JP6000410B2 - 遊技機 - Google Patents

遊技機 Download PDF

Info

Publication number
JP6000410B2
JP6000410B2 JP2015122585A JP2015122585A JP6000410B2 JP 6000410 B2 JP6000410 B2 JP 6000410B2 JP 2015122585 A JP2015122585 A JP 2015122585A JP 2015122585 A JP2015122585 A JP 2015122585A JP 6000410 B2 JP6000410 B2 JP 6000410B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
game
unique
control device
signal
information
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2015122585A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015163337A (ja
Inventor
敬宏 大塚
敬宏 大塚
橋本 英樹
英樹 橋本
Original Assignee
株式会社ソフイア
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ソフイア filed Critical 株式会社ソフイア
Priority to JP2015122585A priority Critical patent/JP6000410B2/ja
Publication of JP2015163337A publication Critical patent/JP2015163337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6000410B2 publication Critical patent/JP6000410B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、パチンコ機などの遊技機に関する。
従来、遊技機の代表例としてパチンコ機がある。このような従来の遊技機では、遊技機用演算処理装置を有する制御装置等に対して不正が行われた可能性が高いことを外部に知らせるために、例えば、ガラス枠や前面枠が開放されたことを示す信号を外部へ出力する遊技機がある。
特開2008−272342号公報
しかしながら、ガラス枠等が開放されたことを示す信号を出力しているだけでは、遊技機に対して不正された可能性があることを報知することはできるが、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正が行われたか否かを判断可能な情報を外部に報知可能なものとはなっていなかった。
そこで本発明は、上記問題点に鑑みなされたもので、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正が行われたか否かを判断可能な情報を外部に報知可能な遊技機を提供することを目的とする。
請求項1に記載の遊技機は、
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置と、
遊技機外の外部装置への信号伝達のために外部装置側との接続を行う外部接続端子を有する外部接続基板と、
を備えた遊技機において、
前記個体識別情報には、ユーザプログラムを介して読み取りが可能なチップコードと、ユーザプログラムを介して読み取りが不可能であり前記チップコードと異なる値のCPUIDと、があり
前記制御装置は、
遊技に関する情報及び前記チップコードを特定可能な信号を、ユーザプログラムを介して前記外部接続端子から、遊技機外の外部装置へ出力可能に構成される一方で、
前記チップコード及び前記CPUIDを特定可能な信号を、前記外部接続端子と異なる所定の検査端子から出力可能に構成され、
前記外部接続基板は、
前記遊技に関する情報を特定可能な信号を出力する構成と、前記チップコードを特定可能な信号を出力する構成と、が異なることを特徴とする。
本発明によれば、当該遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正が行われたか否かを判断可能な情報を外部に報知可能となる。
パチンコ機の前面側斜視図である。 パチンコ機の遊技盤の前面図である。 パチンコ機の裏面図である。 外部情報端子板の斜視図である。 外部情報端子板の平面図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 遊技用マイコンのブロック図である。 払出用マイコンのブロック図である。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 特図ゲーム処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 入賞口スイッチ/エラー監視処理を示すフローチャートである。 エラーチェック処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 払出制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 固有情報受信割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 外部情報出力編集処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 個体識別情報の送信例を示す図である。 個体識別情報を出力する際のタイミングチャートである。 遊技制御装置のブロック図である。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 個体識別情報を出力する際のタイミングチャートである。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 シリアル受信割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 固有情報解析処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のブロック図である。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 シリアル受信割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 パチンコ機の制御系を示すブロック図である。 エラーチェック処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 個体識別情報を出力する際のタイミングチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 エラーチェック処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 個体識別情報を出力する際のタイミングチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報通信エラー解除処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 個体識別情報を出力する際のタイミングチャートである。 固有情報通信エラー解除処理を示すフローチャートである。 固有情報信号編集処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 遊技制御装置のメイン処理を示すフローチャートである。 タイマ割込み処理を示すフローチャートである。 特図表示中処理を示すフローチャートである。 エラーチェック処理を示すフローチャートである。 外部情報編集処理を示すフローチャートである。 シリアル受信割込み処理を示すフローチャートである。 固有情報再送処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。 固有情報取得処理を示すフローチャートである。
以下、本願発明をパチンコ機に適用した場合の実施の形態を説明するための実施例1を、図面を参照して説明する。なお、本願発明(発明概念T2)の特徴を全て有する具体例は、例えば後述する実施例20乃至23である。
「実施例1:シリアル−シリアル−再送要求無し−管理装置」
これは、主基板(遊技制御装置)からシリアルで固有IDを払出基板(払出制御装置)に送り、払出基板から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うものである。ただし、払出基板から主基板への固有IDの再送要求はない形態である(詳細は後述)。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
A.パチンコ機の正面構成
最初に、図1によって本例のパチンコ機の全体構成について説明する。図1は本例のパチンコ機1の前面側斜視図である。
パチンコ機1は、当該パチンコ機1が設置される島に対して固定される機枠2と、この機枠2にヒンジ部3において回動可能に軸支されることによって、機枠2に対して開閉自在とされた前面枠4とを備える。この前面枠4には、遊技盤20(図2に示す)が取り付けられている。
また前面枠4には、その前面上側を覆うようにガラス枠5が開閉自在に取付けられている。なお、このガラス枠5により保持されるガラス板(透明のプラスチックボードでもよい、符号は省略)を介して、遊技盤20の後述する遊技領域22が前面から視認可能となっている。またガラス枠5は、ヒンジ部3において前面枠4に開閉可能に軸支されている。
ここで、前面枠4は遊技枠という名称で呼称され、ガラス枠5は前枠という名称で呼称されることもあるが、本実施例では前面枠4、ガラス枠5で説明している。
このガラス枠5の下側には、操作パネル6が設けられている。
なお、通常、パチンコ機1には遊技媒体貸出装置としてのCRユニット(カード式球貸制御ユニット)が併設されることもあるが、ここでは図示を略している。ただし、図6では、CRユニットをカードユニット551として図示しており、このカードユニット551との間で信号などの伝達を中継するカードユニット接続基板54についても図6で示している。
図2に示すように、遊技盤20は、板状の基材(いわゆるベニア)の前面に遊技釘を植設したもので、その前面の略円形領域がガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されたものである。遊技領域22は、打ち込まれた遊技球を上方から落下させつつアウトあるいはセーフの判定(入賞したか否かの判定)を行う領域であり、入賞口に遊技球が入って有効にセーフとなる場合は、所定数の遊技球がガラス枠5の下部に設けられた上皿7に排出される(即ち、賞球として排出される)構成となっている。
また、前面枠4の開閉側(図1において右側)の縁部には、前面枠4及びガラス枠5の施錠装置(図示省略)の鍵挿入部8が形成されている。
また、ガラス枠5の下部に設けられた上皿7は、賞球として又は貸球として排出された発射前の遊技球を一時保持するものである。この上皿7には、遊技者が操作する押ボタン式の演出ボタン9が設けられている。
また、操作パネル6には、上皿7の遊技球を遊技者の操作によって移すことができる下皿10と、遊技球の発射操作を行う発射操作ハンドル11とが設けられている。
また、図1において符号12a、12bで示すものは、効果音等を出力するスピーカである。このうち符号12aは、ガラス枠5の上部左右両側に設けられた上スピーカである。また符号12bは操作パネル6の左端部(下皿10の左側)に設けられた下スピーカである。
また図1において、符号13で示すものは、ガラス枠5の前面に設けられたLED(発光ダイオード)を発光源とする装飾ランプであり、符号14で示すものは、ガラス枠5の上部左右両側前面に設けられたムービングライトである。図示省略しているが、ムービングライト14は、発光源としてLEDを備え、駆動源としてモータを備えている。ここで、装飾ランプ13とムービングライト14は図6に示す装飾LED301を構成する。
B.遊技盤の前面構成
図2において、符号21は遊技盤20のガイドレールであり、既述したように、遊技盤前面の略円形領域がこのガイドレール21で囲まれることにより遊技領域22が形成されている。
遊技領域22には、図2に示すように、アウト球流入口23、センターケース24、第1始動入賞口25、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26、変動入賞装置27、一般入賞口28〜31、普図始動ゲート32、多数の遊技釘(図示省略)などが設けられている。また、遊技盤20の遊技領域22外には、一括表示装置35が設けられている。なお遊技釘は、遊技領域22の上部に飛入した遊技球がこれに当たりながら流下するものであり、センターケース等の取付部分を除いた遊技領域内に複数本植設されている。
センターケース24は、遊技盤20の裏側に取り付けられる表示装置41(図6に示す)の表示部41a(図2に示す)の前面周囲を囲む部材である。図示省略しているが、このセンターケース24には、演出又は装飾のためのLEDを発光源とするランプ類や、例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物(モータやソレノイドなどの駆動源によって作動する可動部を有する役物)が設けられている。
なお、演出又は装飾のためのランプ類は、遊技盤20のセンターケース24以外の部分(遊技領域22外でもよい)にも設けられる。なお、遊技盤20(センターケース24含む)に設けられた演出又は装飾のためのランプ類は、盤装飾装置を構成する。また、センターケース24に設けられた電動役物は、盤演出装置を構成する。なお、盤演出装置を構成する電動役物は、遊技盤20のセンターケース24以外の箇所に設けられてもよい。
表示装置41は、例えば液晶表示装置を含んで構成され、通常、変動表示装置と称されるものである。なお、表示装置41の名称としては、同様の機能を持つ部材の呼び名として、例えば特図表示装置、図柄変動装置、可変図柄表示装置、識別情報変動装置、識別情報変動表示装置など各種あるが、機能が同じものは同一の範疇である。
表示装置41は、数字や文字などの識別情報(特図という)を表示可能な表示部41a(画面)を有し、複数列の特図を表示可能である。例えば、左側と中央と右側に特図を縦3列に表示し、各列において数字や文字等よりなる特図を停止状態で表示(停止表示)したり、あるいは変動状態(例えば、縦方向にスクロールする状態)で表示(即ち、変動表示)したりすることが可能である。
また表示部には、上記特図とは別個に背景画像やキャラクタ画像などの演出用又は情報報知用の画像、或いは、いわゆる普図に相当する画像が表示可能である。なお、特図とは大当りに関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報であり、普図とは普図当り(大当りではない)に関連する変動表示ゲームで変動表示される識別情報である。
また始動入賞口25,26は、後述するように特図の始動入賞口として機能する入賞口であり、本例では図2に示すように上下に並んで配設されている。上側の第1始動入賞口25は常に開口している。下側の第2始動入賞口26は、開閉部材26aを左右両側に有し、これら開閉部材26aが逆ハの字状に開くと入賞可能になり、図2に示すようにこれら開閉部材26aが閉じていると入賞不可能である。これら始動入賞口25,26は、センターケース24の中央部下方に配置されている。
また変動入賞装置27は、開閉部材27bによって開閉される大入賞口27aを有する装置(いわゆるアタッカー)である。この大入賞口27aは、後述する大当りになったことを条件として開放されて遊技球が入賞可能となる。
次に一括表示装置35は、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示(場合により、特図保留表示、普図保留表示という)や、遊技状態の表示を行うものであり、例えばLEDを発光源とする複数の表示器(例えば、1個の小さなランプよりなる表示器、或いは本特図としての数字等を表示可能な例えば7セグメントの表示器)によって構成される。なお、始動記憶の保留表示(場合により、単に始動記憶表示という)とは、変動表示ゲームが未実施の状態で保留されている始動記憶の数等を報知するための表示であり、一般的には、始動記憶毎にランプ等の点灯によって表示する。即ち、始動記憶が3個有れば、3個のランプを点灯させたり、3個の図形を表示させたりすることによって行われる。
なお、この一括表示装置35の表示器によって表示されるものが本特図や本普図(正式な特図や普図)であるのに対して、前述の変動表示装置41の表示部等で行われる特図や普図の表示は、遊技者向けの演出用のダミー表示である。このため、遊技者から見て特図や普図といえば、このダミー表示の方を指している。なお以下では、このダミー表示であることを強調する場合に、例えば「飾り特図」と表記する。
このように、この一括表示装置35は、遊技者向けのものではなく、遊技盤20の検査などで使用されるものである。例えば、遊技者向けの特図の始動記憶の表示(特図保留表示)は、例えば変動表示装置41の表示部、或いは遊技盤20に設けた複数のランプ(発光部)によって行われる。
C.パチンコ機裏側の構成
次に図3は、本実施例のパチンコ機1の裏側全体構成を示す図である。
パチンコ機1における裏機構の主要な部品としては、貯留タンク51、誘導路52a、払出ユニット53、カードユニット接続基板54、外部情報端子板55、払出制御装置200、遊技制御装置100、演出制御装置300、及び電源装置500などがある。
貯留タンク51は、払出される前の球を予め貯留しておくもので、この貯留タンク51の球数の不足は補給センサ(図示略)によって検出され、不足のときは島設備のシュートと呼ばれる機器から球が補給される。貯留タンク51内の球は誘導路52aにより誘導され、払出モータ222(図6に示す)を内蔵する払出ユニット(図示略)によって前述の上皿7に排出される。なお払出ユニットは、例えば払出モータ222の回転量に応じた球数の遊技球の排出が可能であり、この払出ユニットによって上皿12に向けて払い出される遊技球は、払出球検出スイッチ215(図6に示す)によって検出される。
外部情報端子板55はパチンコ機1の各種情報(固有IDを含む)をホールの管理装置に送る場合の中継端子基板(外部端子基板)としての機能を有するもので、詳細は図4,5を用いて後述する。
ここで、上記の固有IDは遊技制御装置100における演算処理装置(後述の遊技用マイコン111)であることを個別に(ユニークに)識別可能な個体識別情報に相当するが、払出制御装置200における演算処理装置(後述の払出用マイコン201)にも、当該演算処理装置であることを個別に(ユニークに)識別可能な個体識別情報が格納されている。そこで、本実施例1では必要に応じて遊技用マイコン111を識別可能な個体識別情報を主基板固有ID,払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報を払出固有IDと適宜、区別して説明する。後述の他の実施例についても同様である。
なお、区別しないで、通常単に固有IDというときは、主基板固有IDを指す。
また、発明概念では、固有IDを「個体識別情報」と称しているが、通常の現場レベルなど一般的な場合は、個体識別情報を固有IDとして称することも多いので、本明細書において、実施例1では、個体識別情報を固有IDとして説明したり、また、明細書及び図面上も固有IDとのバランス上、固有情報あるいは固有識別情報として記述や図示することがある(後述の各実施例において同様)。
払出制御装置200は、遊技球の払出(賞球払出と貸球払出の両方)に必要な制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。この払出制御装置200は、図6に示すように遊技制御装置100から送信される払出制御コマンドに基づき、所定数の遊技球を賞球として上皿7に排出させる賞球払出の制御を行う。また払出制御装置200は、カードユニット551(図6参照)からのBRDY信号やBRQ信号に基づいて、所定数の遊技球を貸球として上皿7に排出させる貸球払出の制御を行う。
遊技制御装置100は、遊技盤20に配設されているソレノイド等を制御するとともに、他の制御装置に制御情報(コマンド)を送って、遊技の進行を統括的に管理制御するものであり(詳細後述する)、これら制御を行うマイコンを含む回路が形成された基板が、所定のケース内に収納された構成となっている。
演出制御装置300は、遊技制御装置100から送信されるコマンドに基づき、前述の変動表示装置や装飾ランプや演出装置やスピーカ12a、12bの制御を行うもので、所定のケース内にこの制御機能を実現する回路基板が収納されて構成されている。
また、カードユニット接続基板54(図3参照、図6にも図示)は、パチンコ機1側と球を貸し出すCRユニット(カードユニット551のこと。以下同様)側との配線接続のための基板である。このカードユニット接続基板54での上記配線接続がされていないと、パチンコ機1では遊技球の発射が不可能となるように制御される。
なお一般に、パチンコ機の機種交換などの場合には、CRユニットを除くパチンコ機全体を交換するか、或いはパチンコ機の枠側(払出制御装置含む)を残して遊技盤側(遊技盤と遊技制御装置などの主要な制御装置含む)だけを交換する場合もある。ただし、貸球4円であれば、何れも4円のものが使用されるが、例えば貸球1円専用台であれば、遊技盤側も枠側も貸球1円専用のものが使用されることを前提としている。
次に、外部情報端子板55の詳細につき、図4,5を参照して説明する。
図4は外部情報端子板55の斜視図、図5は外部情報端子板55の平面図である。これらの図において、外部情報端子板55は遊技機外の外部装置へ信号伝達のために設けられるもので、接続部61とアイソレーション手段62とを備えている。
接続部61は、払出制御装置200(後述する別実施例では遊技制御装置100、或いは遊技制御装置100と払出制御装置200の両者)と接続する第1の接続部63と、外部装置側と接続するための第2の接続部64を含んでいる。第1の接続部63はオスタイプの基板対電線用コネクタ63aからなり、これにメスタイプのコネクタ(図示略)を接続することにより、払出制御装置200から送られてくる遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)、主基板の固有IDなどの情報を受け取るようになっている。
つまり、上記メスタイプのコネクタ(図示略)は払出制御装置200に繋がるケーブルの端部に位置し、該ケーブルの他方の端部は払出制御装置200自体に接続されている。そして、このケーブルのメスタイプのコネクタを基板対電線用コネクタ63aに差し込めば、払出制御装置200から送られてくる遊技機状態信号などの全てを受ける接続作業ができることになる。
基板対電線用コネクタ63aは外部情報端子板55の裏側(図4の紙面後方)にて、所定の配線(例えば、基板自体に作成されたプリント配線、プリント配線でなく他の配線構造でもよい)でアイソレーション手段62と接続された構成になっている。つまり、基板対電線用コネクタ63aはフォトカプラ群65の信号入口側(IN側)と接続されているものである。
アイソレーション手段62は第1の接続部63からの全ての信号(固有IDも含む)をアイソレーションしてパラレルで第2の接続部64に伝達するもので、フォトカプラ群65を有している。
フォトカプラ群65は、払出制御装置200側から送られてくる全ての信号(遊技機状態信号や固有IDなど)に対応するだけの個数の複数のフォトカプラと抵抗を含み、電気信号を光伝達によって、電気的にアイソレーション(絶縁)しながら情報を伝達するものである。例えば、本例では16個のフォトカプラ及び抵抗を備えている。図4,5で、62fはフォトカプラの1つを示し、62rは抵抗の1つを示している。その他は煩雑になるので、符号付けは略している。
第2の接続部64は、プッシュ式ターミナル66と基板対電線用コネクタ67とを有している。
プッシュ式ターミナル66は、伝送位置としてはフォトカプラ群65と外部装置(外部の管理装置など)との間に配置されており、同様に基板対電線用コネクタ67も伝送位置としてはフォトカプラ群65と外部装置(外部の管理装置など)との間に配置されている。そして、フォトカプラ群65の信号出口側(OUT側)はプッシュ式ターミナル66及び基板対電線用コネクタ67の双方に接続されている(外部情報端子板55の裏側にて、所定の配線で接続)。
プッシュ式ターミナル66は、払出制御装置200から基板対電線用コネクタ63a及びフォトカプラ群65を介して送られてくる遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)
を外部装置(外部の管理装置など)に伝達するためのもので、ターミナルをプッシュしてリード線を入れて挟み込むタイプの構造になっている。すなわち、プッシュ式ターミナル66は従来と同様の構造のもので、遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)の数に応じたものが設けられている。そして、プッシュ式ターミナル66を操作する場合、各ターミナルをプッシュして外部装置に繋がるリード線を入れて、手を離すと、リード線が挟まれて固定される構造であり、簡易にリード線を固定することが可能である。これにより、パチンコ機1からの遊技機状態信号が外部装置へ伝達できるようになっている。
一方、第2の接続部64に含まれる基板対電線用コネクタ67について説明すると、基板対電線用コネクタ67は主基板の固有IDを外部装置に伝達するためのものである。すなわち、基板対電線用コネクタ67はフォトカプラ群65の信号出口側(OUT側)と接続されており、この基板対電線用コネクタ67はオスタイプであり、これにメスタイプのコネクタ(図示略:外部装置に繋がる)を接続することにより、フォトカプラ群65を介して送られてくる主基板の固有IDを受け取るようになっている。
つまり、上記メスタイプのコネクタ(図示略)は外部装置に繋がるケーブルの端部に位置し、該ケーブルの他方の端部は外部装置に伝送可能な信号経路に繋がるようになっている。そして、外部装置に繋がるケーブルのメスタイプのコネクタを基板対電線用コネクタ67に差し込めば、フォトカプラ群65を介して送られてくる主基板の固有IDを受ける接続作業ができることになる。
ここで、信号の流れを整理すると、払出制御装置200から送られてくる遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)及び主基板の固有IDの全ての信号は、基板対電線用コネクタ63aを経由してフォトカプラ群65に送られ、ここで電気的にアイソレーション(絶縁)されて、遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)はプッシュ式ターミナル66に送られる一方、固有IDは基板対電線用コネクタ67に送られ、次いで、プッシュ式ターミナル66及び基板対電線用コネクタ67を経由して外部装置に送られる構成である。
したがって、固有IDの伝送については、従来と同様の構造の基板対電線用コネクタ63a及び基板対電線用コネクタ67に対して、メスタイプのコネクタをそれぞれ差し込むという簡単な接続作業だけで遂行することができ、間違いが起きにくく、容易であるという利点がある。同様に、遊技機状態信号(遊技情報、賞球信号など)の伝送についても従来と同様の構造のプッシュ式ターミナル66を使用するから、接続作業に間違いが少なくて、簡単に済む。
また、全ての信号(固有IDも含む)の伝送にアイソレーション手段62としてのフォトカプラ群65を介しているので、電気的な不正やノイズを遮断でき、セキュリティが向上する利点がある。
上記において、プッシュ式ターミナル66は払出制御装置200からの遊技機状態信号を伝達するための部材に相当する。また、基板対電線用コネクタ67は個体識別情報出力制御手段(払出用マイコン201の機能)からの個体識別情報(固有ID)を伝達するための部材に相当する。
なお、外部装置とは、遊技場に設けられる遊技機(パチンコ機1)からの大当たり信号等の遊技機状態信号を収集する管理装置780(図6参照)、またはこの管理装置780のノードである通信装置を含む他、例えば遊技機に併設される遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(図6参照)(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)を含めてもよい。なお、カードユニットを含めても良いというのは、前記の管理装置780のノードである通信装置を含むと同様であり、カードユニットは、球貸情報を収集する球貸情報収集装置のノードであり、それを利用して個体識別情報を収集してもよいということである。要は、遊技機の外部であって、遊技店側が個体識別情報をチェック可能な装置であればよい。
D.制御系の構成
次に、本例のパチンコ機1の制御系について、図6乃至図8を参照して説明する。なお図や以下の説明において、「SW」はスイッチを意味する。また、図面では部材の名称が長い場合に図示がしにくくなるので、適宜、短めにして表記(図示)することがある。
パチンコ機1は、制御系の主な構成要素として、遊技制御装置100、払出制御装置200、演出制御装置300、発射制御装置400及び電源装置500を備えている。
(遊技制御装置関係)
まず、パチンコ機1の遊技制御装置100の構成と、この遊技制御装置100に接続される機器について、図6によって説明する。
なお、図6で矢印に添えて示す信号のうち、「主ID」とは主基板固有ID、「外部情報」とは遊技機状態信号、「賞球信号」とは払出制御装置から賞球として払い出される球数信号、「排出コマンド」とは遊技制御装置からの排出指令コマンド、「各種信号」とは払出制御装置から出される払出異常ステータス信号、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、前枠開放スイッチ信号、遊技枠開放検出スイッチ信号などをそれぞれ表す(後述の実施例においても同様)。
また、「外部情報」と「賞球信号」とを合わせて「外部・賞球」とも表す。
遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111及び検査装置接続端子112を備えている。遊技用マイコン111の詳細については後述する。
なお、遊技用マイコン111は遊技用演算処理装置(第1の演算処理装置)であり、本発明の遊技機用演算処理装置に相当する。なお、「遊技機用演算処理装置」とは、パチンコ機などの遊技機に使用される演算処理装置を意味し、遊技用演算処理装置(遊技制御装置の演算処理装置)や払出用演算処理装置(払出制御装置の演算処理装置)の上位概念である。以下では、この遊技機用演算処理装置を単に演算処理装置ということもある。
検査装置接続端子112は、例えばフォトカプラを含んで構成され、遊技用マイコン111から得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。
遊技制御装置100には、第1始動口スイッチ120(図6では始動口1スイッチ)、第2始動口スイッチ121(図6では始動口2スイッチ)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁気センサスイッチ125及び振動センサスイッチ126からの検出信号が入力される。
ここで、第1始動口スイッチ120は前記第1始動入賞口25に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサであり、第2始動口スイッチ121は前記第2始動入賞口26に入賞した遊技球を1個ずつ検出する入賞球検出用のセンサである。
カウントスイッチ124は前記変動入賞装置27の大入賞口に入賞した遊技球を検出する同様のセンサである。また、入賞口スイッチ123は一般入賞口28〜31に対して設けられた同様のセンサであり、一般入賞口がn個あるときには、それぞれに1個ずつ、全体としてn個設けられる。なお、一般入賞口のそれぞれに1個ずつセンサを設けるのではなく、複数の一般入賞口に対して、全体で1個のセンサを設けるようにしてもよい。ゲートスイッチ122は前記普図始動ゲート32を通過する遊技球を1個ずつ検出するセンサである。
これら遊技球を検出する上記各センサ120、121、122、123、124は、本例では近接スイッチであり、ハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の検出信号を出力するように回路構成されている。
遊技制御装置100には、近接I/F(図示略)が設けられている。なお、近接I/Fは図6では図示を略しているが、後述の実施例1の変形例で説明する図28に示す近接I/F821と同様の構成であるので、それを参照して機能を説明する。
すなわち、近接I/F821には、上記各センサ120、121、122、123、124から入力される検出信号を0V−5Vの正論理の信号に変換する信号変換機能を有している。近接I/F821は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチ(各センサ120、122、123、124)のリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常状態を検出でき、このような異常状態を検出すると、異常検知信号を出力する構成とされている。また、近接I/F821には前記のような信号レベル変換機能を可能にするため、電源装置500から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されている。
磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126は、遊技盤20の裏面等に設けられ、磁気又は振動によって不正を検出するセンサである。
ここで、遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動される後述のソレノイド132、133などの電子部品には、電源装置500で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置500は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部501と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部502と、停電監視回路を有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号やリセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部503と、遊技用マイコン111の内部のRAMなどを初期化するRAMクリアスイッチ504などを備える。
この実施例1では、電源装置500は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部502及び制御信号生成部503は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤20及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、このように、電源装置500若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部502及び制御信号生成部503を設けることにより、機種変更の際の交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部502は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部503は、例えば通常電源部501で生成された32Vの電圧を監視して、それが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させる(本例ではオンさせる)とともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
RAMクリアスイッチ504からは初期化スイッチ信号が出力されるようになっており、初期化スイッチ信号はRAMクリアスイッチ504がオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のユーザワークRAM603(図7参照)などのRAMエリア及び払出制御装置200内の同様のRAMエリアに記憶されている情報を初期化する。
なお本例の場合、初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111や払出用マイコン201が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は、制御システム全体をリセットさせる。
次に、遊技制御装置100は、払出制御装置200、演出制御装置300、試射試験装置131(試験機関における試験時に接続される)、普電ソレノイド132、大入賞口ソレノイド133及び一括表示装置35と接続されている。遊技制御装置100からは払出制御装置200に対して外部情報が出力されるとともに、パラレル通信でデータ(例えば、払出コマンド)が送信されるようになっている。なお、その他に後述のように本実施例1では個体識別情報(固有ID)も出力されるようになっている。
外部情報としては、例えば遊技制御装置100に入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当りを知らせる大当り信号、図柄を回動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が回動開始、或いは、図柄の回動停止をトリガに図柄回転を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号、等、外部へ報知する信号であり、これらを総称して遊技機状態信号と称している。
なお、特典状態信号は、大当り状態終了後に発生するため、“大当り状態+遊技者に有利な状態”期間中に出力される信号である。
また、遊技制御装置100からは払出制御装置200に対して遊技用マイコン111を識別するための個体識別情報(固有ID)がシリアルデータで出力されるが、払出制御装置200から遊技制御装置100に対して個体識別情報再送要求は出力される構成にはなっていない。
さらに、払出制御装置200から遊技制御装置100に対して、払出異常ステータス信号、シュート球切れスイッチ信号、オーバーフロースイッチ信号、前枠開放スイッチ信号、遊技枠開放検出スイッチ信号が出力される。各信号の内容は後述する。
次に、遊技制御装置100に接続されている試射試験装置131などについて説明する。
試射試験装置131は、認定機関が遊技機の試射試験などを行うものである。普電ソレノイド132は第2始動入賞口26の開閉部材を開閉させるソレノイド、大入賞口ソレノイド133は変動入賞装置27の開閉部材を開閉させるソレノイド、一括表示装置35は前述したように、いわゆる普図の表示や特図の表示、さらには特図や普図の始動記憶の保留表示や遊技状態の表示を行うものである。
また、遊技制御装置100からは演出制御装置300に対して、パラレル通信でデータ(例えば、演出コマンド)が送信されるようになっている。
(演出制御装置関係)
次に、演出制御装置300の構成と、この演出制御装置300に接続される機器について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン、該主制御用マイコンの制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン、表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP、各種のメロディや効果音などの出力を制御する音源LSIなどを有しているが、細かい構成は略している。
演出制御装置300は遊技制御装置100の遊技用マイコン111からの制御コマンド(8ビットのデータ信号)を解析し、演出内容を決定して表示装置41の出力映像の内容を制御したり、音源LSIへの再生音の指示をしてスピーカ12a、12bを駆動して効果音等を出したり、前述した装飾LED301の駆動制御などの処理を実行する。
また、演出制御装置300は遊技制御装置100からエラー報知の指示を受けると、エラー報知LED302に対して信号を出力してオンさせる。
(払出制御装置関係)
次に、払出制御装置200の構成と、この払出制御装置200に接続される機器について説明する。
払出制御装置200は、遊技球の払出(賞球払出又は貸球払出)を制御する払出用マイクロコンピュータ(以下、払出用マイコンと称する)201、エラーナンバー表示器202、エラー解除スイッチ203、検査装置接続端子204を備えている。払出用マイコン201の詳細については後述する。
なお、払出用マイコン201は払出用演算処理装置(第2の演算処理装置)であり、本発明の遊技機用演算処理装置に相当する。
検査装置接続端子204は、例えばフォトカプラを含んで構成され、払出用マイコン201から得られる払い出しに関連する各種の情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される端子である。エラーナンバー表示器202は払出制御の処理でエラーがある場合に、エラーの内容に応じて特定のナンバーを点灯させる。エラー解除スイッチ203は払出制御の処理でエラーがあって処理が停止した場合などに、操作されるとエラーを解除する信号を出すものである。
払出制御装置200の入力側に接続される機器としては、ガラス枠開放検出スイッチ211(前枠開放の検出スイッチ)、前面枠開放検出スイッチ212(遊技枠開放の検出スイッチ)、オーバーフロースイッチ213、電波検知センサ214、払出球検出スイッチ215及びシュート球切れスイッチ216がある。
ガラス枠開放検出スイッチ211はガラス枠5が開放されていることを検出するセンサであり、前面枠開放検出スイッチ212は前面枠4が開放されていることを検出するセンサである。
オーバーフロースイッチ213は下皿10の遊技球が過剰であることを検出するスイッチ、電波検知センサ214は不正などの異常な電波を検知するセンサ、払出球検出スイッチ215は払出ユニット53(図3)によって上皿7に向けて払い出される遊技球(賞球あるいは貸球)を1個ずつ検出するスイッチ、シュート球切れスイッチ216は貯留タンク51に遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことを検出するスイッチである。
また、払出制御装置200の出力側に接続される機器としては、払出モータ222、カードユニット接続基板54、発射制御装置400及び外部情報端子板55がある。
払出制御装置200は、遊技制御装置100からの信号(払出制御コマンド)に従って、払出ユニット53の払出モータ222を駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200はカードユニット接続基板54に接続されているカードユニット(CRユニット)551からのBRQ信号(貸出要求信号)等に基づいて払出モータ222を駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
また、カードユニット接続基板54には操作パネル基板552が接続されており、操作パネル基板552はパチンコ機1に設けられている球貸可LED、残高表示器、球貸スイッチ、返却スイッチ(何れも図示略)などが接続されている。操作パネル基板552は球貸可LED、残高表示器などの信号をカードユニット(CRユニット)551から受け取るとともに、球貸スイッチ、返却スイッチからの操作信号をカードユニット(CRユニット)551に送り、貸球の払い出しに必要な制御が行われる。
なお図示省略しているが、この払出制御装置200のRAMエリア(後述のユーザワークRAM703など)にも、停電時に電源装置500からバックアップ電源が供給される構成となっている。
前述したように、遊技制御装置100からは払出制御装置200に対して外部情報が入力されるが、払出制御装置200は、この外部情報を中継して(単なる中継で通過(スルー)させて)外部情報端子板55に送るとともに、自身で作成した賞球信号も外部情報端子板55に送る。また、主基板としての遊技制御装置100から該遊技制御装置100の個体識別情報(固有ID)も払出制御装置200に入力され、結果として払出制御装置200を介して外部情報端子板55に送られるが、遊技制御装置100の個体識別情報(固有ID)は後述の払出プログラムによって編集などの処理が行われて外部情報端子板55に送られる。したがって、払出制御装置200は外部情報などについては中継する機能を有し、固有IDについては編集処理する機能を有している。
外部情報端子板55は前述したように、払出制御装置200とケーブルで接続されており、外部情報、賞球信号、遊技制御装置100の固有IDを外部装置としての管理装置780に伝送する際の中継を行う。
発射制御装置400は払出制御装置200から必要な電源の供給を受けるとともに、発射許可信号、停電検出信号を受けるようになっている。発射制御装置400は発射操作ハンドル11の操作に従って遊技球を発射する発射モータ401を制御するとともに、発射制御装置400にはタッチスイッチ402や発射停止スイッチ403からの信号が入力されている。タッチスイッチ402は遊技者が発射操作ハンドル11にタッチしているか否かを検出するものであり、発射停止スイッチ403は遊技球の発射を一時的に停止するもので、遊技者によって操作されるものである。
(遊技用マイコン111の詳細)
次に、図7を参照して遊技制御装置100が備える遊技用マイコン111の詳細について説明する。
図7は遊技用マイコン111のブロック図である。図7において、遊技用マイコン111はいわゆるアミューズチップ用のICとして製造され、遊技制御を行う遊技領域部600Aと情報管理を行う情報領域部600Bに区分される。
まず、遊技領域部600AはCPUコア(演算処理手段)601、ユーザプログラムROM(不揮発性記憶手段)602、ユーザワークRAM(揮発性記憶手段)603、外部バスインターフェース(I/F)604、バス切換回路605、復号化・ROM書込回路606、ミラードRAM607、ブートブロック608、クロックジェネレータ609、リセット/割込制御回路610、アドレスデコーダ611、出力制御回路612、乱数生成回路613、監視回路614、HWパラメータROM615、チップ個別IDレジスタ616、暗号化送受信回路617及びバス618により構成される。
CPUコア601は、遊技を管理する遊技プログラムを実行して遊技制御に必要な演算処理を行うとともに、遊技プログラムによって固有IDを出力する処理を行う。
ユーザプログラムROM602は、遊技プログラムを格納しており、遊技プログラムには遊技用マイコン111を識別するための固有識別情報(固有ID)を出力する処理が含まれている。また、ユーザプログラムROM602のアクセス禁止領域に書き込む固有情報として、ROMコメントがある。
ここで、ROMコメントに書き込まれる情報としては、例えばメーカ名、製品名、製造年月日などがある。ただし、これらは後述のメーカコード、製品コードとは別の情報であり、その名の通り単なるコメントである。また、ROMコメントについては、ユーザプログラムでは読み取り不可となっている。
ユーザワークRAM603は、遊技領域部600Aにおける遊技プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられるものである。
外部バスインターフェース604は、メモリリクエスト信号MREQ、入出力リクエスト信号IORQ、メモリ書込み信号WR、メモリ読み出し信号RD及びモード信号MODEなどのインターフェースをとるものであり、シリアル通信回路604aを内蔵している。シリアル通信回路604aは遊技用マイコン111が外部とデータをやり取りする際にシリアルデータの通信を管理する。
バス切換回路605は、16ビットのアドレス信号A0〜A15や8ビットのデータ信号D0〜D7のインターフェースをとるものである。なお、前述した外部情報はバス切換回路605を介して8ビットのデータ信号D0〜D7として出力されるようになっている。
復号化・ROM書込回路606は、例えば外部から暗号化されたデータを取り込む際に、それを復号化してユーザプログラムROM602に書き込む処理を行うものである。ミラードRAM607は、ユーザワークRAM603に記憶されているデータと同じものをミラード処理で格納するものである。ブートブロック608は、システムリセット後にCPUコア601により実行されるブートプログラムを格納するROMと、ブートプログラムが使用するブート専用ワークRAMで構成されている。クロックジェネレータ609は所定のクロック信号を生成する。
リセット/割込制御回路610は、リセット割込み信号RSTを検出してCPUコア601に知らせる。アドレスデコーダ611は、内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。出力制御回路612は、アドレスデコーダ611からの信号制御を行って、外部端子(本実施例1では14本)よりチップセレクト信号(CS0〜CS13)を外部に出力する。
乱数生成回路613は、遊技の実行過程において遊技価値(例えば、大当り)を付加するか否か等に係わる乱数(乱数は、大当たりの決定や停止時の図柄の決定等に使用)を生成するもので、一様性乱数を生成する数学的手法(例えば、合同法あるいはM系列法等)を利用している。本実施の形態では、機種に関連した情報を乱数生成の際における種値として利用する。
監視回路614は、CPUコア601を含む各部を監視し、異常があればリセット割込み信号RSTをリセット/割込制御回路610に出力する。また、監視回路614にはイリーガルアクセスリセット機能があり、CPUコア601をユーザプログラムの動作に必要なエリア以外にアクセスさせない働きがあって、ROMコメントやCPUID、メーカコード、製品コード、チップコード等の格納エリアをCPUコア601が直接アクセスできないようにしている。
ここで、CPUID、チップコードは共に遊技用マイコン111を識別可能な個体識別情報(固有ID、つまり主基板固有ID)に相当するものであるが、CPUIDは製品管理等を目的として従来より用いられているもので、ユーザプログラムでは読み取りができない。一方、チップコードはユーザプログラムで読み取ることが可能な情報である。なお、CPUIDとチップコードは互いに異なる値であり、チップコードからCPUIDを推測することはできない。
HWパラメータROM615は、パラメータを設定して書き込むことが可能なもので、ユ−ザ設定パラメータエリア、認証機関設定データエリアなどを有し、ユ−ザ設定パラメータエリアには遊技用マイコン111に内蔵されるCPU周辺回路等の動作を指定するパラメータやメーカコード、製品コードなどが書き込まれ、認証機関設定データエリアにはセキュリティコード(ただし、固有識別情報(固有ID)ではない)、遊技機用演算処理装置(演算処理装置)としての遊技用マイコン111を識別可能な個体識別情報(固有ID、つまり主基板固有ID)に相当するチップコード(主基板チップコード)、及び製品管理等を目的として従来より用いられているCPUIDが書き込まれる。また、ユーザ設定パラメータエリア、認証機関設定データエリアは共にユーザプログラムがアクセスできないアクセス禁止エリアとなっている。
チップ個別IDレジスタ616は、電源投入時に後述の制御回路(HPG)625によりHWパラメータROM615に格納されている固有IDがコピーされて書き込まれる格納エリアである。このチップ個別IDレジスタ616はユーザプログラムにてアクセス可能な領域であるため、このレジスタを介すことで、本来ユーザプログラムにおけるアクセス禁止エリアに格納されている固有IDを読み出すことが可能となっている。なお、電源投入時にHWパラメータROM615に格納されている固有IDを読み出す際は、後述のように情報領域部600BのIDプロパティRAM624にも固有IDがコピーされるようになっている。
暗号化送受信回路617は、同等の機能を有する装置(例えば払出用マイコン201)と接続し、相互認証を行った結果が正常であれば、データを暗号化して送受信を行うシリアル通信回路である。バス618はデータバス、アドレスバス及び制御バスを含むものであり、情報領域部600Bまで延びている。
ここで、遊技用マイコン111は、後述する処理(遊技プログラム)によって、遊技機状態信号に対応させて個体識別情報(主基板固有ID)を外部装置側(本実施例では払出制御装置200)へ出力する機能(遊技機状態信号出力制御手段の機能)を実現する。
次に、遊技用マイコン111における情報管理を行う情報領域部600Bについて説明する。
情報領域部600Bは、HPGワークRAM621、HPGプログラムROM622、バスモニタ回路623、IDプロパティRAM624、制御回路(HPG)625、外部通信制御回路626、バス627及び遊技領域部600Aから延びるバス618の一部を含んで構成される。
HPGワークRAM621は、遊技用マイコン111における情報管理の処理を行う際にワークエリア(作業領域)として用いられる。HPGプログラムROM622は、制御回路(HPG)625の制御プログラムを格納しており、情報領域部600Bの管理動作を行うために用いられる。
バスモニタ回路623は、情報領域部600B側より遊技領域部600A側のバス618の状態監視及び制御を行う。ここでの制御とは、ユーザプログラムROM602の内容をHPGワークRAM621に複写する際のタイミング制御や、遊技プログラムを外部に出力する際(遊技領域部600A側のバス618を開放してユーザプログラムROM602から遊技プログラムを読み込んで情報領域部500B側より外部に出力する際)のタイミング制御である。なお、遊技プログラムは、後述の外部通信制御回路626を通して出力される。外部に出力する際、暗号化処理を施してもよい。
また、バスモニタ回路623は電源投入時に遊技領域部600A側から固有IDをIDプロパティRAM624に格納する際におけるバス618の状態監視及びタイミング制御も行う。
IDプロパティRAM624は、メーカコード、製品コード、チップコードなどの出力処理を行う際にワークエリア(作業領域)として用いられるもので、IDプロパティRAM624にはシステムリセット時にCPUIDとチップコードがコピーされて格納されたり、CPUIDなどの要求時にはコピーされているCPUIDとチップコードがIDプロパティRAM624から読み出されるようになっている。また、IDプロパティRAM624にはシステムリセット時にメーカコード、製品コードがコピーされて格納されたり、それらの要求時にはコピーされているメーカコード、製品コードがIDプロパティRAM624から読み出されるようになっている。
さらに、IDプロパティRAM624には電源投入時にチップコード(固有ID)が制御回路(HPG)625によりHWパラメータROM615からコピーされて格納され、チップコードの要求時にはコピーされているチップコードがIDプロパティRAM624から読み出されるようになっている。
制御回路(HPG)625は情報領域部600B側を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路(HPG)625は、例えばバスモニタ回路623を介してCPUコア601の動作を監視し、非動作中に遊技領域部600AのミラードRAM607の内容を情報領域部600BのHPGワークRAM621へコピーする。また、外部からのメモリ内容要求指令に応答して情報領域部600BのHPGワークRAM621の内容を外部へ転送したり、遊技プログラム要求指令に応答してバスモニタ回路623を介してユーザプログラムROM602内の遊技プログラムを外部へ転送したりする。さらに、外部からのチップコードの要求に応答して情報領域部600BのIDプロパティRAM624にコピーされているチップコードを外部へ転送する際の制御を行う。
制御回路(HPG)625のメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
外部通信制御回路626は、外部との通信を行うもので、例えば、外部からの指令に基づいて遊技用マイコン111内に格納されている情報(例えば、遊技プログラム、固有ID等)を暗号化した後、外部へ転送する等の処理を行う。なお、外部通信制御回路626を通して外部から読める個体識別情報に関連するものとしては、メーカコード、製品コード、チップコード、ROMコメント、CPUIDがある。バス627は、データバス、アドレスバス及び制御バスを含むものである。
なお、遊技用マイコン111では、遊技領域部600Aと情報領域部600Bがバスモニタ回路623を介して独立して動作する。すなわち、情報領域部600B側は遊技領域部600AにおけるCPUコア601の作動に関係なく(プログラム実行に関係なく)動作可能である。
(払出用マイコン201の詳細)
次に、図8を参照して払出制御装置200が備える払出用マイコン201の詳細について説明する。
図8は払出用マイコン201のブロック図である。図8において、払出用マイコン201はいわゆるアミューズチップ用のICとして製造され、球の払出制御を行う遊技領域部700Aと情報管理を行う情報領域部700Bに区分される。
なお、各部の構成は、前述した遊技用マイコン111に類似しているが、遊技用マイコン111が遊技制御の管理を行うのに対して、払出用マイコン201は球の払出制御の管理を行う点で、異なる。
まず、遊技領域部700AはCPUコア(演算処理手段)701、ユーザプログラムROM(不揮発性記憶手段)702、ユーザワークRAM(揮発性記憶手段)703、外部バスインターフェース(I/F)704、バス切換回路705、復号化・ROM書込回路706、ミラードRAM707、ブートブロック708、クロックジェネレータ709、リセット/割込制御回路710、アドレスデコーダ711、出力制御回路712、監視回路714、HWパラメータROM715、チップ個別IDレジスタ716、暗号化送受信回路717及びバス718により構成される。
CPUコア701は、球の払出制御を管理する払出プログラムを実行して払出制御に必要な演算処理を行うとともに、遊技プログラムによって遊技用マイコン111から送られてきた固有IDを外部情報端子板55に出力する処理を行う。
ユーザプログラムROM702は払出プログラムを格納しており、払出プログラムには遊技用マイコン111から送られてきた個体識別情報(固有ID)や外部情報などを外部情報端子板55に出力する処理が含まれている。
ユーザワークRAM703は、遊技領域部700Aにおける払出プログラムに基づく処理を実行する際にワークエリア(作業領域)として用いられるものである。
外部バスインターフェース704は、メモリリクエスト信号MREQ、入出力リクエスト信号IORQ、メモリ書込み信号WR、メモリ読み出し信号RD及びモード信号MODEなどのインターフェースをとるものであり、シリアル通信回路704aを内蔵している。シリアル通信回路704aは払出用マイコン201の外部とデータをやり取りする際にシリアルデータの通信を管理する。
バス切換回路705は、16ビットのアドレス信号A0〜A15や8ビットのデータ信号D0〜D7のインターフェースをとるものである。
復号化・ROM書込回路706は、例えば外部から暗号化されたデータを取り込む際に、それを復号化してユーザプログラムROM702に書き込む処理を行うものである。ミラードRAM707は、ユーザワークRAM703に記憶されているデータと同じものをミラード処理で格納するものである。ブートブロック708は、システムリセット後にCPUコア701により実行されるブートプログラムを格納するROMと、ブートプログラムが使用するブート専用ワークRAMで構成されている。クロックジェネレータ709は所定のクロック信号を生成する。
リセット/割込制御回路710は、リセット割込み信号RSTを検出してCPUコア701に知らせる。アドレスデコーダ711は、内蔵デバイス及び内蔵コントロール/ステータスレジスタ群のロケーションをメモリマップドI/O方式及びI/OマップドI/O方式によりデコードする。出力制御回路712は、アドレスデコーダ711からの信号制御を行って外部端子(本実施例1では5本)よりチップセレクト信号(CS0〜CS4)を外部に出力する。
監視回路714は、CPUコア701を含む各部を監視し、異常があればリセット割込み信号RSTをリセット/割込制御回路710に出力する。また、監視回路714にはイリーガルアクセスリセット機能があり、CPUコア701をユーザプログラムの動作に必要なエリア以外にアクセスさせない働きがあって、ROMコメントやCPUID、メーカコード、製品コード、チップコード等の格納エリアをCPUコア701が直接アクセスできないようにしている。
HWパラメータROM715は、パラメータを設定して書き込むことが可能なもので、ユ−ザ設定パラメータエリア、認証機関設定データエリアなどを有し、ユ−ザ設定パラメータエリアには払出用マイコン201に内蔵されるCPU周辺回路等の動作を指定するパラメータやメーカコード、製品コードなどが書き込まれ、認証機関設定データエリアにはセキュリティコード(ただし、固有識別情報(固有ID)ではない)、第2の演算処理装置に相当する払出用演算処理装置としての払出用マイコン201を識別可能な個体識別情報(払出固有ID)に相当するチップコード(払出チップコード)、及び製品管理等を目的として従来より用いられているCPUIDが書き込まれる。また、ユーザ設定パラメータエリア、認証機関設定データエリアは共にユーザプログラムがアクセスできないアクセス禁止エリアとなっている。
なお、払出制御プログラムの内容によっては、以下の制御を可能にすることもできる。ただし、あくまでも払出制御プログラムの内容に依存する。例えば、遊技用マイコン111から送られてきた固有IDを単に払出制御装置200で中継して外部情報端子板55に送るような場合には、払出制御プログラムでは固有IDに関する処理は行わないことになる(実施例3参照)。
本実施例1では、以下のような制御を行う。
すなわち、チップ個別IDレジスタ716は、電源投入時に後述の制御回路(HPG)725によりHWパラメータROM715に格納されている固有IDがコピーされ書き込まれる格納エリアである。このチップ個別IDレジスタ716はユーザプログラムにてアクセス可能な領域であるため、払出制御プログラムにより、このレジスタを介すことで本来ユーザプログラムにおけるアクセス禁止エリアに格納されている固有IDを読み出すことが可能となっている。
暗号化送受信回路717は、同等の機能を有する装置(例えば遊技用マイコン111)と接続し、相互認証を行った結果が正常であればデータを暗号化して送受信を行うシリアル通信回路である。バス718はデータバス、アドレスバス及び制御バスを含むものであり、情報領域部700Bまで延びている。
次に、払出用マイコン201における情報管理を行う情報領域部700Bについて説明する。
情報領域部700Bは、HPGワークRAM721、HPGプログラムROM722、バスモニタ回路723、IDプロパティRAM724、制御回路(HPG)725、外部通信制御回路726、バス727及び遊技領域部700Aから延びるバス718の一部を含んで構成される。
HPGワークRAM721は、払出用マイコン201における情報管理の処理を行う際にワークエリア(作業領域)として用いられる。HPGプログラムROM722は、制御回路(HPG)725の制御プログラムを格納しており、情報領域部700Bの管理動作を行うために用いられる。
バスモニタ回路723は、情報領域部700B側より遊技領域部700A側のバス718の状態監視及び制御を行う。ここでの制御とは、ユーザプログラムROM702の内容をHPGワークRAM721に複写する際のタイミング制御などのタイミング制御である。また、バスモニタ回路723は電源投入時に遊技領域部700A側から払出固有IDをIDプロパティRAM724に格納する際におけるバス718の状態監視及びタイミング制御も行う。
なお、払出プログラムは、後述の外部通信制御回路726を通して出力される。外部に出力する際、暗号化処理を施してもよい。
IDプロパティRAM724は、チップコードなどの出力処理を行う際にワークエリア(作業領域)として用いられるもので、IDプロパティRAM724にはシステムリセット時にCPUIDとチップコードがコピーされて格納されたり、CPUIDなどの要求時にはコピーされているCPUIDとチップコードがIDプロパティRAM724から読み出されるようになっている。また、IDプロパティRAM724にはシステムリセット時にメーカコード、製品コードがコピーされて格納されたり、それらの要求時にはコピーされているメーカコード、製品コードがIDプロパティRAM724から読み出されるようになっている。
また、IDプロパティRAM724には電源投入時に払出固有IDが制御回路(HPG)725によりHWパラメータROM715からコピーされて格納され、払出固有IDの要求時にはコピーされている払出固有IDがIDプロパティRAM724から読み出されるようになっている。
制御回路(HPG)725は情報領域部700B側を制御するもので、バッファメモリを有している。制御回路(HPG)725は、例えばバスモニタ回路723を介してCPUコア701の動作を監視し、非動作中に遊技領域部700AのミラードRAM707の内容を情報領域部700BのHPGワークRAM721へコピーする。また、外部からのメモリ内容要求指令に応答して情報領域部700BのHPGワークRAM721の内容を外部へ転送したりする。制御回路(HPG)725のメモリは、転送時のタイミング調節のために用いられる。
さらに、制御回路(HPG)725は外部からの固有IDの要求に応答して情報領域部700BのIDプロパティRAM724にコピーされている固有IDを外へ転送する際の制御を行う。
外部通信制御回路726は、外部との通信を行うもので、例えば、外部からの指令に基づいて払出用マイコン201内に格納されている情報(例えば、メーカコード、製品コード、固有ID等)を暗号化した後、外部へ転送する等の処理を行う。なお、外部通信制御回路726を通して外部から読める個体識別情報に関連するものとしては、メーカコード、製品コード、チップコード、ROMコメント、CPUIDがある。バス727は、データバス、アドレスバス及び制御バスを含むものである。払出制御プログラムによって、払出固有IDを読み出すような制御を行う場合には、出力制御回路712、バス切換回路705等が個体識別情報(払出固有ID)を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する機能を有する。
なお、払出用マイコン201では、遊技領域部700Aと情報領域部700Bがバスモニタ回路723を介して独立して動作する。すなわち、情報領域部700B側は遊技領域部700AにおけるCPUコア701の作動に関係なく(プログラム実行に関係なく)動作可能である。
ここで、払出用マイコン201は受信制御手段及び個体識別情報出力制御手段の機能を実現する。
E.遊技の概要
次に、本例のパチンコ機1で行われる遊技の概要や遊技の流れについて説明する。
まず、遊技開始当初の時点(或いは遊技開始前の時点)では、客待ち状態(デモ中)となっており、客待ち画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100のバッファ(例えば、同様の機能の図29ではバッファ833に相当)から演出制御装置300に送信され、表示装置の表示部41aには客待ち画面(動画又は静止画)が表示される。
そして、ガイドレール21を介して遊技領域22に打込まれた遊技球が、特図の始動入賞口25又は26に入賞すると(即ち、特図の始動入賞があると)、特図の変動表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aにおいて特図(数字、文字、記号、模様等よりなるもの)が変動(例えば、スクロール)する表示(いわゆる変動表示)が行われて、特図の変動表示ゲーム(以下、特図変動表示ゲームという)が行われる。
そして、この変動表示ゲームの停止結果態様(変動表示により導出された特図の組合せ)が特別結果態様(例えば、「3、3、3」などのゾロ目)であれば、大当りと呼ばれる特典が遊技者に付与される。なお制御上は、例えば始動入賞があったことを条件として、大当り乱数等の値が抽出記憶されて、この抽出記憶された乱数値と予め設定された判定値とが判定時に比較判定され、この比較判定結果に基づいて、予め大当りとするか否かが決定され、この決定に応じて上記変動表示ゲームが開始される。
また、通常モードにおいて、変動表示ゲームの停止結果態様が特別結果態様のうちの特定の態様(例えば、「7、7、7」のゾロ目)であれば、上記大当りになるとともに、大当り遊技後(後述する特賞期間後)に、ゲーム状態が通常モードから確変モードへ移行する。この確変モードでは、特図が大当りになる確率(以下、特図の大当り確率という)を高める制御が行われる。また場合によっては、いわゆる時短(特図等の変動表示時間を短くして変動表示ゲームの頻度を高め当り易くするもの)も行われる。
上記大当りになって大当り状態に移行すると、ファンファーレ期間(大当りになったことを演出する効果音の出力などが実行される期間)を経て、変動入賞装置27の大入賞口が、規定時間(例えば、30秒)を越えない範囲内において、例えば10個入賞までの期間だけ一時的に開放される開放動作(大当たりラウンド)が行われる。そしてこの開放動作は、規定のラウンド数だけ繰り返し行われる。また、この大当り状態では、大当り状態を演出したり大当りラウンド数などを遊技者に報知するための大当り画面の表示を指令するコマンドが遊技制御装置100から演出制御装置300に送信され、表示部41aでは、このような大当り中の表示が実行される。
なお、この大当り状態になっている期間(ファンファーレ期間と、大入賞口が開放されている大当りラウンドの期間と、大当りラウンドと次の大当りラウンドの間のインターバル期間と、エンディング期間)が、特賞期間に相当する。
また上記大当りのラウンド数としては、例えば、通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成でもよいし、その他の構成でもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当り等があってもよい。
また、上記特図の変動表示ゲーム中又は大当り中に、始動入賞口25又は26にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で特図の始動記憶の保留表示が行われて例えば4個まで記憶され、変動表示ゲーム又は大当り状態が終了した後に、その始動記憶に基づいて上記特図の変動表示ゲームが繰り返されたり、客待ち状態に戻ったりする。
即ち、変動表示ゲームが大当りで終了すれば大当り状態に移行し、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶がなければ客待ち状態に戻り、大当りが終了して始動記憶があれば再度変動表示ゲームが実行され、大当りが終了して始動記憶がなければ客待ち状態に戻る流れとなっている。
なお本形態例では、例えば特図の始動記憶(特図始動記憶)の表示を2種類(特図1保留表示と特図2保留表示)行うようにし、特図変動表示ゲームとして、2種類の変動表示ゲーム(第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲーム)を実行する。即ち、遊技球が第1始動入賞口25に入ることによる特図始動入賞(第1始動入賞)が発生すると、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第1始動入賞口25に入賞すると、第1始動記憶(特図1保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図1の変動表示による第1変動表示ゲームが行われる。また、遊技球が第2始動入賞口26に入ることによる特図始動入賞(第2始動入賞)あると、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる。そして、何れかの特図変動表示ゲーム中などに遊技球が第2始動入賞口26に入賞すると、第2始動記憶(特図2保留表示に対応する始動記憶)が1個記憶され、これに対して、上記特図変動表示ゲーム終了後などに、表示装置41にて特図2の変動表示による第2変動表示ゲームが行われる構成となっている。なお、第1始動記憶と第2始動記憶の両方があるときには、予め設定されたルールに従って第1変動表示ゲームと第2変動表示ゲームのうちの何れかが先に実行される。例えば、第2始動入賞口26に対応する第2変動表示ゲームが優先的に行われる態様(即ち、第2始動記憶が優先的に消化される態様)、或いは2種類の変動表示ゲームが交互に行われる態様などが有り得る。
一方、遊技中に、遊技球が普図始動ゲート32を通過したときは、表示部41a等で普図の変動表示による普図の変動表示ゲーム(以下、普図変動表示ゲームという)が行われる。そして、この普図変動表示ゲーム結果(停止した普図)が所定の態様(特定表示態様)であれば、普図当りと呼ばれる特典が付与される。
この普図当りになると、第2始動入賞口26の一対の開閉部材26aが逆ハの字に開いた開状態に、所定の開放時間だけ一時的に保持される遊技が行われる。これにより、遊技球が始動入賞し易くなり、その分、特図の変動表示ゲームの実施回数が増えて大当りになる可能性が増す。
また、上記普図の変動表示ゲーム中に、普図始動ゲート32にさらに遊技球が入賞したときには、表示部41a等で普図始動記憶の保留表示が実行されて、例えば4個まで記憶され、普図の変動表示ゲームの終了後に、その記憶に基づいて上記普図の変動表示ゲームが繰り返される。
次に、固有IDの外部出力について概略説明すると、パチンコ機1の電源投入時やシステムリセット時には、制御回路(HPG)625の動作により、遊技用マイコン111のHWパラメータROM615に格納されている固有IDが読み出されてチップ個別IDレジスタ616にコピーされるとともに、IDプロパティRAM624にも固有IDがコピーされる。
チップ個別IDレジスタ616にコピーされた固有IDは、遊技プログラムの動作により外部バスインターフェース604を通り、内蔵のシリアル通信回路によってシリアル通信形式にされて遊技用マイコン111の外部に適宜出力されて払出制御装置200(外部装置側)にシリアル転送され、さらに払出制御装置200を経由して外部情報端子板55に送られ、この外部情報端子板55で中継されて外部の管理装置780に伝送される。これにより、遊技用マイコン111に格納されている固有IDを遊技店側に送ることが可能になる。
なお、パラレル通信で固有IDを遊技用マイコン111から出力する場合には、チップ個別IDレジスタ616にコピーされた固有IDは、バス618、バス切換回路605を介して外部にパラレル転送されることになるが、実施例1ではシリアル通信となっている。
一方、IDプロパティRAM624にコピーされた固有IDは、外部からの固有IDの要求に応答して外部通信制御回路626を通して外部(ここでは図6の検査装置接続端子112)へと転送される。そして、例えば検査装置接続端子112に検査装置を接続することにより、遊技用マイコン111に格納されている固有IDが検査機関にて読み出されることになる。
また、IDプロパティRAM724には電源投入時に払出固有IDが制御回路(HPG)725の動作によりHWパラメータROMからコピーされて格納され、IDプロパティRAM724にコピーされた払出固有IDは、外部からの固有IDの要求に応答して外部通信制御回路726を通して外部へ出力される。
なお、遊技制御装置100で生成された遊技機状態信号(外部情報)は、例えばバス切換回路605を介して外部に(本実施例1では払出制御装置200に)パラレル転送される。
F.制御系の動作
次に、遊技制御装置100及び払出制御装置200の制御内容を説明する。最初に遊技制御装置100について図9〜図18により説明する。
(a)遊技制御装置のメイン処理
まず、図9,10により、遊技制御装置100(遊技用マイコン111)のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、遊技用マイコン111に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、電源装置500の図示省略した電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置500の制御信号生成部503からリセット信号が遊技制御装置100に入力されて遊技用マイコン111のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、遊技用マイコン111が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて遊技用マイコン111が起動する。また、作業者が遊技制御装置100のユーザワークRAM603等の初期化をしようとする場合には、電源装置500の初期化スイッチ(RAMクリアスイッチ504)をオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
そして遊技用マイコン111が起動すると、まず割込みを禁止し、CPUコア601や遊技用マイコン111に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに、払出基板(払出制御装置200)の起動を待つために所定のディレイ時間(例えば4msec)だけ処理の進行を停止する(ステップS1〜S3)。
そして、上記ディレイ時間が経過すると、RAM(ユーザワークRAM603)へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS4、S5)。なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS5が設けられている。
次に、初期化スイッチ信号の状態によって前記初期化スイッチがオンしているか否か判断し(ステップS6)、オンしていればステップS12に進み、オンしていなければステップS7に進む。
なお、ステップS12に進むのは、前記初期化スイッチがオン操作されて遊技用マイコン111が起動した場合、後述するステップS7で停電検査領域が全て正常ではないと判定された場合、或いは後述するステップS9でチェックサムが正常でないと判定された場合である。このため、ステップS12に進むと、遊技用マイコン111のRAM(ユーザワークRAM603)内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。
初期化スイッチがオンしていなければ、ステップS7に進んで、RAM(ユーザワークRAM603)の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時であるとしてステップS8に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS12に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS25で設定されるものである。このステップS7では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
次にステップS8では、ユーザワークRAM603のデータのチェックサムを算出し、ステップS9で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちユーザワークRAM603のデータが壊れているとき)には、ステップS12に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS10に進む。
ステップS10では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットする。次いで、ステップS11で特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を送信する。このステップS11を経ると、ステップS15に進む。
一方、ステップS6で初期化スイッチがオンしていた場合には、ステップS12にジャンプし、ステップS12〜14の処理を行う。ステップS12以降の処理に進むと、遊技制御装置100のユーザワークRAM603内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS12では使用する全てのユーザワークRAM603の領域をクリアする。具体的には、ユーザワークRAM603において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS13で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブし、ステップS14で電源投入時のコマンド(電源投入コマンド)を演出制御装置300に送信する処理を行う。電源投入コマンドが送信されると、他の制御装置は、この電源投入コマンドを受けて、例えば演出制御装置300であれば枠演出装置のモータの動作位置を初期位置にするなどの初期化を行う。
ステップS14を経ると、ステップS15に進み、RAMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする。出力タイマ初期値としては、例えば256msをセーブする。
次いで、ステップS16では、例えば遊技用マイコン111の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。CTCはタイマ割込みのための回路である。
次にステップS17では、遊技用マイコン111の内部に設けられた乱数生成回路613の起動設定を行う。この乱数生成回路613によってハード的に特図や普図の各乱数のうちの一部が生成される。但し、これら乱数の初期値は、後述するステップS19の処理によってソフト的に設定される。
なお、特図に関連する乱数としては、大当り乱数(大当りとするか否かを決定するための乱数)、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。また、普図に関連する乱数としては、例えば、普図当り乱数(普図当りとするか否かを決定するための乱数)などがある。このうちステップS17,19で対象とする乱数(ハード乱数)は、例えば、大当り乱数、普図当り乱数、大当り図柄乱数1,2である。なお、上記特図に関する乱数は、特図が2種類ある場合、特図1と特図2で共通でもよいし、別個に設けられていてもよい。
次いでステップS18では、割込みを許可し、次のステップS19では、初期値乱数更新処理を行う。初期値乱数更新処理は、遊技球を発射するタイミングを計って故意に大当り等をねらうことが困難になるように、ハード乱数の初期値を更新する処理である。
次いでステップS20に進み、停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、次のステップS21で停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS22に進み、オンしていなければステップS19に戻る。通常運転中は、ステップS19〜S21を繰り返す。
そして、ステップS22に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS23に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS21に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS23以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS22で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップS23に進むと、割込を禁止した後、次のステップS24で全ての出力をオフし(全ての出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS25で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS25を経ると、次のステップS26で、ユーザワークRAM603のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS27でユーザワークRAM603へのアクセスを禁止した後、待機する(前述した制御信号生成部503からのリセット信号を待つリセット待ち状態となる)。なお図9において、「RWM」とあるのはユーザワークRAM603を意味する。
なお、以上のステップS23〜S27の停電処理は、停電によって電源電圧が遊技用マイコン111の動作電圧未満に低下する前に行われる。
(b)遊技制御装置のタイマ割込処理
次に、遊技制御装置100(遊技用マイコン111)のタイマ割込処理を図10により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理におけるステップS16,S18の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップS31で、必要に応じてレジスタの退避や割込みの禁止を実行した後、ステップS32の入力処理を実行する。この入力処理では、前述の各センサ類(始動口スイッチ120、121、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124など)の検出信号の読み取りを実行する。具体的には、各センサの出力値をタイマ割込周期毎に判定し、同じレベルの出力値が規程回数(例えば、2回)以上継続した場合に、この出力値のレベルを各センサの検出信号の確定的な値として読み取る。なお、何れかのセンサがオンしていることが読み取られると、それを示すフラグ(入力フラグ)がたてられる。
次に、ステップS33で、後述するステップS38,S39,S40,S42で設定された出力データを対応する出力ポートに設定し出力する出力処理を実行し、次いでステップS34で、設定された各制御装置(演出制御装置300、払出制御装置200)への信号(コマンド)を送信する処理(コマンド送信処理)を実行する。
その後、ステップS35,S36で、乱数更新処理1,2をそれぞれ実行する。ここでは、特図に関連するソフト乱数及び普図に関連するソフト乱数の更新が行われる。特図に関連するソフト乱数としては、例えば、大当り図柄乱数1,2(大当り停止図柄決定用の乱数)、変動パターン乱数(リーチアクションの有無等を含む変動パターンを決定する乱数)、停止図柄乱数(外れの停止図柄決定用の乱数)などがある。ここでの、乱数の更新は、乱数を例えば「1」づつ増やすことにより実行される。したがって、このタイマ割込み処理のルーチンが繰り返される毎に、乱数が変り、このソフト乱数の抽出値がアトランダム性を保つようになる。
なお、上記変動パターン乱数は、本例では変動パターン乱数1〜3の3種類有る。このうち、変動パターン乱数1は後半変動(リーチ開始後の変動)のリーチ系統を選択するための乱数であり、変動パターン乱数2はリーチ系統の中から詳細な演出の振分(例えばプラス1コマで特図が停止するかマイナス1コマで特図が停止するか)を行うための乱数であり、変動パターン乱数3は前半変動(リーチ開始前までの変動)の態様を選択するための乱数である。また、上記変動パターン乱数は変動態様の全てを直接決定するものでもよいが、本例では、具体的な態様は演出制御装置300が決定する。例えば、変動時間とリーチ系統(リーチの大まかな種別)のみを変動パターン乱数1により決定し、決定した変動時間とリーチ系統に基づいて演出制御装置300が具体的な変動態様を決定する。
次いで、ステップS37では、入賞口スイッチ監視処理とエラー監視処理を実行する。入賞口スイッチ監視処理は、前述したように設定される入力フラグ(特図の始動口スイッチ120、121、入賞口スイッチ123、及びカウントスイッチ124)を監視し、例えばカウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、15個の賞球払い出しを払出制御装置200に要求する前準備などの処理を実行するものである。またエラー監視処理は、前述の各センサ類の未検出エラーや、賞球排出の過剰エラーや、ガラス枠5の開放状態、及び大入賞口27a、普電26の開放中以外での不正入賞などを監視するための処理である。
次に、ステップS38では、特図ゲーム処理を行う。この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲーム全体の統括的制御が行われる。即ち、変動開始条件(変動表示ゲームの開始条件)の成立時において、大当り乱数の判定や、特図の停止図柄の組み合わせ(結果態様)を設定する処理や、特図の変動態様を設定する処理が行われる(詳細後述する)。
ここで、変動開始条件の成立時とは、客待ち状態で始動口入賞があって変動表示ゲームが開始される時、変動表示ゲームがはずれで終了し始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時、大当たりが終了して始動記憶があって再度変動表示ゲームが実行される時の3種類がある。
また、この特図ゲーム処理では、特図の変動表示ゲームに関する各種出力データを設定する処理も行われる。即ち、特図の変動表示ゲームの遊技状態に合わせて、例えば、演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容(コマンドデータ)を設定する。
次いで、ステップS39では、普図の変動表示ゲームのための処理を行う。即ち、普図の変動表示遊技の状態に合わせて演出制御装置300などへ送信するコマンドの内容を設定する処理などを行う。
次に、ステップS40では、セグメントLED編集処理を実行する。これは、ステップS38の特図ゲーム処理において決定された特図の図柄やステップS39の普図ゲーム処理において決定された普図の図柄、その他の情報を、一括表示装置35の本特図の表示器(LED、7セグメントの表示器)において表示するための処理である。
次に、ステップS41では、磁気エラー監視処理を実行する。これは、磁気センサスイッチ125の入力フラグが設定されていると、磁気エラーが発生したとして、所定の処理(エラー報知コマンドの送信等)を実行するものである。
次に、ステップS42では、外部情報編集処理を実行する。これは、遊技制御装置100から払出制御装置200へ出力しようとするデータの編集を行うものである。このデータは、本実施例1の場合、払出制御装置200を介した後、最終的には外部情報端子板55への出力データ(大当り信号、賞球信号等の他、固有IDも含む)となる(詳細は後述)。
その後、ステップS43〜S45で、メインルーチンを再開すべく、割込み要求をクリアし、退避させたレジスタを復帰させ、割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
(c)遊技制御装置の特図ゲーム処理
次に、前記タイマ割込処理における特図ゲーム処理S38を、図11により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS61で始動口スイッチ監視処理を実行する。これは、前述したように設定される入力フラグを監視し、始動口スイッチ120、121の入力フラグが設定されていると、大当たり乱数の値を抽出し記憶するなどの処理を実行するものである(詳細後述する)。
次いでステップS62でカウントスイッチ監視処理が行われる。これは、カウントスイッチ124の入力フラグが設定されていると、大入賞口27aに遊技球が入賞したとして、所定の処理を実行するものである。
次いでステップS63では、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしたか、又は当該タイマの−1更新後にタイムアップしたか判定し、タイムアップしていれば次のステップS64でステップS65に進み、タイムアップしていなければ次のステップS64でステップS76に進む。特図ゲーム処理タイマは、後述する処理番号による分岐後の各処理(ステップS69〜S75)において、それぞれ所定の値にタイマ値が設定されるものであり、この特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたときにステップS65以降を実行すべきタイミングになるように設定される。これにより、ステップS63を実行した時点で、ステップS65以降を実行すべきタイミングになっていると、ステップS64の判定結果が肯定的になり、ステップS65以降(ステップS76〜S79含む)が実行される。そして、ステップS63を実行した時点で、ステップS65〜S75を実行すべきタイミングでない場合には、ステップS64の判定結果が否定的になり、ステップS76〜S79のみが実行される構成となっている。
そしてステップS65〜S67では、後述する処理番号による分岐のために、特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定し、特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得し、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる。
次いでステップS68では、処理番号により分岐する。即ち、処理番号0でステップS69(特図普段処理)へ、処理番号1でステップS70(特図変動中処理)へ、処理番号2でステップS71(特図表示中処理)へ、処理番号3でステップS72(ファンファーレ/インターバル中処理)へ、処理番号4でステップS73(大入賞口開放中処理)へ、処理番号5でステップS74(大入賞口残存球処理)へ、処理番号6でステップS75(大当り終了処理)へ進む。なお、客待ち状態(デモ中)は、処理番号0である。
そして、ステップS69(特図普段処理)では、特図保留数(特図変動表示ゲーム未実施で保留になっている特図始動記憶の数)がゼロで特図変動表示ゲームを実行中でないときには、客待ち状態の表示を表示装置41で行うための処理を行う。また、この特図普段処理では、次の特図変動表示ゲームを開始するための処理(特図変動開始処理)を行う。この特図変動開始処理では、特図1及び特図2の始動記憶を監視し、何れかの特図始動記憶があれば、対応する変動表示(第1又は第2変動表示)を開始するための設定(演出制御装置300に送信する変動パターンコマンドの設定など)を実行し、処理番号を1とした後にリターンする。特図保留数がゼロで次の特図変動表示ゲームを実行しない場合には、そのまま(処理番号は0のまま)リターンする。
また、ステップS70(特図変動中処理)では、特図変動開始処理で設定された変動時間が経過するまで、特図を変動表示させるための処理が行われる。そして、前記変動時間が経過すると、特図の図柄を停止させるコマンド(図柄停止コマンド)を演出制御装置300に送信する処理を実行した後、処理番号を2としてリターンする。設定された変動時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は1のままとする)。
また、ステップS71(特図表示中処理)では、特図の変動表示結果を一定時間(1秒〜2秒)表示するための処理を行う。前記一定時間の表示が終了すると、大当りなら処理番号を3とし、はずれなら処理番号を0としてリターンする。前記一定時間が未経過のときは、そのままリターンする(処理番号は2のままとする)。
また、ステップS72(ファンファーレ/インターバル中処理)では、大当り直後にはファンファーレ音等をスピーカ12a等から出力するファンファーレ処理を実行し、大当りのインターバル期間にはインターバル期間の表示等を実現するためのインターバル処理を実行し、変動入賞装置27の大入賞口開放を開始するタイミングで処理番号を4にする。
また、ステップS73(大入賞口開放中処理)は、変動入賞装置27の大入賞口27aを開放している間の処理である。大入賞口開放が終了すると処理番号を5にする。
また、ステップS74(大入賞口残存球処理)では、大入賞口開放終了の間際に大入賞口27aに入った遊技球を確実にカウントするために一定時間待機する処理を行い、この一定時間が経過した後に、大当りのラウンドが残っているときには処理番号を3にし、大当りのラウンドが残っていないときには処理番号を6としてリターンする。
またステップS75(大当り終了処理)では、大当たり終了後に特図普段処理S69を実行するための処理を行い、処理番号を0に戻してリターンする。
次に、処理番号に応じた上記何れかの処理が終了すると、ステップS76に進み、特図1の一括表示装置35での表示(本特図1の表示)を制御するためのテーブルを準備し、次のステップS77では、この本特図1の変動表示のための制御処理を行う。
次いでステップS78に進み、特図2の一括表示装置35での表示(本特図2の表示)を制御するためのテーブルを準備し、次のステップS79では、この本特図2の変動表示のための制御処理を行い、その後リターンする。
(d)遊技制御装置の特図表示中処理
次に、前記特図ゲーム処理におけるステップS71で実行される特図表示中処理を図12により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS81で特図2が大当りであるか否かを判別し、大当りであればステップS83に分岐し、大当りでなければ、ステップS82に進む。ステップS82では同様に、特図1について大当りか否かを判別し、大当りであればステップS83に進み、大当りでなければステップS92にジャンプする。
特図1あるいは特図2の何れかの大当りであれば、ステップS83にて大当りのラウンド数の上限値を決定する。大当りのラウンド数としては、前述したように、例えば通常は15ラウンド大当りが主の大当りであるが、プレミアとして16R大当りを発生させる構成であれば、16Rであってもよい。また、いわゆる突確(出玉の少ない大当りを経由して大当り確率が変化する突然確変)として2ラウンド大当りを発生させる構成であれば、2Rであってもよい。何れにしても、このステップS83でのラウンド数の上限値は、ステップS81又はステップS82の大当りの結果態様(つまり、大当り乱数の抽選結果)による。
ここで、大当りの種類と振分けは、例えば次のように設定されている。
大当りの種類としては、2R確変大当り(大当り図柄番号1)と、15R確変大当り(大当り図柄番号2)と、15R通常大当り(大当り図柄番号3)とがあり、これら大当りの種類に対してそれぞれ特定の大当り図柄(複数でもよい)が対応する設定となっている。ここで、2R確変大当りは、大当りのラウンドが2ラウンドで、大当り後に高確率となり、大当り後のサポート(普電の開閉部材26aの開動作)がないものであり、特図1での選択割合は50%、特図2での選択割合は0%である。また15R確変大当りは、大当りのラウンドが15ラウンドで、大当り後に高確率となり、大当り後のサポートが次回大当りまでであり、特図1での選択割合は25%、特図2での選択割合は75%である。また15R通常大当りは、大当りのラウンドが15ラウンドで、大当り後に低確率(通常確率)となり、大当り後のサポートが特図変動回数100回までであり、特図1での選択割合は25%、特図2での選択割合は25%である。つまり、特図1では2R確変大当りが最も発生し易く、特図2では15R確変大当りが最も出易い構成となっている。但し、大当りのうちで全体として確変が発生する割合は、特図1も特図2も75%で同じである。また、2R確変大当りによる確変は、確変(高確率)になっていることが遊技者に分かり難いもので、いわゆる潜伏確変に相当する。
但し、特別遊技状態の種類等は当然に以上説明したものに限定されず、例えば小当り(大当りではないが、所定期間、大当りラウンドと同様の状態が発生するもの)が設定されていてもよい。この場合、2R確変大当りと同様に大入賞口を開閉する小当りがあると、この小当り(確変無し)になったのか2R確変大当り(確変有り)になったのか大入賞口の動作では分かりにくく、確率曖昧状態が発生し得る。
次いで、ステップS84で低確率時の確率情報コマンドを設定する。これは、大当りの抽選確率が低い場合(通常確率)における確率情報コマンドである。次いで、ステップS85で大当り図柄に対応するファンファーレコマンドを設定する。これにより、このとき発生した大当りにふさわしいファンファーレコマンドが設定されて、大当りの映像や効果音などの演出が付与されることになる。次いで、ステップS86で大当り図柄の図柄コマンドを設定する。これにより、大当り中に表示装置41の表示部41aに表示される飾り特図が決まる。次いで、ステップS87で大当りに関連する外部情報と試験信号の出力データを設定する。これは、外部の管理装置780に出力する外部情報や検査機関に提供する遊技データ(試験信号)として、どのようなデータを出力するかを設定するものである。
次いで、ステップS88で大当り図柄に対応するファンファーレ時間を設定する。これにより、このとき発生した大当りにふさわしいファンファーレの時間が設定されて、大当りの効果音の演出が行なわれることになる。次いで、ステップS89で大入賞口不正入賞数をリセットし、ステップS90で大入賞口不正の監視期間外に設定する。これは、不可抗力や不正などで大当り中以外のときに大入賞口に入賞した遊技球のカウントをリセットしたり(特に、不可抗力によるカウントが蓄積して不正扱いとならないようにするために)、大入賞口への不正を監視する期間を外す(外さないと正規な大当り入賞とみなされず、不正入賞となるから)ものである。
次いで、ステップS91でファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理1を実行して前述の特図ゲーム処理にリターンする。これは、特図表示中処理を終了して次の処理に相当するファンファーレ/インターバル中処理の処理番号に移行させるものである。
一方、ステップS81、82で特図1あるいは特図2の何れかの大当りでもなければ、ステップS92に分岐して低確率及び普電サポート中かどうかを判別する。これは、大当り後に低確率(通常確率)である場合には、普電が特図変動回数100回まで開放するサポートがあるので、それを確認するためである。NOのときは、ステップS97にジャンプして特図普段処理移行設定処理1を実行し、リターンする。これは、特図表示中処理を終了して次の処理に相当する特図普段処理の処理番号に移行させるものである。
ステップS92で低確率及び普電サポート中であれば、ステップS93に進んで時短変動回数を「−1」だけ更新する。大当り後に低確率のときは、普電が特図変動回数100回まで開放するサポートがあるので、特図変動が1回ある度に、サポート回数をデクリメントしていくものである。次いで、ステップS94で時短変動回数=0かどうかを判別し、「0」でなければ、ステップS97に分岐してルーチンを繰り返し、「0」になると、ステップS95に進んで時短終了時の確率情報コマンドを設定する。これは、時短が終了したので、大当りの抽選確率が低い場合(通常確率)における確率情報コマンドを設定するものである。
次いで、ステップS96で特図普段処理移行設定処理2を実行し、リターンする。これは、特図表示中処理を終了して次の処理に相当する特図普段処理の処理番号に移行させるものである。ただし、ここではあくまでも時短終了時から特図普段処理に移行する場合に限られる。
(e)遊技制御装置の入賞口スイッチ/エラー監視処理
次に、前記タイマ割込処理における入賞口スイッチ/エラー監視処理S37を図13により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS101で大入賞口への入賞と不正入賞を監視する。これは、大入賞口27aへの正規(大当り時など)の遊技球の入賞を監視するとともに、大当り以外の不正な大入賞口27aへの入賞を監視するものである。次いで、ステップS102で普電への入賞と不正入賞を監視する。これは、普通電動役物(普電)としての第2始動入賞口26への正規の遊技球の入賞を監視するとともに、不正な第2始動入賞口26への入賞を監視するものである。次いで、ステップS103で上記以外の入賞口への入賞を監視する。ここでは、第1始動入賞口25や一般入賞口28〜31への入賞を監視する。次いで、ステップS104でエラースキャンカウンタを更新する。これは、エラーを監視する準備として、一旦、前回のエラースキャンカウンタの値を更新しておくものである。次いで、ステップS105で遊技機エラー監視テーブル1を準備する。
遊技機エラー監視テーブル1で定義するエラー監視の種類は、下記の通りである。
(イ)スイッチ異常(コネクタ抜け、スイッチ故障など)
(ロ)シュート球切れ
(ハ)オーバーフロー
(ニ)払い出し異常
次いで、ステップS106では遊技機エラー監視テーブル1で定義した種類のエラーチェックを行い、ステップS107で遊技機エラー監視テーブル2を準備する。
遊技機エラー監視テーブル2で定義するエラー監視の種類は、下記の通りである。
(ホ)ガラス枠開放(前枠開放)
(ヘ)前面枠開放(遊技枠開放)
次いで、ステップS108で遊技機エラー監視テーブル2で定義した種類のエラーチェックを行った後、タイマ割込処理にリターンする。
(f)遊技制御装置のエラーチェック処理
次に、前記入賞口スイッチ/エラー監視処理におけるエラーチェック処理を図14により説明する。
まず、ステップS111でエラースキャンカウンタに対応するエラーのパラメータをテーブルから取得する。上記テーブルとしては、前述したように遊技機エラー監視テーブル1、2があるので、これらの各エラーから今回の対応する1つのエラーを取得することになる。次いで、ステップS112では今回取得した対象のエラーを検出するスイッチがオンであるかどうかを判別し、オンであればエラー発生となる状態である可能性があるので、ステップS113に進んで、対象のエラー発生監視タイマ比較値を取得する。
例えば、遊技機エラー監視テーブル1で定義するエラーの1つとして、シュート球切れの場合であれば、貯留タンク51に遊技球を供給するシュートに遊技球が無いことがシュート球切れスイッチ216で検出されてオンになると、ステップS112がYESとなる。YESであればステップS113で、シュート球切れのエラー発生監視タイマ比較値を取得し、次いで、ステップS115で対象のスイッチの状態は前回監視時と同じか否かをチェックする。一方、ステップS112で今回取得した対象のエラーを検出するスイッチがオフであれば、上記とは逆にエラー解除となる状態である可能性があるので、ステップS114に分岐して対象のエラー解除監視タイマ比較値を取得した後、ステップS115にジャンプする。
ステップS115のチェック内容につきステップS116で判別して、結果がNOであれば、まだエラーの処置まで必要ないと判断してステップS117で対象のエラー監視タイマをクリアする。一方、ステップS116の判別結果がYESであれば、エラーの処置が必要かどうかのタイマを判断するためにステップS118で対象のエラー監視タイマを「1」だけ更新(インクリメント)し、取得したタイマ比較値(エラーへの処置が必要と判断する基準値)に達したかどうかをチェックする。タイマ比較値に達していれば、エラー発生または解除の状態が確定したと見なされることになる。しかし、既にエラーが発生している状態のときにエラー発生が確定するか、またはエラー発生中でない状態のときにエラー解除が確定するという状況もあり得るので、ステップS120で今回確定したエラー状態は現エラーフラグの状態と同じかどうかをチェックする。同じであれば、エラーの状況が変化していないことになるので、処置の必要はないと判断し、リターンする。同じでなければ、新たなエラー状態に変化したことになるので、ステップS122で対象のエラーフラグ領域の値を今回確定したエラー状態のものに変更して、ステップS123に進み、今回確定したエラー状態に対応するコマンドを設定してリターンする。これにより、今回のエラー状態に対応する処置が行なわれることとなり、例えばシュート球切れであれば、それを知らせるエラー表示が報知されたり、報知解除されたりする。
一方、ステップS116でNOのとき、ステップS119でNOのときは今回のルーチンを終了してリターンする。
また、ステップS121でYESのときも今回のルーチンを終了してリターンする。
このようにして、エラーが発生すれば、該当するエラーフラグを立てて処置のコマンドを設定し、エラーが解消すれば該当するエラーフラグを消して解消のコマンドの設定が行なわれる。特に、このエラーチェック処理では、エラーの発生だけを監視しているものではなく、解除も合わせて監視するようにして、処理を共通にしている。
なお、このようなエラーチェック処理は、例えばガラス枠開放、前面枠開放などのエラーについても同様である。
(g)遊技制御装置の外部情報編集処理
次に、前記タイマ割込み処理におけるステップS42で実行される外部情報編集処理を図15、図16により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS131で固有情報信号編集処理を行う。これは、固有情報信号の出力要求フラグが立っているとき、例えば電源投入時のセキュリティ信号、ガラス枠・前面枠の開放信号、大当り1信号などの出力開始時に上記出力要求フラグが立てられた場合に、遊技用マイコン111のメーカコード、製品コード、チップコード、固有IDなどを取得するものである(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS132でセキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかどうかをチェックする。チェック結果はステップS133で判別し、NOであればステップS134に進んで固有情報出力要求済みであるかを判別し、NOのときはステップS135で電源投入での固有情報信号の出力要求フラグをセットするとともに、ステップS136で電源投入での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットした後、さらにステップS137でセキュリティ信号ONの出力データを設定してステップS140に進む。
ステップS135の処理により、パチンコ機1の電源投入時においてセキュリティ信号に対応させて主基板固有IDが外部に出力されることになる。なお、ステップS134でYESのときは、ステップS137にジャンプする。セキュリティ信号は遊技機状態信号の一つである。
一方、ステップS133でYES(タイムアップ)のときは、ステップS138に分岐して電源投入での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアした後、ステップS139セキュリティ信号OFFの出力データを設定してステップS140に進む。すなわち、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップなどしていれば、セキュリティ信号OFFの出力データが設定され、セキュリティ信号の出力値がオンからオフになる。このようにセキュリティ信号は、電源投入後に一定時間だけオンになり、それに対応させて主基板固有ID等が固有情報信号として外部装置側に出力される(後述する図28(a)参照)。
次いで、ステップS140乃至ステップS142で、磁石不正発生中か、大入賞口不正発生中か、普電不正発生中かをそれぞれ判別する。何れか1つ以上の不正が発生していれば、ステップS143に進んでセキュリティ信号ONの出力データを設定し、さらにステップS144で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定する。
これにより、不正や遊技機エラー状態が外部に出力されることになる。一方、ステップS142でNOのときはステップS145に分岐して遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定する。
ステップS144あるいはステップS145を経ると、次いで、図16のステップS146に進む。ステップS146では扉又は枠の開放中か否かを判別する。ここで、扉とはガラス枠5のことで、扉の開放はガラス枠開放検出スイッチ211によって検出される。また、枠とは前面枠4のことで、枠の開放は前面枠開放検出スイッチ212によって検出される。
扉又は枠の開放中であれば、ステップS147に進んで固有情報出力要求済みかどうかを判別する。固有情報出力要求済みでなければ、ステップS148で扉・枠開放での固有情報信号の出力要求フラグをセットするとともに、ステップS149で扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしてステップS150に進む。これは、扉又は枠の開放というイベントが発生したタイミングで固有IDを出力するためである。
次いで、ステップS150では扉・枠開放信号ONの出力データを設定し、ステップS151で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定してステップS152に進む。
一方、ステップS146でNOのとき、つまり扉又は枠の開放中でなければ、扉又は枠の開放というイベントが発生しないので、そのような出力データの設定は行う必要がないので、ステップS153に分岐して扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアするとともに、ステップS154で扉・枠開放信号OFFの出力データを設定してステップS152に進む。上記ステップS146〜S150によれば、扉又は枠(ガラス枠又は前面枠)が開放中であると、扉・枠開放信号がオンになり、それに対応させて主基板固有IDが固有情報信号として外部装置側に出力される(後述する図28(b)参照)。扉・枠開放信号は遊技機状態信号の一つである。
ステップS152では大当り動作中かどうかを判別し、大当り動作中であればステップS155で固有情報出力要求済みかどうかを判別する。NOであれば、つまり大当りになって未だ固有情報出力要求を出していなければ、ステップS156で大当りでの固有情報信号の出力要求フラグをセットするとともに、ステップS157で大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをセットしてステップS158に進む。これは、大当り発生というイベントが発生したタイミングで固有IDを出力するためである。
次いで、ステップS158で大当り1信号ONの出力データを設定する。一方、ステップS155で固有情報出力要求済みであれば、ステップS156、157をジャンプしてステップS158に進む。
また、先のステップS152で大当り動作中でなければ、ステップS159に分岐して大当りでの固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアするとともに、ステップS160で大当り1信号OFFの出力データを設定する。
上記ステップS152〜S158によれば、大当り動作中であると、大当り1信号がオンになり、それに対応させて主基板固有IDが固有情報信号として外部装置側に出力される。大当り1信号は遊技機状態信号の一つであり、全ての種類の大当り動作中にオンとされる信号である。
ステップS158あるいはステップS160を経ると、次いで、ステップS161で始動口信号編集処理を行い、つづくステップS162で図柄確定回数信号編集処理を行なってリターンする。これは、始動入賞があった場合に外部に出力する信号(始動口信号)の編集や特図の図柄確定などにつき外部に出力する信号(図柄確定回数信号)の編集を行うものである。なお、始動口信号や図柄確定回数信号も遊技機状態信号であり、これら信号に対応させて主基板固有IDを外部装置側に出力する態様としてもよい。
(h)遊技制御装置の固有情報信号編集処理
次に、前記外部情報編集処理におけるステップS131で実行される固有情報信号編集処理を図17により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS171でシリアル通信中かどうかを判別する。これは、遊技制御装置100と払出制御装置200との間で、シリアル通信が実行中かどうかをチェックするものである。シリアル通信中であれば、今回は固有IDを払出制御装置200に出力することはできないので、リターンする。
一方、シリアル通信中でなければステップS172に進んで、固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかチェックする。
ここで、固有情報信号の出力要求フラグは、以下のような信号の発生時に対応してそれぞれ独立にセットされる。
「電源投入時のセキュリティ信号」
「扉・枠開放信号」
「大当り1信号」
なお、複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応する。この場合に一度に全部の要求フラグをクリアすることはない。
さて、ステップS172で固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかのチェックを行うと、そのチェック結果をステップS173で判別し、出力要求フラグがあればステップS174に進んで固有情報信号の出力要求フラグをクリアする。これは、既に固有情報信号の出力要求フラグがセットされて、固有IDを払出制御装置200に出力するための処理を行う(ステップS175にて)ことができるから、上記出力要求フラグをクリアするものである。
次いで、ステップS175で固有情報取得処理を行ってリターンする。これにより、遊技制御装置100にて固有IDの取得が行われて、シリアル送信バッファに書き込まれることになる。一方、ステップS173で出力要求フラグがなければ、ステップS174、175をジャンプしてリターンする。したがって、この場合は固有IDの取得は行われない。なお、シリアル送信バッファは、シリアル通信回路604a内に設けられた送信バッファである。
(i)遊技制御装置の固有情報取得処理
次に、前記固有情報信号編集処理におけるステップS175で実行される固有情報取得処理を図18により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS181でスタートコードをシリアル送信バッファに書き込む。シリアル通信の開始であることを受け側である払出制御装置200に特定させるためのコードである。次いで、ステップS182で取得はチップコードのみかどうかを判別し、取得がチップコードのみであればステップS188にジャンプして、チップコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込み、ステップS189でチップ個別IDレジスタ616から個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出し、シリアル送信バッファに書き込み、リターンする。これにより、固有IDが取得されて払出制御装置200に出力されることになる。
一方、ステップS182で取得がチップコードのみでなければ、ステップS183に進んでメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップS184でメーカコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップS185で製品コード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップS186で製品コードを読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップS188に進む。これにより、メーカコード及び製品コードが取得されて払出制御装置200に出力されることになる。
なお、個体識別情報の配列の具体例については、後述の図27に示している。
また本実施例では、扉・枠開放信号や大当り1信号の発生時には、固有情報としてチップコード(主基板固有ID)のみを出力する態様であるため、この場合にはステップS182の判定が肯定的になってステップS188とS189のみを実行してリターンする構成となっている。また、電源投入時のセキュリティ信号発生時には、固有情報としてチップコード(主基板固有ID)に加えて、メーカコードや製品コードも出力する態様であるため、この場合にはステップS182の判定が否定的になってステップS183〜S189の全てを実行してリターンする構成となっている。また、この電源投入時の場合、図28(a)に示すように、メーカコード、製品コード、チップコードの順番でシリアル送信される。
また、各識別コードには、各コードのデータの種類とデータ長が分かる情報が含まれている(図27により後述する)。
次に、払出制御装置200の処理について図19〜図22により説明する。
(a)払出制御装置のメイン処理
まず、図19により、払出制御装置200(払出用マイコン201)のメイン処理を説明する。
このメイン処理は、払出用マイコン201に強制的にリセットがかけられたことに基づいて開始する。即ち、電源装置500の図示省略した電源スイッチがオン操作されると、所定のタイミングに(電源投入時の所定のリセット期間に)電源装置500の制御信号生成部503からリセット信号が払出用マイコン201に入力されて払出用マイコン201のリセット端子がオンし、その後このリセット信号が解除されると、払出用マイコン201が起動する。なお、停電からの電源復旧時にも、同様にリセット信号がオンした後に解除されて払出用マイコン201が起動する。また、作業者が払出用マイコン201のユーザワークRAM703等の初期化をしようとする場合には、電源装置500の図示省略した初期化スイッチをオン操作しながら前記電源スイッチをオン操作する必要がある。
そして払出用マイコン201が起動すると、まず割込みを禁止し、CPUコア701や払出用マイコン201に内蔵されるCPU周辺回路(シリアルポートを含む)の初期設定を行うとともに(ステップS201、ステップS202)、RAM(ユーザワークRAM703)へのアクセスを許可した後、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する(ステップS203、ステップS204)。なお、リセット信号によって各出力ポートはオフ設定(リセット)されているので、ソフト的に各出力ポートにオフ信号を出力する必要は必ずしもないが、ここでは念のためにステップS204が設けられている。
次に、初期化スイッチ信号の状態によって前記初期化スイッチがオンしているか否か判断し(ステップS205)、オンしていればステップS210に進み、オンしていなければステップS206に進む。
なお、ステップS210に進むのは、前記初期化スイッチがオン操作されて払出用マイコン201が起動した場合、後述するステップS206で停電検査領域が全て正常ではないと判定された場合、或いは後述するステップS208でチェックサムが正常でないと判定された場合である。このため、ステップS210に進むと、払出用マイコン201のRAM(ユーザワークRAM703)内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。
初期化スイッチがオンしていなければ、ステップS206に進んで、RAM(ユーザワークRAM703)の停電検査領域1,2の全ての値が正常な停電検査領域チェックデータであるか否か判断し、正常であれば停電復帰時であるとしてステップS207に進み、異常であれば(正常に記憶されてなければ)通常の電源投入時であるとしてステップS210に進む。なお、停電検査領域チェックデータは、後述するステップS227で設定されるものである。このステップS206では、このように複数のチェックデータによって停電復帰時であるか否か判定するので、停電復帰時であるか否かの判断が信頼性高く為される。
次にステップS207では、ユーザワークRAM703のデータのチェックサムを算出し、ステップS208で電源遮断時のチェックサムと比較し、その値が正常(一致)か否かを判定する。このチェックサムが正常でない場合(即ちユーザワークRAM703のデータが壊れているとき)には、ステップS210に進み、前記チェックサムが正常である場合にはステップS209に進む。
ステップS209では、停電復旧のための処理(初期値設定)を実行する。即ち、全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアし、エラー及び不正監視に係る領域をリセットし、ステップS212にジャンプする。
一方、ステップS205で初期化スイッチがオンしていた場合には、ステップS210にジャンプし、ステップS210、211の処理を行う。ステップS210以降の処理に進むと、払出用マイコン201のユーザワークRAM703内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。即ち、ステップS210では使用する全てのユーザワークRAM703の領域をクリアする。具体的には、ユーザワークRAM703において、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。次いで、ステップS211で初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする。
次いで、ステップS212では、例えば払出用マイコン201の内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。なお、CTCはタイマ割込みのための回路であり、このタイマ割込みによって後述のタイマ割込み処理(図24)が定期的に実行される。
次にステップS213では、割込みを許可し、次のステップS214では、発射制御判定処理を行う。これは、カードユニット551がカードユニット接続基板54を介してパチンコ機1(払出制御装置200)と接続されないと遊技球を発射できない状態とするものである。
次いで、ステップS215で球貸し制御モード中であるかどうかを判別し、球貸し制御モード中であればステップS216に進み、球貸し制御モード中でなければステップS217に進む。ステップS216では球貸し制御処理を行う。これは、遊技者が球貸し操作を行う等の状況に応じて球貸しのために遊技球の払い出しなどの処理を行うものである。ステップS216を経るとステップS221にジャンプする。
一方、ステップS215からステップS217に分岐すると、このステップS217では賞球制御モード中かどうかを判別し、賞球制御モード中であればステップS218に進んで、賞球制御処理を行い、ステップS221にジャンプする。賞球制御処理は、賞球排出に関する制御を行うものである。
また、賞球制御モード中でなければステップS219に進んで、払出過剰エラー監視処理を実行し、このエラーが発生すれば払出過剰エラー中であることを示す情報が設定される。次いで、ステップS220で払出装置制御開始判定処理を実行する。これは、払出過剰エラー中でない場合に、賞球制御開始判定や球貸し制御開始判定を行うものである。
賞球制御開始判定処理は、未排出の賞球があって払出禁止中等でなければ賞球制御モード中を設定する処理である。また、球貸し制御開始判定処理は球貸し要求(BRQ信号による貸出要求)があると球貸し制御モード中を設定する処理である。但し、賞球制御モード中を設定する条件と、球貸し制御モード中を設定する条件の両方が成立した場合には、球貸しの制御が優先される構成となっている。
さて、上記ステップS216、ステップS218、ステップS220を経ると、次いで、ステップS221でエラー報知編集処理を実行し、次のステップS222で停電監視信号のチェック回数(例えば2回)を設定し、ステップS223に進む。エラー報知編集処理は、なんらかのエラーが発生したときに、このエラーを報知する情報を編集する処理である。
ステップS223では、停電監視信号がオンしているか否か判定し、オンしていれば停電の最終判断のためのステップS224に進み、オンしていなければステップS223に戻る。このため、通常運転中は、ステップS214〜S223を繰り返す。
そして、ステップS224に進むと、前記チェック回数分だけ停電監視信号のオン状態が継続しているか否か判定し、この判定結果が肯定的であると停電発生と最終判断してステップS225に進み、否定的であれば停電発生と判断できないとしてステップS223に戻る。
なお停電監視信号がオンになると、この停電監視信号をNMI割込信号として、実行中の処理を中断してステップS225以降の停電処理を強制的に実行する態様でもよい。但し本例の構成であると、停電監視信号のオン状態をステップS224で複数回チェックするので、実際には停電が発生していないのにノイズ等によって停電監視信号が一時的かつ瞬間的にオンした場合に停電発生と誤判断してしまうことがないという利点がある。
そしてステップS225に進むと、割込を禁止した後、次のステップS226で全ての出力をオフし(全出力ポートにオフデータを出力し)、次いでステップS227で停電情報設定処理を実行する。停電情報設定処理では、前述の停電検査領域チェックデータ1を停電検査領域1にセーブし、停電検査領域チェックデータ2を停電検査領域2にセーブする。
ステップS227を経ると、次のステップS228で、ユーザワークRAM703のデータのチェックサムを算出して所定のチェックサム領域にセーブし、次いでステップS229でユーザワークRAM703へのアクセスを禁止した後、待機する(前述した制御信号生成部503からのリセット信号を待つリセット待ち状態となる)。なお図19において、「RWM」とあるのはユーザワークRAM703を意味する。
なお、以上のステップS225〜S229の停電処理は、停電によって電源電圧が払出用マイコン201の動作電圧未満に低下する前に行われる。
(b)払出制御装置の固有情報受信割込み処理
次に、払出制御装置200の固有情報受信割込み処理を図20により説明する。
この固有情報受信割込み処理は、電源投入時やガラス枠5あるいは前面枠4の開放時などのイベントが発生したときに割込みがかかって開始される。
この固有情報受信割込み処理では、まずステップS231でレジスタを退避し、ステップS232で固有情報受信割込み要求をクリアする。次いで、ステップS233で通信割込みを許可する。これは、遊技制御装置100と払出制御装置200との間の通信割込みを許可するものである。次いで、ステップS234で払出制御装置200におけるシリアル受信バッファのデータを読み込み、ステップS235で固有情報受信継続中かどうかを判別する。ここでの固有情報は主基板固有IDを指す。なお、シリアル受信バッファは、シリアル通信回路704a内にある。
固有情報受信継続中であれば(即ち、後述する受信継続中フラグがセットされていれば)、ステップS236に進んでタイムアウトかを判断する。ここでは、後述するタイムアウト監視タイマがタイムアップしていれば、タイムアウトと判断される。タイムアウトでなければ、ステップS237乃至ステップS240の処理に移行する。まず、ステップS237では固有情報受信カウンタに対応する主制御固有情報領域のアドレスを算出し、次のステップS238では算出後のアドレスに受信データをセーブする。これにより、算出したアドレスに遊技制御装置100から受信した主基板固有IDに関するデータが保存される。次いで、ステップS239で固有情報受信カウンタを更新し、ステップS240で固有情報解析処理(詳細は後述)を実行した後、ステップS241に進む。
一方、ステップS235で固有情報受信継続中でなければ、ステップS243に分岐し、受信データはスタートコードか否かを判別する。また、ステップS236でYESのとき、すなわち、タイムアウトと判断したときはステップS242に分岐して受信継続中フラグをクリアした後、ステップS243に進む。
ステップS243で受信データがスタートコードでなければ、ステップS241にジャンプし、スタートコードであれば、ステップS244に進んで受信継続中フラグをセットする。次いで、ステップS245で固有情報受信カウンタをリセットし、ステップS246でタイムアウト監視タイマの初期値を設定した後、ステップS237に分岐する。したがって、このときはステップS237乃至ステップS240の処理が行われて、ステップS241に進む。
ステップS241では、シリアル受信バッファが空かどうかを判別し、空でなければステップS234に戻って上記のルーチンを繰り返す。そして、シリアル受信バッファが空になると、ステップS247に進んでメインルーチンを再開すべく、全ての割込みを許可し、ステップS248で退避させたレジスタを復帰させ、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
(c1)払出制御装置の固有情報解析処理(イ)
次に、前記固有情報受信割込み処理におけるステップS240で実行される固有情報解析処理の1つを図21により説明する。
ここで、固有情報解析処理には複数(例えば、3つ)の形態があり、下記の通りである。下記の説明で、主基板とは遊技制御装置100のことで、払出基板とは払出制御装置200のことで、さらに両基板とは主基板と払出基板の両方のことであり、さらに「出力する」とは、情報を払出制御装置200から出力するという意味である。
(イ)主基板の情報のみを出力する場合
(ロ)両基板の情報をそれぞれに出力する場合
(ハ)両基板の情報を合成して出力する場合
図21の処理は、(イ)主基板固有IDのみを払出制御装置200から出力する場合である。
このルーチンが開始されると、まずステップS251で最初の識別コードを受信済みであるかどうかを判別し、受信済みでなければ固有情報受信割込み処理にリターンする。一方、最初の識別コードを受信済みであれば、ステップS252に進んで最初の識別コードを元に受信予定データ数を決定する。次いで、ステップS253で受信データ数が受信予定データ数に達したかをチェックし、ステップS254でチェック結果を判別し、受信予定データ数に達していなければ固有情報受信割込み処理にリターンし、達していればステップS255以降の処理を実行する。これにより、主基板固有IDが取得される。
ステップS255では主制御固有情報領域のデータを固有情報送信バッファ領域にコピーする。送信バッファは固有情報を外部に送信するためのものである。次いで、ステップS256で外部に送信するデータ数を固有情報送信カウンタに設定し、ステップS257で主制御固有情報領域を全てクリアし、ステップS258で固有情報受信継続中フラグをクリアし、ステップS259で固有情報受信カウンタをリセットし、さらにステップS260で送信を開始するためにパラメータを初期設定した後、固有情報受信割込み処理にリターンする。
このようにして、遊技制御装置100から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDのみを払出制御装置200から外部に送信するために必要な処理が行われる。
(c2)払出制御装置の固有情報解析処理(ロ)
次に、固有情報解析処理の(ロ)の形態例を図22により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS271で最初の識別コードを受信済みであるかどうかを判別し、受信済みでなければ固有情報受信割込み処理にリターンする。一方、最初の識別コードを受信済みであれば、ステップS272に進んで最初の識別コードを元に受信予定データ数を決定する。次いで、ステップS273で受信データ数が受信予定データ数に達したかをチェックし、ステップS274でチェック結果を判別し、受信予定データ数に達していなければ固有情報受信割込み処理にリターンし、達していればステップS275以降の処理を実行する。これにより、主基板固有IDが取得される。
ステップS275では主制御固有情報領域のデータを固有情報送信バッファ領域にコピーする。送信バッファは固有情報を外部に送信するためのものである。次いで、ステップS276で払出チップコード(払出固有ID)を読み出す。これは、チップ個別IDレジスタ716からCPUコア701を識別するチップコードを読み出すことで行われる。また、ステップS276では読み出した払出チップコードを固有情報送信バッファ領域にセーブする。
次いで、ステップS277で外部に送信するデータ数(主基板固有IDと払出固有IDの両方のデータ数)を固有情報送信カウンタに設定し、ステップS278で主制御固有情報領域を全てクリアし、ステップS279で固有情報受信継続中フラグをクリアし、ステップS280で固有情報受信カウンタをリセットし、さらにステップS281で送信を開始するためにパラメータを初期設定した後、固有情報受信割込み処理にリターンする。
このようにして、遊技制御装置100から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDと払出固有IDのそれぞれを払出制御装置200から外部に送信するために必要な処理が行われる。
(c3)払出制御装置の固有情報解析処理(ハ)
次に、固有情報解析処理の(ハ)の形態例を図23により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS291で最初の識別コードを受信済みであるかどうかを判別し、受信済みでなければ固有情報受信割込み処理にリターンする。一方、最初の識別コードを受信済みであれば、ステップS292に進んで最初の識別コードを元に受信予定データ数を決定する。次いで、ステップS293で受信データ数が受信予定データ数に達したかをチェックし、ステップS294でチェック結果を判別し、受信予定データ数に達していなければ固有情報受信割込み処理にリターンし、達していればステップS295以降の処理を実行する。これにより、主基板固有IDが取得される。
ステップS295では主制御固有情報領域のデータをロードし、ロードしたデータがチップコードか否かをステップS296で判別する。判別結果がYESであれば、主基板固有IDがチップコードであると判断することになる。YESであれば、ステップS297で対応する払出のチップコードを読み出す。これは、チップ個別IDレジスタ716からCPUコア701を識別するチップコード(払出固有ID)を読み出すことで行われる。また、このステップS297では読み出した払出チップコードと主制御固有情報領域からロードしておいた主基板のチップコード(主基板固有ID)とを合成する。合成はどのような方法でもよい。次いで、ステップS298で合成したデータを固有情報送信バッファ領域にセーブする。一方、ステップS296でロードしたデータがチップコードでなければ、ステップS298に分岐する。次いで、ステップS299に進み、全データのコピーが完了したかどかを判別する。全データのコピーが完了していなければ、ステップS295に戻って処理を繰り返す。これにより、払出のチップコードと主基板のチップコードとが合成され、合成したデータと場合によりその他の固有情報のデータ(主基板のメーカコードや製品コードのデータ)が固有情報送信バッファ領域にセーブされるまでルーチンが繰り返される。
そして、ステップS299で全データのコピーが完了したと判断されると、ステップS300に進み、外部に送信するデータ数(主基板固有IDと払出固有IDの合成データ数)を固有情報送信カウンタに設定し、ステップS301で主制御固有情報領域を全てクリアし、ステップS302で固有情報受信継続中フラグをクリアし、ステップS303で固有情報受信カウンタをリセットし、さらにステップS304で送信を開始するためにパラメータを初期設定した後、固有情報受信割込み処理にリターンする。
このようにして、遊技制御装置100から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDと払出固有IDの両方を合成して払出制御装置200から外部に送信するために必要な処理が行われる。
(d)払出制御装置のタイマ割込み処理
次に、払出制御装置200のタイマ割込み処理を図24により説明する。
このタイマ割込処理は、前述したメイン処理(図19)におけるステップS212、ステップS213の処理によって開始され、所定のタイマ割込周期で繰り返し実行される。
このタイマ割込処理では、まずステップS311〜313で、レジスタの退避、タイマ割込みの割込み要求のクリア、通信割込みの許可をそれぞれ実行した後、ステップS314、ステップS315でそれぞれ出力処理と入力処理を順次実行する。
出力処理では、例えば出力データを対応する出力ポートに設定する処理などを行う。また入力処理では、例えば、前述の各スイッチ類(ガラス枠開放検出スイッチ211、前面枠開放検出スイッチ212、オーバーフロースイッチ213、電波検知センサ214、払出球検出スイッチ215、シュート球切れスイッチ216など)の検出信号があった場合に対応する入力フラグを設定する、或いは遊技制御装置100からの払出制御コマンドを受信するなどの処理を実行する。
次にステップS316で、タイマ更新処理を実行した後、ステップS317で要求監視処理を実行する。要求監視処理は、例えば払出制御コマンドを受信した場合にこのコマンドを解析するなどのコマンド解析処理を実行したり、球貸し要求監視処理など行うものである。
次いで、入力監視処理(ステップS318)、払出モータ出力編集処理(ステップS319)、外部情報出力編集処理(ステップS320)を順次実行する。入力監視処理は、例えば、前述した入力フラグが設定されていると、その入力フラグに基づく処理(エラー判定など)を行うものである。払出モータ出力編集処理は、払出モータ222に出力する制御信号の設定を行う処理である。外部情報出力編集処理は、払出制御装置200から出力するデータを設定する処理である。
その後、ステップS321、ステップS322で、メインルーチンを再開すべく、タイマ割込を許可し、退避させたレジスタを復帰させ、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
(e)払出制御装置の外部情報出力編集処理
次に、前記タイマ割込み処理におけるステップS320で実行される外部情報出力編集処理を図25により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS331で賞球信号編集処理を行う。これは、遊技制御装置100からの排出コマンドに基づいて排出した賞球の数を表す信号(賞球信号)の出力データを設定するものである。
次いで、ステップS332で固有情報信号編集処理を行う。これは、払出制御装置200から出力する固有情報信号の編集を行うもので、詳細は図26で後述する。ステップS332を経るとタイマ割込み処理にリターンする。
(f)払出制御装置の固有情報信号編集処理
次に、前記外部情報出力編集処理におけるステップS332で実行される固有情報信号編集処理を図26により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS341で送信データがあるかどうかを判別する。これは、払出制御装置200から外部に出力するための送信データがあるかどうかを判断するものである。ステップS341でNOのときは、ルーチンを終了して外部情報出力編集処理にリターンする。
一方、ステップS341で送信データがあると判断すると、ステップS342で固有情報送信バッファ領域のデータをロードし、ステップS343でロードしたデータをシリアル通信回路704a内のシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップS344でデータを取り出した固有情報送信バッファ領域をクリアし、ステップS345で全データの書き込みが終了したかどうかを判別する。これは、シリアル送信バッファに外部出力すべき情報を全て書き込んだか否かを判断するものである。全データの書き込みが終了していなければ、ステップS342に戻ってルーチンを繰り返し、全データの書き込みが終了すると、ステップS346に進んで送信に関するパラメータをクリアした後、外部情報出力編集処理にリターンする。
このようにして、固有情報信号編集処理が行われる。
以上のような各プログラムを実行することにより、主基板固有IDが外部に出力されるが、そのタイミングチャートを説明する。
なおここで、タイミングチャートの説明の前に、個体識別情報の送信の具体例を図27に示す。
図27に示すものは、電源投入時/停電復旧時と、通常遊技中(枠開放時/大当り時)の例である。例えば、電源投入時/停電復旧時には、スタートコード、区分識別コード、メーカコード1〜3、区分識別コード、製品コード1〜8、区分識別コード、チップコード1〜4という順序の19バイトのデータが個体識別情報の配列として送信される。
一方、通常遊技中(枠開放時/大当り時)には、スタートコード、区分識別コード、チップコード1〜4という順序の6バイトのデータが個体識別情報の配列として送信される。
ここで、区分識別コードは、状況によって固有情報のデータ長が変化するので、受け側が区別できるように、データの種類とデータ長を含んだ識別子として用意したものである。
なお、図27に示すデータ例では、電源投入時と通常遊技中で送信データ量を変化させるとしているが、このような例に限るものではなく、例えば通常遊技中(枠開放時/大当り時)にも全データ(この例では19バイト)を送信する構成としてもよい。
図28は、シリアル通信で固有ID(図28では固有識別情報と表記)を遊技制御装置100から外へ(ここでは払出制御装置200の方へ)出力する際のタイミングチャートを示す図である。
まず、パチンコ機1の電源投入時においては、図28(a)に示すように遊技機状態信号(セキュリティ信号)が規定の時間だけONとなる(図15のフローチャート参照:ステップS132乃至ステップS139)。そうすると、そのON期間ではシリアル通信にてスタートコード、区分識別コード、メーカコード1、メーカコード2、・・・・・チップコード3、チップコード4というような順序の19バイトのデータが個体識別情報の配列(図27参照)として遊技制御装置100から払出制御装置200にシリアルで送られる。
一方、通常遊技中の固有識別情報の出力は、図28(b)に示される。
すなわち、通常遊技中にガラス枠5あるいは前面枠4が開放すると、遊技機状態信号(枠開放信号)が規定の時間だけONとなり、これはガラス枠5あるいは前面枠4が閉鎖されるまで続く(図16のフローチャート参照)。そうすると、そのON期間ではシリアル通信にてスタートコード、区分識別コード、チップコード1、チップコード2、チップコード3、チップコード4というような順序の6バイトのデータが個体識別情報の配列(図27参照)として遊技制御装置100から払出制御装置200にシリアルで送られる。この場合、遊技機状態信号の立ち上り時点から、個体識別情報の出力が開始される。
このように、電源投入やガラス枠5あるいは前面枠4の開放などというイベント発生時に、これらのイベントに合わせて固有IDを遊技制御装置100から外へ(払出制御装置200の方へ)出力することができ、最終的には外部情報端子板55を介して外部の管理装置780に出力することができる。特に、このようなイベント発生時には、遊技用マイコン111が不正に交換されているかどうかを外部の管理装置780にて容易にチェックすることができるので、不正に対して有効に対処することができる。したがって、遊技店の開店時だけでなく、開店中に遊技用マイコン111が不正に交換されたケースでも容易に不正をチェックすることができる。
実施例1によれば、以下のような効果がある。
以上のように本実施例1のパチンコ機1では、遊技プログラムが実行される以前に、遊技用マイコン111(遊技機用演算処理装置)における遊技領域部600Bの制御回路(HPG)625により遊技領域部600AのHWパラメータROM615に格納されている固有ID(個体識別情報)が読み出されてチップ個別IDレジスタ616及びIDプロパティRAM624にコピーされる。そして、チップ個別IDレジスタ616にコピーされた固有IDは、遊技プログラムが実行されることにより、電源投入時やガラス枠5あるいは前面枠4の開放時などに読み出され、外部バスインターフェース604を通り、内蔵のシリアル通信回路604aによってシリアル通信形式にされて遊技用マイコン111の外部に遊技機状態信号に対応させて出力されてシリアル転送で外部装置側(払出制御装置200)に送られ、さらに固有IDは払出制御装置200から外部情報端子板55を介して遊技店の管理装置780に伝送される。また場合によっては、払出制御装置200の払出用マイコン201(遊技機用演算処理装置)の固有ID(個体識別情報)も遊技機状態信号に対応させて外部装置側(管理装置780)に出力される。
したがって、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置100や払出制御装置200)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。つまり、不正の可能性や不正発生時の状況が判定できる情報(遊技機状態信号に対応した個体識別情報)が外部装置側に出力可能である。
というのは、このように遊技機状態信号に対応させて伝送される遊技機用演算処理装置の固有ID(個体識別情報)を遊技店の管理装置780で監視すれば、各制御装置に対する不正発生を容易に発見できる。例えば、遊技機設置時に管理装置780に予め登録しておいた固有IDと遊技機状態信号に対応して送られてくる固有IDを、管理装置780でその都度比較する処理を行うようにし、不一致ならば不正発生と判定すればよい。
また、遊技機状態信号に対応させて個体識別情報が出力されるので、外部装置(この場合、管理装置780)は、送られてくる個体識別情報と対応する遊技機状態信号の整合が容易に取れるので、遊技機の状況が把握し易くなり、不正が発生した場合の対策が取り易くなる。というのは、仮に遊技機状態と同期を取らずに出力すると、固有情報を受けた時にどのような状況で送られたのかを外部装置側で探さなくてはならないが、本実施例ではその必要がない。
また本実施例では、特定の遊技機状態信号がオンする場合に個体識別情報を出力する構成であり、定期的に個体識別情報を送信しないので、出力した個体識別情報を外部から読み取られにくい。
また、定期的に個体識別情報を送信しないので、ホールの遊技機台数に伴い通信データ量が膨大になってしまう問題を回避できる。
また、本実施例1では前述したように遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン111(演算処理装置)から出力することができる。
その場合に、情報領域部600B(情報処理部)の大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
例えば、従来の技術であれば、固有IDの出力形態(プロトコル等)の改善や変更等を行うには情報処理部の改善や変更が必要となり、演算処理装置を構成するIC自体を作成し直すことになる。これは莫大な費用や期間を要してしまう。
そこで、機種毎に作成されるとともに演算処理装置に書き込まれる遊技プログラムに、この固有IDを出力する機能を備えれば、遊技プログラムの変更によって固有IDの出力形態や出力タイミング等の改善や変更が安価で迅速に行うことができる。そのため、遊技プログラムによって固有IDを出力できるようにした演算処理装置の要望がある。
しかし近年、磁石や振動等による不正対策や遊技の興趣を高めるための工夫等で、遊技プログラムが複雑になり、また新たに固有IDを出力するための処理を追加となり、プログラムサイズが大きくなることが余儀なくされるが、遊技プログラムは所定のサイズに収めなければならず、遊技プログラムの効率化を行わなければならない。
このような状況であっても、本実施例1では遊技プログラムを所定のサイズに収めつつ、遊技プログラムの効率化を行って、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを演算処理装置から外部(例えば、遊技店側)に出力する遊技機を実現することができる。すなわち、図7から明らかであるように、店側への固有IDの出力は遊技プログラムにて遊技用マイコン111の遊技領域部600Aで行っているので、遊技用マイコン111の情報領域部600Bに対する大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
また、図9以降のフローチャートから明らかであるように、遊技プログラムも外部情報編集処理に少しの変更を加えるだけで固有IDを外部出力できるから、遊技プログラムのサイズも大きくならず、所定のサイズに収めることができる。さらに、遊技プログラムも効率化している。例えば、大当り、扉や枠の開放といったイベントが発生したタイミングは従来と同様のプログラム処理で分かる事項であり、このようなイベント発生時に固有IDを出力する処理を加えるだけで済むから、遊技プログラムの効率化を行いつつ、固有IDを出力することができる。
なお、遊技店の管理装置780(店側)への固有IDの出力は遊技プログラムにて遊技用マイコン111の遊技領域部600Aで行っているが、検査機関への固有IDの出力は遊技用マイコン111における情報領域部600Bが行い、IDプロパティRAM624にコピーされている固有IDを外部通信制御回路626が外部へ転送する際の制御を行うことによって行われる。その場合は、遊技制御装置100の検査装置接続端子112に検査装置を接続することで、検査装置が作動して、固有IDを外部に読み出すことになる。
上記のように遊技店の管理装置780(店側)への固有IDの出力するときは、外部情報端子板55を通して行われる。この場合、固有IDの店側への伝送については、従来と同様の構造の基板対電線用コネクタ63a及び基板対電線用コネクタ67に対して、メスタイプの所定のコネクタをそれぞれ差し込むという簡単な接続作業だけで遂行することができ、間違いが起きにくく、容易である効果がある。
また、固有IDを含む全ての信号の伝送にアイソレーション手段62としてのフォトカプラ群65を介しているので、電気的な不正やノイズを遮断でき、セキュリティが向上する。
さらに、実施例1では払出制御装置200における払出用マイコン201が実行する払出プログラムにおいて、主基板固有IDを払出制御装置200から外部に出力する制御を行っているので、遊技制御装置100の負担をかけずに外部に主基板固有IDを取り出すことができる。
また、払出プログラムでは主基板固有IDと払出固有IDのそれぞれを払出制御装置200から出力する制御や、主基板固有IDと払出固有IDの両方を合成して払出制御装置200から出力する制御も行うことにより、より確実に、遊技用マイコン111(演算処理装置)に対する不正を抑止することができるとともに、払出用マイコン201(第2の演算処理装置)に対する不正も抑止することができる。
また実施例1には、以下のような各効果がある。
固有ID(個体識別情報)は遊技用マイコン111(第1の演算処理装置)であることを識別可能であると同時に、遊技機毎を識別可能であるため、遊技店が個々の遊技機を管理することが可能で、不正者は個々の演算処理装置に対して不正改造を施さなければならなくなるのでセキュリティが向上するという効果がある。
主基板である遊技制御装置100と外部情報端子板55との間の全部品が盤要素(交換可能な遊技盤面という要素)となる構成に比べて、遊技制御装置100−払出制御装置200−外部情報端子板55の間で、遊技制御装置100以外の基板と全配線を枠要素(遊技枠の方で、遊技盤を装着する側)にすると、いわゆるベニヤ価格を安く提供でき、新台入替時の交換作業の効率があがる。
また、処理時間に余裕のない(演出制御装置等300も管理している)遊技制御装置100は、固有IDの送信タイミングで固有IDを払出制御装置200に送信し、処理時間に余裕のある(遊技球の払い出しのため待ち時間が多く処理に余裕がある)払出制御装置200が固有IDを出力制御するようにした構成なので、固有IDの出力時間を長めに(信号幅を長めに)出力制御でき、また連続して固有IDを出力する際も、後に出力する固有IDの出力を待ちオフ時間を挟んで出力することができる。したがって、遊技機全体として遊技機外へ正確性を担保し、効率良く固有IDを出力することができる。
また、特に遊技制御装置100から払出制御装置200への固有IDの伝送はシリアルで行い、払出制御装置100から外部装置(例えば、管理装置780)への固有IDの伝送もシリアルで行うので、以下の効果がある。
まず、遊技用マイコン111(第1の演算処理装置)に備わっているシリアル転送(送信)機能を利用することで、改めて転送(送信)処理をプログラム(例えば、遊技プログラム)で用意する必要が無くなるので、プログラム構成が効率化される。
また、パラレル転送(送信)に比べて、配線の本数が少なくなるのでコスト減になる。
「実施例1の変形例」
次に、実施例1の変形例を図29に基づいて説明する。
この変形例は、遊技制御装置800についての信号のインターフェース構成を詳細にしたものであるとともに、一部の検出スイッチの入力経路を変更したものであり、図6と比較して払出制御装置860の構成が一部異なっている(ガラス枠開放検出スイッチ211や前面枠開放検出スイッチ212からの信号が遊技制御装置800に入力され、払出制御装置860に入力されていない等)。その他のパチンコ機の構成は実施例1と同様であるため、重複する説明を省略する。
図29は、変形例における遊技制御装置800の詳細なブロック図である。
図29において、遊技制御装置800は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコン)811を有するCPU部810、入力ポートなどを有する入力部820、出力ポートなどを有する出力部830、CPU部810と入力部820と出力部830との間を接続するデータバス840などからなる。
上記CPU部810は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン811と、後述する近接I/F821からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン811に入力させるインバータなどからなる反転回路812と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路813などを有する。
遊技用マイコン811は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)811A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)811B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)811Cを備える。
ROM811Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値、固有ID等)を不揮発的に記憶し、RAM811Cは、遊技制御時にCPU811Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM811B又はRAM811Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
CPU811Aは、ROM811B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置850や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイド132,133や一括表示装置35の駆動信号を生成したりしてパチンコ機1全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン811は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等をハード的に生成するための乱数生成回路と、発振回路813からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU811Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータと、を備えている。
ここで、遊技制御装置800及び該遊技制御装置800によって駆動されるソレノイド132,133などの電子部品には、電源装置850で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置850は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部851と、遊技用マイコン811の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部852と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置850に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部853などを備える。
この変形例では、電源装置850は、遊技制御装置800と別個に構成されているが、バックアップ電源部851及び制御信号生成部853は、別個の基板上あるいは遊技制御装置800と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤20及び遊技制御装置800は機種変更の際に交換の対象となるので、このように、電源装置850若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部852及び制御信号生成部853を設けることにより、機種変更の際の交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部852は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置800の遊技用マイコン811(特に内蔵RAM811C)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部853は、例えば通常電源部851で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させる(本例ではオンさせる)とともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は、図示省略した初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン811内のRAM811C及び払出制御装置860内のRAMに記憶されている情報を初期化する。なお本例の場合、初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン811が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は、制御システム全体をリセットさせる。
次に、遊技制御装置800の入力部820には、入力ポートとして、第1入力ポート823と第2入力ポート822が設けられている。この入力部820には、第1始動口スイッチ120(図20では始動口1スイッチ)、第2始動口スイッチ121(図20では始動口2スイッチ)、ゲートスイッチ122、入賞口スイッチ123、カウントスイッチ124、磁気センサスイッチ125、振動センサスイッチ126からの検出信号が入力される。
入力部820には、上記の各スイッチ120乃至126から入力される検出信号を0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)821が設けられている。近接I/F821は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチ(スイッチ120乃至126)のリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常状態を検出でき、このような異常状態を検出すると異常検知信号を出力する構成とされている。また近接I/F821には、前記のような信号レベル変換機能を可能にするため、電源装置850から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されている。
ここで、近接I/F821の出力(異常検知信号除く)はすべて第2入力ポート822へ供給されデータバス840を介して遊技用マイコン811に読み込まれるとともに、主基板800から中継基板845を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F821の出力のうち第1始動口スイッチ120と第2始動口スイッチ121の検出信号は、第2入力ポート822の他、反転回路812を介して遊技用マイコン811へ入力されるように構成されている。反転回路812を設けているのは、遊技用マイコン811の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
また、第2入力ポート822には、磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126からの検出信号も入力されている。第2入力ポート822が保持しているデータは、遊技用マイコン811が第2入力ポート822に割り当てられているアドレスをデコードすることによりイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる(他のポートも同様)。第1入力ポート823のイネーブル信号はCE2である。
一方、第1入力ポート823には、ガラス枠開放検出スイッチ211や前面枠開放検出スイッチ212からの信号、及び払出制御装置860からの信号が入力されている。そしてこれら信号は、第1入力ポート823からデータバス840を介して遊技用マイコン811に供給されている。払出制御装置860からの信号には、払出異常を示すステータス信号、払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号がある。オーバーフロースイッチ信号は、下皿10に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また入力部820には、電源装置850からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン811等に入力するためのシュミットトリガ回路824が設けられており、シュミットトリガ回路824はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置850からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート823に入力され、データバス840を介して遊技用マイコン811に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン811に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路824によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン811に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部830の各ポート(後述するポート831,832,835,836,837)に供給される。また、リセット信号RSTは出力部830を介さずに直接中継基板845に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板845のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板845を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部820の各入力ポート822,823には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン811によって出力部830の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部820の各ポートから遊技用マイコン811が読み込んだデータは、遊技用マイコン811のリセットによって廃棄されるためである。
次に、遊技制御装置800の出力部830は、データバス840に接続された出力ポートとして、第1ポート831、第2ポート832、第3ポート835、第4ポート836、及び第5ポート837を備える。なお、遊技制御装置800から払出制御装置860及び演出制御装置300へは、上記ポート831,832を介してパラレル通信でデータが送信される。
第1ポート831は、払出制御装置860へ出力する4ビットのデータ信号と、このデータ信号の有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)と、バッファ833を介して演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBとを生成する。
第2ポート832は、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する。
なおバッファ833は、演出制御装置300の側から遊技制御装置800へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために、第1ポート831からの上記データストローブ信号SSTB及び第2ポート832からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファである。なお、第1ポート831から払出制御装置860へ出力する信号に対しても同様のバッファを設けるようにしてもよい。
第3ポート835は、変動入賞装置27の開閉部材を開閉させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)133や第2始動入賞口26の開閉部材26aを開閉させるソレノイド(普電ソレノイド)132の開閉データと、一括表示装置35のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
第4ポート836は、一括表示装置35に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための出力ポートである。
また第5ポート837は、大当り情報などパチンコ機1に関する情報を外部情報(実施例1と同様)として払出制御装置860を介して外部情報端子板55へ出力するための出力ポートである。なお、外部情報端子板55から出力された情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や管理装置780に供給される。
なお出力部830には、データバス840に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板845を介して出力するバッファ834が実装可能に構成されている。このバッファ834は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ機1の遊技制御装置800(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F821から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ834を通さずに中継基板845を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ125や振動センサスイッチ126のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン811に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス840からバッファ834、中継基板845を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板845には、上記バッファ834から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板845上のポートには、遊技用マイコン811から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また出力部830には、複数の駆動回路(第1ドライバ838a〜第4ドライバ838d)が設けられている。第1ドライバ838aは、第3ポート835から出力される大入賞口ソレノイド133や普電ソレノイド132の開閉データ信号を受けて、それぞれのソレノイド駆動信号を生成し出力する。第2ドライバ838bは、第3ポート835から出力される一括表示装置35の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する。第3ドライバ838c、第4ポート836から出力される一括表示装置35の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する。また第4ドライバ838dは、第5ポート837から管理装置780等の外部装置へ供給する外部情報を払出制御装置860を介して外部情報端子板55へ出力するものである。
なお、第1ドライバ838aには、32Vで動作する各ソレノイド132、133を駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置850から供給される。また、前記セグメント線を駆動する第3ドライバ838cには、DC12Vが供給される。また前記デジット線を駆動する第2ドライバ838bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。なお一括表示装置35は、12Vを出力する第3ドライバ838cにより前記セグメント線を介して所定のLEDのアノード端子に電流が流し込まれ、接地電位を出力する第2ドライバ838bにより所定のLEDのカソード端子からセグメント線を介して電流が引き抜かれることで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて所定のLEDが点灯する。また第4ドライバ838dは、外部情報を伝送する信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。
さらに、出力部830には、外部の検査装置870へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ839が設けられている。フォトカプラ839は、遊技用マイコン811が検査装置870との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン811が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート822,823のようなポートは設けられていない。
払出制御装置860には、上述したように遊技用マイコン811から主基板の固有IDが出力されるとともに、第4ドライバ838dを介して外部情報(実施例1と同様に賞球信号なども含む)が出力される。そして、払出制御装置860は実施例1と同様に外部情報端子板55とケーブル及びコネクタで接続され、外部情報端子板55にはフォトカプラ群65が備えられており、さらに、外部情報端子板55はケーブル及びコネクタで遊技店の管理装置780と接続される。
なお、遊技制御装置800の遊技用マイコン811は、CPU811A、ROM811B及びRAM811Cを備えているが、これらは実施例1で説明した遊技用マイコン111と同様の機能を有する遊技プログラムが実行されるようになっている。ただし、この変形例では、実施例1に比べて一部の検出スイッチの入力経路が変更になっており、また、払出制御装置860の構成が一部異なっているので、その部分はプログラムを一部変更するだけでよい。
このような遊技制御装置800のインターフェース構成を有する変形例においても、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に電源投入時やガラス枠5あるいは前面枠4の開放時などに、遊技用マイコン811から固有IDが読み出されて遊技制御装置800から払出制御装置860にシリアル通信で送られ、さらに固有IDは払出制御装置860から外部情報端子板55を介して遊技店の管理装置780に送られる。
したがって、この変形例においても、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン811から出力することができる。
「実施例2:シリアル−パラレル−再送要求無し−管理装置」
次に、本発明の実施例2を図30及び図31に基づいて説明する。
実施例2は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送はシリアルで変更はないものの、払出制御装置から外部への固有IDの伝送をパラレルで行うものである。ただし、払出制御装置から遊技制御装置への固有IDの再送要求はない形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
実施例2のパチンコ機の制御系のブロック図は、図6乃至図8と同様であり、略す。
次に、実施例2において、遊技制御装置で実行する遊技プログラムは下記の通りである(■マーク以外は実施例1と同一。払出プログラムも同様)
メイン処理
タイマ割込み処理
特図ゲーム処理
特図表示中処理
入賞口スイッチ/エラー監視処理
エラーチェック処理
外部情報編集処理
固有情報信号編集処理
固有情報取得処理
また、実施例2において、払出制御装置で実行する払出プログラムは下記の通りである。
メイン処理
固有情報受信割込み処理
固有情報解析処理
タイマ割込み処理
外部情報出力編集処理
■固有情報信号編集処理
このように、遊技プログラムは実施例1と同様であり、説明を略す。
一方、払出制御装置における払出プログラムの内容は一部が異なっており、その他は実施例1と同様であり、説明を略す。
実施例2では、払出プログラムのうち、図30に示す払出制御装置の固有情報信号編集処理が実施例1と異なる。
そこで、実施例2における払出制御装置の固有情報信号編集処理を図30に基づいて説明する。
図30において、このルーチンが開始されると、まずステップS401で固有情報ストローブ信号のOFFデータを設定する。これは、最初に固有情報ストローブ信号をオフするものである。次いで、ステップS402で固有情報信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかをチェックする。チェック結果はステップS403で判別し、NOであればステップS404に分岐する。固有情報信号制御タイマは固有IDを出力するのに必要な時間が設定される。
一方、ステップS403の結果がYESであれば、ステップS406に進んで未出力のデータが固有情報送信バッファ領域にあるかをチェックし、チェック結果はステップS407で判別し、未出力データがあれば、ステップS408に進んで固有情報出力制御タイマに制御タイマ初期値を設定する。次いで、ステップS409で固有情報送信カウンタに対応する固有情報送信バッファ領域のデータを固有情報信号として設定した後、ステップS410でデータを取り出した固有情報送信バッファ領域をクリアする。次いで、ステップS411で固有情報送信カウンタを更新して外部情報出力編集処理にリターンする。
一方、ステップS403の結果がNOであれば、ステップS404に進んでストローブ信号のONタイミングかどうかを判別し、ONタイミングでなければリターンし、ONタイミングであればステップS405に進んで固有情報ストローブ信号のON出力データを設定する。これにより、固有情報ストローブ信号がオンとなるので、これに合わせて図31(a)に示すように個体識別情報が払出制御装置からパラレルで出力されることになる。ステップS405を経るとリターンする。
このようにして、個体識別情報の出力時間に合わせてストローブ信号がON、OFFしながら払出制御装置からパラレルで出力されていくが、その過程で、ステップS407のチェックが入り、設定された個体識別情報を全て送信し終われば、ステップS407がNOとなってステップS412に分岐し、個体識別情報を出力していない区間の固有情報信号として00H(OFFデータ)を設定してリターンする。
図31は、パラレル通信で固有ID(図31では個体識別情報と表記)を払出制御装置から外へ(ここでは外部情報端子板55の方へ)出力する際のタイミングチャートを示す図である。
パチンコ機1の電源投入時においては、図31(a)に示すように遊技機状態信号(セキュリティ信号)が規定の時間だけONとなる。そうすると、そのON期間でパラレル通信にてスタートコード、区分識別コード、メーカコード1、メーカコード2、・・・・・チップコード3、チップコード4というように情報が払出制御装置から外へ(外部情報端子板55)出力されるタイミングに同期してストローブ信号がON設定される。
一方、通常遊技中の固有識別情報の出力は、図31(b)に示される。
すなわち、通常遊技中にガラス枠5あるいは前面枠4が開放すると、遊技機状態信号(枠開放信号)が規定の時間だけONとなり、これはガラス枠5あるいは前面枠4が閉鎖されるまで続く。そうすると、そのON期間では上記同様にパラレル通信にてスタートコード、区分識別コード、チップコード1、チップコード2、チップコード3、チップコード4というように情報が払出制御装置から外へ(外部情報端子板55)出力されるタイミングに同期してストローブ信号がON設定される。
このように、電源投入やガラス枠5あるいは前面枠4の開放などというイベント発生時に、これらのイベントに合わせて固有IDを払出制御装置から外へ(外部情報端子板55)出力することができ、最終的には外部情報端子板55を介して外部の管理装置780に出力することができる。
したがって、実施例2においても、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコンから外部に出力することができる。
また、特に遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送はシリアルで行い、払出制御装置から外部装置(例えば、管理装置)への固有IDの伝送はパラレルで行うので、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置(例えば、管理装置)に出力することで、外部装置が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的に外部装置に報知することができる。
遊技制御装置の送信段階でパラレル転送(特に、送信)を行うより、枠要素である払出制御装置の出力段階にパラレル転送(送信)回路を設けた方がコスト減になる。
<実施例2におけるパラレル転送の発明概念>
ここで、実施例2におけるパラレル転送の発明概念は、下記のように示される。
第2の演算処理装置が備える個体識別情報出力制御手段は、遊技機外の外部装置に対して個体識別情報をパラレル転送(送信)する、という構成になる。
「実施例3:パラレル−パラレル−中継機能のみ−再送要求無し−管理装置」
次に、本発明の実施例3を図32乃至図34に基づいて説明する。
実施例3は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をパラレルで行うとともに、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もパラレルで行うものである。
ただし、払出制御装置では固有IDの外部への信号伝送に払出プログラムが関与せず、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を払出制御装置が実現するのみである点が前記各実施例と相違している。
また、払出制御装置は固有IDに関しては単に固有IDを中継する機能だけであるから、遊技制御装置への固有IDの再送要求は無い形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
<ブロック図>
実施例3のパチンコ機の制御系のブロック図は図32に示される。
図32において、遊技制御装置1000から払出制御装置1020への固有IDの伝送をパラレルで行うとともに、払出制御装置1020から外部の管理装置780への固有IDの伝送もパラレルで行うが、払出制御装置1020から遊技制御装置1000への固有IDの再送要求は無い構成になっている。
したがって、再送に関しては、遊技制御装置1000は実施例1と同様に再送無しの構成である。遊技制御装置1000は遊技用マイコン1001(第1の演算処理装置)を備えている。
一方、払出制御装置1020は払出用マイコン1021(第2の演算処理装置)を備えており、払出用マイコン1021は再送要求を行わない構成であるとともに、さらに、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継(ここでは、パラレルで中継)する機能を有するだけであるので、払出プログラムも固有IDには関与しない構成となっている。
また、払出制御装置1020から管理装置780に固有ID(主基板の固有情報)を出力する部分は実施例1と同じである。
その他、固有IDの伝送をパラレルで行う構成と、払出制御装置1020が固有IDを中継する構成以外は実施例1と同様で、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
次に、実施例3においては、遊技制御装置1000における遊技プログラム及び払出制御装置1020における払出プログラムの内容が前記実施例1に比べて一部異なっている。
実施例3において、遊技制御装置1000で実行する遊技プログラムは下記の通りである(■マーク以外は実施例1と同一。払出プログラムも同様)
メイン処理
タイマ割込み処理
特図ゲーム処理
特図表示中処理
入賞口スイッチ/エラー監視処理
エラーチェック処理
外部情報編集処理
■固有情報信号編集処理(実施例1と異なる)
■固有情報取得処理(実施例1と異なる)
本実施例において、払出制御装置で実行する払出プログラムは下記の通りである。なお、固有IDに関する信号はスルーなので、固有情報に関する処理はない。
メイン処理
タイマ割込み処理
外部情報出力編集処理
遊技プログラムのうち、図33に示す遊技制御装置1000の固有情報信号編集処理及び図34に示す固有情報取得処理以外は、実施例1と同様であり、略す。図33、34のルーチンがパラレル通信を行うためのプログラムである。
また、払出プログラムは、固有IDには関与しない構成となっている。
<遊技プログラムのパラレル処理>
実施例3において、遊技制御装置1000でパラレル通信を行うフローチャートは、図33に示す遊技制御装置1000の固有情報信号編集処理及び図34に示す固有情報取得処理である。
まず、実施例3における遊技制御装置1000の固有情報信号編集処理を図33に基づいて説明する。
図33において、このルーチンが開始されると、まずステップS421で固有情報出力中であるかどうかを判別する。これは、遊技制御装置1000と払出制御装置1020との間で、パラレル通信が実行中かどうかをチェックするものである。パラレル通信中であれば、今回は固有IDを払出制御装置1020に出力することはできないので、ステップS426にジャンプする。
一方、固有情報出力中(パラレル通信中)でなければステップS422に進んで、固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかチェックする。
ここで、固有情報信号の出力要求フラグは、以下のような信号の発生時に対応してそれぞれ独立にセットされる。
「電源投入時のセキュリティ信号」
「扉・枠開放信号」
「大当り1信号」
なお、複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応する。この場合に一度に全部の要求フラグをクリアすることはない。
さて、ステップS422で固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかのチェックを行うと、そのチェック結果をステップS423で判別し、出力要求フラグがあればステップS424に進んで固有情報信号の出力要求フラグをクリアする。これは、既に固有情報信号の出力要求フラグがセットされて、固有IDを払出制御装置に出力するための処理を行う(ステップS425にて)ことができるから、上記出力要求フラグをクリアするものである。
次いで、ステップS425で固有情報取得処理を行う。これにより、遊技制御装置1000にて固有IDの取得が行われて、パラレル通信のための固有情報バッファ(つまり、パラレル送信バッファ)に書き込まれることになる。一方、ステップS423で出力要求フラグがなければ、ステップS428に分岐して固有情報ストローブ信号のOFFデータを設定し、続くステップS429で固有情報信号として00Hを設定して外部情報編集処理にリターンする。したがって、この場合は固有IDの取得は行われない。
一方、ステップS425を経ると、次いで、ステップS426に進み、固有情報信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかをチェックする。チェック結果はステップS427で判別し、NOであればステップS430に分岐する。固有情報信号制御タイマは固有IDを出力するのに必要な時間が設定される。
ステップS430ではストローブ信号のONタイミングかどうかを判別し、ONタイミングでなければリターンし、ONタイミングであればステップS431に進んで固有情報ストローブ信号のON出力データを設定する。これにより、固有情報ストローブ信号がオンとなるので、これに合わせて個体識別情報が遊技制御装置1000からパラレルで出力されることになる。ステップS431を経るとリターンする。
一方、ステップS427の結果がYESであれば、ステップS432に進んで固有情報ストローブ信号のOFFデータを設定する。これにより、固有情報ストローブ信号がオフとなるので、パラレル出力は停止となる。次いで、ステップS433で未出力のデータが固有情報バッファ領域にあるかをチェックし、チェック結果はステップS434で判別し、未出力データがあれば、ステップS435に進んで固有情報出力制御タイマに制御タイマ初期値を設定する。次いで、ステップS436で固有情報送信カウンタに対応する固有情報バッファ領域のデータを固有情報信号として設定した後、ステップS437でデータを取り出した固有情報バッファ領域をクリアする。次いで、ステップS438で固有情報送信カウンタを更新して外部情報編集処理にリターンする。
このようにして、ストローブ信号のONタイミングで個体識別情報が遊技制御装置1000からパラレルで出力されていくが、その過程で、ステップS427やステップS434のチェックが入り、タイムアップ又は未出力データがなくなればステップS434がNOとなってステップS439に分岐し、固有情報信号として00Hを設定してリターンする。
次に、図34は実施例3における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。
図34において、このルーチンが開始されると、まずステップS451でスタートコードを固有情報バッファ領域にセーブする。固有情報バッファはパラレル送信のためのパラレル送信バッファである。ステップS451の処理は、パラレル送信バッファの情報を送るために、まずスタート位置を特定するためである。次いで、ステップS452で取得はチップコードのみかどうかを判別し、取得がチップコードのみであればステップS457にジャンプして、チップコード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブし、ステップS458でチップ個別IDレジスタ616から個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出して固有情報バッファ領域にセーブし、ステップS459で固有情送信カウンタをクリアしてリターンする。これにより、固有IDが取得されて払出制御装置に出力されることになる。なお、固有情報バッファ領域は、ユーザワークRAM603のメモリ領域である。
一方、ステップS452で取得がチップコードのみでなければ、ステップS453に進んでメーカコード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブするとともに、ステップS454でメーカコードを読み出して固有情報バッファ領域にセーブする。次いで、ステップS455で製品コード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブするとともに、ステップS456で製品コードを読み出して固有情報バッファ領域にセーブし、その後、ステップS457に進む。これにより、メーカコード及び製品コードが取得されて払出制御装置1020に出力されることになる。
このようにして、遊技制御装置1000から払出制御装置1020への固有IDの伝送がパラレルで行われる。
したがって、実施例3においても、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1001から外部に出力することができる。
また、特に払出制御装置1020では固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を発揮するだけであるので、払出制御装置1020の制御負担が軽減されるという利点がある。
さらに、特に遊技制御装置1000から払出制御装置1020への固有IDの伝送をパラレルで行うとともに、払出制御装置1020から外部装置(例えば、管理装置)への固有IDの伝送もパラレルで行うので、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置(例えば、管理装置)に出力することで、外部装置が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的に外部装置に報知することができる。
<実施例3におけるパラレル転送の発明概念>
ここで、実施例3におけるパラレル転送の発明概念は、下記のように示される。
第1の演算処理装置が備える送信制御手段は、前記払出制御装置に対して個体識別情報をパラレル転送(送信)する、という構成になる。
第2の演算処理装置が備える個体識別情報出力制御手段は、遊技機外の外部装置に対して個体識別情報をパラレル転送(送信)する、という構成になる。
次に、実施例3において、払出制御装置は単に固有IDを中継する機能だけであり、遊技制御装置への固有IDの再送要求は無い。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力する個体識別情報出力手段を備えたことを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、払出制御装置では個体識別情報(固有ID)に関する限り、単に個体識別情報を、遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力する(例えば、中継する機能を発揮する)だけであるので、払出制御装置の制御負担が軽減されるという利点がある。
「実施例4:シリアル−シリアル−再送要求有り−管理装置」
次に、本発明の実施例4を図35乃至図41に基づいて説明する。
実施例4は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うものであり、かつ、払出制御装置から遊技制御装置への固有IDの再送要求が有る形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
<ブロック図>
実施例4のパチンコ機の制御系のブロック図は図35に示される。
図35において、遊技制御装置1040と払出制御装置1045との間は、固有IDの再送要求が有る制御形態になっており、払出制御装置1045から遊技制御装置1040に対して固有IDの再送を要求する固有情報再送要求信号が出力されるようになっている。また、遊技制御装置1040は固有情報再送要求信号を受けると、応答して固有IDを再送するようになっている。そのため、遊技制御装置1040が備える遊技用マイコン1041(第1の演算処理装置)と払出制御装置1045が備える払出用マイコン1046(第2の演算処理装置)の構成は再送要求に関する部分が実施例1と異なり、かつ、遊技プログラム及び払出プログラムの内容が異なっている。その他は、実施例1と同様であり、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
次に、実施例4において、遊技制御装置1040で実行する遊技プログラムは下記の通りである(■マーク以外は実施例1と同一。払出プログラムも同様)
メイン処理
■タイマ割込み処理(実施例1と異なる)
特図ゲーム処理
特図表示中処理
入賞口スイッチ/エラー監視処理
エラーチェック処理
外部情報編集処理
■固有情報信号編集処理(実施例1と異なる)
固有情報取得処理
■シリアル受信割込み処理(実施例1と異なる)
本実施例において、払出制御装置1045で実行する払出プログラムは下記の通りである。
メイン処理
固有情報受信割込み処理
■固有情報解析処理(実施例1と異なる)
タイマ割込み処理
外部情報出力編集処理
固有情報信号編集処理
<遊技プログラム>
実施例4において、遊技制御装置1040で実行する遊技プログラムのうち、実施例1と異なるのは、タイマ割込み処理、固有情報信号編集処理及びシリアル受信割込み処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。異なるのは、再送要求に関連するルーチンである。
まず、タイマ割込み処理から説明する。
図36は遊技制御装置1040のタイマ割込み処理のフローチャートである。
図36において、ステップS31からステップS42までの処理は、実施例1と同様であり、同一ステップ番号を付している。ステップS42を経ると、次いで、ステップS501に進んでタイマ割込み要求をクリアする。これは、このタイマ割込み処理が所定のタイマ割込周期で繰り返し実行されているので、そのタイマ割込周期での割込みの要求をクリアして、メインルーチンなどを再開すべくさせるものである。次いで、ステップS44で退避させたレジスタを復帰させるとともに、続くステップS502では割込を許可し、そして割込時に中断した処理に復帰(リターン)する。
なお、ステップS502で許可する割込みには、2つのものがあり、1つはタイマ割込みであり、他の1つは後述のシリアル受信割込みである。シリアル受信割込みは、払出制御装置1045から遊技制御装置1040に対して固有IDの再送を要求する固有情報再送要求信号が出力されたときに、これを割込みで受信するためのものである。
図37は遊技制御装置1040の固有情報信号編集処理のフローチャートである。
図37において、このルーチンが開始されると、まずステップS511でシリアル通信中かどうかを判別する。これは、遊技制御装置1040と払出制御装置1045との間で、シリアル通信が実行中かどうかをチェックするものである。シリアル通信中であれば、今回は固有IDを払出制御装置1045に出力することはできないので、リターンする。
一方、シリアル通信中でなければステップS512に進んで、再送要求コマンドがあるかどうかを判別する。再送要求コマンドは払出制御装置1045から遊技制御装置1040に対して固有IDの再送が必要と判断したときに出されるものである。
再送要求コマンドがなければ、通常の処理であるからステップS513に進んで固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかチェックする。
ここで、固有情報信号の出力要求フラグは、以下のような信号の発生時に対応してそれぞれ独立にセットされる。
「電源投入時のセキュリティ信号」
「扉・枠開放信号」
「大当り1信号」
なお、複数同時に成立している場合には、優先順位を設けて1つずつ対応する。この場合に一度に全部の要求フラグをクリアすることはない。
さて、ステップS513で固有情報信号の出力要求フラグがセットされているかのチェックを行うと、そのチェック結果をステップS514で判別し、出力要求フラグがあればステップS515に進んで固有情報信号の出力要求フラグをクリアする。これは、既に固有情報信号の出力要求フラグがセットされて、固有IDを払出制御装置1045に出力するための処理を行う(ステップS516にて)ことができるから、上記出力要求フラグをクリアするものである。
次いで、ステップS516で固有情報取得処理を行ってリターンする。これにより、遊技制御装置1040にて固有IDの取得が行われて、シリアル送信バッファに書き込まれることになる。一方、ステップS514で出力要求フラグがなければ、ステップS515、516をジャンプしてリターンする。したがって、この場合は固有IDの取得は行われない。
また、再送要求がある場合を説明すると、この場合はステップS512でYESに抜ける。すなわち、ステップS512で再送要求コマンドがあれば、ステップS517に分岐して受信コマンド領域をクリアした後、ステップS516にジャンプする。ステップS517の処理を行うのは、1回だけ固有IDを再送するために、このステップS517を1回だけ通過させて、次のステップS516で固有IDを再び取得してシリアル送信バッファに書き込むためである。
なお、払出制御装置1045からの再送要求は後述の図38に示すシリアル受信バッファにて受信し、受信コマンド領域にセーブすることになる。したがって、上記のように再送要求コマンドがあった場合にステップS517で受信コマンド領域をクリアすれば、1回しか固有IDが再送されずに済むからである。なお、シリアル受信バッファはシリアル通信回路604a内にある。
図38は遊技制御装置1040のシリアル受信割込み処理のフローチャートである。
図38において、このルーチンが開始されると、まずステップS521でレジスタを退避し、ステップS522でシリアル受信バッファのデータを受信コマンド領域にセーブする。これは、払出制御装置1045から固有IDの再送要求(再送要求コマンドの送信)があると、遊技制御装置1040ではシリアル受信割込みをかけてシリアル受信バッファにて受信し、そのデータ(再送要求コマンド)を受信コマンド領域にセーブするものである。
次いで、ステップS523でシリアル受信割込み要求をクリアし、ステップS524でレジスタを復帰させる。次いで、ステップS525に進み、割込みを許可してリターンする。ここでの割込みを許可するのは、次回の再送要求コマンドの受信に対応可能なように割込みを許して待機しておくものである。
このようにして、払出制御装置1045から固有IDの再送要求コマンドを1回だけ受信する処理が行われる。再送要求コマンドを受信すると、前述したように固有情報信号編集処理にて遊技制御装置1040から払出制御装置1045に向けて1回だけ固有IDを再送する処理が行われる。
<払出プログラム>
実施例4において、払出制御装置1045で実行する払出プログラムのうち、実施例1と異なるのは、固有情報解析処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。異なるのは、再送要求に関連するルーチンである。
ここで、固有情報解析処理には複数(例えば、3つ)の形態があり、下記の通りである。
(イ)主基板の情報のみを出力する場合
(ロ)両基板の情報をそれぞれに出力する場合
(ハ)両基板の情報を合成して出力する場合
図39は払出制御装置1045の固有情報解析処理のフローチャートであり、上記(イ)のケースである。
このルーチンが開始されると、まずステップS531で最初の識別コードを受信済みであるかどうかを判別し、受信済みでなければ固有情報受信割込み処理にリターンする。一方、最初の識別コードを受信済みであれば、ステップS532に進んで最初の識別コードを元に受信予定データ数を決定する。次いで、ステップS533で受信データ数が受信予定データ数に達したかをチェックし、ステップS534でチェック結果を判別し、受信予定データ数に達していなければ固有情報受信割込み処理にリターンし、達していればステップS535以降の処理を実行する。これにより、主基板固有IDが取得される。
ステップS535では今回受信した固有情報データと、前回の固有情報データ(つまり、前回受信した固有情報データ)を比較し、一致しているかどうかを判別する(ステップS536)。一致していれば、ステップS537に進んで主制御固有情報領域のデータを固有情報バックアップ領域にコピーする。固有情報バックアップ領域は、遊技制御装置1040から受信した固有情報データを一時的にバックアップのために格納しておくためのものである。
次いで、ステップS538で主制御固有情報領域のデータを固有情報送信バッファ領域にコピーする。送信バッファは固有情報を外部に送信するためのものである。次いで、ステップS539で外部に送信するデータ数を固有情報送信カウンタに設定し、ステップS540で送信を開始するためにパラメータを初期設定し、ステップS541で再送要求済みフラグをクリアする。
次いで、ステップS542で主制御固有情報領域を全てクリアし、ステップS543で固有情報受信継続中フラグをクリアし、さらにステップS544で固有情報受信カウンタをリセットしてリターンする。
したがって、今回と前回の受信固有情報データが一致したときは、払出制御装置1045から外部の装置へ主基板固有IDが出力されることになる。
発明概念では、上記制御は以下のように表される((ロ)、(ハ)のケースも同様)。
第2の演算処理装置は、受信制御手段が受信した個体識別情報を記憶する個体識別情報受信記憶部を有し、
個体識別情報受信記憶部に記憶された個体識別情報を個体識別情報出力制御手段が出力する、という構成で表される。
また、第2の演算処理装置は、受信制御手段が受信した個体識別情報を記憶する個体識別情報受信記憶部と、
前記個体識別情報受信記憶部に記憶された前回の個体識別情報と、新たに(今回)受信した個体識別情報とを比較判定する個体識別情報比較判定手段と、を備え、
個体識別情報比較判定手段により前回の個体識別情報と今回の個体識別情報とが同じ場合は、個体識別情報出力制御手段を能動状態とし個体識別情報を外部装置へ出力制御させる、という構成で表される。
上記発明概念によれば、遊技制御装置と払出制御装置間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)などで個体識別情報の値が偶々異常になった場合に、即不正や故障などと判断されないよう出力を制限できる。また、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により本当に異常な値が出力されるようになった場合には、異常値が続くため出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
一方、ステップS536で今回受信した固有情報データと、前回の固有情報データを比較した結果が一致していなければ、データに誤り(例えば、ノイズの影響など)があると判断してステップS545に分岐し、再送要求済みであるかどうかを判別し、NOであればステップS546で再送要求コマンドをシリアル送信バッファに書き込み、ステップS548で再送要求済みフラグを反転した後、ステップS542に進む。一方、ステップS545でYESであればステップS547に分岐し、主制御固有情報領域のデータを固有情報バックアップ領域にコピーした後、ステップS548以降の処理を実行する。
したがって、今回と前回の受信固有情報データが一致しないときは、払出制御装置1045から再送要求コマンドが遊技制御装置1040に向けて送信されることになる。なお、再送要求済みフラグを反転することで、1回だけ再送要求を行うことになる。
このようにして、遊技制御装置1040から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDのみを払出制御装置1045から外部に送信するために必要な処理が行われるとともに、今回と前回の受信固有情報データが一致しないときは1回だけ再送要求コマンドが出される。
発明概念では、上記の制御は、第2の演算処理装置は、個体識別情報比較判定手段により前回の個体識別情報と今回の個体識別情報とが異なった場合は、第1の演算処理装置に対して個体識別情報の再送を要求する個体識別情報再送要求手段を有し、
第1の演算処理装置は、個体識別情報の再送要求に対して、個体識別情報を再送する、という構成で表される((ロ)、(ハ)のケースも同様)。
上記発明概念によれば、遊技制御装置と払出制御装置間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ、接触不良)をリカバリーする機会を作れるという効果がある。
図40は、上記ケース(ロ)の形態の固有情報解析処理のフローチャートである。
なお、図39と同一処理を行うステップには、同一番号を付している。
このルーチンでは、ステップS531からステップS538までの処理は図39と同様であり、ステップS538を経ると、次いで、ステップS551で払出チップコード(払出固有ID)を読み出す。これは、チップ個別IDレジスタ716からCPUコア701を識別するチップコードを読み出すことで行われる。また、ステップS551では読み出した払出チップコードを固有情報送信バッファ領域にセーブする。その後、ステップS539からステップS544までの処理は図39と同様である。
また、ステップS545からステップS548までの処理も図39と同様である。
このようにして、遊技制御装置1040から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDと払出固有IDのそれぞれを払出制御装置1045から外部に送信するために必要な処理が行われるとともに、主基板固有IDについて今回と前回の受信固有情報データが一致しないときは1回だけ再送要求コマンドが出される。
図41は、上記ケース(ハ)の形態の固有情報解析処理のフローチャートである。
なお、図39と同一処理を行うステップには、同一番号を付している。
このルーチンでは、ステップS531からステップS537までの処理は図39と同様であり、ステップS537を経ると、次いで、ステップS552で払出チップコード(払出固有ID)を読み出す。これは、チップ個別IDレジスタ716からCPUコア701を識別するチップコードを読み出すことで行われる。また、ステップS552では読み出した払出チップコードと主制御固有情報領域にコピーしておいた主基板のチップコード(主基板固有ID)とを合成する。合成はどのような方法でもよい。そして、各コードの合成後に、合成データを主制御固有情報領域に戻す。したがって、主制御固有情報領域には各コードの合成データがセ−ブされることになる。
ステップS553を経ると、ステップS539に進み、ステップS539からステップS544までの処理は図39と同様である。
また、ステップS545からステップS548までの処理も図39と同様である。
このようにして、遊技制御装置1040から受信した固有情報を解析し、主基板固有IDと払出固有IDの両方を合成して払出制御装置1045から外部に送信するために必要な処理が行われるとともに、主基板固有IDについて今回と前回の受信固有情報データが一致しないときは1回だけ再送要求コマンドが出される。
したがって、実施例4においても、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1041から外部に出力することができる。
また、遊技制御装置1040と払出制御装置間1045との間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)などで固有ID(個体識別情報)の値が偶々異常になった場合に、即不正や故障などと判断されないよう出力を制限できる。また、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により本当に異常な値が出力されるようになった場合には、異常値が続くため出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
さらに、固有IDの再送要求コマンドを出すことで、遊技制御装置1040と払出制御装置1045間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)をリカバリーする機会を作れるという効果がある。
「実施例4の変形例」
次に、実施例4の変形例を図42に基づいて説明する。
この変形例は、遊技制御装置1050についての信号のインターフェース構成を詳細にしたものであるとともに、一部の検出スイッチの入力経路を変更したものであり、図35と比較して払出制御装置1055の構成が一部異なっている(ガラス枠開放検出スイッチ211や前面枠開放検出スイッチ212からの信号が遊技制御装置1050に入力され、払出制御装置1055に入力されていない等)。その他のパチンコ機の構成は実施例1と同様であるため、重複する説明を省略する。
図42は、変形例における遊技制御装置1050の詳細なブロック図である。図42において、遊技制御装置1050は、遊技用マイコン1051を有している。一方、払出制御装置1055は払出用マイコンを有している。
そして、実施例1との違いは今回と前回の受信固有情報データ(固有IDのデータ)が一致しないときは1回だけ再送要求コマンド(固有情報再送要求信号)が払出制御装置1055から遊技制御装置1050に向けて出されるとともに、遊技制御装置1050は再送要求コマンド(固有情報再送要求信号)を受けると、応答して固有IDを再送するようになっている点である。その他のパチンコ機の構成は実施例1と同様であり、同一番号を付している。
このような遊技制御装置1050のインターフェース構成を有する変形例においても、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1051から出力することができる。
また、特に、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により遊技制御装置1050と払出制御装置1055との間の通信障害が発生し、固有ID(個体識別情報)の値が異常になった状態で連続通信された場合は払出制御装置1055の出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
さらに、固有IDの再送要求コマンドを出すことで、遊技制御装置1050と払出制御装置1055間の不可抗力による通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)をリカバリーする機会を作れるという効果がある。
「実施例5:シリアル−パラレル−再送要求有り−管理装置」
次に、本発明の実施例5を図43に基づいて説明する。
実施例5は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送はパラレルで行うものであり、かつ、払出制御装置から遊技制御装置への固有IDの再送要求が有る形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
<ブロック図>
実施例5のパチンコ機の制御系のブロック図は、前述した実施例4の図35に示すものと同様であり、略す。
次に、実施例5において、遊技制御装置で実行する遊技プログラムは下記の通りである(■マーク以外は実施例1と同一。払出プログラムも同様)
メイン処理
■タイマ割込み処理(実施例1と異なる)
特図ゲーム処理
特図表示中処理
入賞口スイッチ/エラー監視処理
エラーチェック処理
外部情報編集処理
■固有情報信号編集処理(実施例1と異なる)
固有情報取得処理
■シリアル受信割込み処理(実施例1と異なる)
実施例5において、払出制御装置で実行する払出プログラムは下記の通りである。
メイン処理
固有情報受信割込み処理
■固有情報解析処理(実施例1と異なる)
タイマ割込み処理
外部情報出力編集処理
■固有情報信号編集処理(実施例1と異なる)
<遊技プログラム>
実施例5において、遊技制御装置で実行する遊技プログラムのうち、実施例1と異なるのは、タイマ割込み処理、固有情報信号編集処理及びシリアル受信割込み処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。異なるのは、再送要求に関連するルーチンである。
ただし、実施例5では遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行いつつ、再送要求に応答する処理を行うが、タイマ割込み処理、固有情報信号編集処理及びシリアル受信割込み処理については、実施例4と同様である。そこで、タイマ割込み処理、固有情報信号編集処理及びシリアル受信割込み処理は、実施例4を参照するとして、実施例5では重複説明を略す。
<払出プログラム>
実施例5において、払出制御装置で実行する払出プログラムのうち、実施例1と異なるのは、固有情報解析処理、固有情報信号編集処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。異なるのは、再送要求に関連するルーチン及び外部にパラレルで固有IDを伝送するルーチンである。
ただし、実施例5で実行する固有情報解析処理は、前述した実施例4のルーチンと同様である。そこで、固有情報解析処理については実施例4を参照するとして、実施例5では重複説明を略す。
したがって、異なるルーチンは固有情報信号編集処理のみであり、それを以下に説明する。
図43は払出制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。
図43において、このルーチンが開始されると、まずステップS601で固有情報ストローブ信号のOFFデータを設定する。これは、最初に固有情報ストローブ信号をオフするものである。次いで、ステップS602で固有情報信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかをチェックする。チェック結果はステップS603で判別し、NOであればステップS604に分岐する。固有情報信号制御タイマは固有IDを出力するのに必要な時間が設定される。
一方、ステップS603の結果がYESであれば、ステップS606に進んで未出力のデータが固有情報送信バッファ領域にあるかをチェックし、チェック結果はステップS607で判別し、未出力データがあれば、ステップS608に進んで固有情報出力制御タイマに制御タイマ初期値を設定する。次いで、ステップS609で固有情報送信カウンタに対応する固有情報送信バッファ領域のデータを固有情報信号として設定した後、ステップS610でデータを取り出した固有情報送信バッファ領域をクリアする。次いで、ステップS611で固有情報送信カウンタを更新して外部情報出力編集処理にリターンする。
一方、ステップS603の結果がNOであれば、ステップS604に進んでストローブ信号のONタイミングかどうかを判別し、ONタイミングでなければリターンし、ONタイミングであればステップS605に進んで固有情報ストローブ信号のON出力データを設定する。これにより、固有情報ストローブ信号がオンとなるので、これに合わせて個体識別情報が払出制御装置から外部にパラレルで出力されることになる。ステップS605を経るとリターンする。
このようにして、個体識別情報の出力時間に合わせてストローブ信号がON、OFFしながら払出制御装置からパラレルで出力されていくが、その過程で、ステップS607のチェックが入り、設定された個体識別情報を全て送信し終わればステップS607がNOとなってステップS612に分岐し、個体識別情報を出力していない区間の固有情報信号として00H(OFFデータ)を設定してリターンする。
したがって、実施例5においても、電源投入やガラス枠5あるいは前面枠4の開放などというイベント発生時に、これらのイベントに合わせて固有IDを払出制御装置から外へ(外部情報端子板55)パラレルで出力することができ、最終的には外部情報端子板55を介して外部の管理装置780にパラレルで出力することができる。
したがって、実施例5においても、実施例1と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコンから外部に出力することができる。
また、遊技制御装置と払出制御装置間との間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)などで固有ID(個体識別情報)の値が偶々異常になった場合に、即不正や故障などと判断されないように固有IDの再送要求コマンドを出すことでリカバリーする機会を作れる。また、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により本当に異常な値が出力されるようになった場合には、異常値が続くため出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
さらに、払出制御装置から外部装置(例えば、管理装置)への固有IDの伝送をパラレルで行うので、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置(例えば、管理装置)に出力することで、外部装置が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的に外部装置に報知することができる。
遊技制御装置の送信段階でパラレル転送(特に、送信)を行うより、枠要素である払出制御装置の出力段階にパラレル転送(送信)回路を設けた方がコスト減になる。
「実施例6:シリアル−シリアル−中継機能のみ−管理装置」
次に、本発明の実施例6を図44に基づいて説明する。
実施例6は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うが、ただし、払出制御装置では固有IDの外部への信号伝送に払出プログラムが関与せず、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を払出制御装置が実現するのみである点が前記各実施例(実施例3は除く)と相違している。
また、払出制御装置は固有IDに関しては単に固有IDを中継する機能だけであるから、遊技制御装置への固有IDの再送要求は無く、さらに、外部装置として管理装置を設定した形態である。
<ブロック図>
実施例6のパチンコ機の制御系のブロック図は図44に示される。
図44において、遊技制御装置1060から払出制御装置1065への固有IDの伝送をシリアルで行うとともに、払出制御装置1065から外部の管理装置780への固有IDの伝送もシリアルで行うが、払出制御装置1065から遊技制御装置1060への固有IDの再送要求は無い構成になっている。
したがって、遊技制御装置1060については実施例1と同様の構成(再送無しの構成)である。
そのため、遊技制御装置1060が備える遊技用マイコン1061(第1の演算処理装置)は実施例1と同様であり、同一番号となっている。一方、払出制御装置1065が備える払出用マイコン1066(第2の演算処理装置)の構成は再送無しであるとともに、さらに、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を有するだけであるので、払出プログラムも固有IDには関与しない構成となっている。
また、払出制御装置1065から管理装置780に固有ID(主基板の固有情報)を出力する部分は実施例1と同じであり、その他は固有IDを中継する機能以外は実施例1と同様で、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
実施例6においては、遊技制御装置1060から払出制御装置1065に固有IDの伝送がシリアルで行われ、払出制御装置1065では払出プログラムが固有IDの伝送に関与せず、単に固有IDを中継してシリアルで管理装置780に固有IDを出力することが行われる。そのため、実施例1と同様に、管理装置780では送られてきた固有IDについて、遊技店側でその真偽を確認することが可能になる。
したがって、このような実施例6においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1061から出力することができる。
また、特に払出制御装置1065では固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を発揮するだけであるので、払出制御装置1065の制御負担が軽減されるという利点がある。
なお、遊技制御装置1060から払出制御装置1065への固有IDの伝送をパラレルで行い、払出制御装置1065は単に固有IDを中継する機能を有するだけにしてもよい。
「実施例7:シリアル−シリアル−再送要求無し−カードユニット」
次に、本発明の実施例7を図45に基づいて説明する。
実施例7は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うものであり、かつ、払出制御装置から遊技制御装置への固有IDの再送要求は無く、さらに、外部装置として管理装置ではなく、カードユニットを設定した形態である。
<ブロック図>
実施例7のパチンコ機の制御系のブロック図は図45に示される。
図45において、遊技制御装置1100から払出制御装置1110への固有IDの伝送をシリアルで行うとともに、払出制御装置1110から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送もシリアルで行うものである。ただし、払出制御装置1110から遊技制御装置1100への固有IDの再送要求はない構成になっている。
そのため、遊技制御装置1100が備える遊技用マイコン1101(第1の演算処理装置)と払出制御装置1110が備える払出用マイコン1111(第2の演算処理装置)の構成は遊技用マイコン1101については実施例1と同様であるが、払出用マイコン1111については、固有IDをカードユニット1112に出力する点で異なっている。その他は、実施例1と同様であり、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
異なる部分を説明すると、払出制御装置1110から出力される固有IDは外部情報端子板55の基板対電線用コネクタ67を経由してカードユニット1112に送られる構成になっている。すなわち、基板対電線用コネクタ67は主基板の固有IDを外部装置としてのカードユニット1112に伝達するためのものであり、基板対電線用コネクタ67はフォトカプラ群65の信号出口側(OUT側)と接続されており、この基板対電線用コネクタ67はオスタイプであり、これにメスタイプのコネクタ(図示略:カードユニット1112に繋がる)を接続することにより、フォトカプラ群65を介して送られてくる主基板の固有IDをカードユニット1112が受け取るようになっている。
なお、払出制御装置1110から出力される固有IDは外部情報端子板55を経由してカードユニット1112に送られる構成としたが、これに限らず(以下、カードユニットに固有IDを送る他の実施例も同様)、球貸を行うための制御信号の授受等を行うためにカードユニット1112と接続されるカードユニット接続基板54を利用して、固有IDをカードユニット1112へ出力するようにしても良い。このようにすると、払出制御装置1110とカードユニット1112との接続が一度で済み、接続されていないと、固有IDの出力は勿論、遊技球の発射も不可能となる効果を奏する。また、遊技機状態信号もカードユニット接続基板54を経由させて外部装置(管理装置、球貸情報収集装置等)へ出力するようにしても良い。
カードユニット1112はパチンコ機(遊技機)に併設され、対価を取って遊技者に貸球を供給するもので、例えばCR機(カードリーディング機)と称される遊技機であれば、パチンコ機(遊技機)と、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)とが併設され、これらが対をなして設置される。
但し、パチンコ機はカードユニットとは分離可能であり、パチンコ機を分離して別のコーナーに持って行くことも可能である。
カードユニット1112には、カードリーダライタが内蔵されており、カードユニット1112の前面には、磁気カード又はICカードなどのカードが挿入されるカード挿入口、カード利用可LED、紙幣投入口、紙幣投入可LED、カード挿入中LED、持ち球払出操作部、情報表示装置、遊技媒体払出部等が設けられている。
実施例7においては、払出制御装置1110から外部のカードユニット1112に対して固有ID(主基板の固有情報)の伝送がシリアルで行われる。そして、カードユニット1112では、送られてきた固有IDは対をなして設置されているパチンコ機の固有IDとして、遊技店側でその真偽を確認することが可能になる。遊技店の係員しか見れない形態でカードユニット1112に固有IDの真偽判断結果を表示させてもよいし、あるいは
他のツールなどを介して固有IDの真偽判断を行うような構成にしてもよい。例えば、係員が携帯可能な端末にカードユニット1112から固有IDデータを赤外線等で飛ばして、該端末で真偽を可能な構成にしてもよい。そのようにすると、開店中でも係員が歩きながら固有IDの真偽判断ができる。
このような実施例7においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも遊技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1101から出力することができる。
また、特に各台のカードユニット1112で各遊技機の固有IDをそれぞれ確認できる利点がある。また、カードユニット1112から球貸情報を収集する球貸情報収集装置へ固有IDを転送することにより、上述した管理装置同様に球貸情報収集装置において固有IDを一元的に確認することができる。
なお、実施例7は遊技制御装置1100から払出制御装置1110への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置1110から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送もシリアルで行い、かつ、払出制御装置1110から遊技制御装置1100への固有IDの再送要求は無い構成であるが、このような構成に限るものではない。
例えば、遊技制御装置1100から払出制御装置1110への固有IDの伝送はシリアルで行うものの、払出制御装置1110から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送はパラレルで行い、かつ、払出制御装置1110から遊技制御装置1100への固有IDの再送要求は無い構成であってもよい。
これは、「シリアル−パラレル−再送要求無し−カードユニット」という構成になる。
そのようにすると、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置としてのカードユニット1112に出力することで、カードユニット1112が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的にカードユニット1112に報知することができる。
遊技制御装置1100の送信段階でパラレル転送(特に、送信)を行うより、枠要素である払出制御装置1110の出力段階にパラレル転送(送信)回路を設けた方がコスト減になる。
なお、上記パラレル転送の送信形態については、後述の実施例8及び9についても同様に適用することができる(詳細後述)。
また、払出制御装置1110から外部のカードユニット1112へ固有IDの伝送を行う場合に、下記の形態がある。
(イ)主基板の情報のみを出力する場合
(ロ)両基板の情報をそれぞれに出力する場合
(ハ)両基板の情報を合成して出力する場合
そして、実施例7の上記構成は(イ)の形態を主として説明してきたが、これに限るものではなく、(ロ)や(ハ)の形態を含む構成で、主基板固有ID及び払出固有IDを払出制御装置1110から外部のカードユニット1112に伝送する構成であってもよい。
その場合、(ロ)の形態では、主基板固有IDと払出固有IDとのそれぞれを払出制御装置1110から外部のカードユニット1112へ伝送する構成となる。
また、(ハ)の形態では、主基板固有IDと払出固有IDとを合成し、合成したデータを払出制御装置1110から外部のカードユニット1112へ伝送する構成となる。
なお、上記3つの固有IDの伝送形態については、後述の実施例8及び9についても同様に適用することができる。
「実施例8:シリアル−シリアル−再送要求有り−カードユニット」
次に、本発明の実施例8を図46に基づいて説明する。
実施例8は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うものであり、かつ、払出制御装置から遊技制御装置への固有IDの再送要求が有り、さらに、外部装置として管理装置ではなく、カードユニットを設定した形態である。
<ブロック図>
実施例8のパチンコ機の制御系のブロック図は図46に示される。
図46において、遊技制御装置1120から払出制御装置1125への固有IDの伝送をシリアルで行うとともに、払出制御装置1125から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送もシリアルで行い、かつ払出制御装置1125から遊技制御装置1120への固有IDの再送要求を行う構成になっている。
すなわち、遊技制御装置1120と払出制御装置1125との間は、固有IDの再送要求が有る制御形態になっており、払出制御装置1125から遊技制御装置1120に対して固有IDの再送を要求する固有情報再送要求信号が出力されるようになっている。また、遊技制御装置1120は固有情報再送要求信号を受けると、応答して固有IDを再送するようになっている。そのため、遊技制御装置1120が備える遊技用マイコン1121(第1の演算処理装置)と払出制御装置1125が備える払出用マイコン1126(第2の演算処理装置)の構成は再送要求に関する部分が実施例1と異なって、実施例4と同様のプログラム(再送要求有りのプログラム)になっている。
また、払出制御装置1125からカードユニット1112に固有ID(主基板の固有情報)を出力する部分は実施例7と同じであり、その他は実施例1と同様で、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
実施例8においては、実施例7と同様に、払出制御装置1125から外部のカードユニット1112に対して固有ID(主基板の固有情報)の伝送がシリアルで行われ、カードユニット1112では、送られてきた固有IDは対をなして設置されているパチンコ機の固有IDとして、遊技店側でその真偽を確認することが可能になる。
したがって、このような実施例8においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1101から出力することができる。
また、特にカードユニット1112で固有IDを確認できる利点がある。さらに、カードユニット1112から球貸情報を収集する球貸情報収集装置へ固有IDを転送することにより、上述した管理装置同様に球貸情報収集装置において固有IDを一元的に確認することができる。
また、遊技制御装置1120と払出制御装置間1125との間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)などで固有ID(個体識別情報)の値が偶々異常になった場合に、即不正や故障などと判断されないように払出制御装置1125から遊技制御装置1120への固有IDの再送要求によりリカバリーする機会を作れる。また、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により本当に異常な値が出力されるようになった場合には、異常値が続くため出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
なお、実施例8においても、遊技制御装置1120から払出制御装置1125への固有IDの伝送はシリアルで行い、払出制御装置1125から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送はパラレルで行い、かつ、払出制御装置1125から遊技制御装置1120への固有IDの再送要求が有る構成にしてもよい。
これは、「シリアル−パラレル−再送要求有り−カードユニット」という構成になる。
そのようにすると、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置としてのカードユニット1112に出力することで、カードユニット1112が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的にカードユニット1112に報知することができる。
「実施例9:シリアル−シリアル−中継機能のみ−カードユニット」
次に、本発明の実施例9を図47に基づいて説明する。
実施例9は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送もシリアルで行うが、ただし、払出制御装置では固有IDの外部への信号伝送に払出プログラムが関与せず、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を払出制御装置が実現するのみである点が前記実施例8と相違している。
また、払出制御装置は固有IDに関しては単に固有IDを中継する機能だけであるから、遊技制御装置への固有IDの再送要求は無く、さらに、外部装置として管理装置ではなく、カードユニットを設定した形態である。
<ブロック図>
実施例9のパチンコ機の制御系のブロック図は図47に示される。
図47において、遊技制御装置1200から払出制御装置1210への固有IDの伝送をシリアルで行うとともに、払出制御装置1210から外部のカードユニット1112への固有IDの伝送もシリアルで行うが、払出制御装置1210から遊技制御装置1200への固有IDの再送要求は無い構成になっている。
したがって、遊技制御装置1200については実施例7と同様の構成(再送無しの構成)である。
そのため、遊技制御装置1200が備える遊技用マイコン1201(第1の演算処理装置)は実施例7と同様である。一方、払出制御装置1210が備える払出用マイコン1211(第2の演算処理装置)の構成は再送無しであるとともに、さらに、固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を有するだけであるので、払出プログラムも固有IDには関与しない構成となっている。
また、払出制御装置1210からカードユニット1112に固有ID(主基板の固有情報)を出力する部分は実施例7と同じであり、その他は固有IDを中継する機能以外は実施例1と同様で、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
実施例9においては、遊技制御装置1200から払出制御装置1210に固有IDの伝送がシリアルで行われ、払出制御装置1210では払出プログラムが固有IDの伝送に関与せず、単に固有IDを中継してシリアルでカードユニット1112に固有IDを出力することが行われる。そのため、実施例7と同様に、カードユニット1112では、送られてきた固有IDは対をなして設置されているパチンコ機の固有IDとして、遊技店側でその真偽を確認することが可能になる。
したがって、このような実施例9においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(少なくとも技制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムを実行することにより、実施例1と同様に遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン1201から出力することができる。
また、特に払出制御装置1210では固有IDに関する限り、単に固有IDを中継する機能を発揮するだけであるので、払出制御装置1210の制御負担が軽減されるという利点がある。
なお、遊技制御装置1200から払出制御装置1210への固有IDの伝送をパラレルで行い、払出制御装置1210は単に固有IDを中継する機能を有するだけにし、払出制御装置1210から外部への固有IDの伝送もパラレルで行う構成もあってもよい。
そのようにすると、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置としてのカードユニット1112に出力することで、カードユニット1112が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的にカードユニット1112に報知することができる。
遊技制御装置1200の送信段階でパラレル転送(特に、送信)を行うより、枠要素である払出制御装置1210の出力段階にパラレル転送(送信)回路を設けた方がコスト減になる。
「実施例10:パラレル−パラレル−中継機能のみ−再送要求無し−払出固有ID有り」
次に、実施例10を図48に基づいて説明する。
本例は前述の実施例3の変形例である。実施例3では、払出制御装置から外部へ払出固有IDを送信はしないで、単に遊技制御装置からの固有情報を払出制御装置で中継しているだけであるため、払出制御装置において図25のステップS332の処理(固有情報信号編集処理)は不要である。しかし、本実施例10は、払出制御装置から外部へ払出固有IDを送信する態様であるため、図25のステップS332の処理(固有情報信号編集処理)が払出制御装置で必要であり、この場合の固有情報信号編集処理は、図48に示すような内容になる。なお、その他の構成は実施例3と同じである。
図48において、このルーチンが開始されると、まずステップ701で、チップコード(払出固有ID)を送信済みであればステップS702に進み、送信済みでなければステップS704にジャンプする。
ステップS702に進むと、チップコード(払出固有ID)を読み出し、固有情報送信バッファ領域に書き込み、次のステップS703でチップコード送信済みフラグをセットし、ステップS704に進む。
ステップS704では、固有情報ストローブ信号のOFFデータを設定する。これは、最初に固有情報ストローブ信号をオフするものである。次いで、ステップS705で固有情報信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかをチェックする。チェック結果はステップS706で判別し、NOであればステップS713に分岐する。固有情報信号制御タイマはチップコード(払出固有ID)を出力するのに必要な時間が設定される。
一方、ステップS706の結果がYESであれば、ステップS707に進んで未出力のデータが固有情報送信バッファ領域にあるかをチェックし、チェック結果はステップS708で判別し、未出力データがあれば、ステップS709に進んで固有情報出力制御タイマ(ステップS705の固有情報信号制御タイマ)に制御タイマ初期値を設定する。次いで、ステップS710で固有情報送信カウンタに対応する固有情報送信バッファ領域のデータを固有情報信号として設定した後、ステップS711でデータを取り出した固有情報送信バッファ領域をクリアする。次いで、ステップS712で固有情報送信カウンタを更新して外部情報出力編集処理にリターンする。
一方、ステップS706の結果がNOであれば、ステップS713に進んでストローブ信号のONタイミングかどうかを判別し、ONタイミングでなければリターンし、ONタイミングであればステップS714に進んで固有情報ストローブ信号のON出力データを設定する。これにより、固有情報ストローブ信号がオンとなるので、これに合わせてチップコード(払出固有ID)が払出制御装置からパラレルで出力されることになる。ステップS714を経るとリターンする。
このようにして、ストローブ信号のONタイミングでチップコード(払出固有ID)が払出制御装置からパラレルで出力されていくが、その過程で、ステップS706やステップS708のチェックが入り、タイムアップ又は未出力データがなくなればステップS708がNOとなってステップS715に分岐し、固有情報信号として00H(固有情報信号オフのデータ)を設定してリターンする。
このようにして本実施例では、払出制御装置のチップコード(払出固有ID)も遊技機状態信号に対応させて外部装置側へ出力される。
「実施例11:払出基板−主基板(シリアル)−管理装置」
次に、実施例11を、図49乃至図55を参照して説明する。
これは、払出基板(払出制御装置)からシリアルで払出固有IDを主基板(遊技制御装置)に送り、主基板(遊技制御装置)から外部への主基板固有ID及び払出固有IDの伝送もシリアルで行うものである。ただし、主基板から払出基板への払出固有IDの再送要求はない形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
<ブロック図>
本実施例のパチンコ機の制御系のブロック図は図49に示される。
図49において、 遊技制御装置2000は遊技用マイコン2001を備え、払出制御装置2010は払出用マイコン2011を備えている。遊技制御装置2000は外部情報端子板55に接続され、遊技制御装置2000の外部情報と固有情報は遊技制御装置2000から外部情報端子板55を介して管理装置780に送信される構成となっている。
そのため、遊技制御装置と払出制御装置が実施例1と異なり、かつ、遊技プログラム及び払出プログラムの内容が異なっている。その他は、実施例1と同様であり、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
次に、本実施例において、遊技制御装置2000で実行する遊技プログラムは下記の通りである(■マーク以外は実施例1と同一。払出プログラムも同様)
■メイン処理(実施例1と異なる)
■タイマ割込み処理(実施例1と異なる)
特図ゲーム処理
特図表示中処理
入賞口スイッチ/エラー監視処理
エラーチェック処理
外部情報編集処理
固有情報信号編集処理
■固有情報取得処理(実施例1と異なる)
■シリアル受信割込み処理(実施例1と異なる)
また本実施例において、払出制御装置で実行する払出プログラムは下記の通りである。
メイン処理
タイマ割込み処理
外部情報出力編集処理
■固有情報信号編集処理(実施例1と異なる)
<遊技プログラム>
本実施例において、遊技制御装置2000で実行する遊技プログラムのうち、実施例1と異なるのは、メイン処理、タイマ割込み処理、固有情報取得処理及びシリアル受信割込み処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。
図50,51は遊技制御装置2000のメイン処理のフローチャートである。このフローチャートにおいて、ステップS1〜S2、ステップS5〜S10、ステップS11、ステップS13〜S14の処理は、実施例1と同様であり、同一ステップ番号を付している。他の図面においても、実施例1と同様の処理は、同一ステップ番号を付して、説明を省略する。
実施例1と同様のステップS1〜S2を経ると、次いで、ステップS2001でRWM(ユーザワークRAM)へのアクセスを許可した後、ステップS2002でシリアル受信割込みを許可する。これは、払出制御装置2010からのシリアル信号を受信するために割込みを許すものである。
次いで、ステップS2003で払出基板(払出制御装置2010)の起動を待つために所定のディレイ時間(例えば4msec)だけ処理の進行を停止する。この間に、払出用マイコン2011の払出チップコード(払出固有ID)を受信するが、来なければRWM(ユーザワークRAM)の内容を使う。なお、RWMとはユーザワークRAMなどのRAMを指す。フローチャートでは、RWMと必要に応じて図示する。
また、RAM内のデータであっても、全てが初期化されるわけではなく、払出チップコード領域(チップコードや比較結果のフラグ(ステップS2004〜S2006にて設定))の内容を消してしまわないように初期化する領域の数を制限している。
前述したように、払出用マイコン2011においてもパチンコ機1の電源投入時やシステムリセット時には、払出用マイコン2011のHWパラメータROMに格納されている払出固有IDが制御回路(HPG)の動作によりHWパラメータROMからコピーされて払出プログラムの動作により、払出用マイコン2011のHWパラメータROMに格納されている払出固有IDが読み出されてチップ個別IDレジスタにコピーされ、チップ個別IDレジスタにコピーされた払出固有IDは外部バスインターフェースを通り、内蔵のシリアル通信回路によってシリアル通信形式にされて払出用マイコン2011の外部に読み出されて遊技制御装置2000に出力されるからである(後述の払出プログラム参照)。
次いで、ステップS2004では、バックアップされた払出チップコード(払出固有ID)と新たに受信した払出チップコードを比較する。バックアップされた払出チップコードとは、前回のルーチン(前回の電源投入時)でRWMに格納されていたデータである。前回と今回の払出チップコードを比較し、比較結果をステップS2005で判別し、一致していればステップS5に進んで、全出力ポートにオフ信号(2値信号の「0」に相当する信号)を出力する。
一方、ステップS2005の比較結果で、前回と今回の払出チップコードが一致していなければ、ステップS2006に進んで払出チップコードNGフラグをセットした後、ステップS5に進む。
ステップS5を経ると、次いで、ステップS6に進み、初期化スイッチ信号の状態によって前記初期化スイッチがオンしているか否か判断し、オンしていればステップS2008にジャンプし、オンしていなければステップS7に進む。
なお、ステップS2008にジャンプするのは、前記初期化スイッチがオン操作されて遊技用マイコン2001が起動した場合、ステップS7で停電検査領域が全て正常ではないと判定された場合、或いはステップS9でチェックサムが正常でないと判定された場合である。このため、ステップS2008に進むと、遊技制御装置2000のRAM内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。ただし、RAM内のデータであっても、払出チップコード領域(払出用マイコン2011から送られてきた払出チップコードや比較結果のフラグ(ステップS2004〜S2006にて設定))は初期化しない。
ステップS10を経ると、ステップS2007で払出チップコードは正常かどうかを判別し、正常でなければステップS15に分岐する。この場合は、ステップS15以降に進んで、ステップS2010で固有情報送信完了かどうかを判断したりすることになる。
つまり、払出チップコードが正常でなければ、今回の外部への固有情報の送信完了やセキュリティ信号の送信完了まで、待つことになる。
また、ステップS2007で払出チップコードが正常な場合は、ステップS11に進んで特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンド(停電復旧コマンド)を送信する。このステップS11を経ると、ステップS15に進む。
一方、ステップS2008以降の処理に進むと、遊技制御装置2000のおける払出チップコード領域以外の全てのユーザワークRAM内のデータ(アクセス禁止領域を除く)を初期化するなどの処理を行う。
即ち、ステップS2008では使用する全てのユーザワークRAMの領域をクリアするが、払出チップコード領域は除く。具体的には、ユーザワークRAMにおいて、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする。
したがって、前回のルーチンで払出用マイコン2011から送られてきた払出チップコードは、初期化されずに残る。なお、払出チップコードは後述のフローチャート(図54)にあるように、払出用マイコン2011から送られてきたとき、シリアル受信割込みにてシリアル受信バッファのデータが払出チップコード領域にセーブされることで、更新されることになる。
ステップS18を経ると、次のステップS2009では払出チップコードは正常かどうかを判別する。正常でなければ、ステップS2010に分岐して固有情報送信完了かを判断する。これは、固有情報としての主基板固有IDと払出固有IDの合成情報(図53)の外部への送信完了、及びセキュリティ信号の外部への出力完了を判断するものである。ステップS2010でNOであれば、固有情報送信完了まで、このステップS2010に待機し、今回の固有情報送信を完了すると、ステップS2011に抜ける。これにより、払出チップコードが正常でない場合は、今回の主基板固有IDと払出固有IDの合成情報の外部への送信が完了するまで、待つことになる。
ステップS2010を抜けると、次のステップS2011で割込みを禁止する。これは、今回の固有情報送信を完了したので、今回はもう送信する必要がないので、割込みを許可しないためである。
ステップS2011を経ると、ステップS27にジャンプしてユーザワークRAMへのアクセスを禁止した後、待機する(前述した制御信号生成部503からのリセット信号を待つリセット待ち状態となる)。
一方、ステップS2009で払出チップコードが正常な場合は、ステップS19以降(実施例1と同じ)を実行する。
以上のメイン処理によれば、バックアップされた払出チップコード(払出固有ID)と起動時に新たに受信した払出チップコードが一致しない異常が発生すると、停電復旧時のコマンド送信が行われず、電源投入時のセキュリティ信号及び固有情報の送信完了を待った後、RAMアクセスが禁止されてリセット待ち状態になる。
図52は遊技制御装置2000のタイマ割込み処理のフローチャートである。
実施例1と同様のステップS31〜S32を経ると、次のステップS2021で払出チップコードは正常かどうかを判別し、正常でなければステップS42に分岐する。この場合は、払出チップコードが正常ではなく、偽物の可能性もあると判断してステップS34〜ステップS41の処理を行わず(よって、特図ゲームなどの遊技ゲームが行われない)、単に今回の主基板固有IDや払出固有IDを外部に送信するなどの処理を行うことになる。また、外部の管理装置780では、今回の主基板固有IDや払出固有IDの真偽を判断することになる。
一方、ステップS2021で払出チップコードが正常であれば、通常通りに遊技ゲームを行うべく、ステップS34以降に進む。
図53は遊技制御装置2000の固有情報取得処理のフローチャートである。
このルーチンが開始されると、まずステップS181でスタートコードをシリアル送信バッファに書き込む。シリアル通信の開始であることを受け側である外部の管理装置780に特定させるためのコードである。次いで、ステップS2041で取得はチップコードのみかどうかを判断する。取得がチップコードのみでなければ、ステップS183に進んでメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップS184でメーカコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップS185で製品コード識別コードをシリアル送信バッファに書き込むとともに、ステップS186で製品コードを読み出してシリアル送信バッファに書き込み、その後、ステップS2042に進む。これにより、メーカコード及び製品コードが取得されることになる。
各識別コードは、送信しようとするデータの区分を識別するためのものであり、そのあとに、読み出してきた各コードをシリアルに並べる。
一方、ステップS2041で取得がチップコードのみであれば、ステップS2042にジャンプして、チップコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込む。
次いで、ステップS2043でチップコード(ここでは主基板固有ID)をチップ個別IDレジスタから読み出し、対応する払出チップコード(払出固有ID)と合成する。払出チップコードは払出制御装置2010から送られてきたものである。また、このステップS2043では、合成したチップコード(主基板固有IDと払出固有IDの合成情報)をシリアル送信バッファに書き込む処理も行う。
このようにして、各識別コードと一緒に各コードが取得されて、シリアルに並べられて順次、シリアル送信バッファに書き込まれる。これにより、シリアル送信バッファから各コードが外部情報端子板55を介して管理装置780に出力されることになる。ステップS2043を経ると、リターンする。
次に、遊技制御装置2000で実行されるシリアル受信割込み処理を図54により説明する。
このルーチンが開始されると、まずステップS2051でレジスタを退避し、ステップS2052でシリアル受信バッファのデータを払出チップコード領域にセーブする。これは、払出制御装置2010から遊技制御装置2000に向けて払出固有IDの出力があると、遊技制御装置2000ではシリアル受信割込みをかけてシリアル受信バッファにて受信し、そのデータ(払出固有ID)をRWM内の払出チップコード領域にセーブするものである。
なお、本実施例では、払出制御装置2010のチップコード(払出固有ID)は4バイトであり、4バイト受信すると、割込みが発生するように設定されている。
次いで、ステップS2053で受信バッファは空であるかを判断し、空でなければステップS2052に戻ってルーチンを繰り返す。これにより、払出制御装置2010からチップコードを4バイト受信した場合、シリアル受信バッファからは全てのバイトデータが読み出されて払出チップコード領域にセーブされることになる。
そして、シリアル受信バッファからは全てのバイトデータが読み出されて空になると、ステップS2053の判断がYESとなり、ステップS2054に抜ける。ステップS2054ではシリアル受信割込み要求をクリアし、ステップS2055でレジスタを復帰させる。これは、払出制御装置2010から払出固有IDを1回だけ受信し、受信した場合には、もう受信する必要がないので、割込みを許可しないものである。
このようにして、払出制御装置2010から払出固有IDを受信する処理が行われる。なお、払出制御装置2010から払出チップコード以外の固有情報(例えば、払出制御装置の機種コード)を同様に受信して払出チップコードと同様に取り扱うようにしてもよい。
<払出プログラム>
本実施例11において、払出制御装置2010で実行する払出プログラムのうち、実施例1と異なるのは、固有情報信号編集処理であり、その他は同様であるので、重複説明を略す。
図55は払出制御装置2010の固有情報信号編集処理のフローチャートである。
このルーチンが開始されると、まずステップS2071でチップコードを送信済みであるかどうかを判別する。ここでのチップコードとは払出用マイコン2011の払出チップコード(払出固有ID)のことである。既に送信済みであれば、ルーチンを終了してリターンする。
一方、チップコードを送信済みでなければ、ステップS2072に進んで払出チップコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。払出用マイコン2011のHWパラメータROMに格納されている払出チップコード(払出固有ID)は、電源投入時にチップ個別IDレジスタにコピーされているので、それを読み出すことで行われる。
次いで、ステップS2073でチップコード送信済みフラグをセットしてリターンする。これにより、シリアル送信バッファに書き込まれた払出チップコードは遊技制御装置2000の方へ(即ち、外部装置側へ)シリアル通信で送られることになる。
以上のような各プログラムを実行することにより、パチンコ機1の電源投入時においては、遊技制御装置2000における払出制御装置2010の起動待ちのディレイ処理中(ステップS2003)に、払出制御装置2010からシリアル通信にて払出チップコードが遊技制御装置2000に送られる。従来は、ディレイ処理は単なる待ちとして何も処理を行わず時間を費やしているだけであったが、その待ち時間を利用して払出チップコードを受信してしまうことで、通常運転中での払出制御装置2010から遊技制御装置2000へのチップコード送信による割込みを発生させないようにし、プログラムの負担を減らしている。
遊技制御装置2000では外部情報や賞球信号を外部情報端子板55を介して外部の管理装置780に(即ち、外部装置側へ)出力するが、特に、電源投入やガラス枠5あるいは前面枠4の開放などというイベント発生時に、これらのイベントに合わせて主基板固有ID及び払出固有IDを外部情報端子板55を介して外部の管理装置780に出力する。
したがって、このようなイベント発生時には、遊技用マイコン2001や払出用マイコン2011が不正に交換されているかどうかを外部の管理装置780にて容易にチェックすることができ、不正に有効に対処することができる。したがって、遊技店の開店時だけでなく、開店中に遊技用マイコン2001や払出用マイコン2011が不正に交換された場合でも容易に不正をチェックすることが可能になる。
実施例11によれば、以下のような効果がある。
即ち、本実施例のパチンコ機1では、遊技プログラムを実行することにより、電源投入時やガラス枠5あるいは前面枠4の開放時などに、遊技用マイコン2001の主基板固有IDは、実施例1と同様に、内蔵のシリアル通信回路によってシリアル通信形式で外部装置側へ出力される。
一方、上記同様に、払出用マイコン2011においてもパチンコ機1の電源投入時やシステムリセット時には、払出プログラムの動作により、払出用マイコン2011のHWパラメータROM715に格納されている払出固有IDが読み出されてチップ個別IDレジスタ716にコピーされるとともに、IDプロパティRAM724にも払出固有IDがコピーされ、チップ個別IDレジスタ716にコピーされた払出固有IDは、外部バスインターフェース704を通り、内蔵のシリアル通信回路704aによってシリアル通信形式にされて遊技制御装置2000に送られる。遊技制御装置2000では主基板固有IDと払出用マイコン2011から送られてきた払出固有IDとが合成されて外部情報端子板55に送られ、この外部情報端子板55で中継されて外部の管理装置780に伝送される。これにより、遊技用マイコン2001に格納されている固有ID及び払出用マイコン2011に格納されている払出固有IDを遊技店にて読み出すことができ、管理装置780で真偽をチェックすることができる。
したがって、本実施例11でも、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置2000や払出制御装置2010)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。
また、本実施例11では遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコン2001や払出用マイコン2011(演算処理装置)から出力することができる。
その場合に、情報領域部600Bや700B(情報処理部)の大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
「実施例12:払出基板−主基板(パラレル)−管理装置」
次に、本発明の実施例12を図56に基づいて説明する。
本実施例は、払出基板(払出制御装置)からシリアルで払出固有IDを主基板(遊技制御装置)に送り、主基板(遊技制御装置)から外部への主基板固有ID及び払出固有IDの伝送はパラレルで行うものである。ただし、主基板から払出基板への払出固有IDの再送要求はない形態である。なお、外部装置としては管理装置を設定している。
本実施例においてはパチンコ機の前面、裏面、遊技盤、外部情報端子板の構造は実施例1と同様、また、制御系のブロック図は実施例11と同様であり、略す。
次に、本実施例において、遊技制御装置で実行する遊技プログラムは下記の通りである。(■マーク以外は他の実施例と同一。払出プログラムも同様)
メイン処理(実施例11と同じ)
タイマ割込み処理(実施例11と同じ)
特図ゲーム処理(実施例1と同じ)
特図表示中処理(実施例1と同じ)
入賞口スイッチ/エラー監視処理(実施例1と同じ)
エラーチェック処理(実施例1と同じ)
外部情報編集処理(実施例1と同じ)
固有情報信号編集処理(実施例3と同じ)
■固有情報取得処理
シリアル受信割込み処理(実施例11と同じ)
また、本実施例において、払出制御装置で実行する払出プログラムは下記の通りである。
メイン処理(実施例1と同じ)
タイマ割込み処理(実施例1と同じ)
外部情報出力編集処理(実施例1と同じ)
固有情報信号編集処理(実施例11と同じ)
このように、払出プログラムは実施例11と同様であり、説明を略す。
一方、遊技制御装置における遊技プログラムの内容は一部が異なっており、その他は説明を略す。
<遊技プログラム>
本実施例12では、遊技プログラムのうち、固有情報取得処理のみが独自であり他の実施例と相違している。
図56は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。このルーチンが開始されると、まずステップS2131でスタートコードを固有情報バッファ領域にセーブする。
次いで、ステップS2132で取得はチップコードのみかどうかを判断する。取得がチップコードのみでなければ、ステップS2133に進んでメーカコード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブするとともに、ステップS2134でメーカコードを読み出して固有情報バッファ領域にセーブする。次いで、ステップS2135で製品コード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブするとともに、ステップS2136で製品コードを読み出して固有情報バッファ領域にセーブする。その後、ステップS2137に進む。これにより、メーカコード及び製品コードが取得されることになる。
一方、ステップS2132で取得がチップコードのみであれば、ステップS2137にジャンプして、チップコード識別コードを固有情報バッファ領域にセーブする。
次いで、ステップS2138でチップコード(ここでは主基板固有ID)を読み出し、対応する払出チップコード(払出固有ID)と合成する。払出チップコードは払出制御装置から送られてきたものである。また、このステップS2138では、合成したチップコード(主基板固有IDと払出固有IDの合成情報)を固有情報バッファ領域にセーブする処理も行う。
次いで、ステップS2139で固有情報送信アウンタをクリアし、リターンする。
このようにして、各識別コードと一緒に各コードが取得されて、固有情報バッファ領域にセーブされる。これにより、固有情報バッファ領域にセーブされた各コードが外部情報端子板55を介して管理装置780にパラレル通信で出力されることになる。
なお、外部情報端子板55は単に信号を中継するものであるから、入力側にパラレル信号が入力されれば、出力側もパラレル信号で出力されていく。
このように、実施例12では、払出制御装置からシリアルで払出固有IDを遊技制御装置に送り、遊技制御装置では主基板固有IDと払出制御装置から送られてきた払出固有IDとが合成されてパラレル通信で外部情報端子板55に送られ、この外部情報端子板55で中継されてパラレル通信で外部の管理装置780に伝送される。これにより、遊技用マイコンに格納されている固有ID及び払出用マイコンに格納されている払出固有IDを遊技店にて読み出すことができ、管理装置780で真偽をチェックすることができる。
したがって、本実施例においても、実施例11と同様に遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置2000や払出制御装置2010)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、効率良く、容易に固有IDを遊技用マイコンから外部に出力することができる。
また、実施例11と同様に、主基板固有IDと払出固有IDの双方を管理装置780に出力するので、より確実に、遊技用マイコン(演算処理装置)に対する不正を抑止することができるとともに、払出用マイコン(第2の演算処理装置)に対する不正も抑止することができる。
さらに、遊技制御装置から外部装置(この場合、管理装置780)への主基板固有ID及び払出固有IDの伝送をパラレルで行うので、以下の効果がある。
すなわち、パラレル転送という送信形態で外部装置に出力することで、外部装置が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的に外部装置に報知することができる。
「実施例13:払出基板−主基板−カードユニット」
次に、本発明の実施例13を図57に基づいて説明する。
本実施例は、個体識別情報と払出個体識別情報の出力先である遊技機外の外部装置としてカードユニットを設定した例である。
すなわち、払出基板(払出制御装置)からシリアルで払出固有IDを主基板(遊技制御装置)に送り、主基板(遊技制御装置)から遊技機外のカードユニットには主基板固有ID及び払出固有IDをシリアルで行うものである。ただし、主基板から払出基板への払出固有IDの再送要求はない形態である。
本実施例においては、パチンコ機の制御系のブロック図が実施例11と異なる。
<ブロック図>
そこで、実施例11(図49)と異なる制御系のブロック図(図57)について説明する。
図57に示すブロック図が実施例11と異なるのは、外部情報端子板55の固有情報用のコネクタ(基板対電線用コネクタ67)がカードユニット2120に接続されている点である。その他は、実施例11と同様であり、同一部材には同一番号が付されており、重複説明は略す。
カードユニット2120はパチンコ機(遊技機)に併設され、対価を取って遊技者に貸球を供給するもので、例えばCR機(カードリーディング機)と称される遊技機であれば、パチンコ機(遊技機)と、遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)とが併設され、これらが対をなして設置される。
但し、パチンコ機はカードユニットとは分離可能であり、パチンコ機を分離して別のコーナーに持って行くことも可能である。
カードユニット2120には、カードリーダライタが内蔵されており、カードユニット2120の前面には、磁気カード又はICカードなどのカードが挿入されるカード挿入口、カード利用可LED、紙幣投入口、紙幣投入可LED、カード挿入中LED、持ち球払出操作部、情報表示装置、遊技媒体払出部等が設けられている。
以上の構成において、実施例13では、管理装置780は外部情報端子板55を介して遊技制御装置2000から外部情報と賞球信号を受信し、カードユニット2120は外部情報端子板55を介して遊技制御装置2000から主基板固有IDと払出固有IDを含む固有情報を受信する。
これにより、遊技用マイコンに格納されている固有ID及び払出用マイコンに格納されている払出固有IDを遊技店にて読み出すことができ、カードユニット2120で真偽をチェックすることができる。
なお、遊技店の係員しか見れない形態でカードユニット2120に主基板固有ID及び払出固有IDの真偽判断結果を表示させてもよいし、あるいは他のツールなどを介して主基板固有ID及び払出固有IDの真偽判断を行うような構成にしてもよい。例えば、係員が携帯可能な端末にカードユニット2120から主基板固有ID及び払出固有IDを赤外線等で飛ばして、該端末で真偽を可能な構成にしてもよい。そのようにすると、開店中でも係員が歩きながら主基板固有ID及び払出固有IDの真偽判断ができる。
このような実施例13においても、遊技プログラムを実行することにより、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置2000や払出制御装置2010)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に主基板固有ID及び払出固有IDを遊技用マイコンから出力することができる。
また、特に各台のカードユニット2120で各遊技機の主基板固有ID及び払出固有IDをそれぞれ確認できる利点がある。また、カードユニット2120から球貸情報を収集する球貸情報収集装置へ主基板固有ID及び払出固有IDを転送することにより、上述した管理装置同様に球貸情報収集装置において主基板固有ID及び払出固有IDを一元的に確認することができる。
「実施例14:主基板(シリアル)−外部装置、払出基板(シリアル)−外部装置」
次に、実施例14を図58乃至図59に基づいて説明する。
本実施例は、主基板(遊技制御装置)からシリアルで外部装置(管理装置又はカードユニット)に主基板固有IDを送り、払出基板(払出制御装置)からシリアルで外部装置(管理装置又はカードユニット)に払出固有IDを送る例である。
<ブロック図>
制御系のブロック図は、外部装置として管理装置を設定した場合が図58であり、外部装置としてカードユニットを設定した場合が図59である。
図58において、遊技制御装置2100は遊技用マイコン2101を備え、払出制御装置2110は払出用マイコン2111を備えている。遊技制御装置2100は外部情報端子板55に接続され、遊技制御装置2100の外部情報と固有情報(主基板固有ID)は遊技制御装置2100から外部情報端子板55を介して管理装置780に送信される。また、払出制御装置2110も外部情報端子板55に接続され、払出制御装置2110の外部情報(賞球信号等)と固有情報(払出固有ID)は払出制御装置2110から外部情報端子板55を介して管理装置780に送信される。
図59において、遊技制御装置2200は遊技用マイコン2201を備え、払出制御装置2210は払出用マイコン2211を備えている。また、外部情報端子板55の固有情報用のコネクタ(基板対電線用コネクタ67)はカードユニット2220にも接続されている。遊技制御装置2200は外部情報端子板55に接続され、遊技制御装置2200の外部情報は遊技制御装置2200から外部情報端子板55を介して管理装置780に送信され、遊技制御装置2200の固有情報(主基板固有ID)は遊技制御装置2200から外部情報端子板55を介してカードユニット2220に送信される。また、払出制御装置2210も外部情報端子板55に接続され、払出制御装置2210の賞球信号は払出制御装置2210から外部情報端子板55を介して管理装置780に送信され、払出制御装置2210の固有情報(払出固有ID)は払出制御装置2210から外部情報端子板55を介してカードユニット2220に送信される構成となっている。カードユニット2220は、各固有情報を受け取って処理する機能を有している。
なお、本実施例14において、遊技制御装置で実行する遊技プログラムは実施例1と同じであり、払出制御装置で実行する払出プログラムは実施例11と同じであるので、説明を略す。
このような実施例においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に主基板固有ID及び払出固有IDを遊技用マイコンや払出用マイコンから出力することができる。
「実施例15:主基板(パラレル)−外部装置、払出基板(パラレル)−外部装置」
次に、実施例15を説明する。
本施例は、主基板(遊技制御装置)からパラレルで外部装置(管理装置又はカードユニット)に主基板固有IDを送り、払出基板(払出制御装置)からパラレルで外部装置(管理装置又はカードユニット)に払出固有IDを送る例である。
<ブロック図>
制御系のブロック図は、実施例14と同じであり、外部装置として管理装置を設定した場合が図58であり、外部装置としてカードユニットを設定した場合が図59である。
<遊技プログラム>
本実施例15では、遊技制御装置で実行する遊技プログラムは実施例3と同じであり、払出制御装置で実行する払出プログラムは実施例10と同じであるので、説明を略す。
このような実施例においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に主基板固有ID及び払出固有IDを遊技用マイコン等から出力することができる。
「実施例16:主基板(シリアル)−外部装置側;枠閉鎖時に出力」
次に、実施例16を図60乃至図64に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをシリアル伝送によって出力する実施例(実施例1、実施例2、実施例14)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理、外部情報編集処理(後半)、及び固有情報信号編集処理のみが実施例1と異なり、他の構成は実施例1と同じである。本実施例は、ガラス枠5等が閉鎖したタイミングで固有情報を出力する点に特徴を有する。
図60は本実施例における遊技制御装置のエラーチェック処理のフローチャートである。実施例1の図14と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS123を経ると、ステップS2151に進み、扉開放エラー解除か又は枠開放エラー解除かを判定し、これら何れかのエラー解除であればステップS2152を経てステップS2153に進み、そうでなければリターンする。ステップS2153に進むのは、開放されていた扉(ガラス枠5)が閉じられた時、又は開放されていた枠(前面枠4)が閉じられた時であるので、ステップS2153では扉・枠閉鎖時フラグをセットしてリターンする。
図61は本実施例における遊技制御装置の外部情報編集処理(前半)のフローチャートであり、図62は本実施例における遊技制御装置の外部情報編集処理(後半)のフローチャートである。実施例1の図15,16と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、外部情報編集処理(前半)におけるステップS144又はS145を経ると、ステップS2161(以下、図62)に進み、前述したステップS2153(図60)でオン設定される扉・枠閉鎖時フラグがオンしているか否か(即ち、当該フラグが立っているか否か)判定し、オンしていればステップS147に進み、オンしていなければステップS2162に進む。ステップS2162では、扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が開放中であればステップS2163に進み、開放中でなければステップS2164に進む。そして、ステップS2163では、遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定してステップS150に進む。一方、ステップS2164では、扉・枠開放信号OFFの出力データを設定し、次いでステップS2165で扉・枠開放での固有情報信号の出力要求済みフラグをクリアし、その後ステップS152に進む。
図63は本実施例における遊技制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。実施例1の図17と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、このルーチンが開始されると、まずステップS2171でシリアル通信中かどうかを判別する。これは、遊技制御装置が外部装置側(払出制御装置、管理装置等)との間で、シリアル通信を実行中かどうかをチェックするものである。シリアル通信中であれば、今回は固有IDを外部装置側に出力することはできないので、リターンする。
一方、シリアル通信中でなければステップS2172に進んで、扉又は枠閉鎖後の固有情報送信終了時かチェックし、チェック結果によってステップS2173で分岐する。即ちステップS2173では、前記送信終了時であればステップS2174に進み、前記送信終了時でなければステップS172にジャンプする。ステップS2174では、扉・枠閉鎖時フラグをクリアし、ステップS172に進む。
以上説明した遊技プログラム上の特徴を持つ本実施例16であると、開放中であった扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が閉鎖された直後に、扉・枠閉鎖時フラグがオン設定され(ステップS2153)、これにより扉・枠開放での固有情報信号の出力要求フラグがセットされ(ステップS148)、その結果、主基板固有IDが遊技制御装置から出力される。即ち、本実施例の遊技制御装置(後述の実施例17,18も同様)は、図64のタイミングチャートに示すように、扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が閉鎖されたタイミング(発生した遊技機状態が解除されたタイミング)で個体識別情報を出力開始する機能(状態解除時個体識別情報出力開始手段)を有する。なお、これに対して、前述した実施例1等の遊技制御装置は、扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が開けられたタイミング(遊技機状態が発生し、遊技機状態信号がオフからオンになったタイミング)で個体識別情報を出力開始する機能(状態発生時個体識別情報出力開始手段)を有する。
また、ステップS2173の作用により、扉又は枠閉鎖後の固有情報送信終了時でなければ、ステップS2174での扉・枠閉鎖時フラグのクリアは行われないため、ステップS2161の判定結果はYESとなり、ステップS2164での扉・枠開放信号のオフ設定は実行されない。その結果、前記固有情報送信終了時まで、遊技機状態信号(この場合、扉・枠開放信号)はオンのままとされる(延長される)。即ち、本実施例の遊技制御装置(後述の実施例17,18も同様)は、図64のタイミングチャートに示すように、扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が閉鎖されたタイミング(発生した遊技機状態が解除されたタイミング)で送信開始した個体識別情報の送信が完了するまで、対応する遊技機状態信号をオンのまま延長する機能(遊技機状態信号延長制御手段)を有する。この機能により、外部装置側では個体識別情報と遊技機状態信号の対応関係が判定し易くなる。
この実施例においても、遊技機用演算処理装置を有する制御装置(遊技制御装置や払出制御装置)に対する不正の可能性が高いことを外部に報知可能となる。また、遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に主基板固有ID及び払出固有IDを遊技用マイコンや払出用マイコンから出力することができる。
なお本実施例は、個体識別情報と遊技機状態信号との対応を取り易くするため、遊技機状態信号を個体識別情報の送信完了まで延長する(即ち、オンのままとする)態様となっているが、遊技機状態が解除された時点で遊技機状態信号をオフとする態様でもよい。具体的には、例えば図64において、ガラス枠及び前面枠が共に閉鎖状態になった時点で、枠開放信号をオンからオフに立ち下げるようにしてもよい。
「実施例17:主基板(パラレル)−外部装置側;枠閉鎖時に出力」
次に、実施例17を図65に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをパラレル伝送によって出力する実施例(実施例3、実施例15)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理、外部情報編集処理(後半)、及び固有情報信号編集処理のみが実施例3と異なり、他の構成は実施例3と同じである。また本実施例は、実施例16と同様に、ガラス枠5等が閉鎖したタイミングで固有情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理と外部情報編集処理(後半)は実施例16(図60,62)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報信号編集処理のみである。
図65は実施例17における遊技制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。実施例3の図33と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS439を経ると、ステップS2181に進み、扉又は枠閉鎖後の固有情報送信終了時かチェックし、チェック結果によってステップS2182で分岐する。即ちステップS2182では、前記送信終了時であればステップS2183に進み、前記送信終了時でなければリターンする。ステップS2183では、扉・枠閉鎖時フラグをクリアし、リターンする。
本実施例によれば、実施例16と同様の作用効果が得られる。
「実施例18:払出基板−主基板(パラレル)−外部装置;枠閉鎖時に出力」
次に、実施例18は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をパラレル伝送によって出力する実施例12の変形例であり、遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理、外部情報編集処理(後半)、及び固有情報信号編集処理のみが実施例12と異なり、他の構成は実施例12と同じである。また本実施例は、実施例16及び17と同様に、ガラス枠5等が閉鎖したタイミングで固有情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理と外部情報編集処理(後半)は実施例16(図60,62)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例17(図65)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つ処理は無い。
本実施例によれば、実施例16と同様の作用効果が得られる。
「実施例19:払出基板−主基板(シリアル)−外部装置;枠閉鎖時に出力」
次に、実施例19は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をシリアル伝送によって出力する実施例11の変形例であり、遊技プログラムのうちの、エラーチェック処理、外部情報編集処理(後半)、及び固有情報信号編集処理のみが実施例11と異なり、他の構成は実施例11と同じである。また本実施例は、実施例16と同様に、ガラス枠5等が閉鎖したタイミングで固有情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラム(エラーチェック処理、外部情報編集処理(後半)、及び固有情報信号編集処理)は実施例16(図60,62,63)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つ処理は無い。
本実施例によれば、実施例16と同様の作用効果が得られる。
即ち、以上説明した実施例17乃至19も、実施例16と同様に、開放中であった扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が閉鎖されたタイミングで、主基板固有IDが遊技制御装置から出力される。
なお、遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を出力するタイミングは、上記実施例に限定されない。例えば、扉(ガラス枠5)又は枠(前面枠4)が開けられたタイミング(遊技機状態信号がオフからオンになったタイミング)から例えば規定時間経過後(遊技機状態信号がオンになっている期間中)に個体識別情報を出力開始する機能(信号発生中個体識別情報出力開始手段)を遊技制御装置に設けてもよい。この態様であると、扉や枠が短時間(規定時間未満)だけ開放された後に閉じられた場合には、個体識別情報が出力されないので、扉や枠が僅かでも開けられるだけで個体識別情報が頻繁に出力されてしまうといった恐れが無い。
「実施例20:主基板(シリアル)−外部装置側;重複無視」
次に、実施例20を図66乃至図73に基づいて説明する。
実施例20は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをシリアル伝送によって出力する実施例(実施例1、実施例2、実施例14)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例1等と同じである。本実施例は、遊技機状態が重複して発生した場合に、先に発生した遊技機状態に対応する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する点に特徴を有する。
図66は本実施例における遊技制御装置のメイン処理のフローチャートである。実施例1の図9と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS14を経ると、ステップS2191に進み、セキュリティ信号の出力要求フラグをセットする(立てる)。ステップS2191を経ると、ステップS15に進む。なお、セキュリティ信号の出力要求フラグは、固有情報信号編集処理の後述するステップS2245でチェックされる。
図67は本実施例における遊技制御装置の特図表示中処理のフローチャートである。実施例1の図12と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS90を経ると、ステップS2201に進み、大当り1信号の出力要求フラグをセットする。ステップS2201を経ると、ステップS91に進む。なお、大当り1信号の出力要求フラグも、後述するステップS2245でチェックされる。
図68は本実施例における遊技制御装置のエラーチェック処理のフローチャートである。実施例1の図14と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS123を経ると、ステップS2211に進み、扉開放エラー発生か又は枠開放エラー発生かチェックし、チェック結果はステップS2212で判別し、YESであれば(何れかのエラー発生であれば)ステップS2213に進み、NOであればリターンする。ステップS2213に進むのは、閉じられていた扉(ガラス枠5)が開放された時、又は閉じられていた枠(前面枠4)が開放された時であるので、ステップS2213では扉・枠開放信号の出力要求フラグをセットしてリターンする。なお、扉・枠開放信号の出力要求フラグも、後述するステップS2245でチェックされる。また、ステップS2212を通過するのは、エラー発生したときと解除したときの2通りがあるので、ステップS2212では発生のときを限定するための判断を行っている。また、既に一度エラー発生(例えば、扉・枠開放エラーの何れか発生)と判定されている場合には、このエラー状態が解除されるまで、ステップS121の判定結果はYESになり、ステップS2212等は実行されない。このため、例えば、閉じられていたガラス枠が開けられて扉・枠開放エラー発生となり一度その出力要求フラグがセットされると、その後ガラス枠が開けられたままの状態(開放中の状態)で再度このエラーチェック処理が実行されても、ステップS2213による出力要求フラグのセットが再度実行されることはない。
図69、図70は本実施例における外部情報編集処理のフローチャートである。実施例1の図15、図16と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。
このルーチンが開始されると、まずステップS2221で固有情報信号編集処理を行う。これは、固有情報信号の出力要求フラグに基づいて、固有ID(例えば、遊技用マイコン111のチップコード)を取得するものである(詳細はサブルーチンで後述)。
次いで、ステップS2222で、セキュリティ信号の出力許可フラグがセットされているかどうかをチェックする。チェック結果はステップS2223で判別し、NOであればステップS2226に分岐してセキュリティ信号OFFの出力データを設定し、次いでステップS2227でセキュリティ信号の出力許可フラグをクリアしてステップS140に進む。なお、セキュリティ信号の出力許可フラグは、固有情報信号編集処理の後述するステップS2246でセットされるものである。
一方、ステップS2223でYES(フラグセット)のときは、ステップS2224に進んで、セキュリティ信号制御タイマを「−1」更新し、その後にセキュリティ信号制御タイマがタイムアップしたかどうかをチェックする。チェック結果はステップS2225で判別し、NOであればステップS137に進んでセキュリティ信号ONの出力データを設定してステップS140に進む。これにより、パチンコ機1の電源投入時においてセキュリティ信号が出力されることになる。なお、セキュリティ信号制御タイマは、メイン処理のステップS15でセットされるタイマである。
一方、ステップS2225でYES(タイムアップ)のときは、ステップS2226に分岐してセキュリティ信号OFFの出力データを設定した後、ステップS2227でセキュリティ信号の出力許可フラグをクリアする。ステップS2227を経ると、ステップS140に進む。すなわち、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップしていれば、セキュリティに関連する情報の外部出力の設定は行なわれない。
次いで、ステップS140乃至ステップS145では、実施例1の図15で説明した処理が行われ、ステップS144あるいはステップS145を経ると、次いで、図70のステップS2231に進む。ステップS2231では、扉・枠開放信号の出力許可フラグがセットされているかどうかチェックし、チェック結果はステップS2232で判別し、YESであればステップS2233に進み、NOであればステップS2236に分岐する。ステップS2233では扉又は枠の開放中か否かを判別する。既述したように、扉とはガラス枠5のことで、枠とは前面枠4のことである。扉又は枠の開放中であれば、ステップS2234に進んで扉・枠開放信号ONの出力データを設定し、次いでステップS2235で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定してステップS152に進む。これらステップS2234、S2235により、扉・枠開放信号が出力され(ONになり)、遊技機エラー状態信号が出力される(ONになる)。
一方、ステップS2233でNOのとき、つまり扉又は枠の開放中でなければ、扉又は枠の開放というイベントが発生しないので、そのような出力データの設定は行う必要がないので、ステップS2236に分岐して扉・枠開放信号OFFの出力データを設定するとともに、ステップS2237で扉・枠開放信号の出力許可フラグをクリアしてステップS2238に進む。
ステップS2238では、大当り1信号の出力許可フラグがセットされているかどうかチェックし、チェック結果はステップS2239で判別し、YESであればステップS2240に進み、NOであればステップS2241に分岐する。ステップS2240では大当り動作中かどうかを判別し、大当り動作中であればステップS158で大当り1信号ONの出力データを設定する。このステップS158の処理により大当り1信号が出力される(ONする)。一方、ステップS2240で大当り動作中でなければ、大当り1信号を出力する必要がないので、ステップS2241に分岐して大当り1信号OFFの出力データを設定するとともに、ステップS2242で大当り1信号の出力許可フラグをクリアし、その後ステップS161に進む。
図71は本実施例における遊技制御装置の固有情報信号編集処理(外部情報編集処理のステップS2221)のフローチャートである。このルーチンが開始されると、まずステップS2245で何れかの出力要求フラグがセットされているかどうか判別し、YESであればステップS2246に進み、NO(何れの出力要求フラグもセットされていない場合)であれば固有IDを出力する必要がないのでリターンする。ここで、出力要求フラグとは、前記ステップS2191(メイン処理)でセットされるセキュリティ信号の出力要求フラグ、前記ステップS2201(特図表示中処理)でセットされる大当り1信号の出力要求フラグ、及び前記ステップS2213(エラーチェック処理)でセットされる扉・枠開放信号の出力要求フラグを指す。
ステップS2246に進むと、出力要求フラグがセットされている遊技機状態信号(セキュリティ信号、大当り1信号、及び扉・枠開放信号のうちの何れか)の中で最初に成立したものの出力許可フラグをセットし、次のステップS2274で対応する出力要求フラグ(即ち、最初に成立した信号の出力要求フラグ)をクリアし、その後ステップS2248(固有情報取得処理)に進む。これは、遊技機状態(本例では、セキュリティ信号をONさせる電源投入、大当り1信号をONさせる大当り動作、扉・枠開放信号をONさせる扉・枠開放の何れか)が重複して発生した場合に、最初にONになった遊技機状態信号をまず出力するとともに、この遊技機状態信号に対応させて固有IDを出力するためである。即ち、出力要求フラグが複数同時に成立している場合、先に発生したものから、一つずつ処理していく構成となっており、出力要求フラグのクリアも一つずつ行う構成となっている。なお、上記遊技機状態のうちの何れか一つが発生した場合(重複発生していない場合)でも、これらステップS2246〜S2248が実行されて、その遊技機状態信号が出力されるとともに、これに対応させて固有IDが出力されることになる。
図72は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理(固有情報信号編集処理のステップS2248)のフローチャートである。実施例1の図18と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、このルーチンが開始されると、まずステップS2251でシリアル通信中かどうかを判別する。これは、遊技制御装置が外部装置側(払出制御装置、管理装置等)との間で、シリアル通信を実行中かどうかチェックするものである。シリアル通信中であれば、前述した何れかの出力要求フラグがあっても固有IDを外部装置側に出力しないので、リターンする。
一方、シリアル通信中でなければステップS181以降に進んで、実施例1で説明したように、固有IDを出力すべく、固有IDのコードデータを該当のシリアル送信バッファに書き込む。
以上説明した遊技プログラム上の特徴を持つ本実施例20であると、遊技機状態が重複して発生した場合(遊技機状態が発生しそれに対応させて個体識別情報を出力している期間中に別の遊技機状態が発生した場合)、先に発生した遊技機状態の遊技機状態信号にのみ対応させて固有ID(個体識別情報)が出力され、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号に対しては固有IDが出力されない。例えば、図73(b)に示すように、電源投入によってセキュリティ信号がONとなり、このセキュリティ信号に対応させて電源投入時の個体識別情報の出力(本例ではシリアル通信)が行われている期間中に、枠開放が発生して扉・枠開放信号がONとなった場合には、先に発生したセキュリティ信号にのみ固有IDを対応させて出力するが、後に発生した扉・枠開放信号に対応させた固有IDの出力は行われない。
上述した遊技機状態の重複が発生した場合、それぞれの遊技機状態に対応した出力要求フラグがセットされ(ステップS2191、ステップS2201、ステップS2213)、固有情報信号編集処理(ステップS2245〜S2248)の処理によって、まず先に発生した遊技機状態の遊技機状態信号(以下、先発生遊技機状態信号という)の出力と、この先発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力が実行され、先発生遊技機状態信号の出力要求フラグのみがステップS2247によってクリアされる。そして、次のタイマ割込みで固有情報信号編集処理が実行されると、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号(以下、後発生遊技機状態信号という)の出力要求フラグがセットされたまま残っているので、やはりステップS2246〜S2248が実行されて、この後発生遊技機状態信号も出力される。しかし、本例の固有情報取得処理ではステップS2251があるため、先発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の通信が行われている期間中であると、後発生遊技機状態信号の出力要求フラグに対しては、ステップS2251の判定結果がYESとなって個体識別情報を出力するための処理(ステップS181〜S189)が実行されない。しかも、後発生遊技機状態信号の出力要求フラグは、ステップS2247の処理でクリアされ、次のタイマ割込みで固有情報信号編集処理が実行されてもステップS2245の判定はNOとなる。このため、上述した重複発生がおきた場合、後発生遊技機状態信号は、個体識別情報の出力に関して無視されることになり、後発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力は実行されない。なお本例では、遊技機状態が3個以上重複して発生した場合でも、最先の遊技機状態信号(先発生遊技機状態信号)に対してのみ個体識別情報が出力され、それ以外の遊技機状態信号(後発生遊技機状態信号)に対しては個体識別情報が出力されない。
即ち、本実施例の遊技制御装置(後述する実施例21〜23も同様)は、遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態(3個以上の場合は、最先のもの)を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号にのみ前記個体識別情報を対応させて出力制御する機能(先行情報出力制御手段)を有する。逆にいえば、遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、後に発生した遊技機状態(3個以上の場合、最先のもの以外)を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に対応させた前記個体識別情報の出力制御は実行しない機能(後続情報出力制御手段)を有する。
なおこれに対して、前述した実施例1等であると、遊技機状態が重複して発生した場合、例えば図73(a)に示すように、後発生遊技機状態信号(図では枠開放時の枠開放信号)に対応した個体識別情報の出力が、先発生遊技機状態信号(図では電源投入時のセキュリティ信号)に対応した個体識別情報の出力が終了した後に実行されるが、後発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力が行われる時には、既にそれに対応する後発生遊技機状態信号の出力が終了している可能性がある。このため、何の事象で送られてきた個体識別情報なのかが外部装置側で判別できないが、本実施例では、このように遊技機状態との対応が不明な個体識別情報の出力は行われない。
したがって、次の効果がある。即ち、個体識別情報を出力するための信号線を増加させずに、管理しやすい形態での不正報知を行える。このため、コストダウンが図れ、制御装置のRAMの消費が少なくて済む。また、直近で同じ値であるはずの個体識別情報を受けなくて済むので、ホールコン等(管理装置等)の負担が減る。
また、個体識別情報を遊技機状態信号と対応させて出力するので、行われた可能性のある不正の種類をある程度限定しやすくなるので、本当に不正が行われていた時の対処を取りやすくなる。
なお、遊技状態信号同士は独立しているため、例えば、大当り信号や枠開放信号は同時に出力ができる。それに個体識別情報を対応して出力するには、遊技状態信号数分の信号線が必要となり、信号線の煩雑さや制御・管理のし辛さを招いてしまう。しかし、遊技機状態信号が重複したときに、先に発生した遊技機状態の遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する構成であれば、信号線を増やす必要がない。
「実施例21:主基板(パラレル)−外部装置側;重複無視」
次に、実施例21を図74、図75に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをパラレル伝送によって出力する実施例(実施例3、実施例10、実施例15)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例3等と同じである。また本実施例は、実施例20と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、先に発生した遊技機状態に対応する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図66乃至図70)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理のみである。
図74は本実施例における遊技制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。実施例3の図33と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。
図74において、このルーチンが開始されると、まずステップS2361で出力要求フラグがセットされているかチェックし、何れかの出力要求フラグがセットされていればステップS2362に進み、そうでなければステップS428に分岐する。ここで、出力要求フラグとは、前記ステップS2191(メイン処理)でセットされるセキュリティ信号の出力要求フラグ、前記ステップS2201(特図表示中処理)でセットされる大当り1信号の出力要求フラグ、及び前記ステップS2213(エラーチェック処理)でセットされる扉・枠開放信号の出力要求フラグを指す。
ステップS2362に進むと、出力要求フラグがセットされている遊技機状態信号(セキュリティ信号、大当り1信号、及び扉・枠開放信号のうちの何れか)の中で最初に成立したものの出力許可フラグをセットし、次のステップS2363で対応する出力要求フラグ(即ち、最初に成立した信号の出力要求フラグ)をクリアし、その後ステップS2364(固有情報取得処理)に進む。
次に、図75は本実施例における固有情報取得処理(前記ステップS2364)のフローチャートである。
図75において、このルーチンが開始されると、まずステップS2371で固有情報出力中であるかどうかを判別する。これは、遊技制御装置と外部装置側との間で、パラレル通信が実行中かどうかをチェックするものである。パラレル通信中であれば、固有IDを外部装置側に出力しないので、リターンする。
一方、固有情報出力中(パラレル通信中)でなければステップS451以降に進んで、固有IDを出力するための処理を実行する。
本実施例によれば、実施例20と同様の作用効果が得られる。
「実施例22:払出基板−主基板(パラレル)−外部装置;重複無視」
次に、実施例22は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をパラレル伝送によって出力する実施例12の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例12と同じである。また本実施例は、実施例20と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、先に発生した遊技機状態に対応する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図66乃至図70)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例21(図74)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのはメイン処理、及び固有情報取得処理のみである。
図76、図77は本実施例における遊技制御装置のメイン処理のフローチャートである。図50、図51と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。
図76は、このメイン処理の前半であり、実施例11で説明した図50と同じである。
本実施例では、図77に示すように、図76の前半のステップS11又はステップS14を経ると、ステップS2381に進んでセキュリティ信号の出力要求フラグをセットし、その後ステップS15に進む。
次に、図78は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。実施例21の図75と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本実施例では、図78に示すように、図75のステップS458に代えてステップS2391を実行し、このステップS2391では、主基板固有IDを構成するチップコードを読み出し、払出基板固有IDを構成する払出チップコート(払出制御装置から受信した払出制御装置の演算処理装置のチップコード)と合成し、合成後のデータを固有情報バッファ領域にセーブする。
本実施例によれば、実施例20と同様の作用効果が得られる。
「実施例23:払出基板−主基板(シリアル)−外部装置;重複無視」
次に、実施例23は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をシリアル伝送によって出力する実施例11の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理(後半)、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例11と同じである。また本実施例は、実施例20と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、先に発生した遊技機状態に対応する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、及び固有情報信号編集処理は実施例20(図67乃至図71)と同じであり、メイン処理(後半)は実施例22(図77)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報取得処理のみである。
図79は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。実施例20の図72と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本実施例では、図79に示すように、図72のステップS189に代えてステップS2395を実行し、このステップS2395では、主基板固有IDを構成するチップコードを読み出し、払出基板固有IDを構成する払出チップコート(払出制御装置から受信した払出制御装置の演算処理装置のチップコード)と合成し、合成後のデータをシリアル送信バッファ領域に書き込む。
本実施例によれば、実施例20と同様の作用効果が得られる。
「実施例24:主基板(シリアル)−外部装置側;外情遅延」
次に、実施例24を図80乃至図83に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをシリアル伝送によって出力する実施例(実施例1、実施例2、実施例14)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、固有情報取得処理、固有情報通信エラー解除処理が異なり、他の構成は実施例1等と同じである。但し、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図67乃至図70)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのはタイマ割込み処理、固有情報取得処理、及び固有情報通信エラー解除処理のみである。
また本実施例は、遊技機状態が重複して発生した場合に、先に発生した遊技機状態の遊技機状態信号に対応させた個体識別情報の出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を出力制御する点に特徴を有する。また、所定の操作入力(この場合、RAMクリアスイッチ504の操作入力)による操作信号に基づいて個体識別情報等を外部装置側へ出力する制御等を行う点にも特徴を有する。
図80は本実施例における遊技制御装置のタイマ割込み処理のフローチャートである。実施例1の図10と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS41を経ると、ステップS2261に進み、固有情報通信エラー解除処理を実行し、ステップS42に進む。
図81は本実施例における遊技制御装置の固有情報通信エラー解除処理のフローチャートである。このルーチンが開始されると、まずステップS2271でRAMクリアスイッチ504からの信号に基づいてRAMクリアスイッチ504の操作入力が有ったかどうか(RAMクリアスイッチ504がオン操作されたか否か)判定し、操作入力が有ればステップS2272に進み、無ければリターンする。ステップS2272では、シリアル通信回路604aをリセットし、次のステップS2273でシリアル通信回路604aを再設定する。ステップS2273を経ると、ステップS2274に進んで通信エラー解除コードをシリアル送信バッファに書き込む。通信エラー解除コードは、外部装置側(例えば払出制御装置、或いは管理装置等)で通信エラー状態を解除するためのコードである。即ち、例えば、外部装置側でこの通信エラー解除コードを受信すると、外部装置側のシリアル通信回路のリセットや再設定を外部装置側で行う構成となっている。
ステップS2274を経ると、ステップS2275〜S2281を実行し、固有情報出力のための全てのコードをシリアル送信バッファに書き込む。即ち、ステップS2275でスタートコードをシリアル送信バッファに書き込む。ステップS2276ではメーカコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込み、ステップS2277ではメーカコードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次いで、ステップS2278で製品コード識別コードをシリアル送信バッファに書き込み、ステップS2279で製品コードを読み出してシリアル送信バッファに書き込む。次に、ステップS2280でチップコード識別コードをシリアル送信バッファに書き込み、ステップS2281でチップ個別IDレジスタ616から個体識別情報(固有ID)としてのチップコードを読み出し、シリアル送信バッファに書き込み、リターンする。
図82は本実施例における遊技制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。実施例20の図71と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。このルーチンが開始されると、まずステップS2291でシリアル通信中か否か判定され、シリアル通信中ならリターンし、シリアル通信中でなければステップS2245に進む。
以上説明した遊技プログラム上の特徴を持つ本実施例24であると、図82に示す固有情報信号編集処理において、ステップS2291があることによって、シリアル通信中でないことを条件としてステップS2245以降が実行され、出力要求フラグが一つずつ処理される。このため、遊技機状態が重複して発生した場合、先に発生した遊技機状態(以下、先発生遊技機状態という)の遊技機状態信号(即ち先発生遊技機状態信号)に対応させて固有ID(個体識別情報)が出力されている期間中(即ち、シリアル通信中)は、後に発生した遊技機状態(以下、後発生遊技機状態という)の出力要求フラグについては、ステップS2245以降が実行されず、この後発生遊技機状態については遊技機状態信号(後発生遊技機状態信号)も固有IDも出力されない。但し、この後発生遊技機状態信号についての出力要求フラグは、ステップS2247が実行されていないことから上記期間中も残っており(セットされたままとなっており)、この出力要求フラグは、上記期間終了直後(即ち、先発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力(シリアル通信)が終了した直後)に、図82に示す固有情報信号編集処理が実行された時点で、ステップS2245でチェックされることになり、その時点でステップS2246以降が実行される。このため本実施例であると、遊技機状態が重複して発生した場合(3個以上重複してもよい)、後発生遊技機状態信号の出力は、先発生遊技機状態信号の出力終了直後まで遅延されることになり、この後発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力と同時期に実行される。
例えば、図83(b)に示すように、電源投入によってセキュリティ信号がONとなり、このセキュリティ信号に対応させて電源投入時の個体識別情報の出力(本例ではシリアル通信)が行われている期間中に、枠開放が発生して扉・枠開放信号がONとなった場合には、先に発生したセキュリティ信号(先発生遊技機状態信号)に対応させて固有ID(個体識別情報)を出力した後に、後に発生した扉・枠開放信号(後発生遊技機状態信号)を遅延させて出力するとともに、この扉・枠開放信号(後発生遊技機状態信号)に対応させた固有IDの出力が行われる。
即ち、本実施例の遊技制御装置(後述する実施例25〜27も同様)は、遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させた出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させて出力制御する機能(遊技機状態信号遅延制御手段)を有する。
なおこれに対して、遊技機状態が重複して発生した場合、例えば図83(a)に示すように、後発生遊技機状態信号(図では枠開放時の枠開放信号)に対応した個体識別情報の出力が、先発生遊技機状態信号(図では電源投入時のセキュリティ信号)に対応した個体識別情報の出力が終了した後に実行されるが、後発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力が行われる時には、既にそれに対応する後発生遊技機状態信号の出力が終了している可能性がある。このため、何の事象で送られてきた個体識別情報なのかが外部装置側で判別できない恐れがある。しかし本実施例では、図83(b)に示すように、後発生遊技機状態信号を該当の遊技機状態が実際に発生したタイミングよりも先発生遊技機状態信号に対応させた個体識別情報出力期間後に遅延させるので、後発生遊技機状態信号も対応する個体識別情報と同時期に出力されるため、何の事象で送られてきた個体識別情報なのかが外部装置側で判別できる。
また、本実施例24であると、図81に示す固有情報通信エラー解除処理がタイマ割込みで実行されることによって、次の機能が実現される。即ち、遊技場の店員等がRAMクリアスイッチ504を操作することによって、シリアル通信回路604aのリセット及び再設定が実行され、さらに主基板固有ID(メーカコード等も含む)や通信エラー解除コードが外部装置側に出力される。即ち、本実施例の遊技制御装置は、所定の操作入力(この場合、RAMクリアスイッチ504の操作入力)による操作信号に基づいて個体識別情報を外部装置側へ出力する制御を行う機能(個体識別情報操作出力制御手段)と、所定の操作入力による操作信号に基づいて演算処理装置内の通信回路をリセット及び再設定する機能(通信回路リセット操作制御手段)と、所定の操作入力による操作信号に基づいて通信エラー解除コードを外部装置側へ出力する制御を行う機能(通信エラー解除操作出力制御手段)を備える。なお、図81に示す処理によれば、遊技機状態信号に対応した個体識別情報の出力のための通信中にRAMクリアスイッチ504が操作された場合にも、ステップS2272以降が実行される。このため、上記通信中にRAMクリアスイッチ504が操作された場合には、遊技機状態信号に対応した個体識別情報の送信は中断され、個体識別情報が遊技機状態信号に無関係に新たに送信されることになる。
ここで、通信エラー解除コードは、個体識別情報と同じ経路で送信されるため、外部装置側でチップコードと誤認混同しないように、データサイズ(バイト数)がチップコードより大きく設定されている。図27の例では、チップコードが4バイトであるため、通信エラー解除コードは5バイト以上とする。チップコード1〜4はそれぞれ「00H〜FFH」の範囲でランダムな組み合わせで構成されるため、通信エラー解除コードを4バイト以下の長さにしてしまうと、どんな値で構成したとしても、チップコードの値と一致してしまう個体が発生する可能性が充分考えられる。そうなると、受信側である外部装置側は「チップコード」を受けたのか「通信エラー解除コード」を受けたのかが判断付かなくなってしまう恐れがある。もちろん、図27のような表に則って常に正確に送受信され続ければ識別コードによってコマンドの種類や長さなども伝えているので通常は誤認することはないが、通信である限りノイズ等で途中で情報が切れてしまうなどの異常が発生する恐れがある。しかし、上述したように通信エラー解除コードのデータサイズを大きくすれば、上記異常が発生しても、誤認混同が起き難い。通信エラー解除コードの方が長ければ、図27の例に当てはめると1バイト目の値を「34H」を使わない5バイトの長さとするだけで、「通信エラー解除コード」だけを特定できる。なお、受信側は常に1バイトずつ送られてくるコマンドの組み合わせが「通信エラー解除コード」であるかを監視し続ける必要はある。
また、通信エラー解除コードは、アスキーコードの中で、文字として使っている値を除いた値のみで構成する。例えば、「00h〜1Fh」「80h〜90h」「E0h〜FFh」の範囲の値のみで構成する。メーカコード、製品コードはアスキーコードで示すことになっており、これらメーカコード、製品コードとして使われない範囲の値だけで通信エラー解除コードを構成すれば、不確定なチップコードよりも長くするだけで、チップコードのみならず、他のコード(メーカコードや製品コード)との誤認混同も防止できる。上記のようにとり得る値の範囲が異なっていないと、図27の場合、通信エラー解除コードと個体識別情報の各コードとの誤認混同を防止するためには、通信エラー解除コードを製品コードの8バイトより長く、もしくは19バイト(識別コードを含む各コード全体のデータサイズ)より長くする必要が生じると考えられる。
「実施例25:主基板(パラレル)−外部装置側;外情遅延」
次に、実施例25を図84、図85に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをパラレル伝送によって出力する実施例(実施例3、実施例10、実施例15)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理が異なり、他の構成は実施例3等と同じである。また本実施例は、実施例24と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号の出力制御を待機させる点と、所定の操作入力により個体識別情報を外部装置側へ出力する制御等を行う点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、メイン処理、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例24(図66、図80、図67乃至図70)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理のみである。
図84は本実施例における遊技制御装置の固有情報通信エラー解除処理のフローチャートである。このルーチンが開始されると、まずステップS2301でRAMクリアスイッチ504からの信号に基づいてRAMクリアスイッチ504の操作入力が有ったかどうか(RAMクリアスイッチ504がオン操作されたか否か)判定し、操作入力が有ればステップS2302に進み、無ければリターンする。ステップS2302では、通信エラー解除コードを固有情報バッファ領域にセーブする。通信エラー解除コードは、既述したように、外部装置側(例えば払出制御装置、或いは管理装置等)で通信エラー状態を解除するためのコードである。
ステップS2302を経ると、ステップS2303〜S2310を実行し、固有情報出力(パラレル出力)のために、必要なコード読み出して固有情報バッファ領域にセーブした後、固有情報送信カウンタをクリアし、その後リターンする。即ち、ステップS2303でスタートコードを、ステップS2304でメーカコード識別コードを、ステップS2305でメーカコードを、ステップS2306で製品コード識別コードを、ステップS2307で製品コードを、ステップS2308でチップコード識別コードを、ステップS2309でチップコードを、それぞれ読み出して固有情報バッファ領域に書き込み、ステップS2310で固有情報送信カウンタをクリアしてリターンする。
図85は本実施例における遊技制御装置の固有情報信号編集処理のフローチャートである。実施例3の図33と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。
図85において、このルーチンが開始されると、まずステップS2411で固有情報出力中(パラレル通信中)かどうかチェックし、固有情報出力中であればステップS426に分岐し、そうでなければステップS2413に進む。ステップS2412では出力要求フラグがセットされているかチェックし、何れかの出力要求フラグがセットされていればステップS2413に進み、そうでなければステップS428に分岐する。ここで、出力要求フラグとは、既述したように、メイン処理でセットされるセキュリティ信号の出力要求フラグ、特図表示中処理でセットされる大当り1信号の出力要求フラグ、及びエラーチェック処理でセットされる扉・枠開放信号の出力要求フラグを指す。
ステップS2413に進むと、出力要求フラグがセットされている遊技機状態信号の中で最初に成立したものの出力許可フラグをセットし、次のステップS2414で対応する出力要求フラグ(即ち、最初に成立した信号の出力要求フラグ)をクリアし、その後ステップS2415(固有情報取得処理)に進む。ステップS2415を経るとステップS426に進む。なお、ステップS2415(固有情報取得処理)では、実施例3の図34と同じ処理を行う。
本実施例によれば、実施例24と同様の作用効果が得られる。
「実施例26:払出基板−主基板(パラレル)−外部装置;外情遅延」
次に、実施例26は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をパラレル伝送によって出力する実施例12の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理(後半)、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理が異なり、他の構成は実施例12と同じである。また本実施例は、実施例24と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号の出力制御を待機させる点と、所定の操作入力により個体識別情報を外部装置側へ出力する制御等を行う点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図67乃至図70)と同じであり、メイン処理(後半)は実施例22(図77)と同じであり、固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理は実施例25(図84、図85)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのはタイマ割込み処理のみである。
図86は本実施例におけるタイマ割込み処理のフローチャートである。図52と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS41を経ると、ステップS2421に進み、固有情報通信エラー解除処理を実行し、ステップS42に進む。固有情報通信エラー解除処理は、実施例25の図84と同じ処理である。
本実施例によれば、実施例24と同様の作用効果が得られる。
「実施例27:払出基板−主基板(シリアル)−外部装置;外情遅延」
次に、実施例27は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をシリアル伝送によって出力する実施例11の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理(後半)、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理が異なり、他の構成は実施例11と同じである。また本実施例は、実施例24と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号の出力制御を待機させる点と、所定の操作入力により個体識別情報を外部装置側へ出力する制御等を行う点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図67乃至図70)と同じであり、メイン処理(後半)は実施例22(図77)と同じであり、固有情報信号編集処理、及び固有情報通信エラー解除処理は実施例24(図82、図88)と同じであり、タイマ割込み処理は実施例26(図86)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つ処理は無い。但し、タイマ割込み処理のステップS2421で実行する固有情報通信エラー解除処理は、実施例24の図81と同じ処理である。
本実施例によれば、実施例24と同様の作用効果が得られる。
「実施例28:主基板(シリアル)−払出基板−外部装置;カウンタ回路起動後通信」
次に、実施例28を図87乃至図93に基づいて説明する。
本実施例は遊技制御装置から払出制御装置への固有IDの伝送をシリアルで行い、払出制御装置から外部への固有IDの伝送はパラレル又はシリアルで行うものであり、実施例4又は実施例5の変形例である。このため、遊技プログラムのうちの、メイン処理、タイマ割込み処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、固有情報信号編集処理、固有情報取得処理、シリアル受信割込み処理、外部情報編集処理、及び固有情報再送処理が異なり、他の構成は実施例4又は実施例5と同じである。また、本実施例の遊技機プログラムのうち、固有情報信号編集処理は実施例24(図82)と同じであり、固有情報取得処理は実施例20(図72)と同じである。また本実施例は、遊技制御装置では乱数用のカウンタ回路起動後に払出制御装置との双方向通信を開始し、払出制御装置から遊技制御装置へ返信があってから遊技制御装置の遊技プログラムが開始する点に特徴を有する。
図87は本実施例における遊技制御装置1040の遊技用マイコン1041(図35)のメイン処理のフローチャートである。なお、以下では、遊技制御装置1040と遊技用マイコン1041の番号を省略する。また、実施例1の図9と同一処理のステップについては、同番号を付して原則的に説明を省略する。
本実施例のメイン処理では、ステップS11又はステップS14を経ると、ステップS6001に進み、遊技用マイコンの内部に設けられた乱数生成回路613(ハード乱数の乱数値を生成するためのカウンタ回路)の起動設定を行い、その後ステップS6002に進む。次いで、ステップS6002でRAMクリアに関する外部情報(セキュリティ信号)の出力タイマ初期値をセキュリティ信号制御タイマ領域にセーブする。出力タイマ初期値としては、例えば256msをセーブする。
次いで、ステップS6003に進み、固有情報取得処理(実施例20の図72と同じ)を行う。このステップS6003の処理により、遊技制御装置の固有ID(主基板固有ID)の取得が行われてシリアル送信バッファに書き込まれて、シリアル通信のタイミングで主基板固有IDが払出制御装置1045(図35)に送られることになる。なお、以下では、払出制御装置1045の番号を省略する。
次いで、ステップS6004で応答コマンドを受信したかどうかを判断し、受信しなければ、このステップS6004に待機する。これは、遊技制御装置から主基板固有IDを払出制御装置に向けて送った場合に、それに対する払出制御装置からの応答コマンドを待っているものである。なお、応答コマンドとは、「再送要求コマンド」と「受信完了コマンド(ACK信号)」の両方を含んだ概念である。応答コマンドを受信したならば、ステップS6005に進んで再送要求があるかどうか(即ち受信した応答コマンドが再送要求コマンドであるか否か)を判別し、再送要求があればステップS6003に戻ってルーチンを繰り返す。
そして、遊技制御装置から主基板固有IDを払出制御装置に向けて送り、その応答コマンドを受信した後、再送要求がなければ(即ち受信した応答コマンドが受信完了コマンドであれば)、ステップS6005からステップS16に進む。次いで、ステップS16では、例えば遊技用マイコンの内部に設けられたCTC(Counter/Timer Circuit)を起動する。ステップS16を経ると、以降は、実施例1の図9と同様に、ステップS18以降を実行する。
なお、上述の受信完了コマンド(ACK信号)は、例えば次のようにして払出制御装置から送信される。即ち、実施例4,5の払出制御装置の固有情報解析処理(図39、図40、図41)において、ステップS541の後に、受信完了コマンドをシリアル送信バッファに書き込む処理を挿入し、その後、ステップS542に進むようにすればよい。
図88は本実施例における遊技制御装置のタイマ割込み処理のフローチャートである。実施例1の図10と同一処理のステップについては、同番号を付して説明を省略する。
本実施例のタイマ割込み処理では、ステップS42を経ると、ステップS6011に進む。ステップS6011では、固有情報再送処理を行う。これは、払出固有IDの再送要求に関する処理を行うもので、詳細は後述する。
その後、メインルーチンを再開すべく、ステップS6012でタイマ割込み要求をクリアし、ステップS44以降を実行してリターンする。
図89は本実施例における遊技制御装置の特図表示中処理のフローチャートである。実施例1の図12と同一処理のステップについては、同番号を付して説明を省略する。
本実施例の特図表示中処理では、ステップS90を経ると、ステップS6021に進んで固有情報取得処理(実施例20の図72と同じ)を行う。ステップS6021を経ると、ステップS91に進む。
図90は本実施例における遊技制御装置のエラーチェック処理のフローチャートである。実施例1の図14と同一処理のステップについては、同番号を付して説明を省略する。
本実施例のエラーチェック処理では、ステップS123を経ると、ステップS6031に進んで扉開放エラー発生又は枠開放エラー発生かどうかをチェックする。扉開放エラー発生又は枠開放エラー発生であれば、ステップS6032を経てステップS6033に進んで固有情報取得処理(実施例20の図72と同じ)を行う。したがって、扉開放エラー発生又は枠開放エラー発生というタイミングで、主基板固有IDが払出制御装置に送られることになる。ステップS6033を経ると、リターンする。
図91は本実施例における遊技制御装置の外部情報編集処理のフローチャートである。これは、前記タイマ割込み処理(図88)におけるステップS42で実行される処理である。実施例1の図15、図16に示したステップと同一処理のステップには、同番号を使用する。このルーチンが開始されると、まずステップS132でセキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップ又は「−1」更新後にタイムアップしたかどうかをチェックする。チェック結果はステップS133で判別し、NOであればステップS137に進んでセキュリティ信号ONの出力データを設定してステップS140に進む。一方、ステップS133でYES(タイムアップ)のときは、ステップS139に分岐してセキュリティ信号OFFの出力データを設定してステップS140に進む。すなわち、セキュリティ信号制御タイマが既にタイムアップしていれば、セキュリティに関連する情報の外部出力の設定は行なわれない。
次いで、ステップS140乃至ステップS142で、磁石不正発生中か、大入賞口不正発生中か、普電不正発生中かをそれぞれ判別する。何れか1つ以上の不正が発生していれば、ステップS143に進んでセキュリティ信号ONの出力データを設定し、さらにステップS144で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定する。一方、ステップS142でNOのときはステップS145に分岐して遊技機エラー状態信号OFFの出力データを設定する。ステップS144あるいはステップS145を経ると、次いで、ステップS146に進み、扉又は枠の開放中か否かを判別する。扉又は枠の開放中であれば、ステップS150に進んで扉・枠開放信号ONの出力データを設定し、ステップS151で遊技機エラー状態信号ONの出力データを設定してステップS161に進む。一方、ステップS146でNOのとき、つまり扉又は枠の開放中でなければ、ステップS154に分岐して扉・枠開放信号OFFの出力データを設定してステップS161に進む。ステップS161では、始動口信号編集処理を行い、つづくステップS162で図柄確定回数信号編集処理を行なってリターンする。
図92は本実施例における遊技制御装置のシリアル受信割込み処理のフローチャートである。このルーチンが開始されると、まずステップS6051でレジスタを退避し、ステップS6052でシリアル受信バッファのデータを受信コマンド領域にセーブする。これは、払出制御装置から固有IDの再送要求(再送要求コマンドの送信)や受信完了通知(受信完了コマンドの送信)があると、遊技制御装置ではシリアル受信割込みをかけてシリアル受信バッファにて受信し、そのデータ(再送要求コマンドや受信完了コマンド)を受信コマンド領域にセーブするものである。次いで、ステップS6053でシリアル受信割込み要求をクリアし、ステップS6054でレジスタを復帰させる。次いで、ステップS6055に進み、割込みを許可してリターンする。ここでの割込みを許可するのは、次回のコマンドの受信に対応可能なように割込みを許して待機しておくものである。このようにして、払出制御装置からのコマンドを1回だけ受信する処理が行われる。再送要求コマンドを受信した場合は、後述の固有情報再送処理にて遊技制御装置から払出制御装置に向けて固有IDを再送する処理が行われる。
図93は本実施例における遊技制御装置の固有情報再送処理のフローチャートである。これは、前記タイマ割込み処理におけるステップS6011で実行される処理である。このルーチンが開始されると、まずステップS6061で払出制御装置からのコマンド受信ありかどうかを判別する。これは、払出制御装置から固有IDの再送要求コマンドが送られてきた場合に、その再送要求コマンドを受信したか否かを判断するものである。払出制御装置からの固有IDの再送要求コマンドを受信していなければ、ルーチンを終了してリターンする。一方、再送要求コマンドを受信したならば、ステップS6062に進んで受信コマンド領域をクリアする。これは、1回再送要求コマンドを受信したので、次回の受信に備えてクリアするものである。次いで、ステップS6063で今回受信したコマンドは正常な再送要求コマンドかどうかを判別し、正常なコマンドでなければリターンする。正常な再送要求コマンドであれば、ステップS6064に進んで固有情報取得処理(実施例20の図72と同じ)を実行する。これにより、正常な再送要求コマンドに応答して、遊技制御装置から払出制御装置に向けて固有IDが再送される。
本実施例(実施例28)によれば、図87に示したメイン処理におけるステップS6004の判定で応答コマンドを受信したと判定するまでのウェイト時間や、次のステップS6005で実行される再送要求の判定のタイミングや回数が、通信環境の変動等によって毎回ばらついてランダムとなる。このため、ステップS6001で乱数回路を起動した時点から通常処理(メイン処理のステップS16以降の処理)を開始するまでのタイミングが、同じパチンコ機であっても、毎回ばらついてランダムとなる。よって、乱数値を予測して不当に大当りを発生させる不正行為を防止可能な遊技機を実現することができる。なお、従来では、例えば特開2005−040520号公報に開示があるように、個体識別情報(ID)の値に基づいて、遊技機毎に電源立ち上げ時の通常処理の開始タイミングを異ならせることにより、乱数カウンタの値を予測しにくくして不正行為を防止しようとした遊技機がある。しかし、この文献に開示された遊技機は、各遊技機間の通常処理の開始タイミングは異なるが、個々の遊技機における開始タイミングは、常に一定でありランダムではないため、乱数カウンタの値の予測が不可能であるとは言えず、不正行為の問題を内在している。ところが、上述した本実施例であると、前述したように同じパチンコ機であっても通常処理の開始タイミングが毎回異なるため、通常処理を開始するときの乱数値を例えばIDから予測するようなことはできず、不正行為が防止される。
なお本実施例の場合、乱数値の予想をより困難にするために、(A)遊技制御装置と払出制御装置(外部装置側)との通信速度を毎回変更する、(C)通信回路(望ましくは、遊技制御装置と外部装置側の受信装置の両方の通信回路)に電子定数的ばらつきの大きい電子部品を使用する、(D)外部装置側の受信装置(本例では払出制御装置)が双方向通信を行う信号に対してランダムな遅延を生じさせる機能を持つ構成とする、(E)乱数回路のカウンタ更新速度が送信クロックよりも早い設定とする、などの態様とすることが望ましい。
「実施例29:主基板(シリアル)−外部装置側;検査用出力は重複無視」
次に、実施例29を図94に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをシリアル伝送によって出力する実施例(実施例1、実施例2、実施例14)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例1等と同じである。但し、上記遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図66乃至図70)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例24(図82)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報取得処理のみである。
また本実施例は、遊技機状態が重複して発生した場合に、外部装置側に対しては、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を出力制御するが、検査機関の検査装置側に対しては、先に発生した遊技機状態を報知する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御する点に特徴を有する。なお、本実施例(後述する実施例30〜32も同様)では、検査装置側に対しては、外部装置側とは異なる経路で、パラレル通信によって個体識別情報等を送信する構成を想定している。
図94は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得のフローチャートである。実施例1の図18と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS189を経ると、ステップS3001に進み、試射試験出力中かどうか判定し、試射試験出力中であるとリターンし、試射試験出力中でなければステップS3002に進む。ステップS3002に進むと、メーカコードを読み出して試射試験信号領域に書き込み、次のステップS3003で製品コードを読み出して試射試験信号領域に書き込み、次のステップS3004でチップコードを読み出して試射試験信号領域に書き込み、その後リターンする。ここで、試射試験信号領域は、例えばユーザワークRAM603内の領域であり、各コードの容量の合計値以上(本例では、メーカコードが3バイト、製品コードが8バイト、チップコードが4バイトであるため、15バイト以上)の領域である。また、試射試験出力とは、検査機関の検査装置側(例えば、図6の試射試験装置131)に試射試験信号を出力することを指し、試射試験信号には、前述した遊技機状態信号や固有ID(個体識別情報)も含まれる。
以上説明した遊技プログラム上の特徴を持つ本実施例29(後述の実施例30〜32も同様)であると、何れかの遊技機状態が発生し出力要求フラグがセットされて固有情報取得処理が実行されたとき、試射試験出力中であると、ステップS3001の処理によってステップS3002〜S3004が実行されず、試射試験信号としての個体識別情報の出力は実行されない。このため、遊技機状態が重複して発生した場合に、検査機関の検査装置側に対しては、先発生遊技機状態信号に対してのみ個体識別情報が出力され、後発生遊技機状態信号に対しては個体識別情報が出力されない。何故なら、個体識別情報の外部装置側への出力(シリアル通信)と、個体識別情報の検査装置側への出力(パラレル通信)では、検査装置側への出力(パラレル通信)の方が格段に時間がかかる。このため、重複して発生した遊技機状態のうち、先発生遊技機状態についての先発生遊技機状態信号に対応した外部装置側への個体識別情報の出力(シリアル通信)が終了した時点(以下、先行個体識別情報出力終了時点という)では、先発生遊技機状態信号に対応した検査装置側への個体識別情報の出力(パラレル通信)は、未だ終了していない。これにより、先行個体識別情報出力終了時点の直後のタイマ割込み処理で、図82のステップS2291の判定がNOになり、後発生遊技機状態の出力要求フラグによってステップS2245の判定がYESになり、その結果ステップS2248(即ち、図97の固有情報取得処理)が実行されても、そのときのステップS3001の判定結果はYESになってステップS3002〜S3004は実行されない。しかも、後発生遊技機状態の出力要求フラグは、図82のステップS2247でクリアされてしまう。したがって、遊技機状態が重複して発生した場合には、後発生遊技機状態信号に対応した個体識別情報の検査装置側への出力は実行されない。これにより、試射試験装置側の負担を減らし、試射試験の検査の効率化が図れる。
なお、遊技機状態が重複して発生した場合、管理装置などの外部装置側に対しては、実施例24と同様に、後発生遊技機状態信号が遅延され、後発生遊技機状態信号に対しても個体識別情報が出力される。
なお、管理装置やカードユニットなどの外部装置側へ遊技機状態信号や固有IDを出力する経路と、この検査機関の検査装置側(試射試験装置側)へ遊技機状態信号や固有IDを出力する経路とは、同じでもよいが、別であることが望ましい。例えば、検査装置側(試射試験装置側)への遊技機状態信号や固有IDの出力は、出力制御回路612のチップセレクト信号(CS0〜CS13)を利用したパラレル通信で行われる。但し、本願発明は、このような構成に限定されるわけではなく、検査装置側への出力もシリアル通信で行う態様もあり得る。
「実施例30:主基板(パラレル)−外部装置側;検査用出力は重複無視」
次に、実施例30を図95に基づいて説明する。
本実施例は、遊技制御装置が払出制御装置から固有情報を受信しないで主基板固有IDをパラレル伝送によって出力する実施例(実施例3、実施例10、実施例15)の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例3等と同じである。また本実施例は、実施例29と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、検査機関の検査装置側に対しては、先発生遊技機状態信号に対してのみ個体識別情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、メイン処理、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図66乃至図70)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例25(図85)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報取得処理のみである。
図95は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。実施例3の図34と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS459を経ると、ステップS3011〜S3014で図94のステップS3001〜S3004と同じ処理を行ってリターンする。
本実施例によれば、実施例29と同様の作用効果が得られる。
「実施例31:払出基板−主基板(パラレル)−外部装置;検査用出力は重複無視」
次に、実施例31は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をパラレル伝送によって出力する実施例12の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理(後半)、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例12と同じである。また本実施例は、実施例29と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、検査機関の検査装置側に対しては、先発生遊技機状態信号に対してのみ個体識別情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図67乃至図70)と同じであり、メイン処理(後半)は実施例22(図77)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例25(図85)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報取得処理のみである。
図96は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。実施例12の図56と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS2139を経ると、ステップS3021〜S3024で図94のステップS3001〜S3004と同じ処理を行ってリターンする。
本実施例によれば、実施例29と同様の作用効果が得られる。
「実施例32:払出基板−主基板(シリアル)−外部装置;検査用出力は重複無視」
次に、実施例32は、遊技制御装置が払出制御装置から払出固有IDを受信して固有情報をシリアル伝送によって出力する実施例11の変形例であり、遊技プログラムのうちの、メイン処理(後半)、特図表示中処理、エラーチェック処理、外部情報編集処理(前半及び後半)、固有情報信号編集処理、及び固有情報取得処理が異なり、他の構成は実施例11と同じである。また本実施例は、実施例29と同様に、遊技機状態が重複して発生した場合に、検査機関の検査装置側に対しては、先発生遊技機状態信号に対してのみ個体識別情報を出力する点に特徴を有する。そのため、上記遊技プログラムのうちの、特図表示中処理、エラーチェック処理、及び外部情報編集処理(前半及び後半)は実施例20(図67乃至図70)と同じであり、メイン処理(後半)は実施例22(図77)と同じであり、固有情報信号編集処理は実施例24(図82)と同じである。したがって、他の実施例に無い特徴を持つのは固有情報取得処理のみである。
図97は本実施例における遊技制御装置の固有情報取得処理のフローチャートである。実施例11の図53と同じ内容のステップは同符号を付して説明を省略する。本例では、ステップS2043を経ると、ステップS3031〜S3034で図94のステップS3001〜S3004と同じ処理を行ってリターンする。
本実施例によれば、実施例29と同様の作用効果が得られる。
次に、上記の各実施例を踏まえた上で、以下、各実施例から抽出される発明概念について順次、まとめて説明する。
<実施例1等における各制御装置の固有情報出力機能に着目した発明概念T1>
実施例1等における各制御装置単独(遊技制御装置又は払出制御装置)の固有情報出力機能に着目した構成の発明概念T1は、下記のように示される。
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
前記遊技機用演算処理装置は、
当該遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号出力制御手段は、
前記遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う不正可能性報知出力制御手段を有することを特徴とする遊技機。
なお、「遊技機用演算処理装置」は、遊技制御装置の演算処理装置であってもよいし、遊技制御装置以外の制御装置(例えば、払出制御装置)の演算処理装置であってもよい。
また、「外部装置」とは、遊技場に設けられる遊技機からの大当り信号等の遊技機状態信号を収集する管理装置、またはこの管理装置のノードである通信装置を含む他、例えば遊技機に併設される遊技媒体貸出装置としてのカードユニット(CRユニット:カード式球貸制御ユニット)を含めてもよい。なお、カードユニットを含めても良いというのは、前記の管理装置のノードである通信装置を含むと同様であり、カードユニットは、球貸情報を収集する球貸情報収集装置のノードであり、それを利用して個体識別情報を収集してもよいということである。要は、遊技機の外部であって、遊技店側が個体識別情報をチェック可能な装置であればよい。
また、「外部装置側へ」とは、直接的に外部装置へ出力する態様に加えて、外部装置と遊技機用演算処理装置の間に介在する装置等に向けて出力する態様も含むことを意味する。
<制御装置に関する発明概念1>
発明概念T1の下位概念として制御装置に関する発明概念1は、下記のように示される。
前記制御装置は、遊技の進行を管理する遊技プログラムが記憶され、該遊技プログラムが実行される第1の演算処理装置(第1の遊技機用演算処理装置)を有する遊技制御装置である。
このように本発明の制御装置が遊技制御装置であると次のような効果がある。即ち、主基板(遊技制御装置)は、ROM交換による不正が為される可能性が一番高い基板であるので、個体識別情報送信により直ちに正当性が判断できれば不正防止として非常に効果がある。
<制御装置に関する発明概念2>
発明概念T1の下位概念として制御装置に関する発明概念2は、下記のように示される。
前記制御装置は、遊技球の払出制御を行う払出プログラムが記憶され、該払出プログラムが実行される第2の演算処理装置(第2の遊技機用演算処理装置)を有する払出制御装置である。
このように本発明の制御装置が払出制御装置であると次のような効果がある。即ち、払出制御のROMを変更することにより不正に遊技球を獲得する不正が行われているのかどうかを、個体識別情報を送信することで直ちに判断できる。
<実施例1等における払出制御装置の仲介機能にも着目した発明概念Y1>
実施例1等における払出制御装置の仲介機能にも着目した構成(遊技制御装置から払出制御装置を介して個体識別情報が外部へ出力される構成)の発明概念Y1は、下記のように示される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
「発明概念A」
実施例2では、払出制御装置から外部装置(例えば、管理装置)への固有IDの伝送はパラレル転送している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記第2の演算処理装置が備える個体識別情報出力制御手段は、遊技機外の外部装置に対して個体識別情報をパラレル転送(送信)することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、パラレル転送(送信)で外部装置(例えば、管理装置)に出力することで、外部装置が受信しやすくなる。したがって、個体識別情報や不正改造が施された旨を効率的に外部装置に報知することができる。
また、遊技制御装置の送信段階でパラレル転送(特に、送信)を行うより、枠要素である払出制御装置の出力段階にパラレル転送(送信)回路を設けた方がコスト減になる。
「発明概念B」
実施例1では、遊技制御装置から払出制御装置に対して固有IDをシリアル転送(送信)している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記第1の演算処理装置が備える送信制御手段は、前記払出制御装置に対して個体識別情報をシリアル転送(送信)することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、第1の演算処理装置に備わっているシリアル転送(送信)機能を利用することで、改めて転送(送信)処理をプログラム(例えば、遊技プログラム)で用意する必要が無くなるので、プログラム構成が効率化される。
また、パラレル転送(送信)に比べて、配線の本数が少なくなるのでコスト減になる。
「発明概念C」
実施例4では、遊技制御装置から送信された固有IDの前回値と今回値とを比較して一致した場合、この一致した固有IDを外部装置へ出力している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
第2の演算処理装置は、受信制御手段が受信した個体識別情報を記憶する個体識別情報受信記憶部と、
前記個体識別情報受信記憶部に記憶された前回の個体識別情報と、新たに(今回)受信した個体識別情報とを比較判定する個体識別情報比較判定手段と、
個体識別情報比較判定手段により前回の個体識別情報と今回の個体識別情報とが同じ場合は、個体識別情報出力制御手段を能動状態とし個体識別情報を外部装置へ出力制御させることを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、遊技制御装置−払出制御装置間の通信障害(例えば、島内で発生するノイズ)などで個体識別情報の値が偶々異常になった場合に、即不正や故障などと判断されないよう出力を制限できる。また、不正や故障等(例えば、電波ゴト、断線、接触不良)により本当に異常な値が出力されるようになった場合には、異常値が続くため個体識別情報出力制御手段が能動状態となり、その異常値を外部の装置が記録できるという効果がある。
「発明概念D」
実施例4では、払出制御装置から遊技制御装置に対して固有IDの再送を要求する固有情報再送要求信号が出力し、遊技制御装置は固有情報再送要求信号を受けると、応答して固有IDを再送している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
第2の演算処理装置は、個体識別情報比較判定手段により前回の個体識別情報と今回の個体識別情報とが異なった場合は、第1の演算処理装置に対して個体識別情報の再送を要求する個体識別情報再送要求手段を有し、
第1の演算処理装置は、個体識別情報の再送要求に対して、個体識別情報を再送することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、遊技制御装置−払出制御装置間の不可抗力による通信障害(例えば島内で発生するノイズ)をリカバリーする機会を作れる。
「発明概念E」
実施例1では、遊技制御装置の遊技機状態信号と払出制御装置の外部情報(賞球信号)を払出制御装置で中継し、払出制御装置−外部情報端子板間のハーネスでまとめている。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
前記送信制御手段は、
当該第1の演算処理装置が検出可能な遊技機状態を払出制御装置へ出力するために遊技機状態信号を送信制御し、
払出制御装置は、
遊技制御装置から出力される遊技機状態信号を遊技機外の外部装置へ出力する出力手段を備えることを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、遊技制御装置の遊技機状態信号と払出制御装置の外部情報(賞球信号)を払出制御装置で中継し、払出制御装置−外部端子板間のハーネスでまとめると、従来の中継端子板を用いた構成に比べて、ハーネスの使用本数が減り、コスト減になり、接続箇所の数が減るので工程数も減らせる。
また、個体識別情報の出力が、慣例となっている遊技状態信号の出力と同一の基板から出力されるので、外部装置と接続する場合に片方のみを接続し忘れるようなことが無くなる。
「発明概念F」
実施例1では、遊技制御装置から払出制御装置に対して固有IDをシリアル転送(送信)し、払出制御装置では払出プログラムにより固有IDを編集処理して外部装置(例えば、管理装置)へ出力している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
第2の演算処理装置(個体識別情報出力制御手段)は、個体識別情報を受信したことに基づいて個体識別情報を編集又はタイミング調整して遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、第1の演算処理装置が個体識別情報を払出制御装置へ送信した時期を、第2の演算処理装置が任意に遅延して外部装置に出力することができるため、個体識別情報の出力契機(条件)が同時に発生し、通信が連続した場合においても、外部装置の都合に合わせて出力することができる。
第2の演算処理装置のプログラムによって、データ加工(暗号化)することができるため、個体識別情報を不正に入手することが困難になる。
第2の演算処理装置のプログラムによって、信号変換(パラレル変換等)できるため、外部装置にとって受け取るための都合がよい。
第2の演算処理装置のプログラムによって、比較処理できるため、通信障害に対して対策できる。
「発明概念G」
実施例1では、遊技制御装置が遊技機状態信号を払出制御装置へ出力するのに対応させて固有IDを送信している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
送信制御手段は、遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を払出制御装置へ送信することを特徴とする遊技機。
ここで、送信制御手段が遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を送信制御する場合の、“対応させて”とは、遊技機状態信号の立ち上がりタイミングに対応、遊技機状態信号の立ち下がりタイミングに対応、あるいは、遊技機状態信号の出力中(レベル信号)に対応、をするものである。
具体的には、遊技機状態信号が前面枠開放信号である場合は、前面枠開放のタイミング、前面枠閉鎖のタイミング、あるいは、前面枠開放中、に対応するものである。
この発明概念によれば、払出制御装置は遊技機状態信号に対応していない個体識別情報を受信した場合や、遊技機状態信号を受信した場合に対応して個体識別情報が送信されてこないために個体識別情報を受信できない場合を異常発生と認識することができる。
「発明概念H」
実施例24では、遊技機状態信号が重複して発生した場合、先に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号に固有IDを対応させた送信制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号の送信制御を待機し、当該待機した遊技機状態信号に固有IDを対応させて送信制御している
上記の発明概念Hにおいて、遊技機状態信号が重複して発生した際、検査装置接続端子に接続して検査を行う検査装置(外部の検査機関)への信号出力制御は、実施例29のように、先に発生した遊技機状態を出力する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御することが好ましい。即ち、検査機関における検査中はROM交換などの不正が行われることはないので、個体識別情報の送信タイミングが重複しても2重に情報を送信して検査を複雑にするようなことをせずに検査の負担を減らせるからである。
この発明概念は、以下のように表せる。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
送信制御手段は、
第1の演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を払出制御装置へ個別に送信するために、個別に対応した遊技機状態信号を送信制御する場合、先に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号に個体識別情報を対応させた送信制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号の送信制御を待機し、当該待機した遊技機状態信号に個体識別情報を対応させて送信制御することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、個体識別情報を出力するための信号線を増加させずに、管理しやすい形態での不正報知を行える。
また、コストダウンを行うことができ、さらに信号の消失がない。
「発明概念I」
実施例1では、遊技制御装置は検査装置接続端子を含んでおり、検査装置接続端子は例えばフォトカプラを含んで構成され、遊技用マイコンから得られる各種の遊技情報を検査装置に伝送するためのケーブルが接続される。
この発明概念は、以下のように表せる。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて個体識別情報とを検査機関の検査装置側へ出力する制御を行う検査用出力制御手段を有し、
送信制御手段は、
第1の演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を払出制御装置へ個別に送信するために、個別に対応した遊技機状態信号を送信制御する場合、先に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号に個体識別情報を対応させた送信制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を払出制御装置へ送信する遊技機状態信号の送信制御を待機し、当該待機した遊技機状態信号に個体識別情報を対応させて送信制御し、
検査用出力制御手段は、
第1の演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を検査機関の検査装置側へ個別に出力するために、個別に対応した遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を出力する遊技機状態信号にのみ個体識別情報を対応させて出力制御するものであることを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、外部装置(例えば、管理装置、ホールコンピュータ等)には不正の可能性を報知する信号を減らさずに送信するので、営業中での正確な管理を行える。
また、検査機関における検査中はROM交換などの不正が行われることはないので、個体識別情報の送信タイミングが重複しても2重に情報を送信して検査を複雑にするようなことをせずに検査の負担を減らすことが出来る。
なお、完全に厳密な検査を行うためには、対応する遊技機状態信号の数分の個体識別情報を同時に並列出力するためのハード・ソフトを設ける必要があるが、遊技に影響せず、途中で個体識別情報が変化する可能性のない検査中のために、制限のあるハード・ソフトの領域を消費することは、遊技の興趣を向上させる妨げになり遊技機の本来の意義に反することになる。
ここで、上記発明概念の背景について説明する。
本出願人が創作した遊技機を市場へ導入するには、検査機関の検査を要し、検査機関の検査装置に対して検査用の信号を出力する等の検査用処理及び検査用電子回路、等が、遊技を行うための遊技処理及び遊技処理に係わる遊技用電子回路、等とは別に必要となる。
なお、検査用電子回路は検査時のみプリント基板に配設され、販売される際には、検査用電子回路やそれに対応する検査用コネクタはプリント基板上に非配設状態とするが、検査用処理(検査用プログラム)は削除することなく、そのまま遊技用処理(遊技プログラム)と共存させている。
これは、検査機関において適合した状態を担保させるとともに、不正をするために利用されるかもしれない情報を入手できないようにするためである。即ち、検査に適合した状態を担保させるため内在するプログラムはそのままとし、不正に利用される可能性のある信号の入手ができないように検査用電子回路や検査用コネクタを非配設とするのである。
この「発明概念I」は、演算処理装置を有する制御装置に対する不正の可能性の検出を高めることができ、検査機関における検査の正確性を担保し検査の効率化が行えるものである。
「発明概念J」
実施例1では、遊技制御装置から送られてきた個体識別情報と払出制御装置の払出個体識別情報とを合成して、外部に出力している。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、を備え、
第2の演算処理装置は、
当該第2の演算処理装置であることを識別可能な払出個体識別情報が記憶される払出個体識別情報記憶部と、
遊技制御装置から送られてきた個体識別情報と払出個体識別情報を合成する個体識別情報合成手段を有し、
個体識別情報出力制御手段は、個体識別情報合成手段によって合成された合成個体識別情報を出力制御することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、個体識別情報と払出個体識別情報を別々のハーネスで並列に出力するよりも共通のハーネスで出力する方がコスト減になる。
単純に個体識別情報や払出個体識別情報をそのまま出力した場合は、不正者がそれらの情報を入手することは容易であるが、合成して出力すると、合成前の個体識別情報や払出個体識別情報が発覚することが無くなるので、セキュリティが向上する。
遊技制御装置−払出制御装置間の通信が払出制御装置−外部情報端子板間の通信より高速であることで、払出制御装置の受信処理が短期で終了し、合成を行う処理時間を確保することができ、セキュリティが向上する。
ここで、「発明概念J」の背景について説明する。
遊技制御装置の演算処理装置に対する正当性の確認のみならず、払出制御装置の演算処理装置に対しても改竄品(改竄した演算処理装置)と交換し、不当に遊技球を払い出す不正もあり得るので、この演算処理装置の正当性の確認の必要性も生じ、遊技制御装置の演算処理装置及び払出制御装置の演算処理装置から出力される固有IDを出力させるための構成や処理の効率化が望まれているという課題を解決できる。
なお、遊技制御装置の個体識別情報と払出制御装置の個体識別情報は、合成しないで、別個に出力してもよい。
「発明概念T3A」
実施例24では、所定の操作入力による操作信号に基づいて個体識別情報やエラー解除コマンドを遊技機外の外部装置側へ出力するとともに、通信回路をリセットする制御を行う。
これは、次のような発明概念で表される。
所定の操作入力による操作信号に基づいて個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う個体識別情報出力確認制御手段を備えることを特徴とする遊技機。
或いは、
所定の操作入力による操作信号に基づいてエラー解除コマンドを遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う通信エラー解除操作出力制御手段を備えることを特徴とする遊技機。
或いは、
所定の操作入力による操作信号に基づいて演算処理装置内の通信回路をリセット(少なくともリセット、又はリセットとさらに再設定)する通信回路リセット操作制御手段を備えることを特徴とする遊技機。
なお、所定の操作入力を行うための入力手段(スイッチ等)は、制御装置に設けても良いし、遊技機内において制御装置と電気的に接続される他の制御装置や電源装置等に設けても良い。また、エラー解除コマンドは、外部装置側の通信回路をリセットさせる指令を含むコマンドである。
この発明概念T3Aによれば、遊技機や制御装置の電源を切らず、遊技を継続したまま通信エラーを解除できるので、遊技者に不信感を与えないという効果が得られる。
例えば、遊技機外の外部装置としての遊技場の管理装置に対して、個体識別情報の通信エラーを発生した場合、エラー解除手段や確認手段が必要になってくるという課題がある。外部装置としてのホールコン(管理装置)あるいはカードユニット(球貸装置)への個体識別情報の送信は単方向であるため、遊技機側では個体識別情報が正しく通信できているかを判断できないので、手動によるリセットが必要である。遊技機発明概念T3Aによれば、この課題を解決できる。この発明概念によれば、遊技機や制御装置の電源を切らずに遊技を継続したまま、遊技店の店員等の操作によっていつでも個体識別情報を外部装置側に送って不正確認が行える。また、遊技機や制御装置の電源を切らずに遊技を継続したまま、通信回路だけをリセットすることもできる。
「発明概念T3B」
実施例24では、所定の操作入力による操作信号に基づいてエラー解除コマンドと個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う。
これは、次のような発明概念で表される。
所定の操作入力による操作信号に基づいて個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う個体識別情報出力確認制御手段を備え
前記個体識別情報出力確認制御手段は、
個体識別情報を出力するための操作信号の入力に基づいて、個体識別情報を出力することを示す出力確認用情報(例えばエラー解除コマンド)と個体識別情報とを出力するように構成し、出力確認用情報の容量を個体識別情報の容量よりも大きくした(出力確認用情報のコマンド長を個体識別情報のコマンド長よりも長くした)ことを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、出力確認用情報(例えば、エラー解除コマンド)と個体識別情報とを出力するので、例えば外部装置側では、出力確認用情報を受信したときに、外部装置側の通信回路をリセット(必要に応じてさらに再設定)してエラーを解除するなどの処理が可能である。また、エラー解除コマンドの長さをギリギリまで短くしたことで、通信量が減り、外部装置側の負担を減らせる。受けた情報がエラー解除コマンドであるかの判断も楽になる(既述したような、チップコードとの誤認混同が起き難くなる)。
「発明概念T3C」
実施例24では、所定の操作入力による操作信号があると、通信中の個体識別情報の出力を途中で中止して、その操作信号に基づいて個体識別情報を新たに外部装置側へ出力するようにしている。
これは、次のような発明概念で表される。
遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を遊技機外の外部装置側に出力する制御を行う不正可能性報知出力制御手段と、
所定の操作入力による操作信号に基づいて個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う個体識別情報出力確認制御手段とを備え
個体識別情報出力確認制御手段は、不正可能性報知出力制御手段が個体識別情報を出力中に、個体識別情報を出力するための操作信号を検出した場合は、直ちに不正可能性報知出力制御手段による個体識別情報の出力制御を中止(リセット)させた後、個体識別情報を出力する制御を開始することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、直ちに正しい個体識別情報を出力できるので、外部装置(例えば遊技場の管理装置)は通信エラーか否かを速やかに判断でき、また管理装置に接続されるネットワークの確認も速やかにできる。
「発明概念T3D」
実施例24では、RAMクリアスイッチをオン状態で電源スイッチをオンすると、揮発性記憶領域をクリアし、電源スイッチがオン中に(遊技機が動作中に)、RAMクリアスイッチをオンすると個体識別情報が遊技機外の外部装置側へ出力される。
これは、次のような発明概念で表される。
所定の操作入力(例えば、RAMクリアスイッチの操作)に基づいて遊技機用演算処理装置の揮発性記憶領域(RAM)をクリアするためのクリア信号(初期化スイッチ信号)を発生させ、演算処理装置の不揮発性記憶領域(ROM)に記憶された遊技プログラムが起動した際、前記クリア信号がアクティブであることを検出した場合に、揮発性記憶領域をクリアし、遊技プログラムの起動後に、前記クリア信号を検出した場合は、揮発性記憶領域をクリアすることなく個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力するべく、個体識別情報出力確認制御手段を能動状態とすることを特徴とする遊技機。
なお、クリア信号を発生させるための操作を行う入力手段(例えば、RAMクリアスイッチ)は、制御装置に設けても良いし、遊技機内において制御装置と電気的に接続される他の制御装置や電源装置等に設けても良い。
この発明概念によれば、RAMクリアスイッチを共用で使うので、個体識別情報を出力させるために別個の操作手段を設ける場合に比べて、コストアップしないという効果がある。また、通常遊技中はRAMクリアスイッチの機能は無効なので、共用しても、動作に矛盾も生じないという効果がある。
「発明概念T4A」
実施例28では、通信速度を毎回変更するようにしている。
これは、次のような発明概念で表される。
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
特典を付与するか否かを決定する乱数値を生成するためのカウンタ回路を有し、
前記遊技機用演算処理装置は、
動作開始後、前記カウンタ回路を起動させてから前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ報知するために双方向通信する個体識別情報初期出力制御手段を備え
個体識別情報初期出力制御手段は、通信速度を毎回変更する通信速度変更手段を備えていることを特徴とする遊技機。
通信速度変更手段は、例えば、不揮発性記憶手段(例えば、遊技機用演算処理装置に内蔵されたバックアップ電源を供給されたRAM等)を利用し、通信速度の設定に一度使用した数値を書き換え、変更等し、次回の速度変更を実現する。
この発明概念によれば、コストを掛けずに通常処理の開始タイミングを変更でき、乱数値をより予測しにくくすることができる。通信の設定を変更するのは簡単だからである。
「発明概念T4B」
実施例28では、シリアル通信で行うようにしている。
これは、次のような発明概念で表される。
個体識別情報初期出力制御手段は、双方向通信をシリアル通信で行うことを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、信号線が少なく済み、コスト負担が少ない。パラレル通信による双方向通信では、主基板、払出基板が互いにプログラムの進行を中断させ合ってしまうため、処理時間やプログラム容量に負荷が掛かる。シリアル通信機能を持つ演算処理装置は多いので、内部的な通信用レジスタ、割込み等を利用すれば、処理時間やプログラム容量の負担を少なくできる。
「発明概念T4C」
実施例28では、通信回路に電子定数的ばらつきの大きい電子部品を使用している。
これは、次のような発明概念で表される。
制御装置は、個体識別情報初期出力制御手段によって双方向通信制御される信号を制御装置外と通信可能とするための通信回路を備え、該通信回路に電子定数的ばらつきの大きい電子部品を使用することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、アナログ的なばらつきとなるため、電子制御による乱数値の予測は非常に困難となる。余計な部品等を追加せず、回路を構成するための正規の部品を最小限数使用するだけなので、コストアップにもならない。部品の準備も容易という利点がある。
「発明概念T4D」
実施例28では、外部装置側の受信装置が、双方向通信を行う信号に対してランダムな遅延を生じさせるようにしている。
これは、次のような発明概念で表される。
制御装置外の受信装置(外部装置側)は、双方向通信を行う信号に対してランダムな遅延を生じさせる遅延手段を備えていることを特徴とする遊技機。
遅延手段は、通信回路に電子定数的ばらつきの大きい電子部品を使用、または、乱数発生回路等を利用して遅延時間を作成する。
この発明概念によれば、受信側の応答をランダムに遅延させることで、送信側の通常処理の開始の遅延に大きく影響を与えるので、その間も乱数が更新することになり、予測がより困難になる。電子定数的ばらつきの大きい電子部品を使用した場合はアナログ的なばらつきとなるため、電子制御による乱数値の予測は非常に困難となる。
「発明概念T4E」
実施例28では、カウンタ更新速度を送信クロックよりも早くしている。
これは、次のような発明概念で表される。
カウンタ回路は、カウンタの更新速度を双方向通信に使用する送信クロックよりも早く設定することを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、通信による微細なずれを乱数カウンタ値に大きく反映できるようになり、乱数値の予測を困難にできる。
「発明概念T5A」
実施例29では、外部装置側への出力経路と、試射試験装置への出力経路を異ならせている。
これは、次のような発明概念で表される。
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
前記遊技機用演算処理装置は、
当該遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号出力制御手段は、
前記遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報とを遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う不正可能性報知出力制御手段と、
前記遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報とを検査機関の検査装置側へ出力する制御を行う検査用出力制御手段と、
を含み、
前記不正可能性報知出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させた出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させて出力制御するものであり、
前記検査用出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を検査機関の検査装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を報知する前記遊技機状態信号にのみ前記個体識別情報を対応させて出力制御するものであり、
不正可能性報知出力制御手段によって実現され出力される遊技機状態信号及び個体識別情報の出力ポート(若しくはチップセレクト)と、検査用出力制御手段によって実現され出力される遊技機状態信号及び個体識別情報の出力ポート(若しくはチップセレクト)と、は別々に設けられていることを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、出力先が異なるので必要に応じた信号形態で出力できる。信号分岐で出力すると同じ信号しか出せないので、信号線の増加、又は情報の削減等が必要になってしまうという問題が解消できる利点がある。
「発明概念T5B」
実施例29では、外部装置側へはパラレル出力とし、試射試験装置へはシリアル出力としている。
これは、次のような発明概念で表される。
不正可能性報知出力制御手段によって実現され出力される個体識別情報と検査用出力制御手段によって実現され出力される個体識別情報とは出力形態を異にし、不正可能性報知出力制御手段によって出力制御される個体識別情報はパラレル出力であり、検査用出力制御手段によって出力される個体識別情報はシリアル出力であることを特徴とする遊技機。
この発明概念によれば、ホールコン等に固体識別情報を送信するときはパラレル信号としておくことにより、遊技機メーカ間での通信仕様を統一しなくても受信しやすい信号形態にできる。また、従来から出力している遊技機状態信号の延長上の扱いとできる。なお、シリアル通信だと通信速度等の遊技機−ホールコン間の厳密な取り決めが必要となり、メーカ間で異なる仕様になった場合、ホールでの設備の設定が非常に困難となってしまうが、本発明概念であるとこの問題がない。また、検査機関での信号形態は容易に全遊技機メーカ統一の仕様にできるので、送受信しやすいシリアル通信とすることで、遊技機のハード(部品の実装面積等)、ソフトへの負担を軽減し、検査装置にとっても情報が扱いやすくなる利点がある。
次に、本発明の変形例について説明する。
発明概念の説明であるから、実施例のような具体的部材番号は略している。ただし、各実施例の解釈に通用する概念であるので、以下に纏めている。
本発明は、以下のような変形例であってもよい。
「変形例1」
本発明では、上記各実施例に記載のように、遊技制御装置は、ガラス枠の開放を検知するガラス枠開放検知手段、前面枠の開放を検知する前面枠開放検知手段、磁力を検知する磁力検知手段、振動を検知する振動検知手段、電波を検知する電波検知手段等からの検知信号や、電源投入スイッチがオンされたことを知らせる電源投入信号、第1の演算処理装置(遊技用演算処理装置)の揮発性記憶領域の全部或いは所定領域を初期化するためスイッチがオンされたことを知らせるRAMクリア信号、等の信号線が接続され、これら信号が当該第1の演算処理装置に入力されている。
なお、揮発性記憶領域を前記のように初期化するためのスイッチを遊技制御装置上に設けてもよい。
そして、これら入力された信号を外部へ知らせる信号や、遊技進行の過程で発生する大当たりを知らせる大当たり信号、図柄を回動させるための条件となる始動口への入賞を知らせる始動口信号、図柄が回動開始、或いは、図柄の回動停止をトリガに図柄回転を知らせる図柄確定回数信号、遊技状態が遊技者に有利な状態であること(いわゆる確変状態、時短状態)を示す特典状態信号等、外部へ報知する信号を遊技機状態信号と称している。
なお、特典状態信号は、大当たり状態終了後に発生するため、“大当たり状態+遊技者に有利な状態”期間中に出力される信号である。
払出制御装置は、電波を検知する電波検知手段等からの検知信号等が接続され、これら信号が第2の演算処理装置に入力されている。そして、この検知信号等、或いは、払出数を外部へ知らせる賞球数信号を遊技機状態信号と称している。
即ち、遊技機状態信号には、特典状態信号、大当たり信号、始動口入賞信号、図柄確定回数信号、ガラス枠開放信号、前面枠開放信号、電源オン信号、磁力検知を知らせる磁力検知信号、振動検知を知らせる振動検知信号、電波検知を知らせる電波検知信号、賞球数信号等が含まれる。
なお、電源投入信号、磁石検知信号、振動検知信号及び電波検知信号をORして一つのセキュリティ信号として外部に出力するようにしてもよい。
「変形例1」の発明概念によれば、次の効果がある。即ち、ROM交換によるメリットは不正に大当りさせることや遊技球の不正獲得であり、交換する時期は営業時間外や遊技中での枠の不正開放時である。これらの事象に関連する遊技機状態信号と対応させて個体識別情報を送信するので、不正が行われた可能性のある状態である遊技機のROMが正しいものであるかが直ちに判断できる。
「変形例2」
本発明において、演算処理装置の遊技機状態信号出力制御手段が遊技機状態信号に対応させて個体識別情報を送信制御する場合の、“対応させて”とは、遊技機状態信号の立ち上がりタイミングに対応、遊技機状態信号の立ち下がりタイミングに対応、あるいは、遊技機状態信号の出力中(レベル信号)に対応、をするものである。
具体的には、遊技機状態信号が前面枠開放信号である場合は、前面枠開放のタイミング、前面枠閉鎖のタイミング、あるいは、前面枠開放中、に対応するものである。
「変形例2」の発明概念によれば、次の効果がある。即ち、遊技中に電源投入された場合は事象が起こり始めた時点から不正の可能性が高いので直ちに、一方、遊技枠開放時は閉じ終わって遊技の再開時に、というように演算処理装置の正当性を知りたいタイミングは事象により異なるため、対応する遊技機状態信号により個体識別情報の出力タイミングを使い分けることは、効率の良い不正判定に繋がる。
なお、前述した実施例1は、全ての遊技機状態信号について、遊技機状態信号の立ち上がりのタイミングで個体識別情報の出力を開始する形態例であるが、実施例16等では、枠閉鎖時に個体識別情報の出力を開始する構成となっている。
「変形例3」
本発明において、個体識別情報(固有ID、すなわち主基板固有ID)は、少なくとも、演算処理装置を一意に識別するための識別符号を含み、または演算処理装置を一意に識別するための識別符号及び製造会社を識別するための符号としてもよく、さらに演算処理装置を一意に識別するための識別符号、製造会社を識別するための符号及び遊技機の機種を識別するための符号としてもよい。例えば、実施例1では、演算処理装置を一意に識別するための識別符号(チップコード)を少なくとも含み、これに加えて、製造会社を識別するための符号(メーカコード)や遊技機の機種を識別するための符号(製品コード)を個体識別情報として扱っている(例えば、図27の態様がこれに当る)。なお、払出個体識別情報(払出固有ID)も同様である。
「変形例3」の発明概念によれば、次の効果がある。即ち、演算処理装置を一意に識別するための識別符号を送信することで、不正にROMを複製することを困難にすることが出来る。
また、製造会社や遊技機の機種を識別する符号を送信することで、ホールにおける遊技機の管理を容易にすることができる。即ち、設置場所(例えば、遊技場ホールにおける機種毎やメーカ毎の遊技機の配置)の管理や、新台入れ替え時などにおける台の登録(管理装置への機種毎やメーカ毎の台数や配置の登録)の作業が、遊技機から管理装置に送られてくる上記個体識別情報によって容易に実現できる効果がある。
「変形例4」
本発明において、演算処理装置は、遊技機状態信号のうち、電源投入信号(例えば、前述のセキュリティ信号)を出力する場合は、当該電源投入信号に対応させて、
(A)個体識別情報として演算処理装置を一意に識別するための識別符号及び製造会社を識別するための符号、若しくは、
(B)演算処理装置を一意に識別するための識別符号、製造会社を識別するための符号及び遊技機の機種を識別するための符号を出力し、
電源投入信号を除く遊技機状態信号(例えば、前述の枠開放信号)を出力する場合は、当該電源投入信号を除く遊技機状態信号に対応させて、個体識別情報として演算処理装置を一意に識別するための識別符号を出力する個体識別情報出力制御手段を有する構成としてもよい。
「変形例4」の発明概念によれば、送信形態を状況により使い分けることで、常時最大数の識別情報を送るよりホールコンピュータ等(管理装置等)の負担を減らせ、効率の良い営業管理を行える。
次に、他の複数の発明概念を以下に説明する。
説明の都合上、YやTという区別で、他の発明概念を説明していく。
前述したように、実施例1等からは発明概念T1と発明概念Y1が抽出できる。これ以外の発明概念としては、T2〜T5と、Y2〜Y3がある。なお、前述した実施例1〜32は全て発明概念T1の実施例であるが、このうち、実施例20〜23が発明概念T2(本願発明)の具体例であり、実施例24〜27が発明概念T3の具体例であり、実施例28が発明概念T4の具体例であり、実施例29〜32が発明概念T5の具体例である。
以下、まず発明概念Y1をあらためて説明した後、発明概念Y2、Y3,T2〜T5を順次説明していく。
「発明概念Y1」
発明概念Y1の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、
を備えたことを特徴とする遊技機。
次に、「発明概念Y1」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
遊技制御装置に設けられる演算処理装置の正当性を確認できるように固有IDを演算処理装置に記録し、遊技機外の外部装置からの要求により固有IDを出力するものがある(特許文献:特開2000−126427号参照)。
「発明が解決しようとする課題」
上述の演算処理装置は、遊技制御を行う遊技領域部と、演算処理装置の情報管理を行う情報領域部とから構成され、情報領域部が固有IDを出力している。即ち、ユーザが作成した遊技プログラムで管理できるのは遊技領域側であり、この遊技プログラムの制御下で固有IDを出力しているものではない。
しかし、そのためには、情報処理部の改善や変更が必要となるが、莫大な費用や期間を要してしまう。
そこで、遊技プログラムによって効率良く、固有IDを出力できるようにした演算処理装置の要望がある。
そこで本発明(「発明概念Y1」)は、上記問題点に鑑み、固有IDを効率良く演算処理装置から出力する遊技機を提供することを目的とする。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念Y1」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念Y1によれば、以下の効果がある。
遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを演算処理装置から出力することができる。その場合に、情報処理部の大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
固有ID(個体識別情報)は第1の演算処理装置であることを識別可能であると同時に、遊技機毎を識別可能であるため、遊技店が個々の遊技機を管理することが可能で、不正者は個々の演算処理装置に対して不正改造を施さなければならなくなるのでセキュリティが向上するという効果がある。
主基板である遊技制御装置と外部情報端子板との間の全部品が盤要素(交換可能な遊技盤面という要素)となる構成に比べて、遊技制御装置−払出制御装置−外部情報端子板の間で、遊技制御装置以外の基板と全配線を枠要素(遊技枠の方で、遊技盤を装着する側)にすると、いわゆるベニヤ価格を安く提供でき、新台入替時の交換作業の効率があがる。
また、処理時間に余裕のない(演出制御装置等も管理している)遊技制御装置は、固有IDの送信タイミングで固有IDを払出制御装置に送信し、処理時間に余裕のある(遊技球の払い出しのため待ち時間が多く処理に余裕がある)払出制御装置が固有IDを出力制御するようにした構成なので、固有IDの出力時間を長めに(信号幅を長めに)出力制御でき、また連続して固有IDを出力する際も、後に出力する固有IDの出力を待ちオフ時間を挟んで出力することができる。したがって、遊技機全体として遊技機外へ正確性を担保し、効率良く固有IDを出力することができる。
「発明を実施するための形態」
「発明概念Y1」の実施形態は、例えば前述した実施例1である。
「発明概念Y2」
「発明概念Y2」が「発明概念Y1」(基本発明)と異なるのは、下記の構成である。
(イ)遊技機外の外部装置へ信号伝達のために外部装置側と接続するための外部端子基板(外部情報端子板に相当、以下同様)と、
(ロ)前記外部端子基板には、フォトカプラを設けると共に、前記外部装置との接続部を設け、
(ハ)前記個体識別情報出力制御手段は、前記フォトカプラを介して前記個体識別情報を出力制御することを特徴とする遊技機。
課題を解決する発明(発明概念Y2)の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、
遊技機外の外部装置へ信号伝達のために外部装置側と接続するための外部端子基板と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置が受け取り可能に出力制御する個体識別情報出力制御手段と、
を備え、
前記外部端子基板は、
前記払出制御装置と接続されるとともに、フォトカプラと、前記外部装置との接続部とを有し、
前記個体識別情報出力制御手段は、前記フォトカプラを介して前記個体識別情報を出力制御することを特徴とする遊技機。
次に、「発明概念Y2」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
遊技制御装置に設けられる演算処理装置の正当性を確認できるように固有IDを演算処理装置に記録し、遊技機外の外部装置からの要求により固有IDを出力するものがある(特許文献:特開2000−126427号参照)。
「発明が解決しようとする課題」
上述の演算処理装置は、遊技制御を行う遊技領域部と、演算処理装置の情報管理を行う情報領域部とから構成され、情報領域部が固有IDを出力している。即ち、ユーザーが作成した遊技プログラムで管理できるのは遊技領域側であり、この遊技プログラムの制御下で固有IDを出力しているものではない。
そのため、固有IDの出力形態(プロトコル等)の改善や変更等を行うには情報処理部の改善や変更が必要となり、演算処理装置を構成するIC自体を作成し直すことになる。これは莫大な費用や期間を要してしまう。
そこで、機種毎に作成されるとともに演算処理装置に書き込まれる遊技プログラムにこの固有IDを出力する機能を備えれば、遊技プログラムの変更によって固有IDの出力形態や出力タイミング等の改善や変更が安価で迅速に行うことができる。そのため、遊技プログラムによって固有IDを出力できるようにした演算処理装置の要望がある。
しかし近年、磁石や振動等による不正対策や遊技の興趣を高めるための工夫等で、遊技プログラムが複雑になり、また新たに固有IDを出力するための処理を追加となり、プログラムサイズが大きくなることが余儀なくされるが、遊技プログラムは所定のサイズに収めなければならず、遊技プログラムの効率化を行わなければならない。
また、固有IDを遊技機外の外部装置側へ出力する場合、アイソレーションする必要があり、かつ外部装置側が固有IDの受け取りミスがないように正確性を担保する必要がある。
そこで本発明(「発明概念Y2」)は、上記問題点に鑑み、固有IDを効率良くかつ正確に遊技機外の外部装置側へ出力できる遊技機を提供することにある。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念Y2」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念Y2によれば、以下の効果がある。
遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを演算処理装置から出力することができる。その場合に、情報処理部の大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
また、遊技制御装置−払出制御装置間の通信が払出制御装置−外部情報端子板間の通信より高速で終了することで、第1の演算処理装置は通信処理以外の処理を行うことができるので、第1の演算処理装置は個体識別情報の出力契機をのがさない。
第2の演算処理装置で個体識別情報を一時的に記憶すれば、外部情報端子板への出力は低速にできるので、高速な通信に向いていないフォトカプラを使用しても問題がない。
遊技制御装置−払出制御装置−外部情報端子板間の全てが同一な通信速度のプログラムであるので、個体識別情報の出力契機をのがすことに注視しなくてよく、よって、プログラムを簡素化して作れる。
処理時間に余裕のない(演出制御装置等も管理している)遊技制御装置は、固有IDの送信タイミングで固有IDを払出制御装置に送信し、処理時間に余裕のある(遊技球の払い出しのため待ち時間が多く処理に余裕がある)払出制御装置が固有IDを出力制御するようにしたので、固有IDの出力時間を長めに(信号幅を長めに)出力制御でき、また連続して固有IDを出力する際も、後に出力する固有IDの出力を待ちオフ時間を挟んで出力することができる。
即ち、遊技機全体として遊技機外へ正確性を担保し効率良く固有IDを出力することができる。
「発明を実施するための形態」
「発明概念Y2」は、上述した実施例1をベースにして実施する。
ただし、その場合に、実施例1において、遊技制御装置−払出制御装置間の通信速度が払出制御装置−外部情報端子板間の通信速度より速くなるように設定されている。
したがって、以下のような特有の効果がある。
遊技制御装置−払出制御装置間の通信が払出制御装置−外部情報端子板間の通信より高速であることで、払出制御装置の受信処理が短期で終了し、前回の個体識別情報と、新たに(今回)受信した個体識別情報とを比較判定する処理時間を確保することができ、セキュリティが向上する。
遊技制御装置−払出制御装置間の通信が払出制御装置−外部情報端子板間の通信より高速であることで、払出制御装置の受信処理が短期で終了し、外部情報を出力する処理時間を確保することができ、セキュリティが向上する。
「発明概念Y3」
次に、発明概念Y3について説明する。
「発明概念Y3」が「発明概念Y1」と異なるのは、下記の構成である。
(イ)外部端子基板(外部情報端子板に相当、以下同様)がある。
(ロ)外部端子基板は、前記払出制御装置と接続する第1の接続部と、外部装置側と接続するための第2の接続部がある。
ただし、「発明概念Y2」の“接続部”は”第1の接続部“を含んでいない。
(ハ)第1の接続部からの信号をアイソレーションして前記第2の接続部に伝達するアイソレーション手段がある(ただし、「発明概念Y2」のような“フォトカプラを介して”との限定はない)。
また、「発明概念Y3」が「発明概念Y2」と異なるのは、下記の構成である。
(ニ)前記第2の接続部は、
前記出力手段からの前記遊技機状態信号を伝達するためのプッシュ式ターミナルと、
前記個体識別情報出力制御手段からの個体識別情報を伝達するための基板対電線用コネクタと、を備える。
課題を解決する発明(発明概念Y3)の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、前記遊技制御装置からの賞球情報に基づいて遊技者へ賞として遊技球を払い出す制御を行う払出制御装置と、
遊技機外の外部装置へ信号伝達のために外部装置側と接続するための外部端子基板と、を有し、
前記遊技制御装置には遊技を管理する遊技プログラムを実行するための第1の演算処理装置と、
前記払出制御装置には遊技球を払い出す払出プログラムを実行するための第2の演算処理装置と、を備えた遊技機において、
前記第1の演算処理装置は、
当該第1の演算処理装置であることを識別可能な個体識別情報が記憶される個体識別情報記憶部と、
前記個体識別情報記憶部に記憶された前記個体識別情報を前記払出制御装置へ送信する送信制御手段と、
を有するとともに、
前記送信制御手段は、当該第1の演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機状態信号として払出制御装置に送信制御する機能を含み、
を備え、
前記第2の演算処理装置は、
前記送信制御手段から送信された前記個体識別情報を受信する受信制御手段と、
前記受信制御手段が受信した前記個体識別情報を遊技機外の外部装置にパラレル出力制御する個体識別情報出力制御手段と、
前記遊技制御装置から出力される遊技機状態信号を遊技機外の外部装置へ出力する出力手段と、
を備え、
前記外部端子基板は、
前記払出制御装置と接続する第1の接続部と、
外部装置側と接続するための第2の接続部と、
前記第1の接続部からの信号をアイソレーションして前記第2の接続部に伝達するアイソレーション手段と、
を備え、
前記第2の接続部は、
前記出力手段からの前記遊技機状態信号を伝達するためのプッシュ式ターミナルと、
前記個体識別情報出力制御手段からの個体識別情報を伝達するための基板対電線用コネクタと、
を具備することを特徴とする遊技機。
次に、「発明概念Y3」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
遊技制御装置に設けられる演算処理装置の正当性を確認できるように固有IDを演算処理装置に記録し、遊技機外の外部装置からの要求により固有IDを出力するものがある(特許文献:特開2000−126427号参照)。
「発明が解決しようとする課題」
上述の演算処理装置は、遊技制御を行う遊技領域部と、演算処理装置の情報管理を行う情報領域部とから構成され、情報領域部が固有IDを出力している。即ち、ユーザーが作成した遊技プログラムで管理できるのは遊技領域側であり、この遊技プログラムの制御下で固有IDを出力しているものではない。
そのため、固有IDの出力形態(プロトコル等)の改善や変更等を行うには情報処理部の改善や変更が必要となり、演算処理装置を構成するIC自体を作成し直すことになる。これは莫大な費用や期間を要してしまう。
そこで、機種毎に作成されるとともに演算処理装置に書き込まれる遊技プログラムにこの固有IDを出力する機能を備えれば、遊技プログラムの変更によって固有IDの出力形態や出力タイミング等の改善や変更が安価で迅速に行うことができる。そのため、遊技プログラムによって固有IDを出力できるようにした演算処理装置の要望がある。
しかし近年、磁石や振動等による不正対策や遊技の興趣を高めるための工夫等で、遊技プログラムが複雑になり、また新たに固有IDを出力するための処理を追加となり、プログラムサイズが大きくなることが余儀なくされるが、遊技プログラムは所定のサイズに収めなければならず、遊技プログラムの効率化を行わなければならない。
また、固有IDを遊技機外の外部装置側へ出力する場合、アイソレーションする必要があり、かつ外部装置側が固有IDの受け取りミスがないように正確性を担保する必要がある。
そこで本発明(「発明概念Y3」)は、上記問題点に鑑み、固有IDを効率良くかつ正確に遊技機外の外部装置側へ出力できる遊技機を提供することにある。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念Y3」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念Y3によれば、以下の効果がある。
遊技プログラムの制御下で効率良く、容易に固有IDを演算処理装置から出力することができる。その場合に、情報処理部の大幅な改善や変更は必要なく、莫大な費用や期間も要しない。
また、遊技機状態信号を伝達するために従来の方式と変わらないプッシュ式ターミナルを具備することで、個体識別情報を伝達するために新しい基板対電線用コネクタを具備したとしても、これらの接続を行う作業者に遊技機状態信号に関わる接続方法は従来と同じであることを認識させ、作業者は従来と同じ手順で容易に接続作業を行うことができる。
個体識別情報を伝達するために基板対電線用コネクタを具備することで、新たに接続作業の時間は追加となるが、一つの手順で終了するので、複数台の機械を設置する場合においても、負担を最小限に留めることができる。
個体識別情報を伝達するために従来のプッシュ式ターミナルを具備したとすると、接続作業が煩雑になる。これに対して「発明概念Y3」では、新たに基板対電線用コネクタを具備することで、個体識別情報において重要な配線の並びを間違えるような誤接続を防ぐことができる。
同一の外部端子基板(外部情報端子板、以下同様)に遊技機状態信号を伝達するための接続部と個体識別情報を伝達するための接続部を具備したとしても、互いの接続を入れ間違えるような誤接続を防ぐことができる。
上記のように未然に誤接続を防ぐことができるので、誤接続であるにも関わらず、収集したデータが異常値を示したという理由で、外部端子板やその他のデータ出力に関わる基板に不具合の疑いがかけられ、部品交換の扱いになることも防ぐことができる。
プッシュ式ターミナルを基板対電線用コネクタが具備していれば、ハンダを用いた接続を行わなくてすむ。
処理時間に余裕のない(演出制御装置等も管理している)遊技制御装置は、固有IDの送信タイミングで固有IDを払出制御装置に送信し、処理時間に余裕のある(遊技球の払い出しのため待ち時間が多く処理に余裕がある)払出制御装置が固有IDを出力制御するようにしたので、固有IDの出力時間を長めに(信号幅を長めに)出力制御でき、また連続して固有IDを出力する際も、後に出力する固有IDの出力を待ちオフ時間を挟んで出力することができる。即ち、遊技機全体として遊技機外へ正確性を担保し効率良く固有IDを出力することができる。
「発明概念T2」
次に、発明概念T2(本願発明)について、あらためて簡単に説明する。
「発明概念T2」が「発明概念T1」と異なるのは、下記の構成である。
(イ)前記不正可能性報知出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号にのみ前記個体識別情報を対応させて出力制御する。
次に、「発明概念T2」の「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
発明概念T1において、遊技機状態信号が重複して発生した場合に個体識別情報を出力する際の問題がある。例えば、遊技機状態信号毎に個体識別情報を出力するための信号線を設けて対処することが考えられるが、その場合、信号線が増加し、コストアップし、制御装置のRAMの消費が増加し、外部装置側(管理装置等)の処理負担も増加する。
そこで、本発明(「発明概念T2」)は上記問題点に鑑みなされたものである。
「発明の効果」
発明概念T2によれば、以下の効果がある。
個体識別情報を出力するための信号線を増加させずに、管理しやすい形態での不正報知を行える。このため、コストダウンが図れ、制御装置のRAMの消費が少なくて済む。また、直近で同じ値であるはずの個体識別情報を受けなくて済むので、ホールコン等(管理装置等)の負担が減る。
また、個体識別情報を遊技機状態信号と対応させて出力するので、行われた可能性のある不正の種類をある程度限定しやすくなるので、本当に不正が行われていた時の対処を取りやすくなる。
「発明を実施するための形態」
「発明概念T2」を実施するための形態は、例えば前述した実施例20〜23である。
「発明概念T3」
次に、発明概念T3について説明する。
「発明概念T3」が「発明概念T1」と異なるのは、下記の構成である。
(イ)前記不正可能性報知出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させた出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させて出力制御する。
課題を解決する発明(発明概念T3)の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
前記遊技機用演算処理装置は、
当該遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号出力制御手段は、
前記遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側に出力する制御を行う不正可能性報知出力制御手段を含み、
前記不正可能性報知出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させた出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させて出力制御することを特徴とする遊技機。
次に、「発明概念T3」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
遊技用演算処理装置を有する制御装置等に対して不正が行われた可能性が高いことを外部に知らせるために、例えば、ガラス枠や前面枠が開放されたことを示す信号を外部へ出力する遊技機がある。
(特許文献:特開2008−272342号参照)
「発明が解決しようとする課題」
しかしながら、ガラス枠等が開放されたこを示す信号を出力しているだけでは、遊技機に対して不正された可能性があることを報知することはできるが、遊技用演算処理装置を有する制御装置に対する不正がされたことの可能性を高めるものとはなっていなかった。そのため本願出願人は、発明概念T1を創作した。
しかしながら、発明概念T1において、遊技機状態信号が重複して発生した場合に個体識別情報を出力する際の問題がある。例えば、遊技機状態信号毎に個体識別情報を出力するための信号線を設けて対処することが考えられるが、その場合、信号線が増加し、コストアップし、制御装置のRAMの消費が増加し、外部装置側(管理装置等)の処理負担も増加する。
そこで本発明(「発明概念T3」)は、上記問題点に鑑みなされたものである。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念T3」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念T3によれば、以下の効果がある。
個体識別情報を出力するための信号線を増加させずに、管理しやすい形態での不正報知を行える。このため、コストダウンが図れ、制御装置のRAMの消費が少なくて済む。しかも、発明概念T2に比べて、信号の消失がない。つまり、遊技機状態が重複して発生した場合でも、全ての遊技機状態信号に対応させた個体識別情報の出力が行われる。
また、個体識別情報を遊技機状態信号と対応させて出力するので、行われた可能性のある不正の種類をある程度限定しやすくなるので、本当に不正が行われていた時の対処を取りやすくなる。特に発明概念T3では、前述したように信号の消失がなく、遊技機状態が重複して発生したときでも、個体識別情報が各遊技機状態信号と対応させて出力されるので、外部装置側では、行われた可能性のある不正の種類の判定等がより信頼性高く行える。
なお、遊技状態信号同士は独立しているため、例えば、大当り信号や枠開放信号は同時に出力ができる。それに個体識別情報を対応して出力するには、遊技状態信号数分の信号線が必要となり、信号線の煩雑さや制御・管理のし辛さを招いてしまう。しかし、遊技機状態信号が重複したときに、後に発生した遊技機状態の遊技機状態信号を待機させ、先に発生した遊技機状態の遊技機状態信号に対応させた個体識別情報の出力が終了した後に、この遊技機状態信号についても個体識別情報を対応させて出力制御する構成であれば、信号線を増やす必要がない。
「発明を実施するための形態」
「発明概念T3」の実施形態は、例えば前述の実施例24〜27である。
「発明概念T4」
次に、発明概念T4について説明する。
「発明概念T4」が「発明概念T1」と異なるのは、下記の構成である。
(イ)特典を付与するか否かを決定する乱数値を生成するためのカウンタ回路を有し、
(ロ)前記遊技機用演算処理装置は、動作開始後、前記カウンタ回路を起動させてから前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ報知するために双方向通信する個体識別情報初期出力制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
なお、発明概念T4には、発明概念T1の「当該遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、前記遊技機状態信号出力制御手段は、前記遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う」という構成はない。
課題を解決する発明(発明概念T4)の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
特典を付与するか否かを決定する乱数値を生成するためのカウンタ回路を有し、
前記遊技機用演算処理装置は、
動作開始後、前記カウンタ回路を起動させてから前記個体識別情報を遊技機外の外部装置側へ報知するために双方向通信する個体識別情報初期出力制御手段を備えたことを特徴とする遊技機。
なお、遊技機用演算処理装置の通常処理は、例えば、上記双方向通信における確認応答(いわゆるアック;ACK)を受信した時点で開始される。
次に、「発明概念T4」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
個体識別情報(ID)の値に基づいて、遊技機毎に電源立ち上げ時の通常処理の開始タイミングを異ならせることにより、乱数カウンタの値を予測しにくくして不正行為を防止している。(特許文献:特開2005−040520号参照)。
「発明が解決しようとする課題」
遊技制御装置に不正な基板を取り付けることにより、不当に大当りを発生させる不正行為が問題となっている。上記特許文献に例示の遊技機は、各遊技機間の通常処理の開始タイミングは異なるが個々の遊技機における開始タイミングは、常に一定でありランダムではないため、乱数カウンタの値の予測が不可能であるとは言えず、不正行為の問題を内在している。
そこで本発明(「発明概念T4」)は、上記問題点に鑑みなされたものである。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念T4」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念T4によれば、通信環境により再送回数やウェイト時間がランダムとなり、通常処理を開始するときの乱数値をIDから予測するようなことはできない。
「発明を実施するための形態」
「発明概念T4」の実施形態は、例えば、前述した実施例28である。
「発明概念T5」
次に、発明概念T5について説明する。
「発明概念T5」が「発明概念T3」と異なるのは、下記の構成である。
(イ)前記遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報とを検査機関の検査装置側へ出力する制御を行う検査用出力制御手段を備える。
(ロ)前記検査用出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を検査機関の検査装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を報知する前記遊技機状態信号にのみ前記個体識別情報を対応させて出力制御するものである。
課題を解決する発明(発明概念T5)の発明特定事項は、以下の通りである。
「発明特定事項」
遊技機の進行を管理する遊技制御装置と、
個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置を備えた遊技機において、
前記遊技機用演算処理装置は、
当該遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知するために遊技機状態信号を出力制御する遊技機状態信号出力制御手段を有し、
前記遊技機状態信号出力制御手段は、
前記遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報とを遊技機外の外部装置側へ出力する制御を行う不正可能性報知出力制御手段と、
前記遊技機状態信号と当該遊技機状態信号に対応させて前記個体識別情報とを検査機関の検査装置側へ出力する制御を行う検査用出力制御手段と、
を含み、
前記不正可能性報知出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させた出力制御が終了するまで、後に発生した遊技機状態を遊技機外の外部装置側へ報知する前記遊技機状態信号の出力制御を待機し、当該待機した前記遊技機状態信号に前記個体識別情報を対応させて出力制御するものであり、
前記検査用出力制御手段は、
前記遊技機用演算処理装置が検出可能な遊技機状態が重複して発生し、該重複して発生した遊技機状態を検査機関の検査装置側へ個別に報知するために、個別に対応した前記遊技機状態信号を出力制御する場合、先に発生した遊技機状態を報知する前記遊技機状態信号にのみ前記個体識別情報を対応させて出力制御するものである、ことを特徴とする遊技機。
次に、「発明概念T5」の「背景技術」「発明が解決しようとする課題」などは、下記の通りである。
「背景技術」
遊技用演算処理装置を有する制御装置等に対して不正が行われた可能性が高いことを外部に知らせるために、例えば、ガラス枠や前面枠が開放されたことを示す信号を外部へ出力する遊技機がある。(特許文献:特開2008−272342号参照)。
「発明が解決しようとする課題」
しかしながら、ガラス枠等が開放されたこを示す信号を出力しているだけでは、遊技機に対して不正された可能性があることを報知することはできるが、遊技用演算処理装置を有する制御装置に対する不正がされたことの可能性を高めるものとはなっていなかった。そのため本願出願人は、発明概念T1を創作した。
加えて、発明概念T1において、遊技機状態信号が重複して発生した場合の個体識別情報を出力する際の問題解決として、本出願人は、発明概念T2を創作した。
上述した本出願人が創作した遊技機を市場へ導入するには、検査機関の検査を要し、検査機関の検査装置に対して検査用の信号を出力する等の検査用処理及び検査用電子回路、等が、遊技を行うための遊技処理及び遊技処理に係わる遊技用電子回路、等とは別に必要となる。
なお、検査用電子回路は検査時のみプリント基板に配設され、販売される際には、検査用電子回路やそれに対応する検査用コネクタはプリント基板上に非配設状態とするが検査用処理(検査用プログラム)は削除することなくそのまま遊技用処理(遊技プログラム)と共存させている。これは、検査機関において適合した状態を担保させるとともに不正をするために利用されるかもしれない情報を入手できないようにするためである。即ち、検査に適合した状態を担保させるため内在するプログラムはそのままとし、不正に利用される可能性のある信号の入手ができないように検査用電子回路や検査用コネクタを非配設とするのである。
そこで、本発明(「発明概念T5」)は、遊技機用演算処理装置を有する制御装置に対する不正の可能性の検出を高めることができ、検査機関における検査の正確性を担保し検査の効率化が行える遊技機を提供するものである。
「課題を解決するための手段」
上記した「発明概念T5」の発明特定事項記載の発明である。
「発明の効果」
発明概念T5によれば、以下の効果がある。
ホールコン等には不正の可能性を報知する信号を減らさずに送信するので、営業中での正確な管理を行える。また、検査機関における検査中はROM交換などの不正が行われることはないので、固体識別情報の送信タイミングが重複しても2重に情報を送信して検査を複雑にするようなことをせずに検査の負担を減らすことが出来る。なお、完全に厳密な検査を行うためには、対応する遊技機状態信号の数分の固体識別情報を同時に並列出力するためのハード・ソフトを設ける必要があるが、遊技に影響せず、途中で固体識別情報が変化する可能性のない検査中のために、制限のあるハード・ソフトの領域を消費することは、遊技の興趣を向上させる妨げになり遊技機の本来の意義に反することになる。しかし、本発明概念であれば、そのような問題が生じない。
「発明を実施するための形態」
「発明概念T5」の実施形態は、例えば前述した実施例29〜32である。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 パチンコ機(遊技機)
4 前面枠
5 ガラス枠
20 遊技盤
25 第1始動入賞口
26 第2始動入賞口2(普電)
27 変動入賞装置
41 表示装置
55 外部情報端子板
100、800,1000、1040,1050、1060、1100、1120,1200、2000、2100、2200 遊技制御装置
111、811、1001、1041、1051、1061、1101、1121、1201、2001、2101、2201 遊技用マイコン(遊技機用演算処理装置、遊技機状態信号出力制御手段、第1の演算処理装置、個体識別情報記憶部、送信制御手段)
200、860,1020、1045、1055、1065、1110、1125、1210、2010、2110,2210 払出制御装置(払出制御手段)
201、1021、1046、1066、1111、1126、1211、2011、2111,2211 払出用マイコン(遊技機用演算処理装置、遊技機状態信号出力制御手段、第2の演算処理装置、受信制御手段、個体識別情報出力制御手段)
211 ガラス枠開放検出スイッチ
212 前面枠開放検出スイッチ
213 オーバーフロースイッチ
214 電波検知センサ
215 払出球検出スイッチ
216 シュート球切れスイッチ
300 演出制御装置
500、850 電源装置
600A、700A 遊技領域部
600B、700B 情報領域部
780 管理装置
551、1112、2220 カードユニット

Claims (1)

  1. 個体識別情報を記憶した遊技機用演算処理装置を有する制御装置と、
    遊技機外の外部装置への信号伝達のために外部装置側との接続を行う外部接続端子を有する外部接続基板と、
    を備えた遊技機において、
    前記個体識別情報には、ユーザプログラムを介して読み取りが可能なチップコードと、ユーザプログラムを介して読み取りが不可能であり前記チップコードと異なる値のCPUIDと、があり
    前記制御装置は、
    遊技に関する情報及び前記チップコードを特定可能な信号を、ユーザプログラムを介して前記外部接続端子から、遊技機外の外部装置へ出力可能に構成される一方で、
    前記チップコード及び前記CPUIDを特定可能な信号を、前記外部接続端子と異なる所定の検査端子から出力可能に構成され、
    前記外部接続基板は、
    前記遊技に関する情報を特定可能な信号を出力する構成と、前記チップコードを特定可能な信号を出力する構成と、が異なることを特徴とする遊技機。
JP2015122585A 2015-06-18 2015-06-18 遊技機 Active JP6000410B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015122585A JP6000410B2 (ja) 2015-06-18 2015-06-18 遊技機

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015122585A JP6000410B2 (ja) 2015-06-18 2015-06-18 遊技機

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010293380A Division JP5786170B2 (ja) 2010-12-28 2010-12-28 遊技機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015163337A JP2015163337A (ja) 2015-09-10
JP6000410B2 true JP6000410B2 (ja) 2016-09-28

Family

ID=54186532

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2015122585A Active JP6000410B2 (ja) 2015-06-18 2015-06-18 遊技機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6000410B2 (ja)

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4112129B2 (ja) * 1999-09-24 2008-07-02 株式会社ソフィア 遊技用演算処理装置
JP4457063B2 (ja) * 2005-09-30 2010-04-28 株式会社ソフイア 遊技機
JP5828611B2 (ja) * 2008-06-26 2015-12-09 株式会社三共 遊技機
JP5540259B2 (ja) * 2009-05-20 2014-07-02 株式会社ソフイア 遊技機

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015163337A (ja) 2015-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5887054B2 (ja) 遊技機
JP6068036B2 (ja) 遊技機
CN103177510B (zh) 结合在游戏设备中的嵌入式用户接口和系统
JP4837347B2 (ja) 遊技機
JP5675336B2 (ja) 遊技機
JP6381213B2 (ja) 遊技機
JP5662796B2 (ja) 遊技機
JP2015089399A (ja) 遊技用システムおよび遊技用装置
JP5786170B2 (ja) 遊技機
JP6592229B2 (ja) 遊技用システムおよび遊技用装置
JP6101965B2 (ja) 遊技機
JP6101966B2 (ja) 遊技機
JP6000410B2 (ja) 遊技機
JP6000411B2 (ja) 遊技機
JP5984271B2 (ja) 遊技機
JP5887055B2 (ja) 遊技機
JP5786171B2 (ja) 遊技機
JP5844521B2 (ja) 遊技機
JP5837297B2 (ja) 遊技機
JP2001137504A5 (ja)
JP2012139372A (ja) 遊技機
JP2015077170A (ja) 遊技用システム
JP2013128618A (ja) 遊技機
JP6062230B2 (ja) 遊技用システム、および遊技制御装置
JP2015196047A (ja) 遊技盤

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150717

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150717

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160623

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160622

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160809

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20160829

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20160830

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6000410

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250