以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態を説明する。説明の明確化のため、以下の記載及び図面は、適宜、省略及び簡略化がなされている。又、各図面において、同一要素には同一の符号が付されており、説明の明確化のため、必要に応じて重複説明は省略されている。
第1実施形態
本発明の第1実施形態について説明する。第1実施形態は、ホスト計算機、ストレージシステムそして管理システムを含む計算機システムの管理を説明する。第1実施形態の管理システムは、指定されたデータ(例えば仮想マシンの論理ディスク)のバックアップ方法の候補を決定する。バックアップは、ホスト計算機の負荷低減のために、ホスト計算機のコピー機能を使用することなく、ストレージシステムのコピー機能のみを使用することが好ましい。また、容量効率及びセキュリティに観点から、バックアップにおけるデータコピーから、バックアップ対象以外のデータが除かれていることが好ましい。
管理システムは、ストレージシステムが提供しホスト計算機が利用する記憶空間におけるボリューム構成を特定し、そのボリューム構成における記憶データの配置を特定する。管理システムは、さらに、ストレージシステムに実装されているコピー機能の仕様を特定する。特に、各コピー機能のコピー単位(例えば、ボリューム単位やファイル単位)を特定する。
管理システムは、指定データのバックアップにおいてバックアップ対象のデータのみをバックアップすることができるストレージシステム内のコピー機能を選定する。現状のデータ配置では、ストレージシステムに実装されたいずれのコピー機能(コピー単位)によっても、バックアップ対象のデータのみをコピーすることができない場合、管理システムは、それを実現するためのデータ移動方法を決定する。データ移動後の構成において、ストレージシステムのいずれかのコピー機能が、上記特定バックアップの対象データのみをコピーすることができる。
このように、第1実施形態は、ストレージシステムのコピー機能により、細粒度(例えば、論理ドライブ毎又はアプリケーション毎)のバックアップを行う方法を決定することができる。バックアップ方法の決定の具体的な処理は、ユーザに対して隠蔽される。
まず、図1から図4を参照して、第1実施形態の計算機システム1の構成を説明する。図1は、第1実施形態に係る計算機システム1の構成を模式的に示すブロック図である。図1に示すように、計算機システム1は、ストレージシステム10A、10B、ホスト計算機30、管理計算機40を含み、これらは、データネットワーク20及び管理ネットワーク21で接続されている。
ストレージシステム10A、10B及びホスト計算機30は、各々のデータインタフェースからデータネットワーク20を介して互いに接続される。データネットワーク20は、例えば、SAN(Storage Area Network)である。データネットワーク20は、IPネットワーク若しくはその他のいかなる種類のデータ通信用のネットワークであってもよい。
ストレージシステム10A、10B、ホスト計算機30、及び管理計算機40は、各々の管理インタフェースから管理ネットワーク21を介して互いに接続される。管理ネットワーク21は、例えば、IPネットワークである。管理ネットワーク21は、SAN若しくはその他のいかなる種類のネットワークであってもよい。データネットワーク20と管理ネットワーク21とが同一のネットワークであってもよい。
ホスト計算機30及び管理計算機40は、同一ハードウェア構成の計算機でよい。図1の計算機システム1は、2台のストレージシステム10A、10B及び1台のホスト計算機30、そして1台の管理計算機40を含むが、計算機システム1に含まれる各種計算機及びストレージシステムの台数は、限定されない。以下において、ストレージシステム10は、ストレージシステム10A、10Bの任意の一つを意味する。本例において、これらは同じ構成を有する。
図2は、第1実施形態に係るストレージシステム10の構成を模式的に示す図である。ストレージシステム10は、ストレージシステム10の全体を制御するストレージコントローラ11、データを格納するストレージ装置12を備える。ストレージコントローラ11とストレージ装置12は、ストレージインタフェース(I/F)112を介して接続される。
ストレージコントローラ11は、データI/F110、CPU(Central Processing Unit)111、ストレージI/F112、管理I/F113、メモリ114を含む。データI/F110は、データネットワーク20に対するインタフェースであって、一つ以上の通信用ポートを持つ。ストレージコントローラ11は、このポートを介してホスト計算機30とデータの送受信を行う。
CPU111は、主記憶デバイスであるメモリ114に格納されたプログラムを実行するプロセッサである。ストレージI/F112は、ストレージシステム10に対するインタフェースである。ストレージコントローラ11は、ストレージI/Fを介して、ストレージ装置12と、データや制御命令の送受信を行う。なお、本実施形態で説明するストレージコントローラ11の機能の少なくとも一部は、ハードウェアによって実現されてもよい。
管理I/F113は、管理ネットワーク21とのインタフェースであって、一つ以上の通信用ポートを持つ。ストレージコントローラ11は、このポートを介して、ホスト計算機30、管理計算機40及び他のストレージシステムと、データや制御命令の送受信を行う。
メモリ114には、ストレージマイクロプログラム115が格納されている。ストレージマイクロプログラム115は、ストレージシステム10を管理するプログラムでありCPU111によって実行される。説明の便宜上、ストレージマイクロプログラム115はメモリ114内に示されているが、典型的には、ストレージマイクロプログラム115及びそれが使用するデータは、ストレージ装置12又はその他の不揮発性記憶デバイスの記憶領域からメモリ114の記憶領域にロードされる。
ストレージマイクロプログラム115は、ボリュームをホスト計算機30に認識させる機能を有する。例えば、ストレージマイクロプログラム115は、ストレージ装置12の物理記憶領域を、一つ以上のボリュームとしてI/F経由でホスト計算機30に提供する。図2の例において、4つの物理リソース120A〜120Dが例示されている。
図2では、4つの物理リソース120A〜120Dが存在しているが、ストレージシステム10が有する物理リソースの数は任意である。以下において、物理リソース120は、物理リソース120A〜120Dの任意の一つを意味する。
物理リソース120は、ホスト計算機30が使用するデータを格納する実記憶領域である。物理リソース120は、HDD(Hard Disk Drive)やSSD(Solid State Drive)などの物理デバイスによって提供される物理記憶領域を表す。例えば、物理リソース120は、複数のデータ記憶ドライブから構成されるRAID(Redundant Array of Independent Disks)の物理記憶領域である。
本例のストレージマイクロプログラム115は、複数の論理ボリュームを含むプール121を構築する。図2の例において、プールは、二つの物理リソース120C、120Dを含む。物理リソース120C、120Dは、複数の論理ボリュームを提供する。
プール121において、各論理ボリュームは複数ページに分割される。ストレージマイクロプログラム115は、プール121を、ページ単位で管理する。ストレージマイクロプログラム115は、プール121から仮想ボリュームを構築し、それをホスト計算機30に提供する。この点は後述する。
ストレージマイクロプログラム115は、設定データに従って、論理ボリューム内のデータを、別の論理ボリュームにコピーする機能を有する。例えば、ストレージシステム10内の物理リソース120A、120Bがそれぞれ一つの論理ボリュームを構成する場合に、ストレージマイクロプログラム115は、物理リソース120Aから物理リソース120Bへデータをコピーする。ストレージマイクロプログラム115は、仮想ボリュームをコピーする機能も有する。
ストレージコントローラ11がデータをコピーすることができる単位(コピー粒度)は、ストレージコントローラ11の設計(機能)に依存する。ストレージコントローラ11のコピー単位は、例えば、ボリューム単位、ファイル単位、ページ単位、ブロック単位等である。ブロック単位のコピーは、LBAで指定された範囲をコピーする。ストレージコントローラ11には、1つ又は複数の単位でのコピー機能が実装される。本実施形態のシステムは、ストレージコントローラ11(ストレージシステム10)が対応可能なコピー単位に応じたバックアップ方法を決定する。この点については後述する。
図3は、第1実施形態に係るホスト計算機30の構成を模式的に示すブロック図である。ホスト計算機30は、入力デバイス300、表示デバイス301、CPU302、データI/F303、メモリ304、二次記憶デバイスの不揮発性記憶領域305、管理I/F306を含む。
入力デバイス300の典型的な例は、キーボード及びポインタ・デバイスであるが、これらと異なるデバイスでもよい。表示デバイス301は、典型的には、LCD(Liquid Crystal Display)である。ユーザは、これら入出力デバイスによって、ホスト計算機30を操作する。
CPU302は、メモリ304に格納されたプログラムを実行するプロセッサである。データI/F303は、データネットワーク20に対するインタフェースであって、1つ以上の通信ポートを持つ。このポートを介してホスト計算機30は、ストレージシステム10A、10Bとデータの送受信を行う。
メモリ304は主記憶デバイスであって、図3において、メモリ304には、仮想マシン(VM)307、ハイパーバイザ308、エージェント309が格納されている。また、VM307において、アプリケーション310及びオペレーティングシステム311が動作する。これらプログラムは、CPU302によって実行される。
説明の便宜上、プログラム及びそれらが使用するデータはメモリ304内に示されているが、典型的には、プログラム及びそれらが使用するデータは、二次記憶デバイスの記憶領域305からメモリ304の記憶領域にロードされる。メモリ304と記憶領域305は、一つの記憶デバイスとして見ることができる。二次記憶デバイスの記憶領域305は、所定の機能を実現するために必要なプログラム及びデータを格納する、非一時的記憶媒体を有する。二次記憶デバイスは、ネットワークを介して接続された外部の記憶デバイスでもよい。
アプリケーション310は、VM307上で動作する業務を実行するプログラムである。ストレージシステム10の物理リソース120に対してデータを読み書きすることにより処理を実行する。図3は、一つのアプリケーション310を例示するが、複数のアプリケーションが、VM307において動作していてもよい。アプリケーション310は、例えば、グループウェア/電子メールサーバプログラムやデータベース管理システムである。ストレージシステム10は、アプリケーション310に対して、一つ又は複数のボリュームを提供する。
OS311は、ホスト計算機30のVM307上で動作する計算機全体を管理する基本ソフトウェアである。これをゲストOSという。ハイパーバイザ308は、VM307を構築し、それを制御する仮想化制御プログラムである。ハイパーバイザ308は、メモリ304上に、一つ以上のVM307を動作させることができる。VM307のVMイメージファイルをコピー又は移動する機能は、ハイパーバイザ308に含まれる。
エージェント309は、ホスト計算機30、VM307、ゲストOS310及びアプリケーション311の情報、並びに、ストレージシステム10A、10Bの情報を取得し、管理計算機40に情報を通知する機能を持つ。管理I/F306は、管理ネットワーク21とのインタフェースであって、システム管理のためにストレージシステム10A、10B及び管理計算機40と、データや制御命令の送受信を行う。
図4は、第1実施形態に係る管理計算機40の構成を模式的に示すブロック図である。管理計算機40は、入力デバイス400、表示デバイス401、CPU402、管理I/F403、メモリ404、記憶領域405を備える。入力デバイス400の典型的な例は、キーボード及びポインタ・デバイスであるが、これらと異なるデバイスでもよい。表示デバイス401は、典型的には、LCDである。
管理者(ユーザ)は、表示デバイス401によって処理結果を視認しながら、入力デバイス400によって必要なデータを入力する。管理者が入力する情報及び表示デバイス401による表示例は、後述する。図1の計算機システム1において、管理システムは一つの管理計算機40で構成されているが、管理システムは、管理計算機40に加え、ユーザインタフェースを提供する管理コンソールを含むことができる。
管理コンソールは表示デバイス及び入力デバイスを有する。管理者は管理コンソールから管理計算機40にアクセスし、管理計算機40に処理を指示するとともに、管理コンソールに管理計算機40の処理結果を取得、表示させる。管理システムは、それぞれが管理計算機40の機能の一部又は全部を備える複数の計算機を含むこともできる。
CPU402は、メモリ404に格納されたプログラムを実行するプロセッサである。管理I/F403は、管理ネットワーク21とのインタフェースであって、システム管理のためにホスト計算機30及びストレージシステム10A、10Bと、データや制御命令の送受信を行う。
本例において、メモリ404には、レプリケーション管理プログラム406、構成情報テーブル407、データ記憶領域管理テーブル408、コピー機能管理テーブル409、バックアップ管理テーブル410、及びシステムポリシテーブル411が格納されている。
説明の便宜上、プログラム及びテーブルはメモリ404内に示されているが、典型的には、プログラム及びテーブルは、二次記憶デバイスの記憶領域405からメモリ404の記憶領域にロードされる。これらを一つの記憶デバイスと見ることができる。二次記憶デバイスは、不揮発性の非一時的記憶媒体を備える記憶装置である。二次記憶デバイスは、ネットワークを介して接続された外部の記憶デバイスでもよい。
レプリケーション管理プログラム406は、CPU402によって実行されることにより実現され、本実施形態の処理を実現する。レプリケーション管理プログラム406は、管理者への設定画面の提供、ホスト計算機30やストレージシステム10A、10Bからの情報取得、バックアップ方法の選定、バックアップ方法の提示、コピー機能の制御、各テーブルの管理を行う。
構成情報テーブル407、データ記憶領域管理テーブル408、コピー機能管理テーブル409、バックアップ管理テーブル410、及びシステムポリシテーブル411については後述する。本発明の実施形態において、管理システムが使用する情報(データ)は、上記テーブルに格納されている。データ記憶領域に格納され本実施形態で使用される情報は、データ構造に依存せず、どのようなデータ構造で表されていてもよい。例えば、テーブル、リスト、データベースあるいはキューから適切に選択したデータ構造体が、情報を格納することができる。
本計算機システム1において、プログラムは、プロセッサによって実行されることで、定められた処理を記憶デバイス及び通信インタフェースを用いながら行う。従って、本実施の形態において、プログラム、例えば、レプリケーション管理プログラム406を主語とする説明は、プロセッサ(CPU)を主語とした説明でもよい。若しくは、プログラムが実行する処理は、そのプログラムが動作する装置及びシステムが行う処理である。
プロセッサは、プログラムに従って動作することによって、所定の機能を実現する機能部として動作する。例えば、CPU402は、レプリケーション管理プログラム406に従って動作することで計算機システムの管理部として機能する。他のプログラム、プロセッサ及び装置についても同様である。プロセッサ及びプログラムを含む装置及びシステムは、これらの機能部を含む装置及びシステムである。
次に、本実施形態において参照されるテーブルについて説明する。図5に構成情報テーブル407の一例を示す。構成情報テーブル407は、各エントリにおいて、各カラム(フィールド)の情報を関連付けて記憶する。構成情報テーブル407は、ホスト計算機30及びストレージシステム10A、10Bの論理構成(ボリューム構成及びファイル構成)の情報を格納するためのテーブルである。構成情報テーブル407は、管理計算機40で実行されるレプリケーション管理プログラム406によって参照される。
構成情報テーブル407は、ボリューム及びVM(そのイメージファイルを含む)の構成情報を格納している。具体的には、構成情報テーブル407は、ホスト計算機30を識別するためのホストID501、ホスト計算機30上のVMを識別するためのVMID502、VMのゲストOS上で認識されている論理ドライブを識別するためのドライブID503、VMのVMイメージファイルを識別するVMイメージファイルID504を格納する。
構成情報テーブル407は、さらに、データストアを識別するためのデータストアID505、ホストボリュームを識別するためのホストボリュームID506、ストレージシステム10を識別するためのストレージID507、及び仮想ボリュームを識別する仮想ボリュームID508を格納する。
レプリケーション管理プログラム406は、ホストID501、VMID502、ドライブID503、VMイメージファイルID504、データストアID505、及びホストボリュームID508の情報を、ホスト計算機30のエージェント309より取得する。レプリケーション管理プログラム406は、ストレージID507、仮想ボリュームID506の情報を、ストレージシステム10A、10Bのストレージマイクロプログラム115より取得する。
レプリケーション管理プログラム406は、取得した情報を、構成情報テーブル407に格納する。管理者は、構成情報テーブル407にあらかじめ必要な情報を入力してもよい。構成情報テーブル407は、論理ドライブの情報の識別子であるドライブID503のカラムに、ゲストOS上で稼働しているアプリケーションの識別子を格納してもよい。アプリケーションの識別子を含むエントリは、論理ドライブのエントリと同様のフィールドを有する。なお、本明細書において、対象を識別する識別情報のために、識別子、名、ID等の表現を用いることができ、これらは置換可能である。
図6にデータ記録領域管理テーブル408の一例を示す。データ記憶領域管理テーブル408は、ゲストOSの論理ドライブの物理記憶領域を特定するためのマッピングテーブルである。データ記録領域管理テーブル408は、各エントリにおいて、各カラム(フィールド)の情報を関連付けて記憶する。本テーブルは、管理計算機40で実行されるレプリケーション管理プログラム406によって参照される。
データ記憶領域管理テーブル408は、論理ドライブ及びそのVMを識別するVM/ドライブID601と、ホストボリュームを識別するためのホストボリュームID602、VM/ドライブのデータが書き込まれているホストボリューム内の領域を識別するホストボリュームLBA(Logical Block Address)領域603を含む。
データ記憶領域管理テーブル408は、さらに、ストレージシステム10を識別するためのストレージID604、ストレージシステム10内で構築されているプール121を識別するためのプールID605、仮想ボリュームを識別するための仮想ボリュームID606を含む。
データ記憶領域管理テーブル408は、さらに、ホストボリュームLBA領域603に対応する仮想ボリュームの記憶領域を識別するための仮想ボリュームLBA領域607、物理リソース120を識別するための物理リソースID608、仮想ボリュームLBA領域607に対応する物理リソースの記憶領域を識別するための物理リソースLBA領域609を含む。
レプリケーション管理プログラム406は、ストレージID604、プールID605、仮想ボリュームID606、仮想ボリュームLBA領域607、物理リソースID608、物理リソースLBA領域609の情報を、ストレージシステム10A、10Bから取得する。ストレージID604、プールID605、物理リソースID608は、ストレージシステム10に物理リソース120を追加したときに決定される。
レプリケーション管理プログラム406は、VM/ドライブID601、ホストボリュームID602、ホストボリュームLBA領域603を、ホスト計算機30のエージェント309から取得する。VM/ドライブID601、ホストボリュームID602、ホストボリュームLBA領域603、仮想ボリュームID606、仮想ボリュームLBA領域607、物理リソースLBA領域609は、VM/ドライブのデータが格納されたときに決定される。
つまり、仮想ボリュームLBA領域607、物理リソースLBA領域609は、ホスト計算機30からの書き込みが発生して仮想ボリュームへのページの割当て要求があったときに決定される。仮想ボリュームID606は、仮想ボリュームを作成した時に決定されてもよい。
例えば、構成情報テーブル407及びデータ記憶領域管理テーブル408から、仮想マシンVM001のDドライブのデータは、ストレージシステムST001の物理リソースMEDIA001の領域LBA3000から3999に格納されていることが分かる。ホスト計算機30は、仮想マシンVM001のDドライブのデータは、ホストボリュームHVOL001のLBA3000から3999に書き込まれていると認識しているが、実際のデータが格納されているのは、物理リソースの記憶領域である。
データ記憶領域管理テーブル408、論理ドライブの情報の識別子であるVM/ドライブID601のカラムに、ゲストOS上で稼働しているアプリケーションの識別子を格納してもよい。アプリケーションの識別子を含むエントリは、論理ドライブのエントリと同様のフィールドを有する。
図5及び図6の構成情報テーブル407及びデータ記憶領域管理テーブル408は一例であって、データ記憶領域管理テーブル408は、バックアップ対象(例えばVMや論理ドライブ)のデータの実体がどの記憶領域のLBA領域に書き込まれているか分かれば、どのような構成を有していてもよい。本例は、仮想ボリュームのエントリのみを有するが、これらテーブルは、仮想ボリューム以外の論理ボリュームを含むこともある。
図7は、コピー機能管理テーブル409の一例を示す。コピー機能管理テーブル409は、計算機システム1における各機器のコピー機能の情報を管理するためのテーブルである。コピー機能管理テーブル409は、各エントリにおいて、各カラム(フィールド)の情報を関連付けて記憶する。コピー機能管理テーブル409は、管理計算機40で実行されるレプリケーション管理プログラム406によって参照される。
コピー機能管理テーブル409には、機器の分類を示す機器分類701、各々の機器を識別するためのシステム機器ID702、機器に存在するコピー機能703、コピー機能703の用途として、バックアップ用途704、移動用途705、コピー機能を利用する優先度706を格納している。
本例において、仮想マシン、ホスト計算機そしてストレージシステムが、機器分類701に含まれている。本例では、コピー機能703のカラムには、一例として、「ボリューム指定コピー機能(クローン)」や「LBA指定コピー機能(スナップショット)」などと記載しているが、コピー機能を特定できればどのような表現でもよい。クローンは、フルコピー機能であり、スナップショットは差分コピー機能である。
図7に示すように、いくつかのコピー機能は、バックアップ又は移動の一方の用途にのみ使用可能であり、いくつかのコピー機能は、双方の用途に使用可能である。機器が実装し得るコピー機能は、これらのコピー機能に限定するものではない。
優先度706は、バックアップに使用する機器のコピー機能の優先度を示す。その値が小さい程、優先度が高い。ホスト計算機30の負荷低減のめ、ストレージシステム10のコピー機能の優先度が、ホスト計算機30(仮想マシンを含む)のコピー機能の優先度よりも高い。また、バックアップにかかる時間が短い方が好ましいため、コピー速度が速いコピー機能の優先度が高い。
バックアップに複数のコピー機能を使用可能である場合、レプリケーション管理プログラム406は、例えば、最も優先度が高いコピー機能を使用するコピー機能として選択する。または、レプリケーション管理プログラム406は、管理者へのバックアップ候補の提示において、優先度706が高いものみを表示する若しくはバックアップ候補の優先度を優先度706から算出して、それを表示してもよい。
機器分類701、システム機器ID702、コピー機能703、用途704、705は、システムを導入した段階、又はコピー機能を追加した段階で、レプリケーション管理プログラム406によって付与される。それらは、管理者によって入力されてもよい。
レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能703と用途704、705との対応関係をあらかじめ保持していてもよいし、コピー機能の仕様情報から自動的に対応付けを行ってもよい。優先度706はコピー機能管理テーブル409に無くてもよいし、レプリケーション管理プログラム406は、その値を付与しなくてもよい。レプリケーション管理プログラム406は、管理者から優先度706の情報を取得して値を格納してもよいし、管理者が、デフォルト値を設定してもよい。
図8は、バックアップ管理テーブル410の一例を示す。バックアップ管理テーブル410は、バックアップの設定情報を管理するためのテーブルである。バックアップ管理テーブル410は、各エントリにおいて、各カラム(フィールド)の情報を関連付けて記憶する。バックアップ管理テーブル410は、管理計算機40で実行されるレプリケーション管理プログラム406によって参照される。
バックアップ管理テーブル410は、バックアップの処理を識別するためのバックアップID801、バックアップの対象を識別するためのバックアップ対象ID802、バックアップで使用するコピー機能803、バックアップのスケジュール804、バックアップ対象のデータが格納されているプライマリボリュームを識別するためのP−VOLID805、及びバックアップ先のセカンダリボリュームを識別するためのS−VOLID806を格納している。一つのバックアップID801に、一つ又は複数のバックアップ対象ID802が関連づけられる。
レプリケーション管理プログラム406は、特定の対象のバックアップを要求する管理者からの入力に従って、バックアップ対象ID802、コピー種別803、スケジュール804、P−VOLID805の情報を、バックアップ管理テーブル410に格納する。バックアップID801は、管理者による設定時に付与される。
レプリケーション管理プログラム406は、管理者によって指定されたバックアップ対象802の情報により、構成情報テーブル407から仮想ボリュームID508を特定し、その値をP−VOLID806として格納する。管理者が、直接に、データボリュームであるプライマリボリュームのP−VOLID806を設定してもよいし、データボリュームを特定できる他の情報によって、P−VOLIDを指定してもよい。
S−VOLID806は、管理者によって設定されてもよいし、レプリケーション管理プログラム406が、構成情報テーブル407において使われていないボリュームを特定し、そのボリュームのIDを設定してもよい。図8の例では、スケジュール804は、バックアップ開始時刻を特定し、時刻(例えば「毎日23:00」)や、時間間隔(例えば「1時間毎」)で規定されているが、バックアップを開始する時刻が特定できればどのような規定方法であってもよい。一般に、データ保護のためのバックアップは、このように定期的に実行される。
上述のように、バックアップにおけるホスト計算機30の負荷増加を避けるため、ストレージシステム10のコピー機能を使用することが好ましい。図8に例示されている二つのコピー種別は、共に、ストレージシステム10のコピー機能であり、ボリューム指定コピー機能(クローン)と、ボリューム指定コピー機能(スナップショット)である。
図9は、システムポリシテーブル411の一例を示す。システムポリシテーブル411は、計算機システム1の論理構成(例えば、ボリューム構成やファイル構成等)及びバックアップの条件を管理するためのテーブルである。システムポリシテーブル411は、ポリシの項目901と、その値902が格納している。レプリケーション管理プログラム406は、管理者から情報を取得した値を項目901のカラム及び値902のカラムに格納してもよいし、デフォルト値が設定されていてもよい。
図9の例では、一台のホスト計算機のデータストア数の上限値は10であり、一つのデータストアのイメージファイル数の上限値は100である。バックアップウィンドウは、バックアップに使用できる時間である。
本実施形態において、レプリケーション管理プログラム406がバックアップのために論理構成(ファイル及びボリューム構成並びにデータ配置)を変更することを提案する又は自動的に変更することがある。レプリケーション管理プログラム406は、システムポリシテーブル411を参照し、そこで規定されている条件の範囲内で、構成変更を提案又は実行する。
次に、本実施形態の計算機システム1における論理構成(ソフトウェア構成)を、図10の概念図を用いて説明する。ストレージシステム10は、複数の論理ボリュームを含むプール121を構築する。論理ボリュームは、物理リソースによって提供される。図10の例において、二つの物理リソース120A、120Bがプール121に、論理ボリュームを提供する。プール121において、各論理ボリュームは複数ページに分割される。
ストレージシステム10は、プール121から仮想ボリュームを構築し、それをホスト計算機30に提供する。図10の例において、二つの仮想ボリューム953A、953Bが図示されている。仮想ボリューム953A、953Bの容量は、論理ボリュームと異なり、仮想化されている。仮想ボリューム953A、953Bにホスト計算機30から書き込みがありデータ格納領域が必要になる度に、ページが仮想ボリューム953A、953Bに割り当てる。
ストレージシステム10は、ホスト計算機30により認識される仮想ボリューム953A、953Bの容量を、仮想ボリューム953A、953Bに割り当てられている実容量(全ページの容量)よりも大きくすることができ、ホスト計算機30に割り当てられる容量を実現するために必要な実用量を、それよりも小さくすることができる(ダイナミックプロビジョニング)。ストレージシステム10は、プール内のページから構成され実容量とホスト計算機30により認識される容量が一致するボリュームを、ホスト計算機30に提供してもよい。
ホスト計算機30のハイパーバイザ308は、ストレージシステム10がネットワーク20を介して提供する仮想ボリューム953A、953Bを、それぞれ、ホストボリューム954A、954Bと認識する。ハイパーバイザ308に見えるホストボリューム954A、954Bは、仮想ボリューム953A、953Bの実容量より多い容量を有することができる。ストレージシステム10は、仮想ボリュームではなく、論理ボリューム(実ボリューム)をホスト計算機30(ハイパーバイザ308)に提供してもよい。
ハイパーバイザ308は複数のVMを実行するための環境を提供する。本例において、VM307A、307Bが例示されている。さらに、ハイパーバイザ308は、ホストボリューム954A、954Bを管理し、それらを単一のデータ記憶領域(ボリューム)であるデータストア955としてVM307A、307Bに提供する。なお、ハイパーバイザ308が複数のホスト計算機に跨っていてもよい。
VM307A、307Bの実体は、データストア955に格納されたVMイメージファイルである。図10において、VM307AのVMイメージファイル956が例示されている。VMに関する情報、VM上で動作するゲストOS、アプリケーションプログラム及びそのデータは、1又は複数のイメージファイル内に格納される。
例えば、図5の例において、仮想マシンVM001の全てのデータは、一つのVMイメージファイルIMG001に格納されている。仮想マシンVM002のデータは、二つのVMイメージファイルIMG002、IMG003に格納されており、具体的には、Cドライブの内容はVMイメージファイルIMG002に格納され、Dドライブの内容はVMイメージファイルIMG003に格納されている。
ハイパーバイザ308は、VMイメージファイルがどのホストボリュームに格納されているかを管理し、VMイメージファイルの読み出し及び書き込みを実行する。上述のように、データストア955は、ストレージシステム10の仮想ボリューム953A、953Bをハイパーバイザ308が認識したホストボリューム954A、954Bから構成される。すなわち、データストア955に格納されたVMイメージファイルは、ストレージシステム10の物理記憶領域に格納される。
以下において、本実施形態に係るバックアップ方法の決定について説明する。管理計算機40のレプリケーション管理プログラム406は、所定イベント、例えば、バックアップの設定変更や新たなバックアップの設定に応答して、対象データのバックアップ方法の候補を決定し、それを管理者に提示する。もしくは、レプリケーション管理プログラム406は、決定したバックアップ方法の候補から最適なバックアップ方法を選択し、そのための設定を自動で行う。
図11は、バックアップ方法決定のための全体的な処理の流れの一例を示す。図11において、S1101からS1105のステップは、管理計算機40上のレプリケーション管理プログラム406によって実行される。CPU402がメモリ404からプログラムを読み出してこの処理を実行する。
レプリケーション管理プログラム406は、ホスト計算機30とストレージシステム10A、10Bから、論理構成(記憶されているデータの構成)の情報と、各機器に存在するコピー機能の情報を取得する(S1101)。レプリケーション管理プログラム406は、取得した情報を、構成情報テーブル407、データ記憶領域管理テーブル408、コピー機能管理テーブル409に格納する。
構成情報テーブル407が示すように、レプリケーション管理プログラム406は、論理構成情報として、ホスト計算機30及びストレージシステム10A、10Bにおける、ボリューム構成及びファイル構成の情報を取得する。ボリューム構成情報は、ホスト計算機30が認識しているホストボリュームと、データストア及びストレージシステム10が提供する仮想ボリュームとの関係の情報を含む。
ファイル構成情報は、VMイメージファイルの構成情報であって、各VMの論理ドライブが格納されているVMイメージファイル及びそのVMイメージファイルの格納位置(格納ボリューム)の情報を含む。
コピー機能管理テーブル409に格納される情報は、計算機システムに属する機器の各々に存在するコピー機能の情報である。具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10A、10B、ホスト計算機30、仮想マシン307上に存在するバックアップ用とデータ移動用のコピー機能の情報を取得する。
システム内の論理構成及びコピー機能の情報を取得するタイミングは、例えば、管理者がレプリケーション管理プログラム406を起動したタイミングであり、若しくは、定期的にレプリケーション管理プログラム406が情報を取得していてもよい。または、システムの論理構成に変更が発生した情報をレプリケーション管理プログラム406が受信する仕組みを持ち、受信したタイミングに情報を更新してもよい。
次に、レプリケーション管理プログラム406は、バックアップの設定情報を取得する(S1102)。レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ設定のための画面を提供し、管理者からの指示によりバックアップ方法の選定を開始する。
データ入力のためにユーザインタフェースは、グラフィックな画面操作(GUI(Graphical User Interface))であってもよいし、コマンドによる入力(CLI(Command Line Interface))であってもよい。レプリケーション管理プログラム406は、管理者によって作られたプロパティファイルを参照してもよいし、自身により自動でバックアップ設定を生成してもよく、設定方法は限定されない。
図12は、バックアップ設定画面の一例を示す。表示デバイス401は、このバックアップ設定画面を表示する。本例のバックアップ設定画面は、バックアップ対象1201とバックアップポリシ1202を設定するセクションを含む。バックアップポリシは、対象データのバックアップ条件を規定する。管理者(ユーザ)は、例えば、特定データ(例えば論理ドライブ)のバックアップポリシ(バックアップ方法)の変更又は新たなデータ(例えば論理ドライブ)のバックアップの設定ために、レプリケーション管理プログラム406に指示して、バックアップ設定画面を表示させる。
バックアップ設定画面は、バックアップ対象1201に、構成情報テーブル407のホストID501、VMID503、ドライブID503を表示する。上述のように、ドライブID503はドライブの情報ではなく、ドライブを使用しているアプリケーションを特定する情報でもよい。バックアップ方法を決定するために指定可能なデータは、設計により決まる。
管理者(ユーザ)は、入力デバイス400を使用して、設定情報を入力することができる。具体的には、管理者は、バックアップ方法決定のために指定するデータ領域を、対応するチェックボックスをクリックすることにより選択することができる。図12の例において、ホスト計算機HOST001、仮想マシンVM001のDドライブ(¥D)が、指定されている。バックアップ対象1201は、バックアップ方法決定のためのバックアップ対象を指定するものであり、実際のバックアップの対象データは、上記指定データ及びバックアップポリシが同一の他のデータを含みうる。
管理者は、バックアップポリシ1202に、障害対応1203、バックアップウィンドウ1204及びスケジュール1207を設定できる。スケジュール1207で設定される情報は、バックアップ管理テーブル410スケジュール804と同じであり、バックアップ開始時刻が設定される。障害対応1203において、管理者は、物理障害対策と論理障害対策の一方を選択することができる。この設定により、使用するコピー機能の候補が決定される。
物理障害対策は、使用しているボリュームが物理的に破損しデータが消失した場合の対策である。例えば、物理障害の一つであるストレージシステム全体の破損に備え、リモートの別のストレージシステムが、バックアップデータを取得してもよい。このバックアップは、ボリュームの破損に対応するため、典型的に、フルコピーを使用する。
論理障害対策は、管理者の操作ミスなどにより、一部のデータが無くなった場合の対策である。ボリュームは破損していないため、データを以前のデータに回復することができればよい。このため、典型的には、ストレージシステム10は、スナップショットを使用する。
バックアップウィンドウ1204には、指定されたデータ(本例で仮想マシンVM001のDドライブ)のバックアップの制限時間が設定される。レプリケーション管理プログラム406は、バックアアップに要する時間が設定されたバックアップウィンドウ内に収まるバックアップ方法を、候補として選択する。
後述するように、選定されるバックアップ方法の候補は、バックアップのためのデータコピーの前のデータ移動を含むことがある。データ移動の回数は一回であり、その後は、スケジュールされたバックアップにおいて、ストレージシステム10のコピー機能によるデータコピーのみを行えばよい。
レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能に加え、移動機能の利用にかかる時間を想定し、その合計時間がバックアップウィンドウ1204の値に収まるように、バックアップ方法の候補を決定する。もしくは、データ移動時間にかかわらず、データコピーに必要な時間からバックアップ方法の候補を決定してもよい。
設定ボタン1205が押下されると、入力された設定が確定され、レプリケーション管理プログラム406は、管理者が入力したバックアップ設定情報を取得する。キャンセルボタン1206が押下されると、レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ設定を行わずに終了する。
上記バックアップポリシは一例であって、バックアップポリシが含むバックアップ条件は、設計に依存する。管理者は、特定データに対してバックアップポリシを設定しなくてもよい。バックアップポリシが設定されていないデータは、バックアップ方法の決定において、全てのデータと同一のバックアップ条件を有すると見なすことができる。
レプリケーション管理プログラム406は、S1102での指定内容と構成情報テーブル407から、指定されたデータの構成を特定する(S1103)。具体的には、指定データの格納位置、つまり、指定データが格納されている、ファイル及びボリューム(データストアを含む)を特定する。この情報は、この後のS1105のバックアップ方法の診断で利用される。
例えば、図12のように、バックアップ方法決定のために、ホスト計算機HOST001における仮想マシンVM001の¥D(Dドライブ)が指定(選択)されている場合、レプリケーション管理プログラム406は、構成情報テーブル407のホストID501のカラムにおいてHOST001を検索し、VMID502のカラムにおいてVM001を検索し、ドライブID503のカラムにおいてDを検索する。
すると、レプリケーション管理プログラム406は、指定されたHOST001−VM001−DのVMイメージファイルID504がIMG001であり、そのデータストアID505がDS001であり、そのホストボリュームID506がHVOL001であることを知ることができる。
レプリケーション管理プログラム406は、S1102で指定されたデータのデータ記憶領域を、データ記憶領域管理テーブル408に格納されている情報から特定する(S1104)。例えば、S1102と同様に、レプリケーション管理プログラム406は、図12の情報に従って、VM/ドライブID601のカラムにおいてVM001−Dを検索する。
レプリケーション管理プログラム406は、指定データ(VM001−D)のホストボリュームID602がHVOL001であり、そのホストボリュームLBA領域603がLBA3000−3999であることを知ることができる。
さらに、レプリケーション管理プログラム406は、データ記憶領域管理テーブル408において、指定データ(VM001−D)が格納されているボリューム及び記憶領域間の対応関係を検索する。データ記憶領域管理テーブル408が示すように、指定データ(VM001−D)の仮想ボリュームID606はVVOL001であり、仮想ボリュームLBA領域607は、LBA0000−0999である。
さらに、上記仮想ボリュームの記憶領域に対応する物理リソースID608及び物理リソースLBA領域609は、それぞれがMEDIA001及びLBA3000−3999である。つまり、VM001上のDドライブの実体は、MEDIA001のLBA3000−3999に格納されていることが分かる。この記憶領域のデータが実際のバックアップ対象である。
このように、レプリケーション管理プログラム406は、データ記憶領域管理テーブル408から、指定されたデータの、仮想ボリューム及びそのLBAで規定される記憶領域並びに物理リソース及びそのLBAで規定される記憶領域を知ることができる。
次に、レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ方法の候補を列挙する(S1105)。バックアップ方法の候補は、データ配置の変更のためのデータ移動を含むことがある。データ移動は、その後の定期的なバックアップのために、一度のみ行われる。列挙するバックアップ方法候補の選定の詳細は、図13A〜図13Dを参照して後述する。レプリケーション管理プログラム406は、さらに、バックアップ方法候補の中から、最終的に使用するバックアップ方法を決定する(S1106)。
決定方法の一つは、S1105で列挙した候補から、管理者に、使用するバックアップ方法を選択させる。この場合、レプリケーション管理プログラム406が、バックアップ方法の候補を提示するための画面を生成し、表示デバイス401により表示する。ユーザインタフェースは、GUIでもCLIでもよく、その表示方法は限定されない。
例えば、レプリケーション管理プログラム406は、図14に示すようなバックアップ方法表示画面によって必要な情報を取得する。図14において、バックアップ方法表示画面は、バックアップ設定項目1401とバックアップ方法一覧1402のセクションを含む。バックアップ設定項目1401は、例えば、バックアップ設定画面(図12)にて管理者が設定した内容を表示する。
バックアップ方法一覧1402は、例えば、S1105で列挙されたバックアップ方法の候補を表示する。管理者は、チェックボックスをクリックすることで、使用するバックアップ方法を選択することができる。図14の例において、バックアップ方法一覧1402は、コピー機能1403、バックアップ速度1404、構成変更有無1405、移動有無1406の情報を表示している。
構成変更有無1405は、該当バックアップ方法の採用に伴い、ボリューム構成又はファイル構成に変更が生じるか否かを示す。移動有無1406は、該当バックアップ方法の採用に伴い、データの移動が発生するか否かを示す。これらの詳細は図13A〜図13Dを参照して後述する。
レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ速度1404に表示する情報を、例えば、コピー機能管理テーブル409から取得することができる。コピー機能管理テーブル409は、不図示のコピー性能情報のカラムを有し、そのカラムに格納された情報をバックアップ速度1404に表示する。
このように、バックアップ方法一覧1402は、管理者に、バックアップ方法を決定するための補足情報を提供する。設定ボタン1407が押下されると、入力された設定が確定される。キャンセルボタン1408が押下されると、適用するバックアップ方法を選択することなく処理が終了する。
バックアップ方法候補からシステムに適用する方法を選択する他の方法において、レプリケーション管理プログラム406が、システムポリシテーブル411(図9)の情報に従って、バックアップ方法を選択する。S1105によってバックアップ方法が一意に特定された場合、つまり、バックアップ方法候補が一つのみである場合は、本ステップを実行する必要はない。
最後に、レプリケーション管理プログラム406は、S1106で決定したバックアップ方法を実現するバックアップ構成を構築する(S1107)。例えば、レプリケーション管理プログラム406が管理者からバックアップ構成構築の指示を取得した場合又はバックアップ構成構築を自動で実行するというポリシが存在する場合に、レプリケーション管理プログラム406は本ステップを実行する。
具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、指定データのバックアップに必要なデータ移動及び対象データのバックアップのために必要なストレージシステム10及びホスト計算機30の設定を行う。レプリケーション管理プログラム406は、本ステップを実行しなくてもよい。ストレージコントローラ11は、設定データに従って、バックアップを実行する。
以下において、図11に示すフローチャートにおけるS1105のバックアップ候補の決定の詳細を、図13A〜図13Dのフローチャートを参照して説明する。上述のように、レプリケーション管理プログラム406が、これらフローチャートに従って動作する。まず、レプリケーション管理プログラム406は、図13Aにフローチャートに従って、指定データの格納状態を診断し、その格納状態によって指定データ(バックアップ方法決定のバックアップ対象として指定されたデータ)を類別する。
具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、指定データ(図12の例においてHST001-VM001−¥D)の配置、つまりそのデータを格納するファイル及びボリュームを特定し、さらに、そのデータを格納するボリューム内のデータ構成、具体的には、指定データを格納するボリューム及びファイルにおける他のデータを特定する。特に、他のデータのバックアップポリシを特定する。レプリケーション管理プログラム406は、特定したこの指定データの格納状態に応じて、指定データを類別する。
指定データの格納状態によって、指定データを含むバックアップ対象のみをコピーするために必要される機能が異なる。つまり、指定データの格納状態によってバックアップに使用することができるストレージシステム10のコピー機能が異なる。さらに、データ(指定データ又は他のデータ)を移動してデータ配置(データ格納状態)を変化させることで、バックアップに使用することができるストレージシステム10のコピー機能を増やすことができる。
計算機システム1は、ホスト計算機30の負荷低減のため、ホスト計算機30のコピー機能を使用することなくストレージシステム10のコピー機能でバックアップを行うことが好ましい。さらに、データ移動することなく、バックアップ対象データのみのバックアップを実現することが好ましい。データ移動に伴うホスト計算機30の負荷の増加及びボリューム構成の変更に伴う管理負荷の増加を避けるためである。
そこで、レプリケーション管理プログラム406は、図13Aのフローチャートに従って、データ移動することなくストレージシステム10のコピー機能でバックアップを行うためにストレージシステム10に必要とされるコピー単位(コピーの粒度)に応じて、指定データを類別する。
以下に説明する例において、レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10における、ボリューム単位、ファイル単位及びブロック単位のコピー機能の有無によって、バックアップ方法候補を決定する。ブロックは、ストレージシステム10におけるデータアクセスの単位である。
レプリケーション管理プログラム406によるコピー機能の有無のチェックは、ストレージシステム10に実装されうるコピー機能に基づく。上記三つの機能の全てをチェックしてもよいし、しなくともよい。レプリケーション管理プログラム406は、例えば、他の単位でのコピー機能と共に、ページ単位のコピー機能の有無をチェックし、そのチェック結果に従ってバックアップにおいて使用するストレージシステムのコピー機能及びそのバックアップ方法に伴うデータ移動の必要性を判定してもよい。
図13Aのフローチャートにおいて、まず、レプリケーション管理プログラム406は、指定されたデータが格納されているVMイメージファイルが、指定データのバックアップポリシとは異なるバックアップポリシのデータを含むか否かを判定する(S1301)。バックアップポリシが同一のデータは、同一のバックアップにおいてコピーすることができる。従って、指定データと同一バックアップポリシのデータは、同一のバックアップにおける対象データに含めることができる。
S1301の判定結果がNOの場合、レプリケーション管理プログラム406は、S1302へ進む。S1301の判定結果がYESの場合、レプリケーション管理プログラム406は、ステップ3(図13Dのフローチャート)へ進む。ステップ3に類別されるデータは、現状データ配置において、ブロック単位でのコピー機能を必要とする。ステップ3の詳細は後述する。
VMイメージファイルが指定データとバックアップポリシが異なるデータを含む場合、ボリューム単位コピー機能又はファイル単位コピー機能により、そのVMイメージファイルを指定データのバックアップのためにコピーすると、そのバックアップに不要なデータをコピーすることになる。そのため、VMイメージファイルの一部をコピーすることができる機能が必要となる。
レプリケーション管理プログラム406は、図11のフローチャートにおけるS1105において説明したように、指定データが格納されているVMイメージファイル及びそのVMイメージファイルの格納データを、構成情報テーブル407を参照して特定することができる。
例えば、S1103にて特定したVMイメージファイルID504の値がIMG001であった場合、レプリケーション管理プログラム406は、VMイメージファイルID504のカラムを検索し、他にIMG001を共有しているVMID502もしくはドライブID503の有無を確認する。図5の例では、VM001のCドライブがIMG001を共有していることが分かる。
レプリケーション管理プログラム406は、さらに、システムポリシテーブル411を参照して、VM001のCドライブのバックアップポリシを知ることができる。このデータのバックアップポリシが指定データであるDドライブのバックアップ条件と異なる場合、S1301の判定結果はYESである。
次に、S1302において、レプリケーション管理プログラム406は、指定データを含むVMイメージファイルが格納されているデータストアに、指定データのバックアップポリシとは異なるバックアップポリシのVMイメージファイルが存在するか否か判定する。S1302において、指定データを格納するVMイメージファイルは、指定データのみ、又は、指定データ及びバックアップポリシが指定データと同一のデータで構成されている。
S1302の判定結果がYESの場合、レプリケーション管理プログラム406は、S1303へ進む。S1302の判定結果がNOの場合、レプリケーション管理プログラム406は、ステップ1(図13B)へ進む。ステップ1に類別されるデータは、現状配置において、ストレージシステム10におけるボリューム単位以下の粒度のコピー機能を必要とする。ステップ1の詳細は後述する。
S1302の判定結果がNOの場合、データストア内の全てのデータ(VMイメージファイル)は、同一のバックアップポリシを有している。そのため、データストアを構成する全てのボリュームをストレージシステム10がコピーすることで、必要なデータのみ(バックアップの対象データのみ)をバックアップすることができる。
レプリケーション管理プログラム406は、指定データが格納されているデータストア及びその構成を、構成情報テーブル407を参照して特定することができる。例えば、S1103にて特定したVMイメージファイルID504がIMG001ある場合、VMイメージファイルIMG001を格納するデータストアのデータストアID505は、DS001である。さらに、レプリケーション管理プログラム406は、システムポリシテーブル411を参照して、データストアID505に格納されているデータのバックアップポリシを知ることができる。
レプリケーション管理プログラム406は、データストアID505のカラムを検索し、データストアDS001にIMG001以外のVMイメージファイルが格納されているかを調べる。図5の例では、データストアDS001には、VMイメージファイルIMG001のみが格納されている。つまり、S1302の判定結果はNOである。
次に、S1303において、レプリケーション管理プログラム406は、指定データを含むVMイメージファイルが、複数のホストボリュームに分散されているか否か判定する。S1303の判定結果がNOの場合、レプリケーション管理プログラム406はS1304へ進む。S1303の判定結果がYESの場合、分散したデータのバックアップにブロック単位のコピー機能が必要であり、レプリケーション管理プログラム406はステップ3へ進む。
このS1303に至る場合は、一つのVMイメージファイルが、指定データのみを含む、又は、同一バックアップポリシのデータが一つのVMイメージファイルに格納されている場合であって、さらに、このイメージファイルが格納されているデータストアに、バックアップポリシが異なる他のイメージファイルが存在する場合である。
レプリケーション管理プログラム406は、S1303において、データストアに複数のホストボリュームが割り当てられている環境で、VMイメージファイルが複数のホストボリュームに分散されているか否かを判定する。例えば、図5の構成情報テーブル407の例では、VMイメージファイルIMG002のデータは、ホストボリュームHVOL002とホストボリュームHVOL003に分散している。従って、S1303の判定結果はYESである。
次に、S1304において、レプリケーション管理プログラム406は、指定データを含むVMイメージファイルを格納しているホストボリュームに、指定データとバックアップポリシが異なるVMイメージファイルが存在するか否かを判定する。S1304において、指定データを格納するVMイメージファイルは、一つのボリュームに格納されている(S1303:NO)。さらに、VMイメージファイルは、指定データのみ、又は、指定データ及びそれと同一バックアップポリシのデータのみを含む。
S1304の判定結果がNOの場合、レプリケーション管理プログラム406は、ステップ1へ進む。S1304の判定結果がNOの場合、バックアップ対象のVMイメージファイルは単一のホストボリュームに格納され、さらに、ホストボリュームは、同一のバックアップポリシのVMイメージファイルのみを格納している、又は、他のVMイメージファイルを格納していない。そのため、ボリューム単位のコピー機能により、VMイメージファイルのみをコピーすることができる。
S1304の判定結果がYESの場合、レプリケーション管理プログラム406は、ステップ2へ進む。S1304の判定結果がYESの場合、指定データを含むVMイメージファイルは単一のホストボリュームに格納され、さらに、そのVMイメージファイルを格納するホストボリュームは、バックアップポリシが異なる他のVMイメージファイルを格納している。ファイル単位のコピー機能は、指定データを含むVMイメージファイルのみを、コピーすることができるため、レプリケーション管理プログラム406は、ステップ2へ進む。
レプリケーション管理プログラム406は、構成情報テーブル407を参照して、当該ホストボリュームID506のエントリが、複数のVMイメージファイルID504を格納しているか否かをチェックする。図5の例では、例えば、ホストボリュームH−VOL001は、VMイメージファイルIMG001のみ格納している。この場合、S1304の判定結果がNOである。
以下において、図13Aのフローチャートに示すステップ1からステップ3の詳細を、それぞれ、図13Bから図13Dを参照して説明する。まず、図13Bのフローチャートを参照して、ステップ1を説明する。ステップ1は、指定データが一つ又は複数のホストボリューム(仮想ボリューム)に格納されており、かつ、そのボリューム内のデータのバックアップポリシが同一である場合の、バックアップ方法候補を決定する。この場合、ストレージシステム10は、ボリューム単位以下の粒度のコピー機能によって、バックアップ要求を満たすことができる。
まず、S1311において、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409を参照して、操作対象のストレージシステム10のコピー機能をチェックし、ボリューム単位コピー機能(ボリューム指定コピー機能)、ファイル単位コピー機能(ファイル指定コピー機能)、ブロック単位コピー機能(LBA指定コピー機能)のいずれかのコピー機能が存在するか否かをチェックする。
いずれか一つのコピー機能でも存在する場合、レプリケーション管理プログラム406は、S1312へ進む。いずれのコピー機能も、バックアップが必要なデータ(バックアップ対象のデータ)のみをコピーすることができる。つまり、指定データのバックアップのためのコピーから、指定データとバックアップポリシが異なるデータを除くことができる。いずれの単位のコピー機能も存在しない場合、レプリケーション管理プログラム406は、S1313へ進む。
例えば、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409を参照して、ストレージシステムST002にはボリューム単位コピー機能(クローン)のコピー機能が存在することを知ることができる。この場合、S1311の判定結果は有であり、レプリケーション管理プログラム406はS1312へ進む。
S1312において、レプリケーション管理プログラム406は、上記コピー機能を利用する1又は複数のバックアップ方法の候補を決定し、それらバックアップ方法の候補を示す情報をメモリ404内に保持する。レプリケーション管理プログラム406は、新たなファイルを生成して、その中にバックアップ方法の候補の情報を格納してもよい。
いずれの単位のコピー機能を存在しない場合(S1311:無)、レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10のコピー機能以外を使用するバックアップ方法を特定する(1313)。具体的には、コピー機能管理テーブル409において、仮想マシン又はホスト計算機のエントリがバックアップ用途のコピー機能を示す場合、レプリケーション管理プログラム406は、これらのコピー機能を使用するバックアップ方法を管理者に提示する。
例えば、図7の例において、ホスト計算機HOST001(そこで動作するハイパーバイザ)は、バックアップに使用できるVMスナップショット機能を有する。レプリケーション管理プログラム406は、このコピー機能を使用したバックアップ方法候補を管理者に提示する。レプリケーション管理プログラム406は、本ステップを実行しなくともよい。
次に、図13Cを参照して、ステップ2の詳細を説明する。ステップ2は、指定データのVMイメージファイルが単一のホストボリューム(仮想ボリューム)に格納されているが、バックアップポリシが異なるデータ、つまり、指定データのバックアップの対象に含まれないデータも、同じ仮想ボリュームに格納されている場合のバックアップ方法候補を決定する。
まず、S1321において、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409のシステム機器ID702のカラムにおいて、操作対象であるストレージシステム10のIDを検索し、そのストレージシステム10がファイル単位コピー機能又はブロック単位コピー機能を有するか否かを判定する。
ストレージシステム10がいずれかのコピー機能を有する場合(S1321:有)、レプリケーション管理プログラム406は、S1322へ進む。ストレージシステム10がいずれのコピー機能も有しない場合(S1321:無)、レプリケーション管理プログラム406は、S1323へ進む。
例えば、図7のコピー機能管理テーブル409において、ストレージシステムST002には、ボリューム単位コピー機能(クローン)のみが実装されており、ファイル単位のコピー機能及びブロック単位のコピー機能は実装されていない。この場合、S1321の判定結果は無であり、レプリケーション管理プログラム406は、S1323へ進む。一方、ストレージシステムST001は、ファイル単位コピー機能及びブロック単位のコピー機能を有するため、レプリケーション管理プログラム406は、S1322へ進む。
S1322において、レプリケーション管理プログラム406は、上記S1321で特定されたコピー機能を利用するバックアップ方法を、実際に使用するバックアップ方法の候補と決定する。具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ方法の候補を示す情報を、メモリ404内に保持する。レプリケーション管理プログラム406は、新たなファイルを生成して、その中に上記情報を格納してもよい。このバックアップ方法のために、データの移動は不要である。
ストレージシステム10がファイル単位コピー機能及びブロック単位コピー機能を有していない場合(S1321:無)、レプリケーション管理プログラム406は、S1323において、コピー機能管理テーブル409を参照して、ストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能が存在するか否かを判定する。
ストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能を有する場合(S1323:有)、レプリケーション管理プログラム406は、S1324へ進む。ストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能を有していない場合(S1323:無)、レプリケーション管理プログラム406は、S1326へ進む。
例えば、図7のコピー機能管理テーブル409において、ストレージシステムST002は、ボリューム単位コピー機能(クローン)のコピー機能を有する。バックアップのコピーを行うストレージシステムがストレージシステムST002である場合、S1323における判定結果は有であり、レプリケーション管理プログラム406は、S1324へ進む。
S1324において、レプリケーション管理プログラム406は、ボリューム単位でのコピー機能によって要求を満たすバックアップを行うためのデータ移動機能が、ホスト計算機30内に存在するか否かを判定する。VMイメージファイルの移動機能が存在する場合(S1324:有)、レプリケーション管理プログラム406は、S1325へ進む。移動機能が存在しない場合(S1324:無)、レプリケーション管理プログラム406は、S1326へ進む。
レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409において、用途が移動705であるコピー機能703を検索する。本ステップを通過する環境において、対象となるデータストア内に、バックアップポリシが異なるデータが混在している。さらに、データストアに含まれる一つのホストボリューム、つまり一つの仮想ボリューム(プライマリボリューム)に、バックアップポリシが異なるイメージファイルが格納されている。
従って、ホスト計算機30が、ホストボリューム間でVMイメージファイルを移動することができれば、ストレージシステム10のボリューム単位コピー機能で、対象のデータ(及びそれと同一バックアップポリシのデータ)のみをコピーすることができる。これらホストボリュームは、同一のデータストア内に存在しても、異なるデータストアに存在してもよい。
図7に示すコピー管理テーブル409において、三つのデータ移動機能が登録されている。一つはVM(ゲストOS)のデータコピー機能、他の一つはホスト計算機(ハイパーバイザ)のデータストア内イメージファイル再配置機能、そして他の一つはホスト計算機(ハイパーバイザ)のデータストア間イメージファイル移動機能である。
VMのデータコピー機能は、VMイメージファイル又はそのVMイメージファイル内の一部データを、同一又は異なるホストボリュームに移動することができる。具体的には、VMのデータコピー機能は、同一又は異なるホストボリュームに、コピーしたデータを含む新たなVMイメージファイルを生成する。
ホスト計算機30(ハイパーバイザ)のデータストア内のイメージファイル再配置機能は、同じデータストアに含まれる異なるホストボリューム間で、VMイメージファイルを移動する。この機能は、バックアップポリシが異なるデータが同一のボリューム内に混在しないように、データを再配置することができる。
ホスト計算機30(ハイパーバイザ)のデータストア間イメージファイル移動機能は、ボリューム内のVMイメージファイルを他のデータストアのボリュームに移動する。この機能は、対象データストア以外のデータストアを必要とする。ホスト計算機30は、他のデータストアを新規で作成する、又は、対象のVMイメージファイルを、バックアップポリシが同一の他のデータストアに移動する。
上記三つの移動機能のいずれも、VMイメージファイルを、異なるホストボリューム間で移動することができる。従って、上記三つの移動機能のいずれか一つでも存在していれば、その機能によるデータ移動の後、ストレージシステム10のボリューム単位コピー機能が、バックアップ要求に従った対象データのバックアップを行うことができる。
S1325において、レプリケーション管理プログラム406は、移動機能とボリューム単位のコピー機能とを利用する1又は複数のバックアップ方法の候補を決定し、それらバックアップ方法の候補を示す情報をメモリ404内に保持する。レプリケーション管理プログラム406は、新たなファイルを生成して、その中にバックアップ方法の候補の情報を格納してもよい。上述のように、利用できる1又は複数の移動機能はS1324で特定されている。
ストレージシステム10にいずれの単位のコピー機能も存在しない場合(S1321:無、S1323:無)、レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10のコピー機能以外を利用するバックアップ方法を特定する(S1326)。S1326は、S1313と同様である。
上記フローは、所望のコピー機能が存在すると(例えば、S1321:有)、移動を伴う他のコピー機能を使用したバックアップ方法についての診断を行わない。しかし、図14の例のように、レプリケーション管理プログラム406は、移動を伴わないバックアップ方法の候補が存在する場合でも、移動を伴うバックアップ方法の候補を特定してもよい(S1305)。この点は、以下に説明する図13Dのフローチャートに従う処理において同様である。
次に、図13Dを参照して、ステップ3の詳細を説明する。ステップ3は、指定データが、バックアップポリシが異なる他のデータと共に一つのVMイメージファイルに格納されている場合(S1301:YES)、又は、データストア内に異なるバックアップポリシのVMイメージファイルが存在し(S1302:YES)、指定データを含むVMイメージファイルが複数のホストボリュームに分散して格納されている場合(S1303:YES)、のバックアップ方法候補を決定する。
まず、S1331において、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409を参照し、操作対象ストレージシステム10にブロック単位のコピー機能が存在するか否かを判定する。ブロック単位コピー機能が存在する場合(S1331:有)、レプリケーション管理プログラム406はS1332へ進む。ブロック単位コピー機能が存在しない場合(S1331:無)、レプリケーション管理プログラム406はS1333へ進む。
例えば、図7のコピー機能管理テーブル409の例において、ストレージシステムST001には、ブロック単位のコピー機能が実装されている。従って、ストレージシステムST001が操作対象である場合、S1331の判定結果は有であり、レプリケーション管理プログラム406はS1332へ進む。
次に、S1332において、レプリケーション管理プログラム406は、該当するコピー機能(ブロック単位コピー機能)を利用するバックア方法候補を決定し、そのバックアップ方法の候補を示す情報をメモリ404内に保持する。レプリケーション管理プログラム406は、新たなファイルを生成して、その中にバックアップ方法の候補の情報を格納してもよい。このバックアップ方法のために、データの移動は不要である。
S1333において、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409を参照して、操作対象のストレージシステム10にファイル単位のコピー機能が存在するか否かを判定する。ファイル単位コピー機能が存在する場合(S1333:有)、レプリケーション管理プログラム406はS1334へ進む。ファイル単位コピー機能が存在しない場合(S1333:無)、レプリケーション管理プログラム406はS1337へ進む。
次に、S1334において、レプリケーション管理プログラム406は、ファイル単位コピー機能によるバックアップを実現するための移動機能がホスト計算機30に存在するか否かを判定する。該当する移動機能が存在する場合(S1334:有)、レプリケーション管理プログラム406はS1335へ進む。該当する移動機能が存在しない場合(S1334:無)、レプリケーション管理プログラム406はS1336へ進む。
具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409において、用途が移動705であるコピー機能703を検索する。本ステップを通過する環境において、対象のVMイメージファイルが、指定データと、指定データとバックアップポリシが異なるデータとを含む、又は、指定データが複数のボリュームに分散している。ファイル単位の移動機能及びコピー機能を使用することができない。
ファイル単位のコピー機能でのバックアップを実現するためには、VMイメージファイル内の一部のデータを、他のVMイメージファイに移動する機能が必要である。仮想マシンのデータコピー機能は、ゲストOS上で、指定データ又は指定データ以外のデータを、他のVMイメージファイルに移動することができる。これにより、指定データを含むVMイメージファイルにバックアップポリシが異なるデータが混在しないようにすることができる。
この機能を利用する場合、対象VMイメージファイル以外のVMイメージファイルが必要である。そのVMイメージファイルは新規で作成してもよいし、バックアップポリシが同一のVMイメージファイルが同一VM上に存在する場合は、該イメージファイルにデータを移動してもよい。
S1335において、レプリケーション管理プログラム406は、該当する移動機能とコピー機能(ファイル単位又はボリューム単位のコピー機能)を利用するバックア方法候補を決定し、そのバックアップ方法の候補を示す情報をメモリ404内に保持する。レプリケーション管理プログラム406は、新たなファイルを生成して、その中にバックアップ方法の候補の情報を格納してもよい。S1336において、レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10のコピー機能以外のコピー機能を使用するバックアップ方法を特定する。このステップは、S1313と同様である。
S1337において、レプリケーション管理プログラム406は、コピー機能管理テーブル409を参照し、操作対象のストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能が存在するか否かを判定する。ストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能が存在する場合(S1337:有)、レプリケーション管理プログラム406はS1338に進む。ストレージシステム10にボリューム単位のコピー機能が存在しない場合(S1337:無)、レプリケーション管理プログラム406はS1336へ進む。
S1338において、レプリケーション管理プログラム406は、ボリューム単位コピー機能によるバックアップを実現するための移動機能が存在するか否かを判定する。該当する移動機能が存在する場合、レプリケーション管理プログラム406はS1335へ進む。該当する移動機能が存在しない場合、レプリケーション管理プログラム406はS1336へ進む。S1338の判定方法は、S1334の判定方法と同様である。
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。第2実施形態は、第1実施形態における計算機システム1において、論理構成が変更されるとき、例えばVMが新規に作成されるときに適用される。第2実施形態は、ストレージシステムのコピー機能のコピー単位に応じて、新たな論理構成(ボリューム構成及びデータ配置を含む)を推奨する。VM作成のタイミングでバックアップポリシを取得することで、バックアップ環境に適した論理構成を構築できる。VMの新規作成は、新たなイメージファイルを生成してもよいし、既存のVMのイメージファイルをコピーしてもよい。
本実施形態におけるシステム構成及び用いる各種情報は、第1実施形態で図1から図10を参照して説明した内容と同様である。次に、本実施形態のバックアップ決定及びそのバックアップのための環境構築を、図15を参照して説明する。S1501において、レプリケーション管理プログラム406は、ホスト計算機30とストレージシステム10から、論理構成の情報と各機器に存在するコピー機能の情報を取得する。このステップは、S1101と同様である。
S1502において、レプリケーション管理プログラム406は、VMの作成情報と、バックアップの設定情報を取得する。VMの作成情報は、新規に作成するVMのデータ(指定データ)の構成情報、例えば論理ドライブの構成の情報(どのような論理ドライブを含むかを示す情報)を含む。VMのイメージファイルを再配布してVMを新たに作成する場合、VMの論理構成は、配布前のVMの構成と同じである。
レプリケーション管理プログラム406は、バックアップの設定情報を、S1102と同様に取得する。VMの作成情報は、ハイパーバイザ308がVMを作成する時に、エージェント309がレプリケーション管理プログラム406に通知する。レプリケーション管理プログラム406は、ハイパーバイザ308と連携して、VMの作成情報を取得してもよい。
これらは、例えば、レプリケーション管理プログラム406が、新規仮想マシン作成画面とバックアップポリシを取得する画面を提供し、管理者からの指示により処理を開始することで実現する。ユーザインタフェースは、GUIによる画面操作であってもよいし、CLIによるコマンド入力であってもよい。また、管理者によって作られたプロパティファイルを使用してもよいし、レプリケーション管理プログラム406が自動でVMを生成してもよい。設定方法については限定しない。
S1503において、レプリケーション管理プログラム406は、新規バックアップ方法及びそのバックアップ方法を実現するためのVMのデータ配置の候補を提示する。データ構成は、VMのデータを格納するボリューム及びファイルの構成を特定し、具体的には、追加される1又は複数のVMイメージファイル及び各VMイメージファイルが格納されるボリュームを特定する。
レプリケーション管理プログラム406は、ストレージシステム10のコピー機能及びVMの作成情報から、バックアップ方法及びデータ配置の候補を決定する。例えば、レプリケーション管理プログラム406は、VM内に異なるバックアップポリシのデータが存在し、ストレージシステム10が有すコピー機能がボリューム指定コピー機能のみの場合、それぞれのデータを異なる仮想ボリュームに格納することを提示する。これにより、ストレージシステム10のコピー機能のみで、バックアップを行うことができる。
具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、S1502で取得したVMの新規作成の設定情報とバックアップの設定情報から、VM内に異なるバックアップポリシのデータが存在するか否かを確認する。次に、レプリケーション管理プログラム406は、使用可能なストレージシステム10のコピー機能を、コピー機能管理テーブル409から特定する。
VM内に異なるバックアップポリシのデータが存在し、かつストレージシステム10に存在するコピー機能がボリューム指定コピー機能のみの場合、異なるバックアップポリシのデータを異なる仮想ボリュームに格納する必要がある。これは、仮想ボリューム単位でコピーが行われるため、同じ仮想ボリュームには同じバックアップポリシのデータ領域しか書き込むことができないからである。
このため、バックアップポリシが異なるデータは異なるボリュームに格納する必要がある。この場合以外(全てのデータのバックアップポリシが同一の場合)は、データの配置における制約は無いため、同じ仮想ボリュームに一以上のVMイメージファイルが格納されても、ストレージシステム10のコピー機能を使用したバックアップを行える。
ストレージシステム10がファイル単位コピー機能を有する場合、追加される各VMイメージファイルが、同一のバックアップポリシのデータで構成され、単一のボリュームに格納されていればよい。ストレージシステム10がブロック単位コピー機能を有する場合、新たに追加されるVMのデータ構成は任意である。
S1504において、レプリケーション管理プログラム406は、使用するバックアップ方法及びそれに対応した新たに追加されるVMのデータ構成を決定する。例えば、レプリケーション管理プログラム406は、S1503で挙げた候補から、管理者に一つのバックアップ方法を選択させる。この場合、レプリケーション管理プログラム406は、バックアップ方法候補を提示する画面を提供する。表示方法については限定しない。また、構成が一意に特定できる場合は、本処理を実行する必要はない。
S1505において、レプリケーション管理プログラム406は、S1504で決定した環境を構築する。具体的には、レプリケーション管理プログラム406は、S1503で決定したバックアップ方法のための設定をストレージシステム10に行う。さらに、レプリケーション管理プログラム406は、ハイパーバイザ308に対して、S1504で決定したデータ構成を構築するための指示を出す。これにより、S1504で決定した環境を構築することができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明が上記の実施形態に限定されるものではない。当業者であれば、上記の実施形態の各要素を、本発明の範囲において容易に変更、追加、変換することが可能である。ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成に置き換えることが可能であり、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を加えることも可能である。各実施形態の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現してもよい。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、不揮発性半導体メモリ、ハードディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)等の記憶デバイス、または、ICカード、SDカード、DVD等の計算機読み取り可能な非一時的データ記憶媒体に格納することができる。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点として、次のものがあげられる。プロセッサと記憶デバイスとを含み、1以上のコピー機能を有するストレージシステムを管理する、ストレージ管理システムである。上記プロセッサは、バックアップ方法決定のために指定されたデータを特定する。上記記憶デバイスは、上記ストレージシステムの上記1以上のコピー機能に関するコピー機能管理情報を記憶する。上記プロセッサは、上記コピー機能管理情報を参照して、上記1以上のコピー機能のそれぞれのコピー単位を特定する。上記プロセッサは、上記指定されたデータをバックアップするために使用する上記ストレージシステムのコピー機能候補を、上記指定されたデータを格納するボリューム内のデータ構成及び前記コピー機能候補のコピー単位に応じて決定する。
特許請求の範囲に記載した以外の本発明の観点として、さらに、以下のものがあげられる。
(1)
プロセッサと記憶デバイスとを含み、1以上のコピー機能を有するストレージシステムを管理する、ストレージ管理システムであって、前記プロセッサは、バックアップ方法決定のために指定されたデータを特定し、前記記憶デバイスは、前記ストレージシステムの前記1以上のコピー機能に関するコピー機能管理情報を記憶し、前記プロセッサは、前記コピー機能管理情報を参照して、前記1以上のコピー機能のそれぞれのコピー単位を特定し、前記プロセッサは、前記指定されたデータをバックアップするために使用する前記ストレージシステムのコピー機能候補を、前記指定されたデータを格納するボリューム内の前記指定されたデータと他のデータとのデータ構成及び前記コピー機能候補のコピー単位に応じて決定する、ストレージ管理システム。
(2)
(1)に記載のストレージ管理システムであって、前記ストレージシステムは、ホスト計算機上で動作している仮想マシンに1以上のボリュームを提供し、前記指定されたデータは前記仮想マシンのデータである、ストレージ管理システム。
(3)
(1)に記載のストレージ管理システムであって、
前記コピー機能候補による前記指定されたデータのコピーから、前記指定されたデータとバックアップ条件が異なるデータは除かれる、ストレージ管理システム。
(4)
(1)に記載のストレージ管理システムであって、
前記記憶デバイスは、前記ストレージシステムに格納されているデータのバックアップ条件を規定する条件情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記条件情報を参照して、前記指定されたデータの前記コピー機能候補によるコピーにおいて、前記指定されたデータと異なるバックアップ条件のデータが除外されるように、前記コピー機能候補と前記コピー機能候補によるコピー前の前記指定されたデータが格納されているボリュームのデータの移動の有無とを決定する、ストレージ管理システム。
(5)
(4)に記載のストレージ管理システムであって、
前記プロセッサは、前記データの移動に使用することができるホスト計算機の移動機能を特定する、ストレージ管理システム。
(6)
(1)に記載のストレージ管理システムであって、
前記ストレージ管理システムは、表示デバイスをさらに含み、
前記表示デバイスは、前記コピー機能候補と前記指定されたデータの移動の有無とを含む、前記指定されたデータのバックアップ方法の候補の情報を表示する、ストレージ管理システム。
(7)
(1)に記載のストレージ管理システムであって、
前記記憶デバイスは、ホスト計算機に新たに追加される仮想マシンのバックアップ条件を規定する条件情報を記憶し、
前記プロセッサは、前記仮想マシンのデータのバックアップにおいて使用する第2コピー機能候補を決定し、
前記プロセッサは、前記第2コピー機能候補のコピー単位に基づいて、前記第2コピー機能候補による前記仮想マシンの前記データのコピーから前記仮想マシンの前記データとバックアップ条件が異なるデータが除外される、前記仮想マシンの前記データの配置、を決定する、ストレージ管理システム。
(8)
1以上のコピー機能を有するストレージシステムを管理する、ストレージ管理システムによる、ストレージ管理方法であって、
前記ストレージ管理システムが、バックアップ方法決定のために指定されたデータを特定し、
前記ストレージ管理システムが、予め記憶されているコピー機能管理情報を参照して、前記1以上のコピー機能のそれぞれのコピー単位を特定し、
前記ストレージ管理システムが、前記指定されたデータをバックアップするために使用する前記ストレージシステムのコピー機能候補を、前記指定されたデータを格納するボリューム内の前記指定されたデータと他のデータとのデータ構成及び前記コピー機能候補のコピー単位に応じて決定する、ストレージ管理方法。
(9)
(8)に記載のストレージ管理方法であって、
前記指定されたデータは、前記ストレージシステムが1以上のボリュームを提供しているホスト計算機上で動作している仮想マシンのデータである、ストレージ管理方法。
(10)
(8)8に記載のストレージ管理方法であって、
前記コピー機能候補による前記指定されたデータのコピーから、前記指定されたデータのバックアップにおける対象データ以外のデータは除かれる、ストレージ管理方法。
(11)
(8)に記載のストレージ管理方法であって、
前記コピー機能候補の決定は、前記ストレージシステムに格納されているデータのバックアップ条件を規定する条件情報を参照して、前記指定されたデータの前記コピー機能候補によるコピーにおいて、前記指定されたデータと異なるバックアップ条件のデータが除外されるように、前記コピー機能候補と前記コピー機能候補によるコピー前の前記指定されたデータが格納されているボリュームのデータの移動の有無とを決定する、ストレージ管理方法。
(12)
(11)に記載のストレージ管理方法であって、
前記コピー機能候補の決定は、前記データの移動に使用することができるホスト計算機の移動機能を特定する、ストレージ管理方法。
(13)
(8)に記載のストレージ管理方法であって、
前記ストレージ管理システムが、前記コピー機能候補と前記指定されたデータの移動の有無とを含む、前記指定されたデータのバックアップ方法の候補の情報を表示する、ことをさらに含むストレージ管理方法。
(14)
(8)に記載のストレージ管理方法であって、
前記ストレージ管理システムは、ホスト計算機に新たに追加される仮想マシンのバックアップ条件を記憶しており、
前記ストレージ管理システムが、前記仮想マシンのデータのバックアップにおいて使用する第2コピー機能候補を決定し、
前記ストレージ管理システムが、前記第2コピー機能候補のコピー単位に基づいて、前記第2コピー機能候補による前記仮想マシンの前記データのコピーから前記仮想マシンの前記データとバックアップ条件が異なるデータが除外される、前記仮想マシンの前記データの配置、を決定することをさらに含む、ストレージ管理方法。