JP6000637B2 - 植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 - Google Patents
植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6000637B2 JP6000637B2 JP2012114603A JP2012114603A JP6000637B2 JP 6000637 B2 JP6000637 B2 JP 6000637B2 JP 2012114603 A JP2012114603 A JP 2012114603A JP 2012114603 A JP2012114603 A JP 2012114603A JP 6000637 B2 JP6000637 B2 JP 6000637B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- coal ash
- environmental
- plant
- promoter
- environmental tolerance
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Images
Landscapes
- Cultivation Of Plants (AREA)
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
本発明の環境耐性促進剤は、前述のように、ホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含むことを特徴とする。本発明の環境耐性促進剤は、これら3つの成分を必須の成分として含むことが特徴であって、その他の構成は何ら制限されない。
本発明の促進方法は、前述のように、植物の環境耐性能を促進する方法であって、前記本発明の環境耐性促進剤を植物に供給することを特徴とする。本発明の促進方法は、前記本発明の環境耐性促進剤を使用することが特徴であって、その他の工程および条件は、何ら制限されない。
イネ科:イネ、コムギ、オオムギ、ライムギ、トウモロコシ、ソルガム、シバ、イタリアンライグラス
アブラナ科:キャベツ、ハクサイ、ナタネ、ダイコン、カブ、ブロッコリー、カリフラワー
キク科:レタス、シュンギク
ナス科:トマト、ナス、ピーマン、トウガラシ、ジャガイモ
ウリ科:キュウリ、メロン、スイカ、カボチャ
ユリ科:ネギ、タマネギ、ニラ、ニンニク、ラッキョウ、アスパラガス
マメ科:ダイズ、エンドウ、インゲンマメ、ソラマメ、ニセアカシア
シソ科:シソ、ミント
アカザ科:ホウレンソウ、テンサイ
ミカン科:ウンシュウミカン、オレンジ、レモン
バラ科:リンゴ、ナシ、モモ、オウトウ、イチゴ、サクラ
ブドウ科:ブドウ
マタタビ科:キウイフルーツ
ヒルガオ科:サツマイモ
サトイモ科:サトイモ
ヤマノイモ科:ヤマイモ
セリ科:ニンジン、セルリー、パセリ、ミツバ
ショウガ科:ショウガ、ミョウガ
スギ科:スギ
ヒノキ科:ヒノキ
クスノキ科:クスノキ
ブナ科:アラカシ、ウバメガシ、シラカシ、クヌギ、クリ
カエデ科:オオカエデ、イロハモミジ
ニレ科:アキニレ、ケヤキ、エノキ
フトモモ科:ユーカリ
マツ科:アカマツ、クロマツ、カラマツ、モミ
カバノキ科:ヤシャブシ、シラカバ、ハンノキ
イチョウ科:イチョウ
ヤナギ科:ポプラ、ヤナギ
ベンケイソウ科:セダム
前記コケ植物の具体例を以下に示す。
キボウシゴケ科:スナゴケ
スギゴケ科:スギゴケ
ハイゴケ科:ハイゴケ
前記シダ植物の具体例を以下に示す。
コバノイシカグマ科:ワラビ
ゼンマイ科:ゼンマイ
イワデンダ科:クサソテツ
チャセンシダ科:オオタニワタリ
マツバラン科:マツバラン
本発明の製造方法は、植物の製造方法であって、前記本発明の促進方法により前記植物の環境耐性を促進する工程を含むことを特徴とする。また、本発明の製造方法は、例えば、前記本発明の環境耐性促進剤の存在下、植物を育成する工程を含むことを特徴とする。
本例では、環境耐性促進剤による耐乾燥性の促進を、イネの収量により評価した。
前記環境耐性促進剤として、石炭灰(フライアッシュ:JIS IV種灰)を使用した。前記石炭灰は、四国電力株式会社 橘湾発電所(石炭火力発電所)から入手した。前記石炭灰について、溶出成分組成を下記表1に示す。前記溶出成分組成は、前記石炭灰を5倍体積量の純水を添加し、前記混合液を室温で24時間振とうして溶出処理を行い、その液体画分について分析した結果である。下記表1は、前記石炭灰1kgあたりの重量(mg)を示す(以下、同様)。
湿潤区(湛水:水ポテンシャル 0kPa以上)
弱乾燥区(水ポテンシャル −5〜−20kPa)
強乾燥区(水ポテンシャル −20kPa以下)
蒸散量測定装置(商品名スーパーポロメーターLI−1600、Li−cor社製)を用いて、前記弱乾燥区から収穫したイネについて、葉の蒸散量を測定した。また、採取した葉身を70℃で24時間風乾して、乾燥前後の重量を測定し、含水率を算出した。これらの結果を、図2および図3に示す。図2は、蒸散量を示すグラフであり、縦軸は、蒸散量を示す。図3は、葉身中の含水率を示すグラフであり、縦軸は、含水率を示す。図2および図3において、0%のバーは、前記対照区、1%のバーは、前記実施例区1%、3%のバーは、前記実施例区3%の結果を、それぞれ示す。図3において、aとbとの間で、Tukey検定により5%水準の有意差を示した。
本例では、環境耐性促進剤による耐寒冷性の促進を、新葉の発生率により評価した。
本例では、環境耐性促進剤による耐暑性の促進を、被害率および最大葉長により評価した。
本例では、環境耐性促進剤による耐乾燥性および耐寒冷性の促進を、含水率および健全株率により評価した。
前記実施例3の前記石炭灰未添加の肥料養液(0%)に、体積比が3v/v%となるように、後述する実施例5の石炭灰(D)の溶出液を添加し、培養液(3%)を調製した。前記溶出液は、以下のように、調製した。まず、前記石炭灰に、5倍体積量の純水を添加し、この混合液を、室温で24時間放置し、前記石炭灰の成分を前記純水に溶出させた。そして、前記混合液をろ過し、得られた液体画分を溶出液とした。また、ネガティブコントロールとして、前記溶出液を添加していない前記肥料養液(0%)を使用した。
前記(1)により前記培養液(3%)を用いて水耕栽培されたイネを、5℃の低温庫に搬入し、さらに2週間放置した。放置後のイネについて、全株のうち、低温によって白化しなかった株の百分率を、健全株率として算出した。そして、ネガティブコントロールの結果を「1」として、前記培養液(3%)を使用した処理区の結果の相対値を求めた。
本例では、育苗時に環境耐性促進剤を使用し、定植後における耐寒冷性の促進を評価した。
本例では、環境耐性促進剤における有効成分を特定した。
前記環境耐性促進剤として、4種類の石炭灰A〜D(フライアッシュ:JIS IV種灰)を使用した。前記石炭灰は、四国電力株式会社 橘湾発電所(石炭火力発電所)および西条発電所(石炭火力発電所)から入手した。前記石炭灰A〜Dについて、溶出成分組成を下記表3に示す。
上記(1)の結果に基づき、前記3成分による環境耐性促進効果を含水率により評価した。
前記(2)により前記培養液「Si+Al+B(各1ppm)」を用いて、前記実施例4(2)と同様条件下において、水耕栽培されたイネの健全株率を算出した。そして、ネガティブコントロールの結果を「1」として、各培養液を使用した処理区の結果の相対値を求めた。
前記実施例3の前記石炭灰未添加の肥料養液(0%)に、ケイ酸ナトリウム、硫酸アルミニウムおよびホウ酸を、それぞれケイ素元素、アルミニウム元素およびホウ素元素として、各0.5ppm(0.5×10−4w/v%)となるように混合し、培養液「Si+Al+B」を調製した。また、前記培養液「Si+Al+B」に、さらに、セレンナトリウムを、セレン元素0.03ppm(0.03×10−4w/v%)となるよう混合して、培養液「Si+Al+B+Se」を調製した。これらの培養液を使用した以外は、前記(2)と同様にして、25℃で10日間の水耕栽培を行い、続いて、前記(3)と同様にして、5℃で2週間放置した。放置後のイネについて、全株のうち、低温によって白化しなかった株の百分率を、健全株率として算出した。そして、セレン無添加の培養液「Si+Al+B」を使用した結果と、セレン添加の培養液「Si+Al+B+Se」を使用した結果とを比較した。
本例では、環境耐性促進剤による耐暑性の促進を、全長および被害率により評価した。
本例では、ケイ素、ホウ素およびアルミニウムの併用による耐暑性の促進を、葉幅により評価した。
本例では、環境耐性促進剤による各種植物の耐乾燥性の促進を、含水率により評価した。
本例では、ケイ素、ホウ素およびアルミニウムの併用による各種植物の耐乾燥性の促進を、含水率により評価した。
Claims (13)
- 成分としてホウ素、ケイ素およびアルミニウムを含む、未加工の石炭灰、未加工の石炭灰の液体混合物、および未加工の石炭灰の溶出物の少なくとも一つを含むことを特徴とする植物用環境耐性促進剤。
- さらに、セレンを含む、請求項1記載の環境耐性促進剤。
- ホウ素とケイ素との重量比が、1:0.1〜1:10であり、ホウ素とアルミニウムとの重量比が、1:0.1〜1:10である、請求項1または2記載の環境耐性促進剤。
- ホウ素とセレンとの重量比が、1:0.001〜1:0.1である、請求項2または3記載の環境耐性促進剤。
- 前記石炭灰が、フライアッシュを含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の環境耐性促進剤。
- 前記環境耐性が、乾燥耐性、水分蒸散耐性および温度耐性からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項1から5のいずれか一項に記載の環境耐性促進剤。
- 前記植物が、陸上植物である、請求項1から6のいずれか一項に記載の環境耐性促進剤。
- 前記陸上植物が、種子植物、コケ植物およびシダ植物からなる群から選択された少なくとも一つである、請求項7記載の環境耐性促進剤。
- 請求項1から8のいずれか一項に記載の環境耐性促進剤を植物に供給することを特徴とする植物の環境耐性能の促進方法。
- 前記環境耐性促進剤を、前記植物を生育させる培地に含有させる、請求項9記載の促進方法。
- 前記培地において、前記環境耐性促進剤由来の前記未加工の石炭灰の含有量が、0.1〜100v/v%である、請求項10記載の促進方法。
- 前記培地において、前記環境耐性促進剤由来の前記未加工の石炭灰の含有量が、1〜10v/v%である、請求項10記載の促進方法。
- 請求項9から12のいずれか一項に記載の促進方法により、植物の環境耐性を促進する工程を含むことを特徴とする植物の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012114603A JP6000637B2 (ja) | 2011-05-18 | 2012-05-18 | 植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011111918 | 2011-05-18 | ||
JP2011111918 | 2011-05-18 | ||
JP2012114603A JP6000637B2 (ja) | 2011-05-18 | 2012-05-18 | 植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2012254978A JP2012254978A (ja) | 2012-12-27 |
JP6000637B2 true JP6000637B2 (ja) | 2016-10-05 |
Family
ID=47526907
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2012114603A Active JP6000637B2 (ja) | 2011-05-18 | 2012-05-18 | 植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6000637B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP7292162B2 (ja) * | 2019-01-11 | 2023-06-16 | 日本製紙株式会社 | 採穂母樹の生産方法 |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
IL161453A0 (en) * | 2001-11-28 | 2004-09-27 | Western Production Corp | Coal-based organic growth compound |
JP2005229865A (ja) * | 2004-02-18 | 2005-09-02 | Nogyo Kagaku Kenkyusho:Kk | 農園芸用資材 |
JP2006111486A (ja) * | 2004-10-14 | 2006-04-27 | Jpec:Kk | けい酸加里肥料及びその製造方法 |
JP2006271222A (ja) * | 2005-03-28 | 2006-10-12 | Nissen Chemitec Corp | 廃培養土の再生方法 |
WO2010001184A1 (en) * | 2008-07-02 | 2010-01-07 | Novatech D.O.O. | Formulation based on micronized natural calcite mineral and micronized zeolite as an enhanced plant booster and mineral fertilizer |
FR2940886B1 (fr) * | 2009-01-13 | 2012-08-24 | Procedes Roland Pigeon | Utilisation d'une composition minerale liquide pour ameliorer la reponse adaptative des plantes a un changement des conditions d'environnement |
-
2012
- 2012-05-18 JP JP2012114603A patent/JP6000637B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2012254978A (ja) | 2012-12-27 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
Huang et al. | Responses of soil carbon pool and soil aggregates associated organic carbon to straw and straw-derived biochar addition in a dryland cropping mesocosm system | |
Khan et al. | Sewage sludge biochar influence upon rice (Oryza sativa L) yield, metal bioaccumulation and greenhouse gas emissions from acidic paddy soil | |
CN101643704B (zh) | 一种溶磷草酸青霉菌p8 | |
CN105175177A (zh) | 一种个性化定制土壤调理剂的方法及利用该方法制得的土壤调理剂 | |
CN107629798A (zh) | 酸性土壤调理剂及应用 | |
Choi et al. | Effects of biochar mixtures with pine-bark based substrates on growth and development of horticultural crops | |
CN106281329A (zh) | 复合重金属钝化组合物 | |
Turra et al. | Effects of lanthanum on citrus plant | |
CN207151368U (zh) | 一种适用于日光温室作物栽培的土壤结构 | |
Xi et al. | Effect of returning biochar from different pyrolysis temperatures and atmospheres on the growth of leaf-used lettuce | |
Naresh et al. | Influence of Conservation Agriculture Practices on Physical, Chemical and Biological Properties of Soil and Soil Organic Carbon Dynamics in the Subtropical Climatic Conditions: A Review. | |
CN102585835A (zh) | 一种利用农作物秸秆的炭化产物制成的土壤保水剂 | |
CN110373199B (zh) | 一种复合土壤修复剂及其制备方法和修复方法 | |
CN106007895A (zh) | 一种城市污水淤泥水稻育苗基质及其生产方法及应用 | |
CN107278858A (zh) | 添加有复合调理剂的栽培基质 | |
CN109836280A (zh) | 一种生物质炭基肥料及其制备方法 | |
CN105981636A (zh) | 一种泥炭藓原丝体快速繁殖的方法 | |
CN106342670A (zh) | 一种烟草育苗基质及其制备方法与应用 | |
CN102754590A (zh) | 烟草漂浮育苗基质及其制备方法 | |
CN109628106B (zh) | 一种设施土壤改良剂及其应用 | |
JP6000637B2 (ja) | 植物の環境耐性促進剤およびそれを用いた促進方法 | |
Li et al. | Allocation of photosynthestically-fixed carbon in plant and soil during growth of reed (Phragmites australis) in two saline soils | |
KR101293256B1 (ko) | 석탄바닥재를 이용한 배양토 | |
Souza et al. | Straw management effects on global warming potential and yield-scaled greenhouse gas emissions in a subtropical rice ecosystem | |
CN114586609A (zh) | 一种提升药用植物产量和有效成分含量的种植方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20150403 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20160120 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20160125 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20160316 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20160818 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20160831 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6000637 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |