以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
図1は、本発明の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。詳細な図示は省略するが、本例の電気自動車は、三相交流電力の永久磁石モータ50を走行駆動源として走行する車両であり、モータ50は電気自動車の車軸に結合されている。以下、電気自動車を例に説明するが、ハイブリッド自動車(HEV)にも本発明を適用可能であり、車両以外の装置にも本発明を適用可能である。また電力変換装置は車両に搭載されている。
本例の充電システムは、バッテリ1と、電圧センサ2と、リレースイッチ11、12、13と、インバータ31、32と、モータ50と、コンバータ60と、充電ポート7とを備えている。
バッテリ1は、リレースイッチ11〜13を介してインバータ31、32にそれぞれ接続されている。バッテリ1は、例えばリチウムイオン電池等の二次電池により構成され、モータ50の電力源となる。バッテリ1は、モータ50の回生制御による電力、及び、外部の商用電源等の交流電源8からの電力により充電される。
電圧センサ2は、バッテリ1の端子間の電圧を検出するセンサであり、バッテリ1に接続されている。
リレースイッチ11はバッテリ1とインバータ31との間、及び、バッテリ1とコンバータ4との間に接続されている。バッテリ1の正極側に接続された電源線Pは、バッテリ1の入出力から分岐して、インバータ31とコンバータ60にそれぞれ接続されている。また、バッテリ1の負極側に接続された電源線Nは、バッテリ1の入出力から分岐し、インバータ31とコンバータ60にそれぞれ接続されている。そして、リレースイッチ11は、一対のスイッチを、分岐した電源線Pのうちコンバータ60に接続された配線と、分岐した電源線Nのうちコンバータ60に接続された配線に、それぞれ接続することで構成されている。
リレースイッチ12は、リレースイッチ11とインバータ31との間、及び、インバータ31とコンバータ60との間に接続されている。リレースイッチ12は、a接点とb接点を有し、回路の切り替えを可能とするスイッチである。a接点はコンバータ60とインバータ31との間を接続する配線に設けられ、b接点はバッテリ1とインバータ31の間を接続する配線に設けられている。リレースイッチ12は、コンバータ60からインバータ31への電流経路、インバータ31からバッテリ1への電流経路を切り替えるためのスイッチである。
リレースイッチ13は、コンバータ60とインバータ32との間に接続されている。リレースイッチ13は、回路の切り替えを可能とするスイッチにより構成されている。コンバータ60とインバータ31、32の間を接続する配線は、コンバータ60からインバータ32のみに接続する配線と、コンバータ60からインバータ31及びインバータ32に接続する配線により構成されている。リレースイッチ13はa接点とb接点とを有している。a接点は、コンバータ60とインバータ31、32とを接続する配線に設けられ、b接点は、コンバータ60とインバータ32とを接続する配線に設けられている。リレースイッチ13は、コンバータ60からインバータ32への電流経路と、インバータ31からバッテリ1への電流経路を、交流電源8の電力によるバッテリ1の充電時と、バッテリ1の電力によるモータ50の駆動時で、切り替えるためのスイッチである。
これにより、リレースイッチ12、13は、コンバータ60とインバータ32とを接続する配線の回路と、コンバータ60とインバータ31、32とを接続する配線の回路とを切り替える。
リレースイッチ11は、コントローラ100の制御信号に基づいて、オン及びオフを切り替える。リレースイッチ12、13は、コントローラ100の制御信号に基づいて、回路を切り替える。
インバータ31は、バッテリ1から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ5に供給するDC/ACインバータであり、バッテリ1とモータ5との間及びコンバータ60とモータ50との間に接続されている。インバータ31は、直流側に平滑用のコンデンサ311と、複数のスイッチング素子(絶縁ゲートバイポーラトランジスタIGBT)Q1〜Q6と、各スイッチング素子Q1〜Q6に並列に接続され、スイッチング素子Q1〜Q6の電流方向とは逆方向に電流が流れる整流素子(還流ダイオード)D1〜D6とを有している。また、2つのスイッチング素子を直列に接続した3対の回路が並列に接続され、各対のスイッチング素子間とモータ5の三相入力部とが接続されている。スイッチング素子Q1〜Q6は、コントローラ100から送信される駆動信号に基づきオン及びオフを切り替え、電力を変換する。
インバータ32は、バッテリ1から供給される直流電力を交流電力に変換してモータ5に供給するDC/ACインバータであり、コンバータ60とモータ50との間に接続されている。またインバータ32は、交流電源8の電力に基づき、コンバータ60から出力される直流電力を交流電力に変換してモータ50に供給するインバータである。インバータ32は、直流側に平滑用のコンデンサ321と、スイッチング素子Q1〜Q6と、整流素子D1〜D6を有している。インバータ32の構成は、インバータ31の構成と同様であるため説明を省略する。
モータ50は、例えば多重巻線を有する同期モータであって、インバータ31、32の交流側に接続されている。モータ5はバッテリ1からの電力で駆動する。モータ5は、インバータ31に接続された巻線51(第1巻線)と、インバータ32に接続された巻線52(第2巻線)とを備えている。第1巻線51及び第2巻線52は、3つのコイルをスター状に結線することで構成されている。第1巻線51と第2巻線52との間は、電気的には導通していないが、磁気的に結合されている。そのため、交流電流が第2巻線に流れると、第1巻線51に誘導電流が発生し、誘導電流がインバータ31の交流側に流れる。すなわち、モータ50はトランスとして作用し、インバータ31、32は第1巻線51及び第2巻線52に対して独立したインバータになっている。これにより、本例は、第1巻線51と第2巻線52との間で、直流的な絶縁を確保している。
モータ50は発電機としても駆動し、モータ50の回生により発生する電力で、バッテリ1を充電することも可能である。なお、モータ50は、多重巻線を有したモータであれば、誘導モータ等の他の種類のモータであってもよい。
コンバータ60は、バッテリ1とインバータ31、32との間、及び、交流電源8とインバータ32との間に接続されている。モータ50がバッテリ1の電力で駆動する場合には、コンバータ60は、バッテリ1の電圧を昇圧してインバータ31、32に出力する。また、バッテリ1が交流電源8の電力により充電される場合には、コンバータ60は、入力される交流電力の力率を改善する力率改善回路として機能し、交流電源8の交流電力を整流してインバータ32に出力する。
コンバータ60は、平滑コンデンサ61と、スイッチング素子Q7〜Q10と、ダイオードD7〜D10と、平滑リアクトル62と、リレースイッチ63、64とを備えている。平滑コンデンサ61は、コンバータ60のバッテリ1側への入力で、電源線P、Nの間に接続されている。
スイッチング素子Q7〜Q10とダイオードD7〜D10は、並列に接続され、スイッチング素子Q7〜Q10の電流方向とダイオードD7〜D10の電流方向が互いに逆向きになるように接続されている。スイッチング素子Q7及びダイオードD7の並列回路とスイッチング素子Q8及びダイオードD8の並列回路が、直列に接続され、スイッチング素子Q9及びダイオードD9の並列回路とスイッチング素子Q10及びダイオードD10の並列回路が直列に接続されている。これにより、スイッチング素子Q7〜Q10及びダイオードD7〜D10は、フルブリッジ回路を形成している。
平滑リアクトル62は、一対のコイルで形成されている。一対のコイルは、スイッチング素子Q7、Q8の接続点とリレースイッチ63とを接続する配線、及び、スイッチング素子Q9、Q10の接続点とリレースイッチ63とを接続する配線に、それぞれ接続されている。
リレースイッチ63は、回路の切り替えを可能とする一対のスイッチ631、632により構成され、平滑リアクトル62と充電ポート7との間に接続されている。スイッチ631はa接点とb接点を有し、スイッチ632はa接点とb接点とを有している。スイッチ631は、平滑リアクトル62を介して、スイッチング素子Q7、Q8の接続点に接続され、スイッチ632は、平滑リアクトル62を介して、スイッチング素子Q9、Q10の接続点に接続されている。スイッチ631のa接点とスイッチ662の接点aとの間は、配線により繋がっている。一方、スイッチ631のb接点とスイッチ632のb接点との間は、配線で接続されていない。スイッチ631及びスイッチ632は連動して回路を切り替える。
スイッチ631、632のa接点が閉じることで、平滑リアクトル63の一対のコイル間が導通する。一方、スイッチ631、632のb接点が閉じることで、平滑リアクトル63と一対のコイル間は遮断され、平滑リアクトル63と充電ポート7との間が導通する。
リレースイッチ64は、回路の切り替えを可能とするスイッチにより構成され、a接点とb接点を有している。a接点は、スイッチング素子Q7〜Q10及びダイオードD7〜D10のフルブリッジ回路の右側アーム回路とインバータ31、32
との際を接続する配線に設けられている。b接点は、フルブリッジ回路の左側アーム回路と右側アーム回路とを接続する高電位側の配線に設けられている。
リレースイッチ63、64は、コンバータ60を力率改善回路と、昇圧回路を切り替えるスイッチである。なお、リレースイッチ63、64の接点の切り替えと、コンバータ60の動作回路との関係は、後述する。
充電ポート7は、コンバータ60の交流電源側8の入力に対して接続されている。充電ポート7は、外部充電施設の充電ケーブルを接続するためのコネクタである。
交流電源8は、車両の外側に設けられた商用電源等の交流電力を供給する電源(交流電力供給源)であって、外部の電源となる。交流電源8は、バッテリ1を充電する際の電力源となる。
コントローラ100は、モータ5の駆動制御及びバッテリ1の充電制御を行う制御部である。コントローラ100はリレースイッチ11のオン、オフを切り替え、リレースイッチ12、13、63、64の接点を切り替える。コントローラ100は、電圧センサからの信号及び電流センサからの信号を読み込んで、インバータ31、32を制御する。
次に、コントローラ100の制御を説明する。まず交流電源8の電力によるバッテリ1の充電制御について、図2を用いて説明する。図2は、交流電源8を用いて、バッテリ1を充電している場合の図1の等価回路である。
充電ケーブルが充電ポートに接続されることで、交流電源8によりバッテリ1の充電が可能な状態になると、コントローラ100は、リレースイッチ11をオフにし、リレースイッチ12、13、63、64のb接点を閉じる。
リレースイッチ63のb接点が閉じられることで、交流電源8からコンバータ60に電流が流れる。電流は、充電ポート7から、リレースイッチ63の接点b及び平滑リアクトル62を介して、スイッチング素子Q7、Q8の接続点とスイッチング素子Q9、Q10の接続点に、それぞれ流れる。
コントローラ100は、スイッチング素子Q7及びスイッチング素子Q8のオン、オフを交互に切り替える。そして、このスイッチング素子Q7、Q8のスイッチング動作と、ダイオードD7〜D10のブリッジにより、スイッチング素子Q7、Q8の接続点とスイッチング素子Q9、Q10の接続点から印加された電圧が平滑される。これにより、コンバータ60は、力率改善回路をとして機能し、交流電源8から入力される電力の力率を改善する。
リレースイッチ64のb接点が閉じ、リレースイッチ13のb接点が閉じ、リレースイッチ11がオフになっている。そのため、コンバータ60から出力される電力は、インバータ32の直流側に供給される。
コントローラ100は、インバータ32のスイッチング素子Q1〜Q6のオン及びオフを切り替える。インバータ32は、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作により、コンバータ60から入力される直流電力を交流電力に変換して、第2巻線52に出力する。
第2巻線52に電流が流れると、モータ50がトランスとして作用し、第1巻線51に誘導電流が流れる。第1巻線51の誘導電流は、モータ50からインバータ31に流れる。
コントローラ100は、インバータ31のスイッチング素子Q1〜Q6のオン及びオフを切り替える。インバータ31は、スイッチング素子Q1〜Q6のスイッチング動作により、モータ50から入力される交流電力を直流電力に変換して、出力する。これにより、インバータ31、32及びモータ50は、絶縁DCDCコンバータとして作用する。
リレースイッチ12のb接点が閉じ、リレースイッチ11がオフになっている。そのため、インバータ31から出力される直流電力は、バッテリ1に供給される。これにより、バッテリ1が充電される。
次に、バッテリ1の電力によるモータ50の駆動制御について、図3を用いて説明する。図3は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動している場合の図1の回路の等価回路である。
車両を走行可能な状態にするためのメインスイッチがオンになると、コントローラ100は、リレースイッチ11をオンにし、リレースイッチ12、13、63、64のa接点を閉じる。
リレースイッチ11がオンになっており、リレースイッチ12のb接点が開くことで、バッテリ1からコンバータ60に電流が流れる。
コントローラ100は、スイッチング素子Q7を常時オンに、スイッチング素子Q8を常時オフにする。バッテリ1の電流は、スイッチング素子Q7を導通して、平滑リアクトル62に流れる。
リレースイッチ63のa接点が閉じられ、リレースイッチ64のa接点が閉じられている。またリレースイッチ12、13のa接点が閉じられている。スイッチング素子Q7を流れた電流は、平滑リアクトル62の一方のコイルから、リレースイッチ63、64のa接点間に流れ、平滑リアクトル62の他方のコイルからスイッチング素子Q9、Q10の接続点に流れる。
スイッチング素子Q9、Q10の接続点を流れる電流に対して、フルブリッジ回路の右側のアーム回路、リレースイッチ64のa接点、リレースイッチ13のa接点及びインバータ32の平滑コンデンサ321を有する閉回路が形成される。また、スイッチング素子Q9、Q10の接続点を流れる電流に対して、フルブリッジ回路の右側のアーム回路、リレースイッチ64のa接点、リレースイッチ12のa接点及びインバータ31の平滑コンデンサ311を有する閉回路が形成される。
そして、コントローラ100は、スイッチング素子Q9、Q10のオン及びオフを交互に切り替える。そのため、平滑リアクトル62のコイル、スイッチング素子Q9、Q10のスイッチング動作、及び平滑コンデンサ311、321により昇圧チョッパ回路が構成され、上記の閉回路が昇圧動作を行う。これにより、コンバータ60は、バッテリ1の電圧を昇圧して、インバータ31、32に電力を出力する。
また、コントローラ100は、電圧センサ2の電圧に応じて、スイッチング素子Q9、Q10のスイッチング動作のデューティ比を調整することにより、昇圧比を設定する。
コントローラ100は、コンバータ60からインバータ31、32に入力される電力に対して、モータ5から要求トルクを出力させるように、インバータ31、32のPWM制御を行う。
コントローラ100は、図示しない運転者によって操作されるアクセルの開度を検出するアクセルセンサの検出値等の車両情報に基づくトルク指令値、電圧センサ21、22の検出電圧、及び、モータ5の回転速度を検出するセンサ(図示しない)の検出値から電流指令値を算出する。そして、コントローラ100は、電流センサ(図示しない)からの信号を読み込み、相電流の検出値を電流指令値と一致させる指令値を算出し、当該指令値からインバータ31、32のスイッチング素子Q1〜Q6を駆動させるPWM信号を生成して、各スイッチング素子Q1〜Q6に出力する。これにより、インバータ31、32の各スイッチング素子Q1〜Q6において、スイッチング動作が行われバッテリ1の電力でモータ50が駆動する。
上記のように、本例は、多重巻線を有するモータ50の第1巻線51にインバータ31を、第2巻線52にインバータ32を接続し、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる場合には、コンバータ60を用いてバッテリ1の電圧を昇圧して、コンバータ60からインバータ31、32に電力を出力させ、交流電源50を用いてインバータ31からの出力電力でバッテリ1を充電する場合には、コンバータ60を用いて交流電源8から供給される電力を平滑して、コンバータ60からインバータ32に電力を出力する。
これにより、交流電源8を用いてバッテリ1を充電する場合には、モータ50及びインバータ31、32が絶縁型DCDCコンバータとして動作するため、絶縁性を高めることができ、絶縁性を確保するための重量の増加及び高コスト化を防ぐことができる。
ところで、本例とは異なり、バッテリ1と交流電源8が直流的に絶縁されていない場合には、バッテリ1、インバータ31、32、モータ50及びコンバータ60を含んだ電動駆動要素と、これら電動駆動要素を収容する筐体との間で、絶縁性を強化した設計が必要となる。そして、車両用のバッテリ1は高出力であって、さらに絶縁性を確保するには、バッテリ1のサイズが大きくなってしまう、という問題もある。
しかしながら、本例は、上記のように、絶縁性の高いシステムであるため、バッテリ1を基礎絶縁相当の設計とすることができ、その結果として、バッテリ1のサイズを小さくすることができる。
また、本例において、コンバータ60は、スイッチング素子Q7〜Q10とダイオードD7〜D10との並列回路を複数接続したフルブリッジ回路を有している。これにより、コンバータ60に対して付加回路を設けることなく、交流電源8からインバータ32に電力を供給することができる。その結果として、コンバータ60の設計コストを抑制することができる。
なお、バッテリ1の電力でモータ50を駆動する場合に、コントローラ100は、スイッチング素子Q9のオン及びオフを切り替えたが、スイッチング素子Q9を常時オフとして、ダイオードD9を用いて昇圧動作を行ってもよい。
また、本例は、平滑コンデンサ311、321を、コンバータ60の昇圧チョッパ回路の一部として用いたが、コンバータ60のインバータ31、32への出力側に、昇圧チョッパ回路用のコンデンサを別途、接続してもよい。
上記のインバータ31が本発明の「第1インバータ」に相当し、インバータ32が本発明の「第2インバータ」に相当し、コンバータ60が本発明の「回路部」に相当し、コントローラ100が本発明の「制御部」に相当する。
《第2実施形態》
図4は、本発明の他の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、リレースイッチ12、13の構成、リレースイッチ14、及び回転数センサ9を追加した点、コントローラ100の一部の制御が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
本例の充電システムは、第1実施形態に係る充電システムに対して、回転数センサ9及びリレースイッチ14をさらに備える。回転数センサ9はモータ50の回転数を検出するレゾルバ等のセンサである。そして、コントローラ100は、回転数センサ9の検出値に基づいて、リレースイッチ12〜14を制御する。
リレースイッチ12は、スイッチ121とスイッチ122を有している。スイッチ121は、バッテリ1とインバータ31とを接続する電源線Pに設けられている。スイッチ122は、コンバータ60とインバータ31との間を接続する高電位側の配線に設けられている。リレースイッチ12は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる際に、バッテリ1からインバータ31への電流経路の導通、遮断と、コンバータ60からインバータ31への電流経路の導通、遮断をそれぞれ切り替えるスイッチである。
リレースイッチ13は、スイッチ131とスイッチ132を有している。スイッチ131は、コンバータ60とインバータ31、32とを接続する配線に設けられ、スイッチ132は、コンバータ60とインバータ32とを接続する配線に設けられている。リレースイッチ13は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる際に、バッテリ1からインバータ32への電流経路の導通、遮断と、コンバータ60からインバータ32への電流経路の導通、遮断をそれぞれ切り替えるスイッチである。
リレースイッチ14は、バッテリ1とインバータ32とを接続する電源線Nに設けられている。リレースイッチ14は、バッテリ1からインバータ32への電流経路の導通、遮断を切り替えるスイッチである。また、リレースイッチ14は、交流電源8の電力によりバッテリ1を充電する際に、コンバータ60からインバータ31及びバッテリ1への電流経路を遮断するスイッチである。
次に、コントローラ100の制御を説明する。まず交流電源8の電力によるバッテリ1の充電制御について、図4を用いて説明する。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオフにし、リレースイッチ12のスイッチ121をオンにスイッチ122をオフにし、リレースイッチ13のスイッチ131をオフにスイッチ132をオンにし、スイッチ14をオフにし、リレースイッチ63、64のb接点を閉じる。これにより、交流電源8から、コンバータ8、インバータ32、モータ50、インバータ31及びバッテリ1の順で、電力を流す経路が形成される。バッテリ1の充電時のインバータ31、32及びコンバータ60の制御は、第1実施形態に係るコントローラ100の制御と同様であるため、説明を省略する。
次に、バッテリ1の電力によるモータ50の駆動制御について、図5〜8を用いて説明する。図5は、バッテリ1の電圧に対するリレースイッチの接続状態とコンバータ60の動作状態の関係を説明するための図である。図6〜8は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動している場合の図4の回路の等価回路である。
コントローラ100は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる場合には、リレースイッチ12のスイッチ122、リレースイッチ13のスイッチ131、及びリレースイッチ14を常時オンにする。また、コントローラ100は、電圧センサ2の検出電圧に応じて、リレースイッチ11のオンとオフ、スイッチ121のオンとオフ、スイッチ132のオンとオフをそれぞれ切り替え、リレースイッチ63、64のa接点及びb接点の開閉をそれぞれ切り替える。
コントローラ100には、コンバータ60の動作状態を設定するための規定値Aがバッテリ電圧に応じて設定され、また規定値Bがモータ回転数に応じて設定されている。コントローラ100は、電圧センサ2の検出電圧と規定値Aとを比較することで、バッテリ1の電圧に応じて、コンバータ60の動作を設定している。また、コントローラ100は、回転数センサ2の検出回転数と規定値Bとを比較することで、モータ50の回転数に応じて、コンバータ60の動作を設定している。
図5において、バッテリ電圧の「高」は、電圧センサ2の検出電圧が規定値A以上である場合を示し、バッテリ電圧の「低」は、電圧センサ2の検出電圧が規定値A未満である場合を示す。また、モータ回転数の「高」は、回転数センサ9の検出回転数が規定値B以上である場合を示し、モータ回転数の「低」は、回転数センサ9の検出回転数が規定値B未満である場合を示す。
図5に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A未満である場合には、コントローラ100は、コンバータ60を動作させず、バッテリ1の電力がコンバータ60を介することなく、直接、インバータ31、32に入力されるように、リレースイッチ11〜13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11〜13、63、64の状態は図6に示されている。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオフにし、スイッチ121をオンにし、スイッチ132をオフにし、リレースイッチ63、64のa接点およびb接点を開いた状態にする。バッテリ1の電流は、スイッチ121を介してインバータ31の直流側に流れ、スイッチ121、122、131を介してバッテリ32の直流側に流れる。
リレースイッチ63、64のa接点およびb接点を開いた状態になっているため、コンバータ60は動作しない。
バッテリ1の電圧が規定値A未満である場合には、バッテリ1の過放電を防ぐために、モータ50の回転数によらずに、コンバータ60を動作させずに、バッテリ1の電圧を直接、インバータ31、32に入力することで、インバータ31、32の直流側に、電圧を入力することができる。そのため、コントローラ100は、バッテリ1の電圧を、コンバータ60を介さず、インバータ31、32に入力させている。
これにより、本例は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動中において、バッテリ1の電流がコンバータ60に流れる時間を短くすることができ、コンバータ60における損失を低減させることができる。
図5に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A以上であり、かつ、モータ50の回転数が規定値B未満である場合には、コントローラ100は、昇圧比を1にしてコンバータ60を動作させて、バッテリ1の電力がコンバータ60を介してインバータ31、32に入力されるよう、リレースイッチ11〜13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11〜13、63、64の状態は図7に示されている。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオンにし、スイッチ121をオンにし、スイッチ132をオンにし、リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態にする。バッテリ1の電流は、スイッチ121を介してインバータ31の直流側に流れ、スイッチ121、122、131及びスイッチ11、132を介してインバータ32の直流側に流れる。またバッテリ1の電流は、リレースイッチ11を介してコンバータ60に流れる。
リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態になっているため、コンバータ60は昇圧回路として動作する。このとき、コントローラ100は、コンバータ60の入力電圧とコンバータ60の出力電圧が同じになるように、スイッチング素子Q9及びスイッチQ10のスイッチング動作を行う。そして、コンバータ60からの出力電流は、リレースイッチ63の接点a及びスイッチ122を介してインバータ31に流れ、リレースイッチ63の接点a及びスイッチ131を介してインバータ32に流れる。
バッテリ1の電圧が規定値A以上であり、かつ、モータ50の回転数が規定値B未満である場合には、モータ回転数が規定値B以上に高くなる前に、コンバータ60を動作させることで、モータ回転数が規定値B以上になった時に、迅速に、バッテリ1の電圧を昇圧させることできる。
そして、コンバータ60の入力側には、平滑コンデンサ61が接続されている。コンバータ60の動作時に、平滑コンデンサ61は電流の遅れ要素となる。そのため、コンバータ104の昇圧回路である昇圧チョッパ回路は、昇圧動作を開始して直ぐに昇圧することはなく、昇圧動作の開始から所望の電圧に昇圧するまでに時間を要する。そこで、コントローラ100は、モータ50の駆動中、バッテリ1の電圧が規定値A以上になったときに、コンバータ60の昇圧動作を開始する。また、モータ50の回転数が規定値Bより低い場合には、バッテリ1の消費電力を抑えるために、コントローラ100は、昇圧比を1にしてコンバータを動作させる。
図5に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A以上であり、かつ、モータ50の回転数が規定値B以上である場合には、コントローラ100は、昇圧比を1より高くしてコンバータ60を動作させて、バッテリ1の電力がコンバータ60を介してインバータ31、32に入力されるよう、リレースイッチ11〜13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11〜13、63、64の状態は図8に示されている。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオンにし、スイッチ121をオフにし、スイッチ132をオフにし、リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態にする。バッテリ1の電流は、リレースイッチ11を介してコンバータ60に流れる。一方、バッテリ1の電流は、リレースイッチ12を介してインバータ31に流れず、リレースイッチ12、13を介してインバータ32に流れない。
コントローラ100は、コンバータ60への入力電圧に対してコンバータ60の出力電圧を、少なくとも1より大きい昇圧比で、昇圧させるように、スイッチング素子Q9及びスイッチQ10のスイッチング動作を行う。そして、コンバータ60からの出力電流は、リレースイッチ63の接点a及びスイッチ122を介してインバータ31に流れ、リレースイッチ63の接点a及びスイッチ131を介してインバータ32に流れる。
モータ回転数が規定値B以上である場合には、誘起電圧により相対的にバッテリの電圧が低くなる。そのため、バッテリ1の電圧が規定値A以上であって、かつ、モータ回転数が規定値B以上である場合には、コントローラ100はコンバータ60を昇圧動作させて、バッテリ1の電圧を昇圧して、インバータ31、32に入力する。また、バッテリ1の電圧が規定値A以上であれば、コンバータ60の昇圧回路は既に動作している。そのため、コントローラ100は、高い応答性でコンバータ60を動作させて、1より高い昇圧比にすることができる。
上記のように、本例は、バッテリ1の電圧が規定値Aより高い場合に、コンバータ60を用いてバッテリ1の電圧を昇圧している。これにより、インバータ31、32への入力電圧の低下を抑制することができる。その結果として、インバータ31、32に共有する電圧が安定化し、バッテリ1の充電容量が低下した場合でも、走行性能の低減を抑制することができる。
また、本例は、バッテリ1の電圧が規定値Aより高く、かつ、モータ50の回転数が規定値Bより高い場合には、コンバータ60を用いてバッテリの電圧を昇圧し、バッテリ1の電圧が規定値Aより高く、かつ、モータ50の回転数が規定値Bより低い場合には、コンバータ60を昇圧比1で動作させる。これにより、コンバータ60への電流の導通時間を短くすることができるため、コンバータ60で生じる損失を抑えることができる。また、モータ50の状態に応じて、コンバータ60を動作させることができる。
なお、本例は、バッテリ1の電圧条件を省いて、モータ回転数が規定値Bより高い場合に、コンバータを用いて、昇圧比1以上でバッテリの電圧を昇圧させて、モータ回転数が規定値Bより低い場合に、コンバータ60への電流の通電を止めるように、リレースイッチ11、コンバータ60等を制御してもよい。これにより、インバータ31、32に供給する電圧が安定し、バッテリ1の充電容量が低下した場合でも、走行性能の低減を抑制することができる。
上記の規定値Aが本発明の「電圧閾値」に相当し、規定値Bが本発明の「回転数閾値」に相当する。
《第3実施形態》
図9は、本発明の他の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。本例では上述した第1実施形態に対して、リレースイッチ12を設けていない点、コンバータ60とインバータ31との間を配線で接続していない点、及びリレースイッチ13の構成が異なる。これ以外の構成は上述した第1実施形態と同じであるため、その記載を適宜、援用する。
第1実施形態では、配線がコンバータ60の出力側から分岐して、インバータ31及びインバータ32の直流側に接続していたが、本例では、コンバータ60の出力側から出る配線は、分岐することなく、インバータ32の直流側のみに接続され、インバータ31には接続されていない。
リレースイッチ13は、スイッチ131とスイッチ132を有している。スイッチ131は、コンバータ60とインバータ32とを接続する配線に設けられ、スイッチ132は、リレースイッチ64のb接点からインバータ32の高電位側に接続される配線に設けられている。リレースイッチ13は、リレースイッチ63、64の切り替えと対応して切り替わるスイッチである。そして、リレースイッチ13は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる際に、昇圧回路として動作したコンバータ60の出力電流をインバータ32の直流側に入力させる電流経路と、交流電源8の電力でバッテリ1を充電する際に、力率改善回路として動作したコンバータ60の出力電流をインバータ32の直流側に入力させる電流経路とを切り替える。
次に、コントローラ100の制御を説明する。まず交流電源8の電力によるバッテリ1の充電制御について、図10を用いて説明する。図10は、交流電源8を用いて、バッテリ1を充電している場合の図9の等価回路である。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオフにし、リレースイッチ13のスイッチ131をオフにスイッチ132をオンにし、リレースイッチ63、64のb接点を閉じる。交流電源8から供給される電力は、コンバータ60で整流されて、インバータ31の直流側のみに、出力される。インバータ31からバッテリ1までの電力フローは、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。これにより、バッテリ1が、交流電源8の電力で充電される。
次に、バッテリ1の電力によるモータ50の駆動制御について、図11を用いて説明する。図11は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動している場合の図9の回路の等価回路である。
コントローラ100は、リレースイッチ11をオンにし、リレースイッチ13のスイッチ131をオンにスイッチ132をオフにし、リレースイッチ63、64のa接点を閉じる。バッテリ1の電力は、インバータ31の直流側に出力される。また、バッテリ1の電力は、リレースイッチ11を介してコンバータ60に出力される。コンバータ60に入力された電力は、コンバータ60で昇圧されて、リレースイッチ13を介して、インバータ32のみに出力される。インバータ31、32からモータ50までの電力フローは、第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。これにより、モータ50が、バッテリ1の電力で駆動する。
上記のように、本例は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる場合には、コンバータ60からインバータ32のみに電力を出力する。これにより、コンバータ60からの出力容量(出力最大容量)が、インバータ31及びインバータ32に出力する場合の出力容量と比較して低減するため、コンバータ60の回路素子の耐圧等を抑制することができ、その結果として、コンバータ60のコストを抑制することができる。
《第4実施形態》
図12は、本発明の他の実施形態に係る充電装置を含む充電システムのブロック図である。本例では上述した第2実施形態に対して、コントローラ100の一部の制御が異なる。これ以外の構成は上述した第2実施形態と同じであり、第1〜第3の実施形態の記載を適宜、援用する。
コントローラ100は、バッテリ1の電圧及びモータ50の回転数に応じて、リレースイッチ11等を以下のように制御する。
バッテリ1の電力によるモータ50の駆動制御について、図13〜15を用いて説明する。図13〜15は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動している場合の図12の回路の等価回路である。
コントローラ100は、バッテリ1の電力でモータ50を駆動させる場合には、リレースイッチ11を常時オンにする。また、コントローラ100は、モータ50の回転数に応じて、リレースイッチ13、63、64のa接点及びb接点の開閉をそれぞれ切り替える。
コントローラ100には、第2実施形態と同様に、規定値A、Bが予め設定されている。そして、コントローラ100は、電圧センサ2の検出電圧と規定値Aとを比較することで、バッテリ1の電圧に応じて、コンバータ60の動作を設定している。また、コントローラ100は、回転数センサ2の検出回転数と規定値Bとを比較することで、モータ50の回転数に応じて、コンバータ60の動作を設定している。
図5に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A未満である場合には、コントローラ100は、コンバータ60を動作させず、バッテリ1の電力がコンバータ60を介することなく、直接、インバータ31、32に入力されるように、リレースイッチ13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11、13、63、64の状態は図13に示されている。
コントローラ100は、リレースイッチ13のスイッチ131をオフにスイッチ132をオンにし、リレースイッチ63、64のa接点およびb接点を開いた状態として、インバータ31、32を制御する。
図13に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A以上であり、かつ、モータ50の回転数が規定値B未満である場合には、コントローラ100は、昇圧比を1にしてコンバータ60を動作させて、バッテリ1の電力がコンバータ60を介してインバータ32に入力されるよう、リレースイッチ13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11、13、63、64の状態は図14に示されている。
コントローラ100は、リレースイッチ13のスイッチ131、132をオンにし、リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態にする。バッテリ1の電流は、リレースイッチ11を介してインバータ31の直流側に流れ、リレースイッチ11及びスイッチ132を介してバッテリ32の直流側に流れる。またバッテリ1の電流は、リレースイッチ11を介してコンバータ60に流れる。
リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態になっているため、コンバータ60は昇圧回路として動作する。このとき、コントローラ100は、昇圧比を1とし、コンバータ60の入力電圧とコンバータ60の出力電圧が同じになるように、スイッチング素子Q9及びスイッチQ10のスイッチング動作を行う。
第2実施形態で説明したように、コンバータ60の昇圧回路は、電流の遅れ要素により、昇圧動作の開始から所望の電圧に昇圧するまでに時間を要する。例えば、モータ回転数が徐々に高くなった場合には、バッテリ1からインバータ32への入力電圧が不足する可能性がある。そして、モータ回転数が規定値B以上になった時点で、コンバータ60の昇圧動作を開始させた場合には、昇圧回路の動作遅れにより、インバータ32の入力電圧が低下し、モータ回転数を高めることができないおそれがある。
そこで、本例において、コントローラ100は、モータ50の駆動中、モータ回転数が規定値B未満であっても、バッテリ1の電圧が規定値A以上である場合には、昇圧比を1にしてコンバータを動作させる。
図5に示すように、バッテリ1の電圧が規定値A以上であり、かつ、モータ50の回転数が規定値B以上である場合には、コントローラ100は、昇圧比を1より高くしてコンバータ60を動作させて、バッテリ1の電力がコンバータ60を介してインバータ32に入力されるよう、リレースイッチ13、63、64を制御する。このときのリレースイッチ11、13、63、64の状態は図15に示されている。
コントローラ100は、スイッチ131をオンにスイッチ132をオフにし、リレースイッチ63、64のa接点を閉じた状態にする。バッテリ1の電流は、リレースイッチ11を介してコンバータ60に流れる。一方、バッテリ1の電流は、スイッチ132を介してインバータ32に流れない。
コントローラ100は、コンバータ60への入力電圧に対してコンバータ60の出力電圧を、少なくとも1より大きい昇圧比で、昇圧させるように、スイッチング素子Q9及びスイッチQ10のスイッチング動作を行う。