本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体2aと、この筐体2aの側端に回動自在に枢支された前面扉2bと、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体1aの内部には、図2に示すように、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リール)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉1bに設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図3に示すように、それぞれ「黒7」、「網7(図中網掛け7)」、「白7」、「BAR」、「リプレイ」、「プラム」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」、「オレンジ」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、前面扉1bのリールパネル1c略中央に設けられた透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図4参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
リール2L、2C、2Rの内側には、リール2L、2C、2Rそれぞれに対して、基準位置を検出するリールセンサ33L、33C、33Rと、リール2L、2C、2Rを背面から照射するリールLED55と、が設けられている。また、リールLED55は、リール2L、2C、2Rの連続する3つの図柄に対応する12のLEDからなり、各図柄をそれぞれ独立して照射可能とされている。
前面扉1bにおける各リール2L,2C,2Rに対応する位置には、リール2L,2C,2Rを前面側から透視可能とする横長長方形状の透視窓3が設けられており、該透視窓3を介して遊技者側から各リール2L,2C,2Rが視認できるようになっている。
前面扉1bには、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数のうち最大の賭数(本実施例ではいずれの遊技状態においても3)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8R、演出に用いるための演出用スイッチ56が遊技者により操作可能にそれぞれ設けられている。
尚、本実施例では、回転を開始した3つのリール2L、2C、2Rのうち、最初に停止するリールを第1停止リールと称し、また、その停止を第1停止と称する。同様に、2番目に停止するリールを第2停止リールと称し、また、その停止を第2停止と称し、3番目に停止するリールを第3停止リールと称し、また、その停止を第3停止あるいは最終停止と称する。
また、前面扉1bには、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、入賞の発生により払い出されたメダル枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられた遊技用表示部13が設けられている。
MAXBETスイッチ6の内部には、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図4参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図4参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉1bにおけるストップスイッチ8L、8C、8Rの下方には、スロットマシン1のタイトルや後述する配当表1などが印刷された下部パネルが設けられている。
前面扉1bの内側には、所定のキー操作により後述するエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、後述のBB終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36a、後述のBB終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ36b、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体1a内部に設けられた後述のホッパータンク34a(図2参照)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク34a側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31を有するメダルセレクタ(図示略)、前面扉1bの開放状態を検出するドア開放検出スイッチ25(図4参照)が設けられている。
筐体1a内部には、図2に示すように、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33L、33C、33R(図4参照)からなるリールユニット2、外部出力信号を出力するための外部出力基板1000、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク34a、ホッパータンク34aに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34b、ホッパーモータ34bの駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ34cからなるホッパーユニット34、電源ボックス100が設けられている。
ホッパーユニット34の側部には、ホッパータンク34aから溢れたメダルが貯留されるオーバーフロータンク35が設けられている。オーバーフロータンク35の内部には、貯留された所定量のメダルを検出可能な高さに設けられた左右に離間する一対の導電部材からなる満タンセンサ35aが設けられており、導電部材がオーバーフロータンク35内に貯留されたメダルを介して接触することにより導電したときに内部に貯留されたメダル貯留量が所定量以上となったこと、すなわちオーバーフロータンクが満タン状態となったことを検出できるようになっている。
電源ボックス100の前面には、設定変更状態または設定確認状態に切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更状態においては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をon/offする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するにはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインLN(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。本実施例では、規定数の賭数として遊技状態に関わらず3枚が定められて規定数の賭数が設定されると入賞ラインLNが有効となる。尚、遊技状態に対応する規定数のうち最大数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
入賞ラインとは、各リール2L、2C、2Rの透視窓3に表示された図柄の組み合わせが入賞図柄の組み合わせであるかを判定するために設定されるラインである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの中段、リール2Cの中段、リール2Rの中段、すなわち中段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された入賞ラインLNのみが入賞ラインとして定められている。尚、本実施例では、1本の入賞ラインのみを適用しているが、複数の入賞ラインを適用しても良い。
また、本実施例では、入賞ラインLNに入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするために、入賞ラインLNとは別に、無効ラインLM1〜4を設定している。無効ラインLM1〜4は、これら無効ラインLM1〜4に揃った図柄の組み合わせによって入賞が判定されるものではなく、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃った際に、無効ラインLM1〜4のいずれかに入賞ラインLNに揃った場合に入賞となる図柄の組み合わせ(例えば、ベル−ベル−ベル)が揃う構成とすることで、入賞ラインLNに特定の入賞を構成する図柄の組み合わせが揃ったことを認識しやすくするものである。本実施例では、図1に示すように、リール2Lの上段、リール2Cの上段、リール2Rの上段、すなわち上段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM1、リール2Lの下段、リール2Cの下段、リール2Rの下段、すなわち下段に水平方向に並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM2、リール2Lの上段、リール2Cの中段、リール2Rの下段、すなわち右下がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM3、リール2Lの下段、リール2Cの中段、リール2Rの上段、すなわち右上がりに並んだ図柄に跨って設定された無効ラインLM4の4種類が無効ラインLMとして定められている。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、入賞ラインLN上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。また、入賞ラインLN上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
また、本実施例におけるスロットマシン1にあっては、ゲームが開始されて各リール2L、2C、2Rが回転して図柄の変動が開始した後、いずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに、当該ストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリールの回転が停止して図柄が停止表示される。ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作から対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止するまでの最大停止遅延時間は190ms(ミリ秒)である。
リール2L、2C、2Rは、1分間に80回転し、80×21(1リール当たりの図柄コマ数)=1680コマ分の図柄を変動させるので、190msの間では最大で4コマの図柄を引き込むことができることとなる。つまり、停止図柄として選択可能なのは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに表示されている図柄と、そこから4コマ先までにある図柄、合計5コマ分の図柄である。
このため、例えば、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの下段に表示されている図柄を基準とした場合、当該図柄から4コマ先までの図柄を下段に表示させることができるため、リール2L、2C、2R各々において、ストップスイッチ8L、8Rのうちいずれかが操作されたときに当該ストップスイッチに対応するリールの中段に表示されている図柄を含めて5コマ以内に配置されている図柄を入賞ライン上に表示させることができる。
図4は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図4に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板101が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板101によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板101には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、後述するメイン制御部41からサブ制御部91へのコマンド伝送ラインと、遊技制御基板40から演出制御基板90に対して電源を供給する電源供給ラインと、が一系統のケーブル及びコネクタを介して接続されており、これらケーブルと各基板とを接続するコネクタ同士が全て接続されることで演出制御基板90側の各部が動作可能となり、かつメイン制御部41からのコマンドを受信可能な状態となる。このため、メイン制御部41からコマンドを伝送するコマンド伝送ラインが演出制御基板90に接続されている状態でなければ、演出制御基板90側に電源が供給されず、演出制御基板90側のみが動作してしまうことがない。
また、電源基板101には、前述したホッパーモータ34b、払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述したMAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、打止スイッチ36a、自動精算スイッチ36b、投入メダルセンサ31、ドア開放検出スイッチ25、リールセンサ33L、33C、33Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述した払出センサ34c、満タンセンサ35a、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED20、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板101を介して前述したホッパーモータ34bが接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、メイン制御部41、制御用クロック生成回路42、乱数用クロック生成回路43、スイッチ検出回路44、モータ駆動回路45、ソレノイド駆動回路46、LED駆動回路47、電断検出回路48、リセット回路49が搭載されている。
メイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータにて構成され、後述するROM506に記憶された制御プログラムを実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
制御用クロック生成回路42は、メイン制御部41の外部にて、所定周波数の発振信号となる制御用クロックCCLKを生成する。制御用クロック生成回路42により生成された制御用クロックCCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の制御用外部クロック端子EXCを介してクロック回路502に供給される。乱数用クロック生成回路43は、メイン制御部41の外部にて、制御用クロックCCLKの発振周波数とは異なる所定周波数の発振信号となる乱数用クロックRCLKを生成する。乱数用クロック生成回路43により生成された乱数用クロックRCLKは、例えば図5に示すようなメイン制御部41の乱数用外部クロック端子ERCを介して乱数回路509に供給される。一例として、乱数用クロック生成回路43により生成される乱数用クロックRCLKの発振周波数は、制御用クロック生成回路42により生成される制御用クロックCCLKの発振周波数以下となるようにすれば良い。
スイッチ検出回路44は、遊技制御基板40に直接または電源基板101を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を取り込んでメイン制御部41に伝送する。モータ駆動回路45は、メイン制御部41から出力されたモータ駆動信号をリールモータ32L、32C、32Rに伝送する。ソレノイド駆動回路46は、メイン制御部41から出力されたソレノイド駆動信号を流路切替ソレノイド30に伝送する。LED駆動回路は、メイン制御部41から出力されたLED駆動信号を遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDに伝送する。電断検出回路48は、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する。リセット回路49は、電源投入時または電源遮断時などの電源が不安定な状態においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与える。また、リセット回路49は、ウォッチドッグタイマを内蔵し、ウォッチドッグタイマがタイムアップした場合、すなわちメイン制御部41のCPU505の動作が一定時間停止した場合においてメイン制御部41にユーザリセット信号を与える。
図5は、遊技制御基板40に搭載されたメイン制御部41の構成例を示している。図5に示すメイン制御部41は、1チップマイクロコンピュータであり、外部バスインタフェース501と、クロック回路502と、固有情報記憶回路503と、リセット/割込コントローラ504と、CPU505と、ROM506と、RAM507と、CTC(カウンタ/タイマサーキット)508と、乱数回路509と、PIP(パラレルインプットポート)510と、シリアル通信回路511と、アドレスデコード回路512とを備えて構成される。
図5に示すメイン制御部41が備える外部バスインタフェース501は、メイン制御部41を構成するチップの外部バスと内部バスとのインタフェース機能や、アドレスバス、データバス及び各制御信号の方向制御機能などを有するバスインタフェースである。例えば、外部バスインタフェース501は、メイン制御部41に外付けされた外部メモリや外部入出力装置などに接続され、これらの外部装置との間でアドレス信号やデータ信号、各種の制御信号などを送受信するものであれば良い。この実施の形態において、外部バスインタフェース501には、内部リソースアクセス制御回路501Aが含まれている。
内部リソースアクセス制御回路501Aは、外部バスインタフェース501を介した外部装置からメイン制御部41の内部データに対するアクセスを制御して、例えばROM506に記憶されたゲーム制御用プログラムや固定データといった、内部データの不適切な外部読出を制限するための回路である。ここで、外部バスインタフェース501には、例えばインサーキットエミュレータ(ICE)といった回路解析装置が、外部装置として接続されることがある。
メイン制御部41が備えるクロック回路502は、例えば制御用外部クロック端子EXCに入力される発振信号を2分周することなどにより、内部システムクロックSCLKを生成する回路である。本実施例では、制御用外部クロック端子EXCに制御用クロック生成回路42が生成した制御用クロックCCLKが入力される。クロック回路502により生成された内部システムクロックSCLKは、例えばCPU505といった、メイン制御部41において遊技の進行を制御する各種回路に供給される。また、内部システムクロックSCLKは、乱数回路509にも供給され、乱数用クロック生成回路43から供給される乱数用クロックRCLKの周波数を監視するために用いられる。さらに、内部システムクロックSCLKは、クロック回路502に接続されたシステムクロック出力端子CLKOから、メイン制御部41の外部へと出力されても良い。
メイン制御部41が備える固有情報記憶回路503は、例えばメイン制御部41の内部情報となる複数種類の固有情報を記憶する回路である。一例として、固有情報記憶回路503は、ROMコード、チップ個別ナンバー、IDナンバーといった3種類の固有情報を記憶する。ROM506コードは、ROM506の所定領域における記憶データから生成される4バイトの数値であり、生成方法の異なる4つの数値が準備されれば良い。チップ個別ナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される4バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。IDナンバーは、メイン制御部41の製造時に付与される8バイトの番号であり、メイン制御部41を構成するチップ毎に異なる数値を示している。ここで、チップ個別ナンバーはユーザプログラムから読み取ることができる一方、IDナンバーはユーザプログラムから読み取ることができないように設定されていれば良い。尚、固有情報記憶回路503は、例えばROM506の所定領域を用いることなどにより、ROM506に含まれるようにしても良い。或いは、固有情報記憶回路503は、例えばCPU505の内蔵レジスタを用いることなどにより、CPU505に含まれるようにしても良い。
メイン制御部41が備えるリセット/割込コントローラ504は、メイン制御部41の内部や外部にて発生する各種リセット、割込要求を制御するためのものである。リセット/割込コントローラ504が制御するリセットには、システムリセットとユーザリセットが含まれている。システムリセットは、外部システムリセット端子XSRSTに一定の期間にわたりローレベル信号(システムリセット信号)が入力されたときに発生するリセットである。ユーザリセットは、外部ユーザリセット端子XURSTに一定の期間にわたりローレベルの信号(ユーザリセット信号)が入力されたとき、または内蔵ウォッチドッグタイマ(WDT)のタイムアウト信号が発生したことや、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生したことなど、所定の要因により発生するリセットである。尚、本実施例では前述のように内蔵ウォッチドッグタイマを使用せずにリセット回路49に搭載されたウォッチドッグタイマ(WDT)を用いているため、外部ユーザリセット端子XURSTにユーザリセット信号が入力されるか、指定エリア外走行禁止(IAT)が発生することでユーザリセットが発生することとなる。
リセット/割込コントローラ504が制御する割込には、ノンマスカブル割込NMIとマスカブル割込INTが含まれている。ノンマスカブル割込NMIは、CPU505の割込禁止状態でも無条件に受け付けられる割込であり、外部ノンマスカブル割込端子XNMI(入力ポートP4と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたときに発生する割込である。マスカブル割込INTは、CPU505の設定命令により、割込要求の受け付けを許可/禁止できる割込であり、優先順位設定による多重割込の実行が可能である。マスカブル割込INTの要因としては、外部マスカブル割込端子XINT(入力ポートP3と兼用)に一定の期間にわたりローレベル信号が入力されたこと、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、シリアル通信回路511にてデータ送信による割込要因が発生したこと、乱数回路509にて乱数値となる数値データの取り込みによる割込要因が発生したことなど、複数種類の割込要因が予め定められていれば良い。
メイン制御部41が備えるCPU505は、ROM506から読み出したプログラムを実行することにより、スロットマシン1におけるゲームの進行を制御するための処理などを実行する。このときには、CPU505がROM506から固定データを読み出す固定データ読出動作や、CPU505がRAM507に各種の変動データを書き込んで一時記憶させる変動データ書込動作、CPU505がRAM507に一時記憶されている各種の変動データを読み出す変動データ読出動作、CPU505が外部バスインタフェース501やPIP510などを介してメイン制御部41の外部から各種信号の入力を受け付ける受信動作、CPU505が外部バスインタフェース501やシリアル通信回路511などを介してメイン制御部41の外部へと各種信号を出力する送信動作等も行われる。
このように、メイン制御部41では、CPU505がROM506に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、メイン制御部41(又はCPU505)が実行する(又は処理を行う)ということは、具体的には、CPU505がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、遊技制御基板40以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムや固定データ等が記憶されている。また、ROM506には、セキュリティチェックプログラム506Aが記憶されている。CPU505は、スロットマシン1の電源投入やシステムリセットの発生に応じてメイン制御部41がセキュリティモードに移行したときに、ROM506に記憶されたセキュリティチェックプログラム506Aを読み出し、ROM506の記憶内容が変更されたか否かを検査するセキュリティチェック処理を実行する。尚、セキュリティチェックプログラム506Aは、ROM506とは異なる内蔵メモリに記憶されても良い。また、セキュリティチェックプログラム506Aは、例えば外部バスインタフェース501を介してメイン制御部41に外付けされた外部メモリの記憶内容を検査するセキュリティチェック処理に対応したものであっても良い。
メイン制御部41が備えるRAM507は、ゲーム制御用のワークエリアを提供する。ここで、RAM507の少なくとも一部は、バックアップ電源によってバックアップされているバックアップRAMであれば良い。すなわち、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の少なくとも一部の内容が保存される。尚、本実施例では、RAM507の全ての領域がバックアップRAMとされており、スロットマシンへの電力供給が停止しても、所定期間はRAM507の全ての内容が保存される。
メイン制御部41が備えるCTC508は、例えば8ビットのプログラマブルタイマを3チャネル(PTC0−PTC2)内蔵して構成され、リアルタイム割込の発生や時間計測を可能とするタイマ回路を含んでいる。各プログラマブルタイマPTC0−PTC2は、内部システムクロックSCLKに基づいて生成されたカウントクロックの信号変化(例えばハイレベルからローレベルへと変化する立ち下がりタイミング)などに応じて、タイマ値が更新されるものであれば良い。また、CTC508は、例えば8ビットのプログラマブルカウンタを4チャネル(PCC0−PCC3)内蔵しても良い。各プログラマブルカウンタPCC0−PCC3は、内部システムクロックSCLKの信号変化、或いは、プログラマブルカウンタPCC0−PCC3のいずれかにおけるタイムアウトの発生などに応じて、カウント値が更新されるものであれば良い。CTC508は、セキュリティ時間を延長する際の延長時間(可変設定時間)をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタや、乱数回路509にて生成される乱数のスタート値をシステムリセット毎にランダムに決定するために用いられるフリーランカウンタなどを、含んでも良い。或いは、これらのフリーランカウンタは、例えばRAM507のバックアップ領域といった、CTC508とは異なるメイン制御部41の内部回路に含まれても良い。
メイン制御部41が備える乱数回路509は、例えば16ビット乱数といった、所定の更新範囲を有する乱数値となる数値データを生成する回路である。本実施例では、遊技制御基板40の側において、後述する内部抽選用の乱数値を示す数値データがカウント可能に制御される。尚、遊技効果を高めるために、これら以外の乱数値が用いられても良い。CPU505は、乱数回路509から抽出した数値データに基づき、乱数回路509とは異なるランダムカウンタを用いて、ソフトウェアによって各種の数値データを加工或いは更新することで、内部抽選用の乱数値を示す数値データをカウントするようにしても良い。以下では、内部抽選用の乱数値を示す数値データが、ハードウェアとなる乱数回路509からCPU505により抽出された数値データをソフトウェアにより加工しないものとする。尚、乱数回路509は、メイン制御部41に内蔵されるものであっても良いし、メイン制御部41とは異なる乱数回路チップとして、メイン制御部41に外付けされるものであっても良い。
内部抽選用の乱数値は、複数種類の入賞について発生を許容するか否かを判定するために用いられる値であり、本実施例では、「0」〜「65535」の範囲の値をとる。
メイン制御部41が備えるPIP510は、例えば6ビット幅の入力専用ポートであり、専用端子となる入力ポートP0〜入力ポートP2と、機能兼用端子となる入力ポートP3〜入力ポートP5とを含んでいる。入力ポートP3は、CPU505等に接続される外部マスカブル割込端子XINTと兼用される。入力ポートP4は、CPU505等に接続される外部ノンマスカブル割込端子XNMIと兼用される。入力ポートP5は、シリアル通信回路511が使用する第1チャネル受信端子RXAと兼用される。入力ポートP3〜入力ポートP5の使用設定は、プログラム管理エリアに記憶される機能設定KFCSにより指示される。
図5に示すメイン制御部41が備えるアドレスデコード回路512は、メイン制御部41の内部における各機能ブロックのデコードや、外部装置用のデコード信号であるチップセレクト信号のデコードを行うための回路である。チップセレクト信号により、メイン制御部41の内部回路、或いは、周辺デバイスとなる外部装置を、選択的に有効動作させて、CPU505からのアクセスが可能となる。
メイン制御部41が備えるROM506には、ゲーム制御用のユーザプログラムやセキュリティチェックプログラム506Aの他に、ゲームの進行を制御するために用いられる各種の選択用データ、テーブルデータなどが格納される。例えば、ROM506には、CPU505が各種の判定や決定、設定を行うために用意された複数の判定テーブルや決定テーブル、設定テーブルなどを構成するデータが記憶されている。また、ROM506には、CPU505が遊技制御基板40から各種の制御コマンドとなる制御信号を送信するために用いられる複数のコマンドテーブルを構成するテーブルデータなどが記憶されている。
メイン制御部41が備えるRAM507には、スロットマシン1におけるゲームの進行などを制御するために用いられる各種のデータを保持する領域として、遊技制御用データ保持エリア590が設けられている。RAM507としては、例えばDRAMが使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要になる。CPU505には、このリフレッシュ動作を行うためのリフレッシュレジスタが内蔵されている。例えば、リフレッシュレジスタは8ビットからなり、そのうち下位7ビットはCPU505がROM506から命令フェッチするごとに自動的にインクリメントされる。したがって、リフレッシュレジスタにおける格納値の更新は、CPU505における1命令の実行時間ごとに行われることになる。
メイン制御部41は、シリアル通信回路511を介してサブ制御部91に各種のコマンドを送信する。メイン制御部41からサブ制御部91へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、サブ制御部91からメイン制御部41へ向けてコマンドが送られることはない。
メイン制御部41は、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が入力ポートから入力される。そしてメイン制御部41は、これら入力ポートから入力される各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、メイン制御部41は、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、CTC508に含まれるタイマ回路にてタイムアウトが発生したこと、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。
また、メイン制御部41は、割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、予め定められた順位によって優先して実行する割込が設定されている。尚、割込処理の実行中に他の割込要因が発生し、割込処理が終了してもその割込要因が継続している状態であれば、その時点で新たな割込が発生することとなる。
メイン制御部41は、基本処理として遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態が変化するまでは制御状態に応じた処理を繰り返しループし、各種スイッチ類の検出状態の変化に応じて段階的に移行する処理を実行する。また、メイン制御部41は、一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎にタイマ割込処理(メイン)を実行する。尚、タイマ割込処理(メイン)の実行間隔は、基本処理において制御状態に応じて繰り返す処理が一巡する時間とタイマ割込処理(メイン)の実行時間とを合わせた時間よりも長い時間に設定されており、今回と次回のタイマ割込処理(メイン)との間で必ず制御状態に応じて繰り返す処理が最低でも一巡することとなる。
演出制御基板90には、演出用スイッチ56が接続されており、この演出用スイッチ56の検出信号が入力されるようになっている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉1bに配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、前述したリールLED55等の演出装置が接続されており、これら演出装置は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
尚、本実施例では、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91により、液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の演出装置の出力制御が行われる構成であるが、サブ制御部91とは別に演出装置の出力制御を直接的に行う出力制御部を演出制御基板90または他の基板に搭載し、サブ制御部91がメイン制御部41からのコマンドに基づいて演出装置の出力パターンを決定し、サブ制御部91が決定した出力パターンに基づいて出力制御部が演出装置の出力制御を行う構成としても良く、このような構成では、サブ制御部91及び出力制御部の双方によって演出装置の出力制御が行われることとなる。
また、本実施例では、演出装置として液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55を例示しているが、演出装置は、これらに限られず、例えば、機械的に駆動する表示装置や機械的に駆動する役モノなどを演出装置として適用しても良い。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にサブCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の表示制御を行う表示制御回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うLED駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはサブCPU91aからの初期化命令が一定時間入力されないときにサブCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、演出制御基板90に接続された演出用スイッチ56から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路96、日付情報及び時刻情報を含む時間情報を出力する時計装置97、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をサブCPU91aに対して出力する電断検出回路98、その他の回路等、が搭載されており、サブCPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
リセット回路95は、遊技制御基板40においてメイン制御部41にシステムリセット信号を与えるリセット回路49よりもリセット信号を解除する電圧が低く定められており、電源投入時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも早い段階で起動するようになっている。一方で、電断検出回路98は、遊技制御基板40においてメイン制御部41に電圧低下信号を出力する電断検出回路48よりも電圧低下信号を出力する電圧が低く定められており、電断時においてサブ制御部91は、メイン制御部41よりも遅い段階で停電を検知し、後述する電断処理(サブ)を行うこととなる。
サブ制御部91は、メイン制御部41と同様に、割込機能を備えており、メイン制御部41からのコマンド受信時に割込を発生させて、メイン制御部41から送信されたコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、サブ制御部91は、システムクロックの入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。
また、サブ制御部91は、メイン制御部41とは異なり、コマンドの受信に基づいて割込が発生した場合には、タイマ割込処理(サブ)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、タイマ割込処理(サブ)の契機となる割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、RAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものである。詳しくは、後述する内部抽選において設定値に応じた当選確率を用いることにより、メダルの払出率が変わるようになっている。設定値は1〜6の6段階からなり、6が最も払出率が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど払出率が低くなる。すなわち設定値として6が設定されている場合には、遊技者にとって最も有利度が高く、5、4、3、2、1の順に値が小さくなるほど有利度が段階的に低くなる。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をon状態としてからスロットマシン1の電源をonする必要がある。設定キースイッチ37をon状態として電源をonすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示値として表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更状態に移行する。設定変更状態において、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された表示値が1ずつ更新されていく(設定6からさらに操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると表示値を設定値として確定する。そして、設定キースイッチ37がoffされると、確定した表示値(設定値)がメイン制御部41のRAM507に格納され、遊技の進行が可能な状態に移行する。
また、設定値を確認するためには、ゲーム終了後、賭数が設定されていない状態で設定キースイッチ37をon状態とすれば良い。このような状況で設定キースイッチ37をon状態とすると、設定値表示器24にRAM507から読み出された設定値が表示されることで設定値を確認可能な設定確認状態に移行する。設定確認状態においては、ゲームの進行が不能であり、設定キースイッチ37をoff状態とすることで、設定確認状態が終了し、ゲームの進行が可能な状態に復帰することとなる。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41は、タイマ割込処理(メイン)を実行する毎に、電断検出回路48からの電圧低下信号が検出されているか否かを判定する停電判定処理を行い、停電判定処理において電圧低下信号が検出されていると判定した場合に、電断処理(メイン)を実行する。電断処理(メイン)では、レジスタを後述するRAM507のスタックに退避し、RAM507にいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM507に格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM507の該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM507の全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、メイン制御部41は、システムリセットによるかユーザリセットによるかに関わらず、その起動時においてRAM507の全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM507に記憶されているデータに基づいてメイン制御部41の処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、通常のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更状態において新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
尚、本実施例では、RAM507に格納されている全てのデータが停電時においてもバックアップ電源により保持されるとともに、メイン制御部41は、電源投入時においてRAM507のデータが正常であると判定した場合に、RAM507の格納データに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成であるが、RAM507に格納されているデータのうち停電時において制御状態の復帰に必要なデータのみをバックアップし、電源投入時においてバックアップされているデータに基づいて電断前の制御状態に復帰する構成としても良い。
また、電源投入時において電断前の制御状態に復帰させる際に、全ての制御状態を電断前の制御状態に復帰させる必要はなく、遊技者に対して不利益とならない最低限の制御状態を復帰させる構成であれば良く、例えば、入力ポートの状態などを全て電断前の状態に復帰させる必要はない。
次に、メイン制御部41のRAM507の初期化について説明する。メイン制御部41のRAM507の格納領域は、重要ワーク、非保存ワーク、一般ワーク、特別ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、初期化すると不都合があるデータに加え、後述する遊技状態フラグ及びRT残りゲーム数が格納されるワークである。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM507のデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、BB中のメダル払出総数等、BB終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。未使用領域は、RAM507の格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、メイン制御部41のレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41は、設定キースイッチ37がonの状態での起動時、RAM異常エラー発生時、BB終了時、設定キースイッチ37がoffの状態での起動時でRAM507のデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の5つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がonの状態であり、設定変更状態へ移行する場合において、その前に行う初期化、またはRAM異常エラー発生時に行う初期化であり、初期化1では、RAM507の格納領域のうち、重要ワーク及び使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)、すなわち非保存ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化2は、BB終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM507の格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域、すなわち一般ワークから未使用スタック領域までの領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がoffの状態であり、かつRAM507のデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM507の格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例では、初期化1を設定変更状態の移行前に行っているが、設定変更状態の終了時に行ったり、設定変更状態移行前、設定変更状態終了時の双方で行うようにしても良い。
このように本実施例では、電源投入時などにRAM異常エラーが発生した場合には、初期化1が実行され、それ以前の制御状態が初期化されることとなるが、この際、重要ワークに割り当てられてられた遊技状態フラグやRT残りゲーム数は初期化されることなく保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態(RT0〜5、RB、BB(RB))に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、入賞ラインLNが有効化される。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。役は、同一図柄の組み合わせであっても良いし、異なる図柄を含む組み合わせであっても良い。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技者にとって有利な遊技状態への移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、スタートスイッチ7の検出時に内部抽選用の乱数値(0〜65535の整数)を取得する。詳しくは、RAM507に割り当てられた乱数値格納ワークの値を同じくRAM507に割り当てられた抽選用ワークに設定する。そして、遊技状態及び特別役の持ち越しの有無に応じて定められた各役について、抽選用ワークに格納された数値データと、遊技状態を特定するための遊技状態フラグの値、賭数及び設定値に応じて定められた各役の判定値数に応じて行われる。
乱数値格納ワークは、スタートスイッチ7の操作と同時にラッチされた数値データが格納される記憶領域であり、新たな数値データがラッチされる毎に、ラッチされた数値データがその後のタイマ割込処理(メイン)において読み出され、乱数値格納ワークに格納された数値データが新たにラッチされた最新の数値データに更新されるようになっている。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役、現在の遊技状態フラグ値及び設定値に対応して定められた判定値数を、内部抽選用の乱数値(抽選用ワークに格納された数値データ)に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役に当選したものと判定される。このため、判定値数の大小に応じた確率(判定値数/65536)で役が当選することとなる。
そして、いずれかの役の当選が判定された場合には、当選が判定された役に対応する当選フラグをRAM507に割り当てられた内部当選フラグ格納ワークに設定する。内部当選フラグ格納ワークは、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、特別役が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、一般役が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
メイン制御部41は、リールの回転が開始したとき、及びリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、ROM506に格納されているテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して、回転中のリール別に停止制御テーブルを作成する。そして、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、該当するリールの停止制御テーブルを参照し、参照した停止制御テーブルの滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
テーブルインデックスには、内部抽選による当選フラグの設定状態(以下、内部当選状態と呼ぶ)別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレスから、テーブル作成用データが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより内部当選状態に応じた差分を取得し、基準アドレスに対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。尚、役の当選状況が異なる場合でも、同一の制御が適用される場合においては、インデックスデータとして同一のアドレスが格納されており、このような場合には、同一のテーブル作成用データを参照して、停止制御テーブルが作成されることとなる。
テーブル作成用データは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す停止制御テーブルと、リールの停止状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される停止制御テーブルは、全てのリールが回転しているか、左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき停止制御テーブルのアドレスが回転中のリール別に登録されており、テーブル作成用データの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき停止制御テーブルのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な停止制御テーブルを特定できるようになっている。尚、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の停止制御テーブルが適用される場合においては、停止制御テーブルのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の停止制御テーブルが参照されることとなる。
停止制御テーブルは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、336ステップ(0〜335)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを336ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、リール1周に対して16ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から0〜20の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から0〜20の図柄番号が割り当てられているので、0番図柄から20番図柄に対して、それぞれ0〜20の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、停止制御テーブルには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、停止制御テーブルを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
前述のようにテーブルインデックス及びテーブル作成用データを参照して作成される停止制御テーブルは、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ設定されたテーブルである。
次に、停止制御テーブルの作成手順について説明すると、まず、リール回転開始時においては、そのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスを取得する。具体的には、まずテーブルインデックスを参照し、内部当選状態に対応するインデックスデータを取得し、そして取得したインデックスデータに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから全てのリールが回転中の状態に対応する各リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して全てのリールについて停止制御テーブルを作成する。
また、いずれか1つのリールが停止したとき、またはいずれか2つのリールが停止したときには、リール回転開始時に取得したインデックスデータ、すなわちそのゲームの内部当選状態に応じたテーブル作成用データの先頭アドレスに基づいてテーブル作成用データを特定し、特定したテーブル作成用データから停止済みのリール及び当該リールの停止位置の領域番号に対応する未停止リールの停止制御テーブルのアドレスを取得し、取得したアドレスに格納されている各リールの停止制御テーブルを展開して未停止のリールについて停止制御テーブルを作成する。
次に、メイン制御部41がストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出したときに、該当するリールに表示結果を導出させる際の制御について説明すると、ストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作を有効に検出すると、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの停止制御テーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして、取得した滑りコマ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。具体的には、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数から、取得した滑りコマ数引き込んで停止させるまでのステップ数を算出し、算出したステップ数分リールを回転させて停止させる制御を行う。これにより、停止操作が検出された停止操作位置の領域番号に対応する領域から滑りコマ数分先の停止位置となる領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に停止することとなる。
本実施例のテーブルインデックスには、一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するインデックスデータとして1つのアドレスのみが格納されており、更に、一のテーブル作成用データには、一のリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルの格納領域のアドレスとして1つのアドレスのみが格納されている。すなわち一の遊技状態における一の内部当選状態に対応するテーブル作成用データ、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御テーブルが一意的に定められており、これらを参照して作成される停止制御テーブルも、一の遊技状態における一の内部当選状態、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部当選状態、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の停止制御テーブル、すなわち同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
また、本実施例では、滑りコマ数として0〜4の値が定められており、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
本実施例では、いずれかの役に当選している場合には、当選役を入賞ライン上に4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が入賞ライン上に揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した小役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められているとともに、当選した小役を入賞ラインに最大4コマの範囲で引き込めない停止操作位置については、当選した特別役を入賞ラインに4コマの範囲で最大限に引き込むように滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを作成し、リールの停止制御を行う。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している小役を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している特別役を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも小役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、小役を引き込めない場合にのみ、特別役を入賞させることが可能となる。尚、特別役と小役を同時に引き込める場合には、小役のみを引き込み、特別役と同時に小役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
尚、本実施例では、特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で小役が当選した場合や新たに特別役と小役が同時に当選した場合など、特別役と小役が同時に当選している場合には、当選した特別役よりも当選した小役が優先され、小役が引き込めない場合のみ、特別役を入賞ライン上に揃える制御を行っているが、特別役と小役が同時に当選している場合に、小役よりも特別役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、特別役を引き込めない場合にのみ、小役を入賞ライン上に揃える制御を行っても良い。
特別役が前ゲーム以前から持ち越されている状態で再遊技役が当選した場合など、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で再遊技役の図柄を揃えて停止させる制御が行われる。尚、この場合、再遊技役を構成する図柄または同時当選する再遊技役を構成する図柄は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、特別役と再遊技役が同時に当選している場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ず再遊技役が揃って入賞することとなる。すなわちこのような場合には、特別役よりも再遊技役を入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ず再遊技役が入賞することとなる。尚、特別役と再遊技役を同時に引き込める場合には、再遊技役のみを引き込み、再遊技役と同時に特別役が入賞ライン上に揃わないようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
次に、メイン制御部41がサブ制御部91に対して送信するコマンドについて説明する。
本実施例では、メイン制御部41がサブ制御部91に対して、投入枚数コマンド、クレジットコマンド、内部当選コマンド、フリーズコマンド、リール回転開始コマンド、リール停止コマンド、入賞番号コマンド、払出開始コマンド、払出終了コマンド、復帰コマンド、遊技状態コマンド、RT情報コマンド、待機コマンド、打止コマンド、エラーコマンド、復帰コマンド、設定コマンド、カウンタ初期化コマンド、設定確認コマンド、ドアコマンド、操作検出コマンドを含む複数種類のコマンドを送信する。
これらコマンドは、コマンドの種類を示す1バイトの種類データとコマンドの内容を示す1バイトの拡張データとからなり、サブ制御部91は、種類データからコマンドの種類を判別できるようになっている。
投入枚数コマンドは、メダルの投入枚数、すなわち賭数の設定に使用されたメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、電断復帰時、または規定数の賭数が設定されていない状態においてメダルが投入されるか、MAXBETスイッチ6が操作されて賭数が設定されたときに送信される。また、投入枚数コマンドは、賭数の設定操作がなされたときに送信されるので、投入枚数コマンドを受信することで賭数の設定操作がなされたことを特定可能である。
クレジットコマンドは、クレジットとして記憶されているメダル枚数を特定可能なコマンドであり、ゲーム終了後(設定変更後)からゲーム開始までの状態であり、規定数の賭数が設定されている状態において、メダルが投入されてクレジットが加算されたときに送信される。
内部当選コマンドは、内部抽選結果を特定可能なコマンドであり、スタートスイッチ7が操作されてゲームが開始したときに送信される。また、内部当選コマンドは、スタートスイッチ7が操作されたときに送信されるので、内部当選コマンドを受信することでスタートスイッチ7が操作されたことを特定可能である。
フリーズコマンドは、当該ゲームにおいて後述するフリーズ状態に制御するか否か、フリーズ状態に制御する場合にはそのタイミングを特定可能なコマンドであり、内部当選コマンドの後に送信される。
リール回転開始コマンドは、リールの回転の開始を通知するコマンドであり、リール2L、2C、2Rの回転が開始されたときに送信される。
リール停止コマンドは、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なコマンドであり、各リールの停止操作に伴う停止制御が行われる毎に送信される。また、リール停止コマンドは、ストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたときに送信されるので、リール停止コマンドを受信することでストップスイッチ8L、8C、8Rが操作されたことを特定可能である。
入賞番号コマンドは、入賞ラインLNに揃った図柄の組み合わせ、入賞の有無、並びに入賞の種類、入賞時のメダルの払出枚数を特定可能なコマンドであり、全リールが停止して入賞判定が行われた後に送信される。
払出開始コマンドは、メダルの払出開始を通知するコマンドであり、入賞やクレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が開始されたときに送信される。また、払出終了コマンドは、メダルの払出終了を通知するコマンドであり、入賞及びクレジットの精算によるメダルの払出が終了したときに送信される。
復帰コマンドは、メイン制御部41が電断前の制御状態に復帰した旨を示すコマンドであり、メイン制御部41の起動時において電断前の制御状態に復帰した際に送信される。
遊技状態コマンドは、現在の遊技状態(BB中、RB中、再遊技)を特定可能なコマンドであり、電断復帰時またはゲームの終了時に送信される。
RT情報コマンドは、次ゲームの遊技状態(RT0〜5のいずれか)を特定可能なコマンドであり、ゲームの終了時に送信される。
待機コマンドは、待機状態へ移行する旨を示すコマンドであり、1ゲーム終了後、賭数が設定されずに一定時間経過して待機状態に移行するとき、クレジット(賭数の設定に用いられたメダルを含む)の精算によるメダルの払出が終了し、払出終了コマンドが送信された後に送信される。
打止コマンドは、打止状態の発生または解除を示すコマンドであり、BB終了後、エンディング演出待ち時間が経過した時点で打止状態の発生を示す打止コマンドが送信され、リセット操作がなされて打止状態が解除された時点で、打止状態の解除を示す打止コマンドが送信される。
エラーコマンドは、エラー状態の発生または解除、エラー状態の種類を示すコマンドであり、エラーが判定され、エラー状態に制御された時点でエラー状態の発生及びその種類を示すエラーコマンドが送信され、リセット操作がなされてエラー状態が解除された時点で、エラー状態の解除を示すエラーコマンドが送信される。
設定コマンドは、設定変更状態の開始または終了、設定変更後設定値を示すコマンドであり、設定変更状態に移行する時点で設定変更状態の開始を示す設定コマンドが送信され、設定変更状態の終了時に設定変更状態の終了及び設定変更後の設定値を示す設定コマンドが送信される。また、設定変更状態への移行に伴ってメイン制御部41の制御状態が初期化されるため、設定開始を示す設定コマンドによりメイン制御部41の制御状態が初期化されたことを特定可能である。
カウンタ初期化コマンドは、設定変更に伴い後述の純増枚数カウンタの値がリセットされた旨を示すコマンドであり、設定変更常態の終了を示す設定コマンドの後に送信される。
設定確認コマンドは、設定確認状態の開始または終了を示すコマンドであり、設定確認状態に移行する際に設定確認開始を示す設定確認コマンドが送信され、設定確認状態の終了時に設定確認終了を示す設定確認コマンドが送信される。
ドアコマンドは、ドア開放検出スイッチ25の検出状態、すなわちon(開放状態)/off(閉状態)を示すコマンドであり、電源投入時、1ゲーム終了時(ゲーム終了後、次のゲームの賭数の設定が開始可能となる前までの時点)、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化(onからoff、offからon)した時に送信される。
操作検出コマンドは、操作スイッチ類(MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R)のうち検出状態(on/off)が変化したスイッチ、検出状態がoffからonに変化したのか、onからoffに変化したのか及び他のスイッチの検出状態(on/off)を示すコマンドであり、これら操作スイッチ類のいずれかの検出状態が変化したときに送信される。
これらコマンドのうちドアコマンド及び操作検出コマンド以外のコマンドは、基本処理において生成され、非初期化領域に割り当てられたコマンドバッファ内のコマンドデータを新たに生成したコマンドデータに更新するとともに、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
特に、復帰コマンド、投入枚数コマンド、ボーナス種別コマンド、遊技状態コマンド、RT情報1コマンド、復帰時内部当選コマンドは、起動時に行われる基本処理(起動処理(メイン))において電断前の状態に復帰する場合において順次生成され、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで、サブ制御部91に送信される。
一方、ドアコマンドは、タイマ割込処理(メイン)のドア監視処理において生成され、ドアコマンド格納領域に格納される。ドアコマンド格納領域には、電源投入時または1ゲーム終了時にその時点のドア開放検出スイッチ25の検出状態を示すドアコマンドが格納され、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化した時にその変化後の検出状態を示すドアコマンドが格納される。また、ドアコマンド格納領域に格納されたドアコマンドは、当該ドアコマンドが送信された後もクリアされることがなく、その後、新たに格納されるドアコマンドによって上書きされるようになっている。尚、電源投入時または1ゲーム終了時には、ドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信を要求するドアコマンド送信要求1が設定され、ドアコマンド送信要求1が設定されているか、ドア開放検出スイッチ25の検出状態が変化したときに、ドアコマンド送信要求2が設定されるようになっており、このドアコマンド送信要求2が設定されることによりドアコマンド格納領域に格納されているドアコマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
また、操作検出コマンドは、タイマ割込処理(メイン)のスイッチ入力判定処理において、いずれかのスイッチの検出状態の変化が検出された場合(いずれかのスイッチのエッジデータが設定された場合)に生成され、操作検出コマンド格納領域に格納されるとともに、操作検出コマンド送信要求が設定されることにより操作検出コマンド格納領域に格納されている操作検出コマンドの送信が命令され、その後実行されるタイマ割込処理(メイン)のコマンド送信処理において、コマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信される。
前述のようにドアコマンドも操作検出コマンドもともにタイマ割込処理(メイン)のコマンド設定処理においてコマンドバッファに格納され、シリアル通信回路511に転送することで、サブ制御部91に送信されることとなるが、ドアコマンド送信要求2が設定されている場合、すなわちドアコマンドの送信が要求されている場合には、例え、操作検出コマンドの送信が要求されていても、ドアコマンドの送信を優先するようになっており、ドアコマンド送信要求2が設定されていない場合のみ操作検出コマンドが送信されることとなるため、ドアコマンド送信要求2と操作検出コマンド送信要求の双方が設定されている場合には、当該コマンド送信処理では、ドアコマンドが送信され、次回以降のコマンド送信処理において操作検出コマンドが送信されることとなる。
次に、メイン制御部41が演出制御基板90に対して送信するコマンドに基づいてサブ制御部91が実行する演出の制御について説明する。
サブ制御部91は、メイン制御部41からのコマンドを受信した際に、コマンド受信割込処理を実行する。コマンド受信割込処理では、RAM91cに設けられた受信用バッファに、コマンド伝送ラインから取得したコマンドを格納する。
受信用バッファには、最大で16個のコマンドを格納可能な領域が設けられており、複数のコマンドを蓄積できるようになっている。
サブ制御部91は、タイマ割込処理(サブ)において、受信用バッファに未処理のコマンドが格納されているか否かを判定し、未処理のコマンドが格納されている場合には、そのうち最も早い段階で受信したコマンドに基づいてROM91bに格納された制御パターンテーブルを参照し、制御パターンテーブルに登録された制御内容に基づいて液晶表示器51、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の各種演出装置の出力制御を行う。
制御パターンテーブルには、複数種類の演出パターン毎に、コマンドの種類に対応する液晶表示器51の表示パターン、演出効果LED52の点灯態様、スピーカ53、54の出力態様、リールLEDの点灯態様等、これら演出装置の制御パターンが登録されており、サブ制御部91は、コマンドを受信した際に、制御パターンテーブルの当該ゲームにおいてRAM91cに設定されている演出パターンに対応して登録された制御パターンのうち、受信したコマンドの種類に対応する制御パターンを参照し、当該制御パターンに基づいて演出装置の出力制御を行う。これにより演出パターン及び遊技の進行状況に応じた演出が実行されることとなる。
尚、サブ制御部91は、あるコマンドの受信を契機とする演出の実行中に、新たにコマンドを受信した場合には、実行中の制御パターンに基づく演出を中止し、新たに受信したコマンドに対応する制御パターンに基づく演出を実行するようになっている。すなわち演出が最後まで終了していない状態でも、新たにコマンドを受信すると、受信した新たなコマンドが新たな演出の契機となるコマンドではない場合を除いて実行していた演出はキャンセルされて新たなコマンドに基づく演出が実行されることとなる。
特に、本実施例では、演出の実行中に賭数の設定操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、賭数が設定された旨を示す投入枚数コマンドを受信したときに、実行中の演出を中止するようになっている。このため、遊技者が、演出を最後まで見るよりも次のゲームを進めたい場合には、演出がキャンセルされ、次のゲームを開始できるので、このような遊技者に対して煩わしい思いをさせることがない。また、演出の実行中にクレジットまたは賭数の精算操作がなされたとき、すなわちサブ制御部91が、ゲームの終了を示す遊技状態コマンドを受信した後、ゲームの開始を示す内部当選コマンドを受信する前に、払出開始コマンドを受信した場合には、実行中の演出を中止するようになっている。クレジットや賭数の精算を行うのは、遊技を終了する場合であり、このような場合に実行中の演出を終了させることで、遊技を終了する意志があるのに、不要に演出が継続してしまわないようになっている。
演出パターンは、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じた選択率にて選択され、RAM91cに設定される。演出パターンの選択率は、ROM91bに格納された演出テーブルに登録されており、サブ制御部91は、内部当選コマンドを受信した際に、内部当選コマンドが示す内部抽選の結果に応じて演出テーブルに登録されている選択率を参照し、その選択率に応じて複数種類の演出パターンからいずれかの演出パターンを選択し、選択した演出パターンを当該ゲームの演出パターンとしてRAM91cに設定するようになっており、同じコマンドを受信しても内部当選コマンドの受信時に選択された演出パターンによって異なる制御パターンが選択されるため、結果として演出パターンによって異なる演出が行われることがある。
本実施例のスロットマシン1においては、いずれかの入賞ライン上に役図柄が揃うと、入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、ビッグボーナス、レギュラーボーナスへの移行を伴う特別役と、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役とがある。
尚、ビッグボーナスをBBと示し、レギュラーボーナスをRBと示す場合がある。また、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを単にボーナスという場合もある。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、内部抽選に当選して、当該役の入賞を許容する旨の当選フラグがRAM507に設定されている必要がある。
図6〜図9は、入賞役の種類、入賞役の図柄組み合わせ、及び入賞役に関連する技術事項について説明するための図である。また、図10は、メイン制御部41により制御される遊技状態の遷移を説明するための図であり、図11は、遊技状態及びRTの概要を示す図である。
本実施例におけるスロットマシンは、図10に示すように、RT0〜5、RB、BB(RB)のいずれかに制御される。
図6を参照して、入賞役のうち特別役には、ビッグボーナス1〜4(以下、各々のビッグボーナスをBBと称する)、レギュラーボーナス1、2(以下、各々のレギュラーボーナスをRBと称する)の6種類のボーナスが含まれる。
BB1は、入賞ラインに「黒7−黒7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB2は、入賞ラインに「網7−網7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB3は、入賞ラインに「白7−白7−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。BB4は、入賞ラインに「黒7−白7−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
BB1〜BB4のいずれかに入賞すると、BB中レギュラーボーナス(以下、BBRBと称する)に毎ゲーム制御されるビッグボーナスに移行される。
BB1〜BB4のいずれかの入賞に起因して発生したビッグボーナスは、316枚以上メダルが払い出されたことを条件として終了する。
RB1は、入賞ラインに「網7−網7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。RB2は、入賞ラインに「白7−白7−黒7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
RB1、RB2のいずれかに入賞すると、レギュラーボーナス(以下、RBと称する)に移行される。
RB1、RB2のいずれかの入賞に起因して発生したレギュラーボーナスは、いずれかの役が6回入賞するか、12ゲーム消化したことを条件として終了する。
図10に示すように、BB1、BB3、RB2のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、RT4に制御され、BB2、BB4、RB1のいずれかに内部当選してから入賞するまでは、RT5に制御される。また、図10に示すように、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス(まとめてボーナスと呼ぶ)が終了した後は、RT3に制御される。
後述する内部抽選においてBB1〜BB4、RB1、RB2のうちいずれかに当選していても、ストップスイッチ8L、8C、8Rをこれらの役に入賞可能とする適正なタイミングで操作しなければ、これらの役に入賞することはない。BB1〜BB4、RB1、RB2を構成する図柄(「黒7」、「白7」、「網7」)は、各々、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されていないためである。
次に、図7を参照して、入賞役のうち小役について説明する。入賞役のうち小役には、中段ベル、右下がりベル、上段ベル1〜8、下段チェリー、1枚役、右上がりベルが含まれる。
中段ベルは、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、ベルは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において中段ベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
右下がりベルは、入賞ラインLNに「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となり、8枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイ及びプラムは、ベルの1つ下の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ及びプラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので、「リプレイ−ベル−リプレイ」、「リプレイ−ベル−プラム」、「プラム−ベル−リプレイ」、「プラム−ベル−プラム」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右下がり、すなわち無効ラインLM3に揃うこととなる。
また、プラム、リプレイのいずれか一方は、左リール2L、右リール2R各々において5コマ以内に配置されており、ベルは、中リール2Cにおいて5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右下がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、上段ベル1〜8について説明する。上段ベル1は、入賞ラインLNに「リプレイ−オレンジ−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル2は、入賞ラインLNに「リプレイ−オレンジ−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル3は、入賞ラインLNに「リプレイ−BAR−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル4は、入賞ラインLNに「リプレイ−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル5は、入賞ラインLNに「プラム−オレンジ−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル6は、入賞ラインLNに「プラム−オレンジ−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル7は、入賞ラインLNに「プラム−BAR−オレンジ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。上段ベル8は、入賞ラインLNに「プラム−BAR−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのリプレイ及びプラム、中リールのBAR及びオレンジ、右リール2RのBAR及びオレンジは、ベルの1つ下の位置に配置されているので、「リプレイ−オレンジ−オレンジ」、「リプレイ−オレンジ−BAR」、「リプレイ−BAR−オレンジ」、「リプレイ−BAR−BAR」、「プラム−オレンジ−オレンジ」、「プラム−オレンジ−BAR」、「プラム−BAR−オレンジ」、「プラム−BAR−BAR」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが上段、すなわち無効ラインLM1に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて、リプレイ及びプラムは、5コマ以内に配置されておらず、中リール2C、右リール2Rの各々について、オレンジ及びBARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において上段ベル1〜8のいずれかに当選していても、当選している上段ベルの構成図柄に対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、当選している上段ベルに入賞することはない。
下段チェリーは、入賞ラインLNに「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」、「BAR−ベル−ANY」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。下段チェリーが入賞すると2枚メダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2LのBARは、チェリーの1つ上の位置に配置されているので、「BAR−オレンジ−ANY(ANYはいずれの図柄でも可)」、「BAR−BAR−ANY」、「BAR−ベル−ANY」のいずれかの組み合わせが揃うと、左リールの「チェリー」が下段に停止することとなり、「チェリー−ANY−ANY」の組み合わせが下段及び右上がり、すなわち無効ラインLM2及びLM4に揃うこととなる。
また、中リール2Cにおいてオレンジ、BAR、ベルのいずれかは、5コマ以内に配置されているが、左リール2Lにおいて、BARは、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において下段チェリーに当選していても、左リール2Lに対応するストップスイッチ8Lを適正なタイミングで操作しなければ、下段チェリーに入賞することはない。
1枚役は、入賞ラインLNに「黒7−チェリー−網7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。1枚役が入賞すると1枚メダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lの黒7、中リールのチェリー、右リールの網7は、5コマ以内に配置されていない。このため、後述する内部抽選において1枚役に当選していても、左リール2L、中リール2C、右リール2Rに対応するストップスイッチ8L、8C、8Rを適正なタイミングで操作しなければ、1枚役に入賞することはない。
右上がりベルは、入賞ラインLNに「黒7−ベル−オレンジ」、「白7−ベル−オレンジ」、「スイカ−ベル−オレンジ」、「黒7−ベル−BAR」、「白7−ベル−BAR」、「スイカ−ベル−BAR」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となり、10枚のメダルが払い出される。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lの黒7、白7、スイカは、ベルの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのオレンジ、BARは、ベルの1つ下の位置に配置されているので「黒7−ベル−オレンジ」、「白7−ベル−オレンジ」、「スイカ−ベル−オレンジ」、「黒7−ベル−BAR」、「白7−ベル−BAR」、「スイカ−ベル−BAR」のいずれかの組み合わせが揃うと、「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいて黒7、白7、スイカの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、BARの1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において右上がりベルに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
次に、図8を参照して、入賞役のうち再遊技役について説明する。入賞役のうち再遊技役には、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ1、2、特殊リプレイ、SP(スペシャル)リプレイが含まれる。
通常リプレイは、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ、プラムは、左リール2L、中リール2C、右リール2R各々において5コマ以内に配置されている。よって、通常リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
下段リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−オレンジ−オレンジ」、「ベル−オレンジ−チェリー」、「ベル−オレンジ−スイカ」、「ベル−オレンジ−黒7」、「ベル−オレンジ−網7」、「ベル−オレンジ−白7」、「ベル−BAR−オレンジ」、「ベル−BAR−チェリー」、「ベル−BAR−スイカ」、「ベル−BAR−黒7」、「ベル−BAR−網7」、「ベル−BAR−白7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−オレンジ」、「ベル−オレンジ−チェリー」、「ベル−オレンジ−スイカ」、「ベル−オレンジ−黒7」、「ベル−オレンジ−網7」、「ベル−オレンジ−白7」、「ベル−BAR−オレンジ」、「ベル−BAR−チェリー」、「ベル−BAR−スイカ」、「ベル−BAR−黒7」、「ベル−BAR−網7」、「ベル−BAR−白7」のいずれかの組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「リプレイ−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−リプレイ−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」、「プラム−プラム−リプレイ−リプレイ−スイカ/リプレイ/プラム/チェリー/網7/白7」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてオレンジ、チェリー、スイカ、黒7、網7、白7の1つは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において下段リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
転落リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのベルは、リプレイの1つ下の位置に配置されているので「ベル−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」、「リプレイ−リプレイ−プラム」、「プラム−リプレイ−リプレイ」、「プラム−リプレイ−プラム」の組み合わせが右上がり、すなわち無効ラインLM4に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において転落リプレイに当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT0において転落リプレイに入賞した後は、RT1に制御される。
昇格リプレイ1は、入賞ラインLNに「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてベルは、5コマ以内に配置されている。よって、昇格リプレイ1については、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
昇格リプレイ2は、入賞ラインLNに「ベル−オレンジ−リプレイ」、「ベル−オレンジ−プラム」、「ベル−BAR−リプレイ」、「ベル−BAR−プラム」のいずれかの組み合わせが揃ったときに入賞となる。
ここで、図3を参照すると、左リール2Lのベルは、リプレイまたはプラムの1つ上の位置に配置されており、中リール2Cのオレンジ、BARは、リプレイの1つ上の位置に配置されており、右リール2Rのリプレイ、プラムは、ベルの1つ上の位置に配置されているので「ベル−オレンジ−リプレイ」、「ベル−オレンジ−プラム」、「ベル−BAR−リプレイ」、「ベル−BAR−プラム」の組み合わせが揃うと、「リプレイ−リプレイ−ベル」、「プラム−リプレイ−ベル」の組み合わせが下段、すなわち無効ラインLM2に揃うこととなる。
また、左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リールにおいてオレンジ、BARは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムは、5コマ以内に配置されている。このため、後述する内部抽選において昇格リプレイ2に当選しているときには、原則として、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT1において昇格リプレイ(昇格リプレイ1または昇格リプレイ2)に入賞した後は、RT0に制御される。後述するように、昇格リプレイは、RT2、RT3における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、RT2、RT3における内部抽選において特別役と昇格リプレイが同時に当選した場合には、その時点でRT4またはRT5に制御される。このため、RT2、RT3においては昇格リプレイに入賞しない。その結果、RT2、RT3からRT0に制御されないように構成されており、RT1であるときにのみ昇格リプレイ入賞し、当該RT1からのみRT0に制御されるように構成されている。
特殊リプレイは、入賞ラインLNに「ベル−リプレイ−リプレイ」、「ベル−リプレイ−プラム」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。左リール2Lにおいてベルは、5コマ以内に配置されており、中リール2Cにおいてリプレイは、5コマ以内に配置されており、右リール2Rにおいてリプレイ、プラムの1つは、5コマ以内に配置されている。よって、特殊リプレイについては、原則として、当選していれば、ストップスイッチ8L〜8Rの操作タイミングに関わらず入賞させることができる役といえる。
図10に示すように、RT0において特殊リプレイに入賞した後は、RT2に制御される。後述するように、特殊リプレイは、RT1、RT3における内部抽選においては単独で当選しないように設定されている。また、RT1、RT3における内部抽選において特別役と特殊リプレイが同時に当選した場合には、その時点でRT4またはRT5に制御される。このため、RT1、RT3においては特殊リプレイに入賞しない。その結果、RT1、RT3からRT2に制御されないように構成されており、RT0であるときにのみ特殊リプレイ入賞し、当該RT0からのみRT2に制御されるように構成されている。
次に、図9を参照して、移行出目について説明する。移行出目は、図9に示すように、「リプレイ−オレンジ−ベル」、「リプレイ−BAR−ベル」、「プラム−オレンジ−ベル」、「プラム−BAR−ベル」、「リプレイ−ベル−オレンジ」、「リプレイ−ベル−BAR」、「プラム−ベル−オレンジ」、「プラム−ベル−BAR」、「黒7−オレンジ−オレンジ」、「黒7−オレンジ−BAR」、「黒7−BAR−オレンジ」、「黒7−BAR−BAR」、「白7−オレンジ−オレンジ」、「白7−オレンジ−BAR」、「白7−BAR−オレンジ」、「白7−BAR−BAR」、「スイカ−オレンジ−オレンジ」、「スイカ−オレンジ−BAR」、「スイカ−BAR−オレンジ」、「スイカ−BAR−BAR」からなる20種類の組み合わせである。本実施例では、後述する左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4が当選し、中段ベルの入賞条件となるリール以外を第1停止とし、かつ当選している上段ベルを取りこぼした場合に、上記の移行出目が入賞ラインLNに揃う。
図10に示すように、RT0、RT2、RT3において移行出目が入賞ラインLNに揃った後は、RT1に制御される。尚、RT1において移行出目が入賞ラインLNに揃った場合には、RT1が維持されることとなる。
次に、図12〜図16を参照して、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される抽選対象役の組み合わせについて説明する。本実施例では、遊技状態が、RT0〜3であるか、RT4であるか、RT5であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象となる役及びその当選確率が異なる。さらに遊技状態がRT0〜3であれば、RT0〜3の種類によって、内部抽選の対象となる再遊技役及びその当選確率の少なくとも一方が異なる。尚、抽選対象役として後述するように、複数の入賞役が同時に読出されて、重複して当選し得る。図12〜図16においては、入賞役の間に“+”を表記することにより、内部抽選において同時に抽選対象役として読み出されることを示す。
図12〜図16においては、縦の欄に抽選対象役を示し、横の欄に遊技状態を示す。また、遊技状態と抽選対象役とが交差する欄の○印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されることを示し、×印は、当該遊技状態であるときに当該抽選対象役が読み出されないことを示している。
また、○印の下に示す数値は、所定の設定値(例えば設定値1)の判定値数を示す。当該判定値数を用いて内部抽選が行われる。尚、判定値数の分母は、内部抽選用の乱数(0〜65535の整数)に対応させて、「65536」に設定されている。このため、例えば、判定値数として「300」が設定されている抽選対象役の当選確率は、300/65536となる。
また、図12及び図13は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される特別役の組み合わせを示し、図14は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される小役の組み合わせを示し、図15は、遊技状態毎に抽選対象役として読み出される再遊技役の組み合わせを示している。また、図16は、図12〜15に示す同時当選役を構成する役の組み合わせを示している。
RT0であるときには、BB1、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB2、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB2、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、リプレイGR11、リプレイGR12、リプレイGR13、リプレイGR14、リプレイGR15が内部抽選の対象役となる。
RT1であるときには、BB1、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB2、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB2、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイ、リプレイGR1、リプレイGR2、リプレイGR3、リプレイGR4、リプレイGR5、リプレイGR6が内部抽選の対象役となる。
RT2であるときには、BB1、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB2、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+1枚役、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
RT3であるときには、BB1、BB1+弱チェリー、BB1+強チェリー、BB1+通常リプレイ、BB1+転落リプレイ、BB1+昇格リプレイ、BB1+特殊リプレイ、BB2、BB2+弱チェリー、BB2+強チェリー、BB2+通常リプレイ、BB2+転落リプレイ、BB2+昇格リプレイ、BB2+特殊リプレイ、BB3、BB3+弱チェリー、BB3+強チェリー、BB3+通常リプレイ、BB3+転落リプレイ、BB3+昇格リプレイ、BB3+特殊リプレイ、BB4、BB4+特殊リプレイ、RB1、RB1+弱チェリー、RB1+強チェリー、RB2、RB2+弱チェリー、RB2+強チェリー、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイが内部抽選の対象役となる。
RT4、RT5であるときには、ベル、左ベル1、左ベル2、左ベル3、左ベル4、中ベル1、中ベル2、中ベル3、中ベル4、右ベル1、右ベル2、右ベル3、右ベル4、弱チェリー、強チェリー、1枚役、通常リプレイ、下段リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ、特殊リプレイが内部抽選の対象役となる。
BB(RB)であるときには、弱チェリー、右上がりベルが内部抽選の対象役となり、RBであるときには、右上がりベルが内部抽選の対象役となる。
尚、図16に示すように、弱チェリーとは、下段チェリー単独であり、強チェリーとは、下段チェリー+1枚役である。弱チェリー当選時、強チェリー当選は、ともに「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−ANY」の組み合わせを導出可能に制御されることとなるが、弱チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲内となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わないように制御されるのに対して、強チェリー当選時は、「BAR」の引込範囲となるタイミングで左、中、右リールの停止操作が行われた場合に、「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うように制御される。
このため、左、中、右リールにそれぞれ「BAR」を狙って停止操作を行った場合において、左リール2Lの下段にチェリーが停止した際に、中段に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃うか否かにより強チェリーであるか弱チェリーであるか、を認識できる。
以下では、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃う停止態様を強チェリー目と呼び、左リールの下段に「チェリー」が停止し、かつ中断に「BAR−BAR−BAR」の組み合わせが揃わない停止態様を弱チェリー目と呼ぶ。
尚、強チェリーの当選時であっても、左リールのみ「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がされ、右リールにおいて「BAR」が引込範囲となるタイミングで停止操作がなされなければ、弱チェリー当選時と同様の出目、すなわち弱チェリー出目が導出されることとなる。
また、本実施例では、弱チェリー、強チェリーともに特別役と同時当選し得るとともに、弱チェリーが単独で当選する確率及び弱チェリーが特別役と同時に当選する確率の合算値に占める後者の確率よりも、強チェリーが単独で当選する確率及び強チェリーが特別役と同時に当選する確率の合算値に占める後者の確率の方が高く定められているので、弱チェリー目が停止したときよりも強チェリー目が停止したときの方が、特別役の当選が期待できるようになっている。
ベルとは、中段ベル+右下がりベルである。左ベル1とは、右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8であり、左ベル2とは、右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7であり、左ベル3とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3であり、左ベル4とは、右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4である。左ベル1〜4を単に左ベルとも呼ぶ。中ベル1とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル5であり、中ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル6であり、中ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル7であり、中ベル4とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル8である。中ベル1〜4を単に中ベルとも呼ぶ。右ベル1とは、中段ベル+上段ベル3+上段ベル5であり、右ベル2とは、中段ベル+上段ベル1+上段ベル7であり、右ベル3とは、中段ベル+上段ベル4+上段ベル6であり、右ベル4とは、中段ベル+上段ベル2+上段ベル8である。右ベル1〜4を単に右ベルとも呼ぶ。また、これら左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4を単に押し順ベルとも呼ぶ。
昇格リプレイとは、昇格リプレイ1+昇格リプレイ2である。
リプレイGR1とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1であり、リプレイGR2とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2であり、リプレイGR3とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイであり、リプレイGR4とは、通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイであり、リプレイGR5とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2であり、リプレイGR6とは、通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイである。
リプレイGR11とは、転落リプレイ+特殊リプレイであり、リプレイGR12とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイであり、リプレイGR13とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR14とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイであり、リプレイGR15とは、転落リプレイ+特殊リプレイ+昇格リプレイ1である。
また、RT0〜3などにおいて、BB1〜BB4、RB1、RB2のいずれかと同時当選し得る弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイの判定値数は、RT4、RT5においては、各々、ボーナスと別個に読み出される、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイに加算されているため、弱チェリー、強チェリー、通常リプレイ、転落リプレイ、昇格リプレイ各々の当選確率が一定となるように担保されている。
このように、遊技状態がRT0〜3であるか、RT4、5であるか、BB(RB)であるか、RBであるか、によって内部抽選の対象役が異なるとともに、BB(RB)やRBでは、小役の当選確率がRT0〜5よりも高く定められた抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態がRT4、5である場合には、RT4であるか、RT5であるか、によって内部抽選の対象役は変わらないが、RT4であるか、RT5であるか、によって対象となる再遊技役の当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
また、遊技状態がRT0〜3である場合には、RT0〜3のいずれかであるかによって、内部抽選の対象となる再遊技役が異なるとともに、RT0〜3のいずれかであるかによって、対象となる再遊技役及びその当選確率が異なる抽選テーブルを用いて内部抽選が行われる。
本実施例では、複数種類の再遊技役が同時に当選している場合には、図17に示すように、同時当選した再遊技役の種類及び停止操作順に応じて定められた再遊技役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図17は、複数のリプレイが同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
リプレイGR1(通常リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR2(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR3(通常リプレイ+昇格リプレイ1+下段リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR4(通常リプレイ+昇格リプレイ1+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ1の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR5(通常リプレイ+昇格リプレイ2)が当選し、右左中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右左中以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR6(通常リプレイ+昇格リプレイ2+下段リプレイ)が当選し、右中左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち昇格リプレイ2の組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、右中左以外の順番で停止操作がなされた場合には、通常リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2及び通常リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、昇格リプレイ1、昇格リプレイ2または通常リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR1〜6とで、昇格リプレイ1、2に入賞させるための操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR1〜6が内部抽選の対象となるRT1において、リプレイGR1〜6のいずれかが当選していれば1/6の確率で昇格リプレイが入賞することとなり、RT0に移行することとなる。
リプレイGR11(転落リプレイ+特殊リプレイ)が当選し、左中右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左中右以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR12(転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ)が当選し、左右中の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左右中以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR13(転落リプレイ+特殊リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中左右の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中左右以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR14(転落リプレイ+特殊リプレイ+通常リプレイ+下段リプレイ)が当選し、中右左の順番で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中右左以外の順番で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
リプレイGR15(転落リプレイ+特殊リプレイ+昇格リプレイ1)が当選し、右押し、すなわち右リール2Rを第1停止させる操作態様で停止操作がなされた場合には、当選した再遊技役のうち特殊リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押し、すなわち左リール2Lを第1停止させる操作態様または中押し、すなわち中リール2Cを第1停止させる操作態様で停止操作がなされた場合には、転落リプレイの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、特殊リプレイ及び転落リプレイを構成する図柄は、左リール2L、中リール2C、右リール2Rの全てにおいて5コマ以内の間隔で配置されているため、停止操作順に応じて、ストップスイッチ8L〜8Rの停止操作タイミングに関わらず、特殊リプレイまたは転落リプレイが必ず入賞するようにリール制御が行われる。
このように、リプレイGR11〜15とで、特殊リプレイに入賞させ、かつ転落リプレイを回避するため操作態様として異なる操作態様が設定されている。
このため、リプレイGR11〜15が内部抽選の対象となるRT0において、リプレイGR11〜15のいずれかが当選していれば1/5の確率で特殊リプレイが入賞してRT2に移行することとなる一方で、4/5の確率で転落リプレイが入賞してRT1に移行することとなる。
次に、複数種類の小役が同時に当選している場合には、図18に示すように、同時当選した小役の種類及び停止操作順に応じて定められた小役を入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で揃えて停止させる制御が行われる。図18は、複数の小役が同時当選したときのリール制御を説明するための図である。
左ベル1(右下がりベル+上段ベル6+上段ベル7)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル6、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル2(右下がりベル+上段ベル5+上段ベル8)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル5、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル3(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル3)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル3または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
左ベル4(右下がりベル+上段ベル2+上段ベル4)が当選し、左押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち右下がりベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、中押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル4または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、右下がりベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、左ベル1〜4が当選した場合に、左押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず右下がりベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、左ベル1〜4が当選した場合でも、中押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
中ベル1(中段ベル+上段ベル2+上段ベル5)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル6)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル7)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
中ベル4(中段ベル+上段ベル3+上段ベル8)が当選し、中押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは右押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、中ベル1〜4が当選した場合に、中押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、中ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは右押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
右ベル1(中段ベル+上段ベル3+上段ベル5)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル3、上段ベル5または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル2(中段ベル+上段ベル1+上段ベル7)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル1、上段ベル7または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル3(中段ベル+上段ベル4+上段ベル6)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル4、上段ベル6または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
右ベル4(中段ベル+上段ベル2+上段ベル8)が当選し、右押しで停止操作を行った場合には、当選した小役のうち中段ベルの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行い、左押しまたは中押しで停止操作がなされた場合には、上段ベル2、上段ベル8または移行出目のいずれかの組み合わせを入賞ラインLNに揃えて停止させる制御を行う。
図3に示すように、中段ベルの構成図柄は、全てのリールにおいて5コマ以内の間隔で配置されており、右ベル1〜4が当選した場合に、右押しにて停止操作を行った場合には、停止操作のタイミングに関わらず、必ず中段ベルを入賞ラインLNに揃える制御が行われる一方で、上段ベル1〜8を構成する図柄は、全てのリールにおいて5コマ以上の間隔で配置されている箇所があるため、右ベル1〜4が当選した場合でも、左押しまたは中押しにて停止操作を行った場合には、当選した上段ベル1〜8の構成図柄の引込範囲となる適切なタイミングで停止操作を行わなければ、当選した上段ベルを入賞ラインLNに揃えることはできず、その場合には、移行出目が入賞ラインLNに揃うように制御される。
このように本実施例では、左ベル、中ベル、右ベル、すなわち押し順ベルのいずれかが当選した場合には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で停止操作を行うことで、右下がりベルまたは中段ベルが必ず入賞する一方で、当選役の種類に応じた特定の操作態様以外の操作態様で停止操作を行うことで、1/4で上段ベルが揃うが、3/4で上段ベルが揃わず移行出目が揃うこともある。
このため、押し順ベルの当選時には、当選役の種類に応じた特定の操作態様で操作されたか否かによって払い出されるメダル数の期待値を変えることができる。すなわち押し順ベルのいずれかが当選しても、その種類が分からなければ意図的に特定の操作態様を選択することはできないことから、1/3の割合で右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させることにより確実にメダルを獲得できるものの、2/3の割合ではさらに1/4でしか上段ベルを入賞させることができず、確実にメダルを獲得することができない。
また、特に図示しないが、ベル(中段ベル+右下がりベル)が当選した場合には、リールの停止順及び操作のタイミングに関わらず、入賞ラインLNに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃うように制御される。
本実施例では、図10及び図11に示すように、RT0〜5、RB、BB(RB)のいずれかに制御される。
RT0は、RT1において昇格リプレイが入賞したとき(リプレイGR1〜6のいずれかが当選し、昇格リプレイが入賞する順番で停止操作がなされたとき)、RT1、RT2が規定ゲーム数の消化により終了したときに移行する。そして、RT0は、RT0に移行してからのゲーム数に関わらず、転落リプレイの入賞または移行出目の停止によりRT1に移行するか、特殊リプレイの入賞によりRT2に移行するか、特別役が当選してRT4またはRT5に移行することで終了する。
RT0における特別役の当選確率は通常(約1/239)、再遊技役の当選確率は高確率(約1/1.4)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、RT0では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうちリプレイGR11〜15のみが内部抽選の対象となる。
RT1は、RT0、RT2、RT3において移行出目が停止するか、RT0において転落リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT1は、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行するか、特別役が当選してRT4またはRT5に移行することで終了する。
RT1における特別役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/239)、再遊技役の当選確率はRT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、RT1では、再遊技役のうち通常リプレイ、リプレイGR1〜6のみが内部抽選の対象となる。
RT2は、RT0において特殊リプレイが入賞したときに移行する。そして、RT2は、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選してRT4またはRT5に移行することで終了する。
RT2における特別役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/239)、再遊技役の当選確率はRT0とほとんど変わらず高確率(約1/1.4)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。また、RT2では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうち通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT3は、BB(RB)、RBの終了時に移行する。そして、RT3は、RT3に移行してからのゲーム数に関わらず、移行出目が停止してRT1に移行するか、特別役が当選してRT4またはRT5に移行することで終了する。
RT3における特別役の当選確率は通常(約1/239)、再遊技役の当選確率はRT0よりも低く通常(約1/7.3)、小役の当選確率はRT0と同じく通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、RT3では、特別役と同時に当選する場合を除いて、再遊技役のうち通常リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT4は、RT0〜3において特別役のうちBB1、BB3、RB2が当選したときに移行する。そして、RT4は、RT4に移行してからのゲーム数に関わらず、RT4に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
RT4においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率はRT0、RT2よりは低いが、RT1、RT3よりも高く高確率(約1/2.5)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、RT4では、再遊技役のうち通常リプレイ及び下段リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RT5は、RT0〜3において特別役のうちBB2、BB4、RB1が当選したときに移行する。そして、RT5は、RT5に移行してからのゲーム数に関わらず、RT5に移行する契機となった特別役が入賞してBB(RB)またはRBに移行することで終了する。
RT5においては、特別役が内部抽選の対象外となり、再遊技役の当選確率はRT0、RT2よりは低いが、RT1、RT3、RT4よりも高く高確率(約1/2.0)、小役の当選確率は通常(約1/3.5、ただし入賞確率は約1/6.1)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1未満となる。また、RT5では、再遊技役のうち通常リプレイ及び下段リプレイのみが内部抽選の対象となる。
RBは、RT5、RT5においてRB1またはRB2が入賞したときに移行する。そして、RBは、6ゲーム消化するか、6回入賞することで終了する。
RBにおいては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、RT0〜5よりも高く高確率(約1/1.01)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。
BB(RB)は、RT4、5においてBBが入賞したときに移行する。そして、BB(RB)は、BB(RB)に移行してからのゲーム数に関わらず、BB(RB)に払い出されたメダルの総数が規定数を超えることで終了する。
BB(RB)においては、特別役及び再遊技役が内部抽選の対象外となり、小役の当選確率は、RT0〜5よりも高く高確率(約1/1.00)であり、1ゲームあたりのメダルの払出率は1以上となる。
RT4、5、RB、BB(RB)のうち、RB及びBB(RB)が1ゲームあたりのメダルの払出率がもっとも高く、最も有利な遊技状態である。
また、RT0〜3のうちRT0、2は、再遊技役の当選確率が高確率となり、1ゲームあたりのメダルの払出率がRT1、3に比較して高い点において、RT1、3よりも遊技者にとって有利な状態といえる。
また、本実施例におけるスロットマシンは、遊技状態がRT0〜3であるときに、サブ制御部91により、内部抽選結果を報知するナビ演出を実行可能な報知期間となるアシストタイム(以下、ATという)に演出状態を制御可能となっている。
ここで本実施例の遊技状態の移行状況について説明すると、図10に示すように、RBまたはBB(RB)が終了すると、RT3に移行する。
RT3では、移行出目が停止することで、RT1に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じてRT4またはRT5に移行する。
RT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止することとなるため、RBまたはBB(RB)の終了後に移行したRT3において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に、RT1に移行することとなる。
RT1では、昇格リプレイが入賞することでRT0に移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じてRT4またはRT5に移行する。
RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、停止順が正解することで昇格リプレイが入賞することとなるため、RT1では、リプレイGR1〜6が当選し、停止順に正解することでRT0へ移行することとなる。
RT0では、転落リプレイが入賞するか、移行出目が停止することでRT1に移行し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行し、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じてRT4またはRT5に移行する。
RT0においてリプレイGR11〜15が当選し、停止順が正解することで特殊リプレイが入賞し、不正解であると転落リプレイが入賞する。また、RT0において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT0では、リプレイGR11〜15が当選し、停止順が正解することでRT2へ移行し、リプレイGR11〜15が当選し、停止順が不正解となるか、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
RT2では、特別役が当選することで、当選した特別役の種類に応じてRT4またはRT5に移行する。
RT2において左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、かつ小役を入賞させることができなかった場合に移行出目が停止する。このため、RT2では、左ベル1〜4、中ベル1〜4、右ベル1〜4のいずれかが当選し、小役を入賞させることができなかった場合にRT1へ移行することとなる。
RT4、5では、当該内部中へ移行する契機となった特別役が入賞することでRBまたはBB(RB)に移行する。
サブ制御部91は、後述のATに制御されている場合には、遊技状態に応じたナビ対象役に当選することにより、ナビ演出を実行する。遊技状態に応じたナビ対象役とは、RT1であるときにはリプレイGR1〜6であり、RT0であるときにはリプレイGR11〜15である。また、RT0〜2のいずれにおいても、押し順ベルが共通のナビ対象役である。
本実施例のナビ演出は、液晶表示器51からのナビ画像の表示と、スピーカ53、54からのナビ音声の出力とによって行われる。ナビ画像として、例えば、リプレイGR1や左ベルに当選したときには、「123」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「132」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチ8L、8C、8Rの押下順序を示す押下順序画像と、スロットマシン1のモチーフに合わせたキャラクター画像とを表示する。また、ナビ音声として、例えば、「左中右!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第2停止、リール2Rが第3停止であることを示す)や「左右中!」(リール2Lが第1停止、リール2Cが第3停止、リール2Rが第2停止であることを示す)といったストップスイッチの押下順序を示す音声を出力する。尚、ナビ音声は、遊技者が最初あるいは次に押下すべきストップスイッチのみが出力される。したがって、全リールの回転中であれば、例えば最初に「左!」と出力され、リール2Lを停止させると次に「中!」と出力され、リール2L及びリール2Cを停止させると次に「右!」といった音声が出力される。他のリプレイGR2〜36や押し順ベルに関しても、リプレイGRに応じたナビ画像が液晶表示器51から表示されるとともにナビ音声がスピーカ53、54から出力される。
リプレイGR1〜6に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて昇格リプレイを入賞させるための押し順(図17参照)が報知される。
リプレイGR11〜15に当選したときのナビ演出としては、当選状況に応じて特殊リプレイを入賞させるための押し順(図17参照)が報知される。
また、押し順ベルのいずれかに当選したときのナビ演出としては、右下がりベルまたは中段ベルを確実に入賞させるための押し順(図18参照)が報知される。
以上のように、本実施例におけるナビ演出は、遊技者にとって有利となる操作態様を想起させるメッセージが、ナビ対象役の種類に関わらず同じ態様で報知される。このため、遊技者は、当選したナビ対象役の種類を意識せずに遊技者にとって有利となる操作態様で操作することができる。
そして、ナビ演出が実行されることにより、意図的に当選した昇格リプレイ入賞、特殊リプレイ入賞、ベル入賞を入賞させること、転落リプレイの入賞を回避させることができる。
尚、ナビ演出の態様は、このような態様に限らず、遊技者が当選状況に応じて区別可能な態様であればどのようなものであっても良い。また、ナビ演出は、液晶表示器51に表示するものに限らず、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等を用いて実行するものであっても良い。
また本実施例では、押し順ベルに当選した場合には第1停止させるストップスイッチのみが正解(すなわち、3択)すれば入賞するが、押し順リプレイはストップスイッチの押下順序について正解(すなわち、6択)させなければ入賞しないため、押し順ベルが当選した場合の第2リール及び第3リールに関するストップスイッチの押下順序についても押下順序抽選によって決定している。よって、あたかも6択の押下順序に正解しなければ押し順ベルが入賞しないかのようなナビ演出は行われるものの、押し順ベルに当選した場合には3択の押下順序に正解すれば押し順ベルは入賞するので、ナビ演出で報知された通りの押下順序にしたがわなくても第1停止のみ正解すれば押し順ベルは入賞する。そして、このように、ナビ対象役の全てにおいて6択とすることによってゲームの内容に統一性を持たせることができ、ゲームの内容を遊技者が理解しやすくできる。尚、押し順ベルは3択のうちの1択が正解すれば入賞するため、6択とする抽選を行わなくても良い。
本実施例においてサブ制御部91は、抽選対象役(本実施例では、単独ベル(ベルの単独当選)、弱チェリー、強チェリー、1枚)が当選した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するナビストック抽選を行う。対象役の当選時のナビストック抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否か及び付与する場合にはその個数が決定される。
尚、ナビストック数が残っているときに、ナビストック数を新たに獲得したときには、残っているナビストック数に今回獲得したナビストック数を上乗せ加算させる。
ナビストックとは、RT1であればRT2へ移行させるための権利であり、かつRT2移行後、所定ゲーム数(本実施例では初期ゲーム数である50ゲームと後述する上乗せ抽選にて当選したゲーム数とを合算したゲーム数)にわたりARTに制御される権利の数を示す。RT2へ移行後、ナビストック数を1消費(減算)することにより、所定ゲーム数の間、ARTに制御され、その間後述のナビ演出が実行される。このため、決定されたナビストック数が多い程、遊技者にとって有利度合いが高いといえる。
サブ制御部91は、図19に示すように、ナビストック抽選において1以上のナビストックが決定されたときに、ナビストック数をRAM91cの所定領域に格納する。サブ制御部91は、RAM91cのナビストックの有無に基づき、ATに制御するか否かを特定する。そして、1以上のナビストックが残っている場合には、ART確定報知を経てARTの当選が報知された後にATに制御する。
サブ制御部91は、ATの制御を開始すると、対象役の当選時にナビ演出が実行される。この際、RT1においては、リプレイGR1〜6の当選時にナビ演出の対象となり、リプレイGR1〜6の当選時に昇格リプレイを入賞させる押し順がナビ演出により報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことによりRT1からRT0に移行させることが可能となる。また、ATの制御開始後は、RT0〜2のどの遊技状態であっても押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となる。
RT1において昇格リプレイが入賞し、RT0に移行した後は、リプレイGR11〜15の当選時にナビ演出の対象となり、リプレイGR11〜15の当選時に特殊リプレイを入賞させる押し順がナビ演出により報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことによりRT0からRT2に移行させることが可能となる。また、前述のように押し順ベルの当選時にはベルを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となるとともに、移行出目を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
RT0において特殊リプレイが入賞し、RT2に移行することで、ARTの制御が開始することとなり、ART開始演出が既に行われている場合を除き特殊リプレイの入賞した次ゲームのスタート操作を契機にARTの開始を示すART開始演出を実行し、RAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定してARTの残りゲーム数の計数を開始する。この際、ART中に特別役の当選により中断し、ボーナス終了に伴う再開の場合を除いてナビストックを1消費(減算)する。
ART開始後は、押し順ベルの当選時にベルを入賞させる押し順が報知されるので、報知された押し順に従って停止操作を行うことにより、確実にメダルを獲得することも可能となるとともに、移行出目を回避し、RT1へ移行してしまうことを回避できる。
また、ART中においては、対象役の当選を契機として残りゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選においてゲーム数の上乗せが当選した場合には、当選したゲーム数をRAM91cの残りゲーム数に加算する。
また、ARTの開始後、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合には、特別役の当選が確定した旨を示すボーナス確定報知を行う。特別役の当選と同時にRT2は終了し、ARTが中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断することとなる。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御され、当該ボーナス終了後に移行するRT3において32ゲームが経過する前に移行出目が停止してRT1に移行するか、ボーナス終了後32ゲーム経過した時点でART確定報知を行い、ATの制御を再開し、これに伴いRT2に再度移行することでART開始演出を行ってARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。この場合は、前述のようにナビストックは消費(減算)されないようになっている。尚、RT3においてART確定報知が行われた場合には、その後、押し順ベルが当選し、かつ取りこぼして移行出目が停止してRT1に移行するまではナビ演出が行われないようになっている。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、残っているナビストック数が0でなければ、ARTを潜伏させるか否かを決定する潜伏抽選を行い、潜伏させない旨が決定された場合には、当該ゲームの終了時にARTの終了を示すART終了演出を実行した後、次ゲームの賭数設定操作を契機にART開始演出を行ってARTを再開し、ナビストックを1消費(減算)してRAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、潜伏抽選において潜伏させる旨が決定された場合には、最大32ゲームの潜伏ゲーム数を決定し、当該ゲームの終了時にARTの終了を示すART終了演出を実行した後、ATの制御を終了させる。
この状態では、ナビ演出が実行されないので、押し順ベルの当選時に移行出目を回避することは不可能であり、移行出目が停止することでRT1に移行することとなるが、移行出目が停止するまではRT2が維持されることとなり、潜伏ゲーム数が経過するまでに移行出目が停止しなければ、次ゲームの賭数設定操作を契機にART開始演出を行ってARTを再開し、ナビストックを1消費(減算)してRAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、潜伏抽選において潜伏させる旨が決定され、ATの制御が終了した後、潜伏ゲーム数が経過する前に移行出目が停止し、RT1に移行した場合には、潜伏ゲーム数の経過後、ATの制御を再開し、これに伴いRT2に再度移行することでART開始演出を行ってARTを再開し、ナビストックを1消費(減算)してRAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、ARTの開始後、残りゲーム数が0となり、残っているナビストック数が0であればART終了演出を実行し、ATの制御を終了する。これに伴いナビ演出が実行されなくなるので、押し順ベルの当選時に移行出目を回避することが不可能となり、移行出目が停止することでRT1に移行することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
また、ART確定報知後、ART開始演出が行われる前の段階で、RT1においてリプレイGR1〜6の当選時にナビ演出が実行されたにも関わらず、ナビ演出により報知された押し順以外の押し順で停止操作を行った結果、昇格リプレイが入賞しなかった場合、RT0においてリプレイGR11〜15の当選時にナビ演出が実行されたにも関わらず、ナビ演出により報知された押し順以外の押し順で停止操作を行った結果、特殊リプレイが入賞せず転落リプレイが入賞してRT1に移行した場合、RT0において押し順ベルの当選時にナビ演出が実行されたにも関わらず、ナビ演出により報知された押し順以外の押し順で停止操作を行った結果、移行出目が停止してRT1に移行した場合には、RT2に移行しない状態でARTの制御が開始することとなり、ART開始演出が既に行われている場合を除き次ゲームのスタート操作を契機にART開始演出を実行し、RAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定してARTの残りゲーム数の計数を開始する。この際、ART中に特別役の当選により中断し、ボーナス終了に伴う再開の場合を除いてナビストックを1消費(減算)する。RT2に移行しない状態でのART中は、RT2に移行するまでの間、リプレイGR1〜6、リプレイGR11〜15、押し順ベルの当選時にナビ演出が実行されるようになっており、RT1においてリプレイGR1〜6が当選した場合に、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、RT0へ移行させることが可能となり、さらにRT0においてリプレイGR11〜15が当選した場合に、ナビ演出に従って停止操作を行うことにより、RT2へ移行させることが可能となる。
尚、RT2に移行後のART中であって、押し順ベルの当選時にナビ演出が実行されたにも関わらず、ナビ演出により報知された押し順以外の押し順で停止操作を行った結果、移行出目が停止してRT1に移行した場合にも、上記と同様RT2に移行しない状態でのARTに制御されることとなるが、この場合には、既にART開始演出が行われているため、改めてART開始演出が行われることはない。
また、RT2に移行しない状態でのART中においては、RT2移行後のART中と同様に対象役の当選を契機として残りゲーム数を上乗せするか否かを決定する上乗せ抽選を行い、上乗せ抽選においてゲーム数の上乗せが当選した場合には、当選したゲーム数をRAM91cの残りゲーム数に加算する。
また、RT2に移行しない状態でのARTでも、1ゲーム消化する毎に残りゲーム数が1減算されるとともに、残りゲーム数が0となる前に特別役が当選した場合には、特別役の当選が確定した旨を示すボーナス確定報知を行う。特別役の当選と同時にRT1は終了し、ARTが中断し、これに伴いARTのゲーム数の計数も中断することとなる。その後、当選した特別役の入賞を経て対応するボーナスに制御され、当該ボーナス終了後に移行するRT3において32ゲームが経過する前に移行出目が停止してRT1に移行するか、ボーナス終了後32ゲーム経過した時点でART確定報知を行い、ATの制御を再開し、これに伴いRT2に再度移行することでART開始演出を行ってARTを再開し、ARTの残りゲーム数の計数も再開する。この場合は、前述のようにナビストックは消費(減算)されないようになっている。尚、RT3においてART確定報知が行われた場合には、その後、押し順ベルが当選し、かつ取りこぼして移行出目が停止してRT1に移行するまではナビ演出が行われないようになっている。
また、RT2に移行しない状態でのARTの開始後、残りゲーム数が0となった場合には、残っているナビストック数が0でなければ、ARTを潜伏させるか否かを決定する潜伏抽選を行い、潜伏させない旨が決定された場合には、当該ゲームの終了時にARTの終了を示すART終了演出を実行した後、次ゲームの賭数設定操作を契機にART開始演出を行ってARTの制御をRT2に移行しないままで再開し、ナビストックを1消費(減算)してRAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、潜伏抽選において潜伏させる旨が決定された場合には、最大32ゲームの潜伏ゲーム数を決定し、当該ゲームの終了時にARTの終了を示すART終了演出を実行した後、ATの制御を終了させる。
そして潜伏ゲーム数の経過後、ATの制御を再開し、これに伴いRT2に移行することでART開始演出を行ってARTを再開し、ナビストックを1消費(減算)してRAM91cにARTの残りゲーム数の初期値(本実施例では50ゲーム)を設定し、ARTの残りゲーム数の計数を開始する。
また、RT2に移行しない状態でのARTの開始後、残りゲーム数が0となり、残っているナビストック数が0であればART終了演出を実行し、ATの制御を終了することで一連のAT及びARTの制御が終了することとなる。
このように本実施例では、特別役の入賞に伴い移行するBBとは別に、サブ制御部91がナビストックに基づいて遊技者にとって有利なARTに制御するようになっている。ARTは、BBに比較すると1ゲームあたりのメダルの増加期待値(1ゲームあたりの平均増加数から1ゲームあたりの平均減少数を減算した値)は低く設定されているものの、全体に対して滞在する割合(所定ゲーム数(例えば10000ゲーム)においてARTに制御されるゲーム数の割合)が高く設定されている。
また、本実施例では最も滞在する割合の高いRT1においてARTの確定報知が行われた後、直ちに遊技者にとって有利なRT2へ移行するのではなく、その後、RT1においてリプレイGR1〜6が当選し、昇格リプレイが入賞してRT0に移行し、さらにRT0においてリプレイGR11〜15が当選し、特殊リプレイが入賞することで初めてRT2へ移行し、この時点でARTの制御が開始し、ARTの残りゲーム数の計数を開始するようになっている。
また、ART確定報知が行われてATの制御が開始した後、RT2へ移行するまでの段階でのRT1においてリプレイGR1〜6が当選し、ナビ演出が実行され、このナビ演出に従うことで昇格リプレイを入賞させてRT0に移行させることが可能であるにも関わらず、昇格リプレイが入賞せずRT0に移行しなかった場合、RT0においてリプレイ11〜15が当選し、ナビ演出が実行され、このナビ演出に従うことで特殊リプレイを入賞させてRT2に移行させることが可能であるにも関わらず、特殊リプレイが入賞せずRT2に移行しなかった場合、RT0において押し順ベルが当選し、ナビ演出が実行され、このナビ演出に従うことで移行出目の停止を回避させることが可能であるにも関わらず、移行出目を停止させてRT1へ移行させた場合には、RT2へ移行せずともARTの制御を開始し、RT2へ移行した場合のARTに比較してメダルの払出率が低い状態のままARTの残りゲーム数の計数を開始するようになっている。
また、ARTの制御の開始後、特別役が当選した場合には、その時点でRT2が終了することとなり、これに伴いARTの制御も中断するようになっている。そして、ボーナス終了後は、ARTを再開する場合には、ART確定報知が行われてATの制御が開始するものの、この場合も直ちに遊技者にとって有利なRT2へ移行するのではなく、RT3に滞在していれば移行出目が停止してRT1に移行し、RT1に滞在していれば、リプレイGR1〜6が当選し、昇格リプレイが入賞してRT0に移行し、さらにRT0においてリプレイGR11〜15が当選し、特殊リプレイが入賞することでRT2へ移行し、この時点でARTの制御が開始し、ARTの残りゲーム数の計数を開始するようになっている。
また、ARTの制御の終了後、ナビストックが残っている場合には、潜伏抽選を行い、潜伏抽選にて潜伏させない旨が決定された場合には、直ちにARTの制御を再開させる一方で、潜伏抽選にて潜伏させる旨が決定された場合には、直ちにARTの制御を再開させるのではなく、一度ATの制御を終了し、潜伏ゲーム数の経過後、ART確定報知を行い、この際、RT2が維持されていればARTの制御を再開することとなるが、RT1に移行している場合には、リプレイGR1〜6が当選し、昇格リプレイが入賞してRT0に移行し、さらにRT0においてリプレイGR11〜15が当選し、特殊リプレイが入賞することで初めてRT2へ移行し、この時点でARTの制御を再開させるようになっている。
このように本実施例では、RT1においてART確定報知が行われた後、ナビ演出に従って停止操作を行うことによりRT0を経て再遊技役の当選確率が高く、かつRT1に転落し難いRT2へ移行することとなり、ナビ演出に従って停止操作を行っている限りはRT2へ移行した時点でART開始演出を行い、ARTのゲーム数の計数もその時点から開始することとなるが、AT確定報知の後、ナビ演出が実行されたにも関わらずナビ演出を無視して停止操作を行った結果、RT0へ移行させることができなかった場合、RT0に移行後、RT1へ転落した場合、すなわちRT2への移行条件が成立しているにも関わらず、RT2への移行条件を成立させなかった場合には、その時点でART開始演出を行い、ARTの制御を開始し、RT2へ移行せずともARTの残りゲーム数の計数を開始するようになっており、ナビ演出に従わなければ結果として遊技者にとって不利となるので、RT2への移行条件が成立した場合に、ナビ演出に従って停止操作を行うことを促すことができる。
本実施例においてメイン制御部41は、リールの回転を開始させる毎にその時点、すなわちリールの回転を開始させた時点から経過した時間であるゲーム時間を計時するようになっており、図20に示すように、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が、前のゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間以上であれば、その時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
一方、図21に示すように、1ゲームの終了後、メダルの投入等により規定数の賭数が設定され、ゲームの開始操作が有効となった状態でゲームの開始操作がされたときに、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が、前のゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間未満であれば、その時点ではリールの回転を開始させず、前のゲームのリール回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が、前のゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間に到達するまで待機し、前のゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間に到達した時点で当該ゲームにおけるリールの回転を開始させる。
すなわちメイン制御部41は、前のゲームにおけるリールの回転開始から前のゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間が経過していない場合には、この1ゲーム最短時間が経過するまでゲームの進行を規制するようになっている。
また、メイン制御部41は、図22に示すように、再遊技役が入賞した場合には、当該ゲームにおけるリールの回転開始時点から計時を開始したゲーム時間が、当該ゲームを対象に設定された時間であり、かつ当該ゲームを対象に設定された1ゲーム最短時間よりもさらに長く設定された自動投入時間が経過することで、当該再遊技役の入賞に伴い規定数の賭数を設定する自動投入を実行し、次ゲームの開始操作が有効となる。
すなわちメイン制御部41は、再遊技役が入賞した場合には、当該ゲームにおけるリールの回転開始から当該ゲームを対象として設定された時間であり、かつ当該ゲームを対象として設定された1ゲーム最短時間よりも長く設定された自動投入時間が経過するまでゲームを開始させることができないようになっている。
また、RAM507には、メダルの払出枚数(小役の入賞により付与されたメダル数)からメダルの投入枚数(賭数の設定に用いられたメダル数)を減算した値であるメダルの純増枚数を計数するための純増枚数カウンタが割り当てられており、メイン制御部41は、ゲーム開始時に、当該ゲームにおいて賭数を設定するために用いられた投入枚数を純増枚数カウンタの値から減算し、小役入賞時に、入賞した小役に対応する払出枚数を純増枚数カウンタの値に加算する。尚、再遊技役の当選時には、次ゲームの自動投入に用いられるメダル数を純増枚数カウンタの値に加算する。
また、メイン制御部41は、設定変更モードに移行させて新たに設定値が設定された場合、または予め定められたリセット時間(本実施例では30分)ゲームが実行されない状況が継続した場合に純増枚数カウンタの値をクリアして0とする。すなわちメイン制御部41は、純増枚数カウンタを用いて、設定値が設定された時点または予め定められたリセット時間にわたりゲームが実行されない状況が継続した後にゲームを開始した時点からのメダルの純増枚数を計数する。
そして、メイン制御部41は、図23に示すように、純増枚数カウンタの値に応じて1ゲーム最短時間及び自動投入時間を設定する。
詳しくは、純増枚数カウンタの値が8000までの範囲では1ゲーム最短時間として5秒を設定し、自動投入時間として5.5秒を設定する。また、純増枚数カウンタの値が8001〜12000までの範囲では1ゲーム最短時間として5.5秒を設定し、自動投入時間として6秒を設定する。また、純増枚数カウンタの値が12001〜15000までの範囲では1ゲーム最短時間として6秒を設定し、自動投入時間として6.5秒を設定する。
また、メイン制御部41は、純増枚数が15000を超えた場合に、新たなゲームを実行するための賭数の設定を禁止することでゲームの進行を不能化するようになっており、純増枚数が15000を超えてから前述したリセット時間が経過するか、設定変更してRAM507のデータを初期化するまではゲームの進行が許可されないようになっている。
また、メイン制御部41は、純増枚数15000を超えてゲームの進行を不能化した際に、その旨を特定可能な遊技停止コマンドをサブ制御部91に対して送信するようになっており、遊技停止コマンドを受信したサブ制御部91は、純増枚数が15000を超えたことでゲームが不能化された旨のメッセージが液晶表示器51に表示され、その旨が報知されるようになっている。
このように本実施例では、設定値が設定された時点または予め定められたリセット時間にわたりゲームが実行されない状況が継続した時点からの純増枚数カウンタの値が第1の基準値である8001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として8001未満の場合よりも長い時間が設定され、純増枚数カウンタの値が第2の基準値である12001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として12001未満の場合よりも長い時間が設定され、さらに純増枚数カウンタの値が第3の基準である15000を超えることで遊技の進行が不能化されるようになっている。
本実施例においてメイン制御部41は、特別役の当選が期待できる弱チェリーまたは強チェリーの当選時において、フリーズ状態に制御するか否かを決定するフリーズ抽選を行う。そして、フリーズ状態に制御する旨が当選した場合に、図24に示すように、全リール停止後、一定期間にわたり、次ゲームを開始するための賭数設定操作(メダルの投入、MAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定)を禁止することで、ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御するようになっている。
フリーズ抽選では、図25に示すように、純増枚数カウンタの値及び内部抽選の当選役に応じてフリーズ状態の当選確率が異なる。
詳しくは、純増枚数カウンタの値が8000までの範囲では、強チェリー単独当選時の当選確率が25%、強チェリー+特別役当選時の当選確率が40%、弱チェリーの単独当選時の当選確率が15%、弱チェリー+特別役当選時の当選確率が30%に設定されており、純増枚数カウンタの値が8001〜12000までの範囲では、強チェリー単独当選時の当選確率が25%、強チェリー+特別役当選時の当選確率が50%、弱チェリーの単独当選時の当選確率が15%、弱チェリー+特別役当選時の当選確率が40%に設定されており、純増枚数カウンタの値が12001〜15000までの範囲では、強チェリー単独当選時の当選確率が25%、強チェリー+特別役当選時の当選確率が60%、弱チェリーの単独当選時の当選確率が15%、弱チェリー+特別役当選時の当選確率が50%に設定されている。
このようにフリーズ抽選では、強チェリー、弱チェリーが単独で当選している場合よりも特別役と同時に当選している場合の方がフリーズ状態の当選確率が高く設定されており、フリーズ状態に制御されることで、特別役に当選している可能性が高い旨が示唆されるようになっている。
また、フリーズ抽選では、設定値が設定された時点または予め定められたリセット時間にわたりゲームが実行されない状況が継続した時点からの純増枚数カウンタの値が第1の基準値である8001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として8001未満の場合よりもフリーズ状態の当選確率が高く設定され、純増枚数カウンタの値が第2の基準値である12001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として12001未満の場合よりもフリーズ状態の当選確率が高く設定されており、純増枚数カウンタの値が第1の基準値を超えた場合、第2の基準値を超えた場合に、それぞれフリーズ状態に制御される確率が高まるようになっており、特に、弱チェリーまたは強チェリーが特別役と同時に当選している場合のフリーズ状態に制御される確率が高まるようになっている。
次に、図26に基づいて純増枚数カウンタの値の推移に応じた1ゲーム最短時間、自動投入時間、フリーズ頻度の推移の変化について説明する。
まず、営業開始時点において純増枚数カウンタの値が0の状態から8000を超えるまでは、1ゲーム最短時間として5秒が設定され、自動投入時間として5.5秒が設定されるとともに、この間のフリーズ状態の確率は低く設定されている。その後、純増枚数カウンタの値が8000を超え、12000以下の状態では、1ゲーム最短時間として5.5秒が設定され、自動投入時間として6秒が設定されるとともに、フリーズ状態の確率が8000以下の場合よりも高く設定される。
純増枚数カウンタの値が、8000を超える状態から12000を超えずに、再び8000以下となった場合には、再び1ゲーム最短時間として5秒が設定され、自動投入時間として5.5秒が設定されるとともに、この間のフリーズ状態の確率は低く設定される。一方、8000を超える状態から12000を超えた場合には、1ゲーム最短時間として6秒が設定され、自動投入時間として6.5秒が設定されるとともに、フリーズ状態の確率が12000以下の場合よりもさらに高く設定される。
また、純増枚数カウンタの値が、12000を超える状態から15000を超えずに、再び12000以下となった場合には、再び1ゲーム最短時間として5.5秒が設定され、自動投入時間として6秒が設定されるとともに、この間のフリーズ状態の確率はそれ以前よりも低く設定される。一方、15000を超えた場合には、ゲームの進行が不能化されることとなる。この際、純増枚数が15000を超えたことでゲームが不能化された旨のメッセージが液晶表示器51に表示され、その旨が報知されるようになっている。
また、純増枚数カウンタの値がいずれの範囲にある場合であっても、ゲームが行われない状態が予め定められたリセット時間継続することで、純増枚数カウンタの値がリセットされ、再び0から計数が開始されるようになっている。
本実施例では、遊技者にとって有利な遊技状態として、小役の当選確率が高まるBBとは別に、遊技者にとって有利な操作態様が報知されるARTに制御することが可能であるが、このように複数の有利な遊技状態を備える構成では、短期間により多くのメダルが獲得できる可能性がある分、射幸性も高まる虞がある。
一方、この種のスロットマシンにおいては、1ゲームに必要な最短時間が設定されており、一般的にBBやARTなどの有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンにおいては、1ゲームに必要な最短時間として4.1秒が設定されている。
これに対して本実施例では、1ゲーム最短時間が、BBやARTなどの有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンよりも長い5秒以上に設定されるので、BBやARTなどの有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンに比較して一定時間の間に実行可能なゲーム数が制限されることとなり、その結果、一定時間の間に増加するメダル数も制限されることとなる。このため、強制的にBBやARTなどの有利な遊技状態に制御されなくなってしまう構成を採用せずとも、一定時間の間に増加するメダル数を制限できるので、射幸性の抑制を図りつつ、遊技者の興趣が損なわれてしまうことも極力防止することができる。
尚、本実施例では、遊技者にとって有利な状態として、小役の当選確率が高まる遊技状態であるBBと、遊技者にとって有利な操作態様が報知され、当該操作態様に従って遊技を行うことで再遊技役の当選確率が高まるRT2へ移行させることが可能となるARTと、を適用した例について説明しているが、遊技者にとっての有利度、発生契機、有利度を高めるための制御内容の少なくとも1つが異なる複数の遊技状態を備える構成において、上記のように有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンよりも長い1ゲーム最短時間を適用した場合には、上記と同様に有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンに比較して一定時間の間に実行可能なゲーム数が制限されることとなり、その結果、一定時間の間に増加するメダル数も制限されることとなるため、強制的に有利な遊技状態に制御されなくなってしまう構成を採用せずとも、一定時間の間に増加するメダル数を制限できるので、射幸性の抑制を図りつつ、遊技者の興趣が損なわれてしまうことも極力防止することができる。
また、本実施例では、小役の当選確率が高まるBBに比較すると1ゲームあたりのメダルの増加期待値は低く設定されているものの、全体に対して滞在する割合が高く設定されたARTに制御することが可能であるが、上記のように有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンよりも長い1ゲーム最短時間を適用し、一定時間の間に実行可能なゲーム数が制限されることで、上記のように滞在する割合が高く設定されたARTに制御されている場合の一定時間の間に増加するメダル数を効果的に制限することができる。
また、本実施例では、有利な遊技状態として小役の当選確率が高まることで、ARTよりも1ゲームあたりのメダルの増加期待値が高く設定されたBBを備えているので、1ゲーム最短時間が長く設定されることにより、滞在率の高いARTにおけるメダルの増加が抑制されても、小役の当選確率が高まることによりメダルの増加が直接的に増加するBBに制御されること自体が制限される構成ではないため、遊技者の興趣が低下してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、有利な遊技状態としてBBは、メイン制御部41が制御するのに対して、ARTは、メイン制御部41が制御する遊技状態に影響を及ぼすものの基本的にはサブ制御部91が制御するようになっている。このため、ゲームの進行制御を行うメイン制御部41の負荷を高めることなく、複数の有利な遊技状態に制御することができる。
また、本実施例では、一定時間ゲームの進行を遅延させるフリーズ状態に制御することで、特別役に当選している可能性、すなわちBBに制御される可能性を示唆するとともに、有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンよりもフリーズ状態によりBBの可能性が示唆される割合が高く設定されている。すなわち遊技者にとって有利な遊技状態の可能性を示唆するフリーズ状態を利用することで、遊技者に対して違和感を与えることなく、メダルの増加を抑制することができる。
また、有利な遊技状態を1種類しか備えていないスロットマシンを含む一般的なスロットマシンでは、再遊技役の入賞後、直ぐに当該再遊技役の入賞に伴い規定数の賭数を設定する自動投入を実行し、次ゲームの開始操作が有効となるが、本実施例では、再遊技役が入賞した場合に、1ゲーム最短時間よりも長く設定された自動投入時間が経過することで、当該再遊技役の入賞に伴い規定数の賭数を設定する自動投入を実行し、次ゲームの開始操作が有効となる。このため、遊技者に違和感を与えることなく、メダルの増加を抑制できる。特に、ARTに制御されることで、再遊技役の当選確率が高いRT2へ制御されることとなるが、このように再遊技役の当選確率が高まるARTに伴うメダルの増加を効果的に抑制することができる。
また、本実施例のスロットマシンでは、賭数を設定するために用いられた投入枚数を減算し、小役の入賞により付与された払出枚数を加算することにより得られた純増枚数を計数する純増枚数カウンタを備え、純増枚数カウンタの値が、所定の基準値(8001、12001)以上の場合に、当該基準値未満の場合よりも長い時間が1ゲーム最短時間として設定されるようになっている。このため、純増枚数カウンタの値が所定の基準値以上となった場合に一定時間の間に実行可能なゲーム数が制限されることとなり、その結果、純増枚数カウンタの値が所定の基準値以上となった後は、一定時間の間に増加するメダル数も制限されることとなる。すなわち、強制的に有利な遊技状態に制御されなくなってしまう構成を採用せずとも、一定時間の間に増加するメダル数を制限できるので、射幸性の抑制を図りつつ、遊技者の興趣が損なわれてしまうことも極力防止することができる。
尚、本実施例では、前述のように複数種類の有利な遊技状態を備える構成であるが、有利な遊技状態を1種類しか備えない構成であっても、上記のように純増枚数カウンタを備え、純増枚数カウンタの値が、所定の基準値以上の場合に、当該基準値未満の場合よりも長い時間が1ゲーム最短時間として設定されることで、純増枚数カウンタの値が所定の基準値以上となった場合に一定時間の間に実行可能なゲーム数が制限されることとなり、その結果、純増枚数カウンタの値が所定の基準値以上となった後は、一定時間の間に増加するメダル数も制限されることとなる。すなわち、強制的に有利な遊技状態に制御されなくなってしまう構成を採用せずとも、一定時間の間に増加するメダル数を制限できるので、射幸性の抑制を図りつつ、遊技者の興趣が損なわれてしまうことも極力防止することができる。
また、本実施例では、純増枚数カウンタの値が第1の基準値(8001)以上の場合に、1ゲーム最短時間として第1の基準値未満の場合よりも長い時間が設定され、純増枚数カウンタの値が第2の基準値(12001)以上の場合に、1ゲーム最短時間として第2の基準値未満の場合よりも長い時間が設定されるようになっており、段階を追ってゲームの進行が規制されることとなる1ゲーム最短時間が長く設定されることとなるので、短期間におけるメダルの過度の増加を制限できるうえに、突然1ゲーム最短時間が長くなることがないので、遊技者に違和感を与えすぎることなく、メダルの増加を抑制できる。
また、本実施例では、純増枚数カウンタの値が第3の基準値(15000)を超えることでゲームの進行が不能化されるので、過度にメダルを獲得できてしまうことを確実に防止できる。
また、この際、純増枚数が15000を超えたことでゲームが不能化された旨のメッセージが表示され、その旨が報知されるようになっており、ゲームの進行が不能された原因を遊技者が認識できるようになっている。
尚、本実施例では、純増枚数カウンタの値が規定値(15000)を超えた場合にゲームの進行が不能化される構成であるが、例えば、純増枚数カウンタの値が規定値(15000)を超えた場合に、ゲームの進行自体は可能であるが、ART、AT、BB、RB、RT2などの遊技者にとって有利な状態を強制的に終了する構成としたり、これら遊技者にとって有利な遊技状態に移行させる権利が残っている場合に、これら残っている権利を消滅させる構成としても良く、このような構成とした場合でも、過度にメダルを獲得できてしまうことを確実に防止できる。また、遊技者にとって有利な遊技状態を強制的に終了する構成では、純増枚数が規定値を超えたためにリミッタが作動したことで、有利な遊技状態が強制的に終了した旨を報知することが好ましく、また、遊技者にとって有利な遊技状態に移行させる権利が残っている場合に、残っている権利を消滅させる構成では、純増枚数が規定値を超えたためにリミッタが作動したことで、有利な遊技状態へ移行させる権利が消滅した旨を報知することが好ましく、これらの報知を行うことで、有利な遊技状態が強制的に終了した原因、有利な遊技状態へ移行させる権利が消滅した原因を遊技者に対して認識させることができる。
また、ゲームの進行自体は可能であるが、純増枚数カウンタの値が規定値(15000)を超える前よりも不利な状態(ART、AT、BB、RB等の遊技者にとって有利な遊技状態に制御するか否かを決定する抽選においてこれら遊技者にとって有利な遊技状態に制御する旨の決定が行われない状態、小役が入賞してもメダルの払出が伴われない状態、BB、RB等の遊技者にとって有利な遊技状態に移行する役が入賞したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する停止態様となってもこれら遊技者にとって有利な遊技状態に移行しない遊技状態等)に制御する構成としても良く、このような構成とした場合でも、過度にメダルを獲得できてしまうことを確実に防止できる。また、純増枚数カウンタの値が規定値を超える前よりも不利な状態に制御されている場合には、不利な状態に制御されている旨が報知されることが好ましく、不利な状態であることを知らないままゲームを行うことで遊技者に不利益が生じてしまうことを防止できる。また、不利な状態に制御されている旨の報知は、常時行われるものでも良いが、所定のタイミングで報知される構成としても良い。例えば、ゲーム終了後、賭数の設定操作がされたタイミングなど、遊技者が遊技を開始するタイミングで行う構成としても良く、このような構成とすることで新たに遊技を開始する遊技者が不利な状態に制御されていることを知らずに、ゲームを開始してしまうことを防止できる。また、待機状態において行われるデモ演出中に不利状態に制御されている旨が報知される構成としても良く、このような構成とした場合でも、新たに遊技を開始する遊技者が不利な状態に制御されていることを知らずに、ゲームを開始してしまうことを防止できる。
また、本実施例では、純増枚数が15000を超えてゲームの進行を不能化した際に、純増枚数が15000を超えたことでゲームが不能化された旨のメッセージが表示され、その旨が報知される構成であるが、音声による報知など、その他の報知手段にて、純増枚数が規定数を超えたことでゲームが不能化された旨が報知される構成としても良い。また、サブ制御部91側で報知するものに限らず、メイン制御部41が制御するリミッタ報知LED等を搭載し、メイン制御部41の制御により純増枚数が規定数を超えたことでゲームが不能化された旨が報知される構成としても良い。
また、本実施例では、前述のように再遊技役が入賞した場合に、1ゲーム最短時間よりも長く設定された自動投入時間が経過するまでゲームを開始させることができないようになっているが、純増枚数カウンタの値が、所定の基準値(8001、12001)以上の場合に、当該基準値未満の場合よりも長い時間が自動投入時間として設定されるようになっているので、純増枚数カウンタの値が所定の基準値以上となった場合に、遊技者に違和感を与えすぎることなく、メダルの増加を抑制できる。
また、本実施例では、予め定められたリセット時間(本実施例では30分)ゲームが実行されない状況が継続した場合に純増枚数カウンタの値をリセットして0とするので、予め定められたリセット時間が経過し、遊技者が変わった可能性が高い場合にも関わらず、新たな遊技者に対してメダルの増加が制限されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、設定値が新たに設定された場合、予め定められたリセット時間(本実施例では30分)ゲームが実行されない状況が継続した場合に純増枚数カウンタの値をクリアして0とする構成であるが、電源投入を契機として純増枚数カウンタの値をクリアする構成としても良い。この場合には、電源投入後、予め定められた時間が経過した後に純増枚数カウンタの値をクリアする構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、営業開始時においては、純増枚数カウンタをクリアできる一方、営業中に遊技が継続しているにも関わらず、電源のオンオフにより純増枚数カウンタがクリアされてしまうことを防止できる。
また、リアルタイムクロック等の時計装置を搭載し、営業開始前の時刻となる毎に純増枚数カウンタの値をクリアして0とする構成としても良く、このような構成とすることで、確実に営業開始時のみ純増枚数カウンタの値をクリアすることができる。
また、本実施例では、1ゲーム最短時間や自動投入時間を設定する際に基準とするメダルの獲得量として、純増枚数、すなわち遊技者に付与されたメダル数から遊技者が使用したメダル数を減算した値を適用しているが、遊技者に対して付与された枚数の総数である払出枚数のみを1ゲーム最短時間や自動投入時間を設定する際に基準とするメダルの獲得量として適用しても良い。
例えば、本実施例では、設定値が設定された時点または予め定められたリセット時間にわたりゲームが実行されない状況が継続した時点からの純増枚数カウンタの値が第1の基準値である8001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として8001未満の場合よりも長い時間が設定され、純増枚数カウンタの値が第2の基準値である12001以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として12001未満の場合よりも長い時間が設定され、さらに純増枚数カウンタの値が第3の基準である15000を超えることで遊技の進行が不能化されるようになっているが、メダルの払出枚数を基準とした場合には、設定値が設定された時点または予め定められたリセット時間にわたりゲームが実行されない状況が継続した時点からのメダルの払出枚数を計数する払出枚数カウンタの値が第1の基準値である18500(純増枚数が8000に到達し、かつそれまでに要するゲーム数が3500ゲームであり、賭数の設定に10500枚用いたと想定した場合の払出枚数)以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として払出枚数カウンタの値が18500未満の場合よりも長い時間が設定され、純増枚数カウンタの値が第2の基準値である40000(純増枚数が12000に到達し、かつそれまでに要するゲーム数が6000ゲームであり、賭数の設定に18000枚用いたと想定した場合の払出枚数)以上の場合に、1ゲーム最短時間及び自動投入時間として払出枚数カウンタの値が40000未満の場合よりも長い時間が設定され、さらに純増枚数カウンタの値が第3の基準である36000(純増枚数が15000に到達し、かつそれまでに要するゲーム数が7000ゲームであり、賭数の設定に21000枚用いたと想定した場合の払出枚数)を超えることで遊技の進行が不能化されるようにすれば良く、このような構成とした場合でも上記と同様の効果が得られる。
また、本実施例では、1ゲーム最短時間をリール回転開始時から計数するようになっており、ゲームの開始後、全てのリールが停止してゲームが終了するまでの期間においてゲームの進行が規制されてしまうことを防止できることから好ましいが、1ゲームのいずれかのタイミング(規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作されたタイミング、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が有効となったタイミング、最初のリールが停止されたタイミング、全てのリールが停止したタイミング、ゲーム終了時など)から計時を開始し、次ゲームの同じタイミングにおいて1ゲーム最短時間が経過していない場合にゲームの進行を規制する構成としても良い。
また、本実施例では、1ゲーム最短時間の経過前に開始操作がされた場合に、リールの回転開始を遅延させることによりゲームの進行を規制する構成、すなわちゲームの進行制御を遅延させることでゲームの進行を規制する構成であるが、ゲームの進行するための操作を無効化することでゲームの進行を規制する構成としても良い。
本実施例のメイン制御部41は、前述のように設定変更モードに移行させて新たに設定値が設定された場合、または予め定められたリセット時間(本実施例では30分)ゲームが実行されない状況が継続した場合に純増枚数カウンタの値をクリアして0とする。
図27は、メイン制御部41が、起動時に行う基本処理(起動処理(メイン))において新たに設定値が設定された場合に実行するカウンタ初期化処理1の制御内容を示すフローチャートである。
カウンタ初期化処理1では、純増枚数カウンタの値をリセットして0とし(S1)、純増枚数カウンタの値がリセットされた旨を示すカウンタ初期化コマンドを生成し、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで(S2)、サブ制御部91に送信される。
これに伴いサブ制御部91は、純増枚数カウンタの値が初期化された旨のメッセージを液晶表示器51に一定時間にわたり表示し、その旨を報知するようになっている。
図28は、メイン制御部41が、ゲーム終了後、ゲームが開始するまでの期間において行う基本処理(BET処理)にて実行するカウンタ初期化処理2の制御内容を示すフローチャートである。
カウンタ初期化処理2では、まず、ゲームが実行されていない状況が継続した時間のクリアを命令するクリアフラグがRAM507に設定されているか否かを判定する(S11)。
クリアフラグは、ゲーム終了時(メダルの払出を伴わないゲームであれば、全リールの停止後、次ゲームの賭数が設定可能となるBET処理が開始する前のタイミングであり、メダルの払出を伴うゲームであれば、全リールが停止し、当該ゲームでのメダルの払出が終了した後、次ゲームの賭数が設定可能となるBET処理が開始する前のタイミングである。)、BB終了時に自動精算処理が行われる場合(その後打止状態に制御される場合を除く)の、自動精算に伴うメダルの払出終了時、BB終了後打止状態に制御される場合には、打止状態が解除された時、BET処理中にエラー状態に制御され、当該エラー状態が解除された時に、RAM507に設定されるようになっている。
S11のステップにおいてクリアフラグが設定されている場合にはS12のステップに進み、クリアフラグが設定されていない場合にはS14のステップに進む。
S12のステップでは、RAM507に設定された待機時間カウンタをリセットして初期値(13392)を設定し、S13のステップではRAM507に設定された待機時間回数カウンタをリセットして0とする。
待機時間カウンタは、約0.56ms毎に実行するタイマ割込処理(メイン)が4回実行される毎に減算されるカウンタであり、リセットされて初期値として13392が設定された後、待機時間カウンタの値が0となることで、約30000.32(0.56×4×13393)msの計時が行えるようになっている。
S14のステップでは、賭数が設定済みか否かが判定される。S14のステップにおいて賭数が設定済みであれば以後の処理は行わずにカウンタ初期化処理2を終了する。尚、前のゲームにおいて再遊技役が入賞している場合には、自動的に賭数が設定されるので、このような場合も以後の処理は行わずにカウンタ初期化処理2は終了することとなる。
S14のステップにおいて賭数が設定済みでない場合、すなわちゲームが実行可能な状態にも関わらず、ゲームが実行されていない状況である場合には、待機時間カウンタの値が0か否か、すなわち待機時間カウンタがリセットされてから約30000.32ms経過したか否かを判定する(S15)。
S15のステップにおいて待機時間カウンタの値が0でなければカウンタ初期化処理2を終了する。一方、S15のステップにおいて待機時間カウンタの値が0であれば、待機時間カウンタをリセットして初期値(13392)を設定し(S16)、待機時間回数カウンタの値に1を加算する。
前述のように待機時間回数カウンタは、クリアフラグが設定された際にリセットされて0となるので、待機時間回数カウンタの値は、クリアフラグが設定された後、待機時間回数カウンタの値×約30000.32msの時間が経過したことを示すことなる。
S18のステップでは、待機時間回数カウンタの値が1か否か、すなわちクリアフラグが設定された後、約30000.32msが経過したか否かを判定する。
S18のステップにおいて待機時間回数カウンタの値が1の場合には、1〜3BETLED14〜16を消灯し(S19)、待機状態に移行させるとともに、待機状態へ移行する旨を示す待機コマンドを生成し、シリアル通信回路511の送信データレジスタ561に転送することで(S20)、サブ制御部91に送信される。
これに伴いサブ制御部91は、デモ演出等を実行するとともに、通常よりも消費電力の少ない状態に制御するようになっている。
S18のステップにおいて待機時間回数カウンタの値が1以外であれば、さらに待機時間回数カウンタの値が60であるか否か、すなわちクリアフラグが設定された後、約1800019.2ms(≒約30分)が経過したか否かを判定する(S21)。
S21のステップにおいて待機時間回数カウンタの値が60以外であればカウンタの初期化処理2を終了する。一方、S21のステップにおいて待機時間回数カウンタの値が60である場合、すなわちクリアフラグが設定された後、約30分経過している場合には、純増枚数カウンタをリセットして0とし(S22)、カウンタ初期化処理2を終了する。
S22のステップにおいて純増枚数カウンタをリセットした場合には、カウンタ初期化処理1において純増枚数カウンタがリセットされた場合とは異なり、カウンタ初期化コマンドはサブ制御部91に送信されず、純増枚数カウンタの値がリセットされた旨が報知されることもない。
このようにカウンタ初期化処理2では、ゲーム終了時にクリアフラグが設定された後、賭数が設定されない状態、すなわちゲームが開始されない状態であり、かつゲームを開始する意志も確認できない状態が約30分継続した場合に、純増枚数カウンタの値がリセットされるようになっている。
また、BET処理中にエラー状態に制御され、当該エラー状態が解除された時にもクリアフラグが設定されるので、ゲーム終了後、直ぐにエラー状態に制御された場合や賭数が設定されない状態が30分以上継続する前にエラー状態に制御された場合には、当該エラー状態が解除された後、賭数が設定されない状態が約30分継続するまでは、純増枚数カウンタの値がリセットされないようになっている。
また、BB終了後打止状態に制御される場合に、打止状態が解除された時にもクリアフラグが設定されるので、ゲーム終了後、打止状態に制御されている場合には、その打止状態は、賭数が設定さない状態にはカウントされず、打止状態の終了後、賭数が設定されない状態が約30分継続するまでは、純増枚数カウンタの値がリセットされないようになっている。
本実施例のスロットマシンでは、前述のようにゲームが実行されないまま予め定められたリセット時間(本実施例では30分)が経過し、遊技者が変わった可能性が高い場合にも関わらず、新たな遊技者に対してメダルの増加が制限されてしまうことを防止するため、予め定められたリセット時間ゲームが実行されない状況が継続した場合に純増枚数カウンタの値をリセットして0とする構成である。
一方、ゲームが実行されない状況には、賭数の設定待ちの状態のように遊技者が遊技を行う意志があればゲームを実行可能な状況と、エラー状態や打止状態のように遊技者が遊技を行う意志があってもゲームを実行できない状態と、があり、上記のように純増枚数カウンタの値をクリアするのでは、あくまでも遊技者がゲームを実行することが可能な状態にも関わらず、リセット時間にわたりゲームが実行されない状態が継続したからであり、遊技者がゲームを行う意志があってもゲームを実行できないエラー状態などの時間も含めた時間がリセット時間経過したことをもって、メダルの増加を抑制する基準となる純増枚数カウンタの値をリセットしてしまうと、一の遊技者によって一連の遊技が行われているにも関わらずメダル数が初期化されてしまう可能性もあり、このような構成では十分に射幸性を抑制することができなくなってしまうという問題が生じうる。
これに対して本実施例では、BET処理中、すなわちゲームが開始可能な状態においてエラー状態に制御され、当該エラー状態が解除された時にもクリアフラグが設定されることで、ゲーム終了後、直ぐにエラー状態に制御された場合や賭数が設定されない状態がリセット時間継続する前にエラー状態に制御された場合には、当該エラー状態が解除された後、賭数が設定されない状態がリセット時間継続するまでは、純増枚数カウンタの値がリセットされないようになっている。すなわち、ゲームが実行されず、かつエラー状態に制御されずに経過した時間がリセット時間に到達した場合に、純増枚数カウンタの値がリセットされることとなり、途中でエラー状態、すなわち遊技者がゲームを行う意志があってもゲームを実行できない状態となった場合には、エラー状態の後、さらにゲームが実行されずにリセット時間に到達するまで純増枚数カウンタの値がリセットされることがなく、ゲームを行う意志のある遊技者がゲームを行うことが可能な状態でリセット時間にわたりゲームが実行されなかった場合に初めて純増枚数カウンタの値がリセットされるので、十分に射幸性を抑制することができる。ゲーム終了後、ゲームを実行できない打止状態に制御される場合も同様である。
尚、本実施例では、純増枚数カウンタの値に応じて1ゲーム最短時間を長く設定すること、自動投入時間を長く設定すること、フリーズ状態に制御される確率を高くすることにより、単位時間当たりのメダルの払出率(単位時間において可能な限りゲームを行った場合の払出枚数の期待値を投入枚数にて割った値)を抑制する構成であるが、これらのうちのいずれかの構成のみで単位時間あたりのメダルの払出率を抑制する構成としても良いし、他の構成を組み合わせたり、他の構成のみにより単位時間あたりのメダルの払出率を抑制する構成としても良い。他の構成の例としては、例えば、内部抽選において特定の役の当選確率を低く設定したり、ボーナスやARTなど遊技者にとって有利な遊技状態に制御される確率を低く設定したり、これら遊技者にとって有利な遊技状態における有利度を低く設定したりする構成などが該当する。
また、本実施例では、純増枚数カウンタの値に応じて単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成に加え、後述のように一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる事象である10個のナビストック数が当選した回数である特定事象回数が規定回数以上となった場合にも、ナビストック数の期待当選個数や期待純増枚数が抑制されることにより単位時間当たりのメダルの払出率が抑制される構成であるが、純増枚数カウンタの値に応じて単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成以外に、単位時間当たりのメダルの払出率が抑制される構成を備えないものでも良い。
また、本実施例では、単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する際に基準とするメダルの獲得量として、純増枚数、すなわち遊技者に付与されたメダル数から遊技者が使用したメダル数を減算した値を適用しているが、遊技者に対して付与された枚数の総数である払出枚数のみを単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する際に基準とするメダルの獲得量として適用しても良い。
また、本実施例では、ゲームが実行されない状況として賭数が設定されていない状態がリセット時間継続することで純増枚数カウンタの値がリセットされる構成であるが、賭数が設定されていてもゲームが開始されない状況がリセット時間継続した場合に純増枚数カウンタの値がリセットされる構成としても良く、このような構成とすることで、賭数が設定されないまま、遊技者が遊技を終了して放置された場合でも、純増枚数カウンタの値がリセットされるので、このような状況で遊技者が変わったにも関わらず、純増枚数カウンタの値が引き継がれて単位時間あたりのメダルの払出率が抑制されてしまうことを防止できる。
また、ゲームが開始された後、一部のリールの停止操作がなされずに放置された状態がリセット時間継続した場合に純増枚数カウンタの値がリセットされる構成としても良く、このような構成とした場合でも、リールが停止しないまま、遊技者が遊技を終了して放置された場合でも、純増枚数カウンタの値がリセットされるので、このような状況で遊技者が変わったにも関わらず、純増枚数カウンタの値が引き継がれて単位時間あたりのメダルの払出率が抑制されてしまうことを防止できる。
さらには、ゲームを進行させる操作のうちいずれかの操作の後、さらにゲームを進行させる操作がされずに放置された状態がリセット時間継続した場合に、純増枚数カウンタの値がリセットされる構成としても良く、このような構成とした場合でも、ゲームを進行させる操作がされないまま、遊技者が遊技を終了して放置された場合でも、純増枚数カウンタの値がリセットされるので、このような状況で遊技者が変わったにも関わらず、純増枚数カウンタの値が引き継がれて単位時間あたりのメダルの払出率が抑制されてしまうことを防止できる。
また、本実施例では、ゲーム終了後、賭数が設定されない状態がリセット時間以上継続する前にエラー状態に制御された場合には、当該エラー状態が解除された後、賭数が設定されない状態がリセット時間継続するまでは、純増枚数カウンタの値がリセットされない構成であるが、ゲーム終了後、賭数が設定されない状態が継続した時間からエラー状態など遊技者がゲームを行う意志があってもゲームを行えない状態に制御された時間を除いた時間がリセット時間に到達することで純増枚数カウンタの値がリセットされる構成とすることで、途中でエラー状態、すなわち遊技者がゲームを行う意志があってもゲームを実行できない状態となった場合には、ゲームが実行されずに経過した時間のうち、エラー状態に制御された時間を除いた時間、すなわちゲームを行う意志のある遊技者がゲームを行うことが可能な状態でかつゲームが実行されなかった時間がリセット時間に到達することで初めて純増枚数カウンタの値がリセットされるので、十分に射幸性を抑制することができる。ゲーム終了後、ゲームを実行できない打止状態に制御される場合も同様である。
ゲーム終了後、賭数が設定されない状態が継続した時間からエラー状態など遊技者がゲームを行う意志があってもゲームを行えない状態に制御された時間を除いた時間がリセット時間に到達することで純増枚数カウンタの値がリセットされる構成の一例としては、例えば、BET処理中のエラー状態が解除された際にクリアフラグを設定しない構成が考えられる。このような構成によれば、エラー状態においては、カウンタ初期化処理2が実行されることがなく、待機時間回数カウンタの値が加算されることはなく、かつエラー状態の復帰時において待機時間回数カウンタの値、すなわちエラー状態となるまでに経過した時間(約30000.32ms×待機時間回数カウンタの値)から計時されることとなる。また、待機時間回数カウンタの値ではなく、ゲームが実行されない時間を個別のカウンタを用いて計時する構成であれば、エラー状態において当該カウンタによる計時を中断する構成としたり、エラー状態に制御された時間を計時し、ゲームが実行されない時間からエラー状態に制御された時間を減算する構成としても良い。
本実施例では、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時以外にも、設定変更時に純増枚数カウンタの値がリセットされる構成であるが、このような構成においては、ゲームが実行されずにリセット時間が経過することで純増枚数カウンタの値がリセットされたのか、設定変更により純増枚数カウンタの値がリセットされたのか、を区別することができないという問題があった。
これに対して本実施例では、設定変更時のみ純増枚数カウンタの値がリセットされた場合にはその旨のメッセージが液晶表示器51に表示されることで報知される一方、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時に純増枚数カウンタの値がリセットされた旨の報知は行われないようになっているので、設定変更に伴って純増枚数カウンタの値がリセットされた場合に、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時に純増枚数カウンタの値がリセットされた場合と区別して認識させることができる。
特に、本実施例では、設定変更時に純増枚数カウンタの値がリセットされた場合に、その旨が明確に報知される一方で、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時には、その旨の報知が行われない構成であるので、遊技店の開店前において店員が設定変更することで純増枚数カウンタの値がリセットされたことを明確に確認することができる一方で、ゲームが実行されずに純増枚数カウンタの値が変化した場合、設定変更後のゲームの実行状況の有無による内部的な変化によって新たにその旨を報知するための制御を加える必要がなく、ゲームが実行されない状況での演出の制御を簡素化できる。
尚、本実施例では、設定変更時のみ純増枚数カウンタの値がリセットされた場合にはその旨のメッセージが液晶表示器51に表示されることで報知される一方、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時に純増枚数カウンタの値がリセットされた旨の報知は行われない構成であるが、少なくとも設定変更時など遊技店の店員等により強制的に純増枚数カウンタの値がリセットされた場合に、ゲームが実行されずにリセット時間が経過することで純増枚数カウンタの値がリセットされた場合と、区別してその旨が報知される構成であれば、上記と同様に遊技店の開店前において店員が純増枚数カウンタの値がリセットされたことを明確に確認することができるものであり、設定変更時のみ純増枚数カウンタの値がリセットされた場合と、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時の双方でそれぞれが区別可能となるように報知される構成であっても良い。
本実施例では、ゲームが実行されない状態でリセット時間が経過した時に純増枚数カウンタの値がリセットされる構成であるが、閉店後、直ぐに電源を落とし、開店時における電源投入後、リセット時間が経過する前にゲームが開始された場合には、明らかに遊技者が変わっているにも関わらず、前日からの純増枚数カウンタの値を引き継いだままとなり、開店直後から単位時間当たりのメダルの払出率が抑制されてしまう可能性がある。このため、本実施例では、設定変更時にも純増枚数カウンタの値がリセットされるようになっているが、開店前に必ずしも設定値を変更するわけではないので、このような場合には、やはり開店直後から単位時間当たりのメダルの払出率が抑制されてしまう可能性がある。
このような問題点を解決する方法としては、電源投入時に、純増枚数カウンタの値がリセットする構成とすることが考えられ、このような構成とすることで、開店時において確実に純増枚数カウンタの値がリセットされるので、開店直後から単位時間当たりのメダルの払出率が抑制されてしまうことを確実に防止できる。
尚、電源投入時に、純増枚数カウンタの値がリセットする構成では、電源投入後、予め定められた時間が経過した後に純増枚数カウンタの値をリセットする構成とすることが好ましく、このような構成とすることで、営業開始時においては、純増枚数カウンタの値をリセットできる一方、営業中に遊技が継続しているにも関わらず、電源のオンオフにより純増枚数カウンタの値がリセットされてしまうことを防止できる。
また、別の方法としてメイン制御部41が、リアルタイムクロック等の時計装置を搭載し、時計装置から出力された電断時の時刻を保存しておくとともに、電源投入時において、時計装置から出力された時刻を確認し、電断時の時刻と電源投入時の時刻との間に営業時間外の時刻を挟む場合に純増枚数カウンタの値をリセットする構成としたり、電源投入時の日時を保存しておくとともに、電源投入時において時計装置から出力された日時に基づく日付が電断時の日付と異なる場合に純増枚数カウンタの値をリセットする構成としても良く、このような構成とした場合でも、開店時において確実に純増枚数カウンタの値がリセットされるので、開店直後から単位時間当たりのメダルの払出率が抑制されてしまうことを確実に防止できる。
本実施例では、ゲームが実行されずにリセット時間が経過した時にリセット時間が経過したときに純増枚数カウンタの値がクリアされる一方、ゲームが実行されずに経過した時間が待機時間経過することで待機状態に制御される構成であり、これらはともにゲームが実行されない状況に対する時間であるものの、その時間は性質上異なるものであり、2種類の時間を計時する必要があり、それぞれを別個に計時すると別々のカウンタが必要となる。
これに対して本実施例では、ゲームが実行されずに経過した時間を計時するカウンタとして待機時間を計時するカウンタのみを有し、待機時間が経過した回数を繰り返し計数し、待機時間が連続して繰り返し計数された回数がリセット時間に相当する時間となった場合に純増枚数カウンタの値をクリアするようになっている。すなわち待機時間を計時するためのカウンタを利用してリセット時間を計時するようになっているので、待機時間と、リセット時間と、を1つのカウンタを利用して計時することが可能となる。
特に本実施例では、待機時間として約30秒が適用されており、2.24ms毎にカウントして計時することで、13393回のカウント、すなわち0〜13392の範囲をカウント可能な14ビットのカウンタが必要となり、実質的には2バイトのカウンタが必要となる。一方、リセット時間としては30分が適用されており、待機時間と同様に2.24ms毎にカウントして計時した場合、803572回のカウント、すなわち0〜803571の範囲をカウント可能な20ビットのカウンタが必要となり、実質的には3バイトのカウンタが必要となるので、待機時間とリセット時間を別個のカウンタで計時した場合に、5バイトのワーク領域をRAM507に対して割り当てる必要がある。
これに対して、本実施例のように待機時間のカウンタを利用して待機時間60回を計数することで約30分のリセット時間を計時する場合には、待機時間の2バイトのカウンタに加え、60回のカウント、すなわち0〜59の範囲をカウント可能な6ビットのカウンタであり実質的には1バイトのカウンタを備えることで計数が可能となり、この場合には、3バイトのワーク領域で足りることとなり、RAM507のワーク領域を節約できるうえに、リセット時間を計時する際のプログラムとして3バイト分の演算をせずに済むので、プログラム容量も削減することができる。
尚、本実施例では、待機時間のカウンタを利用して待機時間が連続して計時された回数を計数することによりリセット時間を計時する構成であるが、待機時間を計時するカウンタとリセット時間を計時するカウンタの双方を備え、別個に計時する構成としても良い。
また、リセット時間を計時するカウンタのみを備え、リセット時間を計時するカウンタが約30秒の経過を示す13392となった場合に、待機時間の経過を判定し、カウンタが一巡することでリセット時間の経過を判定する構成としても良い。
これらの構成とした場合には、前述のようにリセット時間を計時するにあたり、途中でエラー状態に制御され、計時を中断し、エラー状態の解除後、計時を再開する場合に、エラー状態に制御された時間を除いたリセット時間を正確に計時することが可能となる。
本実施例においてサブ制御部91は、前述のように抽選対象役(本実施例では、ベル、弱チェリー、強チェリー、1枚)が当選した場合にART(RT2でATに制御される状態)に制御するか否かを決定するナビストック抽選を行う。対象役の当選時のナビストック抽選では、0を含むナビストック数を決定することにより、ナビストック数を付与するか否か及び付与する場合にはその個数が決定される。ナビストック抽選において当選し得るナビストック数は、図29に示すように、0、1、2、3、5、10のいずれかである。
本実施例では、メダルが増加することの期待できる複数の事象(例えば、BB1〜4、RB1、2が当選すること、抽選対象役が当選することでナビストック抽選が実行され、ナビストックが当選することなど)が生じる構成であるが、そのうち1枚役が当選し、ナビストック抽選において10個のナビストック数が当選するという事象が、一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる事象として設定されている。
そして、RAM91cには、一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる事象である10個のナビストック数が当選した回数である特定事象回数を計数する特定事象回数カウンタが割り当てられており、サブ制御部91は、ナビストック抽選において10個が当選した場合、すなわち特定事象が成立した場合に、特定事象回数カウンタの値を1加算する一方、特定事象回数カウンタの値が1以上となった後に増加したメダル数が、その後特定事象の成立により増加が期待できる期待純増数(本実施例では、ナビストック1個あたり、約75ゲームにわたりARTの継続が期待でき、かつ1ゲームあたり2枚の純増数が期待できるように、押し順ベルの当選確率、ARTの上乗せ抽選確率等が設定されており、ナビストック1個あたり150枚の純増が期待できるため、ナビストック10個の期待純増数は1500枚である。尚、その間に特別役が当選する確率と特別役の当選により制御されるBBやRBでの期待純増数を乗算した枚数を加味しても良い。)分減少した場合には、1減算するようになっている。
そして、ナビストック抽選では、抽選対象役の種類と、特定事象回数カウンタの値に応じた確率にてナビストックの当選個数が決定されるようになっている。
詳しくは、図29(a)に示すように、特定事象回数カウンタ値が5未満である場合に、1枚役当選時のナビストック数の当選確率は、5個が50%、10個が50%であり、期待当選数は7.5個、期待純増数は1125枚となり、強チェリー当選時のナビストック数の当選確率は、1個が50%、2個が30%、3個が15%、5個が5%であり、期待当選数は1.8個、期待純増数は270枚となり、単独ベル当選時のナビストック数の当選確率は、0個が50%、1個が30%、2個が10%、3個が8%、5個が2%であり、期待当選数は0.84個、期待純増数は126枚となり、弱チェリー当選時のナビストック数の当選確率は、0個が90%、1個が5%、2個が3%、3個が1.5%、5個が0.5%であり、期待当選数は0.18個、期待純増数は27枚となる。
一方図29(b)に示すように、特定事象回数カウンタ値が5以上である場合に、1枚役当選時のナビストック数の当選確率は、3個が100%であり、期待当選数は3個、期待純増数は450枚となり、強チェリー当選時のナビストック数の当選確率は、1個が75%、2個が15%、3個が10%であり、期待当選数は1.35個、期待純増数は202.5枚となり、単独ベル当選時のナビストック数の当選確率は、0個が75%、1個が15%、2個が5%、3個が5%であり、期待当選数は0.4個、期待純増数は60枚となり、弱チェリー当選時のナビストック数の当選確率は、0個が95%、1個が3%、2個が2%、3個が1%であり、期待当選数は0.1個、期待純増数は15枚となる。
このようにナビストック抽選では、メダルの増加が期待できる複数の事象のうち一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる特定事象の成立回数を計数する特定事象回数カウンタの値が5以上の場合において、10個及び5個の当選が制限されるとともに、特定事象回数カウンタの値が5未満の場合よりもナビストックの期待当選数並びに期待純増数が少なくなるように設定されている。
すなわち本実施例では、メダルの増加が期待できる複数の事象のうち一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる特定事象の成立回数が規定回数(本実施例では5回)以上となることで、特定事象が規定回数未満の場合よりもナビストックの期待当選数並びに期待純増数が抑制されることで、単位時間あたりのメダルの払出率が抑制される。すなわち一度に大量のメダルが増加することとなる特定事象を対象として単位時間当たりのメダルの払出率が抑制されるので、短期間に獲得できるメダル数が過度に多くなり過ぎてしまうことを効果的に防止できるとともに、特定事象が成立した場合でも直ちにメダルが増加しなくなってしまう訳ではないので、遊技者の興趣が損なわれてしまうことも極力防止することができる。
尚、一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる特定事象とは、例えば、ナビストック抽選だけ見れば、複数の事象につき同数のナビストック数が当選する場合であっても、一方が特別役の当選を伴い、他方が特別役の当選を伴わない場合には、前者が特定事象となる。また、複数の事象につき一方は特別役が当選し、他方はナビストックが当選する場合でも、それにより増加が期待できるメダル数が同一であれば、双方が特定事象となり得る。
また、本実施例では、特定事象の成立回数が規定回数以上となることで、メダルの増加が期待できる複数の事象の全ての事象について単位時間あたりのメダルの払出率が抑制される構成ではなく、そのうちの一部であるナビストックの期待当選数並びに期待純増数が抑制される構成であり、他の事象、例えば、特別役の当選確率や特別役の入賞に伴うBBやRBでの期待純増数が抑制される構成ではないので、遊技者の興趣が損なわれてしまうことを極力防止することができる。
また、本実施例では、1枚役が当選し、ナビストック抽選で10個が当選することで特定事象が成立する構成であるが、特定事象の成立回数が規定回数以上となることで、1枚役が当選してもナビストック抽選で10個が当選しないようになっている。すなわち特定事象の成立回数が規定回数以上となることで、一度に大量のメダルが増加することとなる特定事象の成立が規制されることとなるので、短期間に獲得できるメダル数が過度に多くなり過ぎてしまうことを効果的に防止できる。
また、本実施例では、特定事象回数カウンタの値が1以上となった後に増加したメダル数が、その後特定事象の成立により増加が期待できる期待純増数分減少した場合には、1減算するようになっているので、特定事象が成立した後、遊技者がゲームを行うことにより純粋に減少したメダル数が、特定事象が成立することで増加が期待できるメダル数以上となった場合には、特定事象の成立回数、すなわち単位時間あたりのメダルの払出率が抑制されることとなる回数が減算されるので、必要以上にメダルの増加が抑制されてしまうことを防止できる。
尚、本実施例では、単位時間あたりのメダルの払出率が抑制されることとなる特定事象の成立回数の規定回数として5回が設定されているが、5回以上であっても良いし、5回未満であっても良く、さらには、1回を適用しても良い。
また、本実施例では、特定事象の成立回数が規定回数以上となった場合に、特定事象の成立回数が規定回数未満の場合よりもナビストックの期待当選数並びに期待純増数を抑制することで、単位時間あたりのメダルの払出率を抑制する構成であるが、上記のように純増枚数カウンタの値に応じて1ゲーム最短時間を長く設定すること、自動投入時間を長く設定すること、フリーズ状態に制御される確率を高くすることにより、単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成としたり、特別役の当選確率を抑制したり、BBやRBでの純増数を抑制することで、単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成としても良い。
また、本実施例では、一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる事象である10個のナビストック数が当選した回数である特定事象回数が規定回数以上となった場合に単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成に加え、前述のように純増枚数カウンタの値に応じて1ゲーム最短時間を長く設定すること、自動投入時間を長く設定すること、フリーズ状態に制御される確率を高くすることにより、単位時間当たりのメダルの払出率が抑制される構成であるが、一度の事象が成立することで最もメダルの獲得が期待できる事象が生じた回数である特定事象回数が規定回数以上となった場合に単位時間当たりのメダルの払出率を抑制する構成以外に、単位時間当たりのメダルの払出率が抑制される構成を備えないものでも良い。
また、本実施例では、特定事象回数カウンタの値が1以上となった後に増加したメダル数が、その後特定事象の成立により増加が期待できる期待純増数分減少した場合には、1減算することで、必要以上にメダルの増加が抑制されてしまうことを防止できる構成であるが、例えば、特定事象が成立した時点では、特定事象回数カウンタの値を加算せず、その後の実際の純増数が特定事象の成立により期待できる純増数以上となった場合にのみ特定事象回数カウンタの値を加算し、実際の純増数が特定事象の成立により期待できる純増数に満たなかった場合に、特定事象回数カウンタの値を加算しない構成としても良く、このような構成とした場合であっても、必要以上にメダルの増加が抑制されてしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
前記実施例では、遊技者にとって有利な遊技状態としてART及びBBを適用した例について説明しているが、これに限らず、通常よりも特定役の当選確率が高まることや、遊技者にとって有利な停止態様(入賞態様でも良いし、非入賞態様でも良い)を導出させるための操作態様など、遊技者にとって有利な情報が報知されること等により、通常よりも多くの遊技用価値の獲得が期待できる遊技状態であれば良い。
前記実施例では、本発明を遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるスロットマシンに適用した例について説明したが、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンに適用しても良い。遊技球を遊技用価値として用いる場合は、例えば、メダル1枚分を遊技球5個分に対応させることができ、前記実施例1で賭数として3を設定する場合は、15個の遊技球を用いて賭数を設定するものに相当する。
さらに、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のうちいずれか1種類のみを用いるものに限定されるものではなく、例えば、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値を併用できるものであっても良い。すなわち、メダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれを用いても賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球等の複数種類の遊技用価値のいずれをも払い出し得るスロットマシンを適用しても良い。