JP6048065B2 - 呼吸音分析装置、断続性ラ音検出装置、連続性ラ音検出装置、断続性ラ音検出プログラム、連続性ラ音検出プログラムおよび呼吸音分析プログラム - Google Patents

呼吸音分析装置、断続性ラ音検出装置、連続性ラ音検出装置、断続性ラ音検出プログラム、連続性ラ音検出プログラムおよび呼吸音分析プログラム Download PDF

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Description

本発明は、呼吸音を分析し、呼吸音から特徴的な箇所を検出する技術に関する。具体的には、呼吸音のなかから断続性ラ音または連続性ラ音を検出する呼吸音分析装置、断続性ラ音検出装置、連続性ラ音検出装置、呼吸音分析方法、断続性ラ音検出方法、連続性ラ音検出方法、呼吸音分析プログラムに関する。
呼吸音には様々な情報が含まれており、医師は聴診器を用いて呼吸音を聴くことで、異常の有無、および、その種類を診断する。近年、在宅医療の拡充が望まれているところ、医師のような専門的技量を必要としない診断機器が必要になってきている。そこで、呼吸音分析をコンピュータ等の機器に実行させ、異常の有無およびその種類を判定できれば、在宅医療の拡充につなげることができる。
特許文献1には、呼吸音を音声信号として記録し、ヒルベルト変換を用いて呼吸音の瞬時周波数を算出し、瞬時周波数に基づいてラ音を検出する方法が記載されている。
特開2009−106574号公報
CDによる聴診トレーニング <呼吸音編> 川城 丈夫 (著), 菊池 功次 (著), 阿部 直 (著), 米丸 亮 (著), 石原 恒夫 (監修) 南江堂 (1993/04)
しかしながら、実際の環境で呼吸音を記録した場合、ノイズ等の影響があるため、ヒルベルト変換による瞬時周波数が正確であるとは限らない。従って、特許文献1に記載された方法では、安定してラ音を検出することは困難である。また、特許文献1には、断続性ラ音の検出方法のみ記載されており、連続性ラ音の検出方法は記載されていない。
そこで本発明の目的は、ノイズ等の影響がある環境で記録した呼吸音でも、呼吸音を正確に分析して的確に断続性ラ音または連続性ラ音を検出できる呼吸音分析装置、断続性ラ音検出装置、連続性ラ音検出装置、呼吸音分析方法、断続性ラ音検出方法、連続性ラ音検出方法、および呼吸音分析プログラムを提供することにある。
本発明の呼吸音分析装置は、
呼吸音に含まれる断続性ラ音または連続性ラ音を検出する呼吸音分析装置であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて、断続性ラ音または連続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出するピーク抽出部と、
前記ピーク抽出部にて抽出したピークを断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて訂正する誤検出訂正部と、を備える
ことを特徴とする。
本発明の断続性ラ音検出装置は、
呼吸音に含まれる断続性ラ音を検出する断続性ラ音検出装置であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
断続性ラ音の特徴に基づいて、断続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出するピーク抽出部と、
断続性ラ音の特徴に基づいて誤検出を訂正する誤検出訂正部と、を備え、
前記誤検出訂正部は、
前記ピーク抽出部にて抽出したピークの連続時間が所定時間未満の場合にそのピークの区間を削除する
ことを特徴とする。
本発明では、
前記誤検出訂正部は、
前記ピーク区間の開始位置であるピーク位置の前後間隔が所定時間未満である場合に、その間隔を挟むピーク位置のうち振幅が小さい方を削除する
ことが好ましい。
本発明では、
前記誤検出訂正部は、
単位時間あたりのピーク個数が所定数未満である場合にその区間のピーク位置を削除する、
ことが好ましい。
本発明では、
前記ピーク抽出部は、
前記分析対象信号の振幅の包絡線を算出する包絡線算出部と、
閾値を設定する閾値設定部と、
前記包絡線のうち前記閾値より大きい箇所をピーク区間として検出するピーク区間検出部と、を備え、
前記閾値設定部は、
予め決められた時間長で前記包絡線を複数の第1区間に分けて、前記区間ごとに前記包絡線の最大値を算出し、
前記第1区間よりも時間長が長い第2区間ごとに前記包絡線の中間的な値を算出し、
包絡線全体、または、前記第2区間よりも十分に長い第3区間ごとに前記包絡線の平均的な値を算出し、
前記中間的な値と前記平均的な値とのうち値が大きい方を前記第2区間毎の閾値として設定する
ことが好ましい。
本発明では、
前記中間的な値とは、前記最大値の前記第2区間ごとの中間値であり、
前記平均的な値とは、平均値である
ことが好ましい。
本発明の連続性ラ音検出装置は、
呼吸音に含まれる連続性ラ音を検出する連続性ラ音検出装置であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
分析対象信号の自己相関値に基づいて連続性ラ音の可能性があるピークを抽出するピーク抽出部と、
連続性ラ音の特徴に基づいて誤検出ピークを訂正する誤検出訂正部と、を備え、
前記誤検出訂正部は、前記ピーク抽出部で検出したピーク位置の周波数を算出し、周波数が所定範囲から外れているピーク位置を削除する
ことを特徴とする。
本発明では、
前記フィルタ処理部によって実行される処理にはノイズ除去処理が含まれ、
前記ノイズ除去処理は、
呼吸音信号から所定の時間長毎にスペクトル包絡線を求め、
前記包絡線の近似曲線を算出し、
前記包絡線と前記近似曲線との差分値に基づいて減衰率を算出し、
この算出した前記減衰率を用いてノイズ除去を実行する
ことが好ましい。
本発明では、
前記誤検出訂正部は、各時刻での周波数差分の絶対値を算出し、周波数差分の絶対値が所定値以上であるピーク位置を削除する
ことが好ましい。
本発明では、
前記誤検出訂正部は、連続時間が所定時間未満であるピーク位置を削除する
ことが好ましい。
本発明では、
前記ピーク抽出部は、
前記分析対象信号の自己相関値を算出する自己相関算出部と、
前記自己相関値の前後位置の差分値を算出し、前記差分値が0より大きい値から0より小さい値に変化する箇所をピーク位置として検出するピーク位置検出部と、を備える
ことが好ましい。
本発明では、
前記ピーク位置検出部は、同一積分区間内に二つ以上のピーク位置を検出した場合には、最初のピーク位置のみを検出する
ことが好ましい。
本発明の呼吸音分析装置は、前記断続性ラ音検出装置と、前記連続性ラ音検出装置と、を備える。
本発明の呼吸音分析方法は、
呼吸音に含まれる断続性ラ音または連続性ラ音を検出する呼吸音分析方法であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出し、
断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて、断続性ラ音または連続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出し、
前記抽出したピークを断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて訂正する
ことを特徴とする。
本発明の断続性ラ音検出方法は、
呼吸音に含まれる断続性ラ音を検出する断続性ラ音検出方法であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出し、
断続性ラ音の特徴に基づいて、断続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出し、
前記抽出したピークの連続時間が所定時間未満の場合にそのピークの区間を削除する
ことを特徴とする。
本発明の連続性ラ音検出方法は、
呼吸音に含まれる連続性ラ音を検出する連続性ラ音検出方法であって、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出し、
分析対象信号の自己相関値に基づいて連続性ラ音の可能性があるピークを抽出し、
前記抽出したピーク位置の周波数を算出し、周波数が所定範囲から外れているピーク位置を削除する
ことを特徴とする。
本発明の呼吸音分析プログラムは、
呼吸音に含まれる断続性ラ音または連続性ラ音を検出する呼吸音分析装置にコンピュータを組み込んで、
このコンピュータを、
呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて、断続性ラ音または連続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出するピーク抽出部と、
前記ピーク抽出部にて抽出したピークを断続性ラ音または連続性ラ音の特徴に基づいて訂正する誤検出訂正部と、して機能させる
ことを特徴とする。
本発明によれば、ノイズ等の影響がある環境で記録した呼吸音でも、断続性ラ音、連続性ラ音を正確に検出することが可能であり、自宅などの様々な環境で呼吸音の状態を容易に把握することができる。
第1実施形態において、断続性ラ音検出装置の機能ブロック図。 第1実施形態において、断続性ラ音を検出する処理手順を示すフローチャート。 第1実施形態において、閾値を設定する工程の詳細ステップを示すフローチャート。 第1実施形態において、iMax区間ごとに包絡線の最大値を示す図。 第1実施形態において、iMed区間ごとに、前記最大値の中央値を示す図。 第1実施形態において、ピーク区間を訂正する工程の詳細フローチャート。 第1実施形態において、ピーク連続時間に基づく訂正工程を説明するための図。 第1実施形態において、前後時間間隔と振幅とに基づく訂正工程を説明するための図。 第1実施形態において、単位時間あたりのピーク個数に基づく訂正工程を説明するための図。 第1実施形態において、断続性ラ音を表示部に表示する表示例を示す図。 第2実施形態において、連続性ラ音検出装置の機能ブロック図。 第2実施形態において、連続性ラ音を検出する処理手順を示すフローチャート。 第2実施形態において、誤検出を訂正する工程の詳細フローチャート。 第2実施形態において、各ピーク位置の周波数値Fをプロットした例を示す図。 第2実施形態において、図11Aの二つのピーク群に対し、各時刻で前後の周波数の差分の絶対値(周波数差分)を求めて、これらをプロットした図。 第2実施形態において、連続時間に基づく訂正工程を説明するための図。 第2実施形態において、連続性ラ音を表示部に表示する表示例を示す図。 正常な呼吸音に関するパワースペクトル包絡線の概形を示す図。 第3実施形態において、ノイズ除去処理の手順を示すフローチャート。 ある同一の信号を図14のフローチャートに基づいて処理する過程を例示した図。 ある同一の信号を図14のフローチャートに基づいて処理する過程を例示した図。 ある同一の信号を図14のフローチャートに基づいて処理する過程を例示した図。 ある同一の信号を図14のフローチャートに基づいて処理する過程を例示した図。 図15A−図15Dとは異なる信号について、元信号、元信号のスペクトル包絡線(se)、包絡線の3次関数近似曲線(th)およびノイズ除去後の信号を比較表示した図。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
(第1実施形態)
本発明の呼吸音分析装置に係る第1実施形態を説明する。
第1実施形態は、断続性ラ音を検出するための呼吸音分析装置としての断続性ラ音検出装置である。
図1は、断続性ラ音検出装置の機能ブロック図である。
呼吸音信号が断続性ラ音検出装置100に入力され、断続性ラ音検出装置100による信号処理によって呼吸音信号から断続性ラ音が検出される。検出された断続性ラ音は、表示部150に表示される。
断続性ラ音検出装置100は、信号入力部110と、フィルタ処理部120と、ピーク抽出部130と、誤検出訂正部140と、を備える。
断続性ラ音検出装置100の具体例としては、例えばPC(Personal Computer)や専用の装置等の情報処理装置によって構成される。
フィルタ処理部120、ピーク抽出部130、誤検出訂正部140は、CPU(Central Processing Unit)やDSP(Digital Signal Processor)等を含む演算処理を行う部位によって実現される。
信号入力部110の具体例としては、呼吸音信号を直接入力可能なマイクロフォンや、記録媒体等に記録された呼吸音を入力可能な各種音声信号入力デバイスである。
さらに、ピーク抽出部130は、包絡線算出部131と、閾値設定部132と、ピーク区間検出部133と、を備える。
断続性ラ音検出装置100を構成する各機能部の動作については、以下の動作説明のなかで明らかになる。
呼吸音信号から断続性ラ音を検出して表示部に表示するまでの信号処理を図2から図7を参照して説明する。
図2は、断続性ラ音を検出する処理手順を示すフローチャートである。
呼吸音信号は、信号入力部110を介してフィルタ処理部120に送られる。
フィルタ処理部120は、バンドパスフィルタ処理(ST100)を実行する。すなわち、入力信号(呼吸音信号)にバンドパスフィルタをかけ、所定の周波数帯域成分のみを分析対象の信号sとして抽出する。これにより、断続性ラ音の周波数帯域成分のみを抽出する。
なお、バンドパスフィルタの通過帯域は1kHz〜2kHzとすることが望ましいが、その範囲は限定されない。また、ノイズ除去処理を実施したり、入力信号のサンプリングレートに応じてダウンサンプリングしたりしてもよい。
抽出された信号sは、ピーク抽出部130に出力される。ピーク抽出部130により、断続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出する。
ピーク抽出部130においては、まず、包絡線算出部131において信号sの振幅の包絡線envを算出する(ST110)。包絡線envを算出する方法としてはヒルベルト変換が例として挙げられるが、その他の平滑化処理を用いてもよい。
次に、閾値設定部132において、前記取得した包絡線envからピーク位置を検出するための閾値を設定する(ST120)。
閾値を設定する工程(ST120)の詳細ステップを図3のフローチャートを参照して説明する。
閾値設定にあたって、まず、図4(A)に示すように、所定区間(iMaxとする)毎に包絡線envの最大値を取得する(ST121)。図4(A)ではiMax区間ごとの最大値を白丸で表わしている。なお、iMax区間の長さは、5ms程度が望ましいが、限定はされない。また、iMax区間は、それぞれ排他的な区間でも良いし、前後の区間で重なりがあってもよい。
次に、図4(B)に示すように、iMax区間よりも長い所定区間(iMedとする)を設定し、iMed区間毎に前記ST121で取得した最大値の中央値を求める(ST122)。図4(B)では、iMed区間ごとの中央値を黒丸で表わしている。
ここで、iMed区間の長さは、40ms程度とすることが望ましいが、限定はされない。また、iMed区間は、区間の境界を必ずしもiMax区間と一致させる必要はなく、さらに、それぞれ排他的な区間でも良いし、前後の区間で重なりがあってもよい。なお、中央値を求めるとしたが、中央値に限らず、最大値と最小値との平均値など、iMed区間における中間的な値を求めてもよい。
次に、ST123において、包絡線全区間の平均値を算出する。
ここでは全区間としたが、iMed区間よりも十分に長い区間(iAveとする)を取るならば、iAve区間毎の平均値を求めてもよい。
例えば、呼吸音信号の信号長が長い場合や、実時間で分析を実施する場合は、iAve区間毎に平均値を算出するのが望ましい。
また、平均値を求めるとしたが、標準偏差を実数倍した値と平均値との和を求めてもよく、代替できるものであれば、平均値でなくてもよい。
ST124において、前記ST122で算出した中央値と、前記ST123で算出した平均値と、を比較して、iMed区間毎に閾値を設定する。すなわち、前記ST122で算出した中央値と、前記ST123で算出した平均値と、を比較し、値が大きい方をiMed区間の閾値として設定する(ST124)。
図4Bにおいて、iMed区間[i+1]を見ると、中央値である点422は、平均値aveより大きい。したがって、iMed区間[i+1]の閾値th2は点422の値となる。
一方、iMed区間[i]でみると、中央値である点421は、平均値aveより小さい。したがって、iMed区間[i]の閾値th1は平均値aveとなる。
なお、閾値を設定するにあたって、中央値や平均値の値をそのまま閾値に設定してもよいが、さらに、中央値または平均値の値に適切な値を乗じたり加えたりした値を閾値にしてもよい。
以上で閾値設定工程(ST120)が終了する。
続いて、ピーク区間検出部133によるピーク区間検出工程(ST130)を実行する。ピーク区間検出工程(ST130)では、包絡線envからピーク区間を検出する。すなわち、前記ST120で設定したiMed区間ごとの閾値と、包絡線envの各時刻での値と、を比較する。そして、包絡線envの値の方が前記閾値よりも大きい部分をピーク区間として検出し、それ以外の部分は振幅値0とする。
このようにして、断続的ラ音が予備的に検出される。ただし、ノイズ等の影響により、誤検出が含まれている恐れがある。そこで、誤検出訂正部140において、誤検出ピークを訂正する処理を行う(ST140)。
ST140において、前記ST130で検出したピーク区間を断続性ラ音の特徴に基づいて訂正する。
誤検出を訂正する工程(ST140)を図5のフローチャートを参照して説明する。
誤検出の訂正は、三段階で行う。
すなわち、ピーク連続時間に基づく訂正(ST150)と、前後時間間隔と振幅とに基づく訂正(ST160)と、単位時間あたりのピーク個数に基づく訂正(ST170)と、を実行する。
まず、ピーク連続時間に基づく訂正(ST150)を行う。
ST151において、ピークの連続時間が所定時間(最小連続時間とする)未満であるピーク区間を検出する。
ここで、最小連続時間は0.6ms程度とすることが望ましいが、限定はされない。
図6Aに二つのピーク区間の例を示す。
ピーク区間611では、ピークが0.80ms連続している。
一方、ピーク区間612では、ピークが0.35ms連続している。
ここで、最小連続時間を0.6msとすると、ピーク区間611は検出対象ではないが、ピーク区間612は検出対象である。そして、このように検出された短時間のピーク区間は削除する(ST152)。図6Aの例でいうと、ピーク区間612を削除し、振幅値を0とする。これがピーク連続時間に基づく訂正(ST150)である。
次に、前後時間間隔と振幅とに基づく訂正(ST160)を行う。
ST161において、ピーク区間の開始位置を探索していき、ピーク区間の開始位置を「ピーク位置」とする。
ピーク区間の開始位置を検出するにあたっては各種の方法が考えられる。
例えば、各位置で振幅値の前後差分を算出し、0以下の値から0より大きい値へと変化する点を検出してもよい。または、振幅値0が所定時間以上連続した後で0より大きい振幅値が出現する点を探索してもよい。
ST162において、ピーク位置同士の時間間隔を算出する。そして、時間間隔が所定時間(最小時間間隔とする)未満である間隔があった場合、さらに、その間隔を挟むピーク同士で振幅を調べ、振幅が小さい方のピーク位置を検出する。
ここで、最小時間間隔は、1.0ms程度とすることが望ましいが、限定はされない。
図6Bにおいて、間隔621は3.0msであり、間隔622は1.6msであり、間隔623は0.8msである。
最小時間間隔を1.0msとすると、間隔621および間隔622は該当せず、間隔623は1.0ms以下に該当する。そして、間隔623を挟むピークであるピーク624とピーク625とで振幅を比較する。すると、ピーク624の方が振幅が小さいので、ピーク624は検出対象となる。
このように検出したピーク位置(624)を削除し(ST163)、振幅を0にする。
図6(B)の例でいうと、ピーク位置(624)を削除する(ST163)。
これが前後時間間隔と振幅とに基づく訂正(ST160)である。
続いて、単位時間あたりのピーク個数に基づく訂正(ST170)を行う。
ST171において、所定区間(探索区間とする)毎にピーク位置の個数を算出する。そして、ピーク位置の数が所定数未満である探索区間があれば、その探索区間内にあるピーク位置を検出する。
ここで、探索区間毎のピーク位置の所定数は、3個程度とすることが望ましいが、限定はされない。
また探索区間は、1.0s程度とすることが望ましいが、これも限定はされない。探索区間は排他的な区間でもよいし、前後の区間で重なりがあってもよい。
図6Cにおいて、631、632、633は探索区間である。
探索区間631にはピーク位置が1個ある。同様に、探索区間632にはピーク位置が5個あり、探索区間633にはピーク位置が4個ある。従って、ピーク位置の所定数を3個とすると、探索区間631に属するピーク位置634が検出対象である。
そして、このように検出したピーク位置(634)を削除し(ST172)、振幅値を0にする。図6Cの例では、ピーク位置634を削除する。
これが単位時間あたりのピーク個数に基づく訂正(ST170)である。
以上の誤検出ピークの訂正処理(ST140)を経て残ったピーク位置が断続性ラ音として検出されることになる。
このような断続性ラ音の検出結果を表示部150に表示するにあたっては、例えば図7に示すように断続性ラ音が検出された時刻に対応する位置にその振幅を表示し、断続性ラ音が検出されない時刻には何も表示されないようにする。
このような表示であれば、医療知識のないユーザーでも容易に自らの呼吸器の状況を把握することができる。また、断続性ラ音の検出頻度に基づいた指標や、疾病との対応表を定め、検出結果に応じて指標や疾病を提示してもよい。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を説明する。
第2実施形態では、連続性ラ音を検出する。
図8は、連続性ラ音検出装置の機能ブロック図である。
連続性ラ音検出装置200は、信号入力部210と、フィルタ処理部220と、ピーク抽出部230と誤検出訂正部240と、を備える。
連続性ラ音検出装置200や、連続性ラ音検出装置200を構成する各要素の具体例は、断続性ラ音検出装置100の例と同一である。
さらに、ピーク抽出部230は、自己相関算出部231と、ピーク位置検出部232と、を備える。
連続性ラ音検出装置を構成する各機能部の動作については、以下の動作説明のなかで明らかになる。
呼吸音信号から連続性ラ音を検出して表示部に表示するまでの信号処理を図9から図11を参照して説明する。
図9は、連続性ラ音を検出する処理手順を示すフローチャートである。
呼吸音信号は、信号入力部210を介してフィルタ処理部220に送られる。
フィルタ処理部220において、入力信号をバンドパスフィルタにかけ、所定の周波数帯域成分のみを分析対象の信号sとして抽出する(ST210)。
これは連続性ラ音の周波数帯域成分のみを事前に抽出しておくためである。
前記バンドパスフィルタの通過帯域は40Hz〜2kHzとすることが望ましいが、その範囲は限定されない。
また、ノイズ除去処理を実施したり、入力信号のサンプリングレートに応じてダウンサンプリングしたりしてもよい。
抽出された信号sはピーク抽出部230に出力される。ピーク抽出部230により、連続性ラ音の可能性があるピークを予備的に抽出する。
ピーク抽出部230において、まず、自己相関算出部231により、前記ST210で抽出した信号sから自己相関値corrを算出する(ST220)。自己相関値を算出する際、積分区間長は60ms程度とすることが例として挙げられるが、限定はされない。
続いて、ピーク位置検出部232により、前記ST220で算出した自己相関値corrに基づいてピーク位置を検出する(ST230)。ピーク位置の検出にあたって、まず、前記ST220で算出した自己相関値corrの前後差分diffを算出する(ST231)。
ここで、diff[i]は、i番目の自己相関値corr[i]とi+1番目の自己相関値corr[i+1]との差分とする。
次に、前記ST231で算出した差分diffのうち、diff[i]>0、かつ、diff[i+1]<0を満たす箇所を探索する(ST232)。そして、該当する箇所があれば(ST232:YES)、それを自己相関値corrのピーク位置として検出する(ST233)。
なお、自己相関値corrに所定の範囲を設定し、前記所定範囲内で前記ST232の条件を満たす箇所をピーク位置として検出するようにしてもよい。
上記のようにして連続性ラ音が予備的に検出される。
ただし、ノイズ等の影響により、誤検出が含まれている恐れがある。そこで、誤検出訂正部240により、連続性ラ音の特徴に基づいて、誤検出したピークを訂正する処理を行う(ST240)。
誤検出の訂正処理(ST240)を図10のフローチャートを参照して説明する。
誤検出の訂正は、三段階で行う。すなわち、周波数範囲に基づく訂正(ST250)と、周波数差分に基づく訂正(ST260)と、連続時間に基づく訂正(ST270)と、を実行する。
まず、周波数範囲に基づく訂正(ST250)を行う。
ST251において、ST230で検出したピーク位置の周波数Fを算出する。
周波数Fは、サンプリングレートSRを周期Cで除することで求められる。
すなわち、F=SR/Cである。
周期Cは、積分区間の開始位置からピーク位置までの距離(時間)である。
ピークが検出されない時刻は、周波数F=0とする。
また、同一積分区間内に複数のピーク位置が検出されていた場合、最初のピークのみを検出して使用するのが望ましいが、限定はされない。
続いて、ST252において、周波数Fが所定範囲から外れているピーク位置を探索する。
ここでいう所定範囲としては、例えば、40Hz〜2kHzとすることが望ましいが、限定はされない。
ST252の判定で周波数Fが所定範囲から外れているピーク位置があれば(ST252:YES)、それらを削除する(ST253)。
これがピーク連続時間に基づく訂正(ST250)である。
次に、周波数差分に基づく訂正(ST260)を行う。
ST261において、各時刻の前後で周波数がどの程度変化しているかを求める。すなわち、各時刻の前後で周波数Fの差分の絶対値を求める(ST261)。
(各時刻の前後で周波数の差分をとり、それを絶対値としたものを、本明細書では、「周波数差分」と称することとする。)
図11Aは、各ピーク位置の周波数値Fをプロットした例を示すグラフである。
図11A中には、前後の時刻で周波数値があまり変わらないピーク群1111Aと、前後の時刻で周波数値が大きく変化しているピーク群1112Aと、が示されている。
図11Bは、図11Aの二つのピーク群に対し、各時刻で前後の周波数の差分の絶対値(周波数差分)を求めて、これらをプロットしたものである。
ピーク群1111Aのように前後の周波数が近い場合、図11B中の1111Bに示すように、周波数差分も小さくなる。一方、ピーク群1112Bのように前後の周波数が大きく異なる場合、図11B中の1112Bに示すように、周波数差分も大きくなる。
ここで、連続性ラ音は、近い周波数の音が連続して聴取されるという特徴があるので、ピーク群1111Aの様に前後する周波数が近い箇所のみを検出するのが最終目的となる。
そこで、前記ST144で算出した周波数差分のうち、所定閾値freqthより大きい周波数差分を持つピーク位置を探索する(ST145)。閾値freqthは、50Hz程度にすることが望ましいが、限定はされない。
なお、周波数F=0が連続した後にF≠0が現れた最初の時刻(ピーク位置)は、その候補から除外することとする。言い換えると、周波数F=0が連続した後にF≠0が現れた最初の時刻(ピーク位置)は、「所定閾値freqth以上の周波数差分を持つピーク位置」ではないとする。
図11Bの例でいうと、閾値freqthの値を超えるピーク位置は、図中の二点鎖線より上の値を持つピーク位置である。
ここで、ピーク位置1021とピーク位置1022とは、前記除外の条件に適合するので、閾値freqthを超えてはいるが、候補から除外する。
一方、図11B中で一点鎖線で囲んだピーク位置の一群1023は、本ステップでの検出候補である。
ST263において、前記ST262で探索したピーク位置(=「所定閾値freqth以上の周波数差分を持つピーク位置」)を削除する。これが周波数差分に基づく訂正(ST260)である。
次に、連続時間に基づく訂正(ST270)を行う。
まず、連続時間が所定の時間(最小連続時間とする)未満であるピーク群を検出する(ST271)。
ここで、最小連続時間としては、0.2s程度とすることが望ましいが、限定はされない。そして、連続時間が所定の時間(最小連続時間とする)未満であるピーク群を削除する(ST272)
図11Cに例を示す。
ピーク群1131は、0.8s連続したピーク群である。同様に、ピーク群1132は、0.06s連続したピーク群であり、ピーク位置1133は、連続しておらず、一ヵ所のみのピーク位置である。最小連続時間を0.2sとすると、ピーク群1131は削除対象ではないが、ピーク群1132とピーク位置1133とは削除対象である。これが連続時間に基づく訂正(ST270)である。
以上のピーク検出、訂正処理を経て、残ったピーク位置が連続性ラ音として最終的に検出されるピーク位置である。
このような連続性ラ音の検出結果を表示部150に表示するにあたっては、例えば図12の示すように、連続性ラ音が検出された時刻に対応する位置にその周波数を表示し、断続性ラ音が検出されない箇所には、何も表示されないようにする。
このような表示であれば、医療知識のないユーザーでも容易に自らの呼吸器の状況を把握することができる。
また、連続性ラ音の検出頻度に基づいた指標や、疾病との対応表を定め、検出結果に応じて指標や疾病を提示してもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態として、ノイズ除去処理について説明を加える。
後述する連続性ラ音の抽出を行うための相関解析において、連続性ラ音を信号とし、正常な呼吸音を雑音とすると、SN比が悪い場合には前記雑音成分が相関解析の精度を低下させる要因になり得る。したがって、相関解析による連続性ラ音の抽出精度を向上させるためには前記雑音を低減することが有効である。
前記第2実施形態におけるバンドパスフィルタ処理(ST210)おいて、ノイズ除去処理を実施してもよいことを述べた。
ノイズ除去としては、フィルタ処理部220において一般的なノイズ除去処理を実施しても良いが、一般的なノイズ除去処理に加えてさらに呼吸音および連続性ラ音の特徴に基づいたノイズ除去処理をさらに実施したり、あるいは、一般的なノイズ除去処理を呼吸音および連続性ラ音の特徴に基づいたノイズ除去処理に置き換えたりすることで、分析の精度をさらに向上させることが可能である。
以下、呼吸音および連続性ラ音の特徴に基づいたノイズ除去処理について説明する。
正常な呼吸音のパワースペクトルは、厳密には聴診位置や呼吸周期の段階によって異なるが、共通して、緩やかなピークを持ち、周波数軸方向に一旦増加した後に減少していく傾向を持つ。また、低周波数域に周波数ピークが現れ、1000Hzないし1500Hzを超える高周波数域にはほとんど周波数成分を持たない、といった傾向を持つ。こうした傾向より、正常な呼吸音に関するパワースペクトル包絡線の概形は図13に示すような特性を持つと言えるが、実際には図13のように直線的にではなく曲線的に変化する。
すなわち、正常な呼吸音のスペクトル概形は、2つの極値を持つ曲線である3次関数で近似できる。
一方、連続性ラ音が存在する場合、連続性ラ音の周波数成分は前記包絡線の局所的なピークとして観測される。そこで、連続性ラ音を含む呼吸音についても正常な呼吸音と同様にパワースペクトル包絡線全体を3次関数で近似するとする。このとき、この近似処理において近似曲線は局所的なピークに影響されないので、正常な呼吸音成分のスペクトル推定が可能となる。
したがって、まず、パワースペクトル包絡線を3次関数で近似して正常な呼吸音のスペクトルを推定する。そして、連続性ラ音と考えられる局所的ピーク以外の周波数成分のみを減衰させる。このようにして雑音除去を実現することができるわけである。
次に、具体的なノイズ除去処理のステップについて、図14に示すフローチャートに基づいて説明する。
なお、これらのステップは、図9に示す連続性ラ音を検出する処理手順を示すフローチャートのST210の前に実施することで最も効果を奏するが、ノイズ除去処理のタイミングはこれに限定されるものではない。
また、図15A、15B、15C、15Dは、ある同一の信号を図14のフローチャートに基づいて処理する過程を例示するものである。
まず、入力信号に対して離散フーリエ変換を実施し(S11)、スペクトル包絡線を算出する(S12)。そして、離散フーリエ変換の全体平均値を算出し(S13)、その平均値を基準値として基準値以下の信号を除去(白色化)する(S14)。
図15Aに、この処理によって求められたパワースペクトル(実線)とスペクトル包絡線(点線)とを示す。
次に、所定の時間長のスペクトル包絡線平均値を算出し(S15)、スペクトル包絡線平均値の3次関数近似値を算出する(S16)。
図15Bに、この処理によって求められた3次関数による近似曲線(点線)と図15Aに示したスペクトル包絡線(実線)とを示す。
さらに、スペクトル包絡線平均値と3次関数近似値との差分値を0.0〜1.0で正規化した減衰率を算出する(S17)。そして、前記所定の時間長内に属する離散フーリエ変換値に対して前記減衰率を乗ずる(S18)。これにより、前記所定の時間長における信号のノイズを除去することができる。
図15Cは、前記減衰率の周波数毎の値を図示したものである。
以上の処理について、全データの当該処理が完了したか否かを判断する(S19)。
全データの当該処理が完了していなければ(S19:No)、時間窓をシフトして(S20)残りのデータの当該処理を実施する(ST15−ST18)。全データの当該処理が完了していれば(S19:Yes)、ノイズ除去処理は終了となる。
上記処理により得られたパワースペクトルを逆離散フーリエ変換することによりノイズ除去信号を得ることができる。
図15Dは、当該処理によるノイズ除去後のパワースペクトルである。図15Dをみると、低周波数域の局所的なピークが除去され、連続性ラ音を示す所望のピークのみを抽出し易い信号となっていることがわかる。
また、図16は、図15A−図15Dとは異なる信号について、元信号、元信号のスペクトル包絡線(se)、包絡線の3次関数近似曲線(th)、および、ノイズ除去後の信号を比較表示した図である。
3次関数近似曲線(th)とスペクトル包絡線(se)との差分値が大きい箇所、すなわちth>seとなる箇所であり、かつ、差分値の絶対値が大きい箇所であるほど減衰量大とする。
逆に、差分値が小さい箇所、すなわちth<seとなる箇所であり、かつ、差分値の絶対値が大きい箇所であるほど減衰量小とする。これにより、所望のピークを効果的に強調しつつ、他の部分を抑制できていることがわかる。従って、この信号についても、当該ノイズ除去処理の効果により、連続性ラ音を抽出し易い信号となっていることがわかる。
以上に説明したように、本実施形態では検出精度向上のため、呼吸音および連続性ラ音の特徴に基づいたノイズ除去処理を実施することが望ましい。
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、
CPUやメモリを配置してコンピュータとして機能できるように構成し、このメモリに所定の制御プログラムをインターネット等の通信手段や、CD−ROM、メモリカード等の記録媒体を介してインストールし、このインストールされたプログラムでCPU等を動作させて、上記実施形態で説明した各機能部としての機能を実現してもよい。
第1実施形態として断続性ラ音検出装置を示し、第2実施形態として連続性ラ音検出装置を示したが、呼吸音分析装置が断続性ラ音検出装置と連続性ラ音検出装置との両方を備えていてもよいことはもちろんである。
この場合、断続性ラ音検出装置と連続性ラ音検出装置とで共通化できるものは共通化するなどしてもよい。
100…断続性ラ音検出装置、110…信号入力部、120…フィルタ処理部、130…ピーク抽出部、131…包絡線算出部、132…閾値設定部、133…ピーク区間検出部、140…誤検出訂正部、150…表示部、200…連続性ラ音検出装置、210…信号入力部、220…フィルタ処理部、230…ピーク抽出部、231…自己相関算出部、232…ピーク位置検出部、240…誤検出訂正部。

Claims (17)

  1. 呼吸音に含まれる断続性ラ音を検出する断続性ラ音検出装置であって、
    呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部にて抽出した分析対象信号の振幅の包絡線を算出し、第1の区間、第1の区間より長い第2の区間、分析対象信号全体または第2の区間より十分に長い第3の区間について、第1、第2、第3の代表値をそれぞれ算出し、前記第1、第2、第3の各代表値を用いて断続性ラ音の可能性がある位置を前記包絡線から予備的に抽出する抽出部と、
    記抽出部にて抽出した前記断続性ラ音の可能性がある位置のうち、断続性ラ音の特徴に基づいて断続性ラ音ではないと判定した位置を削除する訂正部と、を備える
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  2. 請求項に記載の断続性ラ音検出装置において、
    記抽出部は、
    前記第1の代表値として第1の区間毎の前記包絡線の最大値を算出し、前記第2の代表値として、前記第2の区間毎の前記包絡線の中間的な値を算出し、前記第3の代表値として、分析対象信号全体または前記第3の区間毎の前記包絡線の平均的な値を算出し、
    前記中間的な値と前記平均的な値とのうち値が大きい方を前記第2区間毎の閾値として設定し、
    前記包絡線のうち、前記閾値よりも大きい位置を、前記断続性ラ音の可能性がある位置として予備的に抽出する
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  3. 請求項に記載の断続性ラ音検出装置において、
    前記中間的な値とは、前記最大値の前記第2区間ごとの中央値であり、
    前記平均的な値とは、平均値である
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の断続性ラ音検出装置において
    前記訂正部は、
    記抽出部にて抽出した複数の前記断続性ラ音の可能性がある位置がまとまって存在する区間の時間が所定時間未満の場合にその区の前記断続性ラ音の可能性がある位置を削除する
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  5. 請求項1から3のいずれかに記載の断続性ラ音検出装置において、
    記訂正部は、
    前記抽出部にて抽出した複数の前記断続性ラ音の可能性がある位置の時間間隔が所定時間未満である場合に、その時間間隔を挟む前記断続性ラ音の可能性がある位置のうち振幅が小さい方を削除する
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  6. 請求項1から3のいずれかに記載の断続性ラ音検出装置において、
    記訂正部は、
    単位時間あたりの前記断続性ラ音の可能性がある位置の数が所定数未満である場合にその単位時間区間の前記断続性ラ音の可能性がある位置を削除する、
    ことを特徴とする断続性ラ音検出装置。
  7. 呼吸音に含まれる連続性ラ音を検出する連続性ラ音検出装置であって、
    呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出するフィルタ処理部と、
    前記フィルタ処理部にて抽出した分析対象信号から、周期性を有する信号を含む位置を、連続性ラ音の可能性がある位置として予備的に抽出する抽出部と、
    記抽出部にて抽出した連続性ラ音の可能性がある位置のうち、連続性ラ音の特徴に基づいて連続性ラ音ではないと判定した位置を削除する訂正部と、を備える
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  8. 請求項7に記載の連続性ラ音検出装置において、
    記抽出部は、
    前記分析対象信号の自己相関値を算出する自己相関算出部と、
    隣接する前記自己相関値の差分値を算出し、前記差分値が0より大きい値から0より小さい値に変化する箇所を、前記周期性を有する信号を含む位置として検出する検出部と、を備える
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  9. 請求項に記載の連続性ラ音検出装置において、
    記検出部は、同一積分区間内に二つ以上の位置を検出した場合には、最初の位置のみを検出する
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  10. 請求項7から9のいずれかに記載の連続性ラ音検出装置において
    前記訂正部は、前記抽出部で抽出した前記連続性ラ音の可能性がある位置における前記分析対象信号の周波数を算出し、前記周波数が所定範囲から外れている前記連続性ラ音の可能性がある位置を削除する
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  11. 請求項7から9のいずれかに記載の連続性ラ音検出装置において、
    前記フィルタ処理部によって実行される処理にはノイズ除去処理が含まれ、
    前記ノイズ除去処理は、
    呼吸音信号から所定の時間長毎にスペクトル包絡線を求め、
    前記包絡線の近似曲線を算出し、
    前記包絡線と前記近似曲線との差分値に基づいて減衰率を算出し、
    この算出した前記減衰率を用いてノイズ除去を実行する
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  12. 請求項7から9のいずれかに記載の連続性ラ音検出装置において、
    記訂正部は、前記連続性ラ音の可能性がある位置のうち時間的な順序が連続する位置における周波数差分の絶対値を算出し、前記絶対値が所定値以上である前記連続性ラ音の可能性がある位置を削除する
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  13. 請求項7から請求項9のいずれかに記載の連続性ラ音検出装置において、
    記訂正部は、複数の前記連続性ラ音の可能性がある位置がまとまって存在する区間の時間が所定時間未満の場合にその区間の前記連続性ラ音の可能性がある位置をそれぞれ削除する
    ことを特徴とする連続性ラ音検出装置。
  14. 請求項から請求項6のいずれかに記載の断続性ラ音検出装置と、
    請求項7から請求項13のいずれかに記載の連続性ラ音検出装置と、を備える呼吸音分析装置。
  15. 呼吸音に含まれる断続性ラ音を検出するための断続性ラ音検出プログラムであって、
    コンピュータに、
    呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出する手順と
    前記抽出した分析対象信号の振幅の包絡線を算出し、第1の区間、第1の区間より長い第2の区間、分析対象信号全体または第2の区間より十分に長い第3の区間について、第1、第2、第3の代表値をそれぞれ算出し、前記第1、第2、第3の各代表値を用いて断続性ラ音の可能性がある位置を前記包絡線から予備的に抽出する手順と
    前記抽出した前記断続性ラ音の可能性がある位置のうち、断続性ラ音の特徴に基づいて断続性ラ音ではないと判定した位置を削除する手順と、
    実行させる断続性ラ音検出プログラム。
  16. 呼吸音に含まれる連続性ラ音を検出するための連続性ラ音検出プログラムであって、
    コンピュータに、
    呼吸音信号から所定の周波数帯域のみの信号を分析対象信号として抽出する手順と
    前記抽出した分析対象信号から、周期性を有する信号を含む位置を、連続性ラ音の可能性がある位置として予備的に抽出する手順と
    前記抽出した連続性ラ音の可能性がある位置のうち、連続性ラ音の特徴に基づいて連続性ラ音ではないと判定した位置を削除する手順と
    実行させる連続性ラ音検出プログラム。
  17. 請求項15に記載の断続性ラ音検出プログラムと、
    請求項16に記載の連続性ラ音検出プログラムと、を含む呼吸音分析プログラム
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