JP6027788B2 - 気液混合装置 - Google Patents
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Description
この図7に示される装置1は、外筒2と、この外筒2に比べて短い内筒3とを有し、内筒3は外筒2の上流側に収容されている。そして、外筒2の内筒3が配置されていない下流側内面には、複数の突起部4が設けられている。
また、内筒3は外筒2に比べて外径が小さく、外筒2と内筒3の間には隙間5が形成され、この隙間5に送風口6から気体が送られるようになっている。
しかし、上記装置1では、隙間5は内筒3の外周面全周にあるため、気体は内筒3の外周面全体に行き渡って混合領域に供給される。このため、流体の状態や設置状況によっては、気流の速度を上げられず、気泡を微細化できない恐れがあった。
本願発明は、このような課題を解決するものであり、目詰まりを有効に防止しつつも、気流の速度を上げて、気泡の優れた微細化を図れる気液混合装置を提供することを目的とする。
このようにして、気体と液体は共に外筒内の下流側に送られるが、そこには複数の突起部が設けられているため、気体は突起部に当たって微細化された気泡となり、液体と混ざり合う。すなわち、この外筒内の突起部がある領域は生成された気泡と液体とが混ざり合う混合領域となる。そして、液体は内筒の内側を、気体は内筒の外側を、それぞれ同じ方向に向かって別経路で混合領域に流れる。従って、駆動時において、液体が逆方向に流れて気体の経路(つまり間隙空間)に進入することもなく、目詰まりを防止できる。
しかしながら、本発明では、間隙空間には、送風口よりも下流側に、間隔を塞ぐようにして外筒及び/又は内筒から突出した複数の凸部が配置されており、この凸部の上流側の上流凸部は、上流側から下流側に向うに従って幅が広くなっている。そうすると、互いに隣接する複数の上流凸部どうしの距離は、上流側から下流側に向うに従って幅が狭くなっていく。従って、気体は上流から下流側に向うに従って気流の速度を速め、これにより、突起部に気体が勢いよく当たって剥離効果を効果的に発揮して、気体を有効に微細化できる。
そして、下流凸部は下流側に向うに従って幅が狭くなっているため、互いに隣接する複数の下流凸部どうし間における気体の通路は、逆に下流側に向うに従って広がっていく。従って、下流凸部が狭路付近の気流を乱すことはないし、さらに、一部の気体は下流凸部に沿うように流れて、一旦狭まった気流を拡げることになる。このため、突起部が配置された混合領域の全体に、気体を行き渡らせるように導くことができる。従って、外筒の内面全周にわたって多数の突起部を配設して、多数の個所で微細化した気泡を生成できる。
そうすると、狭路付近から下流側には内筒の外面(「外周側面」ともいう)は存在しないため、気流が粘性によって内筒の外面付近で速度を低下させる事態を有効に防止できる。このように、本構成では、上流凸部で一旦速くした流速を出来るだけ落とさないようにして、いかに混合領域全体に気体をめぐらせるかといった課題を達成できる。
なお、内筒の下流側の端面は、狭路付近よりも上流側に配置されてしまうと、複数の上流凸部どうしの間において、幅方向では空気の通路は狭まるが、厚み方向では空気の通路は広がって、気流を思うように速められないため、内筒の下流側の端面は狭路付近に配置されるのが好ましい。
そうすると、万が一メンテナンスが必要になった最悪の状態を想定した場合において、外筒と内筒は着脱可能な別体であるため、これを分解して、外筒と内筒との間隔からなる間隙空間に対するメンテナンスが容易となる。この際、複数の凸部は内筒の外面に設けられているため、凸部が外筒の内側に設けられているのに比べて、メンテナンスが容易である。
また、外筒を構成する外筒本体とリング状部も着脱可能な別体であるため、これを分解して、多数設けられた突起部を容易にメンテナンスできる。
そして、このように、各部位を別体としても、組み合わせた際、リング状部の上流側端部と下流凸部の下流側端部とが当接するようになっているため、互いに隣接する複数の凸部どうしの距離が最も狭まった狭路と突起部との間のスペースを確保して、狭路付近の気流の乱れを防止することができる。
尚、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。
図1は、本発明の気液混合装置10の好ましい実施形態を示す概略斜視図、図2はその平面図、図3はその底面図、図4は図2のA−B−C組合せ断面図である。なお、図1では、理解の便宜のため、外筒の一部を切り欠いて図示しているが、外筒の外周側面に切り欠きは存在しない。
先ず、本装置10の概要について、図1及び図4を参照しながら説明する。
本装置10は、図4に示すように、中心軸B−Bに沿って貫通孔が形成され、全体が略筒状とされた外筒11及び内筒12を有している。
内筒12は、外筒11に比べて短く、かつ小さな外径とされ、外筒11内の上流側に、外筒11の内面11bから所定の間隔W1を空けて収容されている。この間隔W1はブロワー等の気体供給装置(不図示)から送られてきた気体の通路の間隔となる。そして、この外筒11の内面11bと内筒12の外面12aとの間隔W1は小さく、本実施形態の間隔W1は約5mmとされている。このようにして、間隔W1は隙間ともいえる間隙空間S1となって、ここを通る気体の流速を速めるようにしている。
これに対して、内筒12に囲まれた内側空間は液体が通過する液体通路S3であって、混合領域S2と空間的に繋がっている。そして、間隙空間S1を通過する気体の上昇力により、液体が内筒12の上流側の開口部25aから引き込まれ、液体通路S3と下流側の開口部25bを通って、混合領域S2に進入することになる。
このようにして、気体は内筒12の外側である間隙空間S1を通って混合領域S2に、液体は内筒12の内側である液体通路S3を通って混合領域S2に、それぞれ同じ方向(図4の上側)に向かって進入し、混合領域S2で混ざり合うことになる。そして、混合領域S2で混ざり合った気体と液体は、下流側の開口部20bから吐出される。
次に、外筒11等について説明する。
外筒11は、液中で使用されるため、錆難いポリプロピレン等の樹脂やステンレス等の金属で形成されるのが好ましい。本実施形態の外筒11は、中心軸(図4のB−B)に沿った貫通孔20の横断面の面積が大きく、その上流側が内筒12の収容空間となり、下流側が混合領域S2となる。
突起部30は、効率よく微細化した気泡を発生させるため、正対視が滴形状、又はアーモンド形状とされている。すなわち、図1の一点鎖線で囲った突起部30の拡大図に示されるように、正対視において、突起部30は、上流側30bが丸みを帯びて大きく湾曲しているのに対して、下流側30aは鋭角な先細り形状とされ、上流側30bと下流側30aとの接点30cには屈曲点が形成されている。なお、図1の外筒11を切り欠くことで視認可能とされている突起部30(一点鎖線で囲った図の対象になった突起部30)は、図1の外筒11の手前の内面から突出した突起部であって、宙に浮いた状態で図示している。
このようにして、突起部30の上流側30bに衝突した気流は2つに分岐し、さらに、下流側に向いながら、突起部30の下流側30aの壁面に沿って速度が低下した気流AR1と、速度の低下があまり見られない気流AR2とに分かれ易くなる(即ち、剥離現象が生じ易くなる)。従って、この2つの気流AR1と気流AR2との気圧差により、微細化した気泡が生成され易くなる。
また、各突起部30は、図4に示すように、中心軸B−Bに向って突出しており、その突出した長さL1は、間隙空間S1を通過してきた気体が有効に(上記剥離現象が有効に生じるように)衝突するまでの長さとされ、図の場合、約11mmとされている。
なお、各段の複数の突起部30は周方向に等間隔に配置され、本実施形態では、上述の間隔W1や長さL1、気流の速度、内面11bの周方向の長さ、及び後述する凸部50との関係を総合的に判断して、各段に6個ずつ配設されている。
次に、内筒12等について説明する。
内筒12は外筒11と同様の材料で形成され、全体が略円筒状である。特に内筒12の内面12bは、上下方向のいずれの横断面形状も半径rが略同じ円形状とされ、この内面12bにより囲まれてなる液体通路S3は真っ直ぐな通路とされている。
また、内筒12の内側には液体の流れを邪魔するような突起物はなく、内面12bの半径でもある液体通路S3の半径rは、図の場合、約25mmと大きく形成され、太管状とされている。
このようにして、液体通路S3には大量の液体が円滑に通過するようになっている。
本実施形態の鍔状部14は、図1及び図3に示すように、一部が切り欠き状部14aとされている。図3の網掛けは、理解の便宜のために図示したもので、鍔状部14の切り欠き状部14aから露出した開口部20aを表しており、この塞がれていない開口部20aは、図4に示す間隙空間S1と繋がっている。なお、図3の切り欠き状部14aは、等間隔に3箇所とされているが、本発明はこれに限られるものではない。
図5は、送風口16付近の凸部50とこの凸部50に隣接する突起部30付近の概念図である。なお、図5では、突起部30だけを残すようにして(宙に浮かして)、外筒11の外周側面を縦半分に切断して図示している。また、外筒11の構成要素であるリング状部63(図6参照)を省略して図示している。
図の凸部50は内筒12の下流側端部付近の4箇所に等間隔に配設されている。この凸部の主面50aは、外筒11の内面11bの形状に対応した曲面であると共に、凸部50の厚み(突出幅)Dを間隔W1と同様にして、内面11bに接触するようになっている。これにより、内筒12は、凸部50、及び図4に示す上流側端部の鍔状部14の双方によって位置決めされて、間隙空間S1の間隔W1を保持している。
図の凸部50は、正対視が、略ダイヤ形状又は菱形状の上端を水平方向に切断して平坦面50cを有するような形状とされている。
具体的には、上流凸部51の幅方向(本実施形態の主面50は内面11bに対応した曲面であるため、周方向とも言う)の両端面51a,51aは、ともに水平方向に対する角度θ1が約50度なるように傾斜している。また、下流凸部52の幅方向(本実施形態の主面50は内面11bに対応した曲面であるため、周方向とも言う)の両端面52a,52aは、ともに水平方向に対する角度θ2が約55度なるように傾斜している。
さらに、図の下流凸部52の幅方向の両端面52a,52aは、その夫々に沿って上昇してきた気流AR4,AR4が合流するようにした傾斜面とされている。したがって、気流AR4が粘性によって端面52a付近で速度を落としても、2つの気流AR4,AR4が下流側で合流して、再び速度を速める。そして、この2つの気流AR4,AR4が合流する位置に対応して(図の場合、当該合流する位置に)突起部30βが配置され、これにより、合流後の速くなった気流を突起部30βに当てて、微細な気泡を生成することができる。
なお、図5では、下流凸部52の上端部を水平な平坦面50cとしているが、本発明はこのような形状に限られず、正対視が略三角形状となるように形成し、この際、その略三角形状の下流側の頂点を突起部30βに対応させるようにするとよい。
なお、この端面12cは、上下方向(図5のY方向)について、狭路NR付近よりも上流側に配置するのは好ましくない。狭路NR付近よりも上流側に配置すると、互いに隣接する複数の上流凸部51,51どうしの間において、幅方向(図5のX方向)を考慮すると空気の通路は狭まるが、厚み方向(図5のZ方向)では空気の通路は広がって、流速を思うように強められないからである。
さらに、本実施形態では、外筒11と内筒12を分解可能にして、最悪の状態を想定したメンテナンスを可能にしている。
以下、この分解機能について、図4を適宜参照しながら、図6を中心に説明する。
図6は本装置10の分解斜視図である。なお、図6では、理解の便宜のため、後述するリング状部63の外面63cの一部を切り欠いて側面の断面を見せている。
図6に示すように、外筒11と内筒12とは着脱可能な別体とされ、さらに、外筒11も複数の部材を組み合わせることで形成されるようになっている。
先ず、外筒11の構成について説明する。
外筒11は、外部に露出した外筒本体61とリング状部63とからなっている。
外筒本体61は、その内面61aに、上下方向に沿った長いレール部19を有している。また、外筒本体61の上端部(設置されると下流側端部となる)61bであって内面61aには、図4に示すように、下向きの段部55が全周にわたって形成されている。
このようなリング状部63の内面63a(この内面63aが図4の外筒11の内面11bとなる)には、上述した複数の突起部30が形成されている。このリング状部63は複数個からなり、本実施形態の場合、3つのリング状部63が用いられ、それらを外筒本体61内に収容すると、図4に示すように、下流側のリング状部63−1、上流側のリング状部63−3、及びこのリング状部63−1とリング状部63−3との間の中段のリング状部63−2となる。
また、図6のリング状部63の外面63cには、その上端部63bに上向きの段部56が全周にわたって形成されると共に、上下方向に沿って溝44が形成されている。
また、リング状部63の内面63aの下端部63dには、下向きの段部70が形成されている。
また、図4に示すように、外筒本体61の下向きの段部55と、下流側のリング状部63−1の上向きの段部56とが突きあって、リング状部63−1は外筒本体61の上から抜けないようになっている。
また、図4に示すように、リング状部63−1の下端部と、その下のリング状部63−2の上端部とは、段部56,70が形成されることで、ぐらつかないように接している。
内筒12は、上述した構成からなっており、図6に示すように、その外面12aから複数の凸部50が突出すると共に、下端部(設置の際は上流側端部)に鍔状部14を有している。この鍔状部14には、上下方向に沿った溝14bが形成されている。また、鍔状部14にはその張り出し方向に沿って孔14cが開いている。
これに対して、外筒本体61の内面61aには、上述のように上下方向に沿った細長いレール部19が設けられている。このレール部19は、送風口16の反対側に形成されている。また、外筒本体61の下端部には、厚み方向に貫通した貫通孔28が形成されている。
そして、図4に示すように、ピンやネジ等の接続部材49を、外筒本体の貫通孔28(図6参照)から鍔状部14の孔14c(図6参照)に連続して挿入して、図4のように内筒12を固定する。
そうすると、図4に示すように、下流凸部52の下流側端部(平坦面)50cが、リング状部63−3の上流側端部(図6の下端部)63dに当接して、リング状部63−3を支持し、これにより図5に示す狭路NRと突起部30との距離L2を保つことができる。
例えば、凸部50は、本実施形態では内筒12から突出しているが、外筒11から突出した凸部としてもよく、或いは、外筒11と内筒12の両方から突出してもよい。
また、突起部30は、上述した実施形態に限られるものではなく、気体や液体の性質、気液混合装置の大きさなどに合わせて、適宜、数や配置などを設定し、その形状も、キノコ状、略半球状、略円柱状、略角柱状、略円錐状、略角錐状等であってもよい。
また、本実施形態では万が一のことを想定して、メンテンスを容易にするため、図6に示す各部材61,63,12を分離可能としたが、本発明は各部材61,63,12を一体的に形成してもよい。
Claims (5)
- 中心軸に沿って貫通孔が形成された筒状の外筒及び内筒を有し、前記外筒は、その内面の下流側に複数の突起部を有し、前記内筒は、前記突起部が配置された領域よりも上流側において、前記内面から間隔を空けて前記外筒内に収容されるようにした気液混合装置であって、
前記間隔からなる間隙空間には、気体を供給する送風口が臨んでいると共に、前記送風口よりも下流側に、前記間隔を塞ぐようにして前記外筒及び/又は前記内筒から突出した複数の凸部が配置され、
前記凸部は、上流側の上流凸部と、この上流凸部に連続して下流側に形成された下流凸部とからなり、
前記上流凸部と前記下流凸部とは一体的に形成され、
前記上流凸部は、互いに隣接する複数の前記上流凸部どうしの距離が上流側から下流側に向うに従って狭くなるように形成されているのに対して、前記下流凸部は、互いに隣接する複数の前記下流凸部どうしの距離が上流側から下流側に向うに従って広がるように形成されており、
前記突起部は、前記下流凸部よりも下流側に配置されている
ことを特徴とする気液混合装置。 - 前記内筒の下流側の端面は、互いに隣接する複数の前記凸部どうしの距離が最も狭まった狭路付近に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の気液混合装置。
- 前記下流凸部の幅方向の両端面は、その両端面の夫々の端面に沿って上昇してきた気体が合流するようにした傾斜面とされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の気液混合装置。
- 前記突起部は、互いに隣接する複数の前記凸部どうしの距離が最も狭まった狭路、及び、前記合流する位置に対応して配置されていることを特徴とする請求項3に記載の気液混合装置。
- 前記外筒と前記内筒とは着脱可能な別体とされ、
前記複数の凸部は、前記内筒の外面に設けられており、
前記外筒は、外部に露出した外筒本体と、その外筒本体の内側に設けられ、内面に前記突起部が配設されたリング状部とを有し、前記外筒本体と前記リング状部とは着脱可能な別体とされており、
前記外筒本体に前記内筒及び前記リング状部を収容した際、前記リング状部の上流側端部と前記下流凸部の下流側端部とが当接するようになっている
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の気液混合装置。
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