JP6074204B2 - 地中埋設管の充填工法 - Google Patents
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Description
ところが、充填材の圧送を行うポンプには自ずと限界があり、また、管路には前述の越し部が設けられているため、圧送距離を長く設定すると、その一部に空隙ができて完全な充填ができない場合がある。従って、従来の工法では、圧送距離を伸ばすのには限界があった。
本発明は、圧送距離を伸ばすことには障害となっていた上げ越し部を利用することによって、圧送距離を伸ばすことを可能にする地中埋設管の充填工法の提供を目的とする。
前記管路には、上流側から下流側に向かうに従って上昇した後下降する上げ越し部を備えるものを選択する。そして、前記充填材を前記充填部から下流へ圧送する圧送工程を行う際に、上げ越し部に備えられた空気抜き孔から、管路内の空気及び前記充填材を吸引する吸引工程を行なうことを特徴とする。
なお、前記空気抜き孔は、充填対象の上げ越し部に既設の設備として設けられているものを利用することができるが、空気抜き孔が設けられていない上げ越し部にあっては、新たに設けるようにしてもよい。
この充填工法の実施に際しては、前記管路として、前記上げ越し部を複数備えた管路を選択することが能率的である。そして、まず充填部に近い上げ越し部を選択し、選択された上げ越し部の空気抜き孔から管路内の空気及び前記充填材を吸引する吸引工程を、前記圧送工程と共に行う。
そして、この吸引工程を行なった上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程とを行い、前記充填材が到達したことを確認した後、前記確認工程を行なった前記上げ越し部よりも下流に位置する上げ越し部を選択し、選択された上げ越し部の空気抜き孔から管路内の空気及び前記充填材を吸引する吸引工程と、この吸引工程を行なった上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程とを行う。
この吸引工程と確認工程とを、順次、下流の上げ越し部に対して行なうことによって、前記到達部までの充填を行なうものである。
前記吸引工程を行なう際には、他の上げ越し部の空気抜き孔を閉じると共に、到達部を閉じておき、前記到達部に近い前記上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程を行なった後に、前記到達部を開いて、前記到達部までの充填を行なうようにすることが望ましい。
本発明の導管内充填工法は、上下水道、ガス、電気、通信等々の種々の用途のための管路の内部に、流動性を有する充填材を充填するものであり、地中に埋設された導管を主な対象物としているが、地上や架空の導管に対して同様な充填工法を採ることもできる。管路は、1又は複数本のパイプによって構成されるもので、これらのパイプの材質は、合成樹脂、金属、コンクリートなどが一般的であるが、その材質に関わらず、本発明の工法を適用することができる。
充填材には、スラリーモルタルやソイルモルタルなどのモルタル、流動化処理土、合成樹脂などの各種の流動性を有する充填材を用いることができる。この充填材には、フロー値が350〜450mm程度のものが適しているが、これに限らず、ポンプによって圧送又は吸引が可能であることを条件に、適宜変更して実施することができる。
通常管路は、連続した状態で地中等に配置されているため、一定の区間で管路を切断して、上流端に充填部22を設定し、下流端に到達部23を設定する。上記の充填部22と到達部23を設定する区間の長さは、最小値では数mでもよく、最大値は、空気抜き孔31〜34から管路内を吸引する箇所を増やしていくことによって、理論的には無限にその距離を延ばすことができるが、実際上は700m程度までであれば無理なく実施できると考えられる。具体的には、充填部22と到達部23とは、それぞれ管路の端を封止部材24で封止する。充填部22の封止部材24の上部には充填口25が設けられており、到達部23の封止部材24の上部には、到達口26が設けられている。充填口25は、充填材を送り込むことができる細管体であり、必要に応じて、閉止バルブを設けて、開閉可能とする。到達口26は、到達した充填材等を吐出させるための細管体であり、必要に応じて、閉止バルブを設けて、開閉可能とする。さらに、必要に応じて、充填部22及び到達部23の夫々の封止部材24には、上部にエア抜き口27を設け、下部に水抜き口28を設ける。エア抜き口27、水抜き口28は、管路内の空気又は水を排出することができる細管体であり、必要に応じて、閉止バルブを設けて、開閉可能とする。
本発明に係る導管内への充填は、充填材を充填口25から下流へ送る圧送工程として実施される。この工程は、上流の充填口25から、下流の到達口26へ充填材を圧送するもので、充填口25に接続されたポンプ(図示せず)によって、充填材を下流方向に圧送する。ポンプの種類は特に問わないが、土木建築分野において種々の充填作業に用いられるサンドポンプやスクイーズポンプ等を利用することができる。
以下、図1を参照して、本発明の充填工法によって、複数の上げ越し部を挟んで、充填部22と到達部23とを設定した場合の、充填方法を順に説明する。
この図1の例では、上流から下流に向けて、4つの上げ越し部が配置され、各上げ越し部にはそれぞれ空気抜き孔31〜34が配置されている。
まず、充填部22の充填口25にポンプを接続し、充填材を充填する圧送工程を行うに際して、充填部22に最も近い上げ越し部を選択し、その空気抜き孔31から管路内の空気及び前記充填材を吸引する第1の吸引工程を行う。その際、他の空気抜き孔32〜34と到達部23とは閉じておくことが望ましい。
この吸引工程は、空気抜き孔31にバキュームポンプなどの吸引ポンプを接続して行うことができ、バキューム車を空気抜き孔31が設けられた付近に止めて、そのバキュームポンプを空気抜き孔31に接続して行うことで、ポンプの移動を簡単に行うことができる。
確認工程によって、空気抜き孔31に、充填材が到達したことを確認する(図1(B))。充填材の到達が確認されたら、第2の吸引工程に移る。なお、充填材が到達したことを確認できた後、吸引ポンプを逆転させるなどして、充填材を上流側に移動させる逆送工程を行うこともできる。この逆送工程によって、上げ越し部のベンド管周辺に出来るおそれのある空隙部を少なくすることができる。逆送工程を行った後には、再度吸引を行ってもよく、吸引を行わずに第2の吸引工程に移ってもよい。
第1の吸引工程を行った空気抜き孔31よりも下流の、空気抜き孔32から管路内の空気及び充填材を吸引する第2の吸引工程を、充填部22からの充填の圧送と共に行う。その際、他の空気抜き孔31、33、34と到達部23とは閉じておくことが望ましい。
(確認工程)確認工程によって、空気抜き孔32に、充填材が到達したことを確認し、充填材の到達が確認されたら、第3の吸引工程に移る。
上記の吸引工程と確認工程とを、順次、下流の上げ越し部に対して行なう。即ち、空気抜き孔33からの第3の吸引工程(図1(D))、空気抜き孔34からの第4の吸引工程(図1(F))を行う。
最後に、全ての空気抜き孔31〜34を閉じて、到達部23までの充填を行なう(図1(G))。その際、到達部23の充填口に吸引ポンプを接続して吸引を行なうようにすることもできる。
23 到達部
31 第1の上げ越し部の空気抜き孔
32 第2の上げ越し部の空気抜き孔
33 第3の上げ越し部の空気抜き孔
34 第4の上げ越し部の空気抜き孔
Claims (3)
- 地中に埋設された管路の上流端に充填部を設け、前記管路の下流端に到達部を設け、前記充填部から下流に向けて流動性を有する充填材を圧送することで、前記管路内を前記充填材で充填する地中埋設管の充填工法において、
前記管路は、上流側から下流側に向かうに従って上昇した後下降する上げ越し部を備えるものであり、
前記充填材を前記充填部から下流へ圧送する圧送工程を行う際に、
上げ越し部に備えられた空気抜き孔から、前記管路内の空気及び前記充填材を吸引ポンプにより吸引する吸引工程を行なうものであり、
充填材には、モルタル、流動化処理土、合成樹脂からなる群から選択されたフロー値が350〜450mmの流動性を有する充填材を用い、
前記充填部からの充填材の圧送は、サンドポンプ又はスクイーズポンプにより前記充填材を圧送するものであり、
前記管路は、前記上げ越し部を複数備え、
前記充填部に近い上げ越し部を選択し、選択された上げ越し部の空気抜き孔から管路内の空気及び前記充填材を吸引する吸引工程と、この吸引工程を行なった上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程とを行い、
前記充填材が到達したことを確認した後、前記確認工程を行なった前記上げ越し部よりも下流に位置する上げ越し部を選択し、選択された上げ越し部の空気抜き孔から管路内の空気及び前記充填材を吸引する吸引工程と、この吸引工程を行なった上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程とを行い、
この吸引工程と確認工程とを、順次、下流の上げ越し部に対して行なうことによって、前記到達部までの充填を行なうものであり、
前記吸引工程を行なう際には、他の上げ越し部の空気抜き孔を閉じると共に、到達部を閉じておき、
前記到達部に近い前記上げ越し部への前記充填材の到達を確認する確認工程を行なった後に、前記到達部を開いて、前記到達部までの充填を行なうことを特徴とする注埋設管の充填工法。 - 前記確認工程によって、前記充填材が到達したことを確認した後、前記充填材を上流側に移動させる逆送工程を行うことを特徴とする請求項1記載の注埋設管の充填工法。
- 前記圧送工程は、前記管路の上流端の前記充填部から行うことに加えて若しくは前記充填部に代えて、前記充填材の到達済の空気抜き孔から前記充填材を下流へ圧送するものであることを特徴とする請求項1又は2記載の注埋設管の充填工法。
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