JP6077227B2 - 遠赤外線効能を有するシート材、及びこれを利用した建築用暖房材、並びにシート材の製造方法 - Google Patents
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例えば、この遠赤外線は、血行促進、発汗作用促進、温熱作用、安眠促進、脱臭作用、抗菌作用、水質浄化作用等の様々な効果を奏するといわれており、暖房、乾燥、健康、医療、美容、保温等様々な用途に使用されている。
つまり、遠赤外線効果を有するものは、岩盤浴場等の内壁、エステティック用マット表面材、エステティック用化粧品添加剤等の用途に広く使用されている。
電磁波の中で、波長0.75μm〜1000μmの波長領域に属するものを、一般的に赤外線と称しており、この赤外線は、更にその波長領域に応じて、近赤外線、遠赤外線、超遠赤外線に分類される。
遠赤外線とは、赤外線領域のうち4.0μm〜25μmの波長領域に属するものを指す。
このように活性化した分子は加速度を得て他の分子と衝突し、この衝突により熱が生じることとなる。
つまり、遠赤外線は、分子に自己発熱を生じさせる電磁波である。
また、遠赤外線は電磁波であるため放射伝達され、このため、遠赤外線は物質の表面ではなく、物質内部を温める(物質内部の分子を自己発熱させる)ことができる。
PTC特性とは、温度変化に対して抵抗値が変化する特性を指し、特に、温度が上昇すると抵抗値もまた上昇する特性を指す。
この温度変化に追随する抵抗値の変化は、例えば、ヒータに含まれる特殊半導体が膨張することに起因して発生する。
つまり、温度が上昇すると、電気が流れ難くなることとなる。
特許文献1の発汗装置は、潜熱型蓄熱剤充填された蓄熱マットと発熱シートとが積層されて構成されたシート状装置である。
この潜熱型蓄熱剤には、遠赤外線を放射する性質を有するセラミックが混合されている。
また、発熱シートは、熱可塑性樹脂を押出成形して製造されたPTC特性を有する面状発熱シートである。
このように、この特許文献1に記載された発汗装置では、人体を体温程度の温度に温めることが可能であるとともに、PTC効果をもまた備えるものとなる。
このように、特許文献2に記載された畳本体は、遠赤外線効果とともにPTC効果をも発揮する床暖房材として機能する。
この床暖房付フリーアクセスフロアは、樹脂製支持台の上に暖房部材が積層され、その上部にタイルカーペットが貼付された構成を有する。
そして、この暖房部材は、下部から順に、断熱材、PTC面状遠赤外線発熱体、絶縁シート、金属製保護ケーシングが積層された構成となっている。
このため、特許文献3に記載された床暖房付フリーアクセスフロアは、遠赤外線効果とともにPTC効果をもまた発揮する床暖房として機能する。
つまり、遠赤外線を放射する物質や、それら物質が遠赤外線効果を十分に発揮するための最適条件(微石粉末の粒径等)が検討されたものではなかった。
また、遠赤外線効果を十分に発揮するとともに、簡易にPTC効果及び電磁波カット効果を実現させた、人体に更に有利な効果を奏するシート材の開発が望まれていた。
また、本発明の他の目的は、遠赤外線効果とともに、PTC効果を共に十分に発揮することが可能な遠赤外線効能を有するシート材及びこれを利用した建築用暖房材、並びにシート材の製造方法を提供することにある。
つまり、遠赤外線放射物質である麦飯石の粉末体を使用することにより、この遠赤外線放射物質である粉末体が生活空間へ近接して配設されることとなるため、遠赤外線による効果をより十分に発揮することができる。
また、遠赤外線放射物質である麦飯石を粒径0.9μm以上50μm以下に粉砕しているため、遠赤外線放射物質の総表面積が増大し、「成長光線(grow ray)」(波長4.0〜14.0μm)と称される、遠赤外線の中でも特に人体に有益である波長領域の遠赤外線放射率が高められる。
このように構成されているので、カーボン粒子により通電及び発熱が効率良く実行されるとともに、基布が均一ピッチの格子状に織り上げられることにより、電磁波カット効果をもまた奏する。
つまり、均一ピッチで織り上げられた基布にカーボン粒子が密に付着しているため、基布を構成する繊維糸から発生する電磁波が互いに相殺され、結果として電磁波カット効果を奏することとなる。
上記の通り、カーボン粒子が含浸された繊維糸が均等の間隔で(格子状に)配列されることによって、各々の繊維から発生する電磁波が互いに相殺されることとなるが、この繊維糸間の間隔(格子のピッチ)は、ショート発生防止の観点から8mm以上が好ましく、電磁波及びプラスイオンの低減効果の観点からは20mm以下が好ましい。
よって、繊維糸間の間隔(格子のピッチ)は、8mm以上、20mm以下と設定すると好適である。
つまり、絶縁樹脂コーティングを形成する樹脂は、ゲル状の合成樹脂が、カーボン粒子、麦飯石等の各粒子の間に浸透した状態で硬化することになるため、シート材が通電されて発熱すると、樹脂コーティングを構成する絶縁性樹脂が膨張する。
これによって、シート材に含浸しているカーボン粒子間の距離が大きくなり、シート材の抵抗値が上昇する。このため、通電量が小さくなり、発熱が抑えられる。
よって、本発明に係るシート材は、PTC効果を発揮し、よって、温度上昇が過剰になることを防止することができる。
また、更に、前記プラス電極部と前記マイナス電極部の一端部には、プラス端子及びマイナス端子が接続されており、該プラス端子及び該マイナス端子には、電源を印加するための制御部が接続されていると好適である。
このように構成されていることによって、簡易かつ効率よく、シート材に通電を行うことができる。
よって、人体に有効であり、快適に使用できる暖房材を提供することが可能となる。
また、基布は格子状に織造されているため、釘やビス等の締結材を使用することも可能であり、施工性も良好である。
このように、本発明によれば、遠赤外線放射物質である麦飯石を確実にシート材に含有させることができる。
このため、遠赤外線放射物質である麦飯石の粉末体をから放射される成長光線域の遠赤外線による効果をより十分に発揮することができるとともに、PTC効果、電磁波カット効果、良好な施工性等の効果を十分に奏することができる。
このように麦飯石の粉末が含浸されているため、遠赤外線の成長光線の領域の中で、特に人体に有益なエネルギーを与える領域である「成長光線(grow ray)域」(波長4.0〜14.0μm)での遠赤外線放射率が高められた状態となっている。
これは、使用される麦飯石の粉末体が粒径0.9μm以上50μm以下に粉砕されていることによって、より効率良くもたらされる効果でもある。
このため、本実施形態に係るシート材は、人体に有益であるとともに、空気浄化効果等、住環境の快適性を高めるという効果を奏することができる。
更に、基布は格子状に形成されているため、釘、ビス等の締結材もまた使用することが可能であり、住宅に設置する暖房材として施工性の面においても優れている。
なお、以下に説明する構成は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
本実施形態は、所定粒径に粉砕した花崗斑岩(赤外線放射能を有する鉱石である)を構成成分とするシート材に関するものである。
そして、本実施形態に係るシート材は、遠赤外線効果とPTC効果とを同時に奏するものである。
なお、本明細書において、遠赤外線の供与体として使用される「麦飯石」とは、花崗斑岩の俗称であり、天照石、天降石等の別名も知られている。
この麦飯石(花崗斑岩)は、高い遠赤外線放射能を有することが知られている。
なお、図2は、説明のために、断面を示す概念図を示したものであり、各構成物質は厳密に層を成しているわけではない。
図1に示すように、本実施形態に係るシート材Sは、発熱性のクロス1を挟持した略矩形状シートとして構成される。
なお、本実施形態においては、シート材Sを略矩形状として構成したが、これに限られることはなく、どのような形状に形成されていてもよい。
本実施形態に係るシート材Sは、クロス1、遠赤外線放射物質2、コーティング3、を有して構成されている。
ただし、シート材Sの構成は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を変更するものでなければ、どのような形態であってもよい。
なお、本実施形態においては、木綿糸を織造した木綿布11を使用したが、これに限られることはなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、他の天然糸、合成樹脂糸、若しくはこれらの混紡体等、どのようなものが使用されていてもよい。
なお、本実施形態においては、木綿布の長辺に沿う方向側の木綿糸を「縦糸」と記し、長辺とクロスする方向側の木綿糸を「横糸」と記す。
つまり、複数の縦糸と複数の横糸とを格子状に織造することにより、木綿布11が形成されている。
このプラス電極部12及びマイナス電極部13は、銅線D集合体である。
つまり、銅線Dを木綿糸の縦糸と沿う方向に織り込むことによって、木綿布11の両長辺上にプラス電極部12及びマイナス電極部13を織造する。
そして、これらプラス電極部12及びマイナス電極部13の一端部には、プラス端子121及びマイナス端子131が各々形成されており、これらは、制御装置Tに電気的に接続され、電源入力コントロールが可能となるように構成されている。
これは、木綿布11を、液状の伝導性カーボンブラック14に浸漬させて、その後乾燥処置を行うことにより、含浸される。
このように、処理がなされているため、木綿布11の表面には、密な状態でカーボンブラック14が付着していることとなる。
このように、カーボンブラック14が含有されているため、導電性に優れ、通電することにより、発熱して暖房効果を奏することとなる。
また、木綿布を格子状に縫製しているため、電磁波を有効にカットすることができる。
この機構については、のちに詳述する。
このとき、カーボンブラック14に代えた酸化チタン熱線は、ガラス繊維に格子状に縫い込めばよく、このように構成することにより、格子状に縫製された木綿布11にカーボンブラック14を含浸させた上記構成と同様の効果を奏することができる。
黄土21と麦飯石粉末体22は、カーボンブラック14が含浸された木綿布11に付着させるが、この付着処理は、これらが液状に懸濁された状態で、カーボンブラック14が含浸された木綿布11を浸漬することにより行う。
なお、可能であれば、カーボンブラック14を付着させる際に、同時にこれらを付着させてもよい。
このコーティング3を構成する樹脂としては、絶縁性及び柔軟性を有する樹脂であればどのような樹脂が選択されてもよいが、例えば、ポリ塩化ビニル(PVC:Polyvinyl chloride)、熱可塑性ポリウレタン(TPU:Thermoplastic Polyurethane)、ポリエチレンテレフタレート(PET:Polyethylene Terephthalate)、低密度ポリエチレン(Low Density Polyethylene)等が使用される。
つまり、クロス1は、遠赤外線放射物質2を塗布された状態で、コーティング3により表裏面を真空コーティングされることとなる。
つまり、図2断面概念図に示すように、コーティング3、遠赤外線放射層2、クロス1は、真空コーティングされる。
なお、図2は、断面の概念を示したものであり、カーボンブラック14、黄土21、麦飯石粉末体22を各々懸濁して含浸付着させるため、明確に境界のある層を成すとは限らない。
また、カーボンブラック14、黄土21、麦飯石粉末体22は、境界なく、混在した状態で木綿布11に付着していてもよい。
更に、コーティング3においても同様であり、図2は、断面の概念を示したものである。
つまり、コーティング3を形成する樹脂は、ゲル状の合成樹脂が、カーボンブラック14、黄土21、麦飯石粉末体22の各粒子の間に浸透した状態で硬化するのであり、明確に境界を有する層となっているわけではない。
これは、小麦粉と同等の粒径である。
この範囲に粉砕することによって、未粉砕の麦飯石を使用した場合に比して、成長光線の範囲の遠赤外線放射率を高めることができる。
これは、麦飯石を粉砕して微粒子化することによって、麦飯石の総表面積が増加し、遠赤外線放射効率が高くなるためであると考えられる。
この成長構成の波長領域は4.0〜14.0μmの範囲である。
これは、粉砕した麦飯石の方が粉砕しない(粒度が大きいもの)よりも成長光線領域の放射率が高くなる。つまり、粉砕していない麦飯石においては、波長8.0〜10.0μmの範囲辺りにおいて放射率が低下するのに対して、粉砕した麦飯石においては、この範囲において放射率の低下は認められない。
このように、麦飯石を粉砕することにより、有用な遠赤外線の効果が高まることがわかるが、これは、赤外線放射物質である麦飯石を粉砕して微粒子化することによって、この麦飯石の総表面積が増大したことによるものと考えられる。
図3は、対照として麦飯石粉末体22を含浸しないシート材S´の遠赤外線放射状態を示すチャートであり、図4は、本実施形態に係るシート材S(つまり、粉砕した状態の麦飯石を含浸させたもの)の遠赤外線放射状態を示すチャートである。
この方法は、遠赤外線放射体から放射されるエネルギーをカメラで連続的に捕らえる方法であり、理想黒体とともに被検遠赤外線放射体を各波長毎に複数回測定し、その平均値を算出した後、理想黒体の放射率を100%として、被検遠赤外線放射体の放射率をプロットしたものである。
横軸に波長(wavelength)を、縦軸に各波長に対応する放射率(emissivity)をとった。
つまり、対照である図3に比して図4においては、遠赤外線の中でも、成長光線(grow ray)と称される波長領域(4.0〜14.0μm)の遠赤外線が放射されていることがわかる。特に7.5〜10.0μmにおいては顕著である。
また、特に、図3の対照においては、波長7.5〜10.0μmの範囲において放射率が顕著に低下しているのに対して、図4の本実施形態に係るシート材においては、この範囲において放射率の低下がみられない。
つまり、本実施形態におけるシート材Sは、遠赤外線の中でも特に人体に有用な波長領域の遠赤外線が放射されていることがわかる。
更に、本実施形態に係るシート材Sのように、麦飯石を粉砕して含浸させることによって、この成長光線(grow ray)領域における赤外線放射率が高められており、この高められた範囲は、特に人体に有益なエネルギーを与える範囲であるということがわかる。
このように、麦飯石を粉砕して使用することにより、有用な遠赤外線の効果が高まることがわかる。
これは、赤外線放射物質である麦飯石を粉砕して微粒子化することによって、この麦飯石の総表面積が増大したことによるものと考えられる。
つまり、本実施形態に係るシート材Sは、所謂PTC効果を奏する。
その機構は、以下の通りと考えられる。
なお、図2は、断面の概念を示したものであり、実際には、コーティング3を形成する樹脂は、ゲル状の合成樹脂が、カーボンブラック14、黄土22、麦飯石23の各粒子の間に浸透した状態で硬化しているものである。
このような状態で、シート材Sが通電されて発熱すると、コーティング3を構成する絶縁性樹脂が膨張する。
これによって、シート材Sに含浸しているカーボンブラック14分子間の距離が大きくなり、シート材Sの抵抗値が上昇する。
このため、通電量が小さくなり、発熱が抑えられる。
よって、本実施形態に係るシート材Sは、PTC効果を発揮し、よって、温度上昇が過剰にかることを防止することができる。
図5に電磁波カットの仕組みを模式的に示した。
本実施形態に係るシート材Sは、格子状に織造されており、このため、カーボンブラック14が含浸された繊維(炭素含有繊維)は、均等の間隔で多数配置されることとなる。
このような配列とすると、シート材Sの発熱は均一なものとなる。
そして、このように炭素が含浸された繊維が均等の間隔で(格子状に)配列されることによって、各々の繊維から発生する電磁波が互いに相殺されることとなる。
この繊維間の間隔(格子のピッチ)は、ショート発生防止の観点から8mm以上が好ましく、電磁波及びプラスイオンの低減効果の観点からは20mm以下が好ましい。
よって、繊維間の間隔(格子のピッチ)は、8mm以上、20mm以下と設定する。
図6(a)に示すように、シート材Sは、床材Fの下方に配設して、床暖房器具として好適に使用することができる。
本実施形態に係るシート材Sは、遠赤外線を放射するため、この輻射熱で床材Fと接触されることなく、床材Fを介して室内を暖房することができる。
また、シート材Sは、格子状に織造された木綿布11に沿ってカーボンブラック14を含浸させているため、この格子状の隙間に締結材(釘、ビス等)を打ち込むことができ、床暖房材のように住宅に設置する材料として使用するのに好適である。
このとき、上記に示すように、締結材を使用することも可能である。
更に、図6のように住宅内に使用しても、PTC効果により、温度が上がり過ぎることを有効に防止することができるため、快適に使用することができる。
まず、工程1において、織機を使用して、木綿糸を格子状に織り上げた木綿布11を織造する。
このとき、銅線Dを木綿糸の縦糸と沿う方向に織り込むことによって、木綿布11の両長辺上にプラス電極部12及びマイナス電極部13を織造する。
そして、これらプラス電極部12及びマイナス電極部13の一端部に、プラス端子121及びマイナス端子131を形成する。
また、このとき、電磁波カットの観点から木綿布11は、繊維間の間隔(格子のピッチ)が、8mm以上、20mm以下となるように織り上げられる。
次いで、工程2で、カーボンブラック14の懸濁液に工程1で織り上げた木綿布11を浸漬して、木綿布11にカーボンブラック14を含浸し、工程3で木綿布11を乾燥させる。
その後、工程5で、遠赤外線放射物質2が含浸された木綿布11を乾燥させてクロス1を作成する。
ここでは、所定粒径(0.9μm以上50μm以下)に粉砕した麦飯石粉末体22が使用される。
本実施形態においては、この粉砕は、窯業において陶土を作成する際に一般的に行なわれている水粉砕により行っている。
しかし、粉砕方法はこれに限られるものではなく、所定の粒径を得られる粉砕方法であれば、どのような方法であってもよい。
本実施形態においては、水粉砕を行うため、粉砕直後の麦飯石粉末体22は泥状である。よって、本実施形態においては、麦飯石粉末体22を得るために乾燥を行う。
この乾燥工程では、約180℃以上の熱を照射することにより乾燥を実施する。このため、麦飯石粉末体22が得られるととともに、殺菌も同時に行うことが可能となる。
なお、乾式粉砕を行う場合には、この乾燥工程を省略できるとともに、別個に殺菌工程を設けてもよい。
また、麦飯石粉末体22を、溶媒に懸濁して木綿布11に吹き付ける場合には、この麦飯石粉末体22を適当な溶媒に懸濁して麦飯石粉末液として吹き付けてもよい。
このコーティング3を構成する樹脂としては、上述した絶縁性及び柔軟性を有する樹脂が使用される。
工程6では、カーボンブラック14、黄土21、麦飯石粉末体22の付着処理が終了したクロス1を、ゲル状の合成樹脂に浸漬させることにより、コーティング3を付着させる。
そして、工程7でコーティング3を形成する樹脂を硬化させて、シート材Sが完成する。
このように、クロス1は、遠赤外線放射物質2を塗布された状態で、コーティング3により表裏面を真空コーティングされることとなる。
このように麦飯石粉末体22が含浸されているため、遠赤外線の成長光線の領域の中で、特に人体に有益なエネルギーを与える領域(波長4.0〜14.0μmの範囲)での遠赤外線放射率が高められた状態となっている。
これは、麦飯石粉末体22が粒径0.9μm以上50μm以下に粉砕されていることによって、より効率良くもたらされる効果でもある。
このため、本実施形態に係るシート材Sは、人体に有益であるとともに、空気浄化効果等、住環境の快適性を高めるという効果を奏することができる。
更に、本実施形態に係るシート材Sは、PTC効果により、温度が上昇しすぎることを防止することができるとともに、基布である木綿布11を均一ピッチの格子状に織り上げることにより、電磁波カット効果をも奏する。
11 木綿布
12 プラス電極部
121 プラス端子
13 マイナス電極部
131 マイナス端子
14 カーボンブラック
2 遠赤外線放射物質
21 黄土
22 麦飯石粉末体
3 コーティング
D 銅線
F 床材
S,S´ シート材
T 制御装置
Claims (7)
- 通電により発熱するシート材であって、
該シート材は、繊維糸を織造した基布と、遠赤外線放射物質である麦飯石を粉砕して得られる麦飯石粉末体と、を少なくとも有して構成され、
前記麦飯石粉末体の粒径は、0.9μm以上50μm以下であり、
前記基布には、カーボン粒子が付着しているとともに、前記麦飯石粉末体が付着しており、
絶縁樹脂が、カーボン粒子と麦飯石粒子との間に浸透した状態で、コーティングされていることを特徴とするシート材。 - 前記シート材は、
繊維糸が格子状に織造された前記基布を有して構成され、
該基布には、カーボン粒子が密に付着しており、
前記カーボン粒子による通電により発熱が起こることを特徴とする請求項1に記載のシート材。 - 前記シート材は、
繊維糸が、8mm以上20mm以下の均等間隔の格子状に織造された前記基布を有して構成されていることを特徴とする請求項1及び請求項2に記載のシート材。 - 前記シート材を構成する前記基布には、横糸若しくは縦糸を構成する繊維と沿う方向に、複数の銅線が織り込まれており、
複数の前記銅線は、互いに近接する位置に織り込まれた一組のプラス電極部と、一組のマイナス電極部とで構成され、
前記プラス電極部とマイナス電極部とは、一定間隔離隔して配設されることを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか一項に記載のシート材。 - 前記プラス電極部と前記マイナス電極部の一端部には、プラス端子及びマイナス端子が接続されており、該プラス端子及び該マイナス端子には、電源を印加するための制御部が接続されていることを特徴とする請求項4に記載のシート材。
- 請求項1乃至請求項5いずれか一項に記載のシート材を利用したことを特徴とする建築用暖房材。
- 通電により発熱するシート材の製造方法であって、
繊維糸が、8mm以上20mm以下の均等間隔の格子状に織造するとともに、横糸若しくは縦糸を構成する繊維と沿う方向に、複数の銅線で構成された一組のプラス電極部と、複数の銅線で構成された一組のマイナス電極部とを一定間隔離隔するように織り込まれた基布を製造する第1工程と、
前記第1工程で織り上げた基布を、カーボン懸濁液に浸漬してカーボン粒子を浸含させる第2工程と、
前記第2工程で製造したカーボン粒子を浸含させた前記基布を乾燥させる第3工程と、
前記第3工程で乾燥させたカーボン粒子を浸含させた前記基布を、粒径が0.9μm以上50μm以下に粉砕した麦飯石粒子を含む遠赤外線放射物質懸濁液に浸漬して遠赤外線放射物質懸濁液を浸含させたクロスを形成する第4工程と、
前記クロスを乾燥させる第5工程と、
前記クロスに対し、ゲル状の絶縁樹脂を、カーボン粒子と麦飯石粒子との間に浸透させることで、前記絶縁樹脂を付着させるコーティングを行う第6工程と、
前記第6工程でコーティングした前記絶縁樹脂を、カーボン粒子と麦飯石粒子との間に浸透させた状態で硬化することによりシート材とする第7工程と、を行うことを特徴とするシート材の製造方法。
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