JP6084881B2 - タイヤ用ゴム組成物及び空気入りタイヤ - Google Patents

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Description

本発明は、タイヤ用ゴム組成物及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
従来からタイヤの転がり抵抗を低減させることで自動車の低燃費化が進められているが、近年、ラベリング制度の導入に伴って低燃費化の要求がますます強くなるとともに、同時にウェットグリップ性能の確保も要求されている。そのため、タイヤの占有比率が高いトレッドに対して、優れた低燃費性能(低発熱性能)とウェットグリップ性能を付与することが望まれている。
また、次世代エコカーとしてハイブリッド車や電気自動車等、車輌重量の大きな自動車のシェアが拡大し、それに伴ってタイヤにかかる荷重が大きくなっている等の理由により、高レベルの耐摩耗性能も同時に付与することが望まれている。従来から補強用充填剤を減量して低発熱性を改善する手法が知られているが、ゴムの硬度が低下し、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能などの性能が悪化してしまう。
一方、変性スチレンブタジエンゴムを用いて低発熱性やグリップ性能を改善する方法が知られているが、これを含むゴム組成物は加工性が悪いため、素練り等の工程が増加し、高コストになる(特許文献1参照)。ブタジエンゴムを配合して耐摩耗性能や加工性を改善できるものの、シリカとの相溶性が悪く、良好なシリカ分散性が得られ難い。また、芳香族ビニル重合体を用いてグリップ性能、特にウェットグリップ性能を向上できるものの、発熱量が高くなってしまう。
このように、ゴム組成物の加工性、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能をバランス良く改善することは一般に困難であるため、これらの性能バランスを改善することが望まれている。
特開2010−111754号公報
本発明は、前記課題を解決し、加工性、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能をバランスよく改善できるタイヤ用ゴム組成物、及び該ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本発明は、下記式(1)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性ジエン系重合体と、共役ジエンに基づく構成単位と下記式(2)で表される構成単位とを有し、下記式(3)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性共役ジエン系重合体と、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる芳香族ビニル重合体とを含有するタイヤ用ゴム組成物に関する。
Figure 0006084881
(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
Figure 0006084881
(式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下記式(2a)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下記式(2a)で表される基又は水酸基である。)
Figure 0006084881
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R21及びR22は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。)
Figure 0006084881
(式中、mは1〜10の整数を表し、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R23、R24及びR25の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、Aは窒素原子を有する官能基を表す。)
前記式(2a)のR21及びR22が炭素原子数1〜6のヒドロカルビル基であることが好ましい。
前記式(2)のX、X及びXの2つが式(2a)で表される基又は水酸基であることが好ましい。
前記式(3)のAが下記式(3a)で表される基であることが好ましい。
Figure 0006084881
(式中、R26及びR27は、それぞれ独立に、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の基を表し、R26及びR27は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R26及びR27は窒素に二重結合で結合する同一の基であってもよい。)
前記変性共役ジエン系重合体のビニル結合量が、共役ジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、10〜80モル%であることが好ましい。
前記変性ジエン系重合体が変性スチレンブタジエンゴム、前記変性共役ジエン系重合体が変性ブタジエンゴムであることが好ましい。
ゴム成分100質量部に対する前記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜30質量部であることが好ましい。
本発明はまた、前記タイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤに関する。
本発明は、特定の変性ジエン系重合体、変性共役ジエン系重合体及び芳香族ビニル重合体を含むタイヤ用ゴム組成物であるので、加工性、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能をバランスよく改善できる。
本発明のタイヤ用ゴム組成物は、特定の変性ジエン系重合体、変性共役ジエン系重合体及び芳香族ビニル重合体を含む。
変性スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴムや芳香族ビニル重合体を用いた場合は前述の問題が生じるが、本発明では、特定の変性ジエン系重合体(特定の変性スチレンブタジエンゴムなど)、特定の変性共役ジエン系重合体(特定の変性ブタジエンゴムなど)、及び特定の芳香族ビニル重合体(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体など)の3成分を使用している。そのため、例えば、(1)特定の化合物で末端が変性されたスチレンブタジエンゴムを用いることで、芳香族ビニル重合体の発熱量が高くなるという問題点を解消して、優れた低発熱性が得られること、(2)特定の化合物で主鎖及び末端が変性されたブタジエンゴムをブレンドすることで、変性スチレンブタジエンゴムの問題点である加工性を改善するとともに、ブタジエンゴムの問題点である耐摩耗性も高め、かつ良好なシリカ分散性も得られること、(3)特定の芳香族ビニル重合体を用いることで、グリップ性能(特にウェットグリップ性能)を改善できること、により、加工性、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能をバランス良く改善し、これらの性能バランスを相乗的に改善できる。
本発明では、ゴム成分として下記式(1)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性ジエン系重合体を含有する。これにより、芳香族ビニル重合体に起因する高発熱量を吸収しつつ、低燃費性能を向上し、更にウェットグリップ性能を改善する。なお、前記変性ジエン系重合体は、末端の少なくとも一端が式(1)で示される化合物で変性され、主鎖が後述の式(4)で示される化合物などで変性されていない重合体である。前記変性ジエン系重合体としては、前記式(1)の化合物で重合停止末端が変性されたものが好ましい。
Figure 0006084881
(式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
、R及びRとしてはアルコキシ基が好適である(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4のアルコキシ基)。R及びRとしてはアルキル基が好適である(好ましくは炭素数1〜4のアルキル基)。nとしては、好ましくは1〜5、より好ましくは2〜4、更に好ましくは3である。これにより、低燃費性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能をバランス良く改善でき、本発明の効果が良好に得られる。
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、2−ジメチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジメチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジメチルアミノプロピルトリエトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリメトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、2−ジエチルアミノエチルトリエトキシシラン、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記式(1)で表される化合物により変性されるジエン系ゴムとしては特に限定されず、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、スチレンイソプレンブタジエンゴム(SIBR)、クロロプレンゴム(CR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ブチルゴム(IIR)などのジエン系合成ゴムが挙げられる。
上記式(1)で表される化合物(変性剤)によるジエン系ゴムの変性方法としては、特公平6−53768号公報、特公平6−57767号公報、特表2003−514078号公報などに記載されている方法など、従来公知の手法を用いることができる。例えば、スチレンブタジエンゴムと変性剤とを接触させればよく、アニオン重合によりスチレンブタジエンゴムを合成した後、該重合体ゴム溶液中に変性剤を所定量添加し、スチレンブタジエンゴムの重合末端(活性末端)と変性剤とを反応させる方法、スチレンブタジエンゴム溶液中に変性剤を添加して反応させる方法などが挙げられる。
前記変性ジエン系重合体のなかでも、低燃費性能、ウェットグリップ性能、耐摩耗性能をバランスよく得られるという理由から、変性SBR及び/又は変性BRが好ましく、変性SBRがより好ましい。変性SBRなどの変性ジエン系重合体は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記変性ジエン系重合体が変性SBRの場合、そのビニル含量は、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下である。ビニル含量が90質量%を超えると、耐摩耗性が悪化する傾向がある。該ビニル含量は、好ましくは20質量%以上、より好ましくは30質量%以上である。ビニル含量が20質量%未満であると、充分なウェットグリップ性能が得られないおそれがある。
なお、本明細書において、ビニル含量は、赤外吸収スペクトル分析法によって測定できる。
上記変性SBRのスチレン含量は、好ましくは50質量%以下、より好ましくは45質量%以下である。スチレン含量が50質量%を超えると、耐摩耗性能が悪化するおそれがある。該スチレン含量は、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。スチレン含量が10質量%未満であると、ウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。
なお、スチレン含量は、H−NMR測定により算出される。
前記変性ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは2.0×10以上である。Mwが1.0×10未満では、充分な低燃費性が得られにくい傾向がある。該Mwは好ましくは2.5×10以下、より好ましくは1.0×10以下である。Mwが2.5×10を超えると、加工性の悪化が懸念される。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例の方法で測定できる。
前記変性ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは15質量%以上、より好ましくは40質量%以上である。15質量%未満であると、ウェットグリップ性能が低下するおそれがある。該含有量は、好ましくは95質量%以下、より好ましくは90質量%以下、更に好ましくは85質量%以下である。95質量%を超えると、低燃費性、耐摩耗性及び加工性が低下するおそれがある。
本発明では、ゴム成分として、共役ジエンに基づく構成単位と下記式(2)で表される構成単位とを有し、下記式(3)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性共役ジエン系重合体を含有する。これにより、耐摩耗性能やシリカ分散性を改善しつつ、前記変性ジエン系重合体に起因する加工性不良の問題も解消できる。なお、前記変性共役ジエン系重合体としては、下記式(3)の化合物で重合停止末端が変性されたものが好ましい。
Figure 0006084881
(式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下記式(2a)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下記式(2a)で表される基又は水酸基である。)
Figure 0006084881
(式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R21及びR22は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。)
Figure 0006084881
(式中、mは1〜10の整数を表し、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R23、R24及びR25の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、Aは窒素原子を有する官能基を表す。)
共役ジエンに基づく構成単位の共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンなどをあげることができ、これらは1種でもよく、2種以上でもよい。入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。特に、1,3−ブタジエンを用いた変性ブタジエンゴムを使用することが好ましい。
式(2)のX、X及びXは、それぞれ独立に、式(2a)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つは、式(2a)で表される基又は水酸基である。
式(2a)のR21及びR22は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R21及びR22は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。
本明細書では、ヒドロカルビル基は1価の炭化水素残基を表す。ここで、炭化水素残基とは、炭化水素から水素を除いた基を表す。置換ヒドロカルビル基は、1価の炭化水素残基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロキシル基の水素原子がヒドロカルビル基で置換されている基を表し、置換ヒドロカルビルオキシ基は、ヒドロカルビルオキシ基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。ヒドロカルビレン基は、2価の炭化水素残基を表す。置換ヒドロカルビレン基は、2価の炭化水素残基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。また、置換シリル基は、シリル基の1つ以上の水素原子が置換基で置換されている基を表す。
21及びR22の炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などをあげることができる。
21及びR22の炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
21及びR22の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基などをあげることができる。
21及びR22が結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
21及びR22が結合した基としては、含窒素基が好ましく、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基がより好ましい。
21及びR22のヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が更に好ましく、エチル基、n−ブチル基が特に好ましい。R21及びR22の置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。R21及びR22の置換シリル基としては、トリアルキルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
21及びR22としては、好ましくは、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換シリル基又はR21及びR22が結合した含窒素基であり、より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
式(2a)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。
該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
式(2a)で表される基としては、経済性及び入手容易性から、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基であり、より更に好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基である。
式(2)のX〜Xのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基をあげることができる。また、置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができる。
〜Xのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、X〜Xの置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
〜Xのヒドロカルビル基及び置換ヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基又はアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基又はエチル基である。
式(2)のX、X及びXの少なくとも1つは、式(2a)で表される基又は水酸基である。好ましくは、X、X及びXの2つ以上が、式(2a)で表される基又は水酸基であり、より好ましくは、X、X及びXの2つが、式(2a)で表される基又は水酸基である。また、耐摩耗性能及びウェットグリップ性能を高次元でバランス良く得られるという点から、X、X及びXの少なくとも1つが水酸基であることが好ましく、X、X及びXの2つ以上が水酸基であることがより好ましく、X、X及びXの2つが水酸基であることが更に好ましい。
耐摩耗性能及びウェットグリップ性能をバランス良く高める観点から、式(2)で表される構成単位としては、X、X及びXの2つが非環状アミノ基又は水酸基である構成単位が好ましい。X、X及びXの2つが非環状アミノ基である構成単位としては、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン単位が好ましく、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン単位、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシラン単位がより好ましい。X、X及びXの2つが水酸基である構成単位としては、ジヒドロキシアルキルビニルシラン単位が好ましく、ジヒドロキシメチルビニルシラン単位がより好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体中の式(2)で表される構成単位の含有量は、耐摩耗性能及びウェットグリップ性能をバランス良く高める観点から、重合体単位質量あたり、好ましくは、0.001〜0.1mmol/g重合体である。より好ましくは、0.002〜0.07mmol/g重合体であり、更に好ましくは、0.003〜0.05mmol/g重合体である。
更に前記変性共役ジエン系重合体は、下記式(3)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性されている。これにより、後述する芳香族ビニル重合体により上がる発熱量を吸収し、低燃費性能を向上させる。
以下、下記式(3)で表される化合物について説明する。
Figure 0006084881
(式中、mは1〜10の整数を表し、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R23、R24及びR25の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、Aは窒素原子を有する官能基を表す。)
式(3)のR23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R23、R24及びR25の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基である。
23、R24及びR25のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基などをあげることができる。また、R23、R24及びR25のヒドロカルビルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基などのアルコキシ基をあげることができる。
23、R24及びR25のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基である。また、R23、R24及びR25のヒドロカルビルオキシ基としては、好ましくは、アルコキシ基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜3のアルコキシ基であり、更に好ましくは、メトキシ基、エトキシ基である。
23、R24及びR25としては、耐摩耗性能及びウェットグリップ性能をバランス良く高める観点から、好ましくは、R23、R24及びR25の少なくとも2つがヒドロカルビルオキシ基であり、より好ましくは、R23、R24及びR25の3つがヒドロカルビルオキシ基である。
式(3)のmは1〜10の整数を表す。耐摩耗性能及びウェットグリップ性能をバランス良く高める観点から、好ましくは3以上であり、経済性を高める観点から、好ましくは4以下である。特に好ましくは3である。
式(3)のAは窒素原子を有する官能基であり、アミノ基、イソシアノ基、シアノ基、ピリジル基、ピペリジル基、ピラジニル基、モルホリノ基などをあげることができる。
Aとしては、下記式(3a)で表される基が好ましい。
Figure 0006084881
(式中、R26及びR27は、それぞれ独立に、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の基を表し、R26及びR27は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R26及びR27は窒素に二重結合で結合する同一の基であってもよい。)
式(3a)のR26及びR27としては、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、置換シリル基などをあげることができる。
26及びR27のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などをあげることができる。
26及びR27の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基;エポキシ基、テトラヒドロフラニル基などのアルキレンオキシド基;グリシジル基、テトラヒドロフルフリル基などのアルキレンオキシドアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
なお、本明細書において、アルキレンオキシド基は、環状エーテル化合物の環から水素原子を除いた1価の基を表す。また、アルキレンオキシドアルキル基は、アルキル基の1つ以上の水素原子がアルキレンオキシド基で置換されている基を表す。
26及びR27の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基;トリメトキシシリル基などのトリアルコキシシリル基などをあげることができる。
26及びR27が結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が2〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
26及びR27が結合した基としては、含窒素基が好ましく、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基がより好ましい。
26及びR27の窒素に二重結合で結合する同一の基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が2〜12の2価の基があげられる。例えば、エチリデン基、1−メチルプロピリデン基、1,3−ジメチルブチリデン基、1−メチルエチリデン基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデン基などをあげることができる。
26及びR27のヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基であり、より更に好ましくは、メチル基、エチル基である。R26及びR27の置換ヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルコキシアルキル基、アルキレンオキシド基、アルキレンオキシドアルキル基である。R26及びR27の置換シリル基としては、好ましくは、トリアルキルシリル基、トリアルコキシシリル基であり、より好ましくは、トリアルキルシリル基であり、更に好ましくは、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基である。
26及びR27としては、好ましくは、R26及びR27が結合した含窒素基、アルキル基、アルコキシアルキル基、アルキレンオキシド基、アルキレンオキシドアルキル基、置換シリル基であり、より好ましくは、アルキル基、アルキレンオキシド基、アルキレンオキシドアルキル基、トリアルキルシリル基である。
式(3a)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。また、ジ(エポキシ)アミノ基、ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシド)アミノ基;ジ(グリシジル)アミノ基、ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ基などのジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基をあげることができる。更には、エチリデンアミノ基、1−メチルプロピリデンアミノ基、1,3−ジメチルブチリデンアミノ基、1−メチルエチリデンアミノ基、4−N,N−ジメチルアミノベンジリデンアミノ基などもあげることができる。
なお、本明細書において、ジ(アルキレンオキシド)アミノ基は、窒素原子に結合している2つの水素原子が2つのアルキレンオキシド基に置換されたアミノ基を表し、ジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基は、窒素原子に結合している2つの水素原子が2つのアルキレンオキシドアルキル基に置換されたアミノ基を表す。
該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
式(3a)で表される基としては、耐摩耗性能、ウェットグリップ性能、化合物の長期安定性及び入手容易性から、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基、ジ(アルキレンオキシド)アミノ基、ジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基、ジ(トリアルキルシリル)アミノ基である。
式(3)で表される化合物としては、式(3a)が、ジアルキルアミノ基、ジ(アルコキシアルキル)アミノ基、ジ(アルキレンオキシド)アミノ基、ジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基、トリアルキルシリル基などの非環状アミノ基である化合物をあげることができる。
式(3a)がジアルキルアミノ基である化合物としては、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシラン;
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]メチルジエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシラン、
[3−(エチルメチルアミノ)プロピル]エチルジエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]アルキルジアルコキシシラン;
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジメチルエトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]ジエチルエトキシシランなどの
[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]ジアルキルアルコキシシランをあげることができる。
式(3a)がジ(アルコキシアルキル)アミノ基である化合物としては、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}トリエトキシシランなどの
{3−[ジ(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}トリアルコキシシラン;
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシランなどの
{3−[ジ(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}アルキルジアルコキシシラン;
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシメチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ジ(メトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシラン、
{3−[ジ(エトキシエチル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
{3−[ジ(アルコキシアルキル)アミノ]プロピル}ジアルキルアルコキシシランをあげることができる。
式(3a)がジ(アルキレンオキシド)アミノ基である化合物としては、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(エポキシ)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
式(3a)がジ(エポキシ)アミノ基である化合物;
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフラニル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
式(3a)がジ(テトラヒドロフラニル)アミノ基である化合物をあげることができる。
式(3a)がジ(アルキレンオキシドアルキル)アミノ基である化合物としては、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(グリシジル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
式(3a)がジ(グリシジル)アミノ基である化合物;
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}エチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルメトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ]プロピル}ジエチルエトキシシランなどの
式(3a)がジ(テトラヒドロフルフリル)アミノ基である化合物をあげることができる。
式(3a)がトリアルキルシリル基である化合物としては、
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}トリメトキシシラン、
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}トリエトキシシランなどの
{3−[ジ(トリアルキルシリル)アミノ]プロピル}トリアルコキシシラン;
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジメトキシシラン、
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}メチルジエトキシシランなどの
{3−[ジ(トリアルキルシリル)アミノ]プロピル}アルキルジアルコキシシラン;
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルメトキシシラン、
{3−[ジ(トリメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシラン、
{3−[ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ]プロピル}ジメチルエトキシシランなどの
{3−[ジ(トリアルキルシリル)アミノ]プロピル}ジアルキルアルコキシシランをあげることができる。
これらの中では、[3−(ジアルキルアミノ)プロピル]トリアルコキシシランが好ましく、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリメトキシシラン、
[3−(ジメチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン、
[3−(ジエチルアミノ)プロピル]トリエトキシシラン
がより好ましい。
また、式(3)で表される化合物としては、式(3a)が、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などの環状アミノ基である化合物をあげることができる。
式(3a)が1−ピペリジノ基である化合物としては、
3−(1−ピペリジノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ピペリジノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ピペリジノ)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジノ)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペリジノ)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ピペリジノ)プロピルエチルジエトキシシランなどをあげることができる。
式(3a)が1−ヘキサメチレンイミノ基である化合物としては、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ヘキサメチレンイミノ)プロピルエチルジエトキシシランなどをあげることができる。
式(3a)が1−イミダゾリル基である化合物としては、
N−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾール、
N−(3−トリエトキシシリルプロピル)イミダゾールなどをあげることができる。
式(3a)が4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基である化合物としては、
N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、
N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾールなどをあげることができる。
式(3a)が1−ピペラジニル基である化合物としては、
3−(1−ピペラジニル)プロピルトリメトキシシラン、
3−(1−ピペラジニル)プロピルトリエトキシシラン、
3−(1−ピペラジニル)プロピルメチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペラジニル)プロピルエチルジメトキシシラン、
3−(1−ピペラジニル)プロピルメチルジエトキシシラン、
3−(1−ピペラジニル)プロピルエチルジエトキシシランなどをあげることができる。
式(3a)がモルホリノ基である化合物としては、
3−モルホリノプロピルトリメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルトリエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジメトキシシラン、
3−モルホリノプロピルメチルジエトキシシラン、
3−モルホリノプロピルエチルジエトキシシランなどをあげることができる。
これらの中では、式(3a)が1−イミダゾリル基である化合物、式(3a)が4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基である化合物が好ましく、
N−(3−トリメトキシシリルプロピル)イミダゾール、
N−(3−トリエトキシシリルプロピル)イミダゾール、
N−(3−トリメトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、
N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール
がより好ましい。
前記変性共役ジエン系重合体のビニル含量は、共役ジエン単位の含有量を100モル%として、低燃費性の観点から、好ましくは80モル%以下、より好ましくは70モル%以下である。また、ウェットグリップ性能の観点から、好ましくは10モル%以上、より好ましくは15モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、特に好ましくは25モル%以上である。
前記変性共役ジエン系重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは1.0×10以上、より好ましくは2.0×10以上である。Mwが1.0×10未満では、充分な低燃費性が得られにくい傾向がある。該Mwは好ましくは2.5×10以下、より好ましくは1.0×10以下である。Mwが2.5×10を超えると、加工性の悪化が懸念される。
なお、本明細書において、重量平均分子量(Mw)は、後述の実施例の方法で測定できる。
前記変性共役ジエン系重合体の分子量分布は、低燃費性能の観点から、好ましくは1〜5、より好ましくは1〜2である。本発明において、分子量分布は、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、標準ポリスチレン換算で、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定し、MwをMnで除すことにより求められる。
上記変性共役ジエン系重合体の好適な製造方法としては、下記工程A及びBを有する製造方法をあげることができる。
(工程A):炭化水素溶媒中で、アルカリ金属触媒により、共役ジエンと下記式(4)で表されるビニル化合物とを含む単量体を重合させ、共役ジエンに基づく単量体単位と下記式(4)で表されるビニル化合物に基づく単量体単位とを有する重合体鎖の少なくとも一端に、該触媒由来のアルカリ金属を有する重合体を得る工程。
Figure 0006084881
(式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下記式(4a)で表される基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下記式(4a)で表される基である。)
Figure 0006084881
(式中、R31及びR32は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R31及びR32は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。)
(工程B):工程Aで得られた重合体と上記式(3)で表される化合物を反応させる工程。
(工程A)で用いられるアルカリ金属触媒としては、アルカリ金属、有機アルカリ金属化合物、アルカリ金属と極性化合物との錯体、アルカリ金属を有するオリゴマーなどをあげることができる。該アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムなどをあげることができる。該有機アルカリ金属化合物としては、エチルリチウム、n−プロピルリチウム、iso−プロピルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−オクチルリチウム、n−デシルリチウム、フェニルリチウム、2−ナフチルリチウム、2−ブチルフェニルリチウム、4−フェニルブチルリチウム、シクロヘキシルリチウム、4−シクロペンチルリチウム、ジメチルアミノプロピルリチウム、ジエチルアミノプロピルリチウム、t−ブチルジメチルシリロキシプロピルリチウム、N−モルホリノプロピルリチウム、リチウムヘキサメチレンイミド、リチウムピロリジド、リチウムピペリジド、リチウムヘプタメチレンイミド、リチウムドデカメチレンイミド、1,4−ジリチオ−2−ブテン、ナトリウムナフタレニド、ナトリウムビフェニリド、カリウムナフタレニドなどをあげることができる。また、アルカリ金属と極性化合物との錯体としては、カリウム−テトラヒドロフラン錯体、カリウム−ジエトキシエタン錯体などをあげることができ、アルカリ金属を有するオリゴマーとしては、α−メチルスチレンテトラマーのナトリウム塩をあげることができる。これらの中でも、有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物が好ましく、炭素原子数が2〜20の有機リチウム化合物又は有機ナトリウム化合物がより好ましい。
(工程A)で用いられる炭化水素溶媒は、有機アルカリ金属化合物触媒を失活させない溶媒であり、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、脂環族炭化水素などをあげることができる。該脂肪族炭化水素としては、プロパン、n−ブタン、iso−ブタン、n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、プロペン、1−ブテン、iso−ブテン、トランス−2−ブテン、シス−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ヘキセン、2−ヘキセンなどをあげることができる。また、該芳香族炭化水素としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼンをあげることができ、該脂環族炭化水素としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどがあげられる。これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。これらの中では、炭素原子数が2〜12の炭化水素が好ましい。
(工程A)では、共役ジエンと式(4)で表されるビニル化合物とを含む単量体を重合させ、上述のアルカリ金属触媒由来のアルカリ金属を重合体鎖末端に有する共役ジエン系重合体を製造する。該共役ジエンとしては、1,3−ブタジエン、イソプレン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ヘキサジエンをあげることができ、これらは単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いられる。中でも、入手容易性の観点から、1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
式(4)のX、X及びXは、それぞれ独立に、式(4a)で表される基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つは、式(4a)で表される基である。
式(4a)のR31及びR32は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R31及びR32は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。
31及びR32の炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、ネオペンチル基、イソペンチル基、n−ヘキシル基などのアルキル基;シクロヘキシル基などのシクロアルキル基;フェニル基などをあげることができる。
31及びR32の炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基としては、窒素原子を有する基、酸素原子を有する基及びケイ素原子を有する基からなる基群から選ばれる少なくとも1種の基を置換基として有する置換ヒドロカルビル基をあげることができる。窒素原子を有する基を置換基として有する基としては、ジメチルアミノエチル基、ジエチルアミノエチル基などのジアルキルアミノアルキル基をあげることができ、酸素原子を有する基を置換基として有する基としては、メトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができ、ケイ素原子を有する基を置換基として有する基としては、トリメチルシリルメチル基などのトリアルキルシリルアルキル基などをあげることができる。
31及びR32の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基などのトリアルキルシリル基などをあげることができる。
31及びR32が結合した基としては、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜12の2価の基があげられる。例えば、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基などのアルキレン基;オキシジエチレン基、オキシジプロピレン基などのオキシジアルキレン基;−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基などの含窒素基などをあげることができる。
31及びR32が結合した基としては、含窒素基が好ましく、−CHCH−NH−CH−で表される基、−CHCH−N=CH−で表される基がより好ましい。
31及びR32のヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基が更に好ましく、エチル基、n−ブチル基が特に好ましい。R31及びR32の置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。R31及びR32の置換シリル基としては、トリアルキルシリル基が好ましく、トリメチルシリル基がより好ましい。
31及びR32としては、好ましくは、アルキル基、アルコキシアルキル基、置換シリル基又はR31及びR32が結合した含窒素基であり、より好ましくは、アルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基である。
式(4a)で表される基としては、非環状アミノ基、環状アミノ基をあげることができる。
該非環状アミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(イソプロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基、ジ(sec−ブチル)アミノ基、ジ(tert−ブチル)アミノ基、ジ(ネオペンチル)アミノ基、エチルメチルアミノ基などのジアルキルアミノ基;ジ(メトキシメチル)アミノ基、ジ(メトキシエチル)アミノ基、ジ(エトキシメチル)アミノ基、ジ(エトキシエチル)アミノ基などのジ(アルコキシアルキル)アミノ基;ジ(トリメチルシリル)アミノ基、ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ基などのジ(トリアルキルシリル)アミノ基などをあげることができる。
該環状アミノ基としては、1−ピロリジニル基、1−ピペリジノ基、1−ヘキサメチレンイミノ基、1−ヘプタメチレンイミノ基、1−オクタメチレンイミノ基、1−デカメチレンイミノ基、1−ドデカメチレンイミノ基などの1−ポリメチレンイミノ基をあげることができる。また、環状アミノ基としては、1−イミダゾリル基、4,5−ジヒドロ−1−イミダゾリル基、1−イミダゾリジニル基、1−ピペラジニル基、モルホリノ基などもあげることができる。
式(4a)で表される基としては、経済性及び入手容易性から、好ましくは、非環状アミノ基であり、より好ましくは、ジアルキルアミノ基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基で置換されたジアルキルアミノ基であり、より更に好ましくは、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジ(n−プロピル)アミノ基、ジ(n−ブチル)アミノ基である。
式(4)のX〜Xのヒドロカルビル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などのアルキル基をあげることができる。また、置換ヒドロカルビル基としては、メトキシメチル基、エトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基などのアルコキシアルキル基をあげることができる。
〜Xのヒドロカルビル基としては、アルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルキル基がより好ましく、メチル基又はエチル基が更に好ましい。また、X〜Xの置換ヒドロカルビル基としては、アルコキシアルキル基が好ましく、炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基がより好ましい。
〜Xのヒドロカルビル基及び置換ヒドロカルビル基としては、好ましくは、アルキル基又はアルコキシアルキル基であり、より好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基又は炭素原子数が1〜4のアルコキシアルキル基であり、更に好ましくは、炭素原子数が1〜4のアルキル基であり、より更に好ましくは、メチル基又はエチル基である。
式(4)のX、X及びXの少なくとも1つは、式(4a)で表される基である。好ましくは、X、X及びXの2つ以上が、式(4a)で表される基であり、より好ましくは、X、X及びXの2つが、式(4a)で表される基である。
(工程A)で用いられる式(4)で表されるビニル化合物としては、X〜Xの1つが式(4a)で表される非環状アミノ基であり、2つがヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基である化合物として、(ジアルキルアミノ)ジアルキルビニルシラン、{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}ジアルキルビニルシラン、(ジアルキルアミノ)ジアルコキシアルキルビニルシランなどをあげることができる。
(ジアルキルアミノ)ジアルキルビニルシランとしては、(ジメチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジメチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジメチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジエチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジエチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジプロピルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチルメチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチル−n−プロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(エチルイソプロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジ(n−プロピル)アミノ)ジブチルビニルシラン、(ジイソプロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ジブチルビニルシラン、(ジ(n−ブチル)アミノ)ジブチルビニルシランなどをあげることができる。
{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}ジアルキルビニルシランとしては、{ジ(トリメチルシリル)アミノ}ジメチルビニルシラン、{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}ジメチルビニルシラン、{ジ(トリメチルシリル)アミノ}ジエチルビニルシラン、{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}ジエチルビニルシランなどをあげることができる。
(ジアルキルアミノ)ジアルコキシアルキルビニルシランとしては、(ジメチルアミノ)ジメトキシメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジメトキシエチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエトキシメチルビニルシラン、(ジメチルアミノ)ジエトキシエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメトキシメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジメトキシエチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエトキシメチルビニルシラン、(ジエチルアミノ)ジエトキシエチルビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの2つが式(4a)で表される非環状アミノ基であり、1つがヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基である化合物として、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシラン、ビス{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}アルキルビニルシラン、ビス(ジアルキルアミノ)アルコキシアルキルビニルシランなどをあげることができる。
ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシランとしては、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)エチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)プロピルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチルメチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチル−n−プロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(エチルイソプロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジイソプロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(n−ブチル−n−プロピルアミノ)ブチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)ブチルビニルシランなどをあげることができる。
ビス{ジ(トリアルキルシリル)アミノ}アルキルビニルシランとしては、ビス{ジ(トリメチルシリル)アミノ}メチルビニルシラン、ビス{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}メチルビニルシラン、ビス{ジ(トリメチルシリル)アミノ}エチルビニルシラン、ビス{ジ(t−ブチルジメチルシリル)アミノ}エチルビニルシランなどをあげることができる。
ビス(ジアルキルアミノ)アルコキシアルキルビニルシランとしては、ビス(ジメチルアミノ)メトキシメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)メトキシエチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エトキシメチルビニルシラン、ビス(ジメチルアミノ)エトキシエチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メトキシメチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メトキシエチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エトキシメチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)エトキシエチルビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの3つが式(4a)で表される非環状アミノ基である化合物として、トリ(ジアルキルアミノ)ビニルシランなどをあげることができる。例えば、トリ(ジメチルアミノ)ビニルシラン、トリ(エチルメチルアミノ)ビニルシラン、トリ(ジエチルアミノ)ビニルシラン、トリ(エチルプロピルアミノ)ビニルシラン、トリ(ジプロピルアミノ)ビニルシラン、トリ(ブチルプロピルアミノ)ビニルシランなどをあげることができる。
〜Xの2つが式(4a)で表される環状アミノ基であり、1つがヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基である化合物として、ビス(モルホリノ)メチルビニルシラン、ビス(ピペリジノ)メチルビニルシラン、ビス(4,5−ジヒドロイミダゾリル)メチルビニルシラン、ビス(ヘキサメチレンイミノ)メチルビニルシランなどをあげることができる。
、X及びXの2つが式(4a)で表される基である式(4)で表されるビニル化合物として、好ましくは、X、X及びXの2つが非環状アミノ基であるビニル化合物であり、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能の観点から、より好ましくは、ビス(ジアルキルアミノ)アルキルビニルシランであり、更に好ましくは、ビス(ジメチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−プロピル)アミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランである。中でも、化合物の入手容易性の観点からは、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン、ビス(ジ(n−ブチル)アミノ)メチルビニルシランが好ましい。
(工程A)の重合は、共役ジエン単位のビニル含量を調整する剤、共役ジエン系重合体鎖中での共役ジエン単位と共役ジエン以外の単量体に基づく構成単位の分布を調整する剤(以下、総称して「調整剤」と記す。)などの存在下で行ってもよい。このような剤としては、エーテル化合物、第三級アミン、ホスフィン化合物などをあげることができる。該エーテル化合物としては、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,4−ジオキサンなどの環状エーテル;ジエチルエーテル、ジブチルエーテルなどの脂肪族モノエーテル;エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテルなどの脂肪族ジエーテル;ジフェニルエーテル、アニソールなどの芳香族エーテルなどがあげられる。該第三級アミンとして、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N−ジエチルアニリン、ピリジン、キノリンなどをあげることができる。また、該ホスフィン化合物として、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリフェニルホスフィンなどをあげることができる。これらは単独で用いても、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(工程A)での重合温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。重合時間は、通常10分〜5時間である。
(工程B)において、工程Aで調製された重合体に接触させる式(3)で表される化合物の量は、有機アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モルあたり、通常、0.1〜3モルであり、好ましくは、0.5〜2モルであり、より好ましくは、0.7〜1.5モルであり、更に好ましくは、1〜1.5モルである。
(工程B)において、工程Aで調製された重合体と式(3)で表される化合物とを接触させる温度は、通常25〜100℃であり、好ましくは35〜90℃である。より好ましくは50〜80℃である。接触させる時間は、通常、60秒〜5時間であり、好ましくは5分〜1時間であり、より好ましくは15分〜1時間である。
上記変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、必要に応じて、アルカリ金属触媒による単量体の重合開始から重合停止において、変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にカップリング剤を添加してもよい。カップリング剤としては、下記式(X)で表される化合物をあげることができる。
91 ML4−a(X)
(式中、R91はアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基又は芳香族残基を表し、Mはケイ素原子又はスズ原子を表し、Lはハロゲン原子又はヒドロカルビルオキシ基を表し、aは0〜2の整数を表す。)
ここで、芳香族残基は、芳香族炭化水素から芳香環に結合している水素を除いた1価の基を表す。
式(X)で表されるカップリング剤としては、四塩化珪素、メチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、四塩化スズ、メチルトリクロロスズ、ジメチルジクロロスズ、トリメチルクロロスズ、テトラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメトキシジメチルシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ジメトキシジエチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、テトラエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ジエトキシジエチルシランなどをあげることができる。
カップリング剤の添加量は、アルカリ金属触媒由来のアルカリ金属1モル当たり、変性共役ジエン系重合体の加工性の観点から、好ましくは0.03モル以上であり、より好ましくは0.05モル以上である。また、低燃費性の観点から、好ましくは0.4モル以下であり、より好ましくは0.3モル以下である。
変性共役ジエン系重合体は、公知の回収方法、例えば、(1)変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液に凝固剤を添加する方法、(2)変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液にスチームを添加する方法によって、変性共役ジエン系重合体の炭化水素溶液から回収することができる。回収した変性共役ジエン系重合体は、バンドドライヤーや押出型ドライヤーなどの公知の乾燥機で乾燥してもよい。
また、前記変性共役ジエン系重合体の製造方法においては、加水分解などにより、重合体の式(2a)で表される基を水酸基に置換させる処理を行うことが好ましい。該処理は、重合体単独の状態で行ってもよく、後述のような組成物の状態で行ってもよい。加水分解する方法としては、例えば、スチームストリッピングによる方法などの公知の方法があげられる。上記処理により、式(2)のX〜Xを水酸基とすることができ、耐摩耗性能及びウェットグリップ性能をよりバランス良く向上できる。
前記変性共役ジエン系重合体の含有量は、ゴム成分100質量%中、好ましくは5質量%以上、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。5質量%未満であると、低燃費性の改善効果が得られにくい傾向がある。前記変性共役ジエン系重合体の含有量は、好ましくは60質量%以下、より好ましくは50質量%以下、更に好ましくは40質量%以下である。60質量%を超えると、耐摩耗性能が低下するとともに、高コストになる傾向がある。
本発明の効果を阻害しない範囲内で、前記変性ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体以外に、天然ゴム(NR)、前述の合成ゴムなど、他のゴム成分を配合してもよい。
本発明では、軟化剤として、α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる芳香族ビニル重合体を含有する。該芳香族ビニル重合体を含有することで、ウェットグリップ性能を向上し、また、加工性の改善も可能となる。
前記芳香族ビニル重合体では、芳香族ビニル単量体(単位)として、スチレン及び/又はα−メチルスチレンが使用され、それぞれの単量体の単独重合体、両単量体の共重合体のいずれでもよい。
前記芳香族ビニル重合体としては、経済的で、加工しやすく、ウェットグリップ性能に優れていることから、α−メチルスチレンの単独重合体、又はα−メチルスチレンとスチレンとの共重合体が好ましい。
前記芳香族ビニル重合体の軟化点(Softening Point)は、好ましくは100℃以下、より好ましくは92℃以下、更に好ましくは88℃以下である。100℃を超えると、耐摩耗性能及びウェットグリップ性能が悪化する傾向がある。また、該軟化点は、好ましくは30℃以上、より好ましくは60℃以上、更に好ましくは75℃以上である。30℃未満であると、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。
なお、本明細書において、軟化点とは、JIS K 6220−1:2001に規定される軟化点を環球式軟化点測定装置で測定し、球が降下した温度である。
前記芳香族ビニル重合体の重量平均分子量(Mw)は、好ましくは500以上、より好ましくは800以上である。500未満では、ウェットグリップ性能を充分に改善できないおそれがある。また、上記芳香族ビニル重合体の重量平均分子量は、好ましくは10,000以下、より好ましくは3,000以下、更に好ましくは2,000以下である。10,000を超えると、良好な低燃費性能を確保できないおそれがある。
前記芳香族ビニル重合体の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは5質量部以上、更に好ましくは7質量部以上である。1質量部未満であると、前記芳香族ビニル重合体による改善効果が充分に得られない傾向がある。また、上記芳香族ビニル重合体の含有量は、好ましくは30質量部以下、より好ましくは25質量部以下、更に好ましくは22質量部以下である。30質量部を超えると、良好な低燃費性能及び耐摩耗性能を確保できないおそれがある。
本発明では、前記芳香族ビニル重合体以外に、軟化剤としてオイルを配合することが好ましい。オイルとしては、例えば、プロセスオイル、植物油脂、又はその混合物などを用いることができる。プロセスオイルとしては、例えば、パラフィン系プロセスオイル、アロマ系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイルなどを用いることができる。
オイルの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは1質量部以上、より好ましくは3質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは20質量部以下、より好ましくは15質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果を充分に発揮することができる。
前記芳香族ビニル重合体及びオイルの合計含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは10質量部以上、より好ましくは15質量部以上である。また、該含有量は、好ましくは40質量部以下、より好ましくは35質量部以下である。上記範囲内であると、本発明の効果が充分に得られる。
本発明のゴム組成物は補強剤としてシリカを配合することが好ましい。前記変性ジエン系重合体や変性共役ジエン系重合体にシリカを配合することで、シリカの分散性が良好となり、ウェットグリップ性能、低燃費性、耐摩耗性が顕著に改善される。
シリカとしては、例えば、乾式法シリカ(無水ケイ酸)、湿式法シリカ(含水ケイ酸)などが挙げられるが、シラノール基が多いという理由から、湿式法シリカが好ましい。シリカは単独で用いてもよく、2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、シリカのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは40m/g以上、より好ましくは60m/g以上、更に好ましくは130m/g以上である。また、該NSAは、好ましくは400m/g以下、より好ましくは360m/g以下、更に好ましくは200m/g以下である。チッ素吸着比表面積が40m/g未満のシリカでは補強効果が小さく耐摩耗性が低下する傾向があり、400m/gを超えるシリカでは分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大し低燃費性能が低下する傾向がある。
なお、シリカのチッ素吸着比表面積は、ASTM D3037−81に準じてBET法で測定される値である。
シリカの含有量は、ゴム成分100質量部に対して、5〜150質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、50〜90質量部が更に好ましい。シリカの含有量が5質量部未満であると、耐摩耗性が十分でない傾向があり、シリカの含有量が150質量部を超えると、加工性が悪化する傾向がある。
また、本発明のゴム組成物は補強剤としてカーボンブラックを配合することが好ましい。これにより、補強性を顕著に高め、耐摩耗性能をより改善することができる。
カーボンブラックとしては、SAF、ISAF、HAF、MAF、FEF、SRF、GPF、APF、FF、CF、SCF及びECFのようなファーネスブラック(ファーネスカーボンブラック);アセチレンブラック(アセチレンカーボンブラック);FT及びMTのようなサーマルブラック(サーマルカーボンブラック);EPC、MPC及びCCのようなチャンネルブラック(チャンネルカーボンブラック);グラファイトなどをあげることができる。これらは単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。なかでも、ISAF、SAF、HAFが好ましい。
カーボンブラックのチッ素吸着比表面積(NSA)は、好ましくは5m/g以上、より好ましくは50m/g以上、更に好ましくは100m/g以上である。また、該NSAは、好ましくは200m/g以下、より好ましくは150m/g以下、更に好ましくは130m/g以下である。5m/g未満であると、補強効果が小さく耐摩耗性能が低下するおそれがあり、200m/gを超えると、分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大して低燃費性能が低下するおそれがある。カーボンブラックのチッ素吸着比表面積は、ASTM D4820−99に準拠して測定される。
カーボンブラックのジブチルフタレート(DBP)吸収量は、好ましくは5ml/100g以上、より好ましくは80ml/100g以上、更に好ましくは100ml/100g以上である。また、該DBP吸収量は、好ましくは300ml/100g以下、より好ましくは180ml/100g以下、更に好ましくは130ml/100g以下である。5ml/100g未満であると、補強効果が小さく耐摩耗性能が低下するおそれがあり、300ml/100gを超えると、分散性が悪く、ヒステリシスロスが増大して低燃費性能が低下するおそれがある。カーボンブラックのDBP吸収量は、ASTM D2414−12に準拠して測定される。
シリカを配合する場合、シリカと共にシランカップリング剤を併用することが好ましい。シランカップリング剤としては、特に限定されず、例えば、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリエトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(3−トリメトキシシリルプロピル)ポリスルフィド、ビス(2−トリメトキシシリルエチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリエトキシシリルブチル)ポリスルフィド、ビス(4−トリメトキシシリルブチル)ポリスルフィド、3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィド等があげられる。なかでも、補強性改善効果などの点から、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド及び3−トリメトキシシリルプロピルベンゾチアゾリルテトラスルフィドが好ましく、ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドがより好ましい。これらのシランカップリング剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
シランカップリング剤の含有量は、シリカ100質量部に対して、好ましくは0.1〜20質量部である。該含有量が0.1質量部未満では、カップリング効果が不充分であり、ウェットグリップ性能が充分に得られないだけでなく、耐摩耗性能が低下するおそれがある。20質量部を超えると、得られたゴム組成物が硬くなり、ウェットグリップ性能が低下する。
本発明のゴム組成物には、前記成分以外にも、タイヤ工業において一般的に用いられている配合剤、例えば、ワックス、酸化亜鉛、ステアリン酸、老化防止剤、硫黄等の加硫剤、加硫促進剤等の材料を適宜配合してもよい。
硫黄としては、粉末硫黄、沈降硫黄、コロイド硫黄、不溶性硫黄、高分散性硫黄があげられる。硫黄の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、好ましくは0.1〜15質量部であり、より好ましくは0.3〜10質量部である。
加硫促進剤としては、スルフェンアミド系、チアゾール系、グアニジン系、チウラム系加硫促進剤などが挙げられ、なかでも本発明では、スルフェンアミド系、グアニジン系加硫促進剤が好ましい。
スルフェンアミド系加硫促進剤としては、N−tert−ブチル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(TBBS)、N−シクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(CBS)、N,N−ジシクロヘキシル−2−ベンゾチアゾリルスルフェンアミド(DCBS)などが挙げられ、なかでもTBBSが好ましい。グアニジン系加硫促進剤としては、グアニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン、ジオルトトリグアニジン、トリフェニルグアニジンなどが挙げられ、なかでもジフェニルグアニジンが好ましい。
加硫促進剤の含有量は、ゴム成分100質量部に対して、0.1〜5質量部が好ましく、0.2〜3質量部がより好ましい。
本発明のゴム組成物の製造方法としては、公知の方法を用いることができ、例えば、前記各成分をオープンロール、バンバリーミキサー、密閉式混練機などのゴム混練装置を用いて混練し、その後加硫する方法などにより製造できる。
本発明のゴム組成物は、タイヤのトレッドなどに好適に使用できる。
本発明の空気入りタイヤは、上記ゴム組成物を用いて通常の方法によって製造される。すなわち、必要に応じて各種添加剤を配合したゴム組成物を、未加硫の段階でタイヤのトレッドなどの形状に合わせて押し出し加工し、タイヤ成型機上にて通常の方法にて成形し、他のタイヤ部材とともに貼り合わせ、未加硫タイヤを形成した後、加硫機中で加熱加圧してタイヤを製造できる。
実施例に基づいて、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されるものではない。
(変性共役ジエン系重合体の製造例)
内容積20リットルのステンレス製重合反応器内を洗浄、乾燥し、乾燥窒素で置換し、ヘキサン(比重0.68g/cm)10.2kg、1,3−ブタジエン547g、テトラヒドロフラン3.0ml、エチレングリコールジエチルエーテル2.0mlを重合反応器内に投入した。
次に、ビス(ジエチルアミノ)メチルビニルシラン11.1mmol及びn−ブチルリチウム13.1mmolを、それぞれ、シクロヘキサン溶液及びn−ヘキサン溶液として投入し、重合を開始した。撹拌速度を130rpm、重合反応器内温度を65℃とし、単量体を重合反応器内に連続的に供給しながら、1,3−ブタジエンの重合を3時間行った。全重合での1,3−ブタジエンの供給量は821gであった。
次に、得られた重合体溶液を130rpmの撹拌速度で撹拌し、3−ジエチルアミノプロピルトリエトキシシラン11.1mmolを添加し、15分間撹拌した。重合体溶液にメタノール0.54mlを含むヘキサン溶液20mlを加えて、更に重合体溶液を5分間撹拌した。
重合体溶液に2−tert−ブチル−6−(3−tert−ブチル−2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−4−メチルフェニルアクリレート(住友化学(株)製、商品名:スミライザーGM)1.8g、ペンタエリスリチルテトラキス(3−ラウリルチオプロピオネート)(住友化学(株)製、商品名:スミライザーTP−D)0.9gを加え、次に、スチームストリッピングによって重合体溶液から変性共役ジエン系重合体を回収した。
なお、重合反応器内への原料の投入量及び供給量から計算した重合体中の式(2)で表される構成単位の含有量は、重合体単位質量あたり0.008mmol/g重合体であった。
得られた上記変性共役ジエン系重合体について、以下の物性評価を行った。結果は表1に示す。
(重量平均分子量(Mw)、分子量分布(Mw/Mn))
下記の条件(1)〜(8)でゲル・パーミエイション・クロマトグラフ(GPC)法により、数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)を測定し、分子量分布MwをMnで除すことにより求めた。
(1)装置:東ソー社製HLC−8020
(2)分離カラム:東ソー社製GMH−XL(2本直列)
(3)測定温度:40℃
(4)キャリア:テトラヒドロフラン
(5)流量:0.6mL/分
(6)注入量:5μL
(7)検出器:示差屈折
(8)分子量標準:標準ポリスチレン
(ビニル結合量)(単位:モル%)
赤外分光分析法により、ビニル基の吸収ピークである910cm−1付近の吸収強度より重合体のビニル結合量を求めた。
Figure 0006084881
以下、実施例及び比較例で使用した各種薬品について、まとめて説明する。
変性ジエン系重合体:住友化学(株)製の変性SBR(スチレン含量:25質量%、ビニル含量:57質量%、式(1)において、R、R及びR=OCH、R及びR=CHCH、n=3の化合物(3−ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン)により末端が変性)
変性共役ジエン系重合体:上記製造例により合成された重合体
SBR:JSR(株)製のSBR1502
BR:宇部興産(株)製のBR130B
芳香族ビニル重合体:Arizona chemical社製のSYLVARES SA85(α−メチルスチレンとスチレンとの共重合体、軟化点:85℃、Mw:1000)
シリカ:デグッサ社製のUltrasil VN3(NSA:175m/g)
カーボンブラック:三菱化学(株)製のダイアブラックI(NSA:114m/g、DBP吸収量:114ml/100g)
シランカップリング剤:デグッサ社製のSi69(ビス(3−トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド)
オイル:(株)JX日鉱日石エネルギー(株)製のプロセスX−140(アロマ系プロセスオイル)
ワックス:大内新興化学工業(株)製のサンノックN
ステアリン酸:日油(株)製のステアリン酸「椿」
酸化亜鉛:三井金属鉱業(株)製の亜鉛華
老化防止剤:大内新興化学工業(株)製のノクラック6C(N−フェニル−N’−(1,3−ジメチルブチル)−p−フェニレンジアミン)
硫黄:日本乾溜工業(株)製のセイミサルファー(二硫化炭素による不溶分60%、オイル分10質量%含む不溶性硫黄)
加硫促進剤1:大内新興化学工業(株)製のノクセラーNS(TBBS)
加硫促進剤2:大内新興化学工業(株)製のノクセラーD(ジフェニルグアニジン)
<実施例及び比較例>
表2に示す配合処方に従い、1.7Lバンバリーミキサーを用いて、硫黄及び加硫促進剤以外の材料を150℃の条件下で5分間混練りし、混練り物を得た。次に、得られた混練り物に硫黄及び加硫促進剤を添加し、オープンロールを用いて、80℃の条件下で3分間練り込み、未加硫ゴム組成物を得た。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間、2mm厚の金型でプレス加硫し、加硫ゴム組成物を得た。
また、得られた未加硫ゴム組成物をトレッド形状に成形して、他のタイヤ部材と貼り合わせ、150℃で35分間の条件下で加硫することにより、試験用タイヤ(タイヤサイズ:215/45ZR17)を作製した。
得られた未加硫ゴム組成物、加硫ゴム組成物及び試験用タイヤについて下記の評価を行った。結果を表2に示す。
(ウェットグリップ性能)
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着して、湿潤アスファルト路面にて初速度100km/hからの制動距離を求めた。比較例1のウェットグリップ性能を100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどウェットグリップ性能が良好である。
(ウェットグリップ性能)=(比較例1の制動距離)/(各配合の制動距離)×100
(耐摩耗性能)
試験用タイヤを車輌(国産FF2000cc)の全輪に装着してテストコースを実車走行し、30000km走行前後のパターン溝深さの変化を求めた。結果は、比較例1を100として指数表示した。指数が大きいほど耐摩耗性能が良好である。
(低燃費性能)
加硫ゴム組成物について、粘弾性スペクトロメーターVES((株)岩本製作所製)を用いて、温度70℃、初期歪み10%、動歪み2%の条件下で各配合のtanδを測定し、比較例1のtanδを100として、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほど転がり抵抗性に優れ、低燃費性能に優れることを示す。
(低燃費性能)=(比較例1のtanδ)/(各配合のtanδ)X100
(加工性)
得られた未加硫ゴム組成物について、JIS K6300に準拠したムーニー粘度の測定方法に従い、130℃で測定した。比較例1のムーニー粘度(ML1+4)を100とし、下記計算式により指数表示した。指数が大きいほどムーニー粘度が低く、加工性に優れることを示す。
(加工性)=(比較例1のML1+4)/(各配合のML1+4)×100
Figure 0006084881
ゴム成分として特定の変性ジエン系重合体及び変性共役ジエン系重合体を用いたシリカ配合ゴムに軟化剤として特定の芳香族ビニル重合体を添加した実施例では、加工性、低燃費性能、ウェットグリップ性能及び耐摩耗性能をバランスよく改善し、これらの性能バランスを相乗的に改善できることが明らかとなった。

Claims (7)

  1. 下記式(1)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性ジエン系重合体と、
    共役ジエンに基づく構成単位と下記式(2)で表される構成単位とを有し、下記式(3)で表される化合物によって重合体の少なくとも一端が変性された変性共役ジエン系重合体と、
    α−メチルスチレン及び/又はスチレンを重合して得られる芳香族ビニル重合体とを含有し、
    前記変性ジエン系重合体が変性スチレンブタジエンゴム、前記変性共役ジエン系重合体が変性ブタジエンゴムであるタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0006084881
    (式(1)中、R、R及びRは、同一若しくは異なって、アルキル基、アルコキシ基、シリルオキシ基、アセタール基、カルボキシル基、メルカプト基又はこれらの誘導体を表す。R及びRは、同一若しくは異なって、水素原子又はアルキル基を表す。nは整数を表す。)
    Figure 0006084881
    (式中、X、X及びXは、それぞれ独立に、下記式(2a)で表される基、水酸基、ヒドロカルビル基又は置換ヒドロカルビル基を表し、X、X及びXの少なくとも1つが、下記式(2a)で表される基又は水酸基である。)
    Figure 0006084881
    (式中、R21及びR22は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜6のヒドロカルビル基、炭素原子数が1〜6の置換ヒドロカルビル基、シリル基又は置換シリル基を表し、R21及びR22は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよい。)
    Figure 0006084881
    (式中、mは1〜10の整数を表し、R23、R24及びR25は、それぞれ独立に、炭素原子数が1〜4のヒドロカルビル基又は炭素原子数が1〜4のヒドロカルビルオキシ基を表し、R23、R24及びR25の少なくとも1つがヒドロカルビルオキシ基であり、Aは窒素原子を有する官能基を表す。)
  2. 前記式(2a)のR21及びR22が炭素原子数1〜6のヒドロカルビル基である請求項1記載のタイヤ用ゴム組成物。
  3. 前記式(2)のX、X及びXの2つが式(2a)で表される基又は水酸基である請求項1又は2記載のタイヤ用ゴム組成物。
  4. 前記式(3)のAが下記式(3a)で表される基である請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
    Figure 0006084881
    (式中、R26及びR27は、それぞれ独立に、窒素原子、酸素原子及びケイ素原子からなる原子群から選ばれる少なくとも1種の原子を有していてもよい炭素原子数が1〜6の基を表し、R26及びR27は結合して窒素原子と共に環構造を形成していてもよく、R26及びR27は窒素に二重結合で結合する同一の基であってもよい。)
  5. 前記変性共役ジエン系重合体のビニル結合量が、共役ジエンに基づく構成単位の含有量を100モル%として、10〜80モル%である請求項1〜4のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  6. ゴム成分100質量部に対する前記芳香族ビニル重合体の含有量が1〜30質量部である請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物。
  7. 請求項1〜のいずれかに記載のタイヤ用ゴム組成物を用いて作製した空気入りタイヤ。
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