以下、適宜図面を参照しながら、実施の形態を詳細に説明する。但し、必要以上に詳細な説明は省略する場合がある。例えば、既によく知られた事項の詳細説明や実質的に同一の構成に対する重複説明を省略する場合がある。これは、以下の説明が不必要に冗長になるのを避け、当業者の理解を容易にするためである。
なお、添付図面および以下の説明は、当業者が本開示を十分に理解するために提供されるのであって、これらにより特許請求の範囲に記載の主題を限定することは意図されていない。
また、各実施の形態において、表示装置がPSR方式で駆動している状態(例えば、静止画を表示している状態)をPSRモード、PSR方式で駆動していない状態(例えば、通常の動画を表示している状態)を通常モードとして説明する。表示装置は、通常モードでは第1のフレーム周波数(例えば、60Hz)で動作し、PSRモードでは第1のフレーム周波数よりも低い第2のフレーム周波数(例えば、20Hz〜40Hz程度)で動作する。また、特許請求の範囲において、通常モードは第1のモード、PSRモードは第2のモード、PSRモード信号はモード信号、に対応する。
また、表示装置は、PSRモードに移行する時に、通常モードの最後の画像データを1フレーム分保有し、PSRモード時には、保有している画像データを利用して、静止画を表示する。このとき、画像データの出力の順番、タイミングを任意に変化することができる。従って、PSRモード時には、通常モードよりもフレーム周波数を低下(低フレームレート化)することが可能となる。
なお、フレームレートとは単位時間(例えば、1秒間)に何枚のフレームを表示するか(全画面の表示更新を何回行うか)を示す数値である。
(実施の形態1)
以下、図1〜図9を用いて、実施の形態1について説明する。
[1−1.構成]
図1は、実施の形態1におけるタッチセンサ機能を備えた表示装置100の全体構成を示すブロック図である。
図1に示すように、表示装置100は、液晶パネル21、バックライトユニット22、走査線駆動回路23、映像線駆動回路24、バックライト駆動回路25、信号制御装置28、タッチコントローラ14を備えている。また、タッチコントローラ14は、センサ制御回路13、センサ駆動回路26、信号検出回路27を備えている。
なお、本実施の形態および以降の実施の形態において、入力装置は、駆動電極11と、検知電極12と、タッチコントローラ14とを備えて構成されるものとする。したがって、本実施の形態に示す入力装置は、表示装置100に備えられており、表示装置100と一体化しているものとする。以下、入力装置をタッチセンサまたはタッチパネルとも記す。また、入力装置における使用者の指等が接触した位置を、接触位置またはタッチ位置とも記す。
液晶パネル21は、ガラス基板などの透明基板からなるTFT(薄膜トランジスタ)基板と、このTFT基板に対向するように所定の間隙を設けて配置される対向基板とを有し、TFT基板と対向基板との間に液晶材料を封入することにより構成されている。
TFT基板は、液晶パネル21の背面側(バックライト側)に位置し、TFT基板を構成する基板に、マトリクス状に配置された画素電極と、画素電極に対応して設けられ画素電極への電圧印加をオンオフ制御するスイッチング素子としての薄膜トランジスタ(TFT)と、共通電極などを形成することにより構成されている。
また、対向基板は、液晶パネル21の前面側(表示面側)に位置し、対向基板を構成する透明な基板に、画素電極に対応する位置に少なくとも赤(R)緑(G)青(B)の3原色からなるカラーフィルタ(CF)と、RGBのサブピクセルの間、および/またはサブピクセルから構成される画素間に配置されるコントラストを向上させるための遮光材料からなるブラックマトリクス(BM)などが形成されている。なお、本実施の形態では、TFT基板の各サブピクセルに形成されるTFTは、nチャネル型のTFTとする。そして、ドレイン電極およびソース電極を定義して構成を説明する。ただし、これは一例であり、TFTが何らnチャネル型に限定されるものではない。
TFT基板には、複数の映像信号線29と複数の走査信号線10とが互いに概ね直交して形成される。走査信号線10はTFTの水平方向に延伸して設けられ、複数のTFTのゲート電極に共通に接続される。映像信号線29はTFTの垂直方向に延伸して設けられ、複数のTFTのドレイン電極に共通に接続される。また、各TFTのソース電極にはTFTに対応する画素領域に配置された画素電極が接続される。
なお、本実施の形態では、液晶パネル21の長辺に平行な方向を水平方向とし、液晶パネル21の短辺に平行な方向を垂直方向とする。
TFT基板に形成された各TFTは、走査信号線10に印加される走査信号に応じて水平列単位で、オン/オフ動作が制御される。オン状態とされた水平列の各TFTは、画素電極を映像信号線29に印加される映像信号に応じた電位(画素電圧)に設定する。そして、液晶パネル21は、複数の画素電極およびこの画素電極に対向するように設けた共通電極を有し、画素電極と共通電極との間に生じる電界により画素領域毎に液晶の配向を制御して、バックライトユニット22から入射した光に対する透過率を変えることにより、表示面に画像を形成する。
バックライトユニット22は、液晶パネル21の裏面側に配置され、液晶パネル21の裏面から光を照射するものである。バックライトユニット22には、例えば、複数の発光ダイオードを配列して面光源を構成する構造や、発光ダイオードの光を導光板と拡散反射板とを組み合わせて用いて面光源を構成する構造のものが知られている。
走査線駆動回路23は、TFT基板に形成された複数の走査信号線10に接続されている。走査線駆動回路23は、信号制御装置28から入力されるタイミング信号1、2に応じて走査信号線10を順番に選択し、選択した走査信号線10にTFTをオン状態にする電圧を印加する。例えば、走査線駆動回路23は、シフトレジスタを含んで構成され、シフトレジスタは信号制御装置28からのトリガ信号(タイミング信号1、2)を受けて動作を開始し、垂直走査方向に沿った順序で走査信号線10を順次選択し、選択した走査信号線10に走査パルスを印加する。
映像線駆動回路24は、TFT基板に形成された複数の映像信号線29に接続されている。映像線駆動回路24は、走査線駆動回路23による走査信号線10の選択に合わせて、選択された走査信号線10に接続されるTFTそれぞれに、各サブピクセルの階調値を表す映像信号に応じた電圧を印加する。これにより、選択された走査信号線10に対応するサブピクセルに映像信号が書き込まれる。
バックライト駆動回路25は、信号制御装置28から入力される発光制御信号に応じたタイミングおよび輝度でバックライトユニット22を発光させる。
液晶パネル21には、タッチセンサを構成する電極として、複数の駆動電極11と複数の検知電極12とが互いに交差するように配置されている。
これらの駆動電極11および検知電極12を備えて構成されるタッチセンサは、駆動電極11と検知電極12との間で、電気信号の入力および静電容量変化による応答検出(電圧変化の検出)を行い、表示面への物体(例えば、使用者の指)の接触を検出する。この接触を検出する電気回路として、センサ駆動回路26および信号検出回路27が設けられている。
センサ駆動回路26は、交流信号源であり、駆動電極11に接続される。例えば、センサ駆動回路26は、センサ制御回路13からタイミング信号であるセンサ信号が入力されると、垂直走査方向に沿った順序で駆動電極11を順番に選択し、選択した駆動電極11に矩形状のパルス電圧による駆動信号Txvを印加する。
なお、駆動電極11および走査信号線10は、TFT基板に、水平方向(列方向)に延伸するように形成され、垂直方向(行方向)に複数本配列されている。これらの駆動電極11および走査信号線10に電気的に接続されるセンサ駆動回路26および走査線駆動回路23は、画素が配列される表示領域の垂直な辺に沿って配置され、左右の辺の一方に走査線駆動回路23を配置し、他方にセンサ駆動回路26を配置している。
信号検出回路27は、静電容量変化を検出する検出回路を複数備えた構成であり、検知電極12に接続される。信号検出回路27は、検知電極12毎に検出回路を設け、検知電極12から検出信号Rxvを検出する構成としている。
表示面上での物体の接触位置は、センサ制御回路13において、どの駆動電極11に駆動信号Txvを印加したときに、どの検知電極12で接触時の信号が検出されたかに基づいて求められる。そして、センサ制御回路13では、それら駆動電極11と検知電極12との交点が接触位置として求められる。
信号制御装置28は、CPUなどの演算処理回路およびROMやRAMなどのメモリを備えている。信号制御装置28は、入力される映像データに基づき、色調整などの各種の映像信号処理を行って各サブピクセルの階調値を示す映像信号を生成し、映像線駆動回路24に供給する。また、信号制御装置28は、入力された映像データに基づき、走査線駆動回路23、映像線駆動回路24、バックライト駆動回路25、センサ制御回路13へのタイミング信号を生成し、それらの回路に供給する。また、信号制御装置28は、バックライト駆動回路25への発光制御信号として、入力された映像データに基づいてバックライト(例えば、発光ダイオード)の輝度を制御するための輝度信号をバックライト駆動回路25へ供給する。信号制御装置28は、入力された映像データに基づき、液晶パネル21を通常モードとPSRモードのいずれかの動作モードで駆動するようにタイミング信号を生成し、各回路に供給する。
また、信号制御装置28は、液晶パネル21が通常モードとPSRモードのいずれの動作モードで駆動されているのかを示すPSRモード信号を生成して出力する。このPSRモード信号は、タッチコントローラ14のセンサ制御回路13に入力される。これにより、信号制御装置28は、表示装置100が通常モードとPSRモードのいずれの動作モードで動作しているのかをタッチコントローラ14に通知することができる。
なお、本実施の形態では、PSRモード信号は、通常モード時はローレベル(Lo)、PSRモード時はハイレベル(Hi)、となる2値信号であるものとする。このLo/Hiは逆であってもよい。また、PSRモード信号は、通常モードとPSRモードとを区別できる信号であればよく、Lo/Hiの2値信号でなくてもかまわない。
タッチコントローラ14のセンサ制御回路13は、このPSRモード信号により、表示装置100が通常モードとPSRモードのいずれの動作モードで動作しているのかを知ることができる。センサ制御回路13は、信号制御装置28から入力されるタイミング信号およびPSRモード信号に応じてセンサ駆動回路26及び信号検出回路27を制御する。
ここで、液晶パネル21の各信号線および電極に接続される走査線駆動回路23、映像線駆動回路24、センサ駆動回路26、センサ制御回路13および信号検出回路27は、フレキシブル配線板やプリント配線板やガラス基板に各回路の半導体チップを搭載することにより構成している。しかし、走査線駆動回路23、映像線駆動回路24、センサ駆動回路26、センサ制御回路13は、TFT基板に、TFTなどとともに同時に形成することにより搭載してもよい。
タッチコントローラ14は、センサ駆動回路26、信号検出回路27、センサ制御回路13を備え、信号制御装置28より入力されるタイミング信号およびPSRモード信号に基づいて、タッチセンサを制御する。センサ駆動回路26、信号検出回路27、センサ制御回路13はそれぞれ個別の半導体であってもよいし、まとめて1つの半導体としてもよい。
図2は、実施の形態1におけるタッチセンサを構成する駆動電極と検知電極の配列の一例を示す斜視図である。図2に示すように、入力装置としてのタッチセンサは、図2の左右方向に延伸する複数本のストライプ状の電極パターンである駆動電極11と、駆動電極11の電極パターンの延伸方向と交差する方向に延びる複数本のストライプ状の電極パターンである検知電極12とを備えて構成されている。それぞれの駆動電極11と検知電極12とが互いに交差した交差部分それぞれに、静電容量を持つ容量素子が形成されている。
また、駆動電極11は、走査信号線10が延伸する方向に対して平行な方向に延伸するように配列されている。そして、駆動電極11は、後で詳細に説明するが、互いに隣接するM(Mは自然数)本の走査信号線10を1つのラインブロックとしたとき、複数のN(Nは自然数)本のラインブロックそれぞれに対応するように配置され、ラインブロック毎に駆動信号を印加するように構成している。
タッチ検出動作を行う際は、センサ駆動回路26から駆動電極11に対し、ラインブロック毎に時分割的に線順次走査するように駆動信号Txvを印加する。これにより、検出対象となる1つのラインブロックが順次選択される。また、信号検出回路27が検知電極12から検出信号Rxvを受信することにより、1つのラインブロックのタッチ検出が行われるように構成されている。
次に、静電容量方式のタッチセンサにおけるタッチ検出の原理(電圧検知方式)について、図3、図4を用いて説明する。
図3Aは、実施の形態1におけるタッチセンサの構成を概略的に示す図である。図3Bは、図3Aの等価回路を示す図である。図3Cは、図3Aのタッチセンサにタッチ操作を行っているときの概略図である。図3Dは、図3Cの等価回路を示す図である。
図4は、図3Aに示すタッチセンサにタッチ操作を行っていない場合とタッチ操作を行った場合の検出信号の変化を示す波形図である。
静電容量方式のタッチセンサは、図2に示すように、互いに交差するようにマトリクス状に配置された一対の駆動電極11と検知電極12とが、図3Aに示すように、誘電体Dを挟んで対向配置していることにより、その交差部に容量素子を構成している。等価回路は、図3Bのように表わされ、駆動電極11、検知電極12および誘電体Dによって、容量素子C1が構成される。容量素子C1は、その一端が交流信号源としてのセンサ駆動回路26に接続され、他端Pは抵抗器Rを介して接地されるとともに、電圧検出器としての信号検出回路27に接続される。
交流信号源としてのセンサ駆動回路26から駆動電極11(容量素子C1の一端)に、数十kHz〜数百kHz程度の周波数(所定の周波数)のパルス電圧波形の駆動信号Txv(図4)を印加すると、検知電極12(容量素子C1の他端P)に、図4に示すような出力波形(検出信号Rxv)が現れる。
指が接触(または近接)していない状態では、図3Bに示すように、容量素子C1に対する充放電に伴って、容量素子C1の容量値に応じた電流I0が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V0のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路27によって検出される。
一方、指が接触(または近接)した状態では、図3Dに示すように、等価回路は、指によって形成される容量素子C2が容量素子C1に直列に追加された形となる。この状態では、容量素子C1、C2に対する充放電に伴って、それぞれ電流I1、I2が流れる。このときの容量素子C1の他端Pの電位波形は、図4の波形V1のようになり、これが電圧検出器である信号検出回路27によって検出される。このとき、点Pの電位は、容量素子C1、C2を流れる電流I1、I2の値によって定まる分圧電位となる。このため、波形V1は、非接触状態での波形V0よりも低い電圧値となる。
信号検出回路27は、検知電極12それぞれから出力される検出信号Rxvの電位を所定のしきい値電圧Vthと比較し、検出信号Rxvが、このしきい値電圧Vth以上であれば非接触状態と判断し、しきい値電圧Vth未満であれば接触状態と判断する。このようにして、タッチ検出が可能となる。なお、本実施の形態は何らタッチ検出を電圧検出に限定しない。これ以外の静電容量の変化を検知する方法として、例えば、電流を検知する方法等がある。
[1−2.動作]
次に、本実施の形態におけるタッチセンサの駆動方法の一例について、図5〜図9を用いて説明する。
図5は、実施の形態1における液晶パネル21の走査信号線10の配列構造とタッチセンサの駆動電極11および検知電極12の配列構造を示す概略図である。図5に示すように、水平方向に延伸するX本の走査信号線10は、互いに隣接するM(Mは自然数)本の走査信号線10(例えば、走査信号線G1−1、G1−2・・・G1−M、等)を1つのラインブロックとし、複数のN(Nは自然数)本のラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに分割して配列されている。
なお、図5および以降の図面では、走査信号線10を、「走査信号線Ga−b」とも記す。「a」は、その走査信号線10が上からa番目のラインブロックに含まれることを示す。また、「b」は、その走査信号線10が、そのラインブロックでb番目に配置されていることを示す。すなわち、「走査信号線Ga−b」とは、ラインブロック10−aに含まれるb番目の走査信号線10のことである。なお、N×Mは、走査信号線10の総数Xに等しい。
タッチセンサの駆動電極11は、ラインブロック10−1、10−2・・・10−Nに対応させて、N本の駆動電極11−1、11−2・・・11−Nが水平方向に延伸するように配列される。そして、N本の駆動電極11−1、11−2・・・11−Nと交差するように、複数本の検知電極12が垂直方向に延伸して配列されている。
図6は、実施の形態1における各走査信号線10への走査信号の入力と、各駆動電極11への駆動信号の入力との関係を概略的に示す図である。なお、各走査信号線10へ走査信号を順次印加するのは、液晶パネル21における表示画像の更新(以下、「表示更新」と記す)を行うためであり、各駆動電極11へ駆動信号を順次印加するのはタッチセンサのタッチ検出を行うためである。なお、本実施の形態および以降の実施の形態では、1つのラインブロックを構成する複数の走査信号線10の全てに走査信号を印加するのに要する時間を「1ラインブロック走査期間」と記す。図6では、(1)から(6)へと時間が経過し、図6の(1)〜(6)それぞれが1ラインブロック走査期間における状態を示している。
本実施の形態では、図6の(1)に示すように、一番上のラインブロック10−1を構成する走査信号線G1−1〜G1−Mのそれぞれに走査信号を順次印加しているラインブロック走査期間においては、一番下のラインブロック10−Nに対応する駆動電極11−Nに駆動信号を印加している。この後に続くラインブロック走査期間では、図6の(2)に示すように、上から2番目のラインブロック10−2を構成する走査信号線G2−1〜G2−Mのそれぞれに走査信号を順次印加する。そして、このラインブロック走査期間においては、直前のラインブロック走査期間に走査信号を印加したラインブロック10−1に対応する駆動電極11−1に駆動信号を印加している。
そして、図6の(3)〜(6)に示すように、ラインブロック10−3、10−4、10−5、・・・、10−Nを構成する走査信号線G3−1〜GN−Mのそれぞれに走査信号を順次印加して、ラインブロック走査期間が順次進行する。一方、各ラインブロック走査期間では、直前のラインブロック走査期間において走査信号を印加したラインブロック10−2、10−3、10−4、・・・、10−(N−1)に対応する駆動電極11−2、11−3、11−4、・・・、11−(N−1)に駆動信号を順次印加する。本実施の形態では、各走査信号線10に走査信号を印加する順番と、各駆動電極11に駆動信号を印加する順番をこのように構成している。
すなわち、本実施の形態においては、各駆動電極11へ駆動信号を印加するときに、各ラインブロック走査期間において、走査信号を印加する走査信号線10が属するラインブロックとは異なるラインブロックに対応する駆動電極11を選択して駆動信号を印加するように構成している。
なお、図6では、直前のラインブロック走査期間に走査信号を印加したラインブロックに対応する駆動電極11に駆動信号を印加する例を示したが、本実施の形態は何らこの構成に限定されない。本実施の形態では、走査信号を印加するラインブロックに対応する駆動電極11に駆動信号を印加しないように設定すればよい。例えば、走査信号を印加するラインブロックと、駆動信号を印加する駆動電極11との間に、1つまたは2つ以上のラインブロックをはさむように構成してもよい。
図7は、実施の形態1における駆動方法1−1の通常モード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。なお、図7には、図6に示した例にもとづくタイミングチャートを示している。
通常モード時、信号制御装置28は、LoレベルのPSRモード信号を出力する。タッチコントローラ14は、信号制御装置28から入力されるPSRモード信号がLoレベルであれば、表示装置100は通常モードで動作していると判断し、その判断にもとづく駆動信号を生成する。
図7に示すように、駆動方法1−1の通常モード時には、1フレーム期間のそれぞれの水平走査期間(1H)において、各走査信号線10に、ラインブロック10−1、10−2、・・・、10−Nの順番で走査信号が順次(図7に示す例では、走査信号線G1−1、G1−2、・・・、GN−M、の順番で)印加されて表示更新が行われる。この走査信号が印加されている期間内に、ラインブロック10−N、10−1、10−2、…、10−(N−1)に対応する駆動電極11−N、11−1、11−2、…、11−(N−1)に、タッチ検出のための駆動信号がラインブロック走査期間単位で順次印加される。
第1、第2のタイミング信号は液晶パネル21の動作のために、信号制御装置28により生成される。図7において、第1のタイミング信号であるタイミング信号1は各走査信号の生成のタイミングを表す信号であり、第2のタイミング信号であるタイミング信号2は1フレーム期間における最初の走査信号の生成開始タイミングを表す信号である。タイミング信号1は実質的に毎水平走査期間(毎H)発生する信号であり、タイミング信号2は1フレーム期間に1回発生する信号である。図7の例では、ラインブロック10−1から走査を始める場合を示している。具体的には、走査線駆動回路23にタイミング信号2の入力後、タイミング信号1が入力されると、走査信号線G1−1に走査信号が印加される動作となる。
また、センサ信号はセンサ駆動回路26の動作のために作られる信号であり、センサ制御回路13が信号制御装置28より入力されるタイミング信号1、2に基づいて、タイミング信号1に所定の遅延を設けて生成する。センサ駆動回路26は、センサ制御回路13が生成するセンサ信号に基づいて、駆動電極11に駆動信号を印加する。図7に示すように、センサ信号は通常モードにおいては走査信号に同期した信号となる。
図8は、実施の形態1の1水平走査期間における表示更新期間とタッチ検出期間との関係の一例を示すタイミングチャートである。また、駆動方法1−1においては、各走査信号間には所定の休止期間は存在しない。
図8に示すように、表示更新期間においては、走査信号線10に走査信号が順次印加されるとともに、各画素の画素電極のスイッチング素子に接続される映像信号線29には、入力される映像信号に応じた画素信号が入力される。
本実施の形態においては、この表示更新期間にもとづくタイミングでタッチ検出期間を設けており、表示更新期間から遷移期間を除いた期間をタッチ検出期間としている。すなわち、走査信号が所定の電位に立ち上がり、各電極の電圧の変位が収束した時点で、駆動電極11に駆動信号としてパルス電圧を印加する。そして、パルス電圧の立上りによる電位の変位点からタッチ検出期間を開始している。また、タッチ検出タイミングSは、パルス電圧の立下りポイント直前とタッチ検出期間終了ポイントの2箇所に存在している。ここで、遷移期間には、画素信号が変位する期間t1と、画素信号の変位に伴い共通電極の電位が変位し収束する期間t1+t2とを設定している。これは、画素信号の遷移期間t1に、パネル内寄生容量の容量結合により、共通電極の電位の変動が生じるためであり、それらの変動がタッチ検出期間で起こらないようにするためである。
なお、図8には、タッチ検出タイミングの一例を示したが、タッチ検出タイミングは、図8に示すタイミングに限定されるものではなく、表示更新動作によって表示装置100にノイズが生じる期間を避けて設定することが望ましい。
なお、タッチ検出期間におけるタッチ検出動作は、図3、図4を用いて説明した通りである。
次に、図9を用いて、駆動方法1−1におけるPSRモード時のタッチ検出動作について説明する。図9は、実施の形態1における駆動方法1−1のPSRモード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
PSRモード時、信号制御装置28は、HiレベルのPSRモード信号を出力する。タッチコントローラ14は、信号制御装置28から入力されるPSRモード信号がHiレベルであれば、表示装置100はPSRモードで動作していると判断し、その判断にもとづく駆動信号を生成する。
図9に示すように、表示装置100がPSRモードに移行し低フレームレート化すると、走査線駆動回路23が最後の走査信号(図9に示す例では、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)を出力した後は、1フレームが終了するまで、センサ制御回路13にはタイミング信号1が入力されない。すなわち、図9に示すように、最後のタイミング信号1に応じた走査信号(図9に示す例では、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)の出力が完了してから、次のフレームの最初の走査信号(図9に示す例では、走査信号線G1−1に印加する走査信号)の入力が開始されるまでの期間t3(以下、「Vブランク期間」と記す)においては、走査線駆動回路23から走査信号が出力されない。すなわち、Vブランク期間は、1画面分の走査信号線10に走査信号を印加し終えた後に設けられた、走査信号線10に走査信号が印加されない期間(走査信号の生成を休止する期間)である。従って、PSRモード期間に、センサ制御回路13が通常モードと同じ動作を踏襲する場合は、Vブランク期間はセンサ信号も出力されなくなる。すなわち、低フレームレート化により、タッチパネルのレポートレートが低下する。
なお、通常モード時のフレームレートが例えば60Hzであり、PSRモード時のフレームレートが例えば40Hzであれば、通常モード時の1フレーム期間に対してPSRモード時の1フレーム期間は約1.5倍の長さになる。このフレーム期間の差により、PSRモード時のVブランク期間の長さが決定される。しかし、本実施の形態は、各モードのフレームレートが何らこれらの数値に限定されるものではない。
また、タッチパネルのレポートレートとは、タッチ検出のための1画面分の走査と、タッチ位置を特定するためのタッチ位置の算出と、算出したタッチ位置(座標)を出力するという一連の動作を単位時間(例えば、1秒間)に何回繰り返して行うかを示す数値のことである。レポートレートの数値が大きいほど単位時間あたりのタッチ位置の座標の出力回数が増加し、タッチ位置の座標の時間的な分解能(単位時間にタッチ位置の座標の出力を何回行うことができるかを示す能力)が上がる。なお、タッチ位置の座標の空間的な分解能(タッチ位置の座標をどこまで細かく検出できるかを示す能力)は、駆動電極11および検知電極12の本数に依存する。
PSRモード時にレポートレートが低下すると、素早いタッチ動作に追随することが困難になるので、望ましくない。そこで、実施の形態1においては、センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、現在の動作モードが通常モードかPSRモードかを判断する。具体的には、センサ制御回路13は、PSRモード信号がLoレベルからHiレベルに変位すれば、表示装置100が通常モードからPSRモードに移行したと判断する。そして、センサ制御回路13は、表示装置100がPSRモードに移行したと判断したときは、図9に示したようにセンサ信号の発生方法を通常モード時と変えて、レポートレートの低下を防止する。
なお、図7には、通常モード時にVブランク期間が発生しないタイミングチャートを示したが、通常モード時にVブランク期間が発生することもある。通常モード時、PSRモード時、ともに、Vブランク期間は、1フレーム期間の最後のタイミング信号1による水平走査期間の終了後から、次フレームのタイミング信号2が発生するまでの期間である。したがって、図7では、長さが実質的に0のVブランク期間が発生した、と言い換えることができる。また、PSRモードのフレームレートは通常モードよりも低いので、PSRモードのVブランク期間は通常モードのVブランク期間よりも長くなる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき表示装置100が通常モードからPSRモードに移行したと判断すると、タイミング信号1が生成されないVブランク期間においても、センサ信号を通常モードと同じタイミングで生成し、センサ駆動回路26に出力する。センサ駆動回路26はセンサ信号を受信すると、駆動電極11に駆動信号を印加する。また、信号検出回路27は検出信号Rxvを検出する。
このように制御することで、センサ制御回路13は、信号制御装置28よりタイミング信号1が入力されなくても、センサ信号を所定のタイミングで生成することができる。従って、表示装置100がPSRモードに移行し、低フレームレート化しても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時のレポートレートと実質的に同等に維持することが可能である。
なお、PSRモード時のVブランク期間では、走査信号が生成されないので、センサ駆動回路26は、駆動信号を生成する際に図8に示したタイミングの制約を考慮しなくてもよい。したがって、Vブランク期間のセンサ信号は通常モードと同じタイミングで生成せず、タイミングを変えて生成してもよい。
[1−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置は、第1のフレーム周波数で動作する第1のモードと、第1のフレーム周波数よりも低い第2のフレーム周波数で動作する第2のモードとを含む複数の動作モードのいずれかの動作モードで動作するように構成されるとともに現在の動作モードを通知するPSRモード信号を生成するように構成された表示装置100に備えられており、使用者の接触位置を検出するように構成されている。そして、この入力装置は、複数の駆動電極11と、駆動電極に交差するように配置された複数の検知電極12と、タッチコントローラ14とを備えている。タッチコントローラ14は、検知電極12に接続され、検知電極12から検出信号を検出して使用者の接触位置を検出するように構成されている。また、タッチコントローラ14は、PSRモード信号に基づき表示装置100の動作モードを判断し、その判断の結果にもとづき駆動信号を生成して駆動電極11に印加するように構成されている。
表示装置100は、走査信号線10に走査信号が印加されない期間であるVブランク期間を1フレーム期間に設けて動作するように構成され、タッチコントローラ14は、PSRモード信号にもとづき表示装置100の動作モードを判断するように構成されている。例えばタッチコントローラ14は、PSRモード信号がLoレベルからHiレベルに変位すれば、表示装置が通常モードからPSRモードに移行したと判断する。
また、表示装置100は、動作モードに応じて発生する第1のタイミング信号と1フレームに1回の割合で発生する第2のタイミング信号とにもとづき走査信号が生成されるように構成されるとともに、第2のモード(PSRモード)で動作するときにはVブランク期間に第1のタイミング信号が生成されないように構成されている。そして、表示装置100の信号制御装置28は、表示装置100の動作モードをタッチコントローラ14に通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。タッチコントローラ14は、PSRモード信号に基づき、表示装置100が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときは、第1のタイミング信号にもとづき駆動信号を生成し、PSRモード信号に基づき、表示装置100が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときは、第1のタイミング信号にもとづき駆動信号を生成するとともに第1のタイミング信号が生成されないVブランク期間においても駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置100が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
(実施の形態2)
以下、実施の形態1に示した駆動方法1−1とは異なる駆動方法2−1で表示装置が駆動された場合の動作について、図10、図11を用いて説明する。
[2−1.構成]
実施の形態2における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[2−2.動作]
図10は、実施の形態2における駆動方法2−1の通常モード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
図10に示すように、駆動方法2−1においては、2つの走査信号の間、例えば、走査信号線G1−1に印加された走査信号と走査信号線G1−2に印加された走査信号の間に、所定の期間t4(以下、「Hブランク期間」と記す)が存在するように走査信号を生成する。すなわち、Hブランク期間は、1水平走査期間に設けられた、走査信号線10に走査信号が印加されない期間(走査信号の生成を休止する期間)である。駆動方法2−1においては、Hブランク期間に映像信号(画素信号)の変化が起こらないようにすることで、Hブランク期間を、液晶パネル内の寄生容量に起因して発生する電圧変動を考慮しなくてよい(以下、このような電圧変動を「ディスプレイノイズ」とも記す)期間にすることができる。したがって、図10に示すように、Hブランク期間中に駆動電極11に駆動信号を印加し、タッチ信号の送信・受信を行うことで、図7、図9に示した駆動方法1−1と比較して、タッチセンサの感度を上げることができる。これは、駆動方法1−1では、ディスプレイノイズを低減するために、駆動信号を印加するタイミングを工夫しているが、時間的な制約のために、映像信号線29に起因するディスプレイノイズを完全に排除することが困難なためである。
そして、駆動方法2−1では、Hブランク期間中にタッチ検出を行うので、図10に示すように、走査信号を印加するラインブロックに対応する駆動電極11に駆動信号を印加するように構成することができる。例えば、ラインブロック10−1を構成する走査信号線G1−1〜G1−Mに走査信号を印加するラインブロック走査期間に、ラインブロック10−1に対応する駆動電極11−1に駆動信号を印加することができる。
なお、駆動方法2−1におけるVブランク期間は、最後の走査信号(図10に示す例では、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)の後に続くHブランク期間が終了してから、次のフレームの最初の走査信号(図10に示す例では、走査信号線G1−1に印加する走査信号)の入力が開始されるまでの期間となる。
図11は、実施の形態2における駆動方法2−1のPSRモード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。図11に示すように、駆動方法2−1においても、PSRモード時のVブランク期間は通常モード時のVブランク期間よりも長くなる。
図11に示すように、センサ制御回路13は、液晶パネル21が動作していないVブランク期間にも通常モードと同様にセンサ信号を生成する。センサ駆動回路26はセンサ制御回路13より入力されるセンサ信号に応じて、各駆動電極11に駆動信号を印加する。なお、Vブランク期間のセンサ信号は通常モードと同じタイミングで生成せず、タイミングを変えてもよい。
なお、PSRモードのVブランク期間に各駆動電極11に駆動信号のパルス電圧を連続して印加する数は、表示更新時と同じであることが望ましい。例えば、PSRモードの表示更新時に各駆動電極11に連続してn回のパルス電圧を駆動信号として印加するときは、Vブランク期間においても連続してn回のパルス電圧を駆動信号として各駆動電極11に印加することが望ましい。これにより、タッチ検出感度にばらつきが生じることを防止することができる。
[2−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、実施の形態1と同様に、動作モードに応じて発生する第1のタイミング信号と1フレームに1回の割合で発生する第2のタイミング信号とにもとづき走査信号が生成されるように構成されるとともに、第2のモード(PSRモード)で動作するときにはVブランク期間に第1のタイミング信号が生成されないように構成されている。タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときは、第1のタイミング信号にもとづき駆動信号を生成し、PSRモード信号に基づき、表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときは、第1のタイミング信号にもとづき駆動信号を生成するとともに第1のタイミング信号が生成されないVブランク期間においても駆動信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、走査信号線10に走査信号が印加されない期間であるHブランク期間を1水平走査期間に設けて動作するように構成され、タッチコントローラは、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときはHブランク期間にのみ駆動信号を生成し、表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときはHブランク期間およびVブランク期間に駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モードにおいてはHブランク期間にのみ、PSRモードにおいてはHブランク期間とVブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態3)
次に、図12、図13を用いて、駆動方法3−1で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
[3−1.構成]
実施の形態3における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[3−2.動作]
図12は、実施の形態3における駆動方法3−1の通常モード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
駆動方法3−1では、表示更新時、すなわち各走査信号線10に走査信号を印加している期間、はタッチ検出を行わず、Vブランク期間にタッチ検出を行う。そのため、センサ制御回路13は、Vブランク期間のみセンサ信号を生成する。そして、センサ駆動回路26は、センサ制御回路13より入力されるセンサ信号に応じて、Vブランク期間のみ各駆動電極11に駆動信号を印加する。
駆動方法3−1におけるVブランク期間は、最後のタイミング信号1に応じた走査信号(図12に示す例では、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)の出力が完了してから、次のフレームの最初の走査信号(図12に示す例では、走査信号線G1−1に印加する走査信号)の入力が開始されるまでの期間を指す。
図12に示すように、駆動方法3−1の場合は、Vブランク期間が長くなるように各走査信号を短く走査する。Vブランク期間は走査信号、映像信号の変化が起こらない期間である。したがって、Vブランク期間はディスプレイノイズを考慮しなくてよい期間である。そこで、駆動方法3−1では、その期間中にタッチ信号の送信・受信を行うことで、タッチセンサの感度を駆動方法1−1と比較して上げることができる。
図13は、実施の形態3における駆動方法3−1のPSRモード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。図13に示すように、駆動方法3−1においても、PSRモード時のVブランク期間は通常モード時のVブランク期間よりも長くなる。
図13に示すように、駆動方法3−1におけるPSRモード時は、センサ制御回路13はVブランク期間におけるセンサ信号の生成数を通常モード時のVブランク期間より増やし、駆動電極11への駆動信号の印加回数を増やす。これは、PSRモードでは通常モードよりもフレームレートが低く、PSRモードのVブランク期間におけるセンサ信号の生成数が通常モード時と変わらなければ、PSRモードのタッチパネルのレポートレートが通常モードよりも下がってしまうので、それを防止するためである。
なお、図13に示す例の場合は、PSRモードにおけるタッチパネルのレポートレートが図12の通常モードよりも下がらないようにするために、各駆動電極11に印加する駆動信号のパルス電圧を1度に連続して生成するのではなく、複数の連続するパルス電圧を2回に分けて生成する。したがって、通常モードでは、Vブランク期間に1画面全体において検出した座標位置のレポートを1回出力するのに対して、PSRモードでは、Vブランク期間に1画面全体において検出した座標位置のレポートを2回出力する。
[3−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、Vブランク期間にのみ駆動信号を生成し、表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作するときのVブランク期間では、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作するときのVブランク期間よりも、多くの駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モード、PSRモード、ともにVブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態4)
次に、図14、図15を用いて、駆動方法4−1で表示装置を駆動する場合について説明する。
[4−1.構成]
実施の形態4における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[4−2.動作]
図14は、実施の形態4における駆動方法4−1の通常モード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
駆動方法4−1では、所定の数の走査信号線10に走査信号を印加する毎に休止期間t5を設ける。図14に示す例の場合は、所定の数は、1ラインブロックを構成する走査信号線10の数(例えば、M本)である。具体的には、ラインブロック10−1を構成する走査信号線G1−1〜G1−Mに走査信号を印加し終えた直後に休止期間を設け、次に、ラインブロック10−2を構成する走査信号線G2−1〜G2−Mに走査信号を印加し終えた直後に休止期間を設け、というように、各ラインブロック走査期間が終了した直後に、それぞれ休止期間t5を設ける。そして、休止期間t5の後に、次のラインブロック走査期間を開始し、そのラインブロックを構成する走査信号線10に走査信号を順次印加する。
このように、駆動方法4−1では、1ラインブロック走査期間毎(例えば、ラインブロック10−1の走査を終了してからラインブロック10−2の走査を開始するまでの間)に休止期間t5を設けている。この休止期間t5は、走査信号、映像信号が生成されない期間である。したがって、休止期間t5は、ディスプレイノイズを考慮しなくてよい期間である。そこで、駆動方法4−1では、この休止期間t5に各駆動電極11にセンサ駆動回路26の駆動信号を印加し、タッチ信号の送信・受信を行うことで、タッチセンサの感度を駆動方法1−1と比較して上げることができる。
なお、図14に示す駆動方法4−1においては、休止期間t5に2つのパルス電圧を生成するセンサ信号を示しているが、休止期間t5に生成するパルス電圧の数は何ら2つに限定されるものではなく、表示装置の仕様等に応じて最適に設定すればよい。
なお、駆動方法4−1におけるVブランク期間は、1フレームの最後の休止期間t5が終了してから、次のフレームの最初の走査信号(図14に示す例では、走査信号線G1−1に印加する走査信号)の入力が開始されるまでの期間となる。
図15は、実施の形態4における駆動方法4−1のPSRモード時における1フレーム期間の走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
図15に示すように、駆動方法4−1においても、PSRモード時のVブランク期間は通常モード時のVブランク期間よりも長くなる。駆動方法4−1の場合、センサ制御回路13は、Vブランク期間においても、センサ信号を生成し、センサ駆動回路26に駆動電極11に駆動信号を印加させる。なお、Vブランク期間のセンサ信号は通常モードと異なる周期で生成してもよい。
[4−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、所定の数の走査信号線に走査信号が印加される毎に休止期間を設けて動作するように構成されている。タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときは休止期間t5にのみ駆動信号を生成し、PSRモード信号に基づき、表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときは休止期間t5およびVブランク期間に駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モードにおいては休止期間t5にのみ、PSRモードにおいては休止期間t5とVブランク期間にのみタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態5)
次に、図16、図17A、17Bを用いて、駆動方法1−2で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図16、図17A、17Bに示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態1に示した駆動方法1−1と実質的に同じであるので、駆動方法1−2と呼称する。すなわち、駆動方法1−2においては、PSRモード時に、水平走査期間を通常モード時よりも長くする。また、駆動方法1−2では、PSRモード時に、水平走査期間を延長したことを利用してセンサ信号の生成数を増やすため、Vブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
[5−1.構成]
実施の形態5における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[5−2.動作]
図16は、実施の形態5における駆動方法1−2のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。なお、図16では、説明を簡略化するために、Vブランク期間を省略している。
なお、駆動方法1−2の通常モードにおける動作は、実施の形態1に示した駆動方法1−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図16に示すように、駆動方法1−2におけるPSRモードにおいては、各走査信号線10に印加するそれぞれの走査信号のパルス幅が、通常モードよりも長くなる。図16には、通常モードでは1フレーム60Hzで動作し、PSRモードでは1フレーム30Hzで動作する例を示す。図16に示すように、PSRモード時の走査信号のパルス幅、すなわちタイミング信号1の1周期の時間を、通常モード時の2倍にすることで、PSRモードでは1フレームあたりの時間が通常モード時の2倍(例えば、フレームレート30Hz)相当になる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
図16に示す例では、センサ制御回路13は、通常モード時は、1つの水平走査期間t6にセンサ信号を1回生成し、PSRモード時は、1つの水平走査期間t7にセンサ信号を2回生成する。従って、センサ駆動回路26は、各駆動電極11に対して、通常モード時は、1つの水平走査期間t6につき駆動信号を1回印加し、PSRモード時は、1つの水平走査期間t7につき駆動信号を2回印加する。このように、1つの水平走査期間t7に各駆動電極11に駆動信号を2回ずつ印加できるのは、水平走査期間t7が水平走査期間t6の約2倍の長さになり、一方で図8に示した遷移期間は実質的に変わらないため、PSRモード時のタッチ検出期間が増加するためである。
図17Aは、実施の形態5における駆動方法1−2の通常モード時における各走査信号線10への走査信号の供給と各駆動電極11への駆動信号の供給との関係をラインブロック単位で示すタイミングチャートである。図17Bは、実施の形態5における駆動方法1−2のPSRモード時における各走査信号線10への走査信号の供給と各駆動電極11への駆動信号の供給との関係をラインブロック単位で示すタイミングチャートである。図17A、17Bには、一例として、ラインブロックの総数が16(N=16)の場合を示している。しかし、ラインブロックの数は何ら16に限定されるものではない。図17A、17Bに示すように、PSRモード時は通常モード時の1/2倍のスピードで走査信号線10の走査を行っている。
図17A、17Bでは、縦軸の1つのマスが1つのラインブロックを表し、横軸の1つのマスが1つのラインブロック走査期間を表す。本実施の形態では、PSRモードのフレーム周波数(例えば、30Hz)を、通常モードのフレーム周波数(例えば、60Hz)の半分に設定しているので、図17Bに示すPSRモード時の1フレーム期間に、図17Aに示す通常モード時の2フレームが発生する。また、図17A、17Bでは、走査信号の印加の順番を実線で示し、駆動信号の印加の順番を破線で示す。なお、図17A、17Bに示すタイミングチャートは単なる一例に過ぎず、本実施の形態は、何ら図17A、17Bに示す関係に限定されるものではない。
通常モード時、走査信号は、図17Aに実線で示すように、ラインブロックの配列順、すなわち、ラインブロック10−1、10−2、・・・、10−16、といった順番で、各走査信号線10に印加される。また、駆動信号は、図17Aに破線で示すように、駆動電極11−5、11−6、・・・、11−16、11−1、・・11−4、といった順番で、各駆動電極11に印加される。なお、駆動電極11に順に駆動信号を印加する動作を「タッチ検出のための走査」とも記す。
なお、図17Aに示す例では、走査信号を印加するラインブロックと、駆動信号を印加する駆動電極11との間に、3つのラインブロックが挟まれており、これは、図16に示す動作例とは異なる。しかし、本実施の形態は、実施の形態1に示した駆動方法1−1と同様に、走査信号を印加するラインブロックに対応する駆動電極11に駆動信号を印加しないように設定すればよいので、例えば図16に示すような駆動を行ってもよく、図17Aに示すような駆動を行ってもよい。
PSRモード時、走査信号は、図17Bに実線で示すように、ラインブロックの配列順、すなわち、ラインブロック10−1、10−2、・・・、10−16、といった順番で、各走査信号線10に印加される。この走査の順番は、図17Aに示す通常モード時と同じであるが、図17Aと図17Bとの比較からわかるように、PSRモードで1画面分の走査が1回行われる期間に、通常モードでは1画面分の走査が2回行われる。これは、PSRモードのフレームレートが通常モードのフレームレートの半分に設定されているためである。
一方、PSRモード時、駆動信号は、図17Bに破線で示すように、各ラインブロック走査期間の前半では、駆動電極11−5、11−6、・・・、11−16、11−1、・・11−4、といった順番で、各ラインブロック走査期間の後半では、駆動電極11−13、・・・、11−16、11−1、・・11−12、といった順番で、各駆動電極11に印加される。これにより、PSRモードでは、タッチ検出のための1画面分の走査が、1フレーム期間に2回行われる。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
なお、図17Bでは、1つのラインブロック走査期間を前半と後半の2つに分けて示している。これは、PSRモードでは、図16に示すように、水平走査期間t7が通常モード時の水平走査期間t6の2倍になっており、センサ信号を通常モード時の2倍生成できるため、1つのラインブロック走査期間を前半と後半とに分けて、それぞれ異なる駆動電極11に駆動信号を印加することができるためである。
また、PSRモードでは、1つのラインブロック走査期間の前半に生成されるセンサ信号の数と後半に生成されるセンサ信号の数とは、それぞれが、通常モードの1ラインブロック走査期間に生成されるセンサ信号の数に等しい。したがって、PSRモードでは、1つのラインブロック走査期間を前半と後半に分け、それぞれで異なる駆動電極11に駆動信号を印加してタッチ検出のための走査を行っても、1回のレポートレートの精度は、通常モード時と実質的に差は生じない。
そして、本実施の形態では、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくするために、通常モードの2フレームに相当するPSRモードの1フレーム期間に、タッチ検出のための1画面分の走査、すなわち駆動信号を全駆動電極11に順次印加する動作を、2回行う必要がある。
ただし、PSRモードにおいては、駆動電極に電圧を印加することによる画像の乱れの影響を抑制するために、走査信号を印加する順番を示すライン(図17Bに実線で示すライン)と、駆動信号を印加する順番を示すライン(図17Bに破線で示すライン)とが交差しないように、各信号の印加の順番を設定することが望ましい。
そこで、本実施の形態では、PSRモード時に、1つのラインブロック走査期間を前半と後半とに分け、それぞれで異なる駆動電極11に駆動信号を印加する。こうして、図17Bに示すように、ラインブロック走査期間の前半でタッチ検出のための走査を1画面分行い、後半でもタッチ検出のための走査を1画面分行う。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
なお、図17A、17Bにおいて、通常モード時の時間が“16”を示したとき、PSRモード時の時間は“8”に相当するが、このとき、PSRモードではタッチ検出のための走査が1画面分なされているので、タッチした座標位置のレポートを出力するタイミングは、PSRモードと通常モードとで実質的に同じになる。
なお、図17A、17Bに示す各信号の印加の順番は一例に過ぎない。ただし、上述したように、実線で示す走査信号を印加する順番と、破線で示す駆動信号を印加する順番とが交差しないように、各信号の印加の順番を設定することが望ましい。
[5−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。具体的には、PSRモード信号がLoレベルからHiレベルに変位したことを検出すると、通常モードからPSRモードに移行したと判断する。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき、表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときには、1水平走査期間(例えば、第1のタイミング信号の1周期)の間に、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作するときの1水平走査期間よりも多くの数の駆動信号を生成するように構成されている。具体的には、本実施の形態の入力装置は、PSRモードの水平走査期間t7において、通常モード時の水平走査期間t6(所定の水平走査期間)に生成する駆動信号の2倍の数の駆動信号をタッチコントローラが生成する。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
(実施の形態6)
次に、図18、図19A、19Bを用いて、駆動方法2−2で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図18、図19A、19Bに示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態2に示した駆動方法2−1と実質的に同じであるので、駆動方法2−2と呼称する。すなわち、駆動方法2−2では、PSRモード時に、各走査信号間の間隔(Hブランク期間)を通常モード時よりも長くする。また、駆動方法2−2では、PSRモード時に、Hブランク期間を延長したことを利用してセンサ信号の生成数を増やすため、Vブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
[6−1.構成]
実施の形態6における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[6−2.動作]
図18は、実施の形態6における駆動方法2−2のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、図18には、図19A、19Bに合わせてラインブロックの総数が16(N=16)のときの動作例を示す。しかし、ラインブロックの数は何ら16に限定されるものではない。
なお、駆動方法2−2の通常モードにおける動作は、実施の形態2に示した駆動方法2−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図18に示すように、駆動方法2−2におけるPSRモードにおいては、各走査信号線10に印加する走査信号の1周期(走査信号の立ち上がりエッジから次の走査信号の立ち上がりエッジまでの期間)が、通常モードよりも長くなる。図18には、通常モードでは1フレーム60Hzで動作し、PSRモードでは1フレーム30Hzで動作する例を示す。図18に示すように、PSRモード時の走査信号の1周期、すなわちタイミング信号1の1周期の時間を、通常モード時の2倍にすることで、PSRモードでは1フレームあたりの時間が通常モード時の2倍(例えば、フレームレート30Hz)相当になる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
図18に示すように、センサ制御回路13は、通常モード時には、Hブランク期間内にセンサ信号を1回生成し、PSRモードでは、Hブランク期間内に2回センサ信号を生成する。従って、センサ駆動回路26は、各駆動電極11に対して、通常モード時には、Hブランク期間内に駆動信号を1回印加し、PSRモードでは、Hブランク期間内に2回駆動信号を印加する。
図19Aは、実施の形態6における駆動方法2−2の通常モード時における各走査信号線10への走査信号の供給と各駆動電極11への駆動信号の供給との関係をラインブロック単位で示すタイミングチャートである。図19Bは、実施の形態6における駆動方法2−2のPSRモード時における各走査信号線10への走査信号の供給と各駆動電極11への駆動信号の供給との関係をラインブロック単位で示すタイミングチャートである。図19A、19Bには、一例として、ラインブロックの総数が16(N=16)の場合を示す。しかし、ラインブロックの数は何ら16に限定されるものではない。図18、19A、19Bに示すように、PSRモード時は通常モード時の1/2倍のスピードで走査信号線10を走査する。
図19A、19Bは、図17A、17Bと同様の規則で示しているので、説明を省略する。なお、図19A、19Bに示すタイミングチャートは単なる一例に過ぎず、本実施の形態は、何ら図19A、19Bに示す関係に限定されるものではない。
通常モード時、走査信号は、図19Aに実線で示すように、ラインブロックの配列順、すなわち、ラインブロック10−1、10−2、・・・、10−16、といった順番で、各走査信号線10に印加される。また、駆動信号は、図19Aに破線で示すように、駆動電極11−1、11−2、・・・、11−16、といった順番で、各駆動電極11に印加される。
PSRモード時、走査信号は、図19Bに実線で示すように、ラインブロックの配列順、すなわち、ラインブロック10−1、10−2、・・・、10−16、といった順番で、各走査信号線10に印加される。この走査の順番は、図19Aに示す通常モード時と同じであるが、図19Aと図19Bとの比較からわかるように、通常モードで1画面分の走査が2回行われる期間に、PSRモードでは1画面分の走査が1回行われる。これは、PSRモードのフレームレートが通常モードのフレームレートの半分に設定されているためである。
一方、PSRモード時、駆動信号は、図19Bに破線で示すように、各ラインブロック走査期間の前半では、駆動電極11−1、11−3、・・・、11−15といった順番で奇数番目の駆動電極11に、各ラインブロック走査期間の後半では、駆動電極11−2、11−4、・・・、11−16、といった順番で偶数番目の駆動電極11に、印加される。これにより、PSRモードでは、図19Bに破線で示すように、1フレームの前半と後半でタッチ検出のための1画面分の走査を行うことができる。これは、通常モード時のタッチ検出動作と実質的に同じである。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
なお、図19Bでは、1つのラインブロック走査期間を前半と後半の2つに分けて示している。これは、図18に示すように、PSRモードのHブランク期間では、通常モードのHブランク期間に生成されるセンサ信号の2倍の数のセンサ信号を生成できるため、1つのラインブロック走査期間を前半と後半とに分けて、それぞれ異なる駆動電極11に駆動信号を印加することができるためである。
また、PSRモードでは、1つのラインブロック走査期間の前半に生成されるセンサ信号の数と後半に生成されるセンサ信号の数とは、それぞれが、通常モードの1ラインブロック走査期間に生成されるセンサ信号の数に等しい。したがって、PSRモードでは、1つのラインブロック走査期間を前半と後半に分け、それぞれで異なる駆動電極11に駆動信号を印加してタッチ検出のための走査を行っても、1回のレポートレートの精度は、通常モード時と実質的に差は生じない。
なお、図19A、19Bにおいて、通常モード時の時間が“16”を示したとき、PSRモード時の時間は“8”に相当するが、このとき、PSRモードではタッチ検出のための走査が1画面分なされているので、タッチした座標位置のレポートを出力するタイミングは、PSRモードと通常モードとで実質的に同じになる。
なお、図19A、19Bに示す各信号の印加の順番は一例に過ぎず、本実施の形態は何らこれらの順番に限定されない。
[6−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときには、1水平走査期間(例えば、第1のタイミング信号の1周期)の間に、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作するときの1水平走査期間よりも多くの数の駆動信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、表示装置が第1のモード(通常モード)および第2のモード(PSRモード)のいずれで動作するときも、Hブランク期間にのみ駆動信号を生成するように構成されている。例えば、センサ制御回路は、PSRモードのHブランク期間に、通常モードのHブランク期間に生成される駆動信号の2倍の数の駆動信号を生成する。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モード、PSRモードともに、Hブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態7)
次に、図20を用いて、駆動方法3−2で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図20に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態3に示した駆動方法3−1と実質的に同じであるので、駆動方法3−2と呼称する。すなわち、駆動方法3−2では、PSRモード時に、各走査信号間のHブランク期間を通常モード時よりも長くする。また、駆動方法3−2では、PSRモード時に、Hブランク期間を延長したことを利用してセンサ信号を生成するため、Vブランク期間に生成されるセンサ信号の数は通常モード時と同等でかまわない。本実施の形態では、PSRモードのVブランク期間の長さは通常モードのVブランク期間と実質的に変わらない。
[7−1.構成]
実施の形態7における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[7−2.動作]
図20は、実施の形態7における駆動方法3−2のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、駆動方法3−2の通常モードにおける動作は、実施の形態3に示した駆動方法3−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図20に示すように、駆動方法3−2におけるPSRモードにおいては、各走査信号線10に印加する走査信号の1周期(走査信号の立ち上がりエッジから次の走査信号の立ち上がりエッジまでの期間)が、通常モードよりも長くなる。図20には、通常モードでは1フレーム60Hzで動作し、PSRモードでは1フレーム30Hzで動作する例を示す。図20に示すように、PSRモード時の走査信号の1周期、すなわちタイミング信号1の1周期の時間を、通常モード時の2倍にすることで、PSRモードでは1フレームあたりの時間が通常モード時の2倍(例えば、フレームレート30Hz)相当になる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
センサ制御回路13は、通常モード時には、図20に示すように、Vブランク期間のみに、駆動信号を駆動電極11に印加するようセンサ駆動回路26を制御する。しかし、センサ制御回路13は、PSRモード時には、図20に示すように、Vブランク期間だけではなく、Hブランク期間にもセンサ駆動回路26が駆動電極11に駆動信号を印加するよう、センサ信号を生成する。
これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
[7−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき表示装置が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときはVブランク期間にのみ駆動信号を生成し、PSRモード信号に基づき表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときはHブランク期間およびVブランク期間に駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モードではVブランク期間にのみ、PSRモードではHブランク期間とVブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態8)
次に、図21を用いて、駆動方法4−2で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図21に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態4に示した駆動方法4−1と実質的に同じであるので、駆動方法4−2と呼称する。すなわち、駆動方法4−2では、PSRモード時に、各走査信号間のHブランク期間を通常モード時よりも長くする。また、駆動方法4−2では、PSRモード時に、Hブランク期間を延長したことを利用してセンサ信号を生成するため、Vブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
[8−1.構成]
実施の形態8における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[8−2.動作]
図21は、実施の形態8における駆動方法4−2のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、駆動方法4−2の通常モードにおける動作は、実施の形態4に示した駆動方法4−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図21に示すように、駆動方法4−2におけるPSRモードにおいては、各走査信号線10に印加する走査信号の1周期(走査信号の立ち上がりエッジから次の走査信号の立ち上がりエッジまでの期間)が、通常モードよりも長くなる。図21には、通常モードでは1フレーム60Hzで動作し、PSRモードでは1フレーム30Hzで動作する例を示す。図21に示すように、PSRモード時の走査信号の1周期、すなわちタイミング信号1の1周期の時間を、通常モード時の2倍にすることで、PSRモードでは1フレームあたりの時間が通常モード時の2倍(例えば、フレームレート30Hz)相当になる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
図21に示すように(または図14で示したように)、センサ制御回路13は、通常モード時には、ラインブロック走査期間とラインブロック走査期間との間、および1フレームの最後のラインブロック走査期間の終了直後、に設けられた休止期間t5に、センサ信号を生成し、センサ駆動回路26を制御する。しかし、図21に示すように、PSRモード時には、センサ制御回路13は、休止期間t5に加えて、Hブランク期間内にもセンサ信号を生成する。従って、センサ駆動回路26は、PSRモード時には、休止期間t5に加えて、Hブランク期間内にも駆動電極11に駆動信号を印加することができる。
具体的には、Hブランク期間では、駆動電極11−1、11−3、・・・、11−(N−1)、といった順番で、奇数番目の駆動電極11に駆動信号が順次印加される。また、休止期間t5では、駆動電極11−2、11−4、・・・、11−N、といった順番で、偶数番目の駆動電極11に駆動信号が順次印加される。これにより、1画面の半分の走査信号線10に走査信号を順次印加する期間に、1画面分の駆動電極11に駆動信号を順次印加することができる。すなわち、1画面分の走査信号線10に走査信号を順次印加する期間(PSRモード時の1フレーム期間)に、1画面分の駆動電極11に駆動信号を順次印加する動作を2回繰り返すことができる。
なお、駆動電極11に駆動信号を印加する順番は何ら上述の順番に限定されるものではない。PSRモード時の1フレーム期間に、1画面分の駆動電極11に駆動信号を順次印加する動作を2回繰り返すことができればよい。
これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
[8−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、所定の数の走査信号線に走査信号が印加される毎に休止期間を設けて動作するように構成されている。タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき表示装置が第1のモード(通常モード)で動作すると判断したときは休止期間にのみ駆動信号を生成し、PSRモード信号に基づき表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときは休止期間およびHブランク期間に駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態では、通常モードにおいては休止期間にのみ、PSRモードにおいては休止期間とHブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態9)
次に、図22を用いて、駆動方法1−3で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図22に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態1に示した駆動方法1−1と実質的に同じであるので、駆動方法1−3と呼称する。すなわち、駆動方法1−3では、PSRモードにおいて、表示装置が走査信号を走査信号線10に順次印加しない(非順次印加する)駆動(例えば、インターレース駆動)をする。また、駆動方法1−3では、PSRモード時に、インターレース駆動時に待機状態となる時間を利用してセンサ信号を生成するため、Vブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
なお、インターレース駆動とは、奇数番目の走査信号線10に対して走査信号を順次印加する動作と偶数番目の走査信号線10に対して走査信号を順次印加する動作とを交互に繰り返す駆動であるが、上述の「表示装置が走査信号を走査信号線10に順次印加しない駆動」は、何らインターレース駆動に限定されるものではない。
[9−1.構成]
実施の形態9における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[9−2.動作]
図22は、実施の形態9における駆動方法1−3のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。なお、図22では、説明を簡略化するために、Vブランク期間を省略している。
なお、駆動方法1−3の通常モードにおける動作は、実施の形態1に示した駆動方法1−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
図22に示すように、駆動方法1−3のPSRモードにおけるインターレース駆動では、まず、走査信号線G1−1から1列飛ばしで、走査信号線G1−1、G1−3、G1−5、…、GN−(M−1)、の順に、奇数列の走査信号線10に順次走査信号を印加する。こうして第1フィールドが終了する。次に、走査信号線G1−2から1つ飛ばしで、走査信号線G1−2、G1−4、G1−6、…、GN−M、の順に、偶数列の走査信号線10に順次走査信号を印加する。こうして第2フィールドが終了する。インターレース駆動では、第1フィールドと第2フィールドとで1つのフレームとなる。したがって、これらの一連の動作が終わると、表示装置の全画面が更新されたことになる。図22に示す例では、表示装置は、通常モード時はフレーム周波数60Hzで動作し、PSRモード時はフィールド周波数60Hzで動作する。この場合、PSRモード時の動作は、1画面の表示更新が1秒間に何回なされるかを表すフレーム周波数に換算すると、30Hz相当になる。
なお、実施の形態9および以降の実施の形態では、奇数列の走査を行う第1フィールドと偶数列の走査を行う第2フィールドによって1フレームを構成するインターレース駆動を例にとって説明する。しかし、これはPSRモード時のインターレース駆動の一例に過ぎず、本実施の形態は何らこの構成に限定されない。例えば、PSRモード時に次のようなインターレース駆動が表示装置で行われてもよい。まず、走査信号線G1−1、G1−4、G1−7、…の順に走査信号線G1−1から2列飛ばしで順次走査信号を印加して1フィールドを終了する。次に、走査信号線G1−2、G1−5、G1−8、…と、走査信号線G1−2から2列飛ばしで順次走査信号を印加して次の1フィールドを終了する。次に、走査信号線G1−3、G1−6、G1−9、…と走査信号線G1−3から2列飛ばしで順次走査信号を印加して次の1フィールドを終了する。この場合、3つのフィールドで1つのフレームとなる。したがって、これらの一連の動作が終了すると、表示装置の1画面が更新されたことになる。この例の場合、フィールド周波数60Hzで表示装置が動作すると、PSRモード時の動作は、フレーム周波数に換算すると20Hz相当になる。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
図22の場合、走査信号線G1−1に走査信号が印加された後、図22に破線で示すように通常モードでは走査信号線G1−2に走査信号が印加されるときに、タイミング信号1が走査線駆動回路23に入力されない。そのため、PSRモードでは、通常モードとは異なり、走査信号線G1−1に走査信号が印加された直後に走査信号線G1−2には走査信号が印加されない。従って、通常モードでは走査信号線G1−2に走査信号を印加する時間は、PSRモードでは待機状態となる。
そして、PSRモードのとき、センサ制御回路13は、走査信号線G1−1、G1−3、G1−5、・・・、といった奇数列の走査信号線10に走査信号を印加する期間に加え、図22に破線で示す待機状態の期間(通常モードで走査信号線G1−2、G1−4、G1−6、・・・、といった偶数列の走査信号線10に走査信号を印加する期間)にもセンサ信号を生成する。センサ駆動回路26は、センサ信号に応じて駆動電極11に駆動信号を印加する。図示はしていないが、次のフィールドでは、同様に、センサ制御回路13は、走査信号線G1−2、G1−4、G1−6、G1−8、・・・、といった偶数列の走査信号線10に走査信号を印加する期間に加え、待機状態の期間(通常モードで走査信号線G1−1、G1−3、G1−5、・・・、といった奇数列の走査信号線10に走査信号を印加する期間)にもセンサ信号を生成する。センサ駆動回路26は、センサ信号に応じて駆動電極11に駆動信号を印加する。
これにより、PSRモードでは、1フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドのそれぞれで、タッチ検出のための1画面分の走査を行うことができる。これは、通常モード時のタッチ検出動作と実質的に同じである。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
[9−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。具体的には、PSRモード信号がLoレベルからHiレベルに変位したことを検出すると、通常モードからPSRモードに移行したと判断する。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、第2のモード(PSRモード)では走査信号を走査信号線10に順次印加しない(例えば、インターレース駆動で動作する)ように構成されている。タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときには、1水平走査期間(例えば、第1のタイミング信号の1周期)の間に、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作するときの1水平走査期間よりも多くの数の駆動信号を生成するように構成されている。具体的には、タッチコントローラは、表示装置でインターレース駆動が行われるときには、走査信号線10に走査信号が印加される期間に加え、走査信号線10に走査信号が印加されない待機状態の期間においても、駆動信号を生成する。このように、本実施の形態の入力装置では、表示装置がインターレース駆動されている場合に、インターレース駆動により生まれた時間を利用して、タッチ検出を行う。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
(実施の形態10)
次に、図23を用いて、駆動方法2−3で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図23に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態2に示した駆動方法2−1と実質的に同じであるので、駆動方法2−3と呼称する。すなわち、駆動方法2−3では、PSRモードにおいて、表示装置がインターレース駆動をする。また、駆動方法2−3では、PSRモード時に、インターレース駆動を行う際に待機状態となる時間を利用してセンサ信号を生成するため、Vブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
[10−1.構成]
実施の形態10における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[10−2.動作]
図23は、実施の形態10における駆動方法2−3のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、駆動方法2−3の通常モードにおける動作は、実施の形態2に示した駆動方法2−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
また、図23に示すインターレース駆動の動作自体は、実施の形態9に示した、走査信号線10を奇数列と偶数列に分けてそれぞれ走査するインターレース駆動の動作と実質的に同じであるので、説明を省略する。図23に示す例では、表示装置は、通常モード時はフレーム周波数60Hzで動作し、PSRモード時はフィールド周波数60Hzで動作する。したがって、PSRモード時の動作は、フレーム周波数に換算すると、30Hz相当になる。
実施の形態2で説明したように、本駆動方法の通常モードでは、走査信号線10(例えば、走査信号線G1−1)に走査信号を印加し終えてから、次の走査信号線10(例えば、走査信号線G1−2)に走査信号を印加するまでの間にHブランク期間を設けている。そして、駆動方法2−3のPSRモードにおけるインターレース駆動でも、通常モードと同様のタイミングでHブランク期間を設けている。
PSRモードでは、図23に破線で示すように、奇数列の走査信号線10(例えば、走査信号線G1−1)に走査信号を印加し終えた後、隣接する偶数列の走査信号線10(例えば、走査信号線G1−2)には走査信号を印加せず、実施の形態9と同様の待機状態の期間を設ける。本実施の形態のPSRモードでは、走査信号線10に走査信号を印加し終えてから、この待機状態までの間にHブランク期間を設けている。そして、破線で示す待機状態の後から、次の走査信号線10(例えば、走査信号線G1−3)に走査信号を印加するまでの間にも、Hブランク期間を設けている。そして、センサ制御回路13は、このHブランク期間にセンサ信号を生成する。したがって、本実施の形態では、通常モードとPSRモードとで、センサ信号が生成されるタイミングおよびセンサ信号の生成数(通常モードでは1フレーム期間の生成数、PSRモードでは1フィールド期間の生成数)は、実質的に等しい。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき表示装置が通常モードからPSRモードに移行したと判断すると、走査信号線10に走査信号を印加し終えてから、図23に破線で示す待機状態までの間のHブランク期間にセンサ信号を生成する。センサ駆動回路26は、センサ制御回路13より入力されるセンサ信号に応じて、駆動電極11に駆動信号を印加する。
これにより、PSRモードでは、1フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドのそれぞれで、通常モード時の1フレーム期間と同様に、タッチ検出のための1画面分の走査を行うことができる。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
[10−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、第2のモード(PSRモード)では走査信号を走査信号線10に順次印加しない(例えば、インターレース駆動で動作する)ように構成されている。タッチコントローラは、PSRモード信号に基づき表示装置が第2のモード(PSRモード)で動作すると判断したときには、1水平走査期間(例えば、第1のタイミング信号の1周期)の間に、表示装置が第1のモード(通常モード)で動作するときの1水平走査期間よりも多くの数の駆動信号を生成するように構成されている。
そして、タッチコントローラは、表示装置が第1のモード(通常モード)および第2のモード(PSRモード)のいずれで動作するときも、Hブランク期間にのみ駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モード、PSRモードともに、Hブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態11)
次に、図24を用いて、駆動方法3−3で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図24に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態3に示した駆動方法3−1と実質的に同じであるので、駆動方法3−3と呼称する。すなわち、駆動方法3−3では、PSRモードにおいて、表示装置がインターレース駆動をする。また、駆動方法3−3では、PSRモード時に、各フィールドの最後にVブランク期間を設けており、PSRモードのVブランク期間の長さは通常モードのVブランク期間と実質的に変わらない。そのため、PSRモードの各Vブランク期間に生成されるセンサ信号の数は、通常モードのVブランク期間に生成されるセンサ信号の数と同等でかまわない。
[11−1.構成]
実施の形態11における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[11−2.動作]
図24は、実施の形態11における駆動方法3−3のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、駆動方法3−3の通常モードにおける動作は、実施の形態3に示した駆動方法3−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
また、図24に示すインターレース駆動の動作自体は、実施の形態9に示した、奇数列の走査信号線10に走査信号を印加する第1フィールドの後、偶数列の走査信号線10に走査信号を印加する第2フィールドを発生するインターレース駆動の動作と実質的に同じであるので、説明を省略する。図24に示す例では、表示装置は、通常モード時はフレーム周波数60Hzで動作し、PSRモード時はフィールド周波数60Hzで動作する。したがって、PSRモード時の動作は、フレーム周波数に換算すると、30Hz相当になる。
本実施の形態では、通常モードでは、1フレームの最後の走査信号(例えば、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)の生成後にVブランク期間が存在するが、PSRモードでは、奇数列の走査信号線10を走査する第1フィールドの最後の走査信号(例えば、走査信号線GN−(M−1)に印加する走査信号)の生成後と、偶数列の走査信号線10を走査する第2フィールドの最後の走査信号(例えば、走査信号線GN−M)に印加する走査信号)の生成後にVブランク期間を設ける。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
そして、センサ制御回路13は、各Vブランク期間にセンサ信号を生成する。PSRモード時には、センサ制御回路13は、奇数列の走査信号線10を走査する第1フィールドの最後の走査信号の生成後のVブランク期間と、偶数列の走査信号線10を走査する第2フィールドの最後の走査信号の生成後のVブランク期間のそれぞれでセンサ信号を生成する。センサ駆動回路26は、センサ制御回路13より入力されるセンサ信号に応じて、各Vブランク期間に駆動電極11に駆動信号を印加する。
上述したように、通常モードのフレーム周波数とPSRモードのフィールド周波数は実質的に等しい。したがって、本実施の形態では、通常モードとPSRモードとで、センサ信号が生成されるタイミングおよびセンサ信号の生成数(通常モードでは各フレームのVブランク期間における生成数、PSRモードでは各フィールドのVブランク期間における生成数)は、実質的に等しい。
これにより、PSRモードでは、1フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドのそれぞれで、通常モード時の1フレーム期間と同様に、タッチ検出のための1画面分の走査を行うことができる。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
[11−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、第2のモード(PSRモード)では、走査信号を走査信号線10に順次印加しないように(例えば、インターレース駆動で)動作し、1フレームに発生するVブランク期間の数が、第1のモード(通常モード)で動作するときより多くなるように構成されている。タッチコントローラは、表示装置が第1のモード(通常モード)および第2のモード(PSRモード)のいずれで動作するときも、Vブランク期間にのみ駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モード、PSRモードともに、Vブランク期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態12)
次に、図25を用いて、駆動方法4−3で表示装置を駆動する場合の動作について説明する。
図25に示す本実施の形態の駆動方法は、以下の点を除き、実施の形態4に示した駆動方法4−1と実質的に同じであるので、駆動方法4−3と呼称する。すなわち、駆動方法4−3では、PSRモードにおいて、表示装置がインターレース駆動をする。また、駆動方法4−3では、PSRモード時の1フィールド期間に発生する休止期間の数を、通常モード時の1フレーム期間に発生する休止期間の数と実質的に同等にする。したがって、PSRモードのVブランク期間にセンサ信号を生成しなくてもよい。
[12−1.構成]
実施の形態12における表示装置は、実施の形態1に示した表示装置100と実質的に同じ構成であるので、説明を省略する。また、タッチコントローラで行われる表示装置の動作モードの判断も、実施の形態1と同様にPSRモード信号に基づき行われる構成であるので、説明を省略する。
[12−2.動作]
図25は、実施の形態12における駆動方法4−3のPSRモード時における走査信号と駆動信号のタイミングチャートである。
なお、駆動方法4−3の通常モードにおける動作は、実施の形態4に示した駆動方法4−1と実質的に同様であるので、説明を省略する。
また、図25に示すインターレース駆動の動作自体は、実施の形態9に示した、奇数列の走査信号線10に走査信号を印加する第1フィールドと、偶数列の走査信号線10に走査信号を印加する第2フィールドとで1フレームを構成するインターレース駆動の動作と実質的に同じであるので、説明を省略する。図25に示す例では、表示装置は、通常モード時はフレーム周波数60Hzで動作し、PSRモード時はフィールド周波数60Hzで動作する。したがって、PSRモード時の動作は、フレーム周波数に換算すると、30Hz相当になる。
駆動方法4−3のPSRモードでは、所定の数の走査信号線10に走査信号を印加する毎に休止期間を設ける。図25に示す例では、所定の数は、1ラインブロックを構成する走査信号線10の数の1/2(例えば、M/2本)である。具体的には、例えば奇数列の走査信号線10に走査信号を印加する第1フィールドでは、まず、ラインブロック10−1を構成する走査信号線10のうちの奇数列の走査信号線G1−1、G1−3、・・・、G1−(M−1)、に順次走査信号を印加した後に休止期間を設け、次に、ラインブロック10−2を構成する走査信号線10のうちの奇数列の走査信号線G2−1、G2−3、・・・、G2−(M−1)、に順次走査信号を印加した後に休止期間を設け、というように、各ラインブロック走査期間が終了した直後に、それぞれ休止期間を設ける。図示していないが、偶数列の走査信号線10に走査信号を印加する第2フィールドでは、まず、ラインブロック10−1を構成する走査信号線10のうちの偶数列の走査信号線G1−2、G1−4、・・・、G1−M、に順次走査信号を印加した後に休止期間を設け、次に、ラインブロック10−2を構成する走査信号線10のうちの偶数列の走査信号線G2−2、G2−4、・・・、G2−M、に順次走査信号を印加した後に休止期間を設け、というように、各ラインブロック走査期間が終了した直後に、それぞれ休止期間を設ける。そして、休止期間の後に、次のラインブロック走査期間を開始する。
これにより、駆動方法4−3では、PSRモードの各フィールドで発生する休止期間の数を、通常モードの各フレームにおいて発生する休止期間の数に等しくすることができる。
また、駆動方法4−3では、PSRモードにおける所定の数(例えば、M/2本)は、通常モードにおける所定の数(例えば、M本)の半分になる。そのため、PSRモードのラインブロック走査期間の長さは、通常モードのラインブロック走査期間の長さの実質的に半分となり、これによりPSRモードの休止期間の長さを、通常モードの休止期間と同等以上に設定できる。駆動方法4−3では、センサ制御回路13は、休止期間にセンサ信号を生成する。したがって、センサ制御回路13は、PSRモードの休止期間に発生するセンサ信号の数を、通常モードの休止期間に発生するセンサ信号の数と同等以上にできる。そのため、駆動方法4−3では、PSRモードにおいて、Vブランク期間にセンサ信号を生成せずとも、タッチパネルのレポートレートおよびタッチ検出の感度を通常モード時と同等に保つことができる。なお、通常モードにおける所定の数については、実施の形態4で説明しているので、説明を省略する。
このように、駆動方法4−3では、PSRモードにおいて、奇数列の走査信号線10を走査する第1フィールド、偶数列の走査信号線10を走査する第2フィールド、のそれぞれに対して、ラインブロック走査期間毎に休止期間を設ける。
センサ制御回路13は、PSRモード信号に基づき、表示装置の動作モードを判断する。
そして、駆動方法4−3では、センサ制御回路13は、通常モード時、PSRモード時、ともに、ラインブロック走査期間毎に設けられた休止期間にセンサ信号を生成する。図25に示す例では、ラインブロック走査期間毎に休止期間を設けることで、PSRモード時の1フィールドに発生する休止期間の数は、通常モードの1フレームに発生する休止期間の数に等しい。また、PSRモード時は、奇数列の走査信号線10を走査する第1フィールドと偶数列の走査信号線10を走査する第2フィールドとで1フレームとなるので、フレームに換算して比較するとPSRモード時に発生する休止期間の数は通常モードの2倍になる。
上述したように、通常モードのフレーム周波数とPSRモードのフィールド周波数は実質的に等しい。したがって、本実施の形態では、通常モードとPSRモードとで、センサ信号が生成されるタイミングおよびセンサ信号の生成数は、実質的に等しい。
これにより、PSRモードでは、1フレームを構成する第1フィールドと第2フィールドのそれぞれで、通常モード時の1フレーム期間と同様に、タッチ検出のための1画面分の走査を行うことができる。これにより、タッチパネルのレポートレートを、PSRモードと通常モードとで実質的に等しくすることができる。
なお、PSRモード時の1フレームに発生する休止期間の回数を、通常モード時と同程度に設定してもよい。その場合には、休止期間の回数が減少した分だけVブランク期間を長くし、Vブランク期間にセンサ信号を生成して駆動信号を駆動電極11に印加すればよい。
[12−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の入力装置において、タッチコントローラは、実施の形態1と同様に、PSRモード信号にもとづき表示装置の動作モードを判断するように構成されている。また、表示装置の信号制御装置は、実施の形態1と同様に、表示装置の動作モードをタッチコントローラに通知するPSRモード信号を生成するように構成されている。
そして、表示装置は、第2のモード(PSRモード)では走査信号を走査信号線10に順次印加しないように(例えば、インターレース駆動で)動作し、第1のモード(通常モード)と第2のモード(PSRモード)ともに所定の数の走査信号線10に走査信号が印加される毎に休止期間を設けて動作し、第2のモード(PSRモード)で動作するときは、第1のモード(通常モード)で動作するときよりも、1フレーム期間に発生する休止期間の数が多くなるように構成されている。タッチコントローラは、表示装置が第1のモード(通常モード)および第2のモード(PSRモード)のいずれで動作するときも、休止期間にのみ駆動信号を生成するように構成されている。
これにより、表示装置が通常モードからPSRモードに移行し、通常モードより低フレームレートで動作している場合においても、タッチパネルのレポートレートを通常モード時と実質的に同等に維持し、タッチ操作時の検出精度の低下を防ぐことができる。
さらに、本実施の形態の入力装置では、通常モード、PSRモードともに、休止期間にのみ駆動信号を生成してタッチ検出を行うことで、ディスプレイノイズが低減された期間にタッチ検出を行えるので、タッチ検出の感度をより向上することができる。
(実施の形態13)
次に、図26、図27を用いて実施の形態13を説明する。
実施の形態1〜12では、表示装置100の信号制御装置28がPSRモード信号を出力し、そのPSRモード信号に基づき、タッチコントローラ14のセンサ制御回路13が表示装置100の動作モードを判断する構成を説明した。そして、その判断結果および信号制御装置28から出力されるタイミング信号1、2に基づき、センサ制御回路13がセンサ信号を生成し、そのセンサ信号に基づきセンサ駆動回路26が駆動電極11に駆動信号を印加する構成を説明した。
しかし、本開示は何らこの構成に限定されない。例えば、センサ制御回路13で生成されるセンサ信号に相当する信号を表示装置の信号制御装置が生成してもよい。本実施の形態では、この構成例を説明する。
[13−1.構成]
図26は、実施の形態13におけるタッチセンサ機能を備えた表示装置200の全体構成を示すブロック図である。
図26に示すように、表示装置200は、液晶パネル21、バックライトユニット22、走査線駆動回路23、映像線駆動回路24、バックライト駆動回路25、信号制御装置128、タッチコントローラ114を備えている。また、タッチコントローラ114は、センサ制御回路113、センサ駆動回路26、信号検出回路27を備えている。本実施の形態において、入力装置は、実施の形態1〜12と同様に、駆動電極11と、検知電極12と、タッチコントローラ114と、を備えて構成され、この入力装置における基本的な動作も、実施の形態1〜12で説明した入力装置と実質的に同じである。
なお、本実施の形態では、図1で説明した各回路ブロックと実質的に同じ動作をする回路ブロックにはその回路ブロックと同じ符号を付与し、説明を省略する。
本実施の形態における表示装置200は、実施の形態1〜12で説明した表示装置100と実質的に同じ動作をするが、信号制御装置128、タッチコントローラ114(センサ制御回路113)の動作に、実施の形態1〜12で説明した信号制御装置28、タッチコントローラ14(センサ制御回路13)の動作と異なる点がある。以下、その動作について説明する。
実施の形態1〜12では、信号制御装置28は、表示装置100の動作モードをセンサ制御回路13に通知するため、PSRモード信号を生成した。そして、センサ制御回路13は、表示装置100の動作モードに応じてセンサ信号を生成した。
本実施の形態の表示装置200は、実施の形態1〜12で説明したセンサ信号に相当する信号を第3のタイミング信号(以下、「タイミング信号3」と記す)として信号制御装置128が生成するように構成されている。したがって、センサ制御回路113はセンサ信号を生成しなくてもよい。そのため、信号制御装置128は、表示装置200の動作モードをセンサ制御回路113に通知しなくてもよいので、PSRモード信号を出力しない。
なお、実施の形態1〜12で説明したタイミング信号1、2は、信号制御装置28と同様に信号制御装置128で生成され、各回路に供給される。
タイミング信号3は、タイミング信号1、2とともに信号制御装置128からセンサ制御回路113に入力される。タイミング信号3は、センサ制御回路113を通してセンサ駆動回路26に入力され、センサ駆動回路26は、タイミング信号3に基づき駆動電極11に駆動信号を印加する。
タイミング信号3は、実施の形態1〜12で説明したセンサ信号と実質的に同じ信号であるので、説明を省略する。また、このタイミング信号3が入力されるタッチコントローラ114のセンサ駆動回路26は、実施の形態1〜12で説明したセンサ駆動回路26と実質的に同じ動作をするので、説明を省略する。
[13−2.動作]
次に、本実施の形態における表示装置200の動作の一例を、図27を用いて説明する。
表示装置200は、実施の形態1〜12で説明した表示装置100の各動作と実質的に同じ動作をする。ここでは、一例として、実施の形態1で説明した駆動方法1−1のPSRモード時の動作を表示装置200が行うときのタイミングチャートを示す。
図27は、実施の形態13における駆動方法1−1のPSRモード時におけるタイミングチャートである。
図27に示すタイミングチャートは、図9に示した駆動方法1−1のPSRモード時のタイミングチャートと実質的に同じであるので、繰り返しの説明を省略する。ただし、本実施の形態では、センサ制御回路113がセンサ信号を生成するのではなく、センサ信号と実質的に同じ信号であるタイミング信号3が信号制御装置128で生成されてセンサ駆動回路26に入力される点が、図9に示したタイミングチャートと異なる。
[13−3.効果等]
以上のように、本実施の形態の表示装置200は、実施の形態1〜12で説明したセンサ信号に相当するタイミング信号3を信号制御装置128が生成する。
表示装置200をこのように構成しても、実施の形態1〜12に説明したタッチ検出と実質的に同じ検出精度でタッチ検出を行うことが可能であり、実施の形態1〜12に説明した効果と実施的に同じ効果を得ることができる。
なお、通常モード時に、タイミング信号3をタイミング信号1と同じ信号にして出力するように信号制御装置128を構成してもよい。また、PSRモード時に、タイミング信号1が出力されない期間が所定の期間を超えたときにタイミング信号3を出力するように、信号制御装置128を構成してもよい。
(他の実施の形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施の形態1〜13を説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施の形態にも適用できる。また、上記実施の形態1〜13で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
そこで、以下、他の実施の形態を例示する。
本開示に示した実施の形態1〜4においては、最後の走査信号(例えば、走査信号線GN−Mに印加する走査信号)が走査線駆動回路23から出力されてから次のフレームが開始するまでのVブランク期間の間は、信号制御装置28からタイミング信号1が出力されないとした。しかし、信号制御装置28は、所定のタイミングでタイミング信号1を出し続けてもよい。また、最後の走査信号が出力された後は、所定のタイミングが変化してもよい。この場合、センサ制御回路13は、タイミング信号1の数をカウントしておくことで、最後の走査信号がどれかを認識することができる。また、センサ制御回路13は、タイミング信号2が入力されると、カウントをリセットすればよい。
上記のような場合でも、実施の形態1〜4では、PSRモード信号に基づきPSRモードに移行したとセンサ制御回路13で判断されたときは、タッチコントローラ14は、上述したように、Vブランク期間に駆動信号を生成するので、タッチパネルはVブランク期間も継続してタッチ検出を行うことができる。そのため、タッチパネルのレポートレートは、PSRモードのときも、通常モードと同様のレベルに維持され、PSRモード時にタッチ検出の時間的な分解能が低下することは防止される。
なお、実施の形態1〜13では、通常モードである第1のモードとPSRモードである第2のモードとのいずれかで表示装置が駆動される例を説明したが、表示装置はそれら以外のモードで駆動されてもよい。
なお、実施の形態1〜13では、1つの検知電極12に対して1つの検出回路を設けて信号検出回路27を構成する例を説明したが、例えば、複数の検知電極12群に1つの検出回路を設けて信号検出回路27を構成してもよい。このときは、駆動電極11に印加される複数回のパルス電圧に関して、複数の検知電極12で検出信号Rxvの監視を時分割で行い、検出信号Rxvを検出するように構成してもよい。
なお、駆動電極11に一度に連続して印加されるパルス数は1つ、又は2つに限定されるものではなく、3以上の複数個でも構わない。
なお、図14、図15、図18、図20、図21、図24、図25、等の図面に、パルス幅が比較的狭いセンサ信号および駆動信号を示したが、これは図面のスペースの関係でこのような記載をしているに過ぎない。各パルス幅は表示装置やパネルの仕様等に応じて適切に設定することが望ましい。
なお、上述の実施の形態に示した数値、例えば、フレーム周波数等の数値は、単なる一例に過ぎず、本開示は何らこれらの数値に限定されるものではない。