以下に、本発明に係る実施の形態について添付図面を参照しながら詳細に説明する。以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
また、以下では、組織が店舗であるものとして説明するが、もちろん、店舗に限らず、その他の団体等であってもよく、例えば、企業、事務所、学校等であってもよい。
図1は、SNSシステム10を示す図である。図2は、SNSシステム10によってユーザー端末6などの画面6a上に表示された情報を示す図である。図3は、ユーザー端末6などの画面6a上に表示された情報の中で1つの店舗の詳細情報を示す図である。図4は、ユーザー端末6などの画面6a上に表示された情報の中で店舗スタッフの詳細情報を示す図である。図5は、SNSシステム10において、ユーザー端末6の画面6a上に店舗へのアクセス分析結果を表示している様子を示す図である。
SNSシステム10は、インターネット等の通信ネットワーク2に接続されて情報の授受を行うサーバー装置を含んで構成される。通信ネットワーク2は、情報の提供を行う複数のオーナー端末4と情報の提供を受ける複数のユーザー端末6が接続される。オーナー端末4及びユーザー端末6は、店舗オーナーやユーザーが使用するものであり、例えば、スマートフォンやタブレット等のモバイル端末やパーソナルコンピューター等で構成される。SNSシステム10は、通信ネットワーク2を介して複数のオーナー端末4と複数のユーザー端末6との間における通信を確立し、いわゆるタイムラインまたはニュースフィールドを通じて複数の店舗オーナー及び複数のユーザー間で情報交換を行うための仕組みを提供している。
SNSシステム10は、情報記録部12と、オーナー登録機能14と、登録配信機能16と、カテゴリ別表示機能18と、エリア別表示機能20と、ユーザー登録機能22と、フォロー機能24と、個人ページ表示機能26と、表示切替機能28と、解析表示機能30と、SNS予約機能32と、予約削除機能34と、限定配信機能36と、識別情報付与機能38とを備えている。
SNSシステム10において、情報記録部12以外の各機能は、ハードウェア構成、ソフトウェア構成の何れによっても実現することが可能である。例えば、ソフトウェアによって実現する場合、これらの機能ブロックは、実際にはサーバー装置のCPUあるいはMPU、RAM、ROMなどを備えて構成され、RAMやROM、ハードディスク等の記録媒体に記憶された情報提供用プログラム(アプリケーションソフトウェア)が動作することによって実現することができる。
情報記録部12は、店舗オーナー(オーナー端末4)からユーザー(ユーザー端末6)に提供するための情報等を記録する。例えば、オーナー端末4から入力した店舗オーナーが所有する店舗に関する情報をユーザーに提供すべき情報として記録される。店舗に関する情報として、例えば、美容室であれば、髪のお手入れの仕方の関するポイントであったり、整骨院であれば、自分で出来る肩こり解消法に関する記事などである。
オーナー登録機能14は、SNSシステム10を用いて、店舗に関する情報を配信することを希望する店舗オーナーを登録するための機能である。店舗としては、例えば、美容室、ネイルサロン、エステなどが含まれる。登録を希望する店舗オーナーは、オーナー端末4を用いてSNSシステム10を動作させるためのアプリケーションソフトウェアのインストールを行った上で登録操作を行う。その後、所定の審査が行われ、審査に合格した後に情報記録部12に記憶される。登録の際に、店舗オーナー自身がその店舗が美容室、整体などのうち、いずれのジャンルに該当するか否かを選択するが、いずれにも該当しないジャンルの場合は、other(その他)という項目のジャンルを選択する。さらに、その店舗の住所や電話番号などの情報についても入力して登録を行う。
識別情報付与機能38は、オーナー登録機能14を用いて登録された店舗オーナーが該店舗の店舗スタッフ毎に異なる識別情報を与える機能である。識別情報として、例えば、IDとパスワードを用いることができる。識別情報が付与された店舗スタッフは、登録配信機能16を用いて、店舗オーナーの代わりに店舗に関する情報を作成して配信することができる。
ユーザー登録機能22は、店舗に関する情報の取得を望むユーザーを登録するための機能である。具体的には、ユーザーがユーザー端末6の画面6a上において、SNSシステム10を動作させるためのアプリケーションソフトウェアをインストールして会員登録を行う。
登録配信機能16は、店舗オーナー又はその店舗に勤める店舗スタッフによって作成された店舗に関する情報を登録して配信する機能である。店舗に関する情報としては、例えば、上述したような「髪のお手入れの仕方の関するポイント」というようにユーザーが興味を惹きそうなメッセージであることが好ましく、また、「本日の15:00〜16:00は、全メニュー30%です!」といったセールに関するメッセージを登録して配信することも好適である。
カテゴリ別表示機能18は、店舗のジャンル毎に分けて店舗に関する情報をユーザー端末6の画面6a上に表示する機能である。カテゴリ別表示機能18は、図2に示されるように、「ヘアー(美容室)」「ネイル(サロン)」「エステ」といった全てのジャンルが一頁のWebページ11上に並んで設けられており、ユーザー端末6の画面6a上では1つのジャンルのみが表示される。図2では、「ヘアー」が表示されている。そして、ユーザーが例えば、ヘアーのジャンルに含まれた店舗に関する情報を閲覧している間に、例えば、図2に示される「ABCサロン」についての詳細な情報を知りたい場合に、店舗名(ABCサロン)に指を触れることで、図3に示されるようなABCサロンの詳細情報を示すWebページ19に移動する。これにより、ユーザーは、店舗の営業時間、メニュー、スタッフに関する情報などの当該店舗に関する詳細情報を閲覧することができる。
表示切替機能28は、カテゴリ別表示機能18によりジャンル別に表示された店舗に関する情報をユーザー端末6の画面6a上に表示した場合において、ユーザーがスワイプ操作をすることによって切り替える機能である。例えば、図2に示される表示となっている場合、ユーザーが画面6a上に指を接触させて、右から左へとスワイプ操作すると「ヘアー」から「ネイル」のジャンルに切り替わる。
エリア別表示機能20は、カテゴリ別表示機能18により表示された店舗に関する情報を地域毎に分けて画面6a上に表示する機能である。エリア別表示機能20は、例えば、ユーザー端末6の画面6a上において表示された図示しないエリア別のボタンを操作することで、「関東圏」「東京」「埼玉」「関西圏」「大阪」「京都」というように地域毎に店舗を振り分けて表示する機能である。
フォロー機能24は、ユーザーのお気に入りの店舗に関する情報のみを常時取得する場合に設定する機能である。例えば、図2の場合、ユーザー端末6の画面6a上に表示されている「ヘアー」のジャンルの左隣に「お気に入り」という項目の情報が記載されている。お気に入りとは、ユーザーが各ジャンルの店舗情報を見ている間にお気に入りの店舗が見つかり、その店舗が配信する情報をフォローしたい場合にフォローボタン15を操作することにより、お気に入りの領域11aに反映される。
個人ページ表示機能26は、識別情報付与機能38によって与えられた識別情報を用いて、店舗スタッフがそれぞれ編集可能な個人ページを画面6a上に表示する機能である。識別情報が付与された店舗スタッフは、登録配信機能16を用いて、図4に示される個人ページ13、例えば、図2のABCサロンに所属する山田太郎の個人ページ13では、「おすすめカット」に関する記載や「30代男性のカット事例」「40代女性のカラーリング事例」に関して写真などを掲載することが可能である。
解析表示機能30は、店舗に関する情報へのユーザーのアクセス履歴などを示すアクセス解析結果をユーザー端末6の画面6a上に表示する機能を有する。解析表示機能30は、ユーザー端末6の画面上において、例えば、図4に示されるアクセス解析結果に並んで、店舗オーナー向けの商品購入サイトを表示する機能を有する。アクセス解析結果としては、例えば、その当日に店舗の詳細情報を閲覧した人数や、その店舗に対して与えられた「いいね」の数やSNS予約機能32を用いて予約された人数を表示する。また、商品購入サイトとして、例えば、美容室(ヘアー)の店舗オーナー向けの情報としては、シャンプー、ドライヤー、ヘアワックスなど商品の写真や商品に関する詳細情報が記載された商品情報が表示される。また、解析表示機能30は、店舗オーナーだけでなく、店舗スタッフが該スタッフ自身の個人ページにユーザーがアクセスした情報、例えば、いいね数などを表示する機能を有している。
SNS予約機能32は、ユーザー端末6の画面6a上で操作することにより、ユーザーの店舗への予約を行う機能である。具体的には、ユーザーがユーザー端末6を用いて、例えば、図3に示される店舗の詳細情報のWebページ19を閲覧した場合に表示される予約ボタン23を操作し、予約のために必要な情報を入力することで店舗の予約をすることができる。
予約削除機能34は、店舗オーナーが登録配信機能16を用いて限定サービス情報を配信した場合に、予め予約された時刻に限定サービス情報を削除する機能である。具体的には、例えば、図2に示されるように、ABCサロンが「本日の15:00〜16:00は、全メニュー30%です!」といった時間限定のサービスに関する情報を配信する場合に、その時間帯が終了した場合に、当該限定サービス情報を自動的に削除する。
限定配信機能36は、フォロー機能24を用いて店舗に関する情報を閲覧しているユーザーにのみに、上記のような限定サービス情報を配信する機能である。
続いて、上記構成のSNSシステム10の作用について説明する。SNSシステム10では、店舗に関する情報を配信したい店舗オーナーがオーナー登録機能14を用いて登録するとともに、店舗に関する情報を受け取りたいユーザーがユーザー登録機能22を用いて登録することで、店舗オーナーとユーザーとの間で情報のやり取りを行うことができる。これにより、店舗オーナーは自ら集客を行うことなく、店舗に関する情報を配信することができる利点がある。
また、カテゴリ別表示機能18によって、図2に示されるように、ジャンル毎に分けられた店舗に関する情報が表示されており、スワイプ操作をするだけでジャンル切替を行うことができるため、ユーザーにとって気になるジャンルの店舗を探しやすいという効果がある。さらに、エリア別表示機能20によって、地域毎に分かれた表示に切り替えることができるため、ユーザーの居住地域周辺の店舗に絞り込んで閲覧することが可能であるため、ユーザーにとって効率よく店舗を探すことができるメリットがある。
さらに、上記のように、ユーザーがユーザー端末6を用いて店舗に関する情報を閲覧している間にお気に入りの店舗が見つかった場合に、フォロー機能24を用いることで、図2に示されるお気に入り領域11aに反映することができる。これにより、ユーザーは、お気に入りの店舗に関する情報だけを閲覧することができるため、効率よく情報を取得することができる利点がある。
そして、解析表示機能30によって、店舗オーナーが、その店舗に関する情報へのアクセス状況やSNS予約機能32を経由した予約情報を閲覧するとともに、店舗オーナー向けの商品情報が掲載された商品購入サイトが表示されている。これにより、店舗オーナーが商品を購入することで商品を製造販売する企業側の経済的利益へと繋がり、この経済的利益をSNSシステム10への運用資金へと還元することで、店舗オーナーが当該システムを用いる際の必要な費用を必要最小限へ抑えることができるという効果がある。従来、店舗オーナーが店舗に関する情報を配信したい場合には、広告掲載サイトへ多額の資金を支払って掲載していたという状況に鑑みれば、SNSシステム10を用いることでコストを最小限に抑えた形で集客を行うことができるという非常に大きなメリットがある。
また、ユーザーがSNS予約機能32によって、店舗を利用する際の予約を行うことができる。これにより、ユーザーは、いちいち電話をかけて予約を行うという煩わしさから解消されるとともに、24時間いつでも気軽に予約を行えるという利点がある。
さらに、店舗オーナーが登録配信機能16を用いて限定サービス情報を配信した場合に、予約削除機能34によって予め予約された時刻に限定サービス情報を自動的に削除することができる。これにより、店舗オーナーが時間帯を限定してお得な情報を配信した場合に、時間外となった後にユーザーがその情報を閲覧して問い合わせしてきたり、予約してきたりするといったような店舗側にとって不必要な対応を抑制することができる効果がある。
そして、限定配信機能36によって、フォロー機能24を用いて店舗に関する情報を閲覧しているユーザーにのみに上記限定サービス情報を配信することができる。これにより、店舗のファンになってフォローすることにより得られるメリットを与えることが出来、ユーザーがより積極的に店舗をフォローすることを促す効果が期待される。
上記では、カテゴリ別表示機能18によって、「ヘアー(美容室)」「ネイル(サロン)」「エステ」のジャンル別で表示するものとして説明したが、もちろん、これらのジャンル以外のものを含めてもよく、例えば、「整体」「マッサージ」「まつげエクステ」などを含めることもできる。さらに、このジャンル別表示に加えて、「global」という項目を設けてもよい。このglobal項目を選択することで、英語、中国語、ロシア語、フランス語、韓国語などの多言語に翻訳された情報を表示させるような自動翻訳機能を設けることも好適である。
また、店舗オーナー又は店舗スタッフが登録配信機能16を用いて店舗に関する情報について指定時間を決めて自動配信する自動配信機能を設けることも好ましい。これにより、ユーザーによる閲覧が集中する時間帯を狙って配信することが可能であり、効率良く店舗へのアクセスを導くことができる利点がある。
さらに、解析表示機能30に表示される店舗オーナー向けの商品購入サイト21に掲載するための商品を製造販売する企業もスマートフォンやタブレット等の携帯端末やパーソナルコンピューターを用いて通信ネットワーク2を介してSNSシステム10に対し登録するようにすることも好ましい。これにより、商品を製造販売する企業も新しい商品を販売したい場合に直接、SNSシステム10に登録することができるというメリットがある。
ユーザー登録機能22を用いて登録したユーザーについて、所定の情報を記録できるようにしてもよい。例えば、ユーザーが各店舗においてチェックインしたことをタイムライン又はニュースフィールド上に示すチェックイン機能を用いることで、そのユーザーに付与されるポイントを加算するような設定にすることも可能である。これにより、ユーザーにとってチェックイン機能を使用することによりポイントが貯まるというメリットとともに、店舗側にとっても宣伝広告機能を高めることができるという効果がある。
また、ユーザー登録機能22を用いて登録したユーザーが例えば美容室で過去にヘアカットを行った施術履歴、例えば、髪型を写真で撮影したものを記録するなどを行う機能を設けることも好ましい。これにより、例えば、そのユーザーが気に入った髪型の再現をしやすいように店舗スタッフに伝えることができる利点がある。
ユーザーが店舗に来店した後の行動を追跡することができる装置(例えば、ビーコン)を用いることで、ユーザーの行動分析を行い、店舗におけるサービス向上に活用することができる利点がある。
さらに、個人ページ表示機能26を用いて、ユーザーが店舗に関してだけでなく、その店舗の店舗スタッフのファンになった場合には、その店舗スタッフとの対話を楽しむためのチャット機能を設けることができる。また、店舗スタッフへの「いいね」の数などを利用して個人ページのアクセスランキングを設定することで、店舗スタッフのやる気を引き出して、より良いコンテンツの配信を促すことに寄与することが期待される。
次に、SNSシステム10が店舗以外に適用される例について説明する。図6は、組織が企業であり、店舗オーナーが企業オーナー又は経営者に相当し、ユーザーが就職を希望する人に相当する実施例を示す図である。ここで、オーナー端末4が企業における端末であり、ユーザー端末6が就職を希望する人の端末であるものとして説明する。
この場合、企業側において、企業オーナー又は経営者が当該企業のミッションやコンセプトの会社の思いや考えを記載してSNSシステム10を用いて配信したり、その企業に勤める従業員がその企業で働いている思いやお仕事の内容を記載して配信することで、就職を希望する人に対し、その企業の文化や環境を伝えることができる。
このようにすることで、就職を希望する人は、ユーザー端末6を用いて、企業についての情報を取得し、その企業が、自分が就職したい企業であるかどうかを検討するための判断材料として活用することができるということがある。そして、実際にSNSシステム10を利用して、就職が決まった場合に、企業からその斡旋に相当する費用をSNSシステム10の運用に回すことで、SNSシステム10を低コストで運用することができる利点がある。また、企業側も人材広告サイトに多額の資金を投資することなく、人材の確保ができるとともに、企業のコンセプトや職場環境を伝えることができ、宣伝広告機能としての役割を果たすことができる。
さらに、解析表示機能30において、企業オーナー又は経営者向けの商品購入サイトの広告領域を設けることも好ましい。これにより、この商品購入サイトに出店する企業が得られた経済的利益をSNSシステム10に還元することで、さらに、低コストでSNSシステムを運用することができるメリットがある。
また、SNSシステム10において、組織として、店舗や企業以外についても想定することができ、例えば、弁護士や税理士のようなサービス業を提供する事務所と、その事務所に関する情報の取得を望むユーザーとの情報交換に活用することも好ましい。他の例としては、学校や学習塾のような教育を提供する教育機関と、これらの教育機関に関する情報の取得を望むユーザーとの情報交換に活用することも好適である。