JP6061323B2 - 不正開封防止機能付き金属製容器蓋 - Google Patents
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Description
このような金属製容器蓋において、スカート壁に開封時に破断等の不可逆的な変形を与えられる弱化部が設けられ、弱化部の破断や変形により開封したことが明確に判別できるようにするもの、いわゆるタンパーエビデント機能を付与したものが一般的に広く用いられている。
これらの容器蓋では、スカート壁は破断可能な弱化部と、該弱化部より上方の主部と、弱化部より下方のタンパーエビデントバンド部とを有し、タンパーエビデントバンド部の下方が容器の口顎部にかしめられて係止するように形成されており、そのタンパーエビデント機構を構成する弱化部は、種々の形態のものが知られている(例えば特許文献1乃至7等参照。)。
しかしながら、スカート壁の最下部の容器の口顎部にかしめられた部分が何らかの方法により変形され、タンパーエビデント機構を構成する弱化部の破断や変形を伴わずに不正な開封が行われた場合、再び容器蓋が容器の口顎部に取り付けられ、スカート壁の最下部が元通りにかしめられると開封が行われたことの判別がし辛くなるという問題があった。
このことで、本来、タンパーエビデント機構を有することによって防止すべき、異物の混入等や、あるいは、内容物の抜き取りや別の内容物への入れ替え等の不正取引行為等を確実に防止することができないという問題があった。
また、例えば、特許文献8、9等に記載されるような容器蓋においては、スカート壁の最下部から遠い中間部で容器の口顎部にかしめられることで、ある程度は弱化部の破断や変形を伴わない不正な開封を困難とすることはできるが、現在では、使用後容器を廃棄する際に、ガラス瓶容器と金属容器蓋とを分別して廃棄することが義務づけられているため、使用されなくなっている。
本請求項3に係る発明は、天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する筒状のスカート壁とを備え、該スカート壁は破断可能な弱化部と、該弱化部より上方の主部と、弱化部より下方のタンパーエビデントバンド部とを有し、該弱化部は、周方向に延びる複数個のスリットと、該スリット間に位置する複数個の橋絡部とを有する金属製容器蓋であって、前記タンパーエビデントバンド部の下部には、容器の口顎部にかしめて係止する際の屈曲部、または、該屈曲部より下方に、開封防止補助弱化部が設けられ、前記開封防止補助弱化部が、タンパーエビデントバンド部の内周側に設けられ周方向に延びる弱化溝であり、前記弱化溝が、タンパーエビデントバンド部の板厚の45乃至65%の深さを有し、前記弱化溝の底部の幅が、0.05乃至0.15mmであることにより、前記課題を解決するものである。
本請求項4に係る発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載された金属製容器蓋の構成に加えて、前記開封防止補助弱化部が、周方向に断続的に設けられていることにより、前記課題を解決するものである。
したがって、金属製容器蓋を開封の痕跡なしに再び容器の口顎部に取付けることも不可能となり、異物の混入等のいたずらや犯罪行為、内容物の抜き取りや別の内容物への入れ替え等の不正取引行為等を確実に防止することができる。
また、容器の口顎部にかしめて取付けられた後は、外観から開封防止補助弱化部の存在が確認できず、美観を損なうこともなく、また、本発明の開封防止補助弱化部を有していない他の金属製容器蓋に対して不正開封を行う行為そのものを抑止する効果も期待できる。
本請求項2に記載の構成によれば、開封防止補助弱化部が、容器の口顎部にかしめて取付ける際には破断することなく容易に変形するとともに、金属製容器蓋が容器の口顎部に強固に取り付けられ、不正に開封するために変形させた場合にはより確実に破断されるとともに、不正に開封以外の通常の開封や振動等によって破断することを防止できる。
本請求項3に係る発明の金属製容器蓋によれば、弱化溝の底部の幅が、0.05乃至0.15mmであることにより、不正に開封するために変形させた場合にさらに確実に破断されるとともに、不正に開封以外の通常の開封や振動等によって破断することをさらに確実に防止できる。
本請求項4に記載の構成によれば、金属製容器蓋が容器の口顎部により強固に取り付けられるとともに、不正に開封以外の通常の開封や振動等によって破断することをより確実に防止できる。
図1は、金属製容器蓋100の取り付け前の状態を示し、図2は、金属製容器蓋100を容器101の容器口部102に取り付けた状態を示す。
金属製容器蓋100は、天面壁110と、該天面壁110の周縁から垂下する筒状のスカート壁120とを備えており、天面壁110の内面側には、容器口部102の先端開口に密着するパッキン111が設けられている。
スカート壁120には破断可能な弱化部122が配設されており、該スカート壁120は該破断可能な弱化部122より上方の主部121と、該破断可能な弱化部122より下方のタンパーエビデントバンド部123とを有している。
弱化部122は、周方向に延びる複数個のスリット131と該スリット131間に位置する複数個の橋絡部132とから成り、タンパーエビデント機構を構成している。
タンパーエビデントバンド部123の下部の内周側には開封防止補助弱化部を構成する環状の弱化溝125(すなわちスコア)が周方向に延びるように設けられている。この環状の弱化溝125は、縦切れ込み133(後述して説明)の形成されている部分を除いて形成することもできる。
また、弱化部122には開封時に破断されない非破断橋絡部134が設けられ、該非破断橋絡部134の端部からタンパーエビデントバンド部123側に延びる縦切れ込み133が形成されている。
金属製容器蓋100の開封時には、使用者がスカート壁120の主部121を回すことにより、弱化部122の複数個の橋絡部132が破断するとともに、タンパーエビデントバンド部123が非破断橋絡部134によって主部121と連結された状態で該縦切れ込み133も破断され、タンパーエビデントバンド部123が環状から帯状となり、金属製容器蓋100が主部121と共にタンパーエビデントバンド部123も容器口部102から外されるように構成され、開封したことが明確に判別できる。
この時、屈曲部124には変形応力が発生し、弱化溝125の位置にある程度応力が集中するが、金属製容器蓋100の材質、板厚、屈曲の曲率等に応じて、適宜、応力集中によって破断に至らない程度の深さとすれば良い。
また、弱化溝125の位置は屈曲部124よりさらに下方であってもよく、その場合でも当該位置では、かしめる際に絞られて応力が生じるが、同様に、材質、板厚、屈曲曲率等に応じて、適宜、応力集中によって破断に至らない程度の深さとすれば良い。
確実に破断することなくかしめるために、弱化溝125の深さは、タンパーエビデントバンド部123の板厚の45乃至65%、特に50乃至60%であることが好ましく、弱化溝125の底部の幅は、0.05乃至0.15mmであることが好ましい。
不正に開封しようとした場合に確実に破断が生じるために、弱化溝125の深さは、タンパーエビデントバンド部123の板厚の45%以上であることが好ましい。
また、不正に開封する場合には、タンパーエビデントバンド部123の下方を全周にわたって外方に変形させる必要が有るため、弱化溝125を周方向に断続的に設けても、確実に破断箇所を発生させることができ、不正な開封を防止することができる。
また、上記実施形態では、ネジ部127が形成され、使用者がスカート壁120の主部121を回すことにより開封するものであるが、これに限定されず、様々な開封のための構成が採用可能であり、そのために、天面壁110あるいはスカート壁120に、各種の構成が付加されたものであっても良い。
また、容器101は、ガラス、金属、PET等いかなる材質のものであってもよく、本発明の金属製容器蓋も、金属と類似の弾性特性、塑性特性を有する材質であればいかなる材質でも採用可能である。
101 ・・・容器
102 ・・・容器口部
103 ・・・口顎部
110 ・・・天面壁
111 ・・・パッキン
120 ・・・スカート壁
121 ・・・主部
122 ・・・弱化部
123 ・・・タンパーエビデントバンド部
124 ・・・屈曲部
125 ・・・開封防止補助弱化部(弱化溝)
126 ・・・凹凸部
127 ・・・ネジ部
131 ・・・スリット
132 ・・・橋絡部
133 ・・・縦切れ込み
134 ・・・非破断橋絡部
Claims (4)
- 天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する筒状のスカート壁とを備え、
該スカート壁は破断可能な弱化部と、該弱化部より上方の主部と、弱化部より下方のタンパーエビデントバンド部とを有し、
該弱化部は、周方向に延びる複数個のスリットと、該スリット間に位置する複数個の橋絡部とを有する金属製容器蓋であって、
前記タンパーエビデントバンド部の下部には、容器の口顎部にかしめて係止する際の屈曲部より下方に、開封防止補助弱化部が設けられ、
前記開封防止補助弱化部が、タンパーエビデントバンド部の内周側に設けられ周方向に延びる弱化溝であることを特徴とする金属製容器蓋。 - 前記弱化溝が、タンパーエビデントバンド部の板厚の45乃至65%の深さを有することを特徴とする請求項1に記載の金属製容器蓋。
- 天面壁と、該天面壁の周縁から垂下する筒状のスカート壁とを備え、
該スカート壁は破断可能な弱化部と、該弱化部より上方の主部と、弱化部より下方のタンパーエビデントバンド部とを有し、
該弱化部は、周方向に延びる複数個のスリットと、該スリット間に位置する複数個の橋絡部とを有する金属製容器蓋であって、
前記タンパーエビデントバンド部の下部には、容器の口顎部にかしめて係止する際の屈曲部、または、該屈曲部より下方に、開封防止補助弱化部が設けられ、
前記開封防止補助弱化部が、タンパーエビデントバンド部の内周側に設けられ周方向に延びる弱化溝であり、
前記弱化溝が、タンパーエビデントバンド部の板厚の45乃至65%の深さを有し、
前記弱化溝の底部の幅が、0.05乃至0.15mmであることを特徴とする金属製容器蓋。 - 前記開封防止補助弱化部が、周方向に断続的に設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の金属製容器蓋。
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