JP6027383B2 - ガラス製造プロセスにおいて使用される牽引ローラおよびこれを組み込んだガラス製造プロセス - Google Patents

ガラス製造プロセスにおいて使用される牽引ローラおよびこれを組み込んだガラス製造プロセス Download PDF

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Description

本明細書は、一般にガラスシートを製造する際に使用される牽引ローラに関し、より具体的には、ガラスシートに延伸力を加えるための、スプリング部材を備えている牽引ローラに関する。
牽引ローラは、個々のガラスシートを成形する際の元となるガラスリボンまたはガラスウェブに引張力を加えるために、ガラスシートの製造において使用されている。特許文献1および特許文献2に記述されているようなオーバーフローダウンドローフュージョンプロセス、あるいは同様のガラス製造プロセスなどにおいては、牽引ローラがガラスに加える引張力の量を利用して、溶融ガラスからガラスを延伸する際にガラスの名目上の厚さを制御する。
米国特許第3,338,696号明細書 米国特許第3,682,609号明細書
牽引ローラは、一般に、ガラスウェブの外側縁端部、すなわち通常は、ガラスウェブの極縁端部に形成される厚くなったビードのすぐ内側のエリアで、ガラスウェブに接触するよう設計されている。牽引ローラはガラスウェブの表面と直接接触するため、牽引ローラ材料の摩耗特性によってガラスの表面に損傷が生じることがある。例えば、ガラス粒子が牽引ローラの表面に埋め込まれて、牽引ローラがガラスと接触したときにガラスを損傷させることがある。同様に、ガラス延伸プロセスの昇温状態で使用したことにより牽引ローラの材料が劣化した場合、牽引ローラから粒子状物質が落ちることがある。この粒子状物質が柔らかいガラスに埋め込まれて、ガラスに欠陥が形成される可能性もある。さらに、ガラス延伸プロセスにより生成された粒子状物質(例えば、破片、塵、ガラスのかけらなど)が牽引ローラの表面に埋め込まれることによって、ガラスウェブに反復的な欠陥を生じさせることもある。任意のこういった過程から生じたガラスウェブの損傷は、延伸プロセス中のガラスシートに無制御および/または早期の破損をもたらし得、それにより製造効率を低下させ、かつコストを増加させる可能性がある。
したがって、ガラス製造プロセスにおいて使用するための牽引ローラに対し、別の設計が必要とされる。
本書において説明する実施形態は、牽引ローラを用いてガラスシートを延伸する際にガラスシートに早期および/または無制御の破損が発生するのを低減させる、ガラス延伸プロセスにおいて使用される牽引ローラに関する。さらに、ガラス延伸プロセス中のガラスシートの早期および/または無制御の破損を軽減する牽引ローラを利用した、ガラスシート成形方法を開示する。
一実施の形態によれば、ガラスシートの早期および/または無制御の破損を低減させるための牽引ローラは、シャフト部材と、シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリ(compliant cover assembly)とを含んでもよい。柔軟性カバーアセンブリは、シャフト部材上に位置付けられた少なくとも1つの牽引ディスクを含み得る。この少なくとも1つの牽引ディスクは、環状ハブと、環状ハブと一体的に形成されている複数のスプリング部材とを含んでもよい。複数のスプリング部材は、複数のスプリング部材の各スプリング部材の自由先端部が複数のスプリング部材の各スプリング部材の基端から放射状に外側に位置するように、環状ハブから外側へと突出していてもよい。複数のスプリング部材の夫々の半径方向ばね定数は、約2lbf/mmから約2000lbf/mmまで(約8.9N/mmから約8896.4N/mmまで)の範囲内でもよい。柔軟性カバーアセンブリがガラスシートの平面表面と係合すると、複数のスプリング部材の少なくとも一部分が環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと歪み、それによりガラスシートの損傷を防止する。
別の実施形態において、ガラスシートの早期および/または無制御の破損を低減させるための牽引ローラは、シャフト部材と、シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリとを含んでもよい。柔軟性カバーアセンブリは、シャフト部材上に位置付けられた複数の牽引ディスクを含み得る。この複数の牽引ディスクの各牽引ディスクは、隣接する牽引ディスクから回転方向にずれていてもよく、かつ複数の牽引ディスクの各牽引ディスクは、環状ハブと、環状ハブと一体的に形成されている複数のスプリング部材とを含んでもよい。複数のスプリング部材は、複数のスプリング部材の各スプリング部材の自由先端部が複数のスプリング部材の各スプリング部材の基端から放射状に外側に位置するように、環状ハブから外側へと突出していてもよい。複数のスプリング部材の各スプリング部材は、自由先端部と基端との間で、牽引ローラの下方延伸用回転方向と反対の方向に湾曲していてもよい。複数のスプリング部材の各スプリング部材の半径方向ばね定数は、約2lbf/mmから約2000lbf/mmまで(約8.9N/mmから約8896.4N/mmまで)の範囲内でもよい。柔軟性カバーアセンブリがガラスシートの平面表面と係合すると、スプリング部材が環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと歪み、それによりガラスシートの損傷を防止する。
さらに別の実施形態において、ガラスシートの早期および/または無制御の破損を低減させるガラスシート成形方法は、ガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成するステップと、溶融ガラスをガラスシートへと成形するステップとを含み得る。その後、ガラスシートの少なくとも第1表面に少なくとも1つの牽引ローラで接触して、ガラスシートを下流方向に移動させてもよい。この少なくとも1つの牽引ローラは、シャフト部材と、シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリとを含んでもよい。柔軟性カバーアセンブリは、シャフト部材上に位置付けられた複数の牽引ディスクを含み得る。この複数の牽引ディスクの夫々は、複数のスプリング部材と一体的に形成されている環状ハブを含んでもよく、この複数のスプリング部材は、複数のスプリング部材の夫々の自由先端部が複数のスプリング部材の夫々の基端から放射状に外側に位置するように、環状ハブから外側へと突出していてもよい。複数のスプリング部材の夫々の半径方向ばね定数は、約2lbf/mmから約2000lbf/mmまで(約8.9N/mmから約8896.4N/mmまで)の範囲内でもよい。柔軟性カバーアセンブリがガラスシートの少なくとも第1表面と接触すると、スプリング部材が環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと歪み、それによりガラスシートの損傷を防止する。
本開示のさらなる特徴および利点は以下の詳細な説明の中に明記され、ある程度は、その説明から当業者には容易に明らかになるであろうし、あるいは、以下の詳細な説明、請求項、さらに添付の図面を含む、本書において説明される実施形態を実施することにより認識されるであろう。
前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、種々の実施形態を説明したものであること、そして請求される主題の本質および特徴を理解するための概要または構成を提供するよう意図されているものであることを理解されたい。添付の図面は、種々の実施形態のさらなる理解を提供するために含まれ、また本明細書に組み込まれかつその一部を構成する。図面は本書において説明する種々の実施形態を示し、そしてその記述とともに、請求される主題の原理および動作の説明に役立つ。
本書において図示および説明される1以上の実施形態による、ガラスシート成形用のガラス延伸装置を概略的に描いた図 ガラスシートの延伸に使用される一対の対向する牽引ローラを含んでいる、延伸アセンブリの概略断面図 本書において図示および説明される1以上の実施形態による、複数の牽引ディスクを用いて形成された牽引ローラを概略的に描いた部分分解図 本書において図示および説明される1以上の実施形態による、図2の牽引ローラの牽引ディスクを描いた概略図 説明のために図3の牽引ディスクの環状ハブと1つのスプリング部材とを描いた概略図 牽引ディスクのスプリング部材が複雑な曲率を有している、牽引ローラ用の牽引ディスクを描いた概略図 牽引ディスクのスプリング部材が接触足部を含んでいる、牽引ローラ用の牽引ディスクを描いた概略図 牽引ディスクのスプリング部材が縁部で結合されている、牽引ローラ用の牽引ディスクを描いた概略図 スプリング部材の上方部分が下方部分に対して傾斜している、牽引ローラ用の牽引ディスクを描いた概略図 説明のために図8の牽引ディスクの環状ハブと1つのスプリング部材とを描いた概略図 本書において説明される1以上の実施形態による、牽引ローラ用の牽引ディスクの別の実施形態を描いた概略図 ガラスシートの表面と係合している、牽引ローラの牽引ディスクの一部分を描いた概略図
ここで、ガラスシートの製造に使用するための牽引ローラの種々の実施形態と、これを組み込んだガラス製造プロセスを詳細に参照する。可能な限り、図面を通じて、同じまたは同様の部分の参照には同じ参照番号を使用する。牽引ローラの一実施の形態が図2に概略的に描かれている。この牽引ローラは、概して、シャフト部材と、シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリとを備えている。柔軟性カバーアセンブリは、環状ハブから放射状に外側に延在しているスプリング部材を有している、複数の牽引ディスクから形成されている。このスプリング部材のばね定数は、一般に、約2lbf/mmから約2000lbf/mmまで(約8.9N/mmから約8896.4N/mmまで)の範囲内である。この牽引ローラ、およびこの牽引ローラを使用してガラスシートを延伸する方法を、特に添付の図面を参照して本書においてより詳細に説明する。
ガラスシート材料は、一般に、ガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成し、その後この溶融ガラスをガラスシートへと成形することによって成形することができる。例示的なプロセスとして、フロートガラスプロセス、スロットドロープロセス、およびフュージョンダウンドロープロセスを挙げることができる。これらの各プロセスにおいては、1以上の牽引ローラを利用して、ガラスシートに接触しかつガラスシートを下流方向に移動させることができる。
例として図1Aを参照すると、溶融ガラスからガラスシート材料を成形するための例示的なガラス製造装置100が概略的に描かれており、ここではフュージョンドロー装置を使用して溶融ガラスをガラスシートに成形している。ガラス製造装置100は、溶解槽101、清澄槽103、混合槽104、送出槽108、およびフュージョンドロー装置(FDM)120を備えている。ガラスバッチ材料が、溶解槽101内へと矢印102で示したように導入される。このバッチ材料が溶解されて溶融ガラス106を形成する。清澄槽103は、溶解槽101から溶融ガラス106を受け入れる高温の処理エリアを有し、ここで溶融ガラス106から泡が除去される。清澄槽103は連結管105で混合槽104に連結される。すなわち、清澄槽103から混合槽104へと流れる溶融ガラスは連結管105を通って流れる。さらに混合槽104は連結管107で送出槽108に連結され、このとき混合槽104から送出槽108へと流れる溶融ガラスは連結管107を通って流れる。
送出槽108は溶融ガラス106を、下降管109を通じてFDM120へと供給する。FDM120はエンクロージャ122を備え、エンクロージャ122内に注入口110、成形槽111、および少なくとも1つの延伸アセンブリ150が位置付けられている。図1Aに示されているように、下降管109からの溶融ガラス106は成形槽111へと繋がる注入口110内に流れ入る。成形槽111は溶融ガラス106を受け入れる開口112を含み、溶融ガラス106はトラフ113内に流れ入ると溢れ出て、2つの合流面114aおよび114bを流れ落ちた後にこの2つの面が結合する底部で融合し、さらに延伸アセンブリ150がこれに接触しかつ下流方向151へと延伸して、連続したガラスシート148を成形する。
図1Bを参照すると、延伸アセンブリ150の断面が概略的に描かれている。図1Bに示したように、延伸アセンブリ150は、概して、ガラスシート148の両面に接触する、1対の対向する牽引ローラ200a、200bを含んでいる。したがって、ガラスシート148は牽引ローラ200aと牽引ローラ200bの間で影響を受けることを理解されたい。牽引ローラ200a、200bは、駆動されるものでもよいし(すなわち、牽引ローラ200a、200bを能動的に回転させて、ガラスシート148を下流方向151に移動させる延伸力を与える)、あるいは受動的なものでもよい(すなわち、ガラスシートが他の牽引ローラによって下流方向151に延伸されるときに、牽引ローラ200a、200bがガラスシート148に接触して、このガラスシートを安定させる)。
牽引ローラ200a、200bを、フュージョンドロー装置を利用してガラスシートを成形する装置とともに使用されているものとしてここでは説明したが、この牽引ローラは、ガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成し、さらに溶融ガラスをガラスシートへと成形しかつ牽引ローラで延伸する、類似のプロセスで使用することができることを理解されたい。例として、限定するものではないが、本書において説明する牽引ローラを、アップドロープロセス、スロットドロープロセス、フロートドロープロセス、および他の類似したガラス延伸プロセスとともに利用することも可能である。
上で簡単に説明したように、上述のプロセスにおいて使用される牽引ローラはガラスシートに直接接触するため、従来の牽引ローラの摩耗特性に起因して、ガラスの表面に損傷が生じることがある。例えば、従来の牽引ローラの表面にガラス粒子が埋め込まれて、そのため牽引ローラがガラスに接触したときにガラスに損傷をもたらす可能性がある。同様に、従来の牽引ローラは、高温での長期使用により劣化して粒子状物質を落とすことがある。この粒子状物質が柔らかいガラス内に埋め込まれて、ガラスに欠陥が形成される可能性もある。発生源に拘わらず、こういった欠陥および/または損傷はガラス延伸プロセスの際にガラスシートの早期および/または無制御の破損に繋がる可能性があり、これにより製造効率が低下しかつコストが増加し得る。本書において説明する牽引ローラは、スプリング部材を利用してガラスシートに接触する。このスプリング部材は高温で安定している材料から形成され、そのためこの牽引ローラは、長期使用後に容易に劣化したり、あるいは粒子状物質を落としたりすることはない。さらに、牽引ローラはスプリング部材間に開口構造を備えて形成されているため、粒子状物質は牽引ローラの表面に埋め込まれるのではなく、牽引ローラの本体内に容易に包み込むことができる。
ここで図2を参照すると、ガラス製造プロセスにおいて使用するための例示的な牽引ローラ200が概略的に描かれている。牽引ローラ200は、概して、シャフト部材202と、シャフト部材202上に位置付けられる柔軟性カバーアセンブリ208とを含む。柔軟性カバーアセンブリ208は、シャフト部材202上に位置付けられかつ柔軟性カバーアセンブリの接触面209を形成する、複数の牽引ディスク210を備えている。図2に描いた牽引ローラ200の実施形態は複数の牽引ディスクを含んでいるが、柔軟性カバーアセンブリ208は、1つの牽引ディスクから形成されたものでもよいことを理解されたい。
シャフト部材202は、一方の端部にねじ山224を含み得、また対向する端部には肩部222が形成されている。牽引ディスク210は肩部にぶつかるように位置付けてもよく、さらにナット、または例えばテーパピンなどの別の適切な締結具を用いて、シャフト部材に固定してもよい。肩部222は、牽引ローラ200を能動的に回転させるためのフレームまたは機構に牽引ローラ200を固定するのをさらに助けることもできる。本書において説明するいくつかの実施形態において、シャフト部材202はキー225をさらに備え、このキー225は、図2に示したように、柔軟性カバーアセンブリ208の牽引ディスク210内に形成された対応するキー溝250と係合するためものである。他の実施形態において(図示なし)、シャフト部材は、牽引ディスクに形成された対応するキーに係合するキー溝を備えて形成される。キーとキー溝との間の相互作用により、牽引ローラ200が回転しているときに牽引ディスク210はシャフト部材202上で回転しない。
図3および4を参照すると、牽引ローラ200の柔軟性カバーアセンブリ内で使用される、牽引ディスク210が概略的に描かれている。本書において説明する実施形態において、牽引ディスク210は、概して、環状ハブ206と複数のスプリング部材204とを備えている。複数のスプリング部材204は、環状ハブ206と一体的に形成され、かつ図3に描いたように環状ハブ206から放射状に外側に突出している。図4に最も良く示されているが、各スプリング部材204は基端214と自由先端部212との間で延在しているものである。具体的には、各スプリング部材204は基端214の位置で環状ハブ206に一体的に取り付けられ、このときスプリング部材の自由先端部212は、基端214および環状ハブ206から放射状に外側に位置する。図3に描いた牽引ディスク210の実施形態において、環状ハブ206および複数のスプリング部材204は、実質上同じ、同一平面上にある。
各牽引ディスク210のスプリング部材204は環状ハブ206に対して弾性的に曲がるように設計されているため、ガラスシートに延伸力を加えるよう牽引ローラを押してガラスシート表面に接触させたとき、スプリング部材204は環状ハブ206に対して弾性的に変位する。その結果、ガラスシートに延伸力を与えている間、スプリング部材204がガラスシートを損傷することはない。
より具体的には、各牽引ディスクのスプリング部材204の半径方向ばね定数(すなわち、環状ハブ206からの放射状の突出に沿ったばね定数)は、一般に、約2lbf/mmから約2000lbf/mmまで(約8.9N/mmから約8896.4N/mmまで)、またはさらに約5lbf/mmから約1500lbf/mmまで(約22.2N/mmから約6672.3N/mmまで)の範囲である。ばね定数がこの範囲内であると、ガラスシートを損傷しないように十分に柔軟であると同時に、牽引ローラでガラスシートを延伸するのを助けるよう、ガラスシートの表面に対して適当な牽引力を与える得る程度の堅さを有する牽引ローラが生成される。
上述したように、ダウンドロープロセス中には、ガラスのかけらのような破片や他の粒子状物質が牽引ローラと接触する可能性がある。この破片が牽引ローラの柔軟性カバーアセンブリの接触面に埋め込まれ、それによりこの牽引ローラで延伸しているガラスシートを損傷することになるのを防ぐため、牽引ディスク210のスプリング部材204は軸方向および接線方向に十分に柔軟(compliant)である。すなわち、破片が柔軟性カバーアセンブリの接触面との間に当たったときに、スプリング部材が接線方向および/または軸方向に変位することで破片をスプリング部材間に通し、この破片を完全に牽引ローラを通り抜けさせることによって、あるいは柔軟性カバーアセンブリ内に完全に包み込むことによって、破片を柔軟性カバーアセンブリの表面から離れさせることができ、こうしてガラスシートの損傷を軽減させる。本書において説明する牽引ローラの実施形態において、スプリング部材204の軸方向ばね定数(すなわち、図3に描かれている座標軸の±z方向におけるばね定数)は一般に、ローラの傾斜角度(すなわち、水平に対するローラの長軸の角度)の設定を助けるよう十分に低いものである。例えば、軸方向ばね定数は、約0.25lbf/mmから約150lbf/mmまで(約1.1N/mmから約667.2N/mmまで)でもよいし、あるいはさらに約5lbf/mmから約75lbf/mmまで(約22.2N/mmから約333.6N/mmまで)でもよい。接線方向ばね定数(すなわち、矢印240の方向におけるばね定数)は、スプリング部材の自由先端部の位置が過剰に偏位して一定のシート速度の維持を妨げ得ることがない程度に高いものとするべきである。本書において説明する実施形態において、接線方向ばね定数は、約2lbf/mmから約75lbf/mmまで(約8.9N/mmから約333.6N/mmまで)でもよいし、あるいはさらに約5lbf/mmから約50lbf/mmまで(約22.2N/mmから約222.4N/mmまで)でもよい。
ここで図2〜4を参照すると、本書において説明する牽引ローラの実施形態において、牽引ディスク210のスプリング部材204は、隣接するスプリング部材204の基端間の円周方向における間隔Gが約0.01mm以上となるように環状ハブ上に形成される。この間隔は、柔軟性カバーアセンブリ208の接触面209に破片が埋め込まれることなく、この破片を円周方向に隣接しているスプリング部材204間に十分に通過させ得るものである。いくつかの実施形態において、間隔Gは約0.05mm以上でもよい。
スプリング部材204の円周方向における厚さTは、一般に、牽引ディスク210を形成している材料の種類や、スプリング部材の所望のばね定数に依存する。本書において説明する実施形態において、スプリング部材204の厚さTは、一般に、約0.25mmから約3.00mmの範囲内である。いくつかの実施形態においては、スプリング部材の厚さTは、約0.25mmから約1.5mmでもよい。ただし、スプリング部材204は、牽引ディスク210作製時の材料の種類、および/またはスプリング部材の所望のばね定数に応じて、他の厚さを有し得ることを理解されたい。さらに、スプリング部材204の厚さTは、図4に示されているように基端214と自由先端部212との間で不均一なものでもよいが、他の実施形態(図示なし)においては、スプリング部材204の厚さTを基端214と自由先端部212との間で均一なものとしてもよい。
図2〜4をさらに参照すると、本書において説明する牽引ローラ200の実施形態において、牽引ディスク210の環状ハブ206の外径dは一般に約18mmから約75mmまでの範囲内であり、一方牽引ディスクの外径Dは約60mmから約200mmまでの範囲内である。したがって、牽引ローラ200の柔軟性カバーアセンブリの外径も同様に、約60mmから約200mmまでの範囲内であることを理解されたい。
スプリング部材204の軸方向厚さt(すなわち、図3に描かれている座標軸の±z方向における厚さ)および環状ハブ206の厚さは、一般に、約0.50mmから約105mmまでの範囲内である。さらに、所与の材料に対し、スプリング部材204の軸方向厚さtを、スプリング部材204の軸方向ばね定数を調節するために増加させてもよいし、あるいは減少させてもよい。いくつかの実施形態において、環状ハブ206の軸方向厚さは、スプリング部材204の軸方向厚さよりも厚くてもよい。これらの実施形態において、環状ハブ206は、牽引ディスク210がシャフト部材202上に固定されたときに、軸方向に隣接するスプリング部材204間の所望の間隔を得るのに利用される。したがって、牽引ディスク210は、軸方向に隣接するスプリング部材間で所望の間隔を得るために、様々な厚さを有する環状ハブを用いて形成し得ることを理解されたい。
本書において説明する牽引ローラ200の実施形態においては、牽引ローラをガラス基板の平面表面に対して押し付けたときに所望の機械的応答(すなわち、所望の弾性変形および弾性応力)を得るために、スプリング部材204を特有の輪郭で形成してもよい。例えば図2〜4は、自由先端部212と基端214との間で湾曲しているスプリング部材を有する牽引ディスク210から構成された、牽引ローラ200の一実施の形態を描いたものであるが、このときスプリング部材の自由先端部がガラスシートの平面表面と係合すると、スプリング部材は環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと弾性的に歪む。いくつかの実施形態において、スプリング部材204の曲率半径Rは自由先端部212と基端214との間で一定である。これらの実施形態において、曲率半径Rは、約10mmから約80mmまででもよいし、またはさらに約10mmから約40mmまででもよい。これらの実施形態においてスプリング部材204は、一般に、スプリング部材204がガラスシートの表面と接触したときに容易に曲がるよう、牽引ローラの下方延伸用回転方向と反対の方向に湾曲している。例えば、図1Bの牽引ローラ200aの下方延伸用回転方向は時計回りの方向であり、一方そのスプリング部材204は反時計回りの方向に湾曲している。
他の実施形態において、スプリング部材204は複雑な曲率を有するものでもよい。例えば、いくつかの実施形態において各スプリング部材の曲率半径は、スプリング部材204の基端214からスプリング部材204の自由先端部212に向かって増加してもよい。他の実施形態において、各スプリング部材の曲率半径は、スプリング部材の基端214からスプリング部材204の自由先端部212に向かって減少してもよい。さらに他の実施形態においては、スプリング部材204を形成する際に、スプリング部材の異なるセグメントが異なる半径を有しおよび/または異なる方向に湾曲するような、複雑な曲率を用いてもよい。例えば、図5は牽引ディスク234の一実施の形態を描いたものであり、ここでスプリング部材は下方部分227(すなわち、環状ハブ206に最も近いスプリング部材の部分)と上方部分226とを有している。この実施形態において、各スプリング部材204の下方部分227は第1の曲率半径を有しかつ反時計回りの方向に湾曲しており、一方スプリング部材204の上方部分226は第2の異なる曲率半径を有しかつ時計回りの方向に湾曲している。これらの実施形態において、スプリング部材の上方部分226は、牽引ローラの下方延伸用の回転の方向と反対の方向に概して湾曲する。したがって、図5に描いた牽引ディスク234の実施形態において、牽引ローラの下方延伸用の方向は反時計回りの方向である。
ここで図6を参照すると、別の実施形態の牽引ディスク230が概略的に描かれている。この実施形態において、牽引ディスク230はスプリング部材204を備えて形成され、このスプリング部材204は、各スプリング部材204の自由先端部212上に形成された接触足部216を含んでいる。この接触足部216によって、スプリング部材204と、牽引ディスク230で延伸されるガラスシートの表面との間の接触面積が増加する。スプリング部材204とガラスシートの表面との間の接触面積が増加すると、牽引ディスクとガラスシートとの間の摩擦が増加して、シャフト部材からガラスシートに与えられるトルクをより増大させることが可能となる。それによりスプリング部材204の弾性を減少させることなくガラスシート上に加えられる下方延伸力を増加させることが可能となって、ダウンドロープロセス中にガラスシートを損傷する可能性を軽減することができる。
上記のように、牽引ディスクを形成する際には、牽引ディスクがシャフト部材上で回転するのを防止するキー溝を設けてもよい。図6に描いた牽引ディスク230の実施形態において、キー溝250は環状ハブ206内に形成されたアパーチャである。キー溝250は、シャフト部材に添えられた対応するキー(図示なし)を受け入れるような形状であり、それにより牽引ディスク230がシャフト部材上で回転するのを防止する。
ここで図7を参照すると、別の実施形態の牽引ディスク232が概略的に描かれている。この実施形態において、牽引ディスク232は縁部218を含む。この縁部218は、複数のスプリング部材のうちの各スプリング部材の自由先端部を、同じ牽引ディスク上の隣接するスプリング部材の自由先端部と結合させる。この実施形態においては、スプリング部材と、牽引ディスク232で延伸されるガラスシートの表面との間の接触面積が、縁部218により増加する。スプリング部材204とガラスシートの表面との間の接触面積が縁部218により増加すると、牽引ディスクとガラスシートとの間の摩擦が増加して、シャフト部材がガラスシートに与えるトルクを増大させることが可能となり、それによりガラスシート上に加えられる下方延伸力が増加する。さらに、牽引ディスク232のスプリング部材204が湾曲しているため、縁部を環状ハブ206に対して変位させることができ、それによりダウンドロープロセス中にガラスシートを損傷する可能性が軽減する。
本書では牽引ローラを、湾曲したスプリング部材を有している牽引ディスクから構成されているものとして説明してきたが、他の実施形態の牽引ディスクも意図されていることを理解されたい。例えば、図8および9は、角のあるスプリング部材204を備えて形成された牽引ディスク236を描いたものである。具体的には、牽引ディスク236は複数のスプリング部材204と一体的に形成された環状ハブ206を含み、この複数のスプリング部材204は上述したものと同様に環状ハブ206から放射状に外側に延びている。各スプリング部材は上方部分226と下方部分227とを含み、スプリング部材204の上方部分226は下方部分227に対して角度αで配向されている。スプリング部材204の上方部分226を下方部分227に対して曲げることで、下方部分227と上方部分226との交差位置に屈曲点が提供され、スプリング部材を所望のばね定数で形成するのを助ける。具体的には、この屈曲点の位置や角度αを選択して、スプリング部材を所望のばね定数のものとすることができる。上方部分226と下方部分227との間の角度αは、限定するものではないが、約10°でもよいし、あるいは約30°でもよい。いくつかの他の実施形態において、角度αは、約45°でもよいし、あるいは約60°でもよい。
図3〜9に描かれている牽引ディスクは、ガラスダウンドロープロセス中に直面する最大約900℃に達し得る昇温状態で、その機械的特性を保持するような材料から形成してもよい。適切な材料としては、限定するものではないが、金属、セラミック、金属マトリクス複合材料、および鉱物系材料が挙げられる。例えば、牽引ディスクは、限定するものではないが、Rene41、Haynes282、または類似のニッケルベース合金を含む、ニッケルベース合金から形成してもよい。適切なセラミックの材料の例としては、限定するものではないが、窒化ケイ素、炭化ケイ素、アルミナ、炭化ホウ素、サイアロン(SIALON)、または類似のセラミック材料が挙げられる。適切な鉱物材料としては、限定するものではないが、金雲母などのバルクの雲母材料が挙げられる。図3〜9に描いた牽引ディスクは、例えば、放電加工(EDM)またはウォータジェット加工技術などの、従来の加工技術を用いて形成してもよい。
代わりの実施形態の牽引ディスク238が、図10に概略的に描かれている。牽引ディスク238は、環状ハブ206と複数のスプリング部材204とを含んでいる。この実施形態において、スプリング部材204は、所望のばね定数(すなわち、60lbf/mm(266.88N/mm)から2000lbf/mm(8896N/mm)までの範囲内のばね定数)を得るように成形された剛毛状のものである。ただし、この実施形態においては、ハブの材料を選択的にエッチングして個々のスプリング部材を形成することによりスプリング部材204が形成されている。この実施形態の牽引ディスク238は、図3〜9に描いた牽引ディスクの実施形態に関連して上述したものと同じ材料から形成してもよい。
牽引ディスクが形成されると、牽引ディスクの耐酸化性および耐摩耗性を向上させるような材料で、この牽引ディスクをコーティングしてもよい。例えば、牽引ディスクの耐酸化性および/または耐摩耗性を向上させる、ステライト#6(Stellite 6)、ステライト#12(Stellite 12)、または他の類似のコーティング材料で、牽引ディスクをコーティングしてもよい。
再び図2を参照すると、個々の牽引ディスク210は、各牽引ディスク210のキー溝250がシャフト部材202に形成されたキー225と係合するようにして、シャフト部材202上に組み立てられる。図2に描いた牽引ローラ200の実施形態においては、牽引ディスク210を肩部222に押し付けて位置付け、かつナット(図示なし)をシャフト部材のねじ山224に通して牽引ディスクをシャフト部材202に固定し、こうして牽引ローラの柔軟性カバーアセンブリ208を形成する。いくつかの実施形態において、各牽引ディスクがシャフト部材上に位置付けられるときの、隣接する牽引ディスク間の軸方向の間隔S(すなわち、図2に示されている座標軸のz方向における間隔)は、約0.0mm超から約25mmであり、あるいはさらに約0.0mmから約25mmである。いくつかの実施形態において、隣接する牽引ディスク間の軸方向の間隔Sは、約0.75mmから約6mmでもよい。1つの牽引ディスクにおけるスプリング部材間の間隔G(図3に図示されている)とともに、隣接する牽引ディスク間の軸方向の間隔Sにより、破片は、柔軟性カバーアセンブリの表面に埋め込まれるのではなく、柔軟性カバーアセンブリ208内に入って柔軟性カバーアセンブリを通過することが可能となり、それによりダウンドロープロセス中にガラスシートを損傷するのを防ぐことができる。
図2に描いた牽引ローラ200の実施形態においては、牽引ディスク210をキー225上に位置付けるとき、各牽引ディスクが隣接する牽引ディスクから回転方向にずれるように個々の牽引ディスク210がキー固定され、したがって軸方向に隣接する牽引ディスクのスプリング部材は互いに位置合わせされていない。ただし、他の実施形態においては、軸方向に隣接する牽引ディスクのスプリング部材が互いに位置合わせされるように、個々の牽引ディスク210を一致させてキー固定してもよい。
ここで図1Bおよび11を参照すると、ダウンドローガラス成形プロセス中に延伸アセンブリ150の牽引ローラ200a、200bは、ガラスシート148に夫々第1平面表面149および第2平面表面152で接触し、このときスプリング部材204の少なくとも自由先端部212がガラスシートに接触する。各スプリング部材がガラスシートの表面に接触すると、スプリング部材は環状ハブ206の中心に向かって(すなわち、矢印350の方向に)放射状に内側に歪み、シャフト部材からのトルクをガラスシート148に伝達して、それによりガラスシートを下流方向151に延伸する。例えば図11に描いたように、牽引ローラは反時計回りの方向153に回転している。スプリング部材204aおよび204cはガラスシート148の表面149と接触していないため、スプリング部材204aおよび204cは歪んでいない。しかしながら、スプリング部材204bがガラスシート148の表面149に接触するよう回転すると、このスプリング部材は環状ハブ206の中心に向かって放射状に内側に歪み、同じく回転しているシャフト部材が牽引ローラを通じてガラスシートにトルクを加え、それによりガラスを下流方向151に延伸する。
さらに図11を参照すると、破片や、あるいは粒子300などの他の粒子状物質がガラスシート148の表面149上に存在している場合、ガラスシート148が下流方向151に延伸されているときにスプリング部材204が粒子300と接触すると、このスプリング部材204は粒子300により放射状に内側へと歪み、それによりガラスシート148の表面149に対する粒子300の点荷重が減少して、その結果ガラスシートへの損傷が軽減される。さらに、ガラスシート148の表面に対する粒子300の任意の点荷重は、粒子のサイズに応じて、単一のスプリング部材に対するものか、あるいはすぐ隣接したスプリング部材からなる局所的な群に対するものに限定される。そのため、残りのスプリング部材はガラスシートと接触した状態で維持され、ガラスシートに延伸力を与え続ける。
ここで、本書において説明する牽引ローラは、ガラス製造プロセスにおいてガラスシートを延伸および/または誘導するために使用し得ることを理解されたい。具体的には、牽引ディスクのスプリング部材は滑らかで弾力性のある接触面を呈するものであるため、ガラスシートの表面に損傷を与えることなく、この接触面でガラスシートに接触することができる。牽引ローラは昇温状態での使用に適した材料から構成されているため、この牽引ローラは、昇温状態での長期使用で容易に劣化することはないし、あるいはガラス延伸プロセスの品質を低下させる可能性のある粒子状物質および/または破片を落とすことがない。さらに、牽引ディスクのスプリング部材は、軸方向、半径方向、および接線方向に十分に弾力性があり、粒子状物質をスプリング部材間に包み込んで、ガラスシートへの損傷を低減するのを助ける。
本書において説明する牽引ローラのスプリング部材によれば、ローラの半径方向の柔軟性が高まるため、ガラスシートに対してより均一な延伸力を与えることができる。さらに、このスプリング部材は、ガラスシートに与える接触圧力およびせん断力を減少させながら、ローラ表面の接触面積を増加させることもできる。特に、このスプリング部材はガラスシートの表面上での粒子由来の点荷重を軽減または排除して、ガラスシートの亀裂および/または壊滅的な破損を減少させる。
請求される主題の精神および範囲から逸脱することなく、本書において説明された実施形態の種々の改変および変形が作製可能であることは当業者には明らかであろう。すなわち、本書において説明した種々の実施形態の改変および変形が、添付の請求項およびその同等物の範囲内であるならば、本明細書はこのような改変および変形を含むと意図されている。
150 延伸アセンブリ
200、200a、200b 牽引ローラ
202 シャフト部材
204 スプリング部材
206 環状ハブ
208 柔軟性カバーアセンブリ
210、230、232、234、236、238 牽引ディスク
212 自由先端部
214 基端
216 接触足部
218 縁部
225 キー
250 キー溝

Claims (10)

  1. ダウンドロープロセスにおいてガラスシートを延伸するための牽引ローラにおいて、該牽引ローラが、
    シャフト部材と、
    前記シャフト部材上に位置付けられた少なくとも1つの牽引ディスクを含む、前記シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリと、
    を備え、前記少なくとも1つの牽引ディスクが、
    環状ハブ、および、
    前記環状ハブと一体的に形成されている複数のスプリング部材であって、該複数のスプリング部材が、該複数のスプリング部材の各スプリング部材の自由先端部が該複数のスプリング部材の該各スプリング部材の基端から放射状に外側に位置するように、前記環状ハブから外側へと突出しており、前記複数のスプリング部材の夫々の半径方向ばね定数が2lbf/mm(約8.9N/mm)から2000lbf/mm(約8896.4N/mm)までの範囲内にある、複数のスプリング部材、
    を含み、前記柔軟性カバーアセンブリが前記ガラスシートの平面表面と係合すると、前記複数のスプリング部材の少なくとも一部分が前記環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと歪み、それにより前記ガラスシートの損傷を防止するものである牽引ローラ。
  2. 前記複数のスプリング部材の各スプリング部材が、前記自由先端部と前記基端との間で湾曲していることを特徴とする請求項1記載の牽引ローラ。
  3. 前記複数のスプリング部材の各スプリング部材が、10mmから80mmまでの間の曲率半径を有することを特徴とする請求項1または2記載の牽引ローラ。
  4. 前記複数のスプリング部材の各スプリング部材の曲率半径が、一定であることを特徴とする請求項1から3いずれか1項記載の牽引ローラ。
  5. 前記少なくとも1つの牽引ディスクが、複数の牽引ディスクを含むことを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の牽引ローラ。
  6. 前記環状ハブが、前記シャフト部材上に形成された対応するキー溝またはキーと夫々係合する、キーまたはキー溝を備えていることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の牽引ローラ。
  7. 1つの牽引ディスク上で、前記複数のスプリング部材の各スプリング部材の前記自由先端部と、これに隣接するスプリング部材の前記自由先端部とを結合させる、縁部をさらに備えていることを特徴とする請求項1から6いずれか1項記載の牽引ローラ。
  8. ガラスシートを成形する方法において、該方法が、
    ガラスバッチ材料を溶解して溶融ガラスを形成するステップ、
    前記溶融ガラスをガラスシートへと成形するステップ、
    前記ガラスシートの第1表面に少なくとも1つの牽引ローラ接触させて前記ガラスシートを下流方向に移動させるステップ、
    を含み、
    前記少なくとも1つの牽引ローラが、
    シャフト部材、および、
    前記シャフト部材上に位置付けられた柔軟性カバーアセンブリ、
    を備え、該柔軟性カバーアセンブリが、
    前記シャフト部材上に位置付けられた複数の牽引ディスクであって、該複数の牽引ディスクの夫々が、複数のスプリング部材と一体的に形成されている環状ハブを備え、該複数のスプリング部材が、該複数のスプリング部材の夫々の自由先端部が該複数のスプリング部材の夫々の基端から放射状に外側に位置するように、前記環状ハブから外側へと突出しており、前記複数のスプリング部材の夫々の半径方向ばね定数が2lbf/mm(約8.9N/mm)から2000lbf/mm(約8896.4N/mm)までの範囲内にある、複数の牽引ディスクを含み、前記柔軟性カバーアセンブリが前記ガラスシートの前記第1表面と接触すると、前記スプリング部材が前記環状ハブの中心に向かって放射状に内側へと歪み、それにより前記ガラスシートの損傷を防止するものである方法。
  9. 前記複数のスプリング部材の各スプリング部材が、前記自由先端部と前記基端との間で湾曲していることを特徴とする請求項8記載の方法。
  10. 前記複数のスプリング部材の各スプリング部材の曲率半径が、一定であることを特徴とする請求項8または9記載の方法。
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