以下、本発明の一実施の形態について、図面を用いて説明する。
まず、本実施の形態に係る資料評価装置10の構成について説明する。
図1は、資料評価装置10のブロック図である。
図1に示すように、資料評価装置10は、種々の操作が入力されるマウスやキーボードなどの入力デバイスである操作部11と、種々の情報を表示するLCD(Liquid Crystal Display)などの表示デバイスである表示部12と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているHDD(Hard Disk Drive)などの不揮発性の記憶デバイスである記憶部13と、資料評価装置10全体を制御する制御部14とを備えている。資料評価装置10は、PC(Personal Computer)などのコンピューターによって構成されている。
記憶部13は、制御部14によって作成された資料20を記憶することができる。
図2は、資料20の一例を示す図である。
図2に示すように、資料20は、ページとしてスライドを複数含むことができる。例えば、資料20は、スライド21、スライド22、スライド23を含むことができる。スライド21は、オブジェクト21aと、オブジェクト21bとを含んでいる。スライド22は、オブジェクト22aと、オブジェクト22bと、オブジェクト22cとを含んでいる。スライド23は、オブジェクト23aと、オブジェクト23bとを含んでいる。オブジェクト21a、21b、22a、22b、23aおよび23bは、文字列のオブジェクトである。オブジェクト22cは、画像のオブジェクトである。
図1に示すように、記憶部13は、資料20を作成するための資料作成プログラム13aと、資料20を評価するための資料評価プログラム13bとを記憶している。資料作成プログラム13aおよび資料評価プログラム13bは、資料評価装置10の製造段階で資料評価装置10にインストールされていても良いし、CD(Compact Disk)、DVD(Digital Versatile Disk)などの記憶媒体から資料評価装置10に追加でインストールされても良いし、ネットワーク上から資料評価装置10に追加でインストールされても良い。
記憶部13は、資料の適性度の評価の基準を示す基準テーブル13cを記憶している。
図3は、基準テーブル13cの一例を示す図である。
図3に示すように、基準テーブル13cには、資料の使用目的毎に、各種の基準が定められている。
図3に示す基準テーブル13cに定められている使用目的は、対象の情報を他人に報告することを示す「報告」と、対象の情報を他人と共有することを示す「情報共有」と、対象の情報を他人に提案することを示す「提案」と、対象の商品を他人に説明することを示す「商品説明」との4つである。
図3に示す基準テーブル13cに定められている基準は、資料20に含まれるスライドの1ページ分の文字数の基準と、資料20に含まれるスライドの1ページ分の発表に必要な時間(以下「ページ所要時間」と言う。)の基準と、資料20全体の発表に必要な時間(以下「全体所要時間」と言う。)の基準と、資料20に含まれるスライドの印象の強さを示すページ印象度としてのスライド印象度が資料20において最も高いスライドの位置の基準との4つである。
例えば、図3に示す基準テーブル13cにおいては、使用目的が「提案」である資料20に対して、スライドの1ページ分の文字数の基準、ページ所要時間の基準、全体所要時間の基準、スライド印象度が最も高いスライドの位置の基準として、それぞれ、「100文字以下」、「1分超2分以下」、「予定の発表時間の±30秒以内」、「7ページ目」という基準が定められている。
図1に示す制御部14は、例えば、CPU(Central Processing Unit)と、プログラムおよび各種のデータを記憶しているROM(Read Only Memory)と、CPUの作業領域として用いられるRAM(Random Access Memory)とを備えている。CPUは、ROMまたは記憶部13に記憶されているプログラムを実行する。
制御部14は、記憶部13に記憶されている資料評価プログラム13bを実行することによって、資料20の使用目的を受け付ける目的受付手段14a、資料20による予定の発表時間を受け付ける発表時間受付手段14b、資料20の適性度を評価する適性度評価手段14c、および、適性度評価手段14cによる評価結果を表示部12に表示する評価表示手段14dとして機能する。
次に、資料評価装置10の動作について説明する。
まず、資料20を作成する場合の資料評価装置10の動作について説明する。
資料評価装置10の制御部14は、記憶部13に記憶されている資料作成プログラム13aを実行することによって、操作部11に入力された操作に応じた資料20を作成する。
次に、資料20を評価する場合の資料評価装置10の動作について説明する。
資料評価装置10の制御部14は、記憶部13に記憶されている資料評価プログラム13bを実行することによって、以下の動作を実行する。
制御部14は、操作部11に入力された操作に応じて図4に示す動作を実行する。
図4は、資料20の適性度を評価する場合の資料評価装置10の動作のフローチャートである。
図4に示すように、制御部14の目的受付手段14aは、図5に示す目的受付画面30を表示部12に表示することによって、資料20の使用目的を操作部11を介して受け付ける(S101)。
図5は、表示部12に表示される目的受付画面30の一例を示す図である。
図5に示すように、目的受付画面30は、資料20の使用目的を選択することを利用者に促すためのメッセージ31と、資料20の使用目的の選択用の複数のラジオボタン32と、ラジオボタン32によって選択された使用目的を受け付けるためのOKボタン33と、資料20の使用目的の選択を中止するためのCancelボタン34とを含んでいる。
なお、ラジオボタン32は、基準テーブル13cに定められている使用目的である「報告」、「情報共有」、「提案」および「商品説明」のそれぞれに対応して設けられている。
目的受付手段14aは、操作部11を介してOKボタン33が押されると、その時点でラジオボタン32によって選択されている使用目的を受け付ける。
一方、目的受付手段14aは、操作部11を介してCancelボタン34が押されると、図4に示す動作を終了する。
図4に示すように、発表時間受付手段14bは、S101の処理が終了すると、図6に示す発表時間受付画面40を表示部12に表示することによって、資料20による予定の発表時間を操作部11を介して受け付ける(S102)。
図6は、表示部12に表示される発表時間受付画面40の一例を示す図である。
図6に示すように、発表時間受付画面40は、資料20による予定の発表時間を指定することを利用者に促すためのメッセージ41と、資料20による予定の発表時間の指定用のスピンボックス42と、スピンボックス42によって指定された発表時間を受け付けるためのOKボタン43と、資料20による予定の発表時間の指定を中止するためのCancelボタン44とを含んでいる。
発表時間受付手段14bは、操作部11を介してOKボタン43が押されると、その時点でスピンボックス42によって指定されている発表時間を受け付ける。
一方、発表時間受付手段14bは、操作部11を介してCancelボタン44が押されると、目的受付手段14aに再びS101の処理を実行させる。
図4に示すように、適性度評価手段14cは、スライド印象度を評価する図7に示すスライド印象度評価処理を実行する(S103)。
図7は、図4に示すスライド印象度評価処理のフローチャートである。
図7に示すように、適性度評価手段14cは、オブジェクトの印象の強さを示すオブジェクト印象度を評価する図8に示すオブジェクト印象度評価処理を実行する(S131)。
図8は、図7に示すオブジェクト印象度評価処理のフローチャートである。
図8に示すように、適性度評価手段14cは、対象の資料20のうち未だ対象にしていない1ページのスライドを対象にする(S161)。
次いで、適性度評価手段14cは、対象のスライドに含まれる全てのオブジェクトのそれぞれに対してオブジェクト印象度を評価する(S162)。
例えば、適性度評価手段14cは、S162において、オブジェクトの種類に基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類を特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類が画像である場合に、オブジェクトの種類が文字列である場合と比較して、画像のオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
また、適性度評価手段14cは、S162において、スライドにおけるオブジェクトの位置に基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、スライドにおけるオブジェクトの位置を特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、スライドにおけるオブジェクトの位置が上方であるほど、また左右方向における中央であるほど、このオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
また、適性度評価手段14cは、S162において、オブジェクトの大きさに基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、オブジェクトの大きさを特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、オブジェクトが大きいほど、このオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
また、適性度評価手段14cは、S162において、オブジェクトの色と、スライドの背景の色との差の大きさに基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、オブジェクトの色と、スライドの背景の色との差の大きさを特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、オブジェクトの色と、スライドの背景の色との差が大きいほど、このオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
また、適性度評価手段14cは、S162において、対象のスライドに含まれるオブジェクト同士の色の差の大きさに基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、対象のスライドに含まれるオブジェクト同士の色の差の大きさを特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、対象のスライドに含まれるオブジェクト同士の色の差が大きいほど、これらのオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。ここで、適性度評価手段14cは、これらのオブジェクトのうち、スライドの背景の色との差が大きい方のみのオブジェクト印象度を増加させても良い。
また、適性度評価手段14cは、S162において、オブジェクトの種類が文字列である場合の文字列の文字サイズに基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類が文字列である場合の文字列の文字サイズを特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類が文字列である場合に文字列の文字サイズが大きいほど、このオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
また、適性度評価手段14cは、S162において、オブジェクトの種類が文字列である場合の文字列の文字数に基づいて、オブジェクト印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類が文字列である場合の文字列の文字数を特定の規則で数値化して、オブジェクト印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、オブジェクトの種類が文字列である場合に文字列の文字数が少ないほど、このオブジェクトのオブジェクト印象度を増加させる。
適性度評価手段14cは、以上のような様々な観点によって、対象のスライドに含まれる全てのオブジェクトのそれぞれに対してオブジェクト印象度を総合的に数値で評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、以上のオブジェクト印象度の加算分を合計することによって、対象のスライドに含まれる全てのオブジェクトのそれぞれに対してオブジェクト印象度を数値で評価する。
適性度評価手段14cは、S162の処理の後、対象の資料20の全てのスライドを対象にしたか否かを判断する(S163)。
適性度評価手段14cは、対象の資料20に未だ対象にしていないスライドが存在するとS163において判断すると、S161の処理を実行する。
適性度評価手段14cは、対象の資料20の全てのスライドを対象にしたとS163において判断すると、図8に示すオブジェクト印象度評価処理を終了する。
図9は、図8に示すオブジェクト印象度評価処理によるオブジェクト印象度の評価結果の一例を示す図である。
図9に示す評価結果において、文字列51aは、スライド21のオブジェクト21aのオブジェクト印象度を注目度70%として示している。文字列51bは、スライド21のオブジェクト21bのオブジェクト印象度を注目度30%として示している。
また、文字列52aは、スライド22のオブジェクト22aのオブジェクト印象度を注目度30%として示している。文字列52bは、スライド22のオブジェクト22bのオブジェクト印象度を注目度20%として示している。文字列52cは、スライド22のオブジェクト22cのオブジェクト印象度を注目度50%として示している。
また、文字列53aは、スライド23のオブジェクト23aのオブジェクト印象度を注目度15%として示している。文字列53bは、スライド23のオブジェクト23bのオブジェクト印象度を注目度85%として示している。
図9における評価結果は、各スライドに含まれる全てのオブジェクトのそれぞれのオブジェクト印象度の合計が100%になるように、オブジェクト印象度が百分率で示されている。しかしながら、1ページのスライドに含まれる全てのオブジェクトのそれぞれの印象の強さの相対関係が表されれば、評価結果は、百分率でなくても良い。例えば、S162において得られたオブジェクト印象度の数値がそのまま示されても良い。
図7に示すように、適性度評価手段14cは、S131のオブジェクト印象度評価処理の後、対象の資料20に含まれる全てのスライドのそれぞれに対してスライド印象度を評価する(S132)。
例えば、適性度評価手段14cは、S132において、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度に基づいて、スライド印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度を特定の規則で数値化して、スライド印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度が大きいほど、対象のスライドのスライド印象度を増加させる。
特に、適性度評価手段14cは、S132において、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度と、対象のスライドにおけるオブジェクト印象度の最大値とに基づいて、スライド印象度を評価すると良い。すなわち、適性度評価手段14cは、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度を特定の規則で数値化して、スライド印象度の加算分とするとともに、対象のスライドにおけるオブジェクト印象度の最大値を特定の規則で数値化して、スライド印象度の加算分とすると良い。例えば、適性度評価手段14cは、資料20全体におけるスライドの外観の傾向からの対象のスライドの相違の程度が大きく、更に対象のスライドにおけるオブジェクト印象度の最大値が大きいほど、対象のスライドのスライド印象度を増加させる。
なお、資料20全体におけるスライドの外観の傾向は、例えば、スライドにおけるオブジェクトの種類の比率によって判断されることが可能である。スライドにおけるオブジェクトの種類の比率とは、例えば、画像のオブジェクトおよび表のオブジェクトの合計数と、文字列のオブジェクトの数との比率である。
また、資料20全体におけるスライドの外観の傾向は、例えば、スライドにおける色の使い方によって判断されることが可能である。
また、資料20全体におけるスライドの外観の傾向は、例えば、スライドにおけるオブジェクトの配置によって判断されることが可能である。
また、適性度評価手段14cは、S132において、スライドの外観の単純さの程度に基づいて、スライド印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、スライドの外観の単純さの程度を特定の規則で数値化して、スライド印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、スライドの外観の単純さの程度が高いほど、このスライドのスライド印象度を増加させる。
なお、スライドの外観の単純さの程度は、例えば、スライドに含まれるオブジェクトの数によって判断されることが可能である。すなわち、スライドに含まれるオブジェクトの数が少ないほど、スライドの外観の単純さの程度は高い。
また、スライドの外観の単純さの程度は、例えば、スライドにオブジェクトとして含まれる全ての文字列の合計の文字数によって判断されることが可能である。すなわち、スライドにオブジェクトとして含まれる全ての文字列の合計の文字数が少ないほど、スライドの外観の単純さの程度は高い。
また、スライドの外観の単純さの程度は、例えば、スライドにおけるオブジェクトの配置に基づいて判断されることが可能である。例えば、オブジェクトが左右対称に配置されたスライドは、オブジェクトが左右非対称に配置されたスライドと比較して、スライドの外観の単純さの程度は高い。また、画像のオブジェクトが中央に配置されたスライドは、画像のオブジェクトが中央以外の位置に配置されたスライドと比較して、スライドの外観の単純さの程度は高い。また、複数の画像のオブジェクトが規則的な位置に配置されたスライドは、複数の画像のオブジェクトが不規則な位置に配置されたスライドと比較して、スライドの外観の単純さの程度は高い。
また、適性度評価手段14cは、S132において、スライドの色の派手さの程度に基づいて、スライド印象度を評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、スライドの色の派手さの程度を特定の規則で数値化して、スライド印象度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、スライドの外観の派手さの程度が高いほど、このスライドのスライド印象度を増加させる。
なお、スライドの外観の派手さの程度は、例えば、スライドに含まれるオブジェクトの色の彩度および明度の少なくとも1つに基づいて判断されることが可能である。すなわち、スライドに含まれるオブジェクトの色の彩度が高いほど、スライドの色の派手さの程度は高い。また、スライドに含まれるオブジェクトの色の明度が高いほど、スライドの色の派手さの程度は高い。
また、スライドの外観の派手さの程度は、例えば、スライドの背景の色の彩度および明度の少なくとも1つに基づいて判断されることが可能である。すなわち、スライドの背景の色の彩度が高いほど、スライドの色の派手さの程度は高い。また、スライドの背景の色の明度が高いほど、スライドの色の派手さの程度は高い。
適性度評価手段14cは、以上のような様々な観点によって、対象の資料20に含まれる全てのスライドのそれぞれに対してスライド印象度を総合的に数値で評価する。すなわち、適性度評価手段14cは、以上のスライド印象度の加算分を合計することによって、対象の資料20に含まれる全てのスライドのそれぞれに対してスライド印象度を数値で評価する。
適性度評価手段14cは、S132の処理の後、図7に示すスライド印象度評価処理を終了する。
図10は、図7に示すスライド印象度評価処理によるスライド印象度の評価結果の一例を示す図である。
図10に示す評価結果において、文字列61、62、63は、それぞれ、スライド21、22、23のスライド印象度を示している。すなわち、図10に示す例では、スライド21、22、23のスライド印象度は、それぞれ20%、30%、50%である。
図10における評価結果は、資料20に含まれる全てのスライドのそれぞれのスライド印象度の合計が100%になるように、スライド印象度が百分率で示されている。しかしながら、資料20に含まれる全てのスライドのそれぞれの印象の強さの相対関係が表されれば、評価結果は、百分率でなくても良い。例えば、S132において得られたスライド印象度の数値がそのまま示されても良い。
図4に示すように、適性度評価手段14cは、S103のスライド印象度評価処理の後、対象の資料20に含まれる各スライドに対してページ所要時間を予測する(S104)。例えば、適性度評価手段14cは、各スライドのページ所要時間の予測のために、各スライドに含まれる文字数を考慮することが可能である。また、適性度評価手段14cは、各スライドのページ所要時間の予測のために、各スライドに含まれる画像や表を考慮することも可能である。
適性度評価手段14cは、S104の処理の後、基準テーブル13cに定められている「スライドの1ページ分の文字数の基準」と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドの文字数との差の程度に応じて、対象の資料20の適性度を評価する(S105)。すなわち、適性度評価手段14cは、「スライドの1ページ分の文字数の基準」と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドの文字数との差の程度を特定の規則で数値化して、対象の資料20の適性度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、基準テーブル13cが図3に示すものであって、S101において受け付けられた使用目的が「提案」である場合、「スライドの1ページ分の文字数の基準」が「100文字以下」であるので、対象の資料20に含まれる対象のスライドの文字数が100文字以下であるときには、対象の資料20の適性度の加算分を最高点(例えば25点)にし、対象の資料20に含まれる対象のスライドの文字数が100文字より多いときには、文字数が多いほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくする。なお、適性度評価手段14cは、対象の資料20にスライドが複数含まれている場合には、各スライドについて得られた加算分を平均した値を、S105における最終的な加算分とする。
適性度評価手段14cは、S105の処理の後、基準テーブル13cに定められている「ページ所要時間の基準」と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドに対してS104において予測したページ所要時間との差の程度に応じて、対象の資料20の適性度を評価する(S106)。すなわち、適性度評価手段14cは、「ページ所要時間の基準」と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドに対して予測したページ所要時間との差の程度を特定の規則で数値化して、対象の資料20の適性度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、基準テーブル13cが図3に示すものであって、S101において受け付けられた使用目的が「提案」である場合、「ページ所要時間の基準」が「1分超2分以下」であるので、対象の資料20に含まれる各スライドに対して予測したページ所要時間が1分超2分以下であるときには、対象の資料20の適性度の加算分を最高点(例えば25点)にし、対象の資料20に含まれる各スライドに対して予測したページ所要時間が1分以下であるときには、ページ所要時間が短いほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくし、対象の資料20に含まれる各スライドに対して予測したページ所要時間が2分超であるときには、ページ所要時間が長いほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくする。なお、適性度評価手段14cは、対象の資料20にスライドが複数含まれている場合には、各スライドについて得られた加算分を平均した値を、S106における最終的な加算分とする。
適性度評価手段14cは、S106の処理の後、基準テーブル13cに定められている「全体所要時間の基準」と、実際の対象の資料20に対して予測される全体所要時間との差の程度に応じて、対象の資料20の適性度を評価する(S107)。ここで、適性度評価手段14cは、S104において予測した全てのスライドのページ所要時間を合計することによって、対象の資料20に対して全体所要時間を予測する。適性度評価手段14cは、「全体所要時間の基準」と、実際の対象の資料20に対して予測した全体所要時間との差の程度を特定の規則で数値化して、対象の資料20の適性度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、基準テーブル13cが図3に示すものであって、S101において受け付けられた使用目的が「提案」であって、S102において受け付けられた発表時間が10分である場合、「全体所要時間の基準」が「予定の発表時間の±30秒以内」、すなわち、「9分30秒以上10分30秒以下」であるので、対象の資料20に対して予測した全体所要時間が9分30秒以上10分30秒以下であるときには、対象の資料20の適性度の加算分を最高点(例えば25点)にし、対象の資料20に対して予測した全体所要時間が9分30秒未満であるときには、全体所要時間が短いほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくし、対象の資料20に対して予測した全体所要時間が10分30秒超であるときには、全体所要時間が長いほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくする。
適性度評価手段14cは、S107の処理の後、基準テーブル13cに定められている「スライド印象度が最も高いスライドの位置の基準」と、実際の対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置との差の程度に応じて、対象の資料20の適性度を評価する(S108)。ここで、適性度評価手段14cは、S103のスライド印象度評価処理において、対象の資料20に含まれる各スライドに対してスライド印象度を予測しているので、対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置を判断することが可能である。適性度評価手段14cは、「スライド印象度が最も高いスライドの位置の基準」と、実際の対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置との差の程度を特定の規則で数値化して、対象の資料20の適性度の加算分とする。例えば、適性度評価手段14cは、基準テーブル13cが図3に示すものであって、S101において受け付けられた使用目的が「提案」である場合、「スライド印象度が最も高いスライドの位置の基準」が「7ページ目」であるので、対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置が7ページ目であるときには、対象の資料20の適性度の加算分を最高点(例えば25点)にし、対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置が7ページ目より前であるときには、スライド印象度が最も高いスライドの位置が前であるほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくし、対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置が7ページ目より後であるときには、スライド印象度が最も高いスライドの位置が後であるほど対象の資料20の適性度の加算分を小さくする。
適性度評価手段14cは、S108の処理の後、S105〜S108において得られた加算分を合計することによって、対象の資料20の適性度を総合的に数値で評価する(S109)。
次いで、評価表示手段14dは、S105〜S109における評価結果を図11に示すように表示部12に表示して(S110)、図4に示す動作を終了する。
以上に説明したように、資料評価装置10は、利用者によって指定された資料20の使用目的(S101)に応じて定められた基準と、実際の資料20との差の程度に応じて評価した資料20の適性度を表示する(S110)ので、資料20が使用目的に適したものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
また、資料評価装置10は、利用者によって指定された資料20の使用目的(S101)および発表時間(S102)に応じて定められた基準と、実際の資料20との差の程度に応じて評価した資料20の適性度を表示する(S110)ので、資料20が使用目的だけでなく、発表時間にも適したものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
資料評価装置10は、資料20に含まれるスライドの1ページ分の文字数の基準と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドの文字数との差の程度に応じて、資料20の適性度を増加させる(S105)ので、資料20に含まれるスライドの1ページ分の文字数の観点で、資料20が使用目的に適した分量のものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
資料評価装置10は、資料20に含まれるスライドの1ページ分の発表に必要なページ所要時間の基準と、実際の対象の資料20に含まれる各スライドに対して予測されるページ所要時間との差の程度に応じて、資料20の適性度を増加させる(S106)ので、資料20に含まれるスライドの1ページ分の発表に必要なページ所要時間の観点で、資料20が使用目的に適した分量のものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
資料評価装置10は、資料20全体の発表に必要な全体所要時間の基準と、実際の対象の資料20に対して予測される全体所要時間との差の程度に応じて、資料20の適性度を増加させる(S107)ので、資料20全体の発表に必要な全体所要時間の観点で、資料20が発表時間に適した分量のものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
資料評価装置10は、資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置の基準と、実際の対象の資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置との差の程度に応じて、資料20の適性度を増加させる(S108)ので、資料20においてスライド印象度が最も高いスライドの位置の観点で、資料20が使用目的に適したものであるかを利用者に客観的に認識させることができる。
資料20の作成者は、資料評価装置10によって表示された適性度の客観的な評価結果を確認することによって、資料20が使用目的や発表時間に適したものであるかを客観的に認識することができる。したがって、資料20の作成者は、資料20を短時間で適切に修正することができる。
なお、資料20の使用目的は、本実施の形態において示したものに限られない。資料評価装置10は、基準テーブル13cの設定が変更されることによって、種々の使用目的に対応することが可能である。
また、資料20の適性度の評価の基準も、本実施の形態において示したものに限られない。資料評価装置10は、基準テーブル13cの設定が変更されることによって、種々の基準に対応することが可能である。