JP6019319B2 - 水素製造装置、及びそれを用いた水素製造方法 - Google Patents

水素製造装置、及びそれを用いた水素製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、水素製造装置、及びそれを用いた水素製造方法に関する。
環境問題の取り組みの一つとして、水素エネルギーの有効利用が注目を集めている。水素エネルギーは非常にクリーンなエネルギー源であるので、例えば、現在、研究開発が盛んに行われている燃料電池の燃料として水素は非常に頻繁に利用されている。水素を得るための製造技術は様々なものが技術開発されているが、中でも、近年注目されているのは無尽蔵に存在する太陽エネルギーを用いて、無尽蔵に存在する水を分解して水素を製造する技術である。
例えば、特許文献1には、水の光分解反応により水素及び酸素を製造する装置であって、可視光応答性光触媒、レドックス媒体及び対極を含む水素生成セルと、半導体電極を有する酸素生成セルと、前記対極と前記半導体電極を導通する手段とを備えたことを特徴とする水素および酸素の製造装置が提案されている。特許文献1の発明によれば、導線などによって導通された多室セルの水素生成用セルに色素増感光触媒等の可視光応答性光触媒とレドックス媒体の溶液を含み、一方の酸素生成用セルには半導体薄膜電極を電解質溶液中に浸し、半導体薄膜電極から水素生成室の対極へ単に導線をつなぐ構造とすることで、簡便な構造でありながら、外部バイアスの印加なしに光照射のみで水を水素と酸素分解可能であり、従来の光触媒水分解システムで問題であった効率の低さおよび水素と酸素が混合気体で生成することによる爆発の危険性を解決することができ、また、半導体薄膜電極に紫外光を含む短波長の光を吸収させ、通過した残りの長波長の可視光を色素増感光触媒等の可視光応答性光触媒に吸収させることで広い範囲の太陽光を効率良く利用することが可能となると、記載されている。また、例えば、特許文献2には、(a)水を分解して、水素及び酸素を含有する第1の原料ガスを得る、水分解工程、(b)酸素分離膜又は水素分離膜によって、前記第1の原料ガスに含有される酸素を少なくとも部分的に分離及び除去して、前記第1の原料ガスよりも酸素濃度が低い第2の原料ガスを得る、第1の酸素除去工程、(c)前記第2の原料ガス中の酸素を、水素と反応させて水として除去して、又は吸着媒体に吸着させて除去して、前記第2の原料ガスよりも酸素濃度が低い第3の原料ガスを得る、第2の酸素除去工程、並びに(d)前記第3の原料ガス中の水素を窒素と反応させて、アンモニアを合成する、アンモニア合成工程、を含む、アンモニア合成方法が提案されている。特許文献2の発明のアンモニア合成方法によれば、水を分解して得た水素及び酸素を含有する原料ガスからの酸素の除去のために、酸素分離膜又は水素分離膜による酸素の分離、そして酸素と水素との反応による水の生成又は吸着媒体による水素の吸着を用いることによって、水を水素源として用いた場合にも効率的にアンモニアを合成することができ、特に、水を直接熱分解又は熱化学分解によって分解して水素及び酸素を含有する原料ガスを得る場合には、得られる原料ガスは一般に酸素を含有しており、この場合には、本発明のアンモニア合成方法によって顕著な効果が得られると、記載されている。さらに、例えば、特許文献3には、鉄(III)イオンを含む水溶液から光エネルギーと光触媒を用いて酸素発生させる工程と、鉄(III)イオンを光触媒の存在下で鉄(II)イオンに還元する工程と、この工程で生成した鉄(II)イオンを含む水溶液を電解して鉄(III)イオンを再生させるとともに水素を発生させる電解工程からなることを特徴とする水素の製造方法が提案されている。特許文献3の発明によれば、通常の電気分解と比較して非常に僅かな電力で水を分解し、水素を得ることができ、通常の水の電気分解は1.5V以上の2V近い電圧で水を分解しているが、光触媒反応により高濃度のFe2+イオンを含む水溶液を生成できれば、最高で0.7V程度まで電解電圧を下げることができるので、結果的に大幅な省電力化になり、光触媒反応を太陽光で行い、かつ、電力を太陽電池で生み出せれば効率の高い太陽エネルギー変換システムが構築できると、記載されている。
また、例えば、特許文献4には、二酸化イオウとヨウ素と水を熱化学的に反応させてヨウ化水素と硫酸を生成される第1段工程、該硫酸を熱化学的に分解して水と二酸化イオウと酸素を生成させる第2段工程、該ヨウ化水素を、光触媒の存在下で、可視光線及び/又は紫外線領域の光エネルギーで分解して水素とヨウ素を生成させる第3段工程、とを組み合わせたことを特徴とする水素の製造方法が提案されている。特許文献4の発明方法は、第3段工程の反応は常温下で、光エネルギーの投入によって進行するので、全体として消費する熱エネルギーが大幅に節減され、また、装置が簡単で、かつ、全工程における反応制御も容易となる、などの効果を奏するのでその工業的価値は大であると、記載されている。さらに、例えば、特許文献5には、フェライトを反応媒体として使用する二段階水分解熱化学サイクルによる水素製造法において、前記反応媒体を構成するフェライト微粉がジルコニア微粉に担持されている水の分解による水素製造法が提案されている。特許文献5によると、反応媒体であるフェライトの結晶成長を抑え、サイクル反応性を維持することができ、ジルコニア自体の反応媒体としての機能が加わり、水素発生量が増大し、二段反応において酸素放出温度が低温化され、この低温化に伴ってクエンチを必要とせず、したがって大型設備を必要とせず、ゆえに、太陽エネルギーなどの自然の熱エネルギーを水素の化学エネルギーに変換する方法の実現化が可能となると、記載されている。
しかしながら、水素エネルギーの確実な確保という観点から、水素製造技術の更なる改良が望まれているのが現状である。
特開2006−089336号公報 特開2010−159194号公報 特開平11−157801号公報 特開昭59−083903号公報 特開2004−269296号公報
本発明は、酸化還元媒体による水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含むことによって、太陽光の全波長域の光(紫外光〜可視光〜赤外光)を効率良く利用することでき、かつ、利用される熱を低熱に抑えることできる水素製造装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、水素製造装置を用いて水素を製造する水素製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための手段は、以下の第(1)項〜第(8)項である。
(1)酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、その水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含むことを特徴とする、水素製造装置。
(2)その酸化還元媒体が鉄イオンであることを特徴とする、第(1)項に記載の水素製造装置。
(3)その熱を利用する水の還元反応手段が、次の反応式(1)で表される反応を含むことを特徴とする、第(2)項に記載の水素製造装置。
Figure 0006019319
(その反応式(1)中のそのMは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
(4)その反応式(1)中のそのMが、Co2+又はNi2+であることを特徴とする、第(3)項に記載の水素製造装置。
(5)その熱を利用する水の還元反応手段が、次の反応式(2)で表される反応を含むことを特徴とする、第(2)項に記載の水素製造装置。
Figure 0006019319
(その反応式(2)中のそのMは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
(6)その光触媒を利用する水の酸化反応手段が、次の反応式(5)で表される反応を含むことを特徴とする、第(2)項から第(5)項のいずれか1項に記載の水素製造装置。
Figure 0006019319
(7)その水分解反応手段が、順に、次の反応式(1)で表される反応、次の反応式(3)で表される反応、及び次の反応式(5)で表される反応を含んだ手段を1サイクルとして、該サイクルが少なくとも1回、行われることを特徴とする、第(2)項に記載の水素製造装置。
Figure 0006019319
(8)第(1)項から第(7)項のいずれか1項に記載の水素製造装置を用いて水素を製造することを特徴とする、水素製造方法。
本発明によれば、酸化還元媒体による水分解反応手段に、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とが含まれることによって、太陽光の全波長域の光(紫外光〜可視光〜赤外光)を効率良く利用することでき、かつ、利用される熱を低熱に抑えることできる水素製造装置が提供される。さらには、本発明によれば、水素製造装置を用いて水素を製造する水素製造方法が提供される。
図1は、本発明の水素製造装置の1つの態様である、水素製造装置100を示す図である。 図2は、本発明の水素製造装置の1つの態様である、水素製造装置200を示す図である。 図3は、本発明の水素製造装置に含まれる水の還元反応手段の装置300を示す図である。
(1)水素製造装置
本発明による水素製造装置は、酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、水分解反応手段が光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含むことを特徴とする、水素製造装置である。本発明による水素製造装置に含まれる酸化還元媒体による水分解反応手段は、光触媒を利用する水の酸化反応(光触媒反応)手段と、熱を利用する水の還元反応(熱化学反応)手段との2段階水分解反応手段を含むので、太陽光の全波長域の光(紫外光〜可視光〜赤外光)を効率良く利用することでき、かつ、利用される熱を低熱に抑えることできる。そして、太陽光の全波長域の光(紫外光〜可視光〜赤外光)を効率良く利用することでき、かつ、利用される熱を低熱に抑えることできるので、本発明による水素製造装置は、太陽光受光面積を抑制できる。これに伴い、光触媒反応器や反射鏡又は集光鏡の面積と集光熱管の長さが抑制でき、それに必要な材料の種類及び必要量、並びに部品点数を必要最小限に抑えることが可能であるので、コストパフォーマンスに優れた水素製造装置である。
熱を利用する水の還元反応手段は、太陽光の可視光〜赤外光の領域の光を、集光器等を用いて集光することによって熱に変換し、その熱を利用して集光熱管等を用いて実行される。可視光〜赤外光の領域の光の波長は600nm以上であることが好ましく、500nm以上であることがより好ましい。また、光触媒を通過後の太陽光を利用する場合は、光触媒で吸収できない波長以上になるようにすれば、太陽光の全波長域を効率よく利用できる。また、水の還元反応手段で利用する熱は、工業廃熱等により得られる熱でもよい。
水の分解を、熱化学反応を利用して行うとき、水の還元反応は水の酸化反応と比べて非常に低温で実行することが可能であるため、本発明による水素製造装置に含まれる水の還元反応手段において、利用する熱は低熱に抑えることができる。水の還元反応が吸熱反応であるので高温が好ましく、一方で集光太陽光を利用する観点からは熱の集め易さや構造物の耐熱の点で低温が好ましいので、好ましい反応温度が存在する。ここで、低熱とは水の還元反応手段を実行する反応温度に必要な熱量であり、このとき水の還元反応手段を実行する温度は500℃以下であり、400℃以下であることが好ましく、350℃以下であることがより好ましい。また、200℃以上であることが好ましく、250℃以上であることがより好ましい。
光触媒を利用する水の酸化反応手段は、太陽光の紫外光〜可視光の領域の光を利用して、例えば、光触媒反応器等を用いて実行される。利用可能な波長は光触媒の種類や性能によるが、たとえば紫外光〜可視光の領域の光の波長は400〜550nmである。
光触媒は、太陽光の紫外光〜可視光の領域の光を利用して水の酸化反応手段が実行されれば、特に限定されることはないが、例えば、二酸化チタン、酸化タングステン、三酸化二鉄等が挙げられ、酸化タングステンが好ましい。
本発明による水素製造装置に含まれる水分解反応手段は酸化還元媒体を用いる。酸化還元媒体は、鉄イオンであることが好ましく、酸化体がFe3+であり、かつ、還元体がFe2+であることがより好ましい。
本発明による水素製造装置に含まれる、熱を利用する水の還元反応手段は、次の反応式(1)で表される反応を含むことが好ましい。
Figure 0006019319
(反応式(1)中のMは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
反応式(1)中のMが少なくとも1種の2価の金属イオンであるということの「少なくとも1種の2価の金属イオン」とは、1種の2価の金属イオンという意味でもよいし、2種以上の2価の金属イオンの混合物という意味でもよい。反応式(1)中のMが、水の還元反応を促進するために、Ni2+又はCo2+であることが好ましく、更なる反応促進性の観点から、Co2+であることがより好ましい。
本発明による水素製造装置に含まれる、熱を利用する水の還元反応手段は、次の反応式(2)で表される反応を含むことが好ましい。
Figure 0006019319
(反応式(2)中のMは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
反応式(2)中のMが少なくとも1種の2価の金属イオンであるということの「少なくとも1種の2価の金属イオン」とは、1種の2価の金属イオンという意味でもよいし、2種以上の2価の金属イオンの混合物という意味でもよい。反応式(2)中のMが、水の還元反応を促進するために、Ni2+又はCo2+であることが好ましく、更なる反応促進性の観点から、Co2+であることがより好ましい。
本発明による水素製造装置に含まれる、光触媒を利用する水の酸化反応手段は、次の反応式(5)で表される反応を含むことが好ましい。
Figure 0006019319
本発明による水素製造装置に含まれる、水分解反応手段が、順に、次の反応式(1)で表される反応、次の反応式(3)で表される反応、及び次の反応式(5)で表される反応を含んだ手段を1サイクルとして、そのサイクルが少なくとも1回行われることが好ましく、そして、そのサイクルが、繰り返し連続して行われることがより好ましい。
Figure 0006019319
本発明による水素製造装置に含まれる、水分解反応手段が、順に、次の反応式(2)で表される反応、次の反応式(4−1)及び(4−2)で表される反応、及び次の反応式(5)で表される反応を含んだ手段を1サイクルとして、そのサイクルが少なくとも1回行われることが好ましく、そして、そのサイクルが、繰り返し連続して行われることがより好ましい。
Figure 0006019319
本発明による水素製造装置は、本発明による水素製造装置に含まれる水分解反応手段を含めば、任意の手段、任意の部品等を含んでもよい。本発明による水素製造装置は、本発明による水素製造装置に含まれる水分解反応手段の他に、例えば、特に限定されることはないが、集光手段、熱交換手段、保温手段、水素精製手段、塩化水素分離手段、フェライト回収手段、フェライト溶解促進手段、式(1),(2)を行う際に水溶液を集光器内に導入する導入手段等を含んでよく、反射鏡、集光鏡(パラボリックトラフ式、パラボリックディッシュ式、タワー式等)、集光レンズ、集光熱管、光触媒反応器、光触媒担体、保温構造、熱交換器、水素分離膜等を備えてもよい。
以下、図1及び図2を参照しながら、本発明による水素製造装置について更に詳細に説明をする。なお、本発明による水素製造装置は、本発明の目的及び主旨を逸脱しない範囲内で、図1及び図2の本発明の実施の形態に限定されるものではない。
図1は、本発明の実施の形態に係る水素製造装置の1つの態様である、水素製造装置100を示す図である。本発明の実施の形態に係る水素製造装置100は、主に、光触媒反応器(101)と、反射鏡(103)と、集光熱管(104)とから構成される。水の酸化反応が行われる光触媒反応器(101)を透過した太陽光が反射鏡(103)を介して、水の還元反応が行われる集光熱管(104)へ集まるように、一体化されている。
光触媒反応器(101)では、太陽光の紫外光〜可視光の領域の光を利用して、光触媒(102)下で、次の反応式(5)で表される水の酸化反応が実行される。
Figure 0006019319
光触媒(102)は、例えば、特開平11−157801に開示されているものが利用でき、酸化タングステンWO3、二酸化チタンTiO2等が用いられる。光触媒(102)とFe24と塩酸水溶液、硫酸水溶液等の酸性水溶液とを混合して、光触媒(102)含有の塩化鉄(III )水溶液、硫酸鉄(III )等のFe3+の酸性水溶液を調製する。次に平面状のガラス容器である光触媒反応器(101)の左下から、光触媒(102)含有の塩化鉄(III )水溶液、硫酸鉄(III )等のFe3+の酸性水溶液を入れて、光触媒反応器(101)内で循環させる。光触媒反応器(101)内では光触媒(102)が太陽光の紫外光〜可視光の領域の光を利用して、反応式(5)に示すとおり、Fe2+が生成される。なお、光触媒(102)を混合させたが、光触媒反応器(101)内に所定の光触媒担体を用いて配置するようにしてもよい。
集光熱管(104)では、太陽光の可視光〜赤外光の領域の光を、反射鏡(103)を用いて集光する。そして、集光することによって生じた熱を利用して、集光熱管(104)内を250℃以上に加熱して、次の反応式(1)又は(2)で表される水の還元反応が実行される。
Figure 0006019319
光触媒(102)を通過したFe2+を含んだ液体(水溶液)にNiCl2又はCoCl2が添加され、図示しないポンプ手段により集光熱管(104)へ流入する。集光熱管(104)では太陽光の可視光〜赤外光の領域の光を、反射鏡(103)を用いて集光する。そして、集光することによって生じた熱を利用して反応式(1)又は(2)で表される反応が生じ、水素が発生する。発生した水素は水素分離膜などを備えた水素精製手段にて分離される。
上記サイクルを繰り返す場合は、水素精製手段を通過した液体(水溶液)を、フェライト溶解促進手段、フェライト回収手段、塩化水素分離手段等を用いてFe3+イオンを精製する。例えば、反応式(3)か、反応式(4−1)及び(4−2)に示すように、塩化水素を加えてフェライトを溶解させ、水酸化ナトリウムを加えて塩化ナトリウムとして塩化水素を分離してFe3+イオンを精製し、光触媒反応器(101)へ循環させる。その際、熱交換手段で所定の温度に調整しても良い。また、消費された水は追加するが、水以外は再利用してもよい。サイクルを繰り返す場合は、光触媒を通過後のFe2+を含んだ液体(水溶液)にNiCl2又はCoCl2を添加することを省略してもよい。
図2は、本発明の実施の形態に係る水素製造装置の1つの態様である、水素製造装置200を示す図である。本発明の実施の形態に係る水素製造装置200は、主に、光触媒反応器(201)と、集光鏡(202)と、集光熱管(203)とから構成される。図1に示される水素製造装置100と異なり、図2に示される水素製造装置200は、光触媒反応器(201)と、集光熱管(203)(集光鏡(202)を含めて)とが分離した構造である。
光触媒反応器(201)では、太陽光の紫外光〜可視光の領域の光を利用して、光触媒下で、次の反応式(5)で表される水の酸化反応が実行される。
Figure 0006019319
集光熱管(203)では、太陽光の可視光〜赤外光の領域の光を、集光鏡(202)を用いて集光する。そして、集光することによって生じた熱を利用して、集光熱管(203)内を250℃以上に加熱して、次の反応式(1)又は(2)で表される水の還元反応が実行される。
Figure 0006019319
(2)水素製造方法
本発明による水素製造方法は、本発明の水素製造装置を用いて水素を製造する方法である。本発明による水素製造方法は、本発明の水素製造装置を用いれば、任意の手段、任意の工程等を含んでもよい。本発明による水素製造方法は、本発明の水素製造装置の他に、例えば、特に限定されることはないが、水素・酸素捕集工程等を含んでもよい。
以下、本発明をより具体的に説明するための実施例を提供する。なお、本発明は、その目的及び主旨を逸脱しない範囲で以下の実施例に限定されるものではない。以下の実施例は、本発明による水素製造装置を用いて、水素の発生量(水素製造量)について、NiCl2及びCoCl2の効果を確認した。
実施例1
(水の酸化反応手段)
2gの光触媒WO3と、0.95×10-4(mol)のFe34と、100mlの塩酸水溶液(pH2)とを混合して、光触媒含有の塩化鉄(III )の水溶液を調製し、内部照射型反応容器に仕込み、閉鎖循環系にセットした。光源はハロゲンランプ100ワットにエアマス1.5フィルタを透過させて、波長を約450nmに調整したものを用い、攪拌しながら光を照射した。光触媒反応によって発生した気体をガスクロマトグラフで分析したところ、酸素の発生を確認した。また、塩化鉄(II)1.89×10-4(mol)の水溶液を得たことを確認した。
(水の還元反応手段)
図3に示すように、石英製の反応容器(石英管)(302)に、塩化鉄(II)1.89×10-4(mol)の水溶液を染み込ませた担体としてのシリカゲル1gを充填した。この(石英管)(302)を、マントルヒーター(303)を用いて、温度を調整しつつ、水蒸気をキャリアガスとしてのN2と共に通過させた。排出された水蒸気を水蒸気トラップ(306)で冷却し、ガスクロマトグラフ(307)で発生した水素濃度を測定した。
実施例2
(水の酸化反応手段)
0.95×10-4(mol)のFe34に替えて0.61×10-4(mol)のFe34を用いた以外は、実施例1と全く同様な方法を使用して、塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液を得た。
(水の還元反応手段)
塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液とNiCl21.54×10-4(mol)の水溶液とを染み込ませた以外は実施例1と全く同様な方法で水素を発生させて、水素濃度を測定した。
実施例3
(水の酸化反応手段)
0.95×10-4(mol)のFe34に替えて0.61×10-4(mol)のFe34を用いた以外は、実施例1と全く同様な方法を使用して、塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液を得た。
(水の還元反応手段)
塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液とNiCl20.77×10-4(mol)の水溶液とを染み込ませた以外は実施例1と全く同様な方法で水素を発生させて、水素濃度を測定した。
実施例4
(水の酸化反応手段)
0.95×10-4(mol)のFe34に替えて0.61×10-4(mol)のFe34を用いた以外は、実施例1と全く同様な方法を使用して、塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液を得た。
(水の還元反応手段)
塩化鉄(II)1.26×10-4(mol)の水溶液とCoCl20.63×10-4(mol)の水溶液とを染み込ませた以外は実施例1と全く同様な方法で水素を発生させて、水素濃度を測定した。
実験結果
下記の表1に示すとおり、各実施例において水素の発生が確認できた。また、実施例1にくらべて実施例2〜4は水素発生量(水素製造量)が多く、水の還元反応促進についてNiCl2やCoCl2を用いる事が良好であることを確認することができた。また350℃において実施例2,3にくらべて実施例4は水素発生量(水素製造量)が多く、水の還元反応促進についてCoCl2を用いる事がより好ましいことを確認することができた。
Figure 0006019319
100 水素製造装置
101 光触媒反応器
102 光触媒
103 反射鏡
104 集光熱管
200 水素製造装置
201 光触媒反応器
202 集光鏡
203 集光熱管
300 水の還元反応手段の装置
301 水蒸気発生装置
302 石英管
303 マントルヒーター
304 温調器
305 TC(熱電対)
306 水蒸気トラップ
307 ガスクロマトグラフ

Claims (6)

  1. 酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、該水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含み、
    前記酸化還元媒体が鉄イオンであり、
    前記熱を利用する水の還元反応手段が、次の反応式(1)で表される反応を含むことを特徴とする、水素製造装置。
    Figure 0006019319
    (該反応式(1)中の該Mは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
  2. 前記反応式(1)中の前記Mが、Co 2+ 又はNi 2+ であることを特徴とする、請求項1に記載の水素製造装置。
  3. 酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、該水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含み、
    前記酸化還元媒体が鉄イオンであり、
    前記熱を利用する水の還元反応手段が、次の反応式(2)で表される反応を含むことを特徴とする、水素製造装置。
    Figure 0006019319
    (該反応式(2)中の該Mは、少なくとも1種の2価の金属イオンである。)
  4. 酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、該水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含み、
    前記酸化還元媒体が鉄イオンであり、
    前記光触媒を利用する水の酸化反応手段が、次の反応式(5)で表される反応を含むことを特徴とする、水素製造装置。
    Figure 0006019319
  5. 酸化還元媒体による水分解反応手段を含む水素製造装置であって、該水分解反応手段が、光触媒を利用する水の酸化反応手段と、熱を利用する水の還元反応手段とを含み、
    前記酸化還元媒体が鉄イオンであり、
    前記水分解反応手段が、順に、次の反応式(1)で表される反応、次の反応式(3)で表される反応、及び次の反応式(5)で表される反応を含んだ手段を1サイクルとして、該サイクルが少なくとも1回、行われることを特徴とする、水素製造装置。
    Figure 0006019319
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の水素製造装置を用いて水素を製造することを特徴とする、水素製造方法。
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