JP6052792B2 - Microwave ion source and operation method thereof - Google Patents
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本発明は、マイクロ波イオン源及びその運転方法に関する。 The present invention relates to a microwave ion source and a method for operating the same.
マイクロ波をプラズマ生成に用いるイオン源が知られている。真空のプラズマ室にマイクロ波が導入される。プラズマ室に供給された原料ガスがマイクロ波によって励起され、プラズマが生成される。プラズマからイオンが引き出される。こうしてイオン源から引き出されたイオンは例えばイオン注入処理のために使用される。 Ion sources that use microwaves for plasma generation are known. Microwave is introduced into the vacuum plasma chamber. The source gas supplied to the plasma chamber is excited by microwaves to generate plasma. Ions are extracted from the plasma. The ions thus extracted from the ion source are used, for example, for an ion implantation process.
あるマイクロ波イオン源においては、プラズマを閉じ込める効果をもつミラー磁場を使用して多価イオンが生成される。このイオン源はECRイオン源と呼ばれることもある。ECRイオン源は多価イオンを効率的に生成するように最適化されているので、一価イオンの生成には向かない。そのため、イオン源の所有者が一価イオンを要する処理を行う場合には、一価イオンの生成に適する別のイオン源を使わなければならない。このように、一般に入手可能なマイクロ波イオン源は、使用する用途が限定される。用途に応じて異なるイオン源を準備することは、所有コストの増加を招く。 In some microwave ion sources, multiply charged ions are generated using a mirror magnetic field that has the effect of confining the plasma. This ion source is sometimes called an ECR ion source. Since the ECR ion source is optimized to efficiently generate multiply charged ions, it is not suitable for generating monovalent ions. Therefore, when the ion source owner performs a process requiring monovalent ions, another ion source suitable for generating monovalent ions must be used. Thus, the use of commonly available microwave ion sources is limited. Preparing different ion sources depending on the application leads to an increase in cost of ownership.
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、幅広い用途に利用することができるマイクロ波イオン源、及びそうしたマイクロ波イオン源の運転方法を提供することにある。 One exemplary object of an aspect of the present invention is to provide a microwave ion source that can be used in a wide range of applications, and a method of operating such a microwave ion source.
本発明のある態様によると、プラズマ室と、前記プラズマ室に磁場を発生させるための磁場発生器と、を備え、前記磁場発生器は、多価イオンの生成に適するミラー磁場と1価イオンの生成に適する非ミラー磁場とを切り替えるよう構成されていることを特徴とするマイクロ波イオン源が提供される。 According to an aspect of the present invention, a plasma chamber, and a magnetic field generator for generating a magnetic field in the plasma chamber, the magnetic field generator includes a mirror magnetic field suitable for generating multivalent ions and monovalent ions. A microwave ion source is provided that is configured to switch between a non-mirror magnetic field suitable for generation.
本発明のある態様によると、マイクロ波イオン源の運転方法であって、前記マイクロ波イオン源の運転モードを選択することと、選択された運転モードに従って前記マイクロ波イオン源のプラズマ室にプラズマを生成することと、を備え、前記運転モードは、多価イオンの生成に適する第1運転モード、または1価イオンの生成に適する第2運転モードであることを特徴とする方法が提供される。 According to an aspect of the present invention, there is provided a method for operating a microwave ion source, wherein an operation mode of the microwave ion source is selected, and plasma is generated in a plasma chamber of the microwave ion source according to the selected operation mode. And the operation mode is a first operation mode suitable for the production of multivalent ions, or a second operation mode suitable for the production of monovalent ions.
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。 Note that any combination of the above-described constituent elements and the constituent elements and expressions of the present invention replaced with each other among methods, apparatuses, systems, and the like are also effective as an aspect of the present invention.
本発明によれば、幅広い用途に利用することができるマイクロ波イオン源、及びそうしたマイクロ波イオン源の運転方法を提供することができる。 ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the microwave ion source which can be utilized for a wide use and the operating method of such a microwave ion source can be provided.
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。 Hereinafter, embodiments for carrying out the present invention will be described in detail with reference to the drawings. In the description, the same elements are denoted by the same reference numerals, and repeated descriptions are omitted as appropriate.
図1は、本発明のある実施形態に係るイオン注入装置100の全体構成を概略的に示す図である。図1にはイオン注入装置100の代表的な構成要素を示す。イオン注入装置100は、原子又は分子をイオン化してイオンビーム20を生成し基板(例えば半導体基板)104へと照射することにより、基板104にその原子又は分子を注入するイオン注入処理を行うための装置である。
FIG. 1 is a diagram schematically showing an overall configuration of an
イオン注入装置100は、マイクロ波イオン源10、ビームラインアセンブリ110、及び処理室112を備える。マイクロ波イオン源10は、注入する原子又は分子をイオン化するよう構成されている。マイクロ波イオン源10については図2を参照して後述する。
The
ビームラインアセンブリ110は、マイクロ波イオン源10にてイオン化されたイオンのうち基板104に注入すべきイオンを質量によって選別するための質量分析器114と、イオンビーム20を輸送し、加速し、整形し、または走査するためのビーム輸送系116と、を備える。質量分析器114の下流側には所定の質量のイオンからなるイオンビーム20をビーム輸送系116へと通過させるための質量分析スリット118が設けられている。ビーム輸送系116は、イオンビーム20を走査するためのビームスキャナ120を備える。ビームスキャナ120によるイオンビーム20の走査可能範囲を矢印138で図示する。
The
処理室112は、接触式のイオンビーム検出器(例えばファラデーカップ)122を備えてもよい。イオンビーム検出器122は計測結果をイオン注入制御部128に出力してもよい。イオンビーム検出器122は、イオンビーム走査方向に基板104に隣接する位置(基板104の片側(図示の場合)または両側)に配置されている。イオンビーム検出器122は、計測の必要に応じてビームラインに出し入れされる進退可能な検出器であってもよい。この場合、イオンビーム検出器122は、ビームラインアセンブリ110の任意の場所に設けられていてもよい。
The
処理室112は、基板104を支持するための基板支持部124を備える。基板104は基板支持部124に支持されて処理室112に収容されている。基板支持部124は、基板104をイオンビーム20に対し移動させるためのいわゆるメカニカルスキャン系として構成され、基板104を保持するためのテーブルまたはプラテンと、そのテーブルまたはプラテンを移動するための駆動機構と、を含む。基板支持部124は例えば、イオンビーム20の進行方向及び走査方向に垂直な方向の走査範囲に基板104を往復移動させるよう構成されている。
The
図1に示されるように、イオン注入装置100は真空排気系126を備えており、これによりマイクロ波イオン源10、ビームラインアセンブリ110、及び処理室112がイオン注入処理のための所望の真空環境に保たれる。真空排気系126は例えば、クライオポンプやターボ分子ポンプなどの高真空ポンプと、高真空ポンプの作動圧力まで粗引きをするための粗引きポンプとを備える。
As shown in FIG. 1, the
イオン注入装置100は、イオン注入制御部128を備える。イオン注入制御部128は、マイクロ波イオン源10、質量分析器114、ビーム輸送系116、基板支持部124、真空排気系126、及びその他の構成要素を制御してイオン注入処理を実行するよう構成されている。イオン注入制御部128は、イオンビーム検出器122を含むビーム計測系からの入力信号、メモリに保存されている各種データ、及び操作者からの入力指令等に従って、イオン注入装置100を統括的に制御する。
The
イオン注入制御部128は例えば、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM等を含む任意のハードウエアと、各種演算または制御を実行するためのプログラム等のソフトウエアと、を含んで構成される。イオン注入制御部128は、操作者からの入力を受け付けるためのマウスやキーボード等の入力手段や、他の装置との通信をするための通信手段、ディスプレイやプリンタ等の出力手段を含んでもよい。
The ion
イオン注入制御部128による制御のもとで、基板104には断面が例えばスポット状のイオンビーム20が照射される。イオンビーム20はビームスキャナ120によってある方向に走査され(ビームスキャンとも呼ばれる)、基板104はその直交方向に機械的に走査される(メカニカルスキャンとも呼ばれる)。ビームスキャンとメカニカルスキャンとを協調させることにより、所与の走査シーケンスに従って基板104上のイオンビーム照射領域(例えば基板104の全面)にイオンビーム20を照射することができる。こうした一方向のビームスキャンとその垂直方向へのメカニカルスキャンとを組み合わせるスキャン方式はハイブリッドスキャンと呼ばれることもある。
Under the control of the ion
なおイオン注入装置100はハイブリッドスキャン方式には限られない。イオン注入装置100は例えば、一軸方向にビーム断面が延びるいわゆるリボンビームとその直交方向へのメカニカルスキャンとを組み合わせる走査方式を採用してもよい。あるいは、イオン注入装置100は、スポットビームに対しビーム進行方向に垂直面内で2次元にメカニカルスキャンを行う方式を採用してもよい。
The
図1に示すイオン注入装置100はいわゆる枚葉式に構成されている。すなわち、イオン注入装置100は、基板支持部124に一度に一枚の基板104が保持され、一枚ずつイオン注入処理が行われる形式である。なお必ずしも一枚ずつの処理に限られるわけではなく、基板支持部124は2枚以上を同時に保持して少なくとも一方向にメカニカルスキャンを提供するよう構成されていてもよい。また、イオン注入装置100は、多数の基板を回転可能なテーブルに載置して回転させながらイオン注入を多数の基板に同時に行ういわゆるバッチ式に構成されていてもよい。
The
図2は、本発明のある実施形態に係るマイクロ波イオン源10の構成を模式的に示す図である。マイクロ波イオン源10は、電子サイクロトロン共鳴(ECR)条件を満たす磁場またはそれよりも高い磁場を印加したプラズマ室12内へ、磁力線方向にマイクロ波電力を入力して高密度プラズマを生成しイオンを引き出すイオン源である。マイクロ波イオン源10は、磁場とマイクロ波との相互作用によって原料ガスのプラズマを生成し、そのプラズマからプラズマ室12の外部へイオンを引き出すように構成されている。
FIG. 2 is a diagram schematically showing the configuration of the
よく知られるように、ECR条件を満たす磁場の強さは使用されるマイクロ波の周波数に対し一意に定まり、マイクロ波周波数が2.45GHzの場合には87.5mT(875ガウス)の磁場が必要である。以下では便宜上、ECR条件を満たす磁場を、共鳴磁場と呼ぶことがある。 As is well known, the strength of the magnetic field that satisfies the ECR condition is uniquely determined with respect to the microwave frequency used, and a magnetic field of 87.5 mT (875 gauss) is required when the microwave frequency is 2.45 GHz. It is. Hereinafter, for convenience, a magnetic field that satisfies the ECR may be referred to as a resonance magnetic field.
マイクロ波イオン源10は、イオン源本体14を備える。イオン源本体14は、プラズマ室12、磁場発生器16、及び真空容器18を備える。
The
プラズマ室12は、両端をもつ筒状の形状を有する。プラズマ室12の一端から他端に向かう方向を以下では便宜上、軸方向と呼ぶことがある。また、軸方向に直交する方向を径方向と呼び、軸方向を包囲する方向を周方向と呼ぶことがある。しかしこれらは、プラズマ室12が回転対称性を有する形状であることを必ずしも意味するものではない。図示の例ではプラズマ室12は円筒形状を有するが、プラズマ室12は、プラズマを適切に収容し得る限り、いかなる形状であってもよい。また、プラズマ室12の軸方向長さは、プラズマ室12の端部の径方向長さより長くてもよいし短くてもよい。
The
磁場発生器16は、プラズマ室12に磁場を印加するために設けられている。磁場発生器16は、プラズマ室12の中心軸に沿う磁場を発生させるよう構成されており、その磁力線方向を図2に矢印Mで示す。磁場発生器16は、プラズマ室12の軸線上の少なくとも一部分に共鳴磁場またはそれよりも高強度の磁場を発生させるよう構成されている。なお、磁場発生器16は、プラズマ室12の軸線上の少なくとも一部分に共鳴磁場よりも低い磁場を発生させることも可能である。
The
後述するように、磁場発生器16は、多価イオンの生成に適するミラー磁場と、1価イオンの生成に適する非ミラー磁場と、を切り替えるよう構成されている。なお多価イオンは2価以上のイオンをいう。磁場発生器16は、軸方向に並ぶ複数の磁場生成部を備え、各磁場生成部はコイル(例えばソレノイドコイル76)などの電磁石及び/または永久磁石を備える。磁場発生器16は、制御部Cによる制御のもとで、または手動で、磁場を切り替える。
As will be described later, the
磁場発生器16は、複数の磁場生成部の相対位置を調整するための駆動機構を備えてもよい。また、少なくとも1つの磁場生成部が電磁石及び永久磁石を備え、電磁石と永久磁石とが互いに反対方向(矢印Mの方向とその逆方向)の磁場を発生させるよう構成されていてもよい。ある磁場生成部と他の磁場生成部とが互いに反対方向に磁場を発生させるよう構成されていてもよい。
The
真空容器18は、プラズマ室12を真空環境に収容するための筐体である。真空容器18は、磁場発生器16を保持するための構造体でもある。プラズマ室12は、内部にマイクロ波を受け入れるための真空窓24を有する。プラズマ室12、磁場発生器16、及び真空容器18については、更に詳しく後述する。
The
マイクロ波イオン源10は、マイクロ波供給系26を備える。マイクロ波供給系26は、真空窓24を通じてプラズマ室12にマイクロ波電力を入力するよう構成されている。マイクロ波供給系26は、マイクロ波源28、導波管30、及びマッチングセクション32を備える。マイクロ波源28は例えばマグネトロンである。マイクロ波源28は例えば2.45GHzの周波数のマイクロ波を出力する。導波管30は、マイクロ波源28の出力するマイクロ波をプラズマ室12に伝達するための立体回路である。導波管30の一端はマイクロ波源28に接続されており、他端はマッチングセクション32を介して真空窓24に接続されている。マッチングセクション32はマイクロ波の整合のために設けられている。
The
このようにして、マイクロ波供給系26から真空窓24を通じてプラズマ室12にマイクロ波が導入される。導入されたマイクロ波は、真空窓24に対向するプラズマ室12の端部へ向けてプラズマ室12の内部を伝搬する。マイクロ波の伝搬方向を図2に矢印Pで示す。マイクロ波の伝搬方向Pは磁場発生器16による磁力線方向Mと同一方向であり、マイクロ波の伝搬方向Pはプラズマ室12の軸方向に一致する。
In this way, microwaves are introduced from the
マイクロ波イオン源10は、ガス供給系34を備える。ガス供給系34は、プラズマの原料ガスをプラズマ室12に供給するよう構成されている。ガス供給系34は、ガス源であるガスボンベ36とガス流量制御器38とを備える。ガス供給系34のガス配管40の先端が真空容器18を通じてプラズマ室12に接続されている。ガス配管40は例えば、プラズマ室12の側壁64に接続されている。ガス流量制御器38は、ガスボンベ36をプラズマ室12に接続し又は遮断するための開閉弁、またはガスボンベ36からプラズマ室12へのガス流量を調整するための流量制御弁を備える。こうして、原料ガスが、ガスボンベ36からプラズマ室12へと制御された流量及び/または圧力で供給される。
The
イオン源本体14は、引出電極系42を備える。引出電極系42は、プラズマ室12のイオン引出開口66を通じてプラズマからイオンを引き出すよう構成されている。引出電極系42は、第1電極44と第2電極46を含む。第1電極44はプラズマ室12と第2電極46との間に設けられている。イオン引出開口66を有する終端部62と第1電極44とは隙間を隔てて配列され、第1電極44と第2電極46とは隙間を隔てて配列されている。第1電極44及び第2電極46は、それぞれ例えば環状に形成されており、プラズマ室12から引き出されたイオンを通すための開口部分を中心部に有する。
The
第1電極44は、プラズマから陽イオンを引き出すとともに、ビームライン上流部52からプラズマ室12への電子の戻りを妨げるために設けられている。そのために、第1電極44には負の高電圧が印加されている。第1電極44に負の高電圧を印加するために、第1引出電源48が設けられている。第2電極46は接地されている。また、真空容器18には正の高電圧が印加されている。真空容器18に正の高電圧を印加するために、第2引出電源50が設けられている。このようにして、プラズマ室12から陽イオンのイオンビーム20が引き出される。プラズマ室12からのイオンビーム20の引出方向はマイクロ波の伝搬方向P及び磁力線方向Mと同一方向である。
The
マイクロ波イオン源10には、引出電極系42によって引き出されたイオンビーム20を輸送するためのビームライン上流部52が接続されている。ビームライン上流部52は、マイクロ波供給系26と反対側でイオン源本体14に連結されたビームラインアセンブリ110(図1参照)の一部である。ビームライン上流部52は、イオン源本体14の真空容器18に対し絶縁されて真空容器18に取り付けられている。そのために、ビームライン上流部52と真空容器18の間にブッシング54が設けられている。
The
ブッシング54は、ビームライン上流部52及び真空容器18内の真空を維持しつつ、真空容器18とグラウンド側との間の耐電圧を保持する。ブッシング54は絶縁材料で形成されている。ブッシング54は環状の形状を有し、引出電極系42を囲んでいる。ブッシング54は、ビームライン上流部52及びイオン源本体14それぞれの取付フランジ間に挟まれて取り付けられている。
The
真空容器18及びプラズマ室12に真空環境を提供するための真空排気装置56が設けられている。真空排気装置56はビームライン上流部52に設けられており、図1に示す真空排気系126の一部を構成する。ビームライン上流部52は真空容器18及びプラズマ室12に連通されているので、真空排気装置56は真空容器18及びプラズマ室12の真空排気をすることができる。
A
マイクロ波イオン源10は、イオンビーム20を制御するための制御部Cを備えてもよい。制御部Cは、マイクロ波イオン源10の各構成要素を制御し、プラズマ室12に生成されるプラズマを制御し、それにより例えばイオン電流量を制御する。制御部Cは、例えば、マイクロ波供給系26、ガス供給系34、第1コイル電源77、第2コイル電源79、第3コイル電源81の動作を制御するよう構成されている。制御部Cは例えば、原料ガスの流量及び/または圧力、マイクロ波電力、及び、プラズマ室12内の磁場強度の少なくとも1つを調整することにより、イオンビーム20を制御してもよい。制御部Cは、上述のイオン注入制御部128の一部であってもよいし、イオン注入制御部128とは別に設けられていてもよい。
The
プラズマ室12は、その内部空間にプラズマを生成し維持するよう構成されている。プラズマ室12の内部空間を以下では、プラズマ収容空間58と呼ぶことがある。
The
プラズマ室12は、始端部60、終端部62、及び側壁64を含む。始端部60と終端部62とはプラズマ収容空間58を挟んで対向している。側壁64はプラズマ収容空間58を囲み、始端部60と終端部62とを接続している。このようにして、始端部60、終端部62、及び側壁64によってプラズマ収容空間58が真空容器18の内部に画定されている。プラズマ室12が円筒形状である場合、始端部60及び終端部62は円板形状であり、側壁64は円筒であり、始端部60及び終端部62の外周部に側壁64の末端が固定されている。
The
始端部60は真空窓24を有する。真空窓24は始端部60の全体を占めていてもよいし、始端部60の一部(例えば中心部)に形成されていてもよい。真空窓24の一方の側がプラズマ収容空間58に面しており、真空窓24の他方の側がマイクロ波供給系26に向けられている。真空窓24はプラズマ室12の内部を真空に封じる。マイクロ波の伝搬方向Pは真空窓24に垂直である。真空窓24は誘電体損の低い誘電体(例えばアルミナまたは窒化ホウ素等)で形成されている。なおプラズマ室12及び真空容器18の真空窓24以外の部分は例えば非磁性金属材料で形成されている。
The
終端部62には少なくとも1つのイオン引出開口66が形成されている。イオン引出開口66は、プラズマ収容空間58を挟んで真空窓24に対向する位置に形成されている。すなわち、真空窓24、プラズマ収容空間58、及びイオン引出開口66は、プラズマ室12の軸方向に沿って配列されている。
At least one
真空容器18は、プラズマ室12が一体に形成された二重の筒構造を有する。すなわち、プラズマ室12が真空容器18の内筒であり、その外側にプラズマ室12を収容する外筒68が設けられている。外筒68はプラズマ室12と同軸の円筒形状であってもよい。外筒68とプラズマ室12の側壁64との間には隙間があり、この隙間に上述のガス供給系34のガス配管40の先端部が進入し側壁64に取り付けられている。
The
真空容器18は、プラズマ室12と一体に形成されていなくてもよい。真空容器18とプラズマ室12とがそれぞれ別体であり分割可能であってもよい。また、真空容器18自体がプラズマ室12を成していてもよい。このように真空容器18がプラズマ室12を兼用する場合には、外筒68のビームライン上流部52側にイオン引出開口66を有する端板を取り付ければよい。
The
真空容器18の一端は端板70により閉塞され、他端はビームライン上流部52に向けて開放されている。端板70の中心部にプラズマ室12の始端部60が形成されている。端板70の外周部は径方向に外筒68の外側まで延びている。ビームライン上流部52側の真空容器18の端部には、ブッシング54のための取付フランジ72が設けられている。取付フランジ72は外筒68から径方向に外側に延びている。真空容器18とプラズマ室12とは軸方向長さが等しく、取付フランジ72とプラズマ室12の終端部62とは軸方向位置が一致している。真空容器18とプラズマ室12とは軸方向長さが異なっていてもよい。
One end of the
真空容器18には、磁場発生器16を保持するための磁石保持部74が形成されている。磁石保持部74は例えば、真空容器18の外筒68の外表面に形成されている。本実施例においては磁場発生器16は真空容器18の外側に(即ち大気中に)設けられている。磁場発生器16は真空容器18を取り囲むように配置されている。しかし、別の例では、真空容器18は、磁場発生器16を真空容器18の内部に(即ち真空中に)保持するための磁石保持部74を備えてもよい。この場合にも本例と同様の効果を得ることができる。このようにして、磁場発生器16は、プラズマ収容空間58を包囲するように配置されている。
A
磁場発生器16は、軸方向に並ぶ複数のコイル、具体的には、第1ソレノイドコイル76、第2ソレノイドコイル78、及び第3ソレノイドコイル80を備える。これら3つのコイルはそれぞれ、プラズマ室12を囲むように配設されており、プラズマ室12の軸方向を向く磁場を発生させるよう構成されている。第1ソレノイドコイル76はプラズマ室12の始端部60を囲み、第3ソレノイドコイル80はプラズマ室12の終端部62を囲む。第2ソレノイドコイル78は第1ソレノイドコイル76と第3ソレノイドコイル80との間に設けられており、プラズマ室12の側壁64の中央部を囲む。本実施形態においてはプラズマ室12及び真空容器18は円筒形状であり、各コイルは環状に形成され、プラズマ室12の周方向に導線が巻かれている。隣接するコイル間には軸方向に隙間がある。各コイルにはヨークが設けられていてもよい。
The
また、磁場発生器16は、各コイルに対応するコイル電源を備える。すなわち、磁場発生器16は、第1ソレノイドコイル76に電流を流すための第1コイル電源77と、第2ソレノイドコイル78に電流を流すための第2コイル電源79と、第3ソレノイドコイル80に電流を流すための第3コイル電源81と、を備える。
The
制御部Cは、第1コイル電源77、第2コイル電源79、及び第3コイル電源81を個別的に制御する。それにより、制御部Cは、第1ソレノイドコイル76、第2ソレノイドコイル78、及び第3ソレノイドコイル80のそれぞれに異なる大きさの電流を与える。電流の大きさはその結果得られる磁場の大きさに相関する。したがって、磁場発生器16は、第1ソレノイドコイル76、第2ソレノイドコイル78、及び第3ソレノイドコイル80に対応するプラズマ室12の軸方向位置のそれぞれに異なる大きさの軸方向磁場を発生させる。なお、コイル電源は個別に制御されるので複数のコイル電源に同じ大きさの電流を与え、複数のコイルに同じ大きさの磁場を発生させることも当然可能である。
The control unit C individually controls the first
図3は、本発明のある実施形態に係る磁場発生器16がプラズマ室12に発生させる軸方向磁場分布を例示する図である。図3の上部には、図2に示すマイクロ波イオン源10の要部を概略的に示す。図3の中央及び下部にはそれぞれ、磁場発生器16がプラズマ室12に発生させるミラー磁場B1及び非ミラー磁場B2を例示する。図3において縦軸はプラズマ室12の中心軸上での軸方向磁束密度Bを表し、横軸はプラズマ室12の軸方向位置Lを表す。破線により共鳴磁場BECRを示す。また、第1ソレノイドコイル76、第2ソレノイドコイル78、及び第3ソレノイドコイル80に相当する軸方向位置をそれぞれ符号L1、L2、L3で示す。
FIG. 3 is a diagram illustrating an axial magnetic field distribution generated in the
図示されるように、ミラー磁場B1は2つのピークをもつ双峰型の軸方向磁場分布を有する。ミラー磁場B1は、第1ソレノイドコイル76に相当する軸方向位置L1に第1ピークを有し、第3ソレノイドコイル80に相当する軸方向位置L3に第1ピークと同等の第2ピークを有する。第1ピーク及び第2ピークはプラズマ室12の軸方向磁場の最大値を与える。第1ピーク及び第2ピークの磁場強度は共鳴磁場BECRより大きい。また、ミラー磁場B1は、軸方向位置L1と軸方向位置L3との間における軸方向磁場の最小値を、第2ソレノイドコイル78に相当する軸方向位置L2に有する。この最小値は図示の例では共鳴磁場BECRより小さいが、共鳴磁場BECRより大きくてもよい。こうしたミラー磁場B1は電子を閉じ込める効果があり、プラズマ室12での多価イオンの生成に適する。
As illustrated, the mirror magnetic field B1 has a bimodal axial magnetic field distribution with two peaks. The mirror magnetic field B1 has a first peak at an axial position L1 corresponding to the
制御部Cは、第1ソレノイドコイル76及び第3ソレノイドコイル80に大電流を与えるように第1コイル電源77及び第3コイル電源81を制御し、第2ソレノイドコイル78に小電流を与えるように第2コイル電源79を制御する。このようにして、制御部Cは、プラズマ室12にミラー磁場B1を発生させるように磁場発生器16を制御する。なお、制御部Cは、小電流を与える代わりに第2ソレノイドコイル78への給電を停止してもよい。
The controller C controls the first
また、非ミラー磁場B2は1つのピークをもつ単峰型の軸方向磁場分布を有する。非ミラー磁場B2は、第2ソレノイドコイル78に相当する軸方向位置L2に軸方向磁場の最大値を有する。この最大値は共鳴磁場BECRより大きい。また、非ミラー磁場B2は、プラズマ室12の軸方向全体にわたって共鳴磁場BECRより大きい。したがって、非ミラー磁場B2は、プラズマを生成し維持するのに役立つが、電子を閉じ込める効果は有しない。このような非ミラー磁場B2は、プラズマ室12での1価イオンの生成に適する。
The non-mirror magnetic field B2 has a single-peak axial magnetic field distribution having one peak. The non-mirror magnetic field B <b> 2 has a maximum value of the axial magnetic field at the axial position L <b> 2 corresponding to the
制御部Cは、第1ソレノイドコイル76及び第3ソレノイドコイル80に小電流を与えるように第1コイル電源77及び第3コイル電源81を制御し、第2ソレノイドコイル78に大電流を与えるように第2コイル電源79を制御する。このようにして、制御部Cは、プラズマ室12に非ミラー磁場B2を発生させるように磁場発生器16を制御する。
The control unit C controls the first
図4は、本発明のある実施形態に係る磁場発生器16がプラズマ室12に発生させる非ミラー磁場の別の例を示す図である。図3に示す非ミラー磁場B2がプラズマ室12中央の軸方向位置L2に関して左右対称であるのに対し、図4に示す非ミラー磁場B2’は、プラズマ室12中央に関して非対称である。非ミラー磁場B2’は、第1ソレノイドコイル76に相当する軸方向位置L1に軸方向磁場の最大値を有する。また、非ミラー磁場B2’は、第2ソレノイドコイル78に相当する軸方向位置L2を境界として、真空窓24側は共鳴磁場BECRより大きく、イオン引出開口66側は共鳴磁場BECRより小さい。
FIG. 4 is a diagram showing another example of a non-mirror magnetic field generated in the
この場合、制御部Cは、第1ソレノイドコイル76に大電流を与えるように第1コイル電源77を制御し、第2ソレノイドコイル78に中電流を与えるように第2コイル電源79を制御し、第3ソレノイドコイル80に小電流を与えるように第3コイル電源81を制御してもよい。このようにして、制御部Cは、プラズマ室12に非ミラー磁場B2’を発生させるように磁場発生器16を制御してもよい。
In this case, the control unit C controls the first
このように非ミラー磁場のピーク位置及び/または磁場強度を変更することにより、プラズマ室12内のプラズマ分布やプラズマ密度を調整し、プラズマ室12から引き出されるイオン電流量を制御することができる。したがって、マイクロ波イオン源10は、プラズマ室12内の非ミラー磁場を調整することにより、プラズマ室12から引き出される1価イオンのイオン電流量を制御することができる。
By changing the peak position and / or the magnetic field strength of the non-mirror magnetic field in this way, the plasma distribution and plasma density in the
同様に、制御部Cは、ミラー磁場B1のピーク位置及び/または磁場強度を変更するように磁場発生器16を調整してもよい。こうして、マイクロ波イオン源10は、プラズマ室12内のミラー磁場を調整することにより、プラズマ室12から引き出される多価イオンのイオン電流量を制御することができる。
Similarly, the control unit C may adjust the
図5は、本発明のある実施形態に係るマイクロ波イオン源10の運転方法を表すフローチャートである。この方法は例えば制御部Cにより実行される。図5に示されるように、この方法は、運転モード選択ステップ(S10)と、プラズマ生成ステップ(S20)と、を備える。
FIG. 5 is a flowchart showing a method of operating the
制御部Cは、マイクロ波イオン源10の複数の運転モードからいずれかの運転モードを選択する(S10)。複数の運転モードは、多価イオンの生成に適する第1運転モードと、1価イオンの生成に適する第2運転モードと、を含む。 The controller C selects one of the operation modes from the plurality of operation modes of the microwave ion source 10 (S10). The plurality of operation modes include a first operation mode suitable for the production of multiply charged ions and a second operation mode suitable for the production of monovalent ions.
制御部Cは、プロセスに応じてイオンビーム20に必要とされるエネルギーの大きさに基づいて、第1運転モードと第2運転モードとを切り替える。制御部Cは、設定されたエネルギーしきい値を超えるエネルギーを有するイオンビーム20を得るために第1運転モードを選択し、このしきい値以下のエネルギーを有するイオンビーム20を得るために第2運転モードを選択する。このようにすれば、1価イオンを利用して低エネルギーイオンビームを生成し、多価イオンを利用して高エネルギーイオンビームを生成することができる。したがって、広いエネルギー領域をカバーするマイクロ波イオン源10を提供することができる。
The control unit C switches between the first operation mode and the second operation mode based on the magnitude of energy required for the
第1運転モードは、ミラー磁場をプラズマ室12に発生させるように設定されている。また、第1運転モードは、比較的大きい第1のマイクロ波電力をプラズマ室12に与えるよう設定されている。さらに、第1運転モードは、比較的低い第1の圧力をプラズマ室12に生じさせる(言い換えると、低濃度の原料ガスをプラズマ室12に供給する)よう設定されている。
The first operation mode is set to generate a mirror magnetic field in the
また、第2運転モードは、非ミラー磁場をプラズマ室12に発生させるように設定されている。また、第2運転モードは、第1のマイクロ波電力より低い第2のマイクロ波電力をプラズマ室12に与えるよう設定されている。さらに、第2運転モードは、第1の圧力より高い第2の圧力をプラズマ室12に生じさせる(言い換えると、高濃度の原料ガスをプラズマ室12に供給する)よう設定されている。
The second operation mode is set so that a non-mirror magnetic field is generated in the
制御部Cは、選択された運転モードに従ってプラズマ室12にプラズマを生成する(S20)。第1運転モードが選択されている場合には、制御部Cは、ミラー磁場をプラズマ室12に発生させるように磁場発生器16を制御する。また、制御部Cは、第1のマイクロ波電力をプラズマ室12に与えるようにマイクロ波供給系26を制御する。さらに、制御部Cは、第1の圧力をプラズマ室12に生じさせるようにガス供給系34を制御する。こうして、プラズマ室12には、ミラー磁場のもとで低圧の原料ガスと高いマイクロ波電力とが供給される。ミラー磁場によるプラズマの閉じ込めにより多価イオンが効率的に生成される。引出電極系42によってイオン引出開口66を通じてプラズマ室12から多価イオンを多く含むイオンビーム20が引き出される。引き出されたイオンビーム20はビームライン上流部52へと供給される。
The control unit C generates plasma in the
一方、第2運転モードが選択されている場合には、制御部Cは、非ミラー磁場をプラズマ室12に発生させるように磁場発生器16を制御する。また、制御部Cは、第2のマイクロ波電力をプラズマ室12に与えるようにマイクロ波供給系26を制御する。さらに、制御部Cは、第2の圧力をプラズマ室12に生じさせるようにガス供給系34を制御する。こうして、プラズマ室12には、非ミラー磁場のもとで高圧の原料ガスと低いマイクロ波電力とが供給され、主として1価イオンが生成される。引出電極系42によってイオン引出開口66を通じてプラズマ室12から1価イオンを多く含むイオンビーム20が引き出される。引き出されたイオンビーム20はビームライン上流部52へと供給される。
On the other hand, when the second operation mode is selected, the control unit C controls the
したがって、本実施形態によると、一台のマイクロ波イオン源10で1価イオン源と多価イオン源の両方の機能を提供することができる。
Therefore, according to this embodiment, the function of both a monovalent ion source and a multivalent ion source can be provided by a single
また、低エネルギーから高エネルギーまで広いエネルギー領域にわたって使用できるマイクロ波イオン源10が提供される。例えば、1価から5価のイオンが生成可能であり、引出電圧が100kVまで可能である構成を考えると、引き出されるイオンのエネルギー領域は0〜500keVとなる。また、タンデム加速や高周波加速のような後段加速を組み合わせることにより、さらに広いエネルギー領域を実現することができる。例えば1MeVまで加速できる後段加速を組み合わせることにより、0〜5MeVのエネルギー領域を得られる。
Moreover, the
こうしたマイクロ波イオン源を備えるイオン注入装置は、たいていの半導体デバイス(例えば、パワートランジスタ、メモリー、ロジックなど)を製造するためのプロセスに使用することができる。幅広い用途に利用することができるので、本実施形態に係るマイクロ波イオン源及びこれを備えるイオン注入装置は、研究用途、小規模ライン、多品種少量生産に特に有用である。 An ion implanter comprising such a microwave ion source can be used in processes for manufacturing most semiconductor devices (eg, power transistors, memories, logic, etc.). Since it can be used for a wide range of applications, the microwave ion source and the ion implantation apparatus including the microwave ion source according to the present embodiment are particularly useful for research applications, small-scale lines, and high-mix low-volume production.
図6は、本発明の他の実施形態に係るマイクロ波イオン源10の構成を模式的に示す図である。マイクロ波イオン源10の磁場発生器16は、第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85を備える。第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85はそれぞれ、プラズマ室12を囲むように配設されており、プラズマ室12の軸方向を向く磁場を発生させるよう構成されている。
FIG. 6 is a diagram schematically showing a configuration of a
第1ソレノイドコイル82にはその軸方向外側及び径方向外側を囲む第1ヨーク83が設けられており、同様に第2ソレノイドコイル85には軸方向外側及び径方向外側を囲む第2ヨーク86が設けられている。図6に示す初期状態においては第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85は軸方向に隣接しており、隣接部分にはヨークは設けられていない。第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85にはそれぞれ対応するコイル電源(図示せず)が設けられている。
The
また、磁場発生器16は、第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85の距離を調整するよう構成されている第1駆動機構84及び第2駆動機構87を備える。第1駆動機構84は第1ソレノイドコイル82及び第1ヨーク83を軸方向に移動させるよう構成されている。第1駆動機構84による第1ソレノイドコイル82の軸方向可動範囲は、例えば、プラズマ室12の中央部(図6参照)から真空窓24(図7参照)までである。同様に、第2駆動機構87は第2ソレノイドコイル85及び第2ヨーク86を軸方向に移動させるよう構成されている。第2駆動機構87による第2ソレノイドコイル85の可動範囲は、例えば、プラズマ室12の中央部(図6参照)からイオン引出開口66(図7参照)までである。
The
なお、第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85の一方は位置が固定され、他方に軸方向駆動機構が設けられることにより、2つのコイルの距離が調整されてもよい。また、第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85の少なくとも一方は、手動で位置決めされるように構成されていてもよい。
The position of one of the
図6に示すように第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85をプラズマ室12の中央部に配置することにより、図3を参照して説明した非ミラー磁場B2をプラズマ室12に形成することができる。また、図7に示すように第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85をプラズマ室12の両端に配置することにより、図3を参照して説明したミラー磁場B1を形成することができる。図8に示すように第1ソレノイドコイル82及び第2ソレノイドコイル85をプラズマ室12の一端(真空窓24の近傍)に配置することにより、図4を参照して説明した非ミラー磁場B2’を形成することができる。
As shown in FIG. 6, the non-mirror magnetic field B <b> 2 described with reference to FIG. 3 is formed in the
このようにして、少なくとも一方が可動である2つのコイルを使用しても、1価イオン源と多価イオン源の両方の機能を一台のマイクロ波イオン源10で提供することができる。この実施形態は軸方向に配列するコイルの数が少ないので、プラズマ室12の軸方向長さが短い場合に好適である。
In this way, even if two coils at least one of which is movable are used, the function of both the monovalent ion source and the multivalent ion source can be provided by a single
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。 In the above, this invention was demonstrated based on the Example. It will be understood by those skilled in the art that the present invention is not limited to the above-described embodiment, and various design changes are possible, various modifications are possible, and such modifications are within the scope of the present invention. By the way.
本発明の実施形態に係るマイクロ波イオン源は、イオン注入装置だけではなく、その他のイオン生成装置またはイオン照射装置、例えば、医療用加速器、粒子線治療装置、フラットパネル製造装置、太陽電池製造装置などに適用することもできる。 The microwave ion source according to the embodiment of the present invention is not limited to an ion implantation apparatus, but other ion generation apparatus or ion irradiation apparatus, such as a medical accelerator, a particle beam therapy apparatus, a flat panel manufacturing apparatus, and a solar cell manufacturing apparatus. It can also be applied.
10 マイクロ波イオン源、 12 プラズマ室、 16 磁場発生器、 26 マイクロ波供給系、 34 ガス供給系、 76 第1ソレノイドコイル、 78 第2ソレノイドコイル、 80 第3ソレノイドコイル、 82 第1ソレノイドコイル、 84 第1駆動機構、 85 第2ソレノイドコイル、 87 第2駆動機構、 100 イオン注入装置、 B1 ミラー磁場、 B2 非ミラー磁場、 C 制御部。 10 microwave ion source, 12 plasma chamber, 16 magnetic field generator, 26 microwave supply system, 34 gas supply system, 76 first solenoid coil, 78 second solenoid coil, 80 third solenoid coil, 82 first solenoid coil, 84 1st drive mechanism, 85 2nd solenoid coil, 87 2nd drive mechanism, 100 ion implantation apparatus, B1 mirror magnetic field, B2 non-mirror magnetic field, C control part.
Claims (9)
前記プラズマ室の軸線上の少なくとも一部分に電子サイクロトロン共鳴条件を満たす共鳴磁場またはそれよりも高強度の軸方向磁場を発生させるための磁場発生器と、を備え、
前記磁場発生器は、ミラー磁場と非ミラー磁場とを切り替えるよう構成され、
前記ミラー磁場は、2つのピークをもつ軸方向磁場分布を有し、前記2つのピークの磁場強度は前記共鳴磁場より大きく、
前記非ミラー磁場は、1つのピークをもつ軸方向磁場分布を有し、前記1つのピークの磁場強度は前記共鳴磁場より大きいことを特徴とするマイクロ波イオン源。 A plasma chamber;
A magnetic field generator for generating a resonance magnetic field satisfying an electron cyclotron resonance condition or an axial magnetic field having a higher intensity in at least a part of the axis of the plasma chamber;
Wherein the magnetic field generator is configured to switch between mirror magnetic field and non-mirror field,
The mirror magnetic field has an axial magnetic field distribution with two peaks, the magnetic field strength of the two peaks being greater than the resonance magnetic field,
The microwave ion source , wherein the non-mirror magnetic field has an axial magnetic field distribution having one peak, and the magnetic field intensity of the one peak is larger than the resonance magnetic field .
前記第1運転モードは、前記プラズマ室に第1のマイクロ波電力を与えるよう設定され、
前記第2運転モードは、前記プラズマ室に前記第1のマイクロ波電力より低い第2のマイクロ波電力を与えるよう設定されていることを特徴とする請求項5に記載のマイクロ波イオン源。 Further comprising a microwave supply system configured to provide microwave power to the plasma chamber;
The first operation mode is set to give a first microwave power to the plasma chamber,
6. The microwave ion source according to claim 5, wherein the second operation mode is set to apply a second microwave power lower than the first microwave power to the plasma chamber.
前記第1運転モードは、前記ガス供給系から供給される原料ガスにより前記プラズマ室に第1の圧力を生じさせるよう設定され、
前記第2運転モードは、前記ガス供給系から供給される原料ガスにより前記プラズマ室に前記第1の圧力より高い第2の圧力を生じさせるよう設定されていることを特徴とする請求項5または6に記載のマイクロ波イオン源。 A gas supply system configured to supply a plasma source gas to the plasma chamber;
The first operation mode is set to generate a first pressure in the plasma chamber by the source gas supplied from the gas supply system,
The second operation mode is set so that a second pressure higher than the first pressure is generated in the plasma chamber by a source gas supplied from the gas supply system. 6. The microwave ion source according to 6.
前記マイクロ波イオン源の運転モードを選択することと、
選択された運転モードに従って前記マイクロ波イオン源のプラズマ室にプラズマを生成することと、を備え、
前記プラズマを生成することは、前記プラズマ室の軸線上の少なくとも一部分に電子サイクロトロン共鳴条件を満たす共鳴磁場またはそれよりも高強度の軸方向磁場を発生させることを含み、
前記運転モードは、前記プラズマ室にミラー磁場を発生させる第1運転モード、または前記プラズマ室に非ミラー磁場を発生させる第2運転モードであり、
前記ミラー磁場は、2つのピークをもつ軸方向磁場分布を有し、前記2つのピークの磁場強度は前記共鳴磁場より大きく、
前記非ミラー磁場は、1つのピークをもつ軸方向磁場分布を有し、前記1つのピークの磁場強度は前記共鳴磁場より大きいことを特徴とする方法。 A method of operating a microwave ion source,
Selecting an operation mode of the microwave ion source;
Generating a plasma in a plasma chamber of the microwave ion source according to a selected mode of operation,
Generating the plasma includes generating a resonance magnetic field satisfying an electron cyclotron resonance condition or an axial magnetic field having a higher intensity in at least a part on an axis of the plasma chamber;
The operation mode, Ri Oh in the second operation mode to generate a non-magnetic mirror field in the first operation mode or the plasma chamber to generate a mirror field on the plasma chamber,
The mirror magnetic field has an axial magnetic field distribution with two peaks, the magnetic field strength of the two peaks being greater than the resonance magnetic field,
The non-mirror magnetic field has an axial magnetic field distribution with one peak, and the magnetic field strength of the one peak is larger than the resonance magnetic field .
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