JP6050787B2 - ペプチドを含むナノ粒子、それを含むベクター、ならびに前記ナノ粒子および前記ベクターの薬学的使用 - Google Patents

ペプチドを含むナノ粒子、それを含むベクター、ならびに前記ナノ粒子および前記ベクターの薬学的使用 Download PDF

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Description

本発明は、ペプチドを含むナノ粒子、および分散剤を含むまたは含まない、前記ナノ粒子を含む担体に関する。本発明はまた、特に全身性エリテマトーデスの処置のための、前記ベクターの薬学的および/または治療的使用に関する。
全身性エリテマトーデス(SLE)は、現在、世界中で数百万人の人々を冒す、非常に衰弱させる慢性炎症性自己免疫疾患である。この疾患は、自己要素を非自己要素として認識し、そのために、生物体自身の構成物に対する抗体を産生することを含む免疫応答を発生させる、免疫系の機能不全に起因する。
1つの有望な治療アプローチは、自己抗体の産生に干渉することによって自己免疫応答を調節することができる自己抗原由来のペプチド配列の使用に基づいている。これに関連して、国際出願第03/25014号が、全身性エリテマトーデスを処置することに関しての特定のペプチドの使用を記載している。より具体的には、この国際出願は、特に全身性エリテマトーデスを処置することに関しての、ペプチドP140の使用を記載し、そのペプチドは、スプライセオソームタンパク質U1-70K(粒子U1-snRNPの特定のタンパク質)のペプチド131〜151の位置140にあるセリン残基においてリン酸化された類似体である。
現在、ペプチドP140は、皮下注射によって投与されており、それは、患者にとって気持ちのいい投与様式ではない。したがって、いくつかの他の投与様式が試験されている。例えば、鼻腔内投与がマウスにおいて試験されているが、効果的ではない。
治療領域において、活性成分を投与する最も一般的な方法は、経口、静脈内、筋肉内、または皮下である。しかしながら、患者にとって最も生理的で、かつ最も快適である経口経路は、ペプチドまたはタンパク質などの多くの活性物質について用いることができない。これは、これらのペプチドまたはタンパク質型の巨大分子が、それらの構造およびそれらの生物学的機能を変化させる、胃腸管に沿っての多くの攻撃を受けやすいからである。さらに、それらが腸壁の中を通過することは、それらのサイズおよびそれらの親水性によって制限される。このすべてによって、経口で投与されるタンパク質の低い生物学的利用率(約1〜2%)が説明される。
国際出願第03/25014号
「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」、Marcel Dekker、(1992)、J. SwarbrickおよびJ. C. Boylan編、Enteric Coatings、189〜200頁 Monneaux, F.、Lozano, J.M.、Patarroyo, M.E.、Briand, J.P.、およびMuller, S. (2003)「T cell recognition and therapeutic effect of a phosphorylated synthetic peptide of the 70K snRNP protein administered in MRL/Ipr mice.」Eur. J. Immunol. 33、287〜296頁 Monneauxら(2003) Eur. J. lmmunol. 33、287〜296頁
したがって、本発明の目的の1つは、経口投与との関連において、前述のペプチドP140の効力を向上させることである。
本発明のもう1つの目的は、経口投与することができ、かつペプチドが皮下投与された場合と同じ効力で同じ型の細胞に達することを可能にする、カプセル化した形でのペプチドP140を提供することである。
したがって、本発明の目的は、前述のペプチドP140の経口投与のための系であって、前記ペプチドの血液への直接注入の特性に匹敵する前記ペプチドの利用能の特性を有する系を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、経口投与される場合、たとえあったとしてもほんの少しだけ、変性または分解される形で前記ペプチドの放出を可能にする投与系を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、前記ペプチドが、実質的に変性または分解されることなく、腸壁に達し、および/または腸壁の中を通過することを可能にする投与系を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、腸壁の中を通過した前記ペプチドが、任意で間質液へ入った後で、血液中で有効であることを可能にする投与系を提供することである。
本発明のもう1つの目的は、ペプチドP140の経口投与のための系であって、その系において、前記ペプチドが、胃腸管に沿って通過するとき、および腸壁の中を通過するとき、変性もしくは分解されず、またはわずかだけ変性もしくは分解され、かつ血液中において迅速な、遅延した、または長時間の有効性を可能にする系を提供することである。
本発明は、少なくとも1つの多糖、および配列番号1の配列を有するペプチドP140またはその類似体の1つからなるマトリックスを含むナノ粒子であって、前記多糖が、好ましくは、1つまたは複数の負荷電官能基を有する多糖であるナノ粒子に関する。
ペプチドP140は、以下の配列:RIHMVYSKRSGKPRGYAFIEYに対応する2636Daのモル質量を有する21個のアミノ酸残基からなるペプチドであって、位置10のセリンがリン酸化されている、ペプチド(配列番号1)である。
表現「ペプチドP140の類似体」は、アミノ酸の少なくとも1つが、翻訳後型の修飾、特にリン酸化またはアセチル化による修飾を含む、前述の配列番号1の配列を含むペプチドを意味する。類似体の中では、国際出願第03/025014号に記載されたペプチドを参照することができる。
表現「1つまたは複数の負荷電官能基」は、例えば、カルボキシル基などの化学官能基を意味する。
マトリックスを構成する多糖は、生体適合性、生分解性、および生体同化性(代謝可能)でなければならない。
別の実施形態によれば、本発明によるナノ粒子は、多糖の混合物およびペプチドP140からなるマトリックスから調製することができる。より具体的には、これらのナノ粒子は、ペプチドP140およびヒアルロン酸とキトサンの混合物からなるマトリックスを含んでもよい。
1つの特に有利な実施形態によれば、本発明によるナノ粒子は、ペプチドと多糖との間の複合コアセルベーションによって得られる。
1つの有利な実施形態によれば、本発明によるナノ粒子は、ヒアルロン酸からなるマトリックスを含む。
ヒアルロン酸は、それが多くの組織に存在するため、無毒性、生体適合性、および代謝可能である。
この実施形態において、ナノ粒子は、ペプチドP140とヒアルロン酸との間の複合コアセルベーションによって得られる。
好ましくは、本発明によるナノ粒子のサイズは、約1nm〜約10μmである。
1つの特に有利な実施形態によれば、本発明によるナノ粒子において、多糖とペプチドの重量比率は、約0.1〜約10、特に約0.5〜5であり、好ましくは約1に等しい。
この重量比率は、溶液中に存在する正電荷と負電荷の比率に影響する。
この重量比率の値は、得られるナノ粒子のサイズに影響することが見出されている。
好ましくは、多糖がヒアルロン酸である場合、この比率は約1(1正電荷に対して1.5負電荷)に等しく、その結果、それは、コロイド安定性を保証することを可能にする。この比率が1に等しい場合、200nmに近い直径および負の表面電荷(ξ=-30mV)を有する球形ナノ粒子が得られ、それは、容易に遠心分離することができ、かつ4℃で数週間安定である。
本発明による、好ましいナノ粒子は、多糖のモル質量が約1000Da〜約1500000Da、好ましくは約15000Da〜約50000Da、特に約20000Da〜約30000Daである、上記で定義されているナノ粒子である。
好ましくは、ナノ粒子は、27600Daに等しいモル質量を有するヒアルロン酸から調製される。この場合、得られたナノ粒子は、200nmに近いサイズを有し、完全に球形である。その時、それらはまた、0.1未満の多分散指数で、非常に単分散性である。これらの粒子は、凝集のいかなる問題もなく2370Gの速度での遠心分離によって合成媒体から単離することができる。それらは、約-30mVのゼータ電位をもつ負の表面電荷を有する。それらの表面の大部分は、ヒアルロン酸で覆われ、内部で凝縮された正電荷のペプチドP140は、この高分子電解質によって外部環境から保護される。この表面電荷は、保存中(4℃で少なくとも2週間)、および遠心分離中、懸濁液の良い安定性を保証する。
本発明はまた、上記で定義されている少なくとも1つのナノ粒子を含む担体からなる、経口投与のための複合ベクターに関する。
ナノ粒子および担体は2つのベクターであり、最初のは、ペプチドが腸管バリアの中を通過するのを可能にする目的をもち、2番目のは、ナノ粒子が胃液を通過するのを可能にする目的をもつ。これらの2つのベクターは一緒に複合ベクターを形成する。
経口経路によるペプチドP140(または類似体)の投与は、実際、前記ペプチドを口から血液または組織へ、前記ペプチドが実質的に変性または分解されることなく、移動させることからなる。それゆえに、その意図は、経口投与されるペプチドP140(または類似体)の用量が血液または組織中、実質的な質および量で見出され得る必要があるということである。「実質的な質および量で」は、経口投与されたペプチドP140(または類似体)の量と比較して血液または組織中のペプチドP140(または類似体)の量が、有利には、少なくとも20%より多く、特に50%より多く、好ましくは65%より多く、有利には80%より多く、最適には90%より多くなければならないことを意味するものと理解される。
好ましくは、上記で定義されている複合ベクターに含まれるナノ粒子は、約6〜約8、特に約6.7〜約7.7、好ましくは約7.2〜約7.5のpHで生体同化性または代謝可能である。
経口投与される場合、薬理学的観点から活性のある物質(ペプチドP140または類似体)は、血流または組織に達する前に生物体に存在するすべての障壁を克服しなければならず、実質的な変性または分解を起こすことなく、そのように行わなければならない。本発明との関連において考慮される主な障壁および困難は、まず第一に、活性物質の胃への通過、腸管腔における滞在時間、腸に存在する微絨毛への付着、および腸から血液への、任意で間質液経由での、通過である。
経口投与される活性物質(ペプチドP140または類似体)は、実質的変性または分解なしに血液または間質液または組織に達しなければならない。
血液および間質液の特性は、ペプチドが頬側口腔から通過する他の器官(とりわけ、胃および腸)と異なることを考慮して、本発明者らは、ペプチドP140(または類似体)のためのベクターを工夫しており、そのベクターは、生体適合性、および生体同化性または代謝可能であり得る。
したがって、このベクターは、様々な体液(リンパ液、間質液、血液など)に適合するように親水性でなければならない。ベクターはまた、ペプチドP140がその後、ベクターを通して、および/またはベクターの分解後、血液中で有効であることを可能にするために、ペプチドP140を約6.7〜7.7、理想的には約7.2〜7.5のpHで、迅速に、または長時間様式もしくは遅延様式でペプチドP140を放出しなければならない。
複雑な機構的考察へ入らなくても、ベクターが周囲環境に存在する酵素(リゾチーム、エステラーゼ、グリコシダーゼなど)によって分解されることは想定される。ベクターの分解は、血流または組織に達するように、ペプチドP140の間質液への迅速な、長時間の、または遅延した放出を可能にするであろう。いったん血液中に入ると、ペプチドP140は、所望の薬理学的効果を生じるように、対象とする部位と相互作用し、または部位もしくは器官に輸送されるであろう。
さらに、このベクターは、腸壁と適合性にするためにその親水性が改変されるように最適化されなければならない。これは、粘液で覆われている腸壁が、本質的に親油性環境であり、そのpHは、約7.8より高いからである。それゆえに、上記のベクターを、それが腸壁の近く、および腸壁上で本質的に親油性であるように、それが比較的良い粘膜付着を有するように、最後に、それが腸内環境(約7.8より高いpHを有する塩基性環境、分解酵素の存在など)に耐えるように、改変することが適切である。
1つの有利な実施形態によれば、本発明による複合ベクターは、約10nm〜約2.5cm、好ましくは約100nm〜約1cm、特に約0.5mm〜約2mmのその最大寸法を有する。
腸管腔に存在するベクター(ナノ粒子)が、前記ベクターの腸膜の中への物理的通過を可能にするサイズおよび形を有することもまた適切である。
約10nmより小さいサイズはまた、あまり好ましくなく、ベクターによって輸送される活性物質の量が少なすぎる。これは、ナノ粒子ベクターのサイズがナノ粒子の通過の部位(傍細胞経路、経細胞経路、リンパ経路)によって制限されるからである。
本発明はまた、担体が、約10nm〜約2.5cm、好ましくは約100nm〜約1cm、特に約0.5mm〜約2mmの直径を有する球の形をとる、上記で定義されている複合ベクターに関する。
ベクター(ナノ粒子)の形は、それが腸壁の中への容易な通過を可能にする限り、それ自体、特別な重要性はない。したがって、ベクターは任意の公知の形、例えば、球、スパゲティ、卵形などであってもよい。
複合ベクターが球の形をとる場合、このベクターは、例えば、単純または複合コアセルベーション、界面重縮合、噴霧乾燥、噴霧コーティングなど、活性物質をカプセル化するための通常の技術によって調製することができる。
本発明によるベクター(ナノ粒子)は、ペプチドP140を含むマトリックスを含む。これに関連して、マトリックスを、前記ペプチドまたはその類似体の1つを含むゲルの形をとって設計してもよい。別の態様によれば、マトリックスは、前記ペプチドまたはその類似体の1つを含む球の形をとる。他の形もまた想定可能であり、例えば、「スポンジ」型の形、または多かれ少なかれ、コンパクトであり、かつそれに含まれる1つまたは複数の活性物質(ペプチドP140またはその類似体の1つ)を拡散により、および/または分解後に放出できる任意の他の固体の形である。
1つまたは複数の活性物質以外に、ベクター(ナノ粒子)はまた、任意の賦形剤、増量剤、染料、および当業者に公知で、薬理学的観点から無毒性の他の適切な物質を含んでもよいことは明記されなければならない。
1つの特に有利な実施形態によれば、本発明による複合ベクターは、胃に対する保護を目的とする担体を含む。
薬理学的に効果的であるために、経口投与されることを意図されたこの複合ベクターはまた、それが腸に達する前に通過する胃環境に対して高い抵抗性をもたなければならない。胃は、pHが強酸性(約2、またはさらに低い)である器官である。さらに、胃に存在する酵素(特にペプシン)は、前記ベクター、およびそれゆえに、それに含まれる1つまたは複数の活性物質を変性し、損傷し、またはさらに完全に破壊することができる。
それゆえに、上記で定義されたベクターへ、胃に対する保護を与えることが望ましい。ベクターの胃に対する保護は、胃に内在する生理学的ストレスから前記ベクターを保護する能力がある任意の担体を意味すると理解され、これらのストレスは主に、酸性pHおよび胃酵素(ペプシン)である。もちろん、担体の成分およびまた、それらの変性または分解産物も生物体に対して無毒性で、かつ生体耐容性でなければならない。
そのような担体は、すでに当分野において広く知られている(例えば、「Encyclopedia of Pharmaceutical Technology」、Marcel Dekker、(1992)、J. SwarbrickおよびJ. C. Boylan編、Enteric Coatings、189〜200頁に記載されているカプセル化薬剤)。したがって、当業者に知られた任意の胃抵抗性担体を用いることができる。好ましくは、それは、本来固体であって、ゲルの形をとってもよく、またはコーティング物もしくはカプセルの形をとってもよく、次に様々な形、カプセル、ゲルなどの形をとる上記で定義されている1つまたは複数のベクターを含んでもよい。
本発明の1つの好ましい態様によれば、胃抵抗性担体は、上記で定義されている1つまたは複数のベクターを含むカプセルの形をとる。カプセルの形をとる前記担体は、有利には、分散媒におけるコアセルベーション、界面重縮合、または他の型の方法によって得ることができる。もちろん、本発明の担体を調製することを目的として、任意の他の公知のカプセル化方法を用いてもよく、および/または適応させてもよい。
胃に内在する生理学的ストレスに耐える能力がある成分の中で、特に、アルギン酸カルシウムなどのアルギン酸塩、カルボキシメチルセルロースなど、およびそれらの混合物を挙げることができる。胃に対する保護性担体は、酸性pH、特に2未満、より特に1.2未満、および胃酵素からの攻撃にも耐えなければならないであろう。
もちろん、担体の成分は、腸管腔においてベクター(ナノ粒子)を放出するために、特性として、腸管腔において、すなわち、約7.8より高く、かつ腸内酵素の存在下で、特異的に改変または分解される能力をもたなければならない。
本発明による1つの特定の複合ベクターは、担体が球形マトリックスの形をとる複合ベクターである。
好ましくは、複合ベクターは、約1.5mmの直径を有する球の形をとる。
本発明との関連において、上記で定義されている担体は、球形カプセルの形をとってもよい。
1つの特に好ましい実施形態によれば、担体が球形マトリックスまたは球形カプセルの形をとる場合、これは、アルギン酸塩に基づき、特に、アルギン酸塩の球またはカプセルの形をとる。
本発明との関連において、担体は、CaCl2のバスにおいてアルギン酸ナトリウムの溶液を押し出すことによって得られる球形マトリックスの形をとってもよい。
さらに、すべての生体適合性、生体同化性、および/または代謝可能なゲル化ポリマーを、球形マトリックスまたは球形カプセルを形成するために用いてもよい。
本発明もまた、担体が親油性分散剤を含む、上記で定義されている複合ベクターに関する。
さらに、胃抵抗性担体は、任意で、上記で定義された1つまたは複数のベクター(ナノ粒子)が存在する親油性媒体を含んでもよい。この親油性媒体は、固体もしくは液体の形、またはそのほかにゲルの形をとってもよい。親油性媒体は、それ自体知られており、薬理学的観点から無毒性である任意の親油性化合物からなってもよい。想定される親油性化合物は、例えば、有機物または無機物、植物油または動物油、例えば、オリーブ油、タラの肝油、シリコーン油など、およびまたそれらの混合物から選択することができる。
好ましくは、前述の親油性分散剤は、有機物または無機物、植物油または動物油、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
有利には、前述の親油性分散剤は、脂肪酸エステル、特に、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、リノール酸、およびコハク酸からなる群から選択される脂肪酸エステルの混合物である。
本発明はまた、薬学的に許容される担体と組み合わせて、上記で定義されている少なくとも1つのナノ粒子、または上記で定義されている少なくとも1つの複合ベクターを含む薬学的組成物に関する。
本発明はまた、薬剤としての、上記で定義されている少なくとも1つのナノ粒子、または上記で定義されている少なくとも1つのベクターの使用に関する。
本発明はまた、自己免疫疾患、および特に、全身性エリテマトーデスの処置を目的とした薬剤を調製するための、上記で定義されている少なくとも1つのナノ粒子、または上記で定義されている少なくとも1つの複合ベクターの使用に関する。
本発明は、自己免疫疾患、および特に、全身性エリテマトーデスの処置に用いる、上記で定義されているナノ粒子に関する。
本発明はまた、自己免疫疾患、および特に、全身性エリテマトーデスの処置に用いる、上記で定義されている複合ベクターに関する。
透過型電子顕微鏡を用いて撮影した、得られたHAP140ナノ粒子の画像。
実験の部
HAP140ナノ粒子の調製
HA140ナノ粒子は、ヒアルロン酸(HA)とペプチドP140との間の複合コアセルベーションによって得られるナノ粒子である。
ヒアルロン酸(5.2 mg; CERMAV Grenoble, France -モル質量27600Da)を25mlの再蒸留水に溶解し、HAポリマーの十分な溶解を保証するために24時間撹拌しながら放置する。ペプチドP140(200μg)を微量天秤で計り分け、その後、250μlの再蒸留水(pH5.5)に溶解する。その後、それを、250rpmで回転する小さな磁化棒を備えた試験管中のヒアルロン酸溶液(1.05ml; pH6.5)へマイクロピペットを用いて液滴状に加える。ペプチドを含む溶血チューブを、50μlの再蒸留水で洗浄し、それをその後、懸濁液に加える。
ペプチドP140のヒアルロン酸への添加は、溶液中の曇りのゆるやかな形成を伴う。15分間の撹拌後、懸濁液を1.5mlのマイクロチューブへ移し、4℃に保つ。凝集物は形成されなかったため、濾過段階は必要ではない。
このようにして得られたナノ粒子は以下の性質(サイズ分布および多分散指数)を有する:
これらのナノ粒子は、完全に球形であり(図1 - 透過型電子顕微鏡を用いて撮影した、得られたHAP140ナノ粒子の画像)、かつ非常に単分散である。
好ましくは、これらのナノ粒子を、カプセル化の十分な効力を保証するためにそれらの合成から24時間後、単離し、その後、それらの熱力学的平衡に達するように、かつ生理食塩水媒体および模擬腸液中で安定であるように、再蒸留水中、4℃で1週間保存する。
HAP140ナノ粒子のBALB/cマウスへの投与
HAP140ナノ粒子を合成した後、ペプチドが、ナノ粒子の形でヒアルロン酸によって凝縮された場合、その完全性を保持することをチェックした。
ペプチドP140は、それがアジュバントの存在下でBALB/cマウスに投与される場合、免疫原性であることが実証されている。ペプチドP140が、粒子の形をとる場合、免疫系の細胞、特にT細胞によってまだ認識されることをチェックするために、それは、HAP140ナノ粒子をアジュバントの存在下でBALB/cマウスに投与すること、およびアジュバントの存在下でのHAP140ナノ粒子の投与によって誘導された免疫応答を遊離ペプチドP140の投与で得られた免疫応答と比較することが選択された。
1.免疫応答の発生
抗原が生物体に入る場合、それは、感染(または投与)の部位に存在する樹状細胞およびマクロファージによって検出され、その後、内部に取り入れられる。これらの細胞は成熟し、廃棄物および異物を運ぶリンパが流れているリンパ系の脈管に加わる。それらは、Bリンパ球およびTリンパ球によってコロニー形成される二次リンパメンバーである、リンパ節に送られる。免疫応答が発生し、かつ樹状細胞または他の抗原提示細胞による抗原の提示後にT細胞が活性化されるのは、感染(または免疫化)部位を流れるこれらのリンパ節においてである。
P140などのたいていのタンパク質またはペプチドは、それらが、危険信号を示す成分の非存在下で単独投与される場合、あまり免疫原性ではない。タンパク質抗原に対して向けられた強い免疫応答を得るために、したがって、アジュバントとの混合物の形をとってそれを投与することが必要である。たいていのアジュバントは、マクロファージを刺激し、免疫応答を促す死滅した菌または菌成分を含む。ここで用いられるアジュバントは、完全フロイントアジュバント(CFA)である。これは、マクロファージまたは樹状細胞による抗原の提示を促進するだけでなく、炎症性サイトカインの産生および強い局所炎症性反応を誘導する死んだマイコバクテリアを含む油である。
2.HAP140ナノ粒子の皮下投与
アジュバントの存在下でのペプチドP140のBALB/cマウスへの皮下(s.c.)投与は、補助的なT細胞Thの活性をもたらす(Monneaux, F.、Lozano, J.M.、Patarroyo, M.E.、Briand, J.P.、およびMuller, S. (2003)「T cell recognition and therapeutic effect of a phosphorylated synthetic peptide of the 70K snRNP protein administered in MRL/Ipr mice.」Eur. J. Immunol. 33、287〜296頁)。この活性化は、ペプチドP140を用いてエクスビボで刺激された、投与部位を流れるリンパ節に存在するT細胞の増殖およびT細胞のサイトカインの産生を分析することによって実証される。
a)プロトコール
週齢7週間の雌BALB/cマウス(2匹のマウスの4群)を、異なる製剤で側腹部の皮下に免疫化する。第1群にはCFAの存在下でペプチド140を投与し(対照群)、第2群にはCFAの存在下でHAP140ナノ粒子を投与し、第3群には、(HAP140粒子がそれら自体、アジュバント性質を有しないことをチェックするために)生理食塩水媒体中のHAP140ナノ粒子を投与し、第4群には、(ペプチドP140と比較して、誘導される応答の特異性をチェックするために)CFAの存在下で「ブランク」HACSナノ粒子を投与した。ペプチドをその遊離の形で、またはナノ粒子の形で投与されているマウスすべてに同じ量のペプチド、すなわち、マウスあたり100μgを投与した。
免疫化から1週間後、マウスを屠殺し、試料を、側腹部および前肢のリンパ節から採取する。これらのリンパ節に由来する細胞を、それらの増殖およびまたサイトカインの分泌を研究するために、異なるペプチド濃度(0μM、6μM、20μM、および60μM)の存在下でウェルあたり5×105細胞の割合でエクスビボで培養する。
サイトカインは、リンパ球を含む多くの細胞集団によって産生される低モル質量のタンパク質である。それらはリンパ球、マクロファージ、および他の細胞の間での関係に関与しているため、免疫系の「ホルモン」として記載することができる。それらの機能は、広範囲である:それらは、細胞の生存、増殖、分化、またはさらに遊走にも影響することができる。
Th細胞は、それらが産生するサイトカインおよびそれらが実行する機能に依存して、分集団、Th1またはTh2に分類される。Th-1型の細胞は、特にインターロイキン-2(IL-2)およびインターフェロン-γ(IFN-γ)を産生し、一方、Th2型の細胞は、本質的にIL-4、IL-5、IL-6、IL-10、およびIL-13を分泌する。ここで用いられる免疫化条件、すなわち、CFAの使用は、Th1型の応答の発生を促す。したがって、IL-2およびIFN-γの分泌だけを研究した。
免疫化が有効であるとすれば、免疫化の部位を流れるリンパ節の細胞は、ペプチドP140の存在下で活性化され、増殖し、サイトカインを分泌するであろう。
b)結果
アジュバントの存在下でのペプチドおよびアジュバントの存在下でのHAP140粒子である2つの製剤は、正の用量依存性刺激指数を示し、それは、ペプチドP140の特異的な増殖応答を表す。生理食塩水溶液中で投与された粒子に関連した刺激指数は、比較して非常に低いままであり、一方、「ブランク」粒子に関連した刺激指数は負である。
サイトカイン分泌結果から、増殖の結果が確認される:どちらもCFAの存在下で注射されたペプチドおよびHAP140ナノ粒子の投与の場合において、2つの用量依存性応答が得られた。単独で投与された粒子については、用量依存性ではなく、おそらく有意ではない低量のIL-2の産生だけがもたらされ、IFN-γのいかなる産生ももたらされない。「ブランク」粒子の投与は、いかなるサイトカインの分泌も誘導しない。
したがって、CFAの存在下でのその皮下投与が、CFAの存在下での遊離ペプチドの投与と同じ特異的応答を生じるため、ペプチドは、HAP140ナノ粒子からその天然型で放出されている。得られた刺激指数およびまた分泌されたサイトカイン濃度は、これらのどちらについても類似している。それゆえに、粒子に凝縮されたペプチドの全部が、マウスへの皮下投与後、保存されていると思われる。
さらに、ヒアルロン酸はアジュバント性質を有さず、CFAの同時投与が用量依存性応答を得るために必要であることが実証されている。ループス(lupic)マウスにおける治療プロトコールを確立することに関して、いかなるアジュバント効果も、疾患の進行を加速するという可能性のある結果をそれが有するであろうことから、除外されなければならないため、これは非常に重要である(Monneauxら(2003) Eur. J. lmmunol. 33、287〜296頁)。
最後に、「ブランク」HACS粒子の投与は、いかなる免疫応答も発生せず、したがって、測定された応答は、実際に、ペプチドP140に特異的であり、粒子のみに対して特異的ではないことを示している。
3.HAP140ナノ粒子の十二指腸内投与
前の段落で得られた結果によれば、HAP140ナノ粒子の形成は、ペプチドについて分解されていない条件下で起こり、ペプチドは、皮下投与後、生物体へその天然型で放出される。しかしながら、この投与経路は、想定された投与経路、すなわち、経口経路とは懸け離れている。
上記の複合の薬学的ベクターにおいて、ナノ粒子は、胃において酸抵抗性担体によって保護され、その後、腸上皮を通過するように腸で放出される。このベクターの使用を模倣するために、ナノ粒子を、小腸の最初の部分である十二指腸へ投与する。この投与経路は、ナノ粒子が腸液において安定であること、ペプチドが酵素攻撃に対して保護されること、および少なくともその一部分が腸管バリアの中へ無傷で通過することをチェックするのを可能にする。
a)プロトコール
週齢7週間の雌BALB/cマウスを、異なる投与経路によって異なる製剤で免疫化する。第1群には皮下経路によりCFAの存在下でペプチド140を投与し、第2群には十二指腸内経路によりCFAの存在下でHAP140ナノ粒子を投与し、第3群には、十二指腸内経路によりCFAの存在下で「ブランク」HACSナノ粒子を投与した。ペプチドをその遊離の形か、またはナノ粒子の形で投与されているマウスすべてに、用いられた投与経路に関わらず、同じ量のペプチド、すなわち、マウスあたり100μgを投与した。
十二指腸内経路による免疫化を、麻酔下で行う。その後、腹腔から腸の上部を引き出すために、および十二指腸への投与を実行するために、腹腔にわずかな切開を施す。その後、切開を再び縫合し、動物を、目覚めるまで加熱灯の下に留めておく。
免疫化から1週間後、マウスを屠殺し、試料を、投与部位を流れるリンパ節から採取する。十二指腸内投与の場合、これらは、腸に沿って鎖を形成し、かつ腸粘膜を流れる腸管膜リンパ節である。これらのリンパ節に由来する細胞を、前の段落で記載されたプロトコールに従って異なるペプチドP140濃度の存在下で培養する。
b)結果
十二指腸内経路により得られた結果を、比較を可能にするために、皮下経路によって上記で得られた結果に重ねた。十二指腸内経路によってCFAの存在下でHAP140粒子を投与されたマウスの腸管膜リンパ節が肥大性であり、これは免疫応答の部位になっているというサインであることに留意すべきである。
アジュバントの存在下で十二指腸内経路によるHAP140粒子で免疫化されたマウス由来の細胞の増殖は、用量依存性が高く、刺激指数が、アジュバントの存在下で遊離ペプチドP140の皮下投与によって得られたものと同じ桁である。十二指腸内経路によって投与された「ブランク」HACS粒子に関連した刺激指数は、ペプチド濃度に関わらず、有意ではなく、それはリンパ節細胞が増殖していないというサインである。
アジュバントの存在下でのHAP140粒子の十二指腸内投与は、皮下投与の場合より少ないTh1型のサイトカインの分泌を生じる。これは、IFN-γについて特に明らかである。しかしながら、IL-2およびIFN-γの分泌は、用量依存性のままであり、細胞増殖指数は、皮下で得られるものと同じ桁である。したがって、十二指腸内経路によるHAP140ナノ粒子の投与は、腸管膜リンパ節のTh細胞を活性化させることを可能にする。
したがって、ペプチドは、それが天然型であるというサインである、Th細胞を効果的に活性化する能力がある。それゆえに、粒子は、インビボでの腸液において、酵素攻撃に対してペプチドを保護するのに十分、安定であろう。
HAP140ナノ粒子の十二指腸内投与によるループスMRL/Iprマウスにおける治療プトロコール
HAP140ナノ粒子の十二指腸内投与の治療効力を研究するために、治療プロトコールをループスマウスにおいて着手した。
HAP140ナノ粒子の治療可能性を研究するために、プレループス(pre-lupic)マウスは、アジュバントの非存在下において十二指腸内経路によるこれらの粒子の3回の投与を受け、それぞれ2週間の間隔をあけた。疾患の進行の比較を可能にするため、および本発明者らのナノ粒子の効力を研究するために、1つのマウス群には、ペプチドなしのいわゆる「ブランク」HACSナノ粒子を投与した。
プロトコール
実験の開始時点で週齢5週間のプレループスMRL/Ipr雌を2つの群に分けた。8匹のマウスからなる第1群には、十二指腸内経路によるHAP140ナノ粒子の形で100μgのP140を投与し、5匹のマウスからなる対照群である第2群には、やはり十二指腸内経路によるHACSナノ粒子の形で100μgのキトサンを投与した。最初の投与は週齢5週間目に行われ、続いて、2週間だけ間隔をあけた2回(すなわち、週齢7週間目および9週間目)の他の投与を行った。タンパク尿の発生(尿ストリップ上で測定される尿中のタンパク質の存在)などのループス疾患の症状を、45週間より多く、定期的にモニターし、死亡率プロフィールを確立した。
結果
HAP140ナノ粒子の十二指腸内投与は、ループスMRL/Iprマウスにおけるタンパク尿の発生を遅らせる。実際、この症状は、処置されたマウスにおいてはやっと週齢15週間目に、未処置の対照マウスの群においては12週間目に現れる。それらのタンパク尿はまた、常に対照マウスによって発生した頻度より少ないまま留まっている。
HAP140ナノ粒子の投与はまた、処置された動物の死亡率に有益な効果を有するように思われる。まず第一に、その投与は、死亡率曲線の出発点を有意に遅らせる。対照群において最初のマウスは15週間目に死ぬが、HAP140ナノ粒子を投与された群における最初のマウスは22週間目まで死ななかった。この差は、文献に含まれるデータによると、ループスMRL/Iprマウスの寿命は35週間を超えないことを考えれば、特に興味深い。
週齢37週間目に、対照群におけるすべてのマウスが死んでいることから、本発明者らの研究においてこれらのデータがさらに確認される。興味深いことに、ナノ粒子を投与されたマウスの50%がこの週齢においてまだ生存し、45週間目でもなお生存しており、すなわち、処置されたマウスについての45週間の半減期と比較して、未処置のマウスについては25週間の半減期である。
それゆえに、プレループスマウスにおける十二指腸内経路によるHAP140ナノ粒子の投与は、それらの寿命を有意に延長することを可能にする。
したがって、HAP140ナノ粒子の十二指腸内投与は、タンパク尿などの疾患の臨床徴候の発生を遅らせるだけでなく、動物の寿命を非常に有意に延長することを可能にする。
それゆえに、粒子またはペプチドの用量の少なくとも一部は、腸管バリアを通過し、体循環および/または標的細胞に達する能力がある。
腸管バリアを通過する研究
ナノ粒子の腸壁の中への通過を研究するために、結腸由来の癌性ヒト細胞系(Caco-2)を用いるインビトロモデルを開発した。これらの細胞は、それらの培養中、腸細胞へ分化する能力があり、したがって、腸壁を構成する細胞の層を模倣する。
透過型電子顕微鏡を用いる観察により、13日間培養した後のこれらの細胞の分化(絨毛およびデスモソームの存在)を実証することが可能になった。これらの細胞は、合成されたナノ粒子に近いサイズを有する多くの器官を含み、それが、それらを同定するのを困難にさせている。
それゆえに、この上皮モデルの中への粒子の通過を観察するために、共焦点顕微鏡による観察を行った。この目的を達成するために、キトサンをフルオレセインイソチオシアネート(FITC)に結合し、HACSFITCナノ粒子を合成した。これらの粒子は、HAP140粒子のと類似した特性(サイズ、表面処理)を有し、想定された研究にとって十分な量で得ることができる。共焦点顕微鏡による観察により、細胞の表面上だけでなく、その細胞質中のナノ粒子の存在が実証された。粒子の細胞への通過は、それが37℃で起こるが4℃で起こらないことから、おそらく活性のある機構によって起こることが実証されている。フローサイトメトリーによる研究によりさらに、粒子の吸収が、用量依存性様式で起こるだけでなく、インキュベーション期間と共に増加することが実証されている。Caco-2細胞の細胞質中のナノ粒子の存在を、金ビーズに結合した抗FITC抗体を用いる透過型電子顕微鏡によって確認した。
しかしながら、この細胞モデルは、粘液またはM細胞の欠如などの腸上皮に対する違いを示す。したがって、蛍光ナノ粒子をループスマウスへ十二指腸内経路によって投与し、これらのナノ粒子の通過を観察するために、腸スライスを採取した。高い蛍光強度が腸管腔および粘液に見出され、それにより、粒子を捕捉していることがわかる。蛍光粒子はまた、腸の基底膜まで、絨毛の内側で検出される。したがって、粒子の大部分は、粘液に留まるが、その無視できない量が腸上皮の中へ通過する能力がある。
製薬用油を含むアルギン酸塩に基づいた酸抵抗性担体の合成
1.担体の合成のプロトコール
合成の原理
そのような担体を得るために用いられるプロトコールは以下の通りである:細かく挽いた炭酸カルシウムを、Miglyol(登録商標)型の製薬用油に分散させる。この懸濁液を、ステンレススチール針(針の直径0.9mm)を備えた注射器を通して20ml/時の速度で液滴状に、氷酢酸を含むアルギン酸ナトリウムのバスへ添加する。この酸性溶液と接触して、炭酸カルシウムは、油/水の界面でカルシウムイオンを遊離し、その後、それは、アルギン酸塩と複合体を形成し、各油滴の周りに膜を形成するであろう。したがって、このようにして得られたカプセルは、針の出口で形成された油滴のサイズに近い数ミリメートルのサイズを有する。
1%(v/v)氷酢酸を含む非常に低い粘度の100mlの0.5%(w/v)アルギン酸塩溶液を、いかりの形をした機械的撹拌子を備えた小さい250mlの反応器へ注ぐ。炭酸カルシウム(500mg)を5mlのMiglyol(登録商標)829に微細分散させる(密度1〜1.02)。その後、この分散液を、ステンレススチール針(針の直径0.9mm)を備えた注射器を通して20ml/時の一定速度で酸性アルギン酸塩溶液へ液滴状に加える。添加が完了するとすぐに、そのシステムを、カルシウムイオンに水溶液へ移動する時間を与え、かつ油滴の表面にアルギン酸塩を複合体形成させるために、1時間、150rpmで撹拌しながら放置する。その後、担体を、濾過システム、例えば、Millipore(3μm)を通しての濾過を促進するために大量の水に希釈する。アルギン酸塩の架橋を強化するために、その後、それらを、塩化カルシウムの溶液中に30分間、浸漬し、その後、水中で4℃に保つ。このようにして、1.5mm〜2mmの直径を有し、かつ500μmに近い膜厚さを有する球形担体を得る。
2.再構築された生理的媒体における担体の安定性
これらの担体の安定性を、模擬の胃液および腸液において評価した。本発明者らはより具体的には、担体の合成時間(炭酸カルシウムを含む油滴の酸性アルギン酸塩溶液との接触時間)のその安定性への影響を研究した。
これらの担体の模擬胃液における浸漬により、肉眼で見える、それらのアルギン酸塩膜の厚さの低下が引き起こされる。この現象は、この章で開発された最初の型の担体について観察されたもの、すなわち、酸性pHにおいて、アルギン酸塩は、アルギン酸として沈殿し、それはゲルの収縮を伴うということと類似している。アルギン酸塩と少なくとも30分間、接触した担体の膜は、模擬胃液における4時間の浸漬後、無傷のままである。これは、15分未満の合成時間を有する担体の場合、すなわち、このようにして得られた薄いアルギン酸塩カプセルは裂けて、この酸性媒体中にその内容物、すなわち、油を放出するということではない。したがって、担体は、模擬胃液において4時間、安定であるために、少なくとも30分間、アルギン酸塩バスに保たなければならない。
担体を模擬腸液へ移した場合、担体の膜の非常に速い開裂が観察され、これらは、酸性媒体におけるそれらの一時逗留の結果として薄くなっている。30分足らずで、すべての担体が分解され、油の全部が媒体へ放出される。担体がそれらの合成中、アルギン酸塩溶液と接触したままである時間が少なければ少ないほど、一層分解が速い。例えば、アルギン酸塩バスに1時間浸漬された担体は模擬腸液において30分間で分解するのに対し、この同じアルギン酸塩バスにちょうど30分間浸漬された担体の全部を分解するのには5分間で十分である。
したがって、模擬腸液中で観察される分解の現象を加速または減速させるために、担体のその合成中のアルギン酸塩バスにおける浸漬時間を変化させることは可能である。
模擬腸液における担体の分解は、腸の上部で起こるのに十分迅速でなければならない、すなわち、担体の分解が十分早くに起こらなければ、ナノ粒子は、腸におけるそれらの一時逗留の一部分の間にそこに捕捉されたままで、腸上皮との接触へと入ることができない。アルギン酸塩バスにおける30〜45分間のインキュベーション時間は最適であるように思われ、それは、胃液において4時間安定であるだけでなく、模擬腸液において迅速に(5〜15分間)分解するように思われる担体を得ることを可能にするからである。
したがって、この新しい担体は、インビトロで2つの主な機能:酸性pHを4時間耐え、それにしたがって、ナノ粒子を胃への通過中に保護すること、および前記ナノ粒子を放出するために腸液において迅速に分解することを実行する。
3.-担体の小型化-予備研究
複合ベクターを経口でマウスへ投与することを目的として、担体を小型化することが必要である。
a)合成の原理
油性コアを有する小さいアルギン酸塩カプセルを得ることは、上記で用いられたプロトコールの単純な改変に基づいている:水中油型乳濁液は、Miglyol(登録商標)829中の炭酸カルシウムのアルギン酸塩水溶液との懸濁液をホモジナイズすることによって得られる。氷酢酸をこの乳濁液に加えることで、炭酸カルシウムのアルギン酸塩への移動およびCa2+陽イオンの遊離を開始することが可能になり、それにしたがって、各油滴の周りに架橋アルギン酸塩膜の形成を引き起こす。
b)合成プロトコール
CaCO3(100mg)を1mlの製薬用油Miglyol(登録商標)829に分散させ、その後、この分散液を非常に低い粘度の0.5%(w/v)アルギン酸塩溶液中でホモジナイズする。乳濁液は、600rpmの速度で5分間用いられるホモジナイザー(Ultra-Turrax(登録商標)T25 basik IKA(登録商標)Werke)を用いて得られる。その後、氷酢酸(500μl)を、カルシウム陽イオンの遊離および液滴の周りのアルギン酸塩膜の形成を開始するために液滴状で加える。
これらの条件により、数十μmのサイズを有する、油性コアでの球形アルギン酸塩カプセルの形成がもたらされる。
本発明によるベクターの調製
複合ベクターを合成するためのプロトコールは、製薬用油Miglyol(登録商標)829を、製薬用油Miglyol(登録商標)829中にペプチドP140(または類似体)を含むナノ粒子の分散液と置き換えて、そのプロトコールの残りは変化させないままにした、担体のプロトコールと一致する。

Claims (8)

  1. 少なくともヒアルロン酸および配列番号1の配列を有するペプチドP140またはその類似体の1つからなるマトリックスを含む少なくとも1つのナノ粒子を含む、胃に対する保護を目的とした担体を含むことを特徴とする、経口投与のための複合ベクターであって、
    ヒアルロン酸とペプチドとの重量比率が0.1〜10であることを特徴とする、複合ベクター
  2. ヒアルロン酸のモル質量が、1000Da〜1500000Daであることを特徴とする、請求項1に記載の複合ベクター
  3. 担体が、球形マトリックスまたは球形カプセルの形をとることを特徴とする、請求項1に記載の複合ベクター。
  4. 担体がアルギン酸塩に基づくことを特徴とする、請求項3に記載の複合ベクター。
  5. 担体が、親油性分散剤を含むことを特徴とする、請求項4に記載の複合ベクター。
  6. 薬学的に許容される担体と組み合わせて、請求項1から5のいずれか一項に記載の少なくとも1つの複合ベクターを含む薬学的組成物。
  7. 自己免疫疾患の処置における使用のための、請求項1から5のいずれか一項に記載の複合ベクター。
  8. 自己免疫疾患が全身性エリトマトーデスであることを特徴とする、請求項7に記載の使用のための複合ベクター。
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