JP6005439B2 - 携帯端末用のアンテナおよびその製造方法、ならびに、当該アンテナを備えた携帯端末 - Google Patents
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Description
ここで、本発明の実施の一形態に関する具体的な説明に入る前に、本発明を理解する上で基本となる技術原理について纏める。
(イ)充電台の内部の回路部やその他金属構成部品(および/または携帯電話機を構成する各種金属)と、アンテナ素子と、の間の距離が小さくなる程、アンテナ特性が劣化しやすい。
(ロ)通話時などに人体頭部に近接するほど人体の影響を受けアンテナ特性が劣化しやすい、または、電磁波の人体吸収量が大きくなる。
(ハ)アンテナ素子部の全部または一部を充電給電面側に配置すれば、通話時において人体からの影響を小さくしてアンテナ特性の劣化を抑制でき、電磁波の人体吸収量も小さくすることができる。
(ニ)同一の距離であっても、アンテナ素子部が動作する周波数が低いほど波長に対する距離が小さく見えるため、アンテナ特性の劣化度は大きくなる傾向がある。
(ホ)筐体の外形に沿わせてアンテナ素子部を分散配置することがアンテナ特性の劣化の抑制に効果的である。
次に、図1に基づき、本発明の実施の一形態である携帯電話機31aの構成について説明する。図1は、携帯電話機31aの構造を示す構造図である。図1(a)は、携帯電話機31aの構造を操作面SUF1側から見たときの様子を示す。また、図1(b)は、携帯電話機31aの構造を、図1(a)の紙面に対して操作面SUF1の右側に隣接する側面の側から見たときの様子を示す。さらに、図1(c)は、操作面SUF1に対向する充電給電面SUF2の側から見たときの様子を示す。
筐体1は、携帯電話機31aを構成する各種部品を収容するためのハウジングであり、同図に示すように、操作面SUF1と、充電給電面SUF2とを少なくとも有している。また、操作面SUF1と、充電給電面SUF2とは、所定の距離だけ離間して存在し、同一の筐体1に対して互いに対向して設けられている。ここで、操作面SUF1は、ユーザの操作を受け付ける側の面であり、一方、充電給電面SUF2は、非接触充電が行われる側の面である。なお、操作面SUF1側には、後述する表示素子3が設けられているほか、入力手段としてボタンキー、静電キーを備えていても良い。また、入力手段として、各種方式のポインティングデバイスによる入力手段を用いてもよい。筐体1の構成材料としては、樹脂材料としてABS樹脂〔アクリロニトリル(Acrylonitrile)、ブタジエン(Butadiene)、スチレン(Styrene)共重合合成樹脂〕や、PC/ABS〔ABS樹脂とポリカーボネート(PC)のアロイ〕、ポリアミド樹脂系材料、及び上記にガラス繊維を混入させたものなど、金属材料としてマグネシウム合金やステンレス鋼材(SUS)、アルミニウムなどを例示することができる。金属材料はアンテナ部分には被らないよう部分的に使用されることが多く、インサート成型により樹脂と一体成型してもよい。
電池2は、携帯電話機31aを構成する各種部品に電力を供給するものであり、本実施形態では、さらに後述する受電側コイル15(不図示)が内蔵されており、非接触充電機能を有している(図2参照)。また、電池2は、筐体1の内部において後述する給電用基板7の充電給電面SUF2に近い側に配置されている。電池2の例としては、リチウムイオン電池やリチウムポリマー電池の他、超小型燃料電池(DMFC:直接メタノール型燃料電池)、空気亜鉛電池、光空気2次電池、プロトンポリマー電池、有機ラジカル電池などを例示することができる。
表示素子3は、LCD(Liquid Crystal Display)や有機EL(Electro luminescence)デイスプレイ等で構成され、本実施形態の表示素子3は、タッチパネル(図示せず)を備えることで入力機能も有している。
受話部4は、小型スピーカーで構成され、電話の相手先からの通話などの音声が出力される。
送話部5は、小型MIC(Microphone)で構成され、ユーザから電話の相手先に対する通話などの音声が入力される。
アンテナ6は、携帯電話機31a用のアンテナであり、図1(b)に示すように、後述する給電用基板7、第1アンテナ素子部(残りのアンテナ素子部)11、第2アンテナ素子部(少なくとも1つのアンテナ素子部)12、第1給電バネ(第1給電接続部)13、および、第2給電バネ(第2給電接続部)14を備える構成である。
次に、給電用基板7は、携帯電話機31aの各種機能を実現する回路部品が実装された(フレキシブル)プリント基板であり、図示しない整合回路が設けられている。整合回路は、第1アンテナ素子部11の2GHz帯および第2アンテナ素子部12の800MHz帯のそれぞれのインピーダンスと、無線回路部8の入力インピーダンス(一般には50Ω程度)との整合を取るための回路である。
無線回路部8は、上記の整合回路、後述する第1給電バネ13および第2給電バネ14のそれぞれを介して第1アンテナ素子部11および第2アンテナ素子部12に給電するものであり、無線信号の送受信がなされる。無線回路部8の周波数帯は、本実施形態では、2GHz帯および800MHz帯であるが、これに限定されず、例えば、2GHz帯、1.9GHz帯、1.8GHz帯、900MHz帯、800MHz帯などの中から、選択された任意の複数の周波数帯であっても良い。
第1アンテナ素子部11は高域側周波数帯(本実施形態では2GHz帯)で動作し、給電用基板7から電池2側のエリア(給電用基板7の充電給電面SUF2に近い側の面の側)に配置されている。
一方、第2アンテナ素子部12は低域側周波数帯(本実施形態では800MHz帯)で動作し、給電用基板7から表示素子3側のエリア(給電用基板7の操作面SUF1に近い面の側)に配置されている。
本実施形態の第1給電バネ13、第2給電バネ14は、それぞれ給電用基板7に実装された部品であり、第1アンテナ素子部11は第1給電バネ13を介して、また、第2アンテナ素子部12は、第2給電バネ14を介して、給電用基板7に接続されているが、給電バネの接続形態はこれに限定されない。例えば、第1アンテナ素子部11および第2アンテナ素子部12にそれぞれ一体形成された単一の給電バネ(給電接続部)を、給電用基板7に設けられた接点用パターン部に接触導通させる構造であっても良い。なお、本実施形態の第1給電バネ13の一端、第2給電バネ14の一端は、それぞれ配線パターンによって整合回路を介して無線回路部8に接続されている。
以上のように、アンテナ6は、ユーザの操作を受け付ける側の面である操作面SUF1と、操作面SUF1から所定の距離だけ離間して存在し、非接触充電が行われる側の面である充電給電面SUF2と、が少なくとも同一の筐体1に互いに対向して設けられた携帯電話機31a用のアンテナである。また、アンテナ6は、第1アンテナ素子部11および第2アンテナ素子部12と、操作面SUF1と充電給電面SUF2との間に設けられ、第1アンテナ素子部11および第2アンテナ素子部12のそれぞれの給電に用いられる給電用基板7と、を備え、第2アンテナ素子部12(全部)が、給電用基板7の操作面SUF1に近い方の面の側に配置されている構成である。
次に、上記のアンテナ6の製造方法について説明する。
(1)給電用基板配置ステップ:給電用基板7を携帯電話機31aの筐体1の操作面SUF1と充電給電面SUF2との間に配置する。
(2)アンテナ素子部配置ステップ:第1アンテナ素子部11を、給電用基板配置ステップで配置した給電用基板7の充電給電面SUF2に近い方の面の側に配置する。より具体的には、第1アンテナ素子部11と給電用基板7とを第1給電バネ13を介して接続する。
(3)第2アンテナ素子部12を、給電用基板配置ステップで配置した給電用基板7の操作面SUF1に近い方の面の側に配置する。より具体的には、第2アンテナ素子部12と給電用基板7とを第2給電バネ14を介して接続する。
次に、図2は、携帯電話機31a(または後述する携帯電話機31b、31c)を非接触充電方式にて充電しているときの様子を示す図である。図2(a)は、携帯電話機31a〜31cと充電台22の斜視図である。一方、図2(b)は、携帯電話機31aおよび充電台22のそれぞれを長手方向に切断したときの横断面図である。図2(a)に示すように、上述した携帯電話機31aの筐体1の内部に内蔵された電池2の内部には、受電側コイル15が設けられている。次に、図2(b)に示すように、充電台22は、送電用コイル23、ACケーブル24、樹脂板25、充電用回路部26を備える構成である。
次に、図3は、携帯電話機13a(または携帯電話機31b、31c)の通話時の使用状態を示す模式図である。同図に示すように、通話時には、携帯電話機31aの操作面SUF1の側が、人体頭部32と近接する。人体吸収量としては単位体積あたりの吸収電力値[W/kg]の評価指標となるため、アンテナ6の位置、特性が同等である場合は一般的には吸収電力分布が人体表面に集中する高周波帯の方が厳しい傾向となる。
次に、図4に基づき、本発明の他の実施形態である携帯電話機31bの構造について説明する。図4は、携帯電話機31bの構造を示す構造図である。図4(a)は、携帯電話機31bの構造を操作面SUF1側から見たときの様子を示す。また、図4(b)は、図4(a)の紙面に対して操作面SUF1の右側に隣接する側面の側から見たときの様子を示す。さらに、図4(c)は、操作面SUF1に対向する充電給電面SUF2の側から見たときの様子を示す。
同図に示すように本実施形態の携帯電話機31bでは、第1給電バネ43および第2給電バネ44が、ともに給電用基板7の同一面側(給電用基板7の充電給電面SUF2)に近い方の面の側に配置されている。しかしながら、給電用基板7に対する第1給電バネ43および第2給電バネ44の接続は、これに限定されない。例えば、第1給電バネ43および第2給電バネ44が、ともに給電用基板7の操作面SUF1に近い方の面の側に配置されていても良い。
次に、第1アンテナ素子部41は高域側周波数帯(例えば、2GHz帯)で動作し、給電用基板7の充電給電面SUF2(または電池面)側に実装された第1給電バネ43を介して給電され、給電用基板7から電池2側のエリア内(給電用基板7の充電給電面SUF2に近い面の側)に配置されている。また、特に、本実施形態の携帯電話機31bでは、第1アンテナ素子部41の開放端END2が給電用基板7の充電給電面SUF2に近い方の面の側に配置されている。
次に、図5に基づき、本発明のさらに他の実施形態である携帯電話機31cの構造について説明する。図5は、携帯電話機31cの構造を示す構造図である。図5(a)は、携帯電話機31cの構造を操作面SUF1側から見たときの様子を示す。また、図5(b)は、図5(a)の紙面に対して操作面SUF1の右側に隣接する側面の側から見たときの様子を示す。さらに、図5(c)は、操作面SUF1に対向する充電給電面SUF2の側から見たときの様子を示す。
同図に示すように、本実施形態の携帯電話機31cは、第1アンテナ素子部51および第2アンテナ素子部52のそれぞれと、給電用基板7と、を電気的に接続する単一の給電バネ53を備えている。
第1アンテナ素子部51は高域側周波数帯(例えば、2GHz帯)で動作し、給電基板7の充電給電面SUF2(または電池面)側に実装された単一の給電バネ53を介して給電され、給電用基板7から電池2側のエリア内(給電用基板7の充電給電面SUF2に近い面の側)に配置されている。また、特に、本実施形態の携帯電話機31cでは、第1アンテナ素子部51の開放端END2が給電用基板7の充電給電面SUF2に近い方の面の側に配置されている。
本発明は、以下のように表現することもできる。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
6 アンテナ
7 給電用基板
11 第1アンテナ素子部(残りのアンテナ素子部)
12 第2アンテナ素子部(少なくとも1つのアンテナ素子部)
13 第1給電バネ(第1給電接続部)
14 第2給電バネ(第2給電接続部)
31a〜31c 携帯電話機(携帯端末)
41 第1アンテナ素子部(残りのアンテナ素子部)
42 第2アンテナ素子部(少なくとも1つのアンテナ素子部)
43 第1給電バネ(第1給電接続部)
44 第2給電バネ(第2給電接続部)
51 第1アンテナ素子部(残りのアンテナ素子部)
52 第2アンテナ素子部(少なくとも1つのアンテナ素子部)
53 給電バネ(単一の給電接続部)
SUF1 操作面
SUF2 充電給電面
END1 開放端
END2 開放端
Claims (7)
- ユーザの操作を受け付ける側の面である操作面と、該操作面から所定の距離だけ離間して存在し、非接触充電が行われる側の面である充電給電面と、が少なくとも同一の筐体に互いに対向して設けられた携帯端末用のアンテナであって、
複数のアンテナ素子部と、
上記操作面と上記充電給電面との間に設けられ、上記複数のアンテナ素子部のそれぞれの給電に用いられる給電用基板と、を備え、
上記複数のアンテナ素子部のうちの少なくとも1つのアンテナ素子部の全部または一部が、上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側に配置されていることを特徴とするアンテナ。 - 上記複数のアンテナ素子部のうちの、上記少なくとも1つのアンテナ素子部と異なる残りのアンテナ素子部が、上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側に配置され、
上記残りのアンテナ素子部が動作する周波数帯が、上記少なくとも1つのアンテナ素子部が動作する周波数帯よりも高周波数帯であることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。 - 上記残りのアンテナ素子部と上記給電用基板とを電気的に接続する第1給電接続部と、
上記少なくとも1つのアンテナ素子部と上記給電用基板とを電気的に接続する第2給電接続部と、を備え、
上記第1給電接続部は、上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側に配置され、
上記第2給電接続部は、上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 - 上記残りのアンテナ素子部と上記給電用基板とを電気的に接続する第1給電接続部と、
上記少なくとも1つのアンテナ素子部と上記給電用基板とを電気的に接続する第2給電接続部と、を備え、
上記第1給電接続部と上記第2給電接続部とは、ともに上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側、または、上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側のいずれか一方に配置され、
上記少なくとも1つのアンテナ素子部の開放端が上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側に配置され、
上記残りのアンテナ素子部の開放端が上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 - 上記複数のアンテナ素子部のそれぞれと、上記給電用基板と、を電気的に接続する単一の給電接続部を備え、
上記単一の給電接続部は、上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側、または、上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側のいずれか一方に配置され、
上記少なくとも1つのアンテナ素子部の開放端が上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側に配置され、
上記残りのアンテナ素子部の開放端が上記給電用基板の上記充電給電面に近い方の面の側に配置されていることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ。 - 請求項1から5までのいずれか1項に記載のアンテナが、ユーザの操作を受け付ける側の面である操作面と、該操作面から所定の距離だけ離間して存在し、非接触充電が行われる側の面である充電給電面と、が互いに対向して設けられた筐体の内部に配置されていることを特徴とする携帯端末。
- ユーザの操作を受け付ける側の面である操作面と、該操作面から所定の距離だけ離間して存在し、非接触充電が行われる側の面である充電給電面と、が少なくとも同一の筐体に互いに対向して設けられた携帯端末用のアンテナの製造方法であって、
複数のアンテナ素子部のそれぞれの給電に用いられる給電用基板を、上記操作面と上記充電給電面との間に配置する給電用基板配置ステップと、
上記複数のアンテナ素子部のうちの少なくとも1つのアンテナ素子部の全部または一部を、上記給電用基板配置ステップで配置した上記給電用基板の上記操作面に近い方の面の側に配置するアンテナ素子部配置ステップと、を含むことを特徴とするアンテナの製造方法。
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