以下の説明では、その一部を形成する添付図面を参照し、そこでは実例としていくつかの具体的な実施形態が示される。本発明の範囲又は趣旨を逸脱せずに、その他の実施形態が考えられ、実施され得ることを理解すべきである。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではない。
本明細書で使用する全ての科学用語及び専門用語は、特に指示がない限り、当該技術分野において一般的に使用される意味を有する。本明細書にて提供される定義は、本明細書でしばしば使用される幾つかの用語の理解を促進しようとするものであり、本開示の範囲を限定するものではない。
他に指示がない限り、本明細書及び特許請求の範囲で使用される特徴の大きさ、量、物理特性を表わす数字は全て、どの場合においても用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。それ故に、そうでないことが示されない限り、前述の明細書及び添付の特許請求の範囲で示される数値パラメータは、当業者が本明細書で開示される教示内容を用いて、目標対象とする所望の特性に応じて、変化し得る近似値である。
本明細書及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「a」、「an」及び「the」は、その内容が特に明確に指示しない限り、複数の指示対象を有する実施形態を包含する。内容によってそうでないことが明らかに示されない限り、本明細書及び添付の「特許請求の範囲」において使用するところの「又は」なる語は、「及び/又は」を含めた意味で広く用いられる。
本開示は、揮発性有機化合物に対する保護のために、有害な環境において使用される呼吸器系フィルタ若しくはカートリッジのものなど、フィルタ媒体の耐用期間終了を示す、又はフィルタ媒体の耐用期間終了に関連する情報をユーザーに提供するために適用することができるシステム及び装置を目的とする。本開示は、様々なフィルタシステムに関して、より正確な耐用期間終了を提供するのに役立つ。いくつかの代表的な実施形態は、レスピレータのカートリッジ及びフィルタのためのアクセサリとして提供されてもよく、一方、他の代表的な実施形態はレスピレータ及びカートリッジ全体を含むということが想定される。本開示は、様々なフィルタシステム、例えば、動力付き空気浄化レスピレータ、再利用可能なパーソナルレスピレータ、使い捨てパーソナルレスピレータ、防護服、集合保護フィルタ(collective protection filters)、及び当業者に周知の他の用途を含むパーソナルレスピレータに適用可能である。
本開示の代表的な実施形態は、1つ以上の目的とする検体を検出する、及び/又は監視するのに使用され得る。そのような検体は、監視することが望ましい、環境中(しばしば、大気環境中)に存在し得る蒸気又は気体を含むことができる。幾つかの実施形態において、検体は、有機蒸気(例えば、揮発性有機化合物)である。代表的な有機化検体としては、アルカン類、シクロアルカン類、芳香族化合物類、アルコール類、エーテル類、エステル類、ケトン類、ハロカーボン類、アミン類、有機酸類、シアン酸類、ニトレート類、及び二トリル類、例えば、n−オクタン、シクロヘキサン、メチルエチルケトン、アセトン、エチルアセテート、二硫化炭素、四塩化炭素、ベンゼン、トルエン、スチレン、キシレン、メチルクロロホルム、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、酢酸、2−アミノピリジン、エチレングリコールモノメチルエーテル、トルエン−2,4−ジイソシアネート、ニトロメタン、及びアセトニトリル等を含む置換又は非置換炭素化合物が挙げられるが、これに限定されない。有機蒸気センサは、本開示による光学式検体センサの1つの特定のタイプとして言及されているが、使用され得る他のタイプの光学式検体センサには、有機蒸気、反応性ガス、例えば酸性(例えばSO2、C12、HCl、ClO2、HCN、HF、H2S、及び窒素酸化物)、及び塩基性ガス(例えばアンモニア、メチルアミン)、及び他のガス、例えば塩化シアン及びホルムアルデヒドが挙げられる。
本開示による代表的なフィルタシステムは、図1に示され、これは動力付き空気浄化レスピレータ(PAPR)1を概略的に示す。PAPR 1は、ヘッドトップ、例えばフード12、ターボユニット14、呼吸チューブ13、及びベルト15を含む。フード12は、ユーザー11の頭部を覆って着用され、かつ少なくとも部分的にユーザーの頭部を取り囲み、呼吸ゾーン17、すなわち、ユーザーの鼻及び口の周囲の領域を形成し、これによって濾過された空気はこの呼吸ゾーン17に向けられるように構成される。フードが図1に示されているが、ユーザーの呼吸ゾーン17に空気を向けるように、ユーザーの顔の少なくとも口鼻(orinasal)領域を覆う、閉鎖したユーザー環境が形成されるのであれば、フード12は、マスク、ヘルメット又は全身スーツなど、任意の他の好適なヘッドトップで置き換えられてもよい。ターボユニット14は、ユーザーの胴体の周囲に固定できるように、ベルト15に取り付けられ得る。
ターボユニット14は、ブロワーシステム(図示せず)を収容し、これはモータ(図示せず)による動力付きファンを使用するPAPRシステムを通じて空気を引き出す。ターボユニットは電源、例えばバッテリーパック10を更に含み得る。ターボユニット14は、呼吸チューブ13を通じてフード12に空気を供給し、これはターボユニット14の排気口18とフード12の入口19との間で接続される。ターボユニット14は、内部に含まれるフィルタ媒体が気流経路にあり、好ましくはブロワーのファン開口部の上流に配置されるように、配置されるフィルタカートリッジ(図2に示す)を含む。本開示の典型的な実施形態において、フィルタカートリッジは、ターボユニットに対して取り外し可能であり、かつ交換可能である。フィルタカートリッジを設ける目的は、空気がユーザー11に送達される前に、少なくとも一定量の汚染物質、例えば粒子及び/又は気体及び/又は蒸気を周囲空気から除去することである。
本開示の実施形態は、いずれか1つ以上の様々なフィルタ媒体を使用することができ、1つの好適なカテゴリは吸着媒体である。吸着媒体は、意図される使用条件下に存在すると予想される目的とする蒸気を吸着することができる。吸着媒体は、望ましくは空気又は他の気体が滞りなく流れて通過するのを可能にするほど十分に多孔質であり、微粉固体の形状(例えば、粉、ビーズ、フレーク、粒剤、又は粒塊)又は多孔質の固体(例えば、連続気泡)であってもよい。好ましい吸着媒体材料には、活性炭、ゼオライト、アルミナ、及び目的とする蒸気を吸着によって除去することができるその他の金属酸化物;酢酸などの酸性溶液若しくは水酸化ナトリウム水溶液などのアルカリ性溶液で処理した粘土及び他の鉱物;モレキュラーシーブ及びその他のゼオライト;シリカなどのその他の無機吸着剤;並びに「スチロソルブズ(Styrosorbs)」(例えばV.A.Davankov及びP.TsyurupaのPure and Appl.Chem.,vol.61,pp.1881〜89、(1989)、及びL.D.Belyakova,T.I.Schevchenko,V.A.Davankov及びM.P.TsyurupaのAdv.in Colloid and Interface Sci.vol.25,pp.249〜66(1986)に記載されているようなもの)として公知の高度に架橋したスチレン性ポリマーなどの高架橋結合系を包含する有機吸着剤が挙げられる。
活性炭、ゼオライト、及びアルミナは、好ましい吸着媒体の例である。吸着媒体の混合物又は層が使用されて、例えば、目的とする蒸気の混合物又は他の検体を吸着することができる。微粉化した形態の場合、吸着剤の粒径は大きく変えることができ、通常は、意図される使用条件に一部基づいて選択される。一般的なガイドとして、微粉化した吸着媒体粒子の大きさは、平均直径約4〜約3000マイクロメートルまで、例えば、平均直径約30〜約1500マイクロメートルまで変化し得る。異なる寸法範囲の吸着媒体粒子の混合物を、(例えば、吸着媒体粒子の二峰性混合物で又は上流の層に大きい方の吸着剤粒子を利用し、下流の層に小さい方の吸着粒子を用いた多層配列で)利用することもできる。米国特許第3,971,373号(Braunら)、同第4,208,194号(Nelson)、同第4,948,639号(Brookerら)、及び米国特許出願公開第2006/0096911(A1)号(Breyら)に記載されているような、好適な結合剤(例えば、結合した炭素)と混合された吸着媒体、又は好適な支持体の上若しくはその中に捕捉した吸着媒体を利用してもよい。
図2はフィルタカートリッジ100を示し、これはPAPRのターボユニット、例えば図1に関して記載されるターボユニット14に使用され得る。フィルタカートリッジ100は、ハウジング120、及びハウジング120内に配置されるフィルタ媒体122(例えば活性炭)を含む。光学式検体センサ128(以下により詳細に記載される)もまた、以下により詳細に説明されるようにハウジング120内で、フィルタ媒体122と流体連通して配置される。図2に示されるハウジング120は、複数の開口部125を有するバックカバー124a、及びこれもまた複数の開口部(図示せず)を有するフロントカバー124bを含む。フロントカバー124b及びバックカバー124aにおける開口部はそれぞれ気体入口及び出口として機能してもよく、フィルタ媒体122を通じて、外部環境から周囲空気がカートリッジ100内に流れ、次いでターボユニットのブロワー(フィルタカートリッジ100はその一部である)のファン開口部内へと流れるのを可能にする。必要に応じて、カバー124a及び124bのうちの1つ又は両方は、例えば使用前に取り外される、取り外し可能なカバー(図示せず)を使用して、使用まで密閉されてもよい。
ハウジング120の壁部126は観察ポート、例えば透明部分127(これは、光源及び検出器が調整される特定のスペクトル範囲に関して透明である)を含んでもよく、これを通じて光学式検体センサ128を読み取ることができる(以下に更に説明される)。必要に応じて、取り外し可能又は交換可能なシールド又はその他のカバー(図示せず)が所望により使用され、透明部分127を、塗料又はフォームのスプレーしぶき、ダスト、又はその他の遮りから保護することができる。別の方法としては、観察ポートはハウジング120において開口部を含んでもよい。いくつかの代表的な実施形態では、ハウジングの全体の壁部126又はハウジング120全体は透明であってもよい。光学式検体センサ128は、フィルタ媒体122が、暴露の条件において検体と平衡化したとき、例えばその光学特性(比色分析変化(輝度、反射光の強度等)によって明かであり得るように)の少なくとも1つにおいて変化を受けることによって、検体に光学的に反応する。
透明部分127及び光学式検体センサ128に入る光は次いで、透明部分127を通って反射される。光学式検体センサ128の下のフィルタ媒体122が暴露の条件において蒸気と平衡化したということを、光学式検体センサ128の光学特性の少なくとも1つにおける認識可能な変化(例えば、緑から赤へなど、反射率スペクトルにおける変化、色の出現若しくは消失、例えば白若しくは黒から着色状態、又は着色状態から白若しくは黒へ、又は白から黒へ、又は黒から白へ)が示すとき、カートリッジ100は取り外され、新品のカートリッジと交換される。換言すれば、光学式検体センサは、光学変化が、カートリッジ100の残りの耐用期間又はその耐用期間終了を示すように構成され得る。一実施形態では、光学式検体センサ128は、流量経路の所定の位置において交換されてもよく、これによって、望ましい残りの耐用期間のパーセントにおいてのみ警告を与える。
図3A及は、本開示のいくつかの代表的な実施形態と共に使用するのに好適な、代表的な光学式検体センサの略図を示す。多層の光学式検体センサ32は、透明な基材33(これは光源及び検出器が調整される特定のスペクトル範囲に対して透明である)とフィルタ媒体38との間に配置される。代表的な光学式検体センサ32は部分的反射層34、検出媒体35、及び検体透過性反射層36を含む。媒体38の少なくとも一部分と、目的とする検体との間に適用された検体濃度において平衡が発生すると、又はこの平衡の直後に、検体は例えば孔37を通じて、検体透過性反射層36を通過して検出媒体35内に入ることができる。検出媒体35は層の形体で提供されてもよく、それは、その光学特性の少なくとも1つ(例えば層の光学的厚さ)が、目的とする検体に暴露されたときに変化するように、適した材料から作製することができ、又は適した構造体で作製することができる。この変化は、例えば基材33を通じて外部から検出されてもよい。
光線39aにより表される周囲の光の一部分は、基材33を通過し、光線39bとして部分的反射層34から反射し、基材33を通じて戻り、次いで基材33から外へ出る。周囲光線39aの他の部分は、基材33と、部分的反射層34と、検出媒体35とを通過し、光線39cとして反射層36から反射される。光線39cは、検出層35と部分的反射層34と、基材33とを通って戻り、その後、基材33から外へ出る。適切な初期の厚さ又は変更された厚さが検出層35のために選択され、層34及び36が十分に平坦であるならば、強め合う又は弱め合う干渉は、光線39b及び39cに類似の光線によって作られ、光学式検体センサ32の2つ以上の光学特性における認識可能な変化は、部分的反射層34を通じて検出され得る。
本開示による光学式検体センサは、フィルム若しくはバルク接着剤、機械的挿入部、熱接着、超音波溶接、及びこれらの組み合わせを含む様々な技法を使用して、フィルタハウジング又は他の支持部に取り付けられ得る。基材は任意であるが、存在する場合は、薄膜インジケータのための好適に透明な支持体を提供することができる、様々な材料であってよい。基材は、剛性(例えば、ガラス)であっても、可撓性(例えば、一つ以上のロール加工工程で処理され得るプラスチックフィルム)であってもよい。適切に透明なプラスチックなどの可撓性の材料で作製される場合、基材が望ましく十分に低い蒸気透過性を有し、これによって目的とする蒸気は、部分的反射層を通じて検出媒体の内部に、又はこの外部に透過しない。基材が省略される場合、部分的反射層はこのような蒸気の透過を妨げる、又は防ぐのに十分に不透過性であるべきである。多孔質基材は、所望により、透過性反射層と吸着媒体の間に配置されてもよい。例えば、目的とする蒸気は、吸着媒体から透過性基材及び反射層を通じ、そこから検出媒体へと入ることが可能である。
部分的反射層及び反射層はそれぞれ、拡散又は好ましくは反射光の反射をもたらす様々な材料から作製され得、これらは適切に離間したとき協調して、容易に視覚的に知覚可能なインジケータの外観の変化をもたらす。好適な部分的反射層材料及び反射性層材料としては、アルミニウム、クロム、チタン、金、ニッケル、シリコン、銀、パラジウム、白金、チタン、及このような金属を含有する合金などの金属;酸化クロム、酸化チタン、及び酸化アルミニウムなどの金属酸化物;並びに、米国特許第5,699,188号(Gilbertら)、同第5,882,774号(Jonzaら)、同第6,049,419号(Wheatleyら)、及びPCT公開済み出願国際公開第97/01778号(Ouderkirkら)に記載されている多層光学フィルム(複屈折性多層光学フィルムを包む)が挙げられる。部分的反射層及び反射性層は、同じてあっても、異なっていてもよい。同時係属の米国特許出願公開第2008/0063874(A1)号(Rakowら)に記載されるように、反射層を形成するために、金属ナノ粒子コーティング(例えば、金属ナノ粒子インク)が使用されてもよい。
部分的反射層は、反射層ほど反射せず、いくらかの入射光線を透過する。この部分的反射層は、例えば、約2〜約50nmの物理的な厚さ、500nmでの光透過率が約20〜約80%、500nmでの反射率が約80〜約20%、又はこれらの間のいずれの数を有してもよい。部分的反射層は、それ自体が蒸気に対して不透過性であってよく(その場合、望ましくは連続的である)、任意により、好適な基材上にコーティングするか、又は別の方法で好適な基材に隣接させる。部分的反射層はまた、蒸気に対して透過性であってもよく(その場合、例えば、非連続的又は半連続的であってよい)、好適に蒸気不透過性の基材上にコーティングされるか、そうでなければ隣接する。検出層に隣接する部分的反射層の面は、望ましくは約±10nm以内の精度で平坦である。
反射性層は、例えば、約1〜約500ナノメートル(nm)の物理的厚さ、500nmにおいて約0〜約80%の光透過性及び500nmにおいて約100〜約20%の反射性を有し得る。反射層は好ましくは多孔質、パターン付き、非連続性、半連続性、又は別の方法で十分に透過性であり、これによって蒸気は吸着媒体から、反射層を通じて検出媒体に入る。望ましい多孔質又は不連続性は、好適な堆積技術を通じて、又は、選択的エッチング、反応性イオンエッチング、若しくはパターン付きレーザーアブレーションなどの適切な堆積の後の加工を通じて達成される。反射層はまた、上記の米国特許出願公開第2008/0063874(A1)号に記載されるように、蒸気透過性金属ナノ粒子層を堆積させることによっても形成することができ、稠密なナノ粒子の蒸気透過層を形成し、ナノ粒子の間の隙間によって孔がもたらされた。
検出媒体の混合物は、均質又は不均質であってよく、例えば、無機化合物の混合物、有機化合物の混合物、又は無機及び有機化合物の混合物から作製することが可能である。構成成分の混合物から作製される検出媒体は、分析物群の改善された検出を提供できる。検出媒体は望ましくは、吸着媒体の蒸気吸着特性と同様な、蒸気吸着特性をもたらすように選択された、孔径、又は表面積の範囲を有する。好適な多孔性は、米国特許第6,573,305 B1号(Thunhorstら)に記載されるものなどのような、高内相エマルションから作製されるフォームなどの多孔質の材料を使用して得ることができる。多孔性はまた、ミクロ孔質材料を作製するために二酸化炭素のフォーミングを介して(「Macromolecules」、2001、34巻、pp.8792〜8801を参照)又はポリマーブレンドのナノ相分離(「Science」、1999、283巻、p.520参照)によって得ることもできる。一般的に、孔の直径は、好ましくは、望ましいインジケータ着色のピーク波長よりも小さい。例えば約0.5〜約20nm、0.5〜約10nm、0.5〜約5nmの平均孔径のナノサイズの孔が好ましい。
代表的な無機検出媒体材料としては、光学的干渉によって色、又は比色分析の変化を生じるために適当な厚さの、透明及び多孔質の層に形成され得る多孔質シリカ、金属酸化物、金属窒化物、金属酸窒化物、及び他の無機材料を含む。例えば、無機検出媒体材料は、酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸窒化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、窒化チタン、酸窒化チタン、酸化スズ、酸化ジルコニウム、ゼオライト、又はこれらの組み合わせであってもよい。多孔質シリカは、堅牢性及び湿式エッチング処理との適合性のために、特に望ましい無機検出媒体材料である。
多孔質シリカは、例えば、ゾル−ゲルプロセス経路を使用して調製することができ、有機テンプレートあり又はなしで製造することができる。代表的な有機テンプレートとしては、例えば、アルキルトリメチルアンモニウム塩などのアニオン性又は非イオン性界面活性剤、ポリ(エチレンオキシド−co−プロピレンオキシド)ブロックコポリマー及び他の界面活性剤又は当業者に明らかなポリマーが挙げられる。ゾルゲル混合物は、ケイ酸塩に変えてもよく、有機テンプレートは取り除かれてシリカ内の網状組織をミクロ孔質のままにしてもよい。代表的な多孔質シリカ材料は、OgawaらのCommun.pp.1149〜1150(1996)、KresgeらのNature,Vol.359,pp.710〜712(1992)、JiaらのChemistry Letters,Vol.33(2),pp.202〜203(2004)、及び米国特許第5,858,457号(Brinkerら)に記載されている。様々な有機分子もまた、有機テンプレートとして採用されることができる。例えば、グルコースやマンノースなどの糖類を有機テンプレートとして使用して、多孔質シリケートを生成してもよく、これについては、WeiらのAdv.Mater.1998,Vol.10,p.313(1998))を参照のこと。有機置換シロキサン又は有機−bis−シロキサンは、微小孔をより疎水性にし、水蒸気の収着を制限するために、このゾル−ゲル組成物内に含めることができる。プラズマ化学蒸着を利用して、多孔質の無機検出材料を生成してもよい。この方法論は、一般に、ガス状前駆体からプラズマを形成し、プラズマを基材に蓄積させて非晶質でランダムな共有網状組織層を形成した後、この非晶質の共有網状組織層を加熱して、ミクロ孔質の非晶質でランダムな共有網状組織層を形成することにより、分析物検出層の形成を伴う。そのような材料の例は、米国特許第6,312,793号(Grillら)及び米国特許出願公開第2007/0141580(A1)号に記述されている。
典型的な有機検出媒体材料としては、疎水性のアクリレート及びメタクリレート、二官能性モノマー、ビニルモノマー、炭化水素モノマー(オレフィン)、シランモノマー、フッ素化モノマー、ヒドロキシル化モノマー、アクリルアミド、無水物、アルデヒド官能化モノマー、アミン若しくはアミン塩官能化モノマー、酸官能化モノマー、エポキシド官能化モノマー、及びこれらの混合物又は組み合わせを含むモノマーのクラスから調製される、又は調製することができるポリマー、コポリマー(ブロックコポリマーを含む)、並びにこれらの混合物が挙げられる。上述の米国特許出願公開第2004/0184948(A1)号には、かかるモノマーの広範なリストが収容されており、更なる詳細についてはこれを参照する。固有ミクロ孔質を有する上述のポリマー(PIMs)は、特に望ましい検出媒体を提供する。PIMは、典型的には、ミクロ孔質の固体を形成する非網状ポリマーである。これらの典型的に、高度に剛性で回旋状の分子構造のために、PIMsは、空間を有効に満たすことができず、したがって開示されるミクロ構造を提供する。好適なPIMsには、Buddらの「Polymers of intrinsic microporosity(PIMs):robust,solution−processable,organic microporous materials」(Chem.Commun.,2004,pp.230〜231)に開示されたポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。更なるPIMは、Buddらの,J.Mater.Chem.,2005,15,pp.1977〜1986、McKeownらのChem.Eur.J.2005,11,No.9,2610〜2620、及び公開済みPCT出願国際公開第2005/012397(A2)号(McKeownら)に開示されている。
有機検出媒体内の1つ以上のポリマーは、少なくとも部分的に架橋されていてよい。機械的安定性及び、一定の検体に対する感度を向上するため、いくつかの実施形態では、架橋は望ましい。架橋は、1つ以上の多官能性モノマーを検出媒体に組み込むこと、検出媒体を、例えば電子ビーム若しくはγ線処理にかけること、検出媒体に配位化合物、又はイオン化合物を加えること若しくは形成すること、又は検出媒体に水素結合を形成することにより達成することができる。1つの代表的な実施形態では、その後多孔質検出媒体を生成するために、架橋系から抽出されてもよい、ポロゲンの存在下で架橋が実行される。好適なポロゲンとしては、直鎖アルカン(例えば、デカン)又は芳香族(例えば、ベンゼン又はトルエン)などの、不活性有機分子が挙げられるが、これらに限定されない。他の架橋ポリマーとしては、上述の、高度に架橋されたスチレンポリマーが挙げられる。
所望により、検出媒体材料は、その表面特性又は吸着特性を変性するために処理されてもよい。様々な、かかる処理は、例えば、無機検出媒体のミクロ細孔を好適なオルガノシラン化合物に晒すことによって、利用されてよい。検出媒体はまた、あるいは代わりに、好適な接着促進材料(例えば、チタニウム又は別の好適な金属から作製される連結層)と共に処理され、部分的反射層又は反射層及び検出媒体の間の接着を促進することができる。このような処理はまた、検出媒体との接着を促進するために、部分的に反射層又は反射層にも適用されてよい。
多くの用途において、検出媒体は望ましく疎水性である。これは、水蒸気(又は液体水)が、検出媒体の光学的厚さを変化させ、例えば有機溶媒蒸気の検出など、検体の検出を妨げる可能性を低減する。検出媒体は、単層で作製されても、又は2層以上の副層から作製されてもよい。副層は、様々な構造であってよい。例えば、それらは、積み重ねても、横に並べてもよい。副層は、目的とする異なる蒸気を吸収するために選択される異なる材料で作製されてもよい。
本開示の実施形態での使用に好適な光学式検体センサの他の代表的な実施形態が、図3Bに示される。3Bに示されるように、光学式検体センサ40は、目的とする検体に対する第1の応答を提示する1つ以上の第1領域42と、目的とする検体に対して第2の異なる応答を提示する1つ以上の第2領域44と、を含み得る。かかる光学式検体センサは、本明細書ではパターン付き光学式検体センサと称される。例示される実施形態では、光学式検体センサ40は多層構造体を有し、これは検出媒体48、半反射層50、及び反射層52を含む。検出媒体48は層の形体で提供されてもよく、それは、その光学特性の少なくとも1つ(例えば層の光学的厚さ)が、目的とする検体に暴露されたときに変化するように適した材料から作製することができ、又は適した構造体で作製することができる。この変化は基材46を通じてなど、外部から検出されてもよく、これはハウジングの壁部を含んでもよい。
この変化は第1領域42及び第2領域44において異なると見込まれる。採用された検出器によって識別されるいずれの検出可能な差は、本開示の範囲内である。例えば、目的とする検体への暴露に応答して、本開示による光学式検体センサの異なる領域は、異なる大きさのスペクトルシフト(例えば異なるピーク波長シフト、異なる強度の反射光、又はこの両方)を受ける場合がある。いくつかの検出器は、ほんのわずかな1nmのカラーシフトにおける差を検出することができる。半反射層50は一般的に、蒸気によって透過されない。反射層52は化学物質に対して一般的に透過性であり、フィルタ媒体60と流体連通し、これによって、目的とする検体は反射層52を通過して検出媒体48に入ることができ、かつ検出媒体の少なくとも1つの光学特性(例えばその光学的厚さ)を変えることができ、本開示による光学式読み取り装置によって読み取り時に検出され得る。接着剤53を用いて、センサ40をハウジング壁部46の内側表面に固定してよい。
目的とする検体に対する第1の応答を提示する1つ以上の第1領域と、目的とする検体に対して第2の異なる応答を提示する1つ以上の第2領域と、を含む光学式検体センサを作製する1つの方法は、フィルタ媒体60と流体連通する光学式検体センサ40の表面の一部分の上に、遮蔽層54を配置することによるものである。例示される実施形態では、遮蔽層54は、領域44が、目的とする1つ以上の検体への暴露に応答して色を変更する第2領域44の反対の側上に配置される。遮蔽層54は、境界面56において反射層52に直接結合されてもよく、又は1つ以上の中間層を介して結合されてもよい。境界面56は接着層であってもよい。
光学式検体センサの本体58に結合される不活性遮蔽層54を有さずに、センサは通常、領域42及び44の上でその光学特性の少なくとも1つにおいて同様な変化を通常経験する。しかしながら、本体58の上に遮蔽層54が配置されたとき、センサは遮蔽層54によって覆われた領域(例えば領域42)に対応する領域上で、その光学特性の少なくとも1つの変化を経験するとは見込まれない。しかしながら、センサは遮蔽層54によって覆われていない領域(例えば領域44)に対応する領域の上で、その光学特性の少なくとも1つの変化を受けると見込まれる。しかしながら、いくつかの実施形態では、領域42及び44は、隣接しているか又は一体であってもよく、上記に参照された変化は斬新的なものであり得る。領域42及び44の間の境界は急激ものであっても、又は段階的なものであってもよい。他の代表的実施形態において、領域は隣接していなくてもよい。上記のとおり遮蔽層は、本開示の読み取りに有用な、様々な異なる視覚的パターンを作るためにセンサに適用され得る。
一実施形態では、感圧性接着剤などの接着剤が使用されて遮蔽層を形成してもよい。これらの層用としては、特にその高い純度から、ポリイソブチレン(PIB)接着剤が有用な材料である。本開示の実施形態に有用な、このような市販のアクリル系感圧接着剤転写テープの一例は、商品名VLO 6690で既知の3Mの接着剤転写テープである。フィルム本体のマスキングに有用な他の感圧性接着剤とはアクリル系接着剤を含み得る。一実施形態では、感圧性接着剤は感圧性テープの形態でセンサに適用されてもよく、これはライナー及び/又は裏材を更に含む場合がある。この実施において、ライナー及び/又は裏材は多くの場合、センサ内への蒸気の浸透に対する追加のバリアを提供する。ホットメルトの、溶液の入っていない接着剤もまた、マスキング材料として適用されてもよい。水溶性ポリマー又はエポキシ材料など高分子材料もまた、遮蔽層として使用されてセンサの領域を覆ってもよく、これはUV又は熱硬化性であってもよい。ワックス、樹脂、又は無機材料もまた遮蔽層に使用されてもよい。
追加として、又は別の方法としては、代表的な光学式検体センサの副層のいずれか他の層、又はこの層のセットの1つは、目的とする検体に対する第1の応答を提示する1つ以上の第1領域と、目的とする検体に対して第2の異なる応答を提示する1つ以上の第2領域と、を得るために、非連続性であっても、又はパターン付きであってもよい。層又は副層の模様はまた、特定の分析物と反応する1つ以上の部分と、この同じ分析物とは反応しない1つ以上の部分とを付与することによって形成されてもよい。反応性物質の模様はまた、大きな非反応性副層の上に、例えば、分析物が吸着されるまで光学的な厚さの差がはっきりと分からないほど、模様の層を十分に薄くすることによって、堆積されてもよい。米国特許第6,010,751号に記載されるように、検出媒体の厚さもまた、パターン付きであってよい。これによって、模様を消滅させる(例えば、薄い方の部分を、厚い方の部分と同じ厚さまで膨潤させる場合)又は出現させる(例えば、ある部分を、隣接する部分よりも薄い厚さまで縮小させる場合)ことができる。所望により、望ましい形状又は形態において、反射層に断絶が形成されてもよい。これにより、目的とする検体に曝露すると発現又は消失する認識可能な模様をもたらすことができる。場合によっては、このようなパターンの対照的な光学特性を検出する方が、インジケータフィルム全体における光学変化を検出するよりも容易である場合がある。
開示されたデバイスは、必要に応じて、追加の層又は要素を包含していてもよい。例えば、吸着剤充填コンポジットの多孔質層(例えば、上記の米国特許第4,208,194号などに記載されるフィブリル化されたPTFEのマトリックスに含まれる、活性炭粒子のウェブ)が、反射性層と吸着媒体との間に配置されてインジケータ内に浸透する蒸気を均質化するか、ないしは別の方法で吸着媒体における状態に対するインジケータの反応を和らげる。
本開示による光学式検体センサにおける使用に好適な様々な構造体及び材料は、例えば米国特許出願公開第2008/0063874(A1)号、表題「Permeable Nanoparticle Reflector」、米国特許出願第12/604,565号、表題「Patterned Chemical Sensor Having Inert Occluding Layer」、及び米国特許第7,449,146号、表題「Colorimetric Sensor」に記載される。同一所有者の米国特許出願公開第2008/0063575(A1)号及び米国特許出願第12/604,565号、表題「Patterned Chemical Sensor Having Inert Occluding Layer」は、インジケータの外観における視覚的に認識可能な変化を使用して、無機蒸気吸着保護装置のユーザーにカートリッジの残りの耐用年数又はカートリッジの耐用年数の終わりを知らせる情報を提供することを記載している。その出願では、インジケータにおける外観変化は、周囲光の下で視覚的に観察され得る。
本開示の実施形態は、しかしながら、目的とする検体に対して応答する光学式検体センサの光学特性の少なくとも1つを検出するように構成される光学式読み取り装置を含む、又はこれを目的とする。本開示はしたがって、色の変化するセンサの、ユーザーによる視覚的なチェックに頼ることなく、耐用年数の終わりの表示を正確に提供することができる。ユーザーによるフィルムの視覚的な確認は、一部の検体に関しては耐用期間終了の表示を提供することができるが、他の場合では、特に検体濃度が低い条件下では、目的とする一部の揮発性有機化合物は目立った色の変化を生じさせない。他方では、一部の検体は大きな色の変化を生じさせ、それは強制的に光学式検体センサをその最初の色に戻し、循環効果と呼ばれることがある。例えば、センサは緑から赤に、そして緑に再び変化する場合がある。したがって、本開示のいくつかの利益は、検出され得る揮発性有機蒸気の範囲の増加、及び循環効果が耐用年数終了の表示に影響を与えるのを防ぐことを含む。
図4は、本開示による代表的な光学式読み取り装置200を示す。光学式読み取り装置200は、少なくとも1つの光源(ここでは212及び214)、並びに少なくとも1つの検出器220を含む。1つ以上の光源(例えば212及び214)、並びに1つ以上の検出器220は、同じ支持体250上に実装されてもよい。光学式読み取り装置200は、少なくとも1つの光源212、214によって放射される光212a、214aの少なくとも一部分が、光学式検体センサ230から反射され、かつ少なくとも1つの検出器220によって捕捉されるように、本開示によるフィルタシステムの光学式検体センサ230を含む、ハウジングに取り付けられるように構成されてもよい。
1つ以上の光源(例えば212及び214)は、様々な光源のいずれかを含み得る。例えば、発光ダイオード(LED)が使用されてもよい。特定の実施形態では、1つ以上の光源は1つ以上の相対的に広帯域光源(例えば白色源)を含み得る。他の実施形態では、光源は、特定の(例えば比較的狭い)波長範囲で光を放射し、その範囲内の特定波長においてピークを有する、1つ以上の狭帯域光源(例えばLED)を含んでもよい。様々な実施形態では、このような狭帯域光源は、最大約50nm、最大約40nm、又は最大約25nmの電力半値帯域によって特徴付けることができる。使用され得る代表的なLEDには、Optek(Carrollton,TX)から商品名OVLBx4C7で入手可能なもの、並びに表面実装LED、例えばOsramからのLS T676、LA T676、LO T676、LY T676シリーズが挙げられる。
本開示の代表的な実施形態における使用に好適な検出器(例えば220)は、それに入射する光の量を測定することができる、いずれかの様々なデバイスを含むことができ、例えば、光電子増倍管、光電池、光ダイオード、光トランジスタ、電荷結合素子等が挙げられる。好適な検知器は、検出された光の量(例えば、光学式検体センサ230から受信される反射光の明度又は反射光の強さに関連した信号(例えば、電圧、電流等))、及び本明細書において後述されるように更に処理され得る信号を提供するように機能することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の検出器は、特定(例えば、比較的狭い)波長範囲の光を検出し得る。他の実施形態では、1つ以上の検出器は、波長の比較的広い範囲にわたって光を検出することができる、広帯域検出器を含み得る。種々の実施形態では、このような広帯域検出器は、少なくとも約150nm帯域、250nmの帯域、又は500nmの帯域の波長範囲にわたって光を検出することが可能であり得る。使用することができる代表的な検知器としては、OSRAM(Regensburg,Germany)から表記SFH 2430で入手可能な光ダイオードが挙げられる。
図4に示されるように、複数の光源は光学式読み取り装置200の一部として使用されてもよい。例示される代表的な実施形態では、第1光源212及び第2光源214はそれぞれ、第1及び第2スペクトル(すなわち波長)範囲、並びに第1及び第2ピーク波長によって特徴付けることができる。第1スペクトル範囲は、第2スペクトル範囲(first spectral range)と異なる場合があり、第1及び第2光源は異なるピーク波長を備える光を放射する場合がある。このような設計においては、異なる光源212及び214は、共通の検出器220の隣に実装されてもよい(2つの光源212及び214の間に配置される検出器220を含む代表的な設計は図4に示される)。
第1光源212及び第2光源214は、それらのスペクトルが異なる波長範囲A及びB、並びにピーク2001及び2002(図5Aに図示される)にそれぞれ対応する異なるピーク波長によって特徴付けられるように選択されてもよい。かかる実施形態では、単一の(広帯域)光検出器が検出器220として使用されてもよい。複数の波長範囲において、光学式検体センサから反射される光をモニタリングすることは、有意な利点をもたらすことができる。かかる検出の様々な詳細及び原理は、例えば同一所有者の米国特許仮出願第61/164,496号(Hulteenら)に説明される。特定の実施形態では、波長範囲Aは、目的とする検体がないときでは、光学式検体センサの反射スペクトルにおいて、ピークの最大値(例えば図5Aに示されるピーク2000)において、又はこの付近にあるように選択されてもよい。波長範囲Bは、波長範囲Aから少なくともいくらか除去されてもよく、いくつかの実施形態では、目的とする検体がないときでは、光学式検体センサの反射スペクトルにおいて、最小値の底(例えば図5Aに示される最小値の底2003)において、又はこの付近であってもよい。特定の実施形態では、波長Bは、波長Aがモニターされるピークに直接隣接した最小値の底において、又は最小値の底の近くにある。図5Aは、PIMフィルムを使用して、代表的な光学式検体センサの反射スペクトルと重ねあわせた、2つの代表的な光源の発光帯を示すことによって、この概念を示す。入射光線の波長に対する光検出器の感度が図5Bに示される。目的とする検体の吸収により、スペクトルが右の方へシフトするとき、緑色の光源に対する光検出器の応答は徐々に減少し始め、その一方で赤色の光源に対する応答は増加し始める。第1光源及び第2光源の応答の比率を使用することは、それが光源によりもたらされる光の明度における変動の影響を低減するのに役立つことができるために望ましい。
選択される特定の波長範囲は、使用される特定の光学式検体センサ(モニタリング等をするのが望ましい特定の検体)の特性による場合がある。様々な実施形態では、波長範囲A及び波長範囲Bは、それらの中心点が少なくとも20nm、少なくとも40nm、又は少なくとも60nm離間するように選択される。更なる特定の実施形態では、波長範囲A及び波長範囲Bは、それらの中心点が最大140nm、最大120nm、又は最大100nm離間するように選択される。種々の実施形態では、第1の波長範囲の中心は、ピーク最大値の約10nm、20nm、又は40nm以内であってもよく、第2の波長範囲の中心は、最小値の底の約10nm、20nm、又は40nm以内であってもよい。いくつかの実施形態では、波長範囲Aの中心が約520nm付近にあり、波長範囲Bの中心が約640nm付近にあるときに光学的な読み取りが行われてもよい。いくつかの実施形態では、波長範囲Aの中心が約591nm付近にあり、波長範囲Bの中心が約606nm付近にあるときに光学的な読み取りが行われてもよい。上述のように、波長範囲A及びBにおける読み取りは、例えば、LED等などの狭帯域光源を使用して達成されてもよい。いくつかの実施形態では、広帯域の光源は、狭帯域又はバンドパスフィルタを使用してフィルタリングされて、所望のスペクトル領域まで波長範囲を調整されてもよい。いくつかの代表的な実施形態では、1つ以上の波長範囲はスペクトルの紫外線の又は近赤外線の領域であってもよい。PIM光学検体センサは例えば、これらの領域におけるピーク及び底を提示し、したがってスペクトルのこれらの領域において動作するように構成されるセンサ/読み取りの組み合わせの装置を提供することができる。所望により、追加の光学的な読み取りが、他の波長範囲で行われてもよい。そのような追加の範囲は、範囲AとBとの間で、範囲A及びBと重複しても、又は範囲A及びBの外であってもよい。そのような追加の光学的な読み取り範囲(これは、例えば追加の光源を使用することによってもたらされることができる)は、改善された解像度、ダイナミックレンジ、精度等を提供することができる。
このような構成では、波長範囲Aで検出された光の量を示す検出器からの信号を、波長範囲Bで検出された光の量を示す検出器からの信号と比較する(例えば、マイクロプロセッサによって比率化される)ことができる。このような比較/比率化(ratioing)は、有意な利点を提供することができる。例えば、以下に更に記載されているように、それは動作条件における新規又は交換の光学式検体センサを確認させることができる(例えば、検体に時期尚早に露出されていないか、損傷を受けていないか、ずれているか)。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に開示の方法は、初期値と比較した信号を得る工程と、初期値と比較した信号が許容可能な範囲にあるかどうかを判定する工程と、を含む。比較された(例えば、比率化された)信号の使用はまた、光学式読み取り装置のダイナミックレンジを向上させることができる。本明細書に開示される方法の内容において、第1の信号と第2の信号(例えば、第1の波長範囲及び第2の波長範囲で検出された光量を示す信号)との比較は、平均信号の比較(例えば、複数の第1の信号を得てそれらを平均化し、複数の第2の信号を得てそれらを平均化し、平均化された第1の信号を平均化された第2の信号と比較する)、並びに個々の第1の信号と個々の第2の信号との比較と含むことができる。
図6は、本開示による光学式読み取り装置300の他の代表的な実施形態の略図である。光学式読み取り装置300は2つの光源312及び314、並びに2つの検出器322及び324を含む。1つ以上の光源、並びに1つ以上の検出器、同じ支持体350上に実装されてもよい。このような光学式読み取り装置は、光学式検体センサを含みながら、少なくとも1つの光源312、314によって放射される光の少なくとも一部分が、光学式検体センサ330から反射され、検出器322及び324によって捕捉されるように、本開示によるフィルタシステムのハウジングに取り付けられるように構成されてもよい。この代表的な実施形態では、光源312及び314はそれぞれ、他の光源によって放射されるものとは異なるピーク波長を備えて、異なる波長範囲において光を放射してもよい。各光源312及び314は、対応する光源によって放射される特定の波長範囲おける光をそれぞれ検出するように設計された光検出器322及び324と組み合わせて使用されてもよい。
図7Aは、1つ以上の広帯域光源410を使用する光学式読み取り装置400の代表的な実施形態である。広帯域光源410は、白色LEDなど1つ以上の広帯域光源であってもよく、又はこれを含んでもよい。狭帯域光源を採用する代表的な実施形態に関して上記のとおり、2つ以上の広帯域光源が使用されるとき、光源の少なくとも2つは異なるスペクトル範囲及び/又は統計データを有するように構成され得る。1つ以上の広帯域光源の放射スペクトルは単純に、市販されている所望のスペクトルを備える光源を購入することによって、又は広帯域の光源の1つ以上の上に1つ以上のスペクトルフィルタ(例えば当業者に既知のスペクトルフィルタ)を配置することによって調整することができる。好適なスペクトルフィルタは、透明基材上の光学コーティングを含み得る。別の方法としては、異なる波長範囲、並びに異なるピーク波長によって特徴付けられる2つ又はそれ以上の狭帯域光源が一緒に使用されて、広帯域光源をシミュレーションすることができる。例えば、異なる原色領域を覆う波長範囲及びピーク波長によって特徴付けられる光源は、組み合わせて使用されて、白色(while)光源をシミュレーションすることができる。具体的に、赤、緑、及び青のLEDの1つ以上が組み合わせて使用されてもよい。
このような代表的な実施形態はまた、色を検知する検出器420も含み得る。このような検出器は、照明の特定のスペクトル範囲内反射のみよりはむしろ、光学式検体センサのより直接的な色測定を可能にする。色を検知する検出器は、マルチピクセル光検出器アレイとして実装することができ、これは、2つ又はそれ以上の(好ましくは3つ又はそれ以上の)異なる比較的狭帯域範囲に対して感応性である、2つ又はそれ以上の(好ましくは3つ又はそれ以上)セットの光検出器を含む。1つの代表的な実施形態では、このような光を検知する検出器は、赤、緑、青、及び白の一群の光検出器、例えば光ダイオードを含み得る。他の代表的な色を検知する検出器は、スペクトルフィルタと重ねられた同じ、又は同様な光検出器のアレイを含んで、同様な結果を達成することができる。このような代表的な実施形態に好適なスペクトルフィルタの1つの例は、異なる分光透過率を有する領域を有するフィルタ、図7Bに示される検出器アレイ422の上に配置されたタイルのスペクトルフィルタ424などである。スペクトルフィルタ424は、異なる分光透過率によって特徴付けられる領域(タイル)を含む。例えば、1つ以上のタイル424aは、赤色光の高い透過率によって特徴付けられてもよく、1つ以上のタイル(one or more times)424bは青色光の高い透過率によって特徴付けられてもよく、並びに1つ以上のタイル424cは緑色光の高い透過率によって特徴付けられてもよい。このようなスペクトルフィルタの1つの例はバイエルフィルタである。
更に図7Aを参照して、光学式検体センサ430は、光源410によって照射され、反射信号は検出器420によって検出される。マイクロプロセッサなどのプログラミング可能な倫理デバイスが次いで、検出器の光学応答を、R、G、Bなどの原色に分解することができる。分解された応答は、標準アルゴリズムを使用していずれかの関連情報(例えば、変化は、光学式検体センサ430の光学特性の少なくとも1つに生じたかどうか、読み取り装置400はセンサ430と位置合わせされているかどうか等)を推測するために処理される。更に他の代表的な実施形態では、広帯域光源は1つ以上の狭帯域検出器と組み合わせて使用されてもよい。あるいは、所与の既定の波長範囲における読み取りは、狭帯域又は広帯域検出器と組み合わせて狭帯域光源を使用することによって達成することができる。
複数又は広帯域光源の使用、及び/又は複数若しくは広帯域光検出器の使用は、光学式読み取り装置の操作を向上させることを可能にし得る。例えば、このような設計により、より広範囲の検出可能な検体の検出が可能になり得、より広い濃度域の検体の検出が可能になり得、検体の濃度のより正確な定量化が可能になり得、新しい又は取り換え用(replacement)光学検体センサが設置されるたびなどに、光学式読み取り装置を較正する必要性をなくすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法の実施は、検体を潜在的に含む雰囲気のモニタリングの前に、検知要素を、既知のゼロでない濃度の検体を含有する較正用ガスに暴露する必要がない。更に、上記のとおり色測定値を使用することの利点は、それが任意の特定の所定スペクトル領域に関して、光学式検体センサの較正を必要としないということである。
図8A及び8Bは、本開示による光学式検体センサの読み取りに対して、本開示による光学式読み取り装置500の他の代表的な実施形態の、対向する第1側部500a及び第2側部500bを示す。光学式読み取り装置500は、第1光源512及び第2光源514、並びに検出器520を含む。第1光源は、第1スペクトルプロファイルによって特徴付けられ、第2光源は第2スペクトルプロファイルによって特徴付けられる。例えば、第1光源は第1ピーク波長及び第1波長範囲によって特徴付けることができ、第2光源は第2ピーク波長及び第2波長範囲によって特徴付けることができる。典型的な代表的な実施形態では、第1スペクトルプロファイルは第2スペクトルプロファイルと異なる。例えば、第1及び第2ピーク波長、並びに/又は第1及び第2波長帯は異なっていてもよい。この代表的な実施形態では、第1光源512及び第2光源514、並びに検出器520は、例えばプリント基板など同じ支持体550上に実装することができる。光学式読み取り装置はプログラミング可能な倫理デバイス540を更に含んでもよく、これは支持体550上に実装されるのが好ましい。
光学式読み取り装置500はバッテリー530、警告装置、例えば1つ以上の光源516及び518、並びに作動装置560を更に含んでもよく、これらの全ては図8Bに示されている。ユーザーは作動装置560を動作させて、光学式読み取り装置500による光学式検体センサの読み取りを開始することができる。光学式読み取り装置500は無線インターフェースによって、又はシリアル・インターフェースによって他のデバイス、例えばコンピュータに接続されてもよい。したがって、光学式読み取り装置は、本開示に従って光学式検体センサへの読み取りから、光学式読み取り装置によって得られたデータなど、様々な情報をデータベース又はディスプレイと通信することができる。典型的に、シリアル・インターフェースは、光学式読み取り装置の試験、検証、及び/又は較正中に使用される。
好ましくは、第1光源512及び第2光源514は、支持体550の1つの側部上に配置され、その一方で、検出器520は、支持体550の反対の側部上に配置される。この代表的な実施形態では、支持体は開口部520aを有し、これによって光学式検体センサから戻る光は検出器520に到達することができる。光源はプリント基板に対するある種の角度でプリント基板に実装されてもよく(例えば、これに取り付けられる)、これによって光源、検出器、及び光学式検体センサ間に所望の角度を確立する。1つ以上の光源が発光ダイオードである場合、それらは任意の既知の実装方法を介してプリント基板に電気的に接続されてもよい。スルーホール法は、所望の角度をより良好に設けることが可能であり得るが、所望により、表面実装法を用いることも可能である。所望により、1つ以上の位置決め装置(例えば、ホルダー、カラー等)を使用して、1つ以上の光源を所望の角度でプリント基板上に位置決めしてもよい。
1つ以上の上記で参照された、光学式読み取り装置の構成要素は、ハウジング580の内部に配置されてもよい。好ましくは、少なくとも第1光源512及び第2光源514、検出器520、並びに支持体550はハウジングの内部に配置される。しかしながら、光学式センサ500の任意の数の構成要素が、場合によっては、その構成要素全てが、ハウジング580において包囲されてもよい。本開示による光学式読み取り装置のハウジングは、可視スペクトルの光に透過する材料、例えばガラス又は透明プラスチック(例、ポリカーボネート、ナイロン、ポリスチレン)で作製されてもよい。別の方法としては、光学式読み取り装置のハウジングは、検出器及び1つ以上の光源の上に配置される透明部分を備える不透明な材料で作製されてもよく、これによって光学式読み取り装置は、それが読むように構成されている光学式検体センサからの光を放射する及び受容することができる。ハウジングの形状は、使用することを意図するフィルタシステムに好適な任意の形状であってもよい。更に他の代表的な実施形態では、ハウジングは可視スペクトルの光には不透明であるが、他のスペクトル領域(例えば赤外光又は近赤外光の光源及び検出器が使用される1つ以上の場所)の光を透過する一部分であってもよく、又はこれを含んでもよい。
本開示の典型的な実施形態では、以下で詳細に説明されるように、ハウジングは、光学式読み取り装置500を光学式検体センサと位置合わせするように構成される位置合わせ機構582(本明細書ではスロット)を含む。位置合わせ機構の寸法及び形状は、用途によって様々であってよい。いくつかの代表的な実施形態では、2つ以上の同じ若しくは異なる位置合わせ機構が光学式読み取り装置に含まれてもよい。光学式読み取り装置は、光学式検体センサを含みながら、本開示によるフィルタシステムのハウジングに取り付けられるように構成されてもよく、これによって少なくとも1つの光源512、514によって放射される光の少なくとも一部分は、光学式検体センサから反射され、それは検出器520によって読み取られ、捕捉される。図8A及び8Bに示される代表的な実施形態の構造体は、表面実装の光学を活用して、以下に示され、記載されるようなフィルタカートリッジなどのフィルタシステムの表面上又はこの表面において保持することが可能な、薄型で小型の要因読み取り装置に光を到達させることを可能にする。典型的な実施形態では、光学式読み取り装置は非常に小型かつ薄型である。例えば、図8A及び8Bに示される光学式読み取り装置は、20mm、60mm、100mm、150mmの典型的な長さL、又は任意のこれらの値の間の任意の数を有してもよい。かかる光学式読み取り装置などの典型的な幅Wは、10mm、30mm、40mm、70mm、又は任意のこれらの値の間の任意の数であってもよい。本開示による光学式読み取り装置の典型的な重量は、5g、8g、50g、100g、又は任意のこれらの値の間の任意の数であってもよい。
図9Aは、本開示による代表的な光学式読み取り装置80を示し、これは目的とする検体に対する第1の応答を提示する第1領域72と、目的とする検体に対して第2の異なる応答を提示する第2領域74と、を有するパターン付きされた光学式検体センサ70を読み取るように構成される。いくつかの代表的な実施形態では、第1の応答は第2の応答を超える。このような代表的なパターン付きされたセンサは、例えば本開示の図3Bを参照して記載される。この具体的な代表的な実施形態では、第1領域72は、基準として機能するように構成され、すなわちそれは目的とする検体に対して有意な(好ましくは検出可能な)応答を提示しない。第2領域74では、しかしながら目的とする検体に応答して、光学式検体センサ70の光学特性の少なくとも1つにおける変化を提示する。
光学式読み取り装置80は、少なくとも1つの光源82及び少なくとも1つの検出器84を含む。光学式読み取り装置80は、それが適正な位置合わせに配置され光学式検体センサ70を読み取るとき、第1領域72及び第2領域74の両方において光学式検体センサ70を読み取ることを考慮することができるように構成される。一実施形態では、光源82及び検出器84はそれぞれ、図9Aに示されるように、光領域82b及び検出領域84bの投射をそれぞれ有する。領域82b及び84bは、通常、製造業者によって設定、すなわち設計される光源82によって放射される光82aの立体角、及び検出84aの立体角によって決定される。好適な立体角を備えるオプトエレクトロニクスを選択することによって、及びそれらを注意深く支持体85(例えばPCB)上に配置することによって、図9Aに示される読み取り能力を備える光学式読み取り装置を設計することができる。光源82及び検出器84が、第1領域72と第2領域74との間で境界線70aにある場合、読み取り装置とセンサとの間の分断距離、及び光源と検出器との間の距離を変動させることによって、光源が照射し、かつ検出器がそこからの光を捕捉するパターン付きされたフィルム上の表面積を増加させる、又は減少させることができる。
好ましくは、エリア82b、84b(エリアは同一であっても、そうでなくてもよい)の半分は、光学式検体センサ70の第1領域72であり、エリア82b、84bのもう半分は光学式検体センサ70の第2領域72にある。概して、光源82によって放射される光の少なくとも一部分は、第1領域72から反射されて、検出器84によって捕捉される。同様に、光源82によって放射される光の少なくとも一部分は、第2領域72から反射されて、検出器84によって捕捉される。したがって、検出器84によって受容される光84aは、第1領域72及び第2領域74から受容される光の合計である。目的とする検体に暴露されていない光学式検体センサに対して、第1領域72及び第2領域74の両方に対して応答する検出器は同様となるであろう。しかしながら、暴露されている間、領域72及び74の少なくとも1つが、その光学特性の少なくとも1つにおいて変化し始めるのに伴い、検出器の読み出しはそれに従って変化する。
本開示による他の代表的な光学式読み取り装置は図9Bに示され、これは目的とする検体に対する第1の応答を提示する第1領域と、目的とする検体に対して第2の異なる応答を提示する第2領域74と、を有するパターン付きの光学式検体センサ70を読み取るように構成される光学式読み取り装置90を示す。目的とする検体に応答して、光学式検体センサ70の光学特性の少なくとも1つにおける変化は1つ以上の検出器92a〜92dによって検出され得る。
光学式読み取り装置90は第1アセンブリ192及び第2アセンブリ191を含む。代表的な実施形態に対して、第1アセンブリは検知アセンブリと呼ばれてもよく、第2アセンブリは基準アセンブリと呼ばれてもよい。基準アセンブリは1つ以上の(本明細書では2つ)の光源93、95、及び1つ以上の(ここでは2つ)の検出器91を含む。光学式読み取り装置90は、それが光学式検体センサ70を読み取るために適正な位置合わせで配置されたとき、少なくとも1つの光源93、95によって放射される光の少なくとも一部分が、光学式検体センサ70の第1領域72から反射され、かつ少なくとも1つの検出器91によって捕捉されるように構成される。検知アセンブリ192は1つ以上の光源の1つ以上のブロック及び1つ以上の検出器91を含む。この代表的な実施形態では、検知アセンブリ192は4つのブロックを含み、各ブロックは2つの光源94a〜94d及び96a〜96d、並びに検出器92a〜92dを含む。光学式読み取り装置90は、光学式検体センサ70を読み取るために適正な位置合わせで配置されたとき、検知アセンブリ192の各ブロックにおいて、少なくとも1つの光源94a〜d、96a〜dによって放射される光の少なくとも一部分が、光学式検体センサ70の第2領域74の特定領域(A〜D)から反射され、かつ少なくとも1つの検出器92a〜dによって捕捉されるように構成される。具体的に、光学式検体センサ70の第2領域74の第1領域Aから反射される、第1ブロックの第1光源94a及び第2光源96aによって放射される光の少なくとも一部分は、第1ブロックの検出器92aによって捕捉され、第2領域Bから反射される、第2ブロックの第1光源94b及び第2光源96bによって放射される光の少なくとも一部分は、第2ブロックの検出器92bによって捕捉され、第3領域Cから反射される、第3ブロックの第1光源94c及び第2光源96cによって放射される光の少なくとも一部分は、第3ブロック検出器92cによって捕捉され、第4領域Dから反射される第4ブロックの第1光源94d及び第2光源96dにより放射される少なくとも一部分は、第4ブロック検出器92dによって捕捉される。
好ましくは、第1、第2、及び第4ブロックは、光学式検体センサ70の領域A、B、C、及びDの上に配置され、これによって異なるブロックによって読み取られる領域間に重複はない。かかる代表的な実施形態では、目的とする検体が、この代表的な実施形態による光学式検体センサと流体連通するフィルタ媒体を通じて伝播するとき、光学式検体センサ70の第2の反応性領域74の領域A、B、C及びDは連続して、検体に暴露され、これによって少なくとも1つの光学特性における変化を連続して経験する。具体的に、光学変化がまず領域Aによって、次いでB、次いでC、そして最後にDによって経験されると、検知アセンブリ192の第1、第2、第3、及び第4のブロックは、同じ順序で連続的な変化を検出する。したがって、本発明の代表的な実施形態はマルチ工程のインジケータを可能にする。例えば、1つのそのような位置決めは100%、75%、50%、25%、及び0%の残っている耐用年数の表示をそれぞれ提供する。
4つのブロックが検知アセンブリで示され、1つのブロックは基準アセンブリとして示されているが、任意の他の好適な数のブロックが、本開示と一貫して使用されてもよい。この代表的な実施形態で使用するのに好適な光源、検出器、光学式検体センサ、及び他の構成要素並びに装置は、上記の任意の好適なシステム、要素若しくはアセンブリ、又は任意の他の好適なシステム、要素若しくはアセンブリであってもよい。
本明細書に開示される方法及び装置を用いて光学式検体センサを読み取りする時に、目的とする検体の存在及び/又は濃度に関連した信号を得ることができる。いくつかの実施形態において、光学式読み取り装置の少なくとも1つの光検出器によって生成される信号は、例えば電圧若しくは電流の形態の電気信号である。このような信号は、操作、処理等がされてもよい。本開示による光学式読み取り装置は、1つ以上のアナログ−デジタル変換器を含むことができ、これは、信号が最初はアナログ形式である場合に、プログラミング可能な論理デバイス、例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はフィールドプログラマブルゲートアレイによる処理を容易にするために、デジタル形式の信号を提供することができる。複数の検出器の場合は、異なる信号が各検出器によって提供されてもよい。
1つ以上の光検出器から受信された信号は、所望により、光学式読み取り装置の電気回路網に常駐するアルゴリズム(例えば、ソフトウェア又はファームウェアに搭載されている)に従って数学的に操作(個別に又は組み合わされて)されることができる。したがって、光学式読み取り装置は、このような所望の信号処理を実行するのに必要な場合に従って、更には光源及び/又は光検出器を制御するのに必要な場合に従って、構成要素、電気回路網等を含んでもよい。図10のブロック図を参照して、本開示の光学式読み取り装置はプログラミング可能な倫理デバイス137、例えばマイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、又はフィールドプログラム可能なゲートアレイ、を含んでもよく、プログラミング可能な倫理デバイス137は、光源131を操作し、光検出器132を操作し(及びこれから信号を受信し)、本開示の光学式読み取り装置は光検出器132から受信した信号を処理、操作等してもよく、メモリに様々なデータ及びパラメータを保持してもよく、警告装置136、例えば表示器若しくはディスプレイを操作してもよく、例えば無線若しくはシリアル・インターフェースなどのインターフェース139を介してユーザーと通信してもよく、電力供給135を介して(内部又は外部)電源134から電力を受容し、必要に応じて他の機能を実行してもよい。
例えば、光検出器132から収集された信号は、信号の時間依存性の履歴にアクセスして参照することができるように、(例えば、マイクロプロセッサ137の)メモリに常駐保持されてもよい。これは、検体が存在しない場合の第1のピークから最初に受信したものと同様のピークがもたらすA波長範囲の信号が受信されるように、(例えば一定量の検体の存在下で)光学式検体センサ反射スペペクトルにおける第2のピークがA波長範囲の十分近くまでシフトする場合に有用であり得る。光検出器132から受信した信号の時間依存性の履歴(例えば、波長範囲Aの信号は下降して、その後再度初期値に向かって上昇する)を追跡することにより、本開示の実施形態は、(例えば、もしかすると非常に大量の検体に起因する)このような状態と、潜在的検体暴露期間にわたって比較的一定である反射光信号を受信する状態とを区別することが可能であり得る。比較(例えば、比率化)信号を使用する場合にも、同様の信号処理を実施することができる。
他の情報は、マイクロプロセッサ137のメモリに常駐保持され、本開示の代表的な実施形態の向上した機能を提供することができる。例えば、1つ以上の検出器からの信号が比較され得る1つ以上の所定の条件に関する情報(例えば検知要素を既知の検体濃度に暴露することを介して、実験に導かれた若しくは実験によって得られた所定の応答曲線)が提供され、これは信号(例えば波長範囲Aにおける光の強度)を関連付け、又は信号を、モニタリングされる環境における検体の濃度と比較することができる(例えば、波長範囲Aにおける光の強度と、波長範囲Bにおける光の強度の比率)。代表的な実施形態は、検体濃度と関連した又は当該検体濃度を表す濃度値を得るために、比較信号を所定の反応曲線に関連付けることによって機能することができる。単一反応曲線が代表的な実施形態のメモリの中に予めロード(例えば、恒久的に)されてもよく、又は光学式検体センサの特定の設計、特定の検体等と共に用いるために、複数の反応曲線がメモリの中に定期的にアップロードされてもよい。複数の反応曲線を用いることが可能である。本明細書に開示される方法の内容において、比較信号を反応曲線にこのように関連付けることは、(例えば、複数の比較信号を得ることと、それらを平均化することによって得られる)平均化された比較信号を関連付けること、並びに個々の比較信号を関連付けることを包含する。検出器によって得られた信号とメモリに保持される閾値と関連付けることは、特定の応答(例えば視覚的又は可聴的表示、データロギング等)を引き起こすためにユーザー自身の基準を設定可能にする。高度に有毒な汚染を有する環境では、例えばユーザーは、センサが非常に低い濃度に反応することを望む場合があり、それにしがたってこの閾値を設定することができる。対称的に、低い毒性の汚染物質は閾値を低く設定する必要がない場合がある。
要約すれば、本開示の実施形態は、受信された信号に基づいて、及び/又は本明細書に記載のとおり処理された信号に基づいて、警告機構を介して、吸着床内の特定の位置における、目的とする検体の存在を関連付けられる(例えば、示す)通知信号を生じさせることができる。通知信号は、警告機構(例えば視覚的、音声、又は触覚信号によって)によて、本開示の代表的な実施形態のユーザーに通信され得る。一実施形態では、通知信号は、検体濃度の実際の数値であり得る。これに加えて、及び/又はこれに代えて、数値ではないが、このような数値に関連付けられている通知信号が提供されてもよい。例えば、本開示の実施形態は、検体の検出によって、及び/又は検体の特定量の検出によって、聴覚信号(例えば、ビープ音、チャープ、アラーム信号)、視覚信号(例えば1つ以上の光表示)、及び/又は振動信号を提供することができる。いくつかの例示の実施形態では、警告装置は視覚及び視覚表示のうちの少なくとも1つを提供することができる。一実施形態では、警告装置は1つ以上の点滅光及び/又は異なる色の光表示を含む(例えば光学式読み取り装置が動作していることを示す緑色の光、及び特定の状態を示す赤色)。
本開示のいくつかの実施形態は、(例えば、特定濃度を超えると、例えば、目的とする検体が存在するか否かを表示する)非数量的な表示(nonquantitative indications)を提供してもよい。いくつかの実施形態は、半定量的及び/又は定量的情報(例えば、検体の濃度の予測又は表示)を提供してもよい。いくつかの実施形態は、累積表示(すなわち、最大数時間に及び得る一定時間にわたってモニターされた空気中の検体の濃度から生じる総和表示)を提供してもよい。このタイプの表示は、フィルタシステムを通じてユーザーに汚染の進行を関連付けるのに有用である。いくつかの実施形態では、本開示の実施形態は周期的、又は更には「リアルタイム」の読取り値を提供してもよい。いくつかの実施形態では、本開示の代表的な実施形態は、リアルタイム若しくは周期的のいずれかにおいて、このような情報を(例えばデータロギングされた情報の伝送によって)受容ステーション又は遠隔装置(例えばデータベース)に通信してもよい。例えば、本開示の代表的な実施形態は、このような情報を(例えば無線又は赤外線送信によって)コンピュータ、ワークステーション、中央処理施設等に伝達してもよい。本発明の実施形態に含まれる無線インターフェースは、無線ディスプレイを介してユーザーに、又は管理者、又は産業衛生専門家に対して、フィルタシステムのリアルタイム若しくは定期的なステータスの更新を通信する完全かつ透明性のある方法を提供することができる。
図11A、11B、11C、及び11Dは、本開示による他の代表的なフィルタシステム600を示す。この代表的なフィルタシステムはフィルタカートリッジ600であり、これはPAPRのターボユニット、例えば図1に関して記載されるターボユニット14に使用され得る。フィルタカートリッジ600は、ハウジング620、及びハウジング620内に配置されるフィルタ媒体622(例えば吸着物質である、活性炭)を含む。光学式検体センサ628もまた、ハウジング620内で、フィルタ媒体622と流体連通して配置される。上記のように、光学式検体センサ628は、検体に応答して、その光学特性の少なくとも1つを変える検出媒体を含んでもよく、それは、検出媒体がフィルタ媒体622と流体連通するようにハウジング620内に配置される。ハウジング620の壁部626は観察ポート、例えばそれを通じて光学式検体センサ628が読み取られ得る透明部分627を含む。
フィルタシステム600は、ハウジング620に取り外し可能に取り付けることができる取り外し可能なハウジング部分630を更に含む。図11A〜11Dにおいて、取り外し可能な部分630は、ハウジング620の外壁626を取り囲む構造体として示されているが、取り外し可能な部分は様々な他の好適な形状をとってもよい。いくつかの実施形態では、取り外し可能なハウジング部分は、カラー若しくはスカート、又はカバー若しくはキャップの形態であってもよい。図12は、本開示による取り外し可能なハウジング部分635の代替の実施形態を示し、これはカバー又はキャップのような形状である。光学式読み取り装置655は、取り外し可能なハウジング部分635に恒久的に、又は取り外し可能に取り付けられてもよい。他の代表的な実施形態では、取り外し可能なハウジング部分は、ハウジングを部分的にのみ包囲する、又は被覆してもよい(例えば、取り外し可能なハウジング部分はハウジング620の外壁626の一部分のみを包囲してもよい)。他の構成も、本開示の範囲内である。
ハウジング620に対するハウジング部分630の取り外し可能な取り付けは、例えば1つ以上の弾性スナップ嵌め機構など、任意の好適な取り付け機構によって達成されてもよい。図13Aは、取り付け機構660の1つの代表的な実施形態を示し、これは1つ以上のタブ663及び1つ以上の嵌合スロット662を含む。図は、タブが取り外し可能なハウジング部分630の一部として、スロットがハウジング620の一部として示しているが、機構の位置は任意の好適な方法において逆にされても、変更されてもよい。取り付け機構の他の代表的な実施形態は、図12及び13Bに例示される。図12は、1つ以上の(好ましくは複数の)傾斜したリブ665を示し、これはフック664の1つ以上(好ましくは複数)によって係合されるように構成される。他の好適な取り付け機構は1つ以上のラッチ(例えば図18A及び18Bに関して記載されるラッチ)、ネジ付き形状、又はネジ、ナット、若しくはクリップなど、ハウジング620及びハウジング部分630に係合する別個の係合部を含んでもよい。したがって、いくつかの代表的な実施形態では、フィルタカートリッジが満了したとき、本開示による取付機構は、取り外し可能なハウジング部分を容易に外れるようにし、後続のフィルタカートリッジの使用のためにそれを保持できるようにする。他の代表的な実施形態では、ハウジング部分630は、例えば接着剤によって恒久的に取り付けられてもよい。
図11A〜11Dを更に参照すると、フィルタシステム600は光学式読み取り装置650を含む。その回路及び電源を含む光学式読み取り装置は、ハウジング部分630に恒久的に、又は取り外し可能に取り付けることができる。ハウジング部分630は次いで、ハウジング620に恒久的又は取り外し可能に取り付けられ得る。上記のとおり、光学式読み取り装置650は、少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの検出器を含み得る。光学式読み取り装置は次いで、取り外し可能なハウジング部分630がハウジング620に取り付けられたとき、少なくとも1つの光源によって放射される光の少なくとも一部分が、光学式検体センサ628から反射され、かつ少なくとも1つの検出器によって捕捉されるように取り外し可能なハウジング部分630に取り付けられるべきである。
例示される実施形態では、光学式読み取り装置650は、取り外し可能なハウジング部分630と光学式検体センサ628との間に配置される。しかしながら、他の代表的な実施形態では、光学式読み取り装置650のいくつかの部分又は構成要素は、取り外し可能なハウジング部分630の外に配置されてもよい。例えば、取り外し可能なハウジング部分630は1つ以上の開口部632及び634を含んでもよい。少なくとも1つのこのような開口部は、光学式読み取り装置650の上に配置されてもよい。これは、光学式読み取り装置650が、開口部の少なくとも1つを通じて見ることができる視覚的インジケータを備える警告装置を含む場合に有用であり得る。
いくつかの代表的な実施形態では、光学式読み取り装置650は光学式検体センサ628を読み取るようにされて、押しボタンを介してなど、ユーザーによる起動により、上記に参照された表示を所望により提供してもよい。光学式読み取り装置と動作可能に接続されたユーザーの作動装置(例えば、図8A及び8Bに関して記載された作動装置)は、開口部632及び634のうちの1つ通じてユーザーにアクセス可能であってもよい。したがって、そのような代表的な実施形態では、光学式読み取り装置650のユーザーの作動により、光学式読み取り装置650の少なくとも1つの検出器によって捕捉された光のスペクトルは、光学式検体センサ628の検出媒体の光学特性の少なくとも1つにおける変化に関して分析され得る。少なくとも1つの光学特性における変化が所定の条件を満たした場合、光学式読み取り装置650はユーザーに表示を提供することができる。
本開示の典型的な実施形態において、光学式読み取り装置が少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの検出器を有している状態で、光学式読み取り装置は、フィルタシステムのハウジング(例えば、フィルタカートリッジ)に(恒久的若しくは取り外し可能に、ハウジング部分を介して、若しくは直接的に)取り付けられ、これによって少なくとも1つの光源によって放射される光の少なくとも一部分は、光学式検体センサから反射されて、少なくとも1つの検出器によって捕捉される。光学式読み取り装置をそのような方法で位置合わせするのを助けるために、光学式読み取り装置、及びハウジング若しくは取り外し可能なハウジング部分(どの光学式センサがその上に配置されているとしても)の少なくとも1つは、少なくとも1つの位置合わせ機構を含む。本開示の典型的な実施形態において、光学式読み取り装置のそれぞれ、及びハウジング若しくは取り外し可能なハウジング部分は、接続部分上の対応する形状と嵌合する位置合わせ機構を有する。
具体的に、図11C及び11Dは、光学式読み取り装置650の位置合わせ機構652が、スロットであり得、一方、取り外し可能なハウジング部分630の位置合わせ機構がリブ636であり得るということを示す。図11Dに示されるように、位置合わせ機構652及び636は、フィルタシステム600が図11Bに示されるように組み立てられたとき、光学式読み取り装置650及び光学式検体センサ628の適正な位置合わせを達成するように嵌合され得る。
様々な他のタイプの位置合わせ機構、例えば嵌合突出部及び凹部、タブ及びスロット等が一貫して本開示と使用されてもよい。例えば図14Aは、位置合わせ機構752a及び752bを有する光学式読み取り装置750を示す。嵌合する位置合わせ機構、例えばリブ(図示せず)は、取り外し可能なハウジング部分又はハウジング上に提供される。異なる形状及び寸法のスロット、他のタイプの凹部若しくは突出部、スナップ等を含め、他の構成もまた本開示の範囲内である。図14Bは、1つ以上の位置合わせ機構の他の代表的な実施形態を示す。具体的に、光学式読み取り装置751は、取り外し可能なハウジング部分730、ハウジング自体の、他の好適な構成要素の1つ、2つ、又はそれ以上の開口部732a、732bと嵌合するように構成された1つ、2つ、又はそれ以上の支柱753a、753bを含む。図14Cは1つ以上の位置合わせ機構の他の代表的な実施形態を示す。具体的に、図14Cは、1つ以上のレール757a、757b、及び757cを含む光学式読み取り装置755の一部分を図示し、これは取り外し可能なハウジング部分735、ハウジング自体の、他の好適な構成要素の対応する溝部737a、737b及び737cと嵌合するように構成される。2つ、3つ、又はそれ以上のレール及び対応する溝部は、異なる寸法で、光学式読み取り装置の向きが逆にならないことを確実にしてもよい。例えば、図14Cに示されるように、レール757bは、レール757aよりも広く、757cはレール757bよりも広い。
本開示による代表的なシステムは、フィルタシステムが使用される前に光学式読み取り装置と光学式検体センサとの位置合わせを確認するための方法又は機構を更に含み得る。例えば光学式読み取り装置が光学式検体センサの上であるように、いったん光学式読み取り装置がフィルタシステム上に実装されると、検出器によってどれくらいの光が受容されるかを、それを閾値と比較しながら決定することによって位置合わせが診断することができ、検出器によって受容される光の量が特定の閾値より下である場合、光学式読み取り装置はずれている判断され得る。この機構は、図8A及び8Bに示されるように、例えば光学式読み取り装置を使用して達成され得る。上記の機構に加えて、光学式読み取り装置500は位置合わせインジケータ(例えば1つ以上のインジケータ516及び518)を更に含む。別の方法としては、別個の位置合わせインジケータが提供されてもよい。
概して、診断シーケンス中に1つ以上の光源512及び514からの光は、位置合わせフィードバック機構(例えば、いずれかの代表的な実施形態による試験対象の光学式検体センサ)に反射し、検出器520によって検出される。位置合わせフィードバック機構は、光学式検体センサとして例示されているが、それは光学式検体センサとは別個の形状(及びこれに加えて)、例えば鏡面的に若しくは拡散的に反射形状、例えば反射若しくは白色フィルム、テープ、ステッカー、又は点などであってもよい。検出された信号は解析され、適正な位置合わせを示す1つ以上の所定のパラメータ若しくは基準(例えば検出器によって受容された光の量及び/又はそのスペクトル特性)と比較され得る。検出された信号が適正な位置合わせを示す少なくとも1つの基準に満たない場合、光学式読み取り装置はずれていると見なされる。
一実施形態では、位置合わせインジケータは、光学式読み取り装置が光学式検体センサの上に配置されているという表示(例えば点滅光)を提供してもよい。検出器520は、光学式検体センサから到達し、かつこれから反射される両方の光源512及び514からの光の量を測定する。光学式読み取り装置が適正に位置合わせされている場合、検出器520は、両方の光源に対する応答が、同様である、又は公称のエラー%を伴って所定の比率になることを検知する。位置合わせインジケータは次いで、例えば点滅を停止し、数秒間、固定して点くことによって、適正な位置合わせの表示を提供してもよい。一方又は両方の光源からの信号が所定の値と一致しないということを検出器が検出した場合、不適な位置合わせの表示が提供される。例えば、位置合わせインジケータは急速に点滅し続ける場合がある。他の代表的な実施形態では、位置合わせの試験は、光源512、514、及び検出器520とは別個の(追加の)光源及び/又は検出器を用いて実施され得る。
図15は、本開示によるフィルタシステムの他の実施形態、すなわちレスピレータカートリッジ23を含むパーソナルレスピレータ2を示す。代表的なパーソナルレスピレータ2は、フェースマスク20を含み、この上に一対の空気浄化レスピレータカートリッジ23が実装され得るが、カートリッジの数は変化し得る。例えば、いくつかの実施形態はカートリッジを1つのみ含む場合がある。1つ以上のカートリッジ23はフェースマスク20に対して取り外し可能であり、交換可能であり得る。1つ以上のカートリッジ23は、ハウジング22、及びこのハウジング22内に配置される吸着材料、例えば活性炭などのフィルタ媒体21(図16に示される)を含む。検出媒体(図示せず)を含む光学式検体センサ28はまた、検出媒体がフィルタ媒体と流体連通するようにハウジング22内に配置される。代表的なハウジング22は、気体入口として機能し得る複数の開口部25を有するフロントカバー24を含み、外部環境からの周囲空気がフィルタ媒体を通じて、並びにそこからカートリッジ23からの気体出口として及びフェースマスク20への気体入口として機能する経路(図示せず)を通じてカートリッジ23内に流れるのを可能にする。呼気は、呼気バルブを通じて、レスピレータ2から出る。
ハウジング22の壁部26は透明部分27(これは光源及び検出器が調整される特定のスペクトル範囲に透明である)を含んでもよく、これを通じて光学式検体センサ28は光学式読み取り装置29によって読み出され得る。別の方法としては、壁部26全体が透明であってもよい。光学式検体センサ28は、1つ以上のカートリッジ23に含まれてもよい。これまで記載された実施形態におけるように、光学式検体センサ28は、例えばフィルタ媒体が暴露の条件において検体と平衡化したときに変化を経験することにより、光学的に反応性である。具体的には、光学式検体センサの検出媒体は、検体に応答してその光学特性の少なくとも1つを変えることができ、これは光学式読み取り装置によって検出される。この情報は、それの処理、保存、及び着用者若しくは他の個人との通信を含む様々な方法で使用されてもよく、場合により、カートリッジ、すなわちカートリッジ23を交換する時期であるということを、そのような個人が認識するに役立つ。
図16は、レスピレータカートリッジ23の、部分的に断面である側面図である。必要に応じて、開口部25は、例えば使用前に取り外されるであろう取り外し可能なカバー(図示せず)を使用して、使用するまで密閉されてもよい。吸着材床などのフィルタ媒体21は、開口部25から出口24に通過する、目的とする蒸気を吸収又は吸着し得る。かかる装置に一般的であるように、一方向の吸入バルブが、支柱上に実装されてもよく、これは呼気がカートリッジ23に入るのを防ぐ。ネジ付き、又は好ましくは差込式コネクタ、例えば当業者に既知のものが使用されて取り外し可能にカートリッジ23をフェースマスク20に結合することができる。図1〜3に関して記載されたように、光学式検体センサ28の少なくとも1つにおける変化が、光学式検体センサ28の下のフィルタ媒体21が暴露条件において検体と平衡化しているということを示すとき、カートリッジ23は取り外され、新しいカートリッジと交換される。この変化は使用されて、カートリッジ23の残りの耐用年数、耐用年数の終わりを示すのに使用されてもよく、又は所望の残りの耐用年数のパーセントにおいて警告を与えるのに使用されてもよい。
図17A及び17Bは、本開示による他の代表的なフィルタシステム800を示す。この代表的な実施形態では、代表的なフィルタシステムはフィルタカートリッジ800であり、これはパーソナルレスピレータ、例えば図15に関して記載されたパーソナルレスピレータ2で使用されてもよい。フィルタカートリッジ800は、ハウジング820、及びハウジング820内に配置されるフィルタ媒体822、例えば吸着材(例、活性炭)を含む。光学式検体センサ828もまた、フィルタ媒体822と流体連通してハウジング820内に配置される。上記のとおり、光学式検体センサ828は、検体に応答して、その光学特性を少なくとも1つを変える検出媒体を含んでもよく、それは、検出媒体がフィルタ媒体822と流体連通するように、ハウジング820内に配置される。ハウジング820の壁部826は、それを通じて光学式検体センサ828を読み取ることができる、例えば透明部分827などの観察ポートを含んでもよい。
フィルタシステム800は、ハウジング820に取り外し可能に取り付けられることができる取り外し可能なハウジング部分830を更に含む。ハウジング820に対する取り外し可能なハウジング部分830の取り外し可能な取り付けは、任意の好適な取り付け機構、例えば1つ以上の弾性スナップ嵌め機構(例えば図18A及び18Bに示されているもの)によって実行されてもよい。したがって、いくつかの代表的な実施形態では、フィルタカートリッジが満了したとき、取り外し可能なハウジング部分は、後に続くフィルタカートリッジの使用のために、ユーザーによって容易に取り外され、保持される。他の好適な取り付け機構は、ハウジング820及びハウジング部分830を係合する、1つ以上のラッチ、ネジ付き機構、(例えば周方向のネジ)、バヨネット型の固定機構、別個の係合部(例えばネジ)、ナット又はクリップを含んでもよい。他の代表的な実施形態では、ハウジング部分830は例えば接着剤によって恒久的に取り付けられてもよい。
フィルタシステム800は光学式読み取り装置850を含む。その回路及び電源を含む光学式読み取り装置は、ハウジング部分830に恒久的に、又は取り外し可能に取り付けることができる。ハウジング部分830は次いでハウジング820に恒久的に又は取り外し可能に取り付けることができる。上記のとおり、光学式読み取り装置850は、少なくとも1つの光源及び少なくとも1つの検出器を含み得る。光学式読み取り装置は次いで、取り外し可能なハウジング部分830がハウジング820に取り付けられたとき、少なくとも1つの光源によって放射される光の少なくとも一部分が、光学式検体センサ828から反射され、かつ少なくとも1つの検出器によって捕捉されるように取り外し可能なハウジング部分830に取り付けられるべきである。光学式読み取り装置850は、取り外し可能なハウジング部分830と光学式検体センサ828との間に配置され、又は光学式読み取り装置850のいくつかの部分若しくは構成要素は、取り外し可能なハウジング部分830の外に配置され得る。
図18A及び18Bは、例えばフィルタシステム800において使用され得る1つの好適な取り付け機構を例示する。図18Aは、ハウジング820から取り外された、取り外し可能なハウジング部分830である。この代表的な実施形態では、ハウジング826の側壁はそれに取り付けられたラッチ構造体829を有する。ラッチ構造体829は、概ね壁部826の方向に沿って延在する突出部829a、及び壁部826から外側に突出している保持部材829bを含んでもよい。ラッチ構造体829は、取り外し可能なハウジング部分830の嵌合構造体、例えば図17Bに示されるように、取り外し可能なハウジング部分の縁部832の突出部833などに係合するように構成される。
図16A〜16B及び17A〜17Bにおいて、取り外し可能なハウジング部分830は、ハウジング820の外壁826を包囲する構造体として示されているが、取り外し可能な部分は他の好適な形状(例えば図18を参照)をとってもよい。いくつかの実施形態では、取り外し可能なハウジング部分はカラー若しくはスカート、又はカバー若しくはキャップの形体であってもよく、他の代表的な実施形態では、取り外し可能なハウジング部分はハウジングの外壁の一部分のみを被覆してもよい。
かかる構成は図19に概略的に示され、これは本開示による代表的なフィルタシステム900を示す。フィルタシステム900はハウジング920を含む。フィルタシステム900は、取り外し可能なU型のハウジング部分930を更に含み、これはハウジング920に取り外し可能に取り付けることができる。ハウジング920に対する取り外し可能なハウジング部分930の取り外し可能な取り付けは、弾性材から(form a resilient material)取り外し可能なハウジング部分930を形成することによって実行されてもよく、これによって、取り外し可能なハウジング部分の端部932及び934は、それぞれがハウジング920上に抵抗力をかけて、これによって取り外し可能なハウジング部分を定位置に保持する生きたヒンジとして動作する。他の実施形態に関して上記のものなど、又は任意の他の好適な取り付け機構など、他の好適な取り付け機構もまた使用されてもよい。
取り外し可能なハウジング部分(例えばカラー若しくはスカート)を含む代表的な実施形態は、光学式読み取り装置を、レスピレータカートリッジとして含まれる光学式検体センサと近接かつ整列されて光学式読み取り装置を保持する便利な方法を提供する。このような代表的な実施形態において、光学式読み取り装置は、カートリッジハウジングから及び/又は取り外し可能なハウジング部分から取り外されて、高度に再現可能な位置決めを備えてアセンブリ内に交換される。ハウジング部分はまた、使用中に光学式読み取り装置を機械的に保護するように機能することができる。不透明なプラスチックで作製された場合及び/又は光吸収材料でコーティングされた場合、フィルタアセンブリの様々な部分は入射光を防ぎことができ、これによって光学式読み取り装置のために安定した照射を維持する。
本明細書に開示される特定の代表的な構造、特徴、詳細、形状等は、多くの実施形態において置き換えられ得る、変更され得る、及び/又は組み合され得ることは、当業者には明らかであろう。例えば、本明細書に記載の光学式読み取り装置及び/又は光学式検体センサは、本明細書に記載の様々なフィルタシステム又は任意の他の好適なフィルタシステムと共に使用され得る。本発明者は、こうした変更及び組み合わせは全て、考案された発明の範囲に含まれるものと考える。したがって、本発明の範囲は、本明細書に記載された特定の図示された構造に限定されるべきではなく、むしろ特許請求の範囲の言語によって記載された構造、並びにこれら構造の等価物によるべきである。参照により本明細書に援用したいずれかの文書内での仕様と開示との間の不一致及び矛盾が存在するという点に関して、本仕様書は制御されるであろう。
この実施例の光学式検体センサは図3Aに示されるような薄膜インジケータであった。それは固有ミクロ孔質のポリマー(PIMs)を検出層として用い、Niの部分的反射層、及び銀ナノ粒子蒸気透過性反射層を使用して調製された。PIMポリマーは、Buddら(Advanced Materials,2004,Vol.16,No.5,pp.456〜459)に報告された手順に一般的に従って、モノマーBC及びFAから調製した。9.0グラムのBCを、5.28gのFA、18.0gの炭酸カリウム、及び120ミリリットルのDMFと混合し、混合物を、70℃で24時間反応させた。得られたポリマーを、THF内に融解し、メタノールから3回沈殿させ、次に、室温の真空下で乾燥させた(PIMサンプル50〜2)。
金属化したポリエチレンテレフタレート(PET)基材は、10nm厚さのNi金属をMelinex ST505クリアPET上に蒸着することによって調製された。PIMポリマーを4%濃度のクロロベンゼン溶液に溶解し、NiコーティングされたPETから構成されるベース基材上に堆積させた。
最後に、銀ナノ粒子層がPIM上に堆積させた。100gの貯蔵のナノ銀溶液(Advanced Nanoproducts(Korea)からのDGP−40LT−15C、40wt%銀)は、150gの1−メトキシ−2−プロパノールで希釈し、PIM層上にコーティングされた。堆積後、全体的なセンサ構造体は130℃で12時間加熱し、銀ナノ粒子を焼結させた。
2.フィルタカートリッジの調製
レスピレータカートリッジは、最初に12mm×25mm片のセンサフィルム(実施例1に記載された)を透明なポリカーボネートカートリッジ本体(8172、3M Company(St.Paul,MN))の内壁に接着することによって調製された。カートリッジ本体は次いで、800ccのKuraray GCカーボン(12×20メッシュサイズ)で充填され、カーボンを封じ込めるために固定器具のプレートが本体に超音波溶接され、カートリッジを閉じた。カートリッジの構造体は図2に示される。
3.光学式読み取り装置及びハウジングの調製
レスピレータカートリッジ内のフィルムセンサを電子的に読み取るために、2つの表面実装の発行ダイオード(LED)及びケイ素光検出器を含む光学式読み取り装置が調製された。検出光学、すなわちLED及び検出器は、プリント基板の両側に実装され、基板にキャビティを有した。LEDからの光はフィルムに反射して、検出器を照射する。この構造体は、読み取り装置が薄型の要素を有することを可能に、またLEDからの直接的な干渉を防ぐ。LEDは、591nm及び606nmのピーク発光波長で選択された。読み取り装置は、連続してこれらの選択された波長においてセンサを照射することによって機能する。反射光の強度は、光検出器によって測定され、その可視の反射スペクトルシフトに基づくセンサ応答を測定した。
透明なプラスチックハウジングは、ステレオリソグラフィ(SLA)を使用して作製され、光学式読み取り装置を収容した。DSM Somos(Watershed 11120)からの透明な樹脂が使用されて、カセットを作製した。かかる読み取り装置は図8に示される。
4.取り外し可能な光学式読み取り装置を収容するためのカートリッジスカート
図10Dに示されるレスピレータカートリッジのためのプラスチックのスカートが黒いABS樹脂で作製された。図10A〜10Dに示されるのはスカート、及びセンサの付近における取り外し可能な読み取り装置の保持に関するその使用である。スカートは取り外し可能にフィルタカートリッジに結合されているのが示されているが、本実施形態では、スカートは、フィルタ/スカートアセンブリに取り外し可能に接続された読み取り装置を備えるフィルタには、恒久的に取り付けられる可能性が高い。この方式において使用され、スカートは、作業環境内で機械的な酷使から、又は汚染(塵、吹き付け、噴射)から読み取り装置を保護する、読み取り装置を取り付ける強固な手段を提供する。読み取り装置は、両面接着テープを使用してスカートに取り付けられる。
5.取り外し可能なカートリッジスカート
この実施形態は実施例4と同様であるが、本明細書では読み取り装置はスカートに恒久的に取り付けられ、フィルタシステムと取り外し可能に結合され得るアセンブリを作る。読み取り装置/スカートアセンブリの使用は、使用中に読み取り装置を紛失する機会を最小化させ、裸の読み取り装置カートリッジの取扱を排除し、全体的なシステムをより堅牢なものにする。
6.再利用可能な負圧レスピレータに好適なカートリッジのための取り外し可能なスカート又はスリーブ
この実施形態は実施例5に類似であるが、再利用可能な負圧レスピレータのレスピレータカートリッジを用いて使用されるように調整される。読み取り装置はスカート又はスリーブに恒久的に取り付けられ、これはカートリッジと取り外し可能に結合され得る。ユーザーはカートリッジから読み取り装置/スカートアセンブリを外し、これを取り付ける。これは、使用中に読み取り装置を紛失する機会を最小化させ、裸の読み取り装置カートリッジの取扱を排除し、全体的なシステムを組み立て及び使用のためにより便利にする。このような装置は、カラー内に一体化され、カートリッジ上のフィルムを読むためのシースルーキャビティを備える保護ケース内に有用された光学式読み取り装置を有する。