JP6047581B2 - 金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子 - Google Patents

金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子 Download PDF

Info

Publication number
JP6047581B2
JP6047581B2 JP2014545038A JP2014545038A JP6047581B2 JP 6047581 B2 JP6047581 B2 JP 6047581B2 JP 2014545038 A JP2014545038 A JP 2014545038A JP 2014545038 A JP2014545038 A JP 2014545038A JP 6047581 B2 JP6047581 B2 JP 6047581B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
optionally substituted
formula
compound
alkyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014545038A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015500247A (ja
JP2015500247A5 (ja
Inventor
ドネリー,ポール
パターソン,ブレット
Original Assignee
ザ ユニバーシティ オブ メルボルン
ザ ユニバーシティ オブ メルボルン
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ザ ユニバーシティ オブ メルボルン, ザ ユニバーシティ オブ メルボルン filed Critical ザ ユニバーシティ オブ メルボルン
Publication of JP2015500247A publication Critical patent/JP2015500247A/ja
Publication of JP2015500247A5 publication Critical patent/JP2015500247A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6047581B2 publication Critical patent/JP6047581B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/02Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
    • A61K51/04Organic compounds
    • A61K51/0474Organic compounds complexes or complex-forming compounds, i.e. wherein a radioactive metal (e.g. 111In3+) is complexed or chelated by, e.g. a N2S2, N3S, NS3, N4 chelating group
    • A61K51/0482Organic compounds complexes or complex-forming compounds, i.e. wherein a radioactive metal (e.g. 111In3+) is complexed or chelated by, e.g. a N2S2, N3S, NS3, N4 chelating group chelates from cyclic ligands, e.g. DOTA
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K51/00Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo
    • A61K51/02Preparations containing radioactive substances for use in therapy or testing in vivo characterised by the carrier, i.e. characterised by the agent or material covalently linked or complexing the radioactive nucleus
    • A61K51/04Organic compounds
    • A61K51/08Peptides, e.g. proteins, carriers being peptides, polyamino acids, proteins
    • A61K51/088Peptides, e.g. proteins, carriers being peptides, polyamino acids, proteins conjugates with carriers being peptides, polyamino acids or proteins
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P35/00Antineoplastic agents
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B59/00Introduction of isotopes of elements into organic compounds ; Labelled organic compounds per se
    • C07B59/002Heterocyclic compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D487/00Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00
    • C07D487/02Heterocyclic compounds containing nitrogen atoms as the only ring hetero atoms in the condensed system, not provided for by groups C07D451/00 - C07D477/00 in which the condensed system contains two hetero rings
    • C07D487/08Bridged systems
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F1/00Compounds containing elements of Groups 1 or 11 of the Periodic Table
    • C07F1/08Copper compounds
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07BGENERAL METHODS OF ORGANIC CHEMISTRY; APPARATUS THEREFOR
    • C07B2200/00Indexing scheme relating to specific properties of organic compounds
    • C07B2200/05Isotopically modified compounds, e.g. labelled

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nitrogen Condensed Heterocyclic Rings (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Medicinal Preparation (AREA)

Description

分野
本発明は、金属配位子として有用であり、かつ分子認識部分などの生物学的実体に結合することが可能な部分を含有する化合物、及びこれらの化合物を製造する方法に関する。生物学的実体に結合している化合物が適切な金属放射性核種と配位結合すれば、その配位化合物は、放射線治療及び画像診断の領域において放射性医薬品として有用である。従って、本発明は、また、本発明の放射性標識化合物を利用した診断及び治療方法に関する。
背景
放射性標識化合物は、放射線治療又は画像診断などのいくつかの用途に放射性医薬品として使用することができる。放射性標識化合物が放射性医薬品として用いられるためには、該化合物は、理想的には、許容しうる安定性及び可能な場合にはある程度の選択性又は標的化能などのいくつかの所望の特性を有するべきである。
放射性医薬品の領域における初期の研究は、一般的に容易に入手可能であり、従って製造することが容易な単純金属配位子に焦点を合わせた。これらの放射性標識化合物の多くがもつ問題点は、配位子と金属イオン間で形成された錯体が十分に強くなく、そのために、生理学的環境において配位子から金属イオンの解離が起こることである。これは、次の理由から望ましくなかった。生理学的環境における金属イオンによる金属交換は、放射性医薬品化合物が所望の作用部位に到達したとき、該化合物に配位した放射性標識金属イオンのレベルが著しく低下することを意味するため、このタイプの配位子を使用して、放射性医薬品を体内の所望の標的領域に送達することができないからである。加えて、このタイプの交換が観察される場合には、放射性物質が優先的にその作用位置に送達されるよりは、むしろ体内の他の健康な組織に送達されるために、放射線治療又は放射性イメージングの被検体が受ける副作用は増大する。
生理学的環境における金属解離の問題を克服するために、いくつかのより複雑な配位子が徐々に開発され、試験されてきた。従って、例えば、シクラム及びシクレン骨格ベースの広範なテトラアザマクロ環が調査されている。このタイプの配位子の例としては、DOTA及びTETAが挙げられる。
Figure 0006047581
残念ながら、これらの配位子を用いてもなお、ある種の誘導体では金属の解離が依然として生じる。例えば、いくつかの誘導体は、銅輸送タンパク質などの生物学的配位子に対するキレート交換の結果として、Cu2+として又はインビボ還元後のCuとしてのいずれかでキレートからのCuの解離を受ける。
従って、放射性標識化合物の安定性を高めるために、ヘキサミンマクロ二環式ケージアミン配位子(サルコファジンという慣用名で知られる)が開発された。これらのケージ配位子は、Cu2+などの金属と非常に安定な錯体を形成し、周囲温度で低い金属濃度であっても、速い錯体形成動力学を有する。従って、これらの特徴から、このタイプの配位子は、放射性医薬品用途、とりわけ、銅が関与するそのような用途において特に適する。
配位子と金属間の錯体の安定性の問題が克服されると、金属配位子錯体の安定性又は標的分子の最終的な生物学的活性を損なうことなしに、標的分子を配位子内に組み込むための配位子を官能化する方法の開発へと注意が向いた。いくつかの異なる標的分子が当該分野で公知であり、これらを配位子分子に最もよく連結させるにはどうすればよいかが問題となった。
一般的に、標的分子(又はしばしば知られているように分子認識部分)を配位子に連結させて、配位子と分子認識部分の両方を含有する最終化合物を提供する。これらの化合物は、単一の分子認識部分を含有しうるが、これらはまた、配位子が2つ以上の分子認識部分に連結している多量体構築物でもありうる。典型的には、多量体構築物がその単量体等価物よりも標的受容体に対して高い親和性を有することができるために望ましい。これは、標的基の局所濃度の増加に一部起因し、これによって、内因性配位子とより効果的に競合することが可能となる。加えて、多量体構築物内の2つ以上の標的基間の長さが十分である状況では協同的結合が可能であり、そして、その2つ以上の標的基が2つ以上の受容体部位に同時に結合するだろう。実際に、多量体構築物がしばしば、その単量体等価物よりも標的組織に多く蓄積することを示すことがインビボにおいて観察されている。いかなる特定の理論にも束縛されることを望むものではないが、これは、多量体構築物の標的受容体に対する親和性が単量体構築物よりも高いことに起因すると考えられる。さらに、多量体構築物は、単量体構築物よりも大きい分子量を有し、そのために、長期のバイオアベイラビリティを有する(生理学的環境における分解により強いため)。これによって、標的組織での蓄積及び保持が増加しうる。
ケージ配位子領域の初期の研究は、標準的なカップリング手順を用いた、ケージアミン「ジアミノサルコファジン」である1,8−ジアミノ−3,6,10,13,16,19−ヘキサアザビシクロ[6.6.6]イコサン((NHsar)の第一級アミンとペプチドの直接カップリング反応を調査した。残念ながら、様々な理由から、これは比較的効率が悪いことが証明され、この領域での研究を中断した。次に、研究者らは、SarArを生成するための芳香族アミンの組み込みに注目した。ペンデント芳香族アミンは、ペプチド又は抗体のカルボン酸残基とのコンジュゲート反応に使用することができ、そして、SarArが抗GD2モノクローナル抗体(14.G2a)及びそのキメラ誘導体(ch14.8)にコンジュゲートしうることが分かり、そのコンジュゲートが64Cuで放射性標識された。
Figure 0006047581
このアプローチの問題点は、コンジュゲート工程での芳香族アミンの反応において、SarAr分子内に競争反応に利用可能な8個の他の窒素原子が存在することで、薬学的意義から望ましくない多数の不純物が生成する可能性があることである。これらは、十分な保護基化学の使用によって克服できる可能性があるが、これは合成の観点及び商業スケールへのスケールアップから明らかに望ましくない。
代わりのアプローチは、カルボン酸官能基を組み込むための、また、N末端アミン残基を介してペプチド又は抗体を組み込むための配位子を合成することであり、このアプローチは、C末端が生物学的活性に極めて重要である場合に特に重要である。研究から、(NHsarを、クロロ酢酸とのアルキル化反応によって、最大4個のカルボキシメチル置換基で官能化することができること、そして、その導入されたカルボキシメチルアームをさらなる官能化点として使用することができ、次いで、EDC−カップリング反応を使用してアミノ酸を導入することができることが示された。
残念ながら、これらの系で考えられる欠点は、カルボキシメチルアームがケージ骨格の第二級アミンと反応してラクタム環を形成する分子内環化反応が依然として起こり、結果として、六座配位子よりも四座配位子を生じうることである。従って、このアプローチに従ってもよいが、好ましくない副反応が起こる可能性があり、商業上の観点から明らかに望ましくない。
((NHsar)の官能化に向けたさらなる研究は、活性化ジカルボニル化合物(酸無水物など)との反応に基づき、そのアミン窒素と遊離カルボン酸部分とでアミド結合を形成するものであり、これは、分子認識部分上への所望の結合をさらに構築するために利用可能である。これは、ケージ配位子上に「スティック」末端としてカルボニル部分の形成をもたらすが、分子認識部分への連結によって最適なものとして構築することは必ずしも容易なことではなかった。従って、全プロセス中のこの工程をより効率的にするための、ペンダントカルボン酸部分を有するケージ配位子を生物学的実体に連結する方法を調査することが望ましかった。
概要
一つの態様において、式(1):
Figure 0006047581

[式中、Ligは、窒素含有マクロ環式金属配位子であり;
Lは、結合又は連結部分である]
で表される化合物又はその金属錯体を官能化して、生物学的実体に結合するその能力を改変する方法であって、
(a)式(1)の化合物又はその金属錯体を、式(2):
Figure 0006047581

[式中、Lは、スペーサー基である]
で表される化合物又はその金属錯体に変換する工程;
(b)式(2)の化合物又はその金属錯体を、式(3):
Figure 0006047581

[式中、Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分又はその保護形態もしくはそのシントンである]
で表される化合物又はその金属錯体に変換する工程
を含む方法が提供される。
本方法の工程において、変換又は反応は、化合物それ自体又はその金属錯体で行ってよい。反応は、多くの場合、非錯体化合物で行うことができるが、これは、窒素含有マクロ環式金属配位子中の窒素原子が所望の反応を妨害しうるために望ましくない。よって、最初に金属錯体を形成することによって、金属は、窒素含有マクロ環式金属配位子中のこれらの窒素を脱活性化するように作用し、それで、これらの配位子窒素原子の疑似保護基として作用する。よって、1つの実施態様において、変換及び反応を問題の化合物の金属錯体で行うことが望ましい。この目的のために、いくつかの金属を使用してよいが、マグネシウムが特に適切であると認められる。
概説した方法を使用して上記の式(1)の化合物を合成することによって、数多くの官能化金属キレート配位子を生成することができる。従って、なおさらなる態様において、本発明は、式(3):
Figure 0006047581

[式中、Ligは、窒素含有マクロ環式金属配位子であり;
Lは、結合又は連結部分であり;
は、スペーサー基であり;
Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分又はその保護形態もしくはそのシントンである]
で表される化合物を提供する。
特定の有用性をもつ構造的に関連する化合物の任意の群及びそれらの製造方法と同様に、式(3)の化合物の変形のある実施態様も、それらの最終用途に特に有用である。
式(3)の化合物において、L部分は、放射性核種に結合することができる配位子とさらなる合成点を分離する2つのカルボニル部分の間のスペーサーとして作用するように機能する連結部分としての役割を果たす。よって、2つの実体が互いの活性を確実に妨害しないように、その2つの間がある程度分離されていることが望ましいが、放射性核種がその作用部位に効果的に送達されないほど、その2つが遠く離れていないことも重要である。
いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜20個の原子を有する連結部分である。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜15個の原子を有する連結部分である。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜12個の原子を有する連結部分である。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜10個の原子を有する連結部分である。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜8個の原子を有する連結部分である。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に8個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に7個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に6個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に5個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に4個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に3個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に2個の原子を有する。いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1個の原子を有する。
広範な可能な部分を使用して、このタイプの連結部分を作製してよい。Lの作製で使用してよい適切な部分の例としては、場合により置換されているC−C12アルキル、置換C−C12ヘテロアルキル、場合により置換されているC−C12シクロアルキル、場合により置換されているC−C18アリール及び場合により置換されているC−C18ヘテロアリールが挙げられる。
いくつかの実施態様において、Lは、式:
−(CHCO(AA)NH(CH
[式中、各AAは、独立して、アミノ酸基であり;
qは、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数であり;
rは、0、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数であり;
sは、0、1、2、3、4、5、6、7及び8からなる群より選択される整数である]
で表される基である。
いくつかの実施態様において、qは、1である。いくつかの実施態様において、qは、2である。いくつかの実施態様において、qは、3である。いくつかの実施態様において、qは、4である。いくつかの実施態様において、qは、5である。いくつかの実施態様において、qは、6である。いくつかの実施態様において、qは、7である。いくつかの実施態様において、qは、8である。
いくつかの実施態様において、rは、0である。いくつかの実施態様において、rは、1である。いくつかの実施態様において、rは、2である。いくつかの実施態様において、rは、3である。いくつかの実施態様において、rは、4である。いくつかの実施態様において、rは、5である。いくつかの実施態様において、rは、6である。いくつかの実施態様において、rは、7である。いくつかの実施態様において、rは、8である。
いくつかの実施態様において、sは、0である。いくつかの実施態様において、sは、1である。いくつかの実施態様において、sは、2である。いくつかの実施態様において、sは、3である。いくつかの実施態様において、sは、4である。いくつかの実施態様において、sは、5である。いくつかの実施態様において、sは、6である。いくつかの実施態様において、sは、7である。いくつかの実施態様において、sは、8である。
いくつかの実施態様において、アミノ酸は、天然アミノ酸である。いくつかの実施態様において、アミノ酸は、非天然アミノ酸である。いくつかの実施態様において、アミノ酸は、フェニルアラニン、チロシン、アミノヘキサン酸及びシステインからなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、qは、3であり、rは、0であり、そして、sは、5である。これらの実施態様において、Xは、式:
−(CHCONH(CH
で表される基である。
いくつかの実施態様において、Lは、式:
−(CH
[式中、場合により1つ又は複数のCH基は、独立して、S、O、P及びNR(ここで、Rは、H、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12シクロアルキル、場合により置換されているC−C18アリール及び場合により置換されているC−C18ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14及び15からなる群より選択される整数である]
で表される基である。
これらの実施態様のいくつかの形態において、L基は、ポリエトキシ基(PEG)を含有してよい。いくつかの実施態様において、Lは、式:
−(CH−(CHCHO)(CH
[式中、lは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数であり;
mは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数であり;そして
nは、0、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
で表される基である。
いくつかの実施態様において、lは、0、1、2、3、4及び5からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、lは、5である。いくつかの実施態様において、lは、4である。いくつかの実施態様において、lは、3である。いくつかの実施態様において、lは、2である。いくつかの実施態様において、lは、1である。いくつかの実施態様において、lは、0である。
いくつかの実施態様において、mは、0、1、2、3、4及び5からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、mは、5である。いくつかの実施態様において、mは、4である。いくつかの実施態様において、mは、3である。いくつかの実施態様において、mは、2である。いくつかの実施態様において、mは、1である。いくつかの実施態様において、mは、0である。
いくつかの実施態様において、nは、0、1、2、3、4及び5からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、nは、5である。いくつかの実施態様において、nは、4である。いくつかの実施態様において、nは、3である。いくつかの実施態様において、mは、2である。いくつかの実施態様において、nは、1である。いくつかの実施態様において、nは、0である。
このタイプのL基の具体例としては、−CH−(CHCHO)(CH−;及び−(CHCHO)(CH−が挙げられる。当業者であれば明らかなように、l、m及びnの値は、このタイプの数多くの可能なL基に到達するために広範に変更することができる。
いくつかの実施態様において、Lは、式:
−(CH
[式中、場合により1つ又は複数のCH基は、独立して、S、O、P及びNR(ここで、Rは、H、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12シクロアルキル、場合により置換されているC−C18アリール及び場合により置換されているC−C18ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;そして
aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
で表される基である。
いくつかの実施態様において、aは、1、2、3、4及び5からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、aは、4である。いくつかの実施態様において、aは、3である。いくつかの実施態様において、aは、2である。いくつかの実施態様において、aは、1である。
いくつかの実施態様において、Lは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−、−CHCHCHCH−及び−CHOCH−からなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、Lは、−(CH)−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH−である。いくつかの実施態様において、Lは、−(CH10−である。
いくつかの実施態様において、配位子(Lig)は、シクラム及びシクレン骨格ベースのテトラアザマクロ環であってよい。いくつかの実施態様において、Ligは、窒素含有ケージ金属配位子である。このタイプのケージ配位子は、典型的には、これらが金属イオンに強く結合し、安定な錯体を形成するので有用である。
いくつかの実施態様において、Ligは、式:
Figure 0006047581

[Vは、N及びCRからなる群より選択され;
各R及びRは、H、CH、COH、NO、CHOH、HPO、HSO、CN、CONH及びCHOからなる群より独立して選択され;
各pは、独立して、2、3及び4からなる群より選択される整数であり;
は、H、OH、ハロゲン、NO、NH、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C18アリール、シアノ、CO、NHR、N(R及び式:
Figure 0006047581

[Lは、上記に定義されるとおりであり;
は、H、OH、NH、NHR、N(R及びNH−L−Rからなる群より選択され、
は、上記に定義されるとおりであり;
Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分又はその保護形態もしくはそのシントンである]
で表される基からなる群より選択され;
は、H、ハロゲン、酸素保護基、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12アルケニル、場合により置換されているC−C12アルキニル及び場合により置換されているC−C12ヘテロアルキルからなる群より選択され;
各Rは、H、L−R’、窒素保護基、場合により置換されているC−C12アルキル、−(C=O)−置換C−C12アルキル、場合により置換されているC−C12アルケニル、場合により置換されているC−C12アルキニル及び場合により置換されているC−C12ヘテロアルキルからなる群より独立して選択され;
ここで、Lは、上記に定義されるとおりであり;
R’は、H、場合により置換されているC−C12アルキル又は生物学的実体に結合することが可能な部分である]
で表される窒素含有ケージ金属配位子である。
いくつかの実施態様において、Ligは、式:
Figure 0006047581

[Vは、N及びCRからなる群より選択され;
各R及びRは、H、CH、COH、NO、CHOH、HPO、HSO、CN、CONH及びCHOからなる群より独立して選択され;
各pは、独立して、2、3及び4からなる群より選択される整数であり;
は、H、OH、ハロゲン、NO、NH、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C18アリール、シアノ、CO、NHR、N(Rからなる群より選択され;
は、H、ハロゲン、酸素保護基、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12アルケニル、場合により置換されているC−C12アルキニル及び場合により置換されているC−C12ヘテロアルキルからなる群より選択され;
各Rは、H、L−R’、窒素保護基、場合により置換されているC−C12アルキル、−(C=O)−置換C−C12アルキル、場合により置換されているC−C12アルケニル、場合により置換されているC−C12アルキニル及び場合により置換されているC−C12ヘテロアルキルからなる群より独立して選択され;
ここで、Lは、上記に定義されるとおりであり、そして、R’は、H、場合により置換されているC−C12アルキル又は生物学的実体に結合することが可能な部分である]
で表される窒素含有ケージ金属配位子である。
いくつかの実施態様において、Ligは、式:
Figure 0006047581

[式中、R、R及びpは、上記に定義されるとおりである]
で表されるマクロ環式金属配位子である。
いくつかの実施態様において、Ligは、式:
Figure 0006047581

[式中、R、R、R及びpは、上記に定義されるとおりである]
で表されるマクロ環式配位子である。
いくつかの実施態様において、Ligは、下記:
Figure 0006047581

[式中、Rは、上記に定義されるとおりである]
からなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、Ligは、式:
Figure 0006047581

で表される基である。
いくつかの実施態様において、Lは、直鎖内に1〜20個の原子を有する連結部分である。
いくつかの実施態様において、Lは、式:
−(CH
[式中、場合により1つ又は複数のCH基は、独立して、S、O、P及びNR(ここで、Rは、H、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12シクロアルキル、場合により置換されているC−C18アリール及び場合により置換されているC−C18ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
で表される基である。
いくつかの実施態様において、aは、1、2、3、4及び5からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、aは、4である。いくつかの実施態様において、aは、3である。いくつかの実施態様において、aは、2である。いくつかの実施態様において、aは、1である。
いくつかの実施態様において、Lは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−及び−CHCHCHCH−からなる群より選択される。いくつかの実施態様において、Lは、−CHCHCH−である。
Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分又はその保護形態もしくはそのシントンである。その部分は、生物学的部分、例えば、抗体、タンパク質、ペプチド、糖質、核酸、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖及びリポソーム又はそのフラグメントもしくは誘導体に結合する能力を有しうる。
よって、R基は、関心のある生物学的実体上の相補的部分と反応するか又は該部分に結合する。例えば、1つの実施態様において、R部分は、生物学的実体上の相補的部分とのクリック化学反応に関与することが可能な部分である。「クリック」化学反応を受けることがよく知られている相補的な一対の官能基の例は、アルキン−アジド、アルキン−ニトリルオキシド、ニトリル−アジド及びマレイミド−アントラセンである。これらの一対の相補的官能基の各々は、共有付加環化反応で互いに直接反応した場合に、環式部分を生じる。当業者であれば、クリック化学の要件を満たす、このタイプの付加環化反応に関与することが可能な他の官能基対を選択することができるだろう。一般的に、R基の特定性は、関心のある生物学的実体上の関連する相補的R基に基づいて選択されるだろう。
R基は、また、生物学的実体上のペンダント部分(天然に存在するか又は生物学的実体の改変によるかのいずれか)との反応によって、生物学的実体と反応又は生物学的実体に結合させてもよい。また、当業者であれば、関心のある生物学的実体を任意の特定の状況において再検討して、R基上のペンダント部分に結合する適切なR基を決定することができるだろう。
いくつかの実施態様において、Rは、−NCS、COH、NH、アジド、アルキン、イソニトリル、テトラジン、マレイミド又はその保護形態もしくはそのシントンからなる群より選択される。
本発明の化合物のいくつかの実施態様において、窒素含有マクロ環式金属配位子は、金属イオンと錯体を形成する。該配位子は、任意の適切な金属イオンと錯体を形成してよく、そして、広範な金属イオンを送達するために使用してよい。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、Cu、Tc、Gd、Ga、In、Co、Re、Fe、Mg、Ca、Au、Ag、Rh、Pt、Bi、Cr、W、Ni、V、Ir、Pt、Zn、Cd、Mn、Ru、Pd、Hg及びTiからなる群より選択される。
いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、Cu、Tc、Ga、Co、In、Fe及びTiからなる群より選択される放射性核種である。本化合物は、銅イオンとの結合において特に適用可能で有用であることが見いだされた。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、60Cu、62Cu、64Cu及び67Cuからなる群より選択される放射性核種である。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、60Cuである。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、62Cuである。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、64Cuである。いくつかの実施態様において、金属イオン中の金属は、67Cuである。
本発明は、また、上述される本発明の化合物と薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤を含む医薬組成物に関する。
本発明の方法の1つの実施態様において、工程(a)は、
(a1)式(1)の化合物又はその金属錯体を、式(Ia):
Figure 0006047581

[式中、Lvは、求核置換反応において窒素部分によって置き換えられうる基である]
で表される化合物又はその金属錯体に変換する工程;
(a2)式(1a)の化合物又はその金属錯体を、式:
Figure 0006047581

で表される窒素求核剤と反応させて、式(2)の化合物又はその金属錯体を形成する工程を含む。
本方法のいくつかの実施態様において、基Lvは、脱離基である。いくつかの実施態様において、工程(1a)及び(1b)は、金属がケージ配位子中の窒素原子の保護基として作用するので、反応するそれぞれの化合物の金属錯体で行われる。
いくつかの実施態様において、アミンをアジド、チオホスゲン(thiosphosgene)、二硫化炭素及び酸無水物からなる群より選択される試薬と反応させることによって、式(2)の化合物は、式(3)の化合物に変換される。いくつかの実施態様において、この反応は、式(2)の化合物の金属錯体で行われる。いくつかの実施態様において、この反応は、式(2)の非錯体又は遊離化合物で行われる。式(2)の化合物が金属錯体として生成することが起こる実施態様において、本方法は、さらなる反応の前に、金属錯体を除去する追加の工程を含む。
いくつかの実施態様において、試薬は、アジドである。いくつかの実施態様において、試薬は、チオホスゲンである。いくつかの実施態様において、試薬は、二硫化炭素である。いくつかの実施態様において、試薬は、無水マレイン酸である。
本教示のこれらの特徴及び他の特徴は、本明細書において説明する。
詳細な説明
本出願において、当業者によく知られたいくつかの用語が使用される。そうは言うものの、明確にするためにいくつかの用語を定義する。
本明細書において使用されるように、用語「非置換」は、置換基がないこと又は置換基が水素だけであることを意味する。
用語「場合により置換されている」は、本明細書を通して使用されるように、基が、1つ又は複数の水素以外の置換基で、さらに置換されているか又は該置換基と縮合(縮合多環系を形成するため)していても、していなくてもよいことを示す。ある実施態様において、置換基は、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、−CF、−OCF、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキルアルキル、ヘテロシクロアルキルアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキル、シクロアルキルアルケニル、ヘテロシクロアルキルアルケニル、アリールアルケニル、ヘテロアリールアルケニル、シクロアルキルヘテロアルキル、ヘテロシクロアルキルヘテロアルキル、アリールヘテロアルキル、ヘテロアリールヘテロアルキル、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシシクロアルキル、アルキルオキシヘテロシクロアルキル、アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、アルキルオキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、フェノキシ、ベンジルオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニルアミノ、スルフィニルアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、スルフィニル、アルキルスルフィニル、アリールスルフィニル、アミノスルフィニルアミノアルキル、−C(=O)OH、−C(=O)R、−C(=O)OR、C(=O)NR、C(=NOH)R、C(=NR)NR、NR、NRC(=O)R、NRC(=O)OR、NRC(=O)NR、NRC(=NR)NR、NRSO、−SR、SONR、−OR、OC(=O)NR、OC(=O)R及びアシルからなる群より独立して選択される1つ又は複数の基である。ここで、R、R、R及びRは、各々、H、C−C12アルキル、C−C12ハロアルキル、C−C12アルケニル、C−C12アルキニル、C−C10ヘテロアルキル、C−C12シクロアルキル、C−C12シクロアルケニル、C−C12ヘテロシクロアルキル、C−C12ヘテロシクロアルケニル、C−C18アリール、C−C18ヘテロアリール及びアシルからなる群より独立して選択されるか、又はR、R、R及びRの任意の2つ以上は、これらが連結している原子と一緒になった場合、3〜12個の環原子を有する複素環系を形成する。
いくつかの実施態様において、各任意の置換基は、ハロゲン、=O、=S、−CN、−NO、−CF、−OCF、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、ヒドロキシアルキル、アルキルオキシ、アルキルオキシアルキル、アルキルオキシアリール、アルキルオキシヘテロアリール、アルケニルオキシ、アルキニルオキシ、シクロアルキルオキシ、シクロアルケニルオキシ、ヘテロシクロアルキルオキシ、ヘテロシクロアルケニルオキシ、アリールオキシ、ヘテロアリールオキシ、アリールアルキル、ヘテロアリールアルキル、アリールアルキルオキシ、アミノ、アルキルアミノ、アシルアミノ、アミノアルキル、アリールアミノ、スルホニル、アルキルスルホニル、アリールスルホニル、アミノスルホニル、アミノアルキル、−COOH、−SH及びアシルからなる群より独立して選択される。
特に適切な任意の置換基の例としては、F、Cl、Br、I、CH、CHCH、OH、OCH、CF、OCF、NO、NH及びCNが挙げられる。
本明細書において使用されるように、用語「アミノ酸」は、アミン官能基とカルボキシル官能基を共に含有する分子を指す。アミノ酸は、天然アミノ酸であっても非天然アミノ酸であってもよい。
「アルケニル」は、基又は基の一部として、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含有し、直鎖内に、好ましくは、2〜12個の炭素原子、より好ましくは、2〜10個の炭素原子、最も好ましくは、2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖でありうる、脂肪族炭化水素基を示す。該基は、直鎖内に複数の二重結合を含有してよく、そして、各々の配向は、独立して、E又はZである。典型的なアルケニル基としては、特に限定されないが、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル及びノネニルが挙げられる。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「アルキル」は、特に断りのない限り、基又は基の一部として、直鎖又は分岐鎖の脂肪族炭化水素基、好ましくは、C−C12アルキル、より好ましくは、C−C10アルキル、最も好ましくは、C−Cを指す。適切な直鎖及び分岐鎖C−Cアルキル置換基の例としては、メチル、エチル、n−プロピル、2−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、t−ブチル、ヘキシルなどが挙げられる。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「アルキニル」は、基又は基の一部として、炭素−炭素三重結合を含有し、直鎖内に、好ましくは、2〜12個の炭素原子、より好ましくは、2〜10個の炭素原子、より好ましくは、2〜6個の炭素原子を有する直鎖又は分岐鎖でありうる、脂肪族炭化水素基を意味する。典型的な構造としては、特に限定されないが、エチニル及びプロピニルが挙げられる。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「アリール」は、基又は基の一部として、(i)好ましくは、環あたり5〜12個の原子を有する、場合により置換されている単環式又は縮合多環式の芳香族炭素環(全て炭素である環原子を有する環構造)(アリール基の例としては、フェニル、ナフチルなどが挙げられる);(ii)場合により置換されている部分飽和の二環式芳香族炭素環部分(フェニルとC5−7シクロアルキル又はC5−7シクロアルケニル基が一緒に縮合して、テトラヒドロナフチル、インデニル又はインダニルなどの環式構造を形成する)を示す。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。典型的には、アリール基は、C−C18アリール基である。
「シクロアルキル」は、特に指定しない限り、好ましくは、環あたり3〜9個の炭素を含有する、飽和単環式又は縮合もしくはスピロ多環式の炭素環、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを指す。これには、シクロプロピル及びシクロヘキシルなどの単環式系、デカリンなどの二環式系及びアダマンタンなどの多環式系が含まれる。シクロアルキル基は、典型的には、C−Cシクロアルキル基である。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「ハロゲン」は、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素を表す。
「ヘテロアルキル」は、好ましくは、鎖内に、2〜12個の炭素、より好ましくは、2〜6個の炭素を有する、直鎖又は分岐鎖アルキル基であって、その中の1つ又は複数の炭素原子(及び任意の関連する水素原子)が、各々独立して、S、O、P及びNR’(ここで、R’は、H、場合により置換されているC−C12アルキル、場合により置換されているC−C12シクロアルキル、場合により置換されているC−C18アリール及び場合により置換されているC−C18ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっている、直鎖又は分岐鎖アルキル基を指す。典型的なヘテロアルキルとしては、アルキルエーテル、第二級及び第三級アルキルアミン、アミド、硫化アルキルなどが挙げられる。ヘテロアルキルの例としては、また、ヒドロキシC−Cアルキル、C−CアルキルオキシC−Cアルキル、アミノC−Cアルキル、C−CアルキルアミノC−Cアルキル及びジ(C−Cアルキル)アミノC−Cアルキルが挙げられる。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「ヘテロアリール」は、単独で又は基の一部としてのいずれかで、芳香環中に環原子として1つ又は複数のヘテロ原子を有し、残りの環原子が炭素原子である芳香環(好ましくは、5又は6員芳香環)を含有する基を指す。適切なヘテロ原子としては、窒素、酸素及び硫黄が挙げられる。ヘテロアリールの例としては、チオフェン、ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、ベンゾイミダゾール、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイソチアゾール、ナフト[2,3−b]チオフェン、フラン、イソインドリジン、キサントレン、フェノキサチン、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、テトラゾール、インドール、イソインドール、1H−インダゾール、プリン、キノリン、イソキノリン、フタラジン、ナフチリジン、キノキサリン、シンノリン、カルバゾール、フェナントリジン、アクリジン、フェナジン、チアゾール、イソチアゾール、フェノチアジン、オキサゾール、イソオキサゾール、フラザン、フェノキサジン、2−、3−又は4−ピリジル、2−、3−、4−、5−又は8−キノリル、1−、3−、4−又は5−イソキノリニル、1−、2−又は3−インドリル、及び2−又は3−チエニルが挙げられる。ヘテロアリール基は、典型的には、C−C18ヘテロアリール基である。該基は、末端基であっても架橋基であってもよい。
「脱離基」は、所望の導入する化学部分によって容易に置き換えられる化学基である。従って、任意の状況において、脱離基の選択は、導入する化学部分によって置き換えられる特定の基の能力に依存する。適切な脱離基は当該分野においてよく知られており、例えば、「Advanced Organic Chemistry」Jerry March 4thEdn. pp 351-357, Oak Wick and Sons NY (1997)を参照されたい。適切な脱離基の例としては、特に限定されないが、ハロゲン、アルコキシ(エトキシ、メトキシなど)、スルホニルオキシ、場合により置換されているアリールスルホニルが挙げられる。具体例としては、クロロ、ヨード、ブロモ、フルオロ、エトキシ、メトキシ、メタンスルホニル、トリフラートなどが挙げられる。
用語「直鎖」は、連結部分の2つの末端をつなぐ直接鎖(direct chain)を指す。
用語「薬学的に許容しうる塩」は、上記に同定される化合物の所望の生物学的活性を保持する塩を指し、そして、薬学的に許容しうる酸付加塩及び塩基付加塩を含む。式(I)の化合物の適切な薬学的に許容しうる酸付加塩は、無機酸又は有機酸から調製することができる。そのような無機酸の例は、塩酸、硫酸及びリン酸である。適切な有機酸は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、複素環カルボン酸及びスルホン酸クラスから選択してよく、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、フマル酸、マレイン酸、アルキルスルホン酸、アリールスルホン酸である。薬学的に許容しうる塩に関する追加情報は、Remington's Pharmaceutical Sciences, 19th Edition, Mack Publishing Co., Easton, PA 1995に見いだすことができる。薬剤が固体である場合、当業者であれば、本発明の化合物、薬剤及び塩が異なる結晶形態又は多形で存在してよく、その全てが本発明及び特定した式の範囲内であることが意図されると理解される。
用語「治療有効量」又は「有効量」は、有益な又は所望の臨床結果をもたらすのに十分な量である。有効量は、1回又は複数回の投与で投与することができる。有効量は、典型的には、疾患状態の進行を、緩和、改善、安定、反転、減速又は遅延させるのに十分である。放射性イメージングのための有効量は、典型的には、被検体中の放射性核種を同定するために十分な量である。
用語「分子認識部分」は、特定の分子実体、典型的には、生理学的環境における受容体位置に結合することができる実体を指す。この用語は、抗体、タンパク質、ペプチド、糖質、核酸、オリゴヌクレオチド、オリゴ糖及びリポソームを含む。
用語「酸素保護基」は、保護した化合物のさらなる誘導体化の間に酸素部分が反応するのを防止することができ、かつ希望するときに容易に除去することができる基を意味する。1つの実施態様において、保護基は、生理学的状態において自然の代謝プロセスによって除去可能である。酸素保護基の例としては、アシル基(アセチルなど)、エーテル(メトキシメチルエーテル(MOM)、β−メトキシエトキシメチルエーテル(MEM)、p−メトキシベンジルエーテル(PMB)、メチルチオメチルエーテル、ピバロイル(Piv)、テトラヒドロピラン(THP)など)及びシリルエーテル(トリメチルシリル(TMS)、tert−ブチルジメチルシリル(TBDMS)及びトリイソプロピルシリル(TIPS)など)が挙げられる。
用語「窒素保護基」は、保護した化合物のさらなる誘導体化の間に窒素部分が反応するのを防止することができ、かつ希望するときに容易に除去することができる基を意味する。1つの実施態様において、保護基は、生理学的状態において自然の代謝プロセスによって除去可能であり、そして、本質的には、保護した化合物は活性な未保護種のプロドラッグとして作用する。使用してよい適切な窒素保護基の例としては、ホルミル、トリチル、フタルイミド、アセチル、トリクロロアセチル、クロロアセチル、ブロモアセチル、ヨードアセチル;ウレタン型ブロッキング基、例えば、ベンジルオキシカルボニル(「CBz」)、4−フェニルベンジルオキシカルボニル、2−メチルベンジルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、4−フルオロベンジルオキシカルボニル、4−クロロベンジルオキシカルボニル、3−クロロベンジルオキシカルボニル、2−クロロベンジルオキシカルボニル、2,4−ジクロロベンジルオキシカルボニル、4−ブロモベンジルオキシカルボニル、3−ブロモベンジルオキシカルボニル、4−ニトロベンジルオキシカルボニル、4−シアノベンジルオキシカルボニル、t−ブトキシカルボニル(「tBoc」)、2−(4−キセニル)−イソプロポキシカルボニル、1,1−ジフェニルエタ−1−イルオキシカルボニル、1,1−ジフェニルプロパ−1−イルオキシカルボニル、2−フェニルプロパ−2−イルオキシカルボニル、2−(p−トルイル)−プロパ−2−イルオキシ−カルボニル、シクロ−ペンタニルオキシ−カルボニル、1−メチルシクロペンタニルオキシカルボニル、シクロヘキサニルオキシカルボニル、1−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−メチルシクロヘキサニルオキシカルボニル、2−(4−トルイルスルホノ)−エトキシカルボニル、2−(メチルスルホノ)エトキシカルボニル、2−(トリフェニルホスフィノ)−エトキシカルボニル、フルオレニルメトキシカルボニル(「FMOC」)、2−(トリメチルシリル)エトキシカルボニル、アリルオキシカルボニル、1−(トリメチルシリルメチル)プロパ−1−エニルオキシカルボニル、5−ベンズイソキサリル(benzisoxaly)メトキシカルボニル、4−アセトキシベンジルオキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、2−エチニル−2−プロポキシカルボニル、シクロプロピルメトキシカルボニル、4−(デシクロキシ)ベンジルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、1−ピペリジルオキシカルボリルなど;ベンゾイルメチルスルホノ基、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィンオキシドなどが挙げられる。用いられる実際の窒素保護基は、誘導体化窒素基がその後の反応条件に対して安定で、かつ任意の他の窒素保護基を含む分子の残りを実質的に破壊することなく必要に応じて選択的に除去することができる限りは重要ではない。これらの基のさらなる例は、Greene, T. W. and Wuts, P. G. M., Protective Groups in Organic Synthesis, Second edition; Wiley-Interscience: 1991; Chapter 7; McOmie, J. F. W. (ed.), Protective Groups in Organic Chemistry, Plenum Press, 1973; 及び Kocienski, P. J., Protecting Groups, Second Edition, Theime Medical Pub., 2000に見いだされる。
用語「クリック化学」は、極めて温和な条件下で実施することができる、高い反応収率の共有結合反応を表するために使用される。いくつかの「クリック」反応は、安定な環式構造を生成するための適切な官能基間の付加環化反応を含む。最もよく実証されているクリック反応は、1,2,3−トリアゾールを形成する、アジドとアルキンのHuisgen1,3−双極性付加環化のCu(I)触媒化変法である。多くのクリック反応は、熱力学的に推進され、速い反応時間、高い生成物収率及び反応における高い選択性をもたらす。
上述したような本発明の化合物は、様々な窒素含有マクロ環式金属配位子を含みうる。
配位子は、シクラム又はシクレン骨格ベースの単環式の窒素含有金属配位子であってよい。このタイプの配位子及びその誘導体は、Bernhardt (J. Chem. Soc., Dalton Transactions, 1996, pages 4319-4324), Bernhardt et al (J. Chem. Soc., Dalton Transactions, 1996, pages 4325-4330)、及び Bernhardt and Sharpe (Inorg Chem, 2000, 39, pages 2020-2025)などの当該分野において利用可能な方法を使用して合成することができる。この一般的なタイプの様々な他の配位子は、これらの文献に記載される手順の変法によって製造することができる。
配位子は、また、例えば、Geue (Chemical communications, 1994, page 667)に記載されるようなケージ様クリプタンド配位子であってもよい。このタイプのクリプタンド配位子は、Sargeson等の米国特許第4,497,737号に記載されており、その開示は、参照によって本明細書に組み入れられる。
合成は、金属イオン鋳型反応を含み、そして、塩基の存在下での、トリス−(ジアミン)金属イオン錯体(3欄、30〜35行を参照されたい)とホルムアルデヒド及び適切な求核剤の縮合を含む。求核剤の特定性は、ケージ配位子上の置換基の特定性を決定し、当業者であれば、縮合に使用する適切なアミンの賢明な選択及び求核剤の特定性によってケージ配位子の周りの様々な置換パターンに到達することができる。
本発明の出発物質である式(1)の化合物を生成するために、適切な反応条件下で、アミノ置換配位子又はその金属錯体形態を適切なジカルボニル化合物と反応させて最終生成物を得る。
反応は遊離配位子で実施してもよいが、環窒素の存在によって反応が損なわれる可能性が依然残っている。よって、金属が環中の第二級窒素原子の保護基として作用するように機能するので、その金属錯体を使用して反応を実施することが望ましい。これは、いくつかの異なる金属を使用して実施することができるが、マグネシウムが特に適切であることが認められる。
反応は、2種の反応体に不活性な任意の適切な溶媒中で行ってよく、溶媒の特定性は、無水物とアミン置換金属配位子の比溶解度によって決定される。使用してよい溶媒の例としては、脂肪族、芳香族又はハロゲン化炭化水素、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン;クロロベンゼン、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレン;エーテル及びエーテル化合物、例えば、ジアルキルエーテル、エチレングリコールモノ又は−ジアルキルエーテル、THF、ジオキサン;ニトリル、例えば、アセトニトリル又は2−メトキシプロピオニトリル;N、N−ジアルキル化アミド、例えば、ジメチルホルムアミド;及びジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチルウレア;ならびにこれらの溶媒の互いの混合物が挙げられる。
反応は任意のいくつかの適切な温度で行ってよく、反応温度は個別に容易に決定することができる。そうは言うものの、反応温度は、典型的には、0〜100℃、より典型的には、50〜80℃で実施される。
反応は、広範な活性化ジカルボニル化合物を使用して実施してよい。いくつかの実施態様において、活性化ジカルボニル化合物は、式:
Figure 0006047581

[式中、Lは、上記に定義されるとおりであり、そして、Zは、O、S又はNRである]
で表される無水物である。
このタイプの無水物化合物は、一般的に、あるLの値のものについては容易に入手可能であり、従って、これらの化合物は、入手可能なLの値のものが容易に使用されうる。これらの化合物では副反応の可能性をいくらか低下させるので、可能であればこれらを利用することが望ましい。
いくつかの実施態様において、活性化ジカルボニル化合物は、式:
Figure 0006047581

[式中、Lは、上記に定義されるとおりである。Yは、OH又はその保護形態であり、そして、Lは、脱離基である]
で表される化合物である。このタイプの化合物上のL基は、任意の適切な脱離基であってよいが、典型的には、Cl、Br、CHSO、CHSO及び式:
Figure 0006047581

で表される基からなる群より選択される。
このタイプの反応の適切な脱離基の選択において、当業者であれば、分子の残りの官能性及び各場合における活性化ジカルボニル化合物の生成の容易性を考慮するであろう。
該反応は、また、典型的には、塩基が反応を促進することが分かっているので塩基の存在下で実施される。適切な塩基の例としては、立体障害のある第三級アミンが挙げられるが、トリメチルアミン、トリエチレンアミン、ジイソプロピルエチルアミンなどのトリアルキルアミンが該反応での使用に適した塩基の例である。使用される塩基の量は、反応が進行するにつれて酸性化による影響を確実に受けないようにするために、かなりの過剰モル量となる量である。
生成される厳密な化合物は、反応化学量論及び出発物質に依存し、当業者であればこれらの変数のいずれかを調整して所望の最終生成物を生成することができる。
加えて、リンカーLを、上で詳述した経路によって容易に到達可能な化合物よりも相当長く伸長することが望ましく、さらなるアミノ酸基を鎖に導入するために、カルボキシ基を合成することが可能である(例えば、標準的なペプチド化学技術によって)。このタイプの反応を達成する方法は、十分に当業者に技術範囲内である。
本発明の方法において、式(1)の化合物を式(2)の化合物に変換する。この変換は、当該分野で公知の任意の方法で行ってよく、単一工程プロセスとして行っても複数工程プロセスとして行ってもよい。
加えて、式(1)の化合物のLig基上の置換基によっては、反応との干渉から置換基を保護する必要がある場合がある。例えば、出願人等は、Lig基が遊離アミノ基を含有する場合(例えば、元の配位子が1,8−ジアミノ−Sarであった場合)、反応の前に、適切な窒素保護基でアミノ基を最初に保護することが望ましいことを見いだした。このタイプの適切な保護基の例は、アセチル基である。
上述したように、該変換は、一工程であっても多工程プロセスであってもよい。従って、例えば、アミド形成反応は、式(1)の化合物と式NHNHで表される化合物の反応により行って(典型的には、カップリング試薬の存在下で)、アミド結合を形成することができる。しかし、多くの場合、変換は、最初にカルボン酸部分をその活性化形態に変換することによる多工程プロセスで行うことが望ましいことが見いだされた。
従って、いくつかの実施態様において、工程(a)は、
(a1)式(1)の化合物を、式(Ia):
Figure 0006047581

[式中、Lvは、求核置換反応において窒素部分によって置き換えられうる基である]
で表される化合物に変換する工程;
(a2)式(1a)の化合物を、式:
Figure 0006047581

で表される窒素求核剤と反応させて、式(2)の化合物を形成する工程
を含む。
求核種とのさらなる反応のためにカルボン酸部分が活性化された化合物を形成するために、式(1)の化合物を式(1a)の化合物に変換することができるいくつかの方法がある。従って、例えば、カルボン酸を活性化するよく知られた方法の1つは、これらを、例えば、塩化チオニルとの反応によって対応する酸塩化物に変換することである。実際、この変換は、OH基(比較的悪い脱離基である)を比較的良好な脱離基であるCl基に置き換える。このタイプのいくつかの変換が知られており、求核置換反応におけるカルボン酸基のOH部位の置換能力は、そのOH部位を別の種と反応させることによって増加する。本発明の1つの実施態様において、カルボン酸部分をアルコールと反応させて、窒素部分によってより容易に置換される対応するエステルを形成する。
式(1a)の基を形成したら、窒素部分、典型的には、下記式の窒素と反応させる。
Figure 0006047581
これらの反応はいくつかの方法で行ってよいが、出発物質から所望の最終生成物への顕著な変換を促進するためにアミンを過剰で使用することできる場合が好ましい。使用するための窒素部分の選択は、最終生成物中の所望のL基に依存し、そして、その部分はこの基準で選択される。特に有用な窒素部分の例は、1,3−ジアミノプロパンである。
次に、式(2)の化合物を、生物学的実体と結合することが可能な部分を導入するための適切な試薬との反応によって式(3)の化合物に変換する。この目的に適する数多くの試薬が公知であり、試薬の選択は、導入を希望する基の性質に依存する。試薬を選択したら、各個別の場合の適切な反応溶媒及び条件を決定する。
いくつかの実施態様において、アミンをアジド、チオホスゲン、二硫化炭素及び酸無水物からなる群より選択される試薬と反応させることによって、式(2)の化合物を式(3)の化合物に変換する。いくつかの実施態様において、試薬は、アジドである。いくつかの実施態様において、試薬は、チオホスゲンである。いくつかの実施態様において、試薬は、二硫化炭素である。いくつかの実施態様において、試薬は、無水マレイン酸である。
上述した方法を使用して生成されうる式(3)の化合物の例としては、下記:
Figure 0006047581

Figure 0006047581

Figure 0006047581

又はその金属錯体が挙げられる。
この方法で合成された化合物の金属錯体の形成は、当該分野でよく知られた技術を使用して実施される。
次に、反応性部分と生物学的要素上の適切な反応性要素を反応させることによって、これらの化合物をさらに合成して、関心のある化合物を生成することができる。従って、例えば、Rが、生物学的実体上の相補的部分とのクリック化学反応に関与することが可能な部分である場合、R基は、関心のある生物学的実体上の部分に応じて選択されるだろう。
この方法で合成された化合物の金属錯体の形成は、当該分野でよく知られた技術を使用して実施される。
上述したように、本発明の化合物は、これらが人体の処置で使用できるように補助しうる生物学的実体に結合することができることから有用である。生物学的実体に連結しており、かつ配位子と錯体形成した放射性核種を含有する式(3)の化合物を、放射線治療又は画像診断用途のいずれかにおいて使用することができる。各々の場合において、治療と画像診断は共に、処置/撮像される被検体の所望の組織又は臓器への放射性核種を含有する錯体の局在化の促進に関与する生物学的実体への結合に依存するだろう。
従って、例えば、式(3)の放射性標識化合物の使用に関連して、放射性標識化合物が体内の特定の位置に局在化したかどうか又は該化合物が概して体内に均一に分布しているか否かを決定するために、これらは、最初に関心のある生物学的実体に結合させて、続いて、有効量の放射性標識化合物を被検体に投与し、続いて、適切な時間後に被検体をモニタリングすることによって使用されると予想される。一般に、放射性標識化合物が体の組織又は臓器に局在化する場合、これは、使用する特定の分子認識部分によって認識される何かがその組織又は臓器に存在することを示す。
従って、画像診断用途における任意の本発明の放射性標識化合物の有効性を決定する上で、式(3)の化合物へ接続させる生物学的実体の賢明な選択が重要となる。これに関連して、分子認識部分として作用することができる広範な生物学的実体が、当該分野で公知であり、これらは十分に特徴付けられており、体内のある受容体を選択的に標的化すると知られている。特に、患者がある病気に罹患している場合に、組織又は臓器を標的化する分子認識部分又は分子認識部として作用することができるいくつかの生物学的実体が公知である。公知であって本発明において使用してよい、分子認識部分又は分子認識部として作用することができる生物学的実体の例としては、オクトレオタート、オクトレオチド、[Tyr]−オクトレオタート、[Tyr]−オクトレオタート、ボンベシン、ボンベシン(7−14)、ガストリン放出ペプチド、単一アミノ酸、ペネトラチン、アネキシンV、TAT、環状RGD、グルコース、グルコサミン(及び伸長した糖質)、葉酸、ニューロテンシン、神経ペプチドY、コレシストキニン(CCK)類似体、血管活性腸管ペプチド(VIP)、サブスタンスP、α−メラニン細胞刺激ホルモン(MSH)が挙げられる。例えば、ある種の癌は、ソマトスタチン受容体を過剰発現することが公知であり、そのために、分子認識部分は、これらの受容体を標的とするものであってよい。このタイプの分子認識部分又は分子認識部の一例は、[Tyr]−オクトレオタートである。分子認識部分又は分子認識部の別の例は、インテグリン標的環状ペプチドである環状RGDである。他の例において、適切な分子認識部分又は分子認識部は、乳癌及び膵臓癌を標的化することが公知であるボンベシンである。
被検体の放射性標識材料の位置をモニタリングすることは、典型的には、分析者に放射性標識材料の位置と、従って、分子認識部分(癌組織など)が標的化する任意の材料の位置に関する情報を提供する。有効量の本発明の化合物は、いくつかの要因に依存し、そして、必然的に、所望の放射性イメージング効果を達成するために必要とされる放射能の量と、有害となりうる不必要な放射線レベルに被検体(又はそれらの組織又は臓器)を曝露しないという当然の利益とのバランスに関与する。
本発明の処置の方法は、適切な生物学的実体に結合し、かつ放射性核種と錯体形成している式(3)の化合物の投与を含む。生物学的実体に結合した後の式(3)の化合物は、放射性核種をその作用機序が望まれる体内の所望の位置に送達することができる。上述したように、分子認識部分として作用する適切な生物学的実体の例は、当該分野で公知であり、当業者であれば、処置される体内の所望の組織を標的化するための適切な分子認識部分を選択することができる。
治療有効量は、従来技術を使用し、得られた結果を同様の状況下で観察することによって担当医が容易に決定することができる。治療有効量を決定する上で、動物の種、その大きさ、年齢及び総体的な健康状態、関係する具体的な状態、状態の重症度、処置に対する患者の応答、投与される特定の放射性標識化合物、投与の様式、投与される製剤のバイオアベイラビリティ、選択される投薬レジメン、他の薬物の使用ならびに他の関連する状況を非限定的に含むいくつかの要因が考慮される。
加えて、処置レジメンは、典型的にはいくつかのサイクルの放射線治療を含み、そのサイクルは、その状態が改善されるような時点まで継続される。最適なサイクル数及び各処置サイクル間の間隔もまた、処置される状態の重症度、処置される被検体の健康状態(又はその欠乏)及び放射線治療に対する反応などのいくつかの要因に依存するだろう。一般的に、最適な投薬量及び最適な処置レジメンは、当業者であればよく知られた技術を使用して容易に決定することができる。
本発明の化合物の使用において、該化合物は、所望の用途(撮像又は放射線治療)に利用可能にする任意の形態又は様式で投与することができる。このタイプの製剤を調製する当業者であれば、選択される化合物の特定の特性、処置される状態、処置される状態の病期及び他の関連する状況に応じて、投与の適正な形態及び様式を容易に選択することができる。さらなる情報については、Remingtons Pharmaceutical Sciences, 19th edition, Mack Publishing Co. (1995)を参照されたい。
本発明の化合物は、単独で、又は薬学的に許容しうる担体、希釈剤又は賦形剤と組み合わせた医薬組成物の形態で投与することができる。本発明の化合物は、それ自体で効果的であるが、それらの薬学的に許容しうる塩の形態が、典型的にはより安定で、より容易に結晶化され、かつ高い溶解性を有するため、典型的にはこれらの形態で製剤化及び投与される。
しかし、該化合物は、典型的には、所望の投与様式に応じて製剤化される医薬組成物の形態で使用される。該組成物は、当該分野でよく知られた様式で調製される。
本発明は、他の実施態様において、本発明の医薬組成物の1つ又は複数の成分を充填した1つ又は複数の容器を含む薬学的パック又はキットを提供する。そのようなパック又はキットにおいて、薬剤の単位用量を有する少なくとも1つの容器を見いだすことができる。好都合には、キットでは、医師がバイアルを直接用いることができるように滅菌バイアル中の単位用量を提供することができ、ここで、バイアルは、使用前に混合されうる所望の量及び濃度の化合物及び放射性核種を有する。そのような容器には、使用説明書、又は医薬品、造影剤もしくは生物学的製剤の製造、使用もしくは販売を規制する政府機関による所定の形式の通知書(その通知書は、ヒトへの投与に関する製造、使用又は販売の政府機関による承認を示す)などの様々な書類を添付することができる。
本発明の化合物は、上述した障害/疾患の処置のための1つ又は複数の追加の薬物(抗癌剤である)及び/又は手順(例えば、外科手術、放射線治療)と組み合わせて使用又は投与してよい。成分は、同じ製剤で又は別個の製剤で投与することができる。別個の製剤で投与する場合、本発明の化合物は他の薬物と逐次又は同時に投与してよい。
1つ又は複数の追加の薬物(抗癌剤を含む)と組み合わせて投与することができることに加えて、本発明の化合物は併用療法で使用してもよい。この併用療法が行われる場合、該化合物は、典型的には、互いに組み合わせて投与される。従って、所望の効果を達成するために、1つ又は複数の本発明の化合物を、同時(組み合わせた製剤として)又は逐次のいずれかで投与してよい。これは、2種の薬物の組み合わせた効果によって治療結果が改善されるように、各化合物の治療プロファイルが異なる場合にとりわけ望ましい。
非経口注射のための本発明の医薬組成物は、薬学的に許容しうる滅菌の水性もしくは非水性液剤、分散剤、懸濁剤又は乳剤、ならびに使用直前に滅菌注射用液剤もしくは分散剤に再構成するための滅菌粉剤を含む。適切な水性及び非水性担体、希釈剤、溶媒又は媒体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)及びそれらの適切な混合物、植物油(オリーブ油など)ならびにオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが挙げられる。例えば、レシチンなどのコーティング材料の使用によって、分散剤の場合には必要とされる粒径の維持によって及び界面活性剤の使用によって、適正な流動性を維持することができる。
これらの組成物は、また、保存料、湿潤剤、乳化剤及び分散剤などの補助剤を含有してもよい。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などを包含することによって確実にしてもよい。また、糖、塩化ナトリウムなどの等張剤を含めることが望ましい場合もある。注射用薬学的剤形の持続的吸収は、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンなどの吸収を遅延させる薬剤の包含によって行ってもよい。
所望であれば、より効果的な分布のために、該化合物を、ポリマーマトリックス、リポソーム及びミクロスフェアなどの徐放又は標的送達系に包含することができる。
注射用製剤は、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、又は使用直前に滅菌水もしくは他の滅菌注射用媒体に溶解もしくは分散させることができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を包含することによって滅菌することができる。
経口投与のための固体剤形としては、カプセル剤、錠剤、丸剤、粉剤及び顆粒剤が挙げられる。そのような固体剤形では、活性化合物を、少なくとも1つの不活性な薬学的に許容しうる賦形剤もしくは担体(クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなど)、及び/又はa)充填剤もしくは増量剤(デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸など)、b)結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアラビアゴムなど)、c)保湿剤(グリセロールなど)、d)崩壊剤(寒天、炭酸カルシウム、ジャガイモ又はタピオカデンプン、アルギン酸、ある種のケイ酸塩及び炭酸ナトリウムなど)、e)溶解遅延剤(パラフィンなど)、f)吸収促進剤(第四級アンモニウム化合物など)、g)湿潤剤(例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロールなど)、h)吸収剤(カオリン及びベントナイトクレーなど)、及びi)潤滑剤(タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウムなど)ならびにそれらの混合物と混合する。カプセル剤、錠剤及び丸剤の場合、該剤形は、緩衝剤を含んでもよい。
また、同様のタイプの固体組成物は、軟質及び硬質充填ゼラチンカプセル剤中の充填剤として、ラクトース又は乳糖ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどの賦形剤を用いてもよい。
錠剤、糖衣錠、カプセル剤、丸剤及び顆粒剤の固体剤形は、腸溶コーティング及び医薬製剤分野においてよく知られた他のコーティングなどのコーティング及びシェルを用いて調製することができる。これらは、場合により乳白剤を含有してもよく、また、有効成分のみを放出するか、又は腸管のある部分において、場合により遅延様式で、有効成分を優先的に放出する組成物でありうる。使用することができる包埋組成物の例としては、ポリマー物質及びワックスが挙げられる。
所望であれば、より効果的な分布のために、該化合物を、ポリマーマトリックス、リポソーム及びミクロスフェアなどの徐放又は標的送達系に包含することができる。
活性化合物は、また、適切であれば、1つ又は複数の上記の賦形剤とのマイクロカプセル化形態でありうる。
経口投与のための液体剤形としては、薬学的に許容しうる乳剤、液剤、懸濁剤、シロップ剤及びエリキシル剤が挙げられる。活性化合物に加えて、液体剤形は、当該分野において通常使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール及びソルビタンの脂肪酸エステルならびにそれらの混合物を含有してよい。
不活性希釈剤の他に、経口組成物は、また、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味料、矯味剤及び香料などの補助剤を含むことができる。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトール及びソルビタンエステル、微晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天及びトラガカントならびにそれらの混合物を含有してよい。
上述したように、本実施態様の化合物は、増殖性疾患の処置及び/又は検出に有用でありうる。そのような細胞増殖性疾患又は状態の例としては、癌(任意の転移を含む)、乾癬及び再狭窄などの平滑筋細胞増殖性障害が挙げられる。本発明の化合物は、腫瘍(例えば、乳癌、結腸癌、肺癌、卵巣癌、前立腺癌、頭部及び/又は頸部癌、又は腎臓癌、胃癌、膵臓癌及び脳腫瘍)ならびに悪性血液疾患(例えば、リンパ腫及び白血病)の処置及び/又は検出に特に有用でありうる。加えて、本発明の化合物は、他の抗癌剤による処置及び/又は検出に抵抗性の増殖性疾患の処置及び/又は検出;ならびに過剰増殖性状態(例えば、白血病、乾癬及び再狭窄)の処置及び/又は検出に有用でありうる。他の実施態様において、本発明の化合物は、家族性腺腫性ポリープ症、大腸腺腫性ポリープ、骨髄異形成症、子宮内膜異形成症、子宮内膜異型増殖症、子宮頸部異形成症、膣上皮内腫瘍、良性前立腺過形成、咽頭の乳頭腫、光線性及び日光性角化症、脂漏性角化症ならびに角化棘細胞腫を含む前癌状態又は過形成を処置及び/又は検出するために使用することができる。
本発明の化合物の合成
様々な実施態様の薬剤を、当該分野において利用可能な技術を用い、容易に入手可能な出発物質を使用して、後述するような反応経路及び合成スキームを使用して調製することができる。本実施態様の特定の化合物の調製は、以下の実施例に詳細に記載するが、当業者であれば、様々な実施態様のいくつかの他の薬剤を調製するために、記載する化学反応を容易に適合できることが理解されよう。例えば、非例示化合物の合成は、当業者に明らかな改変によって、例えば、妨害する基を適切に保護することによって、当該分野で公知の他の適切な試薬に変更することによって、又は反応条件の日常的な改変を行うことによって首尾よく実施されうる。有機合成における適切な保護基の一覧は、T.W. Greene's Protective Groups in Organic Synthesis, 3rdEdition, John Wiley & Sons, 1991に見いだすことができる。あるいは、本明細書に開示される又は当該分野で公知の他の反応は、様々な実施態様の他の化合物の調製に適用性があることが理解されるだろう。
化合物の合成に有用な試薬は、当該分野で公知の技術に従って入手又は調製してよい。
選択した式(I)の化合物の合成の合成手順を、以下に詳述する。
実施例
後述する実施例において、下記の説明の温度は全て、特に指示しない限りセルシウス度であり、全ての部及びパーセントは、特に指示しない限り重量部及び重量パーセントである。
様々な出発物質及び他の試薬は、Aldrich Chemical Company又はLancaster Synthesis Ltd.などの販売業者から購入し、特に指示しない限りさらに精製することなく使用した。テトラヒドロフラン(THF)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)は、AldrichからSureSeal bottlesで購入し、そのまま使用した。溶媒は全て、特に指示しない限り当該分野の標準的な方法を使用して精製した。SP Sephadex C25及びDOWEX 50wx2 200-400メッシュ陽イオン交換樹脂は、Aldrichから購入した。Fmoc−L−アミノ酸、HATU、HCTU及び2−クロロトリチル樹脂は、GL Biochem Ltd (Shanghai, China)から購入した。Fmoc−Lys(iv−Dde)−OH及びFmoc−D−アミノ酸は、Bachem AG (Switzerland)から購入した。Fmoc−Pal−PEG−PS樹脂は、Applied Biosystems (Foster City, California)から購入した。Nova PEG Rink Amide樹脂は、NovaBiochem, Darmstadt, Germanyから購入した。[Co((NOsar)]Cl、[Co((NHsar)]Cl、(NHsar、[Cu(NHsar](CFSOは、確立された手順に従って調製した。(1) Geue, R. J.; Hambley, T. W.; Harrowfield, J. M.; Sargeson, A. M.; Snow, M. R. J. Am. Chem. Soc. 1984, 106, 5478-5488. (2) Bottomley, G. A.; Clark, I. J.; Creaser, I. I.; Engelhardt, L. M.; Geue, R. J.; Hagen, K. S.; Harrowfield, J. M.; Lawrance, G. A.; Lay, P. A.; Sargeson, A. M.; See, A. J.; Skelton, B. W.; White, A. H.; Wilner, F. R. Aust. J. Chem. 1994, 47, 143-179 及び (3) Bernhardt, P. V.; Bramley, R.; Engelhardt, L. M.; Harrowfield, J. M.; Hockless, D. C. R.; Korybut-Daszkiewicz, B. R.; Krausz, E. R.; Morgan, T.; Sargeson, A. M.; Skelton, B. W.; White, A. H. Inorg. Chem. 1995, 34, 3589-3599。
以下に説明する反応は、無水溶媒中、窒素、アルゴンの陽圧下又は乾燥管にて、周囲温度(特に指示しない限り)で実施し、反応フラスコには、シリンジで物質及び試薬を注入するためのゴムセプタムを装着する。ガラス製品は、乾燥器乾燥及び/又は加熱乾燥した。
後処理は、典型的には、反応容量を反応溶媒又は抽出溶媒で2倍にし、次に、指定の水溶液で抽出容量の25%容量を使用して洗浄することによって行った(特に指示しない限り)。生成物溶液を無水硫酸ナトリウムで乾燥させた後、濾過し、溶媒をロータリーエバポレーターにて減圧下で蒸発させ、溶媒を減圧下で除去したのを認めた。フラッシュカラムクロマトグラフィー[Still et al, J. Org. Chem., 43, 2923 (1978)]は、特に指示しない限り、E Merckグレードのフラッシュシリカゲル(47〜61mm)を用い、シリカゲル:粗物質比を約20:1〜50:1で実施した。水素化分解は、指定の圧力又は周囲圧力で行った。
質量スペクトルは、Agilent 1100 LCシステムに連結したAgilent 6510 Q-TOF LC/MS質量分析計(Agilent, Palo Alto, CA)にて陽イオンモードで記録した。データを取得し、デュアルスプレーエレクトロスプレーイオン化源にて工場で規定した較正手順を使用して基準質量を補正した。全イオンクロマトグラム上の各スキャン又はデータポイントは、平均9652トランジェントであり、1.02スキャン/秒を生成する。スキャンを各ピークにわたって平均化することによって、スペクトルを作成した。質量分析計条件:フラグメンター:200〜300V;乾燥ガス流速:7L/分;ネブライザー:30psi;乾燥ガス温度:325℃;Vcap:4000V;スキマー:65V;OCT RV:750V;取得スキャン範囲:150〜3000m/z。
HPLC−MSトレースは、上述のAgilent 6510 Q-TOF LC/MS質量分析計に連結したAgilent Eclipse Plus C18カラム(5μm、2.1×150mm)を使用して記録した。各試料の1μLのアリコートを、Agilent 1100 LCシステムを使用し、流速0.5mL/分でカラム上に注入した。データ取得パラメーターは、フラグメンター(フラグメンター電圧:100V)以外は質量スペクトルについて上述したものと同じとした。
NMRスペクトルは、Varian FT-NMR 500分光計にて、H NMRでは500MHzで、そして、13C−NMRでは125.7MHzで操作して記録した。NMRスペクトルは、DO溶液として得て(ppmで報告)、標準としてアセトンを使用する(それぞれ、2.22ppm及び30.89ppm)。他のNMR溶媒は必要に応じて使用した。ピーク多重度が報告される場合は、下記の略称を使用した:s=シングレット、d=ダブレット、t=トリプレット、m=マルチプレット、br=ブロード、dd=ダブルダブレット、dt=ダブルトリプレット。カップリング定数を示す場合は、ヘルツで報告する。
セミ分取HPLC精製は、Agilent 1200 Series HPLCシステムを使用し、流速5mL/分で実施した。溶媒の勾配及びカラムの仕様は実施例に記載する。自動Agilent 1200フラクションコレクターで1〜3mLのフラクションを回収したが、フラクションの回収は214又は220nmでのUV-Vis検出に基づいており、検出限界の下限は100〜400mAUとした。MS及び分析用HPLCを使用して各フラクションを分析した。
分析用HPLCトレースは、Agilent 1200 Series HPLCシステム及びAgilent Zorbax Eclipse XDB-C18カラム(4.6×150mm、5μm)を使用し、流速1mL/分にて、214nm、220nm及び270nmでのUV分光検出で取得した。
UV-Visスペクトルは、Cary 300 Bio UV-Vis分光光度計にて、800〜200nmを0.500nmのデータ間隔で、スキャン速度300.00nm/分で取得した。
ボルタメトリー実験は、Autolab(Eco Chemie, Utrecht, Netherlands)コンピューター制御電気化学ワークステーションで実施した。作用電極としてガラス炭素ディスク(d、3mm)、補助電極としてPtワイヤー及びAg/AgCl基準電極(HO中の銀ワイヤー(KCl(0.1M)AgNO(0.01M))の標準の3電極配置を使用した。スキャン速度:100mV/s、試料間隔:1.06mV、感度:1×10−4A。
放射性標識ペプチドのHPLCトレースは、ヨウ化ナトリウムシンチレーション検出器及びUV-Vis検出器を備えたShimadzu LC-20ATに連結したWaters Comosil C18カラム(4.6×150mm)を使用して取得した。各放射性標識試料の100μLのアリコートを流速1mL/分を使用してカラム上に注入した。
下記の実施例は、開示した実施態様を例示することを意図するもので、それらに限定されると解釈されるべきではない。後述するもの以外のさらなる化合物は、以下に記載する反応スキーム又はその適切な変形もしくは改変を使用して調製することができる。
実施例1 CuLCl.xHCl
Figure 0006047581

CuL(CHCO.xHO(644mg)を無水酢酸(10mL)に溶解し、得られた青色の溶液をロータリーエバポレーション(60℃)によって乾燥させた。残渣をHOに再溶解し、Dowex 50Wx2カラム(高さ10cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)及び1M HCl(100mL)で洗浄した後、錯体を3M HClで溶出した。第一の主要バンドを回収し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、塩化物塩を紫色の固体として得た(798mg)。MS:[CuC21422+ m/z=266.63(実験値)、266.63(計算値)。
実施例2 L.xHCl
Figure 0006047581

二口フラスコ内のCuLCl.xHClの水溶液を、Nガスを20分間パージすることによって脱酸素化した。Nガス雰囲気下、硫化ナトリウムを加えると、溶液は暗緑色に変化し、黒色の沈殿物が生じた。反応物を室温で一晩撹拌した。約20時間後、懸濁液を濾過し(Whatman濾紙1)、濾液を1M HCl(200mL)で希釈すると濁った白色の沈殿物が生じた。この沈殿物を2時間沈降させた後、これをMillipore Steritop(商標)(0.22μm、500mL)フィルターに通して濾過し、DOWEX 50Wx2陽イオン交換カラム(H型、10×3cm)にアプライした。カラムを1M HCl溶液(500mL)で洗浄し(NaSを除去するために)、次に、4M HCl溶液(200mL)でゆっくり溶出した。溶出物を減圧下で蒸発乾固して、白色の固体を得た。
実施例3 CuL(CHCO
Figure 0006047581

CuLCl.xHO(434mg)をメタノール(20mL)に溶解し、溶媒をロータリーエバポレーション(50℃)によって除去した。残渣をDowex 1x8(酢酸型)の陰イオン交換クロマトグラフィーによって酢酸塩に変換した。スラリーを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、乾燥させた。青色の残渣をメタノールに溶解した後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させて、青色の残渣を得た(366mg)。MS:[CuC22442+ m/z=273.66(実験値)、273.64(計算値)。
実施例4 CuLCl
Figure 0006047581

CuL(CHCO(360mg)を1,3−ジアミノプロパン(5mL)に溶解し、溶液を室温で40時間撹拌した。溶液を水で希釈し、SP-Sephadex C-25カラム(高さ30cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)で洗浄した後、錯体を0.3M NaClで溶出して、加水分解エステルの小さいリーディングバンドとアミン生成物の主要バンドを得た。青色の溶液をDowex 50Wx2カラム(高さ10cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)及び1M HCl(100mL)で洗浄した後、錯体を3M HClで溶出した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させた(422mg)。MS:[CuC2450102+ m/z=294.67(実験値)、294.67(計算値)。
実施例5 L.xCHCO
Figure 0006047581

二口フラスコ内の水(4mL)中のCuLCl.xHCl(511mg)の溶液を、Nガスを20分間パージすることによって脱酸素化した。Nガス雰囲気下、硫化ナトリウム(766mg)を加えると、溶液は暗緑色に変化し、黒色の沈殿物が生じた。反応物を室温で一晩撹拌した。約20時間後、懸濁液を濾過し(Whatman濾紙1)、濾液を1M HCl(200mL)で希釈すると濁った白色の沈殿物が生じた。この沈殿物を2時間沈降させた後、これをMillipore Steritop(商標)(0.22μm、500mL)フィルターに通して濾過し、DOWEX 50Wx2陽イオン交換カラム(H型、10×3cm)にアプライした。カラムを1M HCl溶液(500mL)で洗浄し(NaSを除去するために)、次に、4M HCl溶液(200mL)でゆっくり溶出した。溶出物を減圧下で蒸発乾固して、白色の固体を得た(413mg)。残渣をDowex 1x8(酢酸型)の陰イオン交換クロマトグラフィーによって酢酸塩に変換した。スラリーを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、乾燥させた。無色の残渣をメタノールに溶解した後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させて、無色の残渣を得た(396mg)。MS:[C245110 m/z=527.42(実験値)、527.41(計算値)。
実施例6 L.xHCl
Figure 0006047581

水及びジクロロメタン中のアジ化ナトリウムの混合物に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加えた。混合物を室温まで放温し、激しく2.5時間撹拌した。水層を除去し、ジクロロメタンで洗浄した。有機層を合わせ、メタノール及び水中のL.xCHCOH、KCO及びZn(CHCO.2HOの溶液に滴下した。混合物を激しく3時間撹拌した。有機層を除去し、水層をDowex 50Wx2カラム(高さ10cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)及び1M HCl(100mL)で洗浄してZn2+を除去した後、プロトン化した配位子を3M HClで溶出した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、塩化物塩を得た。
実施例7 L.xCHCO
Figure 0006047581

酢酸中のL.xCHCOHの溶液に、無水マレイン酸を加え、反応物を水浴中60℃で30分間加熱した後、溶媒をロータリーエバポレーション(60℃)によって除去した。残留酢酸をトルエンと共沸することで除去し、次に、乾燥させた。
実施例8 L.xCHCO
Figure 0006047581

クロロホルム中のチオホスゲンの溶液に、L.xCHCOHの水溶液を加え、混合物を激しく12時間撹拌した。水層を除去し、クロロホルムで洗浄して、乾燥させた。
実施例9 CuLCl.xHCl
Figure 0006047581

無水N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)(5mL)中の[Cu(CH)(NH)sar](CFSO(0.3g、0.1mmol)の溶液に、グルタル酸無水物(0.08g、1.mmol)を加え、ジイソプロピルエチルアミン(132μL)を加えて、溶液を70℃で5時間加熱した。SP Sephadex C-25陽イオン交換(Na型)マイクロカラムを使用し、0.05Mクエン酸ナトリウム溶液で溶出して反応をモニタリングした。溶液を冷却し、水(20mL)を加えた。溶液をSP Sephadex C-25陽イオン交換カラム(Na型、6×3cm)にアプライした。水で洗浄した後、錯体を0.05Mクエン酸ナトリウム溶液で溶出して、カルボン酸塩生成物としての主要リーディングバンドと未反応銅錯体の小さいバンドを得た。主要バンドをDowex 50Wx2陽イオン交換カラム(H型、10×5cm)にアプライした。カラムを水(500mL)及び1M HCl溶液(500mL)で洗浄した後、錯体を3M HClで溶出し、溶出物を減圧下、40℃で蒸発乾固して、紫色の残渣を得た(0.23g)。
実施例10 L.xHCl
Figure 0006047581

二口フラスコ内の水(5mL)中のCuLCl.xHCl(0.1g)の溶液を、Nガスを20分間パージすることによって脱酸素化した。Nガス雰囲気下、硫化ナトリウム(0.14g)を加えると、溶液は暗緑色に変化し、黒色の沈殿物が生じた。反応物を室温で一晩撹拌した。約20時間後、懸濁液を濾過し(Whatman濾紙1)、濾液を1M HCl(150mL)で希釈すると濁った白色の沈殿物が生じた。この沈殿物を2時間沈降させた後、これをMillipore Steritop(商標)(0.22μm、500mL)フィルターに通して濾過し、DOWEX 50Wx2陽イオン交換カラム(H型、10×3cm)にアプライした。カラムを1M HCl溶液(150mL)で洗浄し(NaSを除去するために)、次に、4M HCl溶液(300mL)でゆっくり溶出した。溶出物を減圧下で蒸発乾固して、白色の固体を得た(0.09g)。MS:[C2042 m/z=428.34(実験値)、428.33(計算値)。1H NMR (D2O): δ = 1.03, s, CH3; 1.91, m, 2H; 2.35, t, 3J = 7.5, 2H, CH2; 2.45, t, 3J =7, 2H, CH2; 3.1-3.5, ブロード, 24H, ケージCH2. 13C NMR (D2O, 残留アセトン 30.9, 215.9): δ = 19.4, CH3; 21.0, 33.4, 35.4, グルタレートCH2; 37.1 46.3, 48.4, 51.8, 54.2, 57.4, ケージCH2); 177.8, 178.5, CO。
実施例11 CuL(CHCO
Figure 0006047581

CuLCl.xHO(0.2g)をメタノール(3mL)に溶解し、溶媒をロータリーエバポレーション(40℃)によって除去した。残渣をDowex 1x8(酢酸型)の陰イオン交換クロマトグラフィーによって酢酸塩に変換した。スラリーを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、乾燥させた。青色の残渣をメタノールに溶解した後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させて、青色の残渣を得た(0.2g)。MS:[CuC21432+ m/z=(実験値)、252.14(計算値)。
実施例12 CuL10Cl
Figure 0006047581

CuL(CHCOを1,3−ジアミノプロパンに溶解し、溶液を室温で40時間撹拌した。溶液を水で希釈し、SP-Sephadex C-25カラム(高さ30cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)で洗浄した後、錯体を0.3M NaClで溶出して、加水分解エステルの小さいリーディングバンドとアミン生成物の主要バンドを得た。青色の溶液をDowex 50Wx2カラム(高さ10cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)及び1M HCl(100mL)で洗浄した後、錯体を3M HClで溶出した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させた。
実施例13 L10.xCHCO
Figure 0006047581

二口フラスコ内のCuL10Cl.xHClの水溶液を、Nガスを20分間パージすることによって脱酸素化した。Nガス雰囲気下、硫化ナトリウムを加えると、溶液は暗緑色に変化し、黒色の沈殿物が生じた。反応物を室温で一晩撹拌した。約20時間後、懸濁液を濾過し(Whatman濾紙1)、濾液を1M HCl(200mL)で希釈すると濁った白色の沈殿物が生じた。この沈殿物を2時間沈降させた後、これをMillipore Steritop(商標)(0.22μm、500mL)フィルターに通して濾過し、DOWEX 50Wx2陽イオン交換カラム(H型、10×3cm)にアプライした。カラムを1M HCl溶液(500mL)で洗浄し(NaSを除去するために)、次に、4M HCl溶液(200mL)でゆっくり溶出した。溶出物を減圧下で蒸発乾固して、白色の固体を得た。残渣をDowex 1x8(酢酸型)の陰イオン交換クロマトグラフィーによって酢酸塩に変換した。スラリーを濾過し、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去して、乾燥させた。無色の残渣をメタノールに溶解した後、溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、乾燥させて、無色の残渣を得た。
実施例14 L11.xHCl
Figure 0006047581

水及びジクロロメタン中のアジ化ナトリウムの混合物に、0℃で、トリフルオロメタンスルホン酸無水物を加えた。混合物を室温まで放温し、激しく2.5時間撹拌した。水層を除去し、ジクロロメタンで洗浄した。有機層を合わせ、メタノール及び水中のL10.xCHCOH、KCO及びZn(CHCO.2HOの溶液に滴下した。混合物を激しく3時間撹拌した。有機層を除去し、水層をDowex 50Wx2カラム(高さ10cm、直径3cm)にアプライした。水(100mL)及び1M HCl(100mL)で洗浄してZn2+を除去した後、プロトン化した配位子を3M HClで溶出した。溶媒をロータリーエバポレーションによって除去し、塩化物塩を得た。
実施例15 L12.xCHCO
Figure 0006047581

酢酸中のL10.xCHCOHの溶液に、無水マレイン酸を加え、反応物を水浴中60℃で30分間加熱した後、溶媒をロータリーエバポレーション(60℃)によって除去した。残留酢酸をトルエンと共沸することで除去し、次に、乾燥させた。
実施例16 L13.xCHCO
Figure 0006047581

クロロホルム中のチオホスゲンの溶液に、L.xCHCOHの水溶液を加え、混合物を激しく12時間撹拌した。水層を除去し、クロロホルムで洗浄して、乾燥させた。
最後に、当業者であれば、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、本明細書に記載される本発明の方法及び組成物の様々な改変及び変形を行うことが明らかであることが理解されよう。本発明を具体的な好ましい実施態様と併せて記載してきたが、特許請求する発明がそのような具体的な実施態様に過度に限定されるべきではないことを理解すべきである。実際に、当業者に明らかである本発明を実施するために記載される様式の様々な改変は、本発明の範囲内であることが意図される。

Claims (18)

  1. 式(1):
    Figure 0006047581

    [式中、Ligは、式:
    Figure 0006047581

    [Vは、N及びCR からなる群より選択され;
    各R 及びR は、H、CH 、CO H、NO 、CH OH、H PO 、HSO 、CN、CONH 及びCHOからなる群より独立して選択され;
    各pは、独立して、2、3及び4からなる群より選択される整数であり;
    は、H、OH、ハロゲン、NO 、NH 、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール、シアノ、CO 、NHR 、N(R からなる群より選択され;
    は、H、ハロゲン、酸素保護基、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 アルケニル、場合により置換されているC −C 12 アルキニル及び場合により置換されているC −C 12 ヘテロアルキルからなる群より選択され;
    各R は、H、窒素保護基、場合により置換されているC −C 12 アルキル、−(C=O)−置換C −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 アルケニル、場合により置換されているC −C 12 アルキニル及び場合により置換されているC −C 12 ヘテロアルキルからなる群より独立して選択される]
    で表される窒素含有マクロ環式金属配位子であり;
    Lは、結合又は連結部分である]
    で表される化合物又はその金属錯体を官能化して、生物学的実体に結合するその能力を改
    変する方法であって、
    (a)式(1)の化合物又はその金属錯体を、式():
    Figure 0006047581

    [式中、Lは、スペーサー基である]
    で表される化合物又はその金属錯体に変換する工程;
    (b)式(2)の化合物又はその金属錯体を、式(3):
    Figure 0006047581

    [式中、Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分であって、−NCS、CO H、NH 、アジド、アルキン、イソニトリル及びテトラジンからなる群より選択される
    で表される化合物又はその金属錯体に変換する工程
    を含む方法。
  2. アミンをアジド、チオホスゲン、二硫化炭素及び酸無水物からなる群より選択される試薬と反応させることによって、式(2)の化合物が式(3)の化合物に変換される、請求項1に記載の方法。
  3. 試薬が、アジド、チオホスゲン及び無水マレイン酸からなる群より選択される、請求項2に記載の方法。
  4. Ligが、下記:
    Figure 0006047581

    [式中、R は、請求項1に定義されるとおりである]
    からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. Lが、式:
    −(CH
    [式中、場合により1つ又は複数のCH 基は、独立して、S、O、P及びNR (ここで、R は、H、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 シクロアルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール及び場合により置換されているC −C 18 ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
    aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数で
    ある]
    で表される基である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. Lが、−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −、−CH CH CH CH −及び−CH OCH −からなる群より選択される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. が、式:
    −(CH
    [式中、場合により1つ又は複数のCH 基は、独立して、S、O、P及びNR (ここで、R は、H、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 シクロアルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール及び場合により置換されているC −C 18 ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
    aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
    で表される基である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. が、−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −及び−CH CH CH CH −からなる群より選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 化合物が、変換又は反応を受けるときに、金属錯体の形態である、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 式(3):
    Figure 0006047581

    [式中、Ligは、式:
    Figure 0006047581

    [Vは、N及びCR からなる群より選択され;
    各R 及びR は、H、CH 、CO H、NO 、CH OH、H PO 、HSO 、CN、CONH 及びCHOからなる群より独立して選択され;
    各pは、独立して、2、3及び4からなる群より選択される整数であり;
    は、H、OH、ハロゲン、NO 、NH 、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール、シアノ、CO 、NHR 、N(R からなる群より選択され;
    は、H、ハロゲン、酸素保護基、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 アルケニル、場合により置換されているC −C 12 アルキニル及び場合により置換されているC −C 12 ヘテロアルキルからなる群より選択され;
    各R は、H、窒素保護基、場合により置換されているC −C 12 アルキル、−(C=O)−置換C −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 アルケニル、場合により置換されているC −C 12 アルキニル及び場合により置換されているC −C 12 ヘテロアルキルからなる群より独立して選択される]
    で表される窒素含有マクロ環式金属配位子であり;
    Lは、結合又は連結部分であり;
    は、式:
    −(CH
    [式中、場合により1つ又は複数のCH 基は、独立して、S、O、P及びNR (ここで、R は、H、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 シクロアルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール及び場合により置換されているC −C 18 ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
    aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
    で表される基であり;
    Rは、生物学的実体に結合することが可能な部分であって、−NCS、CO H、NH 、アジド、アルキン、イソニトリル及びテトラジンからなる群より選択される]
    で表される化合物。
  11. Ligが、下記:
    Figure 0006047581

    [式中、R は、請求項10に定義されるとおりである]
    からなる群より選択される、請求項10に記載の化合物。
  12. Lが、式:
    −(CH
    [式中、場合により1つ又は複数のCH 基は、独立して、S、O、P及びNR (ここで、R は、H、場合により置換されているC −C 12 アルキル、場合により置換されているC −C 12 シクロアルキル、場合により置換されているC −C 18 アリール及び場合により置換されているC −C 18 ヘテロアリールからなる群より選択される)から選択されるヘテロ原子基によって置き換わっていてよく;
    aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10からなる群より選択される整数である]
    で表される基である、請求項10又は11に記載の化合物。
  13. Lが、−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −、−CH CH CH CH −及び−CH OCH −からなる群より選択される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の化合物。
  14. が、−CH −、−CH CH −、−CH CH CH −及び−CH CH CH CH −からなる群より選択される、請求項10〜13のいずれか一項に記載の化合物。
  15. 下記:
    Figure 0006047581

    Figure 0006047581

    Figure 0006047581

    からなる群より選択される請求項10に記載の化合物又はその金属錯体もしくは塩。
  16. 窒素含有マクロ環式金属配位子が、金属イオンと配位結合する、請求項10〜15のいずれか一項に記載の化合物。
  17. 金属イオン中の金属が、Cu、Tc、Gd、Ga、In、Co、Re、Fe、Au、Ag、Rh、Pt、Bi、Cr、W、Ni、V、Ir、Pt、Zn、Cd、Mn、Ru、Pd、Hg及びTiからなる群より選択される放射性核種である、請求項16に記載の化合物。
  18. 金属イオン中の金属が、 60 Cu、 62 Cu、 64 Cu及び 67 Cuからなる群より選択される放射性核種である、請求項17に記載の化合物。
JP2014545038A 2011-12-06 2012-12-06 金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子 Active JP6047581B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201161567262P 2011-12-06 2011-12-06
US61/567,262 2011-12-06
PCT/AU2012/001484 WO2013082656A1 (en) 2011-12-06 2012-12-06 Cage amine ligands for metallo-radiopharmaceuticals

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2015500247A JP2015500247A (ja) 2015-01-05
JP2015500247A5 JP2015500247A5 (ja) 2016-01-28
JP6047581B2 true JP6047581B2 (ja) 2016-12-21

Family

ID=48573413

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014545038A Active JP6047581B2 (ja) 2011-12-06 2012-12-06 金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子

Country Status (8)

Country Link
US (2) US9457107B2 (ja)
EP (2) EP2788353B1 (ja)
JP (1) JP6047581B2 (ja)
AU (1) AU2012350147B2 (ja)
DK (1) DK2788353T3 (ja)
ES (1) ES2924289T3 (ja)
PT (1) PT2788353T (ja)
WO (1) WO2013082656A1 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9861714B2 (en) 2011-12-06 2018-01-09 The University Of Melbourne Cage amine ligands for metallo-radiopharmaceuticals

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2013181697A1 (en) * 2012-06-05 2013-12-12 The University Of Melbourne Bicyclo[6.1.0]non-4-yne compounds suitable for use as linkers in biological applications
US9597643B1 (en) * 2013-10-22 2017-03-21 U.S. Department Of Energy Surface functionalization of metal organic frameworks for mixed matrix membranes
US9422286B2 (en) * 2014-01-27 2016-08-23 Washington University Metal-binding bifunctional compounds as diagnostic agents for Alzheimer's disease
KR102644075B1 (ko) * 2017-06-06 2024-03-07 클라리티 파마슈티컬스 리미티드 방사성 의약품, 방사성 영상화제 및 이의 용도
US11951189B2 (en) 2018-04-11 2024-04-09 Clarity Pharmaceuticals Ltd Targeting compounds and methods for their production
CN112423744A (zh) * 2018-04-11 2021-02-26 透明医药有限公司 用于放射疗法和诊断成像的制剂和试剂盒

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0001719A1 (en) 1977-10-26 1979-05-02 The Australian National University Metal complexes, their preparation and production of hydrogen peroxide therewith
WO1995031202A1 (en) 1994-05-17 1995-11-23 Commonwealth Scientific And Industrial Research Organisation Cage compounds, processes for their preparation and their use as antiviral agents
EP1331012A1 (en) 2002-01-29 2003-07-30 BRACCO IMAGING S.p.A. Responsive paramagnetic MRI contrast agents
FI20031528A0 (fi) 2003-10-17 2003-10-17 Ctt Cancer Targeting Tech Oy Terapeuttinen liposomikoostumus ja menetelmä sen valmistamiseksi
ES2712881T3 (es) * 2008-12-02 2019-05-16 Univ Melbourne Conjugados macrocíclicos que contienen nitrógeno como radiofármacos
WO2010121133A2 (en) * 2009-04-17 2010-10-21 The General Hospital Corporation Multimodal imaging of fibrin
US9457107B2 (en) 2011-12-06 2016-10-04 The University Of Melbourne Cage amine ligands for metallo-radiopharmaceuticals

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9861714B2 (en) 2011-12-06 2018-01-09 The University Of Melbourne Cage amine ligands for metallo-radiopharmaceuticals

Also Published As

Publication number Publication date
EP4063369A1 (en) 2022-09-28
EP2788353A1 (en) 2014-10-15
US20160354497A1 (en) 2016-12-08
PT2788353T (pt) 2022-08-12
AU2012350147A1 (en) 2014-07-03
DK2788353T3 (da) 2022-08-15
JP2015500247A (ja) 2015-01-05
US9861714B2 (en) 2018-01-09
EP2788353B1 (en) 2022-05-18
US9457107B2 (en) 2016-10-04
WO2013082656A1 (en) 2013-06-13
US20140323718A1 (en) 2014-10-30
EP2788353A4 (en) 2015-04-22
ES2924289T3 (es) 2022-10-05
AU2012350147B2 (en) 2017-08-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6047581B2 (ja) 金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子
US11905301B2 (en) Nitrogen-containing macrocyclic conjugates as radiopharmaceuticals
JP6051227B2 (ja) 金属放射性医薬品のためのケージアミン配位子の官能化

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150312

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20151202

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20151202

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160630

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160712

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160927

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161025

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161121

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6047581

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313113

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250