JP6040616B2 - 無線通信システム及びアレーアンテナ制御方法 - Google Patents
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Description
一方、パッシブ型のタグは、リーダからの読取信号を利用して識別信号を認証する。パッシブ型のタグは、構造が簡易で電源が不要である。このため、パッシブ型のタグは、小型で安価に量産できるため、RFIDシステムの主流となっている。
図9に示すように、従来のパッシブ型のRFIDシステム100は、リーダ用アンテナ110とタグ用アンテナ120からなり、リーダ用アンテナ110には送受分離回路112を介して送信機114と受信機となる受信負荷116が取り付けられている(非特許文献1参照)。
図1は、本発明の無線通信システム1の構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の無線通信システム1は、リーダ10とタグ20とで無線通信を行うシステムである。リーダ10は、送信アレーアンテナ12と受信アレーアンテナ14とから構成されている。Mt本の複数のアンテナからなる送信アレーアンテナ12は、アンテナ毎に個別の送信機16を有している。Mr本の複数のアンテナからなる受信アレーアンテナ14は復調回路18に接続されている。送信アレーアンテナ12の本数Mtと受信アレーアンテナ14の本数Mrは、同じ数としてよい。
図2に示すように、終端条件可変回路28は、タグ用アレーアンテナ22の各アンテナ24の給電点24aに接続されるpinダイオード26aと直流カット用のコンデンサ28bとpinダイオード26aに接続されるバイアス回路28cとから構成されている。アンテナ24は、例えばダイポールアンテナである。pinダイオード26aは、周波数に応じて選定すれば良く、例えばマイクロ波用pinダイオードが用いられ得る。バイアス回路28cからpinダイオード26aに順方向電圧が印加されると、アンテナ24の給電点24aは抵抗が極めて小さい短絡状態となる。このとき、アンテナ24の給電点24aの負荷は0Ωとなる。バイアス回路28cからpinダイオード26aに逆方向電圧が印加されると、アンテナ24の給電点24aは抵抗が極めて大きい開放(オープン)状態(∞Ω)となる。図2では、1本のアンテナ24を示しているが、少なくとも2本以上のタグ用アレーアンテナ22の各可変負荷26が終端条件可変回路28によって制御される。
図3に示されている、(αT1, ・・・ , αTMt)は送信アレーアンテナ12からの信号、(αP1, ・・・ , αPMp)はタグ用アレーアンテナ22からの信号、(bT1, ・・・ , bTMr)は受信アンテナへの信号、(bP1, ・・・ , bPMp)は、タグ用アレーアンテナ22への信号である。
まず本制御の手順を開始すると、送信アンテナ、つまり、送信アレーアンテナ12より信号を送信するものとする。信号は以降継続して送信されているものとする。ここで、信号は無変調の正弦波とすることができる。
この組合せZ1を、下記(5)式で定義する。
次に、受信アレーアンテナ14は反射波yを観測しトレーニングフェーズで観測された反射波と最も近いものを推定する。推定する際に、最尤推定を用いる場合、下記(9)式のようにしてiを求める。最尤推定を用いた受信方法は、最尤複合(Maximum Likelihood Detection、DML)と呼ばれている。
(ステップ1)
タグ用アレーアンテナ22に既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与え受信アンテナを用いて反射波を観測するステップ。
(ステップ2)
タグ用アレーアンテナ22に既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与え受信アンテナを用いて反射波を観測するステップ。
(ステップ3)
タグ用アレーアンテナ22に既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与え受信アンテナを用いて観測した反射波と、既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与え受信アンテナを用いて観測した反射波とを比較するステップ。
ここで、受信アンテナは、無線通信システム1における受信アレーアンテナ12である。
次に、本発明の無線通信システム1のシミュレーションについて説明する。
リーダ10用の送信アレーアンテナ12、受信アレーアンテナ14、タグ用アレーアンテナ22を全て2素子のダイポールアンテナとしてシミュレーションを行った。つまり、アンテナ数は2本である。
周波数は、2.4GHz、リーダ10側の素子間隔を1λ(λは真空中の波長である。)、タグ20側の素子間隔を0.25λとする。また雑音はガウス分布に従うものとする。
リーダ10とタグ20との間、送信アレーアンテナ12と受信アレーアンテナ14との間のチャネルは、リングモデルによって計算した。送信機16、タグ20、受信機とも水平面上にランダムに散乱体が分布するものとし、散乱体数はそれぞれ10とした。
復号アルゴリズムには(5)式の最尤推定を用いる。負荷インピーダンスを変化させることでシンボルを表現し、シンボル長は負荷インピーダンスが切り替わる時間間隔とする。
図6に示すように、円が理想的な受信信号点であり、×は雑音が加えられた受信信号点である。この図から信号点数が図4で説明したように16となり、4ビット/シンボルの伝送レートが実現できることが分かる。
図7に示すように、伝送レートが4ビット/シンボルのとき、本発明の無線通信システム1の場合には、雑音電力がSISOより8dB高くても同等のBER特性を達成でき、本発明の効果である高速伝送が可能であることが確認できた。
10:リーダ
12:送信アレーアンテナ
14:受信アレーアンテナ
16:送信機
18:復調回路
20:タグ
22:タグ用アレーアンテナ
24:アンテナ
24a:給電点
26:可変負荷
26a:pinダイオード
28:終端条件可変回路
28b:直流カット用のコンデンサ
28c:バイアス回路
Claims (5)
- タグとリーダとを備えた無線通信システムであって、
上記タグは、それぞれ可変負荷を有している複数のタグ用アレーアンテナと、上記可変負荷をそれぞれ独立して制御する終端条件可変回路とを具備し、
上記リーダは、上記タグ用アレーアンテナに信号を送信する複数のアンテナからなる送信アレーアンテナと、上記タグ用アレーアンテナからの反射波を受信する複数のアンテナからなる受信アレーアンテナと、該受信アレーアンテナに接続される復調回路とを具備してなり、
上記無線通信システムが、
上記タグ用アレーアンテナに既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与えて上記受信アレーアンテナと上記復調回路を用いて反射波を観測し、
上記タグ用アレーアンテナに既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与えて上記受信アレーアンテナと上記復調回路を用いて反射波を観測し、
既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与えて上記受信アレーアンテナと上記復調回路を用いて観測した反射波と、既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与えて上記受信アレーアンテナと上記復調回路を用いて観測した反射波とを比較することを特徴とする、無線通信システム。 - 前記可変負荷は、集中定数素子であることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記可変負荷は、ダイオード又はトランジスタであることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記終端条件可変回路は、バイアス回路を備えていることを特徴とする、請求項1に記載の無線通信システム。
- アンテナ毎に個別の終端条件可変機構が接続されたタグ用アレーアンテナと、
該タグ用アレーアンテナに信号を送信する送信アンテナと該タグ用アレーアンテナからの反射波を受信する受信アンテナとからなるリーダと、
を備えた無線通信システムにおいて、
上記タグ用アレーアンテナに既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与え該受信アンテナを用いて反射波を観測するステップと、
上記タグ用アレーアンテナに既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与え該受信アンテナを用いて反射波を観測するステップと、
既知である複数の終端条件の組合せを既知の順番で逐次的に与え該受信アンテナを用いて観測した反射波と、既知である複数の終端条件の組合せを任意の順番で与え該受信アンテナを用いて観測した反射波とを比較するステップからなることを特徴とする、アレーアンテナ制御方法。
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