JP6007454B2 - 水分センサ - Google Patents
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Description
(b)微弱でも電流が流れるので、防爆が要求される場所や環境では使用できない。
(c)長期間使用して伝送ケーブルの絶縁性が低下してくると、データの信頼性が問題となる。
(d)伝送ケーブルが比較的太いので、多点計測の場合には膨大な伝送ケーブルの引き回しが必要となり、センサの配置などが煩雑で、場合によっては構造物本体に弱部を形成することになる。
(e)落雷でセンサならびに測定システムにダメージを受けやすく、最悪の場合は全壊することもある。
(b)本質的に完全防爆であるから、使用環境に制限されることがない。
(c)電気的な絶縁不良は発生しない。
(d)光ファイバーは緩衝層を含めた外径が通常、0.25mmと電線に比べて細いので、ケーブルの引き回しが問題にはならない。
(e)本質的に絶縁体なので落雷による影響はない。
非特許文献3:Alessi,R.S.,L.Prunty :Soil-water Determination Using Fiber Optics,Soil Sci,Soc.Am,Vol.50,pp.860-863,1986.
この非特許文献3に記載の研究では、光ファイバーセンサにより、ガラスビーズと砂質土に対して含水量を測定している。具体的には、容器内に試料を詰め、空気圧を増加させて水分量を調整した上で、得られた電圧と圧力及び体積含水率のそれぞれの関係から、線形関係で相関できる結果を得ている。
この非特許文献4に記載の研究では、分布型ブルリアン散乱光ファイバーセンサを用いて低透水性物質の水分を吸収し、ポリマーが膨潤することによる光ファイバーの引っ張り歪,ポリマーが乾燥することによる光ファイバーの圧縮歪をブルリアン散乱シフトとして、そのシフト量を計測している。
またその他に土中の水分センサに関しては、例えば下記特許文献1,2ならびに非特許文献1,2などを挙げることができる。
さらに、前記非特許文献4の従来技術では、計測可能な含水率が0〜30%の範囲であり、飽和状態に近い含水率の計測は難しいことが記載されている。
本発明の目的は、このような従来技術の欠点を解消し、正確に水分量の測定が可能で実用的な水分センサを提供することにある。
吸水あるいは乾燥の状態によって膨潤・収縮する膨潤材料と、
その膨潤材料を充填・保持する膨潤材料保持部と、
その膨潤材料保持部に充填された前記膨潤材料の吸水による膨潤圧で弾性変形するメンブレムと、
そのメンブレムの歪量を検出する圧力センサを備え、
前記圧力センサは、前記メンブレムの歪量を検出するセンサ部を設けた光ファイバーを有し、前記メンブレムの弾性変形によって生じる歪が前記光ファイバーの光軸方向に作用するように構成され、
前記膨潤材料保持部は、両端に開口部を有する筒形をしており、
その膨潤材料保持部の一方の開口部が前記メンブレムによって閉塞され、
前記圧力センサを収納したケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記膨潤材料保持部の周壁と前記メンブレムによって形成される断面形状が凹状の空間部内に前記膨潤材料が充填されて、
水分が含有される被測定物の面に前記膨潤材料保持部の他方の開口部を当接して、前記膨潤材料の一部を前記被測定物の面に直接接触させることを特徴とするものである。
前記ケーシングがコップ形をしており、そのケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記圧力センサが、
側面形状が略コ字状をした変位−歪変換部材を有し、その変位−歪変換部材の一端が前記メンブレムに取り付けられ、変位−歪変換部材の他端が前記ケーシングの底部に取り付けられて、
前記変位−歪変換部材の中間部で一方側に突出した橋状部の側面に、前記光ファイバーのセンサ部が貼り付けられていることを特徴とするものである。
前記ケーシングがコップ形をしており、そのケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記圧力センサが、
前記メンブレムから前記ケーシングの底部に向けて取り付けられた変位伝達部材と、
前記ケーシングの底部から前記変位伝達部材に向けて取り付けられたファイバー支持部材と、
前記変位伝達部材と前記ファイバー支持部材の間に形成された隙間部に前記センサ部が配置されるように、前記変位伝達部材から前記ファイバー支持部材に掛けて固定された光ファイバーから構成されていることを特徴とするものである。
前記センサ部が、当該光ファイバーのコア部の光軸線上に屈折率の異なる回折格子を一定の間隔で並設した構成によっていることを特徴とするものである。
前記第4の手段に記載のセンサ部が1本の光ファイバーに対して任意の間隔をおいて複数個取り付けることができることを特徴とするものである。
前記センサ部が、当該光ファイバーのコア部の光軸線上に第1の半透過ミラーと第2の半透過ミラーを空隙を介して対向・配置して、前記第1の半透過ミラーで反射した第1の反射光と、前記第2の半透過ミラーで反射した第2の反射光を、波長毎に分離して干渉させる構成になっていることを特徴とするものである。
前記膨潤材料が、ウレタン系の膨潤性ゴム材料であることを特徴とするものである。
光ファイバーを用いた水分センサを検討する上で、計測システムの精度や大きさなどを考慮すると、FBG方式またはFPI方式が例えばOTDR方式、B−OTDR方式、R−OTDR方式などの他の方式に比べて特に好適である。
前記FBGは、Fiber Bragg Gratingの略で、光ファイバーのコア部の一部に回折格子と呼ばれる屈折率の異なる部分を一定間隔で格子状に並べることにより、その間隔に比例した特定の波長の光だけが反射される。この部分をFBGセンサ部として利用するものである。真空中の光の速度に対応した反射波長λ0は、下記(1)式によって示される。
λ0=2nD・・・(1)
式中λ0は反射波長、nは屈折率、Dは回折格子の間隔である。
(∂λ/λ)=Aε+BdT・・・(2)
式中λは波長、A、Bは係数、εは歪、Tは温度である。
図4は、FBG方式における光ファイバー式圧力センサの原理説明図で、同図(a)は複数個のFBGセンサ部を備えた光ファイバーの側面図、同図(b)はFBGセンサ部の内部の状態を示す拡大図である。図5はFBG圧力・温度センサの一例を示す構成図、図6はFBGセンサ部に入射される入力光、FBGセンサ部の回折格子で反射される反射光、FBGセンサ部の回折格子を透過する透過光の波形図である。
一般に膨潤材料は、合成ゴム、スポンジ状ゴム、高吸水高吸湿繊維(不織布)、高分子ポリマーの4種類に分類される。図8は各膨潤材料の試料No.と材料名(記号で簡略表示)と材料形状をまとめた図表、図9は各膨潤材料の膨潤性、収縮性、耐久性、加工性ならびに水質依存性について検討した結果をまとめた図表である。
図1は、本発明の第1実施例に係る水分センサの断面図である。
図1に示すように、コップ形をした例えばステンレス鋼などの金属あるいは硬質合成樹脂からなるケーシング21の下端開口部は、蓋形をした例えばステンレス鋼あるいは硬質合成樹脂などの剛性材料からなる保持ブロック22で閉塞されている。具体的には、ケーシング21の下端開口部に保持ブロック22が螺合されている。保持ブロック22の略中央部には平面形状が円形で容器型(断面凹型)をした収納部23が一体に設けられており、収納部23はケーシング21の下端部よりも若干突出して凸型構造になっている。
収納部23の内側には、ウレタン系の膨潤性ゴム材料からなる前記試料No.9の膨潤材料25が充填されている。断面凹型をした収納部23の上方開口部は、薄くて弾性変形可能な金属製のメンブレム26によって閉塞されている。メンブレム26の周辺部は、収納部23の開口部に固定されている。
図3は、本発明の第2実施例に係る水分センサの断面図である。本実施例で前記第1実施例と相違する点は、圧力発生部の構成である。
また本実施例では円盤状の多孔質体32を用いたが、例えば底部と周壁部とを一体に形成した容器状の多孔質体を用いることも可能である。
図12に示すように、側面形状が略コ字状をした金属板からなる変位−歪変換部材33がケーシング21内に配置されており、変位−歪変換部材33の一端34aがメンブレム26の中央部に接合され、変位−歪変換部材33の他端34bがケーシング21の底部35に接合されている。
なお、土中の水分量と歪量との関係は予め把握されており、歪量を検出すると土中の水分量が分かるようになっている。
この具体例の場合図13に示すように、メンブレム26の中央部からケーシング21の底部35に向けて金属板からなる変位伝達部材37が立設されている。また、ケーシング21の底部35から前記変位伝達部材37に向けて金属板からなるファイバー支持部材38が垂設されており、変位伝達部材37とファイバー支持部材38の間には隙間部39が形成されている。
この具体例の場合図14に示すように、メンブレム26の上面に抵抗ブリッジからなる歪ゲージ40が貼られており、押し上げ力30によって変化するメンブレム26の歪量を電圧変化として検出することができる。
また、個々の水分センサ部47、48は、監視対象領域の土中に孔を形成して、その孔の中に水分センサ部を埋め込むことができる。また、廃棄体周辺に緩衝材層を設ける場合には、緩衝材層を形成する際に粘土(ベントナイト)と一緒に水分センサ部をそれぞれの位置・向きに配置して、水分センサ付きの緩衝材層を形成することもできる。
コップ形をしたケーシング21の下端開口部には両端に開口部を有する筒形の保持ブロック22が装着され、保持ブロック22の高さ方向の中間部内側はメンブレム26によって閉塞されており、メンブレム26の周辺部はその保持ブロック22の中間部に固定されている。
2:FBGセンサ部、
4:回折格子、
5:入力光、
6:反射光、
7:透過光、
9:メンブレム、
11:圧力、
12a:第1の半透過ミラー、
12b:第2の半透過ミラー、
13:空隙、
21:ケーシング、
22:保持ブロック、
23:収納部、
24:透孔、
25:膨潤材料、
26:メンブレム、
27:圧力センサ、
28:水分、
29:膨潤圧、
30:押し上げ力、
31:筒体、
32:多孔質体、
45:土中、
47,48:水分センサ部。
Claims (7)
- 吸水あるいは乾燥の状態によって膨潤・収縮する膨潤材料と、
その膨潤材料を充填・保持する膨潤材料保持部と、
その膨潤材料保持部に充填された前記膨潤材料の吸水による膨潤圧で弾性変形するメンブレムと、
そのメンブレムの歪量を検出する圧力センサを備え、
前記圧力センサは、前記メンブレムの歪量を検出するセンサ部を設けた光ファイバーを有し、前記メンブレムの弾性変形によって生じる歪が前記光ファイバーの光軸方向に作用するように構成され、
前記膨潤材料保持部は、両端に開口部を有する筒形をしており、
その膨潤材料保持部の一方の開口部が前記メンブレムによって閉塞され、
前記圧力センサを収納したケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記膨潤材料保持部の周壁と前記メンブレムによって形成される断面形状が凹状の空間部内に前記膨潤材料が充填されて、
水分が含有される被測定物の面に前記膨潤材料保持部の他方の開口部を当接して、前記膨潤材料の一部を前記被測定物の面に直接接触させることを特徴とする水分センサ。 - 請求項1に記載の水分センサにおいて、
前記ケーシングがコップ形をしており、そのケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記圧力センサが、
側面形状が略コ字状をした変位−歪変換部材を有し、その変位−歪変換部材の一端が前記メンブレムに取り付けられ、変位−歪変換部材の他端が前記ケーシングの底部に取り付けられて、
前記変位−歪変換部材の中間部で一方側に突出した橋状部の側面に、前記光ファイバーのセンサ部が貼り付けられていることを特徴とする水分センサ。 - 請求項1に記載の水分センサにおいて、
前記ケーシングがコップ形をしており、そのケーシングの開口部が、前記膨潤材料ならびに前記メンブレム付きの前記膨潤材料保持部によって閉塞され、
前記圧力センサが、
前記メンブレムから前記ケーシングの底部に向けて取り付けられた変位伝達部材と、
前記ケーシングの底部から前記変位伝達部材に向けて取り付けられたファイバー支持部材と、
前記変位伝達部材と前記ファイバー支持部材の間に形成された隙間部に前記センサ部が配置されるように、前記変位伝達部材から前記ファイバー支持部材に掛けて固定された光ファイバーから構成されていることを特徴とする水分センサ。 - 請求項1ないし3のいずれか1項に記載の水分センサにおいて、
前記センサ部が、当該光ファイバーのコア部の光軸線上に屈折率の異なる回折格子を一定の間隔で並設した構成になっていることを特徴とする水分センサ。 - 前記請求項4に記載のセンサ部が1本の光ファイバーに対して任意の間隔をおいて複数個取り付けることができることを特徴とする水分センサ。
- 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の水分センサにおいて、
前記センサ部が、当該光ファイバーのコア部の光軸線上に第1の半透過ミラーと第2の半透過ミラーを空隙を介して対向・配置して、前記第1の半透過ミラーで反射した第1の反射光と、前記第2の半透過ミラーで反射した第2の反射光を、波長毎に分離して干渉させる構成になっていることを特徴とする水分センサ。 - 請求項1ないし6のいずれか1に記載の水分センサにおいて、
前記膨潤材料が、ウレタン系の膨潤性ゴム材料であることを特徴とする水分センサ。
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