、普通図柄の可変表示(変動表示)が行われ、普図表示結果が「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」となったことに基づき、普通可変入賞球装置6Bにて普通電動役物用のソレノイド81が駆動されて可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となり、遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)しやすくなる。図14に示すステップS143の普通電動役物作動処理にて普電作動パターンFC1が使用パターンに選択されたときには、図15(C)に示すような作動内容に応じて、図16(B)に示すようなソレノイド81の駆動制御が行われる。すなわち、0.1秒にわたりソレノイド81が駆動されて第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となった後、2.1秒にわたりソレノイド81の駆動が停止されて第2始動入賞口が閉鎖状態(または通常開放状態)となる。続いて、5.8秒にわたりソレノイド81が駆動されて第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となった後、ソレノイド81の駆動を停止して閉鎖状態(または通常開放状態)に戻す。
このような普電作動パターンFC1に対応したソレノイド81の駆動制御による第2始動入賞口の開閉制御が開始されるときには、図14に示すステップS143の普通電動役物作動処理における設定などに基づいて、第1の普電作動開始コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。一方、第2始動入賞口の開閉制御が終了するときには、普電作動終了コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば図16(C)に示すように、第2始動口スイッチ22Bによる検出信号がオン状態となる。このときには、図4に示すステップS212にて図6に示すような入賞時乱数値判定処理を実行することなどにより、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドが主基板11から演出制御基板12に対して送信される。
次に、演出制御基板12における動作を説明する。
演出制御基板12では、電源基板等から電源電圧の供給を受けると、演出制御用CPU120が起動して、所定の演出制御メイン処理を実行する。演出制御メイン処理を開始すると、演出制御用CPU120は、まず、所定の初期化処理を実行して、RAM122のクリアや各種初期値の設定、また演出制御基板12に搭載されたCTC(カウンタ/タイマ回路)のレジスタ設定等を行う。その後、タイマ割込みフラグがオンとなっているか否かの判定を行う。タイマ割込みフラグは、例えばCTCのレジスタ設定に基づき、所定時間(例えば2ミリ秒)が経過するごとにオン状態にセットされる。このとき、タイマ割込みフラグがオフであれば、待機する。
また、演出制御基板12の側では、所定時間が経過するごとに発生するタイマ割込みとは別に、主基板11から演出制御コマンドを受信するための割込みが発生する。この割込みは、例えば主基板11からの演出制御INT信号がオン状態となることにより発生する割込みである。演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みが発生すると、演出制御用CPU120は、自動的に割込み禁止に設定するが、自動的に割込み禁止状態にならないCPUを用いている場合には、割込み禁止命令(DI命令)を発行することが望ましい。演出制御用CPU120は、演出制御INT信号がオン状態となることによる割込みに対応して、例えば所定のコマンド受信割込み処理を実行する。このコマンド受信割込み処理では、I/O125に含まれる入力ポートのうちで、中継基板15を介して主基板11から送信された制御信号を受信する所定の入力ポートより、演出制御コマンドとなる制御信号を取り込む。このとき取り込まれた演出制御コマンドは、例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。その後、演出制御用CPU120は、割込み許可に設定してから、コマンド受信割込み処理を終了する。
タイマ割込みフラグがオンである場合には、タイマ割込みフラグをクリアしてオフ状態にするとともに、コマンド解析処理を実行する。コマンド解析処理では、例えば主基板11の遊技制御用マイクロコンピュータ100から送信されて演出制御コマンド受信用バッファに格納されている各種の演出制御コマンドを読み出した後に、その読み出された演出制御コマンドに対応した設定や制御などが行われる。
一例として、コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納された受信コマンドがある場合に、その受信コマンドのMODEデータを確認することなどにより、いずれの演出制御コマンドを受信したかを判定する。このとき、第1始動口入賞指定コマンドとともに第1保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、図17(A)に示すような第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第1始動口入賞指定コマンドと第1保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。一方、第2始動口入賞指定コマンドとともに第2保留記憶数通知コマンドを受信したときには、図17(B)に示すような第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域のうちで、バッファ番号となる保留表示番号が最も小さい格納領域に、第2始動口入賞指定コマンドと第2保留記憶数通知コマンドを順番に記憶させる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aには、第1始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第1始動口入賞指定コマンドおよび第1保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第1始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
図17(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bには、第2始動入賞の発生に対応して送信された1セットの演出制御コマンド(第2始動口入賞指定コマンドおよび第2保留記憶数通知コマンド)を対応付けて記憶できるように、格納領域が確保されている。演出制御用CPU120は、第2始動入賞が発生したときに受信した演出制御コマンドを、その受信順序に従って、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの保留表示番号「1」〜「4」に対応する格納領域における空き領域の先頭から順番に格納していく。
この実施の形態では、第1始動入賞や第2始動入賞が発生したことに基づいて、図6に示すような入賞時乱数値判定処理が実行されることなどにより、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に、コマンド送信が行われる。したがって、演出制御コマンドの受信が正常に行われれば、図17(A)および(B)に示すような保留表示番号「1」〜「4」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、保留記憶数通知コマンドの順に格納されていくことになる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aでは、保留表示番号「1」および「2」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。図17(B)に示す第2始動入賞時コマンドバッファ190Bでは、保留表示番号「1」〜「3」に対応する格納領域に受信コマンドが格納されている。第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドは、飾り図柄の可変表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留表示番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図17(A)に示す格納状態において第1特図を用いた特図ゲームの開始に対応して新たな飾り図柄の可変表示が開始された場合には、保留表示番号「1」に格納されている各コマンドが削除され、保留表示番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留表示番号「1」に対応した領域にシフトされるとともに、保留表示番号「3」や「4」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドが、保留表示番号「2」や「3」のそれぞれに対応した領域にシフトされる。
図17(A)に示す第1始動入賞時コマンドバッファ190Aのうち、バッファ番号「2」に対応した領域については、第1保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数が「1」となり不整合が生じた場合の例が示されている。すなわち、第1保留記憶数通知コマンドで通知された第1特図保留記憶数よりも保留表示番号の方が大きな値になっており、主基板11から通知された第1特図保留記憶数が第1始動入賞時コマンドバッファ190Aの記憶内容から特定される第1特図保留記憶数と矛盾(不整合)している。なお、飾り図柄の可変表示が開始されるときには各コマンドのシフトが行われることから、保留記憶数通知コマンドで通知された特図保留記憶数よりも保留表示番号が小さな値になっても直ちに矛盾(不整合)とはならない。ただし、コマンドの受信時点における特図保留記憶数と保留表示番号の相違は矛盾(不整合)となり得る。
なお、変動開始コマンド(第1変動開始コマンドまたは第2変動開始コマンド)とともに保留記憶数通知コマンド(第1保留記憶数通知コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンド)を受信した場合には、保留記憶数通知コマンドを始動入賞時コマンドバッファに格納しないようにしてもよい。すなわち、始動入賞の発生に対応して受信した演出制御コマンドを、始動入賞時受信コマンドバッファにおける空き領域の先頭から順次に格納することができればよい。
第1始動口入賞指定コマンドや第1保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第1始動入賞時コマンドバッファ190Aにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。また、第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを単独で受信したときには、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける空き領域の先頭から、順次に受信コマンドを格納してもよい。このときには、受信コマンドが始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドのいずれであるかを区別せずに格納してもよいし、各受信コマンドを区別して、対応する格納領域における空き領域の先頭に格納してもよい。各受信コマンドを区別して受信する場合には、取りこぼした受信コマンドの格納領域が空欄となり、1セットとして受信すべき一部の演出制御コマンドのみが過剰に格納されることになる。
具体的な一例として、第1始動口入賞指定コマンドと第2始動口入賞指定コマンドのいずれかを受信したときには、受信後の経過時間を計測することにより、保留記憶数通知コマンドの受信待ち時間が経過したか否かを判定する。そして、受信待ち時間が経過するより前に保留記憶数通知コマンドを受信できた場合には、始動口入賞指定コマンドに対応するコマンドとして正常な受信期間内に受信できたとして、既に始動入賞時コマンドバッファに記憶されている始動口入賞指定コマンドと対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納する。一方、受信待ち時間が経過してから保留記憶数通知コマンドを受信した場合や、経過時間の計測が行われていないのに保留記憶数通知コマンドを受信した場合には、正常な受信期間内に受信できなかったとして、あるいは、始動口入賞指定コマンドが欠落しているとして、始動入賞時コマンドバッファにて新たなバッファ番号と対応付けて、受信した保留記憶数通知コマンドを格納すればよい。
コマンド解析処理を実行した後には、演出制御プロセス処理を実行する。演出制御プロセス処理では、例えば画像表示装置5の画面上における演出画像の表示動作、スピーカ8L、8Rからの音声出力動作、遊技効果ランプ9および装飾用LEDなどの発光体における点灯動作といった、各種の演出装置を用いた演出動作の制御内容について、主基板11から送信された演出制御コマンド等に応じた判定や決定、設定などが行われる。演出制御プロセス処理に続いて、演出用乱数更新処理が実行され、演出制御に用いる各種の乱数値として、RAM122のランダムカウンタによってカウントされる演出用乱数を示す数値データを、ソフトウェアにより更新する。
図18は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。図18に示す演出制御プロセス処理では、まず、連続演出を実行するか否かなどを決定する連続演出決定処理(ステップS161)と、普通図柄の可変表示に合わせた普図連動演出の実行を制御する普図連動制御処理(ステップS162)とが実行される。
図19(A)は、連続演出決定処理として、図18のステップS161にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図19(A)に示す連続演出決定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば第1始動入賞時コマンドバッファ190Aや第2始動入賞時コマンドバッファ190Bといった、始動入賞時コマンドバッファにおける記憶内容をチェックする(ステップS501)。そして、ステップS501の処理によるチェック結果に基づいて、新たな第2始動入賞があるか否かを判定する(ステップS502)。例えば、ステップS502の処理では、始動入賞時に受信する演出制御コマンド(始動口入賞指定コマンドや保留記憶数通知コマンドなど)のうち、少なくとも第2始動入賞の発生に対応して伝送される第2始動口入賞指定コマンドまたは第2保留記憶数通知コマンドのいずれか1つが第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにて新たに格納されているときに、新たな第2始動入賞があると判定すればよい。
ステップS502にて新たな第2始動入賞がないと判定された場合には(ステップS502;No)、連続演出決定処理を終了する。一方、新たな第2始動入賞があると判定された場合には(ステップS502;Yes)、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS503)。連続演出フラグは、連続演出を実行すると決定されたことに対応して、後述するステップS509の処理によりオン状態にセットされる。
ステップS503にて連続演出フラグがオフであるときには(ステップS503;No)、始動入賞の発生に基づく受信コマンド(始動口入賞指定コマンドおよび保留記憶数通知コマンド)の順序と内容をチェックして(ステップS504)、正常に受信できたか否かを判定する(ステップS505)。ステップS505の処理では、例えば始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであるか否か、いずれも欠落なく受信できたか否か、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないかなどの確認を行い、いずれか1つでも否定された場合には、正常に受信できなかったと判定すればよい。
具体的な一例として、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける保留表示番号「2」の格納領域に、第2特図保留記憶数が「1」であることを通知する第2保留記憶数通知コマンドが格納されている場合には、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bの記憶状態から特定される第2特図保留記憶数と、第2保留記憶数通知コマンドにより通知された第1特図保留記憶数との相違が許容されない場合であるとして、保留記憶数通知コマンドの内容に矛盾(不整合)があると判断すればよい。
始動口入賞指定コマンドと保留記憶数通知コマンドの受信が順番通りであること、いずれも欠落なく受信できたこと、受信コマンドの内容に矛盾(不整合)がないことのうち、いずれか1つでも否定された場合に異常が発生したと判定するものに限定されず、例えばいずれか2つが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。あるいは、すべてが否定された場合に異常が発生したと判定するようにしてもよい。
ステップS505にて正常に受信できなかったと判定された場合には(ステップS505;No)、連続演出決定処理を終了する。こうして、第2始動入賞の発生に対応して伝送される第2始動口入賞指定コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを正常に受信できなかったときには、連続演出を実行しないように制限(禁止)する。これにより、誤った判定結果に基づく連続演出の実行を防止して、連続演出の信頼性が低下しないようにすることができる。
ステップS505にて正常に受信できたと判定された場合には(ステップS505;Yes)、主基板11から伝送された普電作動開始コマンドの内容を特定する(ステップS506)。普電作動開始コマンドは、例えばコマンド解析処理にて受信したと判定されたときに、RAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた普電作動情報バッファなどに格納して記憶されればよい。演出制御用CPU120は、ステップS506の処理にて普電作動情報バッファの記憶データを読み取ることにより、普電作動開始コマンドの内容を特定すればよい。
ステップS506の処理に続いて、連続演出を実行するか否かという連続演出の有無を決定する(ステップS507)。一例として、ステップS507の処理では、連続演出の有無を決定するための使用テーブルとして、予め用意された連続演出実行決定テーブルを選択してセットする。連続演出実行決定テーブルでは、連続演出実行決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、連続演出を実行しない場合に対応する「実行なし」の決定結果や、連続演出を実行する場合に対応する「実行あり」の決定結果に、割り当てられていればよい。この実施の形態では、連続演出を実行するための所定条件が成立するときに送信された普電作動開始コマンドが第1または第2の普電作動開始コマンド(図15(E)を参照)のうちいずれであるかに応じて、連続演出を実行するか否かの決定結果に対する決定値の割当てを異ならせる。連続演出を実行するための所定条件は、例えば普図ゲームにおける普図表示結果が「普図当り」となったことに基づき第2始動入賞口を開放状態(または拡大開放状態)に変化させる開閉制御が開始されるときに、成立すればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出した連続演出実行決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、連続演出実行決定テーブルを参照することにより、連続演出の有無を決定すればよい。
図19(B)は、ステップS507の処理による連続演出の有無の決定例を示している。この決定例では、連続演出を実行可能とする所定条件の成立時に第1の普電作動開始コマンドを受信した場合に、常に(100/100の決定割合で)連続演出を実行することに決定する。一方、所定条件の成立時に第2の普電作動開始コマンドを受信した場合に、第1の普電作動開始コマンドを受信した場合よりも低い所定割合(1/100の決定割合)で連続演出を実行することに決定する。図15(E)に示すように、第1の普電作動開始コマンドは、普電作動パターンFC1による第2始動入賞口の開閉制御が開始されることを示している。一方、第2の普電作動開始コマンドは、普電作動パターンFC2による第2始動入賞口の開閉制御が開始されることを示している。したがって、図19(B)に示すような所定割合で連続演出の有無を決定することで、普電作動パターンFC1により開放状態(または拡大開放状態)に変化した第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときに、普電作動パターンFC2により開放状態(または拡大開放状態)に変化した第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときとは異なる割合で、連続演出を実行するか否かを決定できる。特に、普電作動パターンFC2よりも遊技者にとって有利な普電作動パターンFC1により開放状態(または拡大開放状態)に変化した第2始動入賞口を遊技球が通過したときには、普電作動パターンFC2の場合よりも高い割合で、連続演出を実行することに決定される。これにより、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)しやすいときに高い割合で連続演出を実行することができる。
また、この実施の形態では、ステップS507の処理が実行されたときに、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行中であること、および、第2特図保留記憶数が「2」以上であることを条件に、図19(B)に示す割合で連続演出の有無を決定する。一方、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行されていないとき、または、第2特図保留記憶数が「1」であるときには、連続演出を実行しないことに決定する。第1特図を用いた特図ゲームが実行中であることは、主基板11から伝送された第1変動開始コマンドを受信した後、特別図柄や飾り図柄の可変表示時間が経過する前であることなどから特定すればよい。第2特図保留記憶数は、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにて受信コマンドが格納されている保留表示番号、または、第2保留記憶数通知コマンドのEXTデータを、読み取ることなどにより特定すればよい。こうして、第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示となる特図ゲームが実行されているときに、所定条件の成立に基づいて第2始動入賞口を複数の遊技球が通過(進入)したことに応じて、連続演出を実行するか否かが決定される。
ステップS507の処理による決定に基づいて、連続演出を実行する「実行あり」となったか否かを判定する(ステップS508)。このとき、連続演出を実行しない「実行なし」と判定された場合には(ステップS508;No)、連続予告決定処理を終了する。一方、連続予告を実行する「実行あり」と判定された場合には(ステップS508;Yes)、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた連続演出フラグをオン状態にセットする(ステップS509)。そして、RAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた連続演出カウンタの格納値である連続演出カウント値を「0」に初期化してから(ステップS510)、連続演出決定処理を終了する。
ステップS503にて連続演出フラグがオンであると判定された場合には(ステップS503;Yes)、連続演出カウント値が「0」であるか否かを判定する(ステップS511)。ここで、連続演出カウント値は、ステップS510の処理により「0」に初期化された後、次回の飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して、図21に示すステップS601の処理が実行されたときに、1加算するように更新される。したがって、ステップS511の処理を実行したときに連続演出カウント値が「0」であれば、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて連続演出を実行すると決定された後、次回の可変表示が開始されるより前に、新たな遊技球が第2始動入賞口を通過(進入)したことになる。連続演出は、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、次回の可変表示が開始されてから、その実行が開始される。すなわち、ステップS511の処理を実行したときに連続演出カウント値が「0」であれば、連続演出を実行することに決定されているものの、未だ連続演出の実行が開始されていない。そこで、ステップS511にて連続演出カウント値が「0」であると判定されたときには(ステップS511;Yes)、連続演出決定処理を終了する。
一方、ステップS511にて連続演出カウント値が「0」以外であるときには(ステップS511;No)、既に連続演出の実行が開始されている。この場合には、RAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出中入賞フラグがオンであるか否かを判定し(ステップS512)、オフである場合には(ステップS512;No)、この演出中入賞フラグをオン状態にセットする(ステップS513)。このときには、第2特図保留記憶数をRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に設けられた演出中入賞保留バッファに記憶させる(ステップS514)。ステップS512にて演出中入賞フラグがオンである場合には(ステップS512;Yes)、ステップS513、S514の処理を実行せずに、連続演出決定処理を終了する。こうして、連続演出の実行が開始された後、第2始動入賞口を1個目の遊技球が通過(進入)したときには、ステップS513の処理により演出中入賞フラグがオン状態にセットされるとともに、ステップS514の処理により第2特図保留記憶数が記憶される。このような設定に基づいて、実行が開始された連続演出の内容(演出態様)を変更可能にする。
図18のステップS162にて実行される普図連動演出制御処理の一例として、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送される普図変動開始指定コマンドの受信があるか否かを判定する。普図変動開始指定コマンドは、普図ゲームにおける普通図柄の可変表示が開始されることに対応して、図14に示すステップS140の普通図柄通常処理に含まれる普通図柄判定処理での送信設定などにより、主基板11から演出制御基板12に対して送信されればよい。こうした普図変動開始指定コマンドの受信があった場合には、大当り中ではないことや、時短制御中ではないこと、第2特図保留記憶数が上限値(例えば「4」)に達していないことなどを条件に、所定割合で普図連動演出を実行するか否かを決定する。このとき、演出制御用CPU120は、連続演出が実行されている場合に、実行されていない場合よりも高い割合で、普図連動演出を実行することに決定してもよい。あるいは、連続演出が実行されている場合には、普図連動演出を実行しないことに決定してもよい。あるいは、例えばスーパーリーチのリーチ演出といった、連続演出とは異なる所定演出が画像表示装置5の画面上といった所定の演出装置で行われる場合には、普図連動演出を実行しないことに決定してもよい。これにより、連続演出や所定演出に対する遊技者の注目度の低下を防止して、連続演出や所定演出の演出効果を低減させないようにすることができる。そして、普図連動演出を実行しないことに決定された場合には、普図連動演出制御処理を終了する。
普図連動演出を実行することに決定された場合には、普通図柄の可変表示結果が「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」といった「普図当り」になるか否かを判定する。普通図柄の可変表示結果が「普図当り」になると判定された場合には、「普図当り」となることを報知するために予め用意された普図連動演出パターンによる普図連動演出を開始するための設定が行われる。これにより、例えば画像表示装置5の画面上に設けられた普図連動演出実行エリアにおいて、スロットあるいはルーレットの回転が開始されるような演出画像の表示が行われた後、「○」を示す図柄が停止表示される。また、第2始動入賞口を閉鎖状態(または通常開放状態)から開放状態(または拡大開放状態)へと変化させる制御の開始に対応して、第2始動入賞口が開放状態となる旨を報知するための演出画像を、画像表示装置5の画面上に表示させてもよい。こうして、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となって第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となることを、遊技者が認識可能に報知すればよい。
一方、普図連動演出が実行される場合に、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」になると判定されたときには、「普図ハズレ」となることを報知するために予め用意された普図連動演出パターンによる普図連動演出を開始するための設定が行われる。これにより、例えば普図連動演出実行エリアにおいて、スロットあるいはルーレットの回転が開始されるような演出画像の表示が行われた後、「×」を示す図柄が停止表示される。また、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となる場合であっても、実行中の特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となるか否かに応じた所定割合で、特図表示結果報知を実行するか否かが決定される。このとき、特図表示結果報知を実行することに決定された場合には、予め用意された特図表示結果報知パターンの決定結果に応じた報知態様で、特図表示結果報知が行われる。一例として、予め用意された複数の特図表示結果報知パターンのうちで第1の特図表示結果報知パターンに決定された場合には、普図連動演出実行エリアにおいてスロットあるいはルーレットの回転が行われた後に「チャンス」の文字を示す図柄が停止表示される。一方、第1の特図表示結果報知パターンとは異なる第2の特図表示結果報知パターンに決定された場合には、普図連動演出実行エリアにおいてスロットあるいはルーレットの回転が行われた後に「激アツ」の文字を示す図柄が停止表示される。「激アツ」の文字を示す図柄が停止表示される第2の特図表示結果報知パターンによる特図表示結果報知が実行された場合には、「チャンス」の文字を示す図柄が停止表示される第1の特図表示結果報知パターンによる特図表示結果報知が実行された場合よりも高い割合で、特別図柄の可変表示結果が「大当り」となればよい。
このように、普図連動演出では、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となり遊技球が通過(進入)しやすくなる可能性、または、特図ゲームにおける特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる可能性を示唆すればよい。そして、普図連動演出による特図表示結果報知は、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となることを報知する普図連動演出が実行された後に行われる。したがって、普通図柄の可変表示結果が「普図ハズレ」となることが報知されて遊技者が落胆した後に、遊技者にとってより好ましい「大当り」となる可能性があることを示唆できる。これにより、普図連動演出に対する遊技者の注目度を高めるとともに、演出の意外性を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となることを報知する普図連動演出が実行された後や、普通図柄の可変表示結果を報知する普図連動演出が実行されないときに、特図表示結果報知を実行可能にしてもよい。この場合には、普図連動演出の決定より先に、特図表示結果報知の決定が行われてもよい。このように、特図表示結果報知は、普通図柄の可変表示に連動して実行されるものであればよい。
図18に示すステップS162にて普図連動演出制御処理を実行した後には、例えばRAM122の所定領域(演出制御フラグ設定部など)に設けられた演出プロセスフラグの値に応じて、以下のようなステップS170〜S175の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“0”のときに実行される処理である。この可変表示開始待ち処理は、主基板11からの第1変動開始コマンドあるいは第2変動開始コマンドなどを受信したか否かに基づき、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示を開始するか否かを判定する処理などを含んでいる。そして、第1変動開始コマンドや第2変動開始コマンドを受信したときには、演出プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS171の可変表示開始設定処理は、演出プロセスフラグの値が“1”のときに実行される処理である。この可変表示開始設定処理は、第1特別図柄表示装置4Aや第2特別図柄表示装置4Bによる特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示が開始されることに対応して、画像表示装置5の画面上における飾り図柄の可変表示や、その他の各種演出動作を行うために、特別図柄の変動パターンや表示結果の種類などに応じた確定飾り図柄や各種の演出制御パターンを決定する処理などを含んでいる。可変表示開始設定処理が実行されたときには、演出プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“2”のときに実行される処理である。この可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマにおけるタイマ値に対応して、演出制御パターンから各種の制御データを読み出し、飾り図柄の可変表示中における各種の演出制御を行うための処理が含まれている。また、可変表示中演出処理には、主基板11から伝送される図柄確定指定コマンドを受信したことなどに対応して、飾り図柄の可変表示結果となる最終停止図柄としての確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させる処理が含まれている。なお、所定の演出制御パターンから終了コードが読み出されたことに対応して、確定飾り図柄を完全停止表示(導出表示)させるようにしてもよい。この場合には、変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応する可変表示時間が経過したときに、主基板11からの演出制御コマンドによらなくても、演出制御基板12の側で自律的に確定飾り図柄を導出表示して可変表示結果を確定させることができる。こうした演出制御などを行った後に、演出プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が“3”のときに実行される処理である。この特図当り待ち処理において、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された当り開始指定コマンドの受信があったか否かを判定する。そして、当り開始指定コマンドを受信したきに、演出プロセスフラグの値を大当り中演出処理に対応した値である“4”に更新する。これに対して、当り開始指定コマンドを受信せずに、演出制御プロセスタイマがタイムアウトしたときには、特図ゲームにおける特図表示結果が「ハズレ」であったと判断して、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
ステップS174の大当り中演出処理は、演出プロセスフラグの値が“4”のときに実行される処理である。この大当り中演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態における演出内容に対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態における各種の演出制御を実行する。また、大当り中演出処理では、例えば主基板11からの当り終了指定コマンドを受信したことに対応して、演出プロセスフラグの値をエンディング演出処理に対応した値である“5”に更新する。
ステップS175のエンディング演出処理は、演出プロセスフラグの値が“5”のときに実行される処理である。このエンディング演出処理において、演出制御用CPU120は、例えば大当り遊技状態の終了などに対応した演出制御パターン等を設定し、その設定内容に基づく演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることや、音声制御基板13に対する指令(効果音信号)の出力によりスピーカ8L、8Rから音声や効果音を出力させること、ランプ制御基板14に対する指令(電飾信号)の出力により遊技効果ランプ9や装飾用LEDを点灯/消灯/点滅させることといった、大当り遊技状態の終了時における各種の演出制御を実行する。その後、演出プロセスフラグの値を初期値である“0”に更新する。
図20は、可変表示開始設定処理として、図18のステップS171にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図20に示す可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドなどに基づいて、特図表示結果が「ハズレ」となるか否かを判定する(ステップS521)。特図表示結果が「ハズレ」となる旨の判定がなされたときには(ステップS521;Yes)、例えば主基板11から伝送された変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンが、飾り図柄の可変表示態様をリーチ態様としない「非リーチ」の場合に対応した非リーチ変動パターンであるか否かを判定する(ステップS522)。
ステップS522にて非リーチ変動パターンであると判定された場合には(ステップS522;Yes)、非リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS523)。一例として、ステップS523の処理では、まず、乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等により更新される左確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」の飾り図柄表示エリア5Lに停止表示される左確定飾り図柄を決定する。次に、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「右」の飾り図柄表示エリア5Rに停止表示される右確定飾り図柄を決定する。このときには、右確定図柄決定テーブルにおける設定などにより、右確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄の図柄番号とは異なるように、決定されるとよい。続いて、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cに停止表示される中確定飾り図柄を決定する。
ステップS522にて非リーチ変動パターンではないと判定された場合には(ステップS522;No)、リーチ組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS524)。一例として、ステップS524の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される左右確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された左右確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「左」と「右」の飾り図柄表示エリア5L、5Rにて揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。さらに、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される中確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出し、ROM121に予め記憶されて用意された中確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、確定飾り図柄のうち画像表示装置5の表示領域における「中」の飾り図柄表示エリア5Cにて停止表示される中確定飾り図柄を決定する。ここで、例えば中確定飾り図柄の図柄番号が左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号と同一になる場合のように、確定飾り図柄が大当り組合せとなってしまう場合には、任意の値(例えば「1」)を中確定飾り図柄の図柄番号に加算または減算することなどにより、確定飾り図柄が大当り組合せとはならずにリーチ組合せとなるようにすればよい。あるいは、中確定飾り図柄を決定するときには、左確定飾り図柄及び右確定飾り図柄の図柄番号との差分(図柄差)を決定し、その図柄差に対応する中確定飾り図柄を設定してもよい。
ステップS521にて特図表示結果が「ハズレ」ではないと判定されたときには(ステップS521;No)、大当り組合せを構成する最終停止図柄となる確定飾り図柄の組合せを決定する(ステップS525)。一例として、ステップS525の処理では、まず、乱数回路124または演出用ランダムカウンタ等により更新される大当り確定図柄決定用の乱数値を示す数値データを抽出する。続いて、ROM121に予め記憶されて用意された大当り確定図柄決定テーブルを参照することなどにより、画像表示装置5の表示領域における「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rに揃って停止表示される図柄番号が同一の飾り図柄を決定する。
ステップS523〜S525の処理のいずれかを実行した後には、連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS526)。このとき、連続演出フラグがオンであると判定された場合には(ステップS526;Yes)、連続演出用設定処理を実行する(ステップS527)。図21は、ステップS527にて実行される連続演出用設定処理の一例を示すフローチャートである。
図21に示す連続演出用設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、連続演出カウント値を1加算するように更新する(ステップS601)。続いて、更新後の連続演出カウント値が「1」であるか否かを判定する(ステップS602)。このとき、連続演出カウント値が「1」であると判定された場合には(ステップS602;Yes)、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける記憶内容をチェックする(ステップS603)。そして、ステップS603の処理によるチェック結果に基づいて、連続演出による演出対象となる可変表示である演出対象変動を決定する(ステップS604)。
図19(A)に示すステップS507の処理では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行中であること、および、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)に変化するといった所定条件の成立に基づいて第2始動入賞口を複数の遊技球が通過(進入)したことに応じて、連続演出を実行するか否かが決定される。したがって、連続演出の実行を開始するときには、ステップS603の処理によるチェック結果として、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにて保留表示番号が「1」以上に対応した領域にコマンドが格納されている。すなわち、開始条件が成立した可変表示(今回の可変表示)も含めた複数回の可変表示にわたり連続演出を実行可能な状態になっている。この場合、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されている第2始動口入賞指定コマンドのうちに、通知内容が「大当り判定あり」または「ハズレ特定パターン判定あり」となるものが含まれているか否かを判定する。このような通知内容の第2始動口入賞指定コマンドが含まれているときには、そのコマンドに対応する可変表示を演出対象変動に決定すればよい。一方、通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」の第2始動口入賞指定コマンドのみが格納されているときには、格納されている領域の保留表示番号が最も大きいコマンドに対応する可変表示を演出対象変動に決定すればよい。
なお、今回の可変表示に対応して主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドの一方または両方により特定される可変表示内容によっては、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドがある場合であっても、開始条件が成立した今回の可変表示を演出対象変動に決定してもよい。例えば、今回の可変表示結果が「大当り」となる場合や、今回の可変表示における変動パターンがスーパーリーチのリーチ演出を伴う変動パターンである場合には、今回の可変表示を演出対象変動に決定してもよい。あるいは、ステップS604の処理では、今回の可変表示内容や第2始動口入賞指定コマンドの通知内容にかかわらず、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されている領域の保留表示番号が最も大きいコマンドに対応する可変表示を、演出対象変動に決定してもよい。
演出制御用CPU120は、ステップS604の処理による演出対象変動の決定結果に応じて、連続演出の総実行回数を設定する(ステップS605)。具体的な一例として、ステップS604の処理により今回の可変表示が演出対象変動に決定された場合には、連続演出の総実行回数を「1」に設定する。一方、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドに対応する可変表示が演出対象変動に決定された場合には、そのコマンドが格納されている領域の保留表示番号に1加算した値を、連続演出の総実行回数に設定すればよい。これにより、例えば保留表示番号が「1」の領域に格納されているコマンドに対応する可変表示が演出対象変動となる場合には、今回の可変表示を含めて2回の可変表示にわたり連続演出を実行するような設定が可能になる。
ステップS605の処理に続いて、ステップS604の処理により決定された演出対象変動について、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容などを特定する(ステップS606)。一例として、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されているコマンドに対応する可変表示が演出対象変動に決定された場合には、その演出対象変動に対応して格納されている第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」、「ハズレ特定パターン判定あり」または「ハズレ特定パターン判定なし」のいずれであるかを特定する。また、今回の可変表示が演出対象変動に決定された場合には、可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドの一方または両方により特定される可変表示内容が、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容のいずれに相当するかを特定すればよい。こうして特定された演出対象変動の通知内容や今回の可変表示内容は、第2始動入賞が発生したときに抽出された遊技用乱数(乱数値MR1、MR3など)を用いて図4に示すステップS212で実行された入賞時乱数値判定処理による判定結果と対応している。すなわち、ステップS606の処理により特定された内容は、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留記憶情報に応じた判定内容や決定内容を示している。ステップS606の処理により演出対象変動の通知内容などを特定した後には、連続演出における内容(演出態様)に対応した連続演出パターンを、予め用意された複数パターンのいずれかに決定する(ステップS607)。
図22(A)は、この実施の形態で用いられる連続演出パターンの設定例を示している。この設定例では、複数の連続演出パターンとして、1回または複数回の可変表示の全部に対応する連続演出において共通のキャラクタを表示(出現)させる連続演出パターンPCA1〜PCA3と、1回目の可変表示に対応する連続演出において表示(出現)するキャラクタと2回目以降の可変表示に対応する連続演出において表示(出現)するキャラクタとを異ならせた連続演出パターンPCB1〜PCB3とが、予め用意されている。すなわち、連続演出パターンPCB1〜PCB3による連続演出では、その連続演出が開始されるときの設定に基づいて、複数回の可変表示にわたる連続演出において、演出態様を変更することができる。一方、連続演出パターンPCA1〜PCA3による連続演出では、その連続演出が開始されるときの設定では、複数回の可変表示にわたる連続演出において演出態様が変更されない。ただし、連続演出の実行を開始した後に第2始動入賞が発生したことなどにより、演出態様を変更できる場合がある。
ステップS607の処理において、演出制御用CPU120は、連続演出パターンを決定するための使用テーブルとして、予め用意された連続演出パターン決定テーブルを選択してセットする。連続演出パターン決定テーブルでは、演出対象変動の通知内容などに応じて、連続演出パターン決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、連続演出パターンの決定結果に割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出した連続演出パターン決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、連続演出パターン決定テーブルを参照することにより、連続演出パターンを決定すればよい。
図22(B)は、ステップS607の処理による連続演出パターンの決定例を示している。この決定例では、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」、「ハズレ特定パターン判定あり」または「大当り判定あり」のいずれであるかに応じて、連続演出パターンの決定割合を異ならせている。これにより、互いに異なる複数種類の連続演出における演出態様に応じて、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性(大当り信頼度)などを異ならせることができる。具体的な一例として、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」の場合には、連続演出パターンPCA1〜PCA3のうちで、連続演出パターンPCA1に決定される割合が最も高く、連続演出パターンPCA2、連続演出パターンPCA3の順に決定される割合が低くなる。これに対して、演出対象変動の通知内容が「大当り判定あり」の場合には、連続演出パターンPCA1〜PCA3のうちで、連続演出パターンPCA3に決定される割合が最も高く、連続演出パターンPCA2、連続演出パターンPCA1の順に決定される割合が低くなる。したがって、連続演出パターンPCA3に対応するキャラクタCH3を表示(出現)する連続演出が実行されたときには、キャラクタCH2(連続演出パターンPCA2に対応)またはキャラクタCH1(連続演出パターンPCA1に対応)を表示(出現)する連続演出が実行されたときよりも、演出対象変動における可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が高くなる。
こうして、ステップS607の処理では、図19(A)に示すステップS507の処理により連続演出を実行すると決定されたことに基づき、ステップS606の処理により特定された演出対象変動の通知内容などに応じて、連続演出における演出内容(演出態様)ごとに予め用意された連続演出パターンが決定される。したがって、この実施の形態では、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行中であること、および、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)に変化するといった所定条件の成立に基づいて第2始動入賞口を複数の遊技球が通過(進入)したことに応じて、連続演出の決定が行われる。また、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出の決定が行われる。
図21に示すステップS602にて連続演出カウント値が「1」以外であると判定された場合には(ステップS602;No)、演出中入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS608)。そして、演出中入賞フラグがオンであるときには(ステップS608;Yes)、演出中入賞フラグをクリアしてオフ状態にするとともに(ステップS609)、演出中入賞保留バッファの記憶データを読み出す(ステップS610)。さらに、ステップS610の処理による読出結果に基づいて、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける記憶内容をチェックする(ステップS611)。演出中入賞保留バッファの記憶データは、図19(A)に示すステップS514の処理で設定され、連続演出の実行を開始した後に第2始動入賞が最初に発生したときの第2特図保留記憶数を示している。その後、ステップS611の処理が実行されるときには、第1特図よりも優先して実行される第2特図を用いた特図ゲームが開始されることに対応して、第2特図保留記憶数が1減算されている。そこで、演出制御用CPU120は、ステップS610の処理により演出中入賞保留バッファの記憶データから特定された第2特図保留記憶数を1減算したチェック用保留数を設定する。続いて、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bにおける保留表示番号がチェック用保留数以上となる領域について、格納されたコマンドの有無や、格納されたコマンドによる通知内容などをチェックすればよい。
ステップS611の処理を実行した後には、連続演出による演出対象変動を変更する(ステップS612)。一例として、ステップS612の処理では、第2始動入賞時コマンドバッファ190Bに格納されている領域の保留表示番号が最も大きいコマンドに対応する可変表示を、演出対象変動とするように変更してもよい。なお、変更前の演出対象変動の通知内容が「大当り判定あり」や「ハズレ特定パターン判定あり」のいずれかである場合には、演出対象変動を変更しないように制限してもよい。ステップS612の処理による演出対象変動の変更に伴い、連続演出の総実行回数を変更する(ステップS613)。また、ステップS612の処理により変更された演出対象変動について、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容などを特定する(ステップS614)。こうして演出対象変動の通知内容を特定した後には、連続演出における内容(演出態様)を変更するか否かや、変更後の演出態様といった、演出変更結果を決定する(ステップS615)。
ステップS615の処理において、演出制御用CPU120は、演出変更結果を決定するための使用テーブルとして、予め用意された演出変更決定テーブルを選択してセットする。演出変更決定テーブルでは、演出対象変動の通知内容や連続演出パターンなどに応じて、演出変更決定用の乱数値と比較される数値(決定値)が、連続演出を変更しない場合に対応する「変更なし」や、連続演出パターンPCA2に対応して表示(出演)するキャラクタCH2、連続演出パターンPCA3に対応して表示(出現)するキャラクタCH3に、割り当てられていればよい。演出制御用CPU120は、例えば乱数回路124またはRAM122の所定領域(演出制御カウンタ設定部など)に設けられた演出用ランダムカウンタ等から抽出した演出変更決定用の乱数値を示す数値データに基づいて、演出変更決定テーブルを参照することにより、演出変更結果を決定すればよい。
図22(C)は、ステップS615の処理による演出変更結果の決定例を示している。この決定例では、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」、「ハズレ特定パターン判定あり」または「大当り判定あり」のいずれであるか、また、連続演出の実行を開始するときに決定された連続演出パターンに応じて、演出変更結果の決定割合を異ならせている。これにより、演出対象変動における可変表示結果が「大当り」となるか否かといった、連続演出の実行を開始した後に第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出の演出態様を変更するか否かや、変更後の演出態様を、決定することができる。具体的な一例として、連続演出の実行を開始するときに連続演出パターンPCA1が使用パターンとして決定された場合に、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」であれば、演出変更結果が「変更なし」に決定される割合が十分に高い一方、連続演出パターンPCA2に対応したキャラクタCH2に変更される割合が十分に低く、連続演出パターンPCA3に対応したキャラクタCH3には変更されないように制限される。これに対して、連続演出の実行を開始するときに連続演出パターンPCA1が使用パターンとして決定された場合に、演出対象変動の通知内容が「大当り判定あり」であれば、演出変更結果が「変更なし」に決定されないように制限される一方、連続演出パターンPCA2に対応したキャラクタCH2に変更される割合よりも高い割合で、連続演出パターンPCA3に対応したキャラクタCH3に変更される。したがって、連続演出パターンPCA1に対応したキャラクタCH1が連続演出パターンPCA3に対応したキャラクタCH3に変更されたときには、演出対象変動における可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性が高められる。
加えて、図22(C)に示す決定例では、連続演出パターンPCA1に対応したキャラクタCH1に変更されることがない。また、連続演出パターンPCA1以外の連続演出パターンが使用パターンに決定された場合には、連続演出パターンPCA2に対応したキャラクタCH2に変更されることがない。さらに、連続演出パターンPCA3や連続演出パターンPCB2、連続演出パターンPCB3のうちいずれかが使用パターンに決定された場合には、連続演出パターンPCA3に対応したキャラクタCH3に変更されることがない。したがって、第1演出態様の連続演出を実行することに決定された後、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が第1演出態様よりも低い第2演出態様の連続演出に変更することが制限される。これにより、遊技者の期待感が減退することを防止して、連続演出の変更に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
ステップS615の処理による決定に基づいて、連続演出を変更しない「変更なし」となったか否かを判定する(ステップS616)。一方、ステップS608にて演出中入賞フラグがオフであると判定された場合には(ステップS608;No)、連続演出パターンPCB1〜PCB3のいずれかによる連続演出が実行されているか否かを判定する(ステップS617)。そして、これらの連続演出パターンのいずれかによる連続演出が実行されていると判定した場合には(ステップS617;Yes)、連続演出カウント値が「2」であるか否かを判定する(ステップS618)。図22(A)に示すように、連続演出パターンPCB1〜PCB3はいずれも、2回目以降の可変表示において1回目の可変表示とは異なるキャラクタを表示(出現)させる。
ステップS616にて連続演出を変更しない「変更なし」ではなく連続演出の演出態様を変更すると判定された場合や(ステップS616;No)、ステップS618にて連続演出カウント値が「2」であると判定されたときには(ステップS618;Yes)、キャラクタ変更演出を実行するための設定を行う(ステップS619)。キャラクタ変更演出は、連続演出において表示(出現)させるキャラクタが変更されることを、遊技者が認識可能に報知する演出であればよい。演出制御用CPU120は、例えば変更前に表示(出現)したキャラクタと、変更後に表示(出現)するキャラクタとの組合せに対応して、予め用意された複数の変更演出パターンのうちから、使用パターンとなる変更演出パターンを選択すればよい。
その後、連続演出パターンに応じて連続演出を実行するための設定を行ってから(ステップS620)、連続演出用設定処理を終了する。このときには、例えば連続演出で表示(出現)するキャラクタや連続演出カウント値、演出対象変動となる可変表示において可変表示結果が「大当り」となるか否か、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む任意の個別演出パターン決定条件に基づく所定割合で、それぞれの連続演出パターンに応じた連続演出にて所定演出を実行するための個別演出パターンが決定されてもよい。具体的な一例として、連続演出で表示(出現)するキャラクタごとに、セリフとして報知されるメッセージに対応するメッセージパターンを、予め用意された複数パターンのうちから選択してもよい。加えて、連続演出パターンなどに対応して、背景画像となる演出画像や効果音出力、発光体の点灯態様、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む任意の演出態様を、連続演出の実行回数にかかわらず所定の演出態様とする設定が行われてもよい。また、ステップS620の処理では、例えば連続演出カウント値が「1」であることなどに対応して、連続演出の実行が開始されるときに、演出制御用CPU120がROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、通常時に対応した記憶アドレスから、連続演出中に対応した記憶アドレスへと変更することにより、飾り図柄の可変表示を含む(または除く)各種演出における演出態様を、切り替えるようにしてもよい。
図20に示すステップS526にて連続演出フラグがオフであると判定された場合や(ステップS526;No)、ステップS527にて連続演出用設定処理を実行した後には、飾り図柄の可変表示中に実行されるその他の演出について決定を行う(ステップS528)。例えば、主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドの一方または両方により特定される可変表示内容に応じた所定割合で、予告演出を実行するか否かの判定や、実行する場合における演出態様に対応した予告パターンの決定などが、行われるようにすればよい。
ステップS528の処理に続いて、演出制御パターンを予め用意された複数パターンのうちから選択する(ステップS529)。演出制御用CPU120は、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンや、連続演出の設定などに対応して、ROM121に予め記憶されて用意された複数の演出制御パターンのいずれかを選択し、使用パターンとしてセットすればよい。続いて、例えば変動パターン指定コマンドにより指定された変動パターンに対応して、RAM122の所定領域(演出制御タイマ設定部など)に設けられた演出制御プロセスタイマの初期値を設定する(ステップS530)。
そして、画像表示装置5における飾り図柄などの変動を開始させるための設定を行う(ステップS531)。このときには、例えばステップS530にて使用パターンとして決定された演出制御パターンに含まれる表示制御データが指定する表示制御指令を表示制御部123のVDP等に対して伝送させることなどにより、画像表示装置5の表示領域に設けられた「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにて飾り図柄の変動を開始させればよい。その後、演出プロセスフラグの値を可変表示中演出処理に対応した値である“2”に更新してから(ステップS532)、可変表示開始設定処理を終了する。
図23は、可変表示中演出処理として、図18のステップS172にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。図23に示す可変表示中演出処理において、演出制御用CPU120は、まず、例えば演出制御プロセスタイマ値などに基づいて、変動パターンに対応した可変表示時間が経過したか否かを判定する(ステップS551)。一例として、ステップS551の処理では、演出制御プロセスタイマ値を更新(例えば1減算)し、更新後の演出制御プロセスタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定すればよい。
ステップS551にて可変表示時間が経過していない場合には(ステップS551;No)、連続演出を実行するための連続演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS552)。連続演出実行期間は、例えば図21に示すステップS607の処理による連続演出パターンの決定やステップS619の処理によるキャラクタ変更演出の設定などに基づいて、図20に示すステップS529の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS552にて連続演出実行期間であるときには(ステップS552;Yes)、例えば連続演出において出現するキャラクタを示す演出画像の表示といった、連続演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS553)。ステップS553の処理では、例えば図21に示すステップS607の処理による連続演出パターンの決定やステップS619の処理によるキャラクタ変更演出の設定などに基づいて、図20に示すステップS529の処理により選択された演出制御パターンから、演出制御実行データを読み出す。こうして読み出された演出制御実行データに基づいて作成した各種指令を、表示制御部123や音声制御基板13、ランプ制御基板14などに対して伝送させる。これにより、画像表示装置5の画面上に所定の演出画像を表示させることや、スピーカ8L、8Rから所定の効果音を出力させること、遊技効果ランプ9および装飾用LEDを点灯または点滅または消灯させること、あるいは、これらの一部または全部を組み合わせることで、所定の演出装置にて連続演出を実行できればよい。
ステップS552にて連続演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS552;No)、ステップS553の処理を実行した後には、キャラクタ変更演出を実行するためのキャラクタ変更演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS554)。キャラクタ変更演出実行期間は、例えば図21に示すステップS619の処理による設定などに基づいて、図20に示すステップS529の処理により選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS554にてキャラクタ変更演出実行期間であると判定されたときには(ステップS554;Yes)、キャラクタ変更演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS555)。こうして、キャラクタ変更演出は、飾り図柄の可変表示が開始された後の所定期間にて実行することができればよい。例えば、キャラクタ変更演出が実行される所定期間は、飾り図柄の可変表示が開始されてから、全部の飾り図柄が停止表示されずに可変表示(高速変動)している期間に含まれるように、予め設定されていればよい。なお、キャラクタ変更演出は、飾り図柄の可変表示が開始されるより前、または可変表示の開始と同時に実行されてもよいし、飾り図柄の可変表示が終了してから次回の可変表示が開始されるまでに実行されてもよい。
ステップS554にてキャラクタ変更演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS554;No)、ステップS555の処理を実行した後には、リーチ演出を実行するためのリーチ演出実行期間であるか否かを判定する(ステップS556)。リーチ演出実行期間は、例えば変動パターンに応じて選択された演出制御パターンにおいて、予め定められていればよい。ステップS556にてリーチ演出実行期間であると判定されたときには(ステップS556;Yes)、例えば演出制御パターンから読み出した演出制御実行データなどに基づいて、リーチ演出を実行するための演出動作制御を行う(ステップS557)。
ステップS556にてリーチ演出実行期間ではないと判定されたときや(ステップS556;No)、ステップS557の処理を実行した後には、例えば変動パターンに対応して選択された演出制御パターンにおける設定などに基づいて、その他、飾り図柄の可変表示動作を含めた演出動作制御を行ってから(ステップS558)、可変表示中演出処理を終了する。
ステップS551にて可変表示時間が経過した場合には(ステップS551;Yes)、主基板11から伝送される図柄確定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS559)。このとき、図柄確定コマンドの受信がなければ(ステップS559;No)、可変表示中演出処理を終了して待機する。なお、可変表示時間が経過した後、図柄確定コマンドを受信することなく所定時間が経過した場合には、図柄確定コマンドを正常に受信できなかったことに対応して、所定のエラー処理が実行されるようにしてもよい。
ステップS559にて図柄確定コマンドの受信があった場合には(ステップS559;Yes)、例えば表示制御部123のVDP等に対して所定の表示制御指令を伝送させることといった、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる制御を行う(ステップS560)。このときには、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS561)。続いて、連続演出終了判定処理を実行した後(ステップS562)、演出プロセスフラグの値を特図当り待ち処理に対応した値である“3”に更新してから(ステップS563)、可変表示中演出処理を終了する。
図24は、図23のステップS562にて実行される連続演出終了判定処理の一例を示すフローチャートである。図24に示す連続演出終了判定処理において、演出制御用CPU120は、まず、連続演出フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS641)。このとき、連続演出フラグがオフであれば(ステップS641;No)、連続演出終了判定処理を終了する。一方、連続演出フラグがオンであるときには(ステップS641;Yes)、演出中入賞フラグがオンであるか否かを判定する(ステップS642)。そして、演出中入賞フラグがオンである場合には(ステップS642;Yes)、連続演出終了判定処理を終了する。
ステップS642にて演出中入賞フラグがオフである場合には(ステップS642;No)、連続演出カウント値が連続演出の総実行回数に達したか否かを判定する(ステップS643)。このとき、連続演出カウント値が連続演出の総実行回数に達していなければ(ステップS643;No)、連続演出終了判定処理を終了する。一方、連続演出カウント値が連続演出の総実行回数に達したと判定された場合には(ステップS643;Yes)、連続演出の実行を終了させるための設定を行う(ステップS644)。
ステップS644の処理による設定の一例として、連続演出で表示(出現)したキャラクタを示す演出画像を消去する。加えて、背景画像となる演出画像や効果音出力、発光体の点灯態様、あるいは、これらの一部または全部の組合せを含む任意の演出態様を、連続演出における特定の演出態様から通常時の演出における演出態様に戻す設定が行われてもよい。また、例えば演出制御用CPU120がROM121から読み出す演出制御パターンのアドレス設定(ベースアドレス用のベースレジスタ値など)を、連続演出中に対応した記憶アドレスから、通常時に対応した記憶アドレスに戻すことにより、飾り図柄の可変表示を含む(または除く)各種演出における演出態様を、通常時の演出態様に復帰させてもよい。
ステップS644の処理を実行した後には、連続演出フラグをクリアしてオフ状態とする(ステップS645)。また、連続演出カウンタをクリアして、そのカウント値を「0」に初期化してから(ステップS646)、連続演出終了判定処理を終了する。
図24に示す連続演出終了判定処理では、ステップS641にて連続演出フラグがオンであると判定された場合に、ステップS642にて演出中入賞フラグがオンであると判定されることにより、ステップS644〜S646の処理が実行されないように制限される。したがって、連続演出の実行を開始した後、演出対象変動となる可変表示において表示結果となる確定飾り図柄などが導出されるより前に、所定条件の成立に基づき第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した場合には、その後に演出対象変動となる可変表示において表示結果が導出されても、連続演出の実行を終了するための設定が行われない。この場合、第2始動入賞口を新たな遊技球が通過(進入)したことに基づく特別図柄や飾り図柄の可変表示に対応して、例えば図21に示すステップS612〜S615の処理が実行されることなどにより、連続演出を継続して実行することができる。
次に、パチンコ遊技機1における演出動作などの具体例について説明する。
例えば図25(A)に示すように、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが開始された後、第1特図の変動中に普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果が「第1普図当り」あるいは「第2普図当り」となる。このときには、例えば図18に示すステップS162の普図連動演出制御処理が実行されることなどにより、図26(A)に示すような演出画像を画像表示装置5の画面上に表示するといった、普図連動演出が実行される。こうした普通図柄の可変表示結果に基づき、図25(B)に示すようなソレノイド81の駆動制御が行われ、0.1秒にわたり第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となった後、2.1秒にわたり第2始動入賞口が閉鎖状態(または通常開放状態)となり、続いて5.8秒にわたり第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)となってから閉鎖状態(または通常開放状態)に戻る。こうして開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口を2個の遊技球が通過(進入)したときには、例えば図25(C)に示すように、第2始動口スイッチ22Bによる検出信号がオン状態となることなどにより、第2特図を用いた2回分の特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームが終了するまで保留記憶される。
ここで、第2始動入賞口を2個目の遊技球が通過(進入)したときに、図19(A)に示すステップS507の処理にて、連続演出を実行する「実行あり」に決定されたとする。このときには、ステップS509の処理により連続演出フラグがオン状態にセットされるとともに、ステップS510の処理により連続演出カウント値が「0」に初期化される。その後、図25(A)に示す第1特別図柄表示装置4Aによる特図ゲームにおいて第1特図の変動が停止して可変表示結果が「ハズレ」となったときには、第2特図保留記憶数が「2」となっていることから、第1特図保留記憶数にかかわらず、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。
図25(D)に示すように、第2特別図柄表示装置4Bによる1回目の特図ゲームにおいて第2特図の変動が開始されるときには、飾り図柄の可変表示が開始されることに対応して図21に示すステップS607の処理が実行されることにより、連続演出パターンが複数パターンのいずれかに決定される。このときには、ステップS603〜S606の処理が実行されることで、第2始動入賞口を2個目の遊技球が通過(進入)したことに基づく可変表示が演出対象変動に決定され、その可変表示に対応する保留記憶情報に応じた所定割合で、連続演出パターンが決定される。こうして、第2始動入賞口を1個目の遊技球が通過(進入)したことに基づく可変表示の開始に伴い連続演出の実行を開始できる一方で、その連続演出における演出内容(演出態様)などは、第2始動入賞口を新たに遊技球(2個目)が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて決定することができる。
例えばステップS607の処理により図22(A)に示す連続演出パターンPCA1に決定された場合には、図26(B)に示すような「演出開始!」のメッセージを報知する演出画像を画像表示装置5の画面上に表示させることで、連続演出の開始を遊技者が認識可能に報知する。この報知に続いて、図26(C)および(D)に示すようなキャラクタCH1を表示(出現)させる連続演出が実行される。第2特図を用いた1回目の特図ゲームにおいて可変表示結果が「ハズレ」となったときには、第2特図保留記憶数が「1」となっていることから、さらに第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。このときには、図21に示すステップS608の処理にて演出中入賞フラグがオフであると判定され、ステップS617の処理にて連続演出パターンPCA1であると判定されることで、キャラクタ変更演出が実行されずに、連続演出パターンPCA1による連続演出が繰返し実行される。すなわち、図26(C)および(D)に示すようなキャラクタCH1を表示(出現)させる連続演出が継続して実行される。
第2特図を用いた2回目の特図ゲームにおける変動中に、図25(B)に示すようなソレノイド81の駆動制御が行われ、開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したとする。この場合、図25(C)に示すように、第2始動口スイッチ22Bによる検出信号がオン状態となることなどにより、第2特図を用いた1回分の特図ゲームが保留記憶される。このときには、図19(A)に示すステップS513の処理が実行されることにより、演出中入賞フラグがオン状態にセットされる。その後、例えば第2特図を用いた2回目の特図ゲームにおいて可変表示結果が「ハズレ」となったときには、第2特図保留記憶数が「1」となっていることから、さらに第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行される。ここでは、図21に示すステップS608の処理にて演出中入賞フラグがオンであると判定され、ステップS615の処理にて演出変更結果が決定される。このときには、ステップS610〜S614の処理が実行されることで、第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づく可変表示が演出対象変動となるように変更され、その可変表示に対応する保留記憶情報などに応じた所定割合で、演出変更結果が決定される。こうして、第2始動入賞口を2個の遊技球が通過(進入)したことに基づいて決定された連続演出の実行が開始された後、第2始動入賞口を新たに遊技球(3個目)が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報などに応じて、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更することができる。
例えば図22(C)に示すように、演出対象変動における可変表示結果が「大当り」となる場合のうち、連続演出の変更前に連続演出パターンPCA1である場合には、その可変表示結果が「ハズレ」となる場合よりも高い割合で、連続演出パターンPCA3に対応したキャラクタCH3に変更することが決定される。そして、キャラクタCH1をキャラクタCH3に変更する演出変更結果に決定された場合には、例えば図21に示すステップS619の処理による設定に基づいて、図23に示すステップS555の処理による演出動作制御が行われることで、飾り図柄の可変表示が開始されるときなどに、キャラクタ変更演出が実行されればよい。その後、例えば図26(E)および(F)に示すようなキャラクタCH3を表示(出現)させるように、連続演出における演出内容(演出態様)を変更する。さらに、例えば第2特図を用いた特図ゲームにおいて可変表示結果が「大当り」となったことなどに対応して、図26(F)に示すような大当り組合せの確定飾り図柄が導出されればよい。
以上の具体例では、図25(C)に示す第2始動口スイッチ22Bが2個目の遊技球を検出したときに、例えば第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」に対応して、図21に示すステップS607の処理により連続演出パターンPCA1に決定される。その後、第2始動入賞口を新たに遊技球(3個目)が通過したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドにより「大当り判定あり」が通知される。
この場合に、連続演出における演出内容(演出態様)を変更せずに連続演出パターンPCA1によるキャラクタCH1の表示(出現)を継続して行うようにすると、第2特図を用いた特図ゲームにおいて特別図柄の可変表示結果が「大当り」となる可変表示が保留記憶されているにもかかわらず、可変表示結果が「大当り」となる可能性(大当り信頼度)が低いことを示唆する連続演出の実行が継続することになる。そのため、連続演出による遊技者の期待感を高めることが不可能または困難になる。また、新たに発生した始動入賞に基づく可変表示における表示結果を、連続演出における演出内容(演出態様)に反映できないことから、連続演出によって示唆される大当り信頼度などと、可変表示結果とのあいだに、設計上は考慮しなかった相違が生じてしまい、例えば本来は大当り信頼度が低い連続演出であっても、可変表示結果が「大当り」になりやすくなることで、大当り信頼度が設計上の許容範囲を外れて高められてしまうおそれがある。
これに対して、この実施の形態では、連続演出の実行が開始された後であっても、第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出において表示(出現)するキャラクタを示す演出画像といった、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更することができる。これにより、例えば新たに始動入賞が発生したことに基づいて可変表示結果が「大当り」となる可変表示が保留記憶された場合などに、連続演出による遊技者の期待感を適切に高めることができる。
このように、例えば普通図柄の可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったことに基づいて、第2始動入賞口を閉鎖状態(または通常開放状態)から開放状態(または拡大開放状態)に変化させる制御の開始といった所定条件の成立に基づいて、第2始動入賞口を複数個の遊技球が通過(進入)したことに応じて連続演出の実行が開始される。その後、第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更することで、演出対象変動における可変表示結果に適合した連続演出に変更できる。これにより、遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、図25(C)に示すような開放状態(または拡大開放状態)となった第2始動入賞口を2個の遊技球が通過(進入)したことの検出に基づいて連続演出を実行する「実行あり」に決定された後、図25(D)に示す第2特別図柄表示装置4Bによる1回目の特図ゲームにおいて第2特図の変動が開始されるより前に、第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)する場合がある。この場合、図25(C)に示す2個目の遊技球が通過(進入)したことの検出に基づいて、既に図19(A)に示すステップS509の処理が実行されたことで、新たに遊技球(3個目)が通過(進入)したことを検出したときには、ステップS503の処理にて連続演出フラグがオンであると判定される。一方、未だ第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始されておらず、図21に示すステップS601の処理が実行されていないことから、ステップS511の処理では連続演出カウント値が「0」であると判定され、その後にステップS601、S602(図21)の処理が実行されることで、連続演出カウント値が「1」であると判定される。そして、ステップS603〜S607の処理が実行されることで、新たに遊技球(3個目)が通過(進入)したことに基づいて第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出を決定することができる。このときには、例えば連続演出パターンPCB1〜PCB3のいずれかに決定することで、1回目の可変表示に対応する連続演出における演出内容(演出態様)を、2回目以降の可変表示に対応する連続演出において変更させることができる。こうして、第2特図を用いた特図ゲームの実行が開始される前でも、新たに遊技球(3個目)が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出の変更を行うことができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
具体的な一例として、上記実施の形態では、第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて連続演出を変更するときに、図21に示すステップS615の処理にて図22(C)に示すような割合で演出変更結果を決定することで、可変表示結果が「大当り」となる可能性が低い演出態様の連続演出に変更されることを制限するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、可変表示結果が「大当り」となる可能性が低い演出態様の連続演出にも変更可能に設定してもよい。これにより、連続演出の変更を多様化することや、一旦は可変表示結果が「大当り」となる可能性が低い演出態様の連続演出に変更された後、演出対象変動となる可変表示における表示結果が「大当り」となるときに遊技者の喜悦感を飛躍的に高めることで、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図19(A)に示すステップS507の処理により連続演出の有無を決定するときに、第2特図保留記憶数が「1」である場合には、連続演出を実行しないことに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第1特別図柄表示装置4Aによる特別図柄の可変表示となる特図ゲームの保留記憶がなく、第1特図を用いた特図ゲームも実行されていないときに、所定条件の成立に基づいて第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて、連続演出を実行することに決定できるようにしてもよい。すなわち、図19(A)に示すステップS507の処理では、所定条件の成立に基づき第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したときには、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶がなく、さらに第1特図を用いた特図ゲームが実行されていないときでも、例えば図19(B)に示すような所定割合で、連続演出を実行することに決定してもよい。
こうして第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて連続演出を実行することに決定された場合に、例えば図21に示すステップS604〜S607の処理として、図27(A)に示すような第2特図保留記憶数が「0」である場合に応じた処理が実行されてもよい。ここで、図19(A)に示すステップS507の処理が実行されたときに第2特図保留記憶数が「1」であった場合に、図21に示すステップS604〜S607の処理が実行されるときには、開始条件が成立した可変表示(今回の可変表示)に対応して第2特図保留記憶数が1減算されて「0」になっている。この場合、ステップS604〜S607の処理として、連続演出の総実行回数を「1」に設定すること、今回の可変表示内容を特定すること、その特定結果に応じて連続演出パターンを決定することを内容とする処理が実行されればよい。今回の可変表示内容は、例えば主基板11から伝送された可変表示結果通知コマンドや変動パターン指定コマンドに対応して、「大当り判定あり」、「ハズレ特定パターン判定あり」、「ハズレ特定パターン判定なし」といった、始動口入賞指定コマンドによる通知内容に相当するものであればよい。こうした今回の可変表示内容に基づいて、図22(B)に示した決定例と同様の割合で、連続演出パターンを複数パターンのうちいずれかに決定すればよい。
このように、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて連続演出の実行を開始した後、可変表示結果が導出されるまでに第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したときには、図19(A)に示すステップS513の処理により演出中入賞フラグをオン状態にセットしたことなどに基づいて、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更すればよい。一方、可変表示結果が導出されるまでに第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)しなかったときには、上記実施の形態における連続演出の一部が1回の可変表示にわたり実行された後、図24に示すステップS644の処理が実行されることなどにより、連続演出の実行を終了させればよい。これにより、連続演出を迅速に実行可能としつつ、新たに第2始動入賞が発生したときには連続演出を変更することで遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
一方、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて直ちに連続演出の実行を開始する場合には、その後、新たに第2始動入賞が発生することなく可変表示結果が導出された場合に、連続演出の一部が実行されただけで終了させることになる。そのため、連続演出の実行について遊技者に違和感を与えるおそれがある。そこで、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したときには、連続演出の実行を待機する待機期間を設け、その待機期間にて新たに第2始動入賞が発生したことに応じて連続演出の実行を開始するようにしてもよい。例えば図21に示すステップS604〜S607の処理として、図27(B)に示すような第2特図保留記憶数が「0」である場合に応じた処理が実行されてもよい。図27(B)に示す処理では、第2特図保留記憶数が「0」である場合に、ステップS604〜S607の処理として、連続演出フラグをクリアするとともに、入賞待機演出を実行するための設定が行われる。入賞待機演出は、上記実施の形態における連続演出とは異なり、新たに第2始動入賞が発生することによる連続演出の実行を、待機するための演出である。
連続演出の実行を待機する待機期間は、例えば普電作動パターンFC1または普電作動パターンFC2により第2始動入賞口の開閉制御が終了するまでの期間と同一であってもよい。また、第2特図保留記憶数が「0」であるときには、第2特図を用いた特図ゲームにおける特図変動時間が、普電作動パターンFC1により第2始動入賞口を開放状態(または拡大開放状態)に変化させる時間(開放時間)よりも長くなるように設定してもよい。これにより、第2始動入賞口を開放状態(または拡大開放状態)に変化させる開閉制御が終了した後に、複数回の可変表示にわたり実行される連続演出を一括して決定することができる。
例えば入賞待機演出の実行中に第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したときには、連続演出フラグをオン状態にセットするとともに連続演出パターンの決定を行い、入賞待機演出の実行を中止して連続演出の実行を開始させてもよい。あるいは、入賞待機演出の実行中に第2始動入賞口を複数の遊技球が通過(進入)したときには、上記実施の形態と同様にして連続演出の有無を決定する一方、1個の遊技球しか通過(進入)しなかったときには、さらに待機期間となることで入賞待機演出が繰返し実行されるようにしてもよい。こうして入賞待機演出の実行後に連続演出の実行が開始されてから、さらに第2始動入賞が新たに発生したときには、図19(A)に示すステップS513の処理により演出中入賞フラグをオン状態にセットしたことなどに基づいて、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更すればよい。これにより、複数回の可変表示にわたる連続演出を確実に実行可能としつつ、連続演出の実行を開始した後に第2始動入賞が新たに発生したときには連続演出を変更することで遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図21に示すステップS607の処理にて、図22(A)に示すような複数種類の連続演出パターンのうちでいずれかの連続演出パターンを使用パターンに決定することにより、複数回の可変表示にわたり実行される連続演出における演出内容(演出態様)を、連続演出の実行が開始されるときに一括して決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、連続演出の実行が開始された後、演出対象変動となる可変表示が実行されるまでに、複数回の可変表示が開始されるごとに、連続演出における演出内容(演出態様)を個別に決定するようにしてもよい。例えばステップS607の処理では、1回の可変表示に対応する連続演出の一部における演出内容(演出態様)を決定する。この決定結果は、例えばRAM122の所定領域(演出制御バッファ設定部など)に一時記憶しておけばよい。その後、連続演出による演出対象変動となる可変表示が開始される以前に、新たに可変表示が開始されるときには、前回の可変表示に対応して実行された連続演出の一部における演出内容(演出態様)を特定する。そして、演出中入賞フラグがオフである場合には、前回と同一の演出内容(演出態様)で連続演出を実行することに決定すればよい。一方、演出中入賞フラグがオンである場合には、図21に示すステップS615の処理にて演出変更結果を決定した場合と同様に、前回とは異なる演出内容(演出態様)で連続演出を実行することに決定できればよい。
上記実施の形態では、図21に示すステップS607の処理にて、図22(B)に示すような演出対象変動の通知内容に応じた割合で、連続演出パターンを複数パターンのうちでいずれかに決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えばステップS607の処理では、連続演出パターンPCA1といった、可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態となる可能性(大当り信頼度)が低い連続演出パターンに決定して、その決定後に第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報などに応じて、連続演出の変更を行うことができるようにしてもよい。一方、図22(B)に示すような割合で連続演出パターンを決定することで、大当り信頼度が比較的に高い連続演出パターンに決定されたときには、連続演出の変更を制限するものであってもよい。
上記実施の形態では、図19(A)に示すステップS507の処理にて、例えば図19(B)に示すような普電作動開始コマンドに応じた所定割合で、連続演出を実行するか否かを決定するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普電作動開始コマンドに代えて、あるいは普電作動開始コマンドとともに、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容に応じた所定割合で、連続演出を実行するか否かを決定してもよい。一例として、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」の場合には、「ハズレ特定パターン判定あり」や「ハズレ特定パターン判定なし」の場合よりも高い割合で、連続演出を実行することに決定されてもよい。これにより、連続演出が実行されることで可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。さらに、ステップS507の処理が実行されたときの第2特図保留記憶数に応じた所定割合で、連続演出を実行するか否かが決定されてもよい。より具体的には、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「大当り判定あり」の場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って高い割合で、連続演出を実行することに決定されてもよい。一方、第2始動口入賞指定コマンドによる通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」の場合には、第2特図保留記憶数が多くなるに従って低い割合で、連続演出を実行することに決定されてもよい。これにより、連続演出の実行回数が多くなるに従って可変表示結果が「大当り」となる期待感を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、図21に示すステップS615の処理により連続演出における演出内容(演出態様)を変更すると決定された場合に、開始条件が成立した今回の可変表示において連続演出を変更するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、連続演出における演出内容(演出態様)を変更すると決定された後、1回または複数回の可変表示が実行されてから、連続演出の変更が行われるようにしてもよい。一例として、ステップS615の処理による演出変更結果の決定内容を記憶しておき、連続演出による演出対象変動となる可変表示が実行されるときに、連続演出の変更が行われるようにしてもよい。
あるいは、連続演出の実行が開始された後、新たに第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、その通過(進入)が検出されたタイミングにて、連続演出の変更が行われるようにしてもよい。一例として、図19(A)に示すステップS511の処理にて連続演出カウント値が「0」ではないと判定されたときに、ステップS612〜S616やステップS619、S620と同様の処理を実行することなどにより、直ちに連続演出の変更が行われるようにしてもよい。
このように、連続演出の実行が開始された後、新たに第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことにより連続演出の変更が行われるタイミングは、その通過(進入)が検出されたタイミングから連続演出による演出対象変動となる可変表示において表示結果が導出されるまでの期間における任意のタイミングであればよい。
例えば図21に示すステップS615の処理により連続演出における演出内容(演出態様)を変更すると決定された場合には、飾り図柄の可変表示が開始された後の可変表示中にて、例えばプッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する所定の指示操作(押下操作など)を促す演出を行い、遊技者による所定の指示操作が検出されたときには連続演出の変更が行われる一方、所定の指示操作が検出されずに所定期間が経過したときには、連続演出の変更が行われないようにしてもよい。これにより、例えばプッシュボタン31Bといった所定の操作手段に対する遊技者の指示操作を促進して、遊技者の参加意欲を高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
上記実施の形態では、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行される一方、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが、第1特図を用いた特図ゲームよりも優先して実行されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば遊技領域に1つの始動領域となる始動入賞口が設けられ、所定条件の成立に基づいて、その始動入賞口を1個または複数個の遊技球が通過(進入)したことによる可変表示において、互いに異なる演出態様に対応して可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性を異ならせた複数の特定演出のいずれかを実行できるものであればよい。この場合には、始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことに基づいて、1つの特別図柄表示装置による特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるとともに、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の可変表示などが実行されればよい。そして、特定演出が決定された後に、始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、特定演出の変更が行われるようにすればよい。
あるいは、上記実施の形態と同様に、遊技領域に第1始動入賞口と第2始動入賞口とが設けられる一方で、上記実施の形態とは異なり、第1特図を用いた特図ゲームと第2特図を用いた特図ゲームとが、第1始動入賞口や第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)した順序に従って実行されるように制御してもよい。この場合、所定条件の成立に基づいて、第1始動入賞口または第2始動入賞口を1個または複数個の遊技球が通過(進入)したことによる可変表示において、互いに異なる演出態様に対応して可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性を異ならせた複数の特定演出のいずれかを実行できるものであればよい。そして、特定演出が決定された後に、第1始動入賞口または第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて、特定演出の変更が行われるようにすればよい。また、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかにかかわらず、1つの特別図柄表示装置による特別図柄を用いた特図ゲームが実行されるとともに、画像表示装置5の画面上にて飾り図柄の可変表示などが実行されてもよい。
連続演出における演出内容(演出態様)を変更するときには、全部の演出内容(演出態様)を変更してもよいし、一部の演出内容(演出態様)を変更してもよい。より具体的には、画像表示装置5の画面上におけるキャラクタを示す演出画像や背景画像の表示、スピーカ8L、8Rからの効果音出力、発光体の点灯態様、演出用模型の動作態様、あるいは、これらの一部または全部の組合せといった、複数の演出装置を用いて連続演出が実行される場合に、全部の演出装置による演出態様を変更してもよいし、一部の演出装置による演出態様を変更してもよい。また、例えばキャラクタを示す演出画像の表示を変更する一方で、背景画像の表示はいずれの連続演出でも共通のものにするといったように、同一の演出装置による演出態様のうちでも、連続演出の変更に伴い変更されるものと、連続演出が変更されても変更されないものとがあってもよい。
上記実施の形態では、図12(A)に示すステップS263の処理にて、遊技状態が通常状態である通常時の場合に対応して、図13(B1)に示すハズレ変動パターン決定テーブル131Aを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定されるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、例えば第2特別図柄表示装置4Bによる第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、合計保留記憶数などの特図保留記憶数にかかわらず、特図変動時間が所定時間より長くなる変動パターンに決定されるように決定値が割り当てられた変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定されるようにしてもよい。こうして、第2特図を用いた特図ゲームが実行される場合には、特図変動時間が所定時間より長くなる変動パターンに決定して特図保留記憶数に基づく特図変動時間の短縮を制限することにより、連続演出といった特定演出を実行するための時間を十分に確保して、その演出効果を高めることができる。
上記実施の形態では、図14に示すステップS143の普通電動役物作動処理にて、図15(C)に示すような普電作動パターンFC1と普電作動パターンFC2のうちでいずれかに決定することで、第2始動入賞口の開放回数を異ならせるものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、普図表示結果が「普図当り」となった場合には、それが「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかにかかわらず、第2始動入賞口を複数回にわたり開放状態(または拡大開放状態)に変化させるものであってもよい。すなわち、通常時において、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかにかかわらず第2始動入賞口の開放回数は同一回数となる一方、普図表示結果が「第1普図当り」であるか「第2普図当り」であるかに応じて第2始動入賞口の開放時間は異なる時間となるように設定してもよい。
このように、普図表示結果が「普図当り」となった場合に第2始動入賞口を複数回にわたり開放状態(または拡大開放状態)に変化させるものにおいて、何回目の開放状態(または拡大開放状態)に対応して第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したかに応じて異なる割合で、連続演出を実行するか否かの決定や、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更するか否かの決定のうち、一方または双方の決定が行われるようにしてもよい。この場合、図15(E)に示した普電作動開始コマンドや普電作動終了コマンドに代えて、あるいは、これらのコマンドとともに、第2始動入賞口を開放状態(または拡大開放状態)に変化させた回数を特定可能に示す始動口開放指定コマンドを用意する。そして、例えば図19(A)に示すステップS506の処理では、普電作動開始コマンドに代えて、あるいは、普電作動開始コマンドとともに、始動口開放指定コマンドの内容を特定し、その特定結果に応じて異なる割合で、ステップS507の処理により連続演出の有無が決定されればよい。連続演出決定テーブルでは、第1または第2の普電作動開始コマンドのうちいずれであるかに代えて、あるいは、いずれの普電作動開始コマンドであるかとともに、始動口開放指定コマンドに示された第2始動入賞口の開放回数に応じて、連続演出を実行するか否かの決定結果に対する決定値の割当てを異ならせればよい。
図21に示すステップS615の処理では、演出対象変動の通知内容や、連続演出の実行が開始されるときに決定された連続演出パターンだけでなく、例えば第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、演出変更結果が決定されてもよい。すなわち、演出対象変動の通知内容や連続演出パターンが同一であっても、ステップS615の処理が実行されたときの第2特図保留記憶数に応じて異なる割合で、演出変更結果が決定されてもよい。例えば第2特図保留記憶数が「0」または「1」である場合のうち、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」で連続演出パターンPCA1である場合には、3/100の割合で連続演出パターンPCA2に対応したキャラクタCH2への変更が決定される。一方、第2特図保留記憶数が「2」以上である場合のうち、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定なし」で連続演出パターンPCA1である場合には、第2特図保留記憶数が「0」または「1」である場合よりも低い1/100の割合でキャラクタCH2への変更が決定される。また、第2特図保留記憶数が「0」または「1」である場合のうち、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定あり」や「大当り判定あり」の場合と比べると、第2特図保留記憶数が「2」以上である場合のうち、演出対象変動の通知内容が「ハズレ特定パターン判定あり」や「大当り判定あり」の場合に、より高い割合で大当り信頼度が高い連続演出パターンに対応したキャラクタへの変更が決定されやすくなるように設定する。このような設定により、第2特図保留記憶数が所定数以上であるときに連続演出の変更が行われた場合には、所定数未満であるときに連続演出の変更が行われた場合よりも、可変表示結果が「大当り」となる可能性や特定態様の可変表示(スーパーリーチを伴う変動パターンに対応した可変表示など)が実行される可能性が高くなる。こうして、第2特図保留記憶数の増加を期待する遊技者による遊技を促進するとともに、可変表示結果が「大当り」となる期待感などを持続させることができる。
加えて、例えばステップS607の処理が実行されたときに、第2特図保留記憶数が所定数(具体的な一例として「2」)に達している場合には、所定数に達していないときよりも高い割合で、連続演出パターンPCB1〜PCB3のいずれかに決定されるようにしてもよい。この場合には、連続演出の実行が開始されるときの第2特図保留記憶数が所定数以上であれば、2回目以降の可変表示において表示(出現)するキャラクタを示す演出画像が変更されやすくなるといった、連続演出の変更が行われやすくなる。このように、連続演出の実行が開始されるまでに第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の個数に応じて、連続演出の変更が行われる可能性を異ならせてもよい。
なお、第2特図保留記憶数で示される第2始動入賞口を通過(進入)した遊技球の個数に応じて異なる割合で連続演出の変更を行うものに限定されず、例えば第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを加算した合計保留記憶数に応じて異なる割合で、連続演出の変更を行うか否かが決定されてもよい。
上記実施の形態では、普通図柄表示器20による普図ゲームにおける普通図柄の可変表示結果(普図表示結果)が「普図当り」となったときに、第2始動入賞口が開放状態(または拡大開放状態)に変化するといった所定条件が成立するものとして説明した。しかしながら、この発明はこれに限定されず、パチンコ遊技機1における遊技の進行に応じて予め定めた任意の演出許容条件が成立したことに基づいて、始動入賞口を1個または複数個の遊技球が通過(進入)したことによる可変表示において特定演出を実行できるものであればよい。第1具体例として、飾り図柄の可変表示が開始されてからの所定期間内(例えば、「左」の飾り図柄表示エリア5Lにて飾り図柄が停止表示されるまでの期間内、あるいは、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rの全部にて最終停止図柄となる確定飾り図柄が停止表示されるまでの期間内など)に、例えばプッシュボタン31Bの押下操作といった、操作手段に対する所定の指示操作が検出されたときに、演出許容条件が成立してもよい。第2具体例として、飾り図柄の可変表示回数を示す可変表示カウント値が所定の演出許容判定値(例えば「10」、「20」、「30」のいずれかなど)に達したときに、演出許容条件が成立してもよい。ここで、可変表示カウント値は、例えば飾り図柄の可変表示が開始される毎に1加算され、演出許容条件が成立したときには「0」に初期化されるものであればよい。また、演出許容判定値は、演出許容条件が成立するごとに、演出用ランダムカウンタ等から抽出した演出許容判定値決定用の乱数値に基づき、複数通りの設定値(例えば「10」、「20」、「30」など)のうちから、いずれかに設定されればよい。第3具体例として、パチンコ遊技機1における演出状態が特定の演出モードとなったときに、演出許容条件が成立してもよい。特定の演出モードは、例えばパチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態または時短状態といった特別遊技状態に制御されることに対応して開始されるものであってもよいし、パチンコ遊技機1における遊技状態にかかわらず、飾り図柄の可変表示が開始されることなどに対応して、所定割合で開始されるものであってもよい。第4具体例として、演出制御基板12に搭載されたRTCM(リアルタイムクロックモジュール)により現在の「年」、「月」、「日」、「曜日」、「時」、「分」、「秒」(現在日時)を特定するための計時を行い、飾り図柄の可変表示が開始される毎に、現在日時が所定日時を経過したか否かを判定する。そして、所定日時を経過したと判定されたときに、演出許容条件が成立してもよい。
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、連続演出となる具体的な演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。加えて、本発明の遊技機は、入賞の発生に基づいて所定数の遊技媒体を景品として払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
本発明を実現するためのプログラム及びデータは、例えばパチンコ遊技機1といった、遊技機に含まれるコンピュータ装置などに対して、着脱自在の記録媒体により配布・提供される形態に限定されるものではなく、予めコンピュータ装置などの有する記憶装置にプリインストールしておくことで配布される形態を採っても構わない。さらに、本発明を実現するためのプログラム及びデータは、通信処理部を設けておくことにより、通信回線等を介して接続されたネットワーク上の、他の機器からダウンロードすることによって配布する形態を採っても構わない。
そして、ゲームの実行形態も、着脱自在の記録媒体を装着することにより実行するものだけではなく、通信回線等を介してダウンロードしたプログラム及びデータを、内部メモリ等に一旦格納することにより実行可能とする形態、通信回線等を介して接続されたネットワーク上における、他の機器側のハードウェア資源を用いて直接実行する形態としてもよい。さらには、他のコンピュータ装置等とネットワークを介してデータの交換を行うことによりゲームを実行するような形態とすることもできる。
以上説明したように、上記実施の形態では、例えばステップS607の処理により決定した連続演出パターンやステップS620の処理による設定に基づいて、図23に示すステップS553の処理による演出動作制御が行われることで、互いに異なる演出態様に対応して可変表示結果が「大当り」となって大当り遊技状態に制御される可能性(大当り信頼度)を異ならせた複数の連続演出のいずれかを、所定条件の成立に基づいて第2始動入賞口を複数の遊技球が通過したことによる複数回の可変表示にわたり実行する。そして、例えば図19(A)に示すステップS513の処理に基づき、ステップS615の処理を実行して、例えば図22(C)に示すような演出対象変動の通知内容に応じた所定割合で連続演出の変更が決定されることで、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更する。また、ステップS607の処理により連続演出パターンPCB1〜PCB3のいずれかに決定することによっても、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更することができる。これにより、連続演出を新たな始動入賞の発生に基づいて記憶される保留記憶情報の判定結果に応じた内容に変更することで、遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
例えば図19(A)に示すステップS507の処理が実行されたときに、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームが実行中であること、および、第2特図保留記憶数が「2」以上であることを条件に、図19(B)に示す割合で連続演出の有無を決定する。そして、連続演出を実行する決定結果に基づいて、図21に示すステップS607の処理にて連続演出パターンを決定することで、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図保留記憶部151Bに記憶された保留記憶情報に応じて、連続演出の決定が行われる。したがって、第1特図よりも優先して実行される第2特図を用いた特図ゲームに対応した複数回の可変表示にわたる連続演出を実行可能とし、その演出内容(演出態様)などを、新たに遊技球が通過(検出)したことに基づいて記憶された保留記憶情報に応じて変更する。これにより、遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、図19(A)に示すステップS507の処理が実行されたときに、第1特別図柄表示装置4Aによる第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶がなく、第1特図を用いた特図ゲームも実行されていない場合に、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて、連続演出を実行することに決定してもよい。そして、例えば図21に示すステップS604〜S607の処理として、図27(A)に示すような処理を実行することで、第2特図保留記憶数が「0」であっても連続演出パターンを決定する。したがって、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したことに応じて連続演出の実行を開始した後、可変表示結果が導出されるまでに第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したときには、連続演出における演出内容(演出態様)などを変更する。これにより、連続演出を迅速に実行可能としつつ、遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
あるいは、第2始動入賞口を1個の遊技球が通過(進入)したときには、連続演出の実行を待機する待機期間を設け、その待機期間にて第2始動入賞口を新たに遊技球が通過(進入)したことに応じて連続演出を実行してもよい。これにより、複数回の可変表示にわたる連続演出を実行可能としつつ、遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図21に示すステップS615の処理が実行されたときには、図22(C)に示すような演出対象変動の通知内容と連続演出パターンに応じた割合で、演出変更結果が決定される。したがって、例えばキャラクタCH3を表示(出現)させる連続演出を実行することに決定された後、大当り信頼度が低いキャラクタCH1やキャラクタCH2を表示(出現)させる連続演出に変更することが制限される。これにより、遊技者の期待感が減退することを防止して、連続演出の変更に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。
図19(A)に示すステップS507の処理が実行されたときには、図19(B)に示すような普電作動開始コマンドに応じた割合で、連続演出を実行するか否かが決定される。したがって、普電作動パターンFC1により開放状態(または拡大開放状態)に変化した第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときに、普電作動パターンFC2により開放状態(または拡大開放状態)に変化した第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したときとは異なる割合で、連続演出を実行するか否かが決定される。これにより、連続演出の実行に対する遊技者の興味を高めつつ、連続演出の変更に対する遊技者の期待感を適切に高めて、遊技の興趣を向上させることができる。