JP6063177B2 - 無耐火被覆cft柱の耐火性能評価方法 - Google Patents

無耐火被覆cft柱の耐火性能評価方法 Download PDF

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Description

本発明は、無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法に関する。
従来、無耐火被覆CFT(Concrete Filled Steel Tube)柱の耐火性能の評価方法では、柱頭に接合する鉄骨梁の火災時における材軸方向への伸び出しを考慮して、無耐火被覆CFT柱の最大部材角が、一律に1/50に設定される(例えば、非特許文献1参照)。そして、火災時の最大部材角における無耐火被覆CFT柱の耐力が、当該無耐火被覆CFT柱が負担すべき長期軸力を上回るか否かで無耐火被覆CFT柱の耐火性能が評価される。
「CFT造耐火設計指針 (新検証法)の概要」、新都市ハウジングニュース、Vol.34、p.15−18
ところで、無耐火被覆CFT柱の設計条件によっては、前述した鉄骨梁の伸び出しに伴う無耐火被覆CFT柱の水平変形により、無耐火被覆CFT柱を構成する鋼管の柱頭部や柱脚部に局部座屈が発生する場合がある。このような局部座屈が鋼管の柱頭部や柱脚部に発生すると、無耐火被覆CFT柱の鉛直方向変位が急増し、無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持することができなくなることがある。
しかし、上記従来の無耐火被覆CFT柱の耐火性能の評価方法では、鋼管の柱頭部や柱脚部に発生する局部座屈の影響が考慮されていない。したがって、無耐火被覆CFT柱の水平変形が一律に設定された最大部材角(1/50)に達する前に、鋼管の柱頭部等に局部座屈が発生し、無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持することができなくなる可能性がある。
本発明は、上記の事実を考慮し、無耐火被覆CFT柱の耐火性能の評価精度を向上することを目的とする。
第1態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、鋼管と前記鋼管の内部に設けられた充填コンクリートとを備えた無耐火被覆CFT柱の柱頭に接合される水平部材の火災時における材軸方向への伸び出し変形によって前記無耐火被覆CFT柱に生じる部材角と、前記無耐火被覆CFT柱に軸力を付加した状態で前記水平部材との接合部を水平変位させたときに、前記無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持できなくなるときの限界部材角と、を比較する。
第1態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法によれば、無耐火被覆CFT柱の部材角と限界部材角とを比較する。
無耐火被覆CFT柱は、火災時に、その柱頭に接合された水平部材から材軸方向への伸び出し変形を受けるため、鉛直軸力(長期軸力)と水平力とを同時に受ける。このため、無耐火被覆CFT柱の耐火性能は、鉛直軸力と水平力による複合加力を受けた状態で評価する必要がある。
ここで、従来提案されてきた無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法では、部材角(最大部材角)を1/50に固定した状態で、無耐火被覆CFT柱の許容軸力を求め、当該許容軸力が無耐火被覆CFT柱に作用する長期軸力を上回ることを確認してきた。なお、ここでいう部材角とは、水平部材が接合される無耐火被覆CFT柱の柱頭の水平変位(水平変位量)を当該無耐火被覆CFT柱の柱長さで除したものである。
この従来の評価方法では、部材角を1/50に一律固定してきたが、想定される火災に対し無耐火被覆CFT柱の部材角は1/50に達しないことがよくある。無耐火被覆CFT柱の許容軸力は、部材角が大きくなるほど小さくなることがわかっている。そのため、部材角を1/50に固定すると、無耐火被覆CFT柱の耐火性能を過小評価する可能性があり、あまり合理的でない。逆に、条件によっては、部材角が1/50に達する前に無耐火被覆CFT柱が破壊する場合もあり、部材角を1/50に固定した方法では、無耐火被覆CFT柱の耐火性能を適切に評価できないことがある。
ここで、本態様では、無耐火被覆CFT柱の限界部材角が、無耐火被覆CFT柱に軸力を付加した状態で、水平部材が接合される無耐火被覆CFT柱の柱頭を水平変位させたときに、無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持できなくなるときの部材角として求められる。したがって、部材角を1/50に固定した状態で、無耐火被覆CFT柱の耐力評価を行う従来の評価方法に比べ、合理的に無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価することができる。
第2態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、第1態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法において、前記無耐火被覆CFT柱の圧縮側の前記鋼管を無視し、前記充填コンクリートを該鋼管による拘束が無い無筋コンクリートとして前記限界部材角を求める。
第2態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法によれば、無耐火被覆CFT柱の圧縮側の鋼管を無視し、充填コンクリートを当該鋼管による拘束が無い無筋コンクリートとして限界部材角が求められる。
無耐火被覆CFT柱は、火災時に、その柱頭に接合された水平部材から材軸方向への伸び出し変形を受けるため、鉛直軸力と水平力とを同時に受ける。鉛直軸力と水平力とを同時に受けた無耐火被覆CFT柱では、鋼管の柱頭部又は柱脚部、若しくはその両方の圧縮側に局部座屈を生じる。
ここで、鋼管の柱頭部や柱脚部に局部座屈が生じた場合、局部座屈の発生部では、充填コンクリートを拘束していた鋼管の側壁部が外側へ膨らむため、充填コンクリートと鋼管の側壁部との間に隙間が形成される。この結果、局部座屈の発生部では、充填コンクリートに対する鋼管の拘束力が得られなくなる。つまり、局部座屈が発生した鋼管の内側では、鋼管によって補強(拘束)されない無筋コンクリートに鉛直軸力と水平力が同時に作用するため、無筋コンクリートの圧縮側縁が圧壊し易くなる。そして、無筋コンクリートの圧縮側縁が圧壊すると、無耐火被覆CFT柱の鉛直方向変位(材軸方向の収縮変位)は増加し始める。鉛直方向変位が増加し始めた後は、無筋コンクリートの圧壊範囲が急激に拡大し、鉛直方向変位は加速度的に増加していく。このため、無耐火被覆CFT柱の鉛直変位が急増した後は、比較的早い段階で無耐火被覆CFT柱は構造安定性を保持することができなくなる。
本態様では、柱頭部及び柱脚部における鋼管に拘束されない無筋コンクリートの圧縮側縁が圧壊するときの部材角を無耐火被覆CFT柱の限界部材角として設定し、火災時における水平部材の材軸方向への伸び出し変形によって無耐火被覆CFT柱に生じた部材角とを比較する。
無筋コンクリートの圧縮側縁に圧壊が生じ、鉛直変位が急増した時点から、無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持できなくなるまでに要する時間は、無耐火被覆CFT柱の設計条件によって異なってくる。例えば、角形鋼管は、両者の差が短くなる傾向があり、円形鋼管は両者の差が長くなる傾向がある。しかし、柱頭部及び柱脚部における鋼管に拘束されない無筋コンクリートの圧縮側縁が圧壊するときを設計クライテリアにすることで、簡易かつ精度良く無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価することが可能となる。
従来は、耐火実験によって無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価してきたが、本態様に係る耐火性能評価方法を用いれば、煩雑でコストのかかる耐火実験を行わなくても、計算によって簡単に無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価することができる。
第3態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、第1態様又は第2態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法において、要求耐火時間に相当する火災加熱を受けたときの温度分布が設定された前記無筋コンクリートに一定の前記軸力を付加した状態で前記水平変位を漸増し、前記限界部材角を求める。
第3態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法によれば、要求耐火時間に相当する火災加熱を受けたときの温度分布が設定された無筋コンクリートに一定の軸力を付加した状態で、水平部材が接合された無耐火被覆CFT柱の柱頭の水平変位を漸増し、限界部材角を求める。
ここで、実態に即して無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価する場合は、無筋コンクリートの内部温度と、無耐火被覆CFT柱の水平変位とを同時に変化させて時間STEP毎に構造安定性が保持されているかを検討する必要がある。しかし、無筋コンクリートの内部温度と無耐火被覆CFT柱の水平変位とを同時に変化させることは計算等が煩雑になり、手間がかかる。
これに対して本態様では、要求耐火時間に相当する火災加熱を受けたときの温度分布を無筋コンクリートに予め設定しておくことにより、無耐火被覆CFT柱の水平変位(部材角)のみが変数となるため、計算等を簡素化することができる。
なお、無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持できなくなる時間が要求耐火時間を下回る場合は、安全側の評価になるため問題ない。
第4態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、第1態様〜第3態様の何れか1つに係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法において、前記充填コンクリートには、前記無耐火被覆CFT柱が負担する長期軸力から要求耐火時間時の前記鋼管の軸耐力を減じた前記軸力が付加される。
第4態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法によれば、充填コンクリートには、無耐火被覆CFT柱が負担する長期軸力から要求耐火時間時の鋼管に残存する軸耐力を減じた軸力が付加される。つまり、本態様では、要求耐火時間時の鋼管に残存する軸耐力を考慮して無耐火被覆CFT柱の限界部材角が求められる。したがって、無耐火被覆CFT柱の耐火性能を適切かつ合理的に評価することができる。
従来の評価方法では、鋼管の残存耐力を無視して、充填コンクリートの耐力で無耐火被覆CFT柱を評価してきた。火災時における無耐火被覆CFT柱の鋼管温度は非常に高いため、加熱時間によっては残存強度が常温時の1割以下に低下する。このため、従来の評価方法では鋼管耐力を無視して評価してきた。しかし、無耐火被覆CFT柱の許容軸力はあまり大きくないため、鋼管が残存耐力で負担できる軸力(長期軸力)の割合は比較的大きい。全ての軸力(長期軸力)を充填コンクリートで負担するとした従来の評価方法は、無耐火被覆CFT柱の耐火性能を過小評価することになる。
鋼管の残存耐力を考慮することで無耐火被覆CFT柱の限界部材角を精度良く予測することができるようになる。
第5態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、鋼管と前記鋼管の内部に設けられた充填コンクリートとを備えた無耐火被覆CFT柱の柱頭に接合される水平部材の火災時における材軸方向への伸び出し変形によって前記無耐火被覆CFT柱の柱頭部及び柱脚部に生じる前記充填コンクリートの縁圧縮ひずみと、前記充填コンクリートの許容圧縮ひずみと、を比較する。
第3態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法では、軸力を受けた無耐火被覆CFT柱の柱頭の水平変位を漸増させ、構造安定性を保持できなくなるとき、つまりは軸力と水平力から成る外力と無耐火被覆CFT柱の耐力が釣り合わなくなったときを見つけ出す評価方法と成っている。この耐火性能評価方法では、水平変位毎に逐一耐力の釣り合いを検討する必要があり、多少手間がかかる。
これに対し、第5態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法は、無耐火被覆CFT柱の柱頭部及び柱脚部における充填コンクリートの縁圧縮ひずみとコンクリートの許容圧縮ひずみとを比較することで評価するため、極めて簡易に無耐火被覆CFT柱の耐火性能を判定することができる。
具体的には、例えば、無耐火被覆CFT柱に軸力をかけない状態で、水平部材が接合される柱頭を水平変位させて、柱頭部及び柱脚部の充填コンクリートに生じる縁圧縮ひずみを計算する。これに長期軸力で生じる圧縮軸力を加算した縁圧縮ひずみの合計値が充填コンクリートの許容軸力を下回ることを確認する。
充填コンクリートの許容圧縮ひずみは、プレーンコンクリートの圧縮強度時のひずみ等を用いれば良い。シリンダー供試体による圧縮強度試験の結果から、プレーンコンクリートの最大ひずみは2000〜4000μ程度といわれている。この値は骨材の種類や水セメント比等の条件によって変わってくる。常温時の構造設計では、コンクリートの許容圧縮ひずみを3000μに設定する事が多い。
充填コンクリートの縁圧縮ひずみを例えば一律3000μに設定した場合は、第3態様に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法に比べ、耐火性能を過小評価する可能性が高いが、その代わりに極めて簡易に無耐火被覆CFT柱の耐火性能を評価することが出来、実務の設計においては有用な方法である。
本発明は、上記の構成としたので、無耐火被覆CFT柱の耐火性能の評価精度を向上することができる。
本発明の第1実施形態における無耐火被覆CFT柱を示す縦断面図である。 (A)〜(E)は、無耐火被覆CFT柱の柱脚部における鋼管の火災時の変形状態を段階的に示す図1の一部拡大図である。図中の一点鎖線は、柱のセンターラインを示している。ここでは、縦断面のうち、センターラインより右半分を示している。 図2(C)の拡大図である。 図2(A)〜図2(C)に示される変形状態に対応する鋼管の材軸方向変位と加熱時間との関係を示すグラフである。 本発明の第1実施形態で用いた複曲率加力モデルを示すモデル図である。 (A)は本発明の第1実施形態で用いた無耐火被覆CFT柱の解析モデルを示す横断面図であり、(B)及び(C)は、解析モデルの変形例を示す横断面図である。なお、図6(A)は、無耐火被覆CFT柱の柱脚部の解析モデルを示しており、矢印の方向に水平加力を受けると、鋼管の無い一面(右側の面)が圧縮側となる。ここでは示していないが、無耐火被覆CFT柱の柱頭部では鋼管の無い一面の向きが反対(左側)となる。 (A)は火災時における充填コンクリートの温度分布の一例を示すグラフであり、(B)は充填コンクリートの温度分布の設定例を示す横断面図である。 (A)は、火災時における鋼管の応力とひずみとの関係の一例を示すグラフであり、(B)は火災時における充填コンクリートの応力とひずみとの関係の一例を示すグラフである。 長期軸力から所定の加熱を受けた鋼管の残存軸耐力を減じた一定の軸力を充填コンクリートに付加した状態で解析した無耐火被覆CFT柱の限界部材角の解析結果と、無耐火被覆CFT柱に一定の長期軸力を付加した状態で実験(複曲率加力による載荷加熱実験)した無耐火被覆CFT柱の限界部材角の実験結果を示すグラフである。
はじめに、第1実施形態について説明する。
先ず、無耐火被覆CFT柱について説明する。
図1には、一例として、耐火性能の評価対象となる無耐火被覆CFT柱10が示されている。無耐火被覆CFT柱10は、耐火被覆が施されていないCFT柱であり、鋼管12と、鋼管12の内部に充填された充填コンクリート14とを備えている。鋼管12は、角形鋼管で構成されている。この鋼管12は、上下の鉄骨梁(上側鉄骨梁、下側鉄骨梁)20U,20L間に亘って延びており、これらの鉄骨梁20U,20Lとの接合部である上下の仕口部10J1,10J2を有している。
無耐火被覆CFT柱10の上下の仕口部10J1,10J2には、水平部材としての鉄骨梁20U,20Lがそれぞれ接合されている。各鉄骨梁20U,20LはH形鋼で構成され、その材軸方向(矢印X方向)の端部が上下の仕口部10J1,10J2にそれぞれ突き当てられて溶接等によって接合されている。なお、仕口部10J1は、無耐火被覆CFT柱10の柱頭のうち、水平部材としての鉄骨梁20Uが接合される部位である。
また、上下の仕口部10J1,10J2における鋼管12の内側面には、上下一対の内ダイアフラム18が設けられている。上下一対の内ダイアフラム18は、鉄骨梁20U又は鉄骨梁20Lの上フランジ部及び下フランジ部と連続するように設けられている。これらの内ダイアフラム18によって仕口部10J1,10J2がそれぞれ補強されている。また、各内ダイアフラム18の中央部には充填孔18Aが形成されており、この充填孔18Aを通して鋼管12内に充填コンクリート14が充填されるようになっている。
次に、無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法について説明する。
本実施形態に係る無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法(以下、単に「耐火性能評価方法」という)では、無耐火被覆CFT柱10に生じる部材角R及び限界部材角Raを求め、これらの部材角Rと限界部材角Raとを比較することにより、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能を評価する。
(部材角算出工程)
先ず、無耐火被覆CFT柱10に生じる部材角Rについて説明する。無耐火被覆CFT柱10の部材角Rは、火災時における鉄骨梁20Uの材軸方向への伸び出し変形に伴って、無耐火被覆CFT柱10に発生する部材角として求められる。
具体的には、先ず、無耐火被覆CFT柱10に求められる要求耐火時間(要求耐火性能)に達したときの鉄骨梁20Uの鉄骨梁温度(以下、「火災時鉄骨梁温度」という)を実験や数値計算等から求め、当該火災時鉄骨梁温度における鉄骨梁20Uの材軸方向への伸び出し変形によって無耐火被覆CFT柱10の柱頭の仕口部10J1に発生する水平変位量を算出する。次に、算出された仕口部10J1の水平変位量、及び無耐火被覆CFT柱10の柱長さから、鉄骨梁20Uの材軸方向の伸び出しに伴う無耐火被覆CFT柱10の部材角Rを算出する。
なお、無耐火被覆CFT柱10の部材角Rは、後述する無耐火被覆CFT柱10の上の仕口部10J1の水平変位量δ(図5参照)を無耐火被覆CFT柱10の柱長さL(図5参照)で除して求められる(R=δ/L)。
(限界部材角算出工程)
次に、無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raについて説明する。無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raは、充填コンクリート14に所定の軸力を付加した状態で、無耐火被覆CFT柱10の仕口部10J1を水平変位させたときに、充填コンクリート14の外周部に圧壊を発生させる無耐火被覆CFT柱10の部材角として求められる。
より詳細に説明すると、図1に示されるように、火災時に、鉄骨梁20Uが熱膨張によって材軸方向へ伸張すると、上の仕口部10J1に水平力Fが作用し、上下の鉄骨梁20U,20L間の無耐火被覆CFT柱10に曲げモーメントMが発生する。この曲げモーメントMは、無耐火被覆CFT柱10の材軸方向の中間部10Mから柱頭部10U及び柱脚部10Lに向って徐々に大きくなる。
一方、図2(A)及び図2(B)に示されるように、無耐火被覆CFT柱10の鋼管12は、火災時の熱膨張によって材軸方向(矢印Z方向)へ伸張するが、温度上昇に伴う剛性の低下によって材軸方向への伸張は徐々に小さくなる。そして、鋼管12の温度が所定温度に達すると、鋼管12の材軸方向の伸張変形は止まり、図2(C)に示されるように収縮変形に転じる。この状態で、前述した鉄骨梁20Uから仕口部10J1に水平力Fが入力されると、圧縮力が作用する柱脚部10Lの圧縮側(図1では、矢印C側)の鋼管12(側壁部12S)に局部座屈Kが発生し易くなる。なお、局部座屈Kは、図1に示されるように、圧縮力が作用する柱頭部10Uの圧縮側(矢印C側)の鋼管12(側壁部12S)にも発生し易くなる。
このような局部座屈Kが、例えば無耐火被覆CFT柱10の柱脚部10Lに発生すると、局部座屈Kの発生部では、図3に示されるように、充填コンクリート14を拘束していた鋼管12の側壁部12Sが外側へ膨らみ、充填コンクリート14と鋼管12の側壁部12Sとの間に隙間30が形成される。この結果、局部座屈Kの発生部では、充填コンクリート14に対する鋼管12の側壁部12Sの拘束力(拘束効果)が得られなくなる。つまり、局部座屈Kが発生すると、鋼管12の側壁部12Sによって拘束されない無筋コンクリート部14Aが充填コンクリート14に形成され、当該無筋コンクリート部14Aの圧縮側縁(外周部)14A1が圧壊し易くなる。なお、説明を省略するが、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10Uに局部座屈Kが発生した場合も同様である。
ここで、図2(C)に示される、局部座屈Kによって無筋コンクリート部14Aと鋼管12の側壁部12Sとの間に形成された隙間30が小さい場合は、無筋コンクリート部14Aの圧縮側縁14A1(図3参照)が圧壊したときに、圧壊したコンクリート片によって隙間30が埋められ、無筋コンクリート部14Aに対する鋼管12の側壁部12Sの拘束力が得られる場合がある。この場合、無耐火被覆CFT柱10の材軸方向変位は、図4に(E)で示されるように、局部座屈Kの発生後、直ちに急増せずに火災時間(加熱時間)の経過に伴って徐々に増加する。
一方、図2(C)に示される、局部座屈Kによって無筋コンクリート部14Aと鋼管12の側壁部12Sとの間に形成された隙間30が大きい場合は、圧壊したコンクリート片によって隙間30が埋まらないため、無筋コンクリート部14Aに対する鋼管12の側壁部12Sの拘束力がほとんど得られず、図4に(E’)で示されるように、局部座屈Kの発生後、無耐火被覆CFT柱10の材軸方向変位が急増すると共に、この材軸方向変位の急増に伴って無筋コンクリート部14Aの圧縮側縁14A1の圧壊がさらに進展する。したがって、局部座屈Kの発生後は、比較的早い段階で、無耐火被覆CFT柱10が構造安定性を保持することができなくなる可能性がある。なお、図4に示される(A)〜(E)は、図2(A)〜図2(E)の状態にそれぞれ対応している。
このように局部座屈Kの発生後も、無筋コンクリート部14Aと鋼管12の側壁部12Sとの間に形成された隙間30の大きさ等によって無筋コンクリート部14Aに対する鋼管12の側壁部12Sの拘束力が変動する。この側壁部12Sの拘束力の変動は無耐火被覆CFT柱10の耐火性能に影響を与えるが、この拘束力の変動を論理的に求めることは難しい。一方、側壁部12Sの拘束力の変動を載荷加熱実験から求めるには、多くの試験体が必要となり、コストがかかる。
そこで、本実施形態では、理論的に算出可能な無筋コンクリート部14Aの圧縮側縁14A1が圧壊するときの無耐火被覆CFT柱の部材角を限界部材角Raとして求める。具体的には、図5(A)及び図5(B)に示される複曲率加力モデル40を用い、無耐火被覆CFT柱10に長期軸力Nを付加した状態で、仕口部10J1の水平変位を漸増させ、充填コンクリート14の圧縮側縁14A1(図4参照)に圧壊が発生するときの無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを解析等の数値計算により求める。この際、本実施形態では、要求耐火時間に達するまでの無耐火被覆CFT柱10の断面内の温度変化は考慮せず、要求耐火時間に達したときの断面内温度を無耐火被覆CFT柱10に与えた状態で数値計算を行う。
なお、複曲率加力モデル40において、無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raは、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U側の仕口部10J1の水平変位量δを無耐火被覆CFT柱10の柱長さLで除して求められる(Ra=δ/L)。また、図5(A)に示される符号11は、無耐火被覆CFT柱10の上階の柱に相当する。
ここで、充填コンクリート14に付加する軸力Ncについて説明する。充填コンクリート14に付加する一定の軸力Ncは、無耐火被覆CFT柱10が負担する長期軸力(設計軸力)Nから、要求耐火時間に達したときに鋼管12に残存する軸耐力(残存軸耐力)Nsを減じて求められる(Nc=N−Ns)。つまり、本実施形態では、要求耐火時間に達したときに鋼管12に残存する軸耐力Nsを考慮して、無耐火被覆CFT柱10の軸耐力を求める。なお、鋼管12の軸耐力Nsは、先ず、要求耐火時間に達したときの鋼管12の温度(以下、「火災時鋼管温度」という)を実験や数値計算から求め、当該火災時鋼管温度における鋼管12の降伏強度に鋼管12の断面積を乗じて求められる。鋼管の高温降伏強度には、素材の高温引張試験から得られた1%ひずみ時応力等を用いればよい。
次に、無耐火被覆CFT柱10の解析モデルについて説明する。図6(A)には、鋼管12の内部に充填コンクリート14が設けられた無耐火被覆CFT柱10の解析モデルが示されている。この解析モデルでは、無耐火被覆CFT柱10の柱脚部10Lにおける鋼管12の側壁部12Sに局部座屈Kが発生した状態を想定し、無耐火被覆CFT柱10の仕口部10J1が水平変位したときに、圧縮力が作用する鋼管12の圧縮側の側壁部12Sが省略されている。これにより、無耐火被覆CFT柱10の仕口部10J1が水平変位したときに、圧縮力が作用する充填コンクリート14の圧縮側が無筋コンクリートとされている。つまり、本実施形態では、無耐火被覆CFT柱10の仕口部10J1を水平変位させたときに、圧縮力が作用する充填コンクリート14の圧縮側の側面14Sに対する鋼管12の拘束力を無視して、無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを求める。
なお、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U若しくは柱脚部10Lで鋼管12が局部座屈を生じる範囲は柱の端部(仕口部10J1又は仕口部10J2)から概ね1D〜2Dの範囲である。ここで、Dは無耐火被覆CFT柱10(鋼管12)の幅を表す。図5(A)に示される無耐火被覆CFT柱10(加熱柱)の柱頭部10U及び柱脚部10L(図1参照)における局部座屈範囲には図6(A)に示された断面モデルを用いるが、それ以外の範囲については図6(B)に示される断面モデルを用いる。図5(A)に示される無耐火被覆CFT柱10(加熱柱)の柱頭部10U及び柱脚部10Lにおける局部座屈範囲については、図6(C)に示されるように、鋼管12全体を省略(無視)して限界部材角Raを算出しても良い。引張側の鋼管12の効果を無視するため、図5(A)に比べて耐火性能を若干小さく評価することにはなるが、煩雑な入力データの作成作業が軽減され、より簡便に解析を行うことができる。さらに、解析上、充填コンクリート14の圧縮側の側面14Sに対する鋼管12の拘束力を無視する一方で、鋼管12の圧縮側の側壁部12Sの圧縮剛性等を考慮して限界部材角Raを算出することも可能である。
次に、鋼管12及び充填コンクリート14の物性値の設定について説明する。鋼管12と充填コンクリート14の高温時の物性値は、例えば、図7(A)に示されるように、火災時鋼管温度の鋼管12及び要求耐火時間に達したときの充填コンクリート14の内部の温度分布に応じて、図8(A)及び図8(B)に示されるような応力ひずみ関係に基づき適宜設定する。図8(A)は鋼材、図8(B)はコンクリートの一例を示す。充填コンクリート14の内部の温度分布を設定する際には、例えば、図7(B)に示すように、コンクリートの断面をドーナッツ状に複数の層に分割し、各層毎に温度を与えてもよい。各層の温度は、各層の平均温度で設定するとよい。
(比較工程、評価工程)
以上のように無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを解析により求め、当該限界部材角Raと部材角Rとを比較する。そして、部材角Rが限界部材角Ra未満の場合(R<Ra)は、無耐火被覆CFT柱10が要求耐火性能を満たすことが分かる。つまり、要求耐火時間に達しても、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U及び柱脚部10Lにおける充填コンクリート14の圧縮側縁14A1が圧壊せず、無耐火被覆CFT柱10の構造安定性が保持されることが分かる。
一方、部材角Rが限界部材角Ra以上となる場合(R≧Ra)は、部材角Rが限界部材角Ra未満(R<Ra)となるように、鉄骨梁20Uの耐火仕様(例えば、耐火被覆の種類や厚み)又は鉄骨梁20Uが支持するスラブの仕様等を変更し、火災時鉄骨梁温度を小さくすることで鉄骨梁20Uの材軸方向の伸び出し量等を低減する。
なお、要求耐火時間に達した状態で部材角Rが0のときに、無耐火被覆CFT柱10が長期軸力Nを保持することができない場合は、無耐火被覆CFT柱10が耐火被覆を要することを意味する。この場合は、例えば、無耐火被覆CFT柱10の柱断面積を大きくし、無耐火被覆CFT柱10の軸力比を小さくして耐火性能の再評価を行う。
以上説明したように、本実施形態に係る耐火性能評価方法では、無耐火被覆CFT柱10に生じる部材角Rと限界部材角Raとを比較する。これにより、無耐火被覆CFT柱10の柱脚部10L等に発生する局部座屈Kを考慮した無耐火被覆CFT柱10の耐火性能が評価可能となる。したがって、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能の評価精度が向上する。また、最大部材角(限界部材角)を一律に1/50に設定した従来の評価方法と比較して、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能の過小評価が抑制される。
また、解析等の数値計算で無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを求めることにより、載荷加熱実験により限界部材角Raを求める場合と比較して、コスト削減を図ることができる。
さらに、本実施形態では、鋼管12の柱脚部10L等に局部座屈Kが発生した状態を想定し、充填コンクリート14の圧縮側の側面14Sに対する鋼管12の拘束力を無視して限界部材角Raを求める。これにより、解析を単純化しつつ、局部座屈Kを考慮した無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを求めることができる。したがって、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能の評価方法を簡略化することができる。
さらにまた、本実施形態では、要求耐火時間に達したときの一定の温度分布を充填コンクリート14に設定したことにより、要求耐火時間に達するまでの充填コンクリート14の温度分布をパラメータとして変動させた場合と比較して、解析を単純化することができる。
また、本実施形態では、無耐火被覆CFT柱10が負担する長期軸力Nから火災時鋼管温度における鋼管12の軸耐力Nsを減じた軸力Nc(Nc=N−Ns)を充填コンクリート14に付加する。つまり、本実施形態では、火災時鋼管温度の鋼管12に残存する軸耐力Nsを考慮して無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを求める。したがって、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能の評価精度がさらに向上すると共に、耐火性能の過小評価を抑制することができる。
なお、図9には、充填コンクリート14に一定の軸力Ncを付加した状態で解析した限界部材角Raの解析結果と、無耐火被覆CFT柱10に一定の長期軸力Nを付加した状態で実験(複曲率加力による載荷加熱実験)した限界部材角Raの実験結果とを示すグラフが示されている。この図9に示されるように、本実施形態による限界部材角Raの解析結果が実験結果を良く模擬していることが分かる。
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態では、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U及び柱脚部10Lにおける充填コンクリート14の圧縮側縁14A1に発生する縁圧縮ひずみεを求め、この縁圧縮ひずみεと充填コンクリート14の許容圧縮ひずみεaとを比較することにより、無耐火被覆CFT柱10の耐火性能を評価する。
(縁圧縮ひずみ算出工程)
具体的には、先ず、無耐火被覆CFT柱に軸力をかけない状態で、水平部材としての鉄骨梁20Uが接合される柱頭の仕口部J1を水平変位させて、柱頭部及び柱脚部の充填コンクリート14の圧縮側縁14A1(側面14S)に発生する縁圧縮ひずみεfを計算する。これに充填コンクリート14の負担する一定の軸力Ncによって充填コンクリート14に生じる圧縮ひずみεnを加算することで充填コンクリート14の圧縮側縁14A1(側面14S)に発生する縁圧縮ひずみの合計値ε(ε=εf+εn)を計算により求める。水平部材としての鉄骨梁20Uが接合される柱頭の仕口部J1の水平変位の大きさは、図5(A)及び図5(B)に示される複曲率加力モデル40等を用いて、詳細な数値計算から求めても良いし、火災時鉄骨梁温度における鉄骨梁20Uの材軸方向への自由膨張による伸び出し量から求めても良い。
(許容圧縮ひずみ算出工程)
次に、充填コンクリートの許容圧縮ひずみεaは、例えば、プレーンコンクリートの許容ひずみが用いられる。このプレーンコンクリートの許容圧縮ひずみ(最大圧縮ひずみ)は骨材の種類や水セメント比等の各種の条件によって変動するが、一般に2000〜4000μ程度とされている。また、常温時の構造設計においては、プレーンコンクリートの許容圧縮ひずみは、一般に3000μ程度に設定されることが多い。
(比較工程、評価工程)
以上のように求められた充填コンクリート14の縁圧縮ひずみεと許容圧縮ひずみεaとを比較する。そして、縁圧縮ひずみεが許容圧縮ひずみεa以下の場合(ε≦εa)は、無耐火被覆CFT柱10が要求耐火性能を満たすことが分かる。つまり、要求耐火時間に達しても、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U及び柱脚部10Lにおける充填コンクリート14の圧縮側縁14A1(側面14S)が圧壊せず、無耐火被覆CFT柱10の構造安定性が保持されることが分かる。
一方、縁圧縮ひずみεが許容圧縮ひずみεaを超える場合(ε>εa)は、上記第1実施形態と同様に、縁圧縮ひずみεが許容圧縮ひずみεa以下(ε≦εa)となるように、鉄骨梁20Uの耐火仕様(例えば、耐火被覆の種類や厚み)を変更し、火災時鉄骨梁温度の鉄骨梁20Uの材軸方向の伸び出し量等を低減する。
以上説明したように、本実施形態に係る耐火性能評価方法では、無耐火被覆CFT柱10の柱頭部10U及び柱脚部10Lにおける充填コンクリート14の縁圧縮ひずみεと許容圧縮ひずみεaとを比較する。これにより、上記第1実施形態と比較して、耐火性能の評価方法を簡略化することができる。
次に、上記第1,第2実施形態の変形例について説明する。なお、以下では、第1実施形態を例に各種の変形例について説明するが、これらの変形例は第2実施形態についても適宜適用可能である。
上記第1実施形態では、無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raとして、充填コンクリート14の圧縮側縁14A1が圧壊するときの部材角を設定したが、これに限らない。無耐火被覆CFT柱10の限界部材角は、無耐火被覆CFT柱10が構造安定性を保持することができなくなるときの部材角を適宜設定可能である。なお、ここでいう「無耐火被覆CFT柱10が構造安定性を保持することができなくなるとき」とは、例えば、無耐火被覆CFT柱10の鉛直方向変位が過大になる、あるいは、鉛直方向変位が急激に増加するなどして、長期軸力を保持することができない状態を意味する。
また、上記第1実施形態では、火災時鉄骨梁温度における鉄骨梁20Uの材軸方向への伸び出し変形によって無耐火被覆CFT柱10に生じる部材角Rを求めたが、所定の鉄骨梁温度(所定鉄骨梁温度)における鉄骨梁20Uの材軸方向への伸び出し変形によって無耐火被覆CFT柱10に生じる部材角Rを求めても良い。この場合、鉄骨梁20Uの所定鉄骨梁温度は、例えば、鉄骨梁20Uの火災時鉄骨梁温度以上又は火災時鉄骨梁温度付近に設定することが望ましい。
これと同様に、上記第1実施形態では、火災時鋼管温度における鋼管12の軸耐力Nsを求めたが、所定の鋼管温度(所定鋼管温度)における鋼管12の軸耐力を求めても良い。この場合、鋼管12の所定鋼管温度は、例えば、鋼管12の火災時鋼管温度以上又は火災時鋼管温度付近に設定することが望ましい。
また、上記第1実施形態では、要求耐火時間に達するまでの無耐火被覆CFT柱10の温度変化は考慮せず、要求耐火時間に達したときの加熱温度を無耐火被覆CFT柱10に与えた状態で数値計算を行っているが、時間STEP毎に断面内の温度変化を考慮して計算を行うことで、より精度を高めても良い。
また、上記第1実施形態では、無耐火被覆CFT柱10の限界部材角Raを解析により求めたが、複曲率加力による載荷加熱実験により求めることも可能である。
また、上記第1実施形態では、鋼管12を角形鋼管で形成した例を示したが、鋼管12は円形鋼管でも良い。
さらに、上記第1実施形態では、水平部材としての鉄骨梁20Uを例に説明したが、これに限らない。水平部材としては、例えば、RC造スラブ(フラットスラブ)等でも良い。
以上、本発明の第1,第2実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1,第2実施形態及び各種の変形例を適宜組み合わせて用いても良いし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
10 無耐火被覆CFT柱
10J1 仕口部(接合部)
10U 柱頭部
10L 柱脚部
12 鋼管
14 充填コンクリート
20U 鉄骨梁(水平部材)
N 長期軸力(無耐火被覆CFT柱が負担する長期軸力)
Nc 軸力(無耐火被覆CFT柱に付加する軸力)
Ns 軸耐力(鋼管の軸耐力)
R 変形部材角
Ra 限界部材角
ε 縁圧縮ひずみ
εa 許容圧縮ひずみ

Claims (3)

  1. 鋼管と前記鋼管の内部に設けられた充填コンクリートとを備えた無耐火被覆CFT柱の柱頭に接合される水平部材の火災時における材軸方向への伸び出し変形によって前記無耐火被覆CFT柱に生じる部材角と、
    前記無耐火被覆CFT柱に軸力及び要求耐火時間に応じた加熱温度を付加した状態で前記水平部材との接合部を水平変位させたときに、前記無耐火被覆CFT柱が構造安定性を保持できなくなるときの限界部材角であって、前記無耐火被覆CFT柱の圧縮側の前記鋼管を無視し、前記充填コンクリートを該鋼管による拘束が無い無筋コンクリートとして求められる限界部材角と、
    を比較する、
    無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法。
  2. 要求耐火時間に相当する火災加熱を受けたときの温度分布が設定された前記無筋コンクリートに一定の前記軸力を付加した状態で前記水平変位を漸増し、前記限界部材角を求める、
    請求項1に記載の無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法。
  3. 前記充填コンクリートには、前記無耐火被覆CFT柱が負担する長期軸力から要求耐火時間時の前記鋼管の軸耐力を減じた前記軸力が付加される、
    請求項1又は請求項2に記載の無耐火被覆CFT柱の耐火性能評価方法。
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