まず、本発明の遊技機の一例であるパチンコ遊技機の全体の構成について説明する。図1はパチンコ機1(以下、パチンコ機1と略称する)を正面からみた正面図である。尚、以下の説明において、図1の手前側(遊技者側)をパチンコ機1の前面側、奥側(内方側)を背面側として説明する。尚、本実施例におけるパチンコ機1の前面とは、遊技者側からパチンコ機1を見たときに該遊技者と対向する対向面である。
パチンコ機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示略)と、この外枠に開閉可能に取り付けられた前面枠(図示略)と、で主に構成されている。この前面枠の前面には、ガラス扉枠102及び下扉枠103がそれぞれ一側を中心に開閉可能に設けられている。
図1に示すように、ガラス扉枠102の下方に取り付けられた下扉枠103の前面上部には、遊技媒体(遊技球)としての遊技球(打球)を貯留可能な遊技球貯留部としての打球供給皿(上皿とも言う)3が上面に形成された上皿部3aが、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。また、この上皿部3aの下方には、後述する操作レバー600が揺動自在に軸支されるとともに、上面に余剰球貯留皿(下皿とも言う)4が形成された下皿部4a(突出部)が、パチンコ機1の前方(パチンコ機1の前面方向)に向けて突設されている。その右側方には、遊技球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
操作レバー600は、遊技者が把持する操作桿を含み、操作桿の所定位置(例えば遊技者が操作桿を把持したときに操作手の人差し指が掛かる位置など)には、トリガースイッチが内設されたトリガボタンが設けられている。トリガボタンは、遊技者が操作レバー600の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作ができるように構成されていればよい。操作レバー600の下部における下皿4の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知するために四方向に配置されたレバースイッチ510a〜510dが設けられていればよい。
また、上皿3を形成する部材には、例えば上皿3本体の上面における手前側の所定位置(例えば操作レバー600の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能な操作ボタン516が設けられている。操作ボタン516は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。操作ボタン516の設置位置における上皿の本体内部などには、操作ボタン516に対してなされた遊技者の操作行為を検知するボタンスイッチ516a(図2を参照)が設けられていればよい。
下扉枠103の前面左右側には、後述する左右一対のスピーカ27a、27bが配設されている。
ガラス扉枠102の背面には、前面枠101に対して着脱可能に取り付けられた透明な遊技盤6が配置されている。尚、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には遊技領域7が形成されている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄ともいう)を変動表示(可変表示ともいう)する複数の変動表示領域を含む第1表示装置9(可変表示装置)と、この第1表示装置9よりも小型な第2表示装置11が、透明な遊技盤6を透して目視できるように、該遊技盤6の背面側に設けられている。
尚、本実施例では、透明な遊技盤6を使用しているので第1表示装置9及び第2表示装置11の前方に開口を設けていないが、不透明な遊技盤を使用する場合には、第1表示装置9及び第2表示装置11の表示を遊技者が視認できるようにするための開口を遊技盤6に設けるようにすれば良い。
また、本実施例では、第2表示装置11が第1表示装置9よりも下方位置に配置されている。
遊技盤6の所定箇所には、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての特別図柄を変動表示する特別図柄表示器(特別図柄表示装置)8(図2参照)が設けられている。第1表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア9L、9C、9R)があり、第2表示装置11には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示領域(図柄表示エリア11L、11C、11R)がある。第1表示装置9は、特別図柄表示器8による特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄であって、各々を識別可能な複数種類の識別情報としての演出図柄の変動(可変)表示を行う。第1表示装置9及び第2表示装置11は、後述する演出制御基板80(演出実行手段)に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81(図2参照)等の各デバイスによって制御される。
特別図柄表示器8は、例えば0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。特別図柄表示器8には、第1識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示手段)8aと、第2識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示手段)8bが設けられている。
第1特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技または小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技または小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動時間(可変表示時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
これら第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示と第1表示装置9における演出図柄の変動(可変)表示とは、後述するように、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が開始されること連動して開始され、該第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bにおける可変表示が停止されることと連動して停止されるように同期しており、これら第1表示装置9における識別情報である演出図柄の変動(可変)表示も、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が後述する第1始動口15aまたは第2始動口15bに入賞したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技または小当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(演出図柄の組合せによる停止図柄)を導出表示する。
第1表示装置9の下方には、遊技球を受け入れ可能な入賞領域としての第1始動口15aおよび第2始動口15bを有する始動入賞装置15が設けられている。始動入賞装置15では、上部に第1始動口15aが設けられ、その下部に第2始動口15bが設けられている。第2始動口15bの左右には、開閉動作をすることが可能な態様で一対の可動片13、13が設けられている。第1始動口15aは、上方を向いて開口しており、常に遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態となっている。一方、第2始動口15bは、上方に第1始動口15aの周囲の構造物が設けられ、左右に可動片13、13が設けられているため、可動片13、13が閉状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が不可能な状態となり、可動片13、13が開状態であるときに遊技球の進入(受け入れ)が可能な状態となる。このように、第1始動口15aは入賞のしやすさが変化せず、第2始動口15bは可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する。
尚、始動入賞装置15は、可動片13、13が閉状態になっている状態において、第2始動口15bに入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていても良い。また、始動入賞装置15は、始動口として、入賞のしやすさが変化しない第1始動口15aのみが設けられたものであっても良く、可動片13、13の開閉動作によって入賞のしやすさが変化する第2始動口15bのみが設けられたものであっても良い。
始動入賞装置15の可動片13、13は、後述する開放条件が成立したときに、ソレノイド16によって駆動されることにより、閉状態から所定期間開状態とされた後、閉状態とされる。始動入賞装置15の可動片13、13が開状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞し易くなり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態(第1の状態)となる。一方、始動入賞装置15の可動片13、13が閉状態となることにより、遊技球が第2始動口15bに入賞しなくなり(始動入賞しにくくなり)、遊技者にとって不利な状態(第2の状態)となる。第1始動口15aに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。また、第2始動口15bに入った入賞球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14bによって検出される。
遊技盤6の所定箇所には、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bに入った有効入賞球の記憶数すなわち保留記憶(始動記憶または始動入賞記憶ともいう)数を表示する4つの特別図柄保留記憶表示器18(図2参照)が設けられている。特別図柄保留記憶表示器18は、保留記憶数を入賞順に4個まで表示する。特別図柄保留記憶表示器18は、第1始動口15aまたは第2始動口15bに始動入賞があるごとに、保留記憶の記憶データが1増えて、点灯状態のLEDの数を1増やす。そして、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、保留記憶の記憶データが1減って、点灯状態のLEDの数を1減らす(すなわち1つのLEDを消灯する)。具体的には、特別図柄保留記憶表示器18は、特別図柄表示器8で変動表示が開始されるごとに、点灯状態をシフトする。尚、この例では、第1始動口15aまたは第2始動口15bへの入賞による保留記憶数に上限数(4個まで)が設けられている。しかし、これに限らず、保留記憶数の上限数は、4個以上の値にしても良く、4個よりも少ない値にしても良い。
始動入賞装置15の下部には、ソレノイド21によって開閉される開閉板を用いた特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は、開閉板によって開閉される大入賞口が設けられており、大当り遊技状態において開閉板が遊技者にとって有利な開状態(第1の状態)に制御され、大当り遊技状態以外の状態において開閉板が遊技者にとって不利な閉状態(第2の状態)に制御される。このように、特別可変入賞球装置20は、大当り遊技状態となるときに開放条件が成立する。特別可変入賞球装置20に入賞し遊技盤6の背面に導かれた入賞球は、そのままカウントスイッチ23で検出される。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、遊技盤6の右下方位置に設けられ、複数種類の識別情報としての普通図柄を変動表示する普通図柄表示器10における変動表示が開始される。この実施例では、図示しない左右のLED(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行なわれ、例えば、変動表示の終了時に左側のLEDが点灯すれば当りになる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となったときに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放条件が成立し、始動入賞装置15における可動片13、13が所定回数、所定時間だけ開状態になる。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した有効通過球の記憶数、すなわち、始動通過記憶数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過があるごとに、始動通過記憶の記憶データが1増えて、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10における変動表示が開始されるごとに、始動通過記憶の記憶データが1減って、点灯するLEDを1減らす。
遊技盤6には、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域として、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30よりなる複数の通常入賞口が設けられる。第1通常入賞口29への遊技球の入賞は、第1入賞口スイッチ29aによって検出される。第2通常入賞口30への遊技球の入賞は、第2入賞口スイッチ30aによって検出される。尚、第1始動口15a、第2始動口15b、および、大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞装置の入賞領域を構成する。また、遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aが内蔵される装飾発光部25L、25Rが設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を回収するアウト口26がある。
遊技領域7の外側の左右上部には、効果音を発する2つのスピーカ27L、27Rが設けられ、左右下部にも、効果音を発する2つのスピーカ27a、27bが設けられている。尚、以下の説明では、スピーカ27L、27R、27a、27bを総称してスピーカ27と表記する場合がある。これらスピーカ27は、いずれも、人の可聴領域(例えば、周波数が20Hz〜20kHzの範囲)の効果音と人の非可聴領域(例えば、周波数が20kHz以上)の超音波とを出力可能なスピーカである。
遊技領域7の外周には、回転体用LED等の各種LEDが内蔵される天ランプモジュール530と、左枠LED28b(図2参照)が内蔵される左発光部28Lおよび右枠LED28c(図2参照)が内蔵される右発光部28Rが設けられている。さらに、遊技領域7における各構造物(大入賞口等)の周囲には装飾LEDが設置されている。これら回転体用LED、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、パチンコ機1に設けられている装飾発光体の一例である。
また、スピーカ27Lの左方及びスピーカRの右方には、パチンコ機1の左方または右方に設置されているパチンコ機1から出力される超音波を入力するためのマイク22a、22bが設けられている。このうち、マイク22a、22bは、本パチンコ機1の左方または右方に設置されているパチンコ機1から出力された超音波を入力できるように設置されている。このように、本実施例のパチンコ機1は、マイク22a、22bが設置されていることで、これら本パチンコ機1の左方および右方に設置されているパチンコ機1から出力される超音波を受信するようになっている。尚、以下の説明では、マイク22a、22bを総称してマイク22と表記する場合がある。
尚、超音波を入力するマイクとして、所定方向からの音を高い利得にて集音する指向性を有する指向性マイクを使用し、左方および右方に設置されているパチンコ機1から出力される超音波のみが入力され、指向性マイクが向いていない方向のパチンコ機1から出力される超音波については入力されないように構成してもよい。尚、指向性を有しないマイクを使用する場合には、様々な方向のパチンコ機1から出力された超音波も入力される可能性があるので、例えば、後述する連携情報に、連携情報の発信源のパチンコ機1の識別情報(例えば台番号)に加えて、当該超音波を出力したパチンコ機1の識別情報(例えば台番号)を含めるようにし、これら超音波を出力したパチンコ機1の識別情報(例えば台番号)が、予め登録されているパチンコ機1の識別情報(例えば台番号)に一致するか否かを判定し、一致する連携情報のみを有効とすれば良い。
そして、この例では、左発光部28Lの所定箇所に、賞球払出中に点灯する賞球LED51が設けられ、右枠LED28cの所定箇所に、補給球が切れたときに点灯する球切れLED52が設けられている。
賞球LED51、球切れLED52、装飾LED25a、左枠LED28b、右枠LED28c、天ランプモジュール530内の各LED等の各種発光手段は、主基板31から出力される演出制御コマンドに基づき演出制御用マイクロコンピュータ81から出力される信号に基づいて点灯制御(LED制御)される。また、スピーカ27L、27R、27a、27bからの音発生制御(音制御)も、演出制御用マイクロコンピュータ81により実施される。
遊技者の打球操作ハンドル5の操作により図示しない打球発射装置から発射された遊技球は、打球誘導レール(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を流下してくる。遊技球が、第1始動口15aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されるか、または、第2始動口15bに入り第2始動口スイッチ14bで検出されると、特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば、特別図柄表示器8において特別図柄が変動表示を始める。特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、保留記憶数を1増やす。
特別図柄表示器8並びに第1表示装置9における図柄の変動表示は、変動表示が行なわれるごとに設定された変動表示時間が経過したときに停止する。停止時の図柄(停止図柄)が特定表示結果としての大当り図柄(大当り表示結果ともいう)であると、大当りとなり、大当り遊技状態に移行する。大当り遊技状態においては、特別可変入賞球装置20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(例えば10個)の遊技球が入賞するまで開放する。そして、特別可変入賞球装置20の開放後の一定時間経過、または特別可変入賞球装置20への所定個数(例えば10個)の遊技球の入賞となることで特別可変入賞球装置20が閉鎖される。このように、特別可変入賞球装置20が開放されている状態がラウンドと呼ばれ、大当り遊技は、該ラウンドが所定回数(例えば15ラウンド)実行されることで終了する。
停止時の特別図柄表示器8並びに第1表示装置9における図柄が大当り図柄のうちの予め定められた特別な大当り図柄(確変大当り図柄)である場合には、大当り遊技状態後に大当りとすると判定される確率(大当り確率)が、大当り遊技状態と異なる通常状態である通常遊技状態よりも高くなる確率変動状態(以下、確変状態と呼ぶ)という遊技者にとってさらに有利な状態になる。以下、確変状態は、高確率状態(高確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。また、非確変状態は、低確率状態(低確状態と略称で呼ぶ場合もある)ともいう。
また、特別図柄表示器8並びに第1表示装置9での変動表示の停止時における図柄の表示結果が、確変大当り図柄である場合には、大当り遊技状態後に変動時間短縮状態である時短状態に所定期間に亘り制御される。時短状態とは、通常遊技状態に比べて、特別図柄表示器8、第1表示装置9、および、普通図柄表示器10のそれぞれの変動表示時間(変動開始時から表示結果の導出表示時までの時間)を短縮して早期に表示結果を導出表示させる制御状態をいう。さらに、時短状態中には、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、開放回数が増加させられる、いわゆる電チューサポート制御が実行される。時短状態中では、図柄の変動表示時間が短縮されるので、後述する保留記憶数が早期に消化され、保留記憶数の上限(例えば「4」)を超えて発生した始動入賞が無効になってしまう状態を減少でき、短期間に頻繁に表示結果を導出表示して早期に大当り表示結果を導出表示しやすくなるので、時間効率的な観点で変動表示の表示結果が大当り図柄の表示結果となりやすくなり、遊技者にとって有利な遊技状態となる。このように、確変大当りの場合は、大当り遊技状態の終了後の所定期間において、高確率状態かつ時短状態に制御されることとなる。大当り遊技状態の終了後の所定期間に亘る時短状態は、次の大当り遊技状態が発生するか、または、特別図柄および演出図柄の変動表示が所定回数(100回)行なわれるまでの、いずれか一方の条件が成立するまで継続される。
また、入賞に応じた遊技球の払出しの面から考えると、時短状態は、非時短状態と比べて、普通図柄の変動表示時間が短縮され、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の開放時間が長くされ、当り時における始動入賞装置15の可動片13、13の1度の開放回数が多くされることに基づいて、通常遊技状態と比べて始動入賞装置15の可動片13、13が開放状態となりやすい。したがって、時短状態では、第2始動口15bへの入賞(始動入賞が有効である場合と無効である場合との両方を含む)が生じやすくなるため、遊技領域7へ打込んだ遊技球数(打込球数)に対して、入賞に応じた賞球として払出される遊技球数(払出球数)の割合が、通常遊技状態と比べて多くなる。一般的に、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合は、「ベース」と呼ばれる。例えば、100球の打込球数に対して40球の払出球数があったときには、ベースは40(%)となる。この実施例の場合では、例えば通常遊技状態のような非時短状態よりもベースが高い時短状態を高ベース状態と呼び、逆に、そのような高ベース状態と比べてベースが低い通常遊技状態のような非時短状態を低ベース状態と呼ぶ。
このように、発射球数に対する入賞による賞球の払出球数の割合が一般的に「ベース」と呼ばれるが、例えば1分間等の単位時間における遊技球の最大発射数は、一定数に制限されている。このため、「ベース」は、単位時間において、遊技領域に設けられた複数の入賞口への入賞による賞球の払出球数の合計値によっても示すことができる。例えば、単位時間における遊技球の最大発射数を100球とすると、単位時間における入賞による賞球の払出球数の合計値は、一般的な「ベース」の値と一致することとなる。このような関連性に基づいて、本実施形態では、第1始動口15a、第2始動口15b、第1通常入賞口29、第2通常入賞口30のそれぞれを異常監視対象入賞口としており、該異常監視対象入賞口の入賞による賞球の払出球数の合計値は、ベースと呼ばれ、入賞に関する異常監視の対象として用いられる。
確変状態(高確率状態)と非確変状態(低確率状態)とのどちらの状態であるかは、確変状態においてセットされるフラグである確変フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。また、時短状態(高ベース状態)と非時短状態(低ベース状態)とのどちらの状態であるかは、時短状態においてセットされるフラグである時短フラグがセットされているか否かに基づいて判断される。
また、前述の時短状態に制御されていない状態においては、特別図柄の保留記憶数が所定個数以上となるごとに、特別図柄および演出図柄の変動表示時間を短縮する記憶変動短縮状態に制御する記憶変動短縮制御が行なわれる。記憶変動短縮制御は、特別図柄の保留記憶数が所定個数未満となった段階で終了する。したがって、時短状態に制御されていない状態においても、特別図柄および演出図柄の変動表示時間が短縮される場合がある。
第1表示装置9において変動表示される演出図柄は、特別図柄表示器8における特別図柄の変動表示の装飾効果を高めるために、特別図柄の変動表示と所定の関係を有して変動表示される装飾的な意味合いがある図柄である。このような図柄についての所定の関係には、例えば、特別図柄の変動表示が開始されたときに演出図柄の変動表示が開始する関係、および、特別図柄の変動表示の終了時に特別図柄の表示結果が導出表示されるときに演出図柄の表示結果が導出表示されて演出図柄の変動表示が終了する関係等が含まれる。特別図柄表示器8により予め定められた大当り図柄が表示結果として導出表示されるときには、第1表示装置9により、左、中、右図柄がゾロ目となる大当り図柄の組合せが表示結果として導出表示される。このような特別図柄による大当り図柄の表示結果および演出図柄による大当り図柄の組合せの表示結果は、大当り表示結果という。
特別図柄表示器8と第1表示装置9とは変動表示結果が前述したような対応関係になるため、以下の説明においては、これらをまとめて変動表示部と呼ぶ場合がある。
次に、リーチ表示態様(リーチ)について説明する。本実施形態におけるリーチ表示態様(リーチ)とは、停止した図柄が大当り図柄の一部を構成しているときに未だ停止していない図柄については変動表示が行なわれていること、および、すべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態である。
例えば、第1表示装置9において、図柄が停止することで大当りとなる有効ライン(本実施例の場合は横1本の有効ライン)が予め定められ、その有効ライン上の一部の表示領域に予め定められた図柄が停止しているときに未だ停止していない有効ライン上の表示領域において変動表示が行なわれている状態(例えば、第1表示装置9における左、中、右の変動表示領域のうち左、右の表示領域に同一の図柄が停止表示されている状態で中の表示領域は未だ変動表示が行なわれている状態)、および、有効ライン上の表示領域のすべてまたは一部の図柄が大当り図柄のすべてまたは一部を構成しながら同期して変動表示している状態(例えば、第1表示装置9における左、中、右の表示領域のすべてに変動表示が行なわれており、常に同一の図柄が揃っている状態で変動表示が行なわれている状態)をリーチ表示態様またはリーチという。
また、リーチの際に、通常と異なる演出がLEDや音で行なわれることがある。この演出をリーチ演出という。また、リーチの際に、キャラクタ(人物等を模した演出表示であり、図柄(演出図柄等)とは異なるもの)を表示させたり、第1表示装置9の背景画像の表示態様(例えば、色等)を変化させたりすることがある。このキャラクタの表示や背景の表示態様の変化をリーチ演出表示という。また、リーチの中には、それが出現すると、通常のリーチに比べて、大当りが発生しやすいように設定されたものがある。このような特別(特定)のリーチをスーパーリーチという。
また、第1表示装置9については、大当りを発生させる契機となる変動表示において、大当りとなる可能性がある旨を報知する擬似連等の大当り予告演出が行なわれる場合がある。
この実施例の場合は、大当りとして、後述するように確変大当たりおよび非確変大当り(通常大当り)というような複数種類の大当りが設けられている。以下の説明においては、大当りの種類を特定せずに単に「大当り」と示すときは、これら複数種類の大当りを代表して示す場合である。
非確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に前述した確変状態にならず、かつ、大当り遊技状態の終了後の所定期間(例えば、大当り遊技の終了後の100回(高ベース発生時)または10回(低ベース発生時)の変動)に亘り時短状態(高ベース状態)となる大当りである。このような、低確率状態かつ高ベース状態となった状態は、低確高ベース状態と呼ばれる。
確変大当りは、大当り遊技状態の終了後に確変状態になり、かつ、所定期間(例えば、大当り遊技の終了後の100回(高ベース発生時)または10回(低ベース発生時)の変動)に亘り時短状態になる高確率状態、かつ、高ベース状態となる大当りである。このような、高確率状態かつ高ベース状態となった状態は、高確高ベース状態と呼ばれる。確変大当りとなった後においては、所定期間が経過すると時短状態が終了し、高確率状態、かつ、低ベース状態になる。このような、高確率状態かつ低ベース状態となった状態は、高確低ベース状態と呼ばれる。
図2は、主基板31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、パチンコ機1に搭載されている払出制御基板37、及び、演出制御基板80も示されている。主基板(遊技制御基板)31には、プログラムにしたがってパチンコ機1を制御する基本回路(遊技制御手段に相当)となる遊技制御用マイクロコンピュータ156と、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14b、カウントスイッチ23、第1入賞口スイッチ29a、第2入賞口スイッチ30aからの信号の他、電源断信号およびクリア信号等の各種信号を遊技制御用マイクロコンピュータ156に与える入力回路58と、始動入賞装置15の可動片13、13を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ156からの指令にしたがって駆動する出力回路59と、が搭載されている。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段(変動データを記憶する変動データ記憶手段)としてのRAM55、およびプログラムにしたがって制御動作を行うプロセッサであるCPU56、および、I/Oポート57を含む。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。
遊技制御用マイクロコンピュータ156においては、CPU56がROM54に格納されているプログラムにしたがって制御を実行する。したがって、以下に説明するような遊技制御用マイクロコンピュータ156が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的にはCPU56がプログラムにしたがって制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。また、遊技制御手段は、CPU56を含む遊技制御用マイクロコンピュータ156で実現されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、クロック信号を発生させるクロック回路、システムリセット手段として機能するリセットコントローラ、乱数回路53、および、CPU56に割込要求信号を送出するCTCを内蔵する。
乱数回路53は、特別図柄および演出図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否かを判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。この乱数回路53は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則にしたがって更新させていき、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることに基づいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ14bへの始動入賞が生じたときに乱数回路53から数値データを乱数値R(ランダムR)として読出し、その数値データに基づいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを判定する。そして、大当りとすると判定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。尚、大当りとするか否かの判定は、実際には特別図柄および演出図柄の変動表示の開始時に、始動入賞時に抽出した乱数値に基づいて実行される。また、乱数回路53が発生させた乱数は、確変とするか否かを決定するための確変判定用乱数や、特別図柄の変動パターンを決定する変動パターン判定用乱数など、大当りとするか否かの判定以外の判定用乱数として用いても良い。
クロック回路は、システムクロック信号をCPU56に出力し、このシステムクロック信号を分周して生成した所定の周期の基準クロック信号CLKを、乱数回路53に出力する。リセットコントローラは、ローレベルの信号が一定期間入力されたとき、CPU56および乱数回路53に所定の初期化信号を出力して、遊技制御用マイクロコンピュータ156をシステムリセットする。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板(図示略)において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、パチンコ機1に対する電源電力の供給が停止したときである電源断時でも、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグ等)と未払出賞球数を示すデータとは、バックアップデータとして、RAM55に保存される。制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。
さらに、電源基板(図示略)からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力回路58に入力される。電源断信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力回路58に入力される。クリア信号は、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに入力される。
また、複数のスイッチのそれぞれは、入力回路58を介して、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートに接続されている。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、複数のスイッチのそれぞれから各スイッチの入力状態を示す入力検出信号を受ける。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156が搭載する出力回路78は、CPU56が出力する演出制御コマンドを演出制御基板80に送信(出力)する。また、出力回路78は、CPU56が出力する制御信号を、特別図柄表示器8や特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄表示器10、普通図柄保留記憶表示器41に送信(出力)する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、演出制御基板80に表示制御、音制御、および、LED制御を含む演出制御を指令するための制御信号としての演出制御コマンド(演出制御信号)を、出力回路78を介して送信する。
遊技制御用マイクロコンピュータ156が演出制御基板80に対して送信する演出制御コマンドには、客待ちデモ指定コマンドや可変表示コマンドが含まれる。
客待ちデモ指定コマンドは、遊技制御用マイクロコンピュータ156が客待ちデモンストレーション時の表示を指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)であり、特別図柄の変動が終了してから所定時間が経過したことに応じて送出され、該客待ちデモ指定コマンドが演出制御基板80に対して送出されたときには、第1表示装置9に所定の客待ちデモ画面が表示される。つまり、通常においては、遊技者が交替するときには、遊技者が不在となる期間が存在するので、これら客待ちデモ指定コマンドは、遊技者が交替することで遊技者が不在となったと想定されるときに出力される。
また、可変表示コマンドは、特別図柄の可変表示に対応して第1表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定するために、変動開始時に送信される演出制御コマンドであり、変動開始を指定するためのコマンドである。
演出制御基板80には、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、第1表示装置9並びに第2表示装置11での演出表示の表示制御や効果音(演出音)の出力制御を行う演出制御用マイクロコンピュータ81等の電気部品制御手段が搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、遊技制御用マイクロコンピュータ156からの演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する第1表示装置9の表示制御や第2表示装置11の表示制御、及びスピーカ27L、27R、27a、27bからの可聴領域の効果音と超音波の音出力制御とを行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ81が、レバースイッチ510a〜510dやボタンスイッチ516aからの検出信号を検知することで、操作レバー600の操作や操作ボタン516の遊技者による操作を検知する。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、遊技盤6に設けられているステージLED25bの表示制御を行うとともに、枠側に設けられている賞球LED51、球切れLED52、左枠LED28b、右枠LED28c、並びに天ランプモジュール530内の各LEDの点灯制御を行う。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、後述する連携演出処理を実行することで、本パチンコ機1の左方および右方に設置されているパチンコ機1と同期した連携演出を実行するようになっている。
また、演出制御用マイクロコンピュータ81は、連携演出の種別を変動表示結果に基づいて判定するためのハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生させる乱数回路82が内蔵されている。乱数回路82は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、99)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、後述する連携演出の種別を決定する際に読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
尚、本実施例では、乱数回路82を設けた形態を例示しているが、本発明はこれに限定されるものではなく、これらの乱数を演出制御用マイクロコンピュータ81が実行する乱数プログラム(ソフトウェア)にて生成するようにしても良い。
図3に示すように、演出制御基板80は、ROM84、CPU86、RAM85、I/Oポート87を含む演出制御用マイクロコンピュータ81を搭載している。演出制御基板80において、CPU86は、内蔵のROM84に格納されたプログラムに従って動作し、シリアル入力回路260及び入力ポート261を介して演出制御コマンドを受信する。このうち、ROM84には、各種の演出において第1表示装置9及び第2表示装置11に表示する画像に関するデータや表示の開始タイミングや終了タイミング等のタイムチャート等が演出の種別毎に記憶されており、RAM85には、図示しないキャンセルカウンタが記憶されている。また、CPU86は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)262に、第1表示装置9に表示する画像の生成等の第1表示装置9の表示制御を行わせる第1表示制御処理や、第2表示装置11に表示する画像の生成等の第2表示装置11の表示制御を行わせる第2表示制御処理を実施する。
この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81と共動して第1表示装置9や第2表示装置11の表示制御を行うVDP262が演出制御基板80に搭載されている。
VDP262は、図3に示すように、スプライト画像として用いる画像要素データとしてのキャラクタ(人物、動物、文字、図形、記号等の画像データ、CGデータとも呼ぶ)などのデータが格納されるCGROM205、フレームバッファ領域(VRAM領域)として使用されるSDRAM210(シンクロナスDRAM)とともに表示制御回路を構成する。
CPU86は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM205から必要なデータを読み出すための指令をVDP262に出力する。CGROM205は、第1表示装置9や第2表示装置11に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像の画像データをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP262は、CPU86の指令に応じて、CGROM205から画像データを読み出す。そして、VDP262は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
VDP262は、VDP262の各種設定などが格納されるシステムレジスタ、アトリビュート(キャラクタを描画する際に使用されるパラメータであり、キャラクタの描画順序や、色数、拡大縮小率、パレット番号、座標などを指定するデータ)が格納されるアトリビュートレジスタ、フレームバッファ領域の後述する描画領域への画像の描画制御を行う描画制御部、CGROM205に格納されているCGデータをフレームバッファ領域に転送する制御を行うデータ転送制御部、フレームバッファ領域の後述する表示領域に格納されている画像データを表示するためのビデオ信号(R(赤)、G(緑)、B(青))信号及び同期信号を出力する表示制御部、表示制御部から出力されたビデオ信号をアナログ信号に変換して第1表示装置9や第2表示装置11に出力するDAコンバータなどが搭載された集積回路である。
また、この実施例では、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)と共動して、各スピーカ27R、27L、27a、27bから出力する可聴領域の効果音を生成する音声処理IC173と、前記連携演出を実行するための連携情報を変調して非可聴領域音の超音波を生成するとともに、マイク22a、22bで受信した超音波を復調して連携情報に変換する超音波モデムIC178と、音声処理ICにて生成された効果音を音信号(生成音)に変換するD/AコンバータIC177と、該音信号に変換された効果音と超音波モデムIC178にて生成された超音波の混合処理を行うミキサ176並びに該ミキサ176で混合処理された音信号と超音波との混合波を増幅するデジタルアンプ175とが演出制御基板80に搭載されており、CPU86は、主基板31からの演出制御コマンドにもとづいて音番号(ID)データを音声処理IC173に出力して、該音番号(ID)データに対応する音を音声処理IC173に生成させるとともに、左方および右方のパチンコ機1に送信する連携情報を出力することで超音波モデムIC178にて連携情報が変調された超音波を生成させる。
音声処理IC173は、演出制御用マイクロコンピュータ81から音番号データが入力されると、該入力された音番号データに応じた音声や効果音を、各スピーカ27R、27L、27a、27b毎に個別に生成しD/Aコンバータ177に出力する。
音声処理IC173には、図3に示すように、音データROM174がローカルに接続されている。この音データROM174には、音番号(ID)データに対応付けて該音番号(ID)データが該当する演出コマンドにより実施される各種演出に対応した音を出力するための各スピーカ27R、27L、27a、27b毎の音制御データが格納されている。つまり、これら音制御データは、演出期間(例えば演出図柄の変動期間)において各スピーカ27R、27L、27a、27bから出力する効果音または音声の出力態様(音量、音像を定位される位置、エコー等のエフェクトの有無等)が時系列的に音源データとともに記述されたデータの集まりである。
超音波モデムIC178には、CPU86から出力される連携情報を周波数変調によって超音波にデジタル変調(符号化)するFM変調回路と、マイク22a、22bから入力された左方または右方のパチンコ機1からの超音波を連携情報に復調するFM復調回路と、送受信するデータを一時的に記憶可能なバッファメモリが搭載されている。尚、本実施例では、FM変調回路により周波数変調することで連携情報の超音波を生成しているが、本発明はこれに限定されず、連携情報の超音波への変調は、前記周波数変調の他、振幅変調や位相変調、またはこれら周波数変調、振幅変調、位相変調のうち2つ以上の変調方法を組み合わせることで行っても良い。
そして、D/Aコンバータ177にて音信号に変換された効果音と超音波モデムIC178にて生成された超音波は、ミキサ176にて混合処理され、デジタルアンプ175に出力される。デジタルアンプ175は、D/AコンバータIC177の出力レベルを、演出制御用マイクロコンピュータ81(CPU86)により設定されている音量に増幅して各スピーカ27R、27L、27a、27bに出力する。
図4(A)は、この実施例で用いられる演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。演出制御コマンドは、例えば2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を示し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」とされ、EXTデータの先頭ビットは「0」とされる。なお、図4(A)に示されたコマンド形態は一例であって、他のコマンド形態を用いてもよい。また、この例では、制御コマンドが2つの制御信号で構成されることになるが、制御コマンドを構成する制御信号数は、1であってもよいし、3以上の複数であってもよい。
図4(A)に示す例において、コマンド8001Hは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第1変動開始コマンドである。コマンド8002Hは、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームにおける変動開始を指定する第2変動開始コマンドである。コマンド81XXHは、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示に対応して第1表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L、9C、9Rまたは第2表示装置11における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア11L、11C、11Rで変動表示される演出図柄などの変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドである。ここで、XXHは不特定の16進数であることを示し、演出制御コマンドによる指示内容に応じて任意に設定される値であればよい。変動パターン指定コマンドでは、指定する変動パターンなどに応じて、異なるEXTデータが設定される。
コマンド8CXXHは、特別図柄や演出図柄などの変動表示結果を指定する変動表示結果通知コマンドである。変動表示結果通知コマンドでは、例えば図4(B)に示すように、変動表示結果が「ハズレ」であるか「大当り」であるかの判定結果(事前決定結果)や、変動表示結果が「大当り」となる場合の大当り種別を複数種類のいずれとするかの判定結果(大当り種別決定結果)に応じて、異なるEXTデータが設定される。より具体的には、コマンド8C00Hは、変動表示結果が「ハズレ」となる旨の事前判定結果を示す第1変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C01Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第2変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C02Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第3変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C03Hは、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる旨の事前判定結果及び大当り種別判定結果を通知する第4変動表示結果通知コマンドである。コマンド8C04Hは、変動表示結果が「小当り」となる旨の事前判定結果を示す第5変動表示結果通知コマンドである。
コマンド8DXXは、時短回数を指定する時短回数通知コマンドである。コマンド8F00Hは、第1表示装置9における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア9L、9C、9Rまたは第2表示装置11における「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリア11L、11C、11Rの各演出図柄表示エリアで演出図柄の変動停止(確定)を指定する図柄確定コマンドである。コマンド95XXHは、パチンコ機1における現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドである。遊技状態指定コマンドでは、例えばパチンコ機1における現在の遊技状態に応じて、異なるEXTデータが設定される。具体的な一例として、コマンド9500Hを時短制御と確変制御がいずれも行われない遊技状態(低確低ベース状態、通常状態)に対応した第1遊技状態指定コマンドとし、コマンド9501Hを時短制御が行われる一方で確変制御は行われない遊技状態(低確高ベース状態、時短状態)に対応した第2遊技状態指定コマンドとする。また、コマンド9502Hを確変制御が行われる一方で時短制御は行われない遊技状態(高確低ベース状態、時短なし確変状態)に対応した第3遊技状態指定コマンドとし、コマンド9503Hを時短制御と確変制御がともに行われる遊技状態(高確高ベース状態、時短付確変状態)に対応した第4遊技状態指定コマンドとする。
コマンドA0XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の開始を示す演出画像の表示を指定する当り開始指定コマンド(「ファンファーレコマンド」ともいう)である。コマンドA1XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態となっている期間であることを通知する大入賞口開放中通知コマンドである。コマンドA2XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態において、大入賞口が開放状態から閉鎖状態に変化した期間であることを通知する大入賞口開放後通知コマンドである。コマンドA3XXHは、大当り遊技状態や小当り遊技状態の終了時における演出画像の表示を指定する当り終了指定コマンドである。
当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、例えば変動表示結果通知コマンドと同様のEXTデータが設定されることなどにより、事前判定結果や大当り種別判定結果に応じて異なるEXTデータが設定されてもよい。あるいは、当り開始指定コマンドや当り終了指定コマンドでは、事前判定結果及び大当り種別判定結果と設定されるEXTデータとの対応関係を、変動表示結果通知コマンドにおける対応関係とは異ならせるようにしてもよい。大入賞口開放中通知コマンドや大入賞口開放後通知コマンドでは、例えば通常開放大当り状態や短期開放大当り状態におけるラウンドの実行回数(例えば「1」〜「15」)に対応して、異なるEXTデータが設定される。
コマンドB100Hは、遊技球が第1始動口スイッチ14aにより検出されて始動入賞(第1始動入賞)が発生したことに基づき、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドである。コマンドB200Hは、遊技球が第2始動口スイッチ14bにより検出されて始動入賞(第2始動入賞)が発生したことに基づき、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドである。
コマンドC1XXHは、第1表示装置9または第2表示装置11の所定領域に表示される第1保留記憶数表示エリアにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第1特図保留記憶数を通知する第1保留記憶数通知コマンドである。コマンドC2XXHは、第1表示装置9または第2表示装置11の所定領域に表示される第2保留記憶数表示エリアにて特図保留記憶数を特定可能に表示するために、第2特図保留記憶数を通知する第2保留記憶数通知コマンドである。第1保留記憶数通知コマンドは、例えば第1始動条件が成立したことに基づいて、第1始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。第2保留記憶数通知コマンドは、例えば第2始動条件が成立したことに基づいて、第2始動口入賞指定コマンドが送信されるときに、主基板31から演出制御基板80に対して送信される。また、第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドは、第1開始条件と第2開始条件のいずれかが成立したときに、特図ゲームの実行が開始されることなどに対応して送信されるようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドは、第1始動入賞の発生により第1始動条件が成立したときに、第1特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。また、第2保留記憶数通知コマンドは、第2始動入賞の発生により第2始動条件が成立したときに、第2特図保留記憶数の増加を通知するものとして送信される。
この実施例では、保留記憶情報として、第1始動入賞口と第2始動入賞口とのいずれに始動入賞したかを指定する第1始動口入賞指定コマンドや第2始動口入賞指定コマンドを送信するとともに、第1特図保留記憶数や第2特図保留記憶数を指定する第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドを送信する。なお、保留記憶数が増加したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1特図保留記憶数または第2特図保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
第1保留記憶数通知コマンドや第2保留記憶数通知コマンドに代えて、合計保留記憶数を通知する合計保留記憶数通知コマンドを送信するようにしてもよい。すなわち、合計保留記憶数の増加(または減少)を通知するための合計保留記憶数通知コマンドが用いられてもよい。
コマンドC4XXHおよびコマンドC6XXHは、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XXHは、入賞時判定結果として、変動表示結果が「大当り」となるか否かや「小当り」となるか否か、大当り種別の判定結果を示す図柄指定コマンドである。また、コマンドC6XXHは、入賞時判定結果として、変動パターン判定用の乱数値MR4が後述する各種変動パターン判定用テーブルにおけるいずれの判定値の範囲となるかによって判定される変動パターンの判定結果(変動ID)を示す変動パターン判定結果コマンドである。
この実施例では、始動入賞判定処理(図17参照)において、始動入賞の発生に基づき、変動表示結果が「大当り」に決定されるか否かや「小当り」に決定されるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4がいずれの判定値の範囲になるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されることを指定する値や、大当り種別を指定する値を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。また、変動パターン判定結果コマンドのEXTデータに、当該始動入賞時に抽出した乱数値MR4が各種変動パターン判定用テーブルにおけるいずれの判定値の範囲となるかによって判定される変動パターンの判定結果(変動ID)を設定し、演出制御基板80に対して送信する制御を行う。演出制御基板80に搭載されたCPU86は、図柄指定コマンドに設定されている値に基づいて、変動表示結果が「大当り」や「小当り」に決定されるか否か、大当り種別を当該始動入賞による変動表示が開始される前に事前に認識できるとともに、変動パターン判定結果コマンドに設定されている変動IDに基づいて、いずれの変動パターンとなるかを当該始動入賞による変動表示が開始される前に事前に認識できる。
図柄指定コマンドの一例として、コマンドC400Hを変動表示結果が「ハズレ」となる場合に応じた第1図柄指定コマンドとし、コマンドC401Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「確変」となる場合に応じた第2図柄指定コマンドとし、コマンドC402Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「非確変」となる場合に応じた第3図柄指定コマンドとし、コマンドC403Hを変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となる場合に応じた第4図柄指定コマンドとし、コマンドC404Hを変動表示結果が「小当り」となる場合に応じた第5図柄指定コマンドとする。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、変動表示結果通知コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。
図5は、主基板31の側においてカウントされる乱数値を例示する説明図である。図5に示すように、この実施例では、主基板31の側において、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4、普図表示結果判定用の乱数値MR5のそれぞれを示す数値データが、カウント可能に制御される。なお、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられてもよい。こうした遊技の進行を制御するために用いられる乱数は、遊技用乱数ともいう。
乱数回路53は、これらの乱数値MR1〜MR5の一部または全部を示す数値データをカウントするものであればよい。CPU56は、例えば図14に示す遊技制御カウンタ設定部154に設けられたランダムカウンタといった、乱数回路53とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを更新することで、乱数値MR1〜MR5の一部を示す数値データをカウントするようにしてもよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1は、特図ゲームにおける特別図柄などの変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「65535」の範囲の値をとる。大当り種別判定用の乱数値MR2は、変動表示結果を「大当り」とする場合における演出図柄の変動表示態様である大当り種別を「非確変」、「確変」、「突確」のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「100」の範囲の値をとる。
変動パターン種別判定用の乱数値MR3は、変動パターンの変動表示における態様を判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「251」の範囲の値をとる。変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示における変動パターンを、予め用意された複数種類のいずれかに判定するために用いられる乱数値であり、例えば「1」〜「997」の範囲の値をとる。普図表示結果判定用の乱数値MR5は、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける変動表示結果を「普図当り」とするか「普図ハズレ」とするかなどの判定を行うために用いられる乱数値であり、例えば「3」〜「13」の範囲の値をとる。
図6は、この実施例における変動パターンを示している。この実施例では、変動表示結果が「ハズレ」となる場合のうち、演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合と「リーチ」である場合のそれぞれに対応して、また、変動表示結果が「大当り」となる場合などに対応して、複数の変動パターンが予め用意されている。なお、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンは、非リーチ変動パターン(「非リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンは、リーチ変動パターン(「リーチハズレ変動パターン」ともいう)と称され、変動表示結果が「ハズレ」で演出図柄の変動表示態様が「スーパーリーチ」である場合に対応した変動パターンは、スーパーリーチ変動パターン(「スーパーリーチハズレ変動パターン」ともいう)と称される。また、非リーチ変動パターンとリーチ変動パターンとスーパーリーチ変動パターンは、変動表示結果が「ハズレ」となる場合に対応したハズレ変動パターンに含まれる。変動表示結果が「大当り」である場合に対応した変動パターンは、大当り変動パターンと称される。
大当り変動パターンやリーチ変動パターンには、ノーマルリーチのリーチ演出が実行されるノーマルリーチ変動パターンと、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγといったスーパーリーチのリーチ演出が実行されるスーパーリーチ変動パターンとがある。大当り変動パターンと小当り変動パターンは、変動表示結果が「大当り」または「小当り」となる場合に対応した当り変動パターンに含まれる。
この実施例においては、図6に示すように、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγの変動パターンが、ハズレ変動パターンにも、大当り変動パターンにも設定されていることで、変動表示結果が「ハズレ」となる場合にも、変動表示結果が「大当り」となる場合にも、スーパーリーチα、スーパーリーチβ、スーパーリーチγの変動パターンが決定される場合がある。
「非リーチ」である場合に対応した変動パターンには、変動時間が短縮されない短縮なしの変動パターンや、合計保留記憶数が「3」〜「4」または「5」〜「8」である場合に対応して変動時間が短縮される変動パターンが用意されている。さらに、遊技状態が確変状態や時短状態といった時短制御が実行される場合に対応した変動パターンも用意されている。合計保留記憶数や遊技状態に応じて、これらのいずれかの変動パターンが選択されることで、合計保留記憶数や遊技状態に応じて、変動時間を短縮する制御が可能になる。
なお、図6に示す各変動パターンは、複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれるようにしてもよい。即ち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作の態様などに基づいて分類(グループ化)された単一または複数の変動パターンを含むように構成されていてもよい。
本実施例におけるこれら各変動パターンには、それぞれの変動パターン固有の識別情報である変動IDが割り当てられている。具体的には、図6に示すように、変動パターンPA1−1には、変動ID「01」が割り当てられている。変動パターンPA1−2には、変動ID「02」にが割り当てられている。変動パターンPA1−3には、変動ID「03」が割り当てられている。変動パターンPA1−4には、変動ID「04」が割り当てられている。変動パターンPA1−5には、変動ID「05」が割り当てられている。変動パターンPB1−1には、変動ID「11」が割り当てられている。変動パターンPB1−2には、変動ID「12」が割り当てられている。変動パターンPB1−3には、変動ID「13」が割り当てられている。変動パターンPB1−4には、変動ID「14」が割り当てられている。変動パターンPB2−1には、変動ID「21」が割り当てられている。変動パターンPB2−2には、変動ID「22」が割り当てられている。変動パターンPB2−3には、変動ID「23」が割り当てられている。変動パターンPB2−4には、変動ID「24」が割り当てられている。変動パターンPBC1−1には、変動ID「31」が割り当てられている。変動パターンPC3−2には、変動ID「32」が割り当てられている。
このように、この実施例においては、全ての変動パターンに変動IDが割り当てられていて、該変動IDが、前述したように、変動パターン判定結果コマンドに含まれて演出制御基板80に送信されることで、演出制御基板80側において始動入賞時に判定された変動パターンを特定できるようになっている。
図7は、ROM54に記憶される特図表示結果判定テーブルの構成例を示している。この実施例では、特図表示結果判定テーブルとして、図7(A)に示す第1特図表示結果判定テーブル130Aと、図7(B)に示す第2特図表示結果判定テーブル130Bとが、予め用意されている。第1特図表示結果判定テーブル130Aは、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。第2特図表示結果判定テーブル130Bは、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームにおいて変動表示結果となる確定特別図柄が導出表示される以前に、その変動表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かや、変動表示結果を「小当り」として小当り遊技状態に制御するか否かを、特図表示結果判定用の乱数値MR1に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
第1特図表示結果判定テーブル130Aでは、パチンコ機1における遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(時短付と時短なしの双方を含む高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「小当り」、「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。第2特図表示結果判定テーブル130Bでは、遊技状態が通常状態または時短状態(低確状態)であるか、確変状態(高確状態)であるかに応じて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される数値(判定値)が、「大当り」や「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられている。
第1特図表示結果判定テーブル130Aや第2特図表示結果判定テーブル130Bにおいて、特図表示結果判定用の乱数値MR1と比較される判定値を示すテーブルデータは、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられる判定用データとなっている。第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、遊技状態が確変状態(高確状態)であるときに、通常状態または時短状態(低確状態)であるときよりも多くの判定値が、「大当り」の特図表示結果に割り当てられている。これにより、パチンコ機1において確変制御が行われる確変状態(高確状態)では、通常状態または時短状態(低確状態)であるときに比べて、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなる。すなわち、第1特図表示結果判定テーブル130Aと第2特図表示結果判定テーブル130Bのそれぞれでは、パチンコ機1における遊技状態が確変状態であるときに、通常状態や時短状態であるときに比べて大当り遊技状態に制御すると決定される確率が高くなるように、判定用データが大当り遊技状態に制御するか否かの判定結果に割り当てられている。
図8は、この実施例における変動パターン種別を示している。図6に示す各変動パターンは、図8に示す複数の変動パターン種別のうち、少なくとも1つの変動パターン種別に含まれている。すなわち、各変動パターン種別は、例えば演出図柄の変動表示中に実行される演出動作などに基づいて分類(グループ化)された1つ又は複数の変動パターンを含むように構成されていればよい。一例として、複数の変動パターンをリーチ演出の種類(演出態様)で分類(グループ化)して、演出図柄の変動表示状態がリーチ状態とならない変動パターンが含まれる変動パターン種別と、ノーマルリーチを伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別と、スーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβまたはスーパーリーチγ)を伴う変動パターンが含まれる変動パターン種別とに分ければよい。
図8に示す例では、変動表示結果が「ハズレ」で「非リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5が、予め用意されている。また、変動表示結果が「ハズレ」で「リーチ」の変動表示態様となる場合に対応して、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「非確変」又は「確変」の変動表示態様(大当り種別)に対応して、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)である場合や変動表示結果が「小当り」である場合に対応して、変動パターン種別CA4−1が、予め用意されている。変動表示結果が「大当り」で「突確」の変動表示態様(大当り種別)である場合のみに対応して、変動パターン種別CA4−2が、予め用意されている。
変動パターン種別CA1−1は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−1を含んでいる。変動パターン種別CA1−2は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が3〜4個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留3〜4個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−2を含んでいる。変動パターン種別CA1−3は、遊技状態が通常状態などの低ベース中であるときに、合計保留記憶数が5〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される保留5〜8個短縮(通常状態)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−3を含んでいる。
変動パターン種別CA1−4は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮されない「短縮なし(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−4を含んでいる。変動パターン種別CA1−5は、遊技状態が時短状態などの高ベース中であるときに、合計保留記憶数が2〜8個であることに対応して、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される「保留2〜8個短縮(高ベース中)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPA1−5を含んでいる。
変動パターン種別CA2−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後に通常のリーチ演出となるノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−1を含んでいる。変動パターン種別CA2−2は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβ又はスーパーリーチγ)を伴い、リーチ演出が終了したときにリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパールリーチ(ハズレ)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB1−2〜変動パターンPB1−4を含んでいる。
変動パターン種別CA3−1は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にノーマルリーチを伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「ノーマルリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−1を含んでいる。変動パターン種別CA3−2は、演出図柄の変動表示状態をリーチ状態とした後にスーパーリーチ(スーパーリーチα、スーパーリーチβ又はスーパーリーチγ)を伴い、リーチ演出が終了したときに大当り組合せの確定演出図柄を導出表示する「スーパーリーチ(大当り)」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPB2−2〜変動パターンPB2−4を含んでいる。
変動パターン種別CA4−1は、2回開放チャンス目のいずれかとなる確定演出図柄を導出表示する「2回開放チャンス目停止」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−1を含んでいる。変動パターン種別CA4−2は、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」である場合に演出図柄の変動表示状態をリーチ状態としてからリーチ組合せの確定演出図柄を導出表示する「2回開放時リーチハズレ」の変動パターン種別であり、予め対応付けられた変動パターンPC1−2を含んでいる。
また、図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ156が備えるROM54には、特図表示結果の判定結果や、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターンを、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照される変動パターン種別判定テーブルが記憶される。
図9(A)〜図9(C)は、ROM54に記憶される変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。この実施例では、変動パターン種別判定テーブルとして、図9(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルと、図9(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルと、図9(C)に示す突確動パターン種別判定テーブルと、が、予め用意されている。
図9(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「大当り」にすると判定(事前決定)されたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数値MR3に基づいて、複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別の判定結果が「非確変」または「確変」のいずれであるかに応じて、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される数値(判定値)が、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2のいずれかに割り当てられている。
大当り変動パターン種別判定テーブルでは、大当り種別が複数種類のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に判定される割合が異なるように、判定値が各変動パターン種別に割り当てられている部分がある。例えば、大当り種別が「非確変」であるか「確変」であるかに応じて、変動パターン種別CA3−1〜変動パターン種別CA3−2に対する判定値の割当てが異なっている。
具体的には、大当り種別が「非確変」である場合、乱数値MR3の1〜100までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の101〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。
一方、大当り種別が「確変」である場合、乱数値MR3の1〜50までの範囲が変動パターン種別CA3−1に割り当てられており、乱数値MR3の51〜251までの範囲が変動パターン種別CA3−2に割り当てられている。これにより、大当り種別を複数種類のいずれにするかの判定結果に応じて、同一の変動パターン種別に判定される割合を異ならせることができる。
このように乱数値MR3を割り当てることにより、この実施例においては、確変大当りになる場合には、非確変大当りとなる場合よりも高い割合にて変動パターン種別CA3−2が決定されることにより、変動パターン種別CA3−2に含まれるスーパーリーチが実施されるように設定されている。
なお、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、同一の変動パターン種別に判定される割合を異ならせることができる。また、大当り種別が「非確変」と「確変」とのいずれかに判定された場合に、パチンコ機1における遊技状態が通常状態や確変状態、時短状態のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定値が割り当てられるようにしてもよい。これにより、遊技状態が複数種類のいずれであるかに応じて、異なる変動パターン種別に判定することができる。
上記したように、この実施例では、大当り種別が「非確変」と「確変」のいずれに判定されたかに応じて、各変動パターン種別に対する判定値の割当てを異ならせており、これによって、いずれの変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が実行されるかに応じて、変動表示結果が「確変大当り」となる期待度を異ならせることができる。例えば、大当り種別が「確変」の場合に多くの判定値が割り当てられる一方、大当り種別が「非確変」の場合に少ない判定値が割り当てられる変動パターン種別に含まれる変動パターンによる変動表示が行われたときには、変動表示結果が「確変大当り」となる期待度が高められる。
図9(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「小当り」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。小当り変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターン種別CA4−1に対して割り当てられている。
また、図9(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルは、特図表示結果を「突確」にすると判定(事前決定)されたときに、変動パターン種別を判定するために参照されるテーブルである。突確変動パターン種別判定テーブルでは、変動パターン種別判定用の乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA4−1に割り当てられており、乱数値MR3の151〜251までの歯にが変動パターン種別CA4−2に割り当てられている。
ここで、変動パターン種別CA4−1は、小当り変動パターン種別判定テーブルと突確変動パターン種別判定テーブルの双方において判定値が割り当てられている。このように、変動パターン種別CA4−1は、特図表示結果が「小当り」となる場合と「突確」となる場合とで、共通の変動パターン種別となっている。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと、突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるように設定されている。
尚、小当り変動パターン種別判定テーブルは、突確変動パターン種別判定テーブルとは異なる変動パターン種別に対しても、判定値が割り当てられるように設定されてもよい。すなわち、小当り変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータと突確変動パターン種別判定テーブルを構成するテーブルデータとには、共通の変動パターン種別が含まれるとともに、それぞれに固有の変動パターン種別が含まれるように設定されてもよい。
図10(A)〜図10(E)は、ROM54に記憶されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルの構成例を示している。これらのはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eは、変動表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(MR3)に基づいて複数種類のうちのいずれかに判定するために参照されるテーブルである。
この実施の形態では、はずれ用変動パターン種別判定テーブルとして、図10(A)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルA(通常用)と、図10(B)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が3〜4個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルB(通常用)と、図10(C)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数が5〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルCと、図10(D)に示す遊技状態が高ベース状態(高確高ベース状態、低確高ベース状態)であり、合計保留記憶数としての特図保留記憶数が0〜1個であるときに、短縮の非リーチ変動パターン以外の変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルDと、図10(E)に示す遊技状態が低ベース状態(高確低ベース状態、低確低ベース状態)であり、合計保留記憶数が2〜8個であるときに、短縮の非リーチ変動パターンを含む変動パターン種別が決定されるはずれ用変動パターン種別判定テーブルEと、が、予め用意されている。
このうち、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−1に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルAでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2及び変動パターン種別CA1−3に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルBにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−2に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルBでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−2が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルCにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−3に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルCでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−3が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルDにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−4に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルDでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−5に乱数値MR3の範囲に割り当てられていないため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行されることがない。
はずれ用変動パターン種別判定テーブルEにおいては、乱数値MR3の1〜150までの範囲が変動パターン種別CA1−5に割り当てられており、乱数値MR3の151〜200までの範囲が変動パターン種別CA2−1に割り当てられており、乱数値MR3の201〜251までの範囲が変動パターン種別CA2−2に割り当てられている。このはずれ用変動パターン種別判定テーブルEでは、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別CA1−4が乱数値MR3の1〜150までの範囲に割り当てられているため、変動表示時に変動パターンとして特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンが選択されて実行される場合がある。
このように、保留記憶数の合計保留記憶数が多い(例えば3個以上)の場合には、特別図柄や演出図柄の変動表示時間が短縮される変動パターンを含む変動パターン種別が設けられたはずれ用変動パターン種別テーブルが選択されることで、変動表示が短縮されて実行されやすくなり、保留記憶数が上限値に達することによる無駄な始動入賞を抑えることができるようになっている。
しかしながら、このようにはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eが設定されていることにより、始動入賞による保留記憶の変動表示が実行されるまでの間に保留記憶数が変化すると、始動入賞時に判定される変動パターンと、変動表示開始時に判定される変動パターンとが異なる場合があり得る。つまり、始動入賞時に判定した変動パターンと、変動表示実行時に判定される変動パターンとが異なることで、始動入賞時に判定した変動パターンの変動時間と、変動表示実行時に判定される変動パターンの変動時間とが異なる場合がある。
図11(A)〜図11(D)は、ROM54に記憶される変動パターン判定テーブルの構成例を示している。これらの変動パターン判定テーブルのうち、図11(A)に示すハズレ変動パターン判定テーブルは、図10(A)〜図10(E)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eにて判定された変動パターン種別CA1−1〜変動パターンCA1−5、変動パターンCA2−1〜変動パターンCA2−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。
このハズレ変動パターン判定テーブルにおいては、変動パターン種別がCA1−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−2である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−2に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−3である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−3に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−4である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−4に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA1−5である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPA1−5に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA2−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA2−2である場合、乱数値MR4の1〜667の範囲が変動パターンPB1−2に割り当てられており、乱数値MR4の668〜900の範囲が変動パターンPB1−3に割り当てられており、乱数値MR4の901〜997の範囲が変動パターンPB1−4に割り当てられている。
図11(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAは、図9(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が確変大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターンCA3−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この大当り変動パターン判定テーブルAにおいては、変動パターン種別がCA3−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB2−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA3−2である場合、乱数値MR4の1〜99の範囲が変動パターンPB2−2に割り当てられており、乱数値MR4の100〜250の範囲が変動パターンPB2−3に割り当てられており、乱数値MR4の251〜997の範囲が変動パターンPB2−4に割り当てられている。
図11(C)に示す大当り変動パターン判定テーブルBは、図9(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルにおける大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に判定された変動パターン種別CA3−1〜変動パターンCA3−2に応じて、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この大当り変動パターン判定テーブルBにおいては、変動パターン種別がCA3−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPB2−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA3−2である場合、乱数値MR4の1〜199の範囲が変動パターンPB2−2に割り当てられており、乱数値MR4の200〜499の範囲が変動パターンPB2−3に割り当てられており、乱数値MR4の500〜997の範囲が変動パターンPB2−4に割り当てられている。
このように大当り変動パターン判定テーブルA〜Bを設定することで、変動パターン種別が変動パターン種別CA3−2に判定される場合、変動パターンは、スーパーリーチγが実行されて大当りとなる変動パターンPB2−4に判定される割合が最も高く、スーパーリーチαが実行されて大当りとなる変動パターンPB2−2に判定される割合が最も低くなっている(確変大当り時の変動パターン判定割合:スーパーリーチγで大当り>スーパーリーチβで大当り>スーパーリーチαで大当り)。更に、大当り種別が確変大当りである場合に変動パターンPB2−4に判定される割合は、大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に変動パターンPB2−4に判定される割合よりも高くなっており、大当り種別が確変大当りである場合に変動パターンPB2−2に判定される割合は、大当り種別が通常(非確変)大当りである場合に変動パターンPB2−2に判定される割合よりも低くなっている。よって、大当り種別が確変大当りである場合は、大当たり種別が通常(非確変)大当りである場合よりも、スーパーリーチγが出現しやすく、逆に、スーパーリーチαが出現し難くなっている。このため、スーパーリーチγが出現した場合には、確変大当りになるのではないかという期待感を遊技者に与えることができる。
尚、本実施例では、図11(A)に示すハズレ変動パターン判定テーブル並びに図11(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAのように判定値を設定することで、上述した確変期待度(信頼度)と同様に、大当り期待度信頼度についても、スーパーリーチγ>スーパーリーチβ>スーパーリーチαとなるようになっている。
図11(D)に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルは、図9(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1に判定されたとき、及び図9(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルにおいて変動パターン種別CA4−1〜変動パターン種別CA4−2に判定されたときに、変動パターンを変動パターン判定用の乱数値MR4に基づいて判定するために参照されるテーブルである。この小当り/突確変動パターン判定テーブルにおいては、変動パターン種別がCA4−1である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPC1−1に対して割り当てられており、変動パターン種別がCA4−2である場合、変動パターン判定用の乱数値MR4と比較される全ての数値(判定値)が、変動パターンPC1−2に対して割り当てられている。
図12は、ROM54に記憶される大当り種別判定テーブル131の構成例を示している。大当り種別判定テーブル131は、特図表示結果を「大当り」として大当り遊技状態に制御すると判定されたときに、大当り種別判定用の乱数値MR2に基づき、大当り種別を複数種類のいずれかに判定するために参照されるテーブルである。大当り種別判定テーブル131では、特図ゲームにおいて変動表示が行われた特別図柄が第1特図(第1特別図柄表示器8aによる特図ゲーム)であるか第2特図(第2特別図柄表示器8bによる特図ゲーム)であるかに応じて、大当り種別判定用の乱数値MR2と比較される数値(判定値)が、「非確変」や「確変」、「突確」といった複数種類の大当り種別に割り当てられている。
ここで、本実施例のパチンコ機1において発生する大当りの種別「非確変」、「確変」及び「突確」について説明すると、図13に示すように、「非確変」は、5ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が低い低確率状態で且つ可動片13、13の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「非確変」の場合は、大当り遊技終了後に低確高ベース状態に制御する。尚、この高ベース状態は、大当りに当選した時点での遊技状態が高ベース状態である場合、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続し、大当り遊技となる直前の遊技状態が低ベース状態である場合、特図ゲームが10回実行されるか、該10回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
また、「確変」は、15ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態で且つ可動片13、13の開放時間が長くなり、かつ、開放回数が増加される高開放制御が行われる。すなわち、大当り種別が「確変」の場合は、大当り遊技終了後に高確高ベース状態に制御する。尚、この高ベース状態は、大当りに当選した時点での遊技状態が高ベース状態である場合、特図ゲームが100回実行されるか、該100回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続し、大当り遊技となる直前の遊技状態が低ベース状態である場合、特図ゲームが10回実行されるか、該10回の特図ゲームの実行中に大当りに当選するまで継続する。
尚、「突確」は、「2ラウンドの大当り遊技状態に制御され、その大当り遊技状態の終了後に、大当り確率が高い高確率状態となるが、高開放制御は行われない。すなわち、大当り種別が「突確」の場合は、大当り遊技終了後に高確低ベース状態に制御される。但し、突確前の遊技状態が高ベースである場合には、大当り遊技終了後に高確低ベース状態に制御されるのではなく、所定の変動回数(例えば100回)または次の大当りが発生するまで高確高ベース状態に制御するようにしても良い。
この大当り種別判定テーブル131においては、図12に示すように、特図表示結果が「大当り」となる特図が第1特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜82が「確変」に割り当てられており、乱数値MR2の83〜99が「突確」に割り当てられている。また、特図表示結果が「大当り」となる特図が第2特図である場合、乱数値MR2の1〜36の範囲が「非確変」に割り当てられており、乱数値MR2の37〜99が「確変」に割り当てられている。
このように、本実施例では、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかに応じて、「突確」の大当り種別に対する判定値の割当てが異なっている。すなわち、変動特図が第1特図である場合には、所定範囲の判定値(「83」〜「99」の範囲の値)が「突確」の大当り種別に割り当てられる一方で、変動特図が第2特図である場合には、「突確」の大当り種別に対して判定値が割り当てられていない。このような設定により、第1特別図柄表示器8aによる第1特図を用いた特図ゲームを開始するための第1開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合と、第2特別図柄表示器8bによる第2特図を用いた特図ゲームを開始するための第2開始条件が成立したことに基づいて大当り種別を複数種類のいずれかに判定する場合とで、大当り種別を「突確」に判定する割合を、異ならせることができる。特に、第2特図を用いた特図ゲームでは大当り種別を「突確」として2ラウンド大当り状態に制御すると判定されることがないので、例えば時短状態(低確状態や時短付確変状態といった、普通可変入賞球装置6Bが形成する第3始動口に遊技球が進入しやすい遊技状態において、賞球を得ることが困難な2ラウンド大当り状態の頻発を回避して、遊技の間延びによる遊技興趣の低下を防止できる。
なお、変動特図が第2特図である場合にも、変動特図が第1特図である場合とは異なる所定範囲の判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられるようにしてもよい。例えば、変動特図が第2特図である場合には、変動特図が第1特図である場合に比べて少ない判定値が、「突確」の大当り種別に割り当てられてもよい。あるいは、変動特図が第1特図であるか第2特図であるかにかかわらず、共通のテーブルデータを参照して、大当り種別の判定を行うようにしてもよい。
図2に示す遊技制御用マイクロコンピュータ156が備えるRAM55は、その一部または全部が所定の電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであればよい。すなわち、パチンコ機1に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特図プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存されるようにすればよい。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータに基づいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。
このようなRAM55には、パチンコ機1における遊技の進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、例えば図14に示すような遊技制御用データ保持エリア150が設けられている。図14に示す遊技制御用データ保持エリア150は、特図保留記憶部151と、普図保留記憶部151Cと、遊技制御フラグ設定部152と、遊技制御タイマ設定部153と、遊技制御カウンタ設定部154と、遊技制御バッファ設定部155とを備えている。
特図保留記憶部151は、遊技球が第1始動口スイッチ14aによって検出されたことにより始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データと、遊技球が第2始動口スイッチ14bによって検出されたことにより始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、特図保留記憶部151は、第1始動入賞または第2始動入賞の発生順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件または第2始動条件の成立に基づいて、種別(第1始動入賞または第2始動入賞)、CPU56により乱数回路53等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データなどを保留データとして、同一種別の記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして特図保留記憶部151に記憶された保留データのうち、種別が「第1」である保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、種別が「第2」である保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、個別の保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、始動入賞順に、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを記憶しておけば良い。
普図保留記憶部151Cは、ゲート32を通過した遊技球がゲートスイッチ32aによって検出されたにもかかわらず、未だ普通図柄表示器10により開始されていない普図ゲームの保留情報を記憶する。例えば、普図保留記憶部151Cは、遊技球がゲート32を通過した順に保留番号と対応付けて、その遊技球の通過に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された普図表示結果判定用の乱数値MR5を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。
遊技制御フラグ設定部152には、パチンコ機1における遊技の進行状況などに応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、遊技制御フラグ設定部152には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
遊技制御タイマ設定部153には、パチンコ機1における遊技の進行を制御するために用いられる各種のタイマが設けられている。例えば、遊技制御タイマ設定部153には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
遊技制御カウンタ設定部154には、パチンコ機1における遊技の進行を制御するために用いられるカウント値を計数するためのカウンタが複数種類設けられている。例えば、遊技制御カウンタ設定部154には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。ここで、遊技制御カウンタ設定部154には、遊技用乱数の一部または全部をCPU56がソフトウェアにより更新可能にカウントするためのランダムカウンタが設けられてもよい。
例えば、遊技制御カウンタ設定部154のランダムカウンタには、乱数値MR1〜MR5を示す数値データが、ランダムカウント値として記憶され、CPU56によるソフトウェアの実行に応じて、定期的あるいは不定期に、各乱数値を示す数値データが更新される。CPU56がランダムカウント値を更新するために実行するソフトウェアは、ランダムカウント値を乱数回路53における数値データの更新動作とは別個に更新するためのものであってもよいし、乱数回路53から抽出された数値データの全部又は一部にスクランブル処理や演算処理といった所定の処理を施すことによりランダムカウント値を更新するためのものであってもよい。
遊技制御バッファ設定部155には、パチンコ機1における遊技の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、遊技制御バッファ設定部155には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
また、図2に示す演出制御基板80に搭載されたRAM85には、演出動作を制御するために用いられる各種データを保持する領域として、例えば図15(A)に示すような演出制御用データ保持エリア190が設けられている。図15(A)に示す演出制御用データ保持エリア190は、演出制御フラグ設定部191と、演出制御タイマ設定部192と、演出制御カウンタ設定部193と、演出制御バッファ設定部194とを備えている。
演出制御フラグ設定部191には、例えば第1表示装置9や第2表示装置11の画面上における演出画像の表示状態などといった演出動作状態や主基板31から伝送された演出制御コマンド等に応じて状態を更新可能な複数種類のフラグが設けられている。例えば、演出制御フラグ設定部191には、複数種類のフラグそれぞれについて、フラグの値を示すデータや、オン状態あるいはオフ状態を示すデータが記憶される。
演出制御タイマ設定部192には、例えば第1表示装置9や第2表示装置11の画面上における演出画像の表示動作などといった各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のタイマが設けられている。例えば、演出制御タイマ設定部192には、複数種類のタイマそれぞれにおけるタイマ値を示すデータが記憶される。
演出制御カウンタ設定部193には、各種演出動作の進行を制御するために用いられる複数種類のカウンタが設けられている。例えば、演出制御カウンタ設定部193には、複数種類のカウンタそれぞれにおけるカウント値を示すデータが記憶される。
演出制御バッファ設定部194には、各種演出動作の進行を制御するために用いられるデータを一時的に記憶する各種のバッファが設けられている。例えば、演出制御バッファ設定部194には、複数種類のバッファそれぞれにおけるバッファ値を示すデータが記憶される。
この実施の形態では、図15(B)に示すような保留記憶バッファ194Aを構成するデータが、演出制御バッファ設定部194の所定領域に記憶される。保留記憶バッファ194Aには、合計保留記憶数の最大値(例えば「8」)に対応した格納領域(保留記憶番号「1」〜「8」に対応した領域)が設けられている。第1始動入賞または第2始動入賞があったときには、始動口入賞指定コマンド(第1始動口入賞指定コマンドまたは第2始動口入賞指定コマンド)や図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドの3つのコマンドを1セットして、主基板31から演出制御基板80へと送信される。保留記憶バッファ194Aには、これらの始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンド(変動ID)を対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
CPU86は、始動入賞時に受信した順番でコマンドを保留記憶バッファ194Aの空き領域における先頭から格納していく。始動入賞時には、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンドの順にコマンド送信が行われる。したがって、コマンド受信が正常に行われれば、図15(B)に示すように、保留記憶番号「1」〜「8」のそれぞれに対応する格納領域に、始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン判定結果コマンド(変動ID)の順に格納されていくことになる。なお、図15(B)では、保留記憶番号「1」〜「5」に対応する格納領域にて各コマンドに対応するデータが格納されている。
図15(B)に示す保留記憶バッファ194Aに格納されているコマンドや変動IDは、演出図柄の変動表示を開始するごとに、1つ目の格納領域(保留記憶番号「1」に対応した領域)に格納されているものから削除され、以降の記憶内容がシフトされる。例えば図15(B)に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、保留記憶番号「1」に格納されている各コマンドや変動IDが削除され、保留記憶番号「2」に対応した領域にて格納されている各コマンドが保留記憶番号「1」に対応した領域にシフトされ、保留記憶番号「3」〜「5」のそれぞれに対応した領域にて格納されている各コマンドや変動IDが、保留記憶番号「2」〜「4」に対応した領域にシフトされる。
次に、パチンコ機1の動作について説明する。パチンコ機1に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ156(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降の図示しないメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAM55をアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、パチンコ機1への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施例では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段(CPU56)の内部状態と演出制御手段(CPU86)等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。そして、ステップS14に移行する。なお、この実施例では、CPU56は、ステップS43の処理において、バックアップRAMに保存されていた合算保留記憶数カウンタの値を設定した合算保留記憶数指定コマンドも演出制御基板80に対して送信する。
なお、この実施例では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ156が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ81は、初期化指定コマンドを受信すると、第1表示装置9において、パチンコ機1の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路53を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路53にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば2ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行う。すなわち、初期値として例えば2msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施例では、2ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施例では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施例では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ156が、パチンコ機1に設けられている表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施例では、リーチ演出は、第1表示装置9において可変表示される演出図柄(演出図柄)を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数を用いた抽選によって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ81である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図16に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、パチンコ機1に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、特別図柄保留記憶表示器18、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32、S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理:ステップS24、表示用乱数更新処理:ステップS25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ81に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ14bおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施例では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。CPU56は、例えば、特別図柄プロセス処理でセットされる開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値を+1する。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bにおける第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示を実行する。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施例では、遊技制御処理は2ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施例では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
図17は、特別図柄プロセス処理として、図16に示すステップS26にて実行される処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU56は、まず、始動入賞判定処理を実行し(ステップS101)、該始動入賞判定処理において、始動入賞があったことを条件に、該始動入賞に対応する変動表示において大当りとなるか否かや、変動パターンの種別がどの種別となるか等を予め判定し、該判定結果を前述した始動入賞時受信コマンド(始動口入賞指定コマンド、図柄指定コマンド、変動パターン指定コマンド)にて演出制御基板80(CPU86)に通知する。
図18に示す始動入賞判定処理において、CPU56は、まず、第1始動口15aに対応して設けられた第1始動口スイッチ14aからの検出信号に基づき、第1始動口スイッチ14aがオンであるか否かを判定する(ステップS201)。このとき、第1始動口スイッチ14aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU56は、例えばRAM55の所定領域に格納されている遊技制御カウンタ設定部154に設けられた第1保留記憶数カウンタの格納値である第1保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第1特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、例えばRAM55の所定領域に格納されている遊技制御バッファ設定部に設けられた始動口バッファの格納値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ14aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第2始動口15bに対応して設けられた第2始動口スイッチ14bからの検出信号に基づき、第2始動口スイッチ14bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ14bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図を用いた特図ゲームの保留記憶数である第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば上限記憶数としての「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU56は、例えば前記技制御カウンタ設定部に設けられた第2保留記憶数カウンタの格納値である第2保留記憶数カウント値を読み取ることにより、第2特図保留記憶数を特定できればよい。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、例えば遊技制御バッファ設定部155に設けられた始動口バッファの格納値を、「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファの格納値である始動口バッファ値に応じた特図保留記憶数を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1保留記憶数カウント値は、第1始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第1特図を用いた特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。また、第2保留記憶数カウント値は、第2始動入賞口を遊技球が通過(入賞)して第2特図を用いた特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したときに、1増加するように更新される。このときには、合計保留記憶数も1加算するように更新する(ステップS208)。例えば、前記遊技制御カウンタ設定部に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新すればよい。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU56は、乱数回路53やRAM55のランダムカウンタによって更新されている数値データのうちから、特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを、抽出する(ステップS209)。こうして抽出した各乱数値を示す数値データは、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部における空きエントリの先頭に、保留情報としてセットされることで記憶される(ステップS210)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには、RAM55に格納されている第1特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときには、RAM55に格納されている第2特図保留記憶部に乱数値MR1〜MR4を示す数値データがセットされる。このとき、対応する始動口データを、乱数値MR1〜MR4を示す数値データとともにセットしてもよい。
前記第1特図保留記憶部は、第1始動口15aを遊技球が通過(進入)して始動入賞(第1始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、前記第1特図保留記憶部は、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第1始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして前記第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、第1特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
前記第2特図保留記憶部は、第2始動口15bを遊技球が通過(進入)して始動入賞(第2始動入賞)が発生したものの未だ開始されていない特図ゲーム(第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲーム)の保留データを記憶する。一例として、前記第2特図保留記憶部は、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号と関連付けて、その遊技球の通過(進入)における第2始動条件の成立に基づいてCPU56により乱数回路53等から抽出された特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データなどを保留データとして、その数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして前記第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、第2特図を用いた特図ゲームの実行が保留されていることを示し、この特図ゲームにおける変動表示結果(特図表示結果)に基づき所定の遊技価値が付与されるか否かなどを判定可能にする保留情報となる。
なお、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第1始動条件の成立に基づく保留情報(第1保留情報)と、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)したことによる第2始動入賞の成立に基づく保留情報(第2保留情報)とを、共通の保留記憶部にて保留番号と対応付けて記憶するようにしてもよい。この場合には、第1始動入賞口と第2始動入賞口のいずれを遊技球が通過(進入)したかを示す始動口データを保留情報に含め、保留番号と対応付けて記憶させればよい。
特図表示結果判定用の乱数値MR1や大当り種別判定用の乱数値MR2を示す数値データは、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否か、さらには変動表示結果を「大当り」とする場合の大当り種別を決定するために用いられる。変動パターン種別判定用の乱数値MR3や変動パターン判定用の乱数値MR4は、特別図柄や演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンを決定するために用いられる。CPU56は、ステップS209の処理を実行することにより、特別図柄や演出図柄の変動表示結果や変動表示時間を含む変動表示態様の決定に用いられる乱数値のうち、一部または全部を示す数値データを抽出する。
図18に示すステップS210の処理に続いて、始動口バッファ値に応じた始動口入賞指定コマンドの送信設定が行われる(ステップS211)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときにはROM54における第1始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタにより指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームを実行するための第1始動条件が成立したことを通知する第1始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときにはROM54における第2始動口入賞指定コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファのバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立したことを通知する第2始動口入賞指定コマンドを送信するための設定を行う。こうして設定された始動口入賞指定コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、所定のコマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS211の処理に続いて、変動パターン判定処理を実行する(ステップS212)。その後、例えばROM54における保留記憶数通知コマンドテーブルの記憶アドレスを送信コマンドバッファにおいて送信コマンドポインタによって指定されたバッファ領域に格納することなどにより、演出制御基板80に対して保留記憶数通知コマンドを送信するための設定を行う(ステップS213)。こうして設定された保留記憶数通知コマンドは、例えば特別図柄プロセス処理が終了した後、図16に示すステップS28の演出制御コマンド制御処理が実行されることなどにより、主基板31から演出制御基板80に対して伝送される。
ステップS213の処理を実行した後には、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS214)。このとき、始動口バッファ値が「1」であれば(ステップS214;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS215)、ステップS204の処理に進む。これに対して、始動口バッファ値が「2」であるときには(ステップS214;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS216)、始動入賞判定処理を終了する。これにより、第1始動口スイッチ14aと第2始動口スイッチ14bの双方が同時に有効な遊技球の始動入賞を検出した場合でも、確実に双方の有効な始動入賞の検出に基づく処理を完了できる。
図19及び図20は、図18の始動入賞判定処理におけるステップS212にて実行される変動パターン判定処理の一例を示すフローチャートである。
図19及び図20に示す変動パターン判定処理において、CPU56は、まず、小当りに当選したか否かを判定する(ステップS401)。具体的には、まず、CPU56は、ステップS203またはステップS206にて始動口バッファに格納した格納値を参照する。CPU56は、この参照した格納値に応じて、更に始動口バッファ値に応じた特図表示結果判定テーブル(格納値が「1」ならば第1特図表示結果判定テーブル130A、格納値が「2」ならば第2特図表示結果判定テーブル130B)を選択する。
そして、CPU56は、選択した特図表示結果判定テーブルと乱数値MR1に基づいて、小当りに当選しているか否かを判定し(ステップS401)、小当りに当選していない場合(ステップS401;No)は、現在の遊技状態が通常状態または時短状態か、確変状態かを判定し、該判定した遊技状態に対応する判定値の範囲で大当りに当選しているか否かを判定する(ステップS402)。具体的には、CPU56は、遊技状態が通常状態または時短状態であれば、乱数値MR1が大当りを示す判定値8000〜8189の範囲内であるか否か、確変状態であれば、乱数値MR1が大当りを示す判定値8000〜9899の範囲内であるか否かを判定する。
大当りに当選している場合(ステップS402;Yes)は、CPU56は、図11に示す大当り種別判定テーブルを参照し、乱数値MR2に基づいて、大当り種別が「確変大当り」、「通常(非確変)大当り」または「突確」のいずれであるかを判定し(ステップS403)、突確に当選したか否かを判定する(ステップS404)。突確に当選していない場合(ステップS404;No)、CPU56は、図9(A)に示す大当り変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS405)、ステップS402において判定した大当り種別が「確変大当り」か「通常(非確変)大当り」か、に応じて、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別が変動パターン種別CA3−1と変動パターン種別CA3−2のいずれであるかを判定する(ステップS407)。
次に、CPU56は、ステップS402で判定した大当り種別が「確変大当り」であるか否かを判定する(ステップS408)。大当り種別が「確変大当り」である場合(ステップS408;Yes)は、図10(B)に示す大当り変動パターン判定テーブルAを選択し(ステップS409)、大当り種別が「通常(非確変)大当り」である場合(ステップS408;No)は、図10(C)に示す大当り変動パターン判定テーブルBを選択する(ステップS410)。
一方、ステップS401にて小当りに当選している場合(ステップS401;Yes)は、CPU56は、図9(B)に示す小当り変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS418)、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別を変動パターン種別CA4−1に判定する(ステップS420)。また、ステップS404において突確に当選している場合(ステップS404;Yes)は、CPU56は、図9(C)に示す突確変動パターン種別判定テーブルを選択し(ステップS415)、乱数値MR3に基づいて変動パターンが変動パターン種別CA4−1と変動パターン種別CA4−2のいずれであるかを判定する(ステップS417)。ステップ417において突確変動パターン種別を判定した後、またはステップS420において小当り変動パターン種別を判定した後、CPU56は、図9(C)に示す小当り/突確変動パターン判定テーブルを選択する。
ステップS402において大当りに当選していない場合、つまり、はずれである場合(ステップS402;No)、CPU56は、例えば遊技制御フラグ設定部152などに設けられた時短フラグの状態を確認することなどにより、パチンコ機1における現在の遊技状態を特定し(ステップS422)、現在の遊技状態が時短中であるか否かを判定する(ステップS423)。現在の遊技状態が時短中であれば(ステップS423;Yes)、CPU56は、更に、例えば特図保留記憶部151に格納されている保留記憶数の合計数を確認することにより、合計保留記憶数が2〜8個であるか否かを判定する。合計保留記憶数が2〜8個であれば(ステップS424;Yes)、CPU56は、図10(E)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルEを選択する。また、合計保留記憶数が0〜1個であれば(ステップS424;No)、CPU56は、図10(D)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルDを選択する。
ステップS423において遊技状態が時短中でない場合、CPU56は、例えば特図保留記憶部151に格納されている保留記憶数の合計数を確認することにより、合計保留記憶数が5〜8個であるか否かを判定する(ステップS429)。合計保留記憶数が5〜8個であれば(ステップS429;Yes)、CPU56は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルCを選択し、合計保留記憶数が0〜4個であれば(ステップS429;No)、CPU56は、合計保留記憶数は3〜4個か否かを判定する(ステップS431)。合計保留記憶数が3〜4個であれば(ステップS431;Yes)、CPU56は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルBを選択し、合計保留記憶数が0〜2個であれば(ステップS431;No)、CPU56は、はずれ用変動パターン種別判定テーブルAを選択する。
ステップS425、ステップS426、ステップS430、ステップS432またはステップS433においてはずれ用変動パターン種別判定テーブルA〜Eのいずれかを判定した後、CPU56は、乱数値MR3に基づいて変動パターン種別が変動パターン種別CA1−1〜変動パターン種別CA1−5、変動パターン種別CA2−1〜変動パターン種別CA2−2のいずれであるかを判定した後(ステップS427)、図11(A)に示すはずれ用変動パターン判定テーブルを選択する(ステップS428)。
また、ステップS409において大当り変動パターン判定テーブルAを選択した後、ステップS410において大当り変動パターン判定テーブルBを選択した後、ステップS421において小当り/突確変動パターン判定テーブルを選択した後、またはステップS428においてはずれ用変動パターン判定テーブルを選択した後においてCPU56は、選択した各変動パターン判定テーブルを用いて乱数値MR4に基づいて変動パターンを特定する(ステップS412)。その後、該特定した変動パターンに割り当てられた変動IDを含む変動パターン判定結果コマンドを演出制御基板80に対して送信するための設定を行い(ステップS413)、変動パターン判定処理を終了する。
図18のステップS101にて始動入賞判定処理を実行した後、CPU56は、遊技制御フラグ設定部152に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S120の処理のいずれかを選択して実行する。
ステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が“0”のときに実行される。この特別図柄通常処理では、第1特図保留記憶部や第2特図保留記憶部に記憶されている始動入賞時に抽出された各乱数値MR1〜MR4を含む保留データの有無などに基づいて、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームを開始するか否かの判定が行われる。また、特別図柄通常処理では、特図表示結果判定用の乱数値MR1を示す数値データに基づき、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かを、その変動表示結果が導出表示される以前に判定(事前決定)する。さらに、特別図柄通常処理では、特図ゲームにおける特別図柄の変動表示結果に対応して、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bによる特図ゲームにおける確定特別図柄(大当り図柄や小当り図柄、ハズレ図柄のいずれか)が設定される。特別図柄通常処理では、特別図柄や演出図柄の変動表示結果を事前決定したときに、特図プロセスフラグの値が“1”に更新される。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が“1”のときに実行される。この変動パターン設定処理には、変動表示結果を「大当り」または「小当り」とするか否かの事前判定結果や合計保留記憶数、遊技状態などに基づき、変動パターン判定用の乱数値MR4を示す数値データを用いて変動パターンを図11に示す複数種類のいずれかに判定する処理などが含まれている。変動パターン設定処理が実行されて特別図柄の変動表示が開始されたときには、特図プロセスフラグの値が“2”に更新される。
ステップS110の特別図柄通常処理やステップS111の変動パターン設定処理により、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄や特別図柄および演出図柄の変動表示時間を含む変動パターンが判定される。すなわち、特別図柄通常処理や変動パターン設定処理は、特図表示結果判定用の乱数値MR1、大当り種別判定用の乱数値MR2、変動パターン種別判定用の乱数値MR3、変動パターン判定用の乱数値MR4を用いて、特別図柄や演出図柄の変動表示態様を判定する処理を含んでいる。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が“2”のときに実行される。この特別図柄変動処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄を変動させるための設定を行う処理や、その特別図柄が変動を開始してからの経過時間を計測する処理などが含まれている。例えば、ステップS112の特別図柄変動処理が実行されるごとに、遊技制御タイマ設定部に設けられた特図変動タイマにおける格納値である特図変動タイマ値を1減算あるいは1加算して、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームであるか、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームであるかにかかわらず、共通のタイマによって経過時間の測定が行われる。また、計測された経過時間が変動パターンに対応する特図変動時間に達したか否かの判定も行われる。このように、ステップS112の特別図柄変動処理は、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動や、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームでの特別図柄の変動を、共通の処理ルーチンによって制御する処理となっていればよい。そして、特別図柄の変動を開始してからの経過時間が特図変動時間に達したときには、特図プロセスフラグの値が“3”に更新される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が“3”のときに実行される。この特別図柄停止処理には、第1特別図柄表示器8aや第2特別図柄表示器8bにて特別図柄の変動を停止させ、特別図柄の変動表示結果となる確定特別図柄を停止表示(導出)させるための設定を行う処理が含まれている。そして、遊技制御フラグ設定部に設けられた大当りフラグがオンとなっているか否かの判定などが行われ、大当りフラグがオンである場合には特図プロセスフラグの値が“4”に更新される。その一方で、大当りフラグがオフであり、小当りフラグがオンである場合には、特図プロセスフラグの値が“8”に更新される。また、大当りフラグと小当りフラグがともにオフである場合には、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“4”のときに実行される。この大当り開放前処理には、変動表示結果が「大当り」となったことなどに基づき、大当り遊技状態においてラウンドの実行を開始して大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。このときには、例えば大当り種別が「非確変」、「確変」、「突確」のいずれであるかに対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を設定するようにしてもよい。一例として、大当り種別が「非確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「5回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよく、また、大当り種別が「確変」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「29秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「15回」に設定することにより、通常開放大当り状態とする設定が行われればよい。一方、大当り種別が「突確」に対応して、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、ラウンドを実行する上限回数となる大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、短期開放大当り状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“5”のときに実行される。この大当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間やカウントスイッチ23によって検出された遊技球の個数などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。そして、大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対するソレノイド駆動信号の供給を停止させる処理などを実行した後、特図プロセスフラグの値が“6”に更新される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が“6”のときに実行される。この大当り開放後処理には、大入賞口を開放状態とするラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達したか否かを判定する処理や、大入賞口開放回数最大値に達した場合に大当り終了指定コマンドを送信するための設定を行う処理などが含まれている。そして、ラウンドの実行回数が大入賞口開放回数最大値に達していないときには、特図プロセスフラグの値が“5”に更新される一方、大入賞口開放回数最大値に達したときには、特図プロセスフラグの値が“7”に更新される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。この大当り終了処理には、第1表示装置9、第2表示装置11やスピーカ27L、27R、27a、27b、装飾LED25aなどといった演出装置により、大当り遊技状態の終了を報知する演出動作としてのエンディング演出が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理や、大当り遊技状態の終了に対応して確変制御や時短制御を開始するための各種の設定を行う処理などが含まれている。こうした設定が行われたときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
ステップS118の小当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が“8”のときに実行される。この小当り開放前処理には、変動表示結果が「小当り」となったことに基づき、小当り遊技状態において大入賞口を開放状態とするための設定を行う処理などが含まれている。一例として、変動表示結果が「小当り」となったときには、変動表示結果が「大当り」で大当り種別が「突確」となったときと同様に、大入賞口を開放状態とする期間の上限を「0.1秒」に設定するとともに、大入賞口の開放回数を「2回」に設定することにより、小当り遊技状態とする設定が行われればよい。このときには、特図プロセスフラグの値が“9”に更新される。
ステップS119の小当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が“9”のときに実行される。この小当り開放中処理には、大入賞口を開放状態としてからの経過時間を計測する処理や、その計測した経過時間などに基づいて、大入賞口を開放状態から閉鎖状態に戻すタイミングとなったか否かを判定する処理などが含まれている。大入賞口を閉鎖状態に戻すときには、大入賞口扉用のソレノイド21に対する駆動信号の供給を停止させる処理などが実行されればよい。
ステップS120の小当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“10”のときに実行される。この小当り終了処理には、第1表示装置9、第2表示装置11やスピーカ27L、27R、27a、27b、装飾LED25aなどといった演出装置により、小当り遊技状態の終了を報知する演出動作が実行される期間に対応した待ち時間が経過するまで待機する処理などが含まれている。ここで、小当り遊技状態が終了するときには、確変フラグや時短フラグの状態を変更しないようにして、小当り遊技状態となる以前のパチンコ機1における遊技状態を継続させる。小当り遊技状態の終了時における待ち時間が経過したときには、特図プロセスフラグの値が“0”に更新される。
図21は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ81(具体的にはCPU86)が実行する演出制御メイン処理を示すフローチャートである。演出制御メイン処理において、演出制御用CPU86は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、2ms)を決めるためのタイマの初期設定などを行うための初期化処理を行う(ステップS700)。
その後、演出制御用CPU86は、所定の乱数を生成するためのカウンタのカウンタ値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS701)。そして、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行う。タイマ割込フラグがセットされていない場合には、ステップS701に移行する。なお、タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU86は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU86は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、ステップS703+〜S707の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU86は、まず、電源投入によって起動した時点からの経過時間を計時するための起動経過時間タイマ並びに、連携演出を開始するタイミングを特定するためにセットされる連携演出開始タイマを更新する処理を実施する(S703+)。
具体的に、起動経過時間タイマについては、1割込時間(2ms)毎にカウントを行い、所定期間(例えば、1s)経過する毎に1を加算更新する。また、連携演出開始タイマについては、起動経過時間タイマが加算更新されるタイミングで1を減算更新する。尚、起動経過時間タイマは、複数のパチンコ機1を一斉に電源投入することにより、開始契機が同時になり、経過時間の同期がとれるようになる。連携演出開始タイマは、セットされていない場合もあり、該セットされていない場合には、当然ながら連携演出開始タイマの更新は実施しない。
そして、ステップS704に進んで、主基板31から受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグのセットや変動パターンIDを保留記憶バッファ194Aに格納する処理などを行う。
次いで、演出制御プロセス処理(ステップS705)では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して第1表示装置9並びに第2表示装置11の表示制御や演出効果音の出力制御等を実行する。
連携情報送受信処理(ステップS706)においては、大当りなどの特定遊技状態に移行されるパチンコ機1から、左方および右方に設置されているパチンコ機1に向けて、超音波に変調した連携情報を送信(出力)する(図23参照)。
連携演出処理(ステップS707)においては、左方または右方のパチンコ機1から超音波に変調された連携情報を受信(入力)し、連携演出開始タイマが連携演出を開始するタイミングとなったことに応じて、連携情報を送信したパチンコ機1と同期した連携演出を実行するための制御を行う(図27参照)。
図22は、図21に示された演出制御メイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、CPU86は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S806のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。
変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800):主基板31から変動パターン指定コマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターン指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターン指定コマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミングなどを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)または変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、第1表示装置9に大当りまたは小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を当り遊技中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
当り遊技中処理(ステップS805):大当り遊技または小当り遊技中の表示制御を行う。そして、大当り遊技または小当り遊技におけるラウンド終了条件が成立した場合、該ラウンド終了条件が成立したラウンドが最終ラウンドでなければ、ラウンド間の表示制御を行い、該ラウンド終了条件が成立したラウンドが最終ラウンドであれば、演出制御プロセスフラグの値を当り終了演出処理(ステップS806)に対応した値に更新する。
当り終了演出処理(ステップS806):第1表示装置9において、大当り遊技または小当り遊技が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターン指定コマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図24に示すように、複数台並べられたパチンコ機1のうち、大当りなどの特定遊技状態に移行するパチンコ機1Aが発信元台として連携情報送受信処理を実行する。なお、それ以外のパチンコ機1B、1Cは、受信台として図27の連携演出処理(ステップS707)を実行する。パチンコ機1A、1B、1Cは、一斉に電源投入されることにより、図25に示すように、起動経過時間タイマが同期しているため、同期ポイントにおいて、発信元台となるパチンコ機1Aから連携情報として音声通信コマンドを送信したり、受信台となるパチンコ機1B、1Cで連携演出を開始したりする。音声通信コマンドは、超音波など人の耳に聞こえない範囲の周波数(例えば、20kHz以上)の音に変調して発信元台となるパチンコ機1Aのスピーカ27から出力される。そして、受信台となるパチンコ機1B、1Cにおいては、マイク22に音声通信コマンドが入力されたか否かを超音波モデム178に問い合わせて判定する。
図23は、図21に示された演出制御メイン処理における連携情報送受信処理(ステップS706)を示すフローチャートである。連携情報送受信処理では、CPU86は、先ず、パチンコ機1が大当りなどの特定遊技状態になり、RAM85の所定領域に特定演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS901)。
ステップS901の処理において、特定演出実行中フラグがセットされていない場合(ステップS901;No)、CPU86は、RAM85の所定領域にセットされた連携演出開始タイマがカウント中であるか否かを判定する(ステップS902)。また、特定演出実行中フラグがセットされている場合(ステップS901;Yes)、CPU86は、連携演出終了コマンドの送信タイミングであるか否かを判定する(ステップS913)。
ステップS902の処理において、連携演出開始タイマがカウント中でない場合(ステップS902;No)、CPU86は、保留記憶バッファ194Aを参照し、保留記憶に大当りの変動パターンがあるか否かを判定する(ステップS903)。具体的には、保留記憶バッファ194Aに、ノーマルリーチを実行して変動表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−1を示す「21」の変動パターンID、スーパーリーチαを実行して変動表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−2を示す「22」の変動パターンID、スーパーリーチβを実行して変動表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−3を示す「23」の変動パターンID、スーパーリーチγを実行して変動表示結果が「大当り」となる変動パターンPB2−4を示す「24」の変動パターンID、のいずれかが格納されているか否かを判定する。
ステップS903の処理において、保留記憶に大当りの変動パターンがある場合(ステップS903;Yes)、CPU86は、連携演出開始タイミングを示す起動経過時間タイマ値を特定し、連携演出開始タイマにセットする(ステップS904)。具体的には、大当りの変動パターンの保留記憶に基づく変動表示の変動表示時間と、それよりも先に変動表示が実行される全ての保留記憶に基づく変動表示の変動表示時間との合計である変動合計時間から、ファンファーレ後に大当りなどの特定遊技状態に移行される連携演出開始タイミング(起動経過時間タイマ値)を同期ポイントから特定し、その値を連携演出開始タイマにセットする。図25の例では同期ポイントSP3を連携演出開始タイミングと特定している。そして、CPU86は、起動経過時間タイマと併せて連携演出開始タイマのカウントを開始する(ステップS905)。保留記憶に大当りの変動パターンがない場合(ステップS903;No)、またはステップS905の処理を実行した後は、連携情報送受信処理を終了する。
また、連携演出開始タイマがカウント中である場合(ステップS902;Yes)、CPU86は、パチンコ機1B、1Cに向けて確認コマンドを送信するタイミングか否かを判定する(ステップS906)。ステップS906の処理において、連携演出開始タイマのカウント中に、確認コマンドを送信するタイミングとなった場合(ステップS906;Yes)、CPU86は、パチンコ機1B、1Cに向けて連携情報として確認コマンドを送信する(ステップS907)。確認コマンドは、図26に示す音声通信コマンドの1つであり、発信元台となるパチンコ機1Aが、受信台となるパチンコ機1B、1Cに対して、連携演出を実行することができるか否か確認するために、複数回(例えば、2回)送信される。確認コマンド1は、1つ目の確認コマンドであり、大当りなどの特定遊技状態に移行されることが事前決定された後で、かつ特定遊技状態に移行される前に送信する。確認コマンド2は、2つ目の確認コマンドであり、確認コマンド1の後(例えば、1秒後)に送信する。また、確認コマンドを送信するタイミングでない場合(ステップS906;No)、またはステップS907の処理を実行した後、CPU86は、パチンコ機1B、1Cに向けて連携演出開始コマンドを送信するタイミングか否かを判定する(ステップS908)。
ステップS908の処理において、連携演出開始タイマのカウント中に、連携演出開始コマンドを送信するタイミングとなった場合(ステップS908;Yes)、CPU86は、パチンコ機1B、1Cから連携情報として演出キャンセルコマンドを受信したか否かを判定する(ステップS909)。演出キャンセルコマンドは、図26に示す音声通信コマンドの1つであり、確認コマンドを受信したパチンコ機1B、1Cが、特定遊技状態にあったり、既に連携演出を実行していたりなど、連携演出を実行することができない場合に、図27の連携演出処理におけるステップS959の処理において、パチンコ機1Aに対して送信される。
ステップS909の処理において、演出キャンセルコマンドの受信がなかった場合(ステップS909;No)、CPU86は、パチンコ機1B、1Cに向けて連携情報として連携演出開始コマンドを送信する(ステップS910)。連携演出開始コマンドは、図26に示す音声通信コマンドの1つであり、確認コマンドにより連携演出を実行することができると確認できた後に、発信元台となるパチンコ機1Aが、受信台となるパチンコ機1B、1Cに対して、連携演出の実行を開始する同期ポイントを通知するために、複数回(例えば、3回)送信される。連携演出開始コマンド(5秒前)は、1つ目の連携演出開始コマンドであり、連携演出の実行を開始する同期ポイントの5秒前に送信する。連携演出開始コマンド(3秒前)は、2つ目の連携演出開始コマンドであり、連携演出の実行を開始する同期ポイントの3秒前に送信する。連携演出開始コマンド(1秒前)は、3つ目の連携演出開始コマンドであり、連携演出の実行を開始する同期ポイントの1秒前に送信する。また、連携演出開始コマンドを送信するタイミングでない場合(ステップS908;No)、演出キャンセルコマンドの受信があった場合(ステップS909;Yes)、またはステップS910の処理を実行した後、連携演出開始タイミングであるか否か判定する(ステップS911)。
ステップS911の処理において、カウントしている連携演出開始タイマが0となり、連携演出開始タイミングとなった場合(ステップS911;Yes)、CPU86は、大当りなどの特定遊技状態に移行するに伴い特定演出実行中フラグをセットし、連携演出実行中フラグをリセットし、連携演出開始タイマのカウントが終了したことに伴い連携演出開始タイマをリセットする(ステップS912)。特定遊技状態に移行したパチンコ機1Aについては、特定演出実行中フラグをセットした後から連携情報を受信しても連携演出を実行しないようにしている。また、連携演出を実行中に特定遊技状態に移行した場合は、連携演出実行中フラグをリセットして特定遊技状態における演出を優先している。さらに、連携演出開始タイミングになったことにより連携演出開始タイマは0となるので、連携演出開始タイマをリセットして更新されないようにしている。そして、連携演出開始タイミングでない場合(ステップS911;No)、またはステップS912の処理を実行した後は、連携情報送受信処理を終了する。
ステップS913の処理において、大当りなどの特定遊技状態中に、連携演出終了コマンドを送信するタイミングとなった場合(ステップS913;Yes)、CPU86は、パチンコ機1B、1Cに向けて連携情報として連携演出終了コマンドを送信する(ステップS914)。連携演出終了コマンドは、図26に示す音声通信コマンドの1つであり、連携演出の実行中に、発信元台となるパチンコ機1Aが、受信台となるパチンコ機1B、1Cに対して、連携演出の実行を停止する同期ポイントを通知するために送信される。連携演出終了コマンドは、連携演出開始コマンドと同様に、連携演出終了タイミングの5秒前、3秒前、および1秒前に送信するようにしてもよい。連携演出終了タイミングは、当り終了指定コマンドを受信したときに、大当り遊技状態の終了時に表示する演出画像などの表示時間から、連携演出終了タイミング(起動経過時間タイマ値)を特定すればよい。そして、パチンコ機1Aの特定遊技状態の終了に伴い特定演出実行中フラグをリセットする(ステップS915)。連携演出終了コマンドを送信するタイミングでない場合(ステップS913;No)、またはステップS915の処理を実行した後は、連携情報送受信処理を終了する。
図27は、図21に示された演出制御メイン処理における連携演出処理(ステップS707)を示すフローチャートである。連携演出処理では、CPU86は、まず、パチンコ機1B、1Cが大当りなどの特定遊技状態になり、RAM85の所定領域に特定演出実行中フラグがセットされているか否か、またはパチンコ機1B、1Cが連携演出の実行中となり、RAM85の所定領域に連携演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS951)。特定演出実行中フラグも連携演出実行中フラグもセットされていない場合(ステップS951;No)、CPU86は、パチンコ機1Aからの連携演出開始コマンドの受信時であるか否かを判定する(ステップS952)。また、特定演出実行中フラグか連携演出実行中フラグのいずれかがセットされている場合(ステップS951;Yes)、CPU86は、パチンコ機1Aからの確認コマンドの受信時であるか否かを判定する(ステップS958)。
ステップS952の処理において、連携演出開始コマンドの受信時である場合(ステップS952;Yes)、CPU86は、連携演出開始コマンドを送信したパチンコ機1Aが大当りなどの特定遊技状態に移行するタイミングに合わせて、連携演出開始コマンドを受信したパチンコ機1B、1Cが連携演出の実行を開始する連携演出開始タイミング(起動経過時間タイマ値)を特定する(ステップS953)。図25に示すように、パチンコ機1Aから送信された連携演出開始コマンドなどの超音波は、パチンコ機1Aからの距離に応じて遅延してパチンコ機1B、1Cに受信される。すなわち、パチンコ機1Aに近いパチンコ機1Bよりパチンコ機1Aから遠いパチンコ機1Cの方が遅れてマイク22に受信される。そのため連携演出開始コマンドなどの超音波を各パチンコ機1B、1Cが受信した後の同期ポイントが連携演出開始タイミングとして特定される。図25の例では同期ポイントSP3が連携演出開始タイミングと特定されている。連携演出開始コマンドは複数回送信されてくるが、各連携演出開始コマンドが特定する連携演出開始タイミングは、いずれも同じ同期ポイント(起動経過時間タイマ値)を示すものである。なお、複数回の連携演出開始コマンドのうち、一定回数以上(例えば、3回のうち2回以上)受信できた場合に、その連携演出開始コマンドを有効とするようにしてもよい。また、連携演出開始コマンドの受信時でない場合(ステップS952;No)、CPU86は、連携演出開始コマンドを受信したときに特定された連携演出開始タイミングとなったか否か判定する(ステップS954)。
ステップS954の処理において、連携演出開始タイミングとなった場合(ステップS954;Yes)、CPU86は、連携演出開始コマンドを2つ以上受信したか否かを判定する(ステップS955)。本実施例では、パチンコ機1Aから連携演出開始タイミングの5秒前、3秒前、および1秒前に送信された連携演出開始コマンドのうち、いずれか2つ以上をパチンコ機1B、1Cが受信できた場合に、連携演出の実行を開始する。そして、連携演出開始コマンドを2つ以上受信した場合(ステップS955;Yes)、RAM85の所定領域に連携演出実行中フラグをセットし(ステップS956)、連携演出の実行を開始するために連携演出制御設定を行う(ステップS957)。
ステップS958の処理において、特定演出実行中フラグがセットされて大当りなどの特定遊技状態にある場合、または連携演出実行中フラグがセットされて連携演出の実行中である場合に、パチンコ機1Aからの確認コマンドの受信時であるときは(ステップS958;Yes)、CPU86は、新たに連携演出の実行を開始しないように、確認コマンドを送信したパチンコ機1Aに対して、演出キャンセルコマンドを返信する(ステップS959)。確認コマンドの受信時でない場合(ステップS958;No)、またはステップS959の処理を実行した後、連携演出実行中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS960)。
ステップS960の処理において、連携演出実行中フラグがセットされて連携演出の実行中である場合(ステップS960;Yes)、CPU86は、パチンコ機1Aからの連携演出終了コマンドの受信時であるか否かを判定する(ステップS961)。連携演出終了コマンドの受信時である場合(ステップS961;Yes)、CPU86は、連携演出終了コマンドを送信したパチンコ機1Aが大当りなどの特定遊技状態を終了するタイミングに合わせて、連携演出終了コマンドを受信したパチンコ機1B、1Cが連携演出の実行を停止する連携演出終了タイミング(起動経過時間タイマ値)を特定する(ステップS962)。また、連携演出終了コマンドの受信時でない場合(ステップS961;No)、CPU86は、連携演出終了コマンドを受信したときに特定された連携演出終了タイミングとなったか否か判定する(ステップS963)。
ステップS963の処理において、連携演出の実行中に、連携演出終了タイミングとなっていない場合(ステップS963;No)、CPU86は、連携演出を実行するために連携演出制御設定を行う(ステップS957)。また、連携演出終了タイミングとなった場合(ステップS963;Yes)、CPU86は、連携演出の実行を停止するために、連携演出実行中フラグをリセットする(ステップS964)。
ステップS953の処理を実行した後、ステップS954の処理において連携演出開始タイミングでない場合(ステップS954;No)、ステップS955の処理において連携演出開始コマンドを2つ以上受信しなかった場合(ステップS955;No)、ステップS957の処理を実行した後、ステップS960の処理において特定演出実行中フラグがセットされて特定遊技状態にある場合(ステップS960;No)、ステップS962の処理を実行した後、またはステップS964の処理を実行した後は、連携演出処理を終了する。
次に、連携演出を同期させる例を図28により具体的に説明する。大当りなどの特定遊技状態に移行することが事前決定されたパチンコ機1Aは、ステップS904の処理により、連携演出開始タイミングを示す同期ポイント(起動経過時間タイマ値)を特定し、連携演出開始タイミングまでの時間(例えば、12秒)を連携演出開始タイマにセットし、ステップS905の処理により同期ポイントごとにカウントダウンを開始する。
本実施例においては、連携情報として、確認コマンドを1秒間隔で2回送信し、演出キャンセルコマンドの受信待ちの時間として4秒間経過してから、連携演出開始コマンドを5秒前、3秒前、1秒前の2秒間隔で3回送信する。そうすると、最初の確認コマンドは、大当りなどが事前決定されてから、少なくとも大当り曲の再生が開始される11秒前に送信する。なお、同じ種類の音声通信コマンドを複数送信する場合は、受信側が受信するための期間として所定の間隔(例えば、2秒または1秒)を空けて送信するが、確認コマンドについては、パチンコ機1B、1Cの応答を迅速に求めるために、1秒間隔で送信する。
具体的には、パチンコ機1Aは、ステップS907の処理により、連携演出開始タイマ値が11秒前のときに、確認コマンド1を送信し、連携演出開始タイマ値が10秒前のときに確認コマンド2を送信する。また、ステップS910の処理により、連携演出開始タイマ値が5秒前のときに連携演出開始コマンド(5秒前)を送信し、連携演出開始タイマ値が3秒前のときに連携演出開始コマンド(3秒前)を送信し、連携演出開始タイマ値が1秒前のときに連携演出開始コマンド(1秒前)を送信する。さらに、ステップS912の処理により、連携演出開始タイマ値が0となり、連携演出開始タイミングとなったときに、特定遊技状態で実行するラウンドが全て終了するまで大当り曲をスピーカ27から出力する。
また、パチンコ機1B、1Cにおいては、ステップS953の処理により、連携演出開始コマンドを受信したときに、連携演出開始タイミングの同期ポイント(起動経過時間タイマ値)を特定する。そして、パチンコ機1Aから3回送信される連携演出開始コマンドのうち2回以上受信することができたら、パチンコ機1B、1Cの起動経過時間タイマが、連携演出開始コマンドにより通知された起動経過時間タイマ値となったタイミングで、ステップS956の処理により、各パチンコ機1B、1Cのスピーカ27から出力している演出音はそのまま継続しつつ、ステップS957の処理により、連携演出として大当り曲(特定音)の再生も開始する。
図24に示すように、パチンコ機1Aでは、第1表示装置9の図柄表示エリア9L、9C、9R、または第2表示装置11の図柄表示エリア11L、11C、11Rに表示する変動結果が大当り図柄で確定し、ファンファーレ音を出力した後、ラウンドにおいて第1表示装置9または第2表示装置11に画像や映像を表示するとともに、スピーカ27から大当り曲などの特定音を出力する。パチンコ機1B、1Cでは、第1表示装置9または第2表示装置11の表示はそのまま継続し、スピーカ27から出力する演出音は継続しつつ、大当り曲などの特定音も出力する。なお、各パチンコ機1B、1Cにおいて継続して出力している演出音の音量と、連携演出において出力する特定音の音量とは、パチンコ機1B、1Cが通常出力している音量に対して、5:5や7:3などの割合で出力するようにしてもよい。
パチンコ機1B、1Cにおいて、2回の確認コマンドのうちいずれか1つを受信したときに、特定遊技状態にあるか連携演出実行中であれば、演出キャンセルコマンドをパチンコ機1Aに向けて送信する。なお、パチンコ機1B、1Cから演出キャンセルコマンドが返信された場合、ステップS910でパチンコ機1Aはパチンコ機1B、1Cに連携演出開始コマンドの送信を行わず、ステップS957でパチンコ機1B、1Cは連携演出を実行しないので、パチンコ機1Aは単独で大当り曲の再生を開始することとなる。
また、特定遊技状態にある発信元台において、最終ラウンドが終了し、当り終了指定コマンドによって特定遊技状態の終了時の演出画像を表示する際に、ステップS913の処理により、パチンコ機1Aからパチンコ機1B、1Cに向けて連携演出終了コマンドを送信する。連携演出終了コマンドを受信したパチンコ機1B、1Cは、ステップS962の処理により、連携演出の実行を停止する連携演出終了タイミングを示す同期ポイント(起動経過時間タイマ値)を取得する。そして、各パチンコ機1B、1Cの起動経過時間タイマが、連携演出終了コマンドにより取得した起動経過時間タイマ値となったタイミングで、ステップS964の処理により、各パチンコ機1B、1Cで出力している大当り曲の再生を停止し、継続して再生している演出音のみが各パチンコ機1B、1Cのスピーカ27から出力されるようにする。
これにより、複数のパチンコ機1で連動して実行する連携演出の開始タイミングを合わせることができる。連携演出として複数のパチンコ機1で同一の大当り曲を再生することでボリュームの大きな迫力のある演出を実行することができる。なお、各パチンコ機1で再生していた演出音も継続して出力され、また各パチンコ機1で再生していた演出画像も継続して表示されるので、各パチンコ機1において演出が不自然とならない。そして、複数のパチンコ機1で起動経過時間タイマを同期させることにより、複数のパチンコ機1で連動して実行する連携演出の開始タイミングを高い精度で合わせることができる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
本実施例においては、受信台となる各パチンコ機1B、1Cで実行する連携演出として、大当り曲などの音声のみを同期時期と特定されたタイミングで再生しているが、受信台となる各パチンコ機1B、1Cにおいて、第1表示装置9と第2表示装置11とを使い分けたり、第1表示装置9または第2表示装置11の所定領域を利用することにより、演出画像も含めて同時に再生してもよい。これにより、複数のパチンコ機1で一斉演出させることができる。
本実施例においては、音声通信コマンドにより連携情報の送受信を行っているが、コマンドを用いずに連携情報の送受信を行ってもよい。例えば、特定の周波数の音声を連携情報とし、発信元台となるパチンコ機1Aのスピーカ27から当該周波数の音声を出力し、各受信台となるパチンコ機1B、1Cのマイク22に当該周波数の音声が入力されたら、連携演出の実行を開始する。
図29に示すように、41kHz〜49kHzをトリガ周波数とし、発信元台となるパチンコ機1Aは、連携演出開始タイミングの9秒前の同期ポイントで49kHzの音声出力を開始し、8秒前の同期ポイントで48kHzの音声出力を開始し、・・・、1秒前の同期ポイントで41kHzの音声出力を開始する。受信台となるパチンコ機1B、1Cは、特定の周波数が一定期間入力され、それが2連続したら、トリガ周波数を受信したものとする。具体的には、パチンコ機1B、1Cにおいて、一定周期でサンプリングを行い、過去1秒以内で半数以上の周波数が認識されたものを対象に判断を行う。(a)に示す期間においては、47kHz、46kHzと2連続した特定の周波数を認識できるので、次の同期ポイントからカウントダウンを行い、5秒後に連携演出の実行を開始するようにすればよい。また、(b)に示す期間においては、45kHzの周波数が来るはずなのに、1回もサンプリングされなかった場合は、トリガ周波数を受信できなかったものとすればよい。
このように、音声通信コマンドを使用しなくても、連携演出開始タイミングを通知するための連携情報をパチンコ機1の間で送受信することができ、複数のパチンコ機1で連動して実行する連携演出のタイミングを高い精度で合わせることが可能である。
なお、演出キャンセルコマンドに対応するものとして、特定の周波数をビジー信号として割り当て、受信台となるパチンコ機1B、1Cにおいて連携演出実行中であれば、連続で連携演出を行わないようにビジー信号を出す。そして、ビジー信号受信後の一定期間(例えば、10分間)は、連携演出実行中として新たな連携演出の禁止期間としてもよい。
本実施例においては、連携演出開始タイミングにおいて、複数の受信台となるパチンコ機1B、1Cが発信元台となるパチンコ機1Aの演出に合わせて連携演出の実行を開始するが、各受信台となるパチンコ機1B、1Cにおいては発信元台となるパチンコ機1Aよりも若干遅らせて連携演出の実行を開始するようにしてもよい。連携演出において出力する音声が若干遅れることにより、サラウンド効果を持たせることができる。
また、発信元台となるパチンコ機1Aから近いパチンコ機1Bにおける連携演出では出力する音声の音量を大きくし、パチンコ機1Aから遠いパチンコ機1Cにおける連携演出では出力する音声の音量を小さくようにしてもよいし、パチンコ機1Aから近いパチンコ機1Bにおける連携演出では低音パートの音声を出力し、パチンコ機1Aから遠いパチンコ機1Cにおける連携演出では高音パートの音声を出力するなど異なる音声を出力するようにしてもよい。なお、連携演出が音声だけでなく画像等を含む場合においても、発信元台となるパチンコ機1Aからの距離に応じて、すなわち同期タイミングからコマンド等により連携情報を受信するまでの期間に応じて、受信台となるパチンコ機1B、1Cにおける演出の態様を変化させることが可能である。
これにより、連携演出を連動して実行することを要求した発信元台となるパチンコ機1Aからの距離に応じて、連動を要求された受信台となるパチンコ機1B、1Cで実行する連携演出の態様を変えることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
本実施例では、起動経過時間タイマ値に基づいて連携演出を開始したが、本発明はこれに限定されるものではなく、演出制御基板80の演出制御タイマ設定部192に設けられたタイマでは誤差が生じることがあるため、同期取り用の外部クロックを割り込みにより取得してもよい。また、演出制御基板80にリアルタイムクロック等の計時手段を搭載しておき、該計時手段が示す時刻に基づいて連携演出を開始するようにしても良い。この場合は、例えば、連携情報に起動経過時間タイマ値に代えて連携演出を開始する時刻を指定する時刻データを含むことで、連携情報を変調した超音波を受信したパチンコ機1において該時刻データが示す時刻と計時手段が示す時刻とが同一となったときに連携演出を開始するようにすれば良い。
本実施例では、連携演出処理において、ステップS951の処理で連携演出実行中フラグがセットされているか否かを判定することで、既に連携演出が実行されている場合は、該実行中の連携演出に割り込んで新たな連携演出が実行されることが防止されているが、本発明はこれに限定されず、連携演出の実行中に新たな連携情報の受信、つまり、他のパチンコ機1から連携情報が変調された超音波の入力があった場合は、実行中の連携演出を中断し、新たな連携演出を実行するようにしても良い。尚、この場合には、個々の連携演出を識別するために、例えば、連携演出の送信源となったパチンコ機1の識別情報(台番号)等を含めるようにすることが好ましい。
本実施例では、超音波モデムIC178にて生成した超音波を音声処理IC173にて生成した音声とともにスピーカ27から出力したが、本発明はこれに限定されず、パチンコ機1に該スピーカ27とは個別にスピーカやサウンダ等の超音波出力手段を設け、これら超音波出力手段から超音波を単独にて出力するようにしても良い。更に、このように超音波を単独にて出力するための超音波出力手段をスピーカ27と個別に設ける場合には、該音出力手段をガラス扉枠102や下扉枠103等のパチンコ機1を遊技場にて設置した際に遊技者に対して露出するパチンコ機1の前方側ではなく、例えば、パチンコ機1を遊技場にて設置した際に主基板31や演出制御基板80とともに遊技者から隠蔽されるパチンコ機1の後方(背面)側に設置することで、スピーカ27から出力される音によって超音波のS/N比が低下してしまうことを抑えることができるとともに、ガラス扉枠102や下扉枠103に超音波出力手段を設けていないため、該超音波出力手段とガラス扉枠102及び下扉枠103との間で装飾の兼ね合いを考慮する必要がなくなり、ガラス扉枠102及び下扉枠103の設計の自由度を高めることができる。
本実施例においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータに通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータは、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータは2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータの方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータの方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
この発明は、上記実施の形態に限定されず、様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。
上記実施の形態では、遊技機の例として、特別図柄や飾り図柄を可変表示する機能や各種の演出画像を表示する機能を有するパチンコ機1を用いて説明した。しかしながら、上記実施の形態におけるパチンコ機1が備える構成及び機能の少なくとも一部は、スロットマシンなどの他の遊技機にも適用することができる。
図30は、この発明を適用したスロットマシンの一例となるスロットマシン800の正面図であり、主要部材のレイアウトを示す。スロットマシン800は、大別して、前面が開口するする筐体と、この筐体の側端に回動自在に枢支された前面扉とから構成されている。スロットマシン800の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール801L、801C、801Rを水平方向に並設した可変表示装置801が設置されている。また、スロットマシン800の前面扉には、表示機能を有する画像表示装置810が設けられている。
リール801L、801C、801Rの外周部には、例えば「赤7」、「白7」、「BAR」、「JAC」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった、互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で描かれている。リール801L、801C、801Rの外周部に描かれた図柄は、可変表示装置801にて各々上中下三段に表示されている。各リール801L、801C、801Rは、各々対応して設けられたリールモータ951L、951C、951R(図31)によって回転させることで、各リール801L、801C、801Rの図柄が連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール801L、801C、801Rの回転を停止させることで、3つの連続する図柄が表示結果として、視認可能に導出表示されるようになっている。
スロットマシン800の前面扉における画像表示装置810の下部には、遊技者が各種の操作を行うための各種入力スイッチ等が配される操作テーブル820が設けられている。操作テーブル820の奥側には、メダルを投入可能なメダル投入口802、メダルを1枚分の賭数を設定(BET)するためのBETスイッチ803、1ゲームで賭けることのできる最高枚数分(本例では3枚分)の賭数を設定するためのMAXBETスイッチ804、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)として記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算するための精算スイッチ808が設けられている。メダル投入口802に投入されたメダルは、所定の投入メダルセンサによって検知される。
操作テーブル820の手前側には、スロットマシン800にてゲームを開始する際に操作されるスタートレバー805、リール801L、801C、801Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ806L、806C、806Rが設けられている。操作テーブル820の下部には、メダルが払い出されるメダル払出口807が設けられている。
スロットマシン800の前面扉における画像表示装置810の上部には、スロットマシン800での遊技に関する各種の情報を表示するための遊技情報表示部が設けられている。例えば、遊技情報表示部は、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器や、ビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される補助表示器、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器などを備えていればよい。遊技情報表示部の左右には、効果音を発する2つのスピーカ811L、811Rが設けられている。その他、操作テーブル820の前面左右には、それぞれ遊技効果ランプ813、814が設けられている。
スロットマシン800においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入口802から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはBETスイッチ803またはMAXBETスイッチ804を操作する。こうして賭数が設定されると、賭数に応じた複数の入賞ラインのいずれかが有効となり、スタートレバー805の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが実行可能な状態となって、可変表示の実行条件が成立する。なお、前回のゲームにてリプレイなどの再遊技役の入賞が発生した場合にも、続けて次のゲームが実行可能となり、可変表示の実行条件が成立する。
こうしてゲームが実行可能な状態でスタートレバー805が操作されると、その操作がスタートレバースイッチ805A(図31)により検知されたことに基づき、可変表示の開始条件が成立したことに対応して、各リール801L、801C、801Rが回転し、各リール801L、801C、801Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ806L、806C、806Rが操作されると、対応するリール801L、801C、801Rの回転が停止し、表示結果が視認可能に導出表示される。
そして、全てのリール801L、801C、801Rの回転が停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ライン上に予め定められた役と呼ばれる図柄の組合せが各リール801L、801C、801Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生する。入賞となる役の種類には、大別して、メダルの付与を伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役とがあり、遊技状態に応じて入賞となる役が定められている。スロットマシン800では、スタートレバー805が操作されたタイミングで抽出した乱数値に基づき、遊技状態に応じて定められた各役の入賞の発生を許容するか否かを決定する内部抽選を行う。この内部抽選に当選して入賞の発生が許容されていることを、「内部当選している」ともいう。各役の当選のうち、小役及び再遊技役の当選は、その当選が決定されたゲームにおいてのみ有効とされるが、特別役の当選は、その内部抽選により発生が許容された役が揃うまで有効とされる。すなわち特別役となる入賞の発生が一度許容されると、例え、各ゲームにて特別役となる入賞を発生させることができなかった場合でも、その当選は次のゲームへ持ち越されることになる。
スロットマシン800における遊技状態には、例えばレギュラーボーナス、ビッグボーナス、通常遊技状態がある。レギュラーボーナスの遊技状態では、例えばJAC、チェリー、スイカ及びベルなどの小役が、入賞となる役として定められており、内部抽選での抽選対象とされる。ビッグボーナスでは、所定の小役ゲームにおいて、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、レギュラーボーナス(あるいはJACIN)などの特別役が、入賞となる役として定められており、各小役ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。通常遊技状態では、例えばチェリー、スイカ及びベルなどの小役や、リプレイなどの再遊技役、ビッグボーナス、レギュラーボーナスなどの特別役が、入賞となる役として予め定められており、各ゲームにおける内部抽選での抽選対象とされる。
通常遊技状態においてビッグボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスでは、小役ゲームと称される所定のゲームを行うことができる。ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数(例えば466枚)以上となった場合に終了する。通常遊技状態やビッグボーナス中の小役ゲームにおいてレギュラーボーナスとなる特別役の入賞が発生すると、遊技状態がレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲーム消化した場合と、8ゲーム入賞(役の種類はいずれでもよい)した場合のいずれか早いほうで終了する。通常遊技状態時のレギュラーボーナスでは、遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となったときに、レギュラーボーナスを終了させるようにしてもよい。ビッグボーナス中のレギュラーボーナスで当該ビッグボーナス中において遊技者に付与したメダルの総数が規定枚数以上となった場合は、ビッグボーナスとともに当該レギュラーボーナスも終了する。
スロットマシン800では、遊技状態がレギュラーボーナスやビッグボーナスなどの特別遊技状態に移行している場合に、通常遊技状態よりも多くのメダルを遊技者が獲得でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態となる。なお、特別遊技状態はレギュラーボーナスやビッグボーナスなどに限らず、通常遊技状態に比べて遊技者が多くのメダルを獲得することが期待でき、通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態であればよい。このような通常遊技状態よりも遊技者にとって有利な遊技状態としては、例えば、リールの導出条件(例えば停止順や停止タイミング)が満たされることを条件に発生する報知対象入賞の導出条件を満たす操作手順が報知される遊技状態(いわゆるアシストタイム)や、少なくともいずれか1つのリールの引込範囲を制限することで、ストップスイッチ806L、806C、806Rが操作された際に表示されている図柄が停止しやすいように制御し、遊技者が目押しを行うことで入賞図柄の組合せを導出させることが可能となるチャレンジタイム(CT)、特定の入賞(例えばリプレイ入賞やシングルボーナス入賞等)の発生が許容される確率が高まる遊技状態(いわゆるリプレイタイムや集中状態)等、さらには、これらを組み合わせた遊技状態などであればよい。
スロットマシン800には、例えば図31に示すような主基板900、演出制御基板920、リールユニット950などが搭載されている。その他にも、スロットマシン800には、主基板900に接続された電源基板や中継基板等の他の基板も搭載されている。主基板900には、遊技制御用マイクロコンピュータ910が設けられている。遊技制御用マイクロコンピュータ910は、上記実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ156と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAMなどを備えて構成されている。
リールユニット950は、リールモータ951L、951C、951R、リールランプ952、リールセンサ953などを備えて構成される。リールモータ951L、951C、951Rは、各リール801L、801C、801Rを回転させるためのモータである。リールランプ952は、各リール801L、801C、801Rの内部に設けられ、各リール801L、801C、801Rに描かれた図柄のうち、可変表示装置801にて視認可能となる図柄をリールの内側から照射するためのランプである。リールセンサ953は、各リール801L、801C、801Rの回転状態や回転数などを検知するためのセンサである。
演出制御基板920には、演出制御用マイクロコンピュータ930や、表示制御部931、音制御部932、ランプ制御部933などが搭載されている。演出制御用マイクロコンピュータ930は、上記実施の形態における演出制御用マイクロコンピュータ81と同様に、プログラムに従った制御を行うCPU、ユーザプログラムやデータを記憶するROM、ワークエリアとしてCPUにより使用されるRAM、リセット/割込みコントローラなどを備えて構成されている。表示制御部931は、画像表示装置810における表示動作の制御を行うものであり、演出制御用マイクロコンピュータ930からの表示制御指令に従った画像データの処理を実行するVDPと、画像表示装置810の画面上に画像を表示させるために使用される各種の画像データを記憶する画像データメモリとを備えて構成されている。
表示制御部931が備えるVDPには、本実施例と同様に、ホストインタフェース、データメモリインタフェース、(第1及び第2)動画像用デコーダ、描画回路、VRAM(描画用バッファ、表示用バッファ、Zバッファを含む)、表示回路などが設けられている。表示用バッファには、必要に応じてフレームバッファ1、フレームバッファ2、ダミー領域等が設けられている。
演出制御用マイクロコンピュータ930では、主基板900から受信した演出制御コマンドに基づく演出制御パターンに従って画像表示装置810、スピーカ811L、811R、遊技効果ランプ813、814などによる演出動作を制御するための指令や処理が、CPUによって実行される。表示制御部931では、演出制御用マイクロコンピュータ930からの表示制御指令に従った画像データの処理が、VDPによって実行される。
本発明の遊技機は、パチンコ遊技機等の弾球遊技機において画像表示装置を有するものであれば、例えば、一般電役機、又はパチコンと呼ばれる確率設定機能付き弾球遊技機等であっても構わない。また、本発明は、入賞球の検出に応答して所定数の賞球を払い出す払出式遊技機に限定されるものではなく、遊技球を封入し入賞球の検出に応答して得点を付与する封入式遊技機にも適用することができる。
さらに、本発明の遊技機は、メダル並びにクレジットを使用してゲームを実施可能なスロットマシンに限らず、例えばパチンコ球を用いてゲームを行うスロットマシンや、メダルが外部に排出されることなくクレジットを使用して遊技可能な完全クレジット式のスロットマシン、可変表示装置が画像にて表示される画像式のスロットマシンなどにも適用することができる。