JP6020133B2 - 発電機能付き電子機器および発電機能付き電子機器の制御方法 - Google Patents
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Description
発電機能付き電子時計においては、発電手段で発電された電力を蓄電手段に充電して利用している。従って、発電していない場合は、蓄電手段に蓄えられた電力を利用して指針の運針などを行っている。
このことは、時計を利用していない場合には、無駄な電力消費を抑制できる利点があるが、時計を利用している場合には発電によって蓄電手段の電圧を高める必要があり、利便性が低下する場合も考えられる。
すなわち、表示操作手段が操作された際に、電圧検出手段で検出した検出電圧に応じた運転持続時間を持続時間表示手段で表示する。このため、利用者が運転持続時間を確認したい場合には、その時点での蓄電電圧に基づいて運転持続時間を適切に表示できる。
また、タイマー更新部は、充電状態を検出した場合のみ実行されるので、電子機器を使用していない場合のように充電状態が検出されない場合は、蓄電電圧でタイマーが更新されることがないため、設定した持続時間以上、運転を継続して無駄に電力を消費することも防止できる。このため、運転停止時に蓄電手段の電圧が運転再開電圧よりも低下することを防止でき、運転再開時に即座に運転を開始でき、利便性を向上できる。
さらに、タイマー更新部は、検出電圧に基づく運転持続時間が、作動中のタイマーの残存時間よりも長い場合のみタイマーを更新するため、表示した持続時間よりも短い時間で運転が停止することも防止でき、利便性を向上できる。
また、設定される運転持続時間を、3〜4種類程度に抑えることができるので、専用の持続時間表示手段を設けずに、秒針などを利用して異なる運針を行うことでも表示することができる。
そして、検出電圧が第3電圧範囲に該当する場合は、第3タイマーと、第3電圧範囲よりも低い電圧範囲である第1,2電圧範囲に対応する第1,2タイマーとを組み合わせて運転持続時間を設定する。なお、この場合、第1タイマーが1日、第2タイマーが6日、第3タイマーが23日の時間を計時するものであれば、第1〜第3タイマーによって合計30日の運転持続時間が設定される。
このように複数のタイマーを用意し、これらを連携させて運転持続時間を設定すれば、一つのタイマーのみを設けて異なる運転持続時間を設定する場合に比べて、タイマーの設計構造を簡略化できる。
本発明によれば、前記発電機能付き電子機器と同じ作用効果を奏することができる。
[電子時計の全体構成]
電子時計1は、図1に示すように、回転錘2、りゅうず3、発電手段4、整流手段5、充電検出手段6、蓄電手段である二次電池7、表示操作手段であるボタン8、発振手段12、分周手段13、運転制御手段である時刻表示制御手段14、時刻表示用モーター駆動手段15、時刻表示用モーター16を備えている。
電子時計1は、さらに、二次電池7の電圧を検出する電圧検出手段である電池電圧検出手段71を備えている。
なお、ロジックICの代わりに、CPU(central processing unit)、ROM(read only memory)、RAM(random access memory)等を設けてもよい。この場合、時刻表示制御手段14は、CPU、ROM、RAMを用い、所定のソフトウェアを実行させることによって実現することができる。
なお、文字板24の3時位置には窓241が形成され、文字板24の裏面に配置された日車によって日付が表示可能とされている。この日車は、前記時刻表示用モーター16に連動している。
時刻表示制御手段14は、時刻表示手段(装置)の運転を停止する運転停止部141と、運転を再開する運転再開部142と、分周手段13からの基準信号を利用して設定された時間を計測するタイマー(カウンター)143と、秒針23の駆動を制御して持続時間の表示制御を行う持続時間表示制御部145と、タイマー143の残存時間を更新するタイマー更新部146とを備えている。
発電手段4は、図4にも示すように、時計1のケース内部に配置された回転錘2を用いた自動巻き発電と、りゅうず3を用いた手巻き発電とを行えるように構成されている。
すなわち、発電手段4は、発電装置40と、発電装置40に回転錘2からの機械的エネルギーを伝達する自動巻き発電用伝達手段46と、発電装置40にりゅうず3からの機械的エネルギーを伝達する手巻き発電用伝達手段47とを備えている。
なお、発電手段としては、手巻き発電用伝達手段47を備えずに、発電装置40および自動巻き発電用伝達手段46のみを備えるものでもよい。
なお、切換車463は、図示しないラチェット車または滑り構造などによる干渉回避手段を備えた構成であり、手巻き発電時の力の伝達と、自動巻き発電時の回転錘の動きからの力の伝達が干渉しないように構成されている。
そして、巻真471の先端にはりゅうず3が取り付けられているため、使用者がりゅうず3を回すと、巻真471が回転する。巻真471の回転は、きち車472、丸穴車473を介して揺動車474に伝達され、揺動車474の回転が第一手巻伝え車475に伝達され、第一手巻伝え車475の回転は、第二手巻伝え車476および第三手巻伝え車477を介して切換車463に伝達される。
なお、手巻き発電用伝達手段47を備えない場合は、前記揺動車474、第一手巻伝え車475、第二手巻伝え車476、第三手巻伝え車477は設ける必要が無い。
整流手段5は、発電装置40から出力される交流電流を整流するものであり、全波整流回路、半波整流回路などの公知の整流回路が利用できる。
充電検出手段6は、発電手段4で発電された電流が二次電池7に充電されているか否かを検出するものである。このため、充電検出手段6としては、整流手段5で整流された電流の大きさを検出する電流検出回路でもよいし、充電時に整流手段5で発生する電圧を検出する電圧検出回路でもよい。
従って、充電検出手段6は、従来から公知の各種電流検出回路や電圧検出回路が利用できる。例えば、電流検出回路としては、整流手段5および二次電池7間に配置された抵抗と、この抵抗を流れる電流を測定して発電電流のピーク値を検出するピーク検出回路と、ピーク検出回路で検出された値を閾値と比較する比較回路とを備えた電流検出回路等が利用できる。
また、電流検出回路としてピーク検出回路、比較回路を備える場合、ピーク検出回路では、整流手段5から出力された充電電流をサンプリングし、各サンプリングにおけるピーク値を検出する。比較回路では、ピーク検出回路で検出されたピーク値を、所定の閾値と比較し、その検出結果信号を時刻表示制御手段14に出力すればよい。
蓄電手段は、充電電流(発電電流)を充電可能な二次電池7で構成されている。二次電池7は、例えば、リチウムイオン電池で構成されている。
そして、発電手段4の出力は、整流手段5で整流され、充電検出手段6を介して二次電池7に充電されている。なお、蓄電手段としては、二次電池7に限らず、キャパシターを利用してもよい。
二次電池7の電圧は電池電圧検出手段71で検出される。電池電圧検出手段71は、二次電池7の電圧を所定のサンプリングタイミング(例えば2秒間隔)で検出する一般的な電圧検出手段で構成されている。
通常の時刻を表示するための計時制御手段および時刻表示手段は、従来からある一般的なアナログ式クオーツ時計の構成であるため、詳細な説明は省略する。
すなわち、発振手段12は、水晶振動子および発振回路などで構成され、所定周波数の信号を出力する。分周手段13は、発振手段12からの信号を分周し、例えば1Hzの基準信号を出力する。
時刻表示制御手段14は、分周手段13の基準信号に基づいて時刻表示用モーター駆動手段15に駆動信号を出力する。通常、発振手段12から1Hzの基準信号が入力される毎に、駆動信号を出力する。時刻表示用モーター駆動手段15は、前記駆動信号に基づいて時刻表示用モーター16のモーターコイルに入力し、時刻表示用モーター16は時刻表示用指針20をステップ運針する。
なお、本実施形態では、前記発振手段12、分周手段13、時刻表示制御手段14などから時計用回路が構成される。
時刻表示制御手段14の運転停止部141は、後述するように、タイマー143で計時する持続時間が0時間になった際に、時刻表示用指針20の運針を停止するスリープモードに移行するように構成されている。なお、本実施形態では、タイマー143として、BLDカウンター143Eも備えており、通常運針での持続時間が0時間になった後、BLD表示モードでの処理を行う。このため、運転停止部141は、BLD表示モードでの作動するBLDカウンター143Eが0時間になると、運針を停止する。
なお、電子時計1は、これらの停止モードのいずれか一方を備えるものでもよいし、両方の停止モードを備えて利用者が停止モードを選択してもよい。さらに、両方の停止モードを備え、スリープモードに移行した直後は運針停止モードに移行し、運針停止モードが所定期間(例えば1週間)継続した場合にIC動作停止モードに自動的に移行するように制御してもよい。
時刻表示制御手段14の運転再開部142は、運転停止時(スリープモード時)に充電検出手段6において充電(発電手段4の発電)が検出され、この時の二次電池7の電圧が運転再開電圧であるシステム停止電圧Von以上であれば、即時に運針を再開するように構成されている。
なお、スリープモードがIC動作停止モードの場合は、現在時刻が不明であるため、運転再開部142は停止している指針20の運針をそのまま開始する。この場合、現在時刻と指針20が指示する時刻がずれていることが多いため、利用者がりゅうず3やボタン8を操作することで、時刻合わせを行う必要がある。このりゅうず3等で時刻修正操作を行っている間も、前記タイマー143の作動を継続し、持続時間の残存時間のカウントを継続するように設定している。
また、スリープモードが運針停止モードの場合は、現在時刻を計時しているため、運転再開部142は、時刻表示用モーター駆動手段15を作動して指針20を現在時刻に自動修正する。
タイマー143は、運転持続時間をカウントするカウンターであり、本実施形態では、通常運転モードでの残存時間のカウント用と、電圧低下を警告する警告表示運転モード(BLD運転モード)での残存時間のカウント用のカウンターを用意している。
通常運転モードでの残存時間をカウントするカウンターとして、複数、具体的には4つのカウンター143A〜143Dが設けられている。これらのカウンター143A〜143Dは、セットされた初期値を順次減算してカウントするダウンカウンターである。
第1カウンター(第1タイマー)143Aは、1日(24時間)をダウンカウントする。また、第2カウンター(第2タイマー)143Bは6日の期間をダウンカウントし、第3カウンター(第3タイマー)143Cは23日の期間をダウンカウントし、第4カウンター(第4タイマー)143Dは150日の期間をダウンカウントする。
従って、第1〜4カウンター143A〜143Dによって、最大で1日+6日+23日+150日=180日の持続時間をカウントできる。
なお、BLD表示を行わずに、運転を停止する場合には、タイマー143にBLDカウンター143Eを設けなくてもよい。
持続時間表示制御部145は、(A)秒針23を利用した運転持続時間のインジケーター表示機能と、(B)タイマー143の作動を制御する機能とを備える。
すなわち、持続時間表示制御部145は、ボタン8によって持続時間表示操作が行われると、電池電圧検出手段71で検出されている二次電池7の電圧を確認する。そして、持続時間表示制御部145は、二次電池7の電圧が、予め設定された複数の電圧範囲のいずれの範囲に該当するかを判定する。
ここで、本実施形態では、図5に示すように、連続する4つの電圧範囲Vr1〜Vr4を設定している。各電圧範囲の具体的な電圧値は、電子時計1の種類などで適宜設定されるが、例示すれば以下の通りである。
第1電圧範囲Vr1は、二次電池7の電圧がVBLD(例えば1.2V)以上、Vind1(例えば1.3V)未満である。
第2電圧範囲Vr2は、二次電池7の電圧がVind1(例えば1.3V)以上、Vind2(例えば1.4V)未満である。
第3電圧範囲は、二次電池7の電圧がVind2(例えば1.4V)以上、Vind3(例えば1.5V)未満である。
第4電圧範囲は、二次電池7の電圧がVind3(例えば1.5V)以上である。
なお、二次電池7の電圧がVBLD(例えば1.2V)未満、Von(例えば1.1V)以上の範囲は、BLD表示を行うBLD電圧範囲Vr0に設定している。
同様に、インジケーター表示の10秒とは、秒針23を10秒分だけ早送りした後、早送り開始時点から10秒後まで停止する運針方法であり、インジケーター表示の20秒とは、秒針23を20秒分だけ早送りした後、早送り開始時点から20秒後まで停止する運針方法であり、インジケーター表示の30秒とは、秒針23を30秒分だけ早送りした後、早送り開始時点から30秒後まで停止する運針方法である。
また、BLD表示は、前述したように、例えば、秒針23を2秒毎に2秒分だけ早送りする運針方法である。
タイマー更新部146は、タイマー143(第1〜4カウンター143A〜143D)が作動中に充電検出手段6で充電状態を検出した場合に、所定の条件に該当すれば前記タイマー143の残存時間を更新する。
具体的には、タイマー更新部146は、電池電圧検出手段71で検出された二次電池7の検出電圧Vsに応じた運転持続時間が、作動中のタイマー143の残存時間よりも長い場合は、タイマー143の残存時間を前記検出電圧に応じた運転持続時間に更新する。
一方で、検出電圧に応じた運転持続時間が、前記作動中のタイマー143の残存時間以下の場合は、タイマー更新部146は前記作動中のタイマー143を更新せずに、そのまま作動させる。なお、検出電圧に応じた運転持続時間は、持続時間表示制御部145で設定される前記表1に示すものと同じである。
次に、このような構成の電子時計1における動作に関して説明する。
まず、時刻表示手段(装置)がIC動作停止状態の際の動作である運転停止モード(ステップ1、以下ステップを「S」と略す)について、図6のフローチャートに基づいて説明する。
なお、運転停止モードS1が実行されるのは、後述するように、通常運転の運転持続時間が0時間となり、さらにBLD表示用のカウンター143Eが0時間になった場合と、二次電池7の電圧がシステム停止電圧Von未満に低下した場合である。
このため、充電検出手段6は、充電状態が検出されたか否かをチェックしている(S2)。
S2で充電状態が検出されるまでは、充電検出手段6による充電検出のチェックを継続する。
具体的には、運転再開部142は、検出電圧Vsが第1電圧範囲に含まれるかを判断し(S4)、S4でNoの場合、検出電圧Vsが第2電圧範囲に含まれるかを判断する(S5)。さらに、S5でNoの場合、検出電圧Vsが第3電圧範囲に含まれるかを判断し(S6)、S6でNoの場合、検出電圧Vsが第4電圧範囲に含まれるかを判断する(S7)。ここで、第4電圧範囲は下限値(Vind3)のみが設定されているため、検出電圧VsがVind3以上であればS7でYesと判断される。
さらに、運転再開部142は、S7でNoの場合、つまり、検出電圧Vsが第1電圧範囲の下限値(VBLD)未満の場合、検出電圧VsがBLD電圧範囲に含まれるかを判断する(S8)。
従って、システム停止電圧Vonは、運転再開を許可するか否かを判断するための運転再開電圧である。
検出電圧Vsが第1電圧範囲に含まれる場合(S4でYes)、運転再開部142は第1カウンター143Aに初期値をセットし、カウントをスタートする(S9)。第1カウンター143Aは、1日(24時間)をカウントするダウンカウンターである。このため、第1カウンター143Aには1日の運転持続時間を計時するための初期値がカウンタ値としてセットされ、1日の運転持続時間を計時するタイマー143が構成される。例えば、第1カウンター143Aが1秒毎にダウンカウントする場合、前記初期値は、60秒×60分×24時間=86400となる。従って、運転再開部142は、第1カウンター143Aに初期値86400をセットし、分周手段13から入力される1Hzの基準信号などを用いて、1秒毎にカウンター値を「1」ずつ減少させる。
検出電圧Vsが第2電圧範囲に含まれる場合(S5でYes)、運転再開部142は第1カウンター143Aおよび第2カウンター143Bに初期値をセットし、カウントをスタートする(S10)。第2カウンター143Bは、6日に対応する初期値がカウンタ値としてセットされる。従って、第1カウンター143Aおよび第2カウンター143Bによって、7日の運転持続時間を計時するタイマー143が構成される。
なお、複数のカウンターでタイマー143を構成する場合、カウントする期間が長いカウンターからダウンカウントをスタートする。このため、第1カウンター143Aおよび第2カウンター143Bを用いる第2電圧範囲では、最初に第2カウンター143Bでダウンカウントを行い、6日経過して第2カウンター143Bのカウンタ値が0になると、第1カウンター143Aでダウンカウントを行って1日をカウントする。すなわち、第1カウンター143Aおよび第2カウンター143Bによって、6日+1日=7日の期間がカウントされる。
検出電圧Vsが第3電圧範囲に含まれる場合(S6でYes)、運転再開部142は第1カウンター143A、第2カウンター143Bおよび第3カウンター143Cを初期値にセットし、カウントをスタートする(S11)。第3カウンター143Cは、23日に対応する初期値がカウンタ値としてセットされる。従って、第1カウンター143A、第2カウンター143Bおよび第3カウンター143Cによって、30日の運転持続時間を計時するタイマー143が構成される。
そして、第3電圧範囲では、最初に第3カウンター143Cでダウンカウントを行い、23日経過して第3カウンター143Cのカウンタ値が0になると、第2カウンター143Bでダウンカウントを行う。次に、6日経過して第2カウンター143Bのカウンタ値が0になると、第1カウンター143Aでダウンカウントを行う。すなわち、第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143Cによって、23日+6日+1日=30日(1ヶ月)の期間がカウントされる。
検出電圧Vsが第4電圧範囲に含まれる場合(S7でYes)、運転再開部142は第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143Cおよび第4カウンター143Dを初期値にセットし、カウントをスタートする(S12)。第4カウンター143Dは、150日に対応する初期値がカウンタ値としてセットされる。従って、第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143Cおよび第4カウンター143Dによって、180日の運転持続時間を計時するタイマー143が構成される。
そして、第4電圧範囲では、最初に第4カウンター143Dでダウンカウントを行い、150日経過して第4カウンター143Dのカウンタ値が0になると、第3カウンター143Cでダウンカウントを行う。次に、23日経過して第3カウンター143Cのカウンタ値が0になると、第2カウンター143Bでダウンカウントを行う。次に、6日経過して第2カウンター143Bのカウンタ値が0になると、第1カウンター143Aでダウンカウントを行う。すなわち、第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143C、第4カウンター143Dによって、150日+23日+6日+1日=180日(6ヶ月)の期間がカウントされる。
次に、通常運転モードS20の処理について、図7を参照して説明する。
通常運転モードS20では、時刻表示制御手段14は、時刻表示用モーター駆動手段15を制御して通常運針の処理を行う(S21)。この通常運針処理は、運転停止部141で運転が停止されるまで継続される。ただし、後述する持続時間表示処理S50や、BLD運転モードS30では、通常の運針とは異なる指針駆動制御が行われる。
一方、S23でNoと判定された場合、つまり充電検出が行われない場合は、前記タイマー更新処理S40は実行されることがない。
一方、S24でNoと判定された場合、時刻表示制御手段14は、持続時間表示処理を実行せずに通常運針処理(S21)に戻る。
従って、通常運転モードS20は、通常運転持続時間が0時間になるまで継続して実行される。
次に、タイマー更新処理S40の処理について、図8を参照して説明する。
タイマー更新処理S40が実行されると、タイマー更新部146は、電池電圧検出手段71で検出される二次電池7の電圧Vsを取得する(S41)。次に、タイマー更新部146は、検出電圧Vsがシステム停止電圧Von未満であるかを判定する(S42)。S42でYesと判定すると、運転停止部141が運針を停止し(S43)、運転停止時の動作処理である前述の運転停止モードS1を実行する。
なお、タイマー更新処理S40は、通常運転モード時で充電検出した場合に実行されるため、検出電圧Vsがシステム停止電圧Von未満になったり、VBLD未満になる可能性は殆どないが、本実施形態では電圧が低下した場合のエラー対策として、S42〜S44の処理を設定している。
その場合、タイマー更新部146は、作動中のタイマー143がカウントしている残り持続時間が、S41で検出した検出電圧Vsに応じて設定される運転持続時間つまり検出電圧Vsが含まれる第1〜第4電圧範囲によって設定されるタイマー143の初期値よりも長いかを判定する(S46)。
すなわち、タイマー更新部146は、作動中のタイマーを構成するカウンターに、検出電圧Vsが該当する電圧範囲よりも高い電圧範囲に対応するカウンターがあれば、S46でYesと判定する。
同様に、検出電圧Vsが第2電圧範囲であり、作動中のタイマー143の残り持続時間が7日よりも長い場合も、S46ではYesと判定され、タイマー更新部146は、タイマー143を設定し直すことは行わずに、現在稼働中のカウンターをそのまま利用する。この場合も、第3カウンター143Cが0時間になっているかを確認することなどで判定できる。
また、検出電圧Vsが第3電圧範囲であり、作動中のタイマー143の残り持続時間が30日よりも長い場合も、S46ではYesと判定され、タイマー更新部146は、タイマー143を設定し直すことは行わずに、現在稼働中のカウンターをそのまま利用する。この場合も、第4カウンター143Dが0時間になっているかを確認することなどで判定できる。
例えば、残り持続時間が5日間であり、検出電圧Vsが第3電圧範囲の場合、S46でNoと判定される。この場合、タイマー更新部146は、検出電圧Vsが含まれる第3電圧範囲に対応する設定されるタイマー143(第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143Cで構成されるタイマー143)に初期値をセットし、カウントをスタートする。
次に、持続時間表示処理S50の処理について、図9を参照して説明する。
持続時間表示処理S50が実行されると、持続時間表示制御部145は、電池電圧検出手段71で検出される二次電池7の電圧Vsを取得する(S51)。次に、持続時間表示制御部145は、検出電圧Vsが第1〜第4電圧範囲およびBLD電圧範囲に該当するかを判定する(S52〜S56)。
検出電圧Vsが第1電圧範囲に含まれる場合(S52でYes)、持続時間表示制御部145は第1カウンター143Aで構成されるタイマー143に初期値をセットし、カウントをスタートする(S57)。さらに、時刻表示用モーター駆動手段15を制御して、前述したインジケーターの5秒表示処理を実行する(S58)。
検出電圧Vsが第2電圧範囲に含まれる場合(S53でYes)、持続時間表示制御部145は第1カウンター143Aおよび第2カウンター143Bで構成されるタイマー143に初期値をセットし、カウントをスタートする(S59)。さらに、時刻表示用モーター駆動手段15を制御して、前述したインジケーターの10秒表示処理を実行する(S60)。
検出電圧Vsが第3電圧範囲に含まれる場合(S54でYes)、持続時間表示制御部145は第1カウンター143A、第2カウンター143Bおよび第3カウンター143Cで構成されるタイマー143に初期値をセットし、カウントをスタートする(S61)。さらに、時刻表示用モーター駆動手段15を制御して、前述したインジケーターの20秒表示処理を実行する(S62)。
検出電圧Vsが第4電圧範囲に含まれる場合(S55でYes)、持続時間表示制御部145は第1カウンター143A、第2カウンター143B、第3カウンター143Cおよび第4カウンター143Dで構成されるタイマー143に初期値をセットし、カウントをスタートする(S63)。さらに、時刻表示用モーター駆動手段15を制御して、前述したインジケーターの30秒表示処理を実行する(S64)。
また、S56でNoと判定された場合は、検出電圧Vsがシステム停止電圧Von未満であるため、運転停止部141が運針を停止し(S65)、運転停止時の動作処理である前述の運転停止モードS1を実行する。
次に、BLD運転モードS30について、図10を参照して説明する。なお、BLD運転モードS30は、前述したように、S8(図6)、S22(図7)、S44(図8)、S56(図9)において「Yes」と判定された場合に実行される。
次に、時刻表示制御手段14は、BLD運針を実行する(S32)。BLD運針は、例えば、秒針23を2秒毎に2秒分早送りするものであり、利用者に対して通常運針と異なるBLD運針が実行されていることを知らせることができればよい。
S34でNoと判定した場合、つまり二次電池7の電圧がBLD電圧範囲よりも高いレベルに復帰している場合には、時刻表示制御手段14は前述の通常運転モードS20を実行する。
S35でYesと判定した場合は、BLD運転期間が残っているので、S32の処理に戻ってBLD運針を継続する。
一方、S35でNoと判定した場合は、BLD運転期間が終了したので、運転停止部141は、運針を停止し(S36)、前述した運転停止モードS1を実行する。
(1)持続時間表示制御部145およびタイマー更新部146を備えているので、運転持続時間の表示を行った場合に、表示された持続時間よりも短い時間で運転が停止することを防止できるとともに、二次電池7が充電された場合には、二次電池7の電圧に応じて運転持続時間を適切に調整することができ、利便性を向上できる。
すなわち、ボタン8の操作で持続時間表示処理S50を行った場合、持続時間表示制御部145は、検出電圧Vsに応じてタイマー143を設定し直し、その検出電圧Vsに応じた持続時間を表示している。そして、タイマー更新部146は、充電状態が検出された場合のみ動作するため、発電手段4で発電が行われない場合は、表示した持続時間が経過した時点で通常運転を終了し、BLD運転モードに移行できる。
このため、発電手段4が作動されておらず、電子時計1が利用されていない可能性が高い場合には、運転状態を必要以上に継続して二次電池7の電圧がシステム停止電圧Von未満に低下することを防止できる。また、発電手段4が作動されて電子時計1が利用されている可能性が高い場合には、二次電池7の電圧に応じて持続時間を更新するため、電子時計1の利用中に運転が停止することも防止でき、利便性を向上できる。
例えば、タイマー更新部146を充電状態が検出されていない場合でも動作させると、検出電圧Vsが同じ電圧範囲に維持されている限り、持続時間が常に更新されるため、二次電池7の電圧がVBLD未満に低下するまで通常運転が継続してしまう。充電状態を検出できない場合は、電子時計1を利用していない可能性が高いため、無駄に電力を消費してしまうとともに、運転停止時の二次電池7の電圧が低くなり、運転再開時に二次電池7を充電しなければならない可能性が高く、電子時計1を即座に利用できないデメリットがある。
これに対し、本実施形態では、タイマー更新部146は、充電状態が検出された場合のみ動作するため、電子時計1で充電検出が行われない場合は、設定した持続時間が経過する時点でBLD運転モードS30に移行して運転を停止することができ、運転停止時の二次電池7の電圧も高く維持でき、運転再開時には電子時計1を即座に利用できる。
このため、表示した持続時間が経過する前に通常運転が終了してしまう不都合を防止できる。例えば、持続時間表示処理S50での検出電圧がVind3よりも僅かに高いため、持続時間が180日に設定された後、10日間運転された時点で充電検出が行われ、検出電圧Vsが第3電圧範囲になった場合、タイマーをその時点の検出電圧Vsに対応する持続時間に自動的に切り換えると、残り持続時間が170日であったものが30日に短縮してしまう。このため、利用者が認識していた持続時間よりも短い時点で通常運転が終了してしまうため、利用者は表示される持続時間を信頼できず、結果として利便性を損なう。
これに対し、本実施形態では、検出電圧Vsによる持続時間が、作動中のタイマー143の残り持続時間よりも短い場合は、作動中のタイマー143を継続して使用するため、表示した持続時間は運転を継続でき、利便性も向上できる。
特に、検出電圧Vsに応じて運転持続時間を設定できるので、発電手段4で発電が行われずに二次電池7に充電された電力のみで運転が前記持続時間だけ行われても、二次電池7の電圧がシステム停止電圧VonやBLD電圧範囲に低下することがないように設定できる。このため、運転停止中も、二次電池7をVBLD以上に維持することができ、発電手段4による発電が行われて充電状態が検出された際には、即座に運針を再開できて利用者は時間を確認でき、利便性を向上できる。
すなわち、一つのタイマーで複数の持続時間を管理する場合、異なる持続時間を設定できるように設計しなければならない。これに対し、本実施形態では、各カウンター143A〜143Dでカウント可能な最大値である初期値のセットを行うだけでよく、タイマーの設計構造を簡略化できる。
例えば、前記実施形態では、検出電圧Vsに応じてタイマー143で設定した通常運転の持続時間が0時間になった時点で通常運転を停止してBLD運転モードに移行し、BLD運転モードで所定時間(前記実施形態では24時間)経過した場合に運転を停止していたが、BLD運転モードに移行することなく、通常運転の持続時間が0時間になった時点で運転を停止してもよい。
さらに、検出電圧Vsに応じた持続時間を求める方法としては、電圧範囲を設定するものに限定されない。例えば、検出電圧Vsの値を代入することで持続時間を演算できる演算式を設定してもよい。
また、タイマー143としては、各電圧範囲に対応するカウンター143A〜143Dを組み合わせていたが、各電圧範囲の持続時間を計時するカウンターを個別に用いるものでもよい。例えば、1日を計時するカウンターと、7日を計時するカウンターと、30日を計時するカウンターと、180日を計時するカウンターとを用意し、いずれか1つのカウンターを選択して用いるようにしてもよい。
さらに、タイマー143は、複数の持続時間を計時可能に構成した1つのカウンターで構成してもよい。
Claims (6)
- 発電手段と、
前記発電手段で発電された電気エネルギーを蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄積された前記電気エネルギーで運転される装置と、
前記蓄電手段の充電状態を検出する充電検出手段と、
前記蓄電手段の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記装置の運転持続時間の表示を指示する表示操作手段と、
前記装置の運転持続時間を表示する持続時間表示手段と、
前記装置の運転状態を制御する運転制御手段とを備え、
前記運転制御手段は、
前記装置を運転停止状態に制御する運転停止部と、
前記装置が運転停止状態となっている場合に、前記装置の運転を再開する運転再開部と、
前記表示操作手段が操作された場合に、前記持続時間表示手段を作動して運転持続時間を表示する持続時間表示制御部と、
前記運転持続時間の残存時間を計時するタイマーと、
前記タイマーの作動中に前記充電検出手段で充電状態を検出した場合に、前記タイマーの残存時間を更新するタイマー更新部とを備え、
前記運転再開部は、前記充電検出手段で充電状態を検出した際に、前記電圧検出手段で検出された検出電圧が運転再開電圧よりも大きい場合は、前記装置の運転を再開し、前記検出電圧に応じた運転持続時間を設定して前記タイマーを作動させ、
前記運転停止部は、前記タイマーの残存時間が0になった場合に前記装置を運転停止状態に制御し、
前記持続時間表示制御部は、前記表示操作手段が操作された場合に、前記電圧検出手段で検出された検出電圧に応じた運転持続時間を前記持続時間表示手段で表示し、かつ、前記運転持続時間を設定して前記タイマーを作動させ、
前記タイマー更新部は、
前記電圧検出手段で検出された検出電圧に応じた運転持続時間が、前記作動中のタイマーの残存時間よりも長い場合は、前記タイマーの残存時間を前記検出電圧に応じた運転持続時間に更新する
ことを特徴とする発電機能付き電子機器。 - 請求項1に記載の発電機能付き電子機器において、
前記運転持続時間は、予め区分された複数の電圧範囲毎に設定され、
前記検出電圧に応じた運転持続時間は、前記検出電圧が該当する電圧範囲に設定された運転持続時間である
ことを特徴とする発電機能付き電子機器。 - 請求項2に記載の発電機能付き電子機器において、
前記タイマーは、前記複数の電圧範囲に対応する複数のタイマーを備えて構成され、検出電圧に応じた運転持続時間を設定する場合には、その検出電圧が含まれる電圧範囲に対応するタイマーと、その電圧範囲よりも低い電圧範囲に対応するタイマーとを組み合わせて運転持続時間を設定する
ことを特徴とする発電機能付き電子機器。 - 請求項2または請求項3に記載の発電機能付き電子機器において、
前記タイマーは、通常運転モードの残存時間を計時するタイマーと、低電圧状態を警告するBLD運転モードの残存時間を計時するタイマーとを備え、
前記運転制御手段は、通常運転モードの残存時間を計時するタイマーの残存時間が0時間になった場合、前記BLD運転モードで前記装置を運転し、
前記運転停止部は、BLD運転モードの残存時間を計時するタイマーの残存時間が0時間になった場合に、前記装置を運転停止状態に制御する
ことを特徴とする発電機能付き電子機器。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の発電機能付き電子機器において、
前記装置は、時刻を表示する時刻表示手段であり、
前記運転制御手段は、前記時刻表示手段で表示される時刻を修正する時刻修正状態になった場合も、前記タイマーの作動を継続する
ことを特徴とする発電機能付き電子機器。 - 発電手段と、
前記発電手段で発電された電気エネルギーを蓄積する蓄電手段と、
前記蓄電手段に蓄積された前記電気エネルギーで運転される装置と、
前記蓄電手段の充電状態を検出する充電検出手段と、
前記蓄電手段の電圧を検出する電圧検出手段と、
前記装置の運転持続時間の表示を指示する表示操作手段と、
前記装置の運転持続時間を表示する持続時間表示手段と、
前記装置の運転状態を制御する運転制御手段とを備える発電機能付き電子機器の制御方法であって、
前記運転制御手段は、前記運転持続時間の残存時間を計時するタイマーを備え、
前記表示操作手段が操作された場合に、前記電圧検出手段で検出された検出電圧に応じた運転持続時間を前記持続時間表示手段で表示し、かつ、前記運転持続時間を設定して前記タイマーを作動させる持続時間表示処理と、
前記電圧検出手段で検出された検出電圧に応じた運転持続時間が、前記作動中のタイマーの残存時間よりも長い場合は、前記タイマーの残存時間を前記検出電圧に応じた運転持続時間に更新する更新処理と、
前記タイマーの残存時間が0になった場合に前記装置を運転停止状態に制御する運転停止処理と、
前記充電検出手段で充電状態を検出した際に、前記電圧検出手段で検出された検出電圧が運転再開電圧よりも大きい場合は、前記装置の運転を再開し、前記検出電圧に応じた運転持続時間を設定して前記タイマーを作動させる運転再開処理と、
を実行することを特徴とする発電機能付き電子機器の制御方法。
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