JP6055141B2 - ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂発泡体、発泡体製造方法、及び発泡シール材 - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物、ポリオレフィン系樹脂発泡体、発泡体製造方法、及び発泡シール材 Download PDF

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Description

本発明は、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物、該組成物を発泡させることにより形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体、及び該ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む発泡シール材に関する。
発泡体は、搬送時の緩衝材、断熱材、包装材や建材をはじめ、電子機器のシール材や緩衝材として用いられている。近年、電子機器の小型化や画面の大型化に伴いシール材や緩衝材として使用される発泡体の面積は小さくなっており、発泡体には小さな面積でも十分なシール性や緩衝性を発揮することが求められる。小さな面積でも十分な特性を発揮するため、セル(気泡)を微細化する方法が行われている(特許文献1〜3)。
しかしながら、上記特許文献1や特許文献2に記載の発泡体は、均一で微細なセルを有する発泡体を形成しているが、発泡倍率が低いため、十分な柔軟性を満たしておらず、緩衝性の低下や電子機器の画面ムラを引き起こすおそれがある。また、さらに発泡構造が独立気泡構造なので、十分な柔軟性が得られない場合がある。特許文献3に記載の発泡体は、低吐出速度では、柔軟性に優れ微細なセルを有する発泡体を形成しているが、発泡体製造時の吐出速度が速い場合は、発泡倍率が低くなったり、セルが不均一となったりする場合があった。セルが不均一になった場合、小面積で発泡体を用いた場合にシール性や緩衝性が劣ることがあった。
即ち、吐出速度を速くし、速い生産速度で製造した場合でも、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有する発泡体であって、小さな面積で使用した場合でもシール性や緩衝性を失わない発泡体は得られていないのが現状である。
特開2002−47326号公報 特許第4486941号 特開2010−270228公報
従って、本発明の目的は、吐出速度が速い場合でも、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成し得るポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物を提供することにある。また、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成するため鋭意検討した結果、特定のメルトフローレート(MFR)及び破断時の溶融張力のポリオレフィン(A)、及び特定のメルトフローレート(MFR)及び破断時の溶融張力のポリオレフィン(B)を、特定の割合で含有させることにより、吐出速度が速い場合でも、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成し得るポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物が得られることを見出した。
即ち、本発明は、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.2〜0.7g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が30cN以上であるポリオレフィン(A)、及び、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1.5〜10g/10分、好ましくは1.5〜2.5g/10分であり且つ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN以上であるポリオレフィン(B)を含み、
上記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、上記ポリオレフィン(B)の含有量が15〜75重量部であることを特徴とするポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物を提供する。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物は、さらに、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤を含み、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が3〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN未満である成分(C)を含み、
上記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、上記成分(C)の含有量が30〜200重量部であることが好ましい。
また、本発明は、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物を発泡させることにより形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、見かけ密度が0.01〜0.15g/cm3であることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、平均セル径が10〜200μmであることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物に5MPa以上の不活性ガスを含浸させた後、発泡させることにより形成されることが好ましい。
上記不活性ガスは、二酸化炭素であることが好ましい。
含浸時の上記不活性ガスが、超臨界状態であることが好ましい。
上記ポリオレフィン系樹脂発泡体は、半連続半独立気泡構造を有することが好ましい。
また、本発明は、上記ポリオレフィン系樹脂発泡体を含む発泡シール材を提供する。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物は、上記構成を有するため、吐出速度が速い場合でも、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を作製することができる。このため、ポリオレフィン系樹脂発泡体を製造する際の生産スピード、及び生産効率が向上する。さらに、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物より形成された本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、均一で微細なセルを有するため、小さな面積で使用した場合でも優れたシール性や緩衝性を発揮できる。
図1は、実施例1のポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面のデジタルマイクロスコープ写真である。 図2は、比較例1のポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面のデジタルマイクロスコープ写真である。
[ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物]
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物は、少なくとも温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.2〜0.7g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が30cN以上であるポリオレフィン(A)、及び、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1.5〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN以上であるポリオレフィン(B)を含む。さらに、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤を含み、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が3〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN未満である成分(C)を含むことが好ましい。さらに、必要に応じて、その他の添加剤が含まれていてもよい。
なお、本明細書においては、「本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物」を「本発明の樹脂組成物」と称する場合がある。また、「温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.2〜0.7g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が30cN以上であるポリオレフィン(A)」を「ポリオレフィン(A)」と称する場合がある。また、「温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1.5〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN以上であるポリオレフィン(B)」を「ポリオレフィン(B)」と称する場合がある。また、「ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤を含み、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が3〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN未満である成分(C)」を「成分(C)」と称する場合がある。また、「温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)」を「MFR(230℃)」と称する場合がある。また、「温度190℃で測定した破断時の溶融張力」を「溶融張力(190℃、破断時)」と称する場合がある。
ポリオレフィン(A)、ポリオレフィン(B)、成分(C)、及びその他の添加剤は、それぞれ、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(ポリオレフィン(A))
上記ポリオレフィン(A)は、特に限定されず、例えば、α−オレフィンを必須のモノマー成分として構成(形成)されたポリマー、即ち、分子中(1分子中)に、少なくともα−オレフィンに由来する構成単位を有するポリマーである。上記ポリオレフィン(A)は、例えば、α−オレフィンのみから構成されたポリマーであってもよいし、α−オレフィンと、α−オレフィン以外のモノマー成分から構成されたポリマーであってもよい。
上記ポリオレフィン(A)は、単独重合体(ホモポリマー)、又は2種以上のモノマーを含む共重合体(コポリマー)であってもよい。また、ポリオレフィン(A)が共重合体である場合、ランダムコポリマーやブロックコポリマーであってもよい。上記ポリオレフィン(A)は、1種の重合体であってもよいし、2種以上の重合体を組み合わせたものであってもよい。
上記ポリオレフィン(A)は、特に限定されないが、発泡倍率の高いポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる観点から、直鎖状のポリオレフィンであることが好ましい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、炭素数2〜8のα−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、へプテン−1、オクテン−1など)が好ましい。α−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記α−オレフィン以外のモノマー成分としては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなどのエチレン性不飽和単量体が挙げられる。α−オレフィン以外のモノマー成分は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記ポリオレフィン(A)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレンとエチレン以外のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとプロピレンとエチレン及びプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンとエチレン性不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。
上記ポリオレフィン(A)としては、耐熱性の観点から、プロピレンを必須のモノマー成分として構成されたポリマー(ポリプロピレン系重合体)、即ち、少なくともプロピレンに由来する構成単位を有するポリマーが好ましい。即ち、ポリオレフィン(A)としては、例えば、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、エチレンとプロピレンとの共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系重合体が挙げられる。上記プロピレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記α−オレフィンの含有量は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(A)を構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、0.1〜10重量%が好ましく、より好ましくは、1〜5重量%である。
上記ポリオレフィン(A)の温度230℃におけるメルトフローレート(MFR、メルトマスフローレイト)は、0.2〜0.7g/10分であり、好ましくは0.3〜0.6g/10分である。MFR(230℃)が0.2g/10分以上であることにより、平滑に押し出しできる。また、MFR(230℃)が0.7g/10分以下であることにより、本発明の樹脂組成物の成形性が良好となる。なお、本明細書におけるMFR(230℃)とは、ISO1133(JIS K 7210)に基づき、温度230℃、荷重2.16kgfで測定されたMFRをいうものとする。
上記ポリオレフィン(A)の温度190℃で測定した破断時の溶融張力は、30cN以上である。中でも、30〜70cNが好ましく、さらに好ましくは40〜60cNである。溶融張力(190℃、破断時)が70cN以下であることにより、発泡率が高くなる。そのため、発泡させて形成したポリオレフィン系樹脂発泡体を厚くすることができ、さらに柔軟性が向上する。溶融張力(190℃、破断時)が30cN以上であることにより、気泡成形時にガス(発泡剤)抜けを抑え、十分な発泡倍率が得られる。なお、本明細書における溶融張力(190℃、破断時)とは、以下の方法により測定されたものをいう。
(溶融張力(190℃、破断時)の測定条件)
溶融張力(190℃、破断時)は、例えば、測定サンプルを、温度190℃に設定したキャピラリレオメーターに充填し、一定の押出速度で押し出したサンプルを張力検出プーリーを通過させてロールに巻き取り、引き取り速度(巻き取り速度)を徐々に上げていき、破断した時の溶融張力(cN)として測定することができる。
具体的には、後述の(評価)の「(1)溶融張力(190℃、破断時)」に記載の方法によって測定することができる。
上記ポリオレフィン(A)は市販品を用いてもよく、例えば、「E110G」(株式会社プライムポリマー製)、「EA9」(日本ポリプロ株式会社製)、「EA9FT」(日本ポリプロ株式会社製)、「E−185G」(株式会社プライムポリマー製)などが挙げられる。
(ポリオレフィン(B))
上記ポリオレフィン(B)は、特に限定されず、例えば、α−オレフィンを必須のモノマー成分として構成されたポリマー、即ち、分子中(1分子中)に、少なくともα−オレフィンに由来する構成単位を有するポリマーである。上記ポリオレフィン(B)は、例えば、α−オレフィンのみから構成されたポリマーであってもよいし、α−オレフィンと、α−オレフィン以外のモノマー成分から構成されたポリマーであってもよい。
上記ポリオレフィン(B)は、単独重合体(ホモポリマー)、又は2種以上のモノマーを含む共重合体(コポリマー)であってもよい。また、ポリオレフィン(B)が共重合体である場合、ランダムコポリマーやブロックコポリマーであってもよい。上記ポリオレフィン(B)は、1種の重合体であってもよいし、2種以上の重合体を組み合わせたものであってもよい。
上記ポリオレフィン(B)は、特に限定されないが、気泡成形後にセルの肥大化やセル割れ(セルの破泡)が起きにくく、均一なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られるため、分岐鎖状の(分岐鎖を有する)ポリオレフィンであることが好ましい。
上記α−オレフィンとしては、例えば、炭素数2〜8のα−オレフィン(例えば、エチレン、プロピレン、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−1、4−メチル−ペンテン−1、へプテン−1、オクテン−1など)が好ましい。α−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記α−オレフィン以外のモノマー成分としては、例えば、酢酸ビニル、アクリル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、ビニルアルコールなどのエチレン性不飽和単量体が挙げられる。α−オレフィン以外のモノマー成分は、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記ポリオレフィン(B)としては、例えば、低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、エチレンとプロピレンとの共重合体、エチレンと他のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、エチレンとプロピレンと他のα−オレフィンとの共重合体、プロピレンと他のエチレン性不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。
上記ポリオレフィン(B)としては、耐熱性の観点から、プロピレンを必須のモノマー成分として構成されたポリマー(ポリプロピレン系重合体)、即ち、少なくともプロピレンに由来する構成単位を有するポリマーが好ましい。即ち、ポリオレフィン(B)としては、例えば、ポリプロピレン(プロピレンホモポリマー)、エチレンとプロピレンとの共重合体、プロピレンとプロピレン以外のα−オレフィンとの共重合体などのポリプロピレン系重合体が挙げられる。上記プロピレン以外のα−オレフィンは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記α−オレフィンの含有量は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(B)を構成するモノマー成分全量(100重量%)に対して、5〜50重量%が好ましく、より好ましくは、10〜40重量%である。
上記ポリオレフィン(B)の温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)は、1.5〜10g/10分であり、好ましくは1.5〜3g/10分であり、より好ましくは2.0〜2.5g/10分である。MFR(230℃)が、1.5g/10分以上であることにより、気泡構造形成後に、セル径のばらつきが生じにくくなり、均一なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。MFR(230℃)が、10g/10分以下であることにより、押し出し時に樹脂が垂れることがなく、ポリオレフィン系樹脂発泡体の加工性に優れる。
上記ポリオレフィン(B)の温度190℃で測定した破断時の溶融張力は、10cN以上であり、好ましくは10〜70cN、さらに好ましくは13〜60cNである。溶融張力(190℃、破断時)が70cN以下であると、セル径のばらつきを抑制できる。また、溶融張力(190℃、破断時)が10cN以上であると、樹脂組成物が伸長性を有し、分子同士が絡み合うことで粘度が上がり、気泡成形後にセルの肥大化やセル割れ(セルの破泡)が起きにくくなり、セル径のばらつきを抑制できる。
上記ポリオレフィン(B)は市販品を用いてもよく、例えば、「WB140HMS」(ボレアリス社製)、「WB135HMS」(ボレアリス社製)などが挙げられる。
(成分C)
上記成分(C)は、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤を含む混合物(組成物)である。上記成分(C)は、必要に応じて、成分(C)における添加剤を含んでいてもよい。即ち、上記成分(C)としては、例えば、ゴムと熱可塑性エラストマーと軟化剤を含む混合物、ゴムと軟化剤を含む混合物、もしくは熱可塑性エラストマーと軟化剤を含む混合物が挙げられる。上記成分(C)としては、例えば、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤のみからなる混合物(組成物)、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、軟化剤、並びに成分(C)における添加剤(例えば、カーボンブラックなど)のみからなる混合物(組成物)などが好ましい。上記ゴムや熱可塑性エラストマーとしては、発泡可能なものであれば特に制限はなく、周知慣用のゴムや熱可塑性エラストマーを用いることができる。
上記ゴムとしては、特に限定されないが、例えば、天然ゴム、ポリイソブチレン、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルブチルゴムなどの天然または合成ゴムが挙げられる。上記ゴムは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
上記熱可塑性エラストマーとしては、特に限定されないが、例えば、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリブテン、ポリイソブチレン、塩素化ポリエチレンなどの熱可塑性オレフィン系エラストマー;スチレン−ブタジエン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン共重合体、スチレン−イソプレン−ブタジエン−スチレン共重合体、それらの水素添加物ポリマーなどの熱可塑性スチレン系エラストマー;熱可塑性ポリエステル系エラストマー;熱可塑性ポリウレタン系エラストマー;熱可塑性アクリル系エラストマーなどが挙げられる。上記熱可塑性エラストマーは、単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられていてもよい。
成分(C)に用いられる「ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー」としては、オレフィン系エラストマーが好ましく、特に好ましくは熱可塑性オレフィン系エラストマーである。熱可塑性オレフィン系エラストマーは、特に限定されないが、ポリオレフィン成分とオレフィン系ゴム成分とがミクロ相分離した構造を有したエラストマーであり、ポリオレフィン(A)、ポリオレフィン(B)との相溶性が良好である。熱可塑性オレフィン系エラストマーとして、さらに具体的には、ポリプロピレン樹脂(PP)とエチレン−プロピレンゴム(EPM)またはエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)とからなるエラストマーが好ましく例示される。なお、上記、ポリオレフィン成分とオレフィン系ゴム成分の質量比は、相溶性の観点から、ポリオレフィン成分/オレフィン系ゴム=90/10〜10/90であることが好ましく、より好ましくは80/20〜20/80である。
上記軟化剤としては、ゴム製品に一般的に用いられる軟化剤を好適に用いることができる。上記軟化剤を含有させることにより、加工性、柔軟性を向上させることができる。
上記軟化剤の具体例としては、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、石油アスファルト、ワセリン等の石油系物質;コールタール、コールタールピッチ等のコールタール類;ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油、ヤシ油等の脂肪油;トール油、蜜ロウ、カルナウバロウ、ラノリン等のロウ類;石油樹脂、クマロンインデン樹脂、アタクチックポリプロピレン等の合成高分子物質;ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジオクチルセバケート等のエステル化合物;マイクロクリスタリンワックス、サブ(ファクチス)、液状ポリブタジエン、変性液状ポリブタジエン、液状チオコール、液状ポリイソプレン、液状ポリブテン、液状エチレン・α−オレフィン系共重合体等を挙げることができる。なかでも、パラフィン系、ナフテン系、芳香族系の鉱物油、液状ポリイソプレン、液状ポリブテン、液状エチレン・α−オレフィン系共重合体が好ましく、液状ポリイソプレン、液状ポリブテン、液状エチレン・α−オレフィン系共重合体がさらに好ましい。
上記軟化剤の含有割合は、成分(C)中のポリオレフィン成分100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、5〜100質量部であることがさらに好ましく、10〜50質量部であることが特に好ましい。軟化剤の含有割合が、200質量部超であると、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマーとの混練時に分散不良を起こす場合がある。
上記成分(C)における添加剤としては、特に限定されないが、例えば、老化防止剤、耐候剤、紫外線吸収剤、分散剤、可塑剤、カーボンブラック、帯電防止剤、界面活性剤、張力改質剤、流動性改質剤などが挙げられる。なお、上記成分(C)における添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
上記成分(C)における添加剤の含有割合は、成分(C)中のポリオレフィン成分100質量部に対して、0.01〜100質量部であることが好ましく、さらに好ましくは、0.05〜50質量部、特に好ましくは0.1〜30質量部である。成分(C)における添加剤の含有割合が、0.01質量部以上であることにより、各添加剤としての効果を発現することができる。
上記成分(C)のMFR(230℃)は、特に限定されないが、例えば3〜10g/10分が好ましく、より好ましくは4〜9g/10分である。MFR(230℃)を、3g/10分以上にすることにより、樹脂組成物の成形性が良好となる。MFR(230℃)を、10g/10分以下にすることにより、樹脂組成物の成形性が良好となる。
上記成分(C)の溶融張力(190℃、破断時)は、特に限定されないが、例えば、10cN未満が好ましく、より好ましくは5〜9.5cNである。溶融張力(190℃、破断時)を10cN未満とすることにより、平滑に押し出しできる。
上記成分(C)のJIS A硬度は、特に限定されないが、例えば、30〜90°が好ましく、より好ましくは40〜85°である。JIS A硬度を、30°以上にすることにより、高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。JIS A硬度を、90°以下にすることにより、柔軟な発泡体を得ることができる。なお、本明細書におけるJIS A硬度とは、ISO7619(JIS K6253)に基づき、測定された硬度をいうものとする。
本発明の樹脂組成物中のポリオレフィン(A)の含有量は、特に限定されないが、高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡体が得られるという観点から、本発明の樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して、10〜60重量%が好ましく、より好ましくは12〜50重量%、さらに好ましくは15〜50重量%である。
本発明の樹脂組成物中のポリオレフィン(B)の含有量は、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、15〜75重量部である。即ち、ポリオレフィン(A)100重量部に対するポリオレフィン(B)の含有量は、15〜75重量部である。中でも、ポリオレフィン(A)100重量部に対するポリオレフィン(B)の含有量は、20〜70重量部が好ましく、より好ましくは25〜60重量部である。ポリオレフィン(B)の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、15重量部以上であることにより、セルの肥大化が起きにくく、均一なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる。また、ポリオレフィン(B)の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、75重量部以下であることにより、気泡成形時にガス抜けが起きにくく、また均一なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる。
本発明の樹脂組成物において、必要に応じて用いられる成分(C)の含有量は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(A)100重量部に対して30〜200重量部であること好ましく、より好ましくは、35〜180重量部である。成分(C)の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、30重量部以上であることにより、樹脂組成物の柔軟性及びゴム弾性が向上する。また、成分(C)の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、200重量部以下であることにより、高発泡倍率のポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる。
また、本発明の樹脂組成物中の成分(C)の含有量は、特に限定されないが、本発明の樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して、10〜60重量%が好ましく、より好ましくは12〜50重量%、さらに好ましくは13〜50重量%である。
本発明の樹脂組成物には、必要に応じて、その他の添加剤が含まれていてもよい。添加剤の種類は特に限定されず、発泡成形に通常使用される各種添加剤を用いることができる。上記添加剤としては、例えば、気泡核剤(後述の粒子など)、結晶核剤、可塑剤、滑剤、着色剤(顔料、染料、カーボン等)、紫外線吸収剤、酸化防止剤、老化防止剤、充填剤、補強剤、帯電防止剤、界面活性剤、張力改質剤、収縮防止剤、流動性改質剤、クレイ、加硫剤、表面処理剤、難燃剤などが挙げられる。上記添加剤は、本発明の効果を損なわない範囲で含まれていてもよい。なお、上記添加剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明の樹脂組成物には、気泡核剤が含まれていてもよい。上記気泡核剤としては、例えば、粒子が挙げられる。該粒子としては、例えば、タルク、シリカ、アルミナ、ゼオライト、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、酸化亜鉛、酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、マイカ、モンモリロナイト等のクレイ、グラスファイバー、カーボンチューブなどが挙げられる。なお、粒子は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記粒子の平均粒子径(粒径)は、特に限定されないが、例えば、0.1〜20μmの粒子が好ましい。粒子の平均粒子径が0.1μm未満では発泡核剤として機能しない場合があり、一方、粒径が20μmを超えると発泡成形時にガス抜けの原因となる場合がある。
上記気泡核剤は、樹脂組成物の発泡成形時の気泡核剤(発泡核剤)として機能するため、本発明の樹脂組成物に気泡核剤が含まれていると均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。
上記気泡核剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記ポリオレフィン(A)100重量部に対して5〜500重量部が好ましく、より好ましくは、10〜480重量部、さらに好ましくは、15〜450重量部である。気泡核剤の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、5重量部以上であることにより、気泡核剤としての機能を発揮し、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を得ることができる。また、気泡核剤の含有量を、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、500重量部以下であることにより、樹脂組成物の粘度の上昇や発泡成形時のガス抜けが生じにくく、十分な発泡倍率でポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる。
本発明の樹脂組成物には、難燃剤が含まれていてもよい。上記難燃剤は、パウダー状であってもよいし、パウダー状以外の形態をしていてもよい。パウダー状の難燃剤としては、無機難燃剤が好ましい。無機難燃剤としては、例えば、臭素系難燃剤、塩素系難燃剤、リン系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤等が挙げられる。ここで、塩素系難燃剤や臭素系難燃剤は、燃焼時に人体に対して有害で機器類に対して腐食性を有するガス成分を発生し、また、リン系難燃剤やアンチモン系難燃剤は、有害性や爆発性などの問題がある。このため、無機難燃剤としては、ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤が好ましい。ノンハロゲン−ノンアンチモン系無機難燃剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム・酸化ニッケルの水和物、酸化マグネシウム・酸化亜鉛の水和物等の水和金属化合物などが挙げられる。なお、水和金属酸化物は表面処理されていてもよい。なお、難燃剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記難燃剤は、難燃性を有し、且つ発泡倍率の高いポリオレフィン系樹脂発泡体が得られる観点から、気泡核剤として機能も有することが好ましい。気泡核剤としての機能を有する難燃剤としては、例えば、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムなどが挙げられる。
上記難燃剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記ポリオレフィン(A)100重量部に対して10〜450重量部が好ましく、より好ましくは、20〜400重量部、さらに好ましくは、50〜350重量部、特に好ましくは100〜300重量部である。難燃剤の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、10重量部以上であることにより、樹脂組成物が燃えやすい性質を有する成分を含む場合でも、発泡成形後の発泡体が難燃性となり、電気又は電子機器用途などの難燃性が要求される用途に用いることができる。また、難燃剤の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、450重量部以下であることにより、発泡成形時の発泡倍率が高くなる。
本発明の樹脂組成物には、滑剤が含まれていてもよい。上記滑剤は、特に限定されず、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックスなどの炭化水素系滑剤;ステアリン酸、ベヘニン酸、12−ヒドロキシステアリン酸などの脂肪酸系滑剤;ステアリン酸ブチル、ステアリン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレート、硬化ヒマシ油、ステアリン酸ステアリルなどのエステル系滑剤などが挙げられる。なお、滑剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記滑剤の含有量は、特に限定されないが、例えば、上記ポリオレフィン(A)100重量部に対して0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは、0.5〜25重量部、さらに好ましくは、1〜20重量部である。滑剤の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して0.1重量部以上であることにより、流動性が向上し、また樹脂組成物の熱劣化を抑制できる。滑剤の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して、30重量部以下であることにより、流動性が高くなりすぎず、平滑な発泡体を得ることができる。
本発明の樹脂組成物は、例えば、ポリオレフィン(A)、ポリオレフィン(B)、必要に応じて加えられる成分(C)、及び必要に応じて加えられるその他の添加剤を、一軸(単軸)混練押出機や二軸混練押出機など公知の溶融混練押出装置により混練し、押し出すことにより得ることができる。本発明の樹脂組成物の形状としては、例えば、ストランド状、シート状、平板状、ストランドを水冷又は空冷し、適当な長さに裁断したペレット状等が挙げられる。中でも、生産性の観点から、混練してペレット化しておくことが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン(A)とポリオレフィン(B)とを、ポリオレフィン(B)をポリオレフィン(A)100重量部に対して、15〜75重量部の割合で混合することにより製造されたポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物であることが好ましい。中でも、ポリオレフィン(A)を、本発明の樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して、10〜60重量%(好ましくは20〜50重量%)、ポリオレフィン(B)をポリオレフィン(A)100重量部に対して、15〜75重量部(好ましくは20〜70重量部、より好ましくは25〜60重量部)の割合で混合することにより製造されたポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物であることが好ましい。
本発明の樹脂組成物は、さらに成分(C)を混合して製造されたポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物であってもよい。成分(C)の添加量は、特に限定されないが、例えば、ポリオレフィン(A)100重量部に対して30〜200重量部が好ましく、より好ましくは35〜180重量部である。
本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂発泡体を形成する際の樹脂組成物として用いられる。
[ポリオレフィン系樹脂発泡体]
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、本発明の樹脂組成物を発泡(発泡成形)させることにより形成される。なお、本明細書においては、「本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体」を「本発明の発泡体」と称する場合がある。
本発明の発泡体の見かけ密度は、特に限定されないが、柔軟性や圧縮性の観点から、0.01〜0.15g/cm3が好ましく、より好ましくは、0.03〜0.14g/cm3である。なお、上記見かけ密度は、後述の(評価)の「(3)見かけ密度」に記載の方法によって測定することができる。
本発明の発泡体の平均セル径(平均気泡径)は、特に限定されないが、例えば、10〜200μmが好ましく、より好ましくは、30〜180μmである。発泡体の平均セル径が10μm以上であることにより、衝撃吸収性(クッション性)が向上する。発泡体の平均セル径が200μm以下であることにより、微細なセルを有する発泡体となる。さらに、薄層加工が可能となり、微小なクリアランスに用いることが可能となり、さらに防塵性が向上する。なお、上記平均セル径は、後述の(評価)の「(5)平均セル径」に記載の方法によって測定することができる。
本発明の発泡体の気泡構造(セル構造)は、特に制限されないが、独立気泡構造、半連続半独立気泡構造(独立気泡構造と連続気泡構造とが混在している気泡構造であり、その割合は特に制限されない)が好ましく、より好ましくは半連続半独立気泡構造である。本発明の発泡体の独立気泡構造部の割合は、特に限定されないが、柔軟性の観点から、本発明の発泡体の全体積(100%)に対して、40%以下であることが好ましく、より好ましくは30%以下である。気泡構造は、発泡成形の際に、樹脂組成物に含浸させる発泡剤の量や圧力により発泡倍率を調節することにより、制御することができる。
本発明の発泡体の厚みは、特に限定されず、例えば、0.1〜5mmが好ましく、さらに好ましくは0.2〜3mmである。厚さが0.1mm未満であると、発泡体の防塵性能の低下やクッション性能の低下をまねくおそれがある。一方、厚さが5mmを超えると、薄型、小型、細幅などの形状を有する電子又は電気機器に発泡体を適用するのが困難となるおそれがある。なお、上記厚さは、製造後の本発明の発泡体を、所望の厚さにスライス加工することにより調整されていてもよい。
本発明の発泡体の相対密度[発泡後の密度/未発泡状態での密度(例えば、樹脂組成物の密度や未発泡成形物の密度など)]は、上記発泡剤としてガスを用いる物理的発泡方法において、厚い発泡体を形成することができる観点から、0.02〜0.30であることが好ましく、0.03〜0.25であることがより好ましい。相対密度が0.30を超えると発泡が不十分となり、発泡体の柔軟性の低下を生じる場合がある。また相対密度が0.02未満では発泡体の強度が著しく低下する場合があり好ましくない。
本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、本発明の樹脂組成物を発泡させることにより形成される。樹脂組成物を発泡させる方法としては、特に限定されないが、例えば、物理的発泡方法(低沸点液体(発泡剤)を樹脂組成物に含浸(分散)させ、次に発泡剤を揮発させることによりセル(気泡)を形成させる方法)、化学的発泡方法(樹脂組成物に添加した化合物の熱分解により生じたガスによりセルを形成させる方法)が挙げられる。中でも、発泡剤として高圧のガスを用いる物理的発泡方法が好ましく、特に樹脂組成物に高圧のガス(例えば、不活性ガスなど)を含浸させた後、発泡させて形成させる方法が好ましい。
物理的発泡方法において用いられる上記発泡剤としては、特に限定されないが、微細なセルを有し、且つセル密度の高い気泡構造を有する発泡体が容易に得られ、発泡体を厚くすることができるという観点から、ガスが好ましく、特に、本発明の発泡体を構成する樹脂(本発明の樹脂組成物を構成する樹脂)に対して不活性なガス(不活性ガス)が好ましい。上記不活性ガスは、本発明の発泡体を構成する樹脂に対して不活性で且つ含浸可能なものであれば特に限定されないが、例えば、二酸化炭素、窒素ガス、空気、ヘリウム、アルゴンなどが挙げられる。特に、上記不活性ガスは、樹脂組成物への含浸量が多く、含浸速度の速い点から、二酸化炭素が好ましい。なお、上記発泡剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記発泡剤の混合量(含有量、含浸量)は、特に限定されないが、例えば、本発明の樹脂組成物の総重量(100重量%)に対して、2〜10重量%が好ましい。
上記不活性ガスは、樹脂組成物への含浸速度を速めるという観点から、含浸時に超臨界状態であることが好ましい。含浸時に超臨界状態であると、樹脂組成物への不活性ガスの溶解度が増大し、高濃度の含浸(混入)が可能である。また、高濃度で含浸することが可能であるため、含浸後に圧力を急激に降下させた際には、気泡核の発生が多くなり、その気泡核が成長してできる気泡の密度が気孔率が同じであっても大きくなるため、微細な気泡を得ることができる。なお、二酸化炭素の臨界温度は31℃、臨界圧力は7.4MPaである。
発泡剤としてガスを用いる物理的発泡方法は、樹脂組成物に高圧のガス(例えば、不活性ガスなど)を含浸させた後、減圧(例えば大気圧まで)する工程(圧力を解放する工程)を経て発泡させることにより形成する方法が好ましい。具体的には、樹脂組成物からなる未発泡成形物に高圧のガスを含浸させた後、減圧(例えば大気圧まで)する工程を経て発泡させることにより形成する方法、または溶融した樹脂組成物にガス(例えば、不活性ガスなど)を加圧状態下で含浸させた後、減圧(例えば大気圧まで)して発泡させるとともに成形に付して形成する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物に、ガスを含浸させることにより、本発明の発泡体を形成する場合には、例えば、予め本発明の樹脂組成物を、シート状などの適宜な形状に成形して未発泡樹脂成形体(未発泡成形物)とした後、この未発泡樹脂成形体に、高圧のガスを含浸させ、圧力を解放することにより発泡させるバッチ方式で行ってもよく、本発明の樹脂組成物を高圧条件下、高圧のガスと共に混練し、成形すると同時に圧力を解放し、成形と発泡を同時に行う連続方式で行ってもよい。
上記バッチ方式において、未発泡樹脂成形体を形成する方法は、特に限定されないが、例えば、樹脂組成物を、単軸押出機、二軸押出機等の押出機を用いて成形する方法;樹脂組成物を、ローラ、カム、ニーダ、バンバリ型等の羽根を設けた混練機を使用して均一に混練しておき、熱板のプレスなどを用いて所定の厚さにプレス成形する方法;樹脂組成物を、射出成形機を用いて成形する方法などが挙げられる。また、未発泡樹脂成形体の形状は、特に限定されないが、例えば、シート状、ロール状、板状等が挙げられる。上記バッチ方式では、所望の形状や厚さの未発泡樹脂成形体が得られる適宜な方法により樹脂組成物が成形される。
上記バッチ方式では、未発泡樹脂成形体を耐圧容器中に入れて、高圧のガスを注入(導入、混入)し、未発泡樹脂成形体中にガスを含浸させるガス含浸工程、十分にガスを含浸させた時点で圧力を解放し(通常、大気圧まで)、樹脂組成物中に気泡核を発生させる減圧工程を経て、気泡が形成される。
一方、上記連続方式では、樹脂組成物を押出機(例えば、単軸押出機、二軸押出機等)や射出成形機を使用して混練しながら、高圧のガスを注入(導入、混入)し、十分に高圧のガスを樹脂組成物に含浸させる混練含浸工程、押出機の先端に設けられたダイスなどを通して樹脂組成物を押し出すことにより圧力を解放し(通常、大気圧まで)、成形と発泡を同時に行う成形減圧工程により樹脂組成物が発泡成形される。
上記バッチ方式や連続方式では、必要に応じて、加熱により気泡核を成長させる加熱工程が設けられてもよい。なお、加熱工程を設けずに、室温で気泡核を成長させてもよい。さらにまた、気泡を成長させた後、必要により冷水などにより急激に冷却し、形状を固定化させてもよい。高圧のガスの導入は、連続的に行ってもよく不連続的に行ってもよい。なお、気泡核を成長させる際の加熱の方法は、特に限定されないが、ウォーターバス、オイルバス、熱ロール、熱風オーブン、遠赤外線、近赤外線、マイクロ波などの公知乃至慣用の方法が挙げられる。
上記バッチ方式のガス含浸工程や上記連続方式の混練含浸工程において、ガスを含浸させるときの圧力は、ガスの種類や操作性等を考慮して適宜選択されるが、例えば、5MPa以上(例えば、5〜100MPa)が好ましく、より好ましくは7MPa以上(例えば、7〜100MPa)である。即ち、本発明の樹脂組成物に、圧力5MPa以上(例えば、圧力5〜100MPa)のガスを含浸させることが好ましく、圧力7MPa以上(例えば、圧力7〜100MPa)の不活性ガスを含浸させることがより好ましい。ガスの圧力が、5MPaより低い場合には、発泡時の気泡成長が著しく、セルが大きくなりすぎ、例えば、防塵効果が低下するなどの不都合が生じやすくなり、好ましくない。これは、圧力が低いと、ガスの含浸量が高圧時に比べて相対的に少なく、気泡核形成速度が低下して形成される気泡核数が少なくなるため、1気泡あたりのガス量が逆に増えて気泡径が極端に大きくなるからである。また、5MPaより低い圧力領域では、含浸圧力を少し変化させるだけでセル径、気泡密度が大きく変わるため、セル径及び気泡密度の制御が困難になりやすい。
また、上記バッチ方式におけるガス含浸工程や上記連続方式における混練含浸工程で、ガスを含浸させるときの温度(含浸温度)は、用いるガスや樹脂の種類によって異なり、広い範囲で選択できるが、操作性等を考慮した場合、10〜350℃が好ましい。より具体的には、バッチ方式での含浸温度は、10〜250℃が好ましく、より好ましくは40〜240℃であり、さらに好ましくは60〜230℃である。また、連続方式では、含浸温度は、60〜350℃が好ましく、より好ましくは100〜320℃であり、さらに好ましくは150〜300℃である。なお、高圧のガスとして二酸化炭素を用いる場合には、超臨界状態を保持するため、含浸時の温度(含浸温度)は32℃以上(特に40℃以上)であることが好ましい。また、ガスを含浸させた後、発泡成形する前に、ガスを含浸させた樹脂組成物を、発泡成形に適した温度(例えば150〜190℃)まで冷却してもよい。
さらに、上記バッチ方式や上記連続方式において、減圧工程(圧力を解放する工程)での減圧速度は、特に限定されないが、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体が得られるという観点から、好ましくは5〜300MPa/秒である。
気泡核を成長させるために、加熱工程を設ける場合には、加熱温度は、例えば、40〜250℃が好ましく、より好ましくは60〜250℃である。
上記連続方式において、押出機を用いて本発明の発泡体を形成する場合には、吐出速度は、例えば、50〜530kg/cm2・hが好ましく、より好ましくは100〜500kg/cm2・hである。本発明の発泡体は、吐出速度が50〜530kg/cm2・hであることにより、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成できる。特に、吐出速度が300kg/cm2・hより大きく、生産スピードが速い場合でも、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成できるため、十分な発泡倍率や柔軟性を保持しながら、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を効率よく形成できる。なお、吐出速度は、後述の(評価)の「(2)吐出速度」に記載の方法によって測定することができる。
なお、本発明の発泡体の気泡構造、密度、相対密度は、本発明の発泡体を構成する樹脂の種類に応じて、樹脂組成物を発泡成形する際の発泡方法や発泡条件(例えば、発泡剤の種類や量、発泡の際の温度や圧力や時間など)を選択することにより調整される。
本発明の樹脂組成物は、MFR(230℃)が低く、溶融張力(190℃、破断時)が高いポリオレフィン(A)を含むため、高い発泡倍率で発泡成形が可能となる。そのため、形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、厚くすることができ、さらに柔軟性(歪み回復性など)が向上する。
さらに、本発明の樹脂組成物は、MFR(230℃)が高いにもかかわらず溶融張力(190℃、破断時)が比較的高いポリオレフィン(B)を含むので、分子同士の絡み合いが多い。このようなポリオレフィン(B)を含むことで、ポリオレフィン(A)を含むことによる上記特性に加え、分子同士が絡み合うことで、樹脂組成物の粘度が向上する。このため、発泡成形後のセル割れや、それに伴うセルの融合(セルの肥大化)が抑制され、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成できる。
このように、本発明の樹脂組成物は、ポリオレフィン(A)及びポリオレフィン(B)を含むため、高い発泡倍率で発泡成形が可能であり、発泡成形後のポリオレフィン系樹脂発泡体は厚くすることができる。また、形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、柔軟性を有し、均一で微細なセルを有する。さらに、吐出速度が速い場合でも(生産スピードが速い場合でも)、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体を形成できるため、生産効率が向上する。
さらに、本発明の樹脂組成物は、成分(C)を含む場合は、樹脂組成物自体の柔軟性が向上し、ゴム弾性が付与されるため、発泡成形後のオレフィン系樹脂発泡体の柔軟性(歪み回復性など)が向上する。
本発明の発泡体は、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)際に用いられる防塵材、シール材(発泡シール材)、衝撃吸収材、防音材、緩衝材等の用途に好適に用いられる。
[発泡シール材]
本発明の発泡シール材は、本発明の発泡体を少なくとも含む。また、本発明の発泡シール材は、本発明の発泡体のみから構成されていてもよいし、本発明の発泡体と本発明の発泡体以外の層(「他の層」と称する場合がある。)が積層された構成であってもよい。なお、本発明の発泡シール材の形状は、特に限定されないが、シート状(フィルム状)やテープ状が好ましい。また、本発明の発泡体は、用途に応じて種々の形状に加工されていてもよい。
上記他の層としては、例えば、粘着剤層、中間層(例えば密着性を向上させる下塗り層)、基材層(例えばフィルム層、不織布層など)などが挙げられる。他の層は、単層であってもよいし、複数の層からなる積層体であってもよい。また、他の層は、本発明の発泡体の片面に設けられていてもよいし、両面に設けられていてもよい。
本発明の発泡シール材は、本発明の発泡体に他の層が積層された構成であることが好ましく、特に本発明の発泡体に粘着剤層が積層された構成であることが好ましい。例えば、本発明の発泡シール材がシート状やテープ状の形状を有する場合、その片面側又は両面側に粘着剤層を有することが好ましい。本発明の発泡シール材が粘着剤層を有していると、被着体への固定や仮止めに有利であり、組み付け性の点で有利である。また、本発明の発泡体上に粘着剤層を介して加工用台紙を設けることができる。
上記粘着剤層を形成する粘着剤剤としては、特に限定されないが、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤(天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤など)、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、エポキシ系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、フッ素系粘着剤などが挙げられる。上記粘着剤は、単独で又は2種以上組み合わせて用いられる。なお、上記粘着剤は、エマルジョン系粘着剤、溶剤系粘着剤、ホットメルト型粘着剤、オリゴマー系粘着剤、固系粘着剤などのいずれの形態の粘着剤であってもよい。
中でも、上記粘着剤としては、被着体への汚染防止などの観点から、アクリル系粘着剤が好ましい。即ち、本発明の発泡シール材は、本発明の発泡体上に、アクリル系粘着剤層が積層された構成であることが好ましい。
上記粘着剤層の厚さは、特に限定されないが、2〜100μmが好ましく、より好ましくは10〜100μmである。粘着剤層は、薄層であるほど、端部のゴミや埃の付着を防止する効果が高いため、薄い方が好ましい。なお、粘着剤層は、単層であってもよいし、積層体であってもよい。
本発明の発泡シール材において、上記粘着剤層は、本発明の発泡体及び粘着剤層以外の層(下層)を介して形成されていてもよい。このような下層としては、例えば、上記粘着剤層以外の粘着剤層、中間層、下塗り層、基材層、などが挙げられる。中でも、発泡体の破断強度の向上の点から、基材層が好ましく、特にプラスチックフィルム層などのフィルム層や不織布層などが好ましい。
本発明の発泡シール材は、特に限定されないが、各種部材又は部品を、所定の部位に取り付ける(装着する)用途に用いられる。特に、本発明の発泡シール材は、電気又は電子機器において、電気又は電子機器を構成する部品を所定の部位に取り付ける(装着する)際に好適に用いられることが好ましい。即ち、本発明の発泡シール材は、電気又は電子機器用の発泡シール材であることが好ましい。
本発明の発泡シール材を利用して取付(装着)可能な各種部材又は部品としては、特に限定されないが、例えば、電気又は電子機器類における各種部材又は部品などが好ましく挙げられる。このような電気又は電子機器用の部材又は部品としては、例えば、液晶ディスプレイ、エレクトロルミネッセンスディスプレイ、プラズマディスプレイ等の画像表示装置に装着される画像表示部材(表示部)(特に、小型の画像表示部材)や、いわゆる「携帯電話」や「携帯情報端末」等の移動体通信の装置に装着されるカメラやレンズ(特に、小型のカメラやレンズ)等の光学部材又は光学部品などが挙げられる。
本発明の発泡シール材の好ましい具体的使用態様としては、例えば、防塵、遮光、緩衝等を目的として、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示部周りや、LCD(液晶ディスプレイ)等の表示部と筐体(窓部)との間に挟み込んで使用することが挙げられる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例、及び参考例の樹脂組成物における各成分の含有量(配合量)を、表1に示す。
(実施例1)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分 、溶融張力(190℃、破断時):18cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(I)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(I)の総重量(重量%)に対するポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)の含有量は、25重量%であった。また、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(I)の総重量(重量%)に対する成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)の含有量は、41重量%であった。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(I)を、日本製鋼所(JSW)社製の二軸混練機にて、温度200℃で混練した後、ストランド状に押し出し、水冷後ペレット状に成形した。このペレットを、日本製鋼所(JSW)社製の単軸押出機に投入し、温度220℃の雰囲気下で、圧力13MPaの二酸化炭素ガスを、注入した(含浸させた)。二酸化炭素ガスは、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物に含まれるポリプロピレン及びポリオレフィン系エラストマーと軟化剤の混合物の合計量(100重量部)に対して、5.6重量部の割合で注入した。含浸時の二酸化炭素ガスは、超臨界状態であった。注入後の圧力は12MPaであった。二酸化炭素ガスを十分飽和させた後、180℃まで冷却後、480kg/cm2・hの吐出速度でダイから押し出して、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(実施例2)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「E110G」、株式会社プライムポリマープロ製、MFR(230℃):0.3g/10分、溶融張力(190℃、破断時):57cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分、溶融張力(190℃、破断時):18cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(II)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(II)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(実施例3)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9FT」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):47cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分、溶融張力(190℃、破断時):18cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(III)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(III)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(実施例4)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9FT」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):47cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB135HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):14cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(IV)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(IV)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(実施例5)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分、溶融張力(190℃、破断時):18cN)25重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)125重量部、水酸化マグネシウム28重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)28重量部、ステアリン酸モノグリセリド2.8重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(V)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(V)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(実施例6)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB135HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):14cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)70重量部、水酸化マグネシウム300重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)15重量部、ステアリン酸モノグリセリド2.3重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(XI)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(XI)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(比較例1)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)100重量部、水酸化マグネシウム22重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)22重量部、ステアリン酸モノグリセリド2.2重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VI)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VI)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た
(参考例)
吐出速度を290kg/cm2・hに変更した以外は、比較例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(比較例2)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「FY6」日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):2.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):9cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VII)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VII)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(比較例3)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9FT」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.4g/10分、溶融張力(190℃、破断時):47cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「PF380A」、株式会社サンアロマ製、MFR(230℃):1.2g/10分、溶融張力(190℃、破断時):13cN)60重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)160重量部、水酸化マグネシウム35重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)35重量部、ステアリン酸モノグリセリド3.5重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VIII)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(VIII)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(比較例4)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分、溶融張力(190℃、破断時):18cN)10重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)110重量部、水酸化マグネシウム24重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)24重量部、ステアリン酸モノグリセリド2.4重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(IX)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(IX)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(比較例5)
表1に示すように、ポリプロピレン(商品名「EA9」、日本ポリプロ株式会社製、MFR(230℃):0.5g/10分、溶融張力(190℃、破断時):40cN)100重量部、ポリプロピレン(商品名「WB140HMS」、ボレアリス社製、MFR(230℃):2.0g/10分、溶融張力(190℃、破断時):18cN)80重量部、成分(C)であるポリオレフィン系エラストマーと軟化剤(パラフィン系伸展油)の混合物(MFR(230℃):6g/10分、溶融張力(190℃、破断時):8.6cN、JIS A硬度:79°、軟化剤をポリオレフィン系エラストマー100質量部に対して30質量部配合)180重量部、水酸化マグネシウム40重量部、カーボン(商品名「旭♯35」、旭カーボン株式会社製)40重量部、ステアリン酸モノグリセリド4.0重量部を混合し、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(X)を調製した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物(X)を用いて、実施例1と同様にして、ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。
(評価)
実施例、参考例、及び比較例の原料として用いたポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマーと軟化剤の混合物、及び実施例、参考例、及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体について、下記の評価を行った。結果は表1に示した。
(1)溶融張力(190℃、破断時)
実施例、参考例、及び比較例の原料として用いたポリオレフィンおよびオレフィン系エラストマーと軟化剤の混合物を、ツイン・キャピラリー・レオメーター「RH7−2型」(ロザンドプレシジョン社製)を用いて、加熱温度190℃、オリフィス径1mmφの条件で、押出速度8.8mm/分で溶融ストランド状に押し出し、ストランドを引き取り速度0.5m/分で引き取った。引き取り速度を0.1m/分ずつ上げていき、ストランド状のポリオレフィンまたはオレフィン系エラストマーと軟化剤の混合物が破断した時の溶融張力を、「溶融張力(190℃、破断時)」とした。
(2)吐出速度
ダイから押し出されたポリオレフィン系樹脂発泡体を36秒間採取し、重量を計量し、吐出量(kg)とした。吐出速度を、吐出量(kg)、吐出時間(h(時間))、及びダイ経(ダイの開口面積)(cm2)から、以下の式を用いて算出した。
吐出速度(kg/cm2・h)=吐出量(kg)/((ダイ径(cm2)×吐出時間(h))
(3)見かけ密度
実施例、参考例及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を、幅40mm×長さ40mmの打抜き刃型にて打抜き、測定用サンプル(a)とした。測定用サンプル(a)の幅、長さを測定し、測定端子の直径(φ)20mmである1/100ダイヤルゲージにて測定用サンプル(a)の厚さ(mm)を測定した。これらの測定値からポリオレフィン系樹脂発泡体の体積(cm3)を算出した。
次に、測定用サンプル(a)の重量(g)を、最小目盛り0.01g以上の上皿天秤にて測定した。上記体積及び重量の測定値よりポリオレフィン系樹脂発泡体の見かけ密度(g/cm3)を算出した。
(4)柔軟性
実施例、参考例及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を、幅100mm×長さ100mmに切り抜き、測定用サンプル(b)とした。測定用サンプル(b)の厚さが、圧縮前の厚さに対して50%となるよう圧縮したときの、圧縮荷重(N/cm2)を測定し、圧縮荷重が3N/cm2以下のものを「柔軟性良好(○)」、圧縮荷重が3N/cm2より高いものを「柔軟性不良(×)」と評価した。
(5)平均セル径
実施例、参考例及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を、厚さ方向に切断し、デジタルマイクロスコープ(商品名「VH−8000」、株式会社キーエンス製)により、倍率100倍で拡大した切断面(厚さ方向の切断面)の画像を取り込んだ。画像解析ソフト(商品名「Win ROOF」、三谷商事株式会社製)を用いて、画像解析することにより、切断面に観察される全セルのセル径を測定し、ポリオレフィン系樹脂発泡体の平均セル径(μm)を求めた。
なお、図1は、上記方法により取り込んだ実施例1のポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面の拡大画像である。図2は、上記方法により取り込んだ比較例1のポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面の拡大画像である。実施例1において、平均セル径の評価は、図1の画像に観察される全セルのセル径を測定して求めた。
(6)セル均一性
実施例、参考例及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂発泡体を、厚さ方向に切断し、デジタルマイクロスコープ(商品名「VH−8000」、株式会社キーエンス製)により、倍率100倍で拡大した切断面(厚さ方向の切断面)の拡大画像を取り込んだ。画像解析ソフト(商品名「Win ROOF」、三谷商事株式会社製)を用いて、画像解析することにより、切断面に観察される全セルのセル径を測定し、「厚さ方向の切断面における平均セル径(μm)」を求めた。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面に、厚さ方向の切断面における平均セル径の3倍以上の直径を有するセルが観察されなかった場合を、セル均一性が「均一(○)」と判定した。
ポリオレフィン系樹脂発泡体の厚さ方向の切断面に、厚さ方向の切断面における平均セル径の3倍以上の直径を有するセルが観察された場合を、セル均一性が「不均一(×)」と判定した。
評価結果(表1)からわかるとおり、本発明のポリオレフィン系樹脂発泡体は、柔軟性に優れ、均一で微細なセルを有していた(実施例1〜6)。図1からわかるとおり、実施例1のポリオレフィン系樹脂発泡体は、厚さ方向の切断面全体において、均一で微細なセルが得られた。
一方、ポリオレフィン(B)を含まない樹脂組成物から形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、均一なセルが得られなかった(比較例1〜3)。図2からわかるとおり、比較例1のポリオレフィン系樹脂発泡体は、厚さ方向の切断面の表面部には微細なセルを有するが、中央部には比較的大きいセルを有しており、表面部と中央部とでセルが不均一であった。また、MFR(230℃)が高く、溶融張力(190℃、破断時)も低いポリオレフィン(FY60)を含む樹脂組成物から形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体は、セルが不均一な上、平均セル径が大きかった(比較例2)。ポリオレフィン系樹脂発泡体を形成する際の、吐出速度を下げることで、ポリオレフィン(B)を含まない樹脂組成物からも、柔軟性に優れ、均一で微細なセルを有するポリオレフィン系樹脂発泡体が形成できたが(参考例)、吐出速度を上げると、セルが不均一となった(比較例1)。
また、ポリオレフィン(B)の含有量が、ポリオレフィン(A)100重量部に対して15重量部未満又は75重量部より多い樹脂組成物から形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体も、セルが不均一であった(比較例4、5)。

Claims (12)

  1. 温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が0.2〜0.7g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が30cN以上であるポリオレフィン(A)と、
    温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が1.5〜2.5g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN以上であるポリオレフィン(B)と
    気泡核剤とを含み、
    前記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、前記ポリオレフィン(B)の含有量が15〜75重量部であり、
    前記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、前記気泡核剤の含有量が10〜300重量部である、ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物。
  2. さらに、ゴムおよび/または熱可塑性エラストマー、並びに軟化剤を含み、温度230℃におけるメルトフローレート(MFR)が3〜10g/10分かつ温度190℃で測定した破断時の溶融張力が10cN未満である成分(C)を含み、
    前記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、前記成分(C)の含有量が30〜200重量部である請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物。
  3. 前記ポリオレフィン(A)の含有量が10〜32重量%である、請求項1または2に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物。
  4. 前記ポリオレフィン(A)100重量部に対する、前記気泡核剤の含有量が10〜35重量部である、請求項1から3のいずれか一つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物。
  5. 請求項1から4のいずれか一つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物を発泡させることにより形成されたポリオレフィン系樹脂発泡体。
  6. 見かけ密度が0.01〜0.15g/cm3である請求項に記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  7. 平均セル径が10〜200μmである請求項またはに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  8. 半連続半独立気泡構造を有する請求項からのいずれか一つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体。
  9. 請求項からのいずれか一つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体の製造方法であって、
    前記ポリオレフィン系樹脂発泡体用樹脂組成物に5MPa以上の不活性ガスを含浸させた後に当該樹脂組成物を発泡させる工程を含む、発泡体製造方法。
  10. 前記不活性ガスが二酸化炭素である請求項に記載の発泡体製造方法。
  11. 含浸時の前記不活性ガスが超臨界状態である請求項または10に記載の発泡体製造方法。
  12. 請求項からのいずれか一つに記載のポリオレフィン系樹脂発泡体を含む発泡シール材。
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