JP6032853B2 - 前立腺関連抗原分子由来hla結合ペプチドおよびその使用方法 - Google Patents

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Description

前立腺癌の免疫療法の方法と組成物が開示される。より具体的には、免疫アジュバントありまたはなしで、前立腺関連抗原分子由来のHLA結合ペプチドを含んでなる組成物を投与するステップを含んでなる、前立腺癌患者を治療する方法が開示される。
前立腺癌は男性で最も頻繁に発生する悪性腫瘍の1つであり、2006年にヨーロッパでは346,000症例が発生し、約87,000人が死亡したと報告されている。米国男性では、前立腺癌は最も頻繁に診断される癌であり、癌に関連した2番目の死因となっている。前立腺特異抗原(PSA)のモニタリングアッセイの感度が増大しているため、前立腺癌はより早期に臨床的局在期に発見され、その段階では手術と放射線照射などの治療処置を施し得る。しかしながら、これらの患者は、10年以内に10〜60%の確率で無症状のPSA増大を起こし、これは「生化学的再発」として知られる。生化学的再発は癌の隠れた局所再発、または未だ検出不能な転移発生を示唆することが多い。
この状況での治療選択肢としては、外部放射線療法とアンドロゲン遮断療法(ホルモン除去療法としても知られる)が挙げられる。しかし、いずれの療法も、特に患者の長期生存を延長させることについては、有効性が立証されていない。さらに、両治療法とも、心血管障害、骨粗鬆症、体重増大、神経認知機能低下、尿道狭窄の発生、性欲弱源およびインポテンツ、骨粗鬆症関連骨格カルシウム塩低下のリスク、および病的骨折リスクの顕著な増大をはじめとする、多くの副作用によって妨げられる。さらに、アンドロゲンの欠損によってアンドロゲン非依存性腫瘍クローンの早期発生が可能となり、最終的にさらなる急速な長期の腫瘍の進行が起きる懸念が一部にある。さらに、特に低PAS値または長い平均倍増時間(DT)によって特徴付けられる生化学的再発に対して、アンドロゲン遮断療法開始の最適なタイミングが論議されている。これらのリスクを考慮すると、アンドロゲン遮断療法および外部放射線療法のどちらも、早期生化学的再発を来たしている患者に対する治療効果は疑わしい。
腫瘍関連抗原(TAA)は、癌の可能な免疫療法剤であると認定されている。前立腺に関連するものをはじめとして、多様な異なる腫瘍および組織タイプに特異的な多くのTAAが同定されている。前立腺腫瘍組織、腫瘍排出リンパ節、および癌患者の末梢血流系中のTAAに特異的なT細胞の同定、ならびに免疫療法後の特異的T細胞応答の増大は、全てTAAを使用した免疫系の操作が、前立腺癌の治療に有用である可能性を示唆する。
(1)自己または同種腫瘍細胞によるワクチン療法;(2)顆粒球マクロファージコロニー刺激因子を発現するように組み換えられた自己腫瘍細胞;(3)HLAIおよびII結合ペプチドで生体外パルスされた樹状細胞;(4)腫瘍mRNAトランスフェクト樹状細胞;および(5)TAAを発現する組み換えワクチンウイルスをはじめとする、前立腺特異的TAAの生体内抗原提示のための様々なシステムが臨床治験で試験されている。しかし、これらの治験のほとんどは、アンドロゲン抵抗性前立腺癌患者において実施されている。生化学的再発を来たしたアンドロゲン感受性の患者における、アンドロゲン遮断療法前のワクチン療法に関する情報はわずかしかない。
したがって新しい治療の選択肢が、前立腺癌患者、特に早期生化学的再発患者に必要である。
本開示は、免疫療法に使用する組成物およびその使用法に関する。特に本開示は、癌の免疫療法、特に前立腺癌の免疫療法、より具体的にはアンドロゲン遮断療法を未だ受けていない早期生化学的再発患者における、アンドロゲン感受性前立腺癌の免疫療法に関する。本発明の開示は、HLAクラスIおよびクラスII双方のHLA結合ペプチドの組成物にさらに関するものであり、前記HLA結合ペプチドは、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原、前立腺特異的膜抗原、サバイビン、プロステイン、およびtransient receptor potential−p8(「TRP−p8」)などの前立腺関連抗原分子に由来する。
一態様では、本開示は、少なくとも1つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、前記HLA結合ペプチドは、前立腺関連抗原分子由来のエピトープを含んでなる。
別の態様では、本開示は、少なくとも1つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、前記HLA結合ペプチドは、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原、前立腺特異的膜抗原、サバイビン、プロステイン、およびtransient receptor potential−p8からなる群から選択される、前立腺関連抗原分子に由来するエピトープを含んでなる。
本発明の特に好ましい態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、(a)少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号23に記載のエピトープであり、またはHLA−DR抗原関連不変鎖の80N末端アミノ酸を含んでなる、配列番号23の融合タンパク質からなるペプチドであり、(b)少なくとも2つのペプチドの少なくとも1つは、配列番号1〜11、配列番号13〜22、および配列番号24〜42からなる群から選択されるエピトープを含んでなるペプチドである。
好ましくは、本発明に従った組成物は、グループbに従ったアミノ酸配列からなる少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
好ましいのは本発明に従った組成物であり、前記組成物は、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、好ましくは少なくとも4つのペプチド、さらに好ましくは10個のペプチドと、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14の群から選択される1つのペプチドと、配列番号15〜22および配列番号24〜42からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドとを含んでなる。
治療される対象のHLAセットに従って追加的なペプチドが選択される、本発明に従った組成物もまた好ましい。
好ましいのは本発明に従った組成物であり、前記組成物は、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも4つのペプチドと、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14の群から選択される1つのペプチドと、配列番号15〜22および配列番号24〜42からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドとを含んでなる。
ペプチドの少なくとも1つがクラスIIペプチドである、本発明に従った組成物もまた好ましい。
次に、別の態様は、例えばGMCSFおよびイミキモドなどの1種の免疫アジュバント、または2種または3種の免疫アジュバントの混合物をさらに含んでなる、本発明に従った組成物に関する。
好ましいのは本発明に従った組成物であり、前記免疫アジュバントは、例えばトール様受容体7アゴニストなどのトール様受容体アゴニストを含んでなる。
例えばペプチドでパルスされ負荷された自己樹状細胞のような樹状細胞などの、少なくとも1つの抗原提示細胞を含有する、発明に従った組成物もまた好ましい。
次に、別の態様は、前立腺癌の治療に使用される本発明に従った組成物に関する。
好ましいのは本発明に従った組成物であり、前記前立腺癌はアンドロゲン感受性であり、患者はアンドロゲン遮断療法を受けたことがない。
さらに好ましいのは本発明に従った組成物であり、前記前立腺癌はアンドロゲン非感受性である。
次に、別の態様は、本発明に従った組成物の有効量を患者に投与することからなる、前立腺癌を治療する方法に関する。
好ましいのは本発明に従った方法であり、前記前立腺癌はアンドロゲン感受性であり、患者はアンドロゲン遮断療法を受けたことがない。
さらに好ましいのは本発明に従った方法であり、前記前立腺癌はアンドロゲン非感受性である。
さらなる態様では、本発明で開示される組成物は、配列番号24、配列番号7、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、または配列番号15〜23、または配列番号25〜40に記載のエピトープを含んでなる。
さらなる態様では、組成物は、前立腺関連抗原分子由来のエピトープからなる少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなり、少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つはHLAクラスIペプチドであり、少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つはHLAクラスIIペプチドである。
本開示のさらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、および配列番号11からなる群から選択されるエピトープからなるHLAクラスIペプチドであり、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号13および配列番号14からなる群から選択されるエピトープからなるHLAクラスIIペプチドである。
本開示のさらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、(a)少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号24、配列番号15〜23、および配列番号25〜37からなる群から選択されるエピトープを含んでなるペプチドであり、(b)少なくとも2つのペプチドの少なくとも1つは、配列番号7、配列番号1〜6、配列番号8〜11、配列番号13、配列番号14、および配列番号38〜42からなる群から選択されるエピトープを含んでなるペプチドである。
本開示のさらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、および配列番号11からなる群から選択されるエピトープから本質的になるHLAクラスIペプチドであり、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号13および配列番号14からなる群から選択されるエピトープから本質的になるHLAクラスIIペプチドである。
本開示のさらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、および配列番号11からなる群から選択されるエピトープからなるHLAクラスIペプチドであり、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、配列番号13および配列番号14からなる群から選択されるエピトープからなるHLAクラスIIペプチドである。
さらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、HLA−A02以外の対立遺伝子と結合するHLAクラスIペプチドである。
さらに別の態様は、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、HLA結合ペプチドの少なくとも1つは、HLA−A24、HLA−A11、HLA−B41、HLA−B51またはHLA−Cの群から選択される対立遺伝子と結合する、HLAクラスIペプチドである。
さらに本開示の別の態様は、少なくとも6つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物に関し、(a)少なくとも1つのHLA結合ペプチドは前立腺特異抗体由来のエピトープを含んでなり、(b)少なくとも1つのHLA結合ペプチドは前立腺幹細胞抗原由来のエピトープを含んでなり、(c)少なくとも1つのHLA結合ペプチドは前立腺特異的膜抗原由来のエピトープを含んでなり、(d)少なくとも1つのHLA結合ペプチドはサバイビン由来のエピトープを含んでなり、(e)少なくとも1つのHLA結合ペプチドはプロステイン由来のエピトープを含んでなり、(f)少なくとも1つのHLA結合ペプチドはtransient receptor potential−p8由来のエピトープを含んでなる。
本開示の別の態様は、上述のような組成物に関し、前記組成物は、グループb)に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
本開示の別の態様は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号15、配列番号16、配列番号17、配列番号18、配列番号19、配列番号20、配列番号21、配列番号22、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号26、配列番号27、配列番号28、配列番号29、配列番号30、配列番号31、配列番号32、配列番号33、配列番号34、配列番号35、配列番号36、配列番号37、配列番号38、配列番号39、配列番号40、配列番号41、および配列番号42に記載のHLA結合ペプチドを含んでなる、上述のような組成物に関する。
本開示の別の態様は、上述のような組成物に関し、前記組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなるペプチドと、任意に、配列番号15〜42からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドとを含んでなる。
本開示の別の態様は、上述のような組成物に関し、前記組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、好ましくは少なくとも4つのペプチド、さらに好ましくは10個のペプチドと、配列番号15〜42からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドとを含んでなる。
本開示の別の態様は、上述のような組成物に関し、前記組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、好ましくは少なくとも4つのペプチド、さらに好ましくは10個のペプチドと、配列番号15〜42からなる群から選択される少なくとも1つのペプチドとを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
本開示の別の態様は、上述のような組成物に関し、前記組成物は配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、配列番号14、および配列番号15〜42に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも4つのペプチドを含んでなる。
本開示のさらなる態様は、あらゆる既述の組成物に関し、少なくとも1つのペプチドはクラスIIペプチドである。
本開示のさらなる態様は、例えば、GMCSFおよびイミキモドなどの1種の免疫アジュバント、または2種または3種の免疫アジュバントの混合物をさらに含んでなる、既述のあらゆる組成物に関する。この免疫アジュバントは、トール様受容体7アゴニストである、イミキモドとムチン−1−mRNA/プロタミン複合体、さらにサイトカイン顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(「GM−CSF」)をはじめとする、あらゆる既知の免疫アジュバントであり得る。
次に、本開示の追加的態様は、免疫アジュバントありまたはなしで、本明細書で開示されるいずれかの組成物を患者に投与するステップを含んでなる、前立腺癌の治療法に関する。前記前立腺癌はアンドロゲン感受性であり得て、患者はアンドロゲン遮断療法を受けたことがなくてもよい。
次に、本開示の別の態様は、患者において、アンドロゲン感受性またはアンドロゲン非感受性いずれかの前立腺癌を治療する方法に関し、前記方法は、免疫アジュバントありまたはなしで、既述の組成物のいずれかを患者に投与するステップを含んでなる。
前立腺関連抗原分子由来の13個のエピトープをはじめとする、実施例1で使用される、HLA結合ペプチドカクテル中のHLA結合ペプチドを含んでなる様々なエピトープを示す。配列番号1〜12に記載のエピトープはHLAHLAクラスIエピトープであり、すなわち、HLA−A201拘束性エピトープである。配列番号13および14に記載のエピトープは、HLAクラスIIエピトープである。 治験群全体としてのDTの統計データを示す。DTは、月単位で表される。「n」は、その統計が各カテゴリに含まれる患者数を示す。「%」は、各カテゴリに分類される患者の百分率を示す。患者5の倍加時間は負であったため、この患者の倍加時間は治験終了時の幾何平均または範囲の計算には含めなかった。 実施例1で使用されたHLA結合カクテルによる、患者の治療前、治療中、および治療後のDT変化を示す。正の値はPSA倍加時間を示し、患者のPSAレベルが増大していることを意味する。負の値はPSA半減期であり、患者のPSAレベルが減少していることを示す。 免疫アジュバントのタイプにより分別された、治療に対する臨床応答を示す。臨床応答の不在は「−」符号で表される。PSA中間値の減少または安定に続くPSAの加速度的上昇は、「+/−」符号で表される。PSA中間値の上昇に続くPSAの減少およびPSADTの増大は、「−/+」符号で表される。PSADTの増大は、「+」符号で表される。 モンタナイド混合ペプチドが投与されているが、アジュバントが投与されずまたは温熱療法を施されていない患者のPSAレベルを示す。 ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体と共にモンタナイド混合ペプチドを投与されている患者のPSAレベルを示す。 温熱療法と共にモンタナイド混合ペプチドを投与されている患者のPSAレベルを示す。 GM−CSFと共にモンタナイド混合ペプチドを投与されている患者のPSAレベルを示す。 は、イミキモドと共にモンタナイド混合ペプチドを投与されている患者のPSAレベルを示す。 84日目のベースラインからのPSA値の変化を百分率で示す。 ワクチン接種中のPSA値の変化を百分率で示す。 ワクチン接種後、各ペプチドに反応するT細胞を有する患者数を示す。 PSMA 459−473エピトープおよびサバイビン97−111エピトープに対する、患者番号15および26のPBMCに由来するCD4+T細胞の特異性を示す。PSMA:−473エピトープ;Surv:サバイビン97−111エピトープ。 クローンPro26_1 Cのペプチド活性を示す。PMA/イオノマイシン=抗原非依存性非特異的活性化;サバイビン(II):サバイビン97−111エピトープによる刺激;PSMA(II):PSMA 459−473エピトープによる刺激。全ての反応細胞はCD4陽性である。 クローンPro15_10 Oのペプチド活性を示す。PMA/イオノマイシン=抗原非依存性非特異的活性化;サバイビン(II):サバイビン97−111エピトープによる刺激;PSMA(II):PSMA 459−473エピトープによる刺激。全ての反応細胞はCD4陽性である。 完全長サバイビンまたはサバイビン97−111エピトープで初回抗原刺激を受けた樹状細胞に対する、CD4+サバイビン特異的T細胞クローンPro15_「D」の応答を特性解析する。細胞内サイトカイン染色で示されるように、組み換えサバイビンタンパク質またはサバイビン97−111エピトープと共にインキューベートされた未成熟樹状細胞は、ワクチン接種患者のサバイビン特異的T細胞によって認識される。これらの結果は、サバイビンが樹状細胞内のタンパク質分解酵素によって自然にプロセシングされ、サバイビン97−111エピトープがプロセシングによって破壊されないことを示唆する。さらに、これらのCD4+T細胞は、サイトカインIFN−γ、TNF−α、およびIL−2を分泌し、CD40リガンド(CD154)の表面発現を有し、DC107aの表面発現で示されるように脱顆粒するので、多機能性である。T細胞は無関係のタンパク質RAP80またはHIV−001ペプチドと共にインキュベートされた樹状細胞によっては活性化されないので、上記のT細胞応答は抗原特異的である。 完全長サバイビン、サバイビン97−111エピトープまたはPSMA 459−473エピトープで初回抗原刺激を受けた樹状細胞に対する、CD4+サバイビン特異的T細胞クローンPro26−10−Cの応答を示す。細胞内サイトカイン染色で示されるように、組み換えサバイビンタンパク質、サバイビン97−111エピトープ、およびPSMA 459−473エピトープと共にインキュベートされた未成熟樹状細胞は、ワクチン接種患者の抗原特異的T細胞によって認識される。T細胞はサバイビンとPSMAの双方のエピトープに応答するが、サバイビンエピトープによる刺激への応答の方がより強かった。これらのCD4+T細胞は、サイトカインIFN−γ、TNF−α、およびIL−2を分泌し、CD40リガンド(CD154)の表面発現を有し、DC107aの表面発現で示されるように脱顆粒するので、多機能性である。T細胞は無関係のタンパク質RAP80と共にインキュベートされた樹状細胞によっては活性化されないので、上記のT細胞応答は抗原特異的である。 完全長PSMAタンパク質、タンパク質分解酵素Kで処理されたPSMAタンパク質、またはプロテイナ−ゼKで処理されたサバイビンタンパク質で初回抗原刺激を受けた樹状細胞に対する、CD4+サバイビン特異的T細胞クローンPro26−10−Cの応答を示す。 完全長サバイビン、サバイビン97−111エピトープ、完全長PSMA、またはPSMA 459−473エピトープと共にインキュベートされた固定樹状細胞に対する、CD4+サバイビン特異的T細胞クローンPro26−10−Cの応答を示す。細胞内サイトカイン染色で示されるように、(完全長でない)サバイビン97−111エピトープと共にインキュベートされた固定樹状細胞は、ワクチン接種患者の抗原特異的T細胞によって認識される。このことから、抗原性であるためには、完全長サバイビンが抗原提示細胞によって切断されなければならないことが確認される。 完全長サバイビン、サバイビン97−111エピトープ、完全長PSMA、またはPSMA 459−473エピトープで初回抗原刺激を受けた樹状細胞に対する、CD4+PSMA特異的T細胞クローンPro26−10−Dの応答を示す。細胞内サイトカイン染色で示されるように、PSMA 459−473エピトープと共にインキュベートされた未成熟樹状細胞は、ワクチン接種患者の抗原特異的T細胞によって認識される。これらのCD4+T細胞は、サイトカインIFN−γ、TNF−α、およびIL−2を分泌し、CD40リガンド(CD154)の表面発現を有し、DC107aの表面発現で示されるように脱顆粒するので、多機能性である。T細胞はサバイビンまたはサバイビン97−111エピトープと共にインキュベートした樹状細胞によっては活性化されないので、上記のT細胞応答は、抗原特異的である。 異なるHLA−DR対立遺伝子を発現するいくつかの腫瘍細胞系が、患者由来のPBMCによって認識されることを示す(患者Pro26とPro15について示す)。患者は、サバイビン97−111のワクチン接種後、多クローン性T細胞の応答を生じる。サバイビン97−111は、以下のいくつかのHLAクラスII対立遺伝子との無差別な結合を示す。DR1;(Wang et al.もまた参照されたい);DQ5(Wang et al.によっては未試験);DR11(Wang et al.もまた参照されたい)、またはDRB3(Wang et al.,2008の表1と対照をなす)。サバイビン97−111の機能的提示は、いくつかのHLAクラスII分子(TNF−α産生)との関連で可能である。HLAクラスI(HLA−A,B,C)でもまた、機能的クラスII分子、すなわちHLA−DQ、HLA−DP、およびHLA−DRを細胞表面で発現するHLAクラスIIに、原則として、3つの異なる遺伝子座を見ることができる。クラスI分子は、重鎖(−A、−B、−C)およびβ2−ミクログロブリンから構成され、それは3つの全遺伝子で不変である。しかしながらクラスII分子は、各々2つずつの可変鎖(αおよびβ)から構成される。したがってクラスIIについては、高度な遺伝子型決定(genetically typing)は常に複雑である。図では、抗体結合に基づく、いわゆる血清型が示される。したがって、例えば「DQ3」は、通常一緒に見られて、特定の抗体と反応する、HLA−DQのαおよびβ鎖の異なる対立遺伝子を含んでなる。図中の細胞は、以下の通りである。AL=E418EBV形質転換B細胞系(Human Immunology Volume 51,Issue 1,November 1996,Pages 13−22);LAM=Bリンパ腫細胞系(Oncogenomics 19 September 2002,Volume 21,Number 42,Pages 6549−6556);HO301=EBV形質転換B細胞系(The Journal of Immunology,1998,160:3363−3373);BM15=Dr11+APC細胞系(The Journal of Immunology,2004,173:1876−1886);MGAR=ホモ接合型B−LCL(Gene Therapy(2004)11,1408−1415);LG2−EBV=自己B細胞系(Cancer Immunity,Vol.2,p.9(19 July 2002));EMJ=Bリンパ芽球様細胞系(ECACC NO:8602103 IHW Number 9097:and Hum Immunol.1980 Dec;1(4):363−8)。
本発明の開示は、前立腺組織および/または前立腺腫瘍に特異的な抗原ペプチドの使用を通じた、前立腺癌細胞の免疫応答の操作で使用される組成物とその方法に関する。
免疫応答の刺激は、宿主の免疫系によって異物と認識される抗原の存在に依存する。近年、(1)前立腺組織または前立腺腫瘍中で特異的に発現されて、(2)T細胞によって認識される、様々な抗原が成功裏に同定されている。このような抗原は、抗原提示細胞(APC)上でHLA分子とペプチドの複合体として発現されると、T細胞を刺激して、前立腺癌細胞に対する抗原特異的T細胞応答を誘導でき、最終的に腫瘍細胞の溶解をもたらす。例えば、タンパク質サバイビンの様々なエピトープが、前立腺TAA(腫瘍関連抗原)として認識されている。前立腺に特異的なTAAの発見と特性解析から、今や、宿主の免疫系を使用して腫瘍増殖に介入する可能性が出てきた。体液性免疫系と細胞性免疫系の双方を使用する様々なメカニズムが、現在、癌の免疫療法において研究されている。
細胞性免疫応答の特定の要素は、腫瘍細胞を特異的に認識して破壊できる。腫瘍浸潤細胞群または末梢血からのCD8+細胞傷害性T細胞(CTL)の単離は、このような細胞が癌に対する自然免疫防御において重要な役割を果たしていることを示唆する。サイトゾルに存在するタンパク質または欠陥リボソーム産物(defect ribosomal products(DRIP)に由来する、通常8〜10個の残基のペプチドを持つ、主要組織適合遺伝子複合体のクラスI分子(MHCクラスI分子)を認識するCD8+T細胞は、この応答において特に重要な役割を果たしている。(Schubert U,Anton LC,Gibbs J,Norbury CC,Yewdell JW,Bennink JR.;Rapid degradation of a large fraction of newly synthesized proteins by proteasomes;Nature 2000;404(6779):770−774))。
抗原は、主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子の2つの主要クラス、MHCクラスIおよびMHCクラスIIの1つを介して提示される。ヒトにおいて、MHC分子は、ヒト白血球抗原(「HLA」)分子と称されている。MHC分子には2つのクラスがある。核を有するほとんどの細胞に見ることができるMHCクラスI分子は、主に内在性タンパク質、細胞質タンパク質、または核タンパク質、DRIPS、より大型のペプチドのタンパク質分解切断から生じるペプチドを提示する。しかし、エンドソーム区画または外因性源に由来するペプチドも、MHCクラスI分子に認められることが多い。このクラスIの非古典的提示方法は、文献中では交差提示と称されている。MHCクラスII分子は、主にプロフェッショナル抗原提示細胞(APC)に見ることができ、エンドサイトーシスの過程でAPCによって取り込まれて引き続いてプロセッシングされる、外因性タンパク質のペプチドを主に提示する。クラスIについては、内因性源に由来するペプチドをMHCクラスII分子に提示させる、代案の抗原プロセシング様式について記載されている(例えば自己貪食)。ペプチドとMHCクラスI分子との複合体は、適切なTCRを持つCD8+細胞傷害性Tリンパ球により認識され、ペプチドとMHCクラスII分子との複合体は、適切なTCRを持つCD4陽性ヘルパーT細胞により認識される。
HLAクラスI分子は身体の全ての有核細胞に見られ、細胞質タンパク質断片をCD8+細胞障害性T細胞(「CTL」)に提示するように機能する。このタンパク質はプロテアソーム内で切断され、その結果得られるペプチドは、サイトゾルから小胞体の内腔に輸送されて、HLAクラスI分子に結合される。次に、抗原とHLAクラスI分子との複合体は、抗原がCTLに提示され得る細胞表面に輸送される。CTLへの抗原提示は、その表面に抗原/HLA複合体が結合した細胞を直接死滅させる、抗原特異的CTLの増殖に最終的に導く、カスケードを誘導する。このプロセスは全ての有核細胞で起こり、それによって免疫系が、異質、変性、または胚性タンパク質の存在について、個々の細胞を正確にモニターできるようになる。HLAクラスI分子によって提示されるペプチドは、典型的に内因性細胞内タンパク質分子に由来するが、マクロピノサイトーシスまたは食作用によって細胞に取り込まれた外因性抗原もまた提示され得ることが示唆されている。したがって抗原特異的CTL応答は、宿主をHLAクラスI分子特異的エピトープを含有するペプチドで直接免疫化することで、誘導し得る。
構造的に発現されるHLAクラスI分子とは対照的に、HLAクラスII分子は、ほぼ独占的に、マクロファージ、樹状細胞、およびB細胞をはじめとする、プロフェッショナル抗原提示細胞上に見られる。プロフェッショナルAPCは、細胞外タンパク質をプロフェッショナルAPCによって取り込み、リソソーム中で消化され、HLAクラスII分子によって、分子の細胞膜への移動に先立って結合される。HLAクラスII結合ペプチドは、CD4+Tヘルパー細胞(「Tヘルパー細胞」)に提示される。Tヘルバー細胞はいかなる直接的細胞傷害活性または食作用活性も持たず、したがって感染したまたは機能不全な宿主細胞を直接死滅させることはないが、その代わり、感染したまたは機能不全な細胞に対する、他の免疫系構成要素の応答を誘発または促進することで機能する。例として、CD4+T細胞の活性化は、インターフェロンγ(IFN−γ)の局部レベルを増大させ得る。
CD4+ヘルパーT細胞は、抗腫瘍T細胞応答のエフェクター機能を調整するのに重要な役割を果たしており、この理由から、TAA由来CD4+T細胞エピトープの同定は、抗腫瘍免疫応答を開始させる薬剤製品の開発にとって非常に重要である可能性がある。CTLが不在であっても、Tヘルバー細胞によるインターフェロンIFN−γの局所分泌が、血管発生の抑制を通じて腫瘍形成を阻害し得ることが、哺乳類モデルで示されている。Qin,Z.and T.Blankenstein.CD4+T−cell−−mediated tumor rejection involves inhibition of angiogenesis that is dependent on IFN gamma receptor expression by non−hematopoietic cells.Immunity.2000,12:677−686を参照されたい。さらに、HLAクラスII分子によって提示されるTAAを認識するTヘルパー細胞は、抗体応答を誘導することで、腫瘍の進行に対抗し得る(Kennedy,R.C.,M.H.Shearer,A.M.Watts,and R.K.Bright.CD4+T lymphocytes play a critical role in antibody production and tumor immunity against simian virus 40 large tumor antigen.Cancer Res.2003,63:1040−1045)。
HLAクラスI分子に結合するTAAとは対照的に、わずかなHLAクラスII結合TAAしか、これまでに報告されていない(www.cancerimmunity.org、www.syfpeithi.de)。HLAクラスII分子の構成的発現は、通常免疫系の細胞に限られているため、原発性腫瘍から直接クラスIIペプチドを単離することは不可能であると考えられていた。しかし、最近多数のMHCクラスIIエピトープが、腫瘍から直接同定されている。さらに、腫瘍患者では、驚くべきことに、腫瘍細胞がMHCクラスII分子を発現していることが分かった(EP 1642905,EP 1760088;Dengjel J,Nastke MD,Gouttefangeas C,Gitsioudis G,Schoor O,Altenberend F,Mueller M,Kraemer B,Missiou A,Sauter M,Hennenlotter J,Wernet D,Stenzl A,Rammensee HG,Klingel K,Stevanovic S.;Unexpected abundance of HLA class II presented peptides in primary renal cell carcinomas;Clin Cancer Res.2006;12:4163−4170)。
ペプチドが細胞性免疫応答を引き起こすには、それはMHC分子に結合しなくてはならない。この過程は、MHC分子の対立遺伝子およびペプチドのアミノ酸配列の特異的多型性に依存する。MHCクラスI結合ペプチドは、通常は8〜10個のアミノ酸残基の長さであり、MHC分子の対応する結合溝と相互作用するペプチドの配列内に、通常2つの保存された残基(「アンカー」)を含有する。このようにして、それぞれのMHC対立遺伝子には、どのペプチドが結合溝と特異的に結合し得るかを決定する「結合モチーフ」がある(Rammensee HG,Bachmann J,Stevanovic S.MHC ligands and peptide motifs,Landes Bioscience,USA,1997)。
MHC依存性免疫応答では、ペプチドは、腫瘍細胞によって発現される特定のMHC分子と結合できるだけでなく、特異的T細胞受容体(TCR)を保有するT細胞によって認識されなくてはならない。
腫瘍に特異的なTリンパ球に認識される抗原、すなわちTリンパ球のエピトープは、酵素、受容体、転写因子など全ての種類のタンパク質に由来する分子であり得る。さらに腫瘍関連抗原はまた、例えば変異遺伝子の生成物として、例えば腫瘍細胞中のみで提示され得る。もう1つの重要なクラスの腫瘍関連抗原は、様々な種類の腫瘍および健常精巣組織中で発現されるCT(「cancer testis(癌・精巣)」)抗原などの組織特異的抗原である。
近年、多数のTAAが成功裏に同定され、特性解析されている。さらに、追加の腫瘍関連抗原を同定するために、多くの研究努力が費やされている。技術分野で腫瘍特異抗原とも称されるいくつかの腫瘍関連抗原群は、組織特異的である。例としては、メラノーマに対するチロシナーゼ、前立腺癌に対するPSAおよびPSMA、リンパ腫におけるbcr/ablなどの染色体交差(転座)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。しかし、同定された多くの腫瘍関連抗原は多数の腫瘍タイプで発生し、実際に形質転換インベント引き起こす、発癌タンパク質および/または癌抑制遺伝子(癌抑制遺伝子は、例えば、Linehan WM,Walther MM,Zbar B.The genetic basis of cancer of the kidney.J Urol.2003 Dec;170(6Pt1):2163−72で腎臓癌について検討されている)などのいくつかの抗原は、ほぼ全ての腫瘍タイプに発生する。例えば、p53(癌抑制遺伝子の一例)、ras、c−met、myc、pRB、VHL、HER−2/neuなどの細胞増殖および分化を制御する通常の細胞タンパク質が突然変異を蓄積し得て、これらの遺伝子産物発現の上方制御をもたらし、それらを発癌性にする(McCartey et al.Cancer Research,1998,15:58 2601−5;Disis et al.Ciba Found.Symp.1994,187:198−211)。これらの変異タンパク質もまた、複数の癌タイプで腫瘍特異的免疫応答の標的になり得る。
効率的または非効率的な提示が、誘発される免疫応答のタイプおよび程度を決定し、それは免疫性から耐性まで及び得る。休止期の未処置CTLを抗原特異的な様式で刺激するためには、CTLは2つのシグナルを抗原提示細胞から受け取らなければならない。1つ目は、HLA/ペプチド複合体と相互作用する抗原特異的T細胞受容体(TCR)を介して、2つ目は共刺激因子(B7分子、ICAM−1、およびその他の接着分子)またはサイトカイン(例えばIL−2)を介して受け取る。Tリンパ球がこれらのシグナルの1つだけを受け取ると、T細胞のアネルギーが生じる。腫瘍細胞は、共刺激分子を保有せずHLAクラスIの低発現のみを示すことが多いので、不良なAPCである。さらに、癌細胞は、それらに向けられた免疫応答を抑制する、サイトカインまたは表面分子を発現することが多い。したがって、TAAがT細胞に提示される様式は、腫瘍特異的免疫応答の誘発にとってかなり重要である。
タンパク質が腫瘍特異抗原または腫瘍関連抗原としてCTLに認識され、治療に使用されるには、特定の条件を満たさなければならない。この抗原は主に腫瘍細胞によって発現されなくてはならず、正常な健常組織によっては発現されないか、または比較的少量発現される。個々の抗原が、ある種の腫瘍細胞に存在するだけでなく、高い濃度(すなわち細胞あたりの各ペプチドのコピー数)で存在することがさらに好ましい。腫瘍特異抗原および腫瘍関連抗原は、例えば細胞周期の制御やアポトーシスのような機能のために、正常細胞から腫瘍細胞への形質転換に直接関わるタンパク質に由来することが多い。さらに、形質転換の直接原因となるタンパク質の下流ターゲットが上方制御されることもあり、したがって間接的に腫瘍に関連することもある。このような間接的腫瘍関連抗原もまた、ワクチン療法のターゲットであってもよい。いずれの場合も、エピトープが抗原のアミノ酸配列に存在することが不可欠であり、これは、このような腫瘍関連抗原由来のペプチド(「免疫原性ペプチド」)が、生体外または生体内でT細胞応答を引き起こすためである。
基本的に、MHC分子に結合できるあらゆるペプチドが、T細胞エピトープとして機能してもよい。生体外または生体内のT細胞応答の誘発には、対応するTCRを有するT細胞の存在、そしてこの特定エピトープに対する耐性の不在が必須条件である。ヘルパーT細胞は、抗腫瘍免疫性において、CTLのエフェクター機能を統合する際に重要な役割を果たす。TH1タイプのヘルパーT細胞応答を始動させるヘルパーT細胞のエピトープは、腫瘍関連ペプチド/MHC複合体を細胞表面に提示している腫瘍細胞に対する傷害機能をはじめとする、CD8陽性キラーT細胞のエフェクター機能をサポートしている。このようにして、腫瘍関連ヘルパーT細胞ペプチドのエピトープは、単独で、または他の主要関連ペプチドと共に、抗腫瘍免疫応答を刺激するワクチン組成物の活性薬剤成分として機能し得る。
大部分の腫瘍では、ほんのわずかなTAAしか知られていないか、または1つの特定HLAタイプについてしか、定義されていない。対照的に、多数の前立腺特異抗原および前立腺癌関連抗原、およびCTLによって認識されるペプチドが成功裏に同定されている。これらのTAAは、抗原提示細胞上でHLA分子とペプチドとの複合体として発現されると、T細胞を刺激して抗原特異的CTLを誘発できる。
免疫療法に関して最多の経験が得られている悪性メラノーマの研究からは、1種または2種のTAAによる免疫化は、腫瘍細胞の選択をもたらし、その結果、DCによる継続治療中に疾患が進行することが示された。CD8依存型およびCD4依存型の2つの免疫応答型は、連携して相乗的に抗腫瘍効果に寄与するため、CD8+CTL(MHCクラスI分子)またはCD4陽性CTL(MHCクラスII分子)のいずれかによって認識される腫瘍関連抗原の同定と特性解析は、腫瘍ワクチンの開発において重要である。
しかし、1種類のCTLを初回抗原刺激しても、通常は全ての腫瘍細胞を除去するには不十分である。腫瘍は非常に変異原性が高いため、タンパク質パターンを変化させてCTLによる認識を逃れることで、CTLの攻撃に急速に対応することができる。腫瘍の回避メカニズムに抵抗するため、様々な特異的ペプチドがワクチンに使用されている。このようにして、いくつかのCTLクローンによって、腫瘍を同時かつ広範に攻撃し得る。これは、腫瘍が免疫応答を逃れる機会を減少させる可能性がある。この仮説は、最近、末期メラノーマ患者を治療する臨床治験で確認された。わずか数例の例外を除き、少なくとも3回の明確なT細胞応答のあった患者は、客観的な臨床的応答または病態安定(Banchereau et al.,2001)を示して生存率が増大したが、T細胞応答が3回未満であったほとんどの患者は、進行性疾患と診断された。
腎臓細胞癌患者を13の異なるペプチドを有するワクチンで治療したところ、同様の効果が示された(H.Singh−Jasuja,S.Walter,T.Weinschenk,A.Mayer,P.Y.Dietrich,M.Staehler,A.Stenzl,S.Stevanovic,H.Rammensee,J.Frisch;Correlation of T−cell response,clinical activity and regulatory T−cell levels in renal cell carcinoma patients treated with IMA901,a novel multi−peptide vaccine;ASCO Meeting 2007 Poster #3017;M.Staehler,A.Stenzl,P.Y.Dietrich,T.Eisen,A.Haferkamp,J.Beck,A.Mayer,S.Walter,H.Singh,J.Frisch,C.G.Stief;An open label study to evaluate the safety and immunogenicity of the peptide based cancer vaccine IMA901,ASCO meeting 2007;Poster #3017)。
したがって、腫瘍ワクチンの開発における重要な課題は、新規腫瘍関連抗原およびそれに由来する免疫原性Tヘルパーエピトープだけでなく、異なるエピトープの組み合わせもまた同定して特性解析し、各患者が複数のエピトープに反応する可能性を高めることである。
このようにして、立腺関連抗原分子由来のエピトープを含んでなる、それから本質的になる、またはそれからなる、少なくとも1つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物が提供される。
本明細書の用法では、「HLA結合ペプチド」という用語は、ヒトHLAクラスIまたはHLAクラスIIの白血球抗原分子と結合できるあらゆるペプチドを指す。
本明細書の用法では、「エピトープ」という用語は、その中にそれが含有される分子を、ヒトHLAクラスIまたはHLAクラスIIの白血球抗原分子と結合させるのに十分なアミノ酸配列を指す。エピトープの同定方法は技術分野では良く知られている。これらとしては以下が挙げられるが、これに限定されるものではない。(a)個々の患者のT細胞を使用した遺伝子発現解析、van der Bruggen et al.,A gene encoding an antigen recognized by cytolytic T lymphocytes on a human melanoma,Science 1991;254(5038):1643-1647を参照されたい;(b)腫瘍関連ペプチドの質量分析による配列決定、Cox et al.,Identification of a peptide recognized by five melanoma−specific human cytotoxic T cell lines,Science 1994;264(5159):716-719を参照されたい;および(c)対立遺伝子特異的ペプチドモチーフに従って、既知のTAAを使用してエピトープを予測する「逆免疫学的方法」、Nat.Rev.Cancer 2002;2(7):514-520;Celis et al.,Induction of anti−tumor cytotoxic T lymphocytes in normal humans using primary cultures and synthetic peptide epitopes,Proc.Nat'l Acad.Sci.USA 1994;91(6):2105-2109を参照されたい。
本明細書の用法では、「前立腺関連抗原分子」という用語は、(a)前立腺組織、または(b)前立腺癌細胞中で特異的に発現するあらゆるエピトープ含有分子を指すものとする。典型的な前立腺関連抗原分子としては、前立腺特異抗原、前立腺幹細胞抗原、前立腺特異的膜抗原、サバイビン、プロステイン、およびtransient receptor potential−p8が挙げられる。これらの前立腺関連抗原分子由来の典型的なエピトープを図1に示す。しかし、あらゆる前立腺関連抗原分子に由来する、あらゆるエピトープを使用してもよい。
本明細書で開示されるHLA結合ペプチドは、特に断りのない限り、異なる、おそらくは選択的である、ペプチド鎖内の部位における、1つまたは複数の残基の置換によって修飾され得る。このような置換は保存的性質であってもよく、例えば疎水性アミノ酸が別の疎水性アミノ酸で置換される場合のように、1つのアミノ酸が類似構造および特性のアミノ酸で置換される。さらにより保存的なのは、ロイシンがイソロイシンで置換される場合のように、サイズと化学的性質が同じあるいは類似するアミノ酸の置換である。天然の相同タンパク質ファミリー中の配列多様性の研究では、ある種のアミノ酸置換は他よりも認容されることが多く、これらは元のアミノ酸と置換アミノ酸の間のサイズ、電荷、極性、疎水性の類似性と、相関関係を示すことが多い。
本明細書では、保存的置換は、次の5群の1つの中での交換と定義される。第1群:小型脂肪族非極性または微極性残基(Ala、Ser、Thr、Pro、Gly)、第2群:極性負電荷残基とそれらのアミド(Asp、Asn、Glu、Gln)、第3群:極性、正電荷残基(His、Ar、Lys)、第4群:大型脂肪族非極性残基(Met、Leu、Ile、Val、Cys)、第5群:大型芳香残基(Phe、Tyr、Trp)。
より保存性の低い置換は、イソロイシン残基によるアラニンの置換のように、特性が類似しているがサイズが多少異なる別のアミノ酸による1個のアミノ酸の置換を伴うかもしれない。非常に非保存的な置換は、酸性アミノ酸を極性のまたは塩基性でさえあるアミノ酸で置換することを伴う可能性もある。しかしながら化学的効果は完全には予測できず、極端な置換が、さもなければ単純な化学原理からは予測不能な想定外の結果を生じるかもしれないので、そのような「極端な」置換を効果がないものとして却下し得ない。
もちろん、そのような置換には、一般的なL−アミノ酸以外の構造が関与してもよい。したがってD−アミノ酸が、開示される抗原ペプチドに一般に見られるL−アミノ酸を置換するかもしれず、本明細書の開示に包含されるものとする。さらに非標準R基(すなわち天然タンパク質の一般的な20種のアミノ酸に見られるもの以外のR基)を有するアミノ酸も置換目的で使用して、本開示に従った免疫原および免疫原性ポリペプチドを生成してもよい。
複数位置での置換が、以下で定義するように実質的に同等かまたはより大きな抗原活性を有するペプチドをもたらすことが分かった場合、これらの置換の組み合わせを試験して、組み合わさった置換が、ペプチドの抗原性に相加的あるいは相乗的効果をもたらすかどうかを判定する。最大でも4箇所を超えない位置が、ペプチド内で同時に置換される。
別の態様では、少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物が提供され、HLA結合ペプチドの少なくとも1つはHLAクラスIペプチドであり、HLA結合ペプチドの少なくとも1つはHLAクラスIIペプチドである。
本明細書の用法では、「HLAクラスIペプチド」という用語は、HLAクラスIペプチドのヒト白血球抗原分子と結合できる、またはできると予測されるエピトープを含んでなるあらゆるポリペプチドを指すものとする。例として、「HLAクラスIペプチド」としてはHLA−A2拘束性ペプチドが挙げられ、このペプチドは、HLA−A0201、0202、0203、0206、または0207α鎖を有する血清型HLA−A2をはじめとするが、これに限定されるものではない、血清型HLA−A2の特異的対立遺伝子と結合する。代表的な「HLAクラスIペプチド」は、そのそれぞれがHLA−A2拘束性ペプチドである、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4、配列番号5、配列番号6、配列番号7、配列番号8、配列番号9、配列番号10、配列番号11である。
本開示では、腫瘍形成に関連して、ヒト白血球、特にリンパ球、特にTリンパ球、特にCD4陽性Tリンパ球の免疫応答、特にCD4陽性Tリンパ球仲介TH1タイプ免疫応答を誘発するのに十分であるようにMHC(HLA)クラスII分子に結合する能力がある、抗原由来のペプチドがさらに提供される。本明細書の用法では、「HLAクラスIIペプチド」という用語は、HLAクラスIIのヒト白血球抗原分子と結合できる、またはできると予測されるエピトープを含んでなる、あらゆるポリペプチドを指すものとする。典型的な「HLAクラスIIペプチド」を配列番号13および14として図1に列挙する。
本発明のさらなるペプチドを以下に示す。
HLAクラスIIペプチドは、特定のHLA特異的アミノ酸モチーフを有する「コア配列」と、任意に、コア配列の機能を阻害しない(すなわちペプチドとT細胞の相互作用に無関係とみなされる)N末端および/またはC末端伸長から構成されることが知られている。N末端および/またはC末端の伸長は、例えば、それぞれ1から10アミノ酸長であり得る。これらのペプチドはHLAクラスII分子を負荷するために直接使用するか、または以下に示す方法で配列をベクターにクローンし得る。これらのペプチドは、細胞内におけるより大きなペプチドのプロセシングの最終産物を形成するので、より長いペプチドも同様に使用し得る。本明細書で開示されるHLAクラスIIペプチドは、分子量100,000ダルトン未満、分子量50,000ダルトン未満、分子量10,000ダルトン未満、分子量5,000ダルトン未満、分子量2,500ダルトン未満、または分子量約1000〜2000ダルトンのサイズをはじめとするあらゆるサイズであってもよいが、これに限定されるものではない。アミノ酸残基数に関しては、本開示のペプチドは、例として除外は意図せず、1000個未満の残基、500個未満の残基、または100個未満の残基であってもよい。
したがってペプチドおよびその変異体の組成物が開示され、ペプチドまたは変異体の全長は、8〜100、8〜60個のアミノ酸、8〜30、および8〜17であり、あるいはペプチドまたは変異体は、8、9、10、11、12、13、14、15または16個のアミノ酸を有する。別の態様では、ペプチドは、C末端および/またはN末端に1〜10個の伸張アミノ酸を有する、配列番号13および14からなる群から選択されるコア配列を有し、これらの隣接アミノ酸の総数は、1〜12、1〜10、1〜8、1〜6、2〜12、2〜10、2〜8、2〜6、3〜12、3〜10、3〜8、3〜6、4〜12、4〜10、4〜8、4〜6、5〜12、5〜10、5〜8、5〜6、6〜12、6〜10、6〜8、7〜12、7〜10、7〜8、8〜12、8〜10、9〜12、9〜10、または10〜12個であり、ペプチドがなおも前記ペプチドと同じ方法でHLA分子に結合できれば、隣接アミノ酸はC末端とN末端にあらゆる比率で配分し得る(例えば、全ての隣接アミノ酸を1つの末端に付加し得て、またはアミノ酸を両末端に等しく付加し得て、またはその他のあらゆる比率で付加し得る)。
MHCクラスIエピトープは通常8〜10アミノ酸長であるが、実際のエピトープを含むより長いペプチドまたはタンパク質のペプチドプロセッシングによって作成することも可能である。MHCクラスIIエピトープと同様に、CTLへのペプチド提示に実質的に影響せず、また伸長したペプチドのプロセシングによって仲介される実際のエピトープを生じるのに必要なタンパク質分解切断部位を隠さないように、実際のエピトープのNおよびC末端上流および/または下流の伸長前駆ペプチドの隣接残基を選択してもよい。
したがって別の態様では、ペプチドは、C末端および/またはN末端に1〜10個の伸張隣接アミノ酸を有する、配列番号1〜11および配列番号15〜37からなるコア配列を有する。さらなる態様では、これらの隣接アミノ酸の総数は、1〜12、1〜10、1〜8、1〜6、2〜12、2〜10、2〜8、2〜6、3〜12、3〜10、3〜8、3〜6、4〜12、4〜10、4〜8、4〜6、5〜12、5〜10、5〜8、5〜6、6〜12、6〜10、6〜8、7〜12、7〜10、7〜8、8〜12、8〜10、9〜12、9〜10、または10〜12個であり、ペプチドがなおも配列番号1〜12および配列番号15〜40のいずれかに記載の前記ペプチドと同じ方法でHLA分子に結合できれば、隣接アミノ酸はC末端とN末端にあらゆる比率で配分し得る(例えば、全ての隣接アミノ酸を1つの末端に付加し得て、またはアミノ酸を両末端に等しく付加し得て、またはその他のあらゆる比率で付加し得る)。
本開示のさらなる態様では、全長8〜100個のアミノ酸、8〜60個のアミノ酸、8〜30個のアミノ酸、8〜18個のアミノ酸、または8、9、10、11、12、13、14、15、16または17個のアミノ酸を有する、MHCクラスIエピトープのペプチドおよび変異体が提供される。
当然のことながら、開示されるペプチドまたは変異体は、ヒトMHCクラスIあるいはII分子に結合する能力を持つ。ペプチドまたは変異体のMHC複合体への結合は、例えば、本開示の実施例で下述する方法、またはMHCクラスII対立遺伝子に関する文献で述べられているものなどの当業者に知られている方法によって試験してもよい(例えば、Vogt AB,Kropshofer H,Kalbacher H,Kalbus M,Rammensee HG,Coligan JE,Martin R;Ligand motifs of HLA−DRB5*0101 and DRB1*1501 molecules delineated from self−peptides;J Immunol.1994;153(4):1665−1673;Malcherek G,Gnau V,Stevanovic S,Rammensee HG,Jung G,Melms A;Analysis of allele−specific contact sites of natural HLA−DR17 ligands;J Immunol.1994;153(3):1141−1149;Manici S,Sturniolo T,Imro MA,Hammer J,Sinigaglia F,Noppen C,Spagnoli G,Mazzi B,Bellone M,Dellabona P,Protti MP;Melanoma cells present a MAGE−3 epitope to CD4(+) cytotoxic T cells in association with histocompatibility leukocyte antigen DR11;J Exp Med.1999;189(5):871−876;Hammer J,Gallazzi F,Bono E,Karr RW,Guenot J,Valsasnini P,Nagy ZA,Sinigaglia F;Peptide binding specificity of HLA−DR4 molecules:correlation with rheumatoid arthritis association;.J Exp Med.1995 181(5):1847−1855;Tompkins SM,Rota PA,Moore JC,Jensen PE;A europium fluoro−immunoassay for measuring binding of antigen to class II MHC glycoproteins;J Immunol Methods.1993;163(2):209−216;Boyton RJ,Lohmann T,Londei M,Kalbacher H,Halder T,Frater AJ,Douek DC,Leslie DG,Flavell RA,Altmann DM;Glutamic acid decarboxylase T lymphocyte responses associated with susceptibility or resistance to type I diabetes:analysis in disease discordant human twins,non−obese diabetic mice and HLA−DQ transgenic mice;Int Immunol.1998(12):1765−1776).)。
追加的なNおよび/またはC末端に位置するアミノ酸配列は、必ずしも、MHC分子の実際のエピトープとして機能するペプチドの一部を形成しているわけではないが、それでもなお、本開示に従ったペプチドを細胞に効率的に導入するために重要なこともある。一実施形態では、本開示のペプチドは、例えば、GenBank受入番号X00497のNCBIに由来するHLA−DR抗原関連不変鎖(p33、以下における「Ii」)の80N末端アミノ酸を含んでなる融合タンパク質である(Strubin,M.,Mach,B.and Long,E.O.The complete sequence of the mRNA for the HLA−DR−associated invariant chain reveals a polypeptide with an unusual transmembrane polarity EMBO J.3(4),869−872(1984))。
さらなる態様では、ペプチドは、全長8〜100個のアミノ酸、8〜60個のアミノ酸、8〜30個のアミノ酸、8〜17個のアミノ酸、または9、10、11、12、13、14、15、または16個のアミノ酸を有する。
加えて、ペプチドまたは変異体をさらに修飾して、安定性および/またはMHC分子に対する結合性を向上させ、より強い免疫応答を引き起こしてもよい。このようなペプチド配列の最適化の方法は技術分野で周知であり、例えば逆ペプチド結合または非ペプチド結合の導入などが挙げられる。
したがって、本開示の別の態様では、少なくとも1つのペプチドまたは変異体が非ペプチド結合を含む、1つの組成物が提供される。
逆ペプチド結合では、アミノ酸残基はペプチド連鎖(−CO−NH−)によって結合せず、ペプチド結合が逆転している。このようなレトロインベルソ型ペプチド模倣薬は、例えば、参照によって本明細書に引用されるMeziere et al(1997)J.Immunol.159,3230−3237に記載される方法などの技術分野で既知の方法によって作成してもよい。この方法では、骨格の変化はあるが側鎖方向は変化させずに擬ペプチドを作成する。Meziere et al(1997)は、これらの擬ペプチドが、MHCとヘルパーT細胞応答に有用であることを示している。CO−NHペプチド結合の代わりにNH−CO結合を含有するレトロインバーソ型ペプチドは、タンパク質分解に対してはるかにより耐性がある。
非ペプチド結合は、例えば、−CH−NH、−CHS−、−CHCH−、−CH=CH−、−COCH−、−CH(OH)CH−、および−CHSO−である。米国特許第4,897,445号明細書は、標準法によって合成されたポリペプチドと、NaCNBHの存在下におけるアミノアルデヒドとアミノ酸の反応によって合成された非ペプチド結合とが関与する、ポリペプチド鎖内の非ペプチド結合(−CH−NH)の固相合成法を提供する。
アミノ末端および/またはカルボキシ末端に化学基を追加して、上述の本開示の配列を含んでなるペプチドを合成し、例えば、ペプチドの安定性、生体使用効率、および/または親和性を向上させてもよい。例えば、カルボベンゾキシル基、デンシル基、またはT−ブチルオキシカルボニル基などの疎水基をペプチドのアミノ末端に付加してもよい。同様に、アセチル基または9−フルオレニルメトキシカルボニル基をペプチドのアミノ末端に配置させてもよい。さらに、例えば、疎水基、t−ブチルオキシカルボニル基、またはアミノ基をペプチドのカルボキシ末端に付加してもよい。
さらに、本開示の全てのペプチドは、その立体配置を変化させるように合成されてもよい。例えば、通常のL異性体の代わりに、1つまたは複数のアミノ酸残基のD異性体を使用してもよい。なおもさらに、本開示のペプチドのアミノ酸残基の少なくとも1つを周知の非天然アミノ酸残基の1つで置換してもよい。このような改変が、本開示のペプチドの安定性、生体使用効率、および/または結合反応を増大させるのに役立つこともある。
同様に、ペプチド合成の前後に特定のアミノ酸を反応させて、本開示のペプチドまたは変異体を化学的に修飾してもよい。このような修飾は技術分野で良く知られており、例えば、参照によって本明細書に援用される、R.Lundblad,Chemical Reagentsfor Protein Modification,3rd ed.CRC Press,2005に要約されている。アミノ酸の化学的修飾としては、アシル化による修飾、アミド化、リジンのピリドキシル化、還元的アルキル化、2,4,6−トリニトロベンゼンスルホン酸(TNBS)によるアミノ酸のトリニトロベンジル化、カルボキシル基のアミド修飾とシステインからシステイン酸への過ギ酸酸化によるスルフヒドリル修飾、水銀誘導体形成、他のチオール化合物との混合ジスルフィドの形成、マレイミドとの反応、ヨード酢酸またはヨードアセトアミドによるカルボキシメチル化、およびアルカリ性pHでのシアン酸塩によるカルバモイル化が挙げられるが、これに限定されるものではない。この関連で、タンパク質の化学修飾に関するより詳細な方法論について、当業者は、Eds.ColiganらのCurrent Protocols In Protein Science(John Wiley & Sons NY 1995−2000)の15章を参照されたい。
PEGによる治療用タンパク質およびペプチドの成功裏の修飾が、しばしば循環半減期の延長に付随するのに対し、グルタルアルデヒト、ポリエチレングリコールジアクリレート、およびホルムアルデヒドによるタンパク質の架橋は、ハイドロゲルの調製のために使用される。免疫療法のためのアレルゲンの化学的修飾は、シアン酸カリウムによるカルバミル化によって達成されることが多い。
一般に、ペプチドおよび変異体(少なくともペプチド連鎖をアミノ酸残基間に含有するもの)は、例えばLubetbal(1981)J.Org.Chem.46,3433とその中の参考文献で開示されるように、例えば固相ペプチド合成のFmoc−ポリアミドモードを使用して合成してもよい。
精製は、再結晶、サイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフフィー、疎水性相互作用クロマトグラフィー、および例えばアセトニトリル/水の勾配分離を使用した(通常は)逆相高速液体クロマトグラフィーのいずれか1つ、またはその組み合わせによって達成してもよい。
ペプチド分析は、薄層クロマトグラフィー、電気泳動、特にキャピラリー電気泳動、固相抽出(CSPE)、逆相高速液体クロマトグラフィー、酸加水分解後のアミノ酸分析、および高速原子衝撃(FAB)質量分析法、ならびにMALDIおよびESI−Q−TOF質量分析法を使用して実施してもよい。
本開示のさらなる態様では、開示されるペプチドまたは変異体の1つをコードする核酸(例えばポリヌクレオチド)が提供される。ポリヌクレオチドは、例えば、一本鎖および/または二本鎖のDNA、cDNA、PNA、CAN、RNAであってもよく、天然型ヌクレオチドまたは例えばホスホロチオエート結合骨格を有するポリヌクレオチドなどの安定型ヌクレオチド、あるいはその組み合わせであってもよく、ペプチドをコードする限り、イントロンを含有してもまたは含有しなくてもよい。当然のことながら、天然ペプチド結合によって連結される天然アミノ酸残基を含有するペプチドのみが、ポリヌクレオチドによってコード可能である。本開示のなおもさらなる態様では、本開示に従ったポリペプチドを発現できる発現ベクターが提供される。異なる細胞タイプの発現ベクターは技術分野で周知であり、過度の実験を要することなく選択され得る。
一般に、DNAは、発現に適した配向と正確な読み枠で、プラスミドなどの発現ベクターに挿入される。必要に応じて、DNAは、目的とする宿主に認識される適切な転写および翻訳の制御調節核酸の配列に連結されてもよいが、このような調節は一般に発現ベクター内で利用できる。次にベクターは、当業者に良く知られている標準法によって、宿主に導入される。
一実施形態では、組成物は、配列番号1〜11および配列番号13〜40に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜40に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜40に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも4つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜40に記載のアミノ酸配列から本質的になる、10個のペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
一実施形態では、組成物は配列番号1〜11および配列番号13〜42に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜42に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜42に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも4つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13〜42に記載のアミノ酸配列からなる、10個のペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1,配列番号2,配列番号5,配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドはそれを必要とする(in need)対象のHLAセットに従って選択される。
一実施形態では、組成物は、配列番号1〜11、配列番号13〜14、および配列番号15〜31に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に従ったアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも4つのペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になり、および上記配列からなる群から選択される10個のペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になり、上記配列からなる群から選択される、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2;配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
HLA−A02の一実施形態では、組成物は、配列番号23および配列番号24に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも1つのペプチドと、配列番号1〜11および配列番号13〜14に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも1つのペプチドとを含んでなる。
HLA−A02の一実施形態では、組成物は、配列番号23、および配列番号24、および配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも1つのペプチドを含んでなる。
HLA−A02の一実施形態では、組成物は、配列番号23、および配列番号24、および配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも1つのペプチドを含んでなる。
HLA−A02の別の実施形態では、組成物は、配列番号23、および配列番号24、および配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、10個のペプチドを含んでなる。
HLA−A02の別の実施形態では、組成物は、配列番号23および配列番号24、および配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜配列番号11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなる。
HLA−A02の別の実施形態では、組成物は、配列番号23、および配列番号24、および配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来とする配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドはそれを必要とする(in need)対象のHLAセットに従って選択される。
HLA−A02と組み合わされたHLA−A24の一実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号25、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列と、配列番号1〜11および配列番号13または14からなる群のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
HLA−A02と組み合わされたHLA−A24の別の実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号25、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列と、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜配列番号11、配列番号13、および配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32からなる群から本質的になる、異なる少なくとも2つのペプチドを含んでなる。
HLA−A02と組み合わされたHLA−A24の別の実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号25、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列と、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜配列番号11、配列番号13、および配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32からなる群から本質的になる、少なくとも2つの異なるペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になり、上記配列からなる群から選択される、10個のペプチドを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になり、また上記配列からなる群から選択される、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなる。
別の実施形態では、組成物は、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜配列番号11、配列番号13、配列番号14、配列番号23、配列番号24、配列番号25、配列番号20、配列番号31、および配列番号32に記載のアミノ酸配列から本質的になる、少なくとも2つのペプチド、少なくとも4つのペプチド、または少なくとも10個のペプチドと、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DR由来にする配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
一実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号23〜25、配列番号31、配列番号32、配列番号1〜11、および配列番号13〜14に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも2つのペプチドと、治療される対象のHLAセットに従って選択される、配列番号15〜19、配列番号21、配列番号22、配列番号26〜30、および配列番号33に記載の少なくとも1つの追加のペプチドと、任意に、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
別の実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号23〜25、配列番号31、配列番号32、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも2つのペプチドと、それを必要とする(in need)対象のHLAセットに従って選択される、配列番号15〜19、配列番号21、配列番号22、配列番号26〜30、および配列番号33に記載の少なくとも1つの追加のペプチドと、任意に、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来すると配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
別の実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号23〜25、配列番号31、配列番号32、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる少なくとも4つのペプチドと、治療される対象のHLAセットに従って選択される、配列番号15〜19、配列番号21、配列番号22、配列番号26〜30、および配列番号33に記載の少なくとも1つの別のペプチドと、任意に、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、サバイビンHLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
別の実施形態では、組成物は、配列番号20、配列番号23〜25、配列番号31、配列番号32、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、および配列番号13、および配列番号14に記載のアミノ酸配列からなる10個のペプチドと、それを必要とする(in need)対象のHLAセットに従って選択される、配列番号15〜19、配列番号21、配列番号22、配列番号26〜30、および配列番号33に記載の少なくとも1つの追加のペプチドと、任意に、サバイビンHLA−A1に由来する配列番号38のBIR−002b FTELTLGEF、サバイビンHLA−A2に由来する配列番号39のBIR−002c LMLGEFLKL、サバイビンHLA−B35に由来する配列番号40のBIR−002d EPDLAQCFY、サバイビンHLA−DRに由来する配列番号41のBIR−002a TLGEFLKLDRERAKD、およびサバイビンHLA−DRに由来する配列番号42のBIR−004 ELTLGEFLKLDRERAKNからなる群から選択される少なくとも1つのペプチドと、HLA−A02とを含んでなり、追加のペプチドは治療される対象のHLAセットに従って選択される。
国際公開第2004/067023号パンフレットは、腫瘍関連抗原サバイビンに由来するMHCクラスI拘束性ペプチドについて記載し、このペプチドは高い親和性でクラスIHLA分子に結合できる。
ワクチンに含める各ペプチドの最適量、および最適投与計画は、当業者によって過度の実験を要することなく決定され得る。例えば、ペプチドまたはその変異体は、静脈内注射(i.v.)、皮下注射(s.c.)、皮内注射(i.d.)、腹腔内注射(i.p.)、筋肉内注射(i.m.)用に調製されてもよい。例として、ペプチド注射は、s.c.、i.d.、i.p.、i.m.、およびi.v.で実施されてもよいが、これに限定されるものではない。例として、DNA注射は、i.d.、i.m.、s.c.、i.p.、およびi.v.で実施されてもよいが、これに限定されるものではない。例えば1〜500mg、50μgおよび1.5mg、または125μg〜500μgの用量のペプチドまたはDNAを投与してもよく、それぞれのペプチドまたはDNAに左右される。この範囲の投与量は、以前の治験で成功裏に使用された(Brunsvig PF,Aamdal S,Gjertsen MK,Kvalheim G,Markowski−Grimsrud CJ,Sve I,Dyrhaug M,Trachsel S,Moller M,Eriksen JA,Gaudernack G;Telomerase peptide vaccination:a phase I/II study in patients with non−small cell lung cancer;Cancer Immunol Immunother.2006;55(12):1553−1564;M.Staehler,A.Stenzl,P.Y.Dietrich,T.Eisen,A.Haferkamp,J.Beck,A.Mayer,S.Walter,H.Singh,J.Frisch,C.G.Stief;An open label study to evaluate the safety and immunogenicity of the peptide based cancer vaccine IMA901,ASCO meeting 2007;Abstract No 3017。
本明細書で開示される組成物は、組成物中に存在するペプチドの選択、数、および/または量が、組織、癌、および/または患者に特有であるように編成されてもよい。例えば、特定組織中の親タンパク質の発現パターンによってペプチドの正確な選択を導いて、副作用を回避し得る。選択は、治療される患者が罹患している特定タイプの癌、ならびに病状、以前の治療計画、患者の免疫状態、また当然ながら患者のHLAハプロタイプに左右されてもよい。さらに、本開示に従ったワクチンは、特定患者の個人的必要性次第で、個別の構成要素を含有し得る。例としては、特定患者における関連TAAの発現、個人的なアレルギーまたは他の治療に起因する望ましくない副作用、初回の治療または治療計画に続く二次治療のための調節に合わせた、異なる量のペプチドが挙げられる。
当業者は、例えば、生体外におけるT細胞の産生、ならびにその有効性と全体的な存在、特定ペプチドに対する特定T細胞の増殖、親和性、増大を試験し、例えばIFN−γ産生を分析することによりT細胞の機能性を試験することで、免疫原性ペプチドの好ましい組み合わせを選択できる(下記の例も参照されたい)。次に、通常、最も効果の高いペプチドが、上述の目的のためにワクチンとして組み合わせられる。
適切なワクチンは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、または20個の異なるペプチドを含有してもよい。癌ワクチンに使用されるペプチドの長さは、あらゆる適切なペプチドであってもよい。特に、それは適切な9量体のペプチド、または適切な8量体または9量体または10量体または11量体のペプチド、または12量体、13量体、14量体、または15量体であってもよい。より長いペプチドもまた適当であってもよく、添付の表1および2に記載される9量体または10量体のペプチドがMHCクラスIペプチドに好ましいのに対し、12〜15量体はMHCクラスIIペプチドに好ましい。
ペプチドは、腫瘍または癌ワクチンの構成要素となる。ワクチンは患者、罹患臓器、または全身に直接投与され、または患者またはヒト細胞系由来の細胞に生体外で適用されて、その細胞が引き続いて患者に投与され、あるいは生体外で使用されてもよく、患者に再投与される患者由来の免疫細胞の亜集団が選択される。
ペプチドは実質的に純粋であり、または免疫刺激アジュバント(下記参照)と組み合わされ、または免疫刺激的サイトカインと併用され、または例えばリポソームなどの適切な送達システムによって投与されてもよい。ペプチドはまた、スカシガイヘモシアニン(KLH)またはマンナンなどにの適切な担体にコンジュゲートされてもよい(国際公開第95/18145号パンフレット、およびLongenecker et al(1993)Ann.NY Acad.Sci.690,276−291を参照されたい)。ペプチドは標識化されてもよく、融合タンパク質であっても、ハイブリッド分子であってもよい。その配列が示されるペプチドは、CD4T細胞またはCD8CTLを刺激することが期待される。ただし、逆CDに陽性のT細胞による助けがあると、刺激はより効率的となる。したがってCD4T細胞を刺激するMHCクラスIIエピトープでは、融合パートナーまたは選択されたハイブリッド分子は、CD8陽性T細胞を刺激するエピトープを適切に提供する。他方、CD8CTLを刺激するMHCクラスIエピトープでは、融合パートナーまたは選択されたハイブリッド分子が、CD4陽性T細胞を刺激するエピトープを適切に提供する。CD4およびCD8刺激エピトープは技術分野で良く知られており、本開示で同定されるものが含まれる。
薬理学的に許容される担体は良く知られており、通常は液体であり、その中で有効な治療薬が調剤される。担体は製剤に薬理活性を与えないが、化学的および/または生物学的安定性、放出特性などを与えることもある。典型的製剤は、例えばAlfonso R.Gennaro.Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition.Baltimore,MD:Lippincott Williams & Wilkins,2000などに見ることができ、生理食塩水、水、緩衝用水、0.3%グリシン、ヒアルロン酸、デキストロースなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。最近、長年、ヒト患者の静脈栄養に使用されている特定の脂肪乳剤が、ペプチドのビヒクルとして機能し得ることが分かった。このような乳剤の2つの例は、イントラリピッド(Intralipid)およびリポフンディン(Lipofundin)として知られる市販の脂肪乳剤である。「イントラリピッド」はKabi Pharmacia,Swedenの登録商標であり、米国特許第3,169,094号明細書に記載される静脈栄養用脂肪乳剤である。「リポフンディン」はB.Braun Melsungen,Germanyの登録商標である。いずれも脂肪として大豆油を含有する(1,000mlの蒸留水中に100gまたは200g:それぞれ10%または20%)。イントラリピッドでは卵黄リン脂質が乳化剤として使用され(12g/l蒸留水)、リポフンディンでは卵黄レシチンが使用されている(12g/l蒸留水)。イントラリピッドおよびリポフンディンの双方において、グリセロール(25g/l)が添加されて等張性が保たれている。
免疫応答を誘発するため、通常、組成物により高い免疫原性を与えるアジュバントを含める必要がある。さらなる態様では、少なくとも1つのHLA結合ペプチドと1つの免疫アジュバントとを含んでなる組成物が提供され、HLA結合ペプチドは、前立腺関連抗原分子由来のエピトープを含んでなる。
本明細書の用法では、「免疫アジュバント」という用語は、抗原分子との組み合わせで使用する場合、抗原特異的免疫応答を非特異的に促進、延長、そうでなければそれを強めるあらゆる物質を指すものとする。免疫アジュバントは技術分野で周知であり、あらゆる免疫アジュバントを使用してもよい。適切なアジュバントとしては、1018ISS、アルミニウム塩、Amplivax(登録商標)、AS15、BCG、CP−870,893、CpG7909、CyaA、Mologen'sdSLIM(登録商標)、GM−CSF、IC30、IC31、Imiquimod(登録商標)、ImuFactIMP321、インターフェロンαまたはβ、ISPatch、ISS、ISCOMs、JuvImmune(登録商標)、LipoVac(登録商標)、MF59、モノホスホリルリピドA、および他の非毒性LPS誘導体、MontanideIMS1312、MontanideISA206、MontanideISA50V、MontanideISA−51、OK−432、OM−174、OM−197−MP−EC,ONTAK、PepTel(登録商標)ベクターシステム、PLGミクロ粒子、resiquimod(登録商標)、SRL172、Virosomesおよび他のウイルス様粒子、YF−17D、VEGFtrap、R848、βグルカン、Pam3Cys、サポニン、マイコバクテリア、および合成バクテリア細胞壁模倣体由来のAquila's QS21 stimulon(Aquila Biotech,Worcester,MA,USA)、およびRibi's Detox、QuilまたはSuperfos(登録商標)などのその他の適切なアジュバントが挙げられるが、これに限定されるものではない。Imiquimod(登録商標)、Resimiquimod(登録商標)、不完全フロイトアジュバント、インターフェロンαまたはGM−CSFのようなアジュバントが好ましい。樹状細胞に特異的ないくつかの免疫アジュバントおよびその調製については既に報告がある(Dupuis M,Murphy TJ,Higgins D,Ugozzoli M,van Nest G,Ott G,McDonald DM;Dendritic cells internalize vaccine adjuvant after intramuscular injection;Cell Immunol.1998;186(1):18−27;Allison AC;The mode of action of immunological adjuvants;Dev Biol Stand.1998;92:3−11)。サイトカインもまた使用してもよい。いくつかのサイトカインは、リンパ系組織(例えばTNFα)への樹状細胞の移動に対する影響、Tリンパ球(例えばGM−CSF、IL−1、IL−4)のために効率的な抗原提示細胞への樹状細胞の成熟の加速(その内容全体を参照により明示的に本明細書に援用する米国特許第5,849,589号明細書)、さらに免疫アジュバントとしての作用(例えばIL−12)などに、直接関連がある(Gabrilovich DI,Cunningham HT,Carbone DP;IL−12 and mutant P53 peptide−pulsed dendritic cells for the specific immunotherapy of cancer;J Immunother Emphasis Tumor Immunol.1996(6):414−418)。
免疫活性化CpGオリゴヌクレオチドもまた、ワクチン状況において、アジュバントの効果を増強し、アジュバントそれ自体として作用することが報告されている。理論に拘束されることなく、CpGオリゴヌクレオチドは、主としてTLR9であるToll様受容体(TLR)を介して、生来の(非獲得)免疫系を活性化することによって作用する。CpGに誘導されるTLR9の活性化は、ペプチドまたはタンパク質抗原、生または死滅ウイルス、樹状細胞ワクチン、自己細胞ワクチン、および予防ワクチンおよび治療ワクチン双方内の多糖類複合体をはじめとする、多種多様な抗原に対する、抗原特異的体液性および細胞性応答を高める。より重要なことには、この活性化は、CD4T細胞の助けのない場合でさえ、樹状細胞の成熟と分化を増強し、TH1細胞活性化の増強と、強力な細胞傷害性Tリンパ球(CTL)の生成をもたらす。TLR9刺激によって誘発されるTH1バイアスは、ミョウバンまたは不完全フロイントアジュバント(IFA)のような、通常はTH2バイアスを促進するワクチンアジュバントの存在下であってさえも、維持される。CpGオリゴヌクレオチドは、他のアジュバントと共に処方されまたは同時投与された場合、あるいは微粒子、ナノ粒子、脂肪乳剤等の製剤または類似製剤中にある場合、さらにより大きなアジュバント活性を示すが、それは抗原が比較的弱い場合に、強い応答を誘発するために特に必要である。CpGオリゴヌクレオチドはまた免疫応答を加速して、いくつかの実験では、CpGなしの十分量のワクチンと同等の抗体応答で、抗原投与量を約2桁減少させることができた(Arthur M.Krieg,Therapeutic potential of Toll−like receptor 9 activation,Nature Reviews,Drug Discovery,2006,5,471−484)。米国特許第6,406,705B1号明細書は、抗原特異的免疫応答を誘発する、CpGオリゴヌクレオチド、非核酸アジュバント、および抗原の組み合わせ使用について記述している。市販されるCpGTLR9拮抗薬は、Mologen(Berlin,Germany)のdSLIM(登録商標)(二重ステムループ免疫調節剤(double Stem Loop Immunomodulator))である。RNA結合TLR7、TLR8および/またはTLR9などのその他のTLR結合分子を使用してもよい。
有用なアジュバントのその他の例としては、化学変性CpGs(例えば、CpR、Idera)と、ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体と、Poly(I:C)(例えばpolyI:C12U)と、非CpG細菌DNAまたはRNAと、ならびにイミダゾキノリン、シクロホスファミド、スニチニブ、ベバシズマブ、セレブレックス、NCX−4016、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル、ソラフィニブ(sorafinib)、XL−999、CP−547632、パゾパニブ、ZD2171、AZD2171、イピリムマブ、トレメリムマブ、およびSC58175などの免疫活性小分子および抗体とが挙げられるが、これに限定されるものではなく、これらは治療的におよび/またはアジュバントとして機能してもよい。本開示の状況において有用なアジュバントおよび添加物の量と濃度は、熟練した当業者によって、過度の実験を要することなく容易に決定され得る。
一実施形態では、アジュバントはdSLIM(登録商標)、BCG、OK432、イムキモド、ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体、レスイミキモド、GM−CSF、インターフェロンα、PeviTer(登録商標)、およびJuvImmune(登録商標)、またはその組み合わせからなる群から選択される。
別の実施形態では、アジュバントは、顆粒球マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF、サルグラモスチム)、imiquimod(登録商標)、ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体、レスイミキモド、およびインターフェロン−などのコロニー刺激因子からなる群から選択される。
開示に従った組成物の別の実施形態では、アジュバントは、ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体、イミキモド、またはレシミキモドである。
本明細書で開示される組成物は、皮下、皮内、筋肉内、腹腔内などの非経口投与のために、または経口投与のために使用し得る。このためには、ペプチドと任意にその他の分子は、薬学的に認容可能な、好ましくは水性担体に溶解または懸濁される。さらに、組成物は緩衝剤、結合剤、爆破剤、希釈剤、香料、潤滑剤などの添加剤を含有し得る。ペプチドは、サイトカインなどの免疫刺激物質と共に投与し得る。このような組成物中で使用し得る賦形剤の大規模な一覧は、例えばA.Kibbe,Handbook of Pharmaceutical Excipients,3rd Ed.2000,American Pharmaceutical Association and pharmaceutical pressなどにある。組成物は、腺腫または癌性疾患、好ましくはCRCの阻止、予防および/または治療に使用し得る。
細胞傷害性T細胞(CTL)は、無傷の外来抗原それ自体でなく、MHC分子に結合したペプチドの形で抗原を認識する。MHC分子自体は抗原提示細胞の細胞表面にある。したがって、ペプチド抗原、MHC分子、およびAPCの三量体複合体が存在する場合にのみ、CTLの活性化が可能である。それに応じて、CTLの活性化のために、ペプチドが使用されるだけでなく、さらにそれぞれのMHC分子と共にAPCが追加されると、免疫応答が増進されることもある。
別の実施形態では、本開示に従った組成物は、少なくとも1つの抗原提示細胞をさらに含有する。
抗原提示細胞(または刺激細胞)は典型的に表面にMHCクラスIまたはII分子を有し、一実施形態では、実質的に抗原提示細胞それ自体は、選択された抗原をMHCクラスIまたはII分子に負荷できない。以下で詳細に説明するように、生体外において、MHCクラスIまたはII分子に選択された抗原を容易に負荷してもよい。
一実施形態では、哺乳類細胞には、TAPペプチドトランスポーターが欠如し、またはそのレベルが低下し、またはその機能が低下している。TAPペプチドトランスポーターを欠く適切な細胞は、American Type CultureCollection(12301 Parklawn Drive,Rockville,Maryland 20852,USA)からカタログ番号CRL1992として入手できる、ヒトペプチドを負荷した欠損細胞系T2が挙げられる。T2などのTAP欠損細胞系はAPCとして使用し得て、TAPがないため、MHCクラスIによって提示されるほぼ全てのペプチドは、これら細胞系の空のMHCクラスI分子を細胞外で負荷するために使用される、監視下のペプチドとなる。したがって全ての効果が、使用されたペプチドに明確に帰着することになる。
別の実施形態では、抗原提示細胞は樹状細胞である。適切には、樹状細胞は、抗原ペプチドでパルスされた自己樹状細胞である。抗原ペプチドは、適切なT細胞応答を引き起こすあらゆる適切な抗原ペプチドであってもよい。腫瘍関連抗原からのペプチドをパルスした自己樹状細胞を使用したT細胞療法は、Murphy et al(1996)The Prostate 29,371−380、およびTjua et al(1997)The Prostate 32,272−278で開示されている。
別の実施形態では、少なくとも1つの抗原提示細胞を含有する組成物は、ペプチドでパルスされまたは負荷される。
代案としては、抗原提示細胞はペプチドをコードする発現コンストラクトを含んでなる。ポリヌクレオチドは、あらゆる適切なポリヌクレオチドであってもよい。一実施形態では、ポリヌクレオチドは樹状細胞を形質導入でき、したがってペプチドの提示と免疫誘導をもたらす。
都合の良くは、本開示の核酸は、ウイルスのポリヌクレオチドまたはウイルスに含まれていてもよい。例えば、アデノウイルス形質導入樹状細胞は、MUC1に関連して、抗原特異的抗腫瘍免疫を誘導することが示されている(Gong et al(1997)Gene Ther.4,1023−1028を参照されたい)。同様に、アデノウイルスベースのシステムを使用してもよく(例えば、Wan et al(1997)Hum.Gene Ther.8,1355−1363を参照)、レトロウイルスのシステムを使用してもよい(Specht et al(1997)J.Exp.Med.186,1213−1221およびSzabolcs et al(1997))。樹状細胞への血液粒子介在転移も使用してもよく(Tuting et al(1997)Eur.J.Immunol.27,2702−2707)、RNAもまた使用してもよい(Ashley et al(1997)J.Exp.Med.186,11771182)。
一般に、本開示の核酸を含有する本開示の組成物は、本開示のペプチドを含有する薬剤組成物と同様に、例えば、静脈内、動脈内、腹腔内、筋肉内、経皮、腫瘍内、経口、経皮、経鼻、バッカル、直腸、吸入、または局所投与により、投与し得る。
回避メカニズムのために、腫瘍は、その治療薬に対して耐性を生じることが多い。薬物耐性は投与中に発生し、転移および腫瘍の再発として現れることもある。そのような薬物耐性を回避するため、腫瘍は一般に薬物の組み合わせによって治療され、無病期間後の転移と腫瘍の再発には、異なる組み合わせが必要となることが多い。したがって本開示の一態様では、組成物は、第2の抗癌剤と併せて投与される。第2の薬剤は、本開示の組成物の前後にまたは同時に投与してもよい。同時投与は、化学的性質が適合性であれば、例えば、本開示の組成物を第2の抗癌剤と混合することで達成し得る。同時投与の別の方法は、本開示の組成物を例えば注射し、第2の抗癌剤を例えば経口投与するなど、投与経路とは無関係に、組成物と抗癌剤を同日に投与することである。組成物と第2の抗癌剤はまた、同一治療クール内であるが異なる日に投与してもよく、および/または別の治療クール内で投与してもよい。
別の実施形態では、患者において癌を治療または予防する方法が提供され、前記方法は本開示の組成物のいずれか1つの治療有効量を患者に投与するステップを含む。
治療有効量は、免疫応答、特にCTL亜集団の活性化を誘発するのに十分な量である。当業者は、本明細書の実施例で提供されるものなどの標準免疫学的方法を使用して、ある量が有効か否かを容易に判定してもよい。特定の量の組成物の効果をモニターする別の方法は、治療される腫瘍の増殖および/またはその再発を観察することである。
別の実施形態では、組成物は抗癌ワクチンとして使用される。
ペプチドまたはペプチドをコードする核酸を含有する組成物もまた、腫瘍または癌ワクチンの構成要素となり得る。ワクチンは患者、罹患臓器、または全身に直接投与され、または患者またはヒト細胞系由来の細胞に生体外で適用されて、その細胞が引き続いて患者に投与され、あるいは生体外で使用されて、患者に再投与される患者由来の免疫細胞の亜集団が選択されてもよい。
一態様では、ワクチンは、前立腺癌治療用の複数のペプチド腫瘍ワクチンである。さらなる態様では、ワクチンは、原発性前立腺細胞および/または前立腺癌上に存在して同定されている、配列番号1〜11および配列番号13〜14から選択される腫瘍関連ペプチドのセットを含んでなる。このセットは、HLAクラスIおよびクラスIIペプチドを含む。ペプチドセットは、インフルエンザコア抗原のペプチドなどの少なくとも1つのペプチドもまた含有し得て、皮内投与の効率を検証する免疫マーカーとして機能する陽性対照ペプチドとして使用される。特定の一実施形態では、ワクチンは14個の個々のペプチド(配列番号1〜14に記載される)からなり、各ペプチドは、約1500μg〜約75μg、約1000μg〜約175μg、約1000μg〜約175μg、約500μg〜約600μg、約578μgからなる群から選択される量で存在し、全てのペプチドは、HPLCおよびイオン交換クロマトグラフィーにより精製されてもよく、白色からオフホワイトの粉末の外観を有する。凍結乾燥品を炭酸水素ナトリウムに溶解し、室温で戻した後30分以内に皮内注射のために使用してもよい。溶液500μl当たりの総ペプチド量は、約0.1〜100mg、約0.1〜1mg、および約300μg〜800μgで変動してもよい。本明細書では、「約」という用語は、特に断りのない限り、所定の値の平均+/−10%を意味するものとする。当業者は、例えば個々の患者の免疫状態および/または特定の癌タイプに存在するTUMAPの量などのいくつかの要因に基づき、実際に使用されるペプチドの量を調節することができる。本発明のペプチドは、凍結乾燥品の代わりに他の適切な形態(滅菌溶液など)で提供されることもある。
薬剤組成物は、遊離形態または薬学的に認容可能な塩の形態で、ペプチドを含んでなってもよい。
本明細書の用法では、「薬学的に認容可能な塩」は、開示されるペプチドの誘導体を指し、作用薬の酸または塩基の塩を作成することでペプチドが修飾される。例えば、酸性塩は、適切な酸との反応に関与する遊離塩基(典型的に、中性形態の薬物は中性NH2基を有する)から調製される。酸性塩の調製に適する酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、桂皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸などの有機酸と、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などの無機酸との双方が挙げられる。反対に、ペプチド上に存在する酸部分の塩基性塩製剤は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、水酸化カルシウム、トリメチルアミンのような薬学的に認容可能な塩基を使用して調製される。例として、組成物は酢酸(酢酸塩)、アンモニウム、あるいは塩酸(塩化物)の塩としてペプチドを含んでなってもよいが、これに限定されるものではない。
別の実施形態では、本開示の組成物は、骨格形成物質として糖類、糖アルコール、グリシン、アルギニン、グルタミン酸などのアミノ酸、その他を含んでもよい。糖類は単糖類、二糖類、三糖類であってもよい。これらの糖類は単独で使用され、ならびに糖アルコールと組み合わせて使用されてもよい。糖類の例としては、単糖としてグルコース、マンノース、ガラクトース、フルクトース、またはソルボース、二糖類としてスクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、三糖類としてラフィノースが挙げられる。糖アルコールは、例えば、マンニトースであってもよい。一実施形態では、組成物は、スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトールおよび/またはソルビタンを含んでなる。別の実施形態では、前基礎生物はマンイトールを含んでなる。
さらに、組成物は、アスコルビン酸またはグルタチオンのような抗酸化剤;フェノール、m−クレゾール、メチル−またはプロピルパラベン、クロロブタノール、チオマーサル、またはベンズアルコニウムクロライドのような保存料;安定剤;スクロース、ラクトース、マルトース、トレハロース、マンニトース、マンニットおよび/またはソルビット、マンニットおよび/またはラクトースなどの骨格形成物質;ポリエチレングリコール(PEG)、すなわちPEG3000、3350、4000または6000;またはシクロデキストリン、すなわちヒドロキシプロピレン−β−シクロデキストリン、スルホブチルエチル−β−シクロデキストリンまたはγ−シクロデキストリン;またはデキストランまたはポロキサマー、すなわちポロキサマー407、ポロキサマー188、またはTween(登録商標)20、Tween(登録商標)80などの生理的耐容性良好な賦形剤を含んでもよい(Handbook of Pharmaceutical Excipients,5th ed.,edited by Raymond Rowe,Paul Sheskey and Sian Owen,Pharmaceutical Press(2006)を参照されたい)。別の態様では、抗酸化剤、骨格形成物質、および安定剤からなる群から選択される、1つまたは複数の耐容性良好な賦形剤が含まれもよい。
別の態様では、静脈内および筋肉内投与のpHはpH2〜pH12から選択され、一方皮下投与では、生体内希釈率が低下して、注射部位におけるより強力な照射をもたらすために、pH2.7〜H9.0から選択される。Strickley Robert G.,Pharm.Res.,21,NO:2,201 − 230(2004).。
さらなる態様では、本開示に従ったペプチドおよび/または核酸を含む製剤が、それぞれのペプチドまたは抗原と関連した腺腫様または癌性疾患に罹患した患者に投与される。これにより、T細胞性免疫応答が誘導され得る。
組成物中に存在する、本発明に従った(特に腫瘍関連)ペプチド、核酸、または発現ベクターの量が、組織、癌、および/または患者に特異的である組成物もさらに開示される。
別の実施形態では、ワクチンは核酸ワクチンである。ポリペプチドをコードする、DNAワクチンなどの核酸ワクチンを接種すると、T細胞応答が誘発されることが知られている。ワクチンは患者、罹患臓器、または全身に直接投与され、または患者またはヒト細胞系由来の細胞に生体外で適用されて、その細胞が引き続いて患者に投与され、あるいは生体外で使用されて、患者に再投与される患者由来の免疫細胞の亜集団が選択されてもよい。細胞に生体外で核酸を投与する場合は、インターロイキン−2またはGM−CSFなどの免疫刺激サイトカインを同時発現するように、核酸を細胞に形質移入することが有用なこともある。核酸は実質的に純粋であり、免疫刺激アジュバントと組み合わされ、または免疫刺激性サイトカインと組み合わせて使用され、または例えばリポソームなどの適切な送達システムを使用して投与されてもよい。核酸ワクチンは、上でペプチドワクチンについて記載したようなアジュバントと共に投与されてもよい。核酸ワクチンは、アジュバントなしで投与されてもよい。
ポリヌクレオチドは実質的に純粋であり、または適切なベクターまたは送達系に含有されてもよい。適切なベクターおよび送達系としては、アデノウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ヘルペスウイルス、アデノ随伴ウイルス、または複数のウイルスの要素を含有するハイブリッドなどのウイルスベース系が挙げられる。非ウイルス送達系としては、陽イオン性脂質や陽イオン性ポリマーが挙げられ、DNA送達に関する技術分野で周知である。「遺伝子銃」などの物理的送達法もまた使用してもよい。ペプチドまたは核酸でコードされたペプチドは、例えば、CD4陽性T細胞を刺激する破傷風トキソイドのエピトープとの融合タンパク質であってもよい。
当然のことながら、患者に投与される核酸は滅菌されており、発熱性物質を含まない。裸のDNAは、筋肉内または経皮または皮下投与されてもよい。都合良くは、核酸ワクチンは、あらゆる適切な核酸送達手段を含んでなってもよい。核酸は、リポソーム内で、またはウイルスベクター送達系の一部として、送達されてもよい。一実施形態では、DNAワクチンなどの核酸ワクチンは、筋肉内に投与される。別の実施形態では、ペプチドワクチンはs.c.またはi.d.で投与される。さらなる実施形態では、ワクチンは皮膚内に投与される。
樹状細胞などのプロフェッショナル抗原提示細胞による核酸の取り込みとコードされたポリペプチドの発現は、免疫応答の初回抗原刺激のメカニズムであると考えられる。しかし樹状細胞は組織中の形質移入された細胞から、発現されたペプチドを受け取ることができるため、樹状細胞は形質移入されないかもしれないが、なおも重要である(「交差提示」、例えば、,Thomas AM,Santarsiero LM,Lutz ER,Armstrong TD,Chen YC,Huang LQ,Laheru DA,Goggins M,Hruban RH,Jaffee EM.Mesothelin−specific CD8(+) T cell responses provide evidence of in vivo cross−priming by antigen−presenting cells in vaccinated pancreatic cancer patients.J Exp Med.2004 Aug 2;200(3):297−306)。
ポリヌクレオチドによる癌の免疫療法については、全てその内容全体を参照によって本明細書に援用する、Conry et al(1996) Seminars in Oncology 23,135−147;Condon et al(1996) Nature Medicine 2,1122−1127;Gong et al(1997) Nature Medicine 3,558−561;Zhai et al(1996) J.Immunol.156,700−710;Graham et al(1996) Int J.Cancer 65,664−670;and Burchell et al(1996) 309−313 In:Breast Cancer,Advances in biology and therapeutics,Calvo et al(Eds),John Libbey Eurotext,に記載される。
注射部位によって、または標的化ベクターと送達系の使用によって、または患者から特定細胞集団を選択的に精製してペプチドまたは核酸を生体外投与することで、ワクチンの標的を例えば抗原提示細胞などの特定細胞集団にすることが有用なこともある。(例えば、樹状細胞は、Zhou et al(1995) Blood 86,3295−3301;Roth et al(1996) Scand.J.Immunology 43,646−651に記載されるように分類されてもよい)。例えば、標的化ベクターは、適切な場所における抗原発現を誘導する、組織または腫瘍特異的プロモーターを含んでなってもよい。
ワクチンは、治療される患者が罹患している特定タイプの癌、ならびに病状、以前の治療計画、患者の免疫状態、また当然ながら患者のHLAハプロタイプに左右され得る。さらに、ワクチンは、特定患者の個人的必要性次第で、個別の構成要素を含有し得る。例は、特定患者における関連TAAの発現、個人的なアレルギーまたは他の治療に起因する望ましくない副作用、初回の治療または治療計画後の二次的治療のための調節に準じて、ペプチドの量を変えることである。
本明細書で開示されるペプチドは、癌の治療に有効であるのに加えて、診断にも有効である。ペプチドの多くは前立腺癌から生成されており、正常組織には存在しないことが判定されているために、これらのペプチドを使用して癌の存在を診断し得る。
組織生検上のペプチドの存在は、病理学者が癌を診断する上で役立ち得る。抗体、質量分析法、または技術分野で既知のその他の方法による、特定の開示されたペプチドの検出は、組織が悪性または炎症性、あるいは病変組織あることを病理学者に示し得る。本開示のペプチド群の存在は、病変組織の分類または下位分類を可能にし得る。
特にTリンパ球の作用機序への関与が知られており、または予測される場合は、病変組織標本上の本開示ペプチドの検出によって、免疫系関与療法の有益性が判定できるようになる。MHC発現の欠失は、詳細に記載されている、感染悪性腫瘍細胞が免疫監視から逃れる機序である。したがって、本開示のペプチドの存在は、分析された細胞がこの機序を利用していないことを示す。
本開示のペプチドを使用して、ペプチドまたはMHC分子と複合体形成したペプチドに対するT細胞応答または抗体応答など、これらのペプチドに対するリンパ球応答を分析してもよい。これらのリンパ球応答は、さらなる治療ステップを決定する上で、予後マーカーとして使用し得る。これらの応答はまた、タンパク質ワクチン、核酸、自己物質、リンパ球養子免疫療法などの異なる手段による、リンパ球応答誘発を目的とした免疫療法的アプローチにおいて、代理マーカーとしても使用し得る。遺伝子療法では、副作用の評価において、本開示のペプチドに対するリンパ球応答を考慮し得る。リンパ球応答の監視はまた、例えば移植片対宿主病の検出などの移植治療のフォローアップ検査の有用な手段にもなり得る。
本発明のさらに別の態様では、(a)上述の組成物を溶液または凍結乾燥形態で含有する容器;(b)任意に、凍結乾燥製剤のための希釈剤または戻し溶液を含有する第2の容器、および(c)任意に、(i)溶液の使用方法または(ii)凍結乾燥製剤の戻し方および/または使用法の説明書を含んでなる、キットが開示される。キットは、1つまたは複数の(iii)緩衝剤、(iv)希釈剤、(vi)フィルター、(vi)注射針、または(v)注射器ををさらに含んでなってもよい。一実施形態では、容器は、ボトル、バイアル、シリンジ、試験管、または再使用可能容器からなる群から選択される。別の実施形態では、組成物は凍結乾燥される。
一態様では、キットは、適切な容器内の本開示の組成物および/またはウイルスの凍結乾燥調製物と、その戻し方および使用説明書を含んでなってもよい。適切な容器としては、例えば、ボトル、バイアル、(例えば二腔バイアル)、シリンジ(二腔シリンジなど)、および試験管が挙げられる。容器は、ガラスまたはプラスチックのような様々な材料から形成されてもよい。一実施形態では、キットおよび/または容器は、戻し方および/または使用法を示す、容器上のまたはそれに付随する説明書を含有する。例えば、ラベルは、凍結乾燥製剤が上述のペプチド濃縮物に戻されることを表示してもよい。ラベルは、調製物が、皮下投与に有用であり、皮下投与を意図することをさらに表示してもよい。
製剤を保持する容器は、戻された製剤が反復投与(例えば2〜6回)できるようにする、再使用可能なバイアルであってもよい。キットは、適切な希釈液(例えば炭酸水素ナトリウム溶液)を含んでなる、第2の容器をさらに含んでなってもよい。
一実施形態では、希釈剤および凍結乾燥製剤の混合に際して、再溶解した製剤の最終ペプチド濃度は、少なくとも0.15mg/mL/ペプチド(=75μg)であり、最高3mg/mL/ペプチド(=1500μg)までである。キットは、他の緩衝剤、賦形剤、フィルター、注射針、注射器、および使用方法の添付文書をはじめとする、商業上および使用者の観点から望ましい他の材料をさらに含んでもよい。
キットは、他の構成要素(例えば他の化合物またはこれらの他の化合物の成分)ありまたはなしで、組成物の製剤を含有する単一容器を有してもよく、または各構成要素毎に別個の容器を有してもよい。
さらに、キットは、第2の化合物(例えばアジュバント(イミキモド)、化学療法剤、天然産物、ホルモンまたは拮抗薬、抗血管新生薬または阻害剤、アポトーシス誘導剤またはキレート化剤)の同時投与を組み合わせた使用のために包装された、本開示の組成物および/またはワクチン製剤、または組成物それ自体を含んでもよい。キットの構成要素はあらかじめ複合体を形成してもよく、または各構成要素は患者への投与前に個別の容器内にあってもよい。キットの構成要素は、1つまたは複数の溶液中に提供されてもよい。一実施形態では、溶液は水溶液である。さらなる実施形態では、溶液は滅菌水溶液である。キットの構成要素はまた固体として提供されてもよく、他の別個の容器内に提供されてもよい適切な溶剤を添加することで、液体に転換されてもよい。
治療キットの容器は、バイアル、試験管、フラスコ、ボトル、注射器、あるいは固体または液体を包含するその他のあらゆる手段であってもよい。通常、少なくとも2つの構成要素がある場合、キットは第2のバイアルあるいは他の容器を含有し、それにより別々の投与が可能となる。キットはまた、薬学的に認容可能な液体用の別の容器を含んでもよい。一実施形態では、治療用キットは、本キットの構成要素である本開示の製剤を投与できるようにする、器具(例えば、1つまたは複数の注射針、シリンジ、点眼器、ピペットなど)も含有する。
薬剤調製物は、経口(腸内)、経鼻、眼内、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、または経皮などのあらゆる容認される経路を介したペプチドの投与に適するものであってもよい。一態様では、投与は皮下投与であり、輸液ポンプによって投与されてもよい。
「T細胞応答」という用語は、生体外または生体内で、ペプチドによって引き起こされるエフェクター機能の特異的増殖および活性化を意味する。MHCクラスI拘束性CTLでは、エフェクター機能は、ペプチドでパルスされ、ペプチド前駆体でパルスされ、または天然にペプチドを提示する標的細胞の溶解、サイトカインの分泌、エフェクター分子の分泌または脱顆粒であってもよい。一実施形態では、T細胞応答は、ペプチドにより誘発されたサイトカインの分泌であり、ペプチドはインターフェロン−γ、TNF−α、またはIL−2からなる群から選択される。一実施形態では、T細胞応答は、ペプチドにより誘発されたエフェクター分子の分泌であり、エフェクター分子はグランザイムおよびパーフォリンからなる群から選択される。MHCクラスII拘束性ヘルパーT細胞では、エフェクター機能は、IFN−γ、TNF−α、IL−4、IL−5、IL−10またはIL−2をはじめとするが、これに限定されるものではないサイトカインのペプチド誘導性分泌、またはペプチド誘導性脱顆粒であってもよい。CTLおよびヘルパーT細胞に可能なエフェクター機能は、この一覧に限定されるものではない。
さらなる開示は、ヒト主要組織適合複合体(MHC)クラス−I(HLAクラスI)またはII(HLAクラスII)分子に結合する能力を有するペプチドのアミノ酸配列の組み合わせを含んでなる組成物である。
組成物は、ペプチドの組み合わせをベースとした、効果的な抗前立腺癌ワクチンとして使用されてもよい。
別の態様は、本明細書で開示されるいずれかの組成物を患者に投与するステップを含む、前立腺癌の治療法である。これらの組成物は、免疫アジュバントによる付随的治療ありまたはなしで投与し得る。免疫アジュバントを使用する場合、そのアジュバントは本明細書で開示される組成物中に含め得て、または同一の投与経路あるいは異なる投与経路によって別に投与し得る。
本明細書で開示される組成物と方法は、一次療法、補助療法、または緩和療法として使用し得て、単独で、または(前立腺摘出術をはじめとする)外科療法、照射療法、および化学療法をはじめとするが、これに限定されるものではない、他の療法と併せて使用し得る。開示される方法は、さらに、原発性腫瘍、生物学的再発、局所再発、または転移再発に応えて使用し得る。本開示の方法は、さらに、アンドロゲン感受性前立腺癌およびアンドロゲン非依存性前立腺癌の双方で、アンドロゲン遮断療法の前後に、または同時に使用し得る。
本明細書の用法では、「アンドロゲン感受性前立腺癌」という用語は、腫瘍増殖にアンドロゲンを必要とするあらゆる前立腺癌を指すものとする。
本明細書の用法では、「アンドロゲン非依存性前立腺癌」という用語は、腫瘍増殖がアンドロゲン不在下で起きるあらゆる前立腺癌を指すものとする。
本明細書の用法では、「アンドロゲン遮断療法」という用語は、アンドロゲンシグナル伝達またはアンドロゲン産生の抑制が主作用であるあらゆる治療法を指す。
以下の実施例は特定の態様の例証に役立つものであり、本開示を制限することは意図されない。本明細書で引用される全ての参考文献は、その内容全体を参照により援用する。
実施例
実施例1:
転移発現の診断証拠がなく、根治的前立腺全摘除術後に生化学的に再発した患者において、HLA結合ペプチドカクテルを試験し、このような組成物が、PSA倍加時間(「DT」)の安定化および/または増大に有効であるか否かを判定した。
患者の選択
全ての患者は、根治的前立腺全摘除術による初回治療処置後に、生化学的再発を起こしていた。生化学的再発は、手術後または手術に加えた放射線療法後、少なくとも14日間の間隔で2回測定したとき、最低レベルを50%上回るPSA値の増大と定義された。他の適格基準には、以下の項目を含めた。すなわち、転移疾病あるいは骨スキャン、軸方向画像、およびCTにより確定される局所腫瘍再発なし、東海岸癌臨床試験グループ(ECOG)による一般状態が0または1、年齢>45および<80歳、コルチコイドまたは他の免疫調節療法なし、照射またはホルモンまたは化学療法なし、他の悪性腫瘍またはてんかんまたは肺疾患なし。治験参加時に全ての患者はアンドロゲン感受性であり、参加に先立つ少なくとも12ヶ月間にわたりアンドロゲン遮断療法が中止されていた。全ての患者は、HLA−A02陽性であった。患者背景を以下の表に示す。
治療
遺伝子変異および抗原欠損を通じて腫瘍が逃避するのを避けるために、広範なスペクトルの特異的T細胞を標的とする多価ペプチド組成物を使用した。組成物は、細胞傷害性CD8+およびCD4+Tヘルパー細胞を活性化する前立腺関連抗原分子からのHLAクラスIおよびクラスIIの双方に特異的な、13個の合成HLA結合ペプチドを含んでなった。ペプチドの内11個(配列番号1〜11)は、HLA−A0201拘束性エピトープを含んでなった。2つのペプチド(配列番号13および14)は、HLAクラスII結合エピトープを含んでなった。インフルエンザウイルスに由来するHLA−A0201エピトープを含んでなる追加のペプチド(配列番号12)が、リコールCD8+T細胞応答の活性化に対する、マーカーペプチドとして追加された。ペプチドは500mlモンタニドISA−51と共に乳化され、個々のペプチド毎に300mgの用量で皮下注射された。
さらに、患者は(1)免疫アジュバント;(2)温熱療法;または(3)免疫アジュバントまたは温熱療法なしの試験群に無作為に割り当てられた。使用された免疫アジュバントは、Scheel et al.,Therapeutic anti−tumor immunity triggered by injections of immunostimulating single−stranded RNA,Eur.J.Immunology 2006;36(10):2807-2816.に記載される、(1)イムキモド(Aldara(登録商標),Meda Pharma,BadHomburg,Germany)、(2)GM−CSF(Leukine(登録商標),Bayer Healthcare,Leverkusen,Germany)、および(3)ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体であった。。
3名の患者(患者1、2、5)に、免疫アジュバントまたは温熱療法を施した。
4名の患者(患者16、17、18、19)に、免疫アジュバントとしてムチン−1−mRNA/プロタミン複合体を投与した。ムチン−1−mRNA/プロタミン複合体を投与した患者では、110μgの免疫アジュバントをペプチドおよびモンタニドISA−51と共に乳化した。全ての構成要素は一回の注射で投与した。
4名の患者(患者3、7、8、11)に、免疫アジュバントとしてイミキモドを投与した。これらの患者では、ペプチド投与後にイミキモドクリームを注射部位に局所塗布して塞いだ。患者は、8時間後にイミキモド塗布部位を水で洗浄するよう指示された。
6名の患者(患者4、6、9、12、14、15)に、免疫アジュバントとしてGM−CSFを投与した。これらの患者では、免疫アジュバントを225μgの用量で、注射部位の近くに皮下注射した。
2名の患者(患者10および13)に、温熱療法を施した。これらの患者では、治療直後、20cm2の露出腹部皮膚の注射部位に、41℃に保持される熱源を当てて20分間保持した。
ペプチド組成物、免疫アジュバント、および/または温熱療法による治療は、初回投与後7、14、28、42、および56日目に、各適用と同じ場所で繰り返された。その後、目的とするPSA値の減少または安定化があった場合、治療を4週毎に420日目まで継続した。
応答の評価
治療応答は、代替えパラメータとしてのPSA測定によって、各治療来診時に判定した。血液学的検査および血液生化学検査は、最初の6回の治療後(8週目)と、その後3ヶ月毎に繰り返した。臨床的進行の評価と同様のスケジュールで、臨床検査および直腸指診を実施した。
データ解析
応答は、幾何平均倍加時間を計算することにより評価した。各患者のPSA値の対数を可変勾配による直線に適合させた。2つの勾配間のスイッチポイント(switch point)、異なる勾配、および初期値を非線形最小二乗適合法により評価した。完全応答は、測定不能なPSA値、部分応答は50%のPSA値低下、病態安定は50%以下の低下または10%以下の増大、病態進行はベースラインPSA値から10%を超える上昇と定義された。これらの測定値は、4週間後に確認しなくてはならなかった。治験を中止した患者の生化学的応答は、患者が局所放射線照射またはアンドロゲン遮断療法によってさらに治療されるまで追跡された。
結果
治療前の平均PSA倍加時間(DT)は、全患者とも8.4ヶ月であり、治療終了後には11.2ヶ月に増大した。4名の患者(21%)では、治療による生化学的検査の改善が見られた。、PSA値が増大している2名の患者では、直腸指診によって臨床的な腫瘍再発が検出され、PET−CTスキャンで確認された。治療応答、すなわちPSA値は患者間で異なり、5つの異なる応答群に分類し得た。データを図2に集計する。
PSAの安定性とDTの増大
2名の患者(患者3および患者8;11%)は、治療中および最終治療後のフォローアップ14ヶ月および16ヶ月目に、PSAの安定性を示した(図3)。治療開始から安定までの平均期間は、データカットオフ時に29.5ヶ月であり、平均で17回(14および20回)の治療を受けた。患者3は、9ヶ月間にわたり部分的PSA応答(>50%)を示し、PSAの緩慢な上昇期間がそれに続いて、倍加時間は治療前の9.8ヶ月に比べ20.5ヶ月となった。治験に先立つ初期PSA再発は、前立腺全摘出術後18ヶ月目に始まった(pT2pN0症例GS5療法)。患者3は、20回目の治療時にアレルギー反応のため脱落しなければならなかった。患者8は、治療開始後に病態安定を示した。この患者は、10ヶ月後に14回目の治療時に、アレルギー反応のため治療を中止した。この患者は、根治的前立腺全摘除術後PSA最下点が0.6ng/mlのpT3bグリーソン3+4腫瘍を有し、術後の初期下降後、治験参加に先立ってPSAの上昇を示した。この男性患者のDTは、6.6ヶ月から148.0ヶ月に増大した。どちらの患者も、免疫アジュバントとしてイミキモドを経皮投与された(図4)。
PSA安定性欠如状態におけるPSADT増大
2名の患者(患者11および16、11%)は、治療期間中に、PSADTが増大し、同時にPSA値が緩慢に増大した。患者11のPSADTは、治療開始後6ヶ月間で1.5ヶ月から10.1ヶ月に上昇した。この患者は10.8ng/mlのPSA値で治療を開始し、治療6ヶ月後に17.8ng/mlまで増大した。治験を終了させて、ホルモン補充療法を開始した。この患者では、観察可能な悪性病変はPET−CTスキャンで認められなかった。イミキモドが免疫アジュバントとして使用された。患者16では、DTは治験開始時に6.1ヶ月であった。この患者のPSAは低下してDTを治療開始5ヶ月間で2.7ヶ月の半減期に変化させた。その後、この患者の統計的に計算されたDTは14.4ヶ月に増大し、治療開始後16ヶ月間にわたって持続した。治療開始時には、この患者のPSA値は0.29ng/mlであり、フォローアップ終了時には0.41ng/mlであった。この患者は、免疫アジュバントとしてムチン−1−mRNA/プロタミン複合体を投与された(図3および図4)。
中間PSAの上昇とそれに続くPSA下降およびPSADT増大
1名の患者(患者5、5%)は、治療開始後に無影響のPSA増大を示し、11回目のペプチド投与後に、1.31ng/mlのPSA値で治療を中止した。その後、この患者のPSAは低下して、DTはフォローアップが終わるまで20.2ヶ月に増大した。患者は、この期間中にいかなる追加治療も受けなかった。この患者では、免疫アジュバントは使用されず、ペプチドはモンタニド中で単独で乳化された(図3および図4)。
中間PSAの下降または安定とそれに続くPSA上昇の加速
3名の患者(患者7、15、および17;16%)のPSA値は、安定を保ち、または下降し、次に上昇の加速がそれに続いた。患者7のDTは治療開始時に3.7ヶ月であり、21.5ヶ月に上昇して4ヶ月の治療期間中持続して、その後DT2.8ヶ月に増大した。この患者は組織像でpT2b腫瘍を有し、外科切除縁陽性であったた。この患者は、いかなる局所放射線治療も拒否した(図3)。患者15のDTは、治験開始時に1.3ヶ月であった。初回治療に先立ち、直近2回のPSA値は我々のクリニックで4ヶ月間に測定された。それにより施設間差のため、PSADTの結果が1.3ヶ月から25.8ヶ月に変化した。GM−CSFを併用した治療中に、DTは9.9ヶ月に低下してし、6ヶ月間安定であった。次に、PSAは再度7.4ヶ月のDTまで増大した。このPSA経過の解釈は、治療開始に先立つベースラインPSADTが短期間に変化したことで妨げられた。患者17では、治療期間内における半減期1.9の中間PSA低下後の治療期間内に、PSADTが10.2ヶ月から4.8ヶ月に低下して2ヶ月間継続し、PSAの増大がそれに続いた(図3)。
PSAの増大
11名の患者(58%)のPSA値は、治験期間中、PSADTが一定のまま無影響で増大し、治験は早期に終了された(図4)。平均13回(7〜18回の範囲)の治療が実施された。
免疫アジュバントの影響
PSADT増大またはPSA値減少を示した8名の患者の内4名は、免疫アジュバントとしてイミキモドを投与された。1名の患者はGM−CSF、2名の患者はムチン−1−mRNA/プロタミン複合体を投与され、1名の患者は免疫アジュバントを投与されなかった。局所温熱療法で治療された2名の患者の内、応答または臨床的改善を示した者はいなかった(図4)。
実施例2:
マルチペプチドカクテルに含まれる特異的HLAクラスI結合ペプチドに対する応答性もまた、実施例1の処置に続いて試験した。
特異的T細胞の生体外増幅
前立腺癌患者の末梢血単核細胞をワクチン接種中の異なる時点で採取し、90%仔牛胎児血清および10%DMSOを添加し、液体窒素中で凍結保存した。解凍後、約5×106個の細胞を50U/mlのペニシリンと50μg/mlのストレプトマイシン(全てBiowhittaker,Verviers,Belogium)、10%熱不活性化ヒト血清(c.c.pro,Neustadt,Germany)、および50μMのβメルカプトエタノールを添加したIMDM培地中で、37℃、75%COで培養した(24ウェル細胞培養プレート;Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)。プールした合成HLAクラスIまたはHLAクラスII結合ペプチドを、HLAクラスIは1μg/mlで、HLAクラスIIは5μg/mlで、各々1日目に添加した。HLAクラスIでは、T細胞刺激の3、5、7、および9日目に組み換えヒトIL−2(r−hIL2,R & DSystems GmbH,Wiesbaden,Germany、0日目にpromokinとIL−4および7を培養物に添加し、HLAクラスIIでは、T細胞刺激の3、5、7、および9日目に組み換えヒトIL−2(r−hIL2,R & D Systems GmbH,Wiesbaden,Germany)およびpromokinを添加した。
酵素免疫スポットアッセイ法(ELISPOT)
癌免疫療法協会(Cancer immunotherapy association:CIP)の免疫ガイドプログラムの勧告に従って、増殖させたT細胞の機能を標準インターフェロン−γELISPOT法で試験した。簡単に述べると、細胞を培養12日目に収集して洗浄して計測し、ELISPOTプレート(Millipore、Schwalbach,Germany)培地に接種した。i)ペプチド提示細胞系K562−A2および1μg/mlの個々のHLAクラスI結合ペプチド存在下、またはii)2.5μg/mlの個々のHLAクラスII結合ペプチドの存在下で、0.20〜0.40×106個の細胞を2連または3連で試験した。PHA(10μg/ml)またはSEB(1μg/ml)を陽性対照刺激として使用した。37℃、7.5%COで26時間の培養後、1対の特異的モノクローナル抗体(1D1−kおよび7−B6−1、どちらもMabtech,Nacka Strand,Sweden)によって、IFN−γの生成を検出した。ExtraAvidinアルカリホスファダーゼおよびBCIP/NBT基質(どちらもSigma−Aldrich)をそれぞれ1時間後と10分後に添加した。ImmunoSpotリーダー(シリーズ3Aおよび5;Cellular Technology Ltd,Aalen,Germany)を使用して、ELISPOT分析を実施した。
各患者からの各ペプチドについて、IFN−γ産生T細胞の存在を記録して表にした。図13に見られるように、11個のHLAクラスI結合ペプチドの内8個が、少なくとも1名の患者で応答を誘発した。最も頻繁にみられる応答は、PSMA711(配列番号7)で誘発され、分析された患者29名の内25名でペプチド反応性を誘発した。
実施例3:
マルチペプチドカクテルに含まれる特異的HLAクラスII結合ペプチドに対する反応性もまた、実施例1の処置後に試験した。
合成ペプチドと刺激
刺激および機能試験で使用された合成ペプチドは、HIV由来エピトープ(HIVgag164−181:YVDRFYKTLRAEQASQEV(配列番号15)、陰性対照);PSMA 459−473:NYTLRVDCTPLMYSL(配列番号13)、およびサバイビン97−111:TLGEFLKLDRERAKN(配列番号14)であった。
特異的T細胞の生体外増幅
前立腺癌患者15および26の末梢血単核細胞をワクチン接種中の異なる時点で採取し、90%仔牛胎児血清および10%DMSOを添加して、液体窒素中で凍結保存した。解凍後、約5×106個の細胞を50U/mlのペニシリン、50μg/mlのストレプトマイシン(全てBiowhittaker,Verviers,Belgium)、10%熱不活性化ヒト血清(c.c.pro,Neustadt,Germany)、および50μMのβメルカプトエタノールを添加したIMDM培地中で、37℃、75%CO2で培養した(24ウェル細胞培地プレート、Greiner Bio−One,Frickenhausen,Germany)。プールした合成HLAクラスII結合ペプチドを各5μg/mlで1日目に添加して、組み換えヒトIL−2(r−hIL2;R & DSystemsGmbH,Wiesbaden,Germany)をT細胞刺激の3,5,7、9日目に培養物に添加した。12日間の刺激期間後、細胞を収集して洗浄し、計数してペプチド(10μg/m)で6時間再刺激した。MACSIFN−γ分泌アッセイプロトコル(Miltenyi Biotech,Bergisch Gladbach,Germany)に従って、IFN−γ分泌細胞をIFN−γ Catch ReagentおよびIFN−γPE Antibodyで標識し、次にFACSAria(BD Biosciences)を使用して、150U/mlのIL−2、1μg/mlのPHA、および照射同種異系フィーダーと共に、10%HS添加IMDMを含有する96ウェルプレート内でソートした。4日毎にIL−2(150U/ml)を添加し、3週間毎にフィーダー細胞を添加した。
細胞内サイトカイン染色
製造元の使用説明書に従って、エフェクターを収集して洗浄し、Golgi−STOP(BD Biosciences,Heidelberg,Germany)およびBrefeldinA(10μg/ml;Sigma−Aldrich)の存在下で、5μg/mlのHIVとPSMAとサバイビンペプチド、またはPMAとイオノマイシン(各々50ng/mlおよび1μM)による標準アッセイ中で刺激した。4〜6時間のインキュベートに続いて、細胞を2%FCSおよび0.02%NaN添加PBSで洗浄し、モノクローナル抗体(MoAb)CD4−APC−Cy7(BD Biosciences)およびCD8−PE−Cy7(Beckman Coulter)によって、暗所において4=獅ナ20分間染色した。洗浄ステップ後、細胞をCytofix/Cytoperm試薬(BD Biosciences)で20分間透過処理し、次にモノクローナルIFN−γ−FITC抗体(BD Biosciences)を使用して、細胞内IFN−γを染色した。ソフトウェアDivaと、FlowJo(BD Biosciences)による分析を使用して、Cytometer CantoII上で細胞を捕捉した。多機能試験では、細胞膜染色にはCD4−APC−Cy7およびCD8−PerCPを使用し、細胞内染色にはIFN−gPE−Cy7、TNF−Pacific Blue、IL−2−PEを使用した(TNF−Pacific BlueのみBiolegend;他は全てBD Biosciences)。CD107a−FITC(BD Bioscience)を1.5μl/試験で刺激期間中に添加した。
自己樹状細胞を使用したT細胞クローンの機能性試験
単球由来未成熟自己樹状細胞は、1000U/mlのIL−4および800U/mlのGM−CSFを添加した、IMDM10%HS、1%PenStrep、50μMβメルカプトエタノール中で、単球を7日間培養して生成された。機能の実験では、樹状細胞は関連HLAクラスII結合ペプチド(HIC、サバイビンまたはPSMA、10μg/ml)で負荷され、または組み換えタンパク質でパルスされ(サバイビン、PSMAまたはRAP−80、20μg/ml))、収集されて、数回洗浄され、細胞内サイトカイン染色前に、樹状細胞:エフェクター比1:5で、特異的CD4+T細胞クローンにより12時間インキュベートされた。
対照実験では、1μgの組み換えタンパク質を1mMのCaCl存在下において、10μgのタンパク質分解酵素K(Macherey−Nagel,Dueren,Germany)を含む100μlのPBS、pH7.2中で、37℃で2時間前処理した。代案としては、DCを最終濃度0.05%のグルタルアルデヒド(Sigma)中で15秒間固定した。反応を0.2MのL−リジン(Sigma)で停止させ、ペプチドまたはタンパク質を負荷する前に、DCを2回洗浄した。
HLAクラスII拘束性の決定
エフェクター細胞として患者15および26の12日目ペプチド事前感作PBMCを使用し、刺激細胞としてペプチド負荷(10μg/mlのペプチド、2%FCSM添加IMDM中で一晩)EBV形質転換細胞系(図21のHLA−DR、DP、およびDQの対立遺伝子を参照されたい)を使用して、エフェクター対ペプチド提示細胞比1:1で、ペプチド提示アッセイを実施した。5時間共インキュベーション後、細胞内サイトカイン染色を前述のように実施した。

Claims (15)

  1. 少なくとも2つのHLA結合ペプチドを含んでなる組成物であって、
    (a)少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つが、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、または、HLA−DR抗原関連不変鎖N末端から1〜80番目のアミノ酸配列からなるペプチドおよび配列番号23に記載のアミノ酸配列からなるペプチドからなる融合タンパク質であり、
    (b)少なくとも2つのHLA結合ペプチドの少なくとも1つが、配列番号1〜11、配列番号13〜22、および配列番号24〜42からなる群から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチドである、
    組成物。
  2. 前記組成物が、グループ(b)に記載のペプチドから選択される少なくとも2つのペプチドを含む、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記組成物が、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなるペプチドと少なくとも1つのペプチドを含み、
    該少なくとも1つのペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14、配列番号15〜22および配列番号24〜42からなる群から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項1に記載の組成物。
  4. 追加のペプチドが、治療される対象のHLAセットに従って選択される、請求項3に記載の組成物。
  5. 前記組成物が、少なくとも4つのペプチドを含み、
    少なくとも4つのペプチドのうち、
    少なくとも1つのペプチドは、配列番号23に記載のアミノ酸配列からなるペプチドであり、
    少なくとも1つのペプチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号5、配列番号7、配列番号9〜11、配列番号13、および配列番号14からなる群から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチドであり、ならびに、
    少なくとも1つのペプチドは、配列番号15〜22および配列番号24〜42からなる群から選択されるいずれか1つのアミノ酸配列からなるペプチドである、請求項1に記載の組成物。
  6. 少なくとも1つのペプチドがクラスIIペプチドである、請求項5に記載の組成物。
  7. GMCSFおよびイミキモドを免疫アジュバントの選択肢の1つとして含む、1種の免疫アジュバント、または2種または3種の免疫アジュバントの混合物をさらに含む、請求項1〜6に記載の組成物。
  8. 前記免疫アジュバントが、トール様受容体7アゴニストを選択肢の1つとして含むトール様受容体アゴニストを含む、請求項7に記載の組成物。
  9. ペプチドでパルスされ負荷される自己樹状細胞、樹状細胞を選択肢の一つとして含む少なくとも1つの抗原提示細胞を含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
  10. 前立腺癌の患者の治療において使用される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 前立腺癌がアンドロゲン感受性であり、前記患者がアンドロゲン遮断療法を受けたことがない、請求項10に記載の組成物。
  12. 前立腺癌がアンドロゲン非感受性である、請求項10に記載の組成物。
  13. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物の有効量を含む、前立腺癌治療剤。
  14. 前記前立腺癌がアンドロゲン感受性であり、前記治療剤がアンドロゲン遮断療法を受けたことがない患者に投与されるものである、請求項13に記載の治療剤。
  15. 前記前立腺癌がアンドロゲン非感受性である、請求項13に記載の治療剤。
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Class et al. Patent application title: COMPOSITION OF TUMOR-ASSOCIATED PEPTIDES AND RELATED ANTI-CANCER VACCINE FOR THE TREATMENT OF GASTRIC CANCER AND OTHER CANCERS Inventors: Jens Fritsche (Tuebingen, DE) Jens Fritsche (Tuebingen, DE) Toni Weinschenk (Aichwald, DE) Steffen Walter (Reutlingen, DE) Steffen Walter (Reutlingen, DE) Peter Lewandrowski (Tuebingen-Hirschau, DE) Peter Lewandrowski (Tuebingen-Hirschau, DE) Harpeet Singh (Tuebingen, DE) Assignees: IMMATICS BIOTECHNOLOGIES GMBH
Class et al. Patent application title: COMPOSITION OF TUMOR-ASSOCIATED PEPTIDES AND RELATED ANTI-CANCER VACCINE FOR THE TREATMENT OF GLIOBLASTOMA (GBM) AND OTHER CANCERS Inventors: Toni Weinschenk (Aichwald, DE) Oliver Schoor (Tubingen, DE) Oliver Schoor (Tubingen, DE) Claudia Trautwein (Wuelfrath, DE) Claudia Trautwein (Wuelfrath, DE) Norbert Hilf (Kirchentellinsfurt, DE) Norbert Hilf (Kirchentellinsfurt, DE) Steffen Walter (Dusslingen, DE) Steffen Walter (Dusslingen, DE) Harpreet Singh (Tubingen, DE) Harpreet Singh (Tubingen, DE) Assignees: IMMATICS BIOTECHNOLOGIES GMBH

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