JP6052403B2 - 航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズル - Google Patents

航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズル Download PDF

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Description

本発明は、航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズルに関し、特に、推力損失を低減しうる航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズルに関する。
航空用ガスタービンエンジンの排気ノズルは、排気ガスを整流して後方に吐出させる機能のみならず、その流速を調整する機能をも有する。ガスタービンエンジンが亜音速域においてのみ運用される場合は、排気ガス流の速度を大きくするべく下流に向かって収束していく所謂コンバージェントノズルが利用される。超音速域においても運用される場合は、排気ガス流を一旦収束させた後に、スロート以降において逆に末広がりに整流する所謂コンバージェント・ダイバージェントノズルがしばしば利用される。広い速度域においてそれぞれ最適な性能を発揮するべく、コンバージェント・ダイバージェントノズルは、スロートおよび排気口における開度をそれぞれ調整可能な可変ノズルの形式を取ることがある。特許文献1乃至4は、可変ノズルに関する関連技術を開示している。
可変ノズルは、高温の排気ガスに直接に曝されるために、極めて高い耐熱性を必要とする。そのような耐熱性への要求を満足する素材は、一般的に難加工性であって、平板のごとき単純な形状以外は製造し難い。それ故可変ノズルは、一般的には、それぞれ平板状に形成した複数のフラップと複数のシールとを組み合わせて構成される。例えば排気ガスの流れ場を数値解析して理想的な流路形状を求め、これに近似するべく平板状のフラップおよびシールの寸法および配置を決定することが行われている。
日本国特許公開H5−141310号公報 日本国特許公開S54−19004号公報 日本国特許公開H04−334749号公報 日本国特許公開H03−100359号公報
上述のごとく、現実のフラップおよびシールは平板であるために、それが実現する流路の形状は、数値計算から求めた理想形状からは僅かに乖離している。かかる乖離は実機性能において実質的な相違をもたらさないとして無視されていたが、本発明者らによる検討によれば、これは衝撃波構造を生ぜしめる要因であり、発生する推力において無視し得ない損失をもたらしうることが明らかにされた。
本発明者らは、平板形状を前提として改めて検討を行うことにより、推力における損失を低減しうる本発明に想到した。
本発明の一局面によれば、航空用ガスタービンエンジンの排気ガスをその軸に沿って機首から機尾の方向へ吐出する可変ノズルは、前記排気ガスを前記機尾の方向へ導く排気ダクトと、前記機尾に向かって収束する一次流路を囲むべく配置され、前記一次流路の開度を調節するべく前記排気ダクトにそれぞれ旋回可能に軸支され、それぞれ第1の部分と、前記第1の部分に対して径方向外方に132°以上180°未満の角度を成す第2の部分と、を備えた複数の一次フラップと、前記一次流路に連通して前記機尾に向かって末広になりうる二次流路を囲むべく配置され、前記二次流路の開度を調節するべく前記一次フラップの前記第2の部分にそれぞれ旋回可能に軸支された複数の二次フラップと、を備える。
一次フラップが角度の異なる2つの部分を有することにより、一次フラップと二次フラップとが成す急峻な屈曲による衝撃波を抑制し、以って推力における損失が低減される。
図1は、本発明の一実施形態による航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズルを機尾側の斜めの位置から見た斜視図である。 図2は、本実施形態による可変ノズルの縦断面図である。 図3Aは、一例による可変ノズルの内面の一部を機首側の斜めの位置から見た部分斜視図である。 図3Bは、他の例による可変ノズルの内面の一部を機首側の斜めの位置から見た部分斜視図である。 図3Cは、さらに他の例による可変ノズルの内面の一部を機首側の斜めの位置から見た部分斜視図である。 図4Aは、本実施形態による可変ノズルの模式的な縦断面図であって、可変ノズルが絞られた状態を表す。 図4Bは、本実施形態による可変ノズルの模式的な縦断面図であって、可変ノズルが開いた状態を表す。 図4Cは、本実施形態による可変ノズルの模式的な縦断面図であって、可変ノズルがさらに開いた状態を表す。 図5Aは、理想形状による可変ノズル内における流れ場の解析結果の例である。 図5Bは、平板的なフラップを有する可変ノズル内における流れ場の解析結果の例である。 図5Cは、本実施形態による可変ノズル内における流れ場の解析結果の例である。 図6は、推力係数を比較したグラフである。 図7Aは、一次,二次フラップが成す角度が推力係数に及ぼす影響を比較したグラフである。 図7Bは、プレスロートが成す角度が推力係数に及ぼす影響を比較したグラフである。 図8は、本実施形態による可変ノズルの流量特性を表すグラフである。 図9は、本実施形態による可変ノズルの推力特性を表すグラフである。
本発明の幾つかの実施形態を添付の図面を参照して以下に説明する。図面は必ずしも正確な縮尺により示されておらず、従って相互の寸法関係は図示されたものに限られないことに、特に注意を要する。
以下の説明および特許請求の範囲において、特に断らない限り、前方、前端、機首、後方、後端、機尾のごとき方向は、エンジンおよび航空機の向きに対するものである。
図1は本実施形態による航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズル1を、機尾の方向から見た斜視図である。内部の構造を図示する便宜のために、図1において、一次フラップ5および二次フラップ7を覆うアウタフラップ8は一部を切り欠いて描かれており、二次フラップ7を駆動するリンク機構13は描かれていない。図2は可変ノズル1において、排気ダクト3、一次フラップ5、二次フラップ7、一次フラップ5を駆動するリング構造11、および二次フラップ7を駆動するリンク機構13を示す縦断面図である。
図1に組み合わせて図2を参照するに、可変ノズル1は、概略、排気ダクト3と、複数の一次フラップ5と、複数の二次フラップ7と、を備える。排気ダクト3はエンジン本体の後端に連絡し、その排気を軸Xに沿って機首から機尾の方向へ導く。排気ダクト3の後端に複数の一次フラップ5がそれぞれ結合され、さらにそれらの後端に複数の二次フラップ7がそれぞれ結合され、それぞれ排気ガス流のための流路を囲むべく周方向に並べられている。
一次フラップ5間の間隙は、これらに接して従動する複数の一次シール5aによりそれぞれ塞がれている。また二次フラップ7間の間隙も同様に複数の二次シール7aによりそれぞれ塞がれている。以って内部の排気ガス流は外部に漏れることなく、軸Xに沿ってノズルの出口に向かって流れる。
主に図2および図3Aを参照するに、複数の一次フラップ5および複数の一次シール5aは、一次流路15を囲むべく周方向に並べられている。図3Aは可変ノズル1が絞られた状態を示しているために一次シール5aは一次フラップ5に隠れているが、絞られた状態においても露出する態様もありうる。あるいは専ら複数の一次シール5aが内方に露出する態様もありうる。
各一次フラップ5は、その前端において、ジョイント51により排気ダクト3に旋回可能に軸支されており、以ってその開度が調節可能である。また各一次フラップ5は、その前方にある第1の部分53と、第1の部分53に一体的に連続した第2の部分55と、よりなる。第1の部分53と第2の部分55とはそれぞれ平板状であり、第2の部分55は屈曲部Bにおいて第1の部分53に対して径方向外方に(収束を緩め、あるいは末広にする向きに)角度を成している。各一次シール5aも同様に構成でき、同様に排気ダクト3に軸支される。
複数の二次フラップ7および複数の二次シール7aは、二次流路17を囲むべく周方向に並べられ、二次流路17は一次流路15に連通する。各二次フラップ7は、概して平板状であって、その前端において、ジョイント71により一次フラップ5の第2の部分55に旋回可能に軸支され、以ってその開度が調節可能である。各二次シール7aも同様に構成でき、各一次シール5aに軸支される。
排気ガス流Jは、一次流路15を通過する間収束させられ、圧縮を受ける代わりに速度が上昇する。一次流路15の長さは、スロートTにおいて排気ガス流Jが音速程度となるように適宜に決定される。二次流路17においては、排気ガス流Jは断熱的に膨張することによりさらに速度が上昇し、以って音速を超えて流れうる。
一次フラップ5と二次フラップ7との間の境界は、流路において最も狭い部分であるスロートTとして機能する。また詳しくは後述するが、一次フラップ5および二次フラップ7の開度によっては、一次フラップ5の屈曲部Bもスロートとして機能しうるので、本明細書においてこれをプレスロートと称することがある。排気ガス流Jは、屈曲部Bにおいて曲げられ、スロートTにおいてさらに曲げられるようにして流れる。
図3Aに示した例においては、第1の部分53および第2の部分55は、一次フラップ5の全幅に亘る平板であるが、これらは全幅に亘らなくてもよい。例えば図3Bに示した例のごとく、第1の部分53および第2の部分55が一対の斜面Sに挟まれていてもよい。かかる例において屈曲部Bは先の例のものに比べて狭くなるが、排気ガス流Jを誘導する効果は同様である。さらには図3Cに示した例のごとく、一対の斜面Sが屈曲部Bにおいて互いに接していてもよい。かかる例では屈曲部Bは第1の部分53、第2の部分55、および一対の斜面Sの頂点となるが、排気ガス流Jを誘導する効果は同様である。
図3B,3Cに示した例では、一次シール5aは平板的に構成することができる。一対の斜面Sの底辺は直線的であるので、可変ノズル1を開閉する間、一次シール5aを平板な一次フラップ5に対して常に密に当接することができる。
主に図1を参照するに、可変ノズル1は、一次フラップ5および二次フラップ7の開度を調節するべく、適宜の駆動手段を備える。かかる駆動手段は、例えば、アクチュエータ9と、リング構造11と、リンク機構13と、よりなる。
アクチュエータ9は、例えば油圧により駆動されるピストンであって、ピストンから延びるプランジャはリング構造11に結合されてこれを前後に駆動する。主に図2を参照するに、リング構造11は、その内面において一次フラップ5の背面に摺動するべく配置されており、好ましくは滑らかな摺動のためにローラ11Rを備える。なおリング構造11に結合するプランジャは、図2に示す面とは異なる面を走るので、図中に現れていない。
一次フラップ5は、リング構造11に対応してカムフォロワ構造57を備え、これは弧状に曲がった形状を有する。リング構造11が前後に運動してカムフォロワ構造57上を移動することにより、移動に応じて一次フラップ5がジョイント51を中心として旋回する。リング構造11の前後運動に対する一次フラップ5の応答は、もっぱらカムフォロワ構造57の形状により決定される。
リンク機構13は、リング構造11と連動して、あるいは独立に、駆動される。すなわち、リンク機構13の駆動のために、アクチュエータ9とは独立に、さらに別のアクチュエータが設けられていてもよい。リンク機構13の先端は、二次フラップ7の背面構造73に、回動可能に結合している。リンク機構13が前後に運動することにより、二次フラップ7がジョイント71を中心として旋回する。
なお上述の駆動手段は一例に過ぎず、他の適宜の構成に代えることができる。
上述の通り、一次フラップ5、二次フラップ7ともにその開度が変わり得るが、比較的に開度の小さい或る状態において、図4Aに示した位置関係をとりうる。すなわち、一次フラップ5が囲む一次流路15は、その全体が機尾に向かって収束する。第1の部分53と第2の部分55とが成す角度αは、このときにも第2の部分55が機尾に向かって収束するのに十分な角度を有する。一次フラップ5と二次フラップ7とが成す角度θは、このときにも二次フラップ7が囲む二次流路17が機尾に向かって末広になるのに十分な小さな角度である。
数値計算からは、スロートには、収束から末広へと連続的に遷移する丸みを有する形状が最適である。従来技術によれば、収束フラップと末広フラップとは何れも平板であるので、スロートはかかる理想形状からは僅かに乖離しており、急峻に屈曲している。かかる乖離の結果として、スロートよりも下流において排気ガス流中に衝撃波構造が生じ、それ故推力に無視し得ない損失が生じる。本実施形態によれば、スロートよりもさらに上流の屈曲部Bが下流に影響を及ぼし、衝撃波構造を緩和し、以って推力における損失を低減する。かかる効果については、後により詳しく述べる。
好ましくは、一次フラップ5、二次フラップ7ともに開度を大きくする過程において、図4Bに示した位置関係をとりうるように角度αを決定してもよい。すなわち、少なくとも一次流路15の開度が最大となったときに、一次フラップ5の第2の部分55が、軸Xに対して平行ないしやや末広となる角度を取りうるよう、角度αを決定してもよい。このとき、屈曲部Bは、一次フラップ5と二次フラップ7との間の境界に代わり、スロートT’として機能する。排気ガス流Jは、スロートT’を通過するまでは収束させられ、その後膨張して超音速となる。エンジンの運転条件によっては、スロート以前の圧縮に距離を要さない場合や、スロートより下流における膨張のための距離をより長くしたほうが有利な場合がある。スロートの位置を変更できる点で、図4Bに示した態様は有利である。
さらに好ましくは、一次フラップ5の開度を十分に大きくしたときに、図4Cに示した位置関係をとりうるように角度αを決定してもよい。すなわち、少なくとも一次流路15の開度が最大となったときに、一次フラップ5の第2の部分55が、二次フラップ7と略直線的になりうるよう、角度αを決定してもよい。排気ガス流Jは、スロートT’を通過した後、矢印Jのごとく直線的に膨張できるので、損失が生じにくくなる。
図5C乃至9を参照して本実施形態の効果を検証する。
図5A乃至5Cは、実機におけるエンジン寸法と流速とを前提としたCFD解析結果の例であって、図5Aは、数値計算から求めた理想形状に一致する理想形状ノズルIdに関する解析結果であり、図5Bは、平板的なフラップにより理想形状に近似したノズルCを構成した場合の解析結果であり、図5Cは、本実施形態の可変ノズル1の解析結果である。それぞれ各部の流速を等速線で結んで表しており、図中の数字はマッハ数である。
図5Aを参照するに、理想形状においても排気ダクト3、一次フラップ5i、二次フラップ7iはそれぞれ概して平板的であるが、それらの間は連続的に遷移する曲面であり、特にスロートTiは滑らかな曲面である。排気ダクト3iの奥部において流速は遅く、マッハ0.2前後であるが、一次フラップ5iにより絞られてスロートTiの付近において流速は音速(マッハ1)に達する。その後、末広な二次フラップ7iによって膨張しながら流速は音速を超え、ノズルの出口付近においてマッハ1.5前後に達する。
軸Xiに沿った部分に注目すると、ノズルの出口よりやや上流において、マッハ1.8を僅かに越える部分があり、そのやや下流において、マッハ1.4以下の部分がある。これらのさらに下流において、マッハ1.6を越える部分とマッハ1.2以下の部分とが交互に並んでいる。すなわち、理想形状においても衝撃波構造が生じることは避けられない。衝撃波構造が発達すれば、推力の損失が生じ、さらに甚だしい場合はエンジン内部の燃焼に悪影響が及ぶことが知られている。
図5Bを参照するに、従来技術においては、通常、一次フラップ5cと二次フラップ7cとはそれぞれ平板であって、排気ダクト3c、一次フラップ5c、二次フラップ7cの間は急峻に遷移している。かかる解析結果においても、スロートTc付近においてマッハ1前後の流速が、ノズルの出口付近においてマッハ1.5前後の流速が認められる。図5Aとの比較において顕著であるのは、軸Xcに沿ってノズルの出口よりやや上流の部分において、マッハ1.8を越える部分が顕著であることである。図だけからは理解できないが、最も流速が大きい点ではほぼマッハ2に達する。すなわち、従来技術においては衝撃波構造がより顕著となる。
図5Cを参照するに、本実施形態においては、軸Xに沿ってノズルの出口よりやや上流の部分においてもマッハ1.8を越える部分は生じず、またその下流においても流速の増大および減少はより緩やかであり、すなわち衝撃波構造が緩和されている。
これらのCFD解析より得られる推力係数Ctの値(無損失ならば1)を比較したのが図6である。平板により構成されたノズルCによる推力係数Ctは約0.985であり、本実施形態による可変ノズル1ではこれより高い0.991が得られる。これは理想形状のノズルIdのものに匹敵するものであり、本実施形態によれば推力の損失が小さいことが理解できる。
図7Aは、本実施形態において、一次フラップ5の第1の部分53と第2の部分55とが成す角度αを132°とし、一次フラップ5の第2の部分55と二次フラップ7とが成す角度θが推力係数Ctに及ぼす影響を示したグラフである。横軸は、一次フラップ5の最上流部分の開口面積をスロートTの開口面積で除した値であるノズル圧縮比Rcである。Rcが3乃至5の範囲において、角度θが138°から162°に増大すると推力係数Ctが増大する傾向がある。ノズル圧縮比Rcが3乃至4の範囲において、角度θに関わらずノズル圧縮比Rcが増大すると推力係数Ctも増大する(推力の損失が少ない)。ノズル圧縮比Rcが4乃至5の範囲においては、角度θが138°から151°の範囲ではノズル圧縮比Rcが増大すると推力係数Ctも増大するが、角度θが151°を越える何れかの角度、少なくとも162°においては、この効果は飽和するようである。かかる結果からは、好ましくは角度θは138°以上、より好ましくは151°以上であり、162°以下である。
図7Bは、本実施形態において、一次フラップ5の第2の部分55と二次フラップ7とが成す角度θを162°に固定し、一次フラップ5の第1の部分53と第2の部分55とが成す角度αが推力係数Ctに及ぼす影響を示したグラフである。いずれの場合においても、平板の一次フラップ(α=180°に相当)によるノズルの場合よりも推力係数Ctは大きい(損失が小さい)。一方、角度αが132°の場合と148°の場合とを比較しても推力係数Ctの値に相違は見られない。すなわち、少なくともかかる角度範囲においては損失抑制の効果が明らかであるから、好ましくは角度αは180°未満であって、少なくとも132°乃至148°の範囲を含む何れかの角度範囲である。
図8は、流量係数Cdを比較したグラフであり、横軸はノズル圧力比(外気圧に対するノズル内圧の比)nprである。黒丸は本実施形態による可変ノズルの値であり、黒四角はプレスロートのない可変ノズルの値である。ノズル圧力比が1.5付近を除き、いずれのノズル圧力比においても、本実施形態による可変ノズルのほうが流量係数Cdが高く、その差ΔCdは概ね0.012である。すなわち本実施形態によれば、流量が1.2%ほど向上することが期待できる。
図9は、本実施形態による可変ノズルが生ずる推力と、プレスロートのない可変ノズルが生ずる推力との比Rtのグラフであり、横軸は同じくノズル圧力比nprである。いずれのノズル圧力比においても、本実施形態による可変ノズルのほうが推力が大きく、2%に近い推力の増大が得られる。
好適な実施形態により本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。上記開示内容に基づき、当該技術分野の通常の技術を有する者が、実施形態の修正ないし変形により本発明を実施することが可能である。
推力損失を低減しうる航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズルが提供される。

Claims (5)

  1. 航空用ガスタービンエンジンの排気ガスをその軸に沿って機首から機尾の方向へ吐出する可変ノズルであって、
    前記排気ガスの流れを前記機尾の方向へ導く排気ダクトと、
    前記機尾に向かって収束する一次流路を囲むべく配置され、前記一次流路の開度を調節するべく前記排気ダクトにそれぞれ旋回可能に軸支され、それぞれ第1の部分と、前記第1の部分に対して径方向外方に132°以上180°未満の角度を成す第2の部分と、を備えた複数の一次フラップと、
    前記一次流路に連通して前記機尾に向かって末広になりうる二次流路を囲むべく配置され、前記二次流路の開度を調節するべく前記一次フラップの前記第2の部分にそれぞれ旋回可能に軸支された複数の二次フラップと、
    を備えた可変ノズル。
  2. 請求項1の可変ノズルにおいて、前記第1の部分と前記第2の部分とが成す角度は、前記一次流路の開度を最大とするべく前記複数の一次フラップが旋回したときに、前記第2の部分が前記機尾に向かって末広となるに十分であることを特徴とする、可変ノズル。
  3. 請求項1の可変ノズルにおいて、前記第1の部分と前記第2の部分とが成す角度は、前記一次流路の開度を大きくするべく前記複数の一次フラップが旋回したときに、前記第1の部分と前記第2の部分との間の屈曲部が前記排気ガスの前記流れに対するスロートとなるに十分であることを特徴とする、可変ノズル。
  4. 請求項1ないし3の何れか1項の可変ノズルにおいて、前記第1の部分と前記第2の部分とが成す角度は132°乃至148°の範囲であることを特徴とする、可変ノズル。
  5. 請求項1ないし3の何れか1項の可変ノズルにおいて、前記排気ガスの前記流れの漏れを防止するべく、前記一次フラップおよび前記二次フラップにそれぞれ接して従動する複数のシールをさらに備えることを特徴とする、可変ノズル。
JP2015517026A 2013-05-15 2014-04-30 航空用ガスタービンエンジンのための可変ノズル Active JP6052403B2 (ja)

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