JP6032988B2 - 計算方法、計算装置、プログラム、及び記録媒体 - Google Patents
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本発明の第1の実施形態について、以下、図1〜図10を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る計算方法の適用対象となるアンテナ1について、図1を参照して説明する。図1(a)は、アンテナ1の構成を示す平面図であり、図1(b)は、アンテナ1のAA’断面を示す断面図である。
本実施形態に係る計算方法においては、上述したアンテナ1を表現する集中定数素子の等価回路として、図2に示す等価回路E1を使用する。
誘電体上に配置されたメアンダ線路のキャパシタンスを算出する方法としては、例えば、非特許文献1に記載のものが知られている。本実施形態においては、非特許文献1に記載の方法を用いて、メアンダ化された放射素子11のキャパシタンスCmを算出する。
また、図3において、Cgdは、隣接するアーム部間のキャパシタンスの誘電体ギャップ成分を表し、以下の式(b2)に従って算出される。ここで、εeffは、誘電体シート13の実効誘電率であり、誘電体シート13の比誘電率をεrとして、以下の式(b3)に従って算出される。
εeff=0.5(εr+1)(tanh(1.785log(h/w)+1.75))
+(k・w/h)(0.04−0.7k+0.01(1−0.1εr)(0.25+k)) ・・・(b3)
なお、上述したキャパシタンスCmの算出方法は一例に過ぎず、他の算出方法の利用を妨げるものではない。
メアンダ線路のインダクタンスを算出する方法としては、例えば、非特許文献2に記載のものが知られている。メアンダ化された放射素子11のインダクタンスLmは、例えば、非特許文献2に記載の方法を用いて算出することができる。
・・・(b4)
なお、上述したインダクタンスLmの算出方法は一例に過ぎず、他の算出方法の利用を妨げるものではない。例えば、以下のようにして、インダクタンスLmを算出してもよい。
+(l−w)/2+0.2235(w+t)] ・・・(b5)
Lb=(μo/2π)[sln(2s/(w+t))
+s/2+0.2235(w+t)] ・・・(b6)
また、各アーム部ai(1≦i≦Na)の他のアーム部ai+j(1≦j≦Na−i)との間の相互インダクタンスMa ijを、式(b7)に従って算出する。ここで、ra jは、アーム部aiとアーム部ai+jとの間の距離(中心軸間距離)であり、ra j=j×sにより与えられる。
放射素子11の先端とグランドとの間のキャパシタンスCendは、例えば、式(b9)に従って算出することができる。
ここで、aは、放射素子11を円柱状のワイヤと見做した場合の実効半径である。実効半径aは、参考文献(J. L. Volakis, "Antenna Engineering Handbook - Fourth Edition", McGraw Hill Professional, June 2007, 4/8 - 4/9)に記載の対応関係を用いて、放射素子11の厚みtと幅wとから導出することができる。なお、上記参考文献に記載に記載の対応関係は、図5に示すように、t/wとa/wとの間の対応関係を与えるものである。なお、上述したキャパシタンスCendの算出方法は一例に過ぎず、他の算出方法の利用を妨げるものではない。
図3に示す等価回路を用いることによって、図1に示すアンテナ1の各種特性を計算することができる。
また、アンテナ1の入力インピーダンスZinを、以下の式(b11)に従って算出することができる。
更に、アンテナ1の共振周波数frを、以下の式(b12)に従って算出することができる。
なお、ここで挙げたリアクタンスZa、入力インピーダンスZin、及び共振周波数frは、図3に示す等価回路から計算可能な特性の一例に過ぎず、図3に示す等価回路から他の特性を計算することを妨げるものではない。
本実施形態に計算方法は、例えば、コンピュータ等の計算装置を用いて実施することができる。以下、本実施形態に係る計算方法の実施に用いる計算装置2の構成について、図6を参照して説明する。図6は、計算装置2の構成を示すブロック図である。
上述した計算装置2は、コンピュータを用いて実現することができる。図7は、計算装置2として利用可能なコンピュータ100の構成を示したブロック図である。
次に、本実施形態に係る計算方法により得られた計算結果を、実験により得られた測定結果と比較し、本実施形態に係る計算方法の有効性について確認する。
本発明の第2の実施形態について、図11〜図20を参照して説明する。
まず、本実施形態に係る計算方法の適用対象となるアンテナ1’について、図11を参照して説明する。図11(a)は、アンテナ1’の構成を示す平面図であり、図11(b)は、アンテナ1’のAA’断面を示す断面図である。
本実施形態に係る計算方法においては、上述したアンテナ1を表現する集中定数素子の等価回路として、図12に示す等価回路E1’を使用する。
放射素子11と導体板14との間の結合が、図13に示すように奇モードの結合である場合、放射素子11と導体板14との間に生じるキャパシタンスClは、Cl=3N・l・Cunit+3N・s・Cunitにより与えられる。ここで、Cunitは、放射素子11と導体板14との間に生じる単位長さあたりのキャパシタンスであり、Cunit=εo・w/hにより与えられる。そして、放射素子11のキャパシタンスCpは、Cp=Cm+Clに従って算出することができる。なお、キャパシタンスCmの算出方法は、第1に実施形態と同様なので、ここではその説明を繰り返さない。
放射素子11に、図14(a)に示す電流が流れると、導体板14に、図14(b)に示す誘導電流が流れる。すなわち、放射素子11の各アーム部aiを流れる電流フィラメントIaiに対し、これとは逆向きの電流フィラメントIai’が導体板14に形成され、放射素子11の各ブリッジ部biを流れる電流フィラメントIbiに対し、これとは逆向きの電流フィラメントIbi’が導体板14に形成される。
−1+h/(l−w)] ・・・(c1)
同様に、放射素子11の各ブリッジ部bjは、上述した自己インダクタンスLbに加えて、直下の導体板14との間に相互インダクタンスMb’を持つことになる。この相互インダクタンスMb’は、以下の式(c2)に従って算出することができる。
−1+h/s] ・・・(c2)
なお、放射素子11の各アーム部aiは、隣接するアーム部ai−1,ai+1との間にも相互インダクタンスを持ち得るし、また、隣接するアーム部ai−1,ai+1の直下の導体板14との間にも相互インダクタンスを持ち得る(アーム部間の相互インダクタンスは、アーム部間の距離に依存して決まり、アーム部aiと非隣接アーム部an(n≠i−1,i+1)との間の相互インダクタンスは、アーム部aiと隣接アーム部an(n≠i−1,i+1)との間の相互インダクタンスと比べて無視できる程度に小さくなる)。しかしながら、アーム部ai−1,ai+1の直下には、アーム部ai−1,ai+1を流れる電流フィラメントIai−1,ai+1と逆向きの電流フィラメントIa−1’,Ia+1'が導体板14に形成される。そして、電流フィラメントIai−1が逆向きの電流フィラメントIa−1’と近接しているため、電流フィラメントIaiと電流フィラメントIai−1との間の相互インダクタンスは、電流フィラメントIaiと電流フィラメントIai−1’との間の相互インダクタンスにより相殺される。同様に、電流フィラメントIai+1が逆向きの電流フィラメントIa+1’と近接しているため、電流フィラメントIaiと電流フィラメントIai+1との間の相互インダクタンスは、電流フィラメントIaiと電流フィラメントIai+1’との間の相互インダクタンスにより相殺される。このため、これらの相互インダクタンスの和は、無視できる程度に小さくなる。したがって、放射素子11のインダクタンスLpは、Lp=Na(La−Ma’)+Nb(Lb−Mb’)に従って算出する(精度良く近似する)ことができる。なお、自己インダクタンスLa、Lbの算出方法は、第1に実施形態と同様なので、ここではその説明を繰り返さない。
放射素子11の先端とグランドとの間のキャパシタンスCendは、第1の実施形態と同様、式(b9)に従って算出することができる。
図12に示す等価回路を用いることによって、図11に示すアンテナ1’の各種特性を計算することができる。
また、アンテナ1’の入力インピーダンスZinを、以下の式(c4)に従って算出することができる。
更に、アンテナ1の共振周波数frを、以下の式(b12)に従って算出することができる。
なお、ここで挙げたリアクタンスZa、入力インピーダンスZin、及び共振周波数frは、図12に示す等価回路E1’から計算可能な特性の一例に過ぎず、図12に示す等価回路E1’から他の特性を計算することを妨げるものではない。
本実施形態に計算方法は、例えば、計算装置を用いて実施することができる。以下、本実施形態に係る計算方法の実施に用いる計算装置3の構成について、図15を参照して説明する。図15は、計算装置3の構成を示すブロック図である。
次に、本実施形態に係る計算方法により得られた計算結果を、実験により得られた測定結果と比較し、本実施形態に係る計算方法の有効性について確認する。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
11 放射素子
12 地板
13 誘電体シート
14 導体板
E1、E1’ 等価回路
Cm キャパシタ(第1のキャパシタ)
Lm インダクタ(第1のインダクタ)
Cend キャパシタ(第2のキャパシタ)
Cp キャパシタ(第1のキャパシタ、第3のキャパシタ)
Lp インダクタ(第1のインダクタ、第2のインダクタ)
2 計算装置
21 パラメータ取得部
22 パラメータ変換部
23 インダクタンス算出部(第1のインダクタンス算出手段)
24 キャパシタンス算出部(第1のキャパシタンス算出手段)
25 先端キャパシタンス算出部(第2のキャパシタンス算出手段)
26 特性算出部
Claims (7)
- 等価回路を用いてメアンダ化された放射素子を備えたモノポールアンテナの特性を計算する計算方法であって、
上記等価回路は、上記放射素子に対応する互いに並列に接続された第1のキャパシタと第1のインダクタとを含み、上記第1のキャパシタと上記第1のインダクタとの一方の接続点が、信号源を介して接地され、上記第1のキャパシタと上記第1のインダクタとの他方の接続点が、上記放射素子の先端とグランドとの間のギャップに対応する第2のキャパシタを介して接地されている、
ことを特徴とする計算方法。 - 上記放射素子の実効半径をa、真空の誘電率をεoとして、上記第2のキャパシタのキャパシタンスCendを、Cend=8π・εo・aに従って算出する工程を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1に記載の計算方法。 - 上記モノポールアンテナは、上記放射素子に対向する導体板を更に備えており、
上記等価回路は、上記導体板に対応する互いに並列に接続された第3のキャパシタと第2のインダクタとを更に含み、上記第3のキャパシタと上記第2のインダクタとの一方の接続点が、上記第2のキャパシタの一端に接続され、上記第3のキャパシタと上記第2のインダクタとの他方の接続点が、接地されている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の計算方法。 - 上記第1のインダクタ及び上記第2のインダクタのインダクタンスを、上記放射素子各部の自己インダクタンスから、上記放射素子各部と上記導体板との間の相互インダクタンスを引いた差を求めることによって算出する工程を含んでいる、
ことを特徴とする請求項3に記載に計算方法。 - 等価回路を用いてメアンダ化された放射素子を備えたモノポールアンテナの特性を計算する計算装置であって、
上記等価回路は、上記放射素子に対応する互いに並列に接続された第1のキャパシタと第1のインダクタとを含み、上記第1のキャパシタと上記第1のインダクタとの一方の接続点が、信号源を介して接地され、上記第1のキャパシタと上記第1のインダクタとの他方の接続点が、上記放射素子の先端とグランドとの間のギャップに対応する第2のキャパシタを介して接地されており、
当該計算装置は、上記第1のキャパシタのキャパシタンスを算出する第1のキャパシタンス算出手段と、上記第1のインダクタのインダクタンスを算出する第1のインダクタンス算出手段と、上記第2のキャパシタのキャパシタンスを算出する第2のキャパシタンス算出手段とを備えている、
ことを特徴とする計算装置。 - 請求項5に記載の計算装置としてコンピュータを動作させるプログラムであって、上記計算装置が備える各手段として上記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
- 請求項6に記載のプログラムが記録されている、コンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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